JP4555837B2 - 鋼管または鋼管杭の把持装置 - Google Patents
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また、振動杭打ち装置に用いられる杭の把持装置は、従来公知の油圧式のチャック装置が用いられている。例えば、特公昭57−43696号公報(特許文献2)等に示されるように、(1)一対の顎を有し、一方は固定顎で、他方は開放顎となっており、開放顎を油圧シリンダーにて作動させて、一対の顎にて鋼杭を直接もしくは、鋼杭に固着されたチャッキングプレートと呼称される鋼板を、油圧力による強固に掴む装置が用いられている。
このような把持装置を軽量化するために、(2)特公昭58−51090号公報(特許文献3)に記載された発明では、クサビ作用やテコ作用を応用し、軽量化する発明がなされている。
また、従来、ロッドに軸線方向の起振力を往復振動力として付与する装置も知られている(例えば、特許文献4参照)。
また、そのため、過大な振動を与えるようになるため、エネルギー効率が低下するともに、杭打ちに伴う振動や騒音が増大するという課題がある。また、油圧シリンダーを杭打ち時に振動させるため、油圧装置の耐久性にも課題がある。
前記(2)の場合は、前記従来の場合と同様、油圧シリンダーを内蔵する構造形態ため、加振装置により加振する部分に油圧シリンダーを含み、加振する部分の軽量化には限界があるとともに、油圧シリンダーを杭打ち時に振動させるため、油圧装置の耐久性にも課題がある。
また、加振装置側と把持装置側との連結を多数のボルトを使用してなす方法も想定されるが、一般に鋼管杭を杭打ち機にて把持する作業は、鋼管杭を鉛直に起立させた後に、鋼管杭の頭部を、上空にて杭打ち機にて把持することになるので、多数のボルトの緊結作業を、作業者が上空にて高所作業車等を用いて行うことになり、作業が煩雑で安全性にも課題があるため、より簡単で、上空作業を伴わない連結構造が求められる。
また、鋼管杭を含む鋼管類の搬送等にも適用でき、地上作業者を少なくすることができる鋼管または鋼管杭の把持装置が望まれている。
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、把持装置をより軽量かつ強固な構造とすると共に回転駆動装置により回転される主軸と鋼管または鋼管杭側との連結をより簡単にした鋼管または鋼管杭の把持装置を提供することを目的とする。
また、第2発明の鋼管杭の把持装置においては、先端部に鋼管杭が接続される主軸の他方の端部に、その主軸にその軸線方向の起振力を往復振動力として付与するための起振装置を備え、かつ前記主軸に回転力を付与するための回転駆動装置とを備えてなる鋼管杭の打込みおよび引抜き装置に用いられ、鋼管杭と前記主軸とを接続するための鋼管杭の把持装置であって、前記主軸の先端部に、楔支承用テーパー状傾斜面を有するガイド体が、主軸とガイド体のいずれか一方に設けられた雄ねじと他方に設けられた雌ねじとのねじ式結合により接続され、前記楔支承用テーパー状傾斜面の周方向に間隔をおいてその楔支承用テーパー状傾斜面に係合する斜面および鋼管杭の側面に係合する押圧部を有する複数の分割型楔片が配置され、かつ前記主軸の下面は各分割型楔片の上面を押圧する押圧面とされ、前記ガイド体には、鋼管杭側のストッパに係合して共回りを防止する係合部が設けられて、前記主軸に対して前記ガイド体は昇降可能にかつ回転不能に装着されていることを特徴とする。
また、第3発明の鋼管杭の把持装置では、先端部に鋼管杭が接続される主軸の他方の端部に、その主軸にその軸線方向の起振力を往復振動力として付与するための起振装置を備え、かつ前記主軸に回転力を付与するための回転駆動装置とを備えてなる鋼管杭の打込みおよび引抜き装置に用いられ、鋼管杭と前記主軸とを接続するための鋼管杭の把持装置であって、少なくとも先端部は中空とされた前記主軸の先端部内側に雌ねじ孔が設けられ、前記雌ねじ孔にガイド体の上部の雄ねじ軸部が螺合されて接続され、前記ガイド体には、その下部の外周側面が上方に向かって漸次縮径するように傾斜する楔支承用テーパー状傾斜面を有し、
前記楔支承用テーパー状傾斜面の周方向に間隔をおいてその楔支承用テーパー状傾斜面に係合する斜面および鋼管杭の内側面に係合する押圧部を有する複数の分割型楔片が配置され、かつ前記主軸の下面は各分割型楔片の上面を押圧する押圧面とされ、前記ガイド体には、鋼管杭側のストッパに係合して共回りを防止する係合部が設けられて、前記主軸に対して前記ガイド体は昇降可能にかつ回転不能に装着されていることを特徴とする。
また、第4発明の鋼管杭の把持装置においては、先端部に鋼管杭が接続される主軸の他方の端部に、その主軸にその軸線方向の起振力を往復振動力として付与するための起振装置を備え、かつ前記主軸に回転力を付与するための回転駆動装置とを備えてなる鋼管杭の打込みおよび引抜き装置に用いられ、鋼管杭と主軸とを接続するための鋼管杭の把持装置であって、該主軸の先端部には、円盤状フランジが接合されており、その円盤状フランジの外周側面は雄ねじ部が設けられ、その雄ねじ部にガイド体の上部の雌ねじ孔が連結されて接続され、
前記ガイド体には、その下部の内周側面が上方に向かって漸次拡径するように傾斜する楔支承用テーパー状傾斜面を有し、前記楔支承用テーパー状傾斜面の周方向に間隔をおいてその楔支承用テーパー状傾斜面に係合する斜面および鋼管杭の外側面に係合する押圧部を有する複数の分割型楔片が配置され、かつ前記主軸の下面は各分割型楔片の上面を押圧する押圧面とされ、前記ガイド体には、鋼管杭側のストッパに係合して共回りを防止する係合部が設けられて、前記主軸に対して前記ガイド体は昇降可能にかつ回転不能に装着されていることを特徴とする。
第2発明によると、鋼管杭の打ち込みおよび引き抜き装置により加振される把持装置の部分に、従来のように油圧シリンダを備えていないので、その分、把持装置の軽量化を図ることができる。また、楔支承用テーパー状傾斜面を有するガイド体により複数の分割型楔片を鋼管の側面に押圧するように噛み込ませる楔を使用した機械的な把持装置であるので、強固であると共に、把持装置の耐久性を向上させることができる。また、把持装置の構造も簡単であるので、製作が容易で、安価な把持装置とすることができる。
また、楔支承用テーパー状傾斜面を有するガイド体が、主軸とガイド体のいずれか一方に設けられた雄ねじと他方に設けられた雌ねじとのねじ式結合により連結されているので、これらの供回りを防止した状態で、主軸を一方向または逆方向に回転させることにより、ガイド体を上昇させて各分割型楔片を鋼管杭の側面に向かって押圧させるように横移動して、鋼管杭を把持することができる。
第3発明によると、先端部が中空とされている主軸の雌ねじ孔に、ガイド体の雄ねじ軸部がねじ込まれ、ガイド体の下部には、上方に向かって漸次縮径するように傾斜する楔支承用テーパー状傾斜面が設けられ、また、ガイド体には鋼管側のストッパに係合して共回りを防止する係合部が設けられているので、主軸を回転させることで、ガイド体を主軸に対して昇降させて、分割型楔片を鋼管杭の内面に圧着させたり、離反させことができ、簡単な動作で鋼管杭内面側から把持したり離脱させたりすることができ、簡単軽量な把持装置とすることができ、強固な鋼管把持装置とすることができる。
第4発明によると、主軸の雄ねじ部に、ガイド体の雌ねじ孔がねじ込まれ、ガイド体の下部の内周側面には、下方に向かって漸次縮径するように傾斜する楔支承用テーパー状傾斜面が設けられ、また、ガイド体には鋼管側のストッパに係合して共回りを防止する係合部が設けられているので、主軸を回転させることで、ガイド体を主軸に対して昇降させて、分割型楔片を鋼管杭の外側面に圧着させたり、離反させることができ、簡単な動作で鋼管杭外側面から把持したり離脱させたりすることができ、簡単軽量な把持装置とすることができ、強固な鋼管把持装置とすることができる。
テーパー状傾斜面16の外周側面には、その周方向にほぼ等角度間隔をおいて、下部内側が半径方向で漸次外側に拡径するように傾斜する傾斜面17を備えていると共に半径方向外側に粗面を有する鋼管内面圧着用縦面18を備えている複数の分割型楔片4が配置され、各分割型楔片4は、各分割型楔片4の外周側に設けられた周方向の凹溝19に渡って嵌合配置された結束用環状弾性バンド20により、各分割型楔片4が所定以上に降下しないように位置保持されるようにされている。
前記の補強バンド23としては、鋼製帯状板を鋼管杭7の外周側面に溶接等により固定してもよく、また、締め付け金具付き補強バンドを鋼管杭の外周面に装着するようにしてもよい。
図6は、図1に対応した別形態の杭打ち装置2であり、図1と相違する部分は、フランジ6が円盤状であり、内側に中空部を設けないで、円盤状フランジ6の側周面に雄ねじ部24を設け、その雄ねじ部24をガイド体3の雌ねじ孔25(図7参照)に螺合して、把持装置1本体との連結および回転駆動装置9のトルクを伝達するようにした形態である。
そうした後に、杭打ち装置2に取り付けられた回転駆動装置9により、鋼管主軸5を所定の方向に回転させる。すると、主軸5に固着された円盤状フランジ6の内側に螺合されたガイド体3が上方に移動する。この際、主軸5の回転と同時にガイド体3がとも回りしないような冶具などを固着すると良い。例えば、図示のように、ガイド体3からその下側に突起物からなる係合部21を固着しておき、係合部21が鋼管外側に設けられた鋼製の突起物からなるストッパ22と係合することで、ガイド体3の回転を抑制するなどの方法が考えられる。
なお、前記の鋼製補強バンド23を鋼管7aの内周面に圧着する方向としては、鋼管7aの内周面の周長よりも若干短い帯状鋼板を鋼管内周面に沿って配置し、かつ帯状鋼板の両端部の一方または両方に板幅方向に延長する傾斜面を設け、その板幅方向の傾斜面に楔を圧入することにより、帯状鋼板を拡径するようにして鋼管内面に圧着するように押し付け、必要に応じ溶接により固着することで、鋼管杭7の上端部を補強するようにしてもよい。
2 杭打ち装置
3 ガイド体
4 分割型楔片
4a 突起
5 主軸
6 フランジ
7 鋼管杭
7a 鋼管
7b 鋼管内面
8 主軸ハウジング
9 回転駆動装置
10 リングギア
11 起振装置
12 スプライン
13 駆動ピニオン
14 雌ねじ孔(雌ねじ)
15 雄ねじ軸部(雄ねじ部)
16 テーパー状傾斜面
16a テーパー状傾斜面
17 傾斜面
18 縦面
19 凹溝
20 結束用環状弾性バンド
21 係合部
22 ストッパ
23 補強バンド
24 雄ねじ部
25 雌ねじ孔
26 鋼管(杭)の外周面
27 圧縮バネまたは圧縮ゴム
28 条体
Claims (4)
- 回転駆動装置により回転される主軸を備え、その主軸と鋼管とを接続するための鋼管の把持装置であって、前記主軸の先端部に、楔支承用テーパー状傾斜面を有するガイド体が、主軸とガイド体のいずれか一方に設けられた雄ねじと他方に設けられた雌ねじとのねじ式結合により接続され、前記楔支承用テーパー状傾斜面の周方向に間隔をおいてその楔支承用テーパー状傾斜面に係合する斜面および鋼管の側面に係合する押圧部を有する複数の分割型楔片が配置され、かつ前記主軸の下面は各分割型楔片の上面を押圧する押圧面とされ、前記ガイド体には、鋼管側のストッパに係合して共回りを防止する係合部が設けられて、前記主軸に対して前記ガイド体は昇降可能にかつ回転不能に装着されていることを特徴とする鋼管の把持装置。
- 先端部に鋼管杭が接続される主軸の他方の端部に、その主軸にその軸線方向の起振力を往復振動力として付与するための起振装置を備え、かつ前記主軸に回転力を付与するための回転駆動装置とを備えてなる鋼管杭の打込みおよび引抜き装置に用いられ、鋼管杭と前記主軸とを接続するための鋼管杭の把持装置であって、前記主軸の先端部に、楔支承用テーパー状傾斜面を有するガイド体が、主軸とガイド体のいずれか一方に設けられた雄ねじと他方に設けられた雌ねじとのねじ式結合により接続され、前記楔支承用テーパー状傾斜面の周方向に間隔をおいてその楔支承用テーパー状傾斜面に係合する斜面および鋼管杭の側面に係合する押圧部を有する複数の分割型楔片が配置され、かつ前記主軸の下面は各分割型楔片の上面を押圧する押圧面とされ、前記ガイド体には、鋼管杭側のストッパに係合して共回りを防止する係合部が設けられて、前記主軸に対して前記ガイド体は昇降可能にかつ回転不能に装着されていることを特徴とする鋼管杭の把持装置。
- 先端部に鋼管杭が接続される主軸の他方の端部に、その主軸にその軸線方向の起振力を往復振動力として付与するための起振装置を備え、かつ前記主軸に回転力を付与するための回転駆動装置とを備えてなる鋼管杭の打込みおよび引抜き装置に用いられ、鋼管杭と前記主軸とを接続するための鋼管杭の把持装置であって、少なくとも先端部は中空とされた前記主軸の先端部内側に雌ねじ孔が設けられ、前記雌ねじ孔にガイド体の上部の雄ねじ軸部が螺合されて接続され、前記ガイド体には、その下部の外周側面が上方に向かって漸次縮径するように傾斜する楔支承用テーパー状傾斜面を有し、前記楔支承用テーパー状傾斜面の周方向に間隔をおいてその楔支承用テーパー状傾斜面に係合する斜面および鋼管杭の内側面に係合する押圧部を有する複数の分割型楔片が配置され、かつ前記主軸の下面は各分割型楔片の上面を押圧する押圧面とされ、前記ガイド体には、鋼管杭側のストッパに係合して共回りを防止する係合部が設けられて、前記主軸に対して前記ガイド体は昇降可能にかつ回転不能に装着されていることを特徴とする鋼管杭の把持装置。
- 先端部に鋼管杭が接続される主軸の他方の端部に、その主軸にその軸線方向の起振力を往復振動力として付与するための起振装置を備え、かつ前記主軸に回転力を付与するための回転駆動装置とを備えてなる鋼管杭の打込みおよび引抜き装置に用いられ、鋼管杭と主軸とを接続するための鋼管杭の把持装置であって、該主軸の先端部には、円盤状フランジが接合されており、その円盤状フランジの外周側面は雄ねじ部が設けられ、その雄ねじ部にガイド体の上部の雌ねじ孔が連結されて接続され、前記ガイド体には、その下部の内周側面が上方に向かって漸次拡径するように傾斜する楔支承用テーパー状傾斜面を有し、前記楔支承用テーパー状傾斜面の周方向に間隔をおいてその楔支承用テーパー状傾斜面に係合する斜面および鋼管杭の外側面に係合する押圧部を有する複数の分割型楔片が配置され、かつ前記主軸の下面は各分割型楔片の上面を押圧する押圧面とされ、前記ガイド体には、鋼管杭側のストッパに係合して共回りを防止する係合部が設けられて、前記主軸に対して前記ガイド体は昇降可能にかつ回転不能に装着されていることを特徴とする鋼管杭の把持装置。
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