JP4561468B2 - ガラス製造装置およびその構成要素、および該構成要素を通電加熱する方法、ならびにガラス製造方法 - Google Patents
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Description
また、本発明は、本発明の中空管を用いたガラス製造装置に関する。
また、本発明は、本発明の中空管を通電加熱する方法に関する。
また、本発明は、本発明のガラス製造装置、および、本発明の通電加熱方法を用いたガラス製造方法に関する。
本発明は、上記した問題点を解決するため、分岐管を通電加熱する際に生じる特定の部位への電流集中が軽減された白金または白金合金製の中空管を提供することを目的とする。本発明の白金または白金合金製の中空管は、ガラス製造装置の溶融ガラスの導管として好適である。
また、本発明は、該中空管を溶融ガラスの導管として用いたガラス製造装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、該中空管を通電加熱する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、該ガラス製造装置、および、該通電加熱方法を用いたガラス製造方法を提供することを目的とする。
前記本管および前記分岐管は、角部を除いた接合部およびその近傍に厚肉部が設けられていることを特徴とする白金または白金合金製の中空管を提供する。
L1=1.2d〜2.0d・・・(1)
L2=0.2d〜1.5d・・・(2)
t=1.2t0〜1.5t0・・・(3)
L1:本管における厚肉部の最大長(mm)
L2:分岐管における厚肉部の最大長(mm)
d:分岐管の外径(mm)
t:厚肉部の肉厚(mm)
t0:厚肉部以外の中空管の肉厚(mm)
前記本管から前記分岐管へ電流が流れるように通電することを特徴とする白金または白金合金製の中空管を通電加熱する方法を提供する。
また、本発明は、上記したガラス製造装置を用いたガラス製造方法であって、ガラス製造装置の白金または白金合金製の中空管を上記した方法を用いて通電加熱するガラス製造方法を提供する。
また、特定の部位への電流の集中が軽減されることにより、中空管の局部加熱が軽減される。このため、中空管が使用時に熱応力によって破損することが防止されている。
本発明のガラス製造装置は、溶融ガラスの導管として本発明の白金または白金合金製の中空管を用いているため、通電加熱時に生じる導管の局部加熱が軽減されている。このため、導管を流通する溶融ガラスが変質するおそれがない。また、導管を流通する溶融ガラスで偏流が生じるおそれがない。
なお、図示してないが、本管11および分岐管12の図面裏側に当たる部分にも、厚肉部が同様の位置に設けられている。
白金または白金合金のような金属材料の電気抵抗は、該材料の単位断面積に反比例する。そのため、厚肉部15は、厚肉部が設けられていない角部14およびその近傍よりも電気抵抗が小さい。したがって、分岐管12を通電加熱する目的で、図2中、矢印方向に電流が流れるように通電した際、すなわち、本管11から分岐管12へと電流が流れるように通電した際、より具体的には、本管11の上端から分岐管12へ電流が流れるように通電した際、電流は厚肉部15に分散されて、角部14への電流集中が軽減される。
L1=1.2d〜2.0d・・・(1)
L2=0.2d〜1.5d・・・(2)
t=1.2t0〜1.5t0・・・(3)
上記式(1)〜(2)中、L1は本管11における厚肉部15の最大長(mm)であり、L2は分岐管12における厚肉部15の最大長(mm)であり、dは分岐管12の外径(mm)である。上記式(3)は、中空管1における厚肉部15の肉厚t(mm)と、厚肉部15以外の部分の肉厚t0(mm)との関係を示している。したがって、本管11における厚肉部15の肉厚t(mm)と厚肉部15以外の部分の肉厚t0(mm)との関係を示すとともに、分岐管12における厚肉部15の肉厚t(mm)と厚肉部15以外の部分の肉厚t0(mm)との関係を示している。L1およびL2に関して、厚肉部15の最大長について規定しているのは、図1から明らかなように、本管11および分岐管12における厚肉部15の長さは、部位によって異なるからである。一般的には、図1に示すように、L1およびL2はそれぞれ、本管11および分岐管12の長手方向における厚肉部15の最大長である。
上記式(1)ないし(3)を満たすように厚肉部15を設けた場合、分岐管12を通電加熱する際に生じる角部14への電流集中を十分軽減することができる。本管11および分岐管12の構成材料である白金または白金合金は高価であるため、厚肉部15の範囲はできる限り狭くし、厚肉度はできるだけ少なくすることがコスト面から好ましい。
但し、本管11および分岐管12の接合部および近傍であっても、以下に述べる部分には厚肉部を設けないことが好ましい。
本管11については、本管11を端面方向から見た場合に、分岐管12の軸を中心として所定の角度の範囲には厚肉部を設けないことが好ましい。図3は、図1の本管11を上端方向から見た図であり、本管11の角部14付近、すなわち、線a−a′で示す部位を示している。図3中、Yは分岐管12の軸方向を示しており、Xは分岐管12の軸に対して直交する軸方向を示している。本管11において、Yを中心とした角度αの範囲内には厚肉部を設けないことが好ましい。角度αは、好ましくは20〜90度であり、より好ましくは、30〜60度である。
また、図1において、分岐管12は、本管11の長手方向中央部付近に接合されているが、分岐管12と本管11とを接合する位置はこれに限定されない。分岐管12は、本管11のより端部に近い位置、例えば、図中、より上側または下側となる位置に接合してもよい。例えば、分岐管12が本管11の上端または下端付近に接合されて、全体形状が略L字形状をなしていてもよい。但し、本管11の端部に非常に近い位置に分岐管12を接合すると角部14への電流集中を軽減するのに十分な厚肉部15を設けることができないため、分岐管12を接合する位置は、角部14が本管の端部から0.05d以上離れるような位置であることが好ましい。なお、dは分岐管12の外径(mm)である。
また、図1において、本管11に対して1本の分岐管12が接合されているが、本管に接合する分岐管の数はこれに限定されない。本管および分岐管の接合部およびその近傍に、角部およびその近傍を除いて厚肉部を設けることができる限り分岐管の数は複数であってもよい。
また、本発明の中空管は、減圧雰囲気下で溶融ガラスから脱泡を行う減圧脱泡装置中、減圧脱泡槽と上昇管との接合部、または減圧脱泡槽と下降管との接合部に使用可能である。減圧脱泡装置においては、中空管にわずかな亀裂が生じても大きな問題となるので、分岐管を通電加熱する際の特定の部位への電流集中が軽減された本発明の中空管を用いるのが好ましい部位である。
本発明のガラス製造装置では、通電加熱時に生じる導管の局部加熱が軽減されている。このため、導管を流通する溶融ガラスが変質するおそれがない。また、導管を流通する溶融ガラスで偏流が生じるおそれがない。
本発明のガラス製造方法は、本発明のガラス製造装置を用いてガラスを製造する方法であり、ガラス製造時において、溶融ガラスの導管として用いられる本発明の中空管を、上記したように本管から分岐管へ電流が流れるように通電加熱するものである。
(実施例1)
本実施例では、図1に示すT字管形状の中空管1を作成した。中空管1において、本管11と分岐管12とは溶接により接合されている。本管11および分岐管12の寸法および構成材料は以下の通りである。
本管11
外径D:405mm
長さ:650mm
肉厚t0:1.0mm
厚肉部15の最大長L1:500mm
厚肉部15の肉厚t:1.3mm
構成材料:白金−ロジウム合金(白金90質量%、ロジウム10質量%)
分岐管12
外径d:300mm
長さ:1000mm
肉厚t0:1.0mm
厚肉部15の最大長L2:300mm
厚肉部15の肉厚t:1.3mm
構成材料:白金−ロジウム合金(白金90質量%、ロジウム10質量%)
なお、図3における角度αは45度であり、図4における角度βは60度である。
電圧:10V
電流:5000A
通電時間:10日間
通電時、接合部13付近の温度分布を、熱電対を用いて観察した。その結果、角部14付近で顕著な局部加熱は認められなかった。この結果は、電流が厚肉部15に分散されて、角部14への電流集中が軽減されたことを示している。
図5に示す厚肉部を持たない従来の中空管100を作成した。中空管100において、本管101および分岐管102は溶接により接合されている。本管101および分岐管102の寸法および構成材料は以下の通りである。
本管101
外径:405mm
長さ:650mm
肉厚:1.0mm
構成材料:白金−ロジウム合金(白金90質量%、ロジウム10質量%)
分岐管102
外径:300mm
長さ:1000mm
肉厚:1.0mm
構成材料:白金−ロジウム合金(白金90質量%、ロジウム10質量%)
実施例1と同様に、本管101の上端と、分岐管102の端部に白金合金製の電極(図示していない)を接合して矢印方向に電流が流れるように通電加熱したところ、角部104付近で顕著な局部加熱が認められた。この結果は角部104への電流集中が発生したことを示している。通電終了後、局部加熱が認められた部位でクラックの発生が確認された。
11:本管
12:分岐管
13:接合部
14:角部
15:厚肉部
100:中空管
101:本管
102:分岐管
103:接合部
104:角部
Claims (5)
- 本管と、該本管に接合された分岐管と、からなり、該分岐管が通電加熱される用途に用いられる白金または白金製の中空管であって、
前記本管および前記分岐管の接合部およびその近傍には、角部およびその近傍を除いて下記式(1)ないし(3)を満たす厚肉部が設けられていることを特徴とする白金または白金合金製の中空管。
L 1 =1.2d〜2.0d・・・(1)
L 2 =0.2d〜1.5d・・・(2)
t=1.2t 0 〜1.5t 0 ・・・(3)
L 1 :本管における厚肉部の最大長(mm)
L 2 :分岐管における厚肉部の最大長(mm)
d:分岐管の外径(mm)
t:厚肉部の肉厚(mm)
t 0 :厚肉部以外の中空管の肉厚(mm) - 前記分岐管が、前記本管に対して直交するように接合されている請求項1に記載の白金または白金合金製の中空管。
- 請求項1または2に記載の白金または白金合金製の中空管を用いたガラス製造装置。
- 請求項1または2に記載の白金または白金合金製の中空管を通電加熱する方法であって、
前記本管から前記分岐管へ電流が流れるように通電することを特徴とする白金または白金合金製の中空管を通電加熱する方法。 - 請求項3に記載のガラス製造装置を用いたガラス製造方法であって、ガラス製造装置の白金または白金合金製の中空管を請求項4に記載の方法を用いて通電加熱するガラス製造方法。
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