JP2002286958A - 光導波路およびそれを用いた半導体レーザ、または光ピックアップ装置 - Google Patents

光導波路およびそれを用いた半導体レーザ、または光ピックアップ装置

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JP2002286958A
JP2002286958A JP2001092852A JP2001092852A JP2002286958A JP 2002286958 A JP2002286958 A JP 2002286958A JP 2001092852 A JP2001092852 A JP 2001092852A JP 2001092852 A JP2001092852 A JP 2001092852A JP 2002286958 A JP2002286958 A JP 2002286958A
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waveguide
thin film
guide
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JP2001092852A
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Hideaki Taniyama
秀昭 谷山
Taro Ando
太郎 安藤
Kota Nishimura
剛太 西村
Tadahito Aida
田人 會田
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ATR Adaptive Communications Research Laboratories
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲がり部分においては、光の伝搬損失が殆ど
ない光導波路を提供する。 【解決手段】 光導波路10は、基板1と、ガイド2,
3と、導波路4とを備える。導波路4は、ガイド2とガ
イド3とによって挟持される。導波路4は、光の入射口
5と光の出射口6とを有する。ガイド2,3は、光の進
行方向DR1と垂直な方向DR2に屈折率の異なる薄膜
11と薄膜12とを交互に積層した積層膜から成る。薄
膜11は、シリコン(Si)から成り、薄膜12は、二
酸化ケイ素(SiO2)から成る。シリコンの屈折率は
3.5であり、二酸化ケイ素の屈折率は1.5である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フォトニック結
晶を用いた光導波路およびそれを用いた半導体レーザま
たは光ピックアップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、屈折率の異なる物質を交互に配列
して特定の振動数を有する光の伝搬を禁止するフォトニ
ック結晶体が注目されている。
【0003】このフォトニック結晶体は、例えば、柱状
のシリコンもしくはインジウム燐基板を一定間隔ごとに
1つの平面内で配列し、ある平面のガリウムヒ素が隣接
する他の平面に配列された2つのガリウムヒ素の間に配
置されるようにして形成される。この場合、一定の方向
には、屈折率の異なるガリウムヒ素と空気とが周期的に
配列された構造になる。このように、屈折率の異なる材
料を周期的に配置することによってフォトニック結晶体
には光の伝搬を完全に禁止するフォトニックハンドギャ
ップが存在する。つまり、フォトニックバンドギャップ
に相当する光は、フォトニック結晶体を殆ど伝搬できな
い。
【0004】フォトニック結晶体のこのような性質を応
用した光学製品として光導波路が提案されている。既に
提案されている光導波路は、2次元のフォトニック結晶
体を用いたものであり、導波路に接すするガイドを2次
元のフォトニック結晶体で構成したものである。この光
導波路における2次元のフォトニック結晶体は、単結晶
シリコンの表面を、円柱状のシリコンが周期的に残るよ
うにエッチングして作製したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ガイドに2次
元のフォトニック結晶体を用いた光導波路においては、
導波路に曲がり部分を設けると、その曲がり部分におけ
る光の損失が増加するという問題がある。即ち、導波路
に接するガイドを構成するフォトニック結晶体におい
て、円柱状のシリコンが1個でも欠けると、円柱状のシ
リコンの周期性がくずれ、光の反射条件がずれる。その
結果、ガイドは光を100%反射することができない。
曲がり部分は、特に、1個の円柱状のシリコンの欠落に
敏感であるため、曲がり部分での円柱状シリコンの欠落
は、光の閉込め作用に重大な悪影響を与える。
【0006】そこで、本発明は、かかる問題を解決する
ためになされたものであり、その目的は、曲がり部分に
おいては、光の伝搬損失が殆どない光導波路を提供する
ことにある。
【0007】また、本発明の別の目的は、光の伝搬損失
が殆どない光導波路を用いた半導体レーザまたは光ピッ
クアップ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、光導
波路は、入射口と出射口とを有し、入射口から入射され
た光を出射口へ導く導波路と、導波路に接して設けられ
た第1のガイドと、導波路に接し、かつ、第1のガイド
に対向して設けられた第2のガイドとを備え、第1およ
び第2のガイドは、光が進行する第1の方向に垂直な第
2の方向に屈折率が規則的に変化する一次元のフォトニ
ック結晶体から成る。
【0009】好ましくは、導波路は、入射口と出射口と
の間に湾曲部を含む。好ましくは、フォトニック結晶体
は、第1の屈折率を有する第1の薄膜と、第1の屈折率
よりも小さい第2の屈折率を有する第2の薄膜とが第2
の方向に交互に配置されて成る。
【0010】好ましくは、導波路は、第2の屈折率と同
じ屈折率を有する第3の薄膜から成る。
【0011】好ましくは、第1の薄膜はシリコンから成
り、第2の薄膜は二酸化ケイ素から成る。
【0012】また、この発明によれば、半導体レーザ
は、円形形状から成り、かつ、レーザ発振によってレー
ザ光を生成するレーザ発振部と、レーザ発振部に接して
形成された第1のガイドと、第1のガイドに対向し、か
つ、レーザ発振部に接して形成された第2のガイドとを
備え、レーザ発振部は、レーザ光を出射するための出射
口を有し、第1および第2のガイドは、円形の半径方向
に屈折率が規則的に変化する一次元のフォトニック結晶
体から成る。
【0013】また、この発明によれば、光ピックアップ
装置は、レーザ光を生成する半導体レーザと、半導体レ
ーザから出射されたレーザ光を光ディスクに照射する第
1の光導波路と、光ディスクで反射されたレーザ光を入
射して出射口から出射する第2の光導波路と、第2の光
導波路の出射口から出射されたレーザ光を検出する光検
出器とを備え、第1および第2の光導波路は、入射口と
出射口とを有し、入射口から入射された光を出射口へ導
く導波路と、導波路に接して設けられた第1のガイド
と、導波路に接し、かつ、第1のガイドに対向して設け
られた第2のガイドとを含み、第1および第2のガイド
は、レーザ光が進行する第1の方向に垂直な第2の方向
に屈折率が規則的に変化する一次元のフォトニック結晶
体から成る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一
または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さ
ない。
【0015】[実施の形態1]図1は、実施の形態1に
よる光導波路の斜視図である。光導波路10は、基板1
と、ガイド2,3と、導波路4とを備える。基板1は、
シリコンウェハから成る。ガイド2,3および導波路4
は、基板1上に縦方向の光閉込めを目的とするクラッド
領域を介して形成される。導波路4は、ガイド2とガイ
ド3との間に配置される。導波路4は、光の入射口5と
光の出射口6とを有し、二酸化ケイ素(SiO2)から
成る。
【0016】ガイド2,3は、光の進行方向DR1と垂
直な方向DR2に屈折率の異なる薄膜11と薄膜12と
を交互に積層した積層膜から成る。薄膜11は、シリコ
ン(Si)から成り、薄膜12は、二酸化ケイ素から成
る。シリコンの屈折率は3.5であり、二酸化ケイ素の
屈折率は1.5である。薄膜11と薄膜12との1周期
分の膜厚は、0.7〜0.8μmであり、導波路4に入
射する光の波長λの約半分に設定される。そして、薄膜
11の膜厚と薄膜12の膜厚との比は、約3:7に設定
される。したがって、ガイド2,3は、導波路4におけ
る光の進行方向DR1に垂直な方向DR2に屈折率が周
期的に変化した1次元のフォトニック結晶体から成る。
また、光導波路10は、波長1.4〜1.6μmの光に
対する導波路であり、入射口5から入射した光を1次元
のフォトニック結晶体から成るガイド2,3により反射
させることによって導波路4中を伝搬させて出射口6に
導くものである。
【0017】図2は、薄膜11の膜厚と薄膜12の膜厚
との比を3:7に保持し、薄膜11の屈折率と薄膜12
の屈折率とを変化させたときの1次元フォトニック結晶
体における光の透過領域と光の反射領域とを示す図であ
る。図2の(a)〜(d)の各図において、縦軸はフォ
トニック結晶体における光の振動数、つまり光のエネル
ギーに相当する物理量であり、横軸は、フォトニック結
晶体を構成する材料のうち屈折率の大きい材料における
角度である。また、図2の(a)は、薄膜11の屈折率
が3.5であり、薄膜12の屈折率が1.0の場合を示
し、図2の(b)は、薄膜11の屈折率が3.5であ
り、薄膜12の屈折率が1.5の場合を示し、図2の
(c)は、薄膜11の屈折率が4.0であり、薄膜12
の屈折率が1.0の場合を示し、図2の(d)は、薄膜
11の屈折率が4.0であり、薄膜12の屈折率が1.
5の場合を示す。
【0018】図2の(a)において、領域13は、光の
透過率が100%である領域であり、領域14は、フォ
トニックバンドギャップである。そして、領域14中に
光の反射率が100%である領域15が存在する。図2
の(b)において、領域16は、光の透過率が100%
である領域であり、領域17はフォトニックバンドギャ
ップである。そして、領域17中に光の反射率が100
%である領域18が存在する。図2の(c)において、
領域19は、光の透過率が100%である領域であり、
領域20はフォトニックバンドギャップである。そし
て、領域20中に光の反射率が100%である領域21
が存在する。図2の(d)において、領域22は、光の
透過率が100%である領域であり、領域23はフォト
ニックバンドギャップである。そして、領域23中に光
の反射率が100%である領域24が存在する。
【0019】図2の(a)〜(d)に示す結果から、1
次元のフォトニック結晶体を構成する材料のうち、屈折
率の大きい材料から成る薄膜11の屈折率を3.5また
は4.0に保持し、薄膜12の屈折率を1.0から1.
5に大きくすると、光の反射率が100%である領域は
領域15(または領域21)から領域18(または領域
24)へと変化する。その結果、反射率が100%にな
る光の振動数の領域は狭くなり、反射率が100%にな
る角度の領域は広くなる。また、薄膜12の屈折率を
1.0または1.5に保持し、薄膜11の屈折率を3.
5から4.0へ大きくすると、光の反射率が100%で
ある領域は、領域15(または領域18)から領域21
(または領域24)へ変化するが、殆ど変化がない。こ
のように、薄膜11の屈折率が3.5,4.0であり、
薄膜12の屈折率が1.0,1.5であるとき、1次元
のフォトニック結晶体は、光の反射率が100%になる
領域を有する。
【0020】したがって、ガイド2,3の薄膜11に屈
折率3.5のシリコンを用い、薄膜12に屈折率1.5
の二酸化ケイ素を用い、1周期分の膜厚を0.7〜0.
8μmとした場合、フォトニック結晶体における波長
1.6μmの光の振動数は、約1.8となり、角度を選
択すれば、ガイド2,3を図2の(b)の領域18にお
いて光をほぼ100%反射する材料として用いることが
できる。その結果、光導波路10は、導波路4とガイド
2,3との界面で光をほぼ100%反射し、入射口5か
ら入射された光を出射口6に導くことが可能となる。
【0021】図3は、1次元のフォトニック結晶体にお
ける光の透過率の周期数依存性を示す。図3の(a)〜
(e)は、それぞれ、2周期、3周期、4周期、5周
期、および6周期の場合を示す。また、図3の(a)〜
(e)の各図において、縦軸は、dB単位で表した光の
透過率であり、横軸は光の振動数である。したがって、
縦軸の値「0」は、光の透過率が100%であることを
示し、縦軸の値がマイナスの値であれば、光の透過率が
小さいことを示す。たとえば、縦軸の値が−20dBの
とき光の透過率は約1%である。更に、各図において、
破線は、1次元のフォトニック結晶体への光の入射角が
0度の場合を示し、1点鎖線は入射角が45度の場合を
示し、実線は入射角が89度の場合を示す。
【0022】図3の結果、1次元のフォトニック結晶体
への入射角が大きくなると、各周期数において光の透過
率が小さくなる。そして、4周期の場合、入射角が0度
であっても、光の振動数を選択すれば光の透過率は−2
0dB以下になり、十分に光を閉じ込められる。好適な
周期数の範囲は、4〜6周期の範囲である。
【0023】図3に示したとおり、入射角が89度の場
合、透過率が最も小さいため、ガイド2,3への光の入
射角が89度になるように導波路4に光を入射させれ
ば、入射した光は、殆ど損失することなく導波路4を伝
搬する。すなわち、図4に示すように、ガイド2,3の
法線30と成す角度が89度になるように導波路4に光
を入射させる。入射された光は、ガイド2と導波路4と
の界面25およびガイド3と導波路4との界面26でほ
ぼ100%反射されながら導波路4中を進行する。この
場合、光は、界面25,26において89度の入射角と
等しい反射角で反射されるため、導波路4中をほぼ平行
光LBとして進行する。
【0024】このように、1次元のフォトニック結晶体
をガイドに用いれば、導波路とガイドとの界面で光をロ
スしない光導波路を作製することができる。
【0025】図5は、光導波路10の作製工程を示す。
シリコンウェハ1上にスピンコート法によってレジスト
27を所定の膜厚だけ塗布する。そして、薄膜12を形
成する位置に空孔29を有するマスク28を介して紫外
光を照射することによってシリコンウェハ1上のレジス
ト28をパターニングする(図5の(a)参照)。この
パターニングによって、レジスト28には露光部分31
が形成される(図5の(b)参照)。現像液を用いて露
光部分31を除去し、レジスト28に空孔32を形成す
る。そして、イオン注入法を用いて空孔32を介して酸
素をシリコンウェハ1に注入する(図5の(c)参
照)。そして、イオン注入後、レジストを除去すると、
シリコンウェハ1上に、二酸化ケイ素から成る薄膜12
とシリコンから成る薄膜11とがDR2の方向に交互に
形成されたガイド2,3と、ガイド2とガイド3との間
に二酸化ケイ素から成る導波路4とが形成される(図5
の(d)参照)。これにより、光導波路10を作製する
ことができる。DR2の方向における薄膜11,12お
よび導波路4の幅は、マスク28のパターンによって制
御することができ、導波路4の幅を1μm程度に作製す
ることも可能である。なお、図5の(a)〜(c)に示
す点線は、シリコンウェハ1のうち、光導波路10が形
成される領域の境界を示す。
【0026】図6は、光導波路10の直角に曲がった部
分を示す。A点において、法線30に対して入射角θで
ガイド2に入射した光は、同じ角度θで100%反射さ
れ、B点で、再度、ガイド2へ入射する。このB点にお
ける入射角は、A点における入射角θと同じである。そ
して、光は、B点でも角度θで100%反射されて導波
路4中を進行する。このように、ガイド2,3に1次元
のフォトニック結晶体を用いることにより、直角に曲が
った部分でも光の損失がない光導波路を作製することが
できる。導波路4の曲がり角は、90度に限らず、18
0度曲がっていても良い。したがって、1次元のフォト
ニック結晶体を光導波路のガイドに用いることによって
図7に示す光導波路10Aを作製することができる。光
導波路10Aは、基板1Aと、導波路4Aと、ガイド2
A,3Aとを備える。ガイド2A,3Aは、薄膜11A
と薄膜12AとをDR2の方向に交互に形成した構造を
有する。薄膜11A,12Aは、2ヶ所の直角に曲がっ
た部分を有する。その結果、2ヶ所の直角に曲がった部
分を有する導波路4Aを作製することができる。光導波
路10Aを構成する薄膜11A,12Aおよび導波路4
Aは、図1に示す光導波路10の薄膜11,12および
導波路4を構成する材料と同じ材料から成る。
【0027】図8は、図7に示す光導波路10Aを作製
するためのマスクを示す。マスク28Aは、2ヶ所の湾
曲した部分を有する空孔29Aを含む。マスク28Aを
図5に示すマスク28に代えて用いることによって図5
に示す工程と同じ工程を経て図7に示す光導波路10A
を作製することができる。
【0028】光導波路10,10Aの薄膜11,11A
および導波路4,4Aは、シリコンに限られず、ゲルマ
ニウム(Ge)、インジウムヒ素(InAs)、インジ
ウムリン(InP)、ガリウムヒ素(GaAs)、アル
ミヒ素(AlAs)、GaP,GaN等の2元系、In
GaP,AlGaAs等の3元系、InGaAsP等の
4元系であってもよい。そして、これらの材料を薄膜1
1,11Aおよび導波路4,4Aに用いる場合、これら
の材料は、単結晶、多結晶、およびアモルファスのいず
れであっても良い。この場合、ゲルマニウムの屈折率は
4.0であり、インジウムヒ素の屈折率は3.89であ
り、インジウムリンの屈折率は3.54であり、ガリウ
ムヒ素の屈折率は3.62であり、アルミヒ素の屈折率
は2.95である。特に、アモルファスシリコンを用い
る場合、ガラス、金属、およびプラスチック等の基板1
上にプラズマCVD(Chemical Vapour
Deposition)によりアモルファスシリコンを
所定の膜厚だけ堆積した後、マスク28または28Aを
用いて図5に示す工程によって光導波路10,10Aを
作製する。その他の材料を薄膜11,11Aおよび導波
路4,4Aに用いた場合も、図5に示す工程によって光
導波路10,10Aを作製する。
【0029】光導波路10,10Aの薄膜12,12A
は、二酸化ケイ素に限らず、屈折率が1.0である空
気、屈折率が2.5の酸化チタン(TiO2)であって
もよい。空気を薄膜12,12Aに用いる場合、図5の
(c)に示す工程において、酸素のイオン注入に代え、
アルゴンイオン(Ar)を用いたスパッタリングによっ
てシリコン等をエッチングする。これにより、図5の
(d)において、薄膜12の部分には何も形成されな
い、空気だけが存在する。したがって、DR2の方向に
シリコン等と空気とが交互に形成された1次元のフォト
ニック結晶体が形成される。
【0030】また、薄膜12,12Aとして酸化チタン
を用いる場合、図5の(c)に示す工程においてアルゴ
ンイオンを用いたスパッタリングによってシリコン等を
エッチングした後、そのエッチングした部分にCVD法
によって酸化チタンを選択成長させる。これにより、薄
膜11,11Aおよび導波路4,4Aがシリコン等から
成り、薄膜12,12Aが酸化チタンから成る光導波路
10,10Aが作製される。
【0031】上記においては、ガイド2,3を構成する
1次元フォトニック結晶体の薄膜11および薄膜12
は、図9に示すように配列されていてもよい。図9は、
1周期分の膜厚比を変化させたときの1次元フォトニッ
ク結晶体の断面構造図を示す。図9の(a)および
(b)は、薄膜11と薄膜12とから成る層を4周期分
積層した1次元フォトニック結晶体において薄膜11と
薄膜12との膜厚比を変えた場合を示し、図9の(c)
は、図9の(a)と(b)とを積層した場合を示す。な
お、「層」とは、1つの薄膜11と1つの薄膜12とか
ら構成されるものを言う。
【0032】層210は、薄膜11と薄膜12とから成
る。層210における薄膜11の膜厚と薄膜12の膜厚
との比は3:7である(図9の(a)参照)。層220
における薄膜11の膜厚と薄膜12の膜厚との比は2:
8である(図9の(b)参照)。図9の(c)に示す場
合は、層220,210を順次積層したものである。な
お、層210,220の各々の膜厚は、0.7〜0.8
μmと同じである。
【0033】図10は、図9に示す各膜厚比によって構
成した1次元フォトニック結晶体において屈折率の大き
い薄膜11から光が入射した場合の透過率を示す。図1
0の(a)〜(c)は、それぞれ、図9の(a)〜
(c)に対応する。図10の(a)〜(c)の各図にお
いて、縦軸は、dB単位で表した光の透過率であり、横
軸は光の周波数である。また、図10の(a)〜(c)
の各図において、波線は入射角が0度の場合を示し、1
点鎖線は入射角が40度の場合を示し、実線は入射角が
45度の場合を示す。
【0034】薄膜11と薄膜12との膜厚比が3:7の
場合、図3の(a)に示す透過率とほぼ同様の透過率を
示し(図10の(a)参照)、光の周波数領域を選択す
ることによって光をほぼ100%反射可能なガイド2,
3として用いることができる。また、薄膜11と薄膜1
2との膜厚比が2:8であるとき、薄膜11と薄膜12
との膜厚比が3:7である場合(図10の(a))より
も光の透過率を更に小さくできる(図10の(b)参
照)。さらに、薄膜11と薄膜12との膜厚比が2:8
の層/薄膜11と薄膜12との膜厚比が3:7の層の8
層からなる1次元フォトニック結晶体においては、図1
0の(a),(b)の場合に比べ、さらに透過率が低下
し、屈折率が大きい薄膜11からの光の入射角が40度
および45度と小さいにも拘わらず、光をほぼ100%
反射することが可能である。
【0035】図11は、図9の(c)に示す断面構造か
ら成る1次元フォトニック結晶体のフォトニックバンド
を示したものである。領域211〜215は、光の透過
率が100%の領域であり、領域216は、フォトニッ
クバンドギャップである。そして、領域217は、光を
ほぼ100%反射可能な領域である。図9の(c)に示
すような構造にすることによって、光をほぼ100%反
射可能な領域が広くなる。すなわち、各層における薄膜
11と薄膜12との膜厚比が一定の場合は図2に示すよ
うに光をほぼ100%反射できる光の入射角は0〜25
度の範囲であるが、各層における薄膜11と薄膜12の
膜厚比を変化させた場合、光の入射角は0〜90度の範
囲と広くなる。
【0036】また、各層における薄膜11と薄膜12と
の膜厚比を変化させる例として図12に示す断面構造図
も可能である。図12の(b)に示す断面構造図は図9
の(a)に示す断面構造図と同じである。図12の
(a)に示す断面構造図は薄膜12と薄膜11との膜厚
比が7:3から成る層230を4層積層した構造から成
る。また、図12の(c)に示す断面構造図は、図12
の(b)に示す断面構造と図12の(a)に示す断面構
造とを順次積層したものである。
【0037】図13は、図12に示す各膜厚比によって
構成した1次元フォトニック結晶体において屈折率の小
さい薄膜12から光が入射した場合の透過率を示す。図
13の(a)〜(c)は、それぞれ、図12の(a)〜
(c)に対応する。図13の(a)〜(c)の各図にお
いて、縦軸は、dB単位で表した光の透過率であり、横
軸は光の周波数である。また、図13の(a)〜(c)
の各図において、波線は入射角が0度の場合を示し、1
点鎖線は入射角が45度の場合を示し、実線は入射角が
89度の場合を示す。
【0038】図13に示すように、図12に示すように
各層を構成する薄膜11と薄膜12との膜厚比を変化さ
せた場合も、光の透過率を小さくすることができ、光の
周波数領域を選択することによって光をほぼ100%反
射可能なガイド2,3として用いることができる。
【0039】図14は、図12の(a)および(b)に
示す断面構造から成る1次元フォトニック結晶体のフォ
トニックバンドを示したものであり、図14の(a)が
図12の(a)に対応し、図14の(b)が図12の
(b)に対応する。
【0040】図14の(a)において、領域221,2
22は、光の透過率が100%の領域であり、領域22
3は、フォトニックバンドギャップである。そして、領
域224は、光をほぼ100%反射可能な領域である。
また、図14の(b)において、領域231〜233
は、光の透過率が100%の領域であり、領域234,
235は、フォトニックバンドギャップである。そし
て、領域236,237は、光をほぼ100%反射可能
な領域である。図12の(b)に示すような断面構造に
することによって光をほぼ100%反射可能な領域が2
個存在する。さらに、図12の(c)に示す断面構造に
対応するフォトニックバンドギャップは示していない
が、図12の(c)に示す断面構造は、図12の(a)
に示す断面構造と図12の(b)に示す断面構造とを積
層した断面構造から成るので、図14に示す領域224
と領域236と領域237とを加えた領域となる。この
ように、積層方向における薄膜11と薄膜12との膜厚
比を図12の(c)に示すように変化させることによっ
て、ほぼ100%反射可能な光の周波数領域を広くでき
る。
【0041】なお、上記においては、薄膜11と薄膜1
2との合計膜厚は0.7〜0.8μmと一定であるとし
て説明したが、本発明においては、薄膜11と薄膜12
との合計膜厚を積層方向において変化させてもよい。そ
の場合、合計膜厚を変化させる方法は、図3、図10、
および図13における光の周波数に、変化させる膜厚比
を乗算した周波数において、光の透過率が小さくなるよ
うに合計膜厚を変化させる。したがって、1次元フォト
ニック結晶体の各層の合計膜厚を変化させることによっ
ても光をほぼ100%反射可能なガイド2,3を作製す
ることが可能である。
【0042】このように、本発明においては、1次元フ
ォトニック結晶体を構成する薄膜11および薄膜12
は、周期的に配列されているものに限らず、図9から図
14において説明したように規則的に配列されていれば
よい。つまり、屈折率が薄膜11および薄膜12の積層
方向に規則的に変化する構造になっていればよい。
【0043】更に、この発明による光導波路は、図1に
示す光導波路10に限らず、図15に示す光導波路40
であってもよい。光導波路40は、図1に示す光導波路
10の導波路4を導波路41に代えたものであり、その
他は光導波路10と同じである。
【0044】導波路41は、ガイド2,3を構成する薄
膜11の材料と異なる材料から成る。例えば、薄膜11
がインジウムヒ素から成り、薄膜12が空気から成ると
き、導波路41は、アルミヒ素または酸化チタンから成
る。
【0045】図16は、図15に示す光導波路40にお
いて、薄膜11の膜厚と薄膜12の膜厚との比を3:7
に保持し、導波路41をアルミヒ素または酸化チタンで
形成したときの1次元フォトニック結晶体における光の
透過領域と光の反射領域とを示す図である。図16にお
いて、縦軸はフォトニック結晶体における光の振動数で
あり、横軸は、フォトニック結晶体を構成する材料のう
ち屈折率の大きい材料における角度である。
【0046】領域42は、光の透過率が100%である
領域であり、領域43は、フォトニックバンドギャップ
である。そして、領域43中に光の反射率が100%で
ある領域44,45が存在する。領域44は、導波路4
1としてアルミヒ素を用いた場合であり、領域45は、
導波路41として酸化チタンを用いた場合である。導波
路41としてアルミヒ素を用いた場合、光の反射率が1
00%になる領域44は、非常に狭いが、導波路41と
して酸化チタンを用いた場合、光の反射率が100%に
なる領域45は、図2の(b)および(d)に示す場合
よりも広くなる。したがって、導波路41をガイド2,
3を構成する薄膜11の材料と異なる材料によって形成
することによって光の反射率がほぼ100%になる領域
が広い光導波路を作製することができる。
【0047】光導波路40の作製方法は、まず、図5の
(a),(b)に示す工程の後、(c)の工程において
アルゴンイオンを用いたスパッタリングによってインジ
ウムヒ素をエッチングしてインジウムヒ素から成る薄膜
11と空気から成る薄膜12とを形成する。これによ
り、ガイド2,3が作製される。
【0048】その後、図17に示す工程に移行する。ガ
イド2,3を形成した後、再度、レジスト46をスピン
コート法によって塗布し、マスク50を用いて露光す
る。マスク50は、ガイド2とガイド3との間に空孔5
1を有するマスクである。この場合、ガイド2とガイド
3との間にはインジウムヒ素48が残っており、インジ
ウムヒ素48上に露光部分47が形成される(図17の
(a)参照)。そして、露光部分47を除去し、アルゴ
ンイオンを用いたスパッタリングによってインジウムヒ
素48をエッチングする(図17の(b)参照)。その
後、エッチングした部分に、アルミヒ素または酸化チタ
ンをCVD法により形成し(図17の(c)参照)、最
後に、残ったレジスト46,46を除去して光導波路4
0を作製する(図17の(d)参照)。アルミヒ素また
は酸化チタンの形成時に、レジスト46,46上にもア
ルミヒ素または酸化チタンが堆積することもあり得る
が、レジスト46,46上のアルミヒ素または酸化チタ
ンは、レジスト46,46の除去時に一緒に除去され
る。
【0049】このように、図5および図17に示す工程
を用いて光導波路40を作製することができる。
【0050】その他については光導波路10と同じであ
る。光導波路40においても、ガイド2,3を構成する
1次元フォトニック結晶体における薄膜11と薄膜12
との膜厚比、および薄膜11と薄膜12の合計膜厚を変
化させることが可能である。
【0051】実施の形態1によれば、光導波路は、光の
反射率がほぼ100%である1次元のフォトニック結晶
体によって構成されたガイドを含むので、入射口から入
射した光を損失なく出射口に導くことができる。特に、
実施の形態1による光導波路は、曲がり部における光の
伝搬損失を抑えることができる。
【0052】[実施の形態2]図18は、実施の形態1
による光導波路を用いた半導体リングレーザの平面図を
示す。半導体リングレーザ60は、ガイド61,62
と、発振部63とを備える。ガイド61,62、および
発振部63は、同心の楕円形状を有する。なお、発振部
63は、レーザ光を出射するために楕円の周方向に沿っ
た形状を一部に有する。
【0053】ガイド61,62は、薄膜611と薄膜6
12とを径方向に交互に配置した構造から成る。薄膜6
11は、光導波路10の薄膜11に相当し、薄膜612
は光導波路10の薄膜12に相当する。
【0054】半導体リングレーザ60の半径は、50〜
100μmの範囲である。また、発振部63の径方向の
幅は20μm程度である。この場合、発振するレーザ光
の波長は、1.0〜2.0μm程度である。
【0055】半導体リングレーザ60の半径は、300
μm程度であってもよい。この場合、発振するレーザ光
の波長は、6μm以上である。
【0056】図19は、図18に示す半導体リングレー
ザ60の断面図である。基板64上にガイド61,62
と発振部63とが形成される。発振部63は、電極63
1と、クラッド層632,634と、活性層633とを
有する。活性層633は、クラッド層632とクラッド
層634との間に配置される。電極631は、クラッド
層632とオーミック接触を有する。また、基板64
は、クラッド層634とオーミック接触を有する。そし
て、基板64は、電極の機能を果たす。クラッド層63
2,634および活性層633は、それぞれ、アルミガ
リウムヒ素(AlGaAs)、ガリウムヒ素(GaA
s)等の半導体材料から成る。基板64と電極631と
を用いて電流を活性層634へ注入することによって活
性層633においてレーザ発振が起こる。
【0057】レーザ発振によって生成されたレーザ光
は、2つのクラッド層632,634および2つのガイ
ド61,62によって閉じ込められて、矢印65の方向
に進行する。
【0058】その結果、図20に示すように、半導体リ
ングレーザ60においてレーザ発振によって生成された
レーザ光は、矢印66,67の方向に進行し、ガイド6
1,62によって反射される。そして、ガイド61,6
2によって反射されたレーザ光は、再び、活性層633
へ達し、新たなレーザ発振に寄与する。このように、半
導体リングレーザ60によって生成されたレーザ光は、
その強度を強めながら活性層633を進行し、最終的に
出射口68から出射する。
【0059】半導体リングレーザ60は、楕円形状に限
らず、円形であっても良い。半導体リングレーザ60
は、図5および図17に示した工程を用いることにより
作製することができる。
【0060】図21は、実施の形態1による光導波路を
用いた光ピックアップ装置を示す。光ピックアップ装置
100は、光導波路70,80と、半導体レーザ素子7
7と、光検出器78とを備える。
【0061】光導波路70は、ガイド71,72と、導
波路73とを含む。光導波路80は、ガイド74,75
と導波路76とを含む。ガイド71,72,74,75
は、二酸化ケイ素から成る薄膜711と、シリコンから
成る712とを交互に配置した構造を有する。そして、
薄膜711と薄膜712との周期数は2周期である。ま
た、導波路73,76は、二酸化ケイ素から成り、その
幅L1は1μm程度である。
【0062】半導体レーザ素子77は、レーザ光の出射
点77Aを導波路73の入射口70Aに接して配置され
ており、波長1.5μmのレーザ光を導波路73に入射
させる。光検出器78は、導波路76の出射口80Bに
接して配置される。導波路73は、入射口70Aから入
射されたレーザ光を出射口70Bへ導き、出射口70B
からコンパクトディスク(CD:Compact Di
sk)等の光ディスク90にレーザ光を照射する。出射
口70Bと光ディスク90との距離L2は、20μm程
度と非常に近いため、出射口70Bから出射されたレー
ザ光は、殆ど拡がることなく光ディスク90に照射され
る。
【0063】導波路76は、光ディスク90で反射され
たレーザ光を領域79から入射して出射口80Bから光
検出器78に照射する。
【0064】半導体レーザ素子77の出射点77Aから
出射されたレーザ光は、導波路73へ入射され、曲がり
部81,82で損失されることなく導波路73中を伝搬
して出射口70Bから出射される。出射口70Bから出
射されたレーザ光は、光ディスク90に照射され、光デ
ィスク90の信号記録面で反射され、出射口70Bから
再び導波路73へ入射される。そして、導波路73に入
射されたレーザ光は、直進して領域79に到達する。領
域79は、薄膜711と薄膜712とが交互に配置され
た1次元のフォトニック結晶体から成るため、法線方向
に対して89度程度の大きな入射角で入射した光を殆ど
反射する。しかし、領域79は、法線方向に対して0
度、つまり、直角に入射した場合、その光をある程度透
過する。したがって、領域79は、半導体レーザ素子7
7から出射されたレーザ光を殆ど反射して出射口70B
の方向へ導くが、光ディスク90で反射され、導波路7
3を伝搬してきた光を透過する。この場合、領域79に
おける光の透過率は図3の(a)から見積もると21%
以上である。領域79を透過したレーザ光は、導波路7
6を伝搬して出射口80Bから光検出器78に照射され
る。
【0065】図22は、光検出器78の光検出部781
の平面図を示す。光検出部781は、A領域7811、
B領域7812、C領域7813、およびD領域781
4の4つの領域に分割されている。A領域7811とD
領域7814、およびB領域7812とC領域7813
は、光ディスク90の径方向DR3に配置され、A領域
7811とB領域7812、およびC領域7813とD
領域7814は、光ディスク90の周方向に配置され
る。
【0066】光ディスク90で反射されたレーザ光LB
を4つの領域で検出する。そして、A領域7811、B
領域7812、C領域7813、およびD領域7814
の各領域で検出された光強度の和は再生信号として用い
られ、A領域7811で検出された光強度とB領域78
12で検出された光強度との和から、C領域7813で
検出された光強度とD領域7814で検出された光強度
との和を引いた信号はトラッキングエラー信号として用
いられる。加算器や減算器を用いれば、各領域で検出さ
れた光強度に基づいて再生信号およびトラッキングエラ
ー信号を容易に生成することができる。
【0067】生成されたトラッキングエラー信号は、レ
ーザ光が光ディスク90の信号列に照射されるように、
光ピックアップ装置100を光ディスク90の径方向に
移動させるための制御信号として用いられる。光ピック
アップ装置100を光ディスク90の径方向に移動させ
る機構は、周知のサーボ機構を用いれば良い。
【0068】したがって、図21に示す光ピックアップ
装置100は、半導体レーザ素子77から出射されたレ
ーザ光を、その強度を殆ど損失させることなく、光ディ
スク90へ照射し、光ディスク90で反射されたレーザ
光を光検出器78によって検出して光ディスク90から
信号を再生するものである。また、光ピックアップ装置
100は、当然に光ディスク90に信号を記録すること
も可能である。この場合、半導体レーザ素子77は、記
録信号によって変調されたレーザ光を出射する。
【0069】光ピックアップ装置100は、半導体プロ
セスによって作製されたガイド71,72,74,7
5、および導波路73,76によって構成される光導波
路70,80を主な構成要素とするため、全体の寸法を
非常に小さくできる。また、光ピックアップ装置100
は、対物レンズを用いずにレーザ光を光ディスク90に
照射するので、レーザ光の波長に関係なくスポット径を
小さくできる。
【0070】実施の形態2によれば、1次元のフォトニ
ック結晶体をガイドに用いた光導波路は、高い光閉込め
効果を有するので、半導体レーザから出射されるレーザ
光の強度を強くできる。また、光導波路を用いて軽量か
つコンパクトな光ピックアップ装置を作製できる。
【0071】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0072】
【発明の効果】本発明による光導波路は、光の反射率が
ほぼ100%である1次元のフォトニック結晶体によっ
て構成されたガイドを含むので、入射口から入射した光
を損失なく出射口に導くことができる。特に、光導波路
は、曲がり部における光の伝搬損失を抑えることができ
る。
【0073】また、本発明による光導波路は、1次元の
フォトニック結晶体から成るガイドを含むので、設計の
自由度が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による光導波路の斜視
図である。
【図2】 フォトニック結晶体の光学特性図である。
【図3】 フォトニック結晶体の光学特性図である。
【図4】 図1に示す導波路における光の伝搬機構を説
明するための断面図である。
【図5】 図1に示す光導波路の作製方法を説明するた
めの工程図である。
【図6】 図1に示す光導波路の曲がり部分における光
の伝搬を説明するための断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態1による光導波路の他の
斜視図である。
【図8】 光導波路の作製に用いるマスクの斜視図であ
る。
【図9】 フォトニック結晶体の構成材料の膜厚比を変
化させた断面構造図である。
【図10】 図9に示す断面構造から成るフォトニック
結晶体の光学特性図である。
【図11】 図9に示す断面構造から成るフォトニック
結晶体の光学特性図である。
【図12】 フォトニック結晶体の構成材料の膜厚比を
変化させた他の断面構造図である。
【図13】 図12に示す断面構造から成るフォトニッ
ク結晶体の光学特性図である。
【図14】 図12に示す断面構造から成るフォトニッ
ク結晶体の光学特性図である。
【図15】 本発明の実施の形態1による光導波路のさ
らに他の斜視図である。
【図16】 フォトニック結晶体の光学特性図である。
【図17】 図15に示す光導波路の作製方法を説明す
るための工程図である。
【図18】 この発明による半導体リングレーザの平面
図である。
【図19】 図18に示す半導体リングレーザの断面図
である。
【図20】 図18に示す発振部の平面図である。
【図21】 この発明による光ピックアップ装置の平面
図である。
【図22】 図21に示す光検出器に含まれる光検出部
の平面図である。
【符号の説明】
1,64 基板、2,2A,3,3A,61,62,7
1,72,74,75ガイド、4,41,73,76
導波路、5 入射口、6 出射口、10,10A,7
0,80 光導波路、11,11A,12,12A,6
11,612,711,712 薄膜、13,15,1
6,18,19,21,22,24,42,44,4
5,211〜215,217,221,222,22
4,231〜233,236,237 領域、14,1
7,20,23,43,216,223,234,23
5 フォトニックバンドギャップ、25,26 界面、
27,46 レジスト、28,28A,50 マスク、
29,29A,32,51 空孔、30 法線、47
露光部分、48 インジウムヒ素、60 半導体リング
レーザ、63 発振部、65〜67 矢印、68,70
B,80B 出射口、70A 入射口、77A 出射
点、77 半導体レーザ、78 光検出器、81,82
曲がり部分、79,7811〜7814 領域、21
0,220,230,240 層、631 電極、63
2,634 クラッド層、633 活性層、781 光
検出部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 太郎 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2 株式会社エイ・ティ・アール環境適応通信 研究所内 (72)発明者 西村 剛太 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2 株式会社エイ・ティ・アール環境適応通信 研究所内 (72)発明者 會田 田人 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2 株式会社エイ・ティ・アール環境適応通信 研究所内 Fターム(参考) 2H047 KA00 KA03 KA12 KB09 LA01 PA02 PA04 PA05 PA21 PA24 QA02 QA04 TA00 5D119 AA01 AA43 JA16 JA36 5F073 AA66 AB21 AB25 BA05 CA04 CA05 FA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射口と出射口とを有し、前記入射口か
    ら入射された光を前記出射口へ導く導波路と、 前記導波路に接して設けられた第1のガイドと、 前記導波路に接し、かつ、前記第1のガイドに対向して
    設けられた第2のガイドとを備え、 前記第1および第2のガイドは、前記光が進行する第1
    の方向に垂直な第2の方向に屈折率が規則的に変化する
    一次元のフォトニック結晶体から成る、光導波路。
  2. 【請求項2】 前記導波路は、前記入射口と前記出射口
    との間に湾曲部を含む、請求項1に記載の光導波路。
  3. 【請求項3】 前記フォトニック結晶体は、第1の屈折
    率を有する第1の薄膜と、前記第1の屈折率よりも小さ
    い第2の屈折率を有する第2の薄膜とが前記第2の方向
    に交互に配置されて成る、請求項1または請求項2に記
    載の光導波路。
  4. 【請求項4】 前記導波路は、前記第2の屈折率と同じ
    屈折率を有する第3の薄膜から成る、請求項3に記載の
    光導波路。
  5. 【請求項5】 前記第1の薄膜はシリコンから成り、 前記第2の薄膜は二酸化ケイ素から成る、請求項4に記
    載の光導波路。
  6. 【請求項6】 円形形状から成り、かつ、レーザ発振に
    よってレーザ光を生成するレーザ発振部と、 前記レーザ発振部に接して形成された第1のガイドと、 前記第1のガイドに対向し、かつ、前記レーザ発振部に
    接して形成された第2のガイドとを備え、 前記レーザ発振部は、前記レーザ光を出射するための出
    射口を有し、 前記第1および第2のガイドは、前記円形の半径方向に
    屈折率が規則的に変化する一次元のフォトニック結晶体
    から成る、半導体レーザ。
  7. 【請求項7】 レーザ光を生成する半導体レーザと、 前記半導体レーザから出射されたレーザ光を光ディスク
    に照射する第1の光導波路と、 前記光ディスクで反射されたレーザ光を入射して出射口
    から出射する第2の光導波路と、 前記第2の光導波路の出射口から出射されたレーザ光を
    検出する光検出器とを備え、 前記第1および第2の光導波路は、 入射口と出射口とを有し、前記入射口から入射された光
    を前記出射口へ導く導波路と、 前記導波路に接して設けられた第1のガイドと、 前記導波路に接し、かつ、前記第1のガイドに対向して
    設けられた第2のガイドとを含み、 前記第1および第2のガイドは、前記レーザ光が進行す
    る第1の方向に垂直な第2の方向に屈折率が規則的に変
    化する一次元のフォトニック結晶体から成る、光ピック
    アップ装置。
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Cited By (8)

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