JP4563036B2 - 潤滑流体排出機構及び軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、潤滑流体排出機構及び軸受装置に関し、特に、軸受の温度の上昇を抑制可能な潤滑流体排出機構及び軸受装置に関する。
過給機等の高速回転体においては、ラジアル方向の荷重を支持するためにジャーナル軸受が用いられており、また、軸方向の荷重を支持するためにスラスト軸受が用いられている。ジャーナル軸受とスラスト軸受では、いずれも給油溝から供給された潤滑油によって、回転体との間に油膜が形成される。これらのジャーナル軸受とスラスト軸受には、種々な形状が存在するが、コスト面から固定タイプの軸受が用いられることが多い。
特開平10−103344号公報 特開平9−229069号公報 特開平10−47341号公報
高速回転体においては、回転数が高いために、軸受面での摩擦損失が大きくなり、軸受面での温度が高くなるという問題がある。ジャーナル軸受において軸受面の温度が上昇することは、回転体が軸受に抱きついて焼きついてしまう危険性や、軸受面金属(軸受メタル)の強度低下による軸受の損傷、潤滑油(潤滑流体)の劣化という問題を引き起こす。同様に、スラスト軸受において軸受の温度が上昇すると、潤滑油の粘度が低下し、形成される油膜厚さは減少し、高速、高荷重条件下では、回転体側と直接接触を生じ、損傷の原因となる。
なお、上記特許文献1には、ジャーナル軸受において、軸受円弧面の円周方向下流側端縁部に先端が回転軸に軽く接触するようにブラシシールを設け、ブラシシールの直上流側に排油溝及びこの排油溝に連通する排油孔を形成し、ブラシスールによって、温度が上昇した潤滑油の流れを堰き止め、その潤滑油を排油溝内から排油孔を経て軸受外部に流出させる技術が開示されている。
この上記特許文献1の技術によれば、軸受面に針毛状材を密に植え付ける構成とされ、もともとクリアランスが数十μmと狭い軸受隙間に向けて、針毛状材が軸受面から僅かに突出するように高精度に製造される必要があることから、加工が難しい。また、回転軸とブラシシールが接触することから発熱し、ブラシの内部に高温の油が溜まり、軸受面の熱変形の原因となる。その熱変形は、狭いクリアランスにおいては大きな問題となる。特に、針毛状材の軸受面からの突出量が設計値よりも大きく製造されたり、回転軸が熱膨張すると、ブラシとの接触による発熱量や摩擦損失が大きくなる。
本発明の目的は、軸受の温度の上昇を抑制可能な潤滑流体排出機構及び軸受装置を提供することである。
本発明の潤滑流体排出機構は、回転軸の軸受の潤滑に用いられる潤滑流体を前記回転軸に対して非接触の状態で排出する潤滑流体排出機構であって、前記軸受の軸受面に設けられた潤滑流体が供給される供給孔と、前記供給孔よりも前記回転軸の回転方向の上流側の前記軸受面に形成され前記上流側から前記回転方向に沿って流れてくる潤滑流体を前記軸受面から排出する溝とを備えたことを特徴としている。
上記本発明の潤滑流体排出機構において、前記溝では、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体の流路の断面積が前記上流側よりも相対的に大きくなるため、当該潤滑流体の圧力が低下し、当該潤滑流体の流れが加速された状態でその向きが前記溝内に変更され、その結果、前記供給孔側へ流れる流量が減少する。これにより、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体が前記供給孔側(下流パッド側)に流れ難い(キャリーオーバーし難い)。よって、軸受の温度の上昇が抑制される。上記特許文献1のブラシシールの直上流側に形成された排油溝は、上記本発明の上記機能・作用を有していない。潤滑流体の流路の断面積は、潤滑流体の流路の前記回転方向に直交する断面積であり、前記回転軸と前記軸受との間の軸受隙間であることができる。
本発明の潤滑流体排出機構は、回転軸の軸受の潤滑に用いられる潤滑流体を前記回転軸に対して非接触の状態で排出する潤滑流体排出機構であって、前記軸受の軸受面に設けられた潤滑流体が供給される供給孔と、前記供給孔よりも前記回転軸の回転方向の上流側の前記軸受面に形成された溝と、前記溝に形成され、前記上流側から前記回転方向に沿って流れてくる潤滑流体を前記溝から排出する排出部とを備えたことを特徴としている。
上記本発明の潤滑流体排出機構において、前記排出部は、溝の堰に設けられたチャンファー、又は、溝に設けられた廃油穴であることができる。前記溝では、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体の流路の(前記回転方向に直交する)断面積が前記上流側よりも相対的に大きくなるため、当該潤滑流体の圧力が低下し、当該潤滑流体の流れが加速された状態でその向きが前記溝内に変更され、前記溝に形成された排出部から排出される。
本発明の潤滑流体排出機構において、前記回転方向において前記溝における前記排出部よりも下流側は、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体の流路の(前記回転方向に直交する)断面積が前記溝における前記回転方向の下流側に向けて漸次小さくなるように構成されていることを特徴としている。
上記本発明では、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体の圧力が前記溝の前記排出部よりも下流側において漸次前記下流側にて向けて高くなる。このことから、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体が前記排出部から排出され易く、前記供給孔側に流れ難い。さらに前記供給孔から供給された前記潤滑流体が前記排出部側(前記溝側)に流れ難い。
本発明の潤滑流体排出機構において、前記回転方向において前記溝と前記供給孔の間は、前記溝に比べて、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体の流路の断面積が相対的に小さく構成されていることを特徴としている。
上記本発明では、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体が、前記溝と前記供給孔の間の前記断面積が相対的に小さく構成された部分にて堰き止められる。これにより、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体が排出され易く、前記供給孔側に流れ難い。
本発明の潤滑流体排出機構は、回転軸の軸受の潤滑に用いられる潤滑流体を前記回転軸に対して非接触の状態で排出する潤滑流体排出機構であって、前記軸受の軸受面に設けられた潤滑流体が供給される供給孔と、前記軸受面において前記供給孔よりも前記回転軸の回転方向の上流側に設けられ前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体を前記軸受面から排出する排出路とを備え、前記回転方向において前記排出路と前記供給孔の間における前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体の流路の(前記回転方向に直交する)断面積は、前記回転方向において前記排出路が設けられた位置における前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体の流路の断面積に比べて相対的に小さく構成されていることを特徴としている。
上記本発明では、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体が前記排出路と前記供給孔の間にて堰き止められ、前記排出路から排出され易く、前記供給孔側に流れ難い。
本発明の潤滑流体排出機構は、回転軸の軸受の潤滑に用いられる潤滑流体を排出する潤滑流体排出機構であって、前記軸受の軸受面に設けられた潤滑流体が供給される供給孔と、前記供給孔よりも前記回転軸の回転方向の上流側の前記軸受面に設けられた凹部に前記凹部内の空間を前記回転方向と直交する方向に仕切るように設けられた板状部材と、前記凹部に設けられ前記上流側から前記回転方向に沿って流れてくる潤滑流体を排出させる排出路とを備えたことを特徴としている。
上記本発明では、前記上流側から前記回転方向に沿って流れてくる潤滑流体は、上記凹部内の前記板状部材が存在しないところ(軸受隙間が拡大された空間)において、周方向に延在する前記凹部が形成されていない前記軸受面と前記回転軸との間の隙間や、前記板状部材と前記回転軸との間の隙間に比べて、前記回転軸との間の隙間(軸受隙間)が広がるため圧力が低下し、その隙間の広がる方向(凹部内)に流れる。
本発明の潤滑流体排出機構は、回転軸の軸受の潤滑に用いられる潤滑流体を排出する潤滑流体排出機構であって、前記軸受の軸受面に設けられた潤滑流体が供給される供給孔と、前記軸受面において前記供給孔よりも前記回転軸の回転方向の上流側に設けられ前記上流側から前記回転方向に沿って流れてくる潤滑流体を前記軸受面から排出する排出路と、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体の圧力を相対的に低下させ当該潤滑流体の流れの向きを変更させて前記供給孔側へ流れる流量が減少するように当該潤滑流体の流路の(前記回転方向に直交する)断面積が前記上流側よりも相対的に大きく構成された流路拡大部を備え、前記排出路は、前記流路拡大部に対応する位置に設けられていることを特徴としている。
上記本発明において、前記流路拡大部では、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体の圧力が低下して排出路の方向へ潤滑流体の流れが加速される。これにより、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体が前記供給孔側(下流パッド側)に流れ難い(キャリーオーバーし難い)。よって、軸受の温度の上昇が抑制される。上記特許文献1のブラシシールの直上流側に形成された排油溝は、上記本発明の機能を有していない。潤滑流体の流路の(前記回転方向に直交する)断面積は、回転軸と軸受との間の軸受隙間であることができる。
本発明の軸受装置は、上記本発明の潤滑流体排出機構を備えた軸受装置である。本発明の軸受装置は、ジャーナル軸受またはスラスト軸受のいずれかであることができる。
本発明によれば、軸受の温度の上昇が抑制される。
以下、本発明の潤滑流体排出機構の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態の潤滑流体排出機構は、潤滑油排出機構であり、ジャーナル軸受及びスラスト軸受のそれぞれに適用可能である。
(第1実施形態)
図1−1、図1−2及び図2を参照して、第1実施形態について説明する。
第1実施形態では、潤滑油排出機構がジャーナル軸受に適用されている。
図2は、本実施形態の3円弧面ジャーナル軸受の横断面図である。回転軸10の周囲を囲むジャーナル軸受1の内周面には、軸方向に3条の給油溝3が形成され、その間の内周面が軸受円弧面2となっている。ジャーナル軸受1の外部から給油溝3に連通する給油孔4が形成されており、給油装置から潤滑油が供給される。
軸受円弧面2には、所定の軸受メタルなどが張り付けて設けられ、その内周面は滑らかに仕上げられている。図示しない給油装置から給油孔4により給油溝3に供給された潤滑油は、回転軸10と軸受円弧面2との間にも流入するが、回転軸10が回転すると、回転する回転軸10の外周面に引きずり込まれて軸受円弧面2との間に流入して油膜を形成する。このようにして形成された油膜の介在により回転軸10と軸受円弧面2との金属接触が少なくなり、ジャーナル軸受1は回転軸10の径方向の荷重(ラジアル荷重)を支持して円滑に回転させる。
ジャーナル軸受1には、軸方向に長い形状に削成された給油溝3により分割されて3個の軸受円弧面(軸受パッド)2が形成されている。軸受円弧面2には、所定の軸受メタルなどが張り付けて設けられ、その内周面は滑らかに仕上げられている。給油孔4は、ジャーナル軸受1の外部から給油溝3に連通するように穿孔され、給油孔4は、潤滑油の給油装置に給油管9を介して連結されている。
図1−1は、図2の給油溝3を拡大して示す図であり、図1−2は、軸受円弧面2のうち図1−1に対応する部分を示す図である。給油溝3は、第1溝3aと第2溝3bとを備えている。第1溝3a及び第2溝3bのそれぞれは、断面が円弧状(半円状)に形成されている。第1溝3aは、相対的に回転軸10の回転方向(以下、単に回転方向と称する)Y1の上流側に設けられ、第2溝3bは、相対的に回転方向Y1の下流側に設けられている。
第1溝3aは、軸受円弧面2(図2では第1軸受円弧面2aとする)において回転方向Y1の最も下流側に設けられている。その第1溝3aに隣接する第2溝3bは、第1軸受円弧面2aに対して回転方向Y1の下流側にて隣接する軸受円弧面2(図2では第2軸受円弧面2bとする)において回転方向Y1の最も上流側に設けられている。
給油溝3には、回転方向Y1と同じ方向に延在する堰15、16が設けられている。第1溝3aには、チャンファー5が設けられている。チャンファー5は、堰15、16に対する溝として形成されている。第2溝3bには、給油孔4が設けられている。第1溝3aと第2溝3bの間において、潤滑油が流れる可能性がある隙間6は狭く形成されている。
第1軸受円弧面(上流パッド)2aからキャリーオーバーしてくる、第1軸受円弧面2aと回転軸10との間の摩擦熱により温度が上昇した潤滑油は、第1溝3aに入り、狭い隙間6によって流れが堰き止められて第1溝3aに溜まり、矢印Y2に示すように、チャンファー5から排出される。矢印Y3に示すように、給油孔4から新しい潤滑油が第2溝3bに供給されることから、第2軸受円弧面(下流パッド)2bには、相対的に冷たい潤滑油が注油され、ジャーナル軸受1の温度上昇が抑制(冷却)される。
図1−3は、第1溝3a内での潤滑油の圧力分布を説明するための図である。
第1溝3a内における潤滑油の流路は、回転方向Y1の下流側において回転方向Y1に向かって、漸次狭くなるように構成されている。そのため、上流パッド2aから第1溝3aに流入した潤滑油の圧力は、符号Pに示すように、回転方向Y1の下流側において回転方向Y1に向かって、漸次高くなる。
第1溝3a内の潤滑油の圧力が、符号Pのような分布で高圧となるため、第1溝3a内の高温の潤滑油は、チャンファー5から排出され易く、また、第2溝3b内に入り難い。また、矢印Y3に示すように給油孔4を通って第2溝3bに流入した潤滑油は、第1溝3a内の潤滑油の圧力が符号Pのような分布であるため、第1溝3a内に入ることが抑制される。これにより、第2溝3bに供給された低温の潤滑油が第1溝3aのチャンファー5から排出されることが抑制される。
従来、給油溝は、軸受パッドの入口に1つ有るだけであったが、本実施形態では、給油溝を含む溝を複数段にする。その上流側の溝にチャンファーを設け、下流側の溝(給油溝)に給油孔を設ける。チャンファーが設けられた溝と、給油溝との間の隙間は狭く形成して、チャンファーが設けられた溝に入った潤滑油の流れが堰き止められて、給油溝に入り難くすると共に、チャンファーから排出され易くする。
上記において、第1溝3a及び第2溝3bのそれぞれは、断面が円弧状に形成されているため、ジャーナル軸受1において、加工し易い。上記において、給油溝3は、第1溝3a及び第2溝3bの2つから構成されたが、3つ以上の溝から構成されることができる。その場合、回転方向の最も上流側の溝にチャンファーを設け、最も下流側の溝に給油孔を設けることが好ましい。
次に、図3を参照して、上記第1実施形態の第1変形例について説明する。図3は、上記第1実施形態の給油溝3の第1変形例を示しており、図1−1に対応する図である。
第1変形例の給油溝3’において、第1溝3a’及び第2溝3b’のそれぞれは、断面が矩形に形成されている。第1溝3a’と第2溝3b’の間の隙間6’は、狭く形成されている。図1−1の第1溝3a及び第2溝3bのそれぞれの断面形状は、円弧状とされたが、本変形例の矩形のように円弧状に限定されるものではなく、その形状は任意であり、また、第1溝と第2溝の形状が互いに異なっていてもよい。
第1変形例によれば、上流パッド2aからキャリーオーバーしてくる、高温の潤滑油は、第1溝3a’に入り、狭い隙間6’によって流れが堰き止められて第1溝3a’に溜まり、矢印Y2に示すように、チャンファー5から排出される。矢印Y3に示すように、給油孔4から新しい潤滑油が第2溝3b’に供給されることから、下流パッド2bには、相対的に冷たい潤滑油が注油され、ジャーナル軸受1の温度上昇が抑制される。
次に、図4−1及び図4−2を参照して、上記第1実施形態の第2変形例について説明する。図4−1は、上記第1実施形態の給油溝3の第2変形例を示しており、図1−1に対応する図である。図4−2は、第1溝3a内での潤滑油の圧力分布を説明するための図である。
第2変形例の給油溝3’’において、第1溝3a’’は断面がテーパ状に形成され、第2溝3b’’は、断面が矩形に形成されている。第1溝3a’’と第2溝3b’’の間の隙間6’’は、狭く形成されている。第1溝3a’’は、回転方向Y1の下流側に進むに従い、潤滑油の流路が狭くなるようなテーパ面(斜面)に形成されている。
第2変形例によれば、上流パッド2aからキャリーオーバーしてくる、高温の潤滑油は、第1溝3a’’に入り、狭い隙間6’’によって流れが堰き止められて第1溝3a’’に溜まり、矢印Y2に示すように、チャンファー5から排出される。矢印Y3に示すように、給油孔4から新しい潤滑油が第2溝3b’’に供給されることから、下流パッド2bには、相対的に冷たい潤滑油が注油され、ジャーナル軸受1の温度上昇が抑制される。
また、図4−2に示すように、第1溝3a’’内における潤滑油の流路は、回転方向Y1に向かって、漸次狭くなるように構成されている。そのため、上流パッド2aから第1溝3a’’に流入した潤滑油の圧力は、符号P’’に示すように、回転方向Y1に向かって、漸次高くなる。
第1溝3a’’内の潤滑油の圧力が、符号P’’のような分布で高圧となるため、第1溝3a’’内の高温の潤滑油は、チャンファー5から排出され易く、また、第2溝3b’’内に入り難い。また、矢印Y3に示すように給油孔4を通って第2溝3b’’に流入した潤滑油は、第1溝3a’’内の潤滑油の圧力が符号P’’のような分布であるため、第1溝3a’’内に入ることが抑制される。これにより、第2溝3b’’に供給された低温の潤滑油が第1溝3a’’のチャンファー5から排出されることが抑制される。
(第2実施形態)
次に、図5〜図8を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、上記第1実施形態の潤滑油排出機構がスラスト軸受に適用されている。
図5は、テーパランド形スラスト軸受装置の縦断面図、図6は上記スラスト軸受の平面図であり、図5のI−I断面矢視図である。
図5に示すように、回転軸51には、スペーサ52および締め付けナット53を介してカラー54が固定されている。ケーシング55には、軸受取付け治具56が装着されており、軸受取付け治具56には負荷側スラスト軸受100が固定されており、カラー54と摺接する面には軟質金属、たとえばホワイトメタル58が鋳着されている。
ホワイトメタル58のカラー54との摺接面には、傾斜したテーパ部と、摺接相手側の面と平行なランド部とが形成されている。1組のテーパ部・ランド部と、その隣の1組のテーパ部・ランド部との間の、ホワイトメタルの無い部分に油溝101bが形成されている。
図6は、負荷側スラスト軸受100の平面図である。図6において、矢印Y4は、回転軸51に対してテーパランド形スラスト軸受100が相対的に回転する方向(以下単に回転方向と称する)を示している。油溝101bに対して回転方向Y4の上流側にて隣接する位置に、溝101aが設けられている。溝101aと、油溝101bと、同油溝101bに隣接するテーパ部102と、同テーパ部102に隣接するランド部103とからなる部分をまとめて1つのパッドと呼ぶ。パッドは上記のように形成された部分の名称である。スラスト軸受100のカラー54側には複数のパッドが形成されている。
スラスト軸受100の油溝101bへは給油孔60を経由して潤滑油が供給される。給油孔60を通過した潤滑油はスラスト軸受100の外周部に設けられた円周油溝104に入り、さらにスラスト軸受100の各パッドに対応する位置にそれぞれ穿設された給油孔105を経由し、ノズル部106を通過して油溝101bへ入る。
スラスト軸受100の内周側の方へ漏出した潤滑油は、空間部115に溜まり図示していない排油孔より排出される。軸受取付け治具56には、油切り116が固定されており、潤滑油が機外へ漏出することを防いでいる。またケーシング55には、反負荷側スラスト軸受117が固定されており、カラー4と摺接する面にはホワイトメタル118が鋳着されている。反負荷側スラスト軸受117の油溝119へは給油孔120を経由して潤滑油が供給される。
図6に示すように、ノズル部106から油溝101bへ入った潤滑油はテーパ部102へ流れ、ランド部103に至り、その間にくさび作用で流体動圧を発生し、負荷能力が生じる。テーパ部102の内周側には内周側シュラウド108、外周側には外周側シュラウド109が設けられており、潤滑油が内・外周へ漏出して流体動圧が低下することを防止している。
図7は、図6におけるB−B断面図、図8は、図6におけるC−C断面図である。図6〜図8に示すように、テーパランド形スラスト軸受100の外周には、円周油溝104が全周に渡って設けられており、外部から供給された潤滑油は円周油溝104に導入され、さらに給油孔105およびノズル部106を経由して油溝101bに供給される。
回転軸51に固定した相手方カラー54が図6のY4方向に回転し、軸受100に摺接しているため、油溝101bに導入された潤滑油は軸受の複数のテーパ部102およびランド部103へ流れ、その際、くさび作用で流体動圧を発生し、一定厚みの油膜を形成する。テーパランド形スラスト軸受100は、一般に相手方カラー54と接触しても焼付き難くするため、テーパ部102、ランド部103には、図7及び図8に示すように、ホワイトメタルなどの軟質金属層62が材質鋼の母材63に鋳着されている。
図6及び図7に示すように、内周側シュラウド108には、溝101aに連通する内周側チャンファー110の溝が設けられ、外周側シュラウド109には、溝101aに連通する外周側チャンファー111の溝が設けられている。
図6のD−D断面図は、上記図1−1、図3、及び図4−1のそれぞれ左右反転した図に相当する(回転方向Y4と回転方向Y1が図中左右方向反対に記載されていることに対応する)。このことから明らかなように、溝101aと油溝101bの間の隙間116は、上記隙間6、隙間6’、隙間6’’と同様に、狭く形成されている。
第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。即ち、スラスト軸受100において、回転方向Y4の相対的に上流側の上流パッドからキャリーオーバーしてくる、パッドとカラー54との間の摩擦熱により温度が上昇した潤滑油は、溝(第1溝)101aに入り、狭い隙間116によって流れが堰き止められて溝101aに溜まり、チャンファー110、111から排出される。給油孔105からノズル部106を介して新しい潤滑油が油溝101bに供給されることから、回転方向Y4の相対的に下流側の下流パッドには、相対的に冷たい潤滑油が注油され、スラスト軸受100の温度上昇が抑制される。
図6のD−D断面が、図1−1又は図4−1に対応するように、溝101aにおいて潤滑油の流路が回転方向Y4の下流側に向けて漸次狭くなるように構成されることができる。その場合、上流パッドから溝101aに流入した潤滑油の圧力は、回転方向Y4に向かって、漸次高くなる。このことから、溝101a内の高温の潤滑油は、チャンファー110、111から排出され易い。また、給油孔105及びノズル部106を通って油溝(第2溝)101bに流入した潤滑油は、溝101a内の潤滑油の圧力が上述のような分布であるため、溝101a内に入ることが抑制される。これにより、油溝101bに供給された低温の潤滑油が溝101aのチャンファー110、111から排出されることが抑制される。
(第3実施形態)
次に、図9−1〜図11を参照して、第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、上記第1実施形態の潤滑油排出機構とは異なる構成の潤滑油排出機構がジャーナル軸受に適用されている。上記の図と同様の構成については、同じ符号又は対応する符号を付して、その説明を省略する。
図10は、第3実施形態のジャーナル軸受1Aを示す横断面図であり、上記図2に対応する図である。ジャーナル軸受1Aは、図2のジャーナル軸受1に対して、給油溝3Aの構成で異なっている。図9−1は、図7の給油溝3Aを拡大して示す図であり、図9−2は、軸受円弧面2のうち図9−1に対応する部分を示す図である。図11は、ジャーナル軸受1Aの側面図である。図11において、符号Lは、回転軸10の軸線方向を示している。
図9−1、図9−2及び図10に示すように、給油溝3Aは、第1溝3cと、第2溝3bとを備えている。給油溝3Aは、上記第1実施形態の給油溝3に対して、第1溝3cの構成で異なっている。
第1溝3cには、ジャーナル軸受1Aの径方向に貫通する廃油穴7が設けられている。ジャーナル軸受1Aの外周面1AAにおいて、第1溝3cに対応する部分には、回転軸10の軸線方向Lに延在する廃油通路8が設けられている。廃油穴7は、廃油通路8に開口するように設けられている。
第3実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。第1軸受円弧面(上流パッド)2aからキャリーオーバーしてくる、第1軸受円弧面2aと回転軸10との間の摩擦熱により温度が上昇した潤滑油は、第1溝3cに入り、狭い隙間6によって流れが堰き止められて第1溝3cに溜まり、矢印Y2に示すように、チャンファー5から排出されるとともに、廃油穴7及び廃油通路8から矢印Y5に示すように排出される。矢印Y3に示すように、給油孔4から新しい潤滑油が第2溝3bに供給されることから、第2軸受円弧面(下流パッド)2bには、相対的に冷たい潤滑油が注油され、ジャーナル軸受1Aの温度上昇が抑制される。
図9−3は、第1溝3c内での潤滑油の圧力分布を説明するための図である。
第1溝3c内における潤滑油の流路は、回転方向Y1の下流側において回転方向Y1に向かって、漸次狭くなるように構成されている。そのため、上流パッド2aから第1溝3cに流入した潤滑油の圧力は、符号P1に示すように、回転方向Y1の下流側において回転方向Y1に向かって、漸次高くなる。
第1溝3c内の潤滑油の圧力が、符号P1のような分布で高圧となるため、第1溝3c内の高温の潤滑油は、チャンファー5及び廃油穴7・廃油通路8から排出され易く、また、第2溝3b内に入り難い。また、矢印Y3に示すように給油孔4を通って第2溝3bに流入した潤滑油は、第1溝3c内の潤滑油の圧力が符号P1のような分布であるため、第1溝3c内に入ることが抑制される。これにより、第2溝3bに供給された低温の潤滑油が第1溝3cのチャンファー5及び廃油穴7・廃油通路8から排出されることが抑制される。
第3実施形態において、第1溝3c、第2溝3bの構成は、図3又は図4−1に示すように、変形することが可能である。また、第3実施形態の潤滑油排出機構は、上記第1実施形態と上記第2実施形態の関係と同様に、スラスト軸受に適用することが可能である。
(第4実施形態)
次に、図12−1及び図12−2を参照して、第4実施形態について説明する。ここでは、第4実施形態の潤滑油排出機構は、ジャーナル軸受に適用された例について説明する。上記の図と同様の構成については、同じ符号又は対応する符号を付して、その説明を省略する。
図13は、第4実施形態のジャーナル軸受1Bを示す横断面図であり、上記図2に対応する図である。ジャーナル軸受1Bは、図2のジャーナル軸受1に対して、給油溝3Bの構成で異なっている。図12−1は、図13の給油溝3Bを拡大して示す図であり、図12−2は、軸受円弧面2のうち図12−1に対応する部分を示す図である。
図12−1及び図12−2に示すように、給油溝3Bにおいて、回転方向Y1の上流側には、複数の仕切り板12が設けられており、その下流側には、溝3eが設けられている。仕切り板12は、給油溝3Bの上流側の空間(凹部)を回転方向Y1と直交する向きに仕切るように設けられている。
仕切り板12は、軸受円弧面2から突出しておらず、軸受円弧面2よりも僅かに低い高さ(径方向外側)となるように構成されている。仕切り板12は、周方向に延在する軸受円弧面2に形成された溝(凹部)内に立設されている。仕切り板12が設けられた領域には、堰15a及び堰16aは、設けられていない。第4実施形態のジャーナル軸受の外周面1BBには、廃油通路13が設けられている。
溝3eは、上記第1実施形態の第2溝3bに対して、断面形状が矩形である点で異なっているが、溝3eの作用効果は、第2溝3bと基本的に同様である。給油孔4が設けられる溝3eの断面形状は、特に問わず、円弧状であってもよい。
第4実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。第1軸受円弧面(上流パッド)2aからキャリーオーバーしてくる、第1軸受円弧面2aと回転軸10との間の摩擦熱により温度が上昇した潤滑油は、仕切り板12により落とされ、矢印Y6に示すように、空間を介して廃油穴13から排出される。矢印Y3に示すように、給油孔4から新しい潤滑油が溝3eに供給されることから、第2軸受円弧面(下流パッド)2bには、相対的に冷たい潤滑油が注油され、ジャーナル軸受の温度上昇が抑制される。
上流パッド2aから回転方向Y1に流れてきた相対的に高温の潤滑油は、上記凹部内の仕切り板12が存在しないところ(軸受隙間が拡大された空間)において、周方向に延在する上記凹部が形成されていない軸受円弧面2と回転軸10との間の隙間や、仕切り板12と回転軸10との間の隙間に比べて、回転軸10と軸受円弧面2との間の隙間(軸受隙間)が広がるため圧力が低下し、その隙間の広がる方向(廃油通路13の方向)に進路を変更して吸引されるように流れる。仕切り板12によるラビリンス効果により、高温の潤滑油が廃油通路13の方向から排出される。仕切り板12は、軸受円弧面2から突出していないため、回転軸10と接触することは無い。これにより、接触による発熱や摩擦損失が生じることは無い。
第4実施形態の潤滑油排出機構は、上記第1実施形態と上記第2実施形態の関係と同様に、スラスト軸受に適用することが可能である。
(第5実施形態)
次に、図14−1及び図14−2を参照して、第5実施形態について説明する。ここでは、第5実施形態の潤滑油排出機構は、ジャーナル軸受に適用された例について説明する。上記の図と同様の構成については、同じ符号又は対応する符号を付して、その説明を省略する。
図15は、第5実施形態のジャーナル軸受1Cを示す横断面図であり、上記図2に対応する図である。ジャーナル軸受1Cは、図2のジャーナル軸受1に対して、給油溝3Cの構成で異なっている。図14−1は、図15の給油溝3Cを拡大して示す図であり、図14−2は、軸受円弧面2のうち図14−1に対応する部分を示す図である。
給油溝3Cにおいて、回転方向Y1の上流側には、軸受円弧面2に開口する溝14が設けられており、その下流側には、溝3fが設けられている。溝14は、軸受パッド2aの下流端近傍で、給油孔4が設けられた給油溝3fより前に摺動方向Y1と直交する方向に形成されている。
軸受円弧面2において溝14が設けられた領域には、堰15a及び堰16aは、設けられていない。軸受円弧面2上において、回転方向Y1と直交する向きの長さにおいて、溝14は、溝3fよりも大きな長さを有するように構成されている。そのため、上流パッド2aから回転方向Y1に流れてきた高温の潤滑油が、溝14が無い領域を通って溝3fに入らないようになっている。
溝3fは、上記第1実施形態の第2溝3bに対して、断面形状が矩形である点で異なっているが、溝3fの作用効果は、第2溝3bと基本的に同様である。給油孔4が設けられる溝3fの断面形状は、特に問わず、円弧状であってもよい。
上流パッド2aから回転方向Y1に流れてきた相対的に高温の潤滑油は、溝14が形成されたところで、回転軸10と軸受円弧面2との間の隙間(軸受隙間)が広がるため圧力が低下し、その隙間の広がる方向(溝14の方向)に吸引されるように排出される。上流パッド2a側から軸受隙間を流れる高温の潤滑油の圧力が溝14の部分において低下することで、潤滑油の流速が軸受隙間の広がる方向(溝14の方向)に加速されて、潤滑油が溝14から排出される。この場合、溝14よりも回転方向Y1の下流側であって、溝3fの上流側に位置する軸受円弧面2sが堰として機能するため、軸受円弧面2sを超えて溝3fに入る潤滑油の量よりも、溝14から排出される潤滑油の量の方が圧倒的に多い。
第5実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。第1軸受円弧面(上流パッド)2aからキャリーオーバーしてくる、第1軸受円弧面2aと回転軸10との間の摩擦熱により温度が上昇した潤滑油は、矢印Y7に示すように、溝14からジャーナル軸受の外部に排出される。矢印Y3に示すように、給油孔4から新しい潤滑油が溝3fに供給されることから、第2軸受円弧面(下流パッド)2bには、相対的に冷たい潤滑油が注油され、ジャーナル軸受1Cの温度上昇が抑制される。第5実施形態は、従来一般のジャーナル軸受に対して特別な設計変更を加えることなく、溝14を形成するだけでよい。
なお、第5実施形態の溝14の技術的意義について、通常一般のチャンファーと比較しつつ更に述べる。通常一般のチャンファーは、給油孔が設けられた給油溝(特に給油溝の中央)に設けられるのが一般的である。よって、通常一般のチャンファーでは、上流パッドから流れてきた相対的に高温の潤滑油のみならず、チャンファー近傍の給油孔から供給された潤滑油(新油)まで、チャンファーから排出されてしまうため、効率が悪い。これに対して、溝14は、給油孔4が設けられた給油溝3fよりも上流側に設けられているため、上流パッド2aから流れてきた相対的に高温の潤滑油のみが溝14から排出され、給油孔4から供給された潤滑油(新油)が溝14から排出されることは殆ど無い。
第5実施形態の潤滑油排出機構は、上記第1実施形態と上記第2実施形態の関係と同様に、スラスト軸受に適用することが可能である。
本発明の潤滑流体排出機構の第1実施形態が適用されたジャーナル軸受の給油溝を拡大して示す図である。 図1−1に対応する軸受円弧面を拡大して示す図である。 図1−1の第1溝内での潤滑油の圧力分布を説明するための図である。 本発明の潤滑流体排出機構の第1実施形態が適用されたジャーナル軸受の横断面図である。 本発明の潤滑流体排出機構の第1実施形態の第1変形例が適用されたジャーナル軸受の給油溝を拡大して示す図である。 本発明の潤滑流体排出機構の第1実施形態の第2変形例が適用されたジャーナル軸受の給油溝を拡大して示す図である。 図4−1の第1溝内での潤滑油の圧力分布を説明するための図である。 本発明の潤滑流体排出機構の第1実施形態が適用されたスラスト軸受装置の縦断面図である。 図5のI−I断面矢視図である。 図6におけるB−B断面図である。 図6におけるC−C断面図である。 本発明の潤滑流体排出機構の第3実施形態が適用されたジャーナル軸受の給油溝を拡大して示す図である。 図9−1に対応する軸受円弧面を拡大して示す図である。 図9−1の第1溝内での潤滑油の圧力分布を説明するための図である。 本発明の潤滑流体排出機構の第1実施形態が適用されたジャーナル軸受の横断面図である。 本発明の潤滑流体排出機構の第1実施形態が適用されたジャーナル軸受の側面図である。 本発明の潤滑流体排出機構の第4実施形態が適用されたジャーナル軸受の給油溝を拡大して示す図である。 図12−1に対応する軸受円弧面を拡大して示す図である。 本発明の潤滑流体排出機構の第4実施形態が適用されたジャーナル軸受の横断面図である。 本発明の潤滑流体排出機構の第5実施形態が適用されたジャーナル軸受の給油溝を拡大して示す図である。 図14−1に対応する軸受円弧面を拡大して示す図である。 本発明の潤滑流体排出機構の第5実施形態が適用されたジャーナル軸受の横断面図である。
符号の説明
1 ジャーナル軸受
2 軸受円弧面
3 給油溝
3a 第1溝
3b 第2溝
4 給油孔
5 チャンファー
6 隙間
7 廃油穴
8 廃油通路
9 給油管
10 回転軸
12 仕切り板
14 溝
15 堰
16 堰
100 スラスト軸受
101a 溝
101b 油溝
102 テーパ部
103 ランド部
104 円周油溝
105 給油孔
106 ノズル部
110 チャンファー
111 チャンファー
116 隙間
Y1 回転方向

Claims (4)

  1. 回転軸の軸受の潤滑に用いられる潤滑流体を前記回転軸に対して非接触の状態で排出する潤滑流体排出機構であって、
    前記軸受の軸受面に設けられた潤滑流体が供給される供給孔と、
    前記供給孔よりも前記回転軸の回転方向の上流側の前記軸受面に形成された溝と、
    前記溝に形成され、前記上流側から前記回転方向に沿って流れてくる潤滑流体を前記溝から排出する排出部と
    前記溝に設けられて前記回転方向に延在する堰と、
    を備え、
    前記排出部は、前記堰に形成される溝状のチャンファーを含み、
    前記回転方向において前記溝における前記チャンファーよりも下流側は、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体の流路の断面積が前記溝における前記回転方向の下流側に向けて漸次小さくなるように構成されている
    ことを特徴とする潤滑流体排出機構。
  2. 請求項1に記載の潤滑流体排出機構において、
    前記回転方向において前記溝と前記供給孔の間は、前記溝に比べて、前記上流側から前記回転方向に沿って流れる潤滑流体の流路の断面積が相対的に小さく構成されている
    ことを特徴とする潤滑流体排出機構。
  3. 請求項1または2記載の潤滑流体排出機構において、
    記回転軸の軸線方向に延在する廃油通路を備え、
    前記排出部は、
    前記溝と前記廃油通路とを連通する廃油穴を含む
    ことを特徴とする潤滑流体排出機構。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の潤滑流体排出機構を備えた軸受装置。
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