JP4558837B1 - トライクにおける左右車輪のサスペンション装置 - Google Patents

トライクにおける左右車輪のサスペンション装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両のコーナーリング時に左右車輪を傾斜させるようにしたサスペンション装置を提供する。
【解決手段】車輪を支持する揺動アーム(10R,10L)と、揺動アームの揺動を連動させる連動装置(25)と、揺動を制御する制御装置(27)を備える。連動装置(25)は、車体(7)を傾けたとき、左右車輪(3R,3L)を同時に傾かせ、モーターサイクルと同様のコーナーリングを可能にする。制御装置(27)は、弾性付勢手段(37)と、ロック手段(42)と、該ロック手段(42)のロックとアンロックを選択的に切換え可能とする切換え手段(38)を備える。前記ロック手段(42)は、ロック状態のとき揺動アーム(10R,10L)の揺動を弾性付勢手段(37)に負荷させ、アンロック状態のとき弾性付勢手段(37)を遊休させる。ロック状態において揺動アーム(10R,10L)を揺動させると、弾性付勢手段(37)が揺動アームの揺動に対抗する弾発付勢力(F1,F2)を蓄積し、車体(7)を垂直姿勢に戻すように制御する。
【選択図】図9

Description

本発明は、トライク(自動三輪車)における左右車輪のサスペンション装置に関する。
従来、モーターサイクル(自動二輪車)のように、トライクをコーナーリング中に傾斜できるようにしたサスペンション装置が提案されている。
特表2009−509857号公報
従来のトライクは、前輪を一対の左右車輪により構成し、後輪を構成する単一輪を駆動回転させる構成とされている。前輪に設けられたサスペンション装置は、車体の左右両側に枢結された上部コンロトールアームと下部コントロールアームの先端部により左右車輪の車軸を上下方向に揺動自在に支持し、軸線を走行方向に向けた枢軸に軸支したトラバースビームの両端を、スプリングダンパーを介して、それぞれ左右車輪の下部コントロールアームに連結し、前記枢軸の左右両側に位置して、車体とトラバースビームの間に液圧ポンプにより伸縮させられるアクチュエータを設けている。
ステアリング装置は、左右車輪を同時に操舵させるタイロッドと、該タイロッドを駆動するステアリングボックスを備えており、運転者がハンドルバーの向きを変えたとき、前記ステアリングボックスの出力シャフトにより前記タイロッドを駆動するように構成されている。
ハンドルバーの操舵角をモニターする検知装置が設けられ、該検知装置は検知結果に応じて前記液圧ポンプを駆動させる。トライクの直進走行時には、検知装置により左右のアクチュエータを伸長させ、車体を垂直姿勢に保持する。トライクの旋回走行時には、検知装置により一方のアクチュエータを伸長させ、反対に他方のアクチュエータを収縮させることにより、車体と左右車輪をほぼ平行に傾斜させる。
しかしながら、上述した従来のトライクは、前輪を一対の左右車輪により構成し、コーナーリングを開始するとき、最初にハンドルバーの向きを変えると、該ハンドルバーの操舵角に応じてアクチュエータが作動し、車体と左右車輪を強制的に傾斜させるものであるから、運転感覚がモーターサイクルと著しく異なるものとなる。モーターサイクルの運転者は、コーナーリングを開始するとき、体重移動で車体を傾斜させることにより、旋回方向と旋回半径を決定しており、車体を傾斜させる前にハンドルバーの向きを変えるような運転を行うものではない。従って、上述した従来のトライクは、モーターサイクルのような走行を楽しむことができない。
本発明は、上述した従来技術のようなステアリング動作で左右車輪を強制的に傾かせる機構とは根本的に異なり、運転者の体重移動で車体を傾かせたとき、車体の傾斜動作とリニアに左右車輪を傾かせるようにしたサスペンション装置を提案するものであり、これにより、モーターサイクルと同様の運転感覚で走行を楽しむことができるトライクの提供を可能にする。
ところで、本発明のサスペンション装置は、モーターサイクルと同様の運転感覚を可能にするため、左右車輪の車軸を個別に軸支する一対の揺動アームを設けている。具体的には、左右車輪に対応する左右一対の揺動アームを設け、該揺動アームの基部を車体に固定した支軸に揺動自在に軸支し、各揺動アームの自由端に設けた車軸に車輪を軸支する構成が採用される。
しかしながら、この場合、トライクのコーナーリングに際して、車体を傾斜させると、前記揺動アームの支軸が同時に傾斜するため、旋回軌道の外側に位置する車輪が路面から浮き上がり、接地力を失うという問題を生じる。
この点に関して、本発明は、一対の揺動アームの揺動を連動させる連動装置を設けることにより、前記問題を解決した。具体的には、前記支軸に交差する枢軸を有するブラケットと、前記枢軸に回動自在に軸支されると共に左右に延びる一対の作動アームを有するベルクランクと、前記作動アームのそれぞれを一対の揺動アームに連結する連結手段により連動装置を構成している。これにより、コーナーリングに際して、旋回軌道の内側に位置する車輪を軸支する一方の揺動アームの自由端が上動すると、前記ベルクランクが回動することにより、旋回軌道の外側に位置する車輪を支持する他方の揺動アームの自由端を下動させることが可能になり、前記問題が解決される。
この際、本発明のサスペンション装置は、前記連動装置を弾性的に支持する支持装置を設けることが望ましい。具体的には、前記ブラケットを前記支軸に対して進退自在に支持するガイド手段と、前記揺動アームの自由端を下動させる方向に前記ブラケットを弾発付勢するダンパーにより支持装置を構成することが望ましい。これにより、前記ダンパーに抗して前記ブラケットを移動させることにより、一対の揺動アームの自由端が上動可能となる。
ところが、上述のような連動装置を設けたサスペンション装置は、例えば、トライクを停車させた状態においても、車体が簡単に傾斜させられ、ほぼ横倒し状態となるので、モーターサイクルと同様のスタンドを設けることが必要なる。しかしながら、トライクは、左右のバランスが保たれた状態では垂直姿勢を保持するので、停車時にスタンドの掛け忘れを招来し、運転者がトライクから離れたとき、外力により横倒し状態となる危険がある。
また、トライクの走行時においても、モーターサイクルと同様に、車体が簡単に傾斜するので、運転初心者には転倒の危険が伴うことになる。
本発明のサスペンション装置は、前記一対の揺動アームの揺動を制御する制御装置を設けることにより前記問題を解決している。制御装置は、前記揺動アームに直接又は間接に連結可能とされた弾性付勢手段とロック手段を有し、ロック手段をロック状態としたとき揺動アームの揺動を前記弾性付勢手段に負荷させ、アンロック状態としたとき前記弾性付勢手段を遊休させるように構成し、ロック手段のロック状態とアンロック状態を選択的に切換え可能とした切換え手段を設けている。前記切換え手段により前記ロック手段をロック状態としたときは、揺動アームの自由端が上動させられると、前記弾性付勢手段が該揺動アームの上動に対抗する弾発付勢力を蓄積し、該揺動アームをニュートラル位置に押し戻すので、トライクは、垂直姿勢を保持するように制御される。そして、前記切換え手段により前記ロック手段をアンロック状態とすれば、モーターサイクルと同様に、運転者の体重移動でトライクを自在に傾斜させることが可能となり、快適なコーナーリング走行を可能とする。
そこで、本発明が手段として構成したところは、前輪又は後輪を一対の左右車輪により構成したトライクにおいて、車体に固定された横軸を構成する支軸に揺動自在に軸支された左右一対の揺動アームと、各揺動アームの自由端に車輪を軸支する車軸と、前記一対の揺動アームの揺動を連動させる連動装置と、前記一対の揺動アームの揺動を制御する制御装置を備えており、前記連動装置は、枢軸に回動自在に軸支されると共に左右に延びる一対の作動アームを有するベルクランクと、前記作動アームのそれぞれを一対の揺動アームに連結する連結手段を備え、車体を左右一方に傾けることにより一方の揺動アームの自由端を上動させたとき、前記ベルクランクを回動させることにより、他方の揺動アームの自由端を連動して下動させるように構成され、前記制御装置は、前記揺動アームに連結された弾性手段と、ロック手段と、前記ロック手段のロック状態とアンロック状態を選択的に切換え可能とする切換え手段を備えており、前記ロック手段は、ロック状態のとき前記揺動アームの揺動を前記弾性手段に負荷させ、アンロック状態のとき前記弾性手段を遊休させるように構成され、前記ロック状態において車体を左右一方に傾けることにより揺動アームの自由端を上動又は下動させたとき、前記弾性手段が前記揺動アームの上動又は下動に対抗する弾発付勢力を蓄積することにより、車体を垂直姿勢に向けて弾発するように構成されて成る点にある。
本発明の実施形態において、前記制御装置は、前記ベルクランクの枢軸に回動自在に軸支された回動手段と、該回動手段から左右に延設されると共に先端を前記作動アームに固定された一対のバネ手段により前記弾性付勢手段を構成し、前記回動手段を回動不能に固定するロック状態と、前記回動手段を回動自由とするアンロック状態を選択的に切換え可能とする切換え手段を設けており、前記アンロック状態においてベルクランクを回動したとき、前記回動手段及びバネが該ベルクランクと同行回動するが、前記ロック状態においてベルクランクを回動したとき、前記バネ手段がベルクランクの回動に対抗する弾発付勢力を蓄積するように構成されている。
本発明の別の実施形態において、前記制御装置は、揺動アームの支軸に沿って設けられたトーションロッドから成るバネ手段により前記弾性付勢手段を構成し、前記バネ手段の一端を一方の揺動アームに固定する固定手段と、該バネ手段の他端を他方の揺動アームに連結するロック状態と連結を解放するアンロック状態を選択的に切換え可能とする切換え手段を設けており、前記ロック状態において何れか一方の揺動アームの自由端を上動又は下動させたとき、前記バネ手段が捻じられることにより該揺動アームの上動又は下動に対抗する弾発付勢力を蓄積するように構成されている。
本発明は、前輪又は後輪を一対の左右車輪3R、3Lにより構成したトライクであるにも関わらず、運転者の体重移動で車体7を傾かせたとき、車体7の傾斜動作とリニアに左右車輪3R、3Lを傾かせるようにしたサスペンション装置6が提供されるので、運転者は、モーターサイクルと同様の運転感覚でコーナーリング走行を楽しむことができる。
ところで、一対の左右車輪3R、3Lを一対の揺動アーム10R、10Lにより軸支する機構とする場合、トライクのコーナーリングに際して、車体を傾斜させると、旋回軌道の外側に位置する車輪が路面から浮き上がり、接地力を失うという問題があるのに対し、本発明は、一対の揺動アーム10R、10Lの揺動を連動させる連動装置25を設けており、枢軸28に回動自在に軸支されると共に左右に延びる一対の作動アーム30、30を有するベルクランク31と、前記作動アーム30、30のそれぞれを一対の揺動アーム10R、10Lに連結する連結手段32、32を構成しているので、コーナーリングに際して、旋回軌道の内側に位置する車輪3R(3L)を軸支する一方の揺動アーム10R(10L)の自由端10aが上動させられると、前記ベルクランク31の回動により、旋回軌道の外側に位置する車輪3L(3R)を支持する他方の揺動アーム10L(10R)の自由端10aを下動させ、左右車輪3R、3Lを相互に反対方向にリニアに上下動させ、路面Gに対する接地力を確保できる。
この際、前記連動装置25を弾性的に支持する支持装置26を設けることが好ましく、前記ブラケット29を揺動アーム10R、10Lの揺動方向に進退自在に支持するガイド手段34と、前記揺動アーム10R、10Lの自由端10aを下動させる方向に前記ブラケット29を弾発付勢するダンパー35を設けておけば、前記ダンパー35に抗して前記ブラケット29を移動させることにより、一対の揺動アーム10R、10Lの自由端10aを上動させることが可能になる。これにより、連動装置25を設けた構成でありながら、トライク1を垂直姿勢で直進走行する際、路面Gの凹凸を好適に吸収することができる。
特に、本発明のサスペンション装置は、一対の揺動アーム10R、10Lの揺動を制御する制御装置27を設けており、前記揺動アーム10R、10Lに直接又は間接に連結可能とされた弾性付勢手段37と、
ロック手段42を有し、ロック手段42をロック状態としたとき揺動アーム10R、10Lの揺動を前記弾性付勢手段37に負荷させ、アンロック状態としたとき前記弾性付勢手段37を遊休させるように構成し、ロック手段42のロック状態とアンロック状態を選択的に切換え可能とした切換え手段38を設けている。これにより、前記切換え手段38により前記ロック手段42をロック状態とすれば、揺動アーム10R、10Lの自由端10aが上動させられると、前記弾性付勢手段37が該揺動アーム10R、10Lの上動に対抗する弾発付勢力を蓄積し、揺動アーム10R、10Lをニュートラル位置に押し戻すので、トライク1が垂直姿勢を保持するように制御され、トライク1の横倒しを防止する。そして、コーナーリングを楽しむ走行時には、前記切換え手段38により前記ロック手段42をアンロック状態とすれば、モーターサイクルと同様にトライク1を自在に傾斜させることにより、快適なコーナーリング走行が可能となる。
本発明のサスペンション装置を備えたトライクの1例を示す左側面図である。 本発明のサスペンション装置に関して、スイングアーム方式を採用した機構を分解状態で示す斜視図である。 スイングアーム方式を採用したサスペンション装置における連動装置と支持装置の作用に関して、左右車輪が上動した場合の作用を示す平面図である。 スイングアーム方式を採用したサスペンション装置における連動装置と支持装置の作用に関して、左右車輪が上動した場合の作用を示す側面図である。 スイングアーム方式を採用したサスペンション装置における連動装置と支持装置の作用に関して、コーナーリング走行時の作用を示す平面図である。 コーナーリング走行時の車軸の状態を示す背面図である。 スイングアーム方式を採用したサスペンション装置における本発明の制御装置の第1実施形態を示す横断平面図である。 第1実施形態に係る制御装置を示す縦断側面図である。 第1実施形態に係る制御装置に関して、ロック状態の作用を示す横断平面図である。 第1実施形態に係る制御装置に関して、アンロック状態の作用を示す横断平面図である。 スイングアーム方式を採用したサスペンション装置における本発明の制御装置の第2実施形態を示す横断平面図である。 第2実施形態に係る制御装置を示しており、(A)は右側面図、(B)はA−A線断面図である。 第2実施形態に係る制御装置を示しており、(A)は左側面図、(B)はB−B線断面図である。 本発明のサスペンション装置に関して、ウイッシュボーン方式を採用した機構を分解状態で示す斜視図である。 ウイッシュボーン方式を採用した本発明のサスペンション装置における連動装置の作用を示しており、(A)は車体を垂直姿勢とした状態を示す背面図、(B)は車体を傾斜姿勢とした状態を示す背面図である。 ウイッシュボーン方式を採用したサスペンション装置における本発明の制御装置の第3実施形態を示す斜視図である。 ウイッシュボーン方式を採用したサスペンション装置における本発明の制御装置の第4実施形態を示す斜視図である。
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
(スイングアーム方式を採用したサスペンション装置)
図1ないし図13に示す実施形態において、スイングアーム方式のサスペンション装置6を示しており、左右車輪を軸支する揺動アーム10R、10Lは、一対のスイングアームにより構成されている。
図1に示すように、トライク1は、単一車輪により構成された前輪2と、一対の左右車輪により構成された後輪3R、3Lを備えており、前輪2は、モーターサイクルと同様に、ハンドルバー4で操作される操舵アセンブリー5に軸支されている。左右後輪3R、3Lのサスペンション装置6は、車体7の一部を構成するフレーム8に左右横方向に向けて設けた支軸9に、スイングアームにより構成された左右一対の揺動アーム10R、10Lを揺動自在に軸支しており、後方に延びる揺動アーム10R、10Lのそれぞれの自由端10aに設けた車軸11に左右後輪3R、3Lを軸支している。
車体7に搭載されたエンジン12の出力は、クラッチや減速機を介して出力軸に設けた駆動スプロケット13を駆動し、前記車軸11に設けた被駆動スプロケット14を回転する。図例の場合、前記支軸9にアイドルスプロケット15が軸支され、駆動スプロケット13とアイドルスプロケット15の間に第1チェーン16が張設され、アイドルスプロケット15と被駆動スプロケット14の間に第2チェーン17が張設されている。
図2及び図3に示すように、前記支軸9は、フレーム8の左右に固設したブラケット18、18に架設され、該支軸9に軸受15aを介して前記アイドルスプロケット15が軸支されている。左右の揺動アーム10R、10Lのそれぞれは、前記支軸9に回転自在に軸支される軸孔19を設けた一対の揺動部材20a、20bを並設し、一組の揺動部材20a、20bの上部及び下部を連結するビーム21a、21bから後方に向けてアーム部材22を延設している。従って、該アーム部材22の延長端により前記揺動アーム10R、10Lの自由端10aが構成され、該自由端10aに固設した軸受23に前記車軸11が軸支されている。尚、それぞれの車軸11には、ブレーキディスク24が搭載されている。
図面では、一方の車軸11に被駆動スプロケット14を設け、支軸9に一個のアイドルスプロケット15を設けることにより、左右後輪3R、3Lの一方を駆動する構成を示しているが、両方の車軸11、11にそれぞれ被駆動スプロケット14を設け、両輪3R、3Lを駆動するように構成しても良い。
このようなスイングアーム式のサスペンション装置6において、前記一対の揺動アーム10R、10Lの揺動を連動させる連動装置25と、該連動装置25を弾性的に支持する支持装置26と、前記一対の揺動アーム10R、10Lの揺動を制御する制御装置27が設けられている。尚、理解の便宜のため、図2ないし図6は、制御装置27の図示を省略し、先ず、連動装置25及び支持装置26の構造と作用を説明する。
連動装置25は、前記支軸9に交差する枢軸28を有するブラケット29と、前記枢軸28に回動自在に軸支されると共に左右に延びる一対の作動アーム30、30を有するベルクランク31と、前記作動アーム30、30のそれぞれを一対の揺動アーム10R、10Lに連結する連結手段32、32とから成り、一方の揺動アーム10R(10L)の自由端10aが上動したとき、前記ベルクランク31の回動により、他方の揺動アーム10L(10R)の自由端10aを下動させるように構成している。
図示実施形態の場合、揺動アーム10R、10Lのそれぞれの下側のビーム21b、21bに設けたブラケット33、33と、ベルクランク31の作動アーム30、30の先端を、ロッドから成る連結手段32、32により連結しており、該連結手段32の両端にボールジョイントを設けることにより、該両端を回動自在に連結している。従って、図5に示すように、例えば、左側の揺動アーム10Lが自由端10aを上動させるように矢印U方向に揺動すると、ベルクランク31が図示の反時計針方向に回動することにより、右側の揺動アーム10Rの自由端10aを下動させるように矢印D方向に揺動させる。図示と反対方向に動く場合も同様である。
支持装置26は、連動装置25に対して左右一対を一組として設けられ、前記連動装置25のブラケット29を揺動アーム10R、10Lに向けて進退自在に支持するガイド手段34と、揺動アーム10R、10Lの自由端10aを下動させる方向に前記ブラケット29を弾発付勢するダンパー35により構成されている。図例の場合、ダンパー35は、矢印P方向に弾発力を蓄積する引張コイルスプリングから成り、前記ブラケット29から前方に延びるロッドを引張コイルスプリングに挿通させることにより前記ガイド手段34を構成し、引張コイルスプリングの前端を固着した固定部材36を車体7の適所に固設している。従って、一対の揺動アーム10R、10Lの自由端10aを上動させると、連動装置25がダンパー35の弾力に抗して支軸9に向けて移動するが、これにより蓄積されたダンパー35の弾発力により、揺動アーム10R、10Lの自由端10aを下動させる方向に付勢する。
サスペンション装置6の連動装置25と支持装置26の作用を説明すると、図3及び図4に示すように、トライク1が直進走行するときは、垂直姿勢を維持しているので、一対の揺動アーム10R、10Lが相互に平行しており、連動装置25のベルクランク31はニュートラル位置を保っている。図4に鎖線で示すように、左右後輪3R、3Lが路面Gの凹凸を受けて上下動すると、連動装置25が支持装置26のダンパー35に抗して前後方向に移動することにより、揺動アーム10R、10Lを揺動させ、路面Gの凹凸を吸収する。尚、公知のモーターサイクルのような揺動アーム10R、10Lの自由端10aの近傍を押し下げるダンパーを追加して設けても良い。
コーナーリングに際して、運転者が体重移動により車体7を傾けると、旋回軌道の内側に位置する後輪3L(3R)が上動し、旋回軌道の外側に位置する後輪3R(3L)が下動する。図5及び図6は、左旋回時の作用を示しており、車体7を鉛直線Vから左方向に角度θで傾けると、傾いた支軸9を支点として、左側の揺動アーム10Lが左後輪3Lの車軸11を上動するように矢印U方向に揺動する。これにより連動装置25のベルクランク31は、左側の揺動アーム10Lに連結された作動アーム30を矢印R1方向に回動させられ、反対側の作動アーム30を矢印R2方向に回動するので、右側の揺動アーム10Rは、右後輪3Lの車軸11を下動するように矢印D方向に揺動させられ、右後輪3Lを路面Gに接地する。
トライク1を傾けたコーナーリング中、車重により、左後輪3Lを軸支した左側の揺動アーム10Lに対して上動方向Uの大きな荷重が作用し、この荷重がそのまま連動装置25により右後輪3Lを軸支した右側の揺動アーム10Rに伝えられるので、左右の揺動アーム10R、10Lの反対向きの揺動は、リニアに行われ、路面Gに対して両輪3R、3Lをバランス良く接地する。
このようなサスペンション装置6において、本発明は、前記一対の揺動アーム10R、10Lの揺動を制御する制御装置27を設けている。
図7ないし図10は、制御装置27の第1実施形態を示しており、図11ないし図13は、制御装置27の第2実施形態を示している。制御装置27は、前記揺動アーム10R、10Lに連結された弾性付勢手段37とロック手段42を有し、ロック手段42は、ロック状態としたとき揺動アーム10R、10Lの揺動を弾性付勢手段37に負荷させ、アンロック状態としたとき揺動アーム10R、10Lを遊休させるように構成され、前記ロック手段42のロック状態とアンロック状態を選択的に切換え可能とする切換え手段38を設けており、前記ロック手段42のロック状態において、揺動アーム10R、10Lの自由端10aを上動させたとき、前記弾性付勢手段37が揺動アーム10R、10Lの上動に対抗する弾発付勢力を蓄積する。
図7ないし図10に示す第1実施形態において、前記弾性付勢手段37は、ベルクランク31の枢軸28に回動自在に軸支された回動手段39と、該回動手段39から左右に延設された一対のバネ手段40、40により構成され、該バネ手段40の先端に設けたボス部40aを作動アーム30の先端に固定している。従って、弾性付勢手段37は、連動装置25を介して間接的に揺動アーム10R、10Lに連結されている。
前記ロック手段42は、回動手段39の周方向に間隔をあけて複数形成した孔又は凹部から成る被係止部41bと、前記被係止部41bに係脱自在に係止する係止部41aとから成り、前記係止部41aは、ブラケット29に設けた保持手段43に進退移動自在に保持され、切換え手段38により進退移動させられる。切換え手段38は、操作手段44を備え、該操作手段44は、例えば、モーターサイクルや自転車に設けられているブレーキケーブルのようなアウターケーブルに摺動自在に挿入されたインナーケーブルを有するものを使用することができ、遠隔操作により、前記ロック手段42の係止部41aを進退させる。従って、図8に示すように、係止部41aを矢印L1のように進出させ、被係止部41aに係止したとき、ロック状態とされ、係止部41aを矢印L2のように後退させ、被係止部41bから脱したとき、アンロック状態とされる。
図7及び図8に示すロック状態において、ロック手段42は、係止部41aを被係止部41bに係止することにより、回動手段39を回動不能に固定している。図示の場合、ベルクランク31がニュートラル位置の状態で制御装置27をロック状態としているので、トライク1は垂直姿勢を保持している。しかしながら、運転者によるトライク1の乗降を容易とするため、トライク1を少し傾けた姿勢で保持させることもできる。この場合、ベルクランク31がニュートラル位置から一方に回動し、これと共に回動手段39が回動して、複数の被係止部41bのうち何れかの被係止部41bを係止部41aに臨ませるので、その位置で係止部41aを該被係止部41bに係止すれば良い。
制御装置27は、トライク1が横倒し状態となることを防止する。図9に示すように、ロック状態において、一方の揺動アーム(図例の場合、左側の揺動アーム10L)が自由端10aを上動する方向Uに揺動すると、連動装置25のベルクランク31が回動させられ、他方の揺動アーム(図例の場合、右側の揺動アーム10R)が自由端10aを下動する方向Dに揺動される。このとき、制御装置27の回動手段39は回動不能に固定されているので、撓まされたバネ手段40、40がベルクランク31を元の位置に戻す方向に弾発する。即ち、左側の揺動アーム10Lに連結された作動アーム30は、それに沿って設けられたバネ手段40が揺動方向Uに対抗する方向F1の弾発付勢力を蓄積する。同様に、右側の揺動アーム10Rに連結された作動アーム30は、それに沿って設けられたバネ手段40が揺動方向Dに対抗する方向F2の弾発付勢力を蓄積する。その結果、バネ手段40、40の付勢力F1、F2により、揺動アーム10R、10Lの自由な揺動が制御される。
トライク1は、制御装置27をロック状態とした状態でも走行可能である。図7に示すように、直進走行時には、車体7が垂直姿勢を保持しているので、ベルクランク31はニュートラル位置を保っている。そこで、後輪3R、3Lが路面Gの凹凸を受けて、左右の揺動アーム10R、10Lが揺動するときは、連動装置25と共に制御装置27がダンパー35に抗して前後移動し、揺動アームの揺動を可能にする。旋回走行時は、運転者の体重移動により、図9に示すように、制御装置27のバネ手段40、40を撓ませた状態で車体7を傾けることが可能である。この際、ロック状態とされた制御装置27により、左右の揺動アーム10R、10Lに対して車体7を垂直姿勢に戻す方向の弾発付勢力が作用しているので、モーターサイクルのように車体7が簡単に傾斜することはなく、転倒の危険がない。
係止部41aを後退させ、被係止部41bから脱することにより、前記アンロック状態としたときは、図10に示すように、連動装置25により揺動アーム10R、10Lの連動した揺動を可能とし、上述したようなトライク1を傾斜させたコーナーリング走行を快適に楽しむことができる。
図11ないし図13に示す第2実施形態において、前記弾性付勢手段37は、揺動アーム10R、10Lの支軸9に沿って設けられたトーションロッドから成るバネ手段45により構成され、該バネ手段45の一端を一方の揺動アーム(図例では右側の揺動アーム10R)に固定する固定手段46を設けている。バネ手段45の他端には、ロック手段42と切換え手段38が設けられている。
図例の場合、トーションロッドを構成するバネ手段45は、中空に形成された支軸9に挿通されている。前記固定手段46は、バネ手段45の一端に固定部材47を固定し、該固定部材47をボルト等の固着手段48により揺動アーム10Rの揺動部材20bに固着している。
前記ロック手段42は、バネ手段45の他端に固定した被係止部材49の周方向に間隔をあけて複数形成した孔又は凹部から成る被係止部50と、前記被係止部50に係脱自在に係止する係止手段51とから成り、前記係止手段51を揺動アーム10Lの揺動部材20bに設けた保持手段52に進退移動自在に保持することにより切換え手段38を構成している。従って、図13(B)に示すように、係止手段51を矢印L1のように進出させ、被係止部50に係止したとき、バネ手段45が揺動アーム10Lに固定されたロック状態とされ、係止手段51を矢印L2のように後退させ、被係止部50から脱したとき、バネ手段45を遊休させるアンロック状態とされる。
図13(B)に示す図例の場合、切換え手段38は、係止手段51を揺動部材20bの側面で上下動させるグリップ51aを備えており、矢印L2に向けて移動させ、アンロック状態としたとき、その位置で係止手段51を固定自在とする安全装置53を設けるのが好ましい。しかしながら、切換え手段38は、トライク1の座席近傍から操作できるように、第1実施形態の操作手段44と同様の遠隔操作手段を設けても良い。
この第2実施形態に係る制御装置27によれば、係止手段51を被係止部50に係止したロック状態において、バネ手段45の両端がそれぞれ揺動アーム10R、10Lに固定されるので、図11に示すように、一方の揺動アーム(図例の場合、左側の揺動アーム10L)が自由端10aを上動する方向Uに揺動すると、バネ手段45が捻じられ、該揺動方向Uに対抗する弾発付勢力F1を蓄積する。この際、捻じられたバネ手段45は、他方の揺動アーム(図例の場合、右側の揺動アーム10R)に対して自由端10aを下動する揺動方向Dに対抗する弾発付勢力F2を蓄積する。
これにより、制御装置27は、トライク1が横倒し状態となることを防止する。図示の場合、ベルクランク31がニュートラル位置の状態で制御装置27をロック状態としているので、トライク1は垂直姿勢を保持している。しかしながら、運転者によるトライク1の乗降を容易とするため、トライク1を少し傾けた姿勢で保持させることも可能である。この場合、制御装置27をアンロック状態としてトライク1を傾けると、揺動する揺動アーム10Rに固定手段46で固定されたバネ手段45が回動し、被係止部材49を回動させることにより、複数の被係止部50のうち何れかの被係止部50を係止手段51に臨ませるので、その位置で係止手段51を該被係止部50に係止すれば良い。
その他、制御装置27をロック状態としてもトライク1を走行させることができることは、第1実施形態の説明と同様である。
(ウイッシュボーン方式を採用したサスペンション装置)
図14ないし図17に示す実施形態において、ウイッシュボーン方式のサスペンション装置6を示しており、左右車輪を軸支する揺動アーム10R、10Lは、ダブルウイッシュボーンを構成するロアアームとアッパアームの何れか一方、図例の場合、ロアアームにより構成されている。従って、本発明のサスペンション装置6は、上述したような後輪に左右車輪を設けたトライクの後輪用サスペンションを構成する他に、前輪に左右車輪を設けたトライクの前輪用サスペンションを構成することも可能であり、更に、前後に左右車輪を備えた4輪車の前輪用サスペンション又は後輪用サスペンションに応用することも可能である。
図14及び図15に示すように、左右車輪3R、3Lのサスペンション装置6は、ロアアーム54とアッパアーム55を備えたダブルウイッシュボーン方式とされ、車体の左右両側に延びる一対のロアアーム54により揺動アーム10R、10Lを構成する。そこで、揺動アーム10R、10Lは、車体7の前後向きの横方向に向けて設けた支軸9に揺動自在に軸支され、左右に延びる揺動アーム10R、10Lのそれぞれの自由端10aと前記アッパアームの自由端の間に、縦アーム56を回動自在に連結し、該縦アーム56に設けた車軸11に左右車輪3R、3Lを軸支している。この点は従来のウイッシュボーン方式のサスペンションと同様である。
このようなウイッシュボーン方式のサスペンション装置6において、前記一対の揺動アーム10R、10Lの揺動を連動させる連動装置25と、該連動装置25を弾性的に支持する支持装置26と、前記一対の揺動アーム10R、10Lの揺動を制御する制御装置27が設けられている。尚、理解の便宜のため、図14及び図15は、制御装置27の図示を省略し、先ず、連動装置25及び支持装置26の構造と作用を説明する。
連動装置25は、前記支軸9と平行な枢軸28を有するブラケット29と、前記枢軸28に回動自在に軸支されると共に左右に延びる一対の作動アーム30、30を有するベルクランク31と、前記作動アーム30、30のそれぞれを一対の揺動アーム10R、10Lに連結する連結手段32、32とから成り、一方の揺動アーム10R(10L)の自由端10aが上動したとき、前記ベルクランク31の回動により、他方の揺動アーム10L(10R)の自由端10aを下動させるように構成している。従って、図15に示すように、例えば、左側の揺動アーム10Lが自由端10aを上動させるように矢印U方向に揺動すると、ベルクランク31が図示の時計針方向に回動することにより、右側の揺動アーム10Rの自由端10aを下動させるように矢印D方向に揺動させる。図示と反対方向に動く場合も同様である。
支持装置26は、前記ブラケット29を下向きに弾発付勢するダンパー35により構成され、前記連動装置25を介して、一対の揺動アーム10R、10Lを下方に向けて弾発している。従って、一対の揺動アーム10R、10Lの自由端10aを上動させると、連動装置25がダンパー35の弾力に抗して上動するが、これにより蓄積されたダンパー35の弾発力により、揺動アーム10R、10Lの自由端10aを下動させる方向に付勢する。
ウイッシュボーン方式のサスペンション装置6の場合、必ずしも前記支持装置26を設けることは必要でなく、支持装置26に代えて又は支持装置26に加えて、前記連結手段32、32を伸縮自在かつ伸長方向に弾発付勢されたダンパー32a、32aにより構成し、これにより一対の揺動アーム10R、10Lの自由端10aを上動可能に押し下げるように構成しても良い。
サスペンション装置6の連動装置25の作用を説明すると、図15(A)に示すように、トライク1が直進走行するときは、垂直姿勢を維持しているので、一対の揺動アーム10R、10Lがほぼ水平姿勢を保持しており、連動装置25のベルクランク31はニュートラル位置を保っている。この際、左右車輪3R、3Lが路面Gの凹凸を受けて上下動すると、連動装置25が前記支持装置26のダンパー35に抗して上下方向に移動することにより、揺動アーム10R、10Lを揺動させ、路面Gの凹凸を吸収する。前述のように、連結手段32、32をダンパー32a、32aにより構成したときは、該ダンパー32a、32aを介して揺動アーム10R、10Lを揺動させることにより、路面Gの凹凸を吸収することができる。
コーナーリングに際して、運転者が体重移動により車体7を傾けると、旋回軌道の内側に位置する車輪3L(3R)が上動し、旋回軌道の外側に位置する車輪3R(3L)が下動する。図15(B)は、左旋回時の作用を示しており、車体7を左方向に傾けると、車体7の左側の支軸9が下方に移動し、右側の支軸9が上方に移動するので、左側の揺動アーム10Lが左車輪3Lの車軸11を上動するように矢印U方向に揺動する。これにより連動装置25のベルクランク31は、左側の揺動アーム10Lに連結された作動アーム30が押し上げられ、反対側の作動アーム30を下向きに回動するので、右側の揺動アーム10Rは、右車輪3Lの車軸11を下動するように矢印D方向に揺動させられ、右車輪3Lを路面Gに接地する。これにより、左右の揺動アーム10R、10Lの反対向きの揺動がリニアに行われ、路面Gに対して両輪3R、3Lをバランス良く接地する。
このようなウイッシュボーン方式のサスペンション装置6において、本発明は、前記一対の揺動アーム10R、10Lの揺動を制御する制御装置27を設けている。
図16は、制御装置27の第3実施形態を示しており、図17は、制御装置27の第4実施形態を示している。制御装置27は、前記連動装置25のベルクランク31に連結可能とされた弾性付勢手段37とロック手段42を有し、ロック手段42のロック状態とアンロック状態を選択的に切換え可能とする切換え手段38を設けている。ロック手段42をロック状態としたとき、揺動アーム10R、10Lの自由端10aが上動されることによりベルクランク31が回動すると、前記弾性付勢手段37がベルクランク31の回動(換言すれば揺動アーム10R、10Lの上動)に対抗する弾発付勢力を蓄積する。
図16に示す第3実施形態において、前記弾性付勢手段37は、ベルクランク31の作動アーム30、30に対応する左右一対のバネ手段57、57により構成され、車体7に固定した保持部材58に回動自在に保持されるバネ手段57の保持部59に回動板60を固設し、一対のバネ手段57、57の回動板60、60を対面状に配置している。各バネ手段57は、前記保持部59から延びる弾性アーム61の延長端61aを作動アーム30の先端近傍部に連結しており、該弾性アーム61により撓みバネを構成する。従って、弾性付勢手段37は、連動装置25を介して間接的に揺動アーム10R、10Lに連結されている。
前記ロック手段42は、回動板60、60の相互に周方向に間隔をあけて複数形成した孔又は凹部から成る被係止部62と、前記被係止部62に係脱自在に係止する係止手段63とから成り、前記係止手段63を車体7に固定された保持手段64に進退移動自在に保持すると共に、前記被係止部62に係止したロック状態と前記被係止部62から離脱したアンロック状態を選択的に切換え可能とする切換え手段38を設けている。切換え手段38は、操作手段38aを備えており、該操作手段38aは、例えば、モーターサイクルや自転車に設けられているブレーキケーブルのようなアウターケーブルに摺動自在に挿入されたインナーケーブルを有するものを使用することができ、遠隔操作により、前記係止手段63を進退させる。従って、係止手段63を進出させ、被係止部62に係止することにより、一対の回動板60、60を相互に固定したとき、弾性付勢手段37が間接的に揺動アーム10R、10Lに連結されたロック状態とされ、係止手段63を後退させ、被係止部62から脱したとき、前記連結を解放するアンロック状態とされる。
ロック手段42は、ベルクランク31がニュートラル位置の状態でロック状態とすることにより、トライク1を垂直姿勢に保持する。しかしながら、運転者によるトライク1の乗降を容易とするため、トライク1を少し傾けた姿勢で保持させることもできる。この場合、ベルクランク31がニュートラル位置から一方に回動し、これと共に回動板60、60が相互に回動して、複数の被係止部62、62のうち何れかの被係止部62、62を係止手段63に臨ませるので、その位置で係止手段63を該被係止部62、62に係止すれば良い。
制御装置27は、トライク1が横倒し状態となることを防止する。ロック状態としたとき、一方の揺動アームが自由端10aを上動する方向に揺動すると、連動装置25のベルクランク31が回動させられ、他方の揺動アームが自由端10aを下動する方向に揺動される。このとき、ロック手段42によりロックされた回動板60、60が相互に固定状態に連結されているので、撓まされたバネ手段40、40の弾性アーム61がベルクランク31を元の位置に戻すように弾発する。従って、撓ませられた弾性アーム61の付勢力F1、F2により、ベルクランク31をニュートラル位置に戻るように付勢するので、揺動アーム10R、10Lの自由な揺動が制御される。
尚、トライク1は、ロック手段42をロック状態としたときでも走行可能である。制御装置27は、運転者の体重を受けていない停車中のトライク1を垂直姿勢に保持するが、走行時に運転者の体重をかけると、前記弾性アーム61、61を撓ませることにより車体7を傾けることが可能である。
係止手段63を後退させ、被係止部62から脱することにより、前記連結を解放するアンロック状態としたときは、一対のバネ手段57、57が相互に自由に回動可能な遊休状態とされるので、揺動アーム10R、10Lの揺動に応じてベルクランク31が自由に回動し、所期の連動装置25の作用を果たし、上述したようなトライク1を傾斜させたコーナーリング走行を快適に楽しむことができる。
図7に示す第3実施形態の制御装置27は、上述した第2実施形態とほぼ同様であるが、弾性付勢手段37のバネ手段57、57がトーションロッドを構成している。
バネ手段57は、車体7に固定した保持部材58に回動自在に保持される保持部59から回動板60の間にトーションアーム65を構成し、保持部59からベルクランク31に向けて延びる連結部66を作動アーム30の先端近傍部に連結している。その他の構成は上記第2実施形態と同様であり、同様の部材は同一符号を示している。
ロック手段42により一対のバネ手段57、57の回動板60、60を相互に回動不能に固定連結するロック状態としたとき、一方の揺動アームが自由端10aを上動する方向に揺動すると、連動装置25のベルクランク31が回動させられ、他方の揺動アームが自由端10aを下動する方向に揺動される。このとき、バネ手段57、57の回動板60、60は回動不能に固定連結されているので、トーションアーム65が捻じられ、弾発力を蓄積する。従って、捻じられたトーションアーム65の付勢力F1、F2により、ベルクランク31をニュートラル位置に戻るように付勢するので、揺動アーム10R、10Lの自由な揺動が制御される。
係止手段63を後退させ、被係止部62から脱することにより、アンロック状態としたときは、一対のバネ手段57、57が相互に自由に回動可能な遊休状態とされるので、揺動アーム10R、10Lの揺動に応じてベルクランク31を自由に回動させ、連動装置25の所期の作用を可能にする。
1 トライク
2 前輪
3R、3L 後輪
6 サスペンション装置
7 車体
8 フレーム
9 支軸
10R、10L 揺動アーム
10a 自由端
11 車軸
25 連動装置
26 支持装置
27 制御装置
28 枢軸
29 ブラケット
30 作動アーム
31 ベルクランク
32 連結手段
34 ガイド手段
35 ダンパー
37 弾性付勢手段
38 切換え手段
42 ロック手段

Claims (3)

  1. 前輪又は後輪を一対の左右車輪(3R,3L)により構成したトライクにおいて、車体(7)に固定された横軸を構成する支軸(9)に揺動自在に軸支された左右一対の揺動アーム(10R,10L)と、各揺動アームの自由端(10a)に車輪を軸支する車軸(11)と、前記一対の揺動アーム(10R,10L)の揺動を連動させる連動装置(25)と、前記一対の揺動アーム(10R,10L)の揺動を制御する制御装置(27)を備えており、
    前記連動装置(25)は、枢軸(28)に回動自在に軸支されると共に左右に延びる一対の作動アーム(30,30)を有するベルクランク(31)と、前記作動アーム(30,30)のそれぞれを一対の揺動アーム(10R,10L)に連結する連結手段(32,32)を備え、車体(7)を左右一方に傾けることにより一方の揺動アームの自由端(10a)を上動させたとき、前記ベルクランク(31)を回動させることにより、他方の揺動アームの自由端(10a)を連動して下動させるように構成され、
    前記制御装置(27)は、前記揺動アーム(10R,10L)に連結された弾性付勢手段(37)と、ロック手段(42)と、前記ロック手段(42)のロック状態とアンロック状態を選択的に切換え可能とする切換え手段(38)を備えており、
    前記ロック手段(42)は、ロック状態のとき前記揺動アーム(10R,10L)の揺動を前記弾性付勢手段(37)に負荷させ、アンロック状態のとき前記弾性付勢手段(37)を遊休させるように構成され、前記ロック状態において車体(7)を左右一方に傾けることにより揺動アーム(10R,10L)の自由端(10a)を上動又は下動させたとき、前記弾性付勢手段(37)が前記揺動アーム(10R,10L)の上動又は下動に対抗する弾発付勢力(F1,F2)を蓄積することにより、車体(7)を垂直姿勢に向けて弾発するように構成されて成ることを特徴とするトライクにおける左右車輪のサスペンション装置。
  2. 前記制御装置(27)は、前記ベルクランク(31)の枢軸(28)に回動自在に軸支された回動手段(39)と、該回動手段(39)から左右に延設されると共に先端を前記作動アーム(30,30)に固定された一対のバネ手段(40,40)により前記弾性付勢手段(37)を構成し、前記回動手段(39)を回動不能に固定するロック状態と、前記回動手段(39)を回動自由とするアンロック状態を選択的に切換え可能とする切換え手段(38)を設けており、
    前記アンロック状態においてベルクランク(31)を回動したとき、前記回動手段(39)及びバネ手段(40,40)が該ベルクランク(31)と同行回動するが、前記ロック状態においてベルクランク(31)を回動したとき、前記バネ手段(40,40)がベルクランク(31)の回動に対抗する弾発付勢力(F1,F2)を蓄積するように構成されて成ることを特徴とする請求項1に記載のトライクにおける左右車輪のサスペンション装置。
  3. 前記制御装置(27)は、揺動アーム(10R,10L)の支軸(9)に沿って設けられたトーションロッドから成るバネ手段(45)により前記弾性付勢手段(37)を構成し、前記バネ手段(45)の一端を一方の揺動アームに固定する固定手段(46)と、該バネ手段(45)の他端を他方の揺動アームに連結するロック状態と連結を解放するアンロック状態を選択的に切換え可能とする切換え手段(38)を設けており、
    前記ロック状態において何れか一方の揺動アームの自由端(10a)を上動又は下動させたとき、前記バネ手段(45)が捻じられることにより該揺動アームの上動又は下動に対抗する弾発付勢力(F1,F2)を蓄積するように構成されて成ることを特徴とする請求項1に記載のトライクにおける左右車輪のサスペンション装置。
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