JP4554187B2 - 非線型光導波路 - Google Patents

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Description

本発明は、光導波路に関し、特に光通信システムにおいて用いられる波長変換機能を有する非線型光導波路、または、光記憶媒体への書込み、読取り等において利用される非線型光導波路に関する。
近年、光通信では既存の設備を変更せずに伝送容量を増大させる通信方式として波長分割多重(WDM)伝送が提案され、研究開発が進められている。WDM伝送により光ファイバを伝搬してきた周波数の異なる多数の光信号が、交換機で電気信号に変換されずに光信号のまま処理されれば、光ネットワークの超高速性を維持したまま大容量の光信号を運用することができる。
そのような光信号処理技術として全光波長変換が注目を集めている。これを実現する代表的な方法としては、半導体光増幅器の相互利得変調、相互位相変調を利用する方法、あるいは非線型光学結晶の2次非線型効果を用いた和周波、差周波発生を利用する方法がある。
半導体光増幅器を用いる波長変換方法は、変換される波長に等しい波長の光を外部から入力させる必要があり、任意波長の光を新たに発生させることはできない。しかし、非線型光学結晶の2次非線型効果に基づいた波長変換方法は、変換される波長に等しい波長の光を外部から入力せずに異なった波長の光を新たに発生させることができる。ここで、非線型光学結晶とは、光の電界Eに対して、結晶中の電気分極率PがP=x(1)E+x(2)2+x(3)3+…のように非線型応答を示す結晶のことを指す。また、非線型項x(2)2は中心対称性のない結晶構造の場合に大きくなるため、LiNbO3、KTiOPO4などの中心対称性のない結晶が使用される。これらの結晶に角周波数ω1、ω2の光を入射させると角周波数ω3=ω1+ω2の光が発生(和周波発生)する。または角周波数ω3、ω2の光を入射させて角周波数ω1=ω3−ω2の光を発生(差周波発生)させることもできる。これらは、波数k(ω1)、k(ω2)から波数k(ω3)の光を、あるいは波数k(ω3)、k(ω2)から波数k(ω1)の光を新たに発生させることに対応しており、光通信の波長変換に利用することができる。
しかし、図14に示すように結晶には材料分散という波数kが周波数ωの線型でない関数になる関係が存在するため、Δk=(k(ω1)+k(ω2))−k(ω3)≠0となり、入力光と変換光の間で完全に波数整合(または位相整合ともいう)をとることができない(図14の141はLiNbO3の材料分散、142は参照のための直線)。特にω1=ω2=ωの場合、即ち、第2高調波発生(SHG)の場合、位相不整合量はΔk=2k(ω)−k(2ω)となり、結晶の長さをLとすると変換光の強度がsin2(LΔk)/(LΔk)2に比例して低下するという問題があった。
この変換効率の低下を改善するため、図12に示すように2次非線型光学材料121に周期的な分極反転領域17を設け、プロトン交換法で形成した光導波路122に光を走行させることにより波数kに自由度を持たせ、Δk=0を実現する擬似位相整合という方法が考案されている(例えば、非特許文献1参照)。また、図13のようなドライエッチングで形成したリッジ状の光導波路12を使用しても同様の効果が得られる(例えば、非特許文献2参照)。なお、同図中、図12と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
上述の如き、図12および13のような導波路構造では、Δk=0はある特定の周波数でしか満たされないため、WDM伝送のような周波数の異なった光信号が入射する場合、それらの全ての変換効率を改善することは難しい。
M. H. Chou,I. Brener, M. M. Fejer, E. E.Chaban, and S. B.Christman,"1.5-μm-band wavelength conversion based on cascaded second-order nonlinearity in LiNbO3 waveguides", IEEE Photonics Technology Letters, Vol.11, No.6, pp.653-655, 1999,
S. Tomaru, T. watanabe. M. Hikita, M. Amano, Y. Shuto, I. Yokohoma, T. Kaino, and M. Asobe, "Quasi-phase-matched second harmonic generation in a polymer waveguide with a periodic poled structure ", Appl. Phys, Lett, Vol.68, No.13, pp.1760-1762. 1996.
上述のような擬似位相整合による変換効率の改善方法は、ある特定の周波数の光に対してだけ有効であるため、WDM伝送のような周波数の異なった光信号に対して、それらの全ての変換効率を改善することは難しい。
本発明では、周波数の異なる複数の光信号に対して変換効率を改善することができる非線型光導波路を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明に係る非線型光導波路は、
入射口と出射口とを有し、前記入射口から入射させた光を前記出射口へ導くとともに、2次非線型光学材料から成り且つ2次分極率が前記光の進行方向に沿って周期的に反転する構造を有する光導波路と、
前記光導波路の第1の屈折率と異なる第2の屈折率を有し且つ前記光導波路に平行に接する第1のガイド層と、
前記第2の屈折率と異なる第3の屈折率を有し且つ前記第1のガイド層に平行に接する第2のガイド層とを備え、
前記第1および第2のガイド層は前記光の進行方向と垂直な方向に周期的に繰り返されているとともに、前記第1および第2のガイド層の幅は、光の周波数をω、波数をk(ω)としたときの位相不整合量Δk(ω)=2k(ω)−k(2ω)が所望の周波数幅に渡って一定値となる幅であることを特徴とする。
請求項2記載の非線型光導波路によれば、前記第1および第2のガイド層の繰り返し周期の個数は少なくとも1つ以上あることを特徴とする。
請求項3記載の非線型光導波路によれば、請求項1、2の何れか1項の非線型光導波路における前記第1の屈折率は前記第2の屈折率よりも大きく、前記第2の屈折率は前記第3の屈折率よりも小さい非線型光導波路であることを特徴とする。
請求項4記載の非線型光導波路によれば、請求項1から請求項3の何れか1項の非線型光導波路における前記第1の屈折率は、前記第3の屈折率と同一である非線型光導波路であることを特徴とする。
請求項5記載の非線型光導波路によれば、請求項1から請求項4の何れか1項の非線型光導波路における前記第1の屈折率を有する材料が、前記第3の屈折率を有する材料と同一である非線型光導波路であることを特徴とする。
請求項6記載の非線型光導波路によれば、前記1から請求項5の何れか1項の非線型光導波路において、ある周波数の信号光を入力すると前記周波数の2倍の周波数を有する変換光を発生し、出力する非線型光導波路であることを特徴とする。
請求項7記載の非線型光導波路によれば、請求項1から請求項6の何れか1項の非線型非導波路において、2次非線型光学材料としてLiNbO3、KNbO3、LiTaO3、KTiOPO4、LiNbxTa1-x3(0≦x≦1)、或いは、それらにMg、Zn、In、Scから選ばれた少なくとも一種の元素を添加した材料を使用する非線型光導波路であることを特徴とする。
[作用]
請求項1により提案する構造において、前記光導波路を走行する光の導波路分散は、前記光の周波数をω、前記光の進行方向の波数をkとすると図10(a)の101のようになる。導波路分散101がk=0でω≠0であるのは、前記光導波路では前記光の進行方向と垂直な方向に光閉じ込めがあるために離散モードω⊥が生じ、分散関係がω=(ω⊥2+v221/2となるからである。ここに、vは媒質中の光速度である。一般に、離散モードω⊥は複数個生じるが、導波路分散101ではその内の1つを示している。また、導波路分散101はk→∞で離散モードの影響が薄れ、直線102に漸近していく。
前記光導波路の全分散は、図10(a)の導波路分散101と、図10(b)の材料分散103との和であり、図10(c)の104のようなS字の曲線となる。この場合に位相不整合量Δk(ω)=2k(ω)−k(2ω)の周波数依存性を調べるために、Δk(ω′+Δω)をω′周りで展開すると
Δk(ω′+Δω)=Δk(ω′)+2(dk/dω|ω=ω′−dk/dω|ω=2ω′)Δω+O((Δω)2)
となる。ここに、dk/dω|ω=ω′は、図10(c)での周波数ω′における勾配105であり、dk/dω|ω=2ω′は、周波数2ω′における勾配106である。これらの勾配105、106が、ある周波数範囲ω1≦ω′≦ω2で等しくなるようにする、即ち、
dk/dω|ω=ω′=dk/dω|ω=2ω′ (ω1≦ω′≦ω2
となるようにするために前記光導波路、前記第1および第2のガイド層の幅を制御することにより図11の111に示されるような周波数幅W=ω2−ω1に亘って、Δk(ω)がωに依存しない、ある一定値Δk0をとる領域を形成することができる。Δk(ω)を平坦化した後、擬似位相整合の方法でΔk0=0を実現する。以上の方法によりSHG変換効率を周波数幅Wに亘って改善することが可能となる。
なお、前記光導波路の光の進行方向に垂直な方向に繰り返し設置される前記第1および第2のガイド層の周期構造体は、次のような役割を果たしている:前記光導波路には、前記光導波路と前記周期構造体との界面でブラッグ反射を生じるような周波数の光を入射させており、前記光は前記周期構造体中に入射できないため、前記光導波路の光閉じ込めが強くなる。これにより離散モード値ω⊥は、前記周期構造体がない場合よりも大きくなり、前記導波路分散の曲率(=群速度分散(GVD)値)を大きくすることができる。これにより材料分散の曲率(=GVD値)が大きい材料を使用する場合でも、上記のような周波数変換効率の帯域改善方法を有効に作用させることが可能となる。一方、通常よく用いられる単一のコア層およびそれを囲む一様な材質のクラッド層で構成された光導波路の場合には、前記コア層のサイズを光の半波長よりも小さくしてしまうと、前記クラッド層に光が大きく漏洩し、有効コア断面積が前記コア層よりも大きくなり、導波路分散の曲率をある値以上に大きくすることはできない。前記周期構造体を用いることにより前記曲率の上限値を超えた値を実現することが可能となる。
請求項2記載の非線型光導波路によれば、請求項1における前記第および第2のガイド層の繰り返し周期の個数は少なくとも1つ以上である非線型光導波路であることを特徴としており、これにより単一のコア層およびそれを囲む一様なクラッド層で構成された場合と比較して、周波数変換効率の帯域を改善する上記のような方法を有効に作用させることが可能となる。
請求項3記載の非線型光導波路によれば、請求項1、2の何れか1項の非線型光導波路における前記第1の屈折率は前記第2の屈折率よりも大きく、前記第2の屈折率は前記第3の屈折率よりも小さい非線型光導波路であることを特徴としており、これにより前記光導波路の光閉じ込め領域を小さくすることが可能となる。
請求項4記載の非線型光導波路によれば、請求項1から請求項3の何れか1項の非線型光導波路における前記第1の屈折率は、前記第3の屈折率と同一である非線型光導波路であることを特徴としており、これにより前記非線型光導波路の導波路分散の制御を容易にすることが可能となる。
請求項5記載の非線型光導波路によれば、請求項1から請求項4の何れか1項の非線型光導波路における前記第1の屈折率を有する材料が、前記第3の屈折率を有する材料と同一である非線型光導波路であることを特徴としており、これにより前記非線型光導波路の作製を容易にすることが可能となる。
請求項6記載の非線型光導波路によれば、請求項1から請求項5の何れか1項の非線型光導波路において、ある周波数の信号光を入力すると前記周波数の2倍の周波数を有する変換光を発生し、出力する非線型光導波路である子とを特徴としており、これにより前記非線型光導波路から出力される変換光について、前記周期構造体を持たない非線型光導波路と比べ、変換効率が改善される周波数帯域を拡大することが可能となる。
請求項7記載の非線型光導波路によれば、請求項1から請求項6の何れか1項の非線型光導波路において、2次非線型光学材料としてLiNbO3、KNbO3、LiTaO3、KTiOPO4、LiNbxTa1-x3(0≦x≦1)、或いは、それらにMg、Zn、In、Scから選ばれた少なくとも一種の元素を添加した材料を使用する非線型光導波路であることを特徴としており、これらの材料を使用することにより、潮解性がなく周期分極反転構造および導波路構造を有する非線型光導波路を作製することが可能となる。
以上説明したように本発明は、光導波路の両側に屈折率の異なる2つの層を周期的に配置することにより形成される導波路分散で材料分散を制御し、SHGの変換効率を従来の周波数帯域よりも格段に広い範囲において改善する非線型光導波路を提供することができる。また、変換効率の周波数帯域を拡大することにより、狭い周波数範囲で最大効率が得られるように設計された周波数が設計値に完全に一致していなくてもよい、歩留まりの高い非線型光導波路を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る非線型光導波路は、光導波路、第1のガイド層及び第2のガイド層を備えている。
前記光導波路は、入射口と出射口とを有し、前記入射口から入射させた光を前記出射口へ導くとともに、2次非線型光学材料から成り且つ2次分極率が前記光の進行方向に沿って周期的に反転する構造を有する。第1のガイド層は、前記光導波路の第1の屈折率と異なる第2の屈折率を有し且つ前記光導波路に平行に接するように構成してある。第2のガイド層は、前記第2の屈折率と異なる第3の屈折率を有し且つ前記第1のガイド層に平行に接するように構成してある。ここで、第1および第2のガイド層は前記光の進行方向と垂直な方向に周期的に繰り返されている。
このような実施の形態に係る非線型光導波路は、次に説明する各実施例で具体的に実現できる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る非線型光導波路の斜視図である。同図に示すように、本実施例1に係る非線型光導波路は、基板11、光導波路12及び周期構造体13、14を備える。ここで、光導波路12は、光の入射口15と出射口16とを有し、周期構造体13と14との間に配置される。また、光導波路12は、2次非線型光学材料から成り、周期的な分極反転領域17を有する。周期構造体13、14は、光の進行方向と垂直な方向に屈折率の異なるガイド層18とガイド層19とを交互に繰り返した構造になっている。
本実施例1におけるガイド層18は空気層から成り、ガイド層19は光導波路12と同一の材質から成る。ここで、ガイド層18は、ガイド層19よりも屈折率の小さい誘電体材料で埋め込んでもよい。これにより周期構造体13、14を補強、保護できる。基板11は、2次非線型光学材料の1つであるLiNbO3から成り、MgあるいはInが添加されている。光導波路12は、LiNbO3から成る。MgあるいはInを添加することにより基板11の屈折率は減少し、光導波路12がコア層、基板11がクラッド層として機能するようになる。
本実施例1に係る非線型光導波路の作製は、所望の位相整合条件が満たされるように周期分極反転構造が予め作製されたLiNbO3ウエハを、MgあるいはIn添加したLiNbO3基板11に重ね合わせて熱処理により拡散接合し、光導波路12、周期構造体13、14をドライエッチングで形成することで行われる。
なお、図1のガイド層18は、基板11に到達している必要はなく図2のように基板11から離れていても光の波長以下の長さであれば該非線型光導波路の性能に影響はない。また、基板11の材質としてLiNbO3を使用し、光導波路12の材質としてZnを添加したLiNbO3を使用してもよい。Znを添加することにより光導波路12の屈折率は上昇し、光導波路12がコア層、基板11がクラッド層として機能するようになる。また、基板11の材料は、光導波路12の材料の屈折率よりも小さい屈折率の材料であればよく、水晶あるいは多結晶SiO2などでもよい。
図3は、光導波路12とガイド層19としてLiNbO3を用い、それらの屈折率を2.2に固定し、ガイド層18の屈折率を1とし、光導波路12、ガイド層18、19の幅をそれぞれ0.32μm、0.38μm、0.36μmに設定した場合の導波路分散を示している。光導波路12の長さは1cmとした。光導波路12の高さは、光の波長よりも充分大きくとってあるので、光導波路12、ガイド層18、19はスラブ導波路で近似でき、等価屈折率法で導波路分散が計算できる。図3より光導波路12を伝搬する光の導波路分散は、下に凸の曲線31、32、33、34のようになる。全分散は導波路分散と材料分散との和であるので、曲線31〜34を用いて、材料分散の上に凸の曲線を制御することができる。
図4は、光導波路12の屈折率nの周波数依存性を示しており、ω/2πが100THz〜800THzの範囲で増加するとnは2.17〜2.5の範囲で単調増加する。そのため、関係式k=(n/c)ωより波数kは、周波数ωの大きい領域でωに対して線型でない増加をする。即ち、図5に示されるように、材料分数51のωは、kが大きい領域でkに対して線形でない減少をし、上に凸の曲線となる。直線52は、材料分散51の曲がり具合を参照するための直線である。全分散は導波路分散と材料分散との和であるので、導波路分散曲線31〜34の中から、例えば、曲線31を使用すると、全分散は曲線53のようにkの小さい領域では下に凸、kの大きい領域では上に凸の曲線となる。これにより以下に示すような位相不整合量Δk(ω)は周波数に依存せず、ほぼ一定になる領域が形成される。
上記位相不整合量Δk(ω)は、入射する2つの光の周波数が共にωの場合、即ち第2高調波発生(SHG)の場合、Δk(ω)=2k(ω)−k(2ω)と表すことができる。
図6の61に周波数領域100〜300THzでΔk(ω)に対する材料分散51だけの効果、62に全分散53の効果を示す。61の方は単調減少するだけであるが、62の方は上に凸の曲線であり、200THz近傍でほぼ平坦になる。そのため、61の場合は、図7の71に示すように周波数196.25THzで擬似位相整合するように分極反転構造を設計してもその周波数近傍の極めて狭い範囲でしか周波数変換効率が改善されないのに対し、62の場合は、図7の72に示すようにそれよりも遙かに広範囲で変換効率の改善がなされる。
以上のような構成により、従来のような導波路分散の効果がほとんどなく材料分散の効果で制限されていた狭い周波数帯域を大幅に拡大することができる。
図8に本実施例2に係る非線型光導波路の斜視図を示す。前記実施例1における非線型光導波路におけるガイド層19を光導波路12と異なる材料で作製したガイド層83を有する周期構造体84、85を備えることにより本実施例2に係る非線型光導波路を構成することができる。ガイド層83の材料として二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化タンタル等を用いることにより第1の実施の形態における周期構造体13、14の構造よりもさらに微細な周期構造が作製することができる。
本実施例2に係る非線型光導波路の作製工程は、図9に示す通りである。先ず、図9(a)に示すように、所望の位相整合条件が満たされるように周期分極反転構造が予め作製されたLiNbO3ウエハを、MgあるいはIn添加したLiNbO3基板11に重ね合わせて熱処理で拡散接合する。次に、図9(b)に示すように、ドライエッチングで光導波路12を形成する。基板11の屈折率は、MgあるいはInを添加することにより減少するため、光導波路12がコア層、基板11がクラッド層として機能するようになる。さらに、図9(c)に示すように、上部からスパッタでSiO2膜を所定の膜厚だけ堆積する。その後、図9(d)に示すように、ドライエッチングで周期構造体84、85を形成する。なお、図9中、17は分極反転領域、121は2次非線形光学材料である。
前記ドライエッチングの際に光導波路12の上にSiO2膜が残っていてもよい。これにより該非線型光導波路の機能が影響を受けることはない。また、図9(a)の基板11の材質としてLiNbO3を使用し、光導波路12の材質としてZnを添加したLiNbO3を使用してもよい。Znを添加することにより光導波路12の屈折量は上昇し、光導波路12がコア層、基板11がクラッド層として機能するようになる。また、基板11の材料は、光導波路12の材料の屈折率よりも小さい屈折率の材料であればよく、水晶あるいは多結晶SiO2などでもよい。
本実施例2においては、上記実施例1における周期構造体13、14の構造よりもさらに微細な周期構造を有する非線型光導波路を作製できるようになり、実施例1における導波路分散をさらに大きく制御することができる。
本発明の実施例1に係る非線型光導波路の斜視図である。 本発明の実施例1に係る非線型光導波路の変形例を示す斜視図である。 本発明の実施例1での非線型光導波路の導波路分散の説明図である。 本発明の実施例1での非線型光導波路の屈折率と周波数の関係図である。 本発明の実施例1での非線型光導波路の分散値の説明図である。 本発明の実施例1での非線型光導波路の位相不整合量と周波数の関係図である。 本発明の実施例1での非線型光導波路の周波数変換効率と周波数の関係図である。 本発明の実施例2での非線型光導波路の斜視図である。 本発明の実施例2での非線型光導波路の作製工程図である。 本発明の原理を概念的に示す説明図である。 本発明の作用を説明するための説明図である。 従来の非線型光導波路を示す斜視図である。 従来の他の非線型光導波路を示す斜視図である。 従来の非線型光導波路の分散値の説明図である。
符号の説明
11 基板
12 光導波路
13 周期構造体
14 周期構造体
15 入射口
16 出射口
17 分極反転領域
18 ガイド層
19 ガイド層
83 ガイド層
84 周期構造体
85 周期構造体
121 2次非線型光学材料

Claims (7)

  1. 入射口と出射口とを有し、前記入射口から入射させた光を前記出射口へ導くとともに、2次非線型光学材料から成り且つ2次分極率が前記光の進行方向に沿って周期的に反転する構造を有する光導波路と、
    前記光導波路の第1の屈折率と異なる第2の屈折率を有し且つ前記光導波路に平行に接する第1のガイド層と、
    前記第2の屈折率と異なる第3の屈折率を有し且つ前記第1のガイド層に平行に接する第2のガイド層とを備え、
    前記第1および第2のガイド層は前記光の進行方向と垂直な方向に周期的に繰り返されているとともに、前記第1および第2のガイド層の幅は、光の周波数をω、波数をk(ω)としたときの位相不整合量Δk(ω)=2k(ω)−k(2ω)が所望の周波数幅に渡って一定値となる幅であることを特徴とする非線型光導波路。
  2. 請求項1において、前記第1および第2のガイド層の繰り返し周期の個数は少なくとも1つ以上あることを特徴とする非線型光導波路。
  3. 請求項1、2の何れか1項の非線型光導波路において、前記第1の屈折率は前記第2の屈折率よりも大きく、前記第2の屈折率は前記第3の屈折率よりも小さいことを特徴とする非線型光導波路。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項の非線型光導波路において、前記第1の屈折率は、前記第3の屈折率と同一であることを特徴とする非線型光導波路。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項の非線型光導波路において、前記第1の屈折率を有する材料が、前記第3の屈折率を有する材料と同一であることを特徴とする非線型光導波路。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項の非線型光導波路において、ある周波数の信号光を入力すると前記周波数の2倍の周波数を有する変換光を発生し、出力することを特徴とする非線型光導波路。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項の非線型光導波路において、2次非線型光学材料としてLiNbO3、KNbO3、LiTaO3、KTiOPO4、LiNbxTa1-x3(0≦x≦1)、或いは、それらにMg、Zn、In、Scから選ばれた少なくとも一種の元素を添加した材料を使用することを特徴とする非線型光導波路。
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