JP4558236B2 - 識別カード、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気センサーにより真偽等を判別できる識別カード、即ちID化が可能な識別カード、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スキャナー、カラー印字機等の進歩、普及に伴い、これらを利用したクレジットカード、キャッシュカード、テレフォンカード、及びプリペードカードなどの識別カードの偽造が頻発している。
【0003】
従来、上記カードの不正使用を防止するため、これらのカードに、▲1▼ICチップを内蔵し、そのチップと交信する、▲2▼導電性繊維をカードに混入させ、電波を照射し反射波の有無・パターンで真偽を判断する、▲3▼磁性体材料(繊維・粒子)をカードに混入し若しくは印字し、磁気センサを用いてカードの真偽を判断する、などの手法が考えられている。
【0004】
しかし、これらの手法においては、▲1▼ICチップは高価であり、カード自体の価格も高価になる、▲2▼導電性繊維は折れやすく、また特定の方向に繊維が配向してしまう、▲3▼磁性体材料が繊維の場合、導電性繊維の場合と同様の問題があり、磁性体材料が粒子の場合は、磁気による記録の改ざんが容易である、などの問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は上記問題を解決するために種々検討した結果、基材中に磁性粉からなる複数の領域をランダムに分布させてなるカードは、予め磁気的記録操作をすることなく、単に磁気センサでその表面をスキャンするだけで、そのカード固有の信号パターンを与えることを知得した。従って、この各カード毎に有する固有の信号パターンを利用すれば、各カードの識別ができ、偽造防止、真偽判別等に応用できることを知得した。本発明は、上記知見に基づき完成するに至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、
〔1〕 磁性粉を含有する複数の領域をランダムに分布させた識別カード、並びに、
〔2〕 互いに非相溶性の少なくとも2種類の樹脂からなるフィルムからなり、一方の樹脂が磁性粉を含有し、且つ該磁性粉を含む樹脂がフィルム中にランダムに分布した請求項1に記載の識別カードを提案するものである。上記カードは、
〔3〕 磁性粉の平均粒子径が0.01〜10μmであることを包含する。
【0007】
また、本発明は、
〔4〕 磁性粉を含有する樹脂と、前記樹脂に非相溶の樹脂とを混合し、この混合物をシート状に形成する識別カードの製造方法を提案するものである。
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の識別カードは、カード基材の表面方向に沿って磁性粉からなる複数の領域をランダムに分布させている。本発明のカードは、各カードにおける磁性粉の分布が、それぞれ固有のランダムなパターンを有する。
【0010】
上記の磁性粉の分布を持ったカードは、磁性粉を含有する樹脂と、前記樹脂に非相溶の樹脂との混合物をカード状に形成することにより製造することができる。
【0011】
本発明に用いる磁性粉の平均粒子径は0.01〜10μmであることが好ましい。磁性粉の平均粒子径が10μmを超える場合は、基材中の磁性粉の分布が均一になってID化が困難になるので好ましくない。他方、磁性粉の平均粒子径が0.01μm未満の場合、磁性粉の分布には問題ないので、この粒子径よりも微粒にする必要はない。
【0012】
本発明に用いる磁性粉の材質としては、ニッケル、鉄、コバルト、磁性を有するステンレススチール、パーマロイ等の磁性金属、磁性合金系材料、酸化鉄等の磁性金属酸化物、マンガン亜鉛フェライト等のフェライト系磁性材料などを使用することができる。
【0013】
上記磁性粉を含有する樹脂の調製に用いる樹脂(以下、磁性樹脂)としては、磁性粉と混ざりやすい親水性樹脂、例えば、アルギン酸ソーダ等の海藻由来の樹脂;ブルラン及びデキストラン等の発酵粘質物系樹脂;可溶性デンプン、カルボキシデンプン、ブリティッシュゴム、ジアルデヒドデンプン、デキストリン及びカチオンデンプン等のデンプン系樹脂;ビスコース、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレンオキサイド系高分子;ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、水溶性アルキッド、ポリビニルエーテル、ポリマレイン酸共重合体及びポリスチレンイミン等の合成高分子;ポリリン酸ソーダ、水ガラス等の無機高分子などが好ましい。
【0014】
磁性粉を含有する樹脂中の磁性粉の含有量は0.1〜50質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。
【0015】
上記磁性樹脂に非相溶の樹脂(以下、非相溶樹脂)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン等のビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリ酢酸ビニル;ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール;ポリイミド、ポリアミド;ポリカーボネート;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体等の共重合体;エポキシ樹脂;酢酸セルロース;ウレタン樹脂などの親油性樹脂を使用することができる。
【0016】
ここで、非相溶性とは、上記主旨から、カード基材表面で分散液の溶媒を留去させた時に、ミクロ相分離を起こす程度に相溶性が無いと言うことになる。
【0017】
なお、親水性樹脂と親油性樹脂との分類は、相対的なもので、両樹脂を混合した際に二層に分離するものであれば良い。
【0018】
本発明においては、上記磁性粉を含有する樹脂と、非相溶樹脂とを混合して両樹脂が互いにランダムに相互分離した分散樹脂を形成する。両樹脂の混合割合は分散樹脂が形成できる範囲内であり、通常質量比で1:100〜1:1が好ましく、1:10〜2:3がより好ましい。
【0019】
また、本発明においては、ランダムに分散する磁性粉含有領域を構成する分散樹脂自体で識別カードを構成しても良い。また、カード基材上に、ランダムに分散する磁性粉含有領域を設けても良い。該領域の厚さは特に制限はないが、20〜1000μmが好ましい。
【0020】
上記カード基材としては、特に制限されるものではなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン等のビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリ酢酸ビニル;ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル樹脂;ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール;ポリイミド、ポリアミド;ポリカーボネート;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体等の共重合体;エポキシ樹脂;酢酸セルロース;ウレタン樹脂などのプラスチックシート及びこれらの発泡シート、並びに、紙などを使用することができる。
【0021】
本発明において、磁性粉を含有する樹脂と、非相溶樹脂とを混合し、フィルムを形成する方法としては、これらの樹脂をそれぞれの溶媒に溶解し、これらの溶液を混合し、カード基材に塗布後、乾燥してフィルムを形成する方法(カード基材塗布法)が例示できる。また、上記互いに非相溶の樹脂を加熱溶融後混合し、Tダイ法又はカレンダー法等によりカード基材上にフィルムを形成する方法、又は単独でフィルムを形成する方法(加熱溶融後混合法)等が例示できる。
【0022】
上述の方法のうち、カード基材塗布法が製造設備の簡便さから、特に好ましい。
【0023】
磁性粉を含有する樹脂を溶解する溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、ジオキサン等のエーテル、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホラン等の親水性溶媒や、これらの混合物が好ましい。
【0024】
非相溶樹脂を溶解する溶媒は、酢酸エチル、メチルアルコール/トルエン混合液、メチルエチルケトン、アセトン等の親油性溶媒が好ましい。
【0025】
混合液の調製は、通常上記両溶液をミキサー等で攪拌したり、超音波を照射させて行う。この時、磁性粉を含む樹脂の溶液と非相溶樹脂の溶液とは均一に混合しないことが好ましく、この場合混合液は両溶媒の分散系になる。この場合、混合液中の平均分散粒子径は3000μm以下が好ましく、特に200〜1000μmが好ましい。混合液には、界面活性剤等の各種添加物を含有させても良い。
【0026】
本発明においては、上記のようにして調製した混合液をカード基材に塗布後、溶媒を留去して乾燥させる。
【0027】
これによりカード基材表面に両樹脂が析出するが、両者は非相溶性樹脂であるので互いにミクロ相分離を起こし、複数の複雑な不定形の微小領域を基材表面上にランダムに形成する。
【0028】
一方、加熱溶融後混合法によりフィルムを形成する場合も、磁性粉を含有する樹脂と、該磁性粉を含有する樹脂に非相溶の樹脂とが、カード基材塗布法の場合と同様に、フィルム形成時にミクロ相分離を起こすため、フィルム中又はカード基材上に複数の複雑な不定形の微小領域をランダムに形成する。
【0029】
これらの領域の大きさは、両樹脂の非相溶性の程度、両樹脂の含有量等により異なるが、一般的に3000μm以下が好ましく、特に200〜1000μmが好ましい。
【0030】
磁性粉は前記磁性溶液樹脂の存在する微小領域に存在するので、磁性粉からなるランダムな複数の領域の分布が形成され、これにより本発明の識別カードが得られる。
【0031】
上記磁性粉からなる複数の領域をその表面にランダムに分布させたカード基材は、更にその表面に保護層を形成することが好ましい。
【0032】
保護層は樹脂で形成することが好ましく、カード基材と同一材料であっても異なる材料であっても良い。保護層の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン等のビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリ酢酸ビニル;ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル樹脂;ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール;ポリイミド、ポリアミド;ポリカーボネート;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体等の共重合体;エポキシ樹脂;酢酸セルロース;ウレタン樹脂などを使用することができる。
【0033】
保護層を設ける方法としては、樹脂を溶媒に溶解または分散し、これを本発明の磁性粉を含有する層の表面に塗布・乾燥させる方法や、上記樹脂のフィルムを貼り合わせる方法がある。
【0034】
保護層を設けることにより、擦過によるデータの破壊が回避される。
【0035】
【実施例】
実施例1
(磁性粉を含有する樹脂溶液の調製)
重合平均分子量140,000のヒドロキシプロピルセルロース10gと、精製水90gと、平均粒子径0.5μmのニッケル粒子5gとを、攪拌翼を有する混合容器を用いて10時間攪拌混合し、ニッケル粒子と樹脂とが水に分散した磁性粉を含有する樹脂溶液を得た。
【0036】
(非相溶樹脂溶液の調製)
重合平均分子量100,000のメチルメタクリレート/ブチルアクリレート共重合体(モル比8/2)50gと、酢酸エチル50gとを、攪拌翼を有する混合容器を用いて10時間攪拌混合し、非相溶樹脂溶液を得た。
【0037】
(カード基材塗布用分散液の調製)
攪拌翼で攪拌しながら、上記磁性粉を含有する樹脂溶液を、非相溶樹脂溶液に30分かけ滴下混合し、カード基材塗布用分散液を得た。
【0038】
(識別カードの作製)
厚さ100μmの白色ポリエチレンテレフタレートシートの片面に、上記カード塗布用分散液をドクターブレードを用いて塗布し、90℃の恒温槽で30分乾燥した。ポリエチレンテレフタレートシートに被覆されたカード塗布膜の厚さは150μmであった。上記ポリエチレンテレフタレートシートのカード塗布膜が塗布された面に、保護層として厚さ100μmの白色ポリエチレンテレフタレートシートを載せ、110℃のラミロールを通過させて貼合した後、裁断し、幅55mm、長さ90mmの長方形の識別カードを得た。
【0039】
(識別カードの評価試験)
(1) 用いた検出装置100は、図1に示すように、識別カード2→磁気センサ4→アンプ6→AD変換ボード8→パーソナルコンピュータ10のフローからなる、セキュリティ用カード・紙特性試験機である。上記フローにおいて、磁気センサ4に使用される磁気ヘッドは三洋電機製MG−G06であり、パーソナルコンピュータは、PC/AT互換パーソナルコンピュータ(以下、PC)で、データ収集用プログラムを使用した。
【0040】
(2) 試験方法
▲1▼ 試作した識別カードを試験機に挿入する。識別カードは一定距離を速度300mm/秒で搬送され、往復運動を行う。
▲2▼ 試験機に内蔵された磁気センサの真下をカード上に形成されたニッケル粒子の領域が通過する毎に、センサに一定の電圧が発生する。
▲3▼ 外部出力端子を通じてセンサに発生した電圧(センサの電圧出力)の変化がPCに送られ、その電圧をメモリに取り込む。
【0041】
(3) 評価方法
センサが、ニッケル粒子が均一に分散している領域をスキャンしている場合は、センサの出力電圧はほぼ一定値を示す。これに対して、ニッケル粒子が不均一(ランダム)に分散している領域をスキャンしている場合は、ニッケル粒子の分布に応じてセンサの電圧出力は変化する。
【0042】
(4) 結果
センサの電圧出力をグラフ化したものを図2に示す。図2に示すように、識別カードのスキャンに対応してセンサの電圧出力が大きく変化している。この出力信号パターンは、この識別カード固有のパターンであり、これを用いることにより識別カードをID化できた。
【0043】
実施例2
(磁性粉を含有する樹脂溶液の調製)
重合平均分子量50,000のポリビニルアルコール5gと、精製水90gと、平均粒子径0.5μmの磁性合金粉体(ニッケル・コバルトを含む金属粉末:関東電化工業(株)商品名MAP−1000)5gとを、攪拌翼を有する混合容器を用いて10時間攪拌混合し、磁性合金粉体と樹脂とが水に分散した磁性粉を含有する樹脂溶液を得た。
【0044】
(非相溶樹脂溶液の調製)
重合平均分子量80,000のエチレン/酢酸ビニル共重合体(モル比1/9)25gと、メチルアルコール105g/トルエン45gの混合液150gとを、攪拌翼を有する混合容器を用いて10時間攪拌混合し、非相溶樹脂溶液を得た。
【0045】
(カード塗布用分散液の調製、識別カードの作製、及び識別カードの評価試験)
以下、上記磁性粉を含有する樹脂溶液、非相溶樹脂溶液を用いて、実施例1と同様に、カード塗布用分散液の調製、識別カードの作製、及び識別カードの評価試験を行った。
【0046】
センサの電圧出力をグラフ化したものを図3に示す。図3に示すように、識別カードのスキャン領域に応じてセンサの電圧出力が大きく変化した。このカードは、この出力信号を用いてID化できた。
【0047】
比較例1
(カード塗布用分散液の調製)
重合平均分子量140,000のヒドロキシプロピルセルロース10gと、精製水90gと、平均粒子径2μmのニッケル粒子5gとを、攪拌翼を有する混合容器を用いて10時間攪拌混合し、ニッケル粒子と樹脂とが水に分散したカード塗布用分散液を得た。
【0048】
(識別カードの作製、及び識別カードの評価試験)
以下、上記カード塗布用分散液を用いて、実施例1と同様に、識別カードの作製、及び識別カードの評価試験を行った。
【0049】
センサの電圧出力をグラフ化したものを図4に示す。図4に示すように、識別カードをヘッドでスキャンしてもセンサの電圧出力はほぼ一定の値を示した。よって、この出力信号を用いてカードをID化できなかった。
【0050】
比較例2
(カード塗布用分散液の調製)
重合平均分子量50,000のポリビニルアルコール5gと、精製水90gと、平均粒子径0.5μmの磁性合金粉体(ニッケル・コバルトを含む金属粉末:関東電化工業(株)商品名MAP−1000)5gとを、攪拌翼を有する混合容器を用いて10時間攪拌混合し、磁性合金粉体と樹脂とが水に分散したカード塗布用分散液を得た。
【0051】
(識別カードの作製、及び識別カードの評価試験)
以下、上記カード塗布用分散液を用いて、実施例1と同様に、識別カードの作製、及び識別カードの評価試験を行った。
【0052】
センサの電圧出力をグラフ化したものを図5に示す。図5に示すように、識別カードをヘッドでスキャンしてもセンサの電圧出力はほぼ一定の値を示した。よって、この出力信号を用いてカードをID化できなかった。
【0053】
【発明の効果】
本発明の識別カードは、磁性粉からなる多数の微小領域をカード基材表面にランダムに分布したもので、この分布パターンは各カード固有のものである。従って、このカードを磁気センサでスキャンして得られる電圧パターンを用いてカードの識別ができる。この場合、従来の磁気カードのように磁気によるデータの書換えができないので、偽造が確実に防止できる。
【0054】
本発明の識別カードの製造方法は、樹脂の非相溶性を用いて磁性粉からなる多数の微小領域をカード基材表面に形成するので、簡単に製造でき、且つ膨大な数のパターンが形成できる。このため、パターンは複雑であり、偽造が困難なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び2、並びに、比較例1及び2に用いた識別カードの検出装置の概略図である。
【図2】実施例1におけるセンサの電圧出力を示すグラフである。
【図3】実施例2におけるセンサの電圧出力を示すグラフである。
【図4】比較例1におけるセンサの電圧出力を示すグラフである。
【図5】比較例2におけるセンサの電圧出力を示すグラフである。
【符号の説明】
2 識別カード
4 磁気センサ
6 アンプ
8 AD変換ボード
10 パーソナルコンピュータ
100 検出装置

Claims (4)

  1. 磁性粉を含有する複数の領域をランダムに分布させた識別カードであって、互いに非相溶性の少なくとも2種類の樹脂からなるフィルムからなり、一方の樹脂が磁性粉を含有する親水性樹脂であり、磁性粉を含有する親水性樹脂と非相溶の他方の樹脂が親油性樹脂であり、且つ磁性粉を含有する親水性樹脂がフィルム中にランダムに分布した識別カードであって、磁性粉を含有する親水性樹脂が、デンプン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイド系高分子から選ばれたものであり、磁性粉を含有する親水性樹脂が水に溶解されてなる溶液と、前記親水性樹脂と非相溶の親油性樹脂が、酢酸エチル、メチルアルコール/トルエン混合液、メチルエチルケトン、アセトンから選ばれたものである親油性溶媒に溶解されてなる溶液とが混合され、この混合物がフィルムに形成されてなる識別カード
  2. 磁性粉の平均粒子径が0.01〜10μmであり、フィルム中にランダムに複数の領域に分布した、磁性粉を含有する親水性樹脂の領域の大きさが3000μm以下である請求項1に記載の識別カード。
  3. 磁性粉を含有する親水性樹脂と、前記親水性樹脂と非相溶の親油性樹脂とをそれぞれの溶媒に溶解し、これらの溶液を混合し、この混合物をカード基材に塗布後、乾燥してフィルムに形成する識別カードの製造方法であって、磁性粉を含有する親水性樹脂を溶解する溶媒が水であり、前記親水性樹脂に非相溶の親油性樹脂を溶解する溶媒が親油性溶媒である識別カードの製造方法であって、磁性粉を含有する親水性樹脂が、デンプン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイド系高分子から選ばれたものであり、親油性溶媒が、酢酸エチル、メチルアルコール/トルエン混合液、メチルエチルケトン、アセトンから選ばれたものである識別カードの製造方法
  4. 磁性粉の平均粒子径が0.01〜10μmであり、フィルム中にランダムに複数の領域に分布した、磁性粉を含有する親水性樹脂の領域の大きさが3000μm以下である請求項に記載の識別カードの製造方法。
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