以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。各機能要素について実施形態別に区別する際には、A,B,C,…などのように大文字の英語の参照子を付して記載し、特に区別しないで説明する際にはこの参照子を割愛して記載する。図面においても同様である。なお、説明は以下の順序で行なう。
1.記録再生装置の構成概要
2.レーザ駆動方式の問題点と対策手法の原理
3.第1実施形態(1つのリセット信号RSと1つのエッジ信号ES)
4.第2実施形態(1つのリセット信号RSと2つのエッジ信号ES)
5.第3実施形態(2つのリセット信号RSと1つのエッジ信号ES)
6.第4実施形態(第1実施形態+スキュー対策)
7.第5実施形態(第2実施形態+スキュー対策)
8.第6実施形態(第3実施形態+スキュー対策)
9.第7実施形態(メモリと電流スイッチの間にデコーダ追加)
10.第8実施形態(メモリの電流レベル情報を順次選択、電流スイッチ無し)
<記録再生装置>
図1は、光装置の一例である記録再生装置(光ディスク装置)の一構成例を示す図である。図1Aは、光ピックアップの構成例を説明する図である。
光ディスクOD(Optical Disk)としては、CD(コンパクトディスク)やCD−ROM(Read Only Memory)などのいわゆる再生専用の光ディスクのほか、たとえばCD−R(Recordable)のような追記型光ディスクや、CD−RW(Rewritable)のような書き換え可能型光ディスクであってもよい。さらには、CD系の光ディスクに限らず、MO(光磁気ディスク)であってもよいし、通常のDVD(Digital Video またはVersatile Disk)や、たとえば波長405nm程度の青色レーザを利用する次世代DVDといったDVD系の光ディスクであってもよい。DVD系統には、DVD−RAM/−R/+R/−RW/+RWなどもある。また、現行のCDフォーマットを踏襲しながら、記録密度を現行フォーマットの約2倍とした、いわゆる2倍密度のCD(DDCD;DD=Double Density)やCD−RあるいはCD−RWであってもよい。
本実施形態の記録再生装置1は、光ピックアップ14とピックアップ制御部32を備える。光ピックアップ14は、光ディスクODへの情報の記録あるいは情報の再生を行なう。光ピックアップ14は、ピックアップ制御部32によって制御され、光ピックアップ14から出射されるレーザビームの光ディスクODに対する半径方向位置(トラッキングサーボ)および焦点方向位置(フォーカスサーボ)を制御する。
記録再生装置1は、回転制御部(回転サーボ系)として、スピンドルモータ10と、モータドライバ12と、スピンドルモータ制御部30を備える。スピンドルモータ10は、光ディスクODを回転させるものであり、その回転数はスピンドルモータ制御部30によって制御される。
記録再生装置1は、記録・再生系として、光ピックアップ14を介して情報を記録する情報記録部および光ディスクODに記録されている情報を再生する情報再生部の一例である記録・再生信号処理部50を備える。記録・再生信号処理部50と光ピックアップ14の間は、信号を伝送する伝送部材の一例としてのフレキシブル基板51にパターン形成された信号配線を介して接続される。そのフレキシブル基板51の全長は、記録・再生信号処理部50と光ピックアップ14の配置によって異なるが、たとえば100mm程度の長さを持つ。
記録再生装置1は、コントローラ系として、コントローラ62や図示を割愛したインタフェース機能をなすインタフェース部などを備える。コントローラ62は、マイクロプロセッサ(MPU:Micro Processing Unit )で構成されており、スピンドルモータ制御部30およびピックアップ制御部32を有するサーボ系や記録・再生信号処理部50の動作を制御する。インタフェース部は、当該記録再生装置1を利用した各種の情報処理を行なう情報処理装置(ホスト装置)の一例であるパーソナルコンピュータ(以下パソコンと称する)との間のインタフェース(接続)機能をなす。インタフェース部には、ホストIFコントローラが設けられる。記録再生装置1とパソコンにより情報記録再生システム(光ディスクシステム)が構成される。
[光ピックアップ]
図1Aに示すように、光ピックアップ14は、半導体レーザ41、プリズム42、レンズ43、光検出器44、およびレーザ駆動装置の一例である駆動電流制御部47を備える。半導体レーザ41は、光ディスクODに付加情報を記録するあるいは光ディスクODに記録されている情報を読み取るためのレーザ光を発する。プリズム42は、半導体レーザ41からのレーザ光をレンズ43側に反射させ、レンズ43からの読取光(反射光)を光検出器44に導く。レンズ43はプリズム42で反射されたレーザ光を光ディスクODに集光させ、また光ディスクODからの読取光をプリズム42に導く。光検出器44は、読取光を電気信号に変換する。駆動電流制御部47は、一例としてレーザ駆動ICで構成される。
半導体レーザ41と駆動電流制御部47の間は、一例として、フレキシブル基板46にパターン形成された信号配線を介して接続される。
[記録・信号処理部]
記録・再生信号処理部50は、RF増幅部52と、波形整形部53(波形等化器;Equalizer )と、AD変換部54(ADC;Analog to Digital Converter )を備える。また、記録・再生信号処理部50は、クロック再生部55と、書込みクロック生成部56と、DSP(Digital Signal Processor)で構成されたデジタル信号処理部57と、APC制御部58(Automatic Power Control)を備える。
RF増幅部52は、光ピックアップ14により読み取られた微小なRF(高周波)信号(再生RF信号)を予め定められたレベルに増幅する。波形整形部53は、RF増幅部52から出力された再生RF信号を整形する。AD変換部54は、波形整形部53から出力されたアナログの再生RF信号をデジタルの再生RFデータDinに変換する。
クロック再生部55は、AD変換部54から出力された再生RFデータDinに同期したクロック信号を生成するデータリカバリ型の位相同期回路(PLL回路)を有する。また、クロック再生部55は、再生したクロック信号をAD変換部54へADクロックCKad(サンプリングクロック)として供給するほか、その他の機能部に供給したりする。
デジタル信号処理部57は、たとえば、再生用の機能部として、データ検出部と復調処理部を有する。データ検出部は、PRML(Partial Response Maximum Likelihood )などの処理を行ない、再生RFデータDinからデジタルデータを検出する。
復調処理部は、デジタルデータ列を復調し、デジタルオーディオデータやデジタル画像データなどを復号化するなどのデジタル信号処理をする。たとえば、復調処理部は、復調部、誤り訂正符号(ECC)訂正部、アドレスデコード部などを有し、復調・ECC訂正、アドレスデコードを行なう。復調後のデータは、インタフェース部を介してホスト装置へ転送される。
書込みクロック生成部56は、クリスタル発振器などから供給される基準クロックに基づき光ディスクODへの記録の際にデータを変調するための書込みクロックを生成する。デジタル信号処理部57は、記録用の機能部として、ECCエンコード部や変調処理部を有する。このデジタル信号処理部57は、記録データを生成し、さらに、ライトストラテジに応じた各パワーレベルの発光タイミング信号を生成する。
ここで、本実施形態の記録再生装置1は、半導体レーザ41から照射されるレーザ光により光ディスクODに情報源より出力されるデジタルデータを記録する。そのため、駆動電流制御部47は、ライトストラテジに応じた記録パルスとAPC制御用のレーザパワー指示電圧PWを合成して記録波形を生成し、記録波形を増幅して、半導体レーザ41を駆動する。記録・再生信号処理部50のAPC制御部58は、半導体レーザ41の発光パワーを一定に制御する機能を持ち、レーザパワー指示電圧PWを光ピックアップ14に供給する。
<レーザ駆動方式の問題点と対策手法の原理>
図2〜図2Cは、レーザ駆動方式の問題点とその対策手法の基本原理を説明する図である。ここで、図2は、ライトストラテジ技術を適用したレーザ駆動方式の一例を説明する図である。図2Aは、ライトストラテジ技術を適用して半導体レーザ41を駆動する際の信号インタフェース手法の第1比較例および第2比較例を説明する図である。図2Bは、本実施形態の信号インタフェース方式を実現するシステム構成を示す図である。図2Cはライトストラテジ技術を適用した、本実施形態のレーザ駆動方式の基本原理を説明する図である。
光ディスクの記録方式としては、光ディスク媒体に情報を記録する際、光パワーの強弱変化によって記録媒体にマーク・スペースを形成するいわゆる光強度変調方式によって記録を行なう。エラーの少ない記録を行なうためには、光パワーの強弱変化は、記録データそのものではなく、たとえば、図2に示したような波形を用いる。
マルチパルス方式は、記録クロックを分割してパルス発光させるものである。この例では、3つのパワーレベルを持つ。キャッスル方式は、主に高倍速記録で用いられており、記録クロック単位のパルス発光はさせないものの、マークの先頭と最後でレーザパワーを上げる。この例では、パワーレベルが4つであり、マルチパルス方式に比べて増えている。
また、各エッジのタイミングはチャネルクロック間隔(Tw)よりも小さい単位で調整する。たとえば、Tw/40、Tw/32、Tw/16などとする。
このような発光パターンの工夫を記録補償(ライトストラテジ技術)と称し、記録データに応じた各エッジのタイミングを生成するのが記録補償回路(ライトストラテジ回路)である。
一方、光ディスク装置のレーザ駆動系3としては、たとえば図2Aに示すように、半導体レーザ41や光学部品を搭載した光ピックアップ14(光ヘッド)と、制御回路を搭載したドライブ基板に分かれている。光ピックアップ14は光ディスクODの半径に応じて可動するため、両者はフレキシブル基板51で接続される。
ここで、図2A(1)に示す第1比較例では、ライトストラテジ回路290Xは、ドライブ基板に搭載されている。この場合、ドライブ基板から光ピックアップ14に搭載したレーザ駆動回路200X(レーザ駆動IC)に各パワーレベルに対応した発光タイミングを指示する記録パルス信号とレーザパワー指示電圧PWが送られて、レーザ駆動回路200Xが駆動電流を生成することにより半導体レーザ41を発光させる。ライトストラテジ回路290Xから送られる記録パルス信号は、チャネルクロックよりも細かいタイミング情報を持つものであるが、近年の記録速度向上に伴う次のような課題が問題となる。第1には、パワーレベルの増加により伝送本数が増える点である。第2には、フレキシブル基板51に起因する周波数特性(伝送帯域)のため記録パルス信号を正確に伝送することが困難になる点である。記録パルス信号の間隔が正確に伝送できなくなり、記録速度向上の障害になるのである。
一方、図2A(2)に示す第2比較例では、ライトストラテジ回路290Yは、ドライブ基板ではなく、レーザ駆動回路200Yに搭載されている。ライトストラテジ回路290Yでは、記録クロックと記録データから、光パワーを制御するタイミング信号を生成する。タイミング信号はチャネルクロック間隔(Tw)よりも小さい単位となり、パワーレベルごとに生成され、パワーレベルとタイミングは一対一で対応させる(図2C(1)を参照)。これを実現するためのライトストラテジ回路290Yは、位相同期回路、メモリ、アドレスエンコーダ、タイミング生成回路を含む。位相同期回路は、チャネルクロック間隔(Tw)よりも小さい単位を生成するための多相クロックを生成する。メモリは、レベル情報を格納する。アドレスエンコーダは、記録データ長を判別しメモリアドレスを生成する。タイミング生成回路は、記録データ長に応じてメモリから読み出されたタイミング情報をタイミング信号に変換する。
このような構成の第2比較例では、フレキシブル基板51で伝送される信号は、記録クロックと記録データとなり、何れもチャネルクロック単位の信号であることから、フレキシブル基板51での伝送特性の影響を受け難く、第1比較例での問題点が解消される。しかしながら、ライトストラテジ回路290Yには、位相同期回路、メモリ、アドレスエンコーダ、タイミング生成回路を含むので、レーザ駆動回路200Yが大規模になる、消費電力が増え、発熱の問題が発生するなどの難点がある。
そこで、本実施形態のレーザ駆動系3では、伝送本数や伝送帯域の問題点を解決する手法として、レーザ駆動回路の回路規模を第2比較例ほどは増大させることなく、解決することのできる仕組みにする。その手法の基本的な考え方は、先ず、ライトストラテジ技術を適用する場合の各タイミングでのレーザ発光のパワーレベル情報(記録波形制御信号パターン)を記憶しておく。
また、スペースとマークの繰返しの切替りタイミングを示す基準パルスの取得タイミングを規定する情報を含んだ第1の伝送信号と、レーザ発光レベルの切替りタイミングを示す切替えパルスの取得タイミングを規定する情報を含んだ第2の伝送信号を使用する。第1の伝送信号と第2の伝送信号を、図1および図1Aの記録パルスとして扱う。
なお、基準パルスもレーザ発光レベルの切替りタイミングを示すものと考えることができ、切替えパルスの一態様として扱う手法を採ることも考えられる(第4〜第6実施形態を参照)。
2種類のパルス信号を使って基準パルスと複数の切替えパルスを生成し、基準パルスにより記録波形制御信号パターンの初期レベルにし、以後は、切替えパルスごとに記録波形制御信号パターンに従ってライトストラテジ技術を適用する各発光パワーレベルに切り替える。そして、基準パルスが生成される都度、再度、前記と同様の処理を行なう。このような方式を、本明細書では、シーケンシャル(sequential)方式と称する。
以下の各実施形態では、特に断りのない限り、レーザ発光波形として、キャッスル方式を適用する場合で説明する。これは、高倍速の記録では、キャッスル方式が一般的であるためである。ただし、後述する各実施形態の仕組みは、マルチパルス方式にも適用可能である。キャッスル方式とマルチパルス方式は、各パルスタイミングでのパワーレベルの設定値が異なるに過ぎず、「記録パワーをパルス分割し、多値レベル化し制御する」と言う点において共通するからである。
本実施形態は、記録系に関して、ライトストラテジ回路290をドライブ基板側に配置する第1比較例と同様の信号インタフェース方式を採ることをベースに、信号線の種類を低減して伝送する点に特徴がある。
すなわち、図2Bに示すように、ドライブ基板は、ライトストラテジ回路290の後段に、シーケンシャル対応の伝送信号生成部500を有する。伝送信号生成部500は、ライトストラテジ回路290からのライトストラテジ信号(たとえば4〜5ch)に基づいて、第1の伝送信号と第2の伝送信号を生成する。ここで、第1の伝送信号は、スペースおよびマークの繰返しの切替りタイミングを示す基準パルスの取得タイミングを規定する情報を含むものである。第2の伝送信号は、分割された駆動信号の切替りタイミングを示す切替えパルスの取得タイミングを規定する情報を含むものである。伝送信号生成部500は、第1および第2の伝送信号をフレキシブル基板51を介してレーザ駆動回路200に供給する。
光ピックアップ14側のレーザ駆動回路200は、デジタル信号処理部57の伝送信号生成部500と整合するパルス生成部202と、発光波形生成部203と、パワーモニタ回路300を有する。パルス生成部202は、フレキシブル基板51を介して伝送された第1および第2の伝送信号に基づいて基準パルスと切替えパルスを生成する。発光波形生成部203は、基準パルスと切替えパルスを使用して記録波形制御信号パターンに従った電流信号を生成する。パワーモニタ回路300は、半導体レーザ41から発せられたレーザ光の一部を光電変換し、サンプルホールドしてAPC制御用の帰還信号としてパワーモニタ電圧PDを取得し、APC制御部58に送る。
図2C(2)に示すように、本実施形態のシーケンシャル方式は、第1の伝送信号としてのリセット信号RSと第2の伝送信号としてのエッジ信号ESの2種類の入力信号を使用して、基準パルスとしてのリセットパルスRPと切替えパルスとしてのエッジパルスEPを生成する。
第1の伝送信号(リセット信号RS)は、ライトストラテジ回路内蔵の構成の第2比較例のレーザ駆動回路200Yにおける記録波形制御信号パターンの開始エッジ(図2C(1)のエッジパルスEP1)と同じエッジを示す信号である。第2の伝送信号(エッジ信号ES)は、それ以外のエッジタイミング(図2C(1)のエッジパルスEP2,EP3,EP4,EP5)を合成したものと同じエッジを示す信号である。
図2C(3)に示すように、メモリ回路の各レジスタに、記録波形制御信号パターンを示す各発光パワーレベルの情報を順に記憶しておく。リセットパルスRPに基づき基準パワーレベルの情報を読み出す。基準パワーレベルの情報に続く各タイミングでの発光パワーレベルの情報は、エッジパルスEPに基づき順に読み出す。
つまり、レーザ駆動回路200内に、高速に動作するリセット機能付のシーケンシャルアクセスメモリを備え、読み出す順番に各パワーレベル情報を保持するようにしておく。そして、切替えパルス(エッジパルスEP)が生成される都度、基準パワーレベルの情報の次から順番に、発光パワーレベルの情報を選択して読み出す。さらに、どの発光パワーレベルが選択されていても、基準パルス(リセットパルスRP)のリセット機能により、基準パルスが生成されるタイミングで、先頭エリアの情報(基準パワーレベルの情報)を読み出す。
ここで、図2Cで示したように、ライトストラテジ回路290で生成される記録波形制御信号パターンを規定する各エッジパルスEP1〜EP5の内、エッジパルスEP1がリセットパルスRPに対応する。そこで、伝送信号生成部500は、エッジパルスEP1に基づき、リセット信号RSを生成する。また、エッジパルスEP2〜EP5がエッジパルスEPに対応するので、伝送信号生成部500は、エッジパルスEP2〜EP5に基づいてエッジ信号ESを生成する。
このとき、リセット信号RSの片エッジでリセットパルスRPを規定する考え方と両エッジでリセットパルスRPを規定する考え方の何れをも採り得る。同様に、エッジ信号ESの片エッジでエッジパルスEPを規定する考え方と両エッジでエッジパルスEPを規定する考え方の何れをも採り得る。リセットパルスRPに比べるとエッジパルスEPの出力頻度は多くなる。そこで、本実施形態では、少なくともエッジパルスEPに関してはエッジ信号ESの両エッジで規定する構成を採用することにする。リセットパルスRPに関しては、リセット信号RSの片エッジで規定する場合と、両エッジで規定する場合の何れかを採ることとする。
以下、具体的な例を挙げて説明する。
<レーザ駆動方式:第1実施形態>
図3〜図3Eは、レーザ駆動方式の第1実施形態を説明する図である。ここで、図3は、ドライブ基板側のデジタル信号処理部57に備えられるシーケンシャル方式を実現するために使用される第1実施形態の伝送信号生成部500Aの構成例を説明する図である。図3Aは、第1実施形態のレーザ駆動方式を実現するレーザ駆動回路(特に、図1Aの駆動電流制御部47に対応)を示す図である。図3Bは、第1実施形態のレーザ駆動回路に使用されるメモリ回路(発光レベルパターン記憶部)の記憶情報と電流スイッチとの関係を説明する図である。図3Cおよび図3Dは、第1実施形態のレーザ駆動回路の動作を説明するタイミングチャートである。図3Eは、図3Cおよび図3Dに示す記録波形制御信号パターンに対応したメモリ回路のレジスタ設定情報を示す図である。
第1実施形態は、記録モード時に、1つの第1の伝送信号および1つの第2の伝送信号をレーザ駆動回路200に供給して、ライトストラテジ技術で半導体レーザ41を駆動するものである。第1の伝送信号としては、スペースとマークの繰返しの切替りタイミングを示す基準パルスの取得タイミングがエッジで示されているリセット信号RSを使用する。第2の伝送信号としては、レーザ発光レベルの切替りタイミングを示す切替えパルスの取得タイミングがエッジで示されているエッジ信号ESを使用する。因みに、後述する第4実施形態とは異なり、エッジ信号ESのエッジはリセットパルスRPを示さないものとする。
[回路構成:第1実施形態]
図3に示すように、ドライブ基板側の伝送信号生成部500Aは、リセット信号RSを生成するために、RS型フリップフロップ510とD型フリップフロップ512を有する。RS型フリップフロップ510のR入力端にはノンリターンゼロデータNRZIDATAを入力し、S入力端にはエッジパルスEP1を入力する。RS型フリップフロップ510の非反転出力端 Qは、D型フリップフロップ512のクロック入力端CKと接続されている。D型フリップフロップ512の反転出力端xQはD入力端と接続され、1/2分周回路が構成されるようになっている。
こうすることで、RS型フリップフロップ510の非反転出力端 Qは、エッジパルスEP1の立上りエッジに同期してアクティブHとなりノンリターンゼロデータNRZIDATAの立上りエッジに同期してインアクティブLとなる。RS型フリップフロップ510の非反転出力端 Qの出力パルスは、D型フリップフロップ512のクロック入力端CKに供給され、1/2に分周される。
RS型フリップフロップ510の非反転出力端 Qの出力パルスをリセット信号RSとすれば、その立上りエッジでリセットパルスRPを規定することになる。RS型フリップフロップ510の反転出力端xQの出力パルスをリセット信号RSとすれば、その立下りエッジでリセットパルスRPを規定することになる。D型フリップフロップ512の非反転出力端 Qや反転出力端xQの出力パルスをリセット信号RSとすれば、その両エッジでリセットパルスRPを規定することになる。よって、リセット信号RSの片エッジでリセットパルスRPを規定するシステム構成にする場合にはD型フリップフロップ512は不要である。
また、伝送信号生成部500Aは、エッジ信号ESを生成するために、4入力型のORゲート520とD型フリップフロップ522を有する。ORゲート520の各入力端には、エッジパルスEP2〜EP5が供給される。ORゲート520の出力端は、D型フリップフロップ522のクロック入力端CKと接続されている。D型フリップフロップ522の反転出力端xQはD入力端と接続され、1/2分周回路が構成されるようになっている。
こうすることで、エッジパルスEP2〜EP5の何れかの立上りエッジに同期して、D型フリップフロップ522の非反転出力端 Qや反転出力端xQは、L,Hが順番に変化する。
よって、D型フリップフロップ522の非反転出力端 Qや反転出力端xQの出力パルスをエッジ信号ESとすれば、その両エッジでエッジパルスEPを規定することになる。
図3Aのように、第1実施形態のレーザ駆動回路200Aは、リセットパルス生成部210およびエッジパルス生成部220を具備したパルス生成部202、発光レベルパターン記憶部230、電流源部240、電流スイッチ部250、レーザ駆動部270を有する。リセットパルス生成部210は第1パルス生成部の一例であり、エッジパルス生成部220は第2パルス生成部の一例である。
レーザ駆動回路200の内、パルス生成部202とレーザ駆動部270を除く部分が記録波形生成部に対応する。
パルス生成部202は、第1の伝送信号としてのリセット信号RSと第2の伝送信号としてのエッジ信号ESを使用して、リセットパルスRPとエッジパルスEPを生成する。たとえば、リセットパルス生成部210は、リセット信号RSに基づきリセットパルスRPを生成する。エッジパルス生成部220は、エッジ信号ESに基づきにエッジパルスEPを生成する。つまり、リセットパルスRPの生成タイミングはリセット信号RSのエッジに同期し、エッジパルスEPの生成タイミングはエッジ信号ESのエッジに同期させるものである。ここでは、リセットパルスRPおよびエッジパルスEPは何れもアクティブHのパルス信号であるものとする。
リセットパルス生成部210は第1エッジ検出部の一例であるエッジ検出回路212を有している。エッジパルス生成部220は第2エッジ検出部の一例であるエッジ検出回路222を有している。エッジ検出回路212,222としては、たとえば、NAND(あるいはAND)ゲートやNOR(あるいはOR)ゲート回路やインバータやEX−ORゲートなどのゲート回路を利用するなど公知のものを適用すればよい。
たとえば、非反転型の論理ゲートを遅延素子として使用し、入力パルス信号と遅延素子の出力をEX−ORゲートに入力すると両エッジをアクティブHで検出できる。反転型の論理ゲートを遅延素子として使用し、入力パルス信号と遅延素子の出力を、ANDゲートに入力すると立上りエッジをアクティブHで検出でき、NORゲートに入力すると立下りエッジをアクティブHで検出できる。
ここで、リセットパルス生成部210は、入力されるリセット信号RSの立上りおよび立下りの何れか一方のエッジ(ここでは立上りエッジとする)をエッジ検出回路212により検出してリセットパルスRPを生成し、発光レベルパターン記憶部230に供給する(対応するタイミングチャートは図3C)。変形例としては、リセット信号の立上りおよび立下りの双方のエッジを検出してリセットパルスRPを生成してもよい(対応するタイミングチャートは図3D)。
エッジパルス生成部220は、入力されるエッジ信号ESの立上りおよび立下りの双方のエッジをエッジ検出回路222により検出してエッジパルスEPを生成し、発光レベルパターン記憶部230に供給する。スペースとマークの繰返しの1サイクル当たりに、リセットパルスRPは1つ生成すればよいが、エッジパルスEPは複数生成する必要があるので、エッジ信号ESの両エッジからエッジパルスEPを生成することでエッジ信号ESの周波数を低く抑えるようにしている。
発光レベルパターン記憶部230は、ライトストラテジ技術を適用する場合の各タイミングにおけるレーザ発光のパワーレベル情報(記録波形制御信号パターン)を記憶する。たとえば発光レベルパターン記憶部230は、複数のレジスタ232_1〜232_k(纏めてレジスタセット231と称する)と各レジスタ232_1〜232_kの出力に設けられた読出しスイッチ234_1〜234_kを備える。
レジスタセット231は、主記憶部として機能する。各レジスタ232_1〜232_kの出力線や対応する読出しスイッチ234_1〜234_kは、ライトストラテジ技術を適用する際のレーザパワーの多値レベルを設定可能な複数である。多値レベルの数とレジスタ232_1〜232_kの出力線や読出しスイッチ234_1〜234_kの数は同一であってもよいし、デコーダを使用することで異なるようにしてもよい(第7実施形態を参照)。第1実施形態では、多値レベルの数とレジスタ232_1〜232_kの出力線および読出しスイッチ234_1〜234_kの数は同一であるものとする。
本実施形態の発光レベルパターン記憶部230は、記録波形制御信号パターンに従って、記録波形制御信号パターンの初期レベルを先頭に各発光パワーレベルの情報やそれに対応する電流スイッチ部250の切替え態様を規定する情報が順にレジスタ232_1〜232_kに記憶される。記録波形制御信号パターン例については後で説明する。
初期レベルの情報を保持する1段目のレジスタ232_1に接続される1段目の読出しスイッチ234_1の制御入力端には、リセットパルス生成部210からリセットパルスRPが供給される。2段目以降のレジスタ232_2,…,232_kに接続される読出しスイッチ234_2,…,234_kの制御入力端には、エッジパルス生成部220からエッジパルスEPが共通に供給される。読出しスイッチ234_2,…,234_kは、レジスタ232_2,…,232_kの出力をエッジパルスEPごとに順番に選択するシーケンシャルスイッチである。
発光レベルパターン記憶部230は、記録モード時に、リセットパルスRP、エッジパルスEP、およびレジスタ232に保存しておいたパワーレベル情報に基づき、電流スイッチ部250の各電流スイッチをオン/オフする複数の電流切替パルスSWを出力する。具体的には、発光レベルパターン記憶部230は、レジスタ232_2,…,232_kに保存してあるパワーレベル情報(特に本例では電流スイッチ部250を制御する電流切替パルスSW)をエッジパルスEPのタイミングで順番に読み出して行く。そして、リセットパルスRPのタイミングで初期レベル情報を記憶するレジスタ232_1の読出しに戻す。
電流源部240は、基準電流生成部242と電流出力型のDA変換部244(IDAC)を備えている。基準電流生成部242は、半導体レーザ41の発光パルス波形における記録モード時の多値並びに再生(読取り)モード時のリード(Read)の各パワーレベルに対応するデジタルの各基準電流値を発光レベルパターン記憶部230の情報に基づき生成する。たとえば、発光レベルパターン記憶部230に、各発光パワーレベルに対応する電流情報を多ビットデジタルデータで設定しておき、各発光パワーレベルに対応する各基準電流生成部242はその電流情報を取り込む。
DA変換部244は、基準電流生成部242で生成された電流情報(デジタルデータ)をアナログに変換して出力する。ここで、各DA変換部244には、APC制御部58からフレキシブル基板51を介してレーザパワー指示電圧PWが供給されている。各DA変換部244は、レーザパワー指示電圧PWに基づいてDA変換のゲインを調整する。これにより、半導体レーザ41の発光パワーは、レーザパワー指示電圧PWに応じた一定値にフィードバック制御される。
電流スイッチ部250は、記録モード時に、DA変換部244にてアナログ信号に変換された各パワー基準電流の何れか1つもしくは任意の組合せ(重畳)にするべく、電流スイッチ252(Current SW)を備えている。電流スイッチ部250は、発光レベルパターン記憶部230から読み出された複数のレベル情報(具体的には電流切替パルスSW)に基づき電流スイッチ252をオン/オフすることにより発光パワーを制御する。
記録モード時の多値レベルとしては、本例では、クール(Cool)、イレーズ(Erase )、ピーク(Peak)、オーバードライブ(Over Drive)の4値を採用している(図3B、図3Cを参照)。これに対応して、基準電流生成部242は、4つのレベルの基準電流を生成する各別の基準電流生成部242C,242E,242P,242OD、並びにリード用の基準電流生成部242Rを備えている。DA変換部244としては、基準電流生成部242にて生成された各基準電流をアナログ信号に変換するべく、それぞれDA変換部244C,244E,244P,244OD,244Rを備えている。電流スイッチ252も、各別に252C,252E,252P,252OD,252Rを備える。
基準電流生成部242が生成する各基準電流としては、図3B(1)に示すように、クール、イレーズ、ピーク、オーバードライブの4値のそれぞれに対応する各別のIc,Ie,Ip,Iodにしてもよい。また、図3B(2)に示すように、クール電流Ic、イレーズ電流Ie、ピーク電流Ip、オーバードライブ電流Iodで、順に増加する分を加算するようなクール電流Icと各差分情報(Ie−Ic,Ip−Ie,Iod−Ip)にしてもよい。何れを採るかに応じて、電流スイッチ部250の各電流スイッチ252の何れをオンさせるかが異なり、その採用構成に応じて、電流スイッチ252を制御する電流切替パルスSWの出力パターン情報も発光レベルパターン記憶部230に記憶される。
図3B(1),(2)の何れにおいても、記録モード時には、4値レベルを制御するために、発光レベルパターン記憶部230の各レジスタ232からは4種の電流切替パルスSW_1〜SW_4が出力される。
図3B(1)に示す例では、クール、イレーズ、ピーク、オーバードライブの別に基準電流Ic,Ie,Ip,Iodが対応する電流スイッチ252C,252E,252P,252ODに供給される。したがって、4種の電流切替パルスSW_1〜SW_4の何れか1つをアクティブにすることで1つの電流スイッチ252をオンすればよい。この場合、電流スイッチ252の切替えタイミングのずれの影響は図3B(2)に比べると少ないと考えられる。その反面、各基準電流生成部242が各別に基準電流を生成する必要があるので、特に、ピーク電流Ipやオーバードライブ電流Iod用の基準電流生成部242P,242ODの生成する電流量が多くなる。
図3B(2)に示す例では、電流加算を利用するので、クール、イレーズ、ピーク、オーバードライブの順に、アクティブにする電流切替パルスSW_1〜SW_4の組合せ数を増やすことで、オンさせる電流スイッチ252を増やしていく。この場合、電流加算のタイミングが加算電流スイッチ252の切替えタイミングに左右されるので「ずれ」の影響は図3B(1)に比べると大きくなると考えられる。その反面、各基準電流生成部242の生成する電流量は少なくて済む。
レーザ駆動部270は、レーザ切替回路272とドライバ回路274を有する。レーザ切替回路272としては、一例として、CD系統用の第1半導体レーザ41_1、DVD系統用の第2半導体レーザ41_2、次世代DVD系統用の第3半導体レーザ41_3の3系統を切り替える3入力−1出力型のスイッチを有している。ドライバ回路274は、第1半導体レーザ41_1を駆動する第1ドライバ回路274_1、第2半導体レーザ41_2を駆動する第2ドライバ回路274_2、第3半導体レーザ41_3を駆動する第3ドライバ回路274_3を有する。レーザ駆動部270は、CD,DVD,次世代DVDの3種類の記録媒体用の半導体レーザ41_1,41_2,41_3に対応しており、記録媒体によって半導体レーザ41を切り替える。
このような構成により、レーザ駆動回路200Aは、半導体レーザ41の閾値電流を供給するバイアス電流と複数の電流パルスの組合せによりライトストラテジ技術が適用される多値パワーの発光波形を生成するようにしている。図示しないレーザパワー制御系(APC制御系)では、半導体レーザ41のレーザパワーが、この多値パワーの発光波形となるように、多値パワーを制御する。
[動作:第1実施形態]
図3Cおよび図3Dに示すように、書込み用のデータ入力はノンリターンゼロデータNRZIDATAであるものとする。スペース長は2Tで、マーク長は2T以上(図では2T,3T,4T,5Tを例示)であるとする。最高速信号は2T繰返しとなる。
ライトストラテジ技術を適用するとき、この例では、各スペース長2Tにおいて、前半の1T時にはクールレベル(Cool)、後半の1T時にはイレーズレベル(Erase )にする。マーク長2T時において、前半の1T時にはイレーズレベル、後半の1T時にはオーバードライブレベルにする。マーク長3T時において、1番目の1T時にはイレーズレベル、2番目の1T時にはオーバードライブレベル(O.D.)、3番目の1T時にはピークレベル(Peak)にする。
マーク長4T時において、1番目の1T時にはイレーズレベル、2番目の1T時にはオーバードライブレベル、3番目の1T時にはピークレベル、4番目の1T時にはオーバードライブレベルにする。マーク長5T時において、1番目の1T時にはイレーズレベル、2番目の1T時にはオーバードライブレベル、3番目の1T時にはピークレベル、4番目の1T時にはピークレベル、5番目の1T時にはオーバードライブレベルにする。つまり、マーク長5T時には、3〜4番目の2T時にはピークレベルを維持し、その後の5番目の1T時にオーバードライブレベルに遷移する。
また、マーク長に関わらず、スペースの後半からマークの1番目にかけての2T時にはイレーズレベルを維持し、その後の1T時にオーバードライブレベルに遷移する。各発光パワーレベルには、O.D.>Peak>Erase >Coolの関係がある。
このような記録波形制御信号パターンに対応して、図3Eに示すように、1段目のレジスタ232_1には初期レベルとしてクールレベルの情報を記憶する。2段目のレジスタ232_2にはイレーズレベル、3段目のレジスタ232_2にはオーバードライブレベル、4段目のレジスタ232_2にはピークレベル、5段目のレジスタ232_5にはオーバードライブ、の各情報を記憶する。
1つのリセット信号RSと1つのエッジ信号ESを入力パルス信号として使用する。1つのリセット信号RSの立上りエッジあるいは立上りエッジおよび立下りエッジに基づきリセットパルスRPを生成する。1つのエッジ信号ESの両エッジに基づきエッジパルスEPを生成する。そして、発光レベルパターン記憶部230の各レジスタ232_1〜232_5に記憶した各パワーレベル情報を先頭エリア(本例ではクール)から順番に読み出していく。
たとえば、リセットパルスRPがアクティブHのときに読出しスイッチ234_1をオンさせて1段目のレジスタ232_1のパワーレベル情報を読み出す。この後、エッジパルスEPがアクティブHとなる都度、シーケンシャルスイッチ構成の読出しスイッチ234_2〜234_5を順番にオンさせてレジスタ232_2〜232_5のパワーレベル情報を順番に読み出す。
たとえば、マーク長4Tやマーク長5Tの記録時には、順番に全てのパワーレベル情報を読み出すと、クール→イレーズ→オーバードライブ→ピーク→オーバードライブの順でレーザ発光パワーが切り替わる。
ノンリターンゼロデータNRZIDATAのマーク長によっては全てのレベルを出力することはなく、たとえば、マーク長2Tの記録時には、オーバードライブからクールにパワーを遷移させる必要が生じる。その場合、クールにしたいオーバードライブ直後のタイミングでリセットパルスRPがアクティブHとなるようにリセット信号RSを供給することにより、オーバードライブの次にクールの情報が読み出される。同様に、マーク長3Tの記録時には、ピークからクールにパワーが遷移するように、クールにしたいピーク直後のタイミングでリセットパルスRPがアクティブHとなるようにリセット信号RSを供給すればよい。
<レーザ駆動方式:第2実施形態>
図4〜図4Dは、レーザ駆動方式の第2実施形態を説明する図である。ここで、図4は、ドライブ基板側のデジタル信号処理部57に備えられるシーケンシャル方式を実現するために使用される第2実施形態の伝送信号生成部500Bの構成例を説明する図である。図4Aは、第2実施形態のレーザ駆動方式を実現するレーザ駆動回路を示す図である。図4Bおよび図4Cは、第2実施形態のレーザ駆動回路の動作を説明するタイミングチャートである。図4Dは、図4Bおよび図4Cに示す記録波形制御信号パターンに対応したメモリ回路のレジスタ設定情報を示す図である。
第2実施形態は、記録モード時に、1つの第1の伝送信号およびN本(Nは2以上の正の整数)の第2の伝送信号をレーザ駆動回路200Bに供給して、ライトストラテジ技術で半導体レーザ41を駆動するものである。信号線の本数は増えてしまうが、高速伝送を可能にするため、第2の伝送信号をN本にし、それぞれの立上りエッジと立下りエッジの2Nエッジでタイミングを伝送することで、伝送帯域を低減する機能を実現するものである。つまり、切替えパルスの取得タイミングを規定する情報を含んだ第2の伝送信号を複数本で伝送することにより、より容易に伝送帯域の問題点を解決しようとするものである。以下、「N=2」を例に、第1実施形態のレーザ駆動回路200Aとの相違点を中心に説明する。
[回路構成:第2実施形態]
図4に示すように、ドライブ基板側の伝送信号生成部500Bは、リセット信号RSを生成するために、RS型フリップフロップ510とD型フリップフロップ512を有する。構成は、第1実施形態と同様であり、ここでは説明を割愛する。
また、伝送信号生成部500Bは、エッジ信号ES_1,ES_2を生成するために、4入力型のORゲート520とD型フリップフロップ522,526,527を有する。第1実施形態の構成をベースとして、D型フリップフロップ522の後段に、D型フリップフロップ526,527を追加した構成である。ORゲート520とD型フリップフロップ522の構成は、第1実施形態と同様であり、ここでは説明を割愛する。
D型フリップフロップ522の非反転出力端 Qは、D型フリップフロップ526のクロック入力端CKと接続されている。D型フリップフロップ526の反転出力端xQはD入力端と接続され、1/2分周回路が構成されるようになっている。D型フリップフロップ522の反転出力端xQは、D型フリップフロップ527のクロック入力端CKと接続されている。D型フリップフロップ527の反転出力端xQはD入力端と接続され、1/2分周回路が構成されるようになっている。
こうすることで、エッジパルスEP2〜EP5の何れかの立上りエッジに同期して、D型フリップフロップ522の非反転出力端 Qや反転出力端xQは、L,Hが順番に変化する。そして、D型フリップフロップ522の非反転出力端 Qの立上りエッジに同期して、D型フリップフロップ526の非反転出力端 Qや反転出力端xQは、L,Hが順番に変化する。また、D型フリップフロップ522の反転出力端xQの立上りエッジに同期して、D型フリップフロップ527の非反転出力端 Qや反転出力端xQは、L,Hが順番に変化する。
よって、D型フリップフロップ526の非反転出力端 Qや反転出力端xQの出力パルスをエッジ信号ES_1とすれば、その両エッジでエッジパルスEP_1を規定することになる。また、D型フリップフロップ527の非反転出力端 Qや反転出力端xQの出力パルスをエッジ信号ES_2とすれば、その両エッジでエッジパルスEP_2を規定することになる。
図4Aに示すように、第2実施形態のレーザ駆動回路200Bのエッジパルス生成部220は、第2の伝送信号としての2つのエッジ信号ES_1,ES_2に基づきにエッジパルスEPを生成する。
このため、第2実施形態のエッジパルス生成部220Bは、2つのエッジ検出回路222_1,222_2とパルス合成部の一例である論理ゲート224を有する。エッジ検出回路222_1は、エッジ信号ES_1の両エッジを検出してエッジパルスEP_1を生成する。エッジ検出回路222_2は、エッジ信号ES_2の両エッジを検出してエッジパルスEP_2を生成する。論理ゲート224は、各エッジ検出回路222_1,222_2から出力される各エッジパルスEP_1,EP2を論理合成してエッジパルスEPを生成する。ここでは、エッジパルスEP_1,EP_2はアクティブHのパルス信号であるものとする。これに対応して、論理ゲート224としては、エッジパルスEP_1,EP_2の論理和をとるORゲートを使用する。
図4Bおよび図4Cに示すように、記録波形制御信号パターンは第1実施形態と同様であり、図4Dに示すように、レジスタ232_1〜232_5の情報も第1実施形態と同様である。各レジスタ232で指定される各読出しスイッチ234と電流源部240の各基準電流生成部242との組合せは、図3B(1)に示した例で示している。
[動作:第2実施形態]
図4Bおよび図4Cに示すように、1つのリセット信号RSと2つのエッジ信号ES_1,ES_2を入力パルス信号として使用するので、入力パルス信号としては計3つとなる。
たとえば、1つ目のエッジ信号ES_1の両エッジに基づきエッジパルスEP_1を生成し、2つ目のエッジ信号ES_2の両エッジに基づきエッジパルスEP_2を生成し、各エッジパルスEP_1,EP_2の論理和をとることで1つのエッジパルスEPにする。そして、第1実施形態と同様に、1つのエッジパルスEPを発光レベルパターン記憶部230の読出しスイッチ234_2〜234_kに供給する。以下、第1実施形態と同様である。
第2実施形態のように、2つの第2の伝送信号(エッジ信号ES_1,ES_2)を使用することで、レーザ発光レベルの切替りタイミングを規定するエッジ信号ESのエッジが2つのエッジ信号ES_1,ES_2に分散される。その結果、第1実施形態よりも、エッジ伝送の帯域を半減することができ、容易に高倍速記録に対応することができるようになる。
なお、本例では、N=2を例に説明したが、3以上にすれば、より一層、エッジ伝送の帯域を低減することができ、高倍速記録により簡易に対応することができるようになる。
<レーザ駆動方式:第3実施形態>
図5〜図5Dは、レーザ駆動方式の第3実施形態を説明する図である。ここで、図5は、ドライブ基板側のデジタル信号処理部57に備えられるシーケンシャル方式を実現するために使用される第3実施形態の伝送信号生成部500Cの構成例を説明する図である。図5Aは、第3実施形態のレーザ駆動方式を実現するレーザ駆動回路を示す図である。図5Bおよび図5Cは、第3実施形態のレーザ駆動回路の動作を説明するタイミングチャートである。図5Dは、図5Bおよび図5Cに示す記録波形制御信号パターンに対応したメモリ回路のレジスタ設定情報を示す図である。
第3実施形態は、記録モード時に、1つの第2の伝送信号およびN本(Nは2以上の正の整数)の第1の伝送信号をレーザ駆動回路200Cに供給して、ライトストラテジ技術で半導体レーザ41を駆動するものである。信号線の本数は増えてしまうが、N本の第1の伝送信号を利用して複数種類のパワーレベルパターンを切替える機能を実現するものである。たとえば、マーク長に応じてピークレベルやオーバードライブレベルを変更する場合に適用される。以下、「N=2」を例に、第1実施形態のレーザ駆動回路200Aとの相違点を中心に説明する。
[回路構成:第3実施形態]
図5に示すように、ドライブ基板側の伝送信号生成部500Cは、リセット信号RS_1,RS_2を生成するために、RS型フリップフロップ510、発光レベルパターン選択信号生成回路514,ANDゲート516,517、D型フリップフロップ518,519を有する。RS型フリップフロップ510のR入力端にはノンリターンゼロデータNRZIDATAを入力し、S入力端にはエッジパルスEP1を入力する。発光レベルパターン選択信号生成回路514の入力端には、アドレスエンコーダによって判別された記録データ長判別結果が入力される。
RS型フリップフロップ510の非反転出力端 Qは、ANDゲート516,517の各一方の入力端と接続されている。ANDゲート516とANDゲート517の他方の入力端子には、発光レベルパターン選択信号生成回路514の対応する各出力端が接続される。ANDゲート516の出力端は、D型フリップフロップ518のクロック入力端CKと接続されている。D型フリップフロップ518の反転出力端xQはD入力端と接続され、1/2分周回路が構成されるようになっている。ANDゲート517の出力端は、D型フリップフロップ519のクロック入力端CKと接続されている。D型フリップフロップ519の反転出力端xQはD入力端と接続され、1/2分周回路が構成されるようになっている。
こうすることで、RS型フリップフロップ510の非反転出力端 Qは、エッジパルスEP1の立上りエッジに同期してアクティブHとなりノンリターンゼロデータNRZIDATAの立上りエッジに同期してインアクティブLとなる。
発光レベルパターン選択信号生成回路514は、アドレスエンコーダによって判別された記録データ長判別結果に応じて、発光レペルパターン選択信号を出力端に出力する。記録データ長判別結果と発光レベルパターンの対応は任意に設定可能である。そして、RS型フリップフロップ510の非反転出力端 Qの信号は、発光レベルパターン選択信号に応じて、ANDゲート516とANDゲート517の出力端に出力される。
ANDゲート516出力端の出力パルスは、D型フリップフロップ518のクロック入力端CKに供給され1/2に分周される。ANDゲート517出力端の出力パルスは、D型フリップフロップ519のクロック入力端CKに供給され、1/2に分周される。
ANDゲート516の出力端の出力パルスをリセット信号RS_1とすれば、その立上りエッジでリセットパルスRP_1を規定することになる。ANDゲート517の出力端の出力パルスをリセット信号RS_2とすれば、その立上りエッジでリセットパルスRP_2を規定することになる。D型フリップフロップ518の非反転出力端 Qや反転出力端xQの出力パルスをリセット信号RS_1とすれば、その両エッジでリセットパルスRP_1を規定することになる。D型フリップフロップ519の非反転出力端 Qや反転出力端xQの出力パルスをリセット信号RS_2とすれば、その両エッジでリセットパルスRP_2を規定することになる。
よって、リセット信号RS_1とリセット信号RS_2の片エッジでリセットパルスRP_1とリセットパルスRP_2を規定するシステム構成にする場合にはD型フリップフロップ518,519は不要である。
そして、図面には記載しないが、ANDゲート516をNANDゲートで構成し、NANDゲート出力端の出力パルスをリセット信号RS_1とすれば、その立下りエッジでリセットパルスRP_1を規定することになる。また、図面には記載しないが、ANDゲート517をNANDゲートで構成し、NANDゲート出力端の出力パルスをリセット信号RS_2とすれば、その立下りエッジでリセットパルスRP_2を規定することになる。
また、伝送信号生成部500Cは、エッジ信号ESを生成するために、4入力型のORゲート520とD型フリップフロップ522を有する。構成は、第1実施形態と同様であり、ここでは説明を割愛する。
図5Aに示すように、第3実施形態のレーザ駆動回路200Cのリセットパルス生成部210は、第1の伝送信号としての2つのリセット信号RS_1,RS_2に基づきにリセットパルスRPを生成する。
このため、第3実施形態のリセットパルス生成部210Cは、2つのエッジ検出回路212_1,212_2とパルス合成部の一例である論理ゲート213,214を有する。エッジ検出回路212_1は、リセット信号RS_1の立上りエッジあるいは両エッジを検出してリセットパルスRP_1を生成する。エッジ検出回路212_2は、リセット信号RS_2の立上りエッジあるいは両エッジを検出してリセットパルスRP_2を生成する。
論理ゲート213は、各エッジ検出回路212_1,212_2から出力される各リセットパルスRP_1,RP_2を論理合成してリセットパルスRP_3を生成する。論理ゲート214は、各エッジ検出回路212_1,212_2から出力される各リセットパルスRP_1,RP_2を論理合成してリセットパルスRPを生成する。ここでは、リセットパルスRP_1,RP_2はアクティブHのパルス信号であるものとする。これに対応して、論理ゲート213としては、リセットパルスRP_1,RP_2の論理積をとるANDゲートを使用する。論理ゲート214としては、リセットパルスRP_1,RP_2の論理和をとるORゲートを使用する。
[メモリ回路:第3実施形態]
図5Bおよび図5Cに示すように、記録波形制御信号パターンは第1実施形態と異なり、マーク長に応じてオーバードライブレベルが異なる。たとえば、マーク長2T時はオーバードライブレベル1(O.D.1 )、マーク長3T時はオーバードライブレベル2(O.D.2 )およびピークレベル(Peak2 )、マーク長4T,5T時はオーバードライブレベル3(O.D.3 )およびピークレベル(Peak3 )である。各発光パワーレベルは、O.D.1 >O.D.2 >Peak2>O.D.3 >Peak3>Erase >Coolの関係がある。
マーク長に応じてオーバードライブレベルを異ならせるため、第3実施形態の発光レベルパターン記憶部230は、主記憶部として機能するレジスタセット231_0と、副記憶部として機能するレジスタセット231_1,231_2,231_3と、記憶情報制御回路236を有する。レジスタセット231_1,231_2,231_3は、3種の各記録波形制御信号パターンを各別に記憶する。レジスタセット231_0は、第1実施形態のレジスタセット231に対応するものである。記憶情報制御回路236は、リセットパルスRP_1,RP_2,RP_3に基づき、レジスタセット231_1,231_2,231_3の何れかの記憶情報を読み出してレジスタセット231_0に保持させる。各レジスタ232で指定される各読出しスイッチ234と電流源部240の各基準電流生成部242との組合せは、図3B(1)に示した例で示している。
[動作:第3実施形態]
図5Bおよび図5Cに示すように、2つのリセット信号RS_1,RS_2と1つのエッジ信号ESを入力パルス信号として使用するので、入力パルス信号としては計3つとなる。
たとえば、1つ目のリセット信号RS_1の立上りエッジあるいは両エッジに基づきリセットパルスRP_1を生成し、2つ目のリセット信号RS_2の立上りエッジあるいは両エッジに基づきリセットパルスRP_2を生成し、各リセットパルスRP_1,RP_2の論理積をとることでリセットパルスRP_3を生成し、論理和をとることで1つのリセットパルスRPにする。
記憶情報制御回路236は、リセットパルスRP_1のみがアクティブHのときはレジスタセット231_1の記憶情報を読み出してレジスタセット231_0にセットする。記憶情報制御回路236は、リセットパルスRP_2のみがアクティブHのときはレジスタセット231_2の記憶情報を読み出してレジスタセット231_0にセットする。記憶情報制御回路236は、リセットパルスRP_1,RP_2の双方がアクティブHのとき、つまりリセットパルスRP_3のみがアクティブHのときはレジスタセット231_3の記憶情報を読み出してレジスタセット231_0にセットする。つまり、記憶情報制御回路236は、メモリ情報を、各リセットパルスRP_1,RP_2,RP_3がアクティブHとなるタイミングで、レジスタセット231_0の情報を対応するパワーレベルパターンに書き換える。
さらに、第1実施形態と同様に、論理ゲート214から出力される1つのリセットパルスRPを発光レベルパターン記憶部230の読出しスイッチ234_1に供給する。以下、第1実施形態と同様である。
第3実施形態のように、2つの第1の伝送信号(リセット信号RS_1,RS_2)を使用することで、3種類のパワーレベルパターンを切り替えることができる。これにより、マーク長に応じてレーザ発光パワーレベルを変更できる。
なお、本例では、N=2を例に説明したが、3以上にすれば、より一層多くの種類のパワーレベルパターンを切り替えることができる。
図示しないが、第2の伝送信号(エッジ信号ES)を複数とする第1実施形態と、第1の伝送信号(リセット信号RS)を複数とする第2実施形態とを組み合わせた構成にすることもできる。この場合、第2実施形態と第3実施形態の各効果を享受できる。
<レーザ駆動方式:第4実施形態>
図6〜図6Dは、レーザ駆動方式の第4実施形態を説明する図である。ここで、図6は、ドライブ基板側のデジタル信号処理部57に備えられるシーケンシャル方式を実現するために使用される第4実施形態の伝送信号生成部500Dの構成例を説明する図である。図6Aは、第4実施形態のレーザ駆動方式を実現するレーザ駆動回路を示す図である。図6Bおよび図6Cは、第4実施形態のレーザ駆動回路の動作を説明するタイミングチャートである。図6Dは、図6Bおよび図6Cに示す記録波形制御信号パターンに対応したメモリ回路のレジスタ設定情報を示す図である。
第4実施形態は、記録モード時に、1つの第1の伝送信号および1つの第2の伝送信号をレーザ駆動回路200Dに供給して、ライトストラテジ技術で半導体レーザ41を駆動するものである点において第1実施形態と共通する。一方、第1実施形態とは異なり、第1の伝送信号としては、スペースとマークの繰返しの切替りタイミングを示す基準パルスの取得タイミングがエッジで示されていないリセット信号RSを使用する。
また、第1実施形態とは異なり、第2の伝送信号としては、基準パルスの取得タイミングを示すリセットパルスRPとレーザ発光レベルの切替りタイミングを示す切替えパルスの取得タイミングがエッジで示されているエッジ信号ESを使用する。リセット信号RSは、エッジ信号ESのエッジからリセットパルスRPとエッジパルスEPを区別して取得するための判別信号に使用する。
たとえば、エッジパルスEPのエッジタイミングに同期してリセットパルスRPを生成し、エッジ信号ESの両エッジの内のリセットパルスRPの生成に寄与しないタイミングでエッジパルスEPを生成する点において第1実施形態と異なる。エッジ信号ESだけでなくリセットパルスRPの生成タイミングもエッジ信号ESのエッジに同期して生成することで、スキューの影響を排除するものである。以下、第1実施形態のレーザ駆動回路200Aとの相違点を中心に説明する。
[回路構成:第4実施形態]
図6に示すように、ドライブ基板側の伝送信号生成部500Dは、リセット信号RSを生成するために、RS型フリップフロップ510とD型フリップフロップ512を有する。構成は、第1実施形態と同様であり、ここでは説明を割愛する。
また、伝送信号生成部500Dは、5入力型のORゲート521とD型フリップフロップ522と、遅延回路524P,524Nを具備する遅延部524を有する。エッジパルスEP1〜EP5に対して一定期間遅れてエッジが変化するエッジ信号ESを生成するために、第1実施形態のORゲート520を5入力型に変形するとともに、D型フリップフロップ522の後段に遅延部524を追加した構成である。
ORゲート521の各入力端には、エッジパルスEP1〜EP5が供給される。ORゲート521の出力端は、D型フリップフロップ522のクロック入力端CKと接続されている。D型フリップフロップ522の反転出力端xQはD入力端と接続され、1/2分周回路が構成されるようになっている。D型フリップフロップ522の非反転出力端 Qは、遅延回路524Pの入力端と接続されている。D型フリップフロップ522の反転出力端xQは、遅延回路524Nの入力端と接続されている。遅延回路524P,524Nは、入力パルスを一定期間遅延させる。
こうすることで、エッジパルスEP1〜EP5の何れかの立上りエッジに同期して、D型フリップフロップ522の非反転出力端 Qや反転出力端xQは、L,Hが順番に変化する。そして、遅延回路524Pの出力端や遅延回路524Nの出力端には、D型フリップフロップ522の非反転出力端 Qや反転出力端xQの信号に対して遅延をもって、L,Hが順番に変化する。よって、遅延回路524Pの出力端や遅延回路524Nの出力端の出力パルスをエッジ信号ESとすれば、その両エッジでエッジパルスEPを規定することになる。
図6Aに示すように、第4実施形態のレーザ駆動回路200Dは、リセットパルス生成部210とエッジパルス生成部220が第1実施形態と異なる。リセットパルス生成部210Dは、リセットパルスRPとエッジパルスEPを分離して取得するための判別信号を生成する判別信号生成部216と、合成パルスRP&EPからリセットパルスRPを分離する第1分離部218をさらに備える。判別信号生成部216は、リセット信号RSに基づいて、論理ゲート224で検出された合成パルスRP&EPから判別信号を生成する。
エッジパルス生成部220Dは、エッジ検出回路222の他に第2分離部228を備える。第2分離部228は、リセットパルスRPをエッジパルスEPと分離して取得するための判別信号に基づいて、エッジ検出回路222から出力されたリセットパルスRPおよびエッジパルスEPを含む合成パルスRP&EPからリセットパルスRPを分離して取得する。
たとえば、判別信号生成部216は、リセット信号RSのエッジから次に来るエッジ信号ESのエッジにEPのパルス幅分の遅延を持たせた区間、アクティブHの判別パルスDPが非反転出力端に出力され、反転出力端に判別パルスDPを論理反転した判別パルス XDPが出力されるものとする。図6Bの適用例では、リセット信号RSの立上りエッジに同期して、その直後から判別パルスDPをアクティブHにするような構成を採る。図6Cの適用例では、リセット信号RSの両エッジに同期して、その直後から判別パルスDPをアクティブHにするような構成を採る。
判別パルスDPのアクティブHの期間にリセットパルスRPのみが含まれるようにする。リセット信号RSのエッジ直後から次に来るエッジ信号ESのエッジにEPのパルス幅分の遅延を持たせた区間、判別パルスDPをアクティブHにすることは必須ではない。判別パルスDPのアクティブHの期間にリセットパルスRPのみが含まれるようにするものであればよく、アクティブHの開始や終了の各タイミングは何れでもよい。
第1分離部218は、論理ゲート224で生成されるアクティブHの合成パルスRP&EPと判別パルスDPの論理積をとるANDゲートを使用する。第2分離部228は、論理ゲート224で生成されるアクティブHの合成パルスRP&EPと反転判別パルス xDPの論理積をとるANDゲートを使用する。第1分離部218や第2分離部228では、論理合成によりパルス分離を行なっており、合成パルスRP&EPからのリセットパルスRPとエッジパルスEPの分離が簡単にできる利点がある。
図6Bおよび図6Cに示すように、記録波形制御信号パターンは第1実施形態と同様であり、図6Dに示すように、レジスタ232_1〜232_5の情報も第1実施形態と同様である。
[動作:第4実施形態]
図6Bおよび図6Cに示すように、第4実施形態では、リセットパルスRPおよびエッジパルスEPの何れもが、エッジ信号ESのエッジで示される。リセット信号RSは、リセットパルスRPとエッジパルスEPを合成した合成パルスRP&EPから、両者を分離するための判別パルスDP, xDPの生成に利用される。リセット信号RSにリセットパルスRPを示すエッジ情報を持たせず、エッジ信号ESのエッジに、エッジパルスEPだけでなくリセットパルスRPの情報も含んで伝送する。
リセット信号RSの遷移タイミングをエッジ信号ESのエッジがないタイミングとなるようにし、リセット信号RSのエッジ直後のエッジ信号ESのエッジタイミングで、合成パルスRP&EPからリセットパルスRPを取得する。また、合成パルスRP&EPの内、リセットパルスRPを取得したエッジ以外のタイミングでエッジパルスEPを取得する。以下、第1実施形態と同様である。
第1〜第3実施形態のように、各別の信号(リセット信号RS、エッジ信号ES)でリセットパルスRPとエッジパルスEPを伝送すると、両信号間の伝送遅延差に起因するスキューの問題が起こる。これに対して、第4実施形態の仕組みでは、リセットパルスRPおよびエッジパルスEPの両方を1本のエッジ信号ESで伝送するのでスキューの影響を受けない。
<レーザ駆動方式:第5実施形態>
図7〜図7Dは、レーザ駆動方式の第5実施形態を説明する図である。ここで、図7は、ドライブ基板側のデジタル信号処理部57に備えられるシーケンシャル方式を実現するために使用される第5実施形態の伝送信号生成部500Eの構成例を説明する図である。図7Aは、第5実施形態のレーザ駆動方式を実現するレーザ駆動回路を示す図である。図7Bおよび図7Cは、第5実施形態のレーザ駆動回路の動作を説明するタイミングチャートである。図7Dは、図7Bおよび図7Cに示す記録波形制御信号パターンに対応したメモリ回路のレジスタ設定情報を示す図である。
第5実施形態は、第2実施形態に、第4実施形態のスキュー対策の仕組みを適用するものである。図7に示すように、ドライブ基板側の伝送信号生成部500Eは、リセット信号RSを生成するために、RS型フリップフロップ510とD型フリップフロップ512を有する。構成は、第2実施形態と同様であり、ここでは説明を割愛する。
また、伝送信号生成部500Eは、5入力型のORゲート521とD型フリップフロップ522,526,527と、遅延回路528P,528Nを具備する遅延部528と、遅延回路529P,529Nを具備する遅延部529を有する。エッジパルスEP1〜EP5に対して一定期間遅れてエッジが変化するエッジ信号ES_1,ES_2を生成するために、4入力型のORゲート520を5入力型のORゲート521に変形するとともに、D型フリップフロップ526,527の後段に遅延部528,529を追加した構成である。
ORゲート521の各入力端には、エッジパルスEP1〜EP5が供給される。ORゲート521の出力端は、D型フリップフロップ522のクロック入力端CKと接続されている。D型フリップフロップ522,526,527は、第2実施形態と同様であり、ここでは説明を割愛する。
D型フリップフロップ526の非反転出力端 Qは、遅延回路528Pの入力端と接続されている。D型フリップフロップ526の反転出力端xQは、遅延回路528Nの入力端と接続されている。D型フリップフロップ527の非反転出力端 Qは、遅延回路529Pの入力端と接続されている。D型フリップフロップ527の反転出力端xQは、遅延回路529Nの入力端と接続されている。
こうすることで、エッジパルスEP1〜EP5の何れかの立上りエッジに同期して、D型フリップフロップ522の非反転出力端 Qや反転出力端xQは、L,Hが順番に変化する。そして、D型フリップフロップ522の非反転出力端 Qの立上りエッジに同期して、D型フリップフロップ526の非反転出力端 Qや反転出力端xQは、L,Hが順番に変化する。さらに、遅延回路528Pの出力端や遅延回路528Nの出力端には、D型フリップフロップ526の非反転出力端 Qや反転出力端xQの信号に対して遅延をもって、L,Hが順番に変化する。
また、D型フリップフロップ522の反転出力端xQの立上りエッジに同期して、D型フリップフロップ527の非反転出力端 Qや反転出力端xQは、L,Hが順番に変化する。さらに、遅延回路529Pの出力端や遅延回路529Nの出力端には、D型フリップフロップ527の非反転出力端 Qや反転出力端xQの信号に対して遅延をもって、L,Hが順番に変化する。
よって、遅延回路528Pの出力端や遅延回路528Nの出力端の出力パルスをエッジ信号ES_1とすれば、その両エッジでエッジパルスEP_1を規定することになる。また、遅延回路529Pの出力端や遅延回路529Nの出力端の出力パルスをエッジ信号ES_2とすれば、その両エッジでエッジパルスEP_2を規定することになる。
図7Aに示すように、第5実施形態のレーザ駆動回路200Eは、リセットパルス生成部210とエッジパルス生成部220が第2実施形態と異なる。たとえば、第4実施形態と同様に、リセットパルス生成部210Eは、判別信号生成部216,218をさらに備える。エッジパルス生成部220Eは、第2分離部228をさらに備える。
図7Bおよび図7Cに示すように、記録波形制御信号パターンは第1・第2実施形態と同様であり、図7Dに示すように、レジスタ232_1〜232_5の情報も第1・第2実施形態と同様である。
[動作:第5実施形態]
図7Bおよび図7Cに示すように、第5実施形態では、リセットパルスRPおよびエッジパルスEPの何れもが、エッジ信号ESのエッジで示される。リセットパルスRPは、リセット信号RSが変化した後のエッジ信号ES_1,ES_2の最初のエッジのみを使用する。この点は第4実施形態と同様である。因みに、「リセット信号RSの変化」については、図7Bでは立上りエッジのみを使用し、図7Cでは両エッジを使用する。エッジパルスEP_1は、リセットパルスRPに使用される分を除く、エッジ信号ES_1の両エッジを使用し、エッジパルスEP_2は、リセットパルスRPに使用される分を除く、エッジ信号ES_2の両エッジを使用する。
リセット信号RSは、リセットパルスRPとエッジパルスEP_1,EP_2を合成した合成パルスRP&EPから、両者を分離するための判別パルスDP, xDPの生成に利用される。第5実施形態では、リセット信号RSにリセットパルスRPを示すエッジ情報を持たせず、エッジ信号ES_1,ES_2のエッジに、エッジパルスEP_1,EP_2だけでなくリセットパルスRPの情報も含んで伝送する。
さらに、リセット信号RSの遷移タイミングをエッジ信号ES_1,ES_2のエッジがないタイミングとなるようにし、リセット信号RSのエッジ直後のエッジ信号ES_1,ES_2のエッジタイミングで、合成パルスRP&EPからリセットパルスRPを取得する。また、合成パルスRP&EPの内、リセットパルスRPを取得したエッジ以外のタイミングでエッジパルスEP_1,EP_2を取得する。そして、エッジパルスEP_1,EP_2を合成してエッジパルスEPを生成する。
つまり、第5実施形態では、エッジ信号ESを2つ使用しているが、リセットパルスRPおよびエッジパルスEPの何れもが、エッジ信号ESのエッジで示される点では第4実施形態と同じである。リセット信号RSの遷移タイミングをエッジ信号ESのエッジがないタイミングとなるようにし、リセット信号RSのエッジ直後のエッジ信号ESのエッジタイミングで、合成パルスRP&EPからリセットパルスRPを取得する。また、合成パルスRP&EPの内、リセットパルスRPを取得したエッジ以外のタイミングでエッジパルスEPを取得する。以下、第2実施形態と同様である。
したがって、第5実施形態では、リセットパルスRPおよびエッジパルスEPの両方を2本のエッジ信号ESで伝送するので、リセットパルスRPをエッジ信号ESとは別のリセット信号RSで伝送する第2実施形態よりもスキューの影響を受け難くできる。
<レーザ駆動方式:第6実施形態>
図8〜図8Dは、レーザ駆動方式の第6実施形態を説明する図である。ここで、図8は、ドライブ基板側のデジタル信号処理部57に備えられるシーケンシャル方式を実現するために使用される第6実施形態の伝送信号生成部500Fの構成例を説明する図である。図8Aは、第6実施形態のレーザ駆動方式を実現するレーザ駆動回路を示す図である。図8Bおよび図8Cは、第6実施形態のレーザ駆動回路の動作を説明するタイミングチャートである。図8Dは、図8Bおよび図8Cに示す記録波形制御信号パターンに対応したメモリ回路のレジスタ設定情報を示す図である。
第6実施形態は、第3実施形態に、第4実施形態のスキュー対策の仕組みを適用するものである。図8に示すように、ドライブ基板側の伝送信号生成部500Fは、リセット信号RS_1,RS_2を生成するために、RS型フリップフロップ510、発光レベルパターン選択信号生成回路514,ANDゲート516,517、D型フリップフロップ518,519を有する。構成は、第3実施形態と同様であり、ここでは説明を割愛する。
また、伝送信号生成部500Fは、5入力型のORゲート521とD型フリップフロップ522と、遅延回路524P,524Nを具備する遅延部524を有する。エッジパルスEP1〜EP5に対して一定期間遅れてエッジが変化するエッジ信号ESを生成するために、4入力型のORゲート520を5入力型のORゲート521に変形するとともに、D型フリップフロップ522の後段に遅延部524を追加した構成である。構成は、第4実施形態と同様であり、ここでは説明を割愛する。
図8Aに示すように、第6実施形態のレーザ駆動回路200Fは、リセットパルス生成部210とエッジパルス生成部220が第3実施形態と異なる。たとえば、第4実施形態と同様に、リセットパルス生成部210Fは、リセット信号RS_1,RS_2のそれぞれに対して、判別信号生成部216(各別に216_1,216_2とする)を備える。また、リセットパルス生成部210Fは、リセットパルスRP_1,RP_2,RP_3の別に第1分離部218(各別に218_1,218_2,218_3とする)をさらに備える。論理ゲート213は不要である。
エッジパルス生成部220Fは、第2分離部228をさらに備える。エッジ検出回路222は、リセットパルスRP_1,RP_2,RP_3とエッジパルスEPの双方を含んだ合成パルスRP&EPを生成する。
判別信号生成部216_1は、リセット信号RS_1に基づいて第1の判別パルスDP_1, xDP_1を生成し、判別信号生成部216_2は、リセット信号RS_2に基づいて第2の判別パルスDP_2, xDP_2を生成する。
第1分離部218_1は、エッジ検出回路222で生成されるアクティブHの合成パルスRP&EPと判別信号生成部216_1からの判別パルスDP_1および判別信号生成部216_2からの反転判別パルス xDP_2の論理積をとるANDゲートを使用する。これにより、第1分離部218_1は、リセット信号RS_1のみのエッジ直後のエッジ信号ESのエッジタイミングで、合成パルスRP&EPからリセットパルスRP_1を取得する。
第1分離部218_2は、エッジ検出回路222で生成されるアクティブHの合成パルスRP&EPと判別信号生成部216_1からの反転判別パルス xDP_1および判別信号生成部216_2からの判別パルスDP_2の論理積をとるANDゲートを使用する。これにより、第1分離部218_2は、リセット信号RS_2のみのエッジ直後のエッジ信号ESのエッジタイミングで、合成パルスRP&EPからリセットパルスRP_2を取得する。
第1分離部218_3は、エッジ検出回路222で生成されるアクティブHの合成パルスRP&EPと判別信号生成部216_1からの判別パルスDP_1および判別信号生成部216_2からの判別パルスDP_2の論理積をとるANDゲートを使用する。これにより、第1分離部218_3は、リセット信号RS_1とリセット信号RS_2の双方のエッジ直後のエッジ信号ESのエッジタイミングで、合成パルスRP&EPからリセットパルスRP_3を取得する。
論理ゲート214は、アクティブHの各リセットパルスRP_1,RP_2,RP_3を論理合成してリセットパルスRPを生成する。アクティブHの各リセットパルスRP_1,RP_2,RP_3である場合、論理ゲート214としてはORゲートを使用するとよい。第2分離部228は、エッジ検出回路222で生成されるアクティブHの合成パルスRP&EPと判別信号生成部216_1からの判別パルス xDP_1および判別信号生成部216_2からの判別パルス xDP_2の論理積をとるANDゲートを使用する。
図8Bおよび図8Cに示すように、記録波形制御信号パターンは第3実施形態と同様であり、図8Dに示すように、レジスタ232_1〜232_5の情報も第3実施形態と同様である。
[動作:第6実施形態]
図8Bおよび図8Cに示すように、第6実施形態では、2つのリセットパルスRP_1,RP_2およびエッジパルスEPの何れもが、エッジ信号ESのエッジで示される。リセット信号RS_1,RS_2は、リセットパルスRP_1,RP_2,RP_3とエッジパルスEPを合成した合成パルスRP&EPから、それらを分離するための判別パルスDP_1, xDP_1,DP_2, xDP_2の生成に利用される。リセット信号RS_1,RS_2にはリセットパルスRP_1,RP_2,RP_3を示すエッジ情報を持たせず、エッジ信号ESのエッジに、エッジパルスEPだけでなくリセットパルスRP_1,RP_2,RP_3の情報も含んで伝送する。
このように、第6実施形態では、リセット信号RSを2つ使用しているが、リセットパルスRP_1,RP_2,RP_3およびエッジパルスEPの何れもが、エッジ信号ESのエッジで示される点では第4実施形態と同じである。リセット信号RS_1,RS_2の遷移タイミングをエッジ信号ESのエッジがないタイミングとなるようにし、リセット信号RS_1,RS_2のエッジ直後のエッジ信号ESのエッジタイミングで、合成パルスRP&EPからリセットパルスRP_1,RP_2,RP_3を取得する。また、合成パルスRP&EPの内、リセットパルスRP_1,RP_2,RP_3を取得したエッジ以外のタイミングでエッジパルスEPを取得する。以下、第3実施形態と同様である。
第6実施形態では、リセットパルスRP_1,RP_2,RP_3とエッジパルスEPを1本のエッジ信号ESで伝送するので、リセットパルスRP_1,RP_2,RP_3をエッジ信号ESとは別のリセット信号RS_1,RS_2で伝送する第3実施形態とは異なり、スキューの影響を受けない。
図示しないが、第2の伝送信号(エッジ信号ES)を複数とする第5実施形態と、第1の伝送信号(リセット信号RS)を複数とする第6実施形態とを組み合わせた構成にすることもできる。この場合、第5実施形態と第6実施形態の各効果を享受できる。
<レーザ駆動方式:第7実施形態>
図9は、レーザ駆動方式の第7実施形態を説明する図である。ここで、図7Aは、第7実施形態のレーザ駆動方式を実現するレーザ駆動回路を示す図である。
第7実施形態のレーザ駆動回路200Gは、発光パワーの多値レベルの数とレジスタ232_1〜232_kの出力線や読出しスイッチ234_1〜234_kの数を異なるようにするものである。このため、第7実施形態のレーザ駆動回路200Gは、発光レベルパターン記憶部230と読出しスイッチ234との間に、m入力−n出力(m−nと記す:m,nは正の整数でm<n)型のデコーダ262を具備したデコード部260を備えている。
図示した例では、第1実施形態に対する適用例で示しており、デコーダ262は2−4型のデコーダとする。レジスタ232_1〜232_kの出力線側の電流切替パルスSWとしてはSW_a,SW_bの2つを使用して2ビット対応にし、その組合せで出力側に第1実施形態と同様の電流切替パルスSW_1〜SW_4を出力するようにする。
たとえば、クール電流Icを示すときにはSW_a,SW_bをともにLにし、このとき、電流切替パルスSW_1のみがオンとなるように対応付ける。イレーズ電流Ieを示すときにはSW_aをH,SW_bをLにし、このとき、電流切替パルスSW_2のみがオンとなるように対応付ける。ピーク電流Ipを示すときにはSW_aをL,SW_bをHにし、このとき、電流切替パルスSW_3のみがオンとなるように対応付ける。オーバードライブ電流Iodを示すときにはSW_a,SW_bをともにHにし、このとき、電流切替パルスSW_4のみがオンとなるように対応付ける。図示しないが、第2・第5実施形態に対する適用例においても同様である。
図示しないが、第3・第6実施形態に対する適用例においては、デコーダ262は3−8型のデコーダとする。レジスタ232_1〜232_kの出力線側の電流切替パルスSWとしてはSW_a,SW_b,SW_cの2つを使用して2ビット対応にし、その組合せで出力側に第3・第6実施形態と同様の電流切替パルスSW_1〜SW_8を出力するようにする。
たとえば、クール電流Icを示すときにはSW_a,SW_b,SW_cをともにLにし、このとき、電流切替パルスSW_1のみがオンとなるように対応付ける。イレーズ電流Ieを示すときにはSW_aをH,SW_b,SW_cをLにし、このとき、電流切替パルスSW_2のみがオンとなるように対応付ける。ピーク電流Ip1を示すときにはSW_a,SW_cをL,SW_bをHにし、このとき、電流切替パルスSW_3のみがオンとなるように対応付ける。オーバードライブ電流Iod1 を示すときにはSW_a,SW_bをH,SW_cをLにし、このとき、電流切替パルスSW_4のみがオンとなるように対応付ける。ピーク電流Ip2を示すときにはSW_a,SW_bをL,SW_cをHにし、このとき、電流切替パルスSW_5のみがオンとなるように対応付ける。オーバードライブ電流Iod2 を示すときにはSW_a,SW_cをH,SW_bをLにし、このとき、電流切替パルスSW_6のみがオンとなるように対応付ける。ピーク電流Ip3を示すときにはSW_aをL,SW_b,SW_cをHにし、このとき、電流切替パルスSW_7のみがオンとなるように対応付ける。オーバードライブ電流Iod3 を示すときにはSW_a,SW_b,SW_cをともにHにし、このとき、電流切替パルスSW_8のみがオンとなるように対応付ける。
このような第7実施形態の構成では、デコード部260が必要になるので回路構成が少し複雑になるが、第1〜第6実施形態と比べて、レジスタ232に記憶する情報量が減少する。そのため、レジスタセット231の記憶容量の低減が可能となり、結果として生じる、発光レベルパターン記憶部230の回路規模縮小が利点となる。
<レーザ駆動方式:第8実施形態>
図10は、レーザ駆動方式の第8実施形態を説明する図である。ここで、図10は、第8実施形態のレーザ駆動方式を実現するレーザ駆動回路を示す図である。
第8実施形態のレーザ駆動回路200Hは、レジスタ232の発光パワー情報を電流レベル情報そのものとし、これを順次切り替えて電流源部240に供給するものである。これにより、電流源部240の構成は、基準電流生成部242とDA変換部244がそれぞれ1つの簡易なものとなるし、電流スイッチ部250は不要となる。また、レジスタ232の各電流レベル情報を各電流値Ic,Ie,Ip,Iodに一致させれば、基準電流生成部242も不要となる。
異なるレベルパワー間の遷移を電流スイッチ252の切替えで行なう第1〜第7実施形態に対して、第8実施形態では、DA変換部244でレベルパワーの遷移を行なうので、回路構成が簡易になる利点がある。
その反面、第8実施形態では、波形特性が悪化する可能性がある。DA変換部244は、値の異なる複数の電流源を有し、電流源と同数のビットを持つデジタルデータで、電流源の複数の電流をオン/オフし、電流加算を行なう。第8実施形態では、レジスタ232の発光パワー情報が、多ビットのデジタルデータとなり、これを順次切り替える。すなわち、この切替タイミングのビット間のずれにより、電流加算のタイミングがずれ、発光パワーの遷移スピードが悪化する。
これに対して、第1〜第7実施形態では、各レベルの電流値を各別の基準電流生成部242、DA変換部244で用意しておき、それを電流スイッチ252で切り替える。そのため、発光パワーが切り替わるタイミングで、オン/オフする電流の数が少なくなり、各電流のオン/オフのタイミングずれが波形特性に与える影響が小さくなる。
1…記録再生装置、10…スピンドルモータ、12…モータドライバ、14…光ピックアップ、200…レーザ駆動回路、202…パルス生成部、203…発光波形生成部、210…リセットパルス生成部、212…エッジ検出回路、213…論理ゲート、214…論理ゲート、216…判別信号生成部、218…第1分離部、220…エッジパルス生成部、222…エッジ検出回路、224…論理ゲート、228…第2分離部、230…発光レベルパターン記憶部、231…レジスタセット、232…レジスタ、234…読出しスイッチ、236…記憶情報制御回路、240…電流源部、242…基準電流生成部、244…DA変換部、250…電流スイッチ部、252…電流スイッチ、260…デコード部、262…デコーダ、270…レーザ駆動部、272…レーザ切替回路、274…ドライバ回路、290…ライトストラテジ回路、3…レーザ駆動系、30…スピンドルモータ制御部、32…ピックアップ制御部、41…半導体レーザ、42…プリズム、43…レンズ、44…光検出器、46…フレキシブル基板、47…駆動電流制御部、50…記録・再生信号処理部、51…フレキシブル基板、52…RF増幅部、53…波形整形部、54…AD変換部、55…クロック再生部、56…書込みクロック生成部、57…デジタル信号処理部、58…APC制御部、62…コントローラ、500…伝送信号生成部