JP4557729B2 - 変調装置 - Google Patents
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Description
なお、暗号化キーを情報データブロックの変調器と異なる変調器で変調して記録媒体に記録する技術が公開されている(特許文献1参照)。また、コンテンツを復号するための成分を含む第1情報K1とこの第1情報を復号するための成分を含む第2情報とをそれぞれ変換規則φ1,φ2で変換して記録媒体に記録する技術が公開されている(特許文献2参照)。
この手法では、埋め込み信号を第1の変調方式で復調することで主情報を再生することができる。主情報変調信号の一部が秘匿情報変調信号と置き換えられているが、埋め込み信号に誤り訂正処理を施すことで、秘匿情報で置き換えられる前の主情報を再現することができる。しかも、第2の変調方式を用いない限り秘匿情報を再生することが困難であるため、秘匿情報の秘密状態を保持することができる。
以上のように主情報中への秘匿情報等の特定情報の埋め込みにより主情報の信号特性が劣化する可能性がある。
上記に鑑み、本発明の実施形態では、主情報に秘匿情報等の特定情報を埋め込む際の主情報の信号特性の劣化の低減を図る変調装置、変調方法、および記録媒体の製造方法を提供する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るディスク記録装置を表す図である。
ここでは、コンテンツデータ(Contents Data)、メディア鍵ブロック(MKB:Media Key Block)、及び所有データ(RP-Data)などの主情報に、秘匿情報(特定情報の一種)たるメディアマーク(MM)を埋め込み、記録媒体Dへの書き込みを行っている。
コンテンツデータは、映像、音声等を表すデータである。このコンテンツデータは暗号化されて記録媒体Dに書き込まれることから、図1で入力される以前に暗号化された暗号化コンテンツ(Enc-contents)となっているのが通例である。本図では暗号化前(平文)のコンテンツと暗号化コンテンツとを区別する必要がないことから、単にコンテンツデータ(Contents Data)としている。
メディア鍵ブロック(MKB)、メディアマーク(MM)は、暗号化コンテンツを復号する暗号鍵の一要素である。
所有データ(RP-Data)は、著作権、商標権、および周知名称等所有権の対象となるデータである。所有データ(RP-Data)が、映像、音声のデータ等著作物性を有するデータであれば、著作権の対象となる。また、所有データ(RP-Data)が商標的機能を発揮する場合に商標権の対象となり得る。商標的機能を発揮する場合として、光ディスク10をディスクドライブ(再生装置)にセットしたときに、商標の図柄が再生される場合を挙げることができる。販売店でデモしたようなときに、結果として、所有データが顧客に商標として認識されることになるからである。
変調された記録セクタおよび変調されたメディアマークがメディアマーク(MM)置換部R14に入力され、記録セクタ中の主情報変調信号の一部がメディアマーク変調信号と置き換えられ記録信号が生成される(後述の図15参照)。この記録信号が記録媒体書込み部R08によって記録媒体Dに書込まれる。
これら同期信号(Sync)付加&第1変調部R07、第2変調部R13、およびメディアマーク(MM)置換部R14によって、主情報の変調、秘匿情報の埋め込みが行われるのであり、これら全体を変調処理部R071とする。
主情報がデータ・ワード(Data word)B(t)としてコードテーブル(Code table)部11に入力されて変換コード(コード・ワード:Code Word)X(t)にコード変換される。コードテーブル部11はメモリまたはコード変換のために高速化された記憶装置に記憶される。コードテーブル(Code table)部11では1つのデータ・ワード(Data word)に対して複数の状態(State)が用意され、状態レジスタからの選択信号で選択された状態に基づきコード変換が行われる。本図では、コードテーブル(Code table)部11において、データ・ワードB(t)に対応して状態S(t)が選択され、次状態(Next State)S(t+1)の指示データが出力されている。
次状態(Next State)S(t+1)の指示信号は状態レジスタ(State Register)12で記憶され、次の変換コード(Data word)B(t+1)の状態の選択に使われる。
秘匿情報用変調器たるメディアマーク変調部(MM Modulation)14は、メディアマーク(MM)をコード変換して、メディアマークコード・ワード(MM Code Word)を生成する。この変換は主情報とは異なる変換規則に基づく。
DSV制御部(DSV Controller)15は、入力された信号の一部のビット情報を反転処理することで記録信号となるNRZI信号での直流成分が“0”近傍で推移するよう制御する。信号の直流成分は信号の和(DSV:Digital Sum Value)で表されることから、所定時間内での信号の和(DSV)が0近傍になるように、連結コード・ワードの一部のビットを反転して、直流成分の抑圧制御(DCC:DC component suppress control)を行う。
また、メディアマーク変調部(MM Modulation)14からコード連結(Code Connector)処理部13に制御信号を送り、メディアマーク信号(MM)が組み込まれる領域では連結規則処理をストップする。この結果、連結規則処理後に秘匿情報が埋め込まれることで、埋め込み(置換)箇所以外での誤りの発生が防止される。なお、この詳細は後述する。
「#」はDSV制御部(DSV Controller)15で、DSVが0近傍になるように0,1いずれかに定められることを意味する。
また連結規則処理の一例では、前後に連続する2つのコード・ワード(Previous Code Word、Current Code Word)が指定パターンである場合には、連結コード・ワード(Concatenated code word)に変換される。ここで、「?」は、連結規則処理の前後でそのままの値が保たれることを意味する。
図4Aに表されたコード変換テーブルによって、ビット列「100110」がコード変換されると、「010 101 010」となり“01”の繰り返しになる。この信号は(1,7)RLLでの最短ラン長であり、これをこのまま記録媒体に書き込むと読み取りが困難となる。このため、図4Bに示す連結変換テーブルで連結規則処理を行い“01”の繰り返しを防止し、この信号が記録された記録媒体からの読み取りを容易とする。
RLL規則を考慮すると変換後のコード・ワード(チャネルビット)で利用可能なパターンが制限される。このため、データ・ワード(シンボルデータ)をコード・ワード(チャネルビット)に変換する場合に、ほとんどのビットパターンが用いられる可能性がある。即ち、主情報の変換パターンのほとんどが利用され、主情報の変換パターンの残りをメディアマーク(秘匿情報)のコード変換に利用することが困難となる。メディアマーク信号の秘匿性を保持するためには、これが変調されたメディアマーク変調信号を主情報と同様のコード変換方式で逆変換(主情報用復調)した場合に、元のメディアマーク信号が再生されないようにする必要があるからである。
このヘッダ部(Header Part)に主情報の変換チャネルビットパターンで使われていないビットパターンを組み込む。また、エンド部(End Part)にメディアマーク信号を変換したビットパターンを組み込む。このようにすることで、メディアマーク変調(MM Modulation)信号が主情報での変換方式で逆変換されても元のメディアマーク信号が再生されないようにして、メディアマーク変調信号の秘匿性を保持できる。このときのエンド部のビットパターンに、主情報と同様の変換規則で変換されたメディアマーク信号を用いることが可能である。
主情報変調信号中でメディアマーク変調信号の埋め込み位置に隣接する主情報変調信号での連結規則処理を制限する(ステップS11)。前述のように、この制限は図2において、メディアマーク変調部14からコード連結(Code Connector)処理部13に制御情報が入力されることで実行される。なお、このコード連結処理の制限に換えて、一旦行われたコード連結処理を逆変換して元に戻しても良い。なお、このような逆変換を行う例は後述する。
メディアマーク変調信号のヘッダ部およびエンド部を変調処理する(ステップS13,S14)。
さらに、メディアマーク変調信号の埋め込みを行う(ステップS15)。メディアマーク変調信号のヘッダ部のタイミングで切換えスイッチSを切り換えることで、主情報変調信号の一部をメディアマーク変調信号のヘッダ部およびエンド部で置き換え、置き換えられた信号をDSV制御部15に入力させる。その後、切換スイッチSを主情報変調信号側に戻すことで、主情報変調信号がDSV制御部15に入力される。
このようにして、メディアマーク変調信号が埋め込まれた主情報変調信号がDSV制御部15に入力され、直流成分抑圧処理が行われる(ステップS16)。
これはメディアマーク信号が埋め込まれる領域でのコード連結処理を意味する。このコード連結処理において、主情報変調信号は埋め込み前と変わらないビットパターンとすることができる。これに換えて、メディアマーク変調信号とこれに隣接する主情報変調信号とを共に変換しても良い。このようにすることで、RLL規則等への対応がより容易となる。なお、この詳細は後述する。
図7は、図1に示す変調処理部R071の内部構成の詳細を表し、図2と対応する比較例を表す図である。主情報変調信号が、コードテーブル(Code table)部11、コード連結(Code Connector)処理部13x、およびDSV制御部15で変調および直流成分抑圧処理が行われ主情報変調信号が生成される。この主情報変調信号とメディアマーク変調信号を切換えスイッチSで切り換えて出力することで、メディアマーク変調信号が埋め込まれた主情報変調信号が生成される。なお、このとき図3A、Bのコード変換テーブルおよび連結変換テーブルが用いられるとする。
この方式では、連結規則処理後に、主情報変調信号の一部がメディアマーク変調信号に置換されることで、この置換部分のみならず、置換部分と隣接する主情報も誤りとなる可能性がある(エラー伝播の発生)。また、変調された信号の直流成分抑圧特性が低下する可能性がある。
このように、メディアマーク変調信号が埋め込まれることで、これに続く主情報変調信号のNRZI変換コードが変化し、直流成分抑圧制御系が乱される。
図9A〜9Dは、図2に示す変調器を用いて変調を行った場合に推移するデータ列を表す模式図である。
図9Aに示すデータ・ワードA〜Dが図9Bに示すコード・ワードA〜Dにコード変換され、さらに連結規則処理が行われることで図9Cに示すコード・ワードA’〜D’に変換される。そして、メディアマーク変調信号が置換される箇所と隣接するコード・ワードA’、D’が図9Dに示すコード・ワードA、Dに逆変換される。詳しく言えば、コード・ワードA’〜D’がコード・ワードA〜Dに逆変換された後、コードワードMMがコードワードA〜Dに埋め込まれる。このようにして、コード・ワードA,MM(ヘッド)、MM(エンド)、Dが得られ、コードAとコードDがコード・ワードA,MM(ヘッド)、MM(エンド)、Dから再生される。言うまでもなく、コード・ワードMM(ヘッド)、MM(エンド)が埋め込まれていることから、コード・ワードB、Cは再生されない。コード・ワードMMが埋め込まれる前にコード・ワードA,Dが逆変換されることから、誤り再生の回数を低減することができる。この逆変換において、図4Bのテーブルが用いられるが、図3A、3B,4Aのテーブルは用いられない。この逆に、もしコード・ワードMMがコード・ワードA‘〜D’に埋め込まれるなら、コード・ワードA‘,MM(ヘッド)、MM(エンド)、D’が得られる。コード・ワードA‘,MM(ヘッド)の対と、コード・ワードMM(エンド)、D’の対は、連結規則に対応しないことから、この場合、コード・ワードA‘,MM(ヘッド)、MM(エンド)、D’はもはやコード・ワードA〜Dに逆変換されない。これに替えて、図2に示す変調器では、連結規則処理をストップさせることで(コード・ワードA‘〜D’をコード・ワードA〜Dに逆変換した後に、ワードMMを埋め込む代わりに)、結果として同様の処理を実現できる。
その後、コード・ワードB’、C’がメディアマーク変調信号のコード・ワードMMと置き換えられることで、コード・ワード列A,MM、Dが生成され、主情報変調信号にメディアマーク変調信号が埋め込まれる。
このような処理によって、コード・ワードA,Dはディフェクト等が発生していなければ正しく復調されることになる。
図10A〜10Cは、連結規則処理を行わない場合に推移するデータ列を表す模式図であり、図9A〜9Dの比較例を表す図である。ここではメディアマーク変調信号を単純に埋め込んでいる。
図10Aに示すデータ・ワード(Data word)A〜Dがコード変換され、図10Bに示すコード・ワードA〜Dが生成される。このとき、データ・ワードA〜Dの直前のデータ・ワードによりコード変換の状態が選択される。さらにコード・ワードB,Cがメディアマーク変調信号(MM)で置換され、図10Cに示すメディアマーク変調信号が埋め込まれた主情報変調信号が生成される。
このため、メディアマーク変調信号(MM)での単なる置換は、コード・ワードの状態(State)規則を無視することとなる。例えば、図10A〜10Cにおいてはコード・ワードAの状態(State)を指示する情報が消滅し、コード・ワードAが復調時に誤変換される可能性が高い。
これに対して、図9A〜9Dでは、メディアマーク変調信号の生成に際して、隣接するコード・ワードに対応する状態(State)により変調処理が行われることから、コード・ワードの状態(State)を指示する情報が消滅するおそれはない。
図11A〜11Dは、連結規則処理を行う場合に推移するデータ列を表す模式図であり、図9A〜9Dの比較例を表す図である。ここではメディアマーク変調信号を単純に埋め込んでいる。
図11Aに示すデータ・ワード(Data word)A〜Dがコード変換され、図11Bに示すコード・ワードA〜Dが生成される。このとき、データ・ワードA〜Dそれぞれの直前のデータ・ワードによりコード変換の状態が選択される。さらに、連結規則に基づいて、コード・ワードA〜Dはコード・ワードA’〜D’に変更される(図11C)。その後、コード・ワードB’、C’のエリアがメディアマーク変調信号(MM)で置換され、主情報変調信号にメディアマーク変調信号が埋め込まれる(図11D)。
この場合、コード・ワードB’、C’がメディアマーク変調信号(Code MM)で置換されることで、主情報変調信号の再生時にコード・ワードA’、D’をコード・ワードA、Dに戻すことができなくなる。即ち、連結規則に基づく復調ができなくなり、データ・ワードA〜Dはいずれも再生できないことになる。
以下、図1のディスク記録装置で処理されるデータの詳細を説明する。
図12は、データフレーム生成部R01で生成されるデータフレーム(Data frame)構造を表す模式図である。データフレームが、セクタ識別子(ID)、ID誤り検出符号(IED)、予備データ(RSB)、メインデータ(主情報たるコンテンツデータ)、誤り検出符号(EDC)から構成されている。
図13は、PO/PI生成部R051から出力される誤り訂正外符号POと内符号PIが生成付加されたECCブロックを表す模式図である。図12のデータフレームが16組集合して構成されたデータブロックに誤り訂正符号PO、PIが付加されている。
図14は、POインターリーブ部R06から出力される誤り訂正外符号POが分散配置されたECCブロックを表す模式図である。
既述のように、メディアマーク変調(MM Modulation)信号として選択されるパターンは主情報に変調規則違反が生じないパターンに制限されるのが通例である。この結果、メディアマーク変調信号のパターンの数を確保するために、メディアマーク変調(MM Modulation)信号の埋め込み領域が大きくなり、主情報の復調時に誤再生される領域が増える可能性が生じ得る。
図16Aに示すデータ・ワードA〜Dが図16Bに示すコード・ワードA〜Dにコード変換され、さらに連結規則処理が行われることで図16Cに示すコード・ワードA’〜D’に変換される。そして、メディアマーク変調信号が置換される箇所と隣接するコード・ワードA’、D’がコード・ワードA,Dに逆変換される(図16D)。ここまでの処理は、図9A〜9Dと同様である。
このような処理によって、図9A〜9Dと同様に、主情報復調側ではコード・ワードB、Cのみがエラーデータを有し得て、コード・ワードA’’、D’’はディフェクト等が発生していなければ正しく復調されることになる。
図17A〜17Cは、メディアマーク変調信号(MM)で置換される場所に接続されるデータ・ワードには連結規則処理を行わない場合に推移するデータ列を表す模式図である。メディアマーク変調信号の生成手法は図9A〜9Dの場合と同様である。
図18A〜18Dでは、図17A〜17Cに示される処理によってメディアマーク変調信号(MM)での置換が行われた後に、コード・ワード列A,Dがそれぞれコード・ワード列A’’,D’’に変換されている。このとき、メディアマーク変調信号のコード・ワードMMとコード・ワード列A,Dの組み合わせによって、図16Eと同様に変換後のコード・ワード列A’’,D’’が決定される。
図19は、メディアマーク変調信号(MM)が埋め込まれた主情報変調信号を復調する復調装置の構成例を示したブロック図である。
メディアマーク変調信号が埋め込まれた主情報変調信号のチャネルビットストリーム(Channel bit stream)が連結規則解除部(Code Separator)に入力されて連結規則に基づくコード変換が解除され、コード・ワードが生成される(1種の逆変換)。さらに、コード・ワードは復調テーブル部(Decode Table)に入力されて、図3Aに示したようなコード変換テーブルに基づくコード変換が解除され、データ・ワードが生成される。このようにして、主情報変調信号はメディアマーク変調信号が埋め込まれた状態で復調処理される。なお、復調テーブル部(Decode Table)での処理には、連結規則解除部から出力された選択テーブル情報(テーブルの選択に関する情報、具体的には、状態情報)が用いられる。
メディアマーク変調信号(MM)が埋め込まれた主情報変調信号のチャネルビットストリーム(Channel bit stream)はメディアマーク復調部にも入力され、メディアマーク変調信号の復調が行われる。メディアマーク復調部には、メディアマーク埋め込み位置情報(MM Position)が入力され、チャネルビット(Channel bit)中でこの情報で示される領域のみが復調の対象となる。
主情報変調信号中にメディアマーク変調信号が分散されて埋め込まれていることから、メディアマーク復調部でのメディアマーク変調信号の復調およびその出力は間欠的に行われる。このように間欠的に出力されたメディアマーク復調信号はメディアマーク誤り訂正部(ECC(2))に入力し、ここで集合される。このように集合されたメディアマーク復調信号は誤り訂正処理されて、誤りが訂正されたメディアマーク信号となる。
このとき、メディアマークの変調方式に主情報の変調方式と異なる方式を用いることで、エラーフラグの信頼性を向上することが可能となる。これは次のような理由による。メディアマーク変調信号は主情報の復調器で復調し、再び主情報変調器で変調したとしても、元のメディアマーク信号には戻らないように(逆変換が不可能なように)、主情報とは異なる変調パターンが利用される。この結果、メディアマーク変調方式には本来必要とするビット数よりも多くのビットを用いた、変換冗長度が高い変調方式を用いることが容易となる。この場合には、メディアマーク変調方式には本来利用されないパターンが多数存在することになる。この結果、メディアマーク変調信号の復調時に本来利用されないパターンが出現したときに、メディアマーク変調信号に誤りが発生したとしてエラーを検出できる可能性が高くなる(信頼性の高い訂正用エラーフラグの提供が可能となる)。
本実施形態に係る変調装置の応用例を説明する。
1.再生専用光ディスクでの記録処理
図20は再生専用光ディスクでのコンテンツの暗号化の手順の一例を示した図である。
ディスク製造者は、コンテンツ300、およびタイトル鍵(Kt)301を著作権者から受取る。また、ディスク製造者は、コンテンツ暗号化に使われるメディア鍵(Km)、およびデバイス鍵群によって生成されるメディア鍵ブロック(MKB:Media Key Block)を著作権保護(CP)管理機構から受け取る
図21は図20に示す手順で制作された再生専用メディアの再生処理の手順を示した図である。ここでは、コンピュータに取り付けられたAV(Audio/Video)デコーダボードに接続されたデータ読出しドライブによって記録媒体を再生する場合を表す。
データ読出しドライブは、記録媒体からメディア鍵ブロック(MKB)、埋込済み所有データ(RP-data+MM)、暗号化タイトル鍵(Enc-TK)、および暗号化コンテンツ(Enc-Contents)を読み出す。
データ読出しドライブメとAVデコーダボード間で認証処理が行われた後に、データ読出しドライブからAVデコーダボードにメディア鍵ブロック(MKB)と、埋込済み所有データ(RP-data+MM)が出力される。このときに出力される信号は、時限鍵によってドライブ側で暗号化、AVデコーダボード側で復号化され、伝送ラインでの不正抜き取りが防止される。
暗号化タイトル鍵(Enc-TK)や暗号化コンテンツ(Enc-Contents)は、データ読出しドライブからAVデコーダボードに、暗号化されずそのまま伝送される。
暗号化タイトル鍵(Enc-TK)をメディア固有鍵(Kmu)により復号化部323で復号し、タイトル鍵(Kt)を検出する。復号化部308によって暗号化コンテンツ(Enc-Contents)をタイトル鍵(Kt)で復号して、平文のコンテンツを再生する。
記録再生用光ディスクでの記録処理に適用する場合を説明する。記録再生用光ディスクでは、光ディスクの製造時およびユーザによる記録時に区分できる。
(1)記録媒体の製造時
図22は記録再生用光ディスクの製造時での処理内容を表す。
ディスク製造者は、コンテンツ暗号化に使われるメディア鍵(Km)、およびデバイス鍵群によって生成されるメディア鍵ブロック(MKB)を著作権保護(CP)管理機構から受け取る
秘匿情報書き込み処理部312において、メディアマーク(MM)が秘匿情報として、所有データ(RP-data)に埋め込まれ、埋込済み所有データ(RP-data+MM)が生成される。この秘匿情報書き込み処理部312での処理に、上記実施形態で示した変調・置換処理を適用することができる。即ち、この場合には所有データ(RP-data)を主情報とし、メディアマーク(MM)を秘匿情報として、それぞれが変調され、主情報への秘匿情報の埋め込みが行われる。
また、ディスク製造者は、記録媒体を一意に識別するメディア識別子(M-ID:Media ID)を用意する。
これらメディア鍵ブロック(MKB)、埋込済み所有データ(RP-data+MM)、およびメディア識別子(Media ID)が記録された記録再生用光ディスクが製造される。
図23は図22のような構成の記録再生メディアにコンテンツを暗号化処理して記録する場合の手順を表す図である。ここでは、コンピュータに取り付けられたAV(Audio/Video)エンコーダボードに接続されたデータ書き込みドライブによって記録媒体への記録を行う場合を表す。
ドライブは、記録媒体からメディア鍵ブロック(MKB)、メディア識別子(M-ID)、埋込済み所有データ(RP-data+MM)を読み出す。
埋込済み所有データ(RP-data+MM)は、秘匿情報検出部2310に入力され、所有データ(RP-data)と、秘匿情報たるメディアマーク(MM)に分離される。この秘匿情報検出部2310での処理に、上記実施形態で示した復調装置を適用することができる。即ち、この場合には所有データ(RP-data)を主情報とし、メディアマーク(MM)を秘匿情報として、それぞれが復調され、主情報と秘匿情報の分離が行われる。
メディア識別子(M-ID)とメディアマーク(MM)とを混合部2312で混合してメディアマーク識別子(MM-ID)を生成する。
ドライブとAVエンコーダボード間で認証処理が行われた後に、ドライブからAVエンコーダボードにメディア鍵ブロック(MKB)と、メディアマーク識別子(MM-ID)が出力される。このときに出力される信号は、時限鍵によってドライブ側で暗号化、AVエンコーダボード側で復号化され、伝送ラインでの不正抜き取りが防止される。
暗号化部2318でコンテンツ(contents)をタイトル鍵(TK)で暗号化して、暗号化コンテンツ(Enc-Contents)を生成し、記録媒体に記録する。
暗号化部2320でタイトル鍵(TK)をメディア固有鍵(Kmu)で暗号化して暗号化タイトル鍵(Enc-TK)を生成して、記録媒体に記録する。
図24は、図23の構成で記録された暗号化コンテンツを読み出して復号化して平文のコンテンツを再生する手順を示したものである。ここでは、コンピュータに取り付けられたAV(Audio/Video)デコーダボードに接続されたデータ書き込みドライブによって記録媒体への記録を行う場合を表す。
ドライブは、記録媒体からメディア鍵ブロック(MKB)、メディア識別子(M-ID)、埋込済み所有データ(RP-data+MM)、暗号化タイトル鍵(Enc-TK)、および暗号化コンテンツ(Enc-Contents)を読み出す。
埋込済み所有データ(RP-data+MM)は、秘匿情報検出部に入力され、所有データ(RP-data)と、秘匿情報たるメディアマーク(MM)に分離される。この秘匿情報検出部での処理に、上記実施形態で示した復調装置を適用することができる。
混合部2412でメディア識別子(M-ID)とメディアマーク(MM)とを混合してメディアマーク識別子(MM-ID)を生成する。
暗号化タイトル鍵(Enc-TK)や暗号化コンテンツ(Enc-Contents)は、データ読出しドライブからAVデコーダボードに、暗号化されずそのまま伝送される。
復号化部2426において暗号化タイトル鍵(Enc-TK)をメディア固有鍵(Kmu)で復号し、タイトル鍵(Kt)を検出する。暗号化コンテンツ(Enc-Contents)をタイトル鍵(Kt)により復号化部2428で復号化して、平文のコンテンツを再生する。
図25は、図1に示す変調処理部R071の内部構成の詳細を表すブロック図であり、図2に対応し、本発明の第2の実施形態である。
コードテーブル(Code table)部21から出力されるコード・ワード(Code Word)がメディアマーク変調部(MM Modulation)24に入力され、メディアマーク(MM)の変調の際に用いられる。
この情報は、メディアマーク変調時の状態(State)の制御に用いられる。また、埋め込むメディアマークとその前後のコード・ワード(Code Word)とを一括して処理することが可能となる。即ち、メディアマークとその前後のコード・ワード(Code Word)との間で連結規則を適用して、メディアマーク信号(MM)が埋め込まれることで生じる誤りの伝搬を低減することができる。
その他の点では、本図は本質的に図2と異なる訳ではないので、詳細な説明を省略する。
図26は図1に示す変調処理部R071の内部構成の詳細を表すブロック図であり、図2に対応し、第3の実施形態である。
ここでは、コードテーブル(Code table)部31とコード連結(Code Connector)処理部33での処理が連続して行われている。
ここで、DSV制御部(DSV Controller)35から出力される連結コード・ワード(Connected Code Word)信号がメディアマーク制御部(MM Controller)36に入力される。これは、メディアマーク制御部(MM Controller)36が、メディアマーク信号(MM)が挿入される領域の元のチャネルビット(Channel bit)の“1”の数を検出し、挿入するメディアマーク信号(MM)のチャネルビット(Channel bit)の“1”の数を同数にするよう制御することを可能とするためである。この結果、DSV制御部(DSV Controller)35で処理後の信号にメディアマーク(MM)を埋め込むことで生じ得る直流成分抑圧特性の劣化が防止される。
図27は図1に示す変調処理部R071の内部構成の詳細を表すブロック図であり、図2に対応し、第4の実施形態である。
ここでは、主情報用のコードテーブル(Code table)部44とメディアマーク変調部(MM Modulation)44とが並列に動作し、それぞれがコード・ワード(Code Word)およびメディアマーク変調信号(MM)を生成している。このとき状態レジスタ(State Register)42は、主情報用のコードテーブル(Code table)部41とメディアマーク変調部(MM Modulation)44で共通であり、この両者が切換スイッチS1で切り換えられる。また、この切換と切換スイッチS2でのコード・ワード(Code Word)とメディアマーク変調信号(MM)の出力の切換が連動して行われ、メディアマーク信号(MM)で置換するか否かに応じてコードテーブル(Code table)部41とメディアマーク変調部(MM Modulation)44を交互に動作させている(メディアマーク信号(MM)で置換されるシンボルの位置でメディアマーク変調部(MM Modulation)44を動作させるため)。
図28は本発明の第5の実施形態に係り、DVD規格に示される8−16変調方式にMM変調装置を組み込む場合を表す。
先にDVD規格で示される変調方式につき説明する。DVD規格の変調方式では、各シンボルに対して4つの状態(State)が用意され、各シンボル連結での変調規則違反が発生しないようコードテーブル(Code table)部が構成される。更に一部のデータ・ワード(Data word)に対して追加状態(State)が4つ設けられ、これを用いてDSV制御が行なわれる。同期信号も状態を選択することで、DSV制御が可能になっており、その併用でDSV制御が行なわれる。DSV制御可能なデータ・ワード(Data word)や同期信号が来た場合、複数の変換パターンを夫々メモリに記憶することで複数のチャネルビットストリームを構成させ、また夫々独立にDSV検出を行う。次にDSV制御可能な特定のデータ・ワード(Data word)や同期信号が来た場合、前のメモリに記憶したストリームでDSVが少ない方が選択され、他のストリームは破棄される。このような動作によってDSVが少ないストリームとなる変換パターンが最終的に選択される制御が繰り返される。
コードテーブル(Code table)部2810は状態レジスタ(State Register)で示される状態に応じてデータ・ワード(Data Word)B(t)を変調して、チャネルビット(Channel bit)を生成する。
この変調は、2つのテーブル(主テーブル(Main table)、代用テーブル(Substitution table))で並列して行われる。2つのテーブルそれぞれでの変調結果からDSVの小さい方を選択して出力することで、DSVを制御する。
主テーブル(Main table)では、十進数表記で0から256のデータ・ワードおよび4つの状態それぞれに対し、16ビットの変調符号が定義される。代用テーブル(Substitution table)では、十進数表記で0から87のデータ・ワードおよび4つの状態それぞれに対し、16ビットの変調符号が定義される。
メモリa(2814)及びメモリb(2816)は入力された値を保持する。
メディアマーク変調部(MM Modulation)2826には、メディアマーク(MM)と共に、メディアマーク変調用の状態(State)信号が入力され、メディアマーク変調パターンの“1”の合計の偶奇を置換前のチャネルビット(channel bit)の“1”の合計の偶奇と一致させる。このような処理を行なうことで、メディアマークの埋め込みによるDSV特性の劣化が防止される。即ち、記録信号生成のためにNRZI変換が行なわれたときに、図8で解説したメディアマーク変調パターンの最終段の極性とメディアマーク埋め込みが行なわれなかった場合の極性とを一致させられる。なお、MMパターン領域でのDSVの違いが、ストリーム全体でのDSVに僅かな変動を発生させるが、これは無視することができる。
本発明の実施形態は上記の実施形態に限られず拡張、変更可能であり、拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
Claims (2)
- 所定長のチャネルビットで構成される主情報を第1の変調方式でコード変換する主情報変換部と,
特定情報を第1の変調方式と異なる第2の変調方式でコード変換する特定情報変換部と,
処理前の隣接するチャネルビットの組み合わせと,処理後の隣接するチャネルビットの組み合わせとを対応して表す連結規則テーブルに基づいて,前記コード変換された主情報をコード変換する連結規則処理部と,
前記連結規則処理部によってコード変換された主情報の一部を前記コード変換された特定情報に置き換える置換処理部と,
前記置換処理された主情報に直流成分抑圧処理を施す直流成分抑圧処理部と,
前記連結規則処理部のコード変換の実施,非実施を制御する制御手段と,を具備し,
前記特定情報に置換されるチャネルビットに隣接する前記主情報のチャネルビットをコード変換しないように,前記制御手段が前記連結規則処理部を制御する
変調装置。 - 所定長のチャネルビットで構成される主情報を第1の変調方式でコード変換する主情報変換部と,
特定情報を第1の変調方式と異なる第2の変調方式でコード変換する特定情報変換部と,
処理前の隣接するチャネルビットの組み合わせと,処理後の隣接するチャネルビットの組み合わせとを対応して表す連結規則テーブルに基づいて,前記コード変換された主情報をコード変換する連結規則処理部と,
前記連結規則処理部によってコード変換された主情報の一部を前記コード変換された特定情報に置き換える置換処理部と,
前記特定情報に置換されたチャネルビットに隣接するチャネルビットであって,前記連結規則テーブルに基づいてコード変換された主情報のチャネルビットを前記連結規則処理される前の状態に戻す連結規則逆処理部と,
前記連結規則逆処理部によって処理された主情報に直流成分抑圧処理を施す直流成分抑圧処理部と,
を具備する変調装置。
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