JP4557160B2 - 無線通信システム、無線通信装置、受信装置、および無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム、無線通信装置、受信装置、および無線通信方法 Download PDF

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Description

本発明は、OFDM変調方式を用いる無線通信装置に関し、特に、その無線通信装置において遅延波によるブロック間干渉を低減する技術に関する。
近年、移動体通信を含む無線通信の分野においてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変調方式が注目されている。
一般に、無線通信システムでは、伝搬路の環境によってはマルチパスにより遅延波が生じることがある。OFDMを用いた無線通信システムでは、この遅延波の影響を除去するために送信信号に周期的にGI(ガードインターバル)を付加する。OFDMの送信装置は、データを所定サイズのブロックに分割し、そのブロック間にGIを付加して送信する。
遅延波の遅延がGI以内であれば、隣接するブロックから信号が漏れ込むことがなく、ブロック間で干渉が生じることはない。すなわち、OFDM無線通信システムは、遅延がGI以内のマルチパス干渉に対して耐性を有するといえる。
しかし、GIを長くするとそれだけ伝送効率が低下してしまうので、実際のシステムでは、伝送効率とマルチパス干渉に対する耐性とのバランスを取ったGIが選択される。そのため、実際の伝搬路環境によっては、マルチパスによる遅延がGIを越えることがあり、その場合にはブロック間干渉が発生する。その結果、ブロック内でのサブキャリア間の直交性が崩れ、大幅な特性劣化が生じることになる。
この問題に対して、従来、GIを越える遅延波の影響を低減する技術が提案されている(例えば、特許文献1の段落0020参照)。特許文献1に記載された従来の通信装置は、パイロットチャネルから最大遅延時間を測定し、GIを越える遅延波が存在するか否か調べる。GIを越える遅延波が存在するとき、従来の通信装置は、既知のパイロット系列とチャネル推定値から次のブロックへの干渉成分を算出し、その干渉成分を次のブロックから減算する。従来の通信装置は、このようにしてGIを越える遅延波の影響を低減していた。
特開2004−208254号公報
しかし、特許文献1に記載された従来の通信装置は、1つ前のブロックから干渉成分を算出して次のブロックから減算するという処理を順次行うので、複数ブロックにわたり誤差の伝播が生じて特性を劣化させてしまう可能性があった。
本発明の目的は、遅延波の影響を良好に低減することのできる無線通信システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の無線通信システムは、
複数のサブキャリアを用いた直交周波数分割多重変調方式で無線信号を送受信する無線通信システムであって、
未使用サブキャリアに既知値を挿入したデータチャネルにガードインターバルを付加して無線信号に多重して送信する送信装置と、
前記無線信号を受信し、受信した無線信号から遅延プロファイルを生成し、その遅延プロファイルに基づいて、ガードインターバルを越える遅延波が存在するか否か判定し、ガードインターバルを越える遅延波が存在する場合、未使用サブキャリアに既知値が挿入されていることを利用した干渉除去処理によりデータチャネルから遅延波成分を除去する受信装置とを有している。
したがって、本発明によれば、送信装置は、未使用サブキャリアに既知値を挿入した信号を送信し、受信装置は、既知値が挿入された未使用サブキャリアがあることを利用して受信信号から遅延波の干渉成分を除去するので、既知値であるはずの未使用サブキャリアへの漏れ込みから遅延波による干渉を求め、それを良好に除去することができる。
また、受信装置は、送信装置から無線信号を受信した後、その無線信号の遅延波の遅延時間から干渉除去を行うか否か判定し、干渉除去を行うと判定したときに干渉除去処理を行うこととしてもよい。
これによれば、受信装置が遅延波の遅延時間から干渉除去を行うか否か判定するので、遅延波の遅延時間が大きく、遅延波により干渉が生じる場合に処理を行い、干渉を良好に除去することができる。
また、受信装置は、ガードインターバルを越える遅延波が存在する場合、遅延波の最大遅延時間がガードインターバルを越える時間分以上の未使用サブキャリアがあれば、未使用サブキャリアに既知値が挿入されていることを利用した演算によりデータチャネルから遅延波成分を除去することとしてもよい。
これによれば、受信装置は、受信信号から生成した遅延プロファイルに基づいて、ガードインターバルを越える遅延波が存在するか否か判定し、それが存在する場合、最大遅延時間がガードインターバルを越える時間分以上の未使用サブキャリアがあれば、その未使用サブキャリアを利用して遅延波成分を除去するので、ガードインターバルが用いられている通信において、ガードインターバルを越える遅延波による干渉が生じ、かつ干渉を除去できるだけの未使用サブキャリアがある場合に処理を行い、干渉を良好に除去することができる。
また、受信装置は、ガードインターバルを越える遅延波が存在する場合、最大遅延時間がガードインターバルを超える分の時間に相当する数のサブキャリアを未使用にするサブキャリア選択情報を送信装置にフィードバックし、
送信装置は、受信装置からのサブキャリア選択情報に従って使用サブキャリアおよび未使用サブキャリアを定めることとしてもよい。
また、干渉除去処理は、未使用サブキャリアに現れた成分から使用サブキャリアに漏れ込んでいる干渉成分を推定し、この干渉成分を除去する演算処理であるとしてもよい。
また、干渉除去処理は、使用サブキャリアを表す行列と未使用サブキャリアを表す行列と解析ポイント数がサブキャリアの総数に一致したFFT行列とから得られる干渉除去フィルタ係数行列をデータチャネルに乗算する処理であるとしてもよい。
また、受信装置は、データチャネルから未使用サブキャリアに挿入された既知値の成分を除去してから、そのデータチャネルに対して干渉除去処理を行うこととしてもよい。
また、既知値はゼロであるとしてもよい。
また、送信装置は、パイロットチャネルをデータチャネルと多重して無線信号で送信しており、パイロットチャネルにデータチャネルと同じシンボル数のガードインターバルを付加することとしてもよい。
本発明によれば、送信装置は、未使用サブキャリアに既知値を挿入した信号を送信し、受信装置は、既知値が挿入された未使用サブキャリアがあることを利用して受信信号から遅延波の干渉成分を除去するので、既知値であるはずの未使用サブキャリアへの漏れ込みから遅延波による干渉を求め、それを良好に除去することができる。
本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態による無線通信システムの構成を示すブロック図である。図1を参照すると、第1の実施形態の無線通信システムは無線通信装置11、12を有している。本実施形態では、一例として、無線通信装置11と無線通信装置12が同じ構成を有し、双方向にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変調方式で通信するものとする。
図2は、第1の実施形態による無線通信装置の構成を示すブロック図である。無線通信装置11と無線通信装置12は同じ構成を有するので、ここでは代表して無線通信装置11を例示する。
図2を参照すると、無線通信装置11は、送信部21および受信部22を有している。
送信部21は、符号化部23、ブロック分割/サブキャリアマッピング部24、既知系列生成/サブキャリアマッピング部26、IFFT/GI付加部25、27、および多重部28を有している。送信部21は、対向装置の受信部22からフィードバックされるサブキャリア選択情報36に基づきサブキャリアを選択するOFDM送信機である。
図3は、第1の実施形態による送信部の処理を説明するための図である。
送信部21は、図3に示されているように、送信データである情報系列がマッピングされるデータチャネル(DataCH)と、既知のパイロット信号がマッピングされるパイロットチャネル(PilotCH)を生成し、それらを時間多重して送信する。図2におけるブロック分割/サブキャリアマッピング部24およびIFFT/GI付加部25はデータチャネル(DataCH)用である。既知系列生成/サブキャリアマッピング部26およびIFFT/GI付加部27はパイロットチャネル(PilotCH)用である。
符号化部23は、情報系列を受けて誤り訂正符号化などの符号化処理を行い、ブロック分割/サブキャリアマッピング部24に送る。
ブロック分割/サブキャリアマッピング部24は、対向装置(不図示)の受信部22からフィードバックされるサブキャリア選択情報36に基づいて、使用するサブキャリアを選択する。ここではサブキャリアの総数をC個とし、周波数の低いサブキャリアから順にサブキャリア番号を1,2,…,Cと付与する。また、使用するサブキャリアとして選択されたサブキャリアの数をQ個(C≧Q)とする。
また、ブロック分割/サブキャリアマッピング部24は、符号化部23からのデータをQ個のシンボル毎に分割し、それぞれをブロックとする。そして、ブロック毎に、ブロック分割/サブキャリアマッピング部24は、使用するものとして選択したQ個のサブキャリア(使用サブキャリア)に、そのQ個のシンボルをマッピングし、選択しなかった(C−Q)個のサブキャリア(未使用サブキャリア)に相当する部分に“0”をマッピングする。
図4は、第1の実施形態によるブロック分割/サブキャリアマッピング部の動作を説明するための図である。図4を参照すると、Q個のシンボル(S1〜SQ)は、C個のサブキャリアのうちの使用されるQ個のサブキャリアにマッピングされ、使用されない(C−Q)個のサブキャリアには“0”が挿入されている。
これによりC個のシンボルからなるブロックが生成される。ブロック分割/サブキャリアマッピング部24は、生成したブロックをIFFT/GI付加部25に送る。
なお、サブキャリア選択情報36がフィードバックされていない段階では、ブロック分割/サブキャリアマッピング部24は、使用するサブキャリアを任意に選択することとしてもよい。
IFFT/GI付加部25は、ブロック分割/サブキャリアマッピング部24からのブロックに対して、解析ポイント数がC個のIFFT(IFFT:Inverse Fast Fourier Transformation)の処理を行い、その処理結果のCシンボルに対してNシンボルのGIを付加する。
図5は、GIを付加する処理を説明するための図である。図5に示すように、GIを付加する処理は、Cシンボルからなるブロックの最後尾の連続するNシンボルを、そのブロックの前にコピーする処理である。これにより(C+N)個のシンボルからなるデータが生成される。IFFT/GI付加部25は生成したデータを多重部28に送る。
なお、ここでは、単に“シンボル”といった場合と、GIが付加されたデータの一群を示す“OFDMシンボル”とを明確に区別することとする。単にシンボルと言った場合、それは情報系列を符号化した後の個々のデータを示す。
パイロットチャネル用である既知系列生成/サブキャリアマッピング部26は、自装置および対向装置(不図示)にて既知の系列をC個のサブキャリアにマッピングする。既知系列は、例えば、全てが”1”、あるいは全てが”1+j”(jは虚数単位)のシンボルのデータである。そして、既知系列生成/サブキャリアマッピング部26は、既知系列をマッピングしたブロックをIFFT/GI付加部27に送る。
IFFT/GI付加部27は、データチャネルのIFFT/GI付加部25と同様に、既知系列生成/サブキャリアマッピング部26からのデータに対して、解析ポイントがC個のIFFT処理を行い、さらにNp個のシンボルからなるGIを付加する。
これにより(C+Np)個のシンボルからなるデータが生成される。IFFT/GI付加部27は生成したデータを多重部28に送る。
なお、パイロットチャネルのGI長(Npシンボル)はデータチャネルのGI長(Nシンボル)とは別に独立して定まる。パイロットチャネルのGI長が遅延波の最大遅延時間未満であると、パイロットチャネルに対応するブロックが前のブロックからの干渉を受け、そのチャネル推定値(CH推定値)が正確に求まらなくなる可能性がある。そのため、パイロットチャネルのGI長は、遅延波の最大遅延時間以上であることが望ましい。すなわち、遅延波の最大遅延時間をL[シンボル]とすると、Np≧Lであることが望ましい。
多重化部28は、IFFT/GI付加部25からのデータチャネルと、IFFT/GI付加部27からのパイロットチャネルとを時間多重して対向装置に送信する。
一方、受信部22は、タイミング検出部29、GI除去/FFT部30、チャネル推定部31、遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32、スイッチ33、干渉除去フィルタ係数算出/干渉除去部34、および等化/復号部35を有している。
タイミング検出部29は、対向装置から受信されたデータの系列からタイミング検出を行い、受信データとタイミング情報をGI除去/FFT部30に送る。
GI除去/FFT部30は、タイミング検出部29からのタイミング情報に基づき、受信信号内のGIの位置を特定し、受信信号からGIを除去する。さらに、GI除去/FFT部30は、GIを除去した受信信号に対してFFT(Fast Fourier Transformation)の処理を行い、受信信号に時間多重されていたパイロットチャネルとデータチャネルを分離する。そして、GI除去/FFT部30は、パイロットチャネルをチャネル推定部31に送り、データチャネルをスイッチ33に送る。
チャネル推定部31は、パイロットチャネルとして既知系列を用いてチャネル推定を行い、得られたチャネル推定値をタイミング情報とともに遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32に送る。
ここで、チャネル推定値とは、各サブキャリアの伝搬路周波数特性値であり、具体的には、GI除去/FFT部30によるFFT処理がされた後の各サブキャリアのデータを既知系列(上述の例では“1”あるいは“1+j”)で除算した結果である。そのため、チャネル推定値は、サブキャリア数(C個)分のデータからなる。
遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32は、例えばチャネル推定値に対してIFFT処理を行うことにより伝搬路の遅延プロファイルを生成する。伝搬路の遅延プロファイルとは、遅延時間と遅延波のレベルとの関係を示す情報であり、それにより、どのタイミングでどの程度のレベルの遅延波が到来しているかを知ることができる。遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32は、遅延プロファイルからGIを越える遅延波が存在するか否か判定する。すなわち、遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32は、遅延波の最大遅延時間(L[シンボル])>データチャネルのGI長(N[シンボル])であるか否か判定する。L>Nであれば、GIを越える遅延波が存在するといえる。また、N≧Lであれば、GIを越える遅延波が存在しないといえる。
そして、GIを越える遅延波が存在する場合、遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32は、最大の遅延波の遅延時間がGIを越える分の時間T(=L−N)[シンボル]を算出し、(C−T)個のサブキャリアを選択し、そのサブキャリアをサブキャリア選択情報37として対向装置の送信部21にフィードバックする。(C−T)個のサブキャリアを選択する方法として、本実施形態では、チャネル推定値においてゲインの大きな(C−T)個のサブキャリアを選択することとする。ただし、本発明は、この方法に限定されるものではなく、何らかの方法で(C−T)個のサブキャリアを選択するものであればよい。例えば、チャネル推定値においてゲインの小さなサブキャリアを選択してもよく、ゲインが中間のサブキャリアを選択してもよい。
一方、GIを越える遅延波が存在しない場合、遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32は、C個全てのサブキャリアを選択し、そのサブキャリアをサブキャリア選択情報37として対向装置の送信部21にフィードバックする。
また、遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32は、GIを越える遅延波が存在しない場合、あるいはGIを越える遅延波が存在しかつその時点で選択されていない未使用サブキャリアの数がT(=L−N)より小さい場合、スイッチ33を端子33aに接続する。これにより、GI除去/FFT部30からのデータチャネルと、遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32からのチャネル推定値とが直接に等化/復号部35に送られる。
一方、GIを越える遅延波が存在する場合、さらにその時点で選択されていない未使用サブキャリアの数がT(=L−N)以上であれば、遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32は、スイッチ33を端子33bに接続する。これにより、GI除去/FFT部30からの受信データが干渉除去フィルタ係数算出/干渉除去部34に送られる。
干渉除去フィルタ係数算出/干渉除去部34は、干渉除去フィルタ係数を求め、その干渉除去フィルタ係数を用いてデータチャネルに含まれるブロック間干渉を除去し、ブロック間干渉の除去されたデータを等化/復号部35に送る。このブロック間干渉を除去する処理は、未使用サブキャリアに“0”が挿入されていることを利用したものである。そして、この処理は、未使用サブキャリアに現れた成分から使用サブキャリアに漏れ込んでいる干渉成分を推定し、この干渉成分を除去する演算である。具体的には、干渉除去フィルタ係数算出/干渉除去部34は、GI除去/FFT部30からのデータに対して干渉除去フィルタの係数を乗算することにより干渉を除去する。
この処理に用いられる干渉除去フィルタ係数は式(1)により得られる。干渉除去フィルタWの導出については後述する。
Figure 0004557160
式(1)において、Wは、干渉除去フィルタ係数行列を示す。
また、P1は使用サブキャリアを表すQ×C行列である。k=1,2,…,Qとすると、P1の第k行は、使用サブキャリア番号の中でk番目に若い番号に対応する列成分のみが“1”で、それ以外の成分が“0”である。なお、行列に付けられた“t”は転置を表しており、例えば式(1)のP1 tはP1の転置行列を示し、以下の式でも同様である。
例えば、全サブキャリア数Cが4であり、また使用サブキャリア数Qが2であるとすると、P1は2×4行列となる。そして、4つのサブキャリア番号が1,2,3,4であるとし、2つの使用サブキャリア番号が1,3であるとすると、(1,1)成分および(2,3)成分のみが“1”で、それ以外の成分が全て“0”となる。したがって、この例ではP1は式(2)のようになる。
Figure 0004557160
また、P2は、未使用サブキャリアを表す(C−Q)×C行列である。k=1,2,…,C−Qとすると、P2の第k行は、未使用サブキャリア番号の中でk番目に若い番号に対応する列成分のみが“1”で、それ以外の成分が“0”である。
例えば、全サブキャリア数Cが4であり、使用サブキャリア数Qが2であるとすると、P2は、2×4行列となる。そして、4つのサブキャリア番号が1,2,3,4であるとし、2つの未使用サブキャリア番号が2,4であるとすると、(1,2)成分および(2,4)成分のみが“1”で、それ以外の成分が全て“0”となる。この例ではP2は式(3)のようになる。
Figure 0004557160
また、IはC×C単位行列である。
また、F′は、解析ポイント数がC個のFFT行列Fにおける一番左の列から(C−Q)列分を取り出したC×(C−Q)行列である。また、この解析ポイント数がC個のFFT行列Fは、第(k,m)成分(k=1,2,…,C、m=1,2,…,C)がexp(−j2π×(k−1)×(m−1)/C)であるC×C行列である。jは虚数単位である。
その干渉除去フィルタ係数Wを用いたブロック間干渉の除去は式(4)により行われる。
Figure 0004557160
式(4)において、dは、干渉が除去された後のデータのベクトルである。このベクトルdは、C次元列ベクトルであり、その第k成分(k=1,2,…,C)は、サブキャリア番号k(k=1,2,…,C)に対応する干渉の除去されたデータである。ベクトルdの中から使用されているサブキャリア番号に対応するQ個の成分が取り出され、等化/復号部35に送られる。
また、rは、C次元列ベクトルであり、GI除去/FFT部30からの受信データを、Cシンボルのブロック毎に区切ったものである。
等化/復号部35は、データチャネルおよびチャネル推定値を入力として等化および復号の処理を行い、情報系列を抽出する。上述したように、ここで用いられるデータチャネルは、GI除去/FFT部30から直接与えられるものの場合と、あるいは干渉除去フィルタ係数算出/干渉除去部34で干渉除去の処理がされたものの場合とがある。
図6は、本実施形態の無線通信装置の受信部による干渉除去動作の一例を示すフローチャートである。図6を参照すると、まず、遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32は、遅延波の最大遅延時間がデータチャネルのGI長より大きいか否か、すなわちL>Nであるか否か判定する(ステップ101)。
L>Nであれば、遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32は、次に未使用サブキャリア数が、最大遅延時間がGIを越える分の時間に相当するシンボル数以上であるか否か、すなわちC−Q≧Tであるか否か判定する(ステップ102)。
C−Q≧Tであれば、遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32はスイッチ33を端子33bに接続し、干渉除去フィルタ係数算出/干渉除去部34による処理データチャネルに適用する(ステップ103)。
一方、ステップ101の判定でL>Nでなかった場合、あるいはステップ102の判定でC−Q≧Tでなかった場合には、遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32はスイッチ33を端子33aに接続し、干渉除去フィルタ係数算出/干渉除去部34による処理データチャネルに適用しない(ステップ104)。
以上説明したように、本実施形態の無線通信システムにおいて、送信側の無線通信装置は、受信側の無線通信装置からフィードバックされたサブキャリア選択情報36に基づいて使用するサブキャリアを選択し、使用するとして選択したサブキャリアにシンボルをマッピングし、他のサブキャリアに“0”をマッピングする。また、受信側の無線通信装置は、送信側の無線通信装置からの受信信号にGIを超える遅延波が存在するか否か判定し、GIを超える遅延波が存在すれば、最大の遅延がGIを越える分に応じて使用しないサブキャリアの数を定めてサブキャリア情報を送信側の無線通信装置にフィードバックし、また未使用サブキャリアに“0”が挿入されていることを利用して送信側の無線通信装置からの受信信号から遅延波の干渉成分を除去する。
したがって、本実施形態の無線通信システムによれば、送信側の無線通信装置は、未使用サブキャリアに“0”を挿入した信号を送信し、受信側の無線通信装置は、“0”が挿入された未使用サブキャリアがあることを利用して受信信号から遅延波の干渉成分を除去するので、“0”であるはずの未使用サブキャリアへの漏れ込みから遅延波による干渉を求め、それを良好に除去することができる。なお、直交周波数分割多重方式では、遅延波があれば、互いに直交するサブキャリア間で漏れ込みが生じるので、“0”であるはずの未使用サブキャリアに値が現れる。これを利用して遅延波によるブロック間干渉を推定することができる。
また、本実施形態の無線通信システムでは、受信側の無線通信装置が遅延波の遅延時間から干渉除去を行うか否か判定するので、遅延波の遅延時間が大きく、遅延波により干渉が生じる場合に処理を行い、干渉を良好に除去することができる。
また、本実施形態の無線通信システムでは、受信側の無線通信装置は、受信信号から生成した遅延プロファイルに基づいて、GIを越える遅延波が存在するか否か判定し、それが存在する場合、最大遅延時間がGIを越える時間分以上の未使用サブキャリアがあれば、その未使用サブキャリアを利用して遅延波成分を除去するので、GIが用いられている通信において、GIを越える遅延波による干渉が生じる場合に処理を行い、干渉を良好に除去することができる。
また、本実施形態の無線通信システムによれば、使用サブキャリア数および配置を伝搬路の最大遅延時間およびチャネル推定値に応じて適応的に制御できるので、遅延時間の変化に対してGIを変更することなく、ブロック間干渉を良好に除去し、良好な特性の受信が可能である。
なお、本実施形態における符号化部23および等化/復号部35で用いる符号化方式としては様々なものが考えられるが、どの方式を採用するかは本発明の本質に影響を与えるものではない。
また、本実施形態では、GIを用いる直交周波数分割多重方式の通信に本発明を適用した場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。GIを用いない方式であっても本発明を適用することにより、本実施形態と同様にブロック間干渉を除去することが可能である。
第2の実施形態について図面を参照して説明する。第2の実施形態は、無線通信装置の送信部が、対向装置の受信部からのサブキャリア選択情報なしに、使用サブキャリア数および番号を固定的に定める点で第1の実施形態と異なる。使用サブキャリア数およびそのサブキャリア番号は、予め測定された伝搬路の状況に基づき、最大遅延時間に応じて定められる。
図7は、第2の実施形態による無線通信装置の構成を示すブロック図である。図7を参照すると、無線通信装置11と無線通信装置12は同じ構成を有するので、ここでは代表して無線通信装置11を例示する。
図7を参照すると、無線通信装置11は、送信部41および受信部42を有している。
送信部41は、符号化部23、ブロック分割/サブキャリアマッピング部43、既知系列生成/サブキャリアマッピング部26、IFFT/GI付加部25、27、および多重部28を有している。符号化部23、既知系列生成/サブキャリアマッピング部26、IFFT/GI付加部25、27、および多重部28は図2に示した第1の実施形態と同じものである。
ブロック分割/サブキャリアマッピング部43は、対向装置の受信部からのサブキャリア選択情報なしに、使用サブキャリア数および番号を固定的に定める点で第1の実施形態のブロック分割/サブキャリアマッピング部24と異なる。ブロック分割/サブキャリアマッピング部43は、リンク設定のときに対向装置の受信部および自身に共通に予め設定された所定の使用サブキャリア数Tおよびそのサブキャリア番号を記憶する。
送信部41は、その所定のサブキャリア数およびサブキャリア番号を用いて、第1の実施形態と同様の動作をする。
一方、受信部42は、タイミング検出部29、GI除去/FFT部30、チャネル推定部31、遅延時間判定部44、スイッチ33、干渉除去フィルタ係数算出/干渉除去部34、および等化/復号部35を有している。
タイミング検出部29、GI除去/FFT部30、チャネル推定部31、スイッチ33、干渉除去フィルタ係数算出/干渉除去部34、および等化/復号部35は図2に示した第1の実施形態と同じものである。
遅延時間判定部44は、使用サブキャリアを選択し、対向装置にフィードバックする機能を有しない点で第1の実施形態の遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32と異なる。
遅延時間判定部44は、最大遅延時間を測定して、それがGIを超えるか否か判定し、その結果に応じてスイッチ33を切り替える。
以上説明したように、本実施形態の無線通信システムによれば、固定的に定められた使用サブキャリア数および配置を用いており、GIを超える遅延波があると、受信側の無線通信装置は、“0”がマッピングされた未使用サブキャリアがあることを利用して受信信号から遅延波成分を除去するので、最大遅延時間の変動が少ないシステムにおいて、GIを越える遅延波の影響によるブロック間干渉を簡易な構成および制御で良好に除去することができる。
第3の実施形態について説明する。
第1および第2の実施形態では、パイロットチャネルのGI長NpとデータチャネルのGI長Nとを異なるものとして扱ったが、第3の実施形態は、これらを同じ長さにすることとしたものである。第3の実施形態の無線通信システムは第1あるいは第2の実施形態の無線通信シテムと同じ構成であり、IFFT/GI付加部27の動作のみが異なる。
本実施形態は、パイロットチャネル用のIFFT/GI付加部27が、データチャネル用のIFFT/GI付加部25と同じNシンボルのGIを付加するものである。
本実施形態によれば、パイロットチャネルに割り当てるGIを削減し、データチャネルの送信に用いることができるので、リソースの有効な活用が可能である。
なお、本実施形態によれば、遅延波の最大遅延時間LがパイロットチャネルのGI長Nを超える可能性がある。GIを越える遅延波が存在すれば、パイロットチャネルがブロック間干渉を受けるのでチャネル推定精度が劣化するが、複数のアンテナを用いたアンテナダイバーシティを受信に用いればチャネル推定精度の改善が可能である。
例えば、各受信アンテナについて最大遅延時間を測定し、GIを越える遅延波が検出されないアンテナで受信された信号から得られるチャネル推定値を用いることとすればよい。また、全てのアンテナの受信信号にてGIを越える遅延波が検出された場合、遅延時間の最も小さいアンテナの受信信号から得られるチャネル推定値を用いることで精度の劣化を小さく抑えられる。
第4の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、未選択の(C−Q)個のサブキャリアに“0”を挿入することとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。未選択サブキャリアに挿入する値は送信側の装置と受信側の装置にて既知であればよい。その場合、受信側の装置は、未使用サブキャリアに既知の値が挿入されていることを利用した演算により干渉を除去する。
図8は、第4の実施形態による無線通信装置の構成を示すブロック図である。図8を参照すると、無線通信装置は、送信部51および受信部52を有している。
送信部51は、符号化部23、ブロック分割/サブキャリアマッピング部53、既知系列生成/サブキャリアマッピング部26、IFFT/GI付加部25、27、および多重部28を有している。符号化部23、既知系列生成/サブキャリアマッピング部26、IFFT/GI付加部25、27、および多重部28は図2に示した第1の実施形態と同じものである。
ブロック分割/サブキャリアマッピング部53は、未使用サブキャリアに既知の値を挿入する点で第1の実施形態のブロック分割/サブキャリアマッピング部24と異なる。この既知の値は、本無線通信装置および対向装置の双方にて共に既知である。
送信部51は、未使用サブキャリアに既知の値を挿入することを除き、第1の実施形態と同様の動作をする。
一方、受信部52は、タイミング検出部29、GI除去/FFT部30、チャネル推定部31、遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32、スイッチ33、干渉除去フィルタ係数算出/干渉除去部54、および等化/復号部35を有している。
タイミング検出部29、GI除去/FFT部30、チャネル推定部31、遅延時間判定/使用サブキャリア設定部32、スイッチ33、および等化/復号部35は図2に示した第1の実施形態と同じものである。
干渉除去フィルタ係数算出/干渉除去部54は、GI除去/FFT部30から与えられるデータチャネルから未使用サブキャリアにマッピングされた既知の値の成分を減算した後に、干渉除去フィルタ係数を用いてブロック間干渉を除去する点で、図2に示された第1の実施形態と異なる。
未使用サブキャリアにマッピングし送信された既知の値の受信信号成分は、対向装置の送信部にて挿入された既知の値が伝搬路を通って受信されたものなので、伝搬路特性を推定したチャネル推定値に既知の値を乗算したものとなる。
ブロック間干渉の除去に用いる干渉除去フィルタ係数は、式(1)に示された第1の実施形態と同じものである。
以上説明したように、本実施形態の無線通信システムによれば、送信側の無線通信装置は、既知の値を未使用サブキャリアに挿入し、受信側の無線通信装置は、データチャネルから伝搬路を通過した既知の値の成分を減算してから干渉除去の処理を行うので、未使用サブキャリアに挿入する値として“0”に限らず広く既知の値を用いても、第1の実施形態と同様に、GIを越える遅延波の影響によるブロック間干渉を良好に除去することができる。
次に、上述した各実施形態で用いられる干渉除去フィルタWの値の導出について説明する。
ここでは干渉除去フィルタWを導出するために、式(1)に含まれる変数の他に以下に示す変数を定義する。
i(i=0,1,2,・・・,L)は、iシンボル分の遅延で到来する遅延波の時間応答である。この中でi=0は遅延がない到来波すなわち直接波を示す。
d(k)は、干渉除去の対象となるブロックの送信シンボル(すなわち1OFDMシンボル分のシンボル)をサブキャリア番号の若い順位並べてできるC次元列ベクトルである。
d(k−1)は、干渉除去の対象となるブロックの1つ前のブロックの送信シンボルをサブキャリア番号の若い順に並べてできるC次元列ベクトルである。
1(k)は、干渉除去対象のブロックに含まれる使用サブキャリアにマッピングされるQ個のシンボルを、サブキャリア番号の若い順にならべてできるQ次元列ベクトルである。
2(k)は、干渉除去対象のブロックに含まれる未使用サブキャリアにマッピングされる(C−Q)個の既知のシンボルを、サブキャリア番号の若い順にならべてできる(C−Q)次元列ベクトルである。例えば、未使用サブキャリアに“0”がマッピングされる場合、全ての要素が“0”となる。
Λは、対角成分すなわち第(i,i)成分(i=1,2,・・・,C)がi番目のサブキャリアのチャネル応答であり、他の成分が全て“0”である対角行列である。このΛは、チャネル推定値を示すC×C行列である。
IBIは、第(m,C−L+N+m+k)成分がhL-k(k=0,1,2,・・・,L−N−1;m=1,2,・・・,L−N−k)であり、他の成分が全て“0”であるようなC×C行列である。HIBIは式(5)のように示される。
Figure 0004557160
Hは、C×C行列であり、第1行目が[h0,0,・・・・・・,0,hL,・・・,h2,h1]であり、第k行(k=1,2,・・・,C)が第1行目を(k−1)成分だけ右巡回シフトした値であるToeplitz行列である。Hは式(6)のように示される。
Figure 0004557160
Nは、第(N+i,i)成分(i=1,2,・・・,C−N)および第(i,C−N+i)成分(i=1,2,・・・,N)が“1”であり、他の全ての成分が“0”であるC×C行列である。SNは、式(7)のように示される。
Figure 0004557160
また、これら定義した行列には、式(8)および式(9)の関係が成立する。
Figure 0004557160
GI除去/FFT部30でGIを除去されFFT処理されたデータrは、これらの変数を用いて式(10)のように示すことができる。ここでは、干渉除去の対象となるブロックは1つ前のブロックからの干渉を受けうるものとする。
Figure 0004557160
式(10)の右辺の第1項すなわちFHIBI-1d(k−1)は、干渉除去の対象となるブロックの1つ前のブロックからの干渉成分である。また、第2項すなわちF(H−HIBIN)F-1d(k)は、干渉除去の対象となるブロックの成分である。
このrには、使用サブキャリアと未使用サブキャリアの成分が含まれる。そのため、まず、rから未使用サブキャリアにマッピングされた既知の値の成分を除去する。減算すべき未使用サブキャリアの成分は、チャネル推定値Λを用いてΛP2 t2(k)と表すことができる。
なお、第4の実施形態において、データチャネルから既知の値の成分を減算する処理は、既知の値の成分を含むデータrから、チャネル推定値Λと推定される伝搬路を通った既知の値d2(k)の成分ΛP2 t2(k)を減算するものである。
また、未使用サブキャリアに“0”がマッピングされる場合、伝搬路を通過する既知の値の成分が“0”なので、この減算は不要である。
この減算結果に、式(8)および式(9)を適用すると式(11)が得られる。
Figure 0004557160
この式(11)に対して、干渉除去フィルタWにより1つ前のブロックからの干渉を除去するものとすると、式(12)および式(13)からなる連立方程式が得られる。
Figure 0004557160
なお、式(12)において、Oは、全ての成分が0のQ×C行列である。
この式(12)および式(13)からなる連立方程式を解くと、干渉除去フィルタ係数行列Wが上述した式(1)のように求められる。
第1の実施形態による無線通信システムの構成を示すブロック図である。 第1の実施形態による無線通信装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態による送信部の処理を説明するための図である。 第1の実施形態によるブロック分割/サブキャリアマッピング部の動作を説明するための図である。 GIを付加する処理を説明するための図である。 本実施形態の無線通信装置の受信部による干渉除去動作の一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態による無線通信装置の構成を示すブロック図である。 第4の実施形態による無線通信装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
11、12 無線通信装置
21、41、51 送信部
22、42、52 受信部
23 符号化部
24、43、53 ブロック分割/サブキャリアマッピング部
25、27 IFFT/GI付加部
26 既知系列生成/サブキャリアマッピング部
28 多重部
29 タイミング検出部
30 GI除去/FFT部
31 チャネル推定部
32 遅延時間判定/使用サブキャリア設定部
33 スイッチ
33a、33b 端子
34、54 干渉除去フィルタ係数算出/干渉除去部
35 等化/復号部
36、37 サブキャリア選択情報
44 遅延時間判定部
101〜104 ステップ

Claims (34)

  1. 複数のサブキャリアを用いた直交周波数分割多重変調方式で無線信号を送受信する無線通信システムであって、
    未使用サブキャリアに既知値を挿入したデータチャネルにガードインターバルを付加して無線信号に多重して送信する送信装置と、
    前記無線信号を受信し、受信した前記無線信号から遅延プロファイルを生成し、該遅延プロファイルに基づいて、前記ガードインターバルを越える遅延波が存在するか否か判定し、前記ガードインターバルを越える遅延波が存在する場合、前記未使用サブキャリアに前記既知値が挿入されていることを利用した干渉除去処理により前記データチャネルから遅延波成分を除去する受信装置とを有する無線通信システム。
  2. 前記受信装置は、前記送信装置から前記無線信号を受信した後、該無線信号の遅延波の遅延時間から干渉除去を行うか否か判定し、干渉除去を行うと判定したときに前記干渉除去処理を行う、請求項1記載の無線通信システム。
  3. 記受信装置は、前記ガードインターバルを越える遅延波が存在する場合、前記遅延波の最大遅延時間が前記ガードインターバルを越える時間分以上の未使用サブキャリアがあれば、前記未使用サブキャリアに前記既知値が挿入されていることを利用した演算により前記データチャネルから遅延波成分を除去する、請求項1または2に記載の無線通信システム。
  4. 前記受信装置は、前記ガードインターバルを越える遅延波が存在する場合、前記最大遅延時間がガードインターバルを超える分の時間に相当する数のサブキャリアを未使用にするサブキャリア選択情報を前記送信装置にフィードバックし、
    前記送信装置は、前記受信装置からの前記サブキャリア選択情報に従って使用サブキャリアおよび未使用サブキャリアを定める、請求項3記載の無線通信システム。
  5. 前記干渉除去処理は、前記未使用サブキャリアに現れた成分から使用サブキャリアに漏れ込んでいる干渉成分を推定し、この干渉成分を除去する演算処理である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  6. 複数のサブキャリアを用いた直交周波数分割多重変調方式で無線信号を送受信する無線通信システムであって、
    未使用サブキャリアに既知値を挿入したデータチャネルを無線信号に多重して送信する送信装置と、
    前記無線信号を受信し、前記未使用サブキャリアに前記既知値が挿入されていることを利用した干渉除去処理により前記データチャネルから遅延波成分を除去する受信装置とを有し、
    前記干渉除去処理は、使用サブキャリアを表す行列と未使用サブキャリアを表す行列と解析ポイント数がサブキャリアの総数に一致したFFT行列とから得られる干渉除去フィルタ係数行列を前記データチャネルに乗算する処理である
    線通信システム。
  7. 前記受信装置は、前記データチャネルから前記未使用サブキャリアに挿入された前記既知値の成分を除去してから、該データチャネルに対して前記干渉除去処理を行う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  8. 前記既知値はゼロである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  9. 前記送信装置は、パイロットチャネルを前記データチャネルと多重して無線信号で送信しており、前記パイロットチャネルに前記データチャネルと同じシンボル数のガードインターバルを付加する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  10. 複数のサブキャリアを用いた直交周波数分割多重変調方式で無線信号を送受信する無線通信装置であって、
    未使用サブキャリアに既知値を挿入したデータチャネルにガードインターバルを付加して無線信号に多重して対向装置に送信する送信部と、
    前記対向装置から無線信号を受信し、受信した前記無線信号から遅延プロファイルを生成し、該遅延プロファイルに基づいて、前記ガードインターバルを越える遅延波が存在するか否か判定し、前記ガードインターバルを越える遅延波が存在する場合、前記無線信号に多重されている未使用サブキャリアに前記既知値が挿入されていることを利用した干渉除去処理によりデータチャネルから遅延波成分を除去する受信部とを有する無線通信装置。
  11. 前記受信部は、前記対向装置から前記無線信号を受信した後、該無線信号の遅延波の遅延時間から干渉除去を行うか否か判定し、干渉除去を行うと判定されたときに前記干渉除去処理を行う、請求項10記載の無線通信装置。
  12. 記受信部は、前記ガードインターバルを越える遅延波が存在する場合、前記遅延波の最大遅延時間が前記ガードインターバルを越える時間分以上の未使用サブキャリアがあれば、前記未使用サブキャリアに前記既知値が挿入されていることを利用した演算により前記データチャネルから遅延波成分を除去する、請求項10または11に記載の無線通信装置。
  13. 前記受信部は、前記ガードインターバルを越える遅延波が存在する場合、前記最大遅延時間がガードインターバルを超える分の時間に相当する数のサブキャリアを未使用にするサブキャリア選択情報を前記対向装置にフィードバックし、
    前記送信部は、前記対向装置からの前記サブキャリア選択情報に従って使用サブキャリアおよび未使用サブキャリアを定める、請求項12記載の無線通信装置。
  14. 前記干渉除去処理は、前記未使用サブキャリアに現れた成分から使用サブキャリアに漏れ込んでいる干渉成分を推定し、この干渉成分を除去する演算処理である、請求項10〜13のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  15. 複数のサブキャリアを用いた直交周波数分割多重変調方式で無線信号を送受信する無線通信装置であって、
    未使用サブキャリアに既知値を挿入したデータチャネルを無線信号に多重して対向装置に送信する送信部と、
    前記対向装置から無線信号を受信し、前記無線信号に多重されている未使用サブキャリアに前記既知値が挿入されていることを利用した干渉除去処理によりデータチャネルから遅延波成分を除去する受信部とを有し、
    前記干渉除去処理は、使用サブキャリアを表す行列と未使用サブキャリアを表す行列と解析ポイント数がサブキャリアの総数に一致したFFT行列とから得られる干渉除去フィルタ係数行列を前記データチャネルに乗算する処理である
    線通信装置。
  16. 前記受信部は、前記データチャネルから前記未使用サブキャリアに挿入された前記既知値の成分を除去してから、該データチャネルに対して前記干渉除去処理を行う、請求項10〜15のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  17. 前記既知値はゼロである、請求項10〜16のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  18. 前記送信部は、パイロットチャネルを前記データチャネルと多重して無線信号で送信しており、前記パイロットチャネルに前記データチャネルと同じシンボル数のガードインターバルを付加する、請求項10〜17のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  19. 複数のサブキャリアを用いた直交周波数分割多重変調方式で送信装置からの無線信号を受信する受信装置であって、
    ガードインターバルが付加されたデータチャネルの未使用サブキャリアに既知値が挿入された前記送信装置からの無線信号の遅延波の遅延時間から干渉除去を行うか否かを、前記無線信号から生成される遅延プロファイルにて前記ガードインターバルを越える遅延波が存在するか否かに基づいて判定する判定部と、
    前記判定部により干渉除去を行うと判定されたとき、前記未使用サブキャリアに前記既知値が挿入されていることを利用した干渉除去処理によりデータチャネルから遅延波成分を除去する干渉除去部とを有する受信装置。
  20. 記判定部は、前記ガードインターバルを越える遅延波が存在しかつ前記遅延波の最大遅延時間が前記ガードインターバルを越える時間分以上の未使用サブキャリアがあるとき、干渉除去を行うと判定する、請求項19記載の受信装置。
  21. 前記判定部は、前記ガードインターバルを越える遅延波が存在する場合、前記最大遅延時間がガードインターバルを超える分の時間に相当する数のサブキャリアを未使用にするように前記送信装置に指示する、請求項20記載の受信装置。
  22. 前記干渉除去処理は、前記未使用サブキャリアに現れた成分から使用サブキャリアに漏れ込んでいる干渉成分を推定し、この干渉成分を除去する演算処理である、請求項19〜21のいずれか1項に記載の受信装置。
  23. 複数のサブキャリアを用いた直交周波数分割多重変調方式で送信装置からの無線信号を受信する受信装置であって、
    データチャネルの未使用サブキャリアに既知値が挿入された前記送信装置からの無線信号の遅延波の遅延時間から干渉除去を行うか否か判定する判定部と、
    前記判定部により干渉除去を行うと判定されたとき、前記未使用サブキャリアに前記既知値が挿入されていることを利用した干渉除去処理によりデータチャネルから遅延波成分を除去する干渉除去部とを有し、
    前記干渉除去処理は、使用サブキャリアを表す行列と未使用サブキャリアを表す行列と解析ポイント数がサブキャリアの総数に一致したFFT行列とから得られる干渉除去フィルタ係数行列を前記データチャネルに乗算する処理である
    信装置。
  24. 前記受信部は、前記データチャネルから前記未使用サブキャリアに挿入された前記既知値の成分を除去してから、該データチャネルに対して前記干渉除去処理を行う、請求項19〜23のいずれか1項に記載の受信装置。
  25. 前記既知値はゼロである、請求項19〜24のいずれか1項に記載の受信装置。
  26. 複数のサブキャリアを用いた直交周波数分割多重変調方式で無線信号を送受信するための無線通信方法であって、
    送信装置から、未使用サブキャリアに既知値を挿入したデータチャネルにガードインターバルを付加して無線信号に多重して送信するステップと、
    受信装置にて、前記送信装置から前記無線信号を受信し、受信した前記無線信号から遅延プロファイルを生成し、該遅延プロファイルに基づいて、前記ガードインターバルを越える遅延波が存在するか否か判定し、前記ガードインターバルを越える遅延波が存在する場合、前記未使用サブキャリアに前記既知値が挿入されていることを利用した干渉除去処理により前記データチャネルから遅延波成分を除去するステップとを有する無線通信方法。
  27. 前記受信装置にて、前記送信装置から前記無線信号を受信したとき、該無線信号の遅延波の遅延時間から干渉除去を行うか否か判定し、干渉除去を行うと判定されたときに前記干渉除去処理を行う、請求項26記載の無線通信方法。
  28. 記受信装置にて、前記ガードインターバルを越える遅延波が存在する場合、前記遅延波の最大遅延時間が前記ガードインターバルを越える時間分以上の未使用サブキャリアがあれば、前記未使用サブキャリアに前記既知値が挿入されていることを利用した演算により前記データチャネルから遅延波成分を除去する、請求項26または27に記載の無線通信方法。
  29. 前記受信装置にて、前記ガードインターバルを越える遅延波が存在する場合、前記最大遅延時間がガードインターバルを超える分の時間に相当する数のサブキャリアを未使用にするサブキャリア選択情報を前記送信装置にフィードバックし、
    前記送信装置にて、前記受信装置からの前記サブキャリア選択情報に従って使用サブキャリアおよび未使用サブキャリアを定める、請求項28記載の無線通信方法。
  30. 前記干渉除去処理は、前記未使用サブキャリアに現れた成分から使用サブキャリアに漏れ込んでいる干渉成分を推定し、この干渉成分を除去する演算処理である、請求項26〜29のいずれか1項に記載の無線通信方法。
  31. 複数のサブキャリアを用いた直交周波数分割多重変調方式で無線信号を送受信するための無線通信方法であって、
    送信装置から、未使用サブキャリアに既知値を挿入したデータチャネルを無線信号に多重して送信するステップと、
    受信装置にて、前記送信装置から前記無線信号を受信し、前記未使用サブキャリアに前記既知値が挿入されていることを利用した干渉除去処理により前記データチャネルから遅延波成分を除去するステップとを有し、
    前記干渉除去処理は、使用サブキャリアを表す行列と未使用サブキャリアを表す行列と解析ポイント数がサブキャリアの総数に一致したFFT行列とから得られる干渉除去フィルタ係数行列を前記データチャネルに乗算する処理である
    線通信方法。
  32. 前記受信装置にて、前記データチャネルから前記未使用サブキャリアに挿入された前記既知値の成分を除去してから、該データチャネルに対して前記干渉除去処理を行う、請求項26〜31のいずれか1項に記載の無線通信方法。
  33. 前記既知値はゼロである、請求項26〜32のいずれか1項に記載の無線通信方法。
  34. 前記送信装置にて、パイロットチャネルを前記データチャネルと多重して無線信号で送信しており、前記パイロットチャネルに前記データチャネルと同じシンボル数のガードインターバルを付加する、請求項26〜33のいずれか1項に記載の無線通信方法。
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