JP4561468B2 - ガラス製造装置およびその構成要素、および該構成要素を通電加熱する方法、ならびにガラス製造方法 - Google Patents

ガラス製造装置およびその構成要素、および該構成要素を通電加熱する方法、ならびにガラス製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4561468B2
JP4561468B2 JP2005143675A JP2005143675A JP4561468B2 JP 4561468 B2 JP4561468 B2 JP 4561468B2 JP 2005143675 A JP2005143675 A JP 2005143675A JP 2005143675 A JP2005143675 A JP 2005143675A JP 4561468 B2 JP4561468 B2 JP 4561468B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
platinum
pipe
hollow tube
branch pipe
branch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005143675A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006327830A (ja
JP2006327830A5 (ja
Inventor
整 長野
肇 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2005143675A priority Critical patent/JP4561468B2/ja
Publication of JP2006327830A publication Critical patent/JP2006327830A/ja
Publication of JP2006327830A5 publication Critical patent/JP2006327830A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4561468B2 publication Critical patent/JP4561468B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/42Details of construction of furnace walls, e.g. to prevent corrosion; Use of materials for furnace walls
    • C03B5/43Use of materials for furnace walls, e.g. fire-bricks
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/42Details of construction of furnace walls, e.g. to prevent corrosion; Use of materials for furnace walls
    • C03B5/435Heating arrangements for furnace walls

Description

本発明は、ガラス製造装置の溶融ガラスの導管として好適な白金または白金合金製の中空管に関する。本発明の中空管は、本管と、該本管に接合された分岐管と、からなる。本発明の中空管は、分岐管が通電加熱される用途に用いられる。
また、本発明は、本発明の中空管を用いたガラス製造装置に関する。
また、本発明は、本発明の中空管を通電加熱する方法に関する。
また、本発明は、本発明のガラス製造装置、および、本発明の通電加熱方法を用いたガラス製造方法に関する。
ガラス製造装置において、その内部を高温の溶融ガラスが通過する導管には、白金、または白金−金合金、白金−ロジウム合金のような白金合金製の中空管が使用されている。溶融ガラスが通過する導管の例としては、ガラス製造装置から不純物を除去するために設けられた流出管、ガラス製造装置からレンズ、プリズム等の光学部品を成形する場合に成形用の型に溶融ガラスを流出させるための流出管、溶解槽から成型槽への導管等が挙げられる。
ガラス製造装置では、内部を通過する溶融ガラスと温度差を生じさせないため、溶融ガラスが通過する導管は加熱される。導管の加熱は、ヒータ等の熱源により、導管を外部から加熱する場合もあるが、白金または白金合金製の中空管の場合、該中空管に通電用の電極を設けて、通電加熱することが広く行われている。特許文献1には、溶融ガラスの導管として使用可能な白金製の加熱装置が開示されている。
ガラス製造装置では、溶融ガラスが通過する導管として図5に示すような分岐管を有する中空管100が使用される場合もある。図5に示す中空管100は、本管101と、該本管101に接合された分岐管102と、からなる。図5に示す中空管100において、分岐管102を通電加熱する場合がある。図5に示す中空管100で分岐管102を通電加熱する場合、本管101の一端と、分岐管102の端部に電極(図示していない)を設けて矢印方向に電流が流れるように通電する。
特開平11−349334号公報
図5に示す中空管100で分岐管102を通電加熱した際、中空管100の特定の部位に電流が集中することが問題となっていた。図5に示す中空管100において、矢印方向に電流が流れるように通電した場合、電流はその特性上最短経路を流れようとする。そのため、矢印方向に電流を流した際、本管101と分岐管102との接合部103のうち、電流の最短経路に位置する角部104に電流が集中する。このような電流集中が発生した場合、中空管100の寿命に悪影響を及ぼす。また、角部104は、電流集中により局部加熱される。局部加熱が発生した場合、中空管100が熱応力によって破損したり、中空管100内を流通する溶融ガラスが変質するおそれがある。また、局部加熱が発生した場合、中空管100内を流通する溶融ガラスに偏流が生じるおそれがある。このような偏流の発生も溶融ガラスの変質の原因となる。
本発明は、上記した問題点を解決するため、分岐管を通電加熱する際に生じる特定の部位への電流集中が軽減された白金または白金合金製の中空管を提供することを目的とする。本発明の白金または白金合金製の中空管は、ガラス製造装置の溶融ガラスの導管として好適である。
また、本発明は、該中空管を溶融ガラスの導管として用いたガラス製造装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、該中空管を通電加熱する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、該ガラス製造装置、および、該通電加熱方法を用いたガラス製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、本管と、該本管に接合された分岐管と、からなり、該分岐管が通電加熱される用途に用いられる白金または白金製の中空管であって、
前記本管および前記分岐管は、角部を除いた接合部およびその近傍に厚肉部が設けられていることを特徴とする白金または白金合金製の中空管を提供する。
本発明の白金または白金合金製の中空管において、前記厚肉部は、下記式(1)ないし(3)を満た
1=1.2d〜2.0d・・・(1)
2=0.2d〜1.5d・・・(2)
t=1.2t0〜1.5t0・・・(3)
1:本管における厚肉部の最大長(mm)
2:分岐管における厚肉部の最大長(mm)
d:分岐管の外径(mm)
t:厚肉部の肉厚(mm)
0:厚肉部以外の中空管の肉厚(mm)
本発明の白金または白金合金製の中空管において、前記分岐管が、前記本管に対して直交するように接合されていることが好ましい。
また、本発明は、溶融ガラスの導管として、上記した白金または白金合金製の中空管を用いたガラス製造装置を提供する。
また、本発明は、上記した白金または白金合金製の中空管を通電加熱する方法であって、
前記本管から前記分岐管へ電流が流れるように通電することを特徴とする白金または白金合金製の中空管を通電加熱する方法を提供する。
また、本発明は、上記したガラス製造装置を用いたガラス製造方法であって、ガラス製造装置の白金または白金合金製の中空管を上記した方法を用いて通電加熱するガラス製造方法を提供する。
本発明の白金または白金合金製の中空管は、分岐管を通電加熱する際に生じる特定の部位への電流集中が軽減されている。中空管の特定の部位に電流が集中すると寿命に悪影響を及ぼすが、本発明の白金または白金合金製の中空管ではこのような問題が軽減されている。
また、特定の部位への電流の集中が軽減されることにより、中空管の局部加熱が軽減される。このため、中空管が使用時に熱応力によって破損することが防止されている。
本発明のガラス製造装置は、溶融ガラスの導管として本発明の白金または白金合金製の中空管を用いているため、通電加熱時に生じる導管の局部加熱が軽減されている。このため、導管を流通する溶融ガラスが変質するおそれがない。また、導管を流通する溶融ガラスで偏流が生じるおそれがない。
以下、図面を参照して本発明を説明する。図1は、本発明の白金または白金合金製の中空管の1実施形態を示した斜視図である。図1の中空管1は、本管11と、該本管11に接合された分岐管12と、からなる。本管11および分岐管12は、白金または白金合金製の円筒管である。分岐管12は、本管11に対して直交するように接合されており、中空管1全体としてT字管をなしている。本発明の白金または白金合金製の中空管1は、分岐管12が通電加熱される用途に用いられる。
本発明の白金または白金合金製の中空管1は、本管11および分岐管12の接合部13およびその近傍に、角部14およびその近傍を除いて厚肉部15が設けられていることを特徴とする。すなわち、本発明の白金または白金合金製の中空管1は、本管11および分岐管12の接合部13およびその近傍に厚肉部15が設けられていることを特徴とする。但し、図1から明らかなように、接合部13およびその近傍であっても、角部14およびその近傍には厚肉部を設けないことを特徴とする。
なお、図示してないが、本管11および分岐管12の図面裏側に当たる部分にも、厚肉部が同様の位置に設けられている。
本明細書において、接合部13およびその近傍に厚肉部15を設けると言った場合、本管11および分岐管12において、接合部13に厚肉部を設けると同時に、接合部13の周辺部位にも厚肉部15を設けることを意味する。図1に示す中空管1の本管11では、厚肉部15が分岐管12との接合部13から図中左方向に延びており、接合部13とは反対側の部分(接合部13と対面する側)にも厚肉部15が設けられている。中空管1の分岐管12では、厚肉部15が本管11との接合部13から図中右方向に延びている。
本明細書において、角部14およびその近傍を除いて厚肉部を設ける、すなわち、角部14およびその近傍には厚肉部を設けないと言った場合、本管11および分岐管12において、角部14とその周辺部位には厚肉部を設けないことを意味する。図1の中空管1の本管11では、角部14を中心に一定の範囲には、厚肉部が設けられていない。中空管1の分岐管12では、角部14および角部14から図中右方向に延びる上面および下面には厚肉部が設けられていない。
図5に示す従来の中空管100において、分岐管102を通電加熱する目的で矢印方向に電流が流れるように通電した場合、電流はその最短経路に位置する角部104に集中する。本発明の中空管1は、本管11および分岐管12の接合部13およびその近傍に、角部14およびその近傍を除いて厚肉部15を設けることにより、分岐管12を通電加熱する際に生じる角部14への電流集中が軽減されている。この理由について以下に述べる。
白金または白金合金のような金属材料の電気抵抗は、該材料の単位断面積に反比例する。そのため、厚肉部15は、厚肉部が設けられていない角部14およびその近傍よりも電気抵抗が小さい。したがって、分岐管12を通電加熱する目的で、図2中、矢印方向に電流が流れるように通電した際、すなわち、本管11から分岐管12へと電流が流れるように通電した際、より具体的には、本管11の上端から分岐管12へ電流が流れるように通電した際、電流は厚肉部15に分散されて、角部14への電流集中が軽減される。
肉部15は下記式(1)ないし(3)を満たすように設け
1=1.2d〜2.0d・・・(1)
2=0.2d〜1.5d・・・(2)
t=1.2t0〜1.5t0・・・(3)
上記式(1)〜(2)中、L1は本管11における厚肉部15の最大長(mm)であり、L2は分岐管12における厚肉部15の最大長(mm)であり、dは分岐管12の外径(mm)である。上記式(3)は、中空管1における厚肉部15の肉厚t(mm)と、厚肉部15以外の部分の肉厚t0(mm)との関係を示している。したがって、本管11における厚肉部15の肉厚t(mm)と厚肉部15以外の部分の肉厚t0(mm)との関係を示すとともに、分岐管12における厚肉部15の肉厚t(mm)と厚肉部15以外の部分の肉厚t0(mm)との関係を示している。L1およびL2に関して、厚肉部15の最大長について規定しているのは、図1から明らかなように、本管11および分岐管12における厚肉部15の長さは、部位によって異なるからである。一般的には、図1に示すように、L1およびL2はそれぞれ、本管11および分岐管12の長手方向における厚肉部15の最大長である。
上記式(1)ないし(3)を満たすように厚肉部15を設けた場合、分岐管12を通電加熱する際に生じる角部14への電流集中を十分軽減することができる。本管11および分岐管12の構成材料である白金または白金合金は高価であるため、厚肉部15の範囲はできる限り狭くし、厚肉度はできるだけ少なくすることがコスト面から好ましい。
本管11および分岐管12において、角部14およびその近傍の範囲、すなわち、厚肉部を設けない部分の範囲は、角部14への電流集中を軽減することができる限り特に限定されない。
但し、本管11および分岐管12の接合部および近傍であっても、以下に述べる部分には厚肉部を設けないことが好ましい。
本管11については、本管11を端面方向から見た場合に、分岐管12の軸を中心として所定の角度の範囲には厚肉部を設けないことが好ましい。図3は、図1の本管11を上端方向から見た図であり、本管11の角部14付近、すなわち、線a−a′で示す部位を示している。図3中、Yは分岐管12の軸方向を示しており、Xは分岐管12の軸に対して直交する軸方向を示している。本管11において、Yを中心とした角度αの範囲内には厚肉部を設けないことが好ましい。角度αは、好ましくは20〜90度であり、より好ましくは、30〜60度である。
同様に、分岐管12についても、分岐管12を端面方向から見た場合に、本管11の軸を中心として所定の角度の範囲には厚肉部を設けないことが好ましい。図4は、図1の分岐管12を端面方向から見た図である。但し、本管11は省略されている。図4中、Y′は本管11の軸方向を示しており、X′は本管11の軸に対して直交する軸方向を示している。本管11において、Y′を中心とした角度βの範囲内には厚肉部を設けないことが好ましい。角度βは、好ましくは30〜120度であり、より好ましくは、50〜90度である。
本管11および分岐管12において、厚肉部を設けない部分の範囲を上記範囲とすることにより、分岐管12を通電加熱する際に生じる角部14への電流集中を十分軽減することができる。
なお、本管11および分岐管12に厚肉部15を設ける手段としては、本管11および分岐管12に白金または白金合金製の薄板を貼り合わせることによって厚肉部15を設けてもよいし、本管11および分岐管12を成型する際に厚肉部15を有するように成型加工したのでもよい。
また、図1において、本管11および分岐管12として円筒管が示されているが、本管11および分岐管12の形状はこれに限定されない。例えば、断面形状が楕円形状のものや、四角形、六角形、八角形等、多角形形状のものであってもよい。また、図1において、本管11および分岐管12として直管が示されているが、これに限定されず、例えば曲管であってもよい。
また、図1において、分岐管12は、本管11の長手方向中央部付近に接合されているが、分岐管12と本管11とを接合する位置はこれに限定されない。分岐管12は、本管11のより端部に近い位置、例えば、図中、より上側または下側となる位置に接合してもよい。例えば、分岐管12が本管11の上端または下端付近に接合されて、全体形状が略L字形状をなしていてもよい。但し、本管11の端部に非常に近い位置に分岐管12を接合すると角部14への電流集中を軽減するのに十分な厚肉部15を設けることができないため、分岐管12を接合する位置は、角部14が本管の端部から0.05d以上離れるような位置であることが好ましい。なお、dは分岐管12の外径(mm)である。
また、図1において、分岐管12は、本管11に対して直交するように接合されているが、本管11に対する分岐管12の配向方向はこれに限定されない。例えば、本管11に対して分岐管12が斜め方向に配向するように接合してもよい。この場合、本管11に対する分岐管12の傾斜角度は、−45〜+45度であることが好ましく、より好ましくは−30〜+30度である。ここで、図1中、分岐管12が本管11に対して直交する場合、本管11に対する分岐管12の傾斜角度を0度とする。分岐管12の端部が図面上側に向く場合を正の傾きとし、図面下側に向く場合を負の傾きとする。但し、本管11に対する分岐管12の傾斜角度は0度であることが最も好ましい。すなわち、図1に示すように、分岐管12が本管11に対して直交するように接合されていることが最も好ましい。
また、図1において、本管11に対して1本の分岐管12が接合されているが、本管に接合する分岐管の数はこれに限定されない。本管および分岐管の接合部およびその近傍に、角部およびその近傍を除いて厚肉部を設けることができる限り分岐管の数は複数であってもよい。
本発明において、直管および分岐管として使用する中空管の寸法も特に限定されない。例えば、図1に示す中空管1の場合、直管11および分岐管12の外径Dおよびdは、50〜800mmであることが好ましく、より好ましくは100〜600mmである。直管11および分岐管12の長さは200〜3000mmであることが好ましく、より好ましくは400〜1500mmである。直管11および分岐管12において、厚肉部15以外の部分の肉厚t0は0.4〜5mmであることが好ましく、より好ましくは0.6〜1.5mmである。
本発明において、本管11および分岐管12は白金を主たる構成材料とする。したがって、白金のみを構成材料とするものに限定されず、白金合金を構成材料とするものであってもよい。白金合金の具体例としては、白金−金合金、白金−ロジウム合金が挙げられる。また、白金または白金合金に金属酸化物を分散させてなる強化白金であってもよい。分散される金属酸化物としては、Al23、またはZrO2若しくはY23に代表される3A族若しくは4A族の金属酸化物が挙げられる。
本発明において、直管11と分岐管12とは、公知の方法、具体的には溶接や拡散接合により接合することができる。
本発明のガラス製造装置では、高温の溶融ガラスが通過する溶融ガラスの導管として、本発明の中空管が用いられている。本発明の中空管は、ガラス製造装置の溶融ガラス経路における分岐を有する個所に広く用いることができる。本発明の中空管を使用する部位の具体例としては、例えば、ガラス製造装置から不純物を除去するために設けられた流出管、ガラス製造装置からレンズ、プリズム等の光学部品を成形する場合に成形用の型に溶融ガラスを流出させるための流出管、溶解槽から成型槽への導管等が挙げられる。
また、本発明の中空管は、減圧雰囲気下で溶融ガラスから脱泡を行う減圧脱泡装置中、減圧脱泡槽と上昇管との接合部、または減圧脱泡槽と下降管との接合部に使用可能である。減圧脱泡装置においては、中空管にわずかな亀裂が生じても大きな問題となるので、分岐管を通電加熱する際の特定の部位への電流集中が軽減された本発明の中空管を用いるのが好ましい部位である。
本発明のガラス製造装置では、通電加熱時に生じる導管の局部加熱が軽減されている。このため、導管を流通する溶融ガラスが変質するおそれがない。また、導管を流通する溶融ガラスで偏流が生じるおそれがない。
本発明のガラス製造方法は、本発明のガラス製造装置を用いてガラスを製造する方法であり、ガラス製造時において、溶融ガラスの導管として用いられる本発明の中空管を、上記したように本管から分岐管へ電流が流れるように通電加熱するものである。
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
(実施例1)
本実施例では、図1に示すT字管形状の中空管1を作成した。中空管1において、本管11と分岐管12とは溶接により接合されている。本管11および分岐管12の寸法および構成材料は以下の通りである。
本管11
外径D:405mm
長さ:650mm
肉厚t0:1.0mm
厚肉部15の最大長L1:500mm
厚肉部15の肉厚t:1.3mm
構成材料:白金−ロジウム合金(白金90質量%、ロジウム10質量%)
分岐管12
外径d:300mm
長さ:1000mm
肉厚t0:1.0mm
厚肉部15の最大長L2:300mm
厚肉部15の肉厚t:1.3mm
構成材料:白金−ロジウム合金(白金90質量%、ロジウム10質量%)
なお、図3における角度αは45度であり、図4における角度βは60度である。
図1に示す中空管1において、本管11の上端と、分岐管12の端部にドーナツ形状をした白金合金(白金−ロジウム合金)製の電極(図示していない)を溶接により接合した。電極を外部電源(交流)と接続して、図2の矢印方向に電流が流れるように通電した。通電条件は以下の通りである。
電圧:10V
電流:5000A
通電時間:10日間
通電時、接合部13付近の温度分布を、熱電対を用いて観察した。その結果、角部14付近で顕著な局部加熱は認められなかった。この結果は、電流が厚肉部15に分散されて、角部14への電流集中が軽減されたことを示している。
(比較例1)
図5に示す厚肉部を持たない従来の中空管100を作成した。中空管100において、本管101および分岐管102は溶接により接合されている。本管101および分岐管102の寸法および構成材料は以下の通りである。
本管101
外径:405mm
長さ:650mm
肉厚:1.0mm
構成材料:白金−ロジウム合金(白金90質量%、ロジウム10質量%)
分岐管102
外径:300mm
長さ:1000mm
肉厚:1.0mm
構成材料:白金−ロジウム合金(白金90質量%、ロジウム10質量%)
実施例1と同様に、本管101の上端と、分岐管102の端部に白金合金製の電極(図示していない)を接合して矢印方向に電流が流れるように通電加熱したところ、角部104付近で顕著な局部加熱が認められた。この結果は角部104への電流集中が発生したことを示している。通電終了後、局部加熱が認められた部位でクラックの発生が確認された。
図1は、本発明の白金または白金合金製の中空管の1実施形態を示した斜視図である。 図2は、図1と同様の図であり、分岐管12を通電加熱する際の電流の流れを示している。 図3は、図1に示す本管11を上端方向から見た図であり、図1の線a−a′で示す部位を示している。 図4は、図1に示す分岐管12を端面方向から見た図である。但し、本管11は省略されている。 図5は、分岐管を有する従来の中空管を示した斜視図である。
符号の説明
1:中空管
11:本管
12:分岐管
13:接合部
14:角部
15:厚肉部
100:中空管
101:本管
102:分岐管
103:接合部
104:角部

Claims (5)

  1. 本管と、該本管に接合された分岐管と、からなり、該分岐管が通電加熱される用途に用いられる白金または白金製の中空管であって、
    前記本管および前記分岐管の接合部およびその近傍には、角部およびその近傍を除いて下記式(1)ないし(3)を満たす厚肉部が設けられていることを特徴とする白金または白金合金製の中空管。
    1 =1.2d〜2.0d・・・(1)
    2 =0.2d〜1.5d・・・(2)
    t=1.2t 0 〜1.5t 0 ・・・(3)
    1 :本管における厚肉部の最大長(mm)
    2 :分岐管における厚肉部の最大長(mm)
    d:分岐管の外径(mm)
    t:厚肉部の肉厚(mm)
    0 :厚肉部以外の中空管の肉厚(mm)
  2. 前記分岐管が、前記本管に対して直交するように接合されている請求項1に記載の白金または白金合金製の中空管。
  3. 請求項1または2に記載の白金または白金合金製の中空管を用いたガラス製造装置。
  4. 請求項1または2に記載の白金または白金合金製の中空管を通電加熱する方法であって、
    前記本管から前記分岐管へ電流が流れるように通電することを特徴とする白金または白金合金製の中空管を通電加熱する方法。
  5. 請求項3に記載のガラス製造装置を用いたガラス製造方法であって、ガラス製造装置の白金または白金合金製の中空管を請求項4に記載の方法を用いて通電加熱するガラス製造方法。
JP2005143675A 2005-04-28 2005-05-17 ガラス製造装置およびその構成要素、および該構成要素を通電加熱する方法、ならびにガラス製造方法 Expired - Fee Related JP4561468B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005143675A JP4561468B2 (ja) 2005-04-28 2005-05-17 ガラス製造装置およびその構成要素、および該構成要素を通電加熱する方法、ならびにガラス製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005131187 2005-04-28
JP2005143675A JP4561468B2 (ja) 2005-04-28 2005-05-17 ガラス製造装置およびその構成要素、および該構成要素を通電加熱する方法、ならびにガラス製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006327830A JP2006327830A (ja) 2006-12-07
JP2006327830A5 JP2006327830A5 (ja) 2008-04-10
JP4561468B2 true JP4561468B2 (ja) 2010-10-13

Family

ID=37549918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005143675A Expired - Fee Related JP4561468B2 (ja) 2005-04-28 2005-05-17 ガラス製造装置およびその構成要素、および該構成要素を通電加熱する方法、ならびにガラス製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4561468B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6500679B2 (ja) * 2015-07-29 2019-04-17 Agc株式会社 溶融ガラス加熱装置、ガラス製造装置、およびガラス物品の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01242423A (ja) * 1988-03-24 1989-09-27 Canon Inc ガラス材料の成形装置
JPH10152329A (ja) * 1996-11-15 1998-06-09 Canon Inc ガラス溶融炉
JPH11130444A (ja) * 1997-10-30 1999-05-18 Asahi Glass Co Ltd 溶融ガラスの減圧脱泡装置
JPH11236237A (ja) * 1998-02-23 1999-08-31 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス繊維製造装置
WO2004060820A1 (ja) * 2002-12-27 2004-07-22 Asahi Glass Company, Limited 溶融ガラス用導管、溶融ガラス脱泡方法および溶融ガラス脱泡装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01242423A (ja) * 1988-03-24 1989-09-27 Canon Inc ガラス材料の成形装置
JPH10152329A (ja) * 1996-11-15 1998-06-09 Canon Inc ガラス溶融炉
JPH11130444A (ja) * 1997-10-30 1999-05-18 Asahi Glass Co Ltd 溶融ガラスの減圧脱泡装置
JPH11236237A (ja) * 1998-02-23 1999-08-31 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス繊維製造装置
WO2004060820A1 (ja) * 2002-12-27 2004-07-22 Asahi Glass Company, Limited 溶融ガラス用導管、溶融ガラス脱泡方法および溶融ガラス脱泡装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006327830A (ja) 2006-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5018476B2 (ja) ガラス製造装置およびその構成要素、ならびに該構成要素を通電加熱する方法
JP5228485B2 (ja) ガラス製造装置およびその構成要素
JP5743602B2 (ja) 白金含有容器の直接抵抗加熱に使用するための装置
JP4992712B2 (ja) 白金製の複合管構造体を通電加熱する方法
JP5056411B2 (ja) 白金または白金合金製の構造体およびそれを用いたガラス製造装置
US7380416B2 (en) Conduit for molten glass, connecting conduit for molten glass and vacuum degassing apparatus
JP2019163205A (ja) ガラス製造装置および方法
JP4581877B2 (ja) 減圧脱泡装置の減圧脱泡槽を通電加熱する方法、減圧脱泡装置を通電加熱する方法、およびそれらを用いた減圧脱泡方法、ガラス製造方法、ならびに減圧脱泡装置
JP4561468B2 (ja) ガラス製造装置およびその構成要素、および該構成要素を通電加熱する方法、ならびにガラス製造方法
JP2006206439A (ja) 溶融ガラス用導管、溶融ガラス用接続導管および減圧脱泡装置
WO2021117618A1 (ja) 溶融ガラスの輸送装置、ガラス物品の製造装置、及びガラス物品の製造方法
CN102442758A (zh) 玻璃制造装置及其构成要素以及对其进行通电加热的方法
JP2006327830A5 (ja) ガラス製造装置およびその構成要素、および該構成要素を通電加熱する方法、ならびにガラス製造方法
CN102442759A (zh) 玻璃制造装置及其构成要素

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080226

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080407

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100406

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100706

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100719

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees