JP4561570B2 - オフセット形状フィンのピッチ変更方法及びピッチ変更装置 - Google Patents

オフセット形状フィンのピッチ変更方法及びピッチ変更装置 Download PDF

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ロール成形等により予め製造されており、特にラジエータ用オイルクーラーのインナーフィン等に使用される、オフセット形状を有するフィンのピッチを、実際に使用する際の所望のピッチに縮小或いは拡大するオフセット形状フィンのピッチ変更方法及びピッチ変更装置に関する。
従来は間欠加工のプレスで製造していた複雑形状を有する製品を、最近では、製造コストの低減、設備面積の低減等の観点から、ロール成形で連続加工により製造するケースが多い。特に、熱交換器等に使用されるオフセット形状を有するフィンをロール成形する場合は、フィンピッチが余り短いとフィンの山部分の傾斜が急になり歯形が成立しない。このため、ロール成形で所定の長さのフィンピッチのオフセット形状を有するフィンを加工した後に、再度短いフィンピッチに縮小するという作業や、反対にさらに長いフィンピッチに再度拡大するという作業が行われている。さらに、フィンピッチの変更後に打ち抜き工程が伴う場合には、フィンを打ち抜き用の型の中へ挿入するために、一山毎のフィンピッチのばらつきを極力抑えるということがきわめて重要になってくる。
ところで、特許文献1或いは特許文献2には、複数組の対のローラーの摩擦と回転数の差により、フィンピッチを縮小或いは拡大する技術が開示されているが、いずれも、単位長さ当たりの平均フィンピッチのばらつきを抑えることは可能であるが、一山毎のフィンピッチのばらつきを抑えることは不可能である。
また、特許文献3には、ウォームギヤを用いてピッチの拡大或いは縮小を行う技術が開示されているが、これは、ギヤとフィンとの接触が点接触であるため、幅の狭いコルゲートフィンのようなものには適していても、幅の広いオフセット形状フィンに適用することは困難である。
このように、ロール成形等により予め製造されているラジエータ用インナーフィンのフィンピッチを、実際に使用する際の所望のピッチに変更する場合、従来技術では、幅の広いオフセット形状フィンを、一山毎のフィンピッチのばらつきを極力抑えた所望のフィンピッチに確実に変更するということは困難であるという問題があった。
特開平6−63650号公報 特開2002−254113号公報 特開2004−001026号公報
本発明は、上記従来技術が有する問題点を解決しようとするものであり、ロール成形等により予め所定のピッチで製造されている、幅の広いオフセット形状フィンのピッチを、所望のピッチに確実に縮小或いは拡大するとともに一山毎のフィンピッチのばらつきを極力抑えることができるオフセット形状フィンのピッチ変更方法及びピッチ変更装置を提供するものである。
請求項1のオフセット形状フィンのピッチ変更方法は、それぞれの外周に歯形が形成された一対のローラーを用いてロール成形により予め製造されているオフセット形状フィンを、同じくそれぞれの外周に歯形が形成され且つ互いにかみ合って回転する少なくとも一対のピッチ変更ローラー間に供給し、前記少なくとも一対のピッチ変更ローラーが前記オフセット形状フィンをその間に挟み込み且つその間を通過させることにより前記オフセット形状フィンのピッチを変更するオフセット形状フィンのピッチ変更方法において、前記少なくとも一対のピッチ変更ローラーの各歯形は、前記一対のローラーの各歯形とは、ピッチが変更されていて、当該一対のピッチ変更ローラーによるピッチ変更後のオフセット形状フィンの進行方向における横断面においてオフセット形状フィンを投影した場合に、オフセットした二つの山が重なって形成される輪郭形状の、上側の輪郭形状と上側のローラーの歯形を、下側の輪郭形状と下側のローラーの歯形を、それぞれ略同形としたことを特徴とするものである。
また、請求項2のオフセット形状フィンのピッチ変更装置は、それぞれの外周に歯形が形成され且つ互いにかみ合って回転する少なくとも一対のピッチ変更ローラーを備え、前記少なくとも一対のピッチ変更ローラーが、同じくそれぞれの外周に歯形が形成された一対のローラーを用いてロール成形により予め製造されているオフセット形状フィンをその間に挟み込み且つその間を通過させることにより前記オフセット形状フィンのピッチを変更するオフセット形状フィンのピッチ変更装置において、前記少なくとも一対のピッチ変更ローラーの各歯形は、前記一対のローラーの各歯形とは、ピッチが変更されていて、当該一対のピッチ変更ローラーによるピッチ変更後のオフセット形状フィンの進行方向における横断面においてオフセット形状フィンを投影した場合に、オフセットした二つの山が重なって形成される輪郭形状の、上側の輪郭形状と上側のローラーの歯形を、下側の輪郭形状と下側のローラーの歯形を、それぞれ略同形としたことを特徴とするものである。
本発明は、以上のような構成であるから、特に、少なくとも一対のピッチ変更ローラーの各歯形は、当該一対のピッチ変更ローラーによるピッチ変更後のオフセット形状フィンの進行方向における横断面においてオフセット形状フィンを投影した場合に、オフセットした二つの山が重なって形成される輪郭形状の、上側の輪郭形状と上側のローラーの歯形を、下側の輪郭形状と下側のローラーの歯形を、それぞれ略同形に形成ているので、少なくとも一対のピッチ変更ローラーがオフセット形状フィンをその間に挟み込み且つその間を通過させることによりオフセット形状フィンのピッチを予め設定した所望のピッチに確実に変更することができるとともに一山毎のフィンピッチのばらつきを極力抑えることができるという効果を奏するものである。このことは、結果として、本発明によるオフセット形状フィンのピッチ変更方法及びピッチ変更装置をロール成形によるオフセット形状フィンの製造ラインと組み合わせることにより、一山毎のフィンピッチのばらつきがきわめて少ない所望のフィンピッチのオフセット形状フィンの製造が連続加工により高速化されることにより、製造コストの大幅な低減、設備費、設備面積及びエネルギー費用の大幅な低減を図ることが可能となるものである。
以下、図1〜4に基づいて本発明の実施形態について説明する。図1(a)は、オフセット形状フィンのイメージ図であり、図1(b)は、図1(a)のオフセット部の横断面図である。図2は、本発明の三対のピッチ変更ローラーを備えたオフセット形状フィンのピッチ変更装置のイメージ図である。図3は、図2におけるA部分の拡大図である。図4は、本発明のピッチ変更手順を示すイメージである。
図1(a)に見られるオフセット形状フィンは、ロール成形による連続加工で予め高速大量生産されているオフセット形状フィン(以下、「オフセット形状フィン1」とする。)を、その後、所望のフィンピッチに変更して設備に装着しているものである。したがって、オフセット形状フィン1のフィンピッチは最終の用途を考慮したものではなく、高速大量生産に都合のよい一定のピッチで統一されて製造されているのが一般である。
図2は、本発明の三対のピッチ変更ローラーを備えたオフセット形状フィンのピッチ変更装置を示しており、2a、2bは一番目の一対のピッチ変更ローラー、3a、3bは二番目の一対のピッチ変更ローラー、4a、4bは三番目の一対のピッチ変更ローラーである。それぞれのローラーは、図示されていない駆動手段により、上側の各ローラーはそれぞれ反時計回りに、下側のローラーはそれぞれ時計回りに回転駆動され、左側から供給されたオフセット形状フィンをそれぞれ右側に送り出していく。なお、2,3,4は、一番目の一対のピッチ変更ローラー2a、2b、二番目の一対のピッチ変更ローラー3a、3b、三番目の一対のピッチ変更ローラー4a、4bにより、それぞれ、ピッチ変更された後のオフセット形状フィンを示している。
図3は、図2におけるA部分の拡大図であり、図の左側からオフセット形状フィン1、2或いは3が供給され、それぞれの一対のピッチ変更ローラーを径由してそれぞれのレベルのピッチ変更処理が行われる。また、2a’、3a’、4a’は上側のピッチ変更ローラー2a、3a、4aのそれぞれの歯形であり、2b’、3b’、4b’は下側のピッチ変更ローラー2b、3b、4bのそれぞれの歯形である。それぞれの歯形は、それぞれの一対のピッチ変更ローラーにより変更しようとするピッチにより決められる。
具体的には、一対のピッチ変更ローラーの各歯形は、当該一対のピッチ変更ローラーによるピッチ変更後のオフセット形状フィンの進行方向における横断面の各ローラー側の輪郭形状とそれぞれ略同形に形成されている。ここで、オフセット形状フィンの進行方向における横断面の各ローラー側の輪郭形状とは次のようなことをいう。例えば、図1bのオフセット部の横断面では、交互にオフセット配置されている二つの山が重なって投影されているが、この投影されている上側の輪郭の形状が上側のローラーの歯形2a’、3a’、4a’となり、同じく下側の輪郭の形状が下側のローラーの歯形2b’、3b’、4b’となる。図3においては、上下一対のピッチ変更ローラーがオフセット形状フィン1,2または3をその間に挟み込み且つその間を通過させているところを示しており、図3中、最も右側の歯のかみ合いの上下の歯がオフセット形状フィンをその歯形に沿った形状に挟み込んでいる状態が示されている。言い換えれば、この状態は既にオフセット形状フィンが所望のピッチに変更されたことを示しており、この変更されたピッチの状態でオフセット形状フィンはアウトプットされることとなる。
図4は、本発明のピッチ変更手順の一例を示している。(1)はこれからピッチ変更を行う予定のオフセット形状フィン1であり、この場合はピッチ3.0mmである。(4)は変更する最終の目標ピッチを示しており、この場合はピッチ2.5mmである。ここでは、(1)のピッチ3.0mmのオフセット形状フィン1を(4)の最終目標ピッチ2.5mmに変更するために、一度に2.5mmの目標ピッチまで縮小せずに、(2)でまず2.6mmに縮小し、(3)でさらに2.3mmまで縮小した後に最終目標(4)の2.5mmに変更している。
この理由は、一度に縮小する率があまり大きいと、ピッチ変更ローラーに供給される前のオフセット形状フィンのピッチとアウトプットされる縮小後のオフセット形状フィンのピッチ即ち挟み込もうとする一対のピッチ変更ローラーの歯形ピッチとの差が大きくなってしまい、ローラーがオフセット形状フィンをうまく挟み込めずにオフセット形状フィンを潰してしまうこととなるからである。したがって、ピッチ縮小量が大きい場合には、このように工程を分割して行うことが望ましい。また、目標ピッチよりもさらにフィンピッチを下げてから反対に拡大して目標ピッチに戻してやると、スプリングバックによるフィンピッチのばらつきを抑えることができる。これらの事情は、フィンピッチを拡大する場合も同様である。
図2に戻ると、図の左側からピッチ3.0mmのオフセット形状フィン1が供給され、一番目の一対のピッチ変更ローラー2a、2bによる一回目のピッチ変更処理を経てピッチ2.6mmのオフセット形状フィン2としてアウトプットされ、ピッチ2.6mmのオフセット形状フィン2はさらに二番目の一対のピッチ変更ローラー3a、3bによる二回目のピッチ変更処理を経てピッチ2.3mmのオフセット形状フィン3としてアウトプットされ、さらに三番目の一対のピッチ変更ローラー4a、4bによる三回目のピッチ変更処理を経て目標とするピッチ2.5mmを有するオフセット形状フィン4としてアウトプットされることとなる。
なお、一対のピッチ変更ローラーは必ず3対必要とするわけではなく、例えば、ピッチ3.0mmからピッチ2.8mmに縮小するのならば一対のピッチ変更ローラーで一度にピッチを縮小すればよく、変更しようとするピッチによって使用する対のピッチ変更ローラー数を選択することができる。
本発明は、以上のような構成であるから、少なくとも一対のピッチ変更ローラーの各歯形は、当該一対のピッチ変更ローラーによるピッチ変更後のオフセット形状フィンの進行方向における断面形状の各ローラー側の輪郭形状とそれぞれ略同形に形成されているので、少なくとも一対のピッチ変更ローラーがオフセット形状フィンをその間に挟み込み且つその間を通過させることによりオフセット形状フィンのピッチを予め設定した所望のピッチに確実に変更することができるとともに一山毎のフィンピッチのばらつきを極力抑えることができるという効果を奏するものである。このことは、結果として、本発明によるオフセット形状フィンのピッチ変更方法及びピッチ変更装置をロール成形によるオフセット形状フィンの製造ラインと組み合わせることにより、一山毎のフィンピッチのばらつきがきわめて少ない所望のフィンピッチのオフセット形状フィンの製造が連続加工により高速化されることとなり、製造コストの大幅な低減、設備費、設備面積及びエネルギー費用の大幅な低減を図ることが可能となるものである。
図1(a)は、オフセット形状フィンのイメージ図であり、図1(b)は、図1(a)のオフセット部の横断面図である。 図2は、本発明の三対のピッチ変更ローラーを備えたオフセット形状フィンのピッチ変更装置のイメージ図である。 図3は、図2におけるA部分の拡大図である。 図4は、本発明のピッチ変更手順を示すイメージである。
符号の説明

1、2,3,4 オフセット形状フィン
2a、2b 一番目の一対のピッチ変更ローラー
3a、3b 二番目の一対のピッチ変更ローラー
4a、4b 三番目の一対のピッチ変更ローラー
2a’、3a’、4a’ 上側のピッチ変更ローラーの歯形
2b’、3b’、4b’ 下側のピッチ変更ローラーの歯形

Claims (2)

  1. それぞれの外周に歯形が形成された一対のローラーを用いてロール成形により予め製造されているオフセット形状フィンを、同じくそれぞれの外周に歯形が形成され且つ互いにかみ合って回転する少なくとも一対のピッチ変更ローラー間に供給し、前記少なくとも一対のピッチ変更ローラーが前記オフセット形状フィンをその間に挟み込み且つその間を通過させることにより前記オフセット形状フィンのピッチを変更するオフセット形状フィンのピッチ変更方法において、
    前記少なくとも一対のピッチ変更ローラーの各歯形は、前記一対のローラーの各歯形とは、ピッチが変更されていて、当該一対のピッチ変更ローラーによるピッチ変更後のオフセット形状フィンの進行方向における横断面においてオフセット形状フィンを投影した場合に、オフセットした二つの山が重なって形成される輪郭形状の、上側の輪郭形状と上側のローラーの歯形を、下側の輪郭形状と下側のローラーの歯形を、それぞれ略同形としたことを特徴とするオフセット形状フィンのピッチ変更方法。
  2. それぞれの外周に歯形が形成され且つ互いにかみ合って回転する少なくとも一対のピッチ変更ローラーを備え、前記少なくとも一対のピッチ変更ローラーが、同じくそれぞれの外周に歯形が形成された一対のローラーを用いてロール成形により予め製造されているオフセット形状フィンをその間に挟み込み且つその間を通過させることにより前記オフセット形状フィンのピッチを変更するオフセット形状フィンのピッチ変更装置において、
    前記少なくとも一対のピッチ変更ローラーの各歯形は、前記一対のローラーの各歯形とは、ピッチが変更されていて、当該一対のピッチ変更ローラーによるピッチ変更後のオフセット形状フィンの進行方向における横断面においてオフセット形状フィンを投影した場合に、オフセットした二つの山が重なって形成される輪郭形状の、上側の輪郭形状と上側のローラーの歯形を、下側の輪郭形状と下側のローラーの歯形を、それぞれ略同形としたことを特徴とするオフセット形状フィンのピッチ変更装置。
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