以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の無線タグ貼付コントローラとしてのRFIDプリンタコントローラ200を含むRFIDプリントシステムを模式的に示す図である。
図1に示すように、RFIDプリンタコントローラ200は、クライアントとしてのパーソナルコンピュータ100(以下、これを「PC100」と称する。)とRFIDプリンタ1との間に介在され、PC100から受信したデザインデータDを、RFIDプリンタ1における印刷機能及びRFID貼付機能を制御するRFIDプリンタデータ60に変換し、変換により得られたRFIDプリンタデータ60をRFIDプリンタ1に送信する装置である。
なお、「デザインデータ」とは、PC100において、デザインソフトを用いて作成されるデータであり、印刷用紙Pへの印刷を意図する部分として文字オブジェクトデータや図形オブジェクトデータなどを適宜含むデータである。また、「デザインソフト」とは、文字オブジェクトデータや図形オブジェクトデータなどを作成可能なソフトであり、一般的なグラフィックデザインソフト、文書データ作成ソフト、表計算ソフトなどが含まれる。
図1において、RFIDプリンタ1は、その概観が斜視図として図示されている。このRFIDプリンタ1は、RFIDプリンタコントローラ200から受信したRFIDプリンタデータ60(図6参照)に基づいて、印刷用紙Pに対し、印刷とRFIDタグTの貼付(取着)とを行うことができるように構成されたものである。このRFIDプリンタ1は、図1に示すように、略箱状体の難燃性のプラスチックで形成されたプリンタ本体2を備えている。プリンタ本体2の上面右側には、ユーザが印刷の指示などを行うためのプリンタ操作ボタン6と、その操作状態や操作手順が表示されるプリンタ操作パネル表示部5とが設けられている。プリンタ本体2の前面側下方には、奥方に向かって凹設された差込口2aが設けられており、差込口2aには、印刷用紙Pが収納される給紙トレイ8が差し込まれている。
差込口2aの上面2bの幅方向の両端部からは、両側壁2cがそれぞれ立設されており、かかる両側壁2cの後端には後部壁2dが連設されている。後部壁2dは、差込口2aの奥側の端部よりも手前側に配置されており、後部壁2dの下端と、差込口2aの上面2bとの間には、間隙が形成されている。該間隙は、プリンタ本体2の内部から印刷用紙Pを排出する排出口10となっている。排出口10の近傍であって後部壁2dの裏面側には、印刷用紙Pを搬送するための紙送りローラ9が、排出口10に沿って複数箇所に配設されている。
プリンタ本体2の内部には、上記の紙送りローラ9などを駆動して、給紙トレイ8内から差込口2aの上面2bまで印刷用紙Pを搬送する紙送り装置11(図5参照)が内蔵されている。かかる紙送り装置11にて紙送りローラ9が正方向に駆動されると、印刷用紙Pは、紙送りローラ9と差込口2aの上面2bとにより挟持されつつ前面側に向かって送り出され、排出口10から排出される。一方、紙送りローラ9が逆方向に駆動されると、差込口2aの上面2bにセットされた印刷用紙Pは、排出口10からプリンタ本体2の内部へと引き込まれる。尚、印刷用紙Pは、紙送りローラ9や紙送り装置11などの動作により、印刷用紙Pの幅方向に直交する方向に搬送されるようになっている。
また、RFIDプリンタ1は、後部壁2dより前面側であって、差込口2aの上面2bよりも上方に、プリンタ本体2の幅方向に沿って架設されたガイドロッド7と、ガイドロット7に着脱可能に装着された印字ヘッドユニット3と、印字ヘッドユニット3を搭載するキャリッジ15と、印字ヘッド3と共にキャリッジ15に搭載されるRFIDタグ付加装置4とを備えている。
キャリッジ15は公知のように、キャリッジモータ(CRモータ)を備えたヘッド移動装置12(図5参照)によりプーリを介して駆動されるベルト13によってガイドロット7に沿って印刷用紙Pの搬送方向と直交する方向(A)、即ち、プリンタ本体2の幅方向に移動可能にされている。
印字ヘッドユニット3は、その下面が、差込口2aの上面2b上に送出された印刷用紙Pに対し、隙間を有して対向する高さに配設されている。かかる印字ヘッドユニット3の下面には、下方側へ向かってインクを吐出する複数のノズルを有する印字ヘッド3aが形成されている。また、印字ヘッドユニット3は、印字ヘッド3aへ供給するシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各インクをそれぞれ貯留する着脱可能な4つのインクカートリッジ3b(3b1〜3b4)を有している。このシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各インクを印字ヘッド3aから印刷用紙Pに吐出することにより、フルカラー印刷が実行される。
RFIDタグ付加装置4は、RFIDタグTを印刷用紙Pへ貼り付ける(取り付ける)と共に、貼付したRFIDタグTへの情報の書き込みと、貼付したRFIDタグTからの情報の読み取りとを行う装置である。RFIDタグ付加装置4は、印字ヘッドユニット3と共に、キャリッジ15に搭載されることにより、プリンタ本体2の幅方向に移動可能となっている。これにより、RFIDプリンタ1は、RFIDタグ付加装置4を駆動する駆動装置をわざわざ別で設けることなく、RFIDタグ付加装置4をプリンタ本体2の幅方向へ移動することができるようになっている。従って、RFIDプリンタ1により、印刷用紙Pの任意の位置に、RFIDタグTを貼付することができる。
図2は、RFIDタグ付加装置4の内部構造を示した図である。RFIDタグ付加装置4は、ケース体4aの内部に、ラベルテープ50と、このラベルテープ50に保持されるRFIDタグTを印刷用紙Pに貼付するRFIDタグ貼付装置40と、ラベルテープ50を搬送するラベル送り装置43(図5参照)と、RFIDタグTに書き込まれた情報の読み取り及びRFIDタグTへの情報の書き込みを行うRFIDリーダ・ライタ45と、ラベル送り装置43にて駆動される巻取ロール47、巻出ロール48、ラベル送りロール49とを備えている。
RFIDタグTは、無線ICタグであり、1平方ミリ以下のICチップと内蔵アンテナとを搭載したものである。ICチップには、不揮発性のメモリであるROMや、情報を一時的に記憶するためのメモリであるRAM、さらには、書き換え可能な不揮発性のメモリ等が搭載されており、情報を不揮発に保持することができる。
このRFIDタグTのメモリに記憶される情報は、内蔵アンテナを介してRFIDリーダ・ライタ45に出力し得る。更に、内蔵アンテナにて受信した情報により、メモリに記憶される情報は書き換えられるようになっている。また、RFIDタグTは、RFIDリーダ・ライタ45から電波を受信すると、電磁誘導などの仕組みで電流を発生するように構成されており、かかる発生電流を駆動電力として動作するためバッテリーを不要としている。
更に、RFIDタグTは、RFIDリーダ・ライタ45以外の無線タグ用のリーダによっても、記憶されている情報が読み出されるようになっており、印刷用紙Pの閲覧者などは、無線タグ用のリーダにて、印刷用紙Pに貼付されたRFIDタグTから情報を取得することができる。
また、RFIDプリンタ1においても、RFIDリーダ・ライタ45により、RFIDタグTに記憶される情報の読み取りを実行し得、RFIDリーダ・ライタ45にて読み取られたRFIDタグTの情報は、プリンタ操作パネル表示部5に表示される。
ケース体4aの底面の略中央部には、ケース体4aの内部と外部とを連通する穿設口4a1が形成されており、RFIDタグ貼付装置40は、この穿設口4a1に対向する位置に配設されている。この穿設口4a1は、ラベルテープ50の搬送経路上に形成されており、RFIDタグ貼付装置40は、穿設口4a1上に搬送されたラベルテープ50のRFIDタグTを、穿設口4a1からケース体4aの外部に押出する。
ラベルテープ50は、帯状の基材に複数のRFIDタグTを所定間隔で固定したものであり、RFIDタグTを内側にしてロール芯に巻回された状態で巻出ロール48に装着されている。巻出ロール48はラベルテープ50を巻き出す(送出する)ためのロールである。巻出ロール48に対し、搬送方向の下流側には、ラベルテープ50を巻き取るための巻取ロール47が設けられている。巻取ロール47には、ラベルテープ50の先端が固定された着脱可能なロール芯が装着されており、ラベル送り装置43により巻取ロール47が順方向(図2において時計回り)に回動されることにより、ロール芯にラベルテープ50が巻回される。RFIDタグTは、RFIDタグ貼付装置40により穿設口4a1において印刷用紙Pに貼付されるので、巻取ロール47にはRFIDタグTが存在しないラベルテープ50が巻き取られることとなる。
ラベル送りロール49は、外周面をケース体4aの底面に当接するゴムロールで形成されており、穿設口4a1の近傍において、穿設口4a1より上流側に配置された第1ロール49aと、穿設口4a1より下流側に配置された第2ロール49bとを備えている。かかる第1ロール49aと第2ロール49bとにより、ラベルテープ50は、穿設口4a1近傍において浮き上がりが防止された状態に規制され、ケース体4aの底面上を搬送される。尚、巻取ロール47、巻出しロール48、ラベル送りロール49によって、ラベルテープ50に負荷されるテンションは調整されており、穿設口4a1近傍においてラベルテープ50は弛みのない状態で搬送される。尚、巻出しロール48、ラベル送りロール49は、巻取ロール47の駆動に従動して回動するように構成しても良く、各々がそれぞれラベル送り装置43にて駆動されるように構成されても良い。
RFIDリーダ・ライタ45は、RFIDタグ貼付装置40の後方側(ラベルテープ50の搬送方向に対して上流側)に隣接して設けられており、アンテナ46を内蔵している。RFIDリーダ・ライタ45は、アンテナ46を介して、RFIDタグTとの間で情報の送受信を行い、RFIDタグTに記憶される情報の読み取りと、RFIDタグTへの情報の書き込みを行う一般的な装置である。ケース体40の内部には、このRFIDリーダ・ライタ45に近接して、RFIDリーダ・ライタ45からの電波を遮蔽するシールド板44が設けられている。ケース体40の内部において、RFIDリーダ・ライタ45からの電波を受信し得る電波受信領域は、シールド板44の配設位置より下流側に形成され、シールド板44の配設位置より上流側にはRFIDリーダ・ライタ45からの電波が非受信となる非受信領域が形成される。また、シールド板44の配設位置より下流側(電波受信領域)には、次に貼付する1のRFIDタグTのみが配置されるようになっている。
RFIDリーダ・ライタ45によるRFIDタグTへの情報の書き込みは、貼付動作がある場合には印刷用紙PへRFIDタグTを貼付した後、各ロール47〜49の回動を停止した状態で引き続いて実行される。このため、RFIDリーダ・ライタ45から送信された情報(電波)は、印刷用紙Pに貼付された1のRFIDタグTに受信され、ケース体40の内部の他のRFIDタグTに受信されることはない。
図3は、ラベルテープ50の構成を詳細に示した図である。図3(a)は、ラベルテープ50の上面図であり、図3(b)は、断面図である。図3(a)、図3(b)ともに、ラベルテープ50は展開した状態で図示している。図3(a)、図3(b)に示すように、ラベルテープ50は帯状の基材に、上面視正方形に形成されたRFIDタグTが周期的に配置されたものであり、RFIDタグTは、ラベルテープ50の長手方向に沿って、一列に配列されている。帯状の基材は、両面に粘着性を有する粘着テープ52の両面にセパレータ51(内側セパレータ51a、外側セパレータ51b)を貼り合わせて形成された3層構造を有している。
内側セパレータ51aは、ラベルテープ50がロール状に巻回された場合に内周側に配設されるセパレータであり、ロール状に巻回されたラベルテープ50が互いにブロッキングすることを防止するためのものである。この内側セパレータ51aには、予め、打ち抜き加工により略正方形状の打ち抜き窓54aが所定間隔毎に形成されており、打ち抜き窓54aから粘着テープ52が露出する態様となっている。各打ち抜き窓54aは、同じ大きさで形成されると共に、RFIDタグTの大きさを基準として、縦横ともRFIDタグTの外形寸法より大きく形成されている。RFIDタグTは、この内側セパレータ51aに設けられた打ち抜き窓54a内に配設され、粘着テープ52の接着力にて固定されている。
外側セパレータ51bは、ラベルテープ50の搬送時に、ラベルテープ50がケース体40の底面などへ接着することを防止するために設けられたセパレータである。この外側セパレータ51bにも、内側セパレータ51aに設けられた打ち抜き窓54aと同様の打ち抜き窓54bが形成され、打ち抜き窓54bから粘着テープ52が露出する態様となっている。各打ち抜き窓54bは、打ち抜き窓54aと断面方向に同じ位置に形成されている。また、粘着テープ52には、打ち抜き窓54a(打ち抜き窓54b)と断面方向に同じ位置において、打ち抜き窓54a(打ち抜き窓54b)と同じ形状を描画するミシン目53が形成されている。
尚、本実施例では、RFIDタグTの貼付に際し、RFIDタグTをラベルテープ50から分離するための切断部がミシン目53にて形成されているが、該切断部をハーフカットで形成しても良い。また、ミシン目53は略正方形に形成されているが、打ち抜き性を向上させるべく四角にRを設けても良い。更に、RFIDタグ貼付装置40にラベルテープ50を所定形状に打ち抜くためのトムソン刃などを設けた場合には、ミシン目53を非形成としても良い。
加えて、ラベルテープには、両面に粘着層を形成したRFIDタグTを一方の粘着層にてテープ基材(セパレータ)に仮止めした態様のものを用いても良い。かかる構成のラベルテープによれば、セパレータの背面からRFIDタグTを印刷用紙Pに圧着してセパレータ側とは反対側に形成された粘着層にてRFIDタグTを印刷用紙Pに貼付した後、セパレータを巻き取ることによりセパレータからRFIDタグTを剥離させることにより、RFIDタグTを貼付することができる。RFIDタグTのセパレータへの粘着力が印刷用紙Pに対する粘着力よりも相対的に強くなる場合には、RFIDタグTのセパレータからの剥離が困難となるので、本実施例のように切断によって、RFIDタグTをラベルテープ50から分離する方がより好ましい。
図4は、RFIDタグ貼付装置40によるRFIDタグTの貼付動作を示した図である。RFIDタグ貼付装置40は、RFIDタグ貼付装置40の外形を形成するケーシング40aと、円柱状に形成された押出部40bとを備えている。押出部40bは、円柱の軸方向にスライド可能にケーシング40aの内部に保持される一方、円柱の軸方向は鉛直方向(ラベルテープ50の断面方向)に一致されている。また、押出部40bは、その円柱の軸方向に沿った一方の端部が、ケーシング40aの底面側から突出した状態でケーシング40aに収納されており、ケーシング40aから突出した側の押出部40bの端面は、ケース体4aの穿設口4a1に対峙している。この押出部40bの直径は、打ち抜き窓54a(打ち抜き窓54b)の内寸よりも小さく形成されている。また、上記したケース体40の穿設口4a1は、打ち抜き窓54a(打ち抜き窓54b)よりも大きく形成されている。
RFIDタグTの貼付実行時には、上記したラベル送り装置43の駆動により、RFIDタグTが、ケース体4aに設けられた穿設口4a1の上面にセットされる。ラベルテープ50は、外側セパレータ51bをケース体4a側とし、その上方に粘着テープ52、さらに粘着テープ52の上方にRFIDタグTが積層された状態で配置されている。従って、穿設口4a1に対峙する押出部40b(の端面)とRFIDタグTとが互いに対峙する位置関係となる(図4(a))。
RFIDタグTが穿設口4a1の上面に位置決めされた状態で、押出部40bは下方側、即ちラベルテープ50に向かってスライドする。押出部40bは、スライド動作によって、RFIDタグTの上面に当接した後(図4(b))、打ち抜き窓54a内を通過して、RFIDタグTを押出しつつ下方へとスライドする。RFIDタグTへの押圧により、ミシン目53にて粘着テープ52は断裂され、1個体のRFIDタグTがラベルテープ50から分離される。ラベルテープ50から分離されたRFIDタグTは、押出部40bにて差込口2aの上面2bにセットされた印刷用紙Pに所定時間圧着され、粘着テープ52の粘着力により印刷用紙Pに固定される(図4(c))。その後、押出部40bは、反押出方向にスライドされ、ケーシング40a内に収納される(図4(d))。これにより、1のRFIDタグTの貼付動作が完了する。
貼付動作の完了後は、RFIDリーダ・ライタ45による情報の書き込みが実行され、その後、印刷用紙Pの搬送と、ラベルテープ50の搬送とが実行される。これにより、ケース体4aの穿設口4a1の上面には、新たなRFIDタグTがセットされる。
図5は、RFIDプリントシステムの全体構成を示すブロック図である。図5に示すように、RFIDプリントシステムは、RFIDコントローラ200と、RFIDコントローラ200に接続されるRFIDプリンタ1とPC100とRFID情報管理サーバ300とを備えている。
上記の構造を有するRFIDプリンタ1は、図5に示すように、演算装置であるCPU32と、そのCPU32により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶した書き換え不能な不揮発性のメモリであるROM33と、CPU32により実行される各種処理に必要なデータやプログラム等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM34と、印字ヘッドユニット3と、RFIDリーダ・ライタ45とRFIDタグ貼付装置40とラベル送り装置43とにより構成されるRFIDタグ付加装置4と、プリンタ操作パネル表示部5と、プリンタ操作ボタン6と、紙送り装置11と、ヘッド移動装置12と、入出力インターフェース35(I/F35)とを備えている。
CPU32は、印字タイミング信号およびリセット信号を生成し、各信号を後述のインクジェットヘッド装置36へ転送する。また、CPU32は、インクジェットヘッド装置36、RFIDタグ付加装置4、プリンタ操作パネル表示部5、プリンタ操作ボタン6、紙送り装置11、ヘッド移動装置12、I/F35などに接続されている。そして、これらのうち、インクジェットヘッド装置36、RFIDタグ付加装置4、プリンタ操作パネル表示部5、紙送り装置11、ヘッド移動装置12、I/F35などの動作はこのCPU32により制御される。
更に、RFIDプリンタ1には、印刷用紙Pの先端を検出するペーパセンサやキャリッジの原点位置を検出する原点センサなどのセンサ(非図示)が設けられており、かかるセンサについてもCPU32に接続されている。また、上記したCPU32と、ROM33、RAM34とはデータバス、アドレスバスにより構成されるバスラインを介して互いに接続されている。
紙送り装置11は、紙送りローラ9などの各ローラを駆動させて印刷用紙Pを搬送する搬送モータ(LFモータ)と、該LFモータを動作させるためのLFモータ駆動回路とを備え、CPU32からの指示に基づいて、印刷用紙Pの搬送を実行する装置である。ヘッド移動装置12は、キャリッジ15を動作させるCRモータと、CRモータを駆動するためのCRモータ駆動回路とを備え、CPU32からの指示に基づいて印字ヘッド3aまたはRFIDタグ貼付装置40を、印刷用紙Pの所定のポイントへ移動させるための装置である。
インクジェットヘッド装置36は、上記の印字ヘッドユニット3(印字ヘッド3a)を駆動するヘッドドライバ(駆動回路)が実装されたキャリッジ基板と、CPU32からの指示に基づいてキャリッジ基板を制御するための制御基板とを備え、印字ヘッド3aを駆動して、印刷用紙Pに対する印刷を実行するための装置である。制御基板は、CPU32から転送される印字タイミング信号と、RAM34の印刷情報メモリ34bに記憶されている印刷情報(画像データ)とに基づいて、その画像データを印刷用紙Pに印刷するための印刷データ(駆動信号)と、その印刷データと同期する転送クロックと、ラッチ信号と、基本印字波形信号を生成するためのパラメータ信号と、一定周期で出力される吐出タイミング信号とを出力し、それら各信号を、キャリッジ基板へ転送する。なお、制御基板とキャリッジ基板との間で通信される各信号は、両者を接続するハーネスケーブルを介して転送される。
印字ヘッドユニット3とヘッドドライバとは、厚さ50〜150μmのポリイミドフィルムに銅箔配線パターンを形成したフレキシブル配線板により接続されている。このヘッドドライバは、インクジェットヘッド装置36の制御基板により制御され、記録モードに合った波形の駆動パルスを各駆動素子に印加するものである。これにより、印字ヘッド3aからインクが所定量吐出される。
RFIDタグ付加装置4に備えられたRFIDタグ貼付装置40は、紙送り装置11およびヘッド移動装置12の動作タイミングに応じて、CPU32により制御される。詳細には、RFIDタグTを貼付するには、RFIDタグTを貼付する印刷用紙Pの所定のポイントがRFIDタグ貼付装置40に対向する位置にセットされた場合、即ち、紙送り装置11およびヘッド移動装置12による印刷用紙Pの搬送が終了したタイミングで、RFIDタグ貼付装置40による貼付動作が指示される。また、RFIDタグTの貼付動作が終了すると、CPU32により、RFIDリーダ・ライタ45によるRFIDタグTへの書込情報の送信動作が指示され、かかる送信動作の終了により、ラベル送り装置43にラベルテープ50の巻取り動作が指示される。
I/F35は、RFIDプリンタ1とRFIDプリンタコントローラ200とを有線接続又は無線接続するためのインターフェイスである。このI/F35は、USBやイーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))などの有線又はブルートゥース(Bluetooth(登録商標))や赤外線などの無線によって、RFIDコントローラ200のI/F235に接続される。それによって、RFIDプリンタ1は、RFIDプリンタコントローラ200からRFIDプリンタデータを受信すると共に、RFIDプリンタコントローラ200へ所定の制御信号を送信することができる。
RFIDプリンタ1は、I/F35を介して、RFIDプリンタコントローラ200からRFIDプリンタデータを受信すると、CPU32が、該RFIDプリンタデータを構成する印刷データやRFIDデータ等の各種データに従って、印字ヘッドユニット3、RFIDタグ付加装置4、紙送り装置11、ヘッド移動装置12を制御し、印刷用紙Pへの印刷及びRFIDタグTの貼付を実行する。
一方、本実施例におけるRFIDプリンタコントローラ200は、所謂、プリンタサーバであり、CPU232と、ROM233と、RAM234と、記憶部240と、表示部239と、RFIDプリンタ1と接続されるインターフェイス235(I/F235)と、PC100と接続されるインターフェイス236(I/F236)と、RFID情報管理サーバ300に接続されるインターフェイス237(I/F237)とを備えている。
CPU232は、このRFIDプリンタコントローラ200を総括的に制御する演算装置であり、図9〜図11を参照しつつ後述する第1実施例で実行される処理のプログラム等の各種プログラムを実行する。
ROM233は、CPU232により実行される各種制御プログラムや、それらの制御プログラムをCPU232により実行する上で必要とされるデータなどを格納した書き換え不能なメモリである。なお、図9〜図11を参照しつつ後述する第1実施例で実行される処理を実行するプログラムは、このROM233内に格納されている。
RAM234は、CPU232により実行される各種処理に必要なデータやプログラムを一時的に記憶するためのメモリであり、PC100から受信したデザインデータDを記憶するデザインデータメモリ234aと、RFIDプリンタデータメモリ234bとを備えている。
デザインデータメモリ234aは、PC100から受信したデザインデータDを格納するメモリである。
RFIDプリンタデータメモリ234bは、後述する処理によるデザインデータDの変換によって得られたデータを格納するメモリであり、変換により得られた印刷データ60bを格納する印刷データメモリ234b1と、変換により得られたRFIDデータ60cを格納するRFIDデータメモリ234b2とを備えている。
HDD240は、ハードディスクであり、属性管理メモリ240aを備えている。属性管理メモリ240aは、ユーザにより指定された属性群を格納するメモリである。なお、「属性群」とは、文字オブジェクトに含まれる属性のうち、少なくとも1の属性によって構成される群を意味する。なお、「属性」については、図7を参照しつつ後述する。
表示部239は、RFIDプリンタコントローラ200で実行される処理内容や処理状況やエラーメッセージなどを視覚的に確認するために、文字や画像などを表示するものであり、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイなどにより構成されている。
I/F235は、RFIDプリンタコントローラ200とRFIDプリンタ1とを有線接続又は無線接続するためのインターフェイスであり、USBやイーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))などの有線又はブルートゥース(Bluetooth(登録商標))や赤外線などの無線によって、RFIDコントローラ200のI/F235に接続される。RFIDプリンタコントローラ200は、I/F235を介して、RFIDプリンタ1へRFIDプリンタデータ60を送信すると共に、所定の制御信号をRFIDプリンタ1から受信することができる。
I/F236は、RFIDプリンタコントローラ200とPC100とを有線接続又は無線接続するためのインターフェイスであり、USBやイーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))などの有線又はブルートゥース(Bluetooth(登録商標))や赤外線などの無線によって、PC100に設けられている対応のインターフェイス(非図示)に接続される。RFIDプリンタコントローラ200は、このI/F236を介して、PC100からデザインデータDを受信することができる。
I/F237は、RFIDプリンタコントローラ200とRFID情報管理サーバ300とを有線接続又は無線接続するためのインターフェイスであり、USBやイーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))などの有線又はブルートゥース(Bluetooth(登録商標))や赤外線などの無線によって、RFID情報管理サーバ300における対応のインターフェイス(非図示)に接続される。I/F237及びRFID情報管理サーバ300におけるインターフェイスを介して、RFIDプリンタコントローラ200とRFID情報管理サーバ300とが接続されると、RFIDタグTへの書込データをRFID情報管理サーバ300へ送信したり、RFID情報管理サーバ300から送信される各書込データに対する登録IDデータを受信したりすることができる。
PC100は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等の書き換え可能な不揮発性のメモリにより構成される記憶部、PC100へデータ又はコマンドを入力するための、キーボード、マウス等により構成される入力部、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等により構成される表示部、RFIDプリンタコントローラ200と有線接続又は無線接続するためのインターフェイスなど(いずれも非図示)を備えているパーソナルコンピュータである。
PC100には、デザインソフト100aが記憶部等の所定のメモリに記憶されている。ユーザは、このデザインソフトを起動し、表示部に表示されるデータを確認しつつ、入力部を操作してデータを入力することによって、所望のデザインを有するデザインデータDを作成することができる。そして、ユーザによる印刷実行指示に応じて、作成されたデザインデータDを、インターフェイスを介してRFIDプリンタコントローラ200へ送信する。
RFID情報管理サーバ300は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等の書き換え可能な不揮発性のメモリにより構成される記憶部、RFIDプリンタコントローラ200と有線接続又は無線接続するためのインターフェイスなど(いずれも非図示)を備えている。
このRFID情報管理サーバ300は、RFIDプリンタコントローラ200から送信された文字列データを、所定のメモリに記憶すると共に、該文字列データをメモリに記憶する上で対応付けられた登録IDデータを、RFIDタグTに記憶させる書込データとしてRFIDプリンタコントローラ200へ送信する。
一般的なRFIDタグの記憶容量は128ビット程度と小さいために、データサイズの大きな文字列データを記憶させることができない。よって、文字列データを登録IDデータに対応付けてRFID情報管理サーバ300に記憶させ、文字列データの代わりにデータサイズの小さな登録IDデータをRFIDタグTに記憶させることによって、RFIDタグTに対してデータサイズの大きな文字列データを対応付けることが可能となる。
図6は、RFIDプリンタコントローラ200によってデザインデータDから変換され、RFIDプリンタ1へ送信されるRFIDプリンタデータ60の構造を模式的に示す図である。
図6に示すように、RFIDプリンタデータ60は、1ページ(1枚の印刷用紙P)単位のデータ群から構成されるデータであり、ヘッダ情報60aと、印刷データ60bと、RFIDデータ60cとから構成される。
ヘッダ情報60aは、RFIDプリンタ1における印刷時に必要な各種設定を示すデータであり、「印刷データの高さ」、「印刷データの幅」、「印刷データの解像度(X方向)」、「印刷データの解像度(Y方向)」、「印刷パス数」、「印刷方向」を指示するための各種データを備えている。RFIDプリンタ1では、このヘッダ情報60aに基づいて、印刷データ60bに従う印刷を実行する。なお、このヘッダ情報60aは、PC100において、デザインデータDに対する印刷設定として設定されたデータであり、RFIDコントローラ200が受信したデザインデータDにヘッダ情報として付加されているデータに対応する。
印刷データ60bは、印刷データメモリ234b1に格納されているデータであり、1ページにおける第1〜第n行の印刷ライン毎に分割されたライン印刷データ群にて形成されている。各ライン印刷データは、それぞれ、印刷サイズを示す印刷サイズデータと、色データとを備えている。
印刷データ60bは、フルカラー印刷に対応可能な印刷データである。印刷サイズデータは、シアンデータサイズ、マゼンタデータサイズ、イエローデータサイズ、ブラックデータサイズの4種類のデータにて構成されている。また、色データもシアンデータ、マゼンタデータ、イエローデータ、ブラックデータの4種類のデータにて構成されている。
RFIDデータ60cは、RFIDデータメモリ234b2に格納されているデータであり、各RFIDタグTに対し、記憶させる情報と印刷用紙Pにおける貼付位置とを規定するデータである。なお、印刷用紙Pにおける貼付位置とを規定する貼付座標データは、印刷用紙Pの幅方向の位置を示すX座標データと、印刷用紙Pにおいて幅方向に直交する方向(搬送方向)の位置を示すY座標データとにより構成され、印刷用紙Pに対する座標(X,Y)として表されている。
このRFIDデータ60cは、1つのRFIDタグTに対する貼付位置を規定する貼付座標データと記憶させる情報である書込データとの組み合わせを1単位とし、貼付されるべきRFIDタグTの数に対応する数のRFIDデータの群から構成されている。
RFIDプリンタデータ60を受信したRFIDプリンタ1は、図6に示したRFIDデータに従って、3つのRFIDタグTに対して書込データに従う情報の書き込みを行うと共に、情報の書き込まれた各RFIDタグTを、貼付座標データにより規定された貼付位置に貼付する。その結果として、書込データ1を記憶した第1のRFIDタグTが印刷用紙Pにおける座標(X1,Y1)に貼付され、書込データ2を記憶した第2のRFIDタグTが印刷用紙Pにおける座標(X2,Y2)に貼付され、書込データ3を記憶した第3のRFIDタグTが印刷用紙Pにおける座標(X3,Y3)に貼付される。
図7は、属性管理メモリ240aに格納される属性管理データ70の構造を模式的に示す図である。この属性管理データ70は、後述する処理によってユーザにより登録された属性群と、その属性群を管理する管理番号とを対応付けたデータである。本実施例では、図7に示すように、「文字枠色属性」、「文字枠線種属性」、「文字枠線の太さ属性」の3種類の属性からなる属性群が、1つの管理番号に対して対応付けて格納されている。
ここで、「文字枠色属性」は、文字オブジェクトにおける文字枠の色を指定する属性であり、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の配合比率により色を表現するCMYK値によって指定される。
また、「文字枠線種属性」は、文字オブジェクトにおける文字枠の線種を指定する属性であり、実線、点線、一点鎖線、二点鎖線等によって指定される。
また、「文字枠の太さ属性」は、文字オブジェクトにおける文字枠の太さを指定する属性であり、ポイント(pt)単位で指定される。
属性管理データ70において、管理番号によって管理される属性群の数は、ユーザにより登録された後、消去されることなく残されている属性群の数に等しい。図7では、属性管理データ70は、登録中の属性群が2種類である場合を示している。図7に示すように、管理番号「1」に対して、(C,M,Y,K)=(4,3,2,1)である文字枠色属性と、点線である文字枠線種属性と、1.2ptである文字枠太さ属性とからなる属性群が対応付けられている。また、管理番号「2」に対して、(C,M,Y,K)=(1,2,3,4)である文字枠色属性と、実線である文字枠線種属性と、2.25ptである文字枠太さ属性とからなる属性群が対応付けられている。
RFIDプリンタコントローラ200は、属性管理データ70に含まれる属性群を有する文字オブジェクトを検出すると、その文字オブジェクトをRFIDデータ60cに変換する。
次に、図8を参照して、RFIDプリントシステムにおけるデータの流れについて説明する。図8は、RFIDプリントシステムにおけるデータの流れを模式的に示す図である。図8に示すように、RFIDプリンタ1により印刷物P1を作成する場合には、まず、(1)PC100において、デザインソフト100aを用いてデザインデータDを作成し、RFIDプリンタコントローラ200へ送信する。
RFIDプリンタコントローラ200がPC100からデザインデータDを受信すると、(2)RFIDプリンタコントローラ200において、受信したデザインデータDから、属性管理データ70により管理される属性群を有する文字オブジェクトから文字列データを抽出し、RFID情報管理サーバ300へ送信する。
RFID情報管理サーバ300がRFIDプリンタコントローラ200から文字データを受信すると、(3)RFID情報管理サーバ300において、受信した文字列データをハードディスク等のメモリに記憶し、記憶された文字データに対応付けられた登録IDデータを、RFIDプリンタコントローラ200へ送信する。
(4)RFIDプリンタコントローラ200では、RFID情報管理サーバ300から受信した登録IDデータを書込データとし、貼付座標データと共にRFIDデータを生成する。一方、属性管理データ70により管理される属性群を満たさない文字オブジェクト及び文字オブジェクト以外のオブジェクトを印刷データに変換する。そして、RFIDデータ及び印刷データを、ヘッダ情報と共に、RFIDプリンタ1へ送信する。
RFIDプリンタ1がRFIDプリンタコントローラ200からRFIDデータ及び印刷データを受信すると、(5)RFIDプリンタ1において、受信したRFIDデータ及び印刷データに基づいて、印刷用紙PへのRFIDタグTの貼付と印刷とが実行され、印刷物P1が得られる。
一方で、印刷物P1に貼付されたRFIDタグTから情報を取得するためには、図8に示すように、まず、(1)印刷物P1に貼付されているRFIDタグTのうち、情報を所望するRFIDタグTから、RFIDタグリーダ500により書込データを読み込み、次いで、(2)RFIDタグリーダ500は、読み込んだ書込データをRFID情報管理サーバ300へ送信する。
RFID情報管理サーバ300がRFIDタグリーダ500から書込データを受信すると、(3)RFID情報管理サーバ300において、受信した書込データである登録IDデータに基づいて、その登録IDデータに対応付けられている文字列データをメモリから読み出し、読み出した文字列データをRFIDタグリーダ500へ送信する。
RFIDタグリーダ500がRFID情報管理サーバ300から文字列データを受信すると、(4)RFIDタグリーダ500は、受信した文字列データをPC100へ送信する。そして、PC100がRFIDタグリーダ500から情報を受信すると、(5)PC100において、受信した文字列データが情報として表示される。
なお、図8では、RFIDタグリーダ500が管理サーバ300から受信した文字列データをPC100へ送信するように図示しているが、RFIDタグリーダ500が液晶ディスプレイなどの表示部を備えている場合には、管理サーバ300から受信した文字列データをRFIDタグリーダ500の表示部で表示するようにしてもよい。
次に、図9〜図11のフローチャートを参照して、上記のように構成されるRFIDプリンタコントローラ200において実行される、デザインデータDからRFIDプリンタデータに変換する処理について説明する。
図9は、RFIDプリンタコントローラ200で実行されるデータ制御処理のフローチャートである。このデータ制御処理は、PC100から受信したデザインデータDを、そのデザインデータDに含まれるオブジェクト及び属性に基づいて、RFIDプリンタデータ60に変換し、変換により得られたRFIDプリンタデータ60をRFIDプリンタ1へ送信する処理である。
このデータ制御処理は、PC100からデザインデータDを受信すると起動し、まず、受信したデザインデータDを、デザインデータメモリ234aに記憶する(S1)。次いで、RFIDプリンタデータ60へのデータ変換が行われていないオブジェクトデータ(以下、「未変換オブジェクトデータ」と称する。)が、デザインデータメモリ234aにあるか否かを確認し(S2)、デザインデータメモリ234aに未変換オブジェクトデータがあれば(S2:Yes)、1つの未変換オブジェクトデータをデザインデータメモリ234aから読み出す(S3)。
S3の処理後、読み出された未変換オブジェクトデータを、RFIDプリンタデータ60を構成する印刷データ60b又はRFIDデータ60cに変換するデータ変換処理(S4)を行う。なお、このデータ変換処理(S4)の詳細については、図10を参照しつつ後述する。データ変換処理(S4)の実行後、S2の処理へ移行する。
一方で、S2の処理により確認した結果、デザインデータメモリ234aに未変換オブジェクトデータがなければ、即ち、デザインデータDに含まれる全てのオブジェクトデータが、印刷データ60b又はRFIDデータ60cに変換された場合には(S2:No)、RFIDプリンタデータメモリ234bに記憶されているデータに、受信したデザインデータDに付加されていたヘッダ情報を付加し、RFIDプリンタ1へ送信し(S5)、このデータ制御処理を終了する。具体的には、S5の処理では、上記したデータ構造を有するRFIDプリンタデータ60(図6参照)をRFIDプリンタ1へ送信する。
このS5の処理の結果として、RFIDプリンタデータ60を受信したRFIDプリンタ1では、印刷データ60bに従う印刷と、RFIDデータ60cに従うRFIDタグTへの情報の書き込み及び貼付とが、ヘッダ情報に従う印刷書式で印刷用紙Pに対して実行される。
図10は、上記したデータ変換処理(S4)のフローチャートである。このデータ変換処理(S4)では、S3の処理により読み出されたオブジェクトデータのうち、属性管理データ70により管理される属性群を含んでいる文字オブジェクトデータを、RFIDデータ60cに変換する。また、一方で、それ以外のオブジェクトデータを、印刷データ60bに変換する。
このデータ変換処理(S4)では、まず、S3の処理により読み出されたオブジェクトデータが、文字オブジェクトデータであるか否かを確認する(S11)。
S11の処理により確認した結果、読み出されたオブジェクトデータが文字オブジェクトデータである場合には(S11:Yes)、その文字オブジェクトデータに含まれる文字枠色属性が、属性管理データ70における管理番号1によって管理されている色、即ち、(C,M,Y,K)=(4,3,2,1)であるか否かを確認する(S12)。
S12の処理により確認した結果、文字枠色属性が管理番号1によって管理される色であれば(S12:Yes)、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠線種属性が、属性管理データ70における管理番号1によって管理される線種、即ち、点線であるか否かを確認する(S13)。
S13の処理により確認した結果、文字枠線種属性が管理番号1によって管理される線種であれば(S13:Yes)、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠線太さ属性が、属性管理データ70における管理番号1によって管理されている太さ、即ち、1.2ptであるか否かを確認する(S14)。
S14の処理により確認した結果、文字枠線太さ属性が管理番号1によって管理される太さであれば(S14:Yes)、文字オブジェクトデータをRFIDデータ60cに変換するRFIDデータ変換処理を実行する(S15)。なお、このRFIDデータ変換処理(S15)については、図11を参照しつつ後述する。
RFIDデータ変換処理(S15)の実行後、変換により得られたRFIDデータ60cを、RFIDデータメモリ234b2に格納し(S16)、このデータ変換処理(S4)を終了する。
一方、S12の処理により確認した結果、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠色属性が、属性管理データ70における管理番号1によって管理される色でなければ(S12:No)、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠線種属性が、属性管理データ70における管理番号2によって管理される色、即ち、(C,M,Y,K)=(1,2,3,4)であるか否かを確認する(S17)。
S17の処理により確認した結果、文字枠色属性が管理番号2によって管理される色であれば(S17:Yes)、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠線種属性が、属性管理データ70における管理番号2によって管理される線種、即ち、実線であるか否かを確認する(S18)。
S18の処理により確認した結果、文字枠線種属性が管理番号2によって管理される線種であれば(S18:Yes)、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠線太さ属性が、属性管理データ70における管理番号2によって管理されている太さ、即ち、2.25ptであるか否かを確認する(S19)。
S19の処理により確認した結果、文字枠線太さ属性が管理番号2によって管理される太さであれば(S19:Yes)、S15の処理へ移行する。
また、以下の(1)〜(6)のいずれかの場合には、オブジェクトデータをラスタライズ処理することによって印刷データ60bに変換する(S20):(1)S11の処理により確認した結果、読み出されたオブジェクトデータが文字オブジェクトデータでない場合(S11:No)、(2)S13の処理により確認した結果、文字枠線種属性が管理番号1によって管理される線種でない場合(S13:No)、(3)S14の処理により確認した結果、文字枠線太さ属性が管理番号1によって管理される太さでない場合(S14:No)、(4)S17の処理により確認した結果、文字枠色属性が管理番号2によって管理される色でない場合(S17:No)、(5)S18の処理により確認した結果、文字枠線種属性が管理番号2によって管理される線種でない場合(S18:No)、(6)S19の処理により確認した結果、文字枠線太さ属性が管理番号1によって管理される太さでない場合(S19:No)。
S20の処理後、変換により得られた印刷データ60bを、印刷データメモリ234b1に格納し(S21)、このデータ変換処理(S4)を終了する。
上記のようなデータ変換処理(S4)によれば、属性管理データ70における管理番号1又は管理番号2により管理される属性群を全て有する文字オブジェクトデータが、RFIDデータ60cに変換される一方で、文字オブジェクトデータ以外の印刷可能なオブジェクトデータ(例えば、図形オブジェクトデータ)及び属性管理データ70により管理される属性群を含まない文字オブジェクトデータが、印刷データ60bに変換される。
S12〜S14や、S17〜S19の処理のように、文字オブジェクトが、複数の属性(本実施例では、文字枠色属性、文字枠線種属性、文字枠線太さ属性)の全てを含むことを、RFIDデータ変換処理(S15)を実行する条件としているので、属性の誤入力による誤変換を抑制することができる。
図11は、上記したRFIDデータ変換処理(S15)のフローチャートである。このRFIDデータ変換処理(S15)では、属性管理データ70により管理される属性群を含んでいる文字オブジェクトデータをRFIDデータ60cに変換する。
このRFIDデータ変換処理(S15)では、まず、属性管理データ70により管理される属性群を含むことが確認された文字オブジェクトデータにおける文字列データを読み込む(S31)。次いで、読み込んだ文字列データを、RFID情報管理サーバ300へ送信することによって登録し(S32)、登録した文字列データに対応する登録IDデータをRFID情報管理サーバ300から受信する(S33)。
次に、文字オブジェクトデータの文字枠部分の左上の座標に対応する座標データを、RFIDタグTの貼付座標データとして取得する(S34)。なお、本実施例では、RFIDタグTの貼付座標は、RFIDタグTの左上端の座標であるものする。従って、印刷物P1において、文字オブジェクトデータの文字枠部分の左上の座標に対応する位置にRFIDタグTの左上端の座標が配置される。
S34の処理後、S33の処理により受信した登録IDデータとS34の処理により取得された貼付座標データとから、RFIDデータ60cを生成し(S35)、このRFID変換処理(S15)を終了する。なお、S35の処理により生成されたRFIDデータ60cのうち、登録IDデータが図6における書込データに相当する。
次に、図12を参照して、RFIDプリンタコントローラ200において、上記した図9〜図11の処理が実行されることによって、所定のデザインで作成されたデザインデータDから得られる印刷物P1について説明する。図12は、RFIDプリントシステムにおいて、デザインデータDとその結果物である印刷物P1とを模式的に示す図である。
図12に示すように、PC100において、デザインソフト100aを用いて作成されたデザインデータDは、印刷用紙Pと略同サイズの大きさとされる領域上に、2つの図形オブジェクトZ1〜Z2と文字オブジェクトM1〜M4とが、それぞれ所定の位置に配置されて構成されている。なお、図12では、説明を容易にするために、デザインデータDのデータ構造ではなく、PC100の表示部(液晶ディスプレイ等)等に表示された画を図示している。
4つの文字オブジェクトM1〜M4のうち、文字オブジェクトM1及び文字オブジェクトM4は、文字枠を有さない文字列のみで構成される文字オブジェクトである。
文字オブジェクトM2は、「http://www.xxx.co.jp」である文字列m2aと、(C,M,Y,K)=(1,2,3,4)である文字枠色属性、実線である文字枠線種属性、及び、2.25ptである文字枠太さ属性を有する文字枠m2bとから構成される文字オブジェクトである。
文字オブジェクトM3は、文字列「052−xxx−xxx」である文字列m3と、(C,M,Y,K)=(4,3,2,1)である文字枠色属性、点線である文字枠線種属性、及び、1.2ptである文字枠太さ属性を有する文字枠m3bとから構成される文字オブジェクトである。なお、図12では、文字オブジェクトM2及び文字オブジェクトM3の文字枠を、上記のようにCMYK値で規定される色ではなく、黒色で図示している。
即ち、文字オブジェクトM2及び文字オブジェクトM3は、それぞれ、属性管理データ70における管理番号「2」で管理される属性群、及び、管理番号「1」で管理される属性群を有する文字オブジェクトである。
作成されたデザインデータDがRFIDプリンタコントローラ200へ送信されると、RFIDプリンタコントローラ200においてRFIDプリンタデータ60に変換されて、RFIDプリンタ1へ送信される。そして、そのRFIDプリンタデータに基づいて、RFIDプリンタ1において印刷物P1が作成される。
図12に示すように、RFIDプリンタコントローラ200において上記したようなデータ変換処理(図9)が実行された結果として、デザインデータDにおける図形オブジェクトZ1〜Z2、及び、文字オブジェクトM1,M4に対応する印刷用紙P上の位置に、対応する印刷がされると共に、文字オブジェクトM2,M3の文字枠の左上端に対応する印刷用紙P上の位置にRFIDタグTの左上端が貼付された印刷物P1が得られる。
また、図面には表れていないが、印刷物P1に貼付されたRFIDタグT1及びRFIDタグT2には、それぞれ、文字列m2a及び文字列m3aに対応する情報、具体的には、RFID情報管理サーバ300において文字列m2a及び文字列m3aに対して対応付けられている登録IDデータが記憶されている。
本実施例のRFIDプリンタコントローラ200は、デザインデータDにおける特定の属性群を含む文字オブジェクトを、RFIDデータ60cに変換するので、図12に示したように、RFIDタグTの貼付位置及びRFIDタグTに対応付ける情報を、デザインデータD上におけるデザインの一部として組み込むことができる。よって、ユーザは、印刷物P1における印刷部分のデザインに応じて適切な位置に適切な情報を記憶したRFIDタグTを配置させることができる。
次に、図13を参照して、ユーザが指定する属性群を属性管理データ70へ登録する処理について説明する。図13は、属性指定処理のフローチャートであり、ユーザにより入力された属性群を属性管理メモリ240aに属性管理データ70として登録する処理である。
この属性指定処理は、ユーザが属性管理データ70への登録を所望する属性群が、RFIDプリンタコントローラ200へ入力されると起動する処理である。なお、RFIDプリンタコントローラ200への登録を所望する属性群の入力は、ユーザが、対応のアプリケーションを搭載するPC100又はRFIDプリンタコントローラ200に設けられた非図示のキーボードやマウスなどの入力部を操作し、所望の属性群を入力することによって行われる。ここで、PC100へ登録すべき属性群が入力された場合には、RFIDプリンタコントローラ200がその属性群を受信すると、属性指定処理が起動する。
属性指定処理が起動すると、入力された属性群を、管理番号に対応付けた属性管理データ70として、属性管理メモリ240aに格納し(S41)、この属性指定処理を終了する。
上記のような属性指定処理により、RFIDデータに変換される文字オブジェクトの属性をユーザによって任意に設定することができる。よって、印刷すべき文字オブジェクトとRFIDデータに変換すべき文字オブジェクトとを、目的に応じて適宜区別して設定することができる。
以上説明したように、第1実施例のRFIDプリンタコントローラ200では、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトがRFIDデータ60cに変換され、変換されたRFIDデータ60cを含むRFIDプリンタデータ60がRFIDプリンタ1に送信される。その結果として、RFIDプリンタ1により作成される印刷物P1は、該属性群を含む文字オブジェクトに含まれる文字列に対応する情報をRFIDタグTに記憶させた上で、そのRFIDタグTが該文字オブジェクトの位置座標に対応する位置に貼付される。よって、デザインデータD中に、RFIDタグTの貼付を所望する位置に、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを組み入れることにより、RFIDプリンタ1において、所望する位置にRFIDタグTを貼付させることができる。
次に、図13〜図15を参照して、RFIDプリンタコントローラ200によるRFIDプリンタ制御の第2実施例について説明する。この第2実施例のRFIDプリンタコントローラ200は、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを、ユーザの指定に応じた形式のデータに変換すると共に、RFID非対応のプリンタに接続された場合にプリンタの種類に応じた制御を行うものである。なお、この第2実施例において、上記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
第2実施例のRFIDプリンタコントローラ200のRAM234は、第1実施例のメモリ構成に加えて、変換形式データメモリ234cと、RFID生成フラグ234dと、RFIDマークフラグ234eとを備えている。なお、図13〜図15を参照しつつ後述する第2実施例で実行される処理のプログラムは、ROM233内に格納されている。
変換形式データメモリ234cは、ユーザにより指定された、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを如何に処理するか(以下、「変換形式」と称する。)を示す変換形式データを格納するメモリである。
RFID生成フラグ234dは、RFIDタグTの貼付又はRFIDタグマークの印刷のいずれかを行う場合にオンされるフラグである。また、RFIDタグマークフラグ234eは、RFIDタグマークの印刷を行う場合にオンされるフラグである。
図14は、第2実施例のデータ制御処理のフローチャートである。この第2実施例では、ユーザはPC100からデザインデータDをRFIDプリンタコントローラ200へ送信する際、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトの変換形式を示す変換形式データを付加して送信するものとする。なお、本実施例では、ユーザにより指定可能な変換形式として、(1)RFIDデータへの変換、(2)RFIDタグTを貼付する位置にRFIDのイメージ(以下、「RFIDタグマーク」と称する。)を印刷するための印刷データへの変換、又は、(3)文字オブジェクトとして印刷するための印刷データへの変換、の3つの変換形式があるものとする。
第2実施例のデータ制御処理は、PC100からデザインデータD及び変換形式データを受信すると起動し、まず、受信した変換形式データを変換形式データメモリ234cに格納し(S51)、受信したデザインデータDをデザインデータメモリ234aに格納する(S52)。次いで、RFID生成フラグ234d及びRFIDマークフラグ234eを初期化し、オフとする(S53)。
S53の処理後、RFIDプリンタコントローラ200に接続されているプリンタに対して、RFIDタグ貼付対応であるか否かを問い合わせ(S54)、問い合わせの結果、接続されているプリンタがRFID貼付対応であったか否かを確認する(S55)。
S55により確認した結果、RFIDプリンタコントローラ200に接続されているプリンタがRFID貼付非対応である場合(S55:No)、接続されているプリンタがRFID貼付非対応であることを報知する(S56)。S56において行われる報知は、RFIDプリンタコントローラ200の表示部239へのエラーメッセージの表示であってもよいし、エラーメッセージ信号をPC100又はプリンタへ送信することによって、PC100又はプリンタにおける液晶ディスプレイなどの表示部にエラーメッセージを表示してもよい。または、RFIDプリンタコントローラ200、PC100、又は、プリンタにおいて、文字による表示に代えてLEDを点滅するように構成してもよい。また、RFIDプリンタコントローラ200、PC100、又はプリンタにおいて、音声によって聴覚的に報知するように構成してもよい。
S56の処理後、変換形式データメモリ234cに記憶される変換形式データは何であるかを確認する(S57)。S57の処理により確認した結果、変換形式データが、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを、RFIDデータ60cへ変換することを指定するものであれば(S57:RFIDタグ生成)、プリンタでの印刷処理を中止することを報知し(S58)、このデータ制御処理を終了する。なお、S58において行われる報知もまた、上記したS56と同様の方法で報知され得る。
また、S57の処理により確認した結果、変換形式データが、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを、文字オブジェクトとして印刷する印刷データへ変換することを指定するものであれば(S57:印刷データ生成)、デザインデータDをRFIDプリンタデータ60に変換するデータ変換処理(S59)を実行する。なお、このデータ変換処理(S59)については、図15を参照しつつ後述する。
データ変換処理(S59)の実行後、RFIDプリンタデータメモリ234bに記憶されているデータに、受信したデザインデータDに付加されていたヘッダ情報を付加し、RFIDプリンタ1へ送信する(S60)。具体的には、上記したデータ構造を有するRFIDプリンタデータ60(図6参照)をRFIDプリンタ1へ送信する。S60の処理後、このデータ制御処理を終了する。
さらに、S57の処理により確認した結果、変換形式データが、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを、RFIDタグTを貼付する位置にRFIDタグマークを印刷するための印刷データへ変換することを指定するものであれば(S57:RFIDタグマーク生成)、RFIDタグ生成フラグ234dをオンし(S61)、更に、RFIDマークフラグ234eをオンし(S62)、そして、データ変換処理(S59)を実行する。
一方で、RFIDプリンタコントローラ200に接続されているプリンタがRFID貼付対応である場合(S55:Yes)、変換形式データメモリ234cに記憶される変換形式データは何であるかを確認する(S63)。
S63の処理により確認した結果、変換形式データが、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを、RFIDデータ60cへ変換することを指定するものであれば(S63:RFIDタグ生成)、RFIDタグ生成フラグ234dをオンし(S64)、データ変換処理(S59)を実行する。
また、S63の処理により確認した結果、変換形式データが、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを、文字オブジェクトとして印刷する印刷データへ変換することを指定するものであれば(S63:印刷データ生成)、データ変換処理(S59)を実行する。
さらに、S63の処理により確認した結果、変換形式データが、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを、RFIDタグTを貼付する位置にRFIDタグマークを印刷するための印刷データへ変換することを指定するものであれば(S63:RFIDタグマーク生成)、RFIDタグ生成フラグ234dをオンし(S65)、更に、RFIDマークフラグ234eをオンした後(S66)、データ変換処理(S59)を実行する。
図15は、上記したデータ変換処理(S59)のフローチャートである。なお、説明を簡略化するために、属性管理メモリ240aには、管理番号1で管理される属性群のみが属性管理データ70として記憶されているものとする。
このデータ変換処理(S59)では、まず、デザインデータメモリ234aに未変換オブジェクトデータがあるか否かを確認し(S71)、デザインデータメモリ234aに未変換オブジェクトデータがあれば(S71:Yes)、1つの未変換オブジェクトデータをデザインデータメモリ234aから読み出す(S72)。
次に、RFIDタグ生成フラグ234dがオンであるか否かを確認し(S73)、RFIDタグ生成フラグ234dがオンであれば(S73:Yes)、S72の処理により読み出されたオブジェクトデータが、文字オブジェクトデータであるか否かを確認する(S74)。
S74の処理により確認した結果、読み出されたオブジェクトデータが文字オブジェクトデータである場合には(S74:Yes)、その文字オブジェクトデータに含まれる文字枠色属性が、属性管理データ70における管理番号1によって管理されている色であるか否かを確認する(S75)。
S75の処理により確認した結果、文字枠色属性が管理番号1によって管理される色であれば(S75:Yes)、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠線種属性が、属性管理データ70における管理番号1によって管理される線種であるか否かを確認する(S76)。
S76の処理により確認した結果、文字枠線種属性が管理番号1によって管理される線種であれば(S76:Yes)、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠線太さ属性が、属性管理データ70における管理番号1によって管理されている太さであるか否かを確認する(S77)。
S77の処理により確認した結果、文字枠線太さ属性が管理番号1によって管理される太さであれば(S77:Yes)、RFIDマークフラグ234dがオンであるか否かを確認する(S78)。
S78の処理により確認した結果、RFIDマークフラグ234dがオンであれば(S78:Yes)、上記したRFIDデータ変換処理を実行し(S15、図11参照)、S79の処理へ移行する。
よって、変換形式データメモリ234cに格納される変換形式データが、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを、RFIDデータ60cへ変換することを指定するものである場合には、S71〜S78,S15の処理により、該当する文字オブジェクトが、RFIDデータ60cへ変換される。
一方で、S78の処理により確認した結果、RFIDマークフラグ234dがオンであれば(S78:No)、文字オブジェクトデータの文字枠部分の左上の座標に対応する座標データを、RFIDタグTの貼付座標データとして取得する(S80)。なお、本実施例では、RFIDタグTの貼付座標は、RFIDタグTの左上端の座標であるものする。従って、印刷物P1において、文字オブジェクトデータの文字枠部分の左上の座標に対応する位置にRFIDタグTの左上端の座標が配置される。
S80の処理後、貼付座標データに対応する位置に位置するRFIDタグのイメージ(例えば、RFIDタグTと略同一の矩形)をRFIDマークオブジェクトデータとして生成し(S81)、生成したRFIDマークオブジェクトデータを印刷データ60bに変換する(S82)。S82の処理後、S79の処理へ移行する。
よって、変換形式データメモリ234cに格納される変換形式データが、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを、RFIDタグTを貼付する位置にRFIDタグマークを印刷するための印刷データへ変換することを指定するものである場合には、S71〜S78,S80〜S82の処理により、該当する文字オブジェクトが、RFIDタグマークを印刷するための印刷データへ変換される。
一方で、S73の処理により確認した結果、RFIDタグ生成フラグ234dがオフであれば(S73:No)、オブジェクトデータを印刷データ60bに変換する(S83)。即ち、変換形式データメモリ234cに格納される変換形式データが、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを、文字オブジェクトとして印刷するための印刷データへ変換することを指定するものである場合には、文字オブジェクトデータ及び図形オブジェクトデータの両方を印刷データに変換する。S83の処理後、S79の処理へ移行する。
さらに、以下の(1)〜(4)のいずれかの場合もまた、S83の処理へ移行し、オブジェクトデータを印刷データ60bに変換し、S79の処理へ移行する:(1)S74の処理により確認した結果、読み出されたオブジェクトデータが文字オブジェクトデータでない場合(S74:No)、(2)S75の処理により確認した結果、文字枠色属性が管理番号1によって管理される色でない場合(S75:No)、(3)S76の処理により確認した結果、文字枠線種属性が管理番号1によって管理される線種でない場合(S76:No)、(4)S77の処理により確認した結果、文字枠線太さ属性が管理番号1によって管理される太さでない場合(S77:No)。即ち、変換形式データメモリ234cに格納される変換形式データが、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを、RFIDデータへ変換するか、RFIDタグTを貼付する位置にRFIDタグマークを印刷するための印刷データへ変換するかのいずれかが指定されている場合には、図形オブジェクトデータと属性管理データ70により管理される属性群を含まない文字オブジェクトデータとが印刷データ60bに変換される。
S79では、S15、S82、S83の処理の結果として得られた印刷データ60b及びRFIDデータ60cを、RFIDプリンタデータメモリ234bに格納する。そして、S79の処理後、S71の処理へ移行する。なお、S79の処理では、印刷データ60bは印刷データメモリ234b1に格納され、RFIDデータ60cはRFIDデータメモリ234b2に格納される。
そして、S71の処理により確認した結果、デザインデータメモリ234aに未変換オブジェクトデータがなければ(S71:Yes)、このデータ制御処理(S59)を終了する。
以上説明したように、第2実施例のRFIDプリンタコントローラ200では、ユーザにより指定された文字オブジェクト変換形式に応じて、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトの変換が実行される。例えば、RFIDデータ60cに変換されるべき文字オブジェクトとして、属性管理データ70により管理される属性群を付与させた場合であっても、実際にRFIDタグTに変換させる前に、RFIDタグTに対応付ける情報を印刷用紙P上に印刷したり、RFIDタグTのイメージを貼付位置に印刷したりすることが、ユーザによって必要に応じて選択することができる。よって、RFIDタグTの配置や対応付けられる情報を、必要に応じてユーザが視覚的に確認することができる。
次に、図16〜図19を参照して、RFIDプリンタコントローラ200によるRFIDプリンタ制御の第3実施例について説明する。この第3実施例のRFIDプリンタコントローラ200は、印刷用紙Pの両面に印刷及びRFIDタグTの貼付可能なRFIDプリンタ1を制御するものである。なお、この第3実施例において、上記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図16は、印刷用紙Pの両面に印刷及びRFIDタグTの貼付可能なRFIDプリンタ1の断面図であって、印刷用紙Pの搬送動作を説明する図である。
図16に示すように、プリンタ本体2の後部には、反転ユニット90が設けられており、印刷処理に際し、印刷データ234b1及びRFIDデータ234b2にそれぞれ記憶される印刷データ60b及びRFIDデータ60cに応じて、印刷用紙Pのへの印刷及びRFIDタグTの貼付を実行するようになっている。なお、本実施例では、デザインデータDに基づいて、印刷用紙Pの片方の面への印刷を行い、属性管理データ70により管理される属性群に応じて、印刷用紙Pの両面にRFIDタグTの貼付を行う場合について説明する。
かかる場合には、図16に示すように、まず、給紙トレイ8にセットされた印刷用紙Pが、紙送り装置11の駆動によって給紙トレイ8から1枚引き出され(図16(a)、図16(b))、非図示のガイドローラやガイド板に案内されて、内部給紙ローラ18へと供給される。内部給紙ローラ18へと供給された印刷用紙Pは、内部給紙ローラ18の駆動に応じて、プリンタ本体2の全面方向へ押出される。押出された印刷用紙Pは、ペーパセンサを通過して、印字ヘッドユニット3の下面、即ち印字ヘッド3aに対向する位置に搬送される。印刷用紙Pをプリンタ本体2の前面側へ搬送しつつ印字ヘッド3aを動作させ、印刷用紙Pの片面(これを「表面」とする。)に対しての印刷及びRFIDタグTの貼付が実行される(図16(c))。
そして、最終行(第n行目)まで印刷及びRFIDタグTの貼付が終了すると、紙送り装置11は、紙送りローラ9を逆方向に回転させ、差込口2aの上面2b上に送出された印刷用紙Pをプリンタ本体2の内部に引きこむ(図16(d))。引き込まれた印刷用紙Pは、内部紙送りローラ18の下面に当接するように案内され、プリンタ本体2の底面方向へ送給される(図16(e))。そして、内部紙送りローラ18の下面から反転ユニット90の下方側に設けられた導入口92へ向かって列設された非図示の導入ローラに案内され、印刷用紙Pは、反転ユニット90へ導入される。
反転ユニット90内においては、印刷用紙Pは、反転ローラ91の下方側からローラの外周を周回して、反転ローラ91の上方側へと送出され、印刷用紙Pの表裏が反転される。そして、反転ユニット90の上方側に設けられた送出口93から、内部紙送りローラ18の上面へと印刷用紙Pは反転された状態で給送され(図16(g))、内部紙送りローラ18の駆動によって、再び、ペーパセンサを通過して、印字ヘッドユニット3やRFIDタグ貼付装置4に対向する位置に搬送される(図16(h))。そして、印刷用紙Pの裏面(上記した表面とは反対側の面)に、RFIDタグ付加置4(RFIDタグ貼付装置40)によるRFIDタグTの貼付が実行される。
この第3実施例のRFIDプリンタコントローラ200のHDD240には、属性管理メモリ240aに加えて、文字オブジェクト変換制御メモリ240bを備えている。この文字オブジェクト変換処理指定メモリ240bは、属性管理メモリ240aに格納される属性管理データ70により管理される各属性群の管理番号と、その管理番号により管理される属性群を含む文字オブジェクトを如何に変換するか(以下、これを「文字オブジェクト変換処理」と称する。)とを対応付けるメモリである。なお、図17〜図19を参照しつつ後述する第3実施例で実行される処理のプログラムは、ROM233内に格納されている。
ここで、図17を参照して、属性管理データ70により管理される各属性群の管理番号と、その管理番号により管理される属性群を含む文字オブジェクトに対して実行する文字オブジェクト変換処理との対応付けについて説明する。図17は、文字オブジェクト変換処理を指定する処理のフローチャートである。
この文字オブジェクト変換処理を指定する処理は、ユーザが属性管理データ70への登録を所望する属性群と、その属性群を含む文字オブジェクトに対して実行される処理として所望する文字オブジェクト変換処理とが、RFIDプリンタコントローラ200へ入力されると起動する処理である。
なお、属性群、及び、その属性群を含む文字オブジェクトに対して指定する文字オブジェクト変換処理の、RFIDプリンタコントローラ200への入力は、ユーザが、対応のアプリケーションを搭載するPC100又はRFIDプリンタコントローラ200に設けられた非図示のキーボードやマウスなどの入力部を操作し、所望の属性群及びその属性群に対して対応づけるべき文字オブジェクト変換処理を入力することによって行われる。
ここで、PC100へ登録すべき属性群とその属性群に対して対応づけるべき文字オブジェクト変換処理とが入力された場合には、RFIDプリンタコントローラ200がそれらの情報を受信すると、文字オブジェクト変換処理を指定する処理が起動する。
文字オブジェクト変換処理を指定する処理が起動すると、入力された属性群を、管理番号に対応付けた属性管理データ70として、属性管理メモリ240aに格納する(S91)。次いで、入力された属性群に対して対応付けられた管理番号と、入力された文字オブジェクト変換処理とを対応付けて文字オブジェクト変換処理指定メモリ240bに格納する(S92)し、この文字オブジェクト変換処理を指定する処理を終了する。
上記のような文字オブジェクト変換処理を指定する処理により、RFIDデータに変換される文字オブジェクトの属性を、所望の文字オブジェクト変換処理に対応付けて任意に設定することができる。よって、印刷すべき文字オブジェクトとRFIDデータに変換すべき文字オブジェクトとを、目的に応じて適宜区別して設定できると共に、目的に応じて適宜文字オブジェクト変換処理を設定することができる。
なお、この第3実施例では、文字オブジェクト変換処理として、印刷用紙Pの表面にRFIDタグTを貼付するためのRFIDデータ変換処理と、印刷用紙Pの裏面にRFIDタグTを貼付するための反転RFIDデータ変換処理との2種類が対応する。ここで、本実施例では、属性管理データ70において、管理番号1により管理される属性群を含む文字オブジェクトに対してRFIDデータ変換処理が対応付けられており、管理番号2により管理される属性群を含む文字オブジェクトに対して反転RFIDデータ変換処理が対応付けられているものとする。
この第3実施例では、PC100からデザインデータDを受信すると、データ変換処理(S4)以外は、第1実施例のデータ制御処理(図9)が実行される。
図18は、第3実施例のデータ変換処理(S4)のフローチャートである。この第3実施例のデータ変換処理(S4)では、まず、S3の処理により読み出されたオブジェクトデータが、文字オブジェクトデータであるか否かを確認する(S11)。
S11の処理により確認した結果、読み出されたオブジェクトデータが文字オブジェクトデータである場合には(S11:Yes)、その文字オブジェクトデータに含まれる文字枠色属性が、属性管理データ70における管理番号1によって管理されている色であるか否かを確認する(S12)。
S12の処理により確認した結果、文字枠色属性が管理番号1によって管理される色であれば(S12:Yes)、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠線種属性が、属性管理データ70における管理番号1によって管理される線種であるか否かを確認する(S13)。
S13の処理により確認した結果、文字枠線種属性が管理番号1によって管理される線種であれば(S13:Yes)、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠線太さ属性が、属性管理データ70における管理番号1によって管理されている太さであるか否かを確認する(S14)。
S14の処理により確認した結果、文字枠線太さ属性が管理番号1によって管理される太さであれば(S14:Yes)、RFIDデータ変換処理を実行し(S15、図11参照)、S102の処理へ移行する。
一方、S12の処理により確認した結果、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠色属性が、属性管理データ70における管理番号1によって管理される色でなければ(S12:No)、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠線種属性が、属性管理データ70における管理番号2によって管理される色であるか否かを確認する(S17)。
S17の処理により確認した結果、文字枠色属性が管理番号2によって管理される色であれば(S17:Yes)、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠線種属性が、属性管理データ70における管理番号2によって管理される線種であるか否かを確認する(S18)。
S18の処理により確認した結果、文字枠線種属性が管理番号2によって管理される線種であれば(S18:Yes)、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠線太さ属性が、属性管理データ70における管理番号2によって管理されている太さであるか否かを確認する(S19)。
S19の処理により確認した結果、文字枠線太さ属性が管理番号2によって管理される太さであれば(S19:Yes)、文字オブジェクトを印刷用紙Pの裏面にRFIDタグTを貼付するためのRFIDデータ60cに変換する反転RFIDデータ変換処理を実行し(S101)、S102の処理へ移行する。なお、反転RFIDデータ変換処理(S101)については、図19を参照しつつ後述する。
また、以下の(1)〜(6)のいずれかの場合には、オブジェクトデータを印刷データ60bに変換し(S20)、S102の処理へ移行する:(1)S11の処理により確認した結果、読み出されたオブジェクトデータが文字オブジェクトデータでない場合(S11:No)、(2)S13の処理により確認した結果、文字枠線種属性が管理番号1によって管理される線種でない場合(S13:No)、(3)S14の処理により確認した結果、文字枠線太さ属性が管理番号1によって管理される太さでない場合(S14:No)、(4)S17の処理により確認した結果、文字枠色属性が管理番号2によって管理される色でない場合(S17:No)、(5)S18の処理により確認した結果、文字枠線種属性が管理番号2によって管理される線種でない場合(S18:No)、(6)S19の処理により確認した結果、文字枠線太さ属性が管理番号1によって管理される太さでない場合(S19:No)。
また、S102では、S15、S20、S101の処理の結果として得られた印刷データ60b及びRFIDデータ60cを、RFIDプリンタデータメモリ234bに格納する。そして、S102の処理後、このデータ変換処理(S4)を終了する。なお、S102の処理では、印刷データ60bは印刷データメモリ234b1に格納され、RFIDデータ60cはRFIDデータメモリ234b2に格納される。
図19は、上記した反転RFIDデータ変換処理(S101)のフローチャートである。このRFIDデータ変換処理(S101)では、まず、属性管理データ70により管理される属性群を含むことが確認された文字オブジェクトデータにおける文字列データを読み込む(S111)。次いで、読み込んだ文字列データを、RFID情報管理サーバ300へ送信することによって登録し(S112)、登録した文字列データに対応する登録IDデータをRFID情報管理サーバ300から受信する(S113)。
次に、文字オブジェクトデータの文字枠部分の左上の座標に対応する座標データを、RFIDタグTの貼付座標データとして取得し(S114)、取得された貼付座標データを、印刷用紙Pの裏面側に対応する位置の座標に変換し、反転貼付座標データを取得する(S115)。
S115の処理後、S113の処理により受信した登録IDデータとS115の処理により取得された反転貼付座標データとから、RFIDデータ60cを生成し(S116)、この反転RFID変換処理(S101)を終了する。なお、S116の処理により生成されたRFIDデータ60cのうち、登録IDデータが図6における書込データに相当する。
以上説明したように、第3実施例のRFIDプリンタコントローラ200では、印刷用紙Pの両面に印刷及びRFIDタグTの貼付が可能なRFIDプリンタ1に対し、デザインデータDをRFIDデータ60に変換する場合において、文字オブジェクトの位置座標を、裏面側の対応する位置に変換する。よって、RFIDタグTが印刷用紙Pの裏面側の対応する位置に貼付することができる。従って、印刷用紙Pの表面に印刷を施し、裏面側にRFIDタグTの貼付を所望する場合であっても、デザインデータDの作成時に、文字データの属性を使い分けるという単純な操作によって、作成画面上において、ユーザは、印刷する部分とRFIDタグTの貼付位置及びRFIDタグTに対応付ける情報とを明確に視認することができる。即ち、デザインデータDの中に、属性管理データ70により管理される属性を含む文字オブジェクトを、RFIDタグTの貼付を意図する位置に組み入れることにより、印刷用紙の裏面側の面であっても、RFIDタグTを所望の位置に貼付することができる。
次に、図20〜図23を参照して、RFIDプリンタコントローラ200によるRFIDプリンタ制御の第4実施例について説明する。この第4実施例のRFIDプリンタコントローラ200は、上記したRFIDプリンタ1に切断機能を備えているRFIDプリンタ(以下、「RFIDプリンタ1’」と称する。)に対する制御を行うものである。なお、この第4実施例において、上記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
RFIDプリンタ1’は、上記したRFIDプリンタ1におけるキャリッジ15部分に、印字ヘッドユニット3、RFIDタグ付加装置4と共に、カッティング装置(非図示)を搭載したものである。
RFIDプリンタ1’に搭載されるカッティング装置は、カッタを備えており、例えば、特開平8−300297号に記載されるように、シート材上にカッタの刃を下降させ、該カッタの刃をシート材上に当接させた(押圧させた)状態でカッタを移動させることによって、シート材上に当接するカッタの刃の移動部分を切断する装置である。RFIDプリンタ1’の場合、上記したRFIDプリンタ1と同様に、RFIDタグTを、印刷用紙P上の任意の位置に貼付できる上に、キャリッジ15にカッティング装置が搭載されているので、印刷用紙Pを任意の形状に切断することができる。
しかし、RFIDプリンタ1’は、上記のように、印刷用紙Pの任意の位置にRFIDタグTを貼付し、つぎに印刷用紙Pを任意の形状に切断することができるので、例えば、デザインデータDを誤って作成した場合に、印刷物P1の作成時に、RFIDタグTが切断されてしまう怖れがある。
第4実施例のRFIDプリンタコントローラ200は、カッタにより切断される線(以下、「切断線」と称する。)が貼付されるRFIDタグTを横断するようなデザインデータDを受信した場合に、重なり処理を行うことによって、切断線又はRFIDタグTの貼付位置を移動させて、切断線とRFIDタグTとが非交差となるようなRFIDデータ60を生成するものである。
図20を参照して、この重なり処理について説明する。図20は、貼付するRFIDタグTと切断線CLとが重なる場合に、RFIDタグTと切断線CLとの重なりを回避する処理(後述する「重なり処理」)を模式的に示す図である。図20(a)は、長方形の切断線CLの上の辺とRFIDタグTが重なっている様子を示す図である。
図20(b)及び図20(c)は、RFIDタグTの貼付位置を変更することによって、RFIDタグTと切断線CLとの重なりを回避する処理を模式的に示すものであり、図20(b)は、この処理の途中段階を示す図であり、RFIDタグTを、図20(a)の状態から、切り取る図形(切断線CLにより囲まれる図形)の内側に向けて僅かに移動させた状態を示している。図20(b)では、切り取るべき長方形(切断線CLにより囲まれる図形)の中心Gの座標に対して、RFIDタグTの位置をΔだけ移動させている。図20(c)は、図20(b)の処理を繰り返すことによりRFIDタグTの外周が切断線CLと一致する位置まで移動した様子を示す。
一方、図20(d)及び図20(e)は、切断線CLの切断位置を変更することによって、RFIDタグTと切断線CLとの重なりを回避する処理の実行結果を示すものである。
図20(c)は、切断線CLにおける線分a−bを、RFIDタグTの貼付部分を挟むように、線分a−c及び線分d−bに分割した状態を示す図である。切断線CLによる切断位置を、図20(c)に示したように変更することによって、RFIDタグTが切断されることを回避できる。なお、この場合は、切断線CLが閉ループではないために、図形を完全に切り取ることができないが、RFIDタグTの大きさを考慮すれば、印刷用紙Pが印刷物P1としてRFIDプリンタ1’から排出された後に、手でちぎったり、ハサミなどによる切断などによって、RFIDタグTがその貼付を所望する側に残るように印刷用紙Pを切断すれば、特に問題はない。
図20(d)は、切断線CLにおける線分a−bを、線分a−cと、RFIDタグTの外形を囲む線分c−e、線分e−f、線分f−dと、線分d−bとに変更した状態を示す図である。切断線CLによる切断位置を、図20(d)に示したように変更することによって、RFIDタグTが切断sされない上に、図形を完全に切り取ることができる。
次に、図21〜図23を参照して、RFIDプリンタコントローラ200によるRFIDプリンタデータ60の制御について説明する。なお、第4実施例のRFIDプリンタコントローラ200によるデザインデータDの変換により得られるRFIDデータ60は、ヘッダ情報60a、印刷データ60b、及びRFIDデータ60cに加えて、切断データ60dを含む。
切断データ60dは、カッタの刃を下降又は上昇させる位置を示すカッタ座標データと、カッタの刃を下降させてシート材上に当接させるように指示するコマンドと、カッタの刃を上昇させるように指示するコマンドとから構成される。なお、カッタ座標データは、印刷用紙Pの幅方向の位置を示すX座標データと、印刷用紙Pにおいて幅方向に直交する方向(搬送方向)の位置を示すY座標データとから構成されるデータである。なお、本実施例では、デザインデータDの作成時において、所定の操作によって切断属性の付加されたオブジェクト(以下、「切断オブジェクト」と称する)のデータが切断データ60dに変換されるものとする。
第4実施例のRFIDプリンタコントローラ200のRAM234は、第1実施例のメモリ構成に加えて、RFIDプリンタデータメモリ234bに、さらに、切断データメモリ234b3を備えている。なお、図21〜図23を参照しつつ後述する第4実施例で実行される処理のプログラムは、ROM233内に格納されている。
図21は、第4実施例のデータ制御処理のフローチャートである。なお、説明を簡略化するために、属性管理メモリ240aには、管理番号1で管理される属性群のみが属性管理データ70として記憶されているものとする。
第4実施例のデータ制御処理は、PC100からデザインデータDを受信すると起動し、まず受信したデザインデータDを、デザインデータメモリ234aに記憶する(S1)。次いで、デザインデータメモリ234aに未変換オブジェクトデータがあるか否かを確認し(S2)、デザインデータメモリ234aに未変換オブジェクトデータがあれば(S2:Yes)、1つの未変換オブジェクトデータをデザインデータメモリ234aから読み出す(S3)。
S3の処理後、読み出された未変換オブジェクトデータを、RFIDプリンタデータ60を構成する印刷データ60b、RFIDデータ60c、又は、切断線データ60dのいずれかに変換するデータ変換処理(S4)を行う。なお、第4実施例のデータ変換処理(S4)の詳細については、図22を参照しつつ後述する。データ変換処理(S4)の実行後、S2の処理へ移行する。
一方で、S2の処理により確認した結果、デザインデータメモリ234aに未変換オブジェクトデータがなければ、即ち、デザインデータDに含まれる全てのオブジェクトデータが、印刷データ60b、RFIDデータ60c、又は、切断線データ60dのいずれかに変換された場合には(S2:No)、RFIDデータメモリ234b2に格納される全てのRFIDデータ60cと、切断データメモリ234b3に格納される全ての切断データ60dとを参照し、貼付されるRFIDタグTに対して重なっている切断線があるか否かを確認する(S201)。
S201の処理により確認した結果、貼付されるRFIDタグTに対して重なっている切断線がなければ(S201:No)、RFIDプリンタデータメモリ234bに記憶されているデータに、受信したデザインデータDに付加されていたヘッダ情報を付加し、RFIDプリンタ1へ送信し(S5)、このデータ制御処理を終了する。
一方で、S201の処理により確認した結果、貼付されるRFIDタグTに対して重なっている切断線があれば(S201:Yes)、重なりを示すデータに対し、貼付されるRFIDタグTと切断線との重なりを回避する(貼付されるRFIDタグTと切断線とを非交差とする)ための重なり処理(S202)を、重なりを示したデータ全てに対して実行した後、S5の処理へ移行する。なお、この重なり処理(S202)の詳細については、図23を参照しつつ後述する。
このS5の処理の結果として、RFIDプリンタデータ60を受信したRFIDプリンタ1では、印刷データ60bに従う印刷と、RFIDデータ60cに従うRFIDタグTへの情報の書き込み及び貼付と、切断線データ60dに従う切断とが、貼付されるRFIDタグTを切断することなく、ヘッダ情報に従う印刷書式で印刷用紙Pに対して実行される。
図22は、第4実施例のデータ変換処理(S4)のフローチャートである。この第4実施例のデータ変換処理(S4)では、S3の処理により読み出されたオブジェクトデータを、印刷データ60b、RFIDデータ60c、又は、切断データ60dのいずれかに変換する。
このデータ変換処理(S4)では、まず、S3の処理により読み出されたオブジェクトデータが、切断オブジェクトデータであるか否かを確認し(S211)、切断オブジェクトデータでなければ(S211:No)、S3の処理により読み出されたオブジェクトデータが、文字オブジェクトデータであるか否かを確認する(S11)。
S11の処理により確認した結果、読み出されたオブジェクトデータが文字オブジェクトデータである場合には(S11:Yes)、その文字オブジェクトデータに含まれる文字枠色属性が、属性管理データ70における管理番号1によって管理されている色であるか否かを確認する(S12)。
S12の処理により確認した結果、文字枠色属性が管理番号1によって管理される色であれば(S12:Yes)、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠線種属性が、属性管理データ70における管理番号1によって管理される線種であるか否かを確認する(S13)。
S13の処理により確認した結果、文字枠線種属性が管理番号1によって管理される線種であれば(S13:Yes)、文字オブジェクトデータに含まれる文字枠線太さ属性が、属性管理データ70における管理番号1によって管理されている太さであるか否かを確認する(S14)。
S14の処理により確認した結果、文字枠線太さ属性が管理番号1によって管理される太さであれば(S14:Yes)、RFIDデータ変換処理を実行する(S15)。
RFIDデータ変換処理(S15)の実行後、変換により得られたRFIDデータ60cを、RFIDデータメモリ234b2に格納し(S16)、このデータ変換処理(S4)を終了する。
以下の(1)〜(4)のいずれかの場合には、オブジェクトデータを印刷データ60bに変換する(S20):(1)S11の処理により確認した結果、読み出されたオブジェクトデータが文字オブジェクトデータでない場合(S11:No)、(2)S12の処理により確認した結果、文字枠色属性が管理番号1によって管理される色でない場合(S12:No)、(3)S13の処理により確認した結果、文字枠線種属性が管理番号1によって管理される線種でない場合(S13:No)、(4)S14の処理により確認した結果、文字枠線太さ属性が管理番号1によって管理される太さでない場合(S14:No)。
S20の処理後、変換により得られた印刷データ60bを、印刷データメモリ234b1に格納し(S21)、このデータ変換処理(S4)を終了する。
一方で、S211の処理により確認した結果、S3の処理により読み出されたオブジェクトデータが、切断オブジェクトデータであれば(S211:Yes)、切断オブジェクトデータを切断データ60dに変換し(S212)、得られた切断データ60dを、切断データメモリ234b3に格納し(S213)、このデータ変換処理(S4)を終了する。
図23は、上記した重なり処理(S202)のフローチャートである。ここでは、図23(a)〜図23(c)に示す3種類の重なり処理(S202)について説明する。
図23(a)は、重なり処理(S202)として、RFIDデータ60cにおける貼付座標データ、即ち、RFIDタグTを貼付する位置を変更する処理を行う場合のフローチャートである。なお、この図23(a)に示す処理は、上記した図20(b)及び図20(c)に対応する処理であり、理解を容易にするために、図20(b)及び図20(c)に示した状態を例として説明する。
この処理では、まず、切断線CLが形成する図形の重心の座標Gを求め、RFIDタグTの座標位置をGの方向へΔ(例えば1mm)だけ移動する(S221)。次に、S221の処理により得られた座標位置において、切断線CL(線分a−b)とRFIDタグTとが重なるか否かを判断する(S222)。
S222の処理により確認した結果、切断線CL(線分a−b)とRFIDタグTとが重なる場合(S222:Yes)には、再度、RFIDタグTの座標位置をGの方向へΔだけ移動する。
一方で、S222の処理により確認した結果、切断線CL(線分a−b)とRFIDタグTとが重ならない場合には(S44:No)、その時の位置座標を貼付座標データとして、RFIDデータメモリ234b2におけるRFIDデータ60cを書き換え(S223)、この処理を終了する。
図23(b)は、重なり処理(S202)として、切断データ60dを変更する処理を行う場合のフローチャートである。なお、この図23(b)に示す処理は、上記した図20(d)又は図20(e)に対応する処理であり、理解を容易にするために、図20(d)又は図20(e)に示した状態を例として説明する。
この処理では、まず、RFIDデータ60cにおける貼付座標データと、RFIDタグTの輪郭を表す数式と、切断データ60dにおける、切断線CLにおけるRFIDタグTと重なっている線分a−b部分のデータとに基づいて、線分a−b上における、RFIDタグTの外側近傍の点(点c及び点d)の座標を取得する(S231)。なお、RFIDタグTの輪郭の情報は、予め設定又は入力されているものとする。
S231の処理後、取得された点にに基づいて、切断線データ60dにおける切断線CL(線分a−b)部分を、RFIDタグTを切断しない線分のデータに変更する(S232)。なお、S232では、(1)切断線CLにおける線分a−bを、RFIDタグTの貼付部分を挟むように、線分a−c及び線分d−bに分割する(上記した図20(d)に対応)、又は、(2)切断線CLにおける線分a−bを、線分a−cと、RFIDタグTの外形を囲む線分c−e、線分e−f、線分f−dと、線分d−bとに変更する(上記した図20(e)に対応)などの処理が行われる。
例えば、S232において、上記した図20(d)に対応する処理が行われた場合、切断線データ60dにおける切断線CL(線分a−b)部分について、変換前に(1)「カッターを点aの座標に移動する」→(2)「カッターを下降する」→(3)「カッターを点bの座標に移動する」であったデータが、(1)「カッターを点aの座標に移動する」→(2)「カッターを下降する」→(3)「カッターを点cの座標に移動する」→(4)「カッターを上昇する」→(5)「カッターを点dの座標に移動する」→(6)「カッターを下降する」→(7)「カッターを点bの座標に移動する」。
S232の処理後、切断データメモリ234b3における切断データ60dを、S232の処理で変更されたデータに書き換え(S233)、この処理を終了する。
図23(c)は、重なり処理(S202)として、RFIDデータ60cやカットデータ60dの変更は行わず、RFIDタグTと切断線CLとが重なることを報知する処理を行う場合のフローチャートである。
この処理では、RFIDタグTと切断線CLとが重なることを報知した後(S241)、処理を終了する。なお、S241において行われる報知は、RFIDプリンタコントローラ200の表示部239への表示であってもよいし、重なり表示信号をPC100又はRFIDプリンタ1’へ送信することによって、PC100又はRFIDプリンタ1’における液晶ディスプレイなどの表示部に表示を行ってもよい。または、RFIDプリンタコントローラ200、PC100、又は、RFIDプリンタ1’において、文字による表示に代えてLEDを点滅するように構成してもよい。あるいは、RFIDプリンタコントローラ200、PC100、又は、RFIDプリンタ1’において、音声によって聴覚的に報知するように構成してもよい。この状態で、ユーザの操作によって、処理を中止するようにしてもよいし、印刷およびRFIDの貼付だけ行い切断は行わないようにしてもよい。
以上説明したように、切断機能を備えているRFIDプリンタ1’を制御する第4実施例のRFIDプリンタコントローラ200では、デザインデータDから変換して得られたRFIDプリンタデータ60において、切断線がRFIDタグTの貼付位置を横断するものであった場合に、RFIDタグTの貼付位置と切断線とが非交差となるように、RFIDデータ60cにおける貼付座標データ又は切断データ60dを変更する。その結果として、RFIDプリンタ1’において、貼付されたRFIDタグTが切断されることが防止され、その結果として、印刷物P1におけるRFIDタグTを正常に機能させることができる。
また、第4実施例のRFIDプリンタコントローラ200は、デザインデータDから変換して得られたRFIDプリンタデータ60において、切断線がRFIDタグTの貼付位置を横断するものであった場合に報知する(報知させる)ので、ユーザは、RFIDタグTと切断線とが交差していることを明確に認識できる。それによって、ユーザは、RFIDタグTを切断させないような何らかの対策を取ることが可能となり、その結果として、RFIDタグTの破損の抑制を図ることができる。
なお、請求項1記載の制御情報送信手段としては、図9のデータ制御処理におけるS5と、図14のデータ制御処理におけるS60と、図21のデータ制御処理におけるS5とが該当する。また、請求項1記載の入力データ受信手段としては、図9のデータ制御処理におけるS1と、図14のデータ制御処理におけるS52と、図21のデータ制御処理におけるS1の処理が該当する。また、請求項1記載の属性判断手段としては、図10のデータ変換処理(S4)におけるS11〜S14,S17〜S19と、図15のデータ変換処理(S59)におけるS74〜S77と、図18のデータ変換処理(S4)におけるS11〜S14,S17〜S19と、図22のデータ変換処理(S4)におけるS11〜S14とが該当する。また、請求項1記載の制御情報取得手段としては、図10のデータ変換処理(S4)におけるRFIDデータ変換処理(S15)と、図15のデータ変換処理(S59)におけるRFIDデータ変換処理(S15),S82,RFIDタグ生成フラグ234dがオフである場合(S73:No)に実行されるS83と、図18のデータ変換処理(S4)におけるRFIDデータ変換処理(S15)及び反転RFIDデータ変換処理(S101)と、図22のデータ変換処理(S4)におけるRFIDデータ変換処理(S15)とが該当する。また、請求項1記載の無線タグ取付情報としては、RFIDプリンタデータ60における「貼付座標データ」が該当する。
また、請求項4記載の属性指定手段としては、図13の属性指定処理が該当する。また、請求項5記載の制御指定手段としては、図17の文字オブジェクト変換処理を指定する処理が該当する。
また、請求項7記載の切断線交差検出手段としては、図21のデータ制御手段におけるS201が該当する。また、請求項7記載の非交差制御手段としては、図22(a)又は図22(b)の重なり処理(S202)が該当する。また、請求項10記載の交差報知手段としては、図22(c)の重なり処理(S202)が該当する。
また、請求項11記載の文字列情報取得手段としては、図11のRFIDデータ変換処理(S15)におけるS31と、図19の反転RFIDデータ変換処理(S15)におけるS111とが該当する。また、請求項12記載の書込制御情報としては、RFIDプリンタデータ60における「書込データ」が該当する。
また、請求項12記載の装置確認手段としては、図14のデータ制御処理におけるS54が該当し、報知手段としては、図14のデータ制御処理におけるS56が該当する。
また、請求項13記載の文字列印刷情報としては、図15のデータ変換処理(S59)において、「RFIDタグ生成フラグ234dがオフである場合(S73:No)に、S83の処理により得られる印刷データ」が該当し、マーク印刷情報としては、図15のデータ変換処理(S59)において、「S82の処理により得られる印刷データ」が該当する。また、請求項14記載の選択手段としては、図14のデータ制御処理における、S57,S63が該当する。
また、請求項15記載の制御情報送信ステップとしては、図9のデータ制御処理におけるS5と、図14のデータ制御処理におけるS60が該当する。また、請求項16記載の入力データ受信ステップとしては、図9のデータ制御処理におけるS1と、図14のデータ制御処理におけるS52とが該当する。また、請求項16記載の属性判断ステップとしては、図10のデータ変換処理(S4)におけるS11〜S14,S17〜S19と、図15のデータ変換処理(S59)におけるS74〜S77と、図18のデータ変換処理(S4)におけるS11〜S14,S17〜S19とが該当する。また、請求項16記載の制御情報取得ステップとしては、図10のデータ変換処理(S4)におけるRFIDデータ変換処理(S15)と、図15のデータ変換処理(S59)におけるRFIDデータ変換処理(S15),S82,RFIDタグ生成フラグ234dがオフである場合(S73:No)に実行されるS83と、図18のデータ変換処理(S4)におけるRFIDデータ変換処理(S15)及び反転RFIDデータ変換処理(S101)とが該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例では、「文字枠色属性」、「文字枠線種属性」、「文字枠線太さ属性」の3つの属性を有する文字オブジェクトをRFIDデータ60cに変換するように構成したが、RFIDデータ60cに変換するものとして設定される属性がこれらに限定されることを意味するものではない。例えば、文字オブジェクトの背景色属性や、文字オブジェクトの背景パターン(テクスチャ)属性だけでなく、文字オブジェクトの文字列の属性を設定するようにしてもよい。なお、文字オブジェクトの文字列の属性としては、文字フォントの種類、文字サイズ、文字修飾(例えば、Bold(太字)、斜体、網掛け、取消線、下線など)、文字色などが挙げられる。
また、上記実施例では、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを、RFIDデータ60cに変換するように構成したが、オブジェクト単位でRFIDデータ60cを生成するように構成してもよい。例えば、文字オブジェクトを全てRFIDデータ60cに変換したり、印刷を意図しない文字データである注釈オブジェクトをRFIDデータ60cに変換するように構成してもよい。
また、上記実施例では、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトを、RFIDデータ60cに変換し、その際、文字オブジェクトの文字列部分をRFIDタグTに対応付けるデータとしたが、これに換えて、RFIDデータ60cに変換される文字オブジェクトとして、予め指定された特定文字列を含む文字オブジェクトを、RFIDデータ60cに変換するようにしてもよい。例えば、「#RFID:」を特定文字列とした場合に、「#RFID:」を除く文字列がRFIDデータ60cにおける書込データに変換される。この場合には、特定文字列を除く文字列部分をRFIDタグTに対応付けるデータとすればよい。例えば、文字列「#RFID:http://www.xxx.co.jp」の場合、該文字列における「http://www.xxx.co.jp」部分がRFIDデータ60cにおける書込データに変換される。なお、この特定文字列を構成する文字数は限定されないが、書込データに変換すべき文字列部分との区別を明確にするために複数の文字列であることが好ましい。また、特定文字列を付加する位置は、RFIDタグTに対応付けるデータにすべき文字列部分を抽出できる位置であれば特に限定されないが、RFIDタグTに対応付けるデータにすべき文字列の先頭又は末尾であることが好ましい。
また、上記実施例では、「文字枠色属性」、「文字枠線種属性」、「文字枠線太さ属性」の3つの属性を1つの組として「属性群」としたが、属性群を構成する属性の数は1以上であればその数は限定されない。また、属性管理データ70の管理番号毎に、異なる属性の数の属性群を指定できるように構成してもよい。
また、上記実施例では、属性群を構成する属性が文字枠に関連する属性(文字枠色属性、文字枠線種属性、文字枠線太さ属性)の組で構成されているが、RFIDデータ60cに変換する属性として指定可能な属性として列挙した他の属性による指定や、オブジェクト単位での指定や、特定文字列の付加による指定を組み合わせて属性群としてもよい。また、属性管理データ70の管理番号毎に、異なる組み合わせの属性群を指定できるように構成してもよい。
また、上記実施例は、文字オブジェクトの位置座標を、文字オブジェクト領域における文字枠の左上端の座標としたが、文字オブジェクト領域内における他の位置(例えば、文字オブジェクト領域の重心や中心、文字オブジェクト領域における文字枠の他の角など)の座標としてもよい。
また、上記実施例では、RFIDデータ60cにおける貼付座標データを、RFIDタグTの左上端の座標としたが、RFIDタグTにおける他の位置(例えば、RFIDタグTの重心や中心、RFIDタグTの外周における他の角など)の座標としてもよい。
また、RFIDデータ60cにおける書込データは、RFID情報管理サーバ300における対応するデータの登録IDデータであるとしたが、RFIDタグTの記憶容量が十分大きい場合には、対応する文字オブジェクトの文字列データを書込データとしてもよい。
また、上記実施例では、RFIDプリンタコントローラ200は、PC100とRFIDプリンタ1との間に介在されるプリンタサーバとしたが、RFIDプリンタ1に内蔵されるプリンタサーバであってもよい。また、プリンタサーバを機能させるソフトウェア部分であってもよい。また、RFIDプリンタコントローラ200は、PC100にプリンタドライバとして組み込まれるものであってもよい。
また、上記実施例では、色を表す色データとしてCMYK値を用いるように構成したが、光の三原色(赤(R)、緑(G)、青(B))の組み合わせとして色を表示するRGB値を用いるように構成してもよい。
また、図7に示した属性管理データ70において、文字枠色属性にはCMYK値のみが格納されているが、RGB値を格納するように構成してもよいし、CMYK値とRGB値との両方を混在して格納するように構成してもよい。なお、必要に応じて、CMYK値からRGB値への変換、又は、RGB値からCMYK値への変換を行うように構成してもよい。
また、上記実施例において、RFIDプリンタコントローラ200は、PC100から受信したデザインデータDをデザインデータメモリ234aに格納し、データ制御処理(図9など)を行った後、変換により得られたデータをRFIDプリンタデータメモリ234bに格納した後に、RFIDプリンタデータをRFIDプリンタ1へ送信するものとして記載したが、PC100から受信したデザインデータDをデザインデータメモリ234aに格納することなく、データ制御処理(図9など)を行った後、変換により得られたデータをRFIDプリンタデータメモリ234bに格納することなく、RFIDプリンタデータをRFIDプリンタ1へ送信するようなものであってもよい。
また、上記実施例において、RFIDプリンタデータ60に変換されるデザインデータDは、RFIDプリンタコントローラ200が、デザインデータDを作成したPC100からI/F236を介して受信したものであった。それ以外に、RFIDプリンタコントローラ200のHDD240に予め記憶されているデザインデータDの中から、RFIDプリンタデータ60への変換を所望するデザインデータDを選択するように構成してもよいし、RFIDプリンタコントローラ200に備えつけられた非図示の記憶媒体読取装置により、記憶媒体(CD−Rやフレキシブルディスクなど)に記憶されているデザインデータDを読み込むように構成してもよい。
また、上記実施例では、RFIDプリンタデータ60が、ヘッダ情報60aと印刷データ60bとRFIDデータ60cとから構成されるものであるとしたが、ヘッダ情報60aと、印刷データ60b又はRFIDデータ60cのいずれかとから構成されるものであってもよい。即ち、デザインデータDにおいて、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトが含まれていなければ、ヘッダ情報60aと印刷データ60bとから構成されるRFIDプリンタデータ60がRFIDプリンタ1へ送信される。一方で、属性管理データ70により管理される属性群を含む文字オブジェクトのみで構成されるデザインデータDは、ヘッダ情報60aとRFIDデータ60cとから構成されるRFIDプリンタデータ60に変換される。
また、図1には、RFIDプリンタコントローラ200であるプリンタサーバに、1台のPC100が接続された状態が図示されているが、複数台のPC100がネットワークを介して接続されるように構成されていてもよい。
また、図1には、RFIDプリンタコントローラ200であるプリンタサーバに、1台のRFIDプリンタ1が接続されている状態が図示されているが、複数台のRFIDプリンタ1を接続するように構成してもよい。その場合、RFIDプリンタ1と印刷のみを行うプリンタとを混在させて接続してもよい。
また、属性管理メモリ240aを備える不揮発性メモリとして、HDD240を例示したが、他の不揮発性メモリ、例えば、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などであってもよい。