JP4556116B2 - 定電圧電源回路 - Google Patents

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Description

本発明は定電圧電源回路に関し、例えば携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistance )等の携帯機器に設けられ、出力電流が過電流とならないようにする保護機能(以下、これを過電流保護機能と呼ぶ)を有する定電圧電源回路に適用して好適なものである。
図16に示すように、過電流保護機能を有する一般的な定電圧電源回路1は、差動増幅器A1の第1の入力端子N11が基準電圧源BGR1に接続されると共に、当該差動増幅器A1の出力端子O11が電圧電流制御トランジスタQ1のゲートに接続されている。また電圧電流制御トランジスタQ1は、入力電圧源から供給される電源電圧Vinの入力端子Tin1にソースが接続されると共に、定電圧電源回路1の出力端子Tout1にドレインが接続されている。さらに出力端子Tout1とグランドGNDとの間には、出力コンデンサC1と、負荷L1と、当該出力端子Tout1に発生する出力電圧Vout1を分圧するための電圧分圧器Z1とが並列に接続されている。かかる電圧分圧器Z1は、出力端子Tout1及びグランドGND間に直列接続された第1及び第2の抵抗(以下、これを第1及び第2の分圧抵抗と呼ぶ)Z11及びZ12から形成されている。また電圧分圧器Z1は、第1及び第2の分圧抵抗Z11及びZ12の接続中点が、出力電圧Vout1に対する分圧点P1として差動増幅器A1の第2の入力端子N12に接続されている。
この場合、基準電圧源BGR1は、出力電圧Vout1を生成するための基準となる基準電圧Vref1を生成する。そして基準電圧源BGR1は、その基準電圧Vref1を差動増幅器A1の第1の入力端子N11に供給している。また電圧分圧器Z1は、出力端子Tout1に発生する出力電圧Vout1を差動増幅器A1への帰還用として、分圧点P1において第1及び第2の分圧抵抗Z11及びZ12の抵抗値により選定された分圧比で分圧する。そして電圧分圧器Z1は、このように出力電圧Vout1を分圧して得られた分圧電圧Vz1を差動増幅器A1の第2の入力端子N12に供給する。
従って差動増幅器A1は、基準電圧Vref1と分圧電圧Vz1との差電圧を増幅し、当該増幅した差電圧を出力電圧生成用の制御信号として電圧電流制御トランジスタQ1のゲートに供給する。これにより差動増幅器A1、かかる制御信号によって電圧電流制御トランジスタQ1のオン抵抗を増減させて制御する。電圧電流制御トランジスタQ1は、制御信号によるオン抵抗の制御に応じて、ドレイン・ソース間に流れる出力電流Iout1の電流値を制御する。これにより定電圧電源回路1は、電圧電流制御トランジスタQ1に流れる出力電流Iout1により出力コンデンサC1を充電するようにして出力端子Tout1において出力電圧Vout1を生成し、かかる出力電圧Vout1を負荷L1に供給する。
このようにして定電圧電源回路1は、負荷L1の変動により出力電圧Vout1が変動すると、当該変動した出力電圧Vout1を分圧電圧Vz1として差動増幅器A1に帰還させる。そして差動増幅器A1は、基準電圧Vref1と分圧電圧Vz1との差電圧に基づいて、(1)式
Figure 0004556116
で表されるように、出力電圧Vout1を第1及び第2の分圧抵抗Z11及びZ12の抵抗値R1及びR2により選定された分圧比で分圧することにより得られる分圧電圧Vz1が、基準電圧Vref1とほぼ等しくなるように電圧電流制御トランジスタQ1のオン抵抗を制御する。これにより定電圧電源回路1は、出力端子Tout1において、所定の定電圧値の出力電圧Vout1を生成することができる。なお(1)式において、Voutは出力電圧Vout1の電圧値を示す。またVrefは基準電圧Vref1の電圧値を示す。
因みに定電圧電源回路1において出力電圧Vout1を生成する際の電圧電流制御トランジスタQ1における電力損失Poutは、そのとき出力端子Tout1に流れる出力電流Iout1の電流値をIoutとすると、(2)式
Figure 0004556116
で表されるように、電源電圧Vin及び出力電圧Vout1の減算結果に、かかる出力電流Iout1を乗算することで求めることができる。
かかる構成に加えて定電圧電源回路1は、差動増幅器A1の出力端子O11と、電圧電流制御トランジスタQ1のゲートとの接続中点に過電流保護回路部2が接続されている。そして過電流保護回路部2は、定電圧電源回路1の動作時、差動増幅器A1から電圧電流制御トランジスタQ1のゲートに供給される制御信号の値を調整する。これにより過電流保護回路部2は、負荷L1が短絡したときや過負荷になったとき等に出力電流Iout1の電流値Ioutが予め選定された制限の上限値である第1の電流値(以下、これを制限上限値と呼ぶ)よりも大きくなることを強制的に抑える。従って過電流保護回路部2は、負荷L1に対し出力電流Iout1が過電流となって流れることを回避し、かくして負荷L1側を過電流による発熱等から保護している。
この場合、かかる定電圧電源回路1は、縦軸を出力電圧Vout1にとり、横軸を出力電流Iout1にとって示す電流制限特性に従って当該出力電流Iout1の電流値Ioutを制限上限値以下に制限することにより過電流保護機能を実現している。そしてかかる電流制限特性としては以下に示す3種類がある。まず図17に示すように、電流制限特性としては、出力電流Iout1の電流値Ioutが制限上限値Imaxに達したら、当該出力電流Iout1の電流値Iout(すなわち、制限上限値Imax)を一定に保つようにする垂下特性(以下、これを定電流型垂下特性と呼ぶ)を示すものがある。
また図18に示すように、電流制限特性としては、出力電流Iout1の電流値Ioutが制限上限値Imaxに達したら、当該出力電流Iout1の電流値Iout(すなわち、制限上限値Imax)を、その制限上限値Imaxよりも小さい、予め選定された制限の下限値である第2の電流値(以下、これを制限下限値と呼ぶ)Imin1まで、片仮名の「フ」の字を描くようにほぼ線形に低下させる垂下特性(以下、これをフの字型垂下特性と呼ぶ)を示すものもある。さらに図19に示すように、電流制限特性としては、出力電流Iout1の電流値Ioutが制限上限値Imaxに達したら、当該出力電流Iout1の電流値Iout(すなわち、制限上限値Imax)を予め選定された制限下限値Imin2まで、指数関数的に急激に低下させる垂下特性(以下、これをフォールドバック型垂下特性と呼ぶ)を示すものもある。
従って従来の一般的な定電圧電源回路1では、動作時、過電流保護回路部2により電流制限特性としての定電流型垂下特性、フの字型垂下特性及びフォールドバック型垂下特性のうち何れかに従って出力電流Iout1の電流値Ioutを制限上限値Imax以下に抑えている。しかしながら定電圧電源回路1は、このような過電流保護回路部2が設けられていると、出力電圧Vout1の立ち上げ時にも電流制限特性に従い、電圧電流制御トランジスタQ1に供給する制御信号の値を調整して出力電流Iout1の電流値Ioutを低く制限する。このため定電圧電源回路1は、出力電圧Vout1の立ち上げ時に出力コンデンサC1の充電に時間がかかり、その結果、過電流保護回路部2が設けられていない場合に比して、出力電圧Vout1が定電圧値に立ち上がるまでの時間が長くなる。
このため従来、図20に示すように構成されたボルテージレギュレータ5がある。かかるボルテージレギュレータ5は、演算増幅器6により基準電圧発生回路7から供給される基準電圧Vref2と、分圧回路8から出力電圧Vout2を分圧して与えられる分圧電圧Vz2とに基づいて出力トランジスタQ2の動作を制御する。これによりボルテージレギュレータ5は、出力トランジスタQ2により、電源端子9を介して供給される電源電圧VDDから出力電圧Vout2を生成し、当該生成した出力電圧Vout2を出力端子10を介して出力する。
この場合、ボルテージレギュレータ5は、電流制限回路11が電流制限制御回路12を介して出力トランジスタQ2のゲートに接続されている。そしてボルテージレギュレータ5は、外部からCE入力端子13を介してチップイネーブル信号S1が演算増幅器6に入力されると、これに応じて演算増幅器6が活性化状態になる。またボルテージレギュレータ5は、このときチップイネーブル信号S1が電流制限制御回路12にも入力されることで当該電流制限制御回路12により所定時間の間、出力トランジスタQ2のゲートと電流制限回路11との接続を遮断する。この後、ボルテージレギュレータ5は、その所定時間が経過すると、出力トランジスタQ2のゲートと電流制限回路11とを接続することにより、電流制限回路11により定電流型垂下特性に従って出力電流の電流値を制限する。
このようにして従来のボルテージレギュレータ5は、チップイネーブル信号S1の入力に応じて出力電圧Vout2を定電圧値に立ち上げる際に、所定時間だけ出力電流に対する電流制限を行わないことで当該出力電圧Vout2の立ち上がりを速くしていた(例えば、特許文献1参照)。
また図21に示すように、従来の直流電源装置15は、スイッチ16を介して電源が投入されると、切換回路17により、定電流型垂下特性の過電流保護回路でなる基準電圧源18を誤差増幅器19に接続することで、当該誤差増幅器19に対し基準電圧を供給する。これにより直流電源装置15は、このとき誤差増幅器19の出力に基づいて制御回路20が動作し、出力電圧検出端子Vsで検出した出力電圧を定電流型垂下特性で立ち上げる。
次いで直流電源装置15は、出力電圧が安定してから後には切換回路17により、基準電圧源18に替えてフの字型垂下特性の過電流保護回路でなる分圧抵抗Z21及びZ22の接続中点P2を誤差増幅器19に接続する。そして直流電源装置15は、誤差増幅器19に対し、出力電圧を分圧抵抗Z21及びZ22で分圧して得られた分圧電圧を供給する。これにより直流電源装置15は、負荷L2が過電流状態となり、電流検出用抵抗Z23の電圧降下が分圧電圧よりも大きくなると、誤差増幅器19により増幅した過電流信号を制御回路20の過電流信号入力端子Isに入力して当該制御回路20を動作させる。従って直流電源装置15は、制御回路20において出力電圧検出端子Vsで検出した出力電圧を低下させ、フの字型垂下特性の過電流保護回路が働く。
このようにして直流電源装置15は、電源投入時に定電流型垂下特性の過電流保護回路が働いた状態で起動し、出力電圧が安定してから後に、フの字型垂下特性の過電流保護回路が働いて出力電流が過電流となることを回避していた(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−91579公報(第4頁、第5頁、図1) 特開昭63−78208号公報(第2頁、第3頁、図1)
ところがかかる構成のボルテージレギュレータ5は、起動時に出力トランジスタQ2のゲートと、電流制限回路11との接続を遮断するため、かかる起動時に負荷が短絡し、また過負荷になっていても、電流制限回路11が全く機能しない。従ってかかるボルテージレギュレータ5は、起動時に負荷が短絡しているときや過負荷になっているときには、出力電流が制限上限値を超える過電流となり、出力トランジスタQ2や負荷が発熱する可能性がある。
これに対してかかる構成の直流電源装置15は、電源投入時に定電流型垂下特性の過電流保護回路を働かせた状態で出力電圧を立ち上げるため、かかる電源投入時に負荷L2が短絡しているときや過負荷になっているときでも出力電流の電流値を制限上限値に制限することができる。
ところでかかる直流電源装置15は、定電流型垂下特性で出力電流の電流値を制限上限値に制限しつつ出力電圧を立ち上げ、かかる出力電圧が安定してから後にフの字型垂下特性に切り替えている。このため直流電源装置15は、例えば負荷L2が過負荷になっていると、出力電圧の立ち上げ開始から当該出力電圧が立ち上がっても安定するまでの比較的長い間、電流値の制限値としては比較的高い上限制限値の出力電流が流れ続け、制御回路20や負荷L2等が発熱する場合がある。従って直流電源装置15は、装置自体や負荷L2を確実には保護し得ないという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、電源回路自体や負荷をほぼ確実に保護し得る定電圧電源回路を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、定電圧電源回路に対し、すでに安定して動作可能な状態で、イネーブル信号が入力されると、当該イネーブル信号の入力に応じて動作を開始して出力電圧生成用の制御信号を生成する制御信号生成手段と、当該制御信号生成手段により生成された制御信号に応じて出力コンデンサに流す出力電流の電流値を制御して当該出力コンデンサを充電することにより出力電圧を生成する出力制御手段と、出力電流の電流値が第1の制限値に達したとき、制御信号の値を調整することにより出力電流の電流値を第1の制限値に制限して一定にする定電流型垂下特性と、出力電流の電流値が第1の制限値に達したとき、制御信号の値を調整することにより出力電流の電流値を第1の制限値よりも小さい第2の制限値に制限する電流制限特性とにより出力電流の電流値を制限する電流制限手段と、制御信号生成手段と共にイネーブル信号が入力され、当該入力されたイネーブル信号を、規定容量まで正常に充電可能な状態のときの出力コンデンサに対する充電開始から充電完了までの一定時間に相当する遅延時間以下遅延させて遅延信号とし電流制限手段に送出する遅延手段とを設けるようにし、電流制限手段が、制御信号生成手段の動作開始時点から遅延信号の入力時点までは、定電流型垂下特性に従って動作し、遅延信号の入力時点以降は、電流制限特性に従って動作するようにした。
従って本発明では、すでに安定して動作可能な状態の制御信号生成手段の動作を開始させるイネーブル信号を、規定容量まで正常に充電可能な状態のときの出力コンデンサに対する充電開始から充電完了までの一定時間に相当する遅延時間以下遅延させた時点で、電流制限手段において電流値制限用の定電流型垂下特性を電流制限特性に切り替えることにより、出力電圧の立ち上げを格段的に高速化しつつ、遅くとも出力コンデンサの正常時充電完了見込時点、すなわち当該出力電圧の立ち上がり完了見込時点には出力電流の電流値を第1の制限値から第2の制限値に低下させ始めることができる。このため本発明では、出力電圧の立ち上がり完了見込時点以降も、制限値としては比較的高い第1の制限値に制限した出力電流が流れ続けることを回避することができ、かくして電流値を第1の制限値に制限した出力電流が流れ続ける時間を極力短くし、出力制御手段や負荷等が発熱することを回避することができる。
本発明によれば、定電圧電源回路において、すでに安定して動作可能な状態の制御信号生成手段がイネーブル信号の入力に応じて動作を開始して出力電圧生成用の制御信号を生成すると共に、出力制御手段が制御信号生成手段により生成された制御信号に応じて出力コンデンサに流す出力電流の電流値を制御して当該出力コンデンサを充電することにより出力電圧を生成する際、遅延手段が、制御信号生成手段と共に入力されたイネーブル信号を、規定容量まで正常に充電可能な状態のときの出力コンデンサに対する充電開始から充電完了までの一定時間に相当する遅延時間以下遅延させて遅延信号とし電流制限手段に送出すると共に、電流制限手段が、イネーブル信号の入力に応じた制御信号生成手段の動作開始時点から遅延信号の入力時点までは、出力電流の電流値が第1の制限値に達したとき、制御信号の値を調整することにより出力電流の電流値を第1の制限値に制限して一定にする定電流型垂下特性に従って動作し、当該遅延信号の入力時点以降は、出力電流の電流値が第1の制限値に達したとき、制御信号の値を調整することにより出力電流の電流値を第1の制限値よりも小さい第2の制限値に制限する電流制限特性に従って動作するようにしたことにより、出力電圧の立ち上げを格段的に高速化しつつ、遅くとも出力コンデンサの正常時充電完了見込時点、すなわち出力電圧の立ち上がり完了見込時点には出力電流の電流値を第1の制限値から第2の制限値に低下させ始めて、当該出力電圧の立ち上がり完了見込時点以降も、制限値としては比較的高い第1の制限値に制限した出力電流が流れ続けることを回避するようにして、電流値を第1の制限値に制限した出力電流が流れ続ける時間を極力短くすることができ、かくして出力制御手段や負荷等が発熱することを回避して電源回路自体や負荷をほぼ確実に保護し得る定電圧電源回路を実現することができる。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
図1において、30は全体として第1の実施の形態による定電圧電源回路を示し、差動増幅器A30の第1の入力端子N31が基準電圧源BGR30に接続されると共に、当該差動増幅器A30の出力端子O31が電圧電流制御器31に接続されている。また電圧電流制御器31は、入力電圧源から電源電圧Vinが供給される入力端子Tin30と、定電圧電源回路30の出力端子Tout30とにも接続されている。さらに出力端子Tout30とグランドGNDとの間には、出力コンデンサC30と、負荷L30と、当該出力端子Tout30に発生する出力電圧Vout30を分圧するための電圧分圧器Z3とが並列に接続されている。かかる電圧分圧器Z3は、出力端子Tout30及びグランドGND間に直列接続された第10及び第11の分圧抵抗Z31及びZ32から形成されている。また電圧分圧器Z3は、第10及び第11の分圧抵抗Z31及びZ32の接続中点が、出力電圧Vout30に対する分圧点P3として差動増幅器A30の第2の入力端子N32に接続されている。
この場合、基準電圧源BGR30は、出力電圧Vout30を生成するための基準となる基準電圧Vref30を生成している。そして基準電圧源BGR30は、かかる基準電圧Vref30を差動増幅器A30の第1の入力端子N31に供給している。また電圧分圧器Z3は、出力端子Tout30に発生する出力電圧Vout30を差動増幅器A30への帰還用として、分圧点P3において第10及び第11の分圧抵抗Z31及びZ32の抵抗値により選定された分圧比で分圧する。そして電圧分圧器Z3は、このように出力電圧Vout30を分圧して得られた分圧電圧Vz30を差動増幅器A30の第2の入力端子N32に供給する。
従って差動増幅器A30は、基準電圧Vref30と分圧電圧Vz30との差電圧を増幅し、当該増幅した差電圧を出力電圧生成用の制御信号SV1として電圧電流制御器31に供給する。これにより差動増幅器A30は、その制御信号SV1により電圧電流制御器31のインピーダンスを増減させて制御する。電圧電流制御器31は、制御信号SV1によるインピーダンスの制御に応じて、入力端子Tin30から当該電圧電流制御器31を介して出力端子Tout30に流れる出力電流Iout30の電流値を制御する。これにより定電圧電源回路30は、入力端子Tin30から電圧電流制御器31を介して出力端子Tout30に流れる出力電流Iout30により出力コンデンサC30を充電し、かくして出力端子Tout30で、出力電圧Vout30を発生させる。
そして定電圧電源回路30は、出力コンデンサC30の充電が完了することにより出力電圧Vout30が上述した(1)式で表されるような定電圧値となって立ち上がった状態で、例えば負荷L30が過渡的に増加すると、出力コンデンサC30に充電していた電荷を当該負荷L30に放出する。その結果、定電圧電源回路30は、出力電圧Vout30の電圧値が低下すると、当該電圧値の低下した出力電圧Vout30を分圧電圧Vz30として差動増幅器A30に帰還させる。従って定電圧電源回路30は、差動増幅器A30により基準電圧Vref30と分圧電圧Vz30との差電圧の変化に応じて電圧電流制御器31のインピーダンスを制御する。これにより定電圧電源回路30は、出力電圧Vout30に対する電圧値の低下を補うように、入力端子Tin30から電圧電流制御器31を介して出力端子Tout30に流れる出力電流Iout30の電流値を大きくして出力コンデンサC30を充電し、かくして出力電圧Vout30の電圧値を増加させる。
このようにして定電圧電源回路30は、差動増幅器A30に対する第10及び第11の分圧抵抗Z31及びZ32を経由した帰還ループにより、順次出力電圧Vout30の電圧値を分圧電圧Vz30の電圧値として検出しながら、その検出結果に応じて(すなわち、基準電圧Vref30と分圧電圧Vz30との差電圧に基づいて)電圧電流制御器31のインピーダンスを制御する。そして定電圧電源回路30は、出力電圧Vout30の電圧値が設定通りの定電圧値に戻ると、当該出力電圧Vout30の定電圧値も分圧電圧Vz30の電圧値として検出して差動増幅器A30に帰還させる。従って定電圧電源回路30は、このとき差動増幅器A30により基準電圧Vref30と、定電圧値の出力電圧Vout30を分圧して得られた分圧電圧Vz30との差電圧に基づいて電圧電流制御器31のインピーダンスを制御する。これにより定電圧電源回路30は、入力端子Tin30から電圧電流制御器31を介して出力端子Tout30に流れる出力電流Iout30の電流値を小さくして出力コンデンサC30の充電を停止し、かくして出力端子Tout30で発生させた出力電圧Vout30の定電圧値を維持するようにする。
このようにして定電圧電源回路30は、負荷L30の変動により出力電圧Vout30が変動すると、その出力電圧Vout30と共に変動する分圧電圧Vz30を、基準電圧Vref30と等しくするように電圧電流制御器31のインピーダンスを制御し、かくして出力端子Tout30において所定の定電圧値の出力電圧Vout30を生成すると共に、かかる出力電圧Vout30の定電圧値を維持することができる。
かかる構成に加えてこの定電圧電源回路30の場合、差動増幅器A30は、当該定電圧電源回路30に接続された負荷L30の動作開始に合わせて、外部から論理「H」レベルのイネーブル信号S2が入力されると、かかるイネーブル信号S2の入力に応じて動作を開始する。これに対して差動増幅器A30は、負荷L30の動作停止に合わせて、イネーブル信号S2の入力が停止すると、かかるイネーブル信号S2の入力停止に応じて動作を停止する。
そしてかかる定電圧電源回路30の場合、外部から供給されるイネーブル信号S2は、差動増幅器A30と共に遅延回路部32にも入力される。遅延回路部32は、外部からイネーブル信号S2が与えられると、当該イネーブル信号S2を所定の一定時間(以下、これを遅延時間と呼ぶ)だけ遅延させ遅延信号S3としてモード切替器33に送出する。
モード切替器33は、遅延回路部32から遅延信号S3が与えられるまでの間は、後段の過電流保護回路部34を、定電流型垂下特性に従って動作させるように制御する。そしてモード切替器33は、遅延回路部32から遅延信号S3が与えられると、後段の過電流保護回路部34を、フォールドバック型垂下特性に従って動作させるように制御する。このようにしてモード切替器33は、遅延信号S3の入力の有無に応じて、過電流保護回路部34の動作モードを切替制御する。
過電流保護回路部34は、差動増幅器A30の動作開始に連動して動作を開始し、当該差動増幅器A30が動作を停止させると、これに連動して動作を停止する。そして過電流保護回路部34は、モード切替器33により定電流型垂下特性に従って動作するように制御されている間は、負荷L30が短絡した場合や過負荷となった場合等に、当該定電流型垂下特性に従い、差動増幅器A30から電圧電流制御器31に供給される制御信号SV1の値を調整して、出力電流Iout30の電流値を、予め制限の上限値として選定された第1の電流値(以下、これを制限上限値と呼ぶ)に制限する。また過電流保護回路部34は、モード切替器33によりフォールドバック型垂下特性に従って動作するように制御されている間は、負荷L30が短絡した場合や過負荷となった場合等に、当該フォールドバック型垂下特性に従い、差動増幅器A30から電圧電流制御器31に供給される制御信号SV1の値を調整して、出力電流Iout30の電流値を、制限上限値よりも小さい下限値として予め選定された第2の電流値(以下、これを制限下限値と呼ぶ)まで低下させて制限する。
ここで定電圧電源回路30には、携帯機器等に対し、出力電圧Vout30の立ち上がり時に負荷L30から一時的に切り離すように設けられる負荷切離型と、当該出力電圧Vout30の立ち上がり時に負荷L30から切り離さないように設けられる負荷接続型とがある。そして定電圧電源回路30が負荷切離型の場合、当該定電圧電源回路30に対し無負荷の状態でイネーブル信号S2が入力されてから(すなわち、差動増幅器A30が動作を開始してから)出力電圧Vout30が定電圧値となって立ち上がりが完了するまでの時間(以下、これを起動時間と呼ぶ)Tr1は、(3)式
Figure 0004556116
で表されるように、出力コンデンサC30の充電開始時点からほぼ充電の完了する時点までの時間となる。そして(3)式においてCoutは出力コンデンサC30の容量を示す。またVctは出力電圧Vout30として設定された定電圧値を示す。ところで出力電圧Vout30の立ち上がり時には、出力電流Iout30の電流値を何ら制限しなければ、制限上限値よりも大きい電流値の出力電流Iout30が流れる。しかしながら出力電圧Vout30の立ち上がり時には、定電流型垂下特性に従って出力電流Iout30の電流値を制限し、突入電流の発生や過電流の発生を回避している。このため(3)式におけるImaxは出力電流Iout30が突入電流や過電流とならないように制限するために選定された制限上限値を示す。
なお出力電圧Vout30の立ち上がり時に出力端子Tout30に流れる出力電流Iout30は、定電圧電源回路30が負荷切離型である場合、負荷L30には何ら電流が流れないため、出力コンデンサC30を充電するための充電電流のみとなる。因みに定電圧電源回路30が負荷接続型であるものの、負荷L30が切り離されて無負荷になっている場合も、かかる負荷L30には何ら電流が流れないため、出力電流Iout30は出力コンデンサC30を充電するための充電電流のみとなる。
これに対して定電圧電源回路30が負荷接続型の場合、出力電圧Vout30の立ち上がり時に出力端子Tout30に流れる出力電流Iout30は、出力コンデンサC30を充電するための充電電流と、当該出力電圧Vout30を立ち上げながらかかる負荷L30に流れ込む電流(以下、これを負荷電流と呼ぶ)とになる。
このため出力電圧Vout30の立ち上がり時に定電圧電源回路30に対して負荷L30が電気的に接続されており、かかる負荷L30が過負荷にはならずに最大負荷が予めわかっていれば、当該差動増幅器A30にイネーブル信号S2が入力されてから(すなわち、差動増幅器A30が動作を開始してから)出力電圧Vout30が定電圧値Vctとなって立ち上がりが完了するまでの起動時間Tr2は、(4)式
Figure 0004556116
で表されるように、出力端子Tout30に流れる出力電流Iout30としての充電電流(すなわち、(Imax−Iload)である)及び負荷電流Iloadのうち、当該充電電流による出力コンデンサC30の充電開始時点から充電がほぼ完了する時点までの時間となる。
そして遅延回路部32に対しては、定電圧電源回路30が負荷切離型の場合、上述の(3)式で示した起動時間Tr1がイネーブル信号S2を遅延させるための遅延時間として選定されている。これに対して定電圧電源回路30が負荷接続型の場合、上述の(4)式で示した起動時間Tr2がイネーブル信号S2の遅延時間として選定されている。
ここで図2(A)乃至(D)に示すように、定電圧電源回路30は、負荷接続型であるものの、例えば負荷L30が切り離された状態(すなわち、無負荷の状態)で論理「H」レベルのイネーブル信号S2(図2(A))が入力されると、当該イネーブル信号S2の入力された時点(以下、これを信号入力時点と呼ぶ)T1で差動増幅器A30が動作を開始する。そして差動増幅器A30は、制御信号SV1を電圧電流制御器31に供給して当該電圧電流制御器31のインピーダンスを制御する。これにより電圧電流制御器31は、入力端子Tin30から出力端子Tout30に流す出力電流Iout30の電流値Ioutを増加させる(図2(D))。しかしながら過電流保護回路部34は、このとき遅延信号S3がまだ与えられてはいないため、定電流型垂下特性に従って、差動増幅器A30から電圧電流制御器31に供給される制御信号SV1の値を調整する。このため電圧電流制御器31は、出力電流Iout30の電流値Ioutが制限上限値Imaxに達した時点で当該電流値Ioutを制限上限値Imaxのまま一定にする(図2(D))。因みにこの場合、出力電流Iout30は、出力コンデンサC30に対する充電電流のみとなる。
このようにして電圧電流制御器31は、出力電流Iout30の電流値Ioutを制限上限値Imaxに制限するものの、入力端子Tin30から出力端子Tout30に出力電流Iout30を流して出力コンデンサC30を充電することにより、出力電圧Vout30の電圧値Voutをほぼ線形に増加させる(図2(C))。そして電圧電流制御器31は、出力電圧Vout30が定電圧値Vctに立ち上がったときにも、無負荷の状態であれば、負荷L30に対しては出力コンデンサC30に充電した電荷が流れることはなく、出力電圧Vout30が定電圧値Vctのまま一定となるため(すなわち、基準電圧Vref30と分圧電圧Vz30とがほぼ等しい状態になるため)、差動増幅器A30から与えられる制御信号SV1に応じてインピーダンスを増加させる。その結果、電圧電流制御器31は、入力端子Tin30から出力端子Tout30に流す出力電流Iout30の電流値Ioutを減少させる。
この際、遅延回路部32は、イネーブル信号S2を信号入力時点T1から遅延させており、当該信号入力時点T1から上述した遅延時間Traが経過した時点(以下、これを遅延終了時点と呼ぶ)T2に達すると、かかるイネーブル信号S2を遅延信号S3としてモード切替器33に送出する(図2(B))。従ってモード切替器33は、その遅延信号S3が入力された時点(すなわち、遅延終了時点T2)から過電流保護回路部34をフォールドバック型垂下特性に従って動作させるように制御する。しかしながら定電圧電源回路30は、遅延終了時点T2以降も無負荷の状態であれば、負荷L30に対して出力コンデンサC30から電荷が放出されることはなく、出力電圧Vout30が定電圧値Vctのまま一定となる。このため定電圧電源回路30は、差動増幅器A30により電圧電流制御器31を制御して、出力電流Iout30をほとんど流さない状態を維持する。因みに定電圧電源回路30は、負荷切離型であると、出力電圧Vout30を立ち上げる場合、図2(A)乃至(D)に示す場合と同様に動作する。
一方、図3(A)乃至(D)に示すように、定電圧電源回路30は、負荷接続型であるものの、例えば負荷L30が著しく増加して過負荷となっている状態でイネーブル信号S2(図3(A))が入力されると、その信号入力時点T3で差動増幅器A30が動作を開始する。そして差動増幅器A30は、制御信号SV1を電圧電流制御器31に供給して当該電圧電流制御器31のインピーダンスを制御する。これにより電圧電流制御器31は、入力端子Tin30から出力端子Tout30に流す出力電流Iout30の電流値Ioutを増加させる(図3(D))。しかしながら過電流保護回路部34は、このときも遅延信号S3がまだ与えられてはいないため、定電流型垂下特性に従って、差動増幅器A30から電圧電流制御器31に供給される制御信号SV1の値を調整する。このため電圧電流制御器31は、出力電流Iout30の電流値Ioutが制限上限値Imaxに達した時点で当該電流値Ioutを制限上限値Imaxのまま一定にする(図3(D))。
ところが負荷L30が過負荷の場合の出力電流Iout30は、出力端子Tout30に流れ始めた電流値Ioutのかなり低い時点に、充電電流として出力コンデンサC30に流れて極わずかだけ充電するものの、その後はほとんどが負荷電流Iloadとして負荷L30に引き込まれる。このため電圧電流制御器31は、出力コンデンサC30にわずかに流れた充電電流の電流値に応じて、定電圧値Vctよりも格段的に低い電圧値Vlo1の出力電圧Vout30を生成する。この際、出力電圧Vout30は、出力電流Iout30の電流値Ioutが制限上限値Imaxに制限されても、当該出力電流Iout30がほぼ負荷電流Iloadとして負荷L30に流れ、充電電流としてはほとんど流れていないため、電圧値Vlo1のまま立ち上がらずに一定となる(図3(C))。
そして遅延回路部32は、このときもイネーブル信号S2を信号入力時点T3から遅延させており、遅延終了時点T4に達すると、かかるイネーブル信号S2を遅延信号S3としてモード切替器33に送出する(図3(B))。従ってモード切替器33は、その遅延終了時点T4から過電流保護回路部34をフォールドバック型垂下特性に従って動作させるように制御する。このとき過電流保護回路部34は、フォールドバック型垂下特性に従った動作を開始すると、出力電流Iout30の電流値Ioutを制限上限値Imaxよりもさらに低下させるように、差動増幅器A30から電圧電流制御器31に供給される制御信号SV1の値を調整する。
従って電圧電流制御器31は、遅延終了時点T4からインピーダンスを増加させることにより、入力端子Tin30から出力端子Tout30に流す出力電流Iout30の電流値Ioutを、フォールドバック型垂下特性に従って制限上限値Imaxから制限下限値Iminまで低下させてそのまま一定にする(図3(D))。そして出力電圧Vout30は、出力電流Iout30の電流値Ioutが制限上限値Imaxから制限下限値Iminに低下すると、当該制限下限値Iminの出力電流Iout30がほぼ負荷電流Iloadとして負荷L30に流れると共に、出力コンデンサC30に充電されていた電荷も負荷L30に放出されるため、電圧値Voutが立ち上がり時の電圧値Vlo1よりも低い電圧値Vlo2まで低下しそのまま一定となる(図3(C))。因みに定電圧電源回路30は、負荷接続型であり負荷L30が短絡している状態で、出力電圧Vout30を立ち上げる場合、図3(A)乃至(D)に示す場合と同様に動作する。
次いで、図4乃至図12を用いてかかる定電圧電源回路30の構成をさらに詳細に説明する。まず差動増幅器A30は、入力端子Tin30に接続された電流源SC1を有している。電流源SC1は、一定の電流Iaを出力するようになされており、当該電流Iaの出力端子に第1の切替スイッチSW1を介して、一対のPチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor )型の第1及び第2のトランジスタQ10及びQ11のソースが共通接続されている。
この場合、第1の切替スイッチSW1は、外部からイネーブル信号S2が入力されるまでの間は、電流源SC1と、第1及び第2のトランジスタQ10及びQ11との間を切り離す。これに対して第1の切替スイッチSW1は、外部からイネーブル信号S2が入力されると、当該イネーブル信号S2が入力されている間、電流源SC1と、第1及び第2のトランジスタQ10及びQ11との間を導通させる。
また第1のトランジスタQ10のゲートには、基準電圧Vref30が供給される。さらに第2のトランジスタQ11のゲートには、電圧分圧器Z3で生成される分圧電圧Vz30が供給される。そして第1及び第2のトランジスタQ10及びQ11は、互いにほぼ等価な特性を有している同一構造でなり、第1の切替スイッチSW1を介して電流源SC1と導通した場合、互いのゲートに供給される基準電圧Vref30と分圧電圧Vz30とがほぼ等しいと、当該電流源SC1から出力される電流Iaをほぼ1/2に分流しドレイン電流として出力する。また第1及び第2のトランジスタQ10及びQ11は、分圧電圧Vz30が基準電圧Vref30よりも低くなると、その差電圧に応じて、第1のトランジスタQ10のドレイン電流よりも第2のトランジスタQ11のドレイン電流を増加させるように電流Iaを分流する。さらに第1及び第2のトランジスタQ10及びQ11は、分圧電圧Vz30が基準電圧Vref30よりも高くなると、その差電圧に応じて、第1のトランジスタQ10のドレイン電流よりも第2のトランジスタQ11のドレイン電流を低下させるように電流Iaを分流する。このようにして第1及び第2のトランジスタQ10及びQ11は、基準電圧Vref30と分圧電圧Vz30との差電圧に応じて、電流Iaを互いのドレイン電流として分流する。
第1のトランジスタQ10のドレインは、NチャネルMOS型の第3のトランジスタQ12のドレインに接続されている。また第3のトランジスタQ12は、ソースが所定電位Vssの配線に接続されると共に、ゲートとドレインとがNチャネルMOS型の第4のトランジスタQ13のゲートに共通に接続されている。さらに第4のトランジスタQ13は、ソースが所定電位Vssの配線に接続されると共に、ドレインがPチャネルMOS型の第5のトランジスタQ14のドレインに接続されている。この場合、第3及び第4のトランジスタQ12及びQ13は、カレントミラー回路を構成しており、第4のトランジスタQ13のドレイン電流を、第1のトランジスタQ10のドレイン電流に比例したミラー電流として生成する。
また第5のトランジスタQ14は、ソースが入力端子Tin30に接続されると共に、ゲートとドレインとが、PチャネルMOS型の第6のトランジスタQ15のドレインに共通に接続されている。また第6のトランジスタQ15は、ソースが入力端子Tin30に接続されると共に、ドレインがNチャネルMOS型の第7のトランジスタQ16のドレインに接続されている。この場合、第5及び第6のトランジスタQ14及びQ15は、カレントミラー回路を構成しており、第6のトランジスタQ15のドレイン電流を、第3及び第4のトランジスタQ12及びQ13で生成されたミラー電流(すなわち、第4のトランジスタQ13のドレイン電流)に比例したミラー電流として生成する。
従って差動増幅器A30は、第3乃至第6のトランジスタQ12乃至Q15により当該第6のトランジスタQ15のドレイン電流を、第1のトランジスタQ10のドレイン電流に比例したミラー電流として生成する。
これに加えて第2のトランジスタQ11のドレインは、NチャネルMOS型の第8のトランジスタQ17のドレインに接続されている。また第8のトランジスタQ17は、ソースが所定電位Vssの配線に接続されると共に、ゲートとドレインとが第7のトランジスタQ16のゲートに共通に接続されている。さらに第7のトランジスタQ16は、ソースが所定電位Vssの配線に接続されると共に、ドレインが上述したように第6のトランジスタQ15のドレインに接続されている。この場合、第7及び第8のトランジスタQ16及びQ17は、カレントミラー回路を構成しており、第7のトランジスタQ16のドレイン電流を、第2のトランジスタQ11のドレイン電流に比例したミラー電流として生成する。
そして電圧電流制御器31は、例えばPチャネルMOS型のトランジスタ(以下、これを特に電圧電流制御トランジスタと呼ぶ)で構成されている。かかる電圧電流制御トランジスタは、ソースが入力端子Tin30に接続されると共に、ドレインが出力端子Tout30に接続されている。また電圧電流制御トランジスタのゲートは、差動増幅器A30において第6及び第7のトランジスタQ15及びQ16の接続中点である第1のノードN1(すなわち、出力端子O31に相当)に接続されている。
これにより差動増幅器A30は、出力電圧Vout30が立ち上がった後、例えば分圧電圧Vz30と基準電圧Vref30とがほぼ等しいと、第1及び第2のトランジスタQ10及びQ11のゲート・ソース間電圧が互いにほぼ等しくなる。その結果、差動増幅器A30は、電流源CS1から出力される電流Iaを第1及び第2のトランジスタQ10及びQ11でそれぞれほぼ1/2に分流する。このため差動増幅器A30は、第6のトランジスタQ15で生成したミラー電流の電流値と、第7のトランジスタQ16で生成したミラー電流の電流値とがほぼ等しくなる。従って差動増幅器A30は、このとき、これらミラー電流に応じて、第1のノードN1で所定電圧を発生し、かかる所定電圧を制御信号SV1として電圧電流制御トランジスタのゲートに供給する。これにより差動増幅器A30は、このとき電圧電流制御トランジスタのオン抵抗(すなわち、インピーダンス)を所定値にする。
また差動増幅器A30は、例えば分圧電圧Vz30が基準電圧Vref30よりも低くなると、第1のトランジスタQ10のゲート・ソース間電圧よりも第2のトランジスタQ11のゲート・ソース間電圧が低くなる。その結果、差動増幅器A30は、電流源CS1から出力される電流Iaを第1のトランジスタQ10よりも第2のトランジスタQ11の方が大きい電流値となるように分流する。このため差動増幅器A30は、第6のトランジスタQ15で生成したミラー電流の電流値よりも、第7のトランジスタQ16で生成したミラー電流の電流値が大きくなる。従って差動増幅器A30は、このとき第1のノードN1で上述の所定電圧よりも低い電圧(すなわち、基準電圧Vref30と分圧電圧Vz30との差電圧に比例した電圧)を発生し、当該所定電圧よりも低い電圧を制御信号SV1として電圧電流制御トランジスタのゲートに供給する。これにより差動増幅器A30は、このとき電圧電流制御トランジスタのオン抵抗(すなわち、インピーダンス)を上述の所定値よりも低下させ、かくして出力電流Iout30と共に出力電圧Vout30を増加させる。
さらに差動増幅器A30は、例えば分圧電圧Vz30が基準電圧Vref30よりも高くなると、第1のトランジスタQ10のゲート・ソース間電圧よりも第2のトランジスタQ11のゲート・ソース間電圧が高くなる。その結果、差動増幅器A30は、電流源CS1から出力される電流Iaを第1のトランジスタQ10よりも第2のトランジスタQ11の方が小さい電流値となるように分流する。このため差動増幅器A30は、第6のトランジスタQ15で生成したミラー電流の電流値よりも、第7のトランジスタQ16で生成したミラー電流の電流値が小さくなる。従って差動増幅器A30は、このとき第1のノードN1で上述の所定電圧よりも高い電圧(すなわち、基準電圧Vref30と分圧電圧Vz30との差電圧に比例した電圧)を発生し、当該所定電圧よりも高い電圧を制御信号SV1として電圧電流制御トランジスタのゲートに供給する。これにより差動増幅器A30は、このとき電圧電流制御トランジスタのオン抵抗(すなわち、インピーダンス)を上述の所定値よりも増加させ、かくして出力電流Iout30と共に出力電圧Vout30を低下させる。
一方、過電流保護回路部34は、ゲートが第1のノードN1に接続されると共に、ソースが入力端子Tin30に接続された、出力電流検出用のPチャネルMOS型のトランジスタ(以下、これを出力電流検出用トランジスタと呼ぶ)Q20を有している。この場合、出力電流検出用トランジスタQ20は、ゲートに対し電圧電流制御トランジスタと同様に差動増幅器A30の第1のノードN1から制御信号SV1が供給されることにより、当該電圧電流制御トランジスタに流れる出力電流Iout30に比例したドレイン電流(以下、これを出力検出電流と呼ぶ)Im1が流れる。
また出力電流検出用トランジスタQ20のドレインは、NチャネルMOS型の第10のトランジスタQ21のドレインに接続されている。第10のトランジスタQ21は、ゲートとドレインとがNチャネルMOS型の第11のトランジスタQ22のゲートに共通に接続されると共に、ソースが当該第11のトランジスタQ22のソースと共に所定電位Vssの配線に接続されている。さらに第11のトランジスタQ22のドレインは、出力電圧Vout30の立ち上がり状態を検出するためのPチャネルMOS型のトランジスタ(以下、これを立上状態検出用トランジスタと呼ぶ)Q23のドレインに接続されている。この場合、第10及び第11のトランジスタQ21及びQ22は、カレントミラー回路を構成しており、第11のトランジスタQ22のドレイン電流を、出力電流検出用トランジスタQ20の出力検出電流Im1に比例したミラー電流(以下、これを出力検出ミラー電流と呼ぶ)Im2として生成する。
さらに立上状態検出用トランジスタQ23は、ソースが入力端子Tin30に接続されると共に、ゲートが差動増幅器A30の第5のトランジスタQ14のゲートに接続されている。この場合、立上状態検出用トランジスタQ23は、第5のトランジスタQ14と共にカレントミラー回路を構成しており、ドレイン電流を、差動増幅器A30の第3及び第4のトランジスタQ12及びQ13で生成されたミラー電流(すなわち、第4のトランジスタQ13のドレイン電流である)に比例した新たなミラー電流(以下、これを立上状態検出電流と呼ぶ)Im3として生成する。すなわち立上状態検出用トランジスタQ23は、第1のトランジスタQ10のドレイン電流に比例した立上状態検出電流Im3を生成する。
これに加えて過電流保護回路部34は、ソースが入力端子Tin30に接続された下限制限値設定用のPチャネルMOS型のトランジスタ(以下、これを特に下限値設定用トランジスタと呼ぶ)Q24を有している。かかる下限値設定用トランジスタQ24は、ドレインが第11のトランジスタQ22及び立上状態検出用トランジスタQ23の接続中点である第2のノードN2に接続されている。そして下限値設定用トランジスタQ24は、ゲートに一定のバイアス電圧Vb1が供給されゲート電圧が制御されることによりドレインに一定の第1のオフセット電流Iof1を流す。
また第2のノードN2には、制御信号調整用としてのPチャネルMOS型のトランジスタ(以下、これを特に信号調整トランジスタと呼ぶ)Q25のゲートが接続されている。かかる信号調整トランジスタQ25は、ソースが入力端子Tin30に接続されると共に、ドレインが差動増幅器A30の第1のノードN1に接続されている。この場合、図5に示すように、信号調整トランジスタQ25は、第2のノードN2に発生する電圧V1がゲートに供給され、当該電圧V1が所定のしきい値電圧Vthよりも高いと所定値よりも高インピーダンスとなり、かかる高インピーダンスにより制御信号SV1の値を何ら減衰させない(すなわち、調整しない)ようにする。また信号調整トランジスタQ25は、第2のノードN2の電圧V1が所定のしきい値電圧Vth以下になると当該電圧V1にほぼ比例してインピーダンスが所定値よりも低くなることにより、かかるインピーダンスの値に応じて制御信号SV1の値を減衰させて調整する。
さらにモード切替器33は、入力端子Tin30にソースが接続された制限上限値設定用のPチャネルMOS型のトランジスタ(以下、これを特に上限値設定用トランジスタと呼ぶ)Q26を有している。かかる上限値設定用トランジスタQ26は、ドレインが第2の切替スイッチSW2を介して過電流保護回路部34の第2のノードN2に接続されている。この場合、上限値設定用トランジスタQ26は、ゲートに一定のバイアス電圧Vb2が供給されゲート電圧が制御されることによりドレインに一定の第2のオフセット電流Iof2を流す。また第2の切替スイッチSW2は、遅延回路部32から遅延信号S3が入力されるまでの間、上限値設定用トランジスタQ26と第2のノードN2とを導通させる。これに対して第2の切替スイッチSW2は、遅延回路部32から遅延信号S3が入力されると、当該遅延信号S3が入力されている間、上限値設定用トランジスタQ26と第2のノードN2とを切り離す。
かかる構成において図6(A)乃至(F)に示すように、例えば定電圧電源回路30が負荷接続型であるものの、負荷L30が切り離されて無負荷となっている場合、差動増幅器A30は、イネーブル信号S2(図6(A))の入力に応じて動作を開始すると、この動作開始時点には第1のトランジスタQ10のゲートに対し基準電圧Vref30が供給されてはいるものの、出力電圧Vout30をまだ生成してはいないことにより第2のトランジスタQ11のゲートに対し分圧電圧Vz30が供給されてはいない。従って差動増幅器A30は、電流源SC1から第1の切替スイッチSW1を介して第1及び第2のトランジスタQ10及びQ11に供給される電流Iaを、第1のトランジスタQ10にはほとんど流さずに、第2のトランジスタQ11に流すようにする。
このため過電流保護回路部34において立上状態検出用トランジスタQ23には、立上状態検出電流Im3がほとんど流れない。因みに立上状態検出用トランジスタQ23は、出力電圧Vout30が立ち上がるまでは立上状態検出電流Im3をほとんど流さず、当該出力電圧Vout30が立ち上がった時点から第1のトランジスタQ10に流れるドレイン電流に比例した立上状態検出電流Im3を流すように形成されている。また差動増幅器A30の動作開始時点には、電圧電流制御トランジスタに出力電流Iout30がまだほとんど流れていないため、過電流保護回路部34において出力電流検出用トランジスタQ20にも、出力検出電流Im1がほとんど流れず、その結果、第11のトランジスタQ22にも出力検出ミラー電流Im2はほとんど流れない。
そしてモード切替器33は、このとき過電流保護回路部34を定電流型垂下特性で動作させるため、上限値設定用トランジスタQ26によりそのゲートに供給されるバイアス電圧Vb2に応じた第2のオフセット電流Iof2を生成し、これを第2の切替スイッチSW2を介して過電流保護回路部34の第2のノードN2に供給する。また過電流保護回路部34において下限値設定用トランジスタQ24も、ゲートに供給されるバイアス電圧Vb1に応じて第1のオフセット電流Iof1を生成し、これを第2のノードN2に供給する。
ここで図7に示すように、第11のトランジスタQ22は、設計上、第2のノードN2の電圧V1が所定の電圧値よりも低い場合(すなわち、ドレイン・ソース間電圧が比較的小さい場合)、非飽和領域で動作し、電圧V1の低下に応じて出力検出ミラー電流Im2が減少して当該電圧V1の電圧値が0〔V〕になると、出力検出ミラー電流Im2の電流値も0〔A〕となる。また第11のトランジスタQ22は、第2のノードN2の電圧V1が所定の電圧値よりも高い場合(すなわち、ドレイン・ソース間電圧が高い場合)、飽和領域で動作し、電圧V1の電圧値にかかわらずに出力検出ミラー電流Im2の電流値がほぼ一定となる。ただし第11のトランジスタQ22は、後述するように、第2のノードN2が、第1及び第2のオフセット電流Iof1及びIof2の合成電流(以下、これをオフセット合成電流と呼ぶ)と、出力検出ミラー電流Im2とをつり合わせるように作用するため、実際には飽和領域でのみ動作する。
これに加えて上限値設定用トランジスタQ26により生成される第2のオフセット電流Iof2は、下限値設定用トランジスタQ24により生成される第1のオフセット電流Iof1と合成される。その結果、第1及び第2のオフセット電流Iof1及びIof2の合成電流(すなわち、オフセット合成電流)は、出力電流Iout30を制限上限値Imaxに制限するための設定電流となる。そして図8に示すように、下限値設定用トランジスタQ24及び上限値設定用トランジスタQ26は、第2のノードN2の電圧V1の電圧値が電源電圧Vinの電圧値に近い場合(すなわち、ドレイン・ソース間電圧が比較的小さい場合)、非飽和領域で動作する。この場合、かかるオフセット合成電流は、電圧V1の増加に応じてほぼ線形に減少し、当該電圧V1の電圧値が電源電圧Vinの電圧値と等しくなると、電流値が0〔A〕となる。また下限値設定用トランジスタQ24及び上限値設定用トランジスタQ26は、第2のノードN2の電圧V1が所定の電圧値よりも低い場合、飽和領域で動作する。この場合、かかるオフセット合成電流は、電圧V1の電圧値にかかわらずに電流値がほぼ一定となる。
そして第2のノードN2では、入力端子Tin30側で流れるオフセット合成電流(図6(D))と、所定電位Vssの配線側で流れる出力検出ミラー電流Im2とをつり合わせるように作用する。このため第2のノードN2には、図7及び図8に示した電圧電流特性曲線の交点に対応する電圧値の電圧V1が発生する。このような状態で図9に示すように、出力検出ミラー電流Im2の電流値は、差動増幅器A30の動作開始時点に、オフセット合成電流の一定の電流値よりも小さくなっている。そして第11のトランジスタQ22は、このとき飽和領域で動作する。また下限値設定用トランジスタQ24及び上限値設定用トランジスタQ26は、ドレイン・ソース間電圧が小さくなり非飽和領域で動作する。このため第2のノードN2では、図中の交点K1に示すように、所定のしきい値電圧Vthよりも高い電源電圧Vin近傍の電圧V1を発生し、これを信号調整トランジスタQ25のゲートに供給する。その結果、信号調整トランジスタQ25は、このとき電圧V1の電圧値に応じて高インピーダンスとなり、差動増幅器A30の第1のノードN1に発生した差電圧でなる制御信号SV1をそのまま電圧電流制御トランジスタのゲートに供給する。これにより電圧電流制御トランジスタは、その制御信号SV1に応じて出力端子Tout30に出力電流Iout30(図6(F))を流し始めて出力コンデンサC30の充電を開始することで、出力電圧Vout30を立ち上げ始める(図6(E))。
このようにして電圧電流制御トランジスタは、出力端子Tout30に出力電流Iout30を流し始めると、この後、差動増幅器 A30から供給される制御信号SV1に応じてインピーダンスを増加させ、その結果、かかる出力電流Iout30の電流値Ioutを増加させる(図6(F))。そして過電流保護回路部34の第11のトランジスタQ22は、出力電流Iout30の電流値Ioutが制限上限値Imaxに達して出力電流検出用トランジスタQ20に当該制限上限値Imaxの出力電流Iout30に比例した出力検出電流Im1が流れると(図6(C))、その出力検出電流Im1に比例する出力検出ミラー電流Im2を生成する。
このとき図10に示すように、出力検出ミラー電流Im2の電流値は、オフセット合成電流の一定の電流値とほぼ等しくなる。そして第11のトランジスタQ22は、このときも飽和領域で動作する。また下限値設定用トランジスタQ24及び上限値設定用トランジスタQ26は、ドレイン・ソース間電圧を高くして飽和領域で動作する。従って第2のノードN2では、図中の交点K2に示すように、しきい値電圧Vthとほぼ等しい電圧V1を発生し、これを信号調整トランジスタQ25のゲートに供給する。その結果、信号調整トランジスタQ25は、このとき電圧V1の電圧値に応じて低インピーダンスとなる。そして差動増幅器A30の第1のノードN1には、このとき電圧電流制御トランジスタのインピーダンスを大幅に低下させるような(すなわち、出力電流Iout30の電流値Ioutをさらに増加させるような)差電圧でなる制御信号SV1が発生する。しかしながら信号調整トランジスタQ25は、このとき自己のインピーダンスが低下していることにより、第1のノードN1に発生した制御信号SV1を、入力端子Tin30側に引き上げるようにして減衰させて電圧電流制御トランジスタのゲートに供給する。これにより電圧電流制御トランジスタは、その減衰された制御信号SV1によりインピーダンスが一定となり、出力端子Tout30に流す出力電流Iout30の電流値Ioutを制限上限値Imaxに制限する。
このようにして過電流保護回路部34は、出力電流Iout30の電流値Ioutを制限上限値Imaxに制限しつつ、かかる出力電流Iout30を出力コンデンサC30に流して充電させることにより、出力電圧Vout30の電圧値Voutをほぼ線形に増加させて立ち上げる(図6(E))。そして差動増幅器A30は、出力電圧Vout30が定電圧値Vctに立ち上がり一定になると、第6及び第7のトランジスタQ15及びQ16で生成したほぼ等しいミラー電流に応じて、第1のノードN1で、電圧電流制御トランジスタのインピーダンスを高くするような所定電圧でなる制御信号SV1を発生して、これを電圧電流制御トランジスタのゲートに供給する。これにより電圧電流制御トランジスタは、出力電流Iout30の電流値を制限上限値Imaxに制限していたときよりも、その制御信号SV1に応じてインピーダンスが高くなり、出力端子Tout30に出力電流Iout30をほとんど流さないようにする(図6(F))。従って出力電流検出用トランジスタQ20には、このとき出力検出電流Im1がほとんど流れなくなり(図6(C))、その結果、第11のトランジスタQ22にも出力検出ミラー電流Im2がほとんど流れなくなる。
そして遅延回路部32は、このように無負荷の状態で出力電圧Vout30が定電圧値Vctにほぼ立ち上がった時点をイネーブル信号S2に対する遅延終了時点T2としており、当該遅延終了時点T2にそれまで遅延させていたイネーブル信号S2を遅延信号S3としてモード切替器33に送出する。これにより遅延回路部32は、モード切替器33において遅延信号S3により第2の切替スイッチSW2の接点を開放する(図6(B))。従ってモード切替器33の上限値設定用トランジスタQ24は、遅延終了時点T2から第2のオフセット電流Iof2を過電流保護回路部34の第2のノードN2に対して流さなくなり、過電流保護回路部34に対し定電流型垂下特性に替えてフォールドバッグ型垂下特性に従って機能させるようにする。
このとき過電流保護回路部34の立上状態検出用トランジスタQ23は、出力電圧Vout30の立ち上がりに応じて差動増幅器A30の第1のトランジスタQ10に流れるドレイン電流に比例した立上状態検出信号Im3を生成し、これが第2のノードN2に流れるように設定する。従って下限値設定用トランジスタQ24により生成される第1のオフセット電流Iof1は、遅延終了時点T2から、それまでの第2のオフセット電流Iof2に替え、立上状態検出電流Im3との合成電流になり(図6(D))、かかる合成電流が、出力電流Iout30をフォールドバック型垂下特性に従って制限するための設定電流となる。この場合、下限値設定用トランジスタQ24は、立上状態検出用トランジスタQ23と共に、図8について上述した下限値設定用トランジスタQ24及び上限値設定用トランジスタQ26の場合とほぼ同様に動作する。このため第1のオフセット電流Iof1及び立上状態検出電流Im3の合成電流は、第2のノードN2の電圧V1の電圧値の変化に応じて、オフセット合成電流と基本的には同様に電流値が変化する。
そして第2のノードN2は、入力端子Tin30側で流れる第1のオフセット電流Iof1及び立上状態検出電流Im3の合成電流(図6(D))を、所定電位Vssの配線側で流れる出力検出ミラー電流Im2とつり合わせるように作用する。このため第2のノードN2には、負荷L30が無負荷の場合、出力電流Iout30と共に出力検出電流Im1や出力検出ミラー電流Im2が流れないため、第1のオフセット電流Iof1及び立上状態検出電流Im3の合成電流も全く流れない。
このようにして過電流保護回路部34は、負荷L30が無負荷の場合、モード切替器33と共に、定電流型垂下特性に従って出力電流Iout30の電流値Ioutを極力大きい制限上限値Imaxに制限しながら出力電圧Vout30を定電圧値Vctに立ち上げることができる。
因みにかかる過電流保護回路部34は、出力電流Iout30の電流値Ioutを制限し始めるまでは、第11のトランジスタQ22が飽和領域で動作する。また下限値設定用トランジスタQ24及び上限値設定用トランジスタQ26は、第2のノードN2で発生する電圧V1が、しきい値電圧Vthから電源電圧Vinまでの範囲で動作する。従って過電流保護回路部34は、下限値設定用トランジスタQ24及び上限値設定用トランジスタQ26から第11のトランジスタQ22に流れる電流を非常に小さくすることができる。特に過電流保護回路部34は、負荷接続型でも負荷L30が無負荷の場合や負荷切離型で当該負荷L30の接続が切り離されている場合に出力電圧Vout30が定電圧値Vctに立ち上がった後は、第11のトランジスタQ22で生成する出力検出ミラー電流Im2がほぼ0〔A〕となるため、下限値設定用トランジスタQ24及び上限値設定用トランジスタQ26から第11のトランジスタQ22に流れる電流もほぼ0〔A〕とすることができる。このため過電流保護回路部34は、出力電圧Vout30が定電圧値Vctに立ち上がった後は、消費電流をほぼゼロにすることができる。
ところで図3について上述したように負荷L30が過負荷となっている場合、出力端子Tout30には、定電流型垂下特性からフォールドバック型垂下特性に切り替わる遅延終了時点T4に制限上限値Imaxの出力電流Iout30が流れている。この場合、過電流保護回路部34の出力電流検出用トランジスタQ20には、電流値Ioutが制限上限値Imaxに制限された出力電流Iout30に比例する出力検出電流Im1が流れる。その結果、第11のトランジスタQ22は、その出力検出電流Im1に比例する出力検出ミラー電流Im2を生成している。このとき第11のトランジスタQ22は、飽和領域で動作する。また下限値設定用トランジスタQ24及び立上状態検出用トランジスタQ23も飽和領域で動作する。
しかしながら立上状態検出用トランジスタQ23は、このとき出力電圧Vout30の電圧値Voutが定電圧値Vctよりも大幅に低い電圧値Vlo1であり、これに応じて極力小さい電流値の立上状態検出電流Im3を生成している。このため立上状態検出用トランジスタQ23は、ドレイン・ソース間電圧が、図10について上述した下限値設定用トランジスタQ24及び上限値設定用トランジスタQ26の場合よりも高くなる。従って第2のノードN2では、しきい値電圧Vthの電圧値よりも低い電圧値の電圧V1が発生し、これが信号調整トランジスタQ25のゲートに供給される。その結果、信号調整トランジスタQ25は、このとき電圧V1の電圧値に応じて図10について上述した場合よりもさらに低インピーダンスとなり、差動増幅器A30の第1のノードN1で発生した制御信号SV1を、図10について上述した場合よりもさらに入力端子Tin30側に引き上げて減衰させ電圧電流制御トランジスタのゲートに供給する。これにより電圧電流制御トランジスタは、その減衰された制御信号SV1に応じてインピーダンスが高くなり、出力端子Tout30に流す出力電流Iout30の電流値を制限上限値Imax以下に低下させると共に、これに合わせて出力電圧Vout30の電圧値Voutを低下させ始める。
このようにして立上状態検出用トランジスタQ23は、出力電圧Vout30の低下に応じてさらに小さい電流値の立上状態検出電流Im3を生成すると共に、これに応じてドレイン・ソース間電圧をさらに高くする。その結果、第2のノードN2に発生する電圧V1の電圧値は、さらに下がり、その分、出力電流Iout30と共に出力電圧Vout30を低下させる。そして立上状態検出用トランジスタQ23は、出力電圧Vout30の電圧値Voutがほぼ0〔V〕になると、生成する立上状態検出電流Im3の電流値もほぼ0〔A〕となる。このため第11のトランジスタQ22には、下限値設定用トランジスタQ24から一定の電流値の第1のオフセット電流Iof1が流れ込む。これにより図11に示すように、第11のトランジスタQ22及び下限値設定用トランジスタQ24は、共に飽和領域で動作し、これに応じて第2のノードN2にしきい値電圧Vthの電圧値よりも低い電圧値の電圧V1を発生させ、かかる電圧V1を信号調整用トランジスタQ25のゲートに供給する。
これにより信号調整トランジスタQ25は、このとき電圧V1の電圧値に応じてさらに低インピーダンスとなり、差動増幅器A30の第1のノードN1で発生した制御信号SV1をさらに入力端子Tin30側に引き上げて減衰させ電圧電流制御トランジスタのゲートに供給する。これにより電圧電流制御トランジスタは、その減衰された制御信号SV1に応じてインピーダンスが高くなり、出力端子Tout30に流す出力電流Iout30の電流値Ioutを制限下限値Iminに制限する。
このようにして図12に示すように、かかる定電圧電源回路30は、出力電圧Vout30の立ち上がり時、モード切替器33から過電流保護回路部34の第2のノードN2に対し第2のオフセット電流Iof2を供給し、第1のオフセット電流Iof1と共に、立上状態検出電流Im3に替えてかかる第2のオフセット電流Iof2を用いる。このため定電圧電源回路30では、過電流保護回路部34におけるフォールドバック型垂下特性L1が、立上状態検出電流Im3の替わりに第2のオフセット電流Iof2を加えている分、見かけ上、破線L2で示すように制限上限値Imaxが格段に大きくなり、かつ制限下限値Iminも例えば本来の制限上限値Imaxとほぼ等しくなるように大きくなる。しかしながら定電圧電源回路30は、出力電圧Vout30が定電圧値Vctに立ち上がったときには、出力電流Iout30に対する制限を元に戻す(すなわち、第2のオフセット電流Iof2に替えて立上状態検出電流Im3を用いる)ため、何ら問題なく過電流に対する保護機能を働かせることができる。また定電圧電源回路30では、出力電圧Vout30の立ち上がり時に、かかる立ち上がりに伴い、差動増幅器A30に入力される基準電圧Vref30及び分圧電圧Vz30の差電圧が減少していき、当該差動増幅器A30の出力の能力が変化していく。このため定電圧電源回路30では、位相余裕を十分にとることで、フォールドバッグ型垂下特性L1が見かけ上破線L2で示す特性になっても、出力電圧Vout30が実線L3で示す軌跡をたどって立ち上がることになる。
ところで図13に示すように、定電圧電源回路30は、出力電流を制限するための電流制限特性が定電流型垂下特性からフォールドバック型垂下特性L1に切り替わった状態で、負荷L30が過負荷となり一旦は多大な過電流が流れるような状況となった後、かかる負荷L30に対し当該多大な過電流から制限下限値Imaxまでの間の定電流値の出力電流Iout30が流れるように状況が変化したときに、フォールドバッグ型垂下特性L1に従ってその出力電流Iout30の電流値Ioutを制限する場合がある。そして定電圧電源回路30は、この際にフォールドバッグ型垂下特性L1と、負荷L30において出力電流Iout30及び出力電圧Vout30をほぼ線形に低下させるような電圧電流低下特性L4とがつり合うと、負荷L30に供給していた出力電流Iout30が制限下限値Iminに達する以前の低下途中で出力電圧Vout30と共に低下しなくなる場合がある。
また従来の直流電源装置15(図21)のように、フの字型垂下特性L5で出力電流Iout30の電流値Ioutを制限している電源回路でも、本実施の形態による定電圧電源回路30と同様の状況が生じてフの字型垂下特性L5と電圧電流低下特性L4とがつり合うと、負荷L30に供給していた出力電流Iout30が制限下限値Iminに達する以前の低下途中で出力電圧Vout30と共に低下しなくなる場合がある。
ここでこのような特性同士のつり合いによる出力電流Iout30及び出力電圧Vout30の低下の途中停止は、図中のフォールドバック型垂下特性L1を示す曲線と電圧電流低下特性L4を示す曲線との交点A1や、フの字型垂下特性L5を示す曲線と電圧電流低下特性L4を示す曲線との交点A2で表すことができる。そしてこの図13からも明らかなように、定電圧電源回路30及び電源回路に同じ負荷L30が接続されているものとし、かつフォールドバック型垂下特性L1及びフの字型垂下特性L5における制限上限値Imax及び制限下限値Iminが同じであるとすると、フの字型垂下特性L5では、出力電流Iout30をほぼ線形に低下させるため、電圧電流低下特性L4とつり合ったとき、出力電流Iout30及び出力電圧Vout30がそれぞれ比較的大きい値で低下が停止する。
これに対してフォールドバッグ型垂下特性L1では、出力電流Iout30を指数関数的に急激に低下させるため、電圧電流低下特性L4とつり合ったとき、フの字型垂下特性L5の場合に比べて出力電流Iout30及び出力電圧Vout30がそれぞれ比較的小さい値まで低下して停止する。従って定電圧電源回路30は、過負荷の際に従来のフの字型垂下特性L5に従って出力電流Iout30を制限している直流電源装置15等の電源回路に比べて、出力電流Iout30と共に出力電圧Vout30を極力低い値まで低下させ、かくして過負荷の際に電源回路自体や負荷L30をほぼ確実に保護することができる。
以上の構成において、定電圧電源回路30は、イネーブル信号S2の入力に応じて出力電圧Vout30を立ち上げる際、遅延回路部32がイネーブル信号S2の入力時点から当該イネーブル信号S2を、負荷L30が無負荷となっているときや、当該定電圧電源回路30に接続される最大負荷が予めわかっているとき等のように出力コンデンサC30を規定容量まで正常に充電可能な状態のときの当該出力コンデンサC30に対する充電開始から充電完了までの一定時間に相当する遅延時間Traだけ遅延させて遅延信号S3とし、かかる遅延信号S3をモード切替器33に送出する。そして定電圧電源回路30では、モード切替器33が、当該定電圧電源回路30に対するイネーブル信号S2の入力時点から遅延信号S3の入力時点までは、過電流保護回路部34に対し電流制限特性を定電流型垂下特性L3とするように制御する。また定電圧電源回路30では、モード切替器33が、遅延信号S3の入力時点に過電流保護回路部34に対し電流制限特性を定電流型垂下特性L3からフォールドバック型垂下特性L1に切り替えるように制御する。
従って定電圧電源回路30では、イネーブル信号S2の入力時点からモード切替器33に対する遅延信号S3の入力時点までは、当該モード切替器33及び過電流保護回路部34により、定電流型垂下特性L3に従って出力電流Iout30の電流値Ioutを極力高い制限上限値Imaxに制限しながら出力コンデンサC30に流すことで、負荷L30が無負荷の場合や短絡及び過負荷とならずに接続されている場合に、かかる上限制限値Imaxの出力電流Iout30で出力コンデンサC30を充電して出力電圧Vout30を定電圧値Vctに高速に立ち上げることができる。また定電圧電源回路30では、負荷L30が短絡している場合や過負荷の場合に、モード切替器33に対する遅延信号S3の入力時点(すなわち、無負荷の場合や負荷L30が短絡及び過負荷とならずに接続されている場合等のように出力コンデンサC30を正常に規定容量まで充電可能な状態のときの充電完了時点であり、以下、これを正常時充電完了見込時点と呼ぶ)以降にも出力電流Iout30が過電流となって流れようとしたとき、過電流保護回路部34によりフォールドバック型垂下特性L1に従って当該出力電流Iout30の電流値Ioutを制限上限値Imaxよりも小さい制限下限値Iminまで低下させるため、例えば電圧電流制御器31に制限上限値Imaxの出力電流Iout30が長時間流れて発熱すること等を確実に回避することができる。
以上の構成によれば、定電圧電源回路30において、差動増幅器A30がイネーブル信号S2の入力に応じて動作を開始して制御信号SV1を生成すると共に、電圧電流制御器31がかかる制御信号SV1に応じた電流値Ioutの出力電流Iout30を出力コンデンサC30に流して充電することにより出力電圧Vout30を生成する際、遅延回路部32がイネーブル信号S2を一定の遅延時間Traだけ遅延させて遅延信号S3としモード切替器33に送出すると共に、過電流保護回路部34が、差動増幅器A30の動作開始時点からモード切替器33に対する遅延信号S3の入力時点までは電流制限特性を定電流型垂下特性L3とし、当該モード切替器33に対する遅延信号S3の入力時点以降は、電流制限特性をフォールドバック型垂下特性L1に切り替えるようにした。そして定電圧電源回路30では、遅延回路部32におけるイネーブル信号S2の遅延時間Traを、無負荷、又は最大負荷が予めわかっているときの出力コンデンサC30に対する充電開始から充電完了までの一定時間とした。これにより定電圧電源回路30は、負荷L30が短絡している場合や過負荷の場合に、遅くとも出力コンデンサC30に対する正常時充電完了見込時点に、出力電流Iout30の電流値Ioutを上限制限値Imaxから下限制限値Iminに低下させ始めて、当該正常時充電完了見込時点以降も、制限値としては比較的高い上限制限値Imaxに制限した出力電流Iout30が流れ続けることを回避することができる。従って定電圧電源回路30は、電流値Ioutを上限制限値Imaxに制限した出力電流Iout30が流れ続ける時間を極力短くすることができ、かくして負荷L30が短絡している場合や過負荷の場合に、電圧電流制御器31や負荷L30等が発熱することを回避して電源回路自体や負荷L30をほぼ確実に保護することができる。
また定電圧電源回路30は、定電流型垂下特性L3に引き続き、出力コンデンサC30の正常時充電完了見込時点以降、すなわち出力電圧Vout30の立ち上がり完了見込時点以降に電流制限特性をフォールドバック型垂下特性L1に切り替えて出力電流Iout30の電流値Ioutを制限するため、当該正常時充電完了見込時点以降に、負荷L30が過負荷となり、フォールドバッグ型垂下特性L1とかかる負荷L30の電圧電流低下特性L4とがつり合って出力電流Iout30の電流値Iout及び出力電圧Vout30の電圧値Voutの低下が途中で停止しても、フの字型垂下特性L5で同様に出力電流Iout30の電流値Iout及び出力電圧Vout30の電圧値Voutの低下が途中で停止した場合に比べて、当該電流値Iout及び電圧値Voutを小さくすることができる。従って定電圧電源回路30は、負荷L30が過負荷の際でも、電源回路自体や負荷L30をほぼ確実に保護することができる。
さらに定電圧電源回路30は、定電流型垂下特性L3からフォールドバック型垂下特性L1への切替時間を、無負荷、又は最大負荷が予めわかっているときの出力コンデンサC30に対する充電開始から充電完了までの一定時間としたため、例えば製造工場等でイネーブル信号S2の入力から適宜予め選定したタイミングで出力電流Iout30の電流値Iout及び出力電圧Vout30の電圧値Voutを測定することで、その測定結果に基づき、定電流型垂下特性L3及びフォールドバック型垂下特性L1による過電流保護機能が正常に働いているか否かを容易にテストすることができる。
これに加えて従来の直流電源装置15(図21)によれば、スイッチ16を介して電源が投入される場合、誤差増幅器19等の回路素子が安定して動作可能になるまでにある程度の時間がかかる。そして直流電源装置15は、回路素子が安定して動作可能な状態になったうえで、出力電圧を立ち上げるため、かかる出力電圧の立ち上げにかなりの時間がかかる。これに対して本実施の形態による定電圧電源回路30は、すでに回路素子が安定して動作可能な状態になっているうえで、イネーブル信号S2の入力に応じて出力電圧Vout30を立ち上げるため、かかる出力電圧Vout30の立ち上げを、直流電源装置15に比して格段的に高速化することができる。
また従来の直流電源装置15では、出力電圧を実際に立ち上げる回路部分と、その回路部分に対して定電流型垂下特性とフの字型垂下特性との切り替えを制御する切替回路とが別々に動作している。このため直流電源装置15では、切替回路により定電流型垂下特性とフの字型垂下特性とをほぼ正確なタイミングで切り替えるには煩雑な制御が必要になると考えられる。これに対して本実施の形態による定電圧電源回路30は、差動増幅器A30に対し動作を開始させるためのイネーブル信号S2を、その入力時点から、出力コンデンサC30に対する正常時充電完了見込時点までの一定時間に相当する遅延時間Traだけ遅延させて遅延信号S3とし定電流型垂下特性L3とフォールドバック型垂下特性L1との切り替えに流用している。そして定電圧電源回路30では、差動増幅器A30がイネーブル信号S2の入力時点から動作を開始すると、これに応じて出力電流Iout30が出力コンデンサC30に流れて充電が開始されるため、当該イネーブル信号S2の入力時点が出力コンデンサC30の充電開始時点とほぼ一致する。従って定電圧電源回路30は、イネーブル信号S2の入力時点を起点とし、出力コンデンサC30に対する正常時充電完了見込時点で定電流型垂下特性L3をフォールドバック型垂下特性L1に容易にかつ的確に切り替えることができる。その結果、定電圧電源回路30は、常に出力コンデンサC30に対する正常時充電完了見込時点で定電流型垂下特性L3をフォールドバック型垂下特性L1に正確に切り替えることができ、かくして負荷L30が短絡している場合や過負荷の場合に、正常時充電完了見込時点以降にも制限値としては比較的高い上限制限値Imaxに制限した出力電流Iout30が流れ続けて電圧電流制御器31や負荷L30等が発熱することを確実に回避することができる。
なお上述の第1の実施の形態においては、出力コンデンサC30に対する正常時充電完了見込時点、すなわち出力電圧Vout30の定電圧値Vctへの立ち上がり完了見込時点を定電流型垂下特性L3からフォールドバック型垂下特性L1への切替時点とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、出力電圧Vout30の立ち上がり完了見込前の任意の時点を定電流型垂下特性L3からフォールドバック型垂下特性L1への切替時点とするようにしても良い。
ここで出力電圧Vout30の起動時間Tr3は、当該出力電圧Vout30の立ち上がり完了前に定電流型垂下特性L3からフォールドバック型垂下特性L1に切り替えられると、その切替時点をT5で示す場合、(5)式
Figure 0004556116
で表されるように、出力電圧Vout30の起動途中に出力電流Iout30の電流値Ioutが制限下限値Iminに制限されるため、上述した(3)式や(4)式に示す起動時間Tr1及びTr2よりも長くなる。このため(5)式では、(T5−T1)の項の値を、例えば(3)式で示す起動時間Tr1の80〔%〕程度以上とすれば、すでに出力電圧Vout30が定電圧値Vctに近い値まで立ち上がっているため、起動時間Tr3を比較的短くして出力電圧Vout30を定電圧値Vctに完全に立ち上げることができる。また出力電圧Vout30の立ち上がり途中に定電流型垂下特性L3からフォールドバック型垂下特性L1に切り替えるときには、制限下限値Iminを負荷L30に流れる出力電流Iout30の電流値Ioutよりも適宜大きく選定すれば、出力電圧Vout30の立ち上がり途中に定電流型垂下特性L3からフォールドバック型垂下特性L1に切り替わり、出力電流Iout30の電流値Ioutが制限下限値Iminに制限されても、その制限下限値Iminに制限した出力電流Iout30がそのまま負荷L30に流れて、出力コンデンサC30の充電が完了しなくなる(すなわち、出力電圧Vout30が定電圧値Vctに立ち上がらなくなる)ことを防止することができる。
(2)第2の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付して示す図14は、第2の実施の形態による定電圧電源回路50を示し、差動増幅器A30と、電圧電流制御器としての例えばPチャネルMOS型の電圧電流制御トランジスタQ30との接続中点に過電流保護回路部51が接続されている。この過電流保護回路部51は、第3の切替スイッチSW3を介して出力端子Tout30にも接続されている。また過電流保護回路部51及び第3の切替スイッチSW3の接続中点と、グランドGNDとの間には、第4の切替スイッチSW4及び定電圧源VBが直列接続されている。さらに遅延回路部32には、反転器52を介して第3の切替スイッチSW3が接続されると共に、第4の切替スイッチSW4が直接接続されている。
この場合、定電圧電源回路50は、動作開始時、第3の切替スイッチSW3の接点が開き(すなわち、過電流保護回路部51と出力端子Tout30との接続を切り離し)、第4の切替スイッチSW4の接点が閉じている(すなわち、過電流保護回路部51と定電圧源VBとが導通している)。この状態で差動増幅器A30は、外部からイネーブル信号S2が入力されると、動作を開始する。そして差動増幅器A30は、制御信号SV1を電圧電流制御トランジスタQ30に供給して当該電圧電流制御トランジスタQ30のインピーダンスを制御する。これにより電圧電流制御トランジスタQ30は、入力端子Tin30から出力端子Tout30に流す出力電流Iout30の電流値を増加させる。
この際、過電流保護回路部51は、差動増幅器A30の動作開始に連動して動作を開始する。そして過電流保護回路部51は、このとき定電圧源VBから第4の切替スイッチSW4を介して供給される定電圧Vb5に基づいて定電流型垂下特性用の制限上限値を設定する。この状態で過電流保護回路部51は、かかる定電流型垂下特性に従って、差動増幅器A30から電圧電流制御トランジスタQ30に供給される制御信号SV1の値を適宜調整する。これにより電圧電流制御トランジスタQ30は、出力電流Iout30の電流値が制限上限値に達したとき、当該電流値を制限上限値に制限しつつ出力電圧Vout30を定電圧値に立ち上げ、出力端子Tout30に突入電流及び過電流が流れることを防止する。
ところで外部から供給されるイネーブル信号S2は、差動増幅器A30に加えて遅延回路部32にも入力されている。従って遅延回路部32は、かかるイネーブル信号S2を、無負荷、又は最大負荷が予めわかっているときの出力コンデンサC30に対する充電開始から充電完了までの一定時間、すなわち出力電圧Vout30の起動時間Tr1又はTr2に相当する遅延時間Traだけ遅延させる。そして遅延回路部32は、遅延終了時点に達すると、かかるイネーブル信号S2を遅延信号S3として第4の切替スイッチSW4に供給すると共に、その遅延信号S3を反転器52を介して論理レベルを反転させた反転信号S4として第3の切替スイッチSW3に供給する。これにより第3の切替スイッチSW3は、反転信号S4の入力に応じて接点を閉じ、かくして過電流保護回路部51と出力端子Tout30とを導通させる。また第4の切替スイッチSW4は、遅延信号S3の入力に応じて接点を開くことで、過電流保護回路部51と定電圧源VBとの接続を切り離す。
従って過電流保護回路部51には、このとき定電圧Vb5に替えて、出力端子Tout30から出力電圧Vout30及び出力電流Iout30が第3の切替スイッチSW3を介して供給される。この際、過電流保護回路部51は、内部でフの字型垂下特性用の制限下限値を設定し、出力電圧Vout30及び出力電流Iout30を監視しながら、かかるフの字型垂下特性に従って、差動増幅器A30から電圧電流制御トランジスタQ30に供給される制御信号SV1の値を適宜調整する。これにより電圧電流制御トランジスタQ30は、出力電流Iout30の電流値が制限上限値に達しているとき、当該電流値を制限上限値から制限下限値に低下させると共に、かかる電流値の低下に合わせて出力電圧Vout30の電圧値も低下させる。
このようにして図15に示すように、かかる定電圧電源回路50は、出力電圧Vout30の立ち上がり時、過電流保護回路部51において定電圧Vb5に基づき、一部破線で示す定電流型垂下特性L7の制限上限値Imaxを設定する。ただし定電圧電源回路50では、出力電圧Vout30の立ち上がり時に、かかる立ち上がりに伴い、差動増幅器A30に入力される基準電圧Vref30及び分圧電圧Vz30の差電圧が減少していき、当該差動増幅器A30の出力の能力が変化していく。このため定電圧電源回路50では、出力電圧Vout30が実線L8に示す軌跡をたどって立ち上がることになる。そして定電圧電源回路50は、イネーブル信号S2に対する遅延終了時点以降、フの字型垂下特性L9に従い出力電流Iout30の電流値を適宜制限上限値Imaxから制限下限値Iminに制限すると共に、これに合わせて出力電圧Vout30の電圧値を低下させる。
以上の構成において、定電圧電源回路50は、イネーブル信号S2の入力に応じて出力電圧Vout30を立ち上げる際、遅延回路部32がイネーブル信号S2の入力時点から当該イネーブル信号S2を、負荷L30が無負荷となっているときや、当該定電圧電源回路30に接続される最大負荷が予めわかっているとき等のように出力コンデンサC30を規定容量まで正常に充電可能な状態のときの当該出力コンデンサC30に対する充電開始から充電完了までの一定時間に相当する遅延時間Traだけ遅延させて遅延信号S3とし、かかる遅延信号S3により第3及び第4の切替スイッチSW3及びSW4を切替制御する。そして定電圧電源回路50では、過電流保護回路部51が当該定電圧電源回路50に対するイネーブル信号S2の入力時点からその遅延終了時点までは、定電圧源VBから第4の切替スイッチSW4を介して供給される定電圧Vb5に基づき定電流型垂下特性L7に従って動作する。また定電圧電源回路50では、過電流保護回路部51がイネーブル信号S2に対する遅延終了時点以降は、定電圧Vb5に替えて出力端子Tout30から第3の切替スイッチSW3を介して供給される出力電圧Vout30及び出力電流Iout30に基づき電流制限特性を定電流型垂下特性L7からフの字型垂下特性L9に切り替える。
従って定電圧電源回路50では、イネーブル信号S2の入力時点から遅延終了時点までは、過電流保護回路部51により、定電流型垂下特性L7に従って出力電流Iout30の電流値Ioutを極力高い制限上限値Imaxに制限しながら出力コンデンサC30に流すことで、負荷L30が無負荷の場合や短絡及び過負荷とならずに接続されている場合に、かかる上限制限値Imaxの出力電流Iout30で出力コンデンサC30を充電して出力電圧Vout30を定電圧値Vctに高速に立ち上げることができる。また定電圧電源回路50では、負荷L30が短絡している場合や過負荷の場合にイネーブル信号S2に対する遅延終了時点(すなわち、正常時充電完了見込時点)以降にも出力電流Iout30が過電流となって流れようとしたとき、過電流保護回路部51によりフの字型垂下特性L9に従って当該出力電流Iout30の電流値Ioutを制限上限値Imaxよりも小さい制限下限値Iminまで低下させるため、例えば電圧電流制御トランジスタQ30に制限上限値Imaxの出力電流Iout30が長時間流れて発熱すること等を確実に回避することができる。
以上の構成によれば、定電圧電源回路50において、差動増幅器A30がイネーブル信号S2の入力に応じて動作を開始して制御信号SV1を生成すると共に、電圧電流制御トランジスタQ30がかかる制御信号SV1に応じた電流値の出力電流Iout30を出力コンデンサC30に流して充電することにより出力電圧Vout30を生成する際、遅延回路部32がイネーブル信号S2を一定の遅延時間Traだけ遅延させて遅延信号S3とし第3及び第4の切替スイッチSW3及びSW4を切替制御すると共に、過電流保護回路部51が、差動増幅器A30の動作開始時点から第3及び第4の切替スイッチSW3及びSWに対する切替制御時点(すなわち、正常時充電完了見込時点)までは電流制限特性を定電流型垂下特性L7とし、当該第3及び第4の切替スイッチSW3及びSW4に対する切替制御時点以降は電流制限特性を定電流型垂下特性L7からフの字型垂下特性L9に切り替えるようにした。そして定電圧電源回路50では、遅延回路部32におけるイネーブル信号S2の遅延時間Traを、無負荷、又は最大負荷が予めわかっているときの出力コンデンサC30に対する充電開始から充電完了までの一定時間とした。これにより定電圧電源回路50は、負荷L30が短絡している場合や過負荷の場合に、遅くとも出力コンデンサC30に対する正常時充電完了見込時点で定電流型垂下特性L7をフの字型垂下特性L9に切り替えることで、当該正常時充電完了見込時点以降も、制限値としては比較的高い上限制限値Imaxに制限した出力電流Iout30が流れ続けることを回避することができる。従ってかかる第2の実施の形態による定電圧電源回路50でも、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また定電圧電源回路50は、定電流型垂下特性L7からフの字型垂下特性L9への切替時間を、無負荷、又は最大負荷が予めわかっているときの出力コンデンサC30に対する充電開始から充電完了までの一定時間としたため、例えば製造工場等でイネーブル信号S2の入力から適宜予め選定したタイミングで出力電流Iout30の電流値及び出力電圧Vout30の電圧値を測定することで、その測定結果に基づき、定電流型垂下特性L7及びフの字型垂下特性L9による過電流保護機能が正常に働いているか否かを容易にテストすることができる。
これに加えて従来の直流電源装置15(図21)によれば、スイッチ16を介して電源が投入される場合、誤差増幅器19等の回路素子が安定して動作可能になるまでにある程度の時間がかかる。そして直流電源装置15は、回路素子が安定して動作可能な状態になったうえで、出力電圧を立ち上げるため、かかる出力電圧の立ち上げにかなりの時間がかかる。これに対して本実施の形態による定電圧電源回路50は、上述した第1の実施の形態による定電圧電源回路30と同様に、出力電圧Vout30の立ち上げを、直流電源装置15に比して格段的に高速化することができる。
また従来の直流電源装置15では、出力電圧を実際に立ち上げる回路部分と、その回路部分に対して定電流型垂下特性とフの字型垂下特性との切り替えを制御する切替回路とが別々に動作している。このため直流電源装置15では、切替回路により定電流型垂下特性とフの字型垂下特性とをほぼ正確なタイミングで切り替えるには煩雑な制御が必要になると考えられる。これに対して本実施の形態による定電圧電源回路50は、差動増幅器A30に対し動作を開始させるためのイネーブル信号S2を、その入力時点から、出力コンデンサC30に対する正常時充電完了見込時点までの一定時間に相当する遅延時間Traだけ遅延させ遅延信号S3として定電流型垂下特性L7とフの字型垂下特性L9との切り替えに流用している。そして定電圧電源回路50では、差動増幅器A30がイネーブル信号S2の入力時点から動作を開始すると、これに応じて出力電流Iout30が出力コンデンサC30に流れて充電が開始されるため、当該イネーブル信号S2の入力時点が出力コンデンサC30の充電開始時点とほぼ一致する。従って定電圧電源回路50は、イネーブル信号S2の入力時点を起点とし、出力コンデンサC30に対する正常時充電完了見込時点で定電流型垂下特性L7をフの字型垂下特性L9に容易にかつ的確に切り替えることができる。その結果、定電圧電源回路50は、常に出力コンデンサC30に対する正常時充電完了見込時点で定電流型垂下特性L7をフの字型垂下特性L9に正確に切り替えることができ、かくして負荷L30が短絡している場合や過負荷の場合に、正常時充電完了見込時点以降にも制限値としては比較的高い上限制限値Imaxに制限した出力電流Iout30が流れ続けて電圧電流制御トランジスタQ30や負荷L30等が発熱することを確実に回避することができる。
なお上述の第2の実施の形態においては、出力コンデンサC30に対する正常時充電完了見込時点、すなわち出力電圧Vout30の定電圧値への立ち上がり完了見込時点を定電流型垂下特性L7からフの字型垂下特性L9への切替時点とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、出力電圧Vout30の立ち上がり完了見込前の任意の時点を定電流型垂下特性L7からフの字型垂下特性L9への切替時点とするようにしても良い。
(3)他の実施の形態
なお上述の第1及び第2の実施の形態においては、本発明による定電圧電源回路を図1乃至図15について上述した定電圧電源回路30及び50に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、出力電圧Vout30の定電圧値を任意に選択可能な定電圧電源回路に適用することもできる。
また上述の第1及び第2の実施の形態においては、イネーブル信号の入力に応じて動作を開始して出力電圧生成用の制御信号を生成する制御信号生成手段として、図1乃至図15について上述した差動増幅器A30を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、イネーブル信号の入力に応じて動作を開始して出力電圧生成用の制御信号を生成することができれば、この他種々の構成の制御信号生成手段を広く適用することができる。
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、信号生成手段により生成された制御信号に応じて出力コンデンサに流す出力電流の電流値を制御して当該出力コンデンサを充電することにより出力電圧を生成する出力制御手段として、図1乃至図15について上述したPチャネルMOS型の電圧電流制御トランジスタでなる電圧電流制御器31や、電圧電流制御トランジスタQ30を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、NチャネルMOS型のトランジスタ等のように、この他種々の出力制御手段を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、出力電流の電流値が第1の制限値に達したとき、制御信号の値を調整することにより出力電流の電流値を第1の制限値に制限して一定にする定電流型垂下特性と、出力電流の電流値が第1の制限値に達したとき、制御信号の値を調整することにより出力電流の電流値を第1の制限値よりも小さい第2の制限値に制限する電流制限特性とにより出力電流の電流値を制限する電流制限手段として、図1乃至図15について上述したモード切替器33及び過電流保護回路部34や、過電流保護回路部51、反転器52、第3及び第4の切替スイッチSW3及びSW4並びに定電圧源VBを適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらモード切替器33及び過電流保護回路部34を一体化した電流制限回路部等のように、この他種々の電流制限手段を広く適用することができる。
本発明は、携帯電話機やPDA等の種々の機器に設けられた定電圧電源回路に利用することができる。
本発明による定電圧電源回路の全体構成の第1の実施の形態を示すブロック図である。 無負荷の場合の出力電流の制限の説明に供する略線図である。 過負荷の場合の出力電流の制限の説明に供する略線図である。 定電圧電源回路の詳細構成を示すブロック図である。 信号調整トランジスタの特性を示す略線図である。 無負荷の場合の出力電流の制限の説明に供する略線図である。 第2のノードの電圧と出力検出ミラー電流との関係の説明に供する略線図である。 第2のノードの電圧と合成電流との関係の説明に供する略線図である。 差動増幅器の動作開始時における第2のノードの電圧の説明に供する略線図である。 定電流型垂下特性に従って出力電圧が制限上限値に達したときの第2のノードの電圧の説明に供する略線図である。 フォールドバック型垂下特性に従って出力電流を制限下限値に制限するときの第2のノードの電圧の説明に供する略線図である。 出力電圧の立ち上がり時の電圧電流特性を示す略線図である。 出力電流の制限途中における出力電流及び出力電圧の低下の停止の説明に供する略線図である。 第2の実施の形態による定電圧電源回路の構成を示すブロック図である。 出力電圧の立ち上がり時の電圧電流特性を示す略線図である。 過電流保護機能を有する従来の一般的な定電圧電源回路の構成を示すブロック図である。 定電流型垂下特性の説明に供する略線図である。 フの字型垂下特性の説明に供する略線図である。 フォールドバック型垂下特性の説明に供する略線図である。 従来のボルテージレギュレータの構成を示すブロック図である。 従来の直流電源装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
30、50……定電圧電源回路、31……電圧電流制御器、32……遅延回路部、33……モード切替器、34、51……過電流保護回路部、52……反転器、A30……差動増幅器、C30……出力コンデンサ、L30……負荷、Q30……電圧電流制御トランジスタ、S2……イネーブル信号、S3……遅延信号、SV1……制御信号、SW3……第3の切替スイッチ、SW4……第4の切替スイッチ、VB……定電圧源、Imax……制限上限値、Imin……制限下限値、Iout30……出力電流、Vout30……出力電圧。

Claims (3)

  1. すでに安定して動作可能な状態で、イネーブル信号が入力されると、当該イネーブル信号の入力に応じて動作を開始して出力電圧生成用の制御信号を生成する制御信号生成手段と、
    上記制御信号生成手段により生成された上記制御信号に応じて出力コンデンサに流す出力電流の電流値を制御して当該出力コンデンサを充電することにより上記出力電圧を生成する出力制御手段と、
    上記出力電流の電流値が第1の制限値に達したとき、上記制御信号の値を調整することにより上記出力電流の電流値を上記第1の制限値に制限して一定にする定電流型垂下特性と、上記出力電流の電流値が上記第1の制限値に達したとき、上記制御信号の値を調整することにより上記出力電流の電流値を上記第1の制限値よりも小さい第2の制限値に制限する電流制限特性とにより上記出力電流の電流値を制限する電流制限手段と、
    上記制御信号生成手段と共に上記イネーブル信号が入力され、当該入力された上記イネーブル信号を、規定容量まで正常に充電可能な状態のときの上記出力コンデンサに対する充電開始から充電完了までの一定時間に相当する遅延時間以下遅延させて遅延信号とし上記電流制限手段に送出する遅延手段と
    を具え、
    上記電流制限手段は、上記制御信号生成手段の動作開始時点から上記遅延信号の入力時点までは、上記定電流型垂下特性に従って動作し、上記遅延信号の上記入力時点以降は、上記電流制限特性に従って動作す
    電圧電源回路。
  2. 上記遅延手段は、
    上記イネーブル信号を、上記一定時間の80〔%〕程度以上でかつ当該一定時間以下の上記遅延時間だけ遅延させて上記遅延信号とし上記電流制限手段に送出す
    求項1に記載の定電圧電源回路。
  3. 上記電流制限手段は、
    上記遅延信号の上記入力時点以降は、上記電流制限特性として、上記出力電流の電流値が上記第1の制限値に達したとき、上記制御信号の値を調整することにより上記出力電流の電流値を上記第1の制限値から指数関数的に急激に低下させて上記第2の制限値に制限するフォールドバック型垂下特性に従って動作す
    求項1に記載の定電圧電源回路。
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