JP4562048B1 - 可動顎の移動制御機構付きアジャスタブルレンチ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 先端に固定顎111を有するレンチ本体110と、レンチ本体110のガイド溝113上を摺動自在に配設された可動顎121を備えたラック部120と、レンチ本体110に回動自在に配設されたウォーム部130を備えている。ウォーム部130はラック部下部の螺子123と噛み合っている。レンチ本体110には第1の嵌合体116が設けられ、ウォーム部130の側面に対向する面には回転軌跡上に少なくとも1つの第2の嵌合体132が設けられている。記第1の嵌合体116の後部には押し出しと引っ込みを制御する弾性体117が設けられており、ウォーム部130の回転に応じて、押し出しと引っ込みを繰り返していわゆるカウントアップしてゆく。
【選択図】図1
Description
使用されるボルト・ナットのサイズは決まった規格に沿ったサイズになっており、個々のボルト・ナットのサイズの誤差はモンキーレンチによる締結作業には支障のない程度のものである。つまり、モンキーレンチを使用するにあたり、あらかじめボルト・ナットのサイズは既知の場合が多く、モンキーレンチの可動顎と固定顎との間隔をその既知の値に直接調整できれば便利である。特許文献1のモンキーレンチおよび特許文献2のモンキーレンチも、固定顎の付け根あたりに目盛りがついており、モンキーレンチの可動顎と固定顎との間隔の調整はミリ単位や0.5mm単位で可能である。
アジャスタブルレンチの可動顎と固定顎との間隔をその既知の値に直接調整でき、間隔調整部をいわゆるカチカチとカウントアップするように回した状態で現在の値を簡単に知ることができる。
上記構成において、例えば、L=nとすれば、前記カウンターが1mmごとにカウントアップするものとなり、前記固定顎と前記可動顎との間隔を1mmきざみで簡単に合わせることができる。また、例えば、L=n/2とすれば、前記カウンターが0.5mmごとにカウントアップするものとなり、前記固定顎と前記可動顎との間隔を0.5mmきざみで簡単に合わせることができる。
上記構成において、前記第1の嵌合体が前記間隔調整部の底面と対向する前記レンチ本体側の面に設けられ、前記第2の嵌合体が前記間隔調整部の底面に設けられ、前記第1の嵌合体と前記第2の嵌合体との嵌合を支援する弾性力を与える弾性体を備え、前記間隔調整部の回転に応じて、前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に対向する位置に来ると、前記弾性体により前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に押し付けられて嵌合し、前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に対向しない位置に回転すると前記弾性体による嵌合が解かれた状態となることが好ましい。
アジャスタブルレンチの可動顎と固定顎との間隔をその既知の値に直接調整でき、間隔調整部をいわゆるカチカチとカウントアップするように回した状態で現在の値を簡単に知ることができる。
上記第2の構成において、例えば、L=nとすれば、前記カウンターが1mmごとにカウントアップするものとなり、前記固定顎と前記可動顎との間隔を1mmきざみで簡単に合わせることができる。また、例えば、L=n/2とすれば、前記カウンターが0.5mmごとにカウントアップするものとなり、前記固定顎と前記可動顎との間隔を0.5mmきざみで簡単に合わせることができる。
上記第2の構成において、前記第1の嵌合体が前記間隔調整部の底面に設けられ、前記第2の嵌合体が前記間隔調整部の底面と対向する前記レンチ本体側の面に設けられ、前記第1の嵌合体と前記第2の嵌合体との嵌合を支援する弾性力を与える弾性体を備え、前記間隔調整部の回転に応じて、前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に対向する位置に来ると、前記弾性体により前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に押し付けられて嵌合し、前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に対向しない位置に回転すると前記弾性体による嵌合が解かれた状態となることが好ましい。
上記構成により、簡便な構造、少ない手順で、間隔調整部をのぞき込むことなく、間隔調整部を回すのみで、回転軌道上に設けられた第2の嵌合体に対して第1の嵌合体が嵌り込む位置を手掛かりとして、いわゆる、カチカチとカウントアップするようにアジャスタブルレンチの可動顎と固定顎との間隔を調整することができるようになる。また、第1の嵌合体と第2の嵌合体が嵌った状態では、摩擦力が大きくなり、アジャスタブルレンチの可動顎と固定顎との間隔を直接調整した位置で一時的にロック状態とすることができる。
例えば、前記第1の嵌合体の表面を凸球面とし、前記第2の嵌合体の表面が凹球面とする。
また、第1の嵌合体と第2の嵌合体が嵌った状態では、摩擦力が大きくなり、ボルト・ナットの締結作業および弛緩作業において間隔調整部の回転を防止するに足る程度の大きさであれば、アジャスタブルレンチの可動顎と固定顎との間隔を直接調整した位置で一時的にロック状態とすることができる。また、利用者が間隔調整部を手で回す際には第1の嵌合体と第2の嵌合体の嵌合が解ける程度の摩擦力であれば、アジャスタブルレンチの可動顎と固定顎との間隔を調整する操作を妨げることはない。
図1に示すように、可動顎の移動制御機構付きモンキーレンチ100は、レンチ本体110、ラック部120、間隔調整部130、カウンター140を備えている。
ここで、可動顎121と固定顎111の最小距離は0、つまり、可動顎121と固定顎111が接するものであり、間隔調整部130の回転により間隔が広がってゆくものとなっている。
例えば、L=4mm、n=4とすれば、カウンター140が1mmごとにカウントアップし、固定顎111と可動顎121との間隔を1mmきざみで簡単に合わせることができる。
また、例えば、L=2mm、n=4とすれば、カウンター140が0.5mmごとにカウントアップし、固定顎111と可動顎121との間隔を0.5mmきざみで簡単に合わせることができる。
なお、図1の例では、カウンター140は、ウォーム部130の横付近に設けられている例であるが、この構成例に限らず、他の箇所に設けられていても良く、また、表示方式もこのような2桁数字のデジタル表示に限らない。
図4は第1の嵌合体116が球体である構造例、図5は第1の嵌合体116が棒状体の先端が丸くなっている構造例である。
今、図3(a)に示すように、本発明のモンキーレンチ100の固定顎111と可動顎121との間隔が18mmであり、カウンター140の値も“18mm”が表示されているものとする。図4(a)または図5(a)に示すように、第1の嵌合体116は弾性体117より前方へ押し出される弾性力が与えられており、ウォーム部130底面のいずれかの第2の嵌合体132(例えば第2の嵌合体132a)と嵌合した状態となっている。これが可動顎121の一時的なロック状態である。このロック状態ではウォーム部130が比較的回転しにくく、不本意に勝手に回らない状態となっている。
この時点で、固定顎111と可動顎121との間隔は1mm広がり19mmとなっている。カウンター140は1mmカウントアップし、“19mm”と表示される。
なお、ボルトの締結作業中、ウォーム部130には、レンチ本体110の第1の嵌合体116とウォーム部130の第2の嵌合体132が嵌合し合った状態で発生する摩擦力が生じており、ボルト・ナットの締結作業ではウォーム部130が不本意に回転することはなく、安定した締結作業が行える。従来のように、ボルト・ナットの締結作業中にウォーム部130が不本意に回転してしまうという問題は解消されている。
上記の第1の構成では、第1の嵌合体116は、ウォーム部130の底面に対向するレンチ本体110側の面に設け、第2の嵌合体132はウォーム部130の底面に設ける構成であった。
第2の構成は、ウォーム部130の底面に対向するレンチ本体110側の面に第2の嵌合体を設け、回転するウォーム部130の底面に第1の嵌合体を設ける構成である。つまり、回転するウォーム部130側の内部側に第1の嵌合体と弾性体を組み込んでおくことにより、第1の嵌合体が押し出され、レンチ本体110側の面に押し付けられる構成である。
図6に示すように、パイプレンチ100aの間隔調整部130aを回転させると、間隔調整部130aの内周には螺子131aが設けられており、ラック120aの外周にも螺子123aが設けられており、螺子同士の噛み合わせにより間隔調整部130aを回転させればラック部120aを摺動させるものとなっている。ここで、間隔調整部130aとラック部120にそれぞれ第1の嵌合体116aと第2の嵌合体132aを設けた構成となっている。
このパイプレンチタイプのアジャスタブルレンチ100aにおいても、間隔調整部130aの回転に応じて、第1の嵌合体116aが第2の嵌合体132aに対向する位置に来ると、第1の嵌合体116aと第2の嵌合体132aとが嵌合して間隔調整部130aの回転が止まりやすくなり、第1の嵌合体116aが第2の嵌合体132aに対向しない位置に来ると間隔調整部130aが回転しやすくなるという原理は同じである。
以上、本発明の可動顎の移動制御機構付きモンキーレンチにおける好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
110 レンチ本体
111 固定顎
112 ガイド溝
113 開口
114 支軸
115 握り柄
116 第1の嵌合体
117 弾性体
120 ラック部
121 可動顎
122 スライド部
123 螺子
130 ウォーム部
131 螺子
132 第2の嵌合体
140 カウンター部
Claims (10)
- 固定顎を有するレンチ本体と、前記レンチ本体に摺動可能に配設された可動顎を備えたラック部と、回転機構により前記可動顎を摺動して前記固定顎と前記可動顎との間隔を調節する間隔調整部とを備えたアジャスタブルレンチにおいて、
前記間隔調整部に対向するように設けられた第1の嵌合体と、
前記第1の嵌合体に対向するように前記間隔調整部において前記回転機構の回転軌跡上に設けられ、前記第1の嵌合体と嵌合する形状を備えた少なくとも1つの第2の嵌合体と、
前記間隔調整部1回転の回転量に相当する前記固定顎と前記可動顎との間隔変化をL(mm)とし、前記第2の嵌合体の数をnとし、初期状態として、前記固定顎と前記可動顎との間隔がゼロで、前記第1の嵌合体と前記第2の嵌合体が嵌合した状態にある場合、0からL(mm)/nごとにカウントアップするカウンターとを備え、
前記間隔調整部の回転に応じて、前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に対向する位置に来ると、前記第1の嵌合体と前記第2の嵌合体とが嵌合して前記間隔調整部の回転が止まりやすくなり、前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に対向しない位置に来ると前記間隔調整部が回転しやすくなることを特徴とするアジャスタブルレンチ。 - L=nとして、前記カウンターが1mmごとにカウントアップし、前記固定顎と前記可動顎との間隔を、1mmきざみで簡単に合わせることができる請求項1に記載のアジャスタブルレンチ。
- 前記第1の嵌合体が前記間隔調整部の底面と対向する前記レンチ本体側の面に設けられ、前記第2の嵌合体が前記間隔調整部の底面に設けられ、前記第1の嵌合体と前記第2の嵌合体との嵌合を支援する弾性力を与える弾性体を備え、
前記間隔調整部の回転に応じて、前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に対向する位置に来ると、前記弾性体により前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に押し付けられて嵌合し、前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に対向しない位置に回転すると前記弾性体による嵌合が解かれた状態となる請求項1または2に記載のアジャスタブルレンチ。 - 固定顎を有するレンチ本体と、前記レンチ本体に摺動可能に配設された可動顎を備えたラック部と、回転機構により前記可動顎を摺動して前記固定顎と前記可動顎との間隔を調節する間隔調整部とを備えたアジャスタブルレンチにおいて、
前記間隔調整部に設けられた第1の嵌合体と、
前記第1の嵌合体と嵌合する形状を備え、前記第1の嵌合体の回転軌跡と対向する前記レンチ本体側の位置に設けられた少なくとも1つの第2の嵌合体と、
前記間隔調整部1回転の回転量に相当する前記固定顎と前記可動顎との間隔変化をL(mm)とし、前記第2の嵌合体の数をnとし、初期状態として、前記固定顎と前記可動顎との間隔がゼロで、前記第1の嵌合体と前記第2の嵌合体が嵌合した状態にある場合、0からL(mm)/nごとにカウントアップするカウンターとを備え、
前記間隔調整部の回転に応じて、前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に対向する位置に来ると、前記第1の嵌合体と前記第2の嵌合体とが嵌合して前記間隔調整部の回転が止まりやすくなり、前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に対向しない位置に来ると前記間隔調整部が回転しやすくなることを特徴とするアジャスタブルレンチ。 - L=nとして、前記カウンターが1mmごとにカウントアップし、前記固定顎と前記可動顎との間隔を、1mmきざみで簡単に合わせることができる請求項4に記載のアジャスタブルレンチ。
- 前記第1の嵌合体が前記間隔調整部の側面に設けられ、前記第2の嵌合体が前記間隔調整部の側面と対向する前記レンチ本体側の面に設けられ、前記第1の嵌合体と前記第2の嵌合体との嵌合を支援する弾性力を与える弾性体を備え、
前記間隔調整部の回転に応じて、前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に対向する位置に来ると、前記弾性体により前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に押し付けられて嵌合し、前記第1の嵌合体が前記第2の嵌合体に対向しない位置に回転すると前記弾性体による嵌合が解かれた状態となる請求項4または5に記載のアジャスタブルレンチ。 - 前記第1の嵌合体と前記第2の嵌合体が嵌合し合った状態で発生する摩擦力が、ボルト・ナットの締結作業および弛緩作業において前記間隔調整部の回転を防止するに足る摩擦力であり、かつ、利用者が前記間隔調整部を手で回すと前記第1の嵌合体と前記第2の嵌合体の嵌合が解ける程度の摩擦力であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアジャスタブルレンチ。
- 前記第1の嵌合体の表面が凸球面であり、前記第2の嵌合体の表面が凹球面である請求項1から7のいずれか1項に記載のアジャスタブルレンチ。
- 前記間隔調整部が螺子を備えたウォーム部であり、前記ラック下部にも螺子があり、前記螺子同士の噛み合わせにより前記ラック部を摺動させるモンキーレンチである請求項1から8のいずれか1項に記載のアジャスタブルレンチ。
- 前記間隔調整部が内周に螺子を備えたウォーム部であり、前記ラック外周にも螺子があり、前記螺子同士の噛み合わせにより前記ラック部を摺動させるパイプレンチである請求項1から8のいずれか1項に記載のアジャスタブルレンチ。
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