JP4561132B2 - ビスイミダゾピラジノン誘導体及びビスアミノピラジン誘導体並びに化学発光物質 - Google Patents

ビスイミダゾピラジノン誘導体及びビスアミノピラジン誘導体並びに化学発光物質 Download PDF

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Description

本発明は、高感度分析に利用し得る化学発光系材料や、画像解析、光源技術、ディスプレイ等の機能性色素材料に利用し得る機能性発光素子として有用な、新規ビスイミダゾピラジノン誘導体と、その合成中間体から得られる新規ビスアミノピラジン誘導体、並びに化学発光物質に関するものである。
化学発光を利用する発光分析は、医学、薬学、環境化学等の分野で広く使用されている。また、化学発光の分子機構と発光素子の発光機構との共通性から、有機ELデバイス等、発光素子分野への展開も期待されており、新しい機能を付与した発光プローブが開発されている。
発光分析に用いる化学発光物質に必要な性質としては、好ましい発光波長を有すること、感度が高いこと、発光効率が良好なこと、発光時間が長いこと、使用条件で安定なこと、測定範囲が広いこと、及び人体に対し安全なことなどが挙げられる。更に、複数の発光波長を有するものは、特殊な診断等に応用できる可能性があるので好ましい。
化学発光性を持つ化合物としては、ルミノール誘導体、アクリジン誘導体、ロフィン誘導体、シュウ酸誘導体及びジオキセタン誘導体、並びにホタルやウミホタルのルシフェリン及びオワンクラゲの発光基質等が知られている。
これらのうち、下記構造式で示されるウミホタルルシフェリンとオワンクラゲの発光基質であるイミダゾピラジノン誘導体は、生物・化学発光反応により青色の発光(発光極大460〜470nm)を呈し、長波長吸収蛍光性、ソルバトクロミズム等の特異な性質を示すことが知られている。
Figure 0004561132
発光分析においては、短波長側に発光波長を示す発光色素を用いると、共存する物質が発光を吸収し感度が低下することがあるので、長波長側に発光波長を有する化合物の開発が望まれている。例えば、蛍光色素フルオレッセインとイミダゾピラジノン誘導体とを結合させた下記化合物FCLAは、発光波長を長波長化させることを目的として開発されたものであるが、その発光極大は532nmにすぎない。
Figure 0004561132
本出願人は、先に、前述した発光分析に用いる化学発光物質に必要な性質、特に複数の発光波長を有し、かつ長波長側に発光波長を有する化合物として、下記一般式(I’)で表されるビスイミダゾピラジノン誘導体を提案した(特願2003−195905。以下「先願」という。)。
Figure 0004561132
(式中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R及びRはそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、Aは単結合又はπ共役系結合基を表す。)
2個のイミダゾピラジノン環が直接、又はπ共役系を介して結合した上記ビスイミダゾピラジノン誘導体は、2つの発光波長を有し、かつその一つが500nm以上の長波長側に発光波長を有し、発光分析に用いる化学発光物質等に有用である。
特願2003−195905
上記先願のビスイミダゾピラジノン誘導体は、500nm以上の長波長側に発光波長を有する点において非常に優れたものであるが、更に、複数の発光がより明確に区別できるような化学発光性化合物ができれば、一層の多機能化が期待できる。
本発明は、前述した発光分析に用いる化学発光物質に必要な性質、特に多段階発光による複数の発光波長を有し、且つ複数の発光を明確に区別することができる新規化学発光性化合物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討したところ、2個のイミダゾピラジノン環が、特定の位置で、直接、又はπ共役系を介して結合した化合物が、2段階の発光を示し、且つ、第一段階発光と第二段階発光の波長が離れていることにより、複数の発光を明確に区別することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の要旨は、下記一般式(I)で表されることを特徴とするビスイミダゾピラジノン誘導体、に存する。
Figure 0004561132
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルキル基」、炭素数〜20の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルケニル基」、炭素数〜20の「アリール基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルキニル基」、炭素数〜20の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよいアリール基」、又は炭素数〜20の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよいヘテロアリール基」を表し、
Aは単結合、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基、チエニレン基、若しくはフラニレン基、又はこれらが結合した基を表す。前記Aのビニレン基、アリーレン基、チエニレン基、若しくはフラニレン基は各々、ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロゲン化アルコキシ基、又は炭素数6〜14のアリールオキシ基で置換されていてもよい。)
本発明の第2の要旨は、上記ビスイミダゾピラジノン誘導体の合成中間体から得られる蛍光発光物質を提供し得る下記一般式(II)で表されることを特徴とするビスアミノピラジン誘導体、に存する。
Figure 0004561132
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルキル基」、炭素数〜20の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルケニル基」、炭素数〜20の「アリール基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルキニル基」、炭素数
〜20の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよいアリール基」、又は炭素数〜20の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよいヘテロアリール基」を表し、
,Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜30の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルキル基」、炭素数〜30の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよい(ヘテロ)アリール基」、炭素数〜30の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルキルカルボニル基」、炭素数〜30の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルコキシカルボニル基」、炭素数〜30の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよい(ヘテロ)アリールカルボニル基」、炭素数〜30の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよい(ヘテロ)アリールオキシカルボニル基」、炭素数1〜30の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルキルスルホニル基」、又は炭素数〜30の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよい(ヘテロ)アリールスルホニル基」を表し、
Aは単結合、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基、チエニレン基、若しくはフラニレン基、又はこれらが結合した基を表す。前記Aのビニレン基、アリーレン基、チエニレン基、若しくはフラニレン基は各々、ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロゲン化アルコキシ基、又は炭素数6〜14のアリールオキシ基で置換されていてもよい。)
本発明の第3の要旨は、上記ビスイミダゾピラジノン誘導体を含み多段階の発光を示し、その第一段階発光が500nm以上の長波長側に発光波長を有し、且つ、第一段階発光と第二段階以降の発光の波長が50nm以上離れていることを特徴とする化学発光物質、に存する。
本発明によれば、発光分析に用いる化学発光物質に必要な性質を有している上、更に多段階発光による複数の発光波長を有し、かつ長波長側に発光波長を有し、複数の発光を明確に区別しやすい新規ビスイミダゾピラジノン誘導体が提供される。しかも、このビスイミダゾピラジノン誘導体は、π電子系の大きさを制御することによる発光波長制御性及び発光強度の制御性が高く、化合物自身の置換基を変化させたり、反応条件を制御することで発光持続時間を制御しやすい点においても各種用途に有効である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形して実施することができる。
本発明のビスイミダゾピラジノン誘導体は、下記一般式(I)で表されるものである。
Figure 0004561132
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜20の有機基を表し、
Aは2個のイミダゾピラジノン環の共役系が繋がるような結合を表す。)
上記一般式(I)で表される本発明のビスイミダゾピラジノン誘導体は、R及びR、R及びR、R及びRのいずれもが、それぞれ同一である対称形でも、これらの3組のうちのいずれか1組、2組又は3組が異なる非対称形でもよいが、合成の容易さの点では、対称形が好ましい。また、2段階化学発光の段階毎の発光波長と発光強度の差を大きくしたり、段階毎の発光持続時間の差を大きくするような、2段階の化学発光過程の発光反応性の違いを大きく変える目的では、非対称形が好ましい。
及びRの炭素数1〜20の有機基としては、本発明により提供される化学発光物質の発光特性を大幅に損なうものでなければどのような有機基でも良いが、一般式(I)で表される本発明のビスイミダゾピラジノン誘導体の融点や溶解性など取り扱いのしやすさ、及び、発光波長、発光強度、発光持続時間の二段階化学発光性の制御のしやすさの理由から、炭素数1〜16のものが好ましく、特に炭素数1〜12のものが好ましい。
この有機基としては、具体的には、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基等が挙げられ、これらの有機基は、本発明により提供される化学発光物質の発光特性を大幅に損なうものでなければ、置換基を有していても良く、置換基を有する場合の該有機基の炭素数は、置換基の炭素の数を含めた数とする。
アルキル基は、直鎖状若しくは分岐鎖又は環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。これらのアルキル基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、シアノ基等で置換されていてもよく、このうち、置換基としては特にアリール基が好ましい。置換基を有するアルキル基としては、例えば、2−クロロエチル基、4−クロロブチル基、トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基;2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、4−イソプロピルオキシブチル基、3−イソブチルオキシプロピル基等のアルコキシアルキル基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、p−クロロベンジル基等のアラルキル基;フェノキシメチル基、2−フェノキシエチル基、4−フェノキシブチル基等のアリールオキシアルキル基;2−メトキシカルボニルエチル基、3−n−ブトキシカルボニルプロピル基等のアルコキシカルボニルアルキル基;2−フェノキシカルボニルエチル基、4−p−クロロフェノキシカルボニルブチル基等のアリールオキシカルボニルアルキル基;2−ベンジルオキシエチル基、4−ベンジルオキシブチル基等のアラルキルオキシアルキル基;2−アセトキシエチル基、2−ベンゾイルオキシエチル基、4−アセトキシブチル基等のアシルオキシアルキル基;2−シアノエチル基等のシアノアルキル基などが挙げられる。
アルケニル基は、直鎖状若しくは分岐鎖状又は環状のいずれでもよく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる。これらのアルケニル基は、上述のアルキル基におけると同様の置換基を有していてもよい。
アルキニル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、例えば、エチニル基、プロピニル基等が挙げられる。これらのアルキニル基は、アリール基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基で置換されていてもよい。
アリール基は、単環でも2〜4縮合環でもよく、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。これらのアリール基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;炭素数1〜4のフルオロアルキル基;及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基等で置換されていてもよい。
ヘテロアリール基としては、本発明により提供される化学発光物質の発光特性を大幅に損なうものでなければ、どのようなヘテロ元素を含んだものでもよいが、通常、O、N、Sなどの各原子を含んだものが挙げられ、例えば、チエニル基、ピロール基、フリル基、ピラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジル基、キノリル基、ピリミジル基、トリアジニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基等が挙げられる。これらのヘテロアリール基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;炭素数1〜4のフルオロアルキル基;及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基等より置換されていてもよい。
これらのうちR及びRとしては、好ましくは、水素原子、アルキル基及びアリール基がよく、更に好ましくは、水素原子、メチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基等の鎖状アルキル基、ベンジル基等のアリール基置換アルキル基、フェニル基又は4−t−ブチルフェニル基等の置換アリール基がよく、特に好ましくはアルキル基又はアリール基がよい。
〜Rの炭素数1〜20の有機基としては、上述のR及びRと同様の有機基がよいが、合成の容易さ、一般式(I)で表される本発明のビスイミダゾピラジノン誘導体の融点や溶解性などの取り扱いのしやすさ、発光波長、発光強度、発光持続時間等の2段階化学発光性の制御のしやすさの理由により、アルキル基又はアリール基が好ましい。
Aの結合は、2個のイミダゾピラジノン環のπ電子が非局在化しうる状態にある結合をいい、例えば、単結合の他、炭素/炭素二重結合、炭素/窒素二重結合、窒素/窒素二重結合、炭素/炭素三重結合、芳香族炭化水素環、芳香族性を有する複素環などのπ共役性連結基が挙げられ、具体的には、ビニレン(−CH=CH−)基、エチニレン(−C≡C−)基;アリーレン基、ヘテロアリーレン基、及びこれらの基の1種又は2種以上が2つ以上、好ましくは2つ又は3つ結合した基が挙げられる。結合Aの炭素数は通常0〜30であり、炭素数が少ない方が、2つのイミダゾピラジノン環同士の相互作用が大きく、1段階目の化学発光波長の長波長化には好ましい。2段階化学発光性の制御のしやすさの点では炭素数が多い方が好ましいが、多すぎても長波長化への寄与が小さくなり、また、取り扱いしにくくなり好ましくない。結合Aの好ましい炭素数は0〜20で、更に好ましい炭素数は0〜14である。これらの結合は、本発明により提供される化学発光物質の発光特性を大幅に損なうものでなければ、置換基を有していてもよく、置換基を有する場合の結合Aの炭素数は、置換基の炭素の数を含めた数とする。
Aのアリーレン基としては、単環でも2〜4縮合環でもよく、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
ヘテロアリーレン基としては、本発明により提供される化学発光物質の発光特性を大幅に損なうものでなければどのようなヘテロ元素を含んだものでもよいが、通常、O、N、Sなどの各原子を含んだものが挙げられ、例えば、チエニレン基、フラニレン基等が挙げられる。
ビニレン基、アリーレン基又はヘテロアリーレン基などが有する置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基;炭素数6〜14のアリール基;炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基;炭素数1〜4のハロゲン化アルコキシ基;炭素数6〜14のアリールオキシ基等が挙げられる。
置換基が結合した結合Aとしては、置換基を有していてもよい1,4−ブタジエニル基、ビフェニレン基、テルフェニレン基、ビチエニレン基、テルチエニレン基、ビフラニレン基及びテルフラニレン基等が挙げられ、このうち、ビニレン基、エチニレン基等の鎖状炭化水素基、置換基を有していてもよいフェニレン基、チオフエニレン基若しくはフラニレン基、又はビフェニレン基若しくはテルフェニレン基の芳香族性を有する基が好ましい。
2つのイミダゾピラジノン環同士の相互作用が大きく、1段階目の化学発光波長の長波長化のため、即ち、発光波長制御の点からは、結合Aは特に単結合が好ましい。
前記一般式(I)で表される本発明に係るビスイミダゾピラジノン誘導体のうちAが単結合である例を表1,2に、π共役系連結基である例を表3,4に例示するが、本発明はこれらの例示化合物に限定されるものではない。
Figure 0004561132
Figure 0004561132
Figure 0004561132
Figure 0004561132
一般式(I)で表されるビスイミダゾピラジノン誘導体のうち対称形のものは、例えば3−ブロモピラジンアミンと一般式[(HO)B−A−B(OH)](式中、Aは前記と同義である。)で表されるジボロン酸誘導体とを触媒及び塩基の存在下に反応させる(方法[i])か、又は3−ブロモピラジンアミンを触媒及びジスタナン化合物(ジチン化合物)、第一銅塩の存在下に二量化させる(方法[ii])ことにより、下記一般式(III)で表されるビスアミノピラジン誘導体とし、これをグリオキサール誘導体と反応させることにより製造することができる。
Figure 0004561132
(式中、R〜R及びAは、前記と同義である。)
上記の合成中間体(III)は蛍光発光を有し、アミノ基を修飾することにより、下記一般式(II)のビスアミノピラジン誘導体のような蛍光色素に誘導することができる。
Figure 0004561132
(式中、R〜R及びAは、前記と同義であり、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜30の有機基を表す。)
、Rの炭素数1〜30の有機基としては、本発明により提供される化学発光物質の発光特性を大幅に損なうものでなければどのような有機基でも良いが、発光強度、融点及び溶解度などの取り扱いやすさから、炭素数1〜16のものが好ましく、特に炭素数1〜12のものが好ましい。
この有機基としては、具体的には、アルキル基、(ヘテロ)アリール基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、(ヘテロ)アリールカルボニル基、(ヘテロ)アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、(ヘテロ)アリールスルホニル基が挙げられ、これらの有機基は、本発明により提供される化学発光物質の発光特性を大幅に損なうものでなければ、置換基を有していても良く、置換基を有する場合の有機基の炭素数は、置換基の炭素の数を含めた数とする。
アルキル基は、直鎖状若しくは分岐鎖又は環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。これらのアルキル基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、シアノ基等で置換されていてもよく、このうち、置換基としてはハロゲン原子又はアリール基が好ましい。置換基を有するアルキル基としては、例えば、2−クロロエチル基、4−クロロブチル基、トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基;2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、4−イソプロピルオキシブチル基、3−イソブチルオキシプロピル基等のアルコキシアルキル基;ベンジル基、2−フェニルエチル基、p−クロロベンジル基等のアラルキル基;フェノキシメチル基、2−フェノキシエチル基、4−フェノキシブチル基等のアリールオキシアルキル基;2−メトキシカルボニルエチル基、3−n−ブトキシカルボニルプロピル基等のアルコキシカルボニルアルキル基;2−フェノキシカルボニルエチル基、4−p−クロロフェノキシカルボニルブチル基等のアリールオキシカルボニルアルキル基;2−ベンジルオキシエチル基、4−ベンジルオキシブチル基等のアラルキルオキシアルキル基;2−アセトキシエチル基、2−ベンゾイルオキシエチル基、4−アセトキシブチル基等のアシルオキシアルキル基;2−シアノエチル基等のシアノアルキル基などが挙げられる。
アリール基は、単環でも2〜4縮合環でもよく、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。これらのアリール基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;炭素数1〜8のフルオロアルキル基;及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基等よりなる群から選ばれた置換基を有していてもよい。
ヘテロアリール基としては、本発明により提供される化学発光物質の発光特性を大幅に損なうものでなければ、どのようはヘテロ元素を含んだものでもよいが、通常、O,N,Sなどの各原子を含んだものが挙げられ、例えば、チエニル基、ピロール基、フリル基、ピラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジル基、キノリル基、ピリミジル基、トリアジニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基等が挙げられる。これらのヘテロアリール基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;炭素数1〜8のフルオロアルキル基;及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基等より置換されていてもよい。
アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、s−ブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、イソペンチルカルボニル基、ネオペンチルカルボニル基、n−ヘキシルカルボニル基、n−ヘプチルカルボニル基、n−オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、n−ノニルカルボニル基、n−デシルカルボニル基、n−ウンデシルカルボニル基、n−ドデシルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、シクロヘプチルカルボニル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、シアノ基よりなる群から選ばれた基で置換されていてもよい。
アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、s−ブチルオキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基、n−ウンデシルオキシカルボニル基、n−ドデシルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘプチルオキシカルボニル基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、シアノ基よりなる群から選ばれた基で置換されていてもよい。
アリールカルボニル基としては例えば、ベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられる。アリールカルボニル基はフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;炭素数1〜8のフルオロアルキル基;及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基等よりなる群から選ばれた置換基を有していてもよい。
ヘテロアリールカルボニル基としては、例えば、テノイル基、ピロリルカルボニル基、フロイル基、ピラジルカルボニル基、イミダゾリルカルボニル基、ピラゾリルカルボニル基、オキサゾリルカルボニル基、イソオキサゾリルカルボニル基、チアゾリルカルボニル基、イソチアゾリルカルボニル基、ピリジルカルボニル基、キノリルカルボニル基、ピリミジルカルボニル基、トリアジニルカルボニル基、ベンゾチアゾリルカルボニル基、ベンゾオキサゾリルカルボニル基等が挙げられる。ヘテロアリールカルボニル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;炭素数1〜8のフルオロアルキル基;及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基等よりなる群から選ばれた置換基を有していていてもよい。
アリールオキシカルボニル基としては例えば、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基等が挙げられる。アリールオキシカルボニル基はフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;炭素数1〜8のフルオロアルキル基;及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基等よりなる群から選ばれた置換基を有していてもよい。
ヘテロアリールオキシカルボニル基としては、例えば、チエニルオキシカルボニル基、ピロールオキシカルボニル基、フリルオキシカルボニル基、ピラジルオキシカルボニル基、イミダゾリルオキシカルボニル基、ピラゾリルオキシカルボニル基、オキサゾリルオキシカルボニル基、イソオキサゾリルオキシカルボニル基、チアゾリルオキシカルボニル基、イソチアゾリルオキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基、キノリルオキシカルボニル基、ピリミジルオキシカルボニル基、トリアジニルオキシカルボニル基、ベンゾチアゾリルオキシカルボニル基、ベンゾオキサゾリルオキシカルボニル基等が挙げられる。ヘテロアリールオキシカルボニル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;炭素数1〜8のフルオロアルキル基;及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基等よりなる群から選ばれた置換基を有していていてもよい。
アルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、nープロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、s−ブチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基、n−ペンチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、ネオペンチルスルホニル基、n−ヘキシルスルホニル基、n−ヘプチルスルホニル基、n−オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、n−ノニルスルホニル基、n−デシルスルホニル基、n−ウンデシルスルホニル基、n−ドデシルスルホニル基、シクロペンチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、シクロヘプチルスルホニル基等が挙げられる。アルキルスルホニル基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、シアノ基よりなる群から選ばれた基で置換されていてもよい。
アリールスルホニル基としては例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等が挙げられる。アリールスルホニル基はフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;炭素数1〜8のフルオロアルキル基;及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基等よりなる群から選ばれた置換基を有していてもよい。
ヘテロアリールスルホニル基としては、例えば、チエニルスルホニル基、ピロールスルホニル基、フリルスルホニル基、ピラジルスルホニル基、イミダゾリルスルホニル基、ピラゾリルスルホニル基、オキサゾリルスルホニル基、イソオキサゾリルスルホニル基、チアゾリルスルホニル基、イソチアゾリルスルホニル基、ピリジルスルホニル基、キノリルスルホニル基、ピリミジルスルホニル基、トリアジニルスルホニル基、ベンゾチアゾリルスルホニル基、ベンゾオキサゾリルスルホニル基等が挙げられる。ヘテロアリールスルホニル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;炭素数1〜8のフルオロアルキル基;及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基等よりなる群から選ばれた置換基を有していていてもよい。
これらのうち、R、Rとしては、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、ヘテロアリールカルボニル基のようにカルボニル結合を有するものが好ましい。
上記一般式(II)で表される本発明のビスアミノピラジン誘導体のいくつかを表5,6に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004561132
Figure 0004561132
前記方法[i]で用いるジボロン酸誘導体の製造方法としては、例えば、対応する有機リチウム化合物とホウ酸トリアルキルエステルとを触媒及び塩基の存在下に反応させ、次いで反応生成物を加水分解する方法などが挙げられる。
ジボロン酸誘導体としては、例えば、ビニレンジボロン酸、エチニレンジボロン酸、1,4−フェニレンジボロン酸、ビフェニル−4,4’−イレンボロン酸、p−ターフェニル−4,4”−イレンボロン酸、p−ターフェニル−2’,5’−ジオクチルオキシ−4,4”−イレンボロン酸、2,2’−ビチオフェン−5,5’−イレンジボロン酸、2,2’−ビフラン−5,5’−イレンジボロン酸等が挙げられる。ジボロン酸は、3−ブロモピラジンアミンに対して、通常0.4〜1当量用いればよい。
方法[i]における触媒としては、パラジウム等の貴金属触媒が用いられ、例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等が挙げられる。触媒は、3−ブロモピラジンアミンに対して、通常0.03〜0.05当量用いるのが好ましい。
方法[i]における塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム等の水酸化物;炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩;炭酸ナトリウム等の炭酸水素塩などが挙げられる。
方法[i]の反応は、通常、有機溶媒を用いて行い、有機溶媒は、反応を阻害しないものであれば任意だが、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒が好ましい。
3−ブロモピラジンアミンとジボロン酸誘導体とを触媒及び塩基の存在下に反応させる場合、通常は、0℃から溶媒の沸点で、数時間〜5日間混合した後、生成したビスアミノピラジン誘導体を反応液から単離する。例えば、反応生成液を室温まで冷却することにより析出した結晶を濾過することにより、ビスアミノピラジン誘導体を得ることができる。得られたビスアミノピラジン誘導体は、必要であれば、再結晶、HPLC、カラムクロマトグラフィーなどで精製することもできる。
前記方法[ii]における3−ブロモピラジンアミンの二量化反応に用いる触媒としては、パラジウム等の貴金属触媒が用いられ、例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等が挙げられる。触媒は、3−ブロモピラジンアミンに対して、通常0.03〜0.05当量用いるのが好ましい。
前記方法[ii]におけるジスタナン化合物(ジチン化合物)としては、例えば、ジヘキサブチルジチン;ヘキサメチルジチン等の化合物などが挙げられる。ジスタナン化合物は3−ブロモピラジンアミンに対して、通常0.5当量程度用いるのが好ましい。
前記方法[ii]における第一銅塩としては、例えば、ヨウ化第一銅(CuI)等の第一銅のハロゲン化物塩などが挙げられる。第一銅塩は3−ブロモピラジンアミンに対して、通常0.2当量程度用いるのが好ましい。
方法[ii]における反応は、通常、有機溶媒を用いて行い、有機溶媒は、反応を阻害しないものであれば任意だが、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
3−ブロモピラジンアミンを触媒及び塩基の存在下に二量化させる場合、通常は、0℃から溶媒の沸点で、数分〜数10時間混合した後、生成したビスアミノピラジン誘導体を反応液から単離する。単離方法としては、例えば、反応生成液から溶媒を留去した後、これをエーテル系溶媒等の貧溶媒にあけてビスアミノピラジン誘導体を析出させ、これを濾取する方法が挙げられる。得られたビスアミノピラジン誘導体は、必要であれば、再結晶、HPLC、カラムクロマトグラフィーなどで精製することもできる。
このようにして前記一般式(III)で表されるビスアミノピラジン誘導体を得た後は、これを、一般式RCOCHO(式中、Rは前記と同義である。)で表されるグリオキサール誘導体と反応させることにより、一般式(I)で表される本発明のビスイミダゾピラジノン誘導体を生成させる。
ここで、グリオキサール誘導体は、ビスアミノピラジン誘導体に対して、通常、1.5〜7当量用いればよい。
反応は、酸触媒の存在下、適当な溶媒にビスアミノピラジン誘導体及びグリオキサール誘導体を懸濁又は溶解させることにより行う。
酸触媒としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸;メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等のスルホン酸;トリフルオロ酢酸等のカルボン酸などが挙げられる。
反応は通常有機溶媒を用いて行い、用いる有機溶媒は、反応を阻害しないものであれば任意だが、THF、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、又はこれら有機溶媒と水との混合溶媒が好ましい。
ビスアミノピラジン誘導体とグリオキサール誘導体との反応は、通常は、0℃から溶媒の沸点で、数時間〜2日間混合した後、生成したビスイミダゾピラジノン誘導体を反応液から単離することにより行われる。単離方法としては、例えば、反応生成液を室温まで冷却し、水を加えてビスイミダゾピラジノン誘導体を析出させ、これを濾取する方法が挙げられる。得られたビスイミダゾピラジノン誘導体は、必要であれば、再結晶、HPLC、カラムクロマトグラフィーなどで更に精製することもできる。
一方、一般式(I)で表されるビスイミダゾピラジノン誘導体のうち、非対称形のビスイミダゾピラジノン誘導体は、非対称形のビスアミノピラジン誘導体から製造する方法、又は対称系ビスアミノピラジン誘導体に異なるグリオキサール誘導体もしくはグリオキサール誘導体の水和物を段階的に反応させる方法などにより製造することができる。なお、非対称系のビスアミノピラジン誘導体は、3位にπ共役系結合を有するアミノピラジン誘導体を製造し、このπ共役結合基上にボロン酸基又はボロン酸エステル基を結合させ、次いでこのものを3−ブロモピラジンアミンと反応させるか、又は、ジボロン酸誘導体に異なる3−ブロモピラジンアミン誘導体を、1当量ずつ段階的に反応させる方法により製造することができる。これらの反応条件及び精製単離は、前記製造方法に準じて行えばよい。
なお、前記一般式(II)で表されるビスアミノピラジン誘導体を製造するためには、常法に従い、前記一般式(III)で表されるビスアミノピラジン誘導体のアミノ基を修飾すればよい。
前記一般式(I)で表されるビスイミダゾピラジノン誘導体が各種化学発光系材料や発光素子に含まれることは、液体クロマトグラフィー(LC)、質量分析法(MS)、核磁気共鳴スペクトル法(NMR)などの分析手法により確認することができる。
前記一般式(I)で表されるビスイミダゾピラジノン誘導体のうち好ましいものは、多段階の発光を示し、しかもその多段階発光の発光波長はその第一段階発光が500nm以上の長波長側であると共に、第一段階発光と第二段階以降の発光の波長が50nm以上離れた明確な多段階発光である。
また、前記一般式(I)で表されるビスイミダゾピラジノン誘導体は、発光波長が制御し易く、しかも、発光持続時間も制御し易い。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(a)ビスアミノピラジン(表6のNo.3−15の化合物)の合成
3−ブロモ−5−ヘキシルピラジンアミン2.33g(9.03mmol)とヨウ化第一銅345mg(1.81mmol)、ヘキサブチルジチン2.6g(4.5mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム312mg(0.27mmol)のDMF溶液(30mL)をアルゴン雰囲気下、100℃にて終夜加熱攪拌した。反応溶液を放冷後、DMFを減圧下留去し、残渣をトリフルオロ酢酸とメタノール混合溶媒に溶解してセライト濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン−酢酸エチル(5:1))にて分離し、クロロホルム−メタノールより再結晶してビスアミノピラジン(3−15)1.0g(収率62%)を黄色結晶として得た。
融点:250℃以上
H−NMR(270MHz,CDCl3):δ/ppm:0.89(6H,t),1.33-1.40(12H,m),1.72(4H,quin),2.72(4H,t),7.38(4H,brs),7.87(2H,s)
IR(KBr):ν/cm-1:3325,3235,3140,2954,2920,2849,1601,1560,1456,1210,1055,869,727,551,467
MS(EI):m/z(%):357(65),356(M+,100),355(23),327(11),313(18),299(47),286(75),262(47)
(b)ビスイミダゾピラジノン(表1のNo.1−5の化合物)の合成
ビスアミノピラジン(3−15)8.5mg(0.024mmol)の1,4−ジオキサン溶液(1.5mL)にメチルグリオキサールの40重量%水溶液21mg(0.12mmol)と濃塩酸0.2mLを加え、アルゴン雰囲気下、50℃にて終夜加熱攪拌した。反応溶液を放冷後、水を加え、生成物をクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、その後無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム−メタノール(10:1))にて分離精製し、ビスイミダゾピラジノン(1−5)2.2mg(収率20%)を紫色結晶として得た。
融点:250℃以上
H−NMR(270MHz,CDCl3)δ/ppm:0.90(6H,t),1.32-1.45(12H,m),1.73(4H,quin),2.55(4H,t),2.55(6H,s),6.93(2H,s),11.28(2H,brs)
IR(KBr)ν/cm-1:3188,3086,2957,2924,2855,1667,1627,1608,1518,1457,1371,1351,1311,1260,1203
MS(P-EI)m/z(%):465(32),464(M+,100),436,395,366
(c)ビスイミダゾピラジノン(表1のNo.1−5の化合物)の発光測定
標題化合物(1−5)を6.3×10−4mol/L濃度のクロロホルム溶液として、試料溶液を調製した。この試料溶液100μLを石英セルに入れ、発光測定装置(FP−6500、日本分光社製;蛍光側バンドパス20nm、感度Medium、レスポンス0.05sec、走引速度10,000nm/min;データ取り込み間隔2nm)のセルホルダーに設置した。ここに空気飽和した1.0×10−3mol/L濃度の1,1,3,3−テトラメチルグアニジンを含むDMSO溶液2.0mLを加え、発光スペクトルを測定した。発光スペクトルを連続的に測定すると、図1のように時間と共に発光極大が変化し、二段階発光が認められた。このときの発光極大波長を表7にまとめた。また、肉眼で第一段階は黄色領域の発光、第二段階は青緑色領域の発光を認めた。
<実施例2>
(a)ビスアミノピラジン(表6のNo.3−14の化合物)の合成
3−ブロモ−5−(4−tert−ブチルフェニル)ピラジンアミン238mg(0.778mmol)とヨウ化第一銅30mg(0.15mmol)、ヘキサブチルジチン230mg(0.40mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム27mg(0.023mmol)のDMF溶液(5mL)をアルゴン雰囲気下、100℃にて終夜加熱攪拌した。反応溶液を放冷後、DMFを減圧下留去し、残渣を飽和フッ化カリウム−メタノール溶液(20mL)に溶かして終夜攪拌した。反応溶液に水を加え、クロロホルムで生成物を抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、その後無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム−メタノール(40:1))にて分離し、クロロホルム−メタノールより再結晶してビスアミノピラジン(3−14)139mg(収率79%)を黄色結晶として得た。
融点:250℃以上
H−NMR(270MHz,DMSO−d6) δ/ppm 1.34(s,18 H),7.54(d,J=8.6Hz,4H),7.83(d,J=8.6Hz,4H),7.50-8.00(brs,-NH2),8.56(s,2H)
IR(KBr)ν/cm-1:3342,3298,3137,2961,2901,2867,1609,1559,1456,1211,1026,1077,867,831
MS(EI)m/z(%):453(M+,100),438(20),211(17)
(b)ビスイミダゾピラジノン(表2のNo.1−13の化合物)の合成
ビスアミノピラジン(3−14)8.5mg(0.019mmol)の1,4−ジオキサン溶液(1.5mL)にメチルグリオキサールの40重量%水溶液21mg(0.12mmol)と濃塩酸0.2mLを加え、アルゴン雰囲気下、50℃にて終夜加熱攪拌した。反応溶液を放冷後、水を加え、生成物をクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、その後無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣を分取シリカゲル薄層クロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム−メタノール(10:1))にて分離精製し、ビスイミダゾピラジノン(1−13)2.2mg(収率21%)を紫色結晶として得た。
融点:250℃以上
H−NMR(270MHz,CDCl3)δ/ppm:1.40(18H,s),2.62(6H,s),7.46(2H,d,J=1.7Hz),7.58(4H,d,J=8.6Hz),7.66(4H,d,J=8.6Hz),11.83(2H,brs)
MS(FAB,m-NBA)m/z(%):561([M+H]+,100),594(57),545(44),507(46),460(52)
(c)ビスイミダゾピラジノン(表2のNo.1−13の化合物)の発光測定
標題化合物(1−13)を実施例1と同様の発光測定方法で、発光スペクトルを測定したところ表7に示すような発光極大を有する2段階発光を認めた。図2に発光スペクトルを示した。また、肉眼で第一段階は橙色領域、第二段階は黄緑色領域の発光を認めた。
Figure 0004561132
<実施例3>
(a)2,2’−ジピラジン−6,6’−ジ−n−ヘキシル−3,3’−ジアセチルアミド体(表6のNo.3−11の化合物)の合成
ビスアミノピラジン(3−15)47.3mg(0.133mmol)のクロロホルム溶液(3mL)に無水酢酸1mLを加え、さらに室温にて濃硫酸0.2mLを加えた後、室温で2時間攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和した後、生成物をクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水による洗浄し、その後無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣を分取シリカゲル薄層クロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム−メタノール(20:1))にて分離精製し、ビスアセチルアミド体(3−11)42.8mg(収率73%)を無色結晶として得た。
融点:250℃以上
H−NMR(270MHz,CDCl3)δ/ppm:0.891(6H,t),1.31-1.43(12H,m),1.82(4H,qin),2.40(6H,s),2.89(4H,t),8.37(2H,s),12.66(2H,brs)
13C-NMR(67.8MHz,CDCl3)δ/ppm:13.93(q,2C),22.44(t,2C),25.77(q,2C),28.80(t,2C),29.49(t,2C),31.45(t,2C),34.54(t,2C),134.61(s,2C),141.63(d,2C),146.27(s,2C),148.16(s,2C),169.35(s,2C)
IR(neat)ν/cm-1:3006,2948,2925,2846,1710,1576,1510,1363,1319,1253,1229,1163,1061,779,443
MS(EI)m/z(%):441(17),440(M+,100),397(11),383(18),370(18),328(26)
(b)2,2’−ジピラジン−6,6’−ジ−n−ヘキシル−3,3’−ジアセチルアミド体(表6のNo.3−11の化合物)の吸収スペクトル測定及び蛍光測定
標題化合物(3−11)を表8に示す溶媒に2.4×10−5mol/L溶解させた試料溶液を調製し、吸収スペクトルと、310nmを励起したときの蛍光スペクトルを測定し、吸収極大波長、発光波長及び発光強度を表8に示した。また、図3に吸収スペクトルを示した。
Figure 0004561132
吸収極大波長は、クロロホルム中で370nm付近に観測され、DMSO中では310nm付近に観測された。メタノールやアセトニトリル中では、370nm付近と310nm付近の両者が共存した状態を示した。この結果から、標題化合物(3−11)はDMSOのように水素結合供与性又は水素結合受容性の高い溶媒中では水素結合の切れた構造(I構造)を取り、短波長側(310nm付近)に吸収極大を示すのに対し、クロロホルムのように水素結合供与性と受容性の低い溶媒中では分子内水素結合した構造(II構造)を取り、短波長側(370nm付近)に吸収極大を示すことが分かる。DMSOとクロロホルムの中間の性質の溶媒中では、370nm付近と310nm付近の両方の吸収を示し、I構造とII構造の共存した状態となる。このように標題化合物(3−11)は、I構造とII構造をスイッチできる性質を有する。蛍光スペクトルの測定から、I構造からの蛍光が強く観測された。
<実施例4>
(a)ビスアミノピラジン(表6のNo.3−28)の合成
3−ブロモ−5−(4−tert−ブチルフェニル)ピラジンアミン87.2mg(0.285mmol)と1,4−フェニレンジボロン酸23.5mg(0.142mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム9.8mg(0.0084mmol)の1,4−ジオキサン溶液(3mL)に2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液(1mL)を加え、アルゴン雰囲気下、80℃にて5時間加熱攪拌した。反応溶液を放冷後、溶媒を減圧下で留去し、残渣中の結晶を水、続いてクロロホルムで洗浄し、ビスアミノピラジン(3−28)50.4mg(収率67%)を淡黄色結晶として得た。
融点:250℃以上
H−NMR(270MHz,DMSO-d6)δ/ppm1.32(18H,s),6.37(4H,brs),7.48(4H,d,J=8.6Hz),7.93(4H,d,J=8.6Hz),7.93(4H,s),8.56(2H,s)
MS(FAB,m-NBA)m/z(%)529([M+H]+,100)
(b)ビスイミダゾピラジノン(表4のNo.2−20の化合物)の合成
ビスアミノピラジン(3−28)20.7mg(39.2μmol)とフェニルグリオキサール(101mg,0.76mmol)の1,4−ジオキサン溶液(0.5mL)に濃塩酸0.5mLを加え、アルゴン雰囲気下、100℃にて11時間加熱攪拌した。反応溶液を放冷した後、反応溶液に飽和食塩水を加え、生成物をクロロホルムメタノール(10:1)混合溶媒で抽出した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣を2回のシリカゲル薄層クロマトグラフィー(溶媒:酢酸エチル−メタノール(1回目(20:1),2回目(10:1))にて分離し、シリカゲルに吸着した生成物をトリフルオロ酢酸にて溶出した。溶出液を濃縮し、酢酸エチルを加えて析出した結晶を濾過してビスイミダゾピラジノン(2−20)7.4mg(収率25%)を茶色結晶として得た。
融点:250℃以上
H−NMR(270MHz,TFA-d(trifluoroacetic acid-d))δ/ppm:1.45(18H,s),7.66-7.69(6H,m),7.78(8H,brs),8.29(4H,brd,J=6Hz),8.41(4H,brs),8.87(2H,brs)
IR(KBr)ν/cm-1:3429,3060,2963,2905,2870,1654,1610,1580,1491,1202,1144
MS(FAB,m-NBA)m/z(%):761([M+H]+),732([M-CO]+)
<実施例5>
(a)ビスイミダゾピラジノン(表1のNo.1−4の化合物)の合成
ビスアミノピラジン(3−15)102mg(0.586mmol)とフェニルグリオキサール(288mg,0.858mmol)の1,4−ジオキサン溶液(6mL)に濃塩酸1mLを加え、アルゴン雰囲気下、2時間加熱還流した。反応溶液を放冷した後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム−メタノール(10:1))、続いてシリカゲル薄層クロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム−メタノール(15:1))にて分離精製し、ビスイミダゾピラジノン(1−4)16.6mg(収率10%)を緑色結晶として得た。
融点:250℃以上
H−NMR(270MHz,TFA-d(trifluoroacetic acid-d))δ/ppm:0.98(6H,t),1.43-1.48(8H,m),1.68(4H,m),2.13(4H,qin),3.32(4H,t),7.72(6H,m),7.98(4H,m),8.68(2H,s)
IR(KBr)ν/cm-1:3177,3075,2954,2927,2856,1653,1617,1489,1450,1216,776,689,658,542
MS(FAB,m-NBA)m/z(%):589([M+H]+,100),561(9),460(19)
<実施例6>
(a)ビスイミダゾピラジノン(表1のNo.1−14の化合物)の合成
ビスアミノピラジン(3−14)8.5mg(0.016mmol)とフェニルグリオキサール(35.8mg,0.267mmol)の1,4−ジオキサン溶液(1.5mL)に濃塩酸0.25mLを加え、アルゴン雰囲気下、3時間加熱還流した。反応溶液を放冷した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣に水を加え、生成物をクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム−メタノール(15:1))、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:トルエン−メタノール−トリエチルアミン(12:3:1))にて分離精製し、ビスイミダゾピラジノン(1−14)7.3mg(収率16%)を緑色結晶として得た。
融点:250℃以上
H−NMR(270MHz,TFA-d(trifluoroacetic acid-d))δ/ppm:1.66(18H,s),7.85-7.88(6H,m),8.02(4H,d,J=8.6Hz),8.23(4H,d,J=8.6Hz),8.18-8.24(4H,m),9.26(2H,s)
IR(KBr)ν/cm-1:3172,3085,3068,2963,1653,1623,1607,1224,1176,1085,778,640
MS(FAB,m-NBA)m/z(%):685([M+H]+,100),524(20),407(23)
本発明に係るビスイミダゾピラジノン誘導体は、多段階発光による複数の発光波長を有し、かつ複数の発光を明確に区別しやすい。また、発光波長制御性が高く、発光持続時間を制御しやすい化合物であるため、化学発光系を利用した高感度分析や機能性色素材料を利用した機能性発光素子応用などの分野、特に医学、薬学、環境化学などの分野において、化学発光系を利用した高感度発光分析における機能性発光プローブとして用いることができる。更に、機能性化学発光分子設計の基礎となり、機能性色素材料、機能性発光素子などを利用した画像解析、光源技術、ディスプレイ技術にも用いることができる。
実施例1で合成したビスイミダゾピラジノン(1−5)の発光スペクトルを示す図である。 実施例2で合成したビスイミダゾピラジノン(1−13)の発光スペクトルを示す図である。 実施例3で合成した2,2’−ジピラジン−6,6’−ジ−n−ヘキシル−3,3’−ジアセチルアミド体(3−11)の吸収スペクトルを示す図である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)で表されることを特徴とするビスイミダゾピラジノン誘導体。
    Figure 0004561132
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルキル基」、炭素数〜20の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルケニル基」、炭素数〜20の「アリール基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルキニル基」、炭素数〜20の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよいアリール基」、又は炭素数〜20の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよいヘテロアリール基」を表し、
    Aは単結合、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基、チエニレン基、若しくはフラニレン基、又はこれらが結合した基を表す。前記Aのビニレン基、アリーレン基、チエニレン基、若しくはフラニレン基は各々、ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロゲン化アルコキシ基、又は炭素数6〜14のアリールオキシ基で置換されていてもよい。)
  2. 下記一般式(II)で表されることを特徴とするビスアミノピラジン誘導体。
    Figure 0004561132
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルキル基」、炭素数〜20の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルケニル基」、炭素数〜20の「アリール基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルキニル基」、炭素数
    〜20の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよいアリール基」、又は炭素数〜20の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよいヘテロアリール基」を表し、
    ,Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜30の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルキル基」、炭素数〜30の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよい(ヘテロ)アリール基」、炭素数〜30の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルキルカルボニル基」、炭素数〜30の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルコキシカルボニル基」、炭素数〜30の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよい(ヘテロ)アリールカルボニル基」、炭素数〜30の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよい(ヘテロ)アリールオキシカルボニル基」、炭素数1〜30の「ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、及びシアノ基のいずれかで置換されていてもよいアルキルスルホニル基」、又は炭素数〜30の「ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、及び炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基のいずれかで置換されていてもよい(ヘテロ)アリールスルホニル基」を表し、
    Aは単結合、ビニレン基、エチニレン基、アリーレン基、チエニレン基、若しくはフラニレン基、又はこれらが結合した基を表す。前記Aのビニレン基、アリーレン基、チエニレン基、若しくはフラニレン基は各々、ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロゲン化アルコキシ基、又は炭素数6〜14のアリールオキシ基で置換されていてもよい。)
  3. 請求項1に記載のビスイミダゾピラジノン誘導体を含み、多段階の発光を示し、その第一段階発光が500nm以上の長波長側に発光波長を有し、且つ、第一段階発光と第二段階以降の発光の波長が50nm以上離れていることを特徴とする化学発光物質。
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