以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の各実施の形態では、3階層で構成された階層的な信号符号化/復号化方法によりCELPタイプの音声符号化/復号化を行う場合について説明する。なお、階層的な信号符号化方法とは、下位レイヤでの入力信号と出力信号との差分信号を符号化し、符号化情報を出力する信号符号化方法が、上位レイヤに複数存在して階層構造を成している方法である。また、以下の説明において、最下のレイヤ(第1階層)を「基本レイヤ」とし、基本レイヤより上位に存在するレイヤを「拡張レイヤ」とする。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1では、付加情報として即時性が求められる音声情報(例えば地域の緊急災害情報等)を対象とし、伝送される音声・楽音信号よりも付加情報を優先する場合について説明する。
図1は、本実施の形態に係る中継装置を含むシステム構成を示す図である。信号符号化装置101は、伝送モード情報(SMI)に応じて、入力信号に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた符号化情報を、伝送路A102を介して中継装置103に送信する。
中継装置103は、付加モード情報(AMI)及び付加情報が入力された場合には、伝送路A102を介して伝送される符号化情報に付加情報を付加する処理を行い、付加処理後の符号化情報(以下、「変換後符号化情報」という)を伝送路B104に送信する。なお、中継装置103は、付加モード情報及び付加情報が入力されない場合には、伝送路A102を介して伝送される符号化情報を伝送路B104へ出力する。
信号復号化装置105は、伝送路B104を介して受信した符号化情報または変換後符号化情報に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号を出力信号として出力する。
次に、図1の信号符号化装置101の構成について、図2のブロック図を用いて説明する。なお、信号符号化装置101は、入力信号をNサンプルずつ区切り(Nは自然数)、Nサンプルを1フレームとしてフレーム毎に符号化を行う。
信号符号化装置101は、伝送ビットレート制御部201と、制御スイッチ202〜205と、基本レイヤ符号化部206と、基本レイヤ復号化部208と、加算部207、211と、第1拡張レイヤ符号化部209と、第1拡張レイヤ復号化部210と、第2拡張レイヤ符号化部212と、符号化情報統合部213とから主に構成される。
伝送モード情報は、伝送ビットレート制御部201に入力される。ここで、伝送モード情報とは、入力信号を符号化し伝送する際の伝送ビットレートを指示する情報であり、予め定められた2つ以上の伝送ビットレートの中から一つの伝送ビットレートが伝送モード情報として選択される。なお、本実施の形態においては、伝送モード情報は、予め定められた4種類の伝送ビットレートbitrate0、bitrate1、bitrate2、bitrate3(bitrate0=0、bitrate3<bitrate2<bitrate1)の値を取り得るものとする。但し、bitrate0のみ中継装置103においてのみ設定されうるものであり、伝送ビットレート制御部201に入力される時点では伝送モード情報は、bitrate1、bitrate2、bitrate3の3種類の伝送ビットレートのいずれかであるとする。
伝送ビットレート制御部201は、入力した伝送モード情報に応じて、制御スイッチ202〜205のオン/オフ制御を行う。具体的には、伝送ビットレート制御部201は、伝送モード情報がbitrate1である場合、制御スイッチ202〜205を全てオン状態にする。また、伝送ビットレート制御部201は、伝送モード情報がbitrate2である場合、制御スイッチ202及び203をオン状態にし、制御スイッチ204及び205をオフ状態にする。また、伝送ビットレート制御部201は、伝送モード情報がbitrate3である場合、制御スイッチ202〜205を全てオフ状態にする。また、伝送ビットレート制御部201は、伝送モード情報を符号化情報統合部213に出力する。このように、伝送ビットレート制御部201が伝送モード情報に応じて制御スイッチをオン/オフ制御することにより、入力信号の符号化に用いる符号化部の組み合わせが決定される。
入力信号は、制御スイッチ202及び基本レイヤ符号化部206に入力される。
基本レイヤ符号化部206は、入力信号に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた情報源符号(以下、「基本レイヤ情報源符号(CDCL)」という)を符号化情報統合部213及び制御スイッチ203に出力する。なお、基本レイヤ符号化部206の内部構成については後述する。
基本レイヤ復号化部208は、制御スイッチ203がオン状態の場合、基本レイヤ符号化部206から出力された基本レイヤ情報源符号に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号(以下、「基本レイヤ復号化信号」という)を加算部207に出力する。なお、基本レイヤ復号化部208は、制御スイッチ203がオフ状態の場合には何も動作しない。なお、基本レイヤ復号化部208の内部構成については後述する。
加算部207は、制御スイッチ202、203がオン状態の場合、入力信号に、基本レイヤ復号化信号の極性を反転させた信号を加算し、加算結果である第1差分信号を第1拡張レイヤ符号化部209及び制御スイッチ204に出力する。なお、加算部207は、制御スイッチ202、203がオフ状態の場合には何も動作しない。
第1拡張レイヤ符号化部209は、制御スイッチ202、203がオン状態の場合、加算部207から得られる第1差分信号に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた情報源符号(以下、「第1拡張レイヤ情報源符号(CDFEL)」という)を制御スイッチ205及び符号化情報統合部213に出力する。なお、第1拡張レイヤ符号化部209は、制御スイッチ202、203がオフ状態の場合には何も動作しない。
第1拡張レイヤ復号化部210は、制御スイッチ205がオン状態の場合、第1拡張レイヤ符号化部209から出力された第1拡張レイヤ情報源符号に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号(以下、「第1拡張レイヤ復号化信号」という)を加算部211に出力する。なお、第1拡張レイヤ復号化部210は、制御スイッチ205がオフ状態の場合には何も動作しない。
加算部211は、制御スイッチ204、205がオン状態の場合、制御スイッチ204から得られる第1差分信号に、第1拡張レイヤ復号化信号の極性を反転させた信号を加算し、加算結果である第2差分信号を第2拡張レイヤ符号化部212に出力する。なお、加算部211は、制御スイッチ204、205がオフ状態の場合には何も動作しない。
第2拡張レイヤ符号化部212は、制御スイッチ204、205がオン状態の場合、加算部211から出力される第2差分信号に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた情報源符号(以下、「第2拡張レイヤ情報源符号(CDSEL)」という)を符号化情報統合部213に出力する。なお、第2拡張レイヤ符号化部212は、制御スイッチ204、205がオフ状態の場合には何も動作しない。
符号化情報統合部213は、基本レイヤ符号化部206、第1拡張レイヤ符号化部209、及び第2拡張レイヤ符号化部212から出力された情報源符号と伝送ビットレート制御部201から出力される伝送モード情報とを統合し、符号化情報中に含まれる1ビットの付加情報フラグ(AIF)に「0」を代入し、これを符号化情報として伝送路A102に出力する。
ここで、付加情報フラグとは、中継装置103において、付加情報が付加された場合は「1」、付加情報が付加されない場合は「0」の値をとる1ビットのフラグであり、符号化装置から伝送された時点でのデフォルト値は0とする。
以上が、図1の信号符号化装置101の構成の説明である。
次に、伝送前符号化情報のデータ構造(ビットストリーム)について図3を用いて説明する。
伝送モード情報がbitrate3である場合、符号化情報は、図3Aに示すように、伝送モード情報、基本レイヤ情報源符号、及び付加情報フラグ(値は0)を含む冗長部(RP)から構成される。
伝送モード情報がbitrate2である場合、符号化情報は、図3(b)に示すように、伝送モード情報、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、及び付加情報フラグ(値は0)を含む冗長部から構成される。
伝送モード情報がbitrate1である場合、符号化情報は、図3(c)に示すように、伝送モード情報、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、第2拡張レイヤ情報源符号、及び付加情報フラグ(値は0)を含む冗長部から構成される。
ここで、図3中のデータ構造における冗長部とは、ビットストリーム中に用意される冗長的なデータ格納部であり、通常は伝送誤り検出・訂正等に利用される。本発明では、中継装置103、及び信号復号化装置105において、この中の1ビットを付加情報フラグとして利用することとする。詳細な説明は後述する。
次に、図2の基本レイヤ符号化部206の内部構成について図4を用いて説明する。ここでは、基本レイヤ符号化部206において、CELPタイプの音声符号化を行う場合について説明する。
前処理部401は、入力信号に対し、DC成分を取り除くハイパスフィルタ処理や後続する符号化処理の性能改善につながるような波形整形処理やプリエンファシス処理を行い、これらの処理後の信号(Xin)をLPC分析部402および加算部405に出力する。
LPC分析部402は、Xinを用いて線形予測分析を行い、分析結果(線形予測係数)をLPC量子化部403に出力する。LPC量子化部403は、LPC分析部402から出力された線形予測係数(LPC)の量子化処理を行い、量子化LPCを合成フィルタ404に出力するとともに量子化LPCを表す符号(L)を多重化部414に出力する。
合成フィルタ404は、量子化LPCに基づくフィルタ係数により、後述する加算部411から出力される駆動音源に対してフィルタ合成を行うことにより合成信号を生成し、合成信号を加算部405に出力する。
加算部405は、合成信号の極性を反転させてXinに加算することにより誤差信号を算出し、誤差信号を聴覚重み付け部412に出力する。
適応音源符号帳406は、過去に加算部411によって出力された駆動音源をバッファに記憶しており、パラメータ決定部413から出力された信号により特定される過去の駆動音源から1フレーム分のサンプルを適応音源ベクトルとして切り出して乗算部409に出力する。
量子化利得生成部407は、パラメータ決定部413から出力された信号によって特定される量子化適応音源利得と量子化固定音源利得とをそれぞれ乗算部409と乗算部410とに出力する。
固定音源符号帳408は、パラメータ決定部413から出力された信号によって特定される形状を有するパルス音源ベクトルに拡散ベクトルを乗算して得られた固定音源ベクトルを乗算部410に出力する。
乗算部409は、量子化利得生成部407から出力された量子化適応音源利得を、適応音源符号帳406から出力された適応音源ベクトルに乗じて、加算部411に出力する。乗算部410は、量子化利得生成部407から出力された量子化固定音源利得を、固定音源符号帳408から出力された固定音源ベクトルに乗じて、加算部411に出力する。
加算部411は、利得乗算後の適応音源ベクトルと固定音源ベクトルとをそれぞれ乗算部409と乗算部410とから入力し、これらをベクトル加算し、加算結果である駆動音源を合成フィルタ404および適応音源符号帳406に出力する。なお、適応音源符号帳406に入力された駆動音源は、バッファに記憶される。
聴覚重み付け部412は、加算部405から出力された誤差信号に対して聴覚的な重み付けをおこない符号化歪みとしてパラメータ決定部413に出力する。
パラメータ決定部413は、聴覚重み付け部412から出力された符号化歪みを最小とする適応音源ベクトル、固定音源ベクトル及び量子化利得を、各々適応音源符号帳406、固定音源符号帳408及び量子化利得生成部407から選択し、選択結果を示す適応音源ベクトル符号(A)、固定音源ベクトル符号(F)及び音源利得符号(G)を多重化部414に出力する。
多重化部414は、LPC量子化部403から量子化LPCを表す符号(L)を入力し、パラメータ決定部413から適応音源ベクトルを表す符号(A)、固定音源ベクトルを表す符号(F)および量子化利得を表す符号(G)を入力し、これらの情報を多重化して基本レイヤ情報源符号として出力する。
以上が、図2の基本レイヤ符号化部206の内部構成の説明である。
なお、図2の第1拡張レイヤ符号化部209及び第2拡張レイヤ符号化部212の内部構成は、基本レイヤ符号化部206と同一であり、入力される信号の種類及び出力される情報源符号の種類のみが異なるので、その説明は省略する。
次に、図2の基本レイヤ復号化部208の内部構成について図5を用いて説明する。ここでは、基本レイヤ復号化部208において、CELPタイプの音声復号化を行う場合について説明する。
図5において、基本レイヤ復号化部208に入力された基本レイヤ情報源符号は、多重化分離部501によって個々の符号(L、A、G、F)に分離される。分離されたLPC符号(L)はLPC復号化部502に出力され、分離された適応音源ベクトル符号(A)は適応音源符号帳505に出力され、分離された音源利得符号(G)は量子化利得生成部506に出力され、分離された固定音源ベクトル符号(F)は固定音源符号帳507に出力される。
LPC復号化部502は、多重化分離部501から出力された符号(L)から量子化LPCを復号化し、合成フィルタ503に出力する。
適応音源符号帳505は、多重化分離部501から出力された符号(A)で指定される過去の駆動音源から1フレーム分のサンプルを適応音源ベクトルとして取り出して乗算部508に出力する。
量子化利得生成部506は、多重化分離部501から出力された音源利得符号(G)で指定される量子化適応音源利得と量子化固定音源利得を復号化し乗算部508及び乗算部509に出力する。
固定音源符号帳507は、多重化分離部501から出力された符号(F)で指定される固定音源ベクトルを生成し、乗算部509に出力する。
乗算部508は、適応音源ベクトルに量子化適応音源利得を乗算して、加算部510に出力する。乗算部509は、固定音源ベクトルに量子化固定音源利得を乗算して、加算部510に出力する。
加算部510は、乗算部508、509から出力された利得乗算後の適応音源ベクトルと固定音源ベクトルとの加算を行い駆動音源を生成し、これを合成フィルタ503及び適応音源符号帳505に出力する。
合成フィルタ503は、LPC復号化部502によって復号化されたフィルタ係数を用いて、加算部510から出力された駆動音源のフィルタ合成を行い、合成した信号を後処理部504に出力する。
後処理部504は、合成フィルタ503から出力された信号に対して、ホルマント強調やピッチ強調といったような音声の主観的な品質を改善する処理や、定常雑音の主観的品質を改善する処理などを施し、基本レイヤ復号化信号として出力する。
以上が、図2の基本レイヤ復号化部208の内部構成の説明である。
なお、図2の第1拡張レイヤ復号化部210の内部構成は、基本レイヤ復号化部208の内部構成と同一であり、入力される情報源符号の種類及び出力される信号の種類のみが異なるので、その説明は省略する。
次に、図1の中継装置103の構成について図6を用いて説明する。
中継装置103は、付加情報受信部601と、符号化情報解析部602と、付加処理部603と、符号化情報統合部604と、制御スイッチ605、606とから主に構成される。
付加モード情報及び付加情報は、付加情報受信部601に入力される。ここで、付加モード情報とは、付加情報を符号化し伝送する際の伝送ビットレートを指示する情報であり、予め定められた2つ以上の伝送ビットレートの中から、付加情報の種類(カテゴリ)等に応じて、一つの伝送ビットレートが付加モード情報として選択される。なお、本実施の形態においては、付加モード情報は、予め定められた3種類の伝送ビットレートbitrate1’、bitrate2’、bitrate3’(bitrate3’<bitrate2’<bitrate1’)の値を取り得るものとする。この伝送ビットレートの値は、付加情報を適当な品質で符号化するために必要な情報量を示し、例えば、クリーン音声(一人)の場合にはbitrate3’が選択され、ノイズ有り音声またはクリーン音声(少人数)の場合にはbitrate2’が選択され、楽音または多人数音声の場合にはbitrate1’が選択されるといったように、付加情報のカテゴリに対応して適切に指定されるものとする。
付加情報受信部601は、付加モード情報及び付加情報が入力されたか否かに応じて、制御スイッチ605、606のオン/オフ制御を行う。具体的には、付加情報受信部601は、中継装置103に付加モード情報及び付加情報が入力された場合には、制御スイッチ605を符号化情報解析部602側に接続し、制御スイッチ606を符号化情報統合部604側に接続する。また、付加情報受信部601は、中継装置103に付加モード情報及び付加情報が入力されない場合には、制御スイッチ605を制御スイッチ606側に接続し、制御スイッチ606を制御スイッチ605側に接続する。このように、中継装置103に付加情報が入力されるかどうかに応じて制御スイッチ605、606をオン/オフ制御することにより、中継装置103の動作が決定される。また、付加情報受信部601は、中継装置103に付加モード情報及び付加情報が入力された場合には、入力された付加モード情報及び付加情報を付加処理部603に出力する。また、付加情報受信部601は、中継装置103に付加モード情報及び付加情報が入力されない場合は、付加処理部603には何も出力しない。
符号化情報解析部602は、制御スイッチ605が符号化情報解析部602側に接続されている場合、入力した符号化情報を、伝送モード情報、各レイヤの情報源符号、及び付加情報フラグに分離し、伝送モード情報、及び付加情報フラグを付加処理部603に出力し、また、伝送モード情報に応じて、各レイヤの情報源符号を付加処理部603に出力する。具体的には、符号化情報から得られる伝送モード情報がbitrate1である場合、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号及び第2拡張レイヤ情報源符号を付加処理部603に出力する。また、伝送モード情報がbitrate2である場合、基本レイヤ情報源符号及び第1拡張レイヤ情報源符号を付加処理部603に出力する。また、伝送モード情報がbitrate3である場合、基本レイヤ情報源符号を付加処理部603に出力する。なお、符号化情報解析部602は、制御スイッチ605が制御スイッチ606側に接続されている場合には、何も動作しない。
付加処理部603は、符号化情報解析部602から、伝送モード情報、付加情報フラグ及び伝送モード情報に応じた各レイヤの情報源符号が入力され、また付加情報受信部601から付加モード情報、及び付加情報が入力された場合には、伝送モード情報及び付加モード情報の組み合わせに応じて、各レイヤの情報源符号に対して、付加情報の付加処理を行い、得られた情報源符号、伝送モード情報、付加モード情報、及び付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する。また、付加処理部603は、符号化情報解析部602から、伝送モード情報、付加情報フラグ及び伝送モード情報に応じた各レイヤの情報源符号が入力されず、また付加情報受信部601から付加モード情報、及び付加情報が入力されない場合には、何も動作しない。
符号化情報統合部604は、付加処理部603から伝送モード情報、付加モード情報、付加情報フラグ、及び各種の情報源符号が入力された場合、それらを統合した後、変換後符号化情報として制御スイッチ606に出力する。また、符号化情報統合部604は、付加処理部603から伝送モード情報、付加モード情報、付加情報フラグ、及び各種の情報源符号が入力されない場合には何も動作しない。
以上が、図1の中継装置103の構成についての説明である。
次に、図6の付加処理部603の構成について図7を用いて説明する。付加処理部603は、付加情報符号化部701と、付加情報統合部702とから主に構成される。
付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から付加モード情報及び付加情報が入力され、符号化情報解析部602から伝送モード情報及び付加情報フラグが入力された場合、付加モード情報及び伝送モード情報の組み合わせに応じた伝送ビットレートにより、付加情報に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた情報源符号(以下、「付加情報情報源符号(CDAI)」という)、伝送モード情報及び付加モード情報を付加情報統合部702に出力する。なお、付加情報符号化部701は、付加モード情報、付加情報、伝送モード情報及び付加情報フラグが入力されない場合には何も動作しない。
以下、付加情報符号化部701における符号化処理について伝送モード情報及び付加モード情報の組み合わせに応じた9パターンに分け、具体的に説明する。
付加情報符号化部701は、入力される情報(信号)を複数の伝送ビットレートで符号化可能なマルチレート符号化方法を備える。本実施の形態では、付加情報受信部601から得られる付加モード情報と符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報との組み合わせに応じて、予め定められた6種類の伝送ビットレートbitrate1”、bitrate2”、bitrate3”、bitrate4”、bitrate5”、bitrate6”の値を取り得るものとする。また、この6種類の伝送ビットレートの値は、bitrate1、bitrate2及びbitrate3を用いて以下の式(1)ように表せる。
(パターン1)
付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate3である場合には、付加情報をbitrate3”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する。
(パターン2)
付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate2である場合には、付加情報をbitrate5”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する。
(パターン3)
付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate1である場合には、付加情報をbitrate6”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する。
(パターン4)
付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate3である場合には、bitrate3”が示す伝送ビットレートは、付加情報を符号化するために十分ではないと判断し、付加情報の符号化処理は行わず、付加モード情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する。
(パターン5)
付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate2である場合には、付加情報をbitrate2”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する。
(パターン6)
付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate1である場合には、付加情報をbitrate4”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する。
(パターン7)
付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate3である場合には、bitrate3”が示す伝送ビットレートは、付加情報を符号化するために十分ではないと判断し、付加情報の符号化処理は行わず、付加モード情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する。
(パターン8)
付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate2である場合には、bitrate2”が示す伝送ビットレートは、付加情報を符号化するために十分ではないと判断し、付加情報の符号化処理は行わず、付加モード情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する。
(パターン9)
付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate1である場合には、付加情報をbitrate1”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する。
以上が、付加情報符号化部701における符号化処理についての説明である。
付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から付加モード情報、付加情報情報源符号、伝送モード情報及び付加情報フラグが入力され、符号化情報解析部602から各レイヤの情報源符号が入力された場合、付加モード情報及び伝送モード情報の組み合わせに応じて、各レイヤの情報源符号と付加情報情報源符号との統合処理を行い、得られた情報源符号、付加情報情報源符号、伝送モード情報、付加情報フラグ及び付加モード情報を符号化情報統合部604に出力する。なお、付加情報統合部702は、付加モード情報、付加情報情報源符号、伝送モード情報、付加情報フラグ及び各レイヤの情報源符号が入力されない場合には何も動作しない。
以下、付加情報統合部702における統合処理について伝送モード情報及び付加モード情報の組み合わせに応じた9パターンに分け、具体的に説明する。
(パターン1)
付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ伝送モード情報がbitrate3である場合には、基本レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate0を代入し、付加モード情報にbitrate3”を代入し、付加情報情報源符号、付加モード情報、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、1の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する。
(パターン2)
付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ伝送モード情報がbitrate2である場合には、第1拡張レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate3を代入し、付加モード情報にbitrate5”を代入し、基本レイヤ情報源符号、付加情報情報源符号、付加モード情報、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、1の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する。
(パターン3)
付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ伝送モード情報がbitrate1である場合には、第2拡張レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate2を代入し、付加モード情報にbitrate6”を代入し、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、付加情報情報源符号、付加モード情報、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、1の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する。
(パターン4)
付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ伝送モード情報がbitrate3である場合には、統合処理は行わず、基本レイヤ情報源符号、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、0の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する。
(パターン5)
付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ伝送モード情報がbitrate2である場合には、基本レイヤ情報源符号、及び第1拡張レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate0を代入し、付加モード情報にbitrate2”を代入し、付加情報情報源符号、付加モード情報、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、1の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する。
(パターン6)
付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ伝送モード情報がbitrate1である場合には、第1拡張レイヤ情報源符号、及び第2拡張レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate3を代入し、付加モード情報にbitrate4”を代入し、基本レイヤ情報源符号、付加情報情報源符号、付加モード情報、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、1の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する。
(パターン7)
付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ伝送モード情報がbitrate3である場合には、統合処理は行わず、基本レイヤ情報源符号、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、0の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する。
(パターン8)
付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ伝送モード情報がbitrate2である場合には、統合処理は行わず、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、0の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する。
(パターン9)
付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ伝送モード情報がbitrate1である場合には、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、及び第2拡張レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate0を代入し、付加モード情報にbitrate1”を代入し、付加情報情報源符号、付加モード情報、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、1の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する。
以上が、付加情報統合部702における統合処理についての説明である。
なお、符号化情報統合部604から出力される符号化情報のデータ構造(ビットストリーム)は、付加情報統合部702における(パターン1)〜(パターン9)に応じて、それぞれ図8中の(a)〜(i)のようなデータ構造となる。
次に、図1の信号復号化装置105の構成について図9を用いて説明する。
信号復号化装置105は、符号化情報解析部901と、復号化動作制御部902と、基本レイヤ復号化部903と、第1拡張レイヤ復号化部904と、第2拡張レイヤ復号化部905と、付加情報復号化部906と、制御スイッチ907〜910と、加算部911〜913とから主に構成される。
符号化情報は、符号化情報解析部901に入力される。符号化情報解析部901は、入力された符号化情報の付加情報フラグの値が1である場合には、符号化情報を伝送モード情報、付加モード情報、各レイヤの情報源符号、及び付加情報情報源符号に分離し、得られた付加モード情報、伝送モード情報及び各レイヤの情報源符号を復号化動作制御部902に出力し、付加モード情報及び付加情報情報源符号を付加情報復号化部906に出力する。また、符号化情報解析部901は、入力された符号化情報の付加情報フラグの値が0である場合には、符号化情報を伝送モード情報、各レイヤの情報源符号に分離し、得られた伝送モード情報及び各レイヤの情報源符号を復号化動作制御部902に出力する。また、符号化情報解析部901は、符号化情報の解析結果に応じて制御スイッチ910のオン/オフ状態の制御を行う。具体的には、符号化情報解析部901は、入力された符号化情報の付加情報フラグの値が0である場合は、制御スイッチ910をオフ状態にし、入力された符号化情報の付加情報フラグの値が1である場合は制御スイッチ910をオン状態にする。
復号化動作制御部902は、符号化情報解析部901から得られる伝送モード情報に応じて、制御スイッチ907〜909のオン/オフ状態の制御を行い、また各レイヤの情報源符号を、基本レイヤ復号化部903、第1拡張レイヤ復号化部904及び第2拡張レイヤ復号化部905に出力する。具体的には、復号化動作制御部902は、符号化情報解析部901から得られる伝送モード情報がbitrate3である場合には、制御スイッチ907をオン状態にし、制御スイッチ908、909をオフ状態にし、基本レイヤ復号化部903に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部904及び第2拡張レイヤ復号化部905には何も出力しない。また、復号化動作制御部902は、符号化情報解析部901から得られる伝送モード情報がbitrate2である場合には、制御スイッチ907、908をオン状態にし、制御スイッチ909をオフ状態にし、基本レイヤ復号化部903に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部904に第1拡張レイヤ情報源符号を出力し、第2拡張レイヤ復号化部905には何も出力しない。また、復号化動作制御部902は、符号化情報解析部901から得られる伝送モード情報がbitrate1である場合には、制御スイッチ907〜909を全てオン状態にし、基本レイヤ復号化部903に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部904に第1拡張レイヤ情報源符号を出力し、第2拡張レイヤ復号化部905に第2拡張レイヤ情報源符号を出力する。また、復号化動作制御部902は、符号化情報解析部901から得られる伝送モード情報がbitrate0である場合には、制御スイッチ907〜909を全てオフ状態にし、基本レイヤ復号化部903、第1拡張レイヤ復号化部904、及び第2拡張レイヤ復号化部905には何も出力しない。
基本レイヤ復号化部903は、制御スイッチ907がオン状態の場合、復号化動作制御部902から出力された基本レイヤ情報源符号に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号(以下、「基本レイヤ復号化信号」という)を加算部912に出力する。なお、基本レイヤ復号化部903は、制御スイッチ907がオフ状態の場合には何も動作しない。
第1拡張レイヤ復号化部904は、制御スイッチ908がオン状態の場合、復号化動作制御部902から出力された第1拡張レイヤ情報源符号に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号(以下、「第1拡張レイヤ復号化信号」という)を加算部911に出力する。なお、第1拡張レイヤ復号化部904は、制御スイッチ908がオフ状態の場合には何も動作しない。
第2拡張レイヤ復号化部905は、制御スイッチ909がオン状態の場合、復号化動作制御部902から出力された第2拡張レイヤ情報源符号に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号(以下、「第2拡張レイヤ復号化信号」という)を加算部911に出力する。なお、第2拡張レイヤ復号化部905は、制御スイッチ909がオフ状態の場合には何も動作しない。
付加情報復号化部906は、入力された情報源符号を、複数の種類の伝送ビットレートで復号化可能なマルチレート復号化手法を備える。本実施の形態では、符号化情報解析部901から得られる付加モード情報に応じて、予め定められた6種類の伝送ビットレートbitrate1”、bitrate2”、bitrate3”、bitrate4”、bitrate5”、bitrate6”で復号化可能であるものとする。また、この6種類の伝送ビットレートの値は、付加情報符号化部701における例と同様に、bitrate1、bitrate2及びbitrate3を用いて上記式(1)のように表せる。付加情報復号化部906は、制御スイッチ910がオン状態である場合、符号化情報解析部901から得られる付加モード情報に応じた伝送ビットレートにより、符号化情報解析部901から得られる付加情報情報源符号に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号(以下、「付加情報復号化信号」という)を加算部913に出力する。なお、付加情報復号化部906は、制御スイッチ910がオフ状態の場合には何も動作しない。
なお、基本レイヤ復号化部903、第1拡張レイヤ復号化部904、第2拡張レイヤ復号化部905及び付加情報復号化部906の内部構成は、上述した基本レイヤ復号化部208と同一であり、入力される情報源符号の種類及び出力される信号の種類のみが異なるので、その説明は省略する。
加算部911は、制御スイッチ908、909がオン状態である場合、第2拡張レイヤ復号化部905から出力された第2拡張レイヤ復号化信号と第1拡張レイヤ復号化部904から出力された第1拡張レイヤ復号化信号とを加算し、加算後の信号を加算部912に出力する。また、加算部911は、制御スイッチ909がオフ状態であり、かつ、制御スイッチ908がオン状態である場合、第1拡張レイヤ復号化部904から出力された第1拡張レイヤ復号化信号を加算部912に出力する。なお、加算部911は、制御スイッチ908、909がオフ状態である場合、何も動作しない。
加算部912は、制御スイッチ907、908がオン状態である場合、基本レイヤ復号化部903から出力された基本レイヤ復号化信号と加算部911の出力信号とを加算し、加算後の信号を加算部913に出力する。また、加算部912は、制御スイッチ907がオン状態であり、制御スイッチ908がオフ状態である場合、基本レイヤ復号化部903から出力された基本レイヤ復号化信号を加算部913に出力する。また、加算部912は、制御スイッチ907、908がオフ状態である場合、何も動作しない。
加算部913は、制御スイッチ907、910がオン状態である場合、加算部912の出力信号と付加情報復号化部906から得られる付加情報復号化信号とを加算し、加算後の信号を出力信号として出力する。また、加算部913は、制御スイッチ907がオン状態であり、制御スイッチ910がオフ状態である場合、加算部912の出力信号を出力する。また、加算部913は、制御スイッチ907がオフ状態であり、制御スイッチ910がオン状態である場合、付加情報復号化部906から得られる付加情報復号化信号を出力信号として出力する。また、加算部913は、制御スイッチ907、910がオフ状態である場合、何も動作しない。
以上が、図1の信号復号化装置105の内部構成の説明である。
このように、本実施の形態によれば、スケーラブル符号化技術を用いて音声・楽音信号等を伝送している中継装置を含めた通信システムにおいて、中継装置に入力された付加情報の種類に応じて適切な情報量分の階層を割り当て、その情報量を用いて符号化された付加情報と、音声・楽音信号の符号化情報を統合し、信号復号化装置に伝送する。これにより、復号化処理における計算コストを抑えることができ、さらに伝送する情報量を増加させることなく、信号符号化装置からの音声・信号と同時に緊急災害情報などの即時性が要求される付加情報を伝送することができる。
なお、本実施の形態では、符号化装置における符号化方法として、CELPタイプの音声符号化/復号化を行う場合について説明したが、本発明はこれに限られず、静止画像、動画像等の音声・楽音信号以外の信号についても同様に適用することができる。
また、本発明は階層を限定するものではなく、複数階層で構成された階層的な信号符号化/復号化方法において、下位レイヤでの入力信号と出力信号との差である残差信号を上位レイヤで符号化する場合について適用することができる。
また、本実施の形態では、中継装置に入力される付加情報は、同じく中継装置に入力される付加モード情報に応じた伝送ビットレートで符号化することを原則としていたため、入力された付加モード情報に応じた伝送ビットレートが、信号符号化装置から中継装置に伝送される音声・楽音信号の伝送ビットレートよりも大きい場合(付加情報符号化部701におけるパターン4、パターン7及びパターン8)は、付加情報を送ることができないとして説明した。しかしながら、本発明はこれに限らず、上記のような場合についても、付加モード情報に応じた伝送ビットレートではなく、信号符号化装置から中継装置に伝送される音声・楽音信号の伝送ビットレート以下のビットレートで、付加情報を符号化するという手法を採ることも可能である。また、この時、中継装置に入力された付加モード情報を、符号化に利用した伝送ビットレートに対応する付加モード情報で置き換える必要がある。
また、本実施の形態では、中継装置に入力される付加情報として、即時性の高い地域災害情報などを例に挙げ、付加情報が入力され、符号化装置側から伝送されてきた音声情報と付加情報の両方を同時に送ることができないような場合(付加情報符号化部701におけるパターン1、パターン5及びパターン9)は、付加情報を優先するような形態を説明した。しかしながら、本発明はこれに限らず、上記のような場合には、逆に音声情報を優先して復号化側に伝送するといった場合についても、上記のパターン時に、付加情報源符号と、送信装置から伝送される音声・楽音信号の情報源符号に対する伝送ビットレートの割り当てを置き換えることにより、同様に適用することができる。また、この時、復号化装置側においてもそれぞれ符号化側のビットレート制御と対応する復号化方法を行う必要がある。
また、本実施の形態の図6に示した構成を、メモリ、ディスク、テープ、CD、DVD等の機械読み取り可能な記録媒体に記録、書き込みをし、動作を行う場合についても本発明は適用することができ、本実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
(実施の形態2)
上述した実施の形態1では、中継装置に入力される付加情報として、音声・楽音情報を対象とした場合について説明したが、本発明はこれに限らず、付加情報として、文字情報、静止画像情報、動画像情報等の音声・楽音情報以外の信号を対象とした場合についても同様に適用することができる。
しかし、画像情報等の比較的情報量が多い付加情報については、符号化の圧縮率等を考慮した場合、1フレーム中の情報量だけでは足りない場合、複数のフレームに分割して付加しなければならない。また、音声・楽音信号などに対しても、送信側から伝送される符号化方式の伝送ビットレートが小さいため、指定された付加情報モードでは、1フレーム内には付加できないということも考えられる。
そこで、本発明の実施の形態2では、中継装置において付加情報を複数のフレームに分割して付加し、これを信号復号化装置に伝送する場合について説明する。なお、以下においては、付加情報として、音声・楽音信号を対象とした場合について説明し、画像情報、文字情報については後述する。
本実施の形態における全体的なシステムの構成は、実施の形態1の図1と同様であり、信号符号化装置101の作用は実施の形態1と同一である。
以下、本実施の形態における中継装置103の作用について説明する。付加モード情報及び付加情報は、中継装置103に入力される。中継装置103は、付加モード情報及び付加情報が入力された場合は、伝送路A102を介して伝送される符号化情報に対して、付加情報の付加処理を行い、得られる付加処理後の符号化情報(変換後符号化情報)を伝送路B104に送信する。中継装置103は、付加モード情報及び付加情報が入力されない場合は、伝送路A102を介して伝送される符号化情報を伝送路B104へ出力する。
ここで、中継装置103に入力される付加モード情報は、上述した付加情報を符号化し伝送する際のビットレートを指示する情報(bitrate1’、bitrate2’、bitrate3’)と、中継装置から付加情報を伝送する手法がリアルタイムであるか、非リアルタイムであるかを指示するリアルタイムフラグとから構成される。ここで、リアルタイムフラグの値が1であることは、付加情報の出力情報を1フレームで伝送することを意味し、リアルタイムフラグの値が0であることは、付加情報の出力情報を複数フレームに分割して伝送することを意味する。
次に、本実施の形態における中継装置103の内部構成について説明する。ただし、中継装置103の構成自体は、実施の形態1の図6と同様であり、中継装置103における付加処理部603の付加情報符号化部701、付加情報統合部702及び符号化情報統合部604以外の各構成部分の作用については実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。
付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から付加モード情報、付加情報及び符号化情報解析部602から伝送モード情報及び付加情報フラグが入力された場合、付加モード情報及び伝送モード情報の組み合わせに応じた伝送ビットレートにより、付加情報に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた情報源符号(以下、「付加情報情報源符号」という)、伝送モード情報及び付加モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する。また、付加情報符号化部701は、内部に情報を蓄積できるメモリを備える。
以下、本実施の形態における付加情報符号化部701の符号化処理を伝送モード情報及び付加モード情報の組み合わせに応じた9パターンに分け、具体的に説明する。ただし、パターン4、パターン7及びパターン8以外のパターンについては、リアルタイムフラグの値に関わらず、実施の形態1で説明した処理と同一であるため、説明を省略する。
(パターン4)
付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate3であり、かつ、付加モード情報に含まれるリアルタイムフラグの値が1である場合には、bitrate3が示す伝送ビットレートは、付加情報を符号化するために十分ではないと判断し、付加情報の符号化処理は行わず、付加モード情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する(パターン4a)。また、付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate3であり、かつ、付加モード情報に含まれるリアルタイムフラグの値が0である場合には、付加情報をbitrate2”が示す伝送ビットレートにより、CELPタイプの音声復号化方法を用いて符号化を行い、得られた付加情報情報源符号のうちのbitrate3”に相当する付加情報情報源符号の部分情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する。また、付加情報符号化部701は、この場合、幾つのフレームに分割し、このフレーム中の付加情報がその何番目かを示すフレームインデックスを示す情報(フレームインデックス情報)を付加モード情報に加え、これを新たな付加モード情報として付加情報統合部702に出力する。(パターン4b)
(パターン7)
付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate3であり、かつ、付加モード情報に含まれるリアルタイムフラグの値が1である場合には、bitrate3”が示す伝送ビットレートは、付加情報を符号化するために十分ではないと判断し、付加情報の符号化処理は行わず、付加モード情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する(パターン7a)。また、付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate3であり、かつ、付加モード情報に含まれるリアルタイムフラグの値が0である場合には、付加情報をbitrate1”が示す伝送ビットレートを用いて符号化を行い、得られた付加情報情報源符号のうちのbitrate3”に相当する付加情報情報源符号の部分情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する。また、付加情報符号化部701は、この場合、幾つのフレームに分割し、このフレーム中の付加情報がその何番目かを示すフレームインデックスを示す情報(フレームインデックス情報)を付加モード情報に加え、これを新たな付加モード情報として付加情報統合部702に出力する(パターン7b)。
(パターン8)
付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate2であり、かつ、付加モード情報に含まれるリアルタイムフラグの値が1である場合には、bitrate2”が示す伝送ビットレートは、付加情報を符号化するために十分ではないと判断し、付加情報の符号化処理は行わず、付加モード情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する(パターン8a)。また、付加情報符号化部701は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate2であり、かつ、付加モード情報に含まれるリアルタイムフラグの値が0である場合には、付加情報をbitrate1”が示す伝送ビットレートを用いて符号化を行い、得られた付加情報情報源符号のうちのbitrate2”に相当する付加情報情報源符号の部分情報、伝送モード情報及び付加情報フラグを付加情報統合部702に出力する。また、付加情報符号化部701は、この場合、幾つのフレームに分割し、このフレーム中の付加情報がその何番目かを示すフレームインデックスを示す情報(フレームインデックス情報)を付加モード情報に加え、これを新たな付加モード情報として付加情報統合部702に出力する(パターン8b)。
なお、パターン4a、4b、7a、7b、8a、8bにおいて、当該フレームで伝送しきれなかった付加情報情報源符号の残りの部分情報、並びに、その時点での付加モード情報、伝送モード情報及び付加情報フラグは、付加情報符号化部701内に備えられたメモリに蓄えられ、中継装置103への新たな付加情報の入力がなくなり次第、蓄えられた順通りに、逐次、付加情報統合部702に出力するものとする。
次に、本実施の形態における付加情報統合部702の作用について説明する。付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から付加モード情報、付加情報情報源符号、伝送モード情報、付加情報フラグ及び符号化情報解析部602から各レイヤの情報源符号が入力された場合、付加モード情報及び伝送モード情報の組み合わせに応じて、各レイヤの情報源符号と付加情報情報源符号との統合処理を行い、得られた情報源符号、付加情報情報源符号、伝送モード情報、付加モード情報及び付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する。また、付加情報符号化部701から付加モード情報、付加情報情報源符号、伝送モード情報、付加情報フラグ及び符号化情報解析部602から各レイヤの情報源符号が入力されない場合には何も動作しない。
以下、本実施の形態における付加情報統合部702における統合処理を伝送モード情報及び付加モード情報の組み合わせに応じた9パターンに分け、具体的に説明する。ただし、パターン4、パターン7、及びパターン8以外のパターンについては、リアルタイムフラグの値に関わらず、実施の形態1で説明した処理と同一であるため、説明を省略する。
(パターン4)
付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ伝送モード情報がbitrate3であり、かつ、付加モード情報に含まれるリアルタイムフラグの値が1である場合には、統合処理は行わず、基本レイヤ情報源符号、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、0の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する(パターン4a)。また、付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ伝送モード情報がbitrate3であり、かつ、付加モード情報に含まれるリアルタイムフラグの値が0である場合には、基本レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate0を代入し、付加モード情報にbitrate2”を代入し、付加情報情報源符号、付加モード情報、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、1の値を代入付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する(パターン4b)。
(パターン7)
付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ伝送モード情報がbitrate3であり、かつ、付加モード情報に含まれるリアルタイムフラグの値が1である場合には、統合処理は行わず、基本レイヤ情報源符号、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、0の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する(パターン7a)。また、付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ伝送モード情報がbitrate3であり、かつ、付加モード情報に含まれるリアルタイムフラグの値が0である場合には、基本レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate0を代入し、付加モード情報にbitrate1”を代入し、付加情報情報源符号、付加モード情報、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、1の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する(パターン7b)。
(パターン8)
付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ伝送モード情報がbitrate2であり、かつ、付加モード情報に含まれるリアルタイムフラグの値が1である場合には、統合処理は行わず、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、0の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する(パターン8a)。また、付加情報統合部702は、付加情報符号化部701から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ伝送モード情報がbitrate2であり、かつ、付加モード情報に含まれるリアルタイムフラグの値が0である場合には、基本レイヤ情報源符号、及び第1拡張レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate0を代入し、付加モード情報にbitrate1”を代入し、付加情報情報源符号、付加モード情報、及び伝送モード情報を符号化情報統合部604に出力する。また、このとき付加情報統合部702は、1の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部604に出力する(パターン8b)。
符号化情報統合部604は、付加情報統合部702から伝送モード情報、付加モード情報、付加情報フラグ、及び各種の情報源符号が入力された場合、それらを統合した後、変換後符号化情報として制御スイッチ606に出力する。また、符号化情報統合部604は、付加情報統合部702から伝送モード情報、付加モード情報、付加情報フラグ、及び各種の情報源符号が入力されない場合には何も動作しない。
次に、本実施の形態における信号復号化装置105について説明する。なお、本実施の形態における信号復号化装置105の構成は図9と同一であり、付加情報復号化部906以外の作用は、上述した実施の形態1と同一であるため説明を省略する。
付加情報復号化部906は、内部に情報源符号を蓄積できるメモリを持ち、また、入力された情報源符号を、複数の種類の伝送ビットレートで復号化可能なマルチレート復号化手法を備える。本実施の形態では、符号化情報解析部901から得られる付加モード情報に応じて、予め定められた6種類の伝送ビットレートbitrate1”、bitrate2”、bitrate3”、bitrate4”、bitrate5”、bitrate6”で復号化可能であるものとする。また、この6種類の伝送ビットレートの値は、付加情報符号化部701における例と同様に、bitrate1、bitrate2及びbitrate3を用いて上記式(1)のように表せる。
付加情報復号化部906は、制御スイッチ910がオン状態である場合、符号化情報解析部901から得られる付加モード情報に応じた伝送ビットレートにより、符号化情報解析部901から得られる付加情報情報源符号に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号(以下、「付加情報復号化信号」という)を加算部913に出力する。なお、付加情報復号化部906は、制御スイッチ910がオフ状態の場合には何も動作しない。
以下に、付加モード情報に応じた復号化方法を説明する。付加情報復号化部906は、符号化情報解析部901から得られる付加モード情報に含まれるリアルタイムフラグが1の場合は、付加モード情報(bitrate1”〜bitrate6”)が示す伝送ビットレートで付加情報、情報源を復号化し、得られた付加情報復号化信号を加算部913に出力する。また、付加情報復号化部906は、符号化情報解析部901から得られる付加モード情報に含まれるリアルタイムフラグが0の場合には、付加モード情報に含まれるフレームインデックス情報を参照し、複数のフレームに分割された付加情報情報源符号を全て受信するまでは、内部に備えるメモリに付加情報情報源符号を格納し、分割された付加情報情報源符号を全て受信した時点で、全ての付加情報情報源符号を付加モード情報(bitrate1”〜bitrate6”)が示す伝送ビットレートで付加情報、情報源を復号化し、得られた付加情報復号化信号を加算部913に出力する。
このように、本実施の形態によれば、伝送中の伝送モード情報が示す伝送ビットレートと付加情報を符号化する際の伝送ビットレートを比較し、付加情報の伝送ビットレートが符号化情報の伝送ビットレートよりも高い場合に、付加情報を複数のフレームに分割して符号化情報に付加し、信号復号化装置105に伝送することができる。
また、上述した説明は、伝送される符号化情報よりも付加情報を優先し、付加情報を分割して伝送する際に、全てのビットレートを付加情報に割り当てる場合における処理であるが、符号化情報の一部と分割した付加情報を組み合わせて伝送するという手法も、上述した説明と同様の処理をすることにより可能である。
また、上述した説明における分割手法の他、付加情報の伝送ビットレートを常にbitrate3”に固定し、分割して伝送する(付加情報符号化部701におけるパターン1、パターン2、及びパターン3が該当)という手法も可能である。
また、画像(動画、静止画)、文字情報等を付加情報として伝送する場合においても、これまで説明した手法を同様に適用することが可能である。ただし、画像情報、及び文字情報を付加情報とした場合、信号復号化装置105内にはそれぞれの付加情報源符号を復号化する手法、また復号化された付加情報を表示する機能、あるいは、情報の着信をユーザに知らせる機能等を有する必要がある。この時、付加情報復号化部906は、復号化した付加情報復号化信号を加算部913ではなく、適切な表示機能、通知機能を有する装置に出力することになる。付加情報が、音声信号でない場合(画像情報及び付加情報)の復号化装置のブロック図を図10に示す。図10は、図9と比較して、加算部913を削除した構成を採り、付加情報復号化部906の出力信号が加算部912の出力と加算されずに出力される。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、上述した実施の形態1及び実施の形態2において、付加情報を付加した際、符号化情報のレイヤ数の切り替わりに伴い発生すると考えられる異音を軽減する処理を追加する場合について説明する。なお、本実施の形態の全体的なシステムの構成は、実施の形態1で説明した図1と同様である。
本実施の形態では、信号符号化装置101から出力されるデータ構造を図11に示すものとし、実施の形態1における付加情報フラグを拡張し、新たに付加処理状態情報(初期値は0)として割当てるものとする。付加処理状態情報(APSI)の説明に関しては後述する。
以下、本実施の形態における中継装置103の作用について説明する。付加モード情報及び付加情報は、中継装置103に入力される。中継装置103は、付加モード情報及び付加情報が入力された場合は、伝送路A102を介して伝送される符号化情報に対して、付加情報の付加処理を行い、得られる付加処理後の符号化情報(変換後符号化情報)を伝送路B104に送信する。中継装置103は、付加モード情報及び付加情報が入力されない場合は、伝送路A102を介して伝送される符号化情報を伝送路B104へ出力する。
次に、本実施の形態における中継装置103の内部構成について説明する。ただし、中継装置103の構成自体は、実施の形態1の図6と同様であり、中継装置103における付加情報受信部601、付加処理部603の付加情報符号化部701、付加情報統合部702及び符号化情報統合部604以外の各構成部分の作用については実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。
付加情報受信部601は、その内部に付加情報、及び付加モード情報を格納できるバッファ(内部バッファ)を備え、中継装置103に付加モード情報及び付加情報が入力された場合には、入力された時点から一定時間以内において、入力された付加モード情報と、値を1とした付加処理状態情報、とを付加処理部603に出力し、入力された付加情報を内部バッファに格納する。ここで、付加処理状態情報とは、「付加情報が入力されていない(値は0)」、「付加情報の入力開始から一定時間内である(値は1)」、「付加情報の入力開始から一定時間後である(値は2)」、「付加情報の入力終了から一定時間内である(値は3)」、という4種類の状態を示す情報であり、デフォルト値は0とする。そして、付加情報受信部601は、中継装置103に付加モード情報及び付加情報が入力された場合、入力された時点から一定時間経過後に、値を2とした付加処理状態情報とともに、内部バッファに格納してある付加モード情報及び付加情報を格納した順に付加処理部603に出力する。また、付加情報受信部601は、内部バッファに格納してある付加情報を全て付加処理部603に出力した後、一定時間以内は、直前に内部バッファに格納されていた付加モード情報、及び値を3とした付加処理状態情報を付加処理部603に出力する。また、付加情報受信部601は、中継装置103に付加モード情報及び付加情報が入力されない場合は、付加処理部603には何も出力しない。
また、付加情報受信部601は、中継装置103に入力される付加モード情報及び付加情報を受信し、付加モード情報及び付加情報が入力されたか否かに応じて、制御スイッチ605、606のオン/オフ制御を行う。具体的には、付加情報受信部601は、中継装置103に付加モード情報及び付加情報が入力されてから一定時間以内の場合(付加処理状態情報の値が1)、あるいは内部バッファにまだ付加情報が格納されている場合(付加処理状態情報の値が2)、あるいは内部バッファが空になってから一定時間経過以内である場合(付加処理状態情報の値が3)には、制御スイッチ605を符号化情報解析部602側に接続し、制御スイッチ606を符号化情報統合部604側に接続する。また、付加情報受信部601は、中継装置103に付加モード情報及び付加情報が入力されない場合、あるいは内部バッファが空になってから一定時間経過した場合(付加処理状態情報の値が0)には、制御スイッチ605を制御スイッチ606側に接続し、制御スイッチ606を制御スイッチ605側に接続する。このように、中継装置103に付加情報が入力されるかどうかに応じて制御スイッチ605、606をオン/オフ制御することにより、中継装置103の動作が決定される。
付加処理部603は、符号化情報解析部602から、伝送モード情報、及び伝送モード情報に応じた各レイヤの情報源符号が入力され、また付加情報受信部601から付加モード情報及び付加処理状態情報が入力された場合には、伝送モード情報、付加モード情報及び付加処理状態情報の組み合わせに応じて、各レイヤの情報源符号に対して、付加情報の付加処理を行い、得られた情報源符号、伝送モード情報、付加モード情報及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する。また、付加処理部603は、符号化情報解析部602から、伝送モード情報及び伝送モード情報に応じた各レイヤの情報源符号が入力されず、また付加情報受信部601から付加モード情報、及び付加処理状態情報が入力されない場合には、何も動作しない。
次に、図6の付加処理部603の構成について図12を用いて説明する。付加処理部603は、付加情報符号化部1201と、付加情報統合部1202とから主に構成される。
付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から付加モード情報及び付加処理状態情報が入力され、符号化情報解析部602から伝送モード情報が入力された場合、付加モード情報、付加処理状態情報及び伝送モード情報の組み合わせに応じた伝送ビットレートにより、付加情報に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた情報源符号(以下、「付加情報情報源符号」という)、伝送モード情報、付加モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する。なお、付加情報符号化部1201は、付加モード情報、付加処理状態情報、伝送モード情報が入力されない場合には何も動作しない。
付加情報符号化部1201は、入力される情報(信号)を複数の伝送ビットレートで符号化可能なマルチレート符号化方法を備える。本実施の形態では、付加情報受信部から得られる付加モード情報と符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報との組み合わせに応じて、予め定められた6種類の伝送ビットレートbitrate1”、bitrate2”、bitrate3”、bitrate4”、bitrate5”、bitrate6”の値を取り得るものとする。また、この6種類の伝送ビットレートの値は、bitrate1、bitrate2及びbitrate3を用いて上記式(1)のように表せる。
以下、付加情報符号化部1201における符号化処理について伝送モード情報、付加モード情報、及び付加処理状態情報の組み合わせに応じた9パターンに分け、具体的に説明する。
(パターン1)
付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate3であり、さらに付加情報受信部601から得られた付加処理状態情報の値が2である場合は、付加情報をbitrate3”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する(パターン1a)。また、付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate3であり、さらに付加情報受信部601から得られる付加処理状態情報の値が1または3である場合は、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する(パターン1b)。
(パターン2)
付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate2であり、さらに付加情報受信部601から得られた付加処理状態情報の値が2である場合は、付加情報をbitrate5”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する(パターン2a)。また、付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate2であり、さらに付加情報受信部601から得られる付加処理状態情報の値が1または3である場合は、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する(パターン2b)。
(パターン3)
付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate1であり、さらに付加情報受信部601から得られた付加処理状態情報の値が2である場合は、付加情報をbitrate6”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する(パターン3a)。また、付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate1であり、さらに付加情報受信部601から得られる付加処理状態情報の値が1または3である場合は、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する(パターン3b)。
(パターン4)
付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate3である場合には、bitrate3”が示す伝送ビットレートは、付加情報を符号化するために十分ではないと判断し、付加情報の符号化処理は行わず、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する。
(パターン5)
付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate2であり、さらに付加情報受信部601から得られた付加処理状態情報の値が2である場合は、付加情報をbitrate2”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する(パターン5a)。また、付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate2であり、さらに付加情報受信部601から得られる付加処理状態情報の値が1または3である場合は、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する(パターン5b)。
(パターン6)
付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate1であり、さらに付加情報受信部601から付加情報が入力された場合は、付加情報をbitrate4”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する(パターン6a)。また、付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate1であり、さらに付加情報受信部601から得られる付加処理状態情報の値が1または3である場合は、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する(パターン6b)。
(パターン7)
付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate3である場合には、bitrate3”が示す伝送ビットレートは、付加情報を符号化するために十分ではないと判断し、付加情報の符号化処理は行わず、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する。
(パターン8)
付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate2である場合には、bitrate2”が示す伝送ビットレートは、付加情報を符号化するために十分ではないと判断し、付加情報の符号化処理は行わず、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する。
(パターン9)
付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate1であり、さらに付加情報受信部601から得られる付加処理状態情報の値が2である場合は、付加情報をbitrate1”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する(パターン9a)。また、付加情報符号化部1201は、付加情報受信部601から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ符号化情報解析部602から得られる伝送モード情報がbitrate1であり、さらに付加情報受信部601から得られる付加処理状態情報の値が1または3である場合は、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を付加情報統合部1202に出力する(パターン9b)。
以上が、付加情報符号化部1201における符号化処理についての説明である。
付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から付加モード情報、伝送モード情報、付加処理状態情報、及び符号化情報解析部602から各レイヤの情報源符号が入力された場合、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報の組み合わせに応じて、各レイヤの情報源符号と付加情報情報源符号との統合処理を行い、得られた各情報源符号、伝送モード情報、付加モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する。また、付加情報符号化部1201から付加モード情報、伝送モード情報、付加処理状態情報及び符号化情報解析部602から各レイヤの情報源情報源符号が入力されない場合には何も動作しない。
以下、付加情報統合部1202における統合処理について伝送モード情報、付加モード情報、及び付加処理状態情報の組み合わせに応じた9パターンに分け、具体的に説明する。
(パターン1)
付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ伝送モード情報がbitrate3であり、かつ付加処理状態情報の値が2である場合には、基本レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate0を代入し、付加モード情報にbitrate3”を代入し、付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する(パターン1a)。また、付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ伝送モード情報がbitrate3であり、かつ付加処理状態情報の値が1または3である場合には、基本レイヤ情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する(パターン1b)。
(パターン2)
付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ伝送モード情報がbitrate2であり、かつ付加処理状態情報の値が2である場合には、第1拡張レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate3を代入し、付加モード情報にbitrate5”を代入し、基本レイヤ情報源符号、付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する(パターン2a)。また、付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ伝送モード情報がbitrate2であり、かつ付加処理状態情報の値が1または3である場合には、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する(パターン2b)。
(パターン3)
付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ伝送モード情報がbitrate1であり、かつ付加処理状態情報の値が2である場合には、第2拡張レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate2を代入し、付加モード情報にbitrate6”を代入し、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する(パターン3a)。また、付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ伝送モード情報がbitrate1であり、かつ付加処理状態情報の値が1または3である場合には、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、第2拡張レイヤ情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する(パターン3b)。
(パターン4)
付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ伝送モード情報がbitrate3である場合には、統合処理は行わず、基本レイヤ情報源符号、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する。
(パターン5)
付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ伝送モード情報がbitrate2であり、かつ付加処理状態情報の値が2である場合には、基本レイヤ情報源符号、及び第1拡張レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate0を代入し、付加モード情報にbitrate2”を代入し、付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する(パターン5a)。また、付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ伝送モード情報がbitrate2であり、かつ付加処理状態情報の値が1または3である場合には、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する(パターン5b)。
(パターン6)
付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ伝送モード情報がbitrate1であり、かつ付加処理状態情報の値が2である場合には、第1拡張レイヤ情報源符号、及び第2拡張レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate3を代入し、付加モード情報にbitrate4”を代入し、基本レイヤ情報源符号、付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する(パターン6a)。また、付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ伝送モード情報がbitrate1であり、かつ付加処理状態情報の値が1または3である場合には、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、第2拡張レイヤ情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する(パターン6b)。
(パターン7)
付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ伝送モード情報がbitrate3である場合には、統合処理は行わず、基本レイヤ情報源符号、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する。
(パターン8)
付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ伝送モード情報がbitrate2である場合には、統合処理は行わず、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する。
(パターン9)
付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ伝送モード情報がbitrate1であり、かつ付加処理状態情報の値が2である場合には、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、及び第2拡張レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate0を代入し、付加モード情報にbitrate1”を代入し、付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する(パターン9a)。また、付加情報統合部1202は、付加情報符号化部1201から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ伝送モード情報がbitrate1であり、かつ付加処理状態情報の値が1または3である場合には、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、第2拡張レイヤ情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、及び付加処理状態情報を符号化情報統合部604に出力する(パターン9b)。
以上が、付加情報統合部1202における統合処理についての説明である。
符号化情報統合部604は、付加情報統合部1202から伝送モード情報、付加モード情報、付加処理状態情報、及び各種の情報源符号が入力された場合、それらを統合した後、得られた符号化情報を、変換後符号化情報として制御スイッチ606に出力する。また、符号化情報統合部604は、付加情報統合部1202から伝送モード情報、付加モード情報、及び各種の情報源符号が入力されない場合には何も動作しない。
また、この時、符号化情報統合部604から出力される符号化情報のデータ構造(ビットストリーム)は、付加情報統合部1202におけるパターンに応じて、それぞれ図13中の(a)〜(o)のようなデータ構造となる。
次に、本実施の形態における信号復号化装置105の構成について図14を用いて説明する。信号復号化装置105は、符号化情報解析部1401と、復号化動作制御部1402と、基本レイヤ復号化部1403と、第1拡張レイヤ復号化部1404と、第2拡張レイヤ復号化部1405と、付加情報復号化部1406と、制御スイッチ1407〜1410と、利得調整部1411〜1413と、加算部1414〜1416とから主に構成される。
符号化情報は、符号化情報解析部1401に入力される。符号化情報解析部1401は、入力された符号化情報中の付加処理状態情報の値が2である場合は、符号化情報を伝送モード情報、付加モード情報、各レイヤの情報源符号、付加情報情報源符号、及び付加処理状態情報に分離し、得られた伝送モード情報、付加モード情報、各レイヤの情報源符号、及び付加処理状態情報を復号化動作制御部1402に出力し、付加モード情報、及び付加情報情報源符号を付加情報復号化部1406に出力する。また、符号化情報解析部1401は、入力された符号化情報中の付加処理状態情報の値が0である場合は、符号化情報を伝送モード情報、各レイヤの情報源符号、及び付加処理状態情報に分離し、得られた伝送モード情報、各レイヤの情報源符号、及び付加処理状態情報を復号化動作制御部1402に出力する。また、符号化情報解析部1401は、入力された符号化情報の中の付加処理状態情報の値が1または3である場合は、符号化情報を伝送モード情報、付加モード情報、各レイヤの情報源符号、及び付加処理状態情報に分離し、得られた伝送モード情報、付加モード情報、各レイヤの情報源符号、及び付加処理状態情報を復号化動作制御部1402に出力する。また、符号化情報解析部1401は、符号化情報の解析結果に応じて制御スイッチ1410のオン/オフ状態の制御を行う。具体的には、符号化情報解析部1401は、入力された符号化情報中の付加処理状態情報の値が2でない場合は制御スイッチ1410をオフ状態にし、入力された符号化情報中の付加処理状態情報の値が2である場合は制御スイッチ1410をオン状態にする。
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報、付加モード情報、及び付加処理状態情報に応じて、制御スイッチ1407〜1409の状態の制御、及び利得調整部1411〜1413の制御(フェードイン/フェードアウト/オフ)を行い、また各レイヤ情報源符号を、基本レイヤ復号化部1403、第1拡張レイヤ復号化部1404、及び第2拡張レイヤ復号化部1405に出力する。
復号化動作制御部1402の処理は、通常の復号化処理、フェードアウト処理、フェードイン処理の三パターンに大きく分けられる。ここでは各パターン別にそれぞれの処理を詳細に説明する。
(通常の復号化処理、付加処理状態情報の値が0あるいは2の時)
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が0または2であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate0である場合は、何も動作しない。
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が0または2であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate3である場合は、制御スイッチ1407をオン状態にし、制御スイッチ1408、1409をオフ状態にし、また、利得調整部1411〜1413を全てオフ状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404、及び第2拡張レイヤ復号化部1405には何も出力しない。
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が0または2であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate2である場合は、制御スイッチ1407、1408をオン状態にし、制御スイッチ1409をオフ状態にし、また、利得調整部1411〜1413を全てオフ状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404に第1拡張レイヤ情報源符号を出力し、第2拡張レイヤ復号化部1405には何も出力しない。
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が0または2であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate1である場合は、制御スイッチ1407〜1409を全てオン状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404に第1拡張レイヤ情報源符号を出力し、第2拡張レイヤ復号化部1405に第2拡張レイヤ情報源符号を出力する。
(フェードアウト処理=付加処理開始時、付加処理状態情報の値が1の時)
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate3であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる付加モード情報がbitrate3”である場合は、制御スイッチ1407をオン状態にし、制御スイッチ1408、1409をオフ状態にし、また、利得調整部1411をフェードアウト状態にし、利得調整部1412、1413をオフ状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404、及び第2拡張レイヤ復号化部1405には何も出力しない。
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate2であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる付加モード情報がbitrate5”である場合は、制御スイッチ1407、1408をオン状態にし、制御スイッチ1409をオフ状態にし、また、利得調整部1412をフェードアウト状態にし、利得調整部1411、1413をオフ状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404に第1拡張レイヤ情報源符号を出力し、第2拡張レイヤ復号化部1405には何も出力しない。
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate2であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる付加モード情報がbitrate2”である場合は、制御スイッチ1407、1408をオン状態にし、制御スイッチ1409をオフ状態にし、また、利得調整部1411、1412をフェードアウト状態にし、利得調整部1413をオフ状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404に第1拡張レイヤ情報源符号を出力し、第2拡張レイヤ復号化部1405には何も出力しない。
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる付加モード情報がbitrate6”である場合は、制御スイッチ1407〜1409をオン状態にし、また、利得調整部1413をフェードアウト状態にし、利得調整部1411、1412をオフ状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404に第1拡張レイヤ情報源符号を出力し、第2拡張レイヤ復号化部1405に第2拡張レイヤ情報源符号を出力する。
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる付加モード情報がbitrate4”である場合は、制御スイッチ1407〜1409をオン状態にし、また、利得調整部1412、1413をフェードアウト状態にし、利得調整部1411をオフ状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404に第1拡張レイヤ情報源符号を出力し、第2拡張レイヤ復号化部1405に第2拡張レイヤ情報源符号を出力する。
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる付加モード情報がbitrate1”である場合は、制御スイッチ1407〜1409をオン状態にし、また、利得調整部1411〜1413をフェードアウト状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404に第1拡張レイヤ情報源符号を出力し、第2拡張レイヤ復号化部1405に第2拡張レイヤ情報源符号を出力する。
(フェードイン処理=付加処理終了時、付加処理状態情報の値が3の時)
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が3であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate3であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる付加モード情報がbitrate3”である場合は、制御スイッチ1407をオン状態にし、制御スイッチ1408、1409をオフ状態にし、また、利得調整部1411をフェードイン状態にし、利得調整部1412、1413をオフ状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404、及び第2拡張レイヤ復号化部1405には何も出力しない。
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate2であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる付加モード情報がbitrate5”である場合は、制御スイッチ1407、1408をオン状態にし、制御スイッチ1409をオフ状態にし、また、利得調整部1412をフェードイン状態にし、利得調整部1411、1413をオフ状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404に第1拡張レイヤ情報源符号を出力し、第2拡張レイヤ復号化部1405には何も出力しない。
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate2であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる付加モード情報がbitrate2”である場合は、制御スイッチ1407、1408をオン状態にし、制御スイッチ1409をオフ状態にし、また、利得調整部1411、1412をフェードイン状態にし、利得調整部1413をオフ状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404に第1拡張レイヤ情報源符号を出力し、第2拡張レイヤ復号化部1405には何も出力しない。
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる付加モード情報がbitrate6”である場合は、制御スイッチ1407〜1409をオン状態にし、また、利得調整部1413をフェードイン状態にし、利得調整部1411、1412をオフ状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404に第1拡張レイヤ情報源符号を出力し、第2拡張レイヤ復号化部1405に第2拡張レイヤ情報源符号を出力する。
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる付加モード情報がbitrate4”である場合は、制御スイッチ1407〜1409をオン状態にし、また、利得調整部1412、1413をフェードイン状態にし、利得調整部1411をオフ状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404に第1拡張レイヤ情報源符号を出力し、第2拡張レイヤ復号化部1405に第2拡張レイヤ情報源符号を出力する。
復号化動作制御部1402は、符号化情報解析部1401から得られる付加処理状態情報の値が1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる伝送モード情報がbitrate1であり、かつ符号化情報解析部1401から得られる付加モード情報がbitrate1”である場合は、制御スイッチ1407〜1409をオン状態にし、また、利得調整部1411〜1413をフェードイン状態にし、基本レイヤ復号化部1403に基本レイヤ情報源符号を出力し、第1拡張レイヤ復号化部1404に第1拡張レイヤ情報源符号を出力し、第2拡張レイヤ復号化部1405に第2拡張レイヤ情報源符号を出力する。
基本レイヤ復号化部1403、第1拡張レイヤ復号化部1404、及び第2拡張レイヤ復号化部1405は、それぞれ上述した基本レイヤ復号化部903、第1拡張レイヤ復号化部904、及び第2拡張レイヤ復号化部905の構成と同じであるため、説明は省略する。
利得調整部1411は、基本レイヤ復号化部1403から基本レイヤ復号化信号が入力される。また、利得調整部1411は、復号化動作制御部1402によりフェードアウト/フェードイン/オフ状態が制御される。
利得調整部1411は、復号化動作制御部1402によりオフ状態に制御された場合は、基本レイヤ復号化部1403から得られる基本レイヤ復号化信号をそのまま加算部1415に出力する。また、利得調整部1411は、復号化動作制御部1402によりフェードアウト状態に制御された場合は、以下の式(2)により、基本レイヤ復号化部1403から得られる基本レイヤ復号化信号に対して減衰処理を行い、得られた信号を加算部1415に出力する。
ここで、Nは中継装置103において、付加処理を遅延させる一定時間及び1フレームにおけるサンプル数より定められる値であり、Xbaseiは基本レイヤ復号化信号であり、Xbase’iは減衰後の復号化信号である。
また、利得調整部1411は、復号化動作制御部1402によりフェードイン状態に制御された場合は、以下の式(3)により、基本レイヤ復号化部1403から得られる基本レイヤ復号化信号に対して増幅処理を行い、得られた信号を加算部1415に出力する。
ここで、上記式(2)と同様に、Nは中継装置103において、付加処理を遅延させる一定時間及び1フレームにおけるサンプル数より定められる値であり、Xbaseiは基本レイヤ復号化信号であり、Xbase”iは増幅後の復号化信号である。
利得調整部1412は、利得調整部1411において、入力信号を第1拡張レイヤ復号化信号に置き換える以外は利得調整部1411の構成と同様であり、説明は省略する。また利得調整部1413は、利得調整部1411において、入力信号を第2拡張レイヤ復号化信号に置き換える以外は利得調整部1411の構成と同様であり、説明は省略する。
付加情報復号化部1406の構成は、上述した付加情報復号化部906と同じであり、ここでは説明は省略する。
加算部1414は、制御スイッチ1408、1409がオン状態である場合、利得調整部1413から出力された第2拡張レイヤ復号化信号と利得調整部1412から出力された第1拡張レイヤ復号化信号とを加算し、加算後の信号を加算部1415に出力する。また、加算部1414は、制御スイッチ1409がオフ状態であり、かつ、制御スイッチ1408がオン状態である場合、利得調整部1412から出力された第1拡張レイヤ復号化信号を加算部1415に出力する。なお、加算部1414は、制御スイッチ1408、1409がオフ状態である場合、何も動作しない。
加算部1415は、制御スイッチ1407、1408がオン状態である場合、利得調整部1411から出力された基本レイヤ復号化信号と加算部1414の出力信号とを加算し、加算後の信号を加算部1416に出力する。また、加算部1415は、制御スイッチ1407がオン状態であり、制御スイッチ1408がオフ状態である場合、利得調整部1411から出力された基本レイヤ復号化信号を加算部1416に出力する。また、加算部1415は、制御スイッチ1407、1408がオフ状態である場合、何も動作しない。
加算部1416は、制御スイッチ1407、1410がオン状態である場合、加算部1415の出力信号と付加情報復号化部1406から得られる付加情報復号化信号とを加算し、加算後の信号を出力信号として出力する。また、加算部1416は、制御スイッチ1407がオン状態であり、制御スイッチ1410がオフ状態である場合、加算部1415の出力信号を出力する。また、加算部1416は、制御スイッチ1407がオフ状態であり、制御スイッチ1410がオン状態である場合、付加情報復号化部1406から得られる付加情報復号化信号を出力信号として出力する。また、加算部1416は、制御スイッチ1407、1410がオフ状態である場合、何も動作しない。
以上が、本実施の形態における信号復号化装置105の内部構成の説明である。
このように、本実施の形態によれば、中継装置に付加情報が入力された時点から一定時間遅延をさせて付加処理を行い、信号復号化装置において各レイヤの復号化信号に対して減衰・増幅処理を行うことにより、信号符号化装置から伝送される音声・楽音信号に付加情報を加えることによって発生しうる復号化信号の異音を軽減することができる。
(実施の形態4)
上記実施の形態1では、中継装置に入力される付加情報として、即時性の高い地域災害情報などを例に挙げ、付加情報が入力され、符号化装置側から伝送されてきた音声情報と付加情報の両方を同時に送ることができないような場合(付加情報符号化部701におけるパターン1、パターン5及びパターン9)は、付加情報を優先するような形態を説明した。しかし、緊急性がないような付加情報を付加する場合には、上述した処理ではなく、逆に音声情報を優先すべきである。
そこで、本発明の実施の形態4では、中継装置への入力として、付加情報、付加モード情報の他に、音声情報と付加情報の優先度を示す優先度情報を加え、この優先度情報に基づいて音声情報あるいは付加情報のどちらかを選択して伝送する場合について説明する。なお、以下においては、付加情報として、音声・楽音信号を対象とした場合について説明する。
本実施の形態における全体的なシステムの構成を図15に示す。中継装置1501は、付加モード情報、付加情報及び優先度情報が入力された場合には、伝送路A102を介して伝送される符号化情報に付加情報を付加する処理を行い、付加処理後の符号化情報(以下、「変換後符号化情報」という)を伝送路B104に送信する。なお、中継装置1501は、付加モード情報、付加情報及び優先度情報が入力されない場合には、伝送路A102を介して伝送される符号化情報を伝送路B104へ出力する。ここで、優先度情報とは、音声情報と付加情報の優先度を示す「0.0」から「5.0」までの数値であり、「0.0」に近いほど音声情報を優先し、「5.0」に近いほど付加情報を優先することを示す。
次に、本実施の形態の中継装置1501の構成について図16を用いて説明する。なお、本実施の形態において、中継装置1501以外の構成は、実施の形態1における図1の構成と同様であり、説明を省略する。
中継装置1501は、付加情報受信部1601と、符号化情報解析部1602と、付加処理部1603と、符号化情報統合部1604と、制御スイッチ1605、1606とから主に構成される。
付加モード情報、付加情報及び優先度情報は、付加情報受信部1601に入力される。
付加情報受信部1601は、付加モード情報、付加情報及び優先度情報が入力されたか否かに応じて、制御スイッチ1605、1606のオン/オフ制御を行う。具体的には、付加情報受信部1601は、中継装置1501に付加モード情報、付加情報及び優先度情報が入力された場合には、制御スイッチ1605を符号化情報解析部1602側に接続し、制御スイッチ1606を符号化情報統合部1604側に接続する。また、付加情報受信部1601は、中継装置1501に付加モード情報、付加情報及び優先度情報が入力されない場合には、制御スイッチ1605を制御スイッチ1606側に接続し、制御スイッチ1606を制御スイッチ1605側に接続する。このように、中継装置1501に付加情報が入力されるかどうかに応じて制御スイッチ1605、1606をオン/オフ制御することにより、中継装置1501の動作が決定される。また、付加情報受信部1601は、中継装置1501に付加モード情報、付加情報及び優先度情報が入力された場合には、入力された付加モード情報、付加情報及び優先度情報を付加処理部1603に出力する。また、付加情報受信部1601は、中継装置1501に付加モード情報、付加情報及び優先度情報が入力されない場合は、付加処理部1603には何も出力しない。
符号化情報解析部1602の構成は、上記実施の形態1における符号化情報解析部602と同じであるため、ここでは説明は省略する。
付加処理部1603は、符号化情報解析部1602から、伝送モード情報、付加情報フラグ及び伝送モード情報に応じた各レイヤの情報源符号が入力され、また付加情報受信部1601から付加モード情報、付加情報及び優先度情報が入力された場合には、まず優先度情報から、音声情報と付加情報のどちらを優先するかを意味する優先モード情報を決定し、伝送モード情報、付加モード情報及び優先モード情報の組み合わせに応じて、各レイヤの情報源符号に対して、付加情報の付加処理を行い、得られた情報源符号、伝送モード情報、付加モード情報、付加情報フラグ及び優先モード情報を符号化情報統合部1604に出力する。また、付加処理部1603は、符号化情報解析部1602から、伝送モード情報、付加情報フラグ及び伝送モード情報に応じた各レイヤの情報源符号が入力されず、また付加情報受信部1601から付加モード情報、付加情報及び優先度情報が入力されない場合には、何も動作しない。
符号化情報統合部1604は、付加処理部1603から伝送モード情報、付加モード情報、付加情報フラグ及び各種の情報源符号が入力された場合、それらを統合した後、変換後符号化情報として制御スイッチ1606に出力する。また、符号化情報統合部1604は、付加処理部1603から伝送モード情報、付加モード情報、付加情報フラグ及び各種の情報源符号が入力されない場合には何も動作しない。
以上が、図15の中継装置1501の構成についての説明である。
次に、図16の付加処理部1603の構成について図17を用いて説明する。付加処理部1603は、付加情報符号化部1701と、付加情報統合部1702と、優先モード情報決定部1703とから主に構成される。
優先モード情報決定部1703は、付加情報受信部1601から優先度情報が入力され、優先度情報Pと、優先モード情報決定閾値P
thrを比較し、優先モード情報P
modeを決定し、これを付加情報符号化部1701に出力する。ここで優先モード情報決定閾値P
thrは、0.0〜5.0までの予め定められた値とする。また、この優先モード情報決定閾値P
thrは、伝送モード情報、付加モード情報、付加情報のカテゴリ、付加情報が音声信号であった場合に付加情報中に含まれるキーワード、付加情報の平均利得、韻律特性、またユーザ(送受信)側の指示によって変わり得る値とする。例えば、付加モード情報の値が大きい場合(bitrate1’など)には、付加情報が重要であるため、優先モード情報決定閾値P
thrを小さくし、逆に伝送モード情報の値が大きい場合には優先モード情報決定閾値P
thrを大きくするといった手法が挙げられる。また、優先モード情報P
modeは、「0」または「1」の二種類の値をとり、優先モード情報P
modeが「0」の場合は音声情報を優先し、優先モード情報P
modeが「1」の場合は付加情報を優先するということを意味する。また、優先モード情報P
modeは、以下の式(4)により決定される。
付加情報符号化部1701は、付加情報受信部1601から付加モード情報、付加情報が入力され、符号化情報解析部1602から伝送モード情報及び付加情報フラグが入力され、また優先モード情報決定部1703から優先モード情報が入力された場合、付加モード情報、伝送モード情報及び優先モード情報の組み合わせに応じた伝送ビットレートにより、付加情報に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた情報源符号(以下、「付加情報情報源符号」という)、伝送モード情報、付加モード情報及び優先モード情報を付加情報統合部1702に出力する。なお、付加情報符号化部1701は、付加モード情報、付加情報、伝送モード情報、付加情報フラグ及び優先モード情報が入力されない場合には何も動作しない。
以下、付加情報符号化部1701における符号化処理について伝送モード情報及び付加モード情報の組み合わせに応じた9パターンに分け、具体的に説明する。但し、パターン1、5、9以外のパターンについては、優先モード情報Pmodeの値に関わらず、上述した実施の形態1の付加情報符号化部701の処理パターンと同一であるため、ここでは説明は省略する。
付加情報符号化部1701は、入力される情報(信号)を複数の伝送ビットレートで符号化可能なマルチレート符号化方法を備える。本実施の形態では、付加情報受信部1601から得られる付加モード情報と符号化情報解析部1602から得られる伝送モード情報との組み合わせに応じて、予め定められた6種類の伝送ビットレートbitrate1”、bitrate2”、bitrate3”、bitrate4”、bitrate5”、bitrate6”の値を取り得るものとする。また、この6種類の伝送ビットレートの値は、bitrate1、bitrate2及びbitrate3を用いて上記式(1)ように表せる。
(パターン1)
付加情報符号化部1701は、付加情報受信部1601から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ符号化情報解析部1602から得られる伝送モード情報がbitrate3であり、かつ優先モード情報決定部1703から得られる優先モード情報Pmodeの値が「1」である場合には、付加情報をbitrate3”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、付加情報フラグ及び優先モード情報を付加情報統合部1702に出力する(パターン1a)。
また、付加情報符号化部1701は、付加情報受信部1601から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ符号化情報解析部1602から得られる伝送モード情報がbitrate3であり、かつ優先モード情報決定部1703から得られる優先モード情報Pmodeの値が「0」である場合には、付加情報の符号化処理は行わず、付加モード情報、伝送モード情報、付加情報フラグ及び優先モード情報を付加情報統合部1702に出力する(パターン1b)。
(パターン5)
付加情報符号化部1701は、付加情報受信部1601から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ符号化情報解析部1602から得られる伝送モード情報がbitrate2であり、優先モード情報決定部1703から得られる優先モード情報Pmodeの値が「1」である場合には、付加情報をbitrate2”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、付加情報フラグ及び優先モード情報を付加情報統合部1702に出力する(パターン5a)。
また、付加情報符号化部1701は、付加情報受信部1601から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ符号化情報解析部1602から得られる伝送モード情報がbitrate2であり、優先モード情報決定部1703から得られる優先モード情報Pmodeの値が「0」である場合には、付加情報の符号化処理は行わず、付加モード情報、伝送モード情報、付加情報フラグ及び優先モード情報を付加情報統合部1702に出力する(パターン5b)。
(パターン9)
付加情報符号化部1701は、付加情報受信部1601から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ符号化情報解析部1602から得られる伝送モード情報がbitrate1であり、優先モード情報決定部1703から得られる優先モード情報Pmodeの値が「1」である場合には、付加情報をbitrate1”が示す伝送ビットレートを用いて、CELPタイプの音声符号化方法により符号化を行い、得られた付加情報情報源符号、付加モード情報、伝送モード情報、付加情報フラグ、優先モード情報を付加情報統合部1702に出力する(パターン9a)。
また、付加情報符号化部1701は、付加情報受信部1601から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ符号化情報解析部1602から得られる伝送モード情報がbitrate1であり、優先モード情報決定部1703から得られる優先モード情報Pmodeの値が「1」である場合には、付加情報の符号化処理は行わず、付加モード情報、伝送モード情報、付加情報フラグ及び優先モード情報を付加情報統合部1702に出力する(パターン9b)。
以上が、付加情報符号化部1701における符号化処理についての説明である。
付加情報統合部1702は、付加情報符号化部1701から付加モード情報、付加情報情報源符号、伝送モード情報、付加情報フラグ、及び優先モード情報が入力され、符号化情報解析部1602から各レイヤの情報源符号が入力された場合、付加モード情報、伝送モード情報、及び優先モード情報の組み合わせに応じて、各レイヤの情報源符号と付加情報情報源符号との統合処理を行い、得られた情報源符号、付加情報情報源符号、伝送モード情報、付加情報フラグ及び付加モード情報を符号化情報統合部1604に出力する。なお、付加情報統合部1702は、付加モード情報、付加情報情報源符号、伝送モード情報、付加情報フラグ、優先モード情報及び各レイヤの情報源符号が入力されない場合には何も動作しない。
以下、付加情報統合部1702における統合処理について伝送モード情報、付加モード情報、及び優先モード情報の組み合わせに応じた9パターンに分け、具体的に説明する。但し、パターン1、5、9以外のパターンについては、優先モード情報Pmodeの値に関わらず、上述した実施の形態1の付加情報統合部702の処理パターンと同一であるため、ここでは説明は省略する。
(パターン1)
付加情報統合部1702は、付加情報符号化部1701から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ伝送モード情報がbitrate3であり、かつ優先モード情報Pmodeの値が「1」である場合には、基本レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate0を代入し、付加モード情報にbitrate3”を代入し、付加情報情報源符号、付加モード情報、及び伝送モード情報を符号化情報統合部1604に出力する。また、このとき付加情報統合部1702は、「1」の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部1604に出力する(パターン1a)。
また、付加情報統合部1702は、付加情報符号化部1701から得られる付加モード情報がbitrate3’であり、かつ伝送モード情報がbitrate3であり、かつ優先モード情報Pmodeの値が0である場合には、統合処理は行わず、基本レイヤ情報源符号、及び伝送モード情報を符号化情報統合部1604に出力する。また、このとき付加情報統合部1702は、0の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部1604に出力する(パターン1b)。
(パターン5)
付加情報統合部1702は、付加情報符号化部1701から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ伝送モード情報がbitrate2であり、かつ優先モード情報Pmodeの値が「1」である場合には、基本レイヤ情報源符号、及び第1拡張レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate0を代入し、付加モード情報にbitrate2”を代入し、付加情報情報源符号、付加モード情報、及び伝送モード情報を符号化情報統合部1604に出力する。また、このとき付加情報統合部1702は、「1」の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部1604に出力する(パターン5a)。
また、付加情報統合部1702は、付加情報符号化部1701から得られる付加モード情報がbitrate2’であり、かつ伝送モード情報がbitrate2であり、かつ優先モード情報Pmodeの値が「0」である場合には、統合処理は行わず、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号及び伝送モード情報を符号化情報統合部1604に出力する。また、このとき付加情報統合部1702は、「0」の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部1604に出力する(パターン5b)。
(パターン9)
付加情報統合部1702は、付加情報符号化部1701から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ伝送モード情報がbitrate1であり、かつ優先モード情報Pmodeの値が1である場合には、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、及び第2拡張レイヤ情報源符号を付加情報情報源符号で置き換え、伝送モード情報にbitrate0を代入し、付加モード情報にbitrate1”を代入し、付加情報情報源符号、付加モード情報及び伝送モード情報を符号化情報統合部1604に出力する。また、このとき付加情報統合部1702は、「1」の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部1604に出力する(パターン9a)。
また、付加情報統合部1702は、付加情報符号化部1701から得られる付加モード情報がbitrate1’であり、かつ伝送モード情報がbitrate1であり、かつ優先モード情報Pmodeの値が0である場合には、統合処理は行わず、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、第2拡張レイヤ情報源符号、及び伝送モード情報を符号化情報統合部1604に出力する。また、このとき付加情報統合部1702は、「0」の値を代入した付加情報フラグを符号化情報統合部1604に出力する(パターン9b)。
以上が、付加情報統合部1702における統合処理についての説明である。
なお、符号化情報統合部1604から出力される符号化情報のデータ構造(ビットストリーム)は、付加情報統合部1702における(パターン1)〜(パターン9)に応じて、それぞれ図18中の(a)〜(l)のようなデータ構造となる。
このように、本実施の形態によれば、付加情報に緊急性があるかどうかを意味する優先度情報に応じて音声情報と付加情報のどちらを伝送するかを決定することにより、より柔軟な伝送方式が可能となる。
(実施の形態5)
図19は、上記実施の形態1から実施の形態4で説明した信号符号化装置、中継装置及び信号復号化装置を含む信号送信装置、中継装置及び信号受信装置の構成を示すブロック図である。以下、図19を用いて、音声信号を送受信する場合について説明する。
図19において、音声信号は、入力装置1901によって電気的信号に変換されA/D変換装置1902に出力される。A/D変換装置1902は入力装置1901から出力された(アナログ)信号をディジタル信号に変換し音声符号化装置1903に出力する。音声符号化装置1903は、図1に示した信号符号化装置101を実装し、A/D変換装置1902から出力されたディジタル音声信号を符号化し符号化情報をRF変調装置1904に出力する。RF変調装置1904は音声符号化装置1903から出力された符号化情報を電波等の伝播媒体に載せて送出するための信号に変換し送信アンテナ1905に出力する。送信アンテナ1905はRF変調装置1904から出力された出力信号を電波(RF信号)として送出する。なお、図中のRF信号1906は送信アンテナ1905から送出された電波(RF信号)を表す。
RF信号1907は中継装置受信アンテナ1908によって受信されRF復調装置1909に出力される。なお、図中のRF信号1907は中継装置受信アンテナ1908に受信された電波を表し、伝播路において信号の減衰や雑音の重畳がなければRF信号1906と全く同じものになる。
RF復調装置1909は中継装置受信アンテナ1908から出力されたRF信号から符号化情報を復調し中継装置1910に出力する。中継装置1910は、図1に示した中継装置103を実装し、RF復調装置1909から出力された音声符号化情報に含まれる伝送モード情報及び中継装置1910に入力される付加情報に応じて、音声符号化情報に付加情報を付加し、付加処理後得られた符号化情報(または変換後符号化情報)を、RF変調装置1911に出力する。RF変調装置1911は中継装置1910から出力された符号化情報(または変換後符号化情報)を電波等の伝播媒体に載せて送出するための信号に変換し中継装置送信アンテナ1912に出力する。中継装置送信アンテナ1912はRF変調装置1911から出力された出力信号を電波(RF信号)として送出する。なお、図中のRF信号1913は中継装置送信アンテナ1912から送出された電波(RF信号)を表す。
RF信号1914は受信アンテナ1915によって受信されRF復調装置1916に出力される。なお、図中のRF信号1914は受信アンテナ1915に受信された電波を表し、伝播路において信号の減衰や雑音の重畳がなければRF信号1913と全く同じものになる。
RF復調装置1916は受信アンテナ1915から出力されたRF信号から符号化情報を復調し音声復号化装置1917に出力する。音声復号化装置1917は、図1に示した信号復号化装置105を実装し、RF復調装置1916から出力された音声符号化情報から音声信号を復号化し、得られたディジタル復号化音声信号を、D/A変換装置1918に出力する。D/A変換装置1918は音声復号化装置1917から出力されたディジタル音声信号をアナログの電気的信号に変換し出力装置1919に出力する。
出力装置1919は電気的信号を空気の振動に変換し音波として人間の耳に聴こえるように出力する。
無線通信システムにおける基地局装置及び通信端末装置に、上記のような音声信号送信装置及び音声信号受信装置を備えることにより、高品質な出力信号を得ることができる。
なお、本実施の形態では、入力信号として音声信号を対象とした場合について説明したが、本発明は、音声信号以外の信号についても同様に適用することができる。
(実施の形態6)
上記実施の形態3では、中継装置において付加処理を行う際に、信号復号化装置において各レイヤの復号化信号に対して減衰・増幅処理を行うことにより復号化時に発生する異音を抑制する場合について説明したが、減衰・増幅処理を行って復号化時に発生する異音を抑制することは、単に信号符号化装置にて符号化された信号を復号する際にも適用することができる。実施の形態6では、信号符号化装置にて符号化された信号を復号する際に、減衰・増幅処理を行って復号化時に発生する異音を抑制する場合について説明する。
図20は、本実施の形態に係る信号復号化装置を含むシステム構成を示す図である。信号符号化装置2001は、伝送モード情報に応じて、入力信号に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた符号化情報を、伝送路2002を介して信号復号化装置2003に送信する。なお、ここで、伝送路2002には、信号中継装置が介在する場合もある。
信号復号化装置2003は、伝送路2002を介して受信した符号化情報に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号を出力信号として出力する。
次に、図20の信号符号化装置2001の構成について、図21のブロック図を用いて説明する。なお、信号符号化装置2001は、入力信号をNサンプルずつ区切り(Nは自然数)、Nサンプルを1フレームとしてフレーム毎に符号化を行う。
信号符号化装置2001は、伝送ビットレート制御部2101と、制御スイッチ2102〜2105と、基本レイヤ符号化部2106と、基本レイヤ復号化部2108と、加算部2107、2111と、第1拡張レイヤ符号化部2109と、第1拡張レイヤ復号化部2110と、第2拡張レイヤ符号化部2112と、符号化情報統合部2113とから主に構成される。
伝送モード情報は、伝送ビットレート制御部2101に入力される。ここで、伝送モード情報とは、入力信号を符号化し伝送する際の伝送ビットレートを指示する情報であり、予め定められた2つ以上の伝送ビットレートの中から一つの伝送ビットレートが伝送モード情報として選択される。なお、本実施の形態においては、伝送モード情報は、予め定められた4種類の伝送ビットレートbitrate0、bitrate1、bitrate2、bitrate3(bitrate3<bitrate2<bitrate1)の値を取り得るものとする。但し、bitrate0とは、符号化装置2001に入力信号が入力されない場合を意味する。また、本実施の形態では、現フレームに対する伝送モード情報(以下、Modecurとする)に加え、予め次フレームに対する伝送モード情報(以下、Modenextとする)も同時に入力されるものとする。
伝送ビットレート制御部2101は、入力した現フレームに対する伝送モード情報Modecurに応じて、制御スイッチ2102〜2105のオン/オフ制御を行う。具体的には、伝送ビットレート制御部2101は、伝送モード情報Modecurがbitrate1である場合、制御スイッチ2102〜2105を全てオン状態にする。また、伝送ビットレート制御部2101は、伝送モード情報Modecurがbitrate2である場合、制御スイッチ2102及び2103をオン状態にし、制御スイッチ2104及び2105をオフ状態にする。また、伝送ビットレート制御部2101は、伝送モード情報Modecurがbitrate3である場合、制御スイッチ2102〜2105を全てオフ状態にする。また、伝送ビットレート制御部2101は、伝送モード情報Modecur及びModenextを符号化情報統合部2113に出力する。このように、伝送ビットレート制御部2101が伝送モード情報Modecurに応じて制御スイッチをオン/オフ制御することにより、入力信号の符号化に用いる符号化部の組み合わせが決定される。
入力信号は、制御スイッチ2102及び基本レイヤ符号化部2106に入力される。
基本レイヤ符号化部2106は、入力信号に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた情報源符号(以下、「基本レイヤ情報源符号」という)を符号化情報統合部2113及び制御スイッチ2103に出力する。
基本レイヤ復号化部2108は、制御スイッチ2103がオン状態の場合、基本レイヤ符号化部2106から出力された基本レイヤ情報源符号に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号(以下、「基本レイヤ復号化信号」という)を加算部2107に出力する。なお、基本レイヤ復号化部2108は、制御スイッチ2103がオフ状態の場合には何も動作しない。
加算部2107は、制御スイッチ2102、2103がオン状態の場合、入力信号に、基本レイヤ復号化信号の極性を反転させた信号を加算し、加算結果である第1差分信号を第1拡張レイヤ符号化部2109及び制御スイッチ2104に出力する。なお、加算部2107は、制御スイッチ2102、2103がオフ状態の場合には何も動作しない。
第1拡張レイヤ符号化部2109は、制御スイッチ2102、2103がオン状態の場合、加算部2107から得られる第1差分信号に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた情報源符号(以下、「第1拡張レイヤ情報源符号」という)を制御スイッチ2105及び符号化情報統合部2113に出力する。なお、第1拡張レイヤ符号化部2109は、制御スイッチ2102、2103がオフ状態の場合には何も動作しない。
第1拡張レイヤ復号化部2110は、制御スイッチ2105がオン状態の場合、第1拡張レイヤ符号化部2109から出力された第1拡張レイヤ情報源符号に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号(以下、「第1拡張レイヤ復号化信号」という)を加算部2111に出力する。なお、第1拡張レイヤ復号化部2110は、制御スイッチ2105がオフ状態の場合には何も動作しない。
加算部2111は、制御スイッチ2104、2105がオン状態の場合、制御スイッチ2104から得られる第1差分信号に、第1拡張レイヤ復号化信号の極性を反転させた信号を加算し、加算結果である第2差分信号を第2拡張レイヤ符号化部2112に出力する。なお、加算部2111は、制御スイッチ2104、2105がオフ状態の場合には何も動作しない。
第2拡張レイヤ符号化部2112は、制御スイッチ2104、2105がオン状態の場合、加算部2111から出力される第2差分信号に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた情報源符号(以下、「第2拡張レイヤ情報源符号」という)を符号化情報統合部2113に出力する。なお、第2拡張レイヤ符号化部2112は、制御スイッチ2104、2105がオフ状態の場合には何も動作しない。
符号化情報統合部2113は、基本レイヤ符号化部2106、第1拡張レイヤ符号化部2109、及び第2拡張レイヤ符号化部2112から出力された情報源符号、及び伝送ビットレート制御部2101から出力される伝送モード情報Modecur、Modenextとを統合し、これを符号化情報として伝送路2002に出力する。
以上が、図20の信号符号化装置2001の構成の説明である。なお、基本レイヤ符号化部2106の内部構成は、図4に示した基本レイヤ符号化部206と同一であるので説明を省略する。また、第1拡張レイヤ符号化部2109及び第2拡張レイヤ符号化部2112の内部構成は、基本レイヤ符号化部2106と同一であり、入力される信号の種類及び出力される情報源符号の種類のみが異なるので、その説明を省略する。
また、なお、基本レイヤ復号化部2108の内部構成は、図5に示した基本レイヤ復号化部208と同一であるので説明を省略する。また、第1拡張レイヤ復号化部2110の内部構成は、基本レイヤ復号化部2108の内部構成と同一であり、入力される情報源符号の種類及び出力される信号の種類のみが異なるので、その説明を省略する。
次に、符号化情報のデータ構造(ビットストリーム)について図22を用いて説明する。伝送モード情報Modecurがbitrate3である場合、符号化情報は、図22(a)に示すように、伝送モード情報Modecur及びModenext、及び基本レイヤ情報源符号から構成される。伝送モード情報Modecurがbitrate2である場合、符号化情報は、図22(b)に示すように、伝送モード情報Modecur及びModenext、基本レイヤ情報源符号、及び第1拡張レイヤ情報源符号から構成される。伝送モード情報Modecurがbitrate1である場合、符号化情報は、図22(c)に示すように、伝送モード情報Modecur及びModenext、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、及び第2拡張レイヤ情報源符号から構成される。
次に、図20の信号復号化装置2003の構成について図23を用いて説明する。
信号復号化装置2003は、復号化動作制御部2301と、基本レイヤ復号化部2302と、第1拡張レイヤ復号化部2303と、第2拡張レイヤ復号化部2304と、利得調整部2308〜2310と、制御スイッチ2305〜2307と、加算部2311、2312とから主に構成される。
符号化情報は、復号化動作制御部2301に入力される。
復号化動作制御部2301は、前フレームに対する伝送モード情報(初期値はbitrate0とし、以下Modepreとする)を記憶するメモリを内部に有し、入力された符号化情報を伝送モード情報Modecur及びModenext、各レイヤの情報源符号に分離し、伝送モード情報Modepre、Modecur、Modenextに応じて、利得調整部2308〜2310、及び制御スイッチ2305〜2307の制御を行う。また、各レイヤの情報源符号を基本レイヤ復号化部2302、第1拡張レイヤ復号化部2303及び第2拡張レイヤ復号化部2304に出力する。
次に、伝送モード情報Modepre、Modecur、Modenextに応じた、復号化動作制御部2301の動作について詳しく説明する。
(パターン1)
復号化動作制御部2301は、伝送モード情報Mode
pre、Mode
cur、Mode
nextが以下の式(5)を満たす場合、現フレームに対して、Mode
preとMode
nextの値を用いて、Mode
preが示す伝送ビットレートを上限とし、Mode
nextが示す伝送ビットレートを下限としたフェードアウト処理を行う。
この時、復号化動作制御部2301は、Modepreが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2305〜2307の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2301は、Modepreがbitrate2の場合は、制御スイッチ2305、2306をオン状態にし、制御スイッチ2307をオフ状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2303に出力する。また、Modepreがbitrate3の場合は、制御スイッチ2305をオン状態にし、制御スイッチ2306、2307をオフ状態し、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2301は、Modepre、Modenextが示す伝送ビットレートに応じて利得調整部2308〜2310の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2301は、Modepreがbitrate2であり、かつModenextがbitrate3の場合は、利得調整部2309をフェードアウト状態にし、利得調整部2308、2310をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2301は、Modepreがbitrate2であり、かつModenextがbitrate0の場合は、利得調整部2308、2309をフェードアウト状態にし、利得調整部2310をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2301は、Modepreがbitrate3であり、かつModenextがbitrate0の場合は、利得調整部2308をフェードアウト状態にし、利得調整部2309、2310をオフ状態にする。
(パターン2)
復号化動作制御部2301は、伝送モード情報Mode
pre、Mode
cur、Mode
nextが以下の式(6)を満たす場合、現フレームに対して、Mode
pre(=Mode
next)が示す伝送ビットレートで通常の復号化を行う。
この時、復号化動作制御部2301は、Modepreが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2305〜2307の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2301は、Modepreがbitrate2の場合は、制御スイッチ2305、2306をオン状態にし、制御スイッチ2307をオフ状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2303に出力する。また、Modepreがbitrate3の場合は、制御スイッチ2305をオン状態にし、制御スイッチ2306、2307をオフ状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2301は、利得調整部2308〜2310を全てオフ状態にする。
(パターン3)
復号化動作制御部2301は、伝送モード情報Mode
pre、Mode
cur、Mode
nextが以下の式(7)を満たす場合、現フレームに対して、Mode
preとMode
nextの値を用いて、Mode
preが示す伝送ビットレートを下限とし、Mode
nextが示す伝送ビットレートを上限としたフェードイン処理を行う。
この時、復号化動作制御部2301は、Modenextが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2305〜2307の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2301は、Modenextがbitrate2の場合は、制御スイッチ2305、2306をオン状態にし、制御スイッチ2307をオフ状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2303に出力する。また、Modenextがbitrate3の場合は、制御スイッチ2305をオン状態にし、制御スイッチ2306、2307をオフ状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2301は、Modepre、Modenextが示す伝送ビットレートに応じて利得調整部2308〜2310の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2301は、Modepreがbitrate3であり、かつModenextがbitrate2の場合は、利得調整部2309をフェードイン状態にし、利得調整部2308、2310をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2301は、Modepreがbitrate0であり、かつModenextがbitrate2の場合は、利得調整部2308、2309をフェードイン状態にし、利得調整部2310をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2301は、Modepreがbitrate0であり、かつModenextがbitrate3の場合は、利得調整部2308をフェードイン状態にし、利得調整部2309、2310をオフ状態にする。
(パターン4)
復号化動作制御部2301は、伝送モード情報Mode
pre、Mode
cur、Mode
nextが以下の式(8)を満たす場合、現フレームに対して、Mode
curとMode
nextの値を用いて、Mode
curが示す伝送ビットレートを上限とし、Mode
nextが示す伝送ビットレートを下限としたフェードアウト処理を行う。
この時、復号化動作制御部2301は、Modecurが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2305〜2307の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2301は、Modecurがbitrate1の場合は、制御スイッチ2305〜2307を全てオン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2303に出力し、第2拡張レイヤ情報源符号を第2拡張レイヤ復号化部3304に出力し、Modecurがbitrate2の場合は、制御スイッチ2305、2306をオン状態にし、制御スイッチ2307をオフ状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2303に出力する。また、Modecurがbitrate3の場合は、制御スイッチ2305をオン状態にし、制御スイッチ2306、2307をオフ状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2301は、Modecur、Modenextが示す伝送ビットレートに応じて利得調整部2305〜2307の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2301は、Modecurがbitrate1であり、かつModenextがbitrate2の場合は、利得調整部2310をフェードアウト状態にし、利得調整部2308、2309をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2301は、Modecurがbitrate1であり、かつModenextがbitrate3の場合は、利得調整部2309、2310をフェードアウト状態にし、利得調整部2308をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2301は、Modecurがbitrate1であり、かつModenextがbitrate0の場合は、利得調整部2308〜2310を全てフェードアウト状態にする。また、復号化動作制御部2301は、Modecurがbitrate2であり、かつModenextがbitrate3の場合は、利得調整部2309をフェードアウト状態にし、利得調整部2308、2310をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2301は、Modecurがbitrate2であり、かつModenextがbitrate0の場合は、利得調整部2308、2309をフェードアウト状態にし、利得調整部2310をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2301は、Modecurがbitrate3であり、かつModenextがbitrate0の場合は、利得調整部2308をフェードアウト状態にし、利得調整部2309、2310をオフ状態にする。
(パターン5)
復号化動作制御部2301は、伝送モード情報Mode
pre、Mode
cur、Mode
nextが以下の式(9)を満たす場合、現フレームに対して、Mode
preとMode
curの値を用いて、Mode
preが示す伝送ビットレートを下限とし、Mode
curが示す伝送ビットレートを上限としたフェードイン処理を行う。
この時、復号化動作制御部2301は、Modecurが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2305〜2307の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2301は、Modecurがbitrate1の場合は、制御スイッチ2305〜2307を全てオン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2303に出力し、第2拡張レイヤ情報源符号を第2拡張レイヤ復号化部2304に出力する。Modecurがbitrate2の場合は、制御スイッチ2305、2306をオン状態にし、制御スイッチ2307をオフ状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2303に出力する。また、Modecurがbitrate3の場合は、制御スイッチ2305をオン状態にし、制御スイッチ2306、2307をオフ状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2301は、Modepre、Modecurが示す伝送ビットレートに応じて利得調整部2308〜2310の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2301は、Modepreがbitrate2であり、かつModecurがbitrate1の場合は、利得調整部2310をフェードイン状態にし、利得調整部2308、2309をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2301は、Modepreがbitrate3であり、かつModecurがbitrate1の場合は、利得調整部2309、2310をフェードイン状態にし、利得調整部2308をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2301は、Modepreがbitrate0であり、かつModecurがbitrate1の場合は、利得調整部2308〜2310を全てフェードイン状態にする。また、復号化動作制御部2301は、Modepreがbitrate3であり、かつModecurがbitrate2の場合は、利得調整部2309をフェードイン状態にし、利得調整部2308、2310をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2301は、Modepreがbitrate0であり、かつModecurがbitrate2の場合は、利得調整部2308、2309をフェードイン状態にし、利得調整部2310をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2301は、Modepreがbitrate0であり、かつModecurがbitrate3の場合は、利得調整部2308をフェードイン状態にし、利得調整部2309、2310をオフ状態にする。
(パターン6)
復号化動作制御部2301は、伝送モード情報Modepre、Modecur、Modenextがパターン1〜5中の式(5)〜式(9)のどれも満たさない場合、現フレームに対して、Modecurが示す伝送ビットレートで通常の復号化を行う。
この時、復号化動作制御部2301は、Modecurが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2305〜2307の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2301は、Modecurがbitrate1の場合は、制御スイッチ2305〜2307を全てオン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2303に出力し、第2拡張レイヤ情報源符号を第2拡張レイヤ復号化部2304に出力する。Modecurがbitrate2の場合は、制御スイッチ2305、2306をオン状態にし、制御スイッチ2307をオフ状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2303に出力する。また、Modecurがbitrate3の場合は、制御スイッチ2305をオン状態にし、制御スイッチ2306、2307をオフ状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2302に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2301は、利得調整部2308〜2310を全てオフ状態にする。
以上が、復号化動作制御部2301による制御スイッチ2305〜2307、利得調整部2308〜2310の制御方法、及び各レイヤの復号化部に出力する情報源符号の決定方法の説明である。
次に、復号化動作制御部2301は、前フレームに対する伝送モード情報Modepreを記憶するメモリに、現フレームに対する伝送モード情報Modecurを代入し、値を更新する。
基本レイヤ復号化部2302は、制御スイッチ2305がオン状態の場合、復号化動作制御部2301から出力された基本レイヤ情報源符号に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号(以下、「基本レイヤ復号化信号」という)を利得調整部2308に出力する。なお、基本レイヤ復号化部2302は、制御スイッチ2305がオフ状態の場合には何も動作しない。
第1拡張レイヤ復号化部2303は、制御スイッチ2306がオン状態の場合、復号化動作制御部2301から出力された第1拡張レイヤ情報源符号に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号(以下、「第1拡張レイヤ復号化信号」という)を利得調整部2309に出力する。なお、第1拡張レイヤ復号化部2303は、制御スイッチ2306がオフ状態の場合には何も動作しない。
第2拡張レイヤ復号化部2304は、制御スイッチ2307制御スイッチ2307がオン状態の場合、復号化動作制御部2301から出力された第2拡張レイヤ情報源符号に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号(以下、「第2拡張レイヤ復号化信号」という)を利得調整部2310に出力する。なお、第2拡張レイヤ復号化部2304は、制御スイッチ2307がオフ状態の場合には何も動作しない。
なお、基本レイヤ復号化部2302、第1拡張レイヤ復号化部2303、及び第2拡張レイヤ復号化部2304の内部構成は、上述した基本レイヤ復号化部208と同一であり、入力される情報源符号の種類及び出力される信号の種類のみが異なるので、その説明は省略する。
利得調整部2308は、基本レイヤ復号化部2302から基本レイヤ復号化信号が入力される。また、利得調整部2308は、復号化動作制御部2301によりフェードアウト/フェードイン/オフ状態が制御される。
利得調整部2308は、復号化動作制御部2301によりオフ状態に制御された場合は、基本レイヤ復号化部2302から得られる基本レイヤ復号化信号をそのまま加算部2312に出力する。また、利得調整部2308は、復号化動作制御部2301によりフェードアウト状態に制御された場合は、以下の式(10)により、基本レイヤ復号化部2302から得られる基本レイヤ復号化信号に対して減衰処理を行い、得られた信号を加算部2312に出力する。
ここで、Nsは1フレームにおけるサンプル数Nより定められる値であり、Xbaseiは基本レイヤ復号化信号であり、Xbase’iは減衰後の復号化信号である。
また、利得調整部2308は、復号化動作制御部2301によりフェードイン状態に制御された場合は、以下の式(11)により、基本レイヤ復号化部2302から得られる基本レイヤ復号化信号に対して増幅処理を行い、得られた信号を加算部2312に出力する。
ここで、上記式(10)と同様に、Nsは1フレームにおけるサンプル数Nより定められる値であり、Xbaseiは基本レイヤ復号化信号であり、Xbase”iは増幅後の復号化信号である。
利得調整部2309は、利得調整部2308において、入力信号を第1拡張レイヤ復号化信号に置き換え、加算部2312を加算部2311に置き換える以外は利得調整部2308の構成と同様であり、説明は省略する。また利得調整部2310は、利得調整部2308において、入力信号を第2拡張レイヤ復号化信号に置き換え、加算部2312を加算部2311に置き換える以外は利得調整部2308の構成と同様であり、説明は省略する。
加算部2311は、制御スイッチ2306、2307がオン状態である場合、第2拡張レイヤ復号化部2304から出力された第2拡張レイヤ復号化信号と第1拡張レイヤ復号化部2303から出力された第1拡張レイヤ復号化信号とを加算し、加算後の信号を加算部2312に出力する。また、加算部2311は、制御スイッチ2307がオフ状態であり、かつ、制御スイッチ2306がオン状態である場合、第1拡張レイヤ復号化部2303から出力された第1拡張レイヤ復号化信号を加算部2312に出力する。なお、加算部2311は、制御スイッチ2306、2307がオフ状態である場合、何も動作しない。
加算部2312は、制御スイッチ2305、2306がオン状態である場合、基本レイヤ復号化部2302から出力された基本レイヤ復号化信号と加算部2311の出力信号とを加算し、加算後の信号を出力信号として出力する。また、加算部2312は、制御スイッチ2305がオン状態であり、制御スイッチ2306がオフ状態である場合、基本レイヤ復号化部2302から出力された基本レイヤ復号化信号を出力信号として出力する。また、加算部2312は、制御スイッチ2305、2306がオフ状態である場合、何も動作しない。
以上が、図20の信号復号化装置2003の内部構成の説明である。
このような構成により、本実施の形態によれば、スケーラブル符号化方式/復号化方式での通信時において、復号化時に用いるレイヤ数が増減することにより発生する異音を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、信号符号化装置において、連続するフレーム間の伝送モード情報の切り替わりを検知し、その情報を符号化情報に含めることにより、信号復号化装置でレイヤ数(伝送ビットレート)が変更する際の異音を抑圧する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、伝送路中に存在する信号中継装置において伝送ビットレートを切り替えるような状況に対しても、信号符号化装置における処理と同様の処理を行うことにより、信号復号化装置でレイヤ数(伝送ビットレート)が変更する際の異音を抑圧するという場合についても同様に適用することができる。
また、本実施の形態では、次フレームの伝送モード情報が予め得られる状況において、信号復号化装置が、入力された符号化情報に含まれる次フレーム、前フレーム、現フレームの伝送モード情報に応じて復号化に利用するレイヤ数を切替える場合について説明した。なお、本発明はこれに限らず、符号化情報中に伝送誤り検出ビット等を含め、信号復号化装置内に備えられた伝送誤り検出部により伝送誤りを検出し、その結果、復号化時に利用するレイヤ数を変更し、1フレーム分遅延させた符号化情報(内部バッファに格納することで)を復号化する場合に対しても同様に適用できる。例えば、二つ前のフレームの伝送モード情報がbitrate1であり、かつ一つ前のフレームの伝送モード情報がbitrate2であり、かつ現フレームの伝送モード情報がbitrate2で伝送される符号化情報において、信号復号化装置内の伝送誤り検出部が、現フレーム(bitrate2)の最上位レイヤ(第1拡張レイヤ)の情報源符号に伝送誤りを検出した場合は、内部バッファに格納した前フレームの符号化情報に対して、上述した(パターン4)のフェードアウト処理をすることにより、レイヤ数の変化による異音を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、符号化装置における符号化方法として、CELPタイプの音声符号化/復号化を行う場合について説明したが、本発明はこれに限られず、静止画像、動画像等の音声・楽音信号以外の信号についても同様に適用することができる。
また、本発明は階層を限定するものではなく、複数階層で構成された階層的な信号符号化/復号化方法において、下位レイヤでの入力信号と出力信号との差である残差信号を上位レイヤで符号化する場合について適用することができる。
また、本実施の形態の図23に示した構成を、メモリ、ディスク、テープ、CD、DVD等の機械読み取り可能な記録媒体に記録、書き込みをし、動作を行う場合についても本発明は適用することができ、本実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
(実施の形態7)
上述した実施の形態1では、各レイヤで扱う信号のサンプリング周波数が同一であるスケーラブル符号化/復号化方式において、信号の復号化時のレイヤ数(伝送ビットレート)が変動した場合に対する異音抑圧処理について説明したが、本発明はこれに限らず、各レイヤで扱う信号のサンプリング周波数が異なるスケーラブル符号化/復号化方式(周波数スケーラブル符号化/復号化方式)に対しても同様に適用することができる。
本発明の実施の形態7では、周波数スケーラブル符号化/復号化方式において、信号の復号化時のレイヤ数(伝送ビットレート)が変動した場合に対する異音抑制処理について説明する。
なお、本実施の形態における全体的なシステムの構成は実施の形態6の図20と同様であり、信号符号化装置2001の作用は実施の形態6と同一である。
図24は、本実施の形態に係る信号符号化装置2001の構成を示すブロック図である。なお、信号符号化装置2001は、入力信号をNサンプルずつ区切り(Nは自然数)、Nサンプルを1フレームとしてフレーム毎に符号化を行う。
信号符号化装置2001は、伝送ビットレート制御部2401と、制御スイッチ2402〜2405と、ダウンサンプリング処理部2406、2410と、基本レイヤ符号化部2407と、基本レイヤ復号化部2408と、アップサンプリング処理部2409、2414と、加算部2411、2415と、第1拡張レイヤ符号化部2412と、第1拡張レイヤ復号化部2413と、第2拡張レイヤ符号化部2416と、符号化情報統合部2417とから主に構成される。
伝送モード情報は、伝送ビットレート制御部2401に入力される。ここで、伝送モード情報とは、入力信号を符号化し伝送する際の伝送ビットレートを指示する情報であり、予め定められた2つ以上の伝送ビットレートの中から一つの伝送ビットレートが伝送モード情報として選択される。なお、本実施の形態においては、伝送モード情報は、予め定められた4種類の伝送ビットレートbitrate0、bitrate1、bitrate2、bitrate3(bitrate3<bitrate2<bitrate1)の値を取り得るものとする。但し、bitrate0とは、符号化装置2001に入力信号が入力されない場合を意味する。また、本実施の形態では、現フレームに対する伝送モード情報(以下、Modecurとする)に加え、予め次フレームに対する伝送モード情報(以下、Modenextとする)も同時に入力されるものとする。
伝送ビットレート制御部2401は、入力した現フレームに対する伝送モード情報Modecurに応じて、制御スイッチ2402〜2405のオン/オフ制御を行う。具体的には、伝送ビットレート制御部2401は、伝送モード情報Modecurがbitrate1である場合、制御スイッチ2402〜2405を全てオン状態にする。また、伝送ビットレート制御部2401は、伝送モード情報Modecurがbitrate2である場合、制御スイッチ2402及び2403をオン状態にし、制御スイッチ2404及び2405をオフ状態にする。また、伝送ビットレート制御部2401は、伝送モード情報Modecurがbitrate3である場合、制御スイッチ2402〜2405を全てオフ状態にする。また、伝送ビットレート制御部2401は、伝送モード情報Modecur及びModenextを符号化情報統合部2417に出力する。このように、伝送ビットレート制御部2401が伝送モード情報Modecurに応じて制御スイッチをオン/オフ制御することにより、入力信号の符号化に用いる符号化部の組み合わせが決定される。
入力信号は、制御スイッチ2402及びダウンサンプリング処理部2406に入力される。以下、入力信号のサンプリング周波数を「入力サンプリング周波数」という。
ダウンサンプリング処理部2406は、入力信号をダウンサンプリングし、基本レイヤ符号化部2407に出力する。以下、ダウンサンプリング処理部2406におけるダウンサンプリング後のサンプリング周波数を「基本レイヤサンプリング周波数」という。
基本レイヤ符号化部2407は、ダウンサンプリング処理部2406の出力信号に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた符号化情報(以下、「基本レイヤ情報源符号」という)を符号化情報統合部2417及び制御スイッチ2403に出力する。
基本レイヤ復号化部2408は、制御スイッチ2403がオン状態の場合、基本レイヤ符号化部2407から出力された基本レイヤ情報源符号に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号(以下、「基本レイヤ復号化信号」という)をアップサンプリング処理部2409に出力する。なお、基本レイヤ復号化部2408は、制御スイッチ2403がオフ状態の場合には何も動作しない。
アップサンプリング処理部2409は、制御スイッチ2403がオン状態の場合、基本レイヤ復号化部2408から出力された基本レイヤ復号化信号を第1拡張レイヤ周波数にアップサンプリングし、アップサンプリング後の信号を加算部2411に出力する。なお、アップサンプリング処理部2409は、制御スイッチ2403がオフ状態の場合には何も動作しない。
ダウンサンプリング処理部2410は、制御スイッチ2402、2403がオン状態の場合、制御スイッチ2402を介して出力される入力信号のサンプリング周波数をダウンサンプリングし、ダウンサンプリング後の信号を加算部2411に出力する。以下、ダウンサンプリング処理部2410におけるダウンサンプリング後のサンプリング周波数を「第1拡張レイヤサンプリング周波数」という。なお、ダウンサンプリング処理部2410は、制御スイッチ2402、2403がオフ状態の場合には何も動作しない。
加算部2411は、制御スイッチ2402、2403がオン状態の場合、ダウンサンプリング処理部2410から出力される信号に、アップサンプリング処理部2409の出力信号の極性を反転させた信号を加算し、加算結果である第1差分信号を第1拡張レイヤ符号化部2412に出力する。なお、加算部2411は、制御スイッチ2402、2403がオフ状態の場合には何も動作しない。
第1拡張レイヤ符号化部2412は、制御スイッチ2402、2403がオン状態の場合、加算部2411の出力信号に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた符号化情報(以下、「第1拡張レイヤ情報源符号」という)を制御スイッチ2405及び符号化情報統合部2417に出力する。なお、第1拡張レイヤ符号化部2412は、制御スイッチ2402、2403がオフ状態の場合には何も動作しない。
第1拡張レイヤ復号化部2413は、制御スイッチ2405がオン状態の場合、第1拡張レイヤ符号化部2412から出力された第1拡張レイヤ情報源符号に対してCELPタイプの音声復号化方法を用いて復号化を行い、復号化により得られた復号化信号(以下、「第1拡張レイヤ復号化信号」という)をアップサンプリング処理部2414に出力する。なお、第1拡張レイヤ復号化部2413は、制御スイッチ2405がオフ状態の場合には何も動作しない。
アップサンプリング処理部2414は、制御スイッチ2405がオン状態の場合、第1拡張レイヤ復号化部2413から出力された第1拡張レイヤ復号化信号を入力サンプリング周波数にアップサンプリングし、アップサンプリング後の信号を加算部2415に出力する。なお、アップサンプリング処理部2414は、制御スイッチ2405がオフ状態の場合には何も動作しない。
加算部2415は、制御スイッチ2404、2405がオン状態の場合、入力信号に、アップサンプリング処理部2414の出力信号の極性を反転させた信号を加算し、加算結果である第2差分信号を第2拡張レイヤ符号化部2416に出力する。なお、加算部2415は、制御スイッチ2404、2405がオフ状態の場合には何も動作しない。
第2拡張レイヤ符号化部2416は、制御スイッチ2404、2405がオン状態の場合、加算部2415から出力される第2差分信号に対してCELPタイプの音声符号化方法を用いて符号化を行い、符号化により得られた符号化情報(以下、「第2拡張レイヤ情報源符号」という)を符号化情報統合部2417に出力する。なお、第2拡張レイヤ符号化部2416は、制御スイッチ2404、2405がオフ状態の場合には何も動作しない。
符号化情報統合部2417は、基本レイヤ符号化部2407、第1拡張レイヤ符号化部2412、及び第2拡張レイヤ符号化部2416から出力された情報源符号と伝送ビットレート制御部2401から出力される伝送モード情報Modecur、Modenextとを統合し、これを符号化情報として伝送路2002に出力する。
なお、基本レイヤ符号化部2407、基本レイヤ復号化部2408、第1拡張レイヤ符号化部2412、第1拡張レイヤ復号化部2413、及び第2拡張レイヤ符号化部2416内部構成については上述したものと同一であり、ここでは説明は省略する。
また、信号符号化装置2001から出力される符号化情報のデータ構造(ビットストリーム)は図22と同一であるため説明は省略する。
以上が、本実施の形態における図20の信号符号化装置2001の構成の説明である。
次に、図20の信号復号化装置2003の構成について図25を用いて説明する。
信号復号化装置2003は、復号化動作制御部2501と、基本レイヤ復号化部2502と、第1拡張レイヤ復号化部2503と、第2拡張レイヤ復号化部2504と、利得調整部2505〜2507と、アップサンプリング処理部2508、2509と、加算部2510、2511と、制御スイッチ2512〜2519と、から主に構成される。
符号化情報は、復号化動作制御部2501に入力される。
復号化動作制御部2501は、前フレームに対する伝送モード情報(初期値はbitrate0とし、以下Modepreとする)を記憶するメモリを内部に有し、入力された符号化情報を伝送モード情報Modecur及びModenext、各レイヤの情報源符号に分離し、伝送モード情報Modepre、Modecur、Modenextに応じて、利得調整部2505〜2507、及び制御スイッチ2512〜2519の制御を行い、また各レイヤの情報源符号を基本レイヤ復号化部2502、第1拡張レイヤ復号化部2503及び第2拡張レイヤ復号化部2504に出力する。
次に、伝送モード情報Modepre、Modecur、Modenextに応じた、復号化動作制御部2501の動作について詳しく説明する。
(パターン1)
復号化動作制御部2501は、伝送モード情報Mode
pre、Mode
cur、Mode
nextが以下の式(12)を満たす場合、現フレームに対して、Mode
preとMode
nextの値を用いて、Mode
preが示す伝送ビットレートを上限とし、Mode
nextが示す伝送ビットレートを下限としたフェードアウト処理を行う。
この時、復号化動作制御部2501は、Modepreが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2512〜2519の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2501は、Modepreがbitrate2の場合は、制御スイッチ2512,2513、2515、2516をオン状態にし、制御スイッチ2514、2517、2518をオフ状態にし、制御スイッチ2519を加算部2510側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2503に出力する。また、Modepreがbitrate3の場合は、制御スイッチ2512をオン状態にし、制御スイッチ2513〜2518をオフ状態し、制御スイッチ2519を利得調整部2505側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2501は、Modepre、Modenextが示す伝送ビットレートに応じて利得調整部2505〜2507の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2501は、Modepreがbitrate2であり、かつModenextがbitrate3の場合は、利得調整部2506をフェードアウト状態にし、利得調整部2505、2507をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2501は、Modepreがbitrate2であり、かつModenextがbitrate0の場合は、利得調整部2505、2506、をフェードアウト状態にし、利得調整部2507をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2501は、Modepreがbitrate3であり、かつModenextがbitrate0の場合は、利得調整部2505をフェードアウト状態にし、利得調整部2506、2507をオフ状態にする。
(パターン2)
復号化動作制御部2501は、伝送モード情報Mode
pre、Mode
cur、Mode
nextが以下の式(13)を満たす場合、現フレームに対して、Mode
pre(=Mode
next)が示す伝送ビットレートで通常の復号化を行う。
この時、復号化動作制御部2501は、Modepreが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2512〜2519の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2501は、Modepreがbitrate2の場合は、制御スイッチ2512、2513、2515、2516をオン状態にし、制御スイッチ2514、2517、2518をオフ状態にし、制御スイッチ2519を加算部2510側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2503に出力する。また、Modepreがbitrate3の場合は、制御スイッチ2512をオン状態にし、制御スイッチ2512〜2518をオフ状態にし、制御スイッチ2519を利得調整部2505側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2501は、利得調整部2505〜2507を全てオフ状態にする。
(パターン3)
復号化動作制御部2501は、伝送モード情報Mode
pre、Mode
cur、Mode
nextが以下の式(14)を満たす場合、現フレームに対して、Mode
preとMode
nextの値を用いて、Mode
preが示す伝送ビットレートを下限とし、Mode
nextが示す伝送ビットレートを上限としたフェードイン処理を行う。
この時、復号化動作制御部2501は、Modenextが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2512〜2519の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2501は、Modenextがbitrate2の場合は、制御スイッチ2512,2513、2515、2516をオン状態にし、制御スイッチ2514、2517、2518をオフ状態にし、制御スイッチ2519を加算部2510側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2503に出力する。また、Modenextがbitrate3の場合は、制御スイッチ2512をオン状態にし、制御スイッチ2513〜2518をオフ状態にし、制御スイッチ2519を利得調整部2505側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2501は、Modepre、Modenextが示す伝送ビットレートに応じて利得調整部2505〜2507の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2501は、Modepreがbitrate3であり、かつModenextがbitrate2の場合は、利得調整部2506をフェードイン状態にし、利得調整部2505、2507をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2501は、Modepreがbitrate0であり、かつModenextがbitrate2の場合は、利得調整部2505、2506をフェードイン状態にし、利得調整部2507をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2501は、Modepreがbitrate0であり、かつModenextがbitrate3の場合は、利得調整部2505をフェードイン状態にし、利得調整部2506、2507をオフ状態にする。
(パターン4)
復号化動作制御部2501は、伝送モード情報Mode
pre、Mode
cur、Mode
nextが以下の式(15)を満たす場合、現フレームに対して、Mode
curとMode
nextの値を用いて、Mode
curが示す伝送ビットレートを上限とし、Mode
nextが示す伝送ビットレートを下限としたフェードアウト処理を行う。
この時、復号化動作制御部2501は、Modecurが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2512〜2519の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2501は、Modecurがbitrate1の場合は、制御スイッチ2512〜2518を全てオン状態にし、制御スイッチ2519を加算部2511側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2503に出力し、第2拡張レイヤ情報源符号を第2拡張レイヤ復号化部2504に出力する。Modecurがbitrate2の場合は、制御スイッチ2512、2513、2515、2516をオン状態にし、制御スイッチ2514、2517、2518をオフ状態にし、制御スイッチ2519を加算部2510側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2503に出力する。また、Modecurがbitrate3の場合は、制御スイッチ2512をオン状態にし、制御スイッチ2513〜2518をオフ状態にし、制御スイッチ2519を利得調整部2505側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2501は、Modecur、Modenextが示す伝送ビットレートに応じて利得調整部2505〜2507の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2501は、Modecurがbitrate1であり、かつModenextがbitrate2の場合は、利得調整部2507をフェードアウト状態にし、利得調整部2505、2506をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2501は、Modecurがbitrate1であり、かつModenextがbitrate3の場合は、利得調整部2506、2507をフェードアウト状態にし、利得調整部2505をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2501は、Modecurがbitrate1であり、かつModenextがbitrate0の場合は、利得調整部2505〜2507を全てフェードアウト状態にする。また、復号化動作制御部2501は、Modecurがbitrate2であり、かつModenextがbitrate3の場合は、利得調整部2506をフェードアウト状態にし、利得調整部2505、2507をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2501は、Modecurがbitrate2であり、かつModenextがbitrate0の場合は、利得調整部2505、2506、をフェードアウト状態にし、利得調整部2507をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2501は、Modecurがbitrate3であり、かつModenextがbitrate0の場合は、利得調整部2505をフェードアウト状態にし、利得調整部2506、2507をオフ状態にする。
(パターン5)
復号化動作制御部2501は、伝送モード情報Mode
pre、Mode
cur、Mode
nextが以下の式(16)を満たす場合、現フレームに対して、Mode
preとMode
curの値を用いて、Mode
preが示す伝送ビットレートを下限とし、Mode
curが示す伝送ビットレートを上限としたフェードイン処理を行う。
この時、復号化動作制御部2501は、Modecurが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2512〜2519の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2501は、Modecurがbitrate1の場合は、制御スイッチ2512〜2518を全てオン状態にし、制御スイッチ2519を加算部2511側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2503に出力し、第2拡張レイヤ情報源符号を第2拡張レイヤ復号化部2504に出力する。Modecurがbitrate2の場合は、制御スイッチ2512、2513、2515、2516をオン状態にし、制御スイッチ2514、2517、2518をオフ状態にし、制御スイッチ2519を加算部2510側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2503に出力する。また、Modecurがbitrate3の場合は、制御スイッチ2512をオン状態にし、制御スイッチ2513〜2518をオフ状態にし、制御スイッチ2519を利得調整部2505側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2501は、Modepre、Modecurが示す伝送ビットレートに応じて利得調整部2505〜2507の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2501は、Modepreがbitrate2であり、かつModecurがbitrate1の場合は、利得調整部2507をフェードイン状態にし、利得調整部2505、2506をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2501は、Modepreがbitrate3であり、かつModecurがbitrate1の場合は、利得調整部2506、2507をフェードイン状態にし、利得調整部2505をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2501は、Modepreがbitrate0であり、かつModecurがbitrate1の場合は、利得調整部2505〜2507を全てフェードイン状態にする。また、復号化動作制御部2501は、Modepreがbitrate3であり、かつModecurがbitrate2の場合は、利得調整部2506をフェードイン状態にし、利得調整部2505、2507をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2501は、Modepreがbitrate0であり、かつModecurがbitrate2の場合は、利得調整部2505、2506をフェードイン状態にし、利得調整部2507をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2501は、Modepreがbitrate0であり、かつModecurがbitrate3の場合は、利得調整部2505をフェードイン状態にし、利得調整部2506、2507をオフ状態にする。
(パターン6)
復号化動作制御部2501は、伝送モード情報Modepre、Modecur、Modenextがパターン1〜5中の式(12)〜式(16)のどれも満たさない場合、現フレームに対して、Modecurが示す伝送ビットレートで通常の復号化を行う。
この時、復号化動作制御部2501は、Modecurが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2512〜2519の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2501は、Modecurがbitrate1の場合は、制御スイッチ2512〜2518を全てオン状態にし、制御スイッチ2519を加算部2511側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2503に出力し、第2拡張レイヤ情報源符号を第2拡張レイヤ復号化部2504に出力する。Modecurがbitrate2の場合は、制御スイッチ2512、2513、2515、2516をオン状態にし、制御スイッチ2514、2517、2518をオフ状態にし、制御スイッチ2519を加算部2510側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2503に出力する。また、Modecurがbitrate3の場合は、制御スイッチ2512をオン状態にし、制御スイッチ2513〜2518をオフ状態にし、制御スイッチ2519を利得調整部2505側オン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2502に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2501は、利得調整部2505〜2507を全てオフ状態にする。
以上が、復号化動作制御部2501による制御スイッチ2512〜2519、利得調整部2505〜2507の制御方法、及び各レイヤの復号化部に出力する情報源符号の決定方法の説明である。
次に、復号化動作制御部2501は、前フレームに対する伝送モード情報Modepreを記憶するメモリに、現フレームに対する伝送モード情報Modecurを代入し、値を更新する。
基本レイヤ復号化部2502は、制御スイッチ2512がオン状態である場合は、復号化動作制御部2501から出力される基本レイヤ情報源符号を復号化し、これを基本レイヤ復号化信号として利得調整部2505に出力する。また、基本レイヤ復号化部2502は、制御スイッチ2512がオフ状態である場合は、何も動作しない。
第1拡張レイヤ復号化部2503は、制御スイッチ2513がオン状態の場合は、復号化動作制御部2501から出力される第1拡張レイヤ情報源符号を復号化し、これを第1拡張レイヤ復号化信号として利得調整部2506に出力する。また、第1拡張レイヤ復号化部2503は、制御スイッチ2513がオフ状態の場合は、何も動作しない。
第2拡張レイヤ復号化部2504は、制御スイッチ2514がオン状態の場合は、復号化動作制御部2501から出力される第2拡張レイヤ情報源符号を復号化し、これを第2拡張レイヤ復号化信号として利得調整部2507に出力する。また、第2拡張レイヤ復号化部2504は、制御スイッチ2514がオフ状態の場合は、何も動作しない。
また、基本レイヤ復号化部2502、第1拡張レイヤ復号化部2503、第2拡張レイヤ復号化部2504の内部構成は、上述した説明と同一であり、ここでは説明を省略する。
利得調整部2505は、基本レイヤ復号化部2502から基本レイヤ復号化信号が入力される。また、利得調整部2505は、復号化動作制御部2501によりフェードアウト/フェードイン/オフ状態が制御される。
利得調整部2505は、復号化動作制御部2501によりオフ状態に制御された場合は、基本レイヤ復号化部2502から得られる基本レイヤ復号化信号をそのまま制御スイッチ2515、2519に出力する。また、利得調整部2505は、復号化動作制御部2501によりフェードアウト状態に制御された場合は、以下の式(17)により、基本レイヤ復号化部2502から得られる基本レイヤ復号化信号に対して減衰処理を行い、得られた信号を制御スイッチ2515、2519に出力する。
ここで、Nsは1フレームにおけるサンプル数Nより定められる値であり、Xbaseiは基本レイヤ復号化信号であり、Xbase’iは減衰後の復号化信号である。
また、利得調整部2505は、復号化動作制御部2501によりフェードイン状態に制御された場合は、以下の式(18)により、基本レイヤ復号化部2502から得られる基本レイヤ復号化信号に対して増幅処理を行い、得られた信号を制御スイッチ2515、2519に出力する。
ここで、上記式(17)と同様に、Nsは1フレームにおけるサンプル数Nより定められる値であり、Xbaseiは基本レイヤ復号化信号であり、Xbase”iは増幅後の復号化信号である。
利得調整部2506は、利得調整部2505において、入力信号を第1拡張レイヤ復号化信号に置き換え、制御スイッチ2515、2519を制御スイッチ2516に置き換える以外は利得調整部2505の構成と同様であり、説明は省略する。また利得調整部2507は、利得調整部2505において、入力信号を第2拡張レイヤ復号化信号に置き換え、制御スイッチ2515、2519を制御スイッチ2518に置き換える以外は利得調整部2505の構成と同様であり、説明は省略する。
アップサンプリング処理部2508は、制御スイッチ2515がオン状態の場合、利得調整部2505から出力された基本レイヤ復号化信号を第1拡張レイヤサンプリング周波数にアップサンプリングし、アップサンプリング後の信号を加算部2510に出力する。なお、アップサンプリング処理部2508は、制御スイッチ2515がオフ状態の場合には何も動作しない。
加算部2510は、制御スイッチ2515、2516がオン状態の場合、アップサンプリング処理部2508から出力される信号と、利得調整部2506から出力される第1拡張レイヤ復号化信号を加算し、これを制御スイッチ2517、2519に出力する。なお、加算部2510は、制御スイッチ2515、2516がオフ状態の場合には何も動作しない。
アップサンプリング処理部2509は、制御スイッチ2517がオン状態の場合、加算部2510から出力された信号を入力サンプリング周波数にアップサンプリングし、アップサンプリング後の信号を加算部2511に出力する。なお、アップサンプリング処理部2509は、制御スイッチ2517がオフ状態の場合には何も動作しない。
加算部2511は、制御スイッチ2517、2518がオン状態の場合、サンプリング調整部2509から出力される信号と、利得調整部2507から出力される第2拡張レイヤ復号化信号を加算し、これを制御スイッチ2519に出力する。なお、加算部2511は、制御スイッチ2517、2518がオフ状態の場合には何も動作しない。
以上が、本実施の形態における図20の信号復号化装置2002の構成の説明である。
このように、本実施の形態によれば、各レイヤで扱う信号のサンプリング周波数が異なるスケーラブル符号化/復号化方式(周波数スケーラブル符号化/復号化方式)に対しても、復号化時に用いるレイヤ数が増減することにより発生する異音を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、信号符号化装置において、連続するフレーム間の伝送モードの切り替わりを検知し、その情報を符号化情報に含めることにより、信号復号化装置でレイヤ数(伝送ビットレート)が変更する際の異音を抑圧する場合について説明した。なお、本発明はこれに限らず、伝送路中に存在する信号中継装置において伝送ビットレートを切り替えるような状況に対しても、信号符号化装置における処理と同様の処理を行うことにより、信号復号化装置でレイヤ数(伝送ビットレート)が変更する際の異音を抑圧するという場合についても同様に適用することができる。
(実施の形態8)
上述した実施の形態6及び実施の形態7では、信号符号化装置2001に入力する情報として、現フレームに対する伝送モード情報、及び次フレームに対する伝送モード情報が必要であった。しかし、システム上、予め次フレームの伝送モード情報を入力することができない場合や、伝送誤り等により予期せず伝送ビットレートが切り替わるということも十分考えられる。
本発明は、信号符号化装置において、また伝送路中に存在する信号中継装置において、次フレームに対する伝送モード情報を得ることができない場合に対しても同様に適用することができ、本実施の形態8では、上記のような状況において、信号復号化時にレイヤ数(伝送ビットレート)が変更する際の異音を抑圧する場合について説明する。
本実施の形態における全体的なシステムの構成は実施の形態6の図20と同様であり、信号符号化装置2001の作用は実施の形態6と同一である。
図20の信号符号化装置2001の構成は、実施の形態6における信号符号化装置の説明と同一であり、ここではその説明は省略する。但し、信号符号化装置2001に入力される伝送モード情報とは、現フレームに対する伝送モード情報Modecurのみとする。
また、本実施の形態において、信号符号化装置2001から伝送路2002に出力される符号化情報のデータ構造を図26に示す。
伝送モード情報Modecurがbitrate3である場合、符号化情報は、図26(a)に示すように、伝送モード情報Modecur、及び基本レイヤ情報源符号から構成される。
伝送モード情報Modecurがbitrate2である場合、符号化情報は、図26(b)に示すように、伝送モード情報Modecur、基本レイヤ情報源符号、及び第1拡張レイヤ情報源符号から構成される。
伝送モード情報Modecurがbitrate1である場合、符号化情報は、図26(c)に示すように、伝送モード情報Modecur、基本レイヤ情報源符号、第1拡張レイヤ情報源符号、及び第2拡張レイヤ情報源符号から構成される。
次に、図20の信号復号化装置2003の構成について図27のブロック図を用いて説明する。
信号復号化装置2003は、復号化動作制御部2701と、制御スイッチ2702〜2704と、基本レイヤ復号化部2705と、第1拡張レイヤ復号化部2706と、第2拡張レイヤ復号化部2707と利得調整部2708〜2710と、合成音保存部2711〜2713と、加算部2714、2715と再合成処理部2716とから主に構成される。
符号化情報は、復号化動作制御部2701に入力される。
復号化動作制御部2701は、前フレームに対する伝送モード情報(初期値はbitrate0とし、以下Modepreとする)を記憶するメモリを内部に有し、入力された符号化情報を伝送モード情報Modecur、及び各レイヤの情報源符号に分離し、伝送モード情報Modepre、Modecurに応じて、利得調整部2708〜2710、制御スイッチ2702〜2704、合成音保存部2711〜2713、及び再合成処理部2716の制御を行い、また各レイヤの情報源符号を基本レイヤ復号化部2705、第1拡張レイヤ復号化部2706及び第2拡張レイヤ復号化部2707に出力する。
次に、伝送モード情報Modepre、Modecurに応じた、復号化動作制御部2701の動作について詳しく説明する。復号化動作制御部2701は以下のルールに従って、利得調整部2708〜2710、制御スイッチ2702〜2704、合成音保存部2711〜2713、及び再合成処理部2716、出力する情報源符号の制御/決定を行う。
(パターン1)
復号化動作制御部2701は、伝送モード情報Mode
pre、Mode
curが以下の式(19)を満たす場合、現フレームに対して、Mode
preとMode
curの値を用いて、Mode
preが示す伝送ビットレートを下限とし、Mode
curが示す伝送ビットレートを上限としたフェードイン処理を行う。
この時、復号化動作制御部2701は、Modecurが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2702〜2704の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2701は、Modecurがbitrate1の場合は、制御スイッチ2702〜2704を全てオン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2705に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2706に出力し、第2拡張レイヤ情報源符号を第2拡張レイヤ復号化部2707に出力する。Modecurがbitrate2の場合は、制御スイッチ2702、2703をオン状態にし、制御スイッチ2704をオフ状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2705に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2706に出力する。また、Modecurがbitrate3の場合は、制御スイッチ2702をオン状態にし、制御スイッチ2703、2704をオフ状態し、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2705に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2701は、Modepre、Modecurが示す伝送ビットレートに応じて利得調整部2708〜2710の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2701は、Modecurがbitrate1であり、かつModepreがbitrate2の場合は、利得調整部2710をフェードイン状態にし、利得調整部2708、2709をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2701は、Modecurがbitrate1であり、かつModepreがbitrate3の場合は、利得調整部2709、2710をフェードイン状態にし、利得調整部2708をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2701は、Modecurがbitrate1であり、かつModepreがbitrate0の場合は、利得調整部2708〜2710を全てフェードイン状態にする。また、復号化動作制御部2701は、Modecurがbitrate2であり、かつModepreがbitrate3の場合は、利得調整部2709をフェードイン状態にし、利得調整部2708、2710をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2701は、Modecurがbitrate2であり、かつModepreがbitrate0の場合は、利得調整部2708、2709をフェードイン状態にし、利得調整部2710をオフ状態にする。また、復号化動作制御部2701は、Modecurがbitrate3であり、かつModepreがbitrate0の場合は、利得調整部2708をフェードイン状態にし、利得調整部2709、2710をオフ状態にする。
また、この時、復号化動作制御部2701は、合成音保存部2711〜2713、及び再合成処理部2716を全てオフ状態にする。
(パターン2)
復号化動作制御部2701は、伝送モード情報Mode
pre、Mode
curが以下の式(20)を満たす場合、現フレームに対して、Mode
preとMode
curの値を用いて、再合成処理を行う。
この時、復号化動作制御部2701は、Modecurが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2702〜2704の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2701は、Modecurがbitrate1の場合は、制御スイッチ2702〜2704を全てオン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2705に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2706に出力し、第2拡張レイヤ情報源符号を第2拡張レイヤ復号化部2707に出力する。Modecurがbitrate2の場合は、制御スイッチ2702、2703をオン状態にし、制御スイッチ2704をオフ状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2705に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2706に出力する。また、Modecurがbitrate3の場合は、制御スイッチ2702をオン状態にし、制御スイッチ2703、2704をオフ状態し、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2705に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2701は、利得調整部2708〜2710を全てオフ状態にする。
また、この時、復号化動作制御部2701は、Modepre、Modecurが示す伝送ビットレートに応じて、合成音保存部2711〜2713の制御(オン/オフ状態)、及び再合成処理部2716の制御(第1拡張レイヤ再合成状態/基本レイヤ再合成状態1/基本レイヤ再合成状態2)を行う。具体的には、復号化動作制御部2701は、Modecurがbitrate2であり、かつModepreがbitrate1の場合は、合成音保存部2712、2713をオン状態にし、合成音保存部2711をオフ状態にし、再合成処理部2716を第1拡張レイヤ再合成状態にする。また、復号化動作制御部2701は、Modecurがbitrate3であり、かつModepreがbitrate1の場合は、合成音保存部2711、2713をオン状態にし、合成音保存部2712をオフ状態にし、再合成処理部2716を基本レイヤ再合成状態1にする。また、復号化動作制御部2701は、Modecurがbitrate3であり、かつModepreがbitrate2の場合は、合成音保存部2711、2712をオン状態にし、合成音保存部2713をオフ状態にし、再合成処理部2716を基本レイヤ再合成状態2にする。
(パターン3)
復号化動作制御部2701は、伝送モード情報Mode
pre、Mode
curが以下の式(21)を満たす場合、現フレームに対して、Mode
curの値を用いて、通常の復号化処理を行う。
この時、復号化動作制御部2701は、Modecurが示す伝送ビットレートに応じて制御スイッチ2702〜2704の制御を行う。具体的には、復号化動作制御部2701は、Modecurがbitrate1の場合は、制御スイッチ2702〜2704を全てオン状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2705に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2706に出力し、第2拡張レイヤ情報源符号を第2拡張レイヤ復号化部2707に出力する。Modecurがbitrate2の場合は、制御スイッチ2702、2703をオン状態にし、制御スイッチ2704をオフ状態にし、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2705に出力し、第1拡張レイヤ情報源符号を第1拡張レイヤ復号化部2706に出力する。また、Modecurがbitrate3の場合は、制御スイッチ2702をオン状態にし、制御スイッチ2703、2704をオフ状態し、基本レイヤ情報源を基本レイヤ復号化部2705に出力する。
また、この時、復号化動作制御部2701は、利得調整部2708〜2710を全てオフ状態にする。
また、この時、復号化動作制御部2701は、合成音保存部2711〜2713、及び再合成処理部2716を全てオフ状態にする。
基本レイヤ復号化部2705は、制御スイッチ2702がオン状態である場合は、復号化動作制御部2701から出力される基本レイヤ情報源符号を復号化し、これを基本レイヤ復号化信号として利得調整部2708に出力する。また、基本レイヤ復号化部2705は、制御スイッチ2702がオフ状態である場合は、何も動作しない。
第1拡張レイヤ復号化部2706は、制御スイッチ2703がオン状態の場合は、復号化動作制御部2701から出力される第1拡張レイヤ情報源符号を復号化し、これを第1拡張レイヤ復号化信号として利得調整部2709に出力する。また、第1拡張レイヤ復号化部2706は、制御スイッチ2703がオフ状態の場合は、何も動作しない。
第2拡張レイヤ復号化部2707は、制御スイッチ2704がオン状態の場合は、復号化動作制御部2701から出力される第2拡張レイヤ情報源符号を復号化し、これを第2拡張レイヤ復号化信号として利得調整部2710に出力する。また、第2拡張レイヤ復号化部2707は、制御スイッチ2704がオフ状態の場合は、何も動作しない。
また、基本レイヤ復号化部2705、第1拡張レイヤ復号化部2706、第2拡張レイヤ復号化部2707の内部構成は、上述した説明と同一であり、ここでは説明を省略する。
利得調整部2708は、基本レイヤ復号化部2705から基本レイヤ復号化信号が入力される。また、利得調整部2708は、復号化動作制御部2701によりフェードイン/オフ状態が制御される。
利得調整部2708は、復号化動作制御部2701によりオフ状態に制御された場合は、基本レイヤ復号化部2705から得られる基本レイヤ復号化信号をそのまま合成音保存部2711に出力する。また、利得調整部2708は、復号化動作制御部2701によりフェードイン状態に制御された場合は、以下の式(22)により、基本レイヤ復号化部2705から得られる基本レイヤ復号化信号に対して増幅処理を行い、得られた信号を合成音保存部2711に出力する。
ここで、Nsは1フレームにおけるサンプル数Nより定められる値であり、Xbaseiは基本レイヤ復号化信号であり、Xbase”iは増幅後の復号化信号である。
利得調整部2709は、利得調整部2708において、入力信号を第1拡張レイヤ復号化信号に置き換え、合成音保存部2711を加算部2714に置き換える以外は利得調整部2708の構成と同様であり、説明は省略する。また利得調整部2710は、利得調整部2708において、入力信号を第2拡張レイヤ復号化信号に置き換え、合成音保存部2711を加算部2715に置き換える以外は利得調整部2708の構成と同様であり、説明は省略する。
合成音保存部2711は、内部に前フレーム処理時の復号化信号を記憶する内部バッファを有し、復号化動作制御部2701により、オン/オフ状態が制御される。合成音保存部2711は、オン/オフ状態のどちらである場合にも、利得調整部2708から出力される信号を入力し、これを加算部2714に出力する。また、合成音保存部2711は、復号化動作制御部2701により、オン状態に制御された場合においてのみ、内部バッファに格納されている前フレーム処理時に利得調整部2708から出力された信号を再合成処理部2716に出力する。次に、合成音保存部2711は、オン/オフ状態のどちらである場合にも、1フレーム処理毎に、利得調整部2708から出力される信号を内部バッファに格納する。ここで、合成音保存部2711は、復号化動作制御部2701によりオン状態に制御された場合、まず内部バッファに格納されている前フレーム処理時の信号を再合成処理部2716に出力した後に、現フレームの信号を内部バッファに格納することで、前フレームの信号を適切に再合成処理部2716に出力することができる。
加算部2714は、制御スイッチ2702、2703が共にオン状態である場合は、合成音保存部2711から出力される信号と、利得調整部2709から出力される信号を加算し、これを合成音保存部2712へ出力する。また、加算部2714は、制御スイッチ2702がオン状態であり、かつ制御スイッチ2703がオフ状態である場合は、合成音保存部2711から出力される信号を、そのまま合成音保存部2712へ出力する。また、加算部2714は、制御スイッチ2702、2703が共にオフ状態である場合は、何も動作しない。
合成音保存部2712は、内部に前フレーム処理時の復号化信号を記憶する内部バッファを有し、復号化動作制御部2701により、オン/オフ状態が制御される。合成音保存部2712は、オン/オフ状態のどちらである場合にも、加算部2714から出力される信号を入力し、これを加算部2715に出力する。また、合成音保存部2712は、復号化動作制御部2701により、オン状態に制御された場合においてのみ、内部バッファに格納されている前フレーム処理時に加算部2714から出力された信号を再合成処理部2716に出力する。次に、合成音保存部2712は、オン/オフ状態のどちらである場合にも、1フレーム処理毎に、加算部2714から出力される信号をバッファに格納する。ここで、合成音保存部2712は、復号化動作制御部2701によりオン状態に制御された場合、まず内部バッファに格納されている前フレーム処理時の信号を再合成処理部2716に出力した後に、現フレームの信号を内部バッファに格納することで、前フレームの信号を適切に再合成処理部2716に出力することができる。
加算部2715は、制御スイッチ2702〜2704が全てオン状態である場合は、合成音保存部2712から出力される信号と、利得調整部2710から出力される信号を加算し、これを合成音保存部2713へ出力する。また、加算部2715は、制御スイッチ2704がオフ状態である場合は、合成音保存部2712から出力される信号を、そのまま合成音保存部2713へ出力する。また、加算部2715は、制御スイッチ2702〜2704が全てオフ状態である場合は、何も動作しない。
合成音保存部2713は、内部に前フレーム処理時の復号化信号を記憶する内部バッファを有し、復号化動作制御部2701により、オン/オフ状態が制御される。合成音保存部2713は、オン/オフ状態のどちらである場合にも、加算部2715から出力される信号を入力し、これを再合成処理部2716に出力する。また、合成音保存部2713は、復号化動作制御部2701により、オン状態に制御された場合においてのみ、内部バッファに格納されている前フレーム処理時に加算部2715から出力された信号を再合成処理部2716に出力する。次に、合成音保存部2713は、オン/オフ状態のどちらである場合にも、1フレーム処理毎に、加算部2715から出力される信号をバッファに格納する。ここで、合成音保存部2713は、復号化動作制御部2701によりオン状態に制御された場合、まず内部バッファに格納されている前フレーム処理時の信号を再合成処理部2716に出力した後に、現フレームの信号を内部バッファに格納することで、前フレームの信号を適切に再合成処理部2716に出力することができる。
再合成処理部2716は、復号化動作制御部2701により、基本レイヤ再合成状態1/基本レイヤ再合成状態2/第1拡張レイヤ再合成状態のいずれかの状態に制御される。以下、各状態に制御された場合の再合成処理部2716の動作について詳細に説明する。
(第1拡張レイヤ再合成状態)
再合成処理部2716は、復号化動作制御部2701により、第1拡張レイヤ再合成状態に制御された場合、合成音保存部2713から出力される現フレームの復号化信号、合成音保存部2712から出力される前フレームの合成音(第1合成音)、及び合成音保存部2713から出力される前フレームの合成音(第2合成音)を入力し、現フレームの復号化信号に対して再合成処理を行う。具体的には、再合成処理部2716は、まず、合成音保存部2713から出力される現フレームの復号化信号に対して、各音声情報処理関連書(J.D.マーケル著「音声の線形予測」(コロナ社)等)に記載の方法でN
p次の線形予測分析を行い、線形予測係数(LPC係数)α
i(i=0〜N
p)を算出する。なお、この際、現フレームの復号化信号の先頭からN
p−1個目までのサンプルに対しては、合成音保存部2712から出力される第1合成音の最後からN
p個のサンプルを利用する。次に、再合成処理部2716は、合成音保存部2713から出力される現フレームの復号化信号S
i(i=0〜N
p)に対して、算出した線形予測係数を用いて式(23)のようにして、線形予測誤差信号Z
i(i=0〜N
p)を算出する。なお、この時も、現フレームの復号化信号の先頭からN
p−1個目までのサンプルに対しては、合成音保存部2712から出力される第1合成音の最後からN
p個のサンプルを利用する。また、式(23)中のNは1フレーム中のサンプル数である。
次に、再合成処理部2716は、算出した線形予測誤差信号を用いて式(24)のようにして、復号化信号を再合成する。なお、この時、線形予測誤差信号の先頭からN
p−1個目までのサンプルに対しては、合成音保存部2713から出力される第2合成音の最後からN
p個のサンプルを利用する。
次に、再合成処理部2716は、式(24)の結果得られる信号を出力信号として出力する。
(基本レイヤ再合成状態1)
また、再合成処理部2716は、復号化動作制御部2701により、基本レイヤ再合成状態1に制御された場合、合成音保存部2713から出力される現フレームの復号化信号、合成音保存部2711から出力される前フレームの合成音(第1合成音)、及び合成音保存部2713から出力される前フレームの合成音(第2合成音)を入力し、現フレームの復号化信号に対して再合成処理を行う。具体的には、再合成処理部2716は、まず、合成音保存部2713から出力される現フレームの復号化信号に対して、周知の方式でNs次の線形予測分析を行い、線形予測係数(LPC係数)αi(i=0〜Np)を算出する。なお、この際、現フレームの復号化信号の先頭からNp−1個目までのサンプルに対しては、合成音保存部2711から出力される第1合成音の最後からNp個のサンプルを利用する。次に、再合成処理部2716は、合成音保存部2713から出力される現フレームの復号化信号に対して、算出した線形予測係数を用いて式(23)のようにして、線形予測誤差信号を算出する。なお、この時も、現フレームの復号化信号の先頭からNp−1個目までのサンプルに対しては、合成音保存部2711から出力される第1合成音の最後からNp個のサンプルを利用する。次に、再合成処理部2716は、算出した線形予測誤差信号を用いて式(24)のようにして、復号化信号を再合成する。なお、この時、線形予測誤差信号の先頭からNp−1個目までのサンプルに対しては、合成音保存部2713から出力される第2合成音の最後からNp個のサンプルを利用する。
次に、再合成処理部2716は、式(24)の結果得られる信号を出力信号として出力する。
(基本レイヤ再合成状態2)
また、再合成処理部2716は、復号化動作制御部2701により、基本レイヤ再合成状態2に制御された場合、合成音保存部2713から出力される現フレームの復号化信号、合成音保存部2711から出力される前フレームの合成音(第1合成音)、及び合成音保存部2712から出力される前フレームの合成音(第2合成音)を入力し、現フレームの復号化信号に対して再合成処理を行う。具体的には、再合成処理部2716は、まず、合成音保存部2713から出力される現フレームの復号化信号に対して、周知の方式でNs次の線形予測分析を行い、線形予測係数(LPC係数)αi(i=0〜Np)を算出する。なお、この際、現フレームの復号化信号の先頭からNp−1個目までのサンプルに対しては、合成音保存部2711から出力される第1合成音の最後からNp個のサンプルを利用する。次に、再合成処理部2716は、合成音保存部2713から出力される現フレームの復号化信号に対して、算出した線形予測係数を用いて式(23)のようにして、線形予測誤差信号を算出する。なお、この時も、現フレームの復号化信号の先頭からNp−1個目までのサンプルに対しては、合成音保存部2711から出力される第1合成音の最後からNp個のサンプルを利用する。次に、再合成処理部2716は、算出した線形予測誤差信号を用いて式(24)のようにして、復号化信号を再合成する。なお、この時、線形予測誤差信号の先頭からNp−1個目までのサンプルに対しては、合成音保存部2712から出力される第2合成音の最後からNp個のサンプルを利用する。
次に、再合成処理部2716は、式(24)の結果得られる信号を出力信号として出力する。
以上が、本実施の形態における信号復号化装置2003の内部構成の説明である。
このように、本実施の形態によれば、信号符号化装置において、また伝送路中に存在する信号中継装置において、次フレームに対する伝送モード情報を得ることができない場合に対しても、復号化時に用いるレイヤ数が増減することにより発生する異音を抑制することが可能となる。特に、復号化時に利用するレイヤ数が減少した場合に対しては、前フレームの各レイヤまでの復号化信号を退避しておき、その前フレームの復号化信号を利用してレイヤ数が減少したフレームの復号化信号を再合成することにより、伝送誤りや突然のレイヤ数減少など予期せぬ事態に対しても異音を抑制することができる。
また、本実施の形態では、伝送中の伝送誤り等は信号復号化装置に入力する前までに検出し、信号復号化装置は既に伝送モード情報が変更された後の符号化情報に対して復号化処理を行う場合を説明したが、本発明はこれに限らず、一般に伝送誤りを検出する際の構成と同様に、符号化情報中に伝送誤り検出ビット等を含め、信号復号化装置内に備えられた伝送誤り検出部により伝送誤りを検出し、その結果、復号化時に利用するレイヤ数を変更する場合に対しても同様に適用できる。例えば、前フレームの伝送モード情報がbitrate1であり、かつ現フレームの伝送モード情報がbitrate1で伝送される符号化情報において、信号復号化装置内の伝送誤り検出部が、最上位レイヤ(第2拡張レイヤ)の情報源符号に伝送誤りを検出した場合は、上述の(第1拡張レイヤ再合成状態)のように再合成処理を行うことにより、レイヤ数の変化による異音を抑制することができる。
本明細書は、2004年7月28日出願の特願2004−220867及び2005年1月11日出願の特願2005−004540に基づく。この内容はすべてここに含めておく。