JP4552464B2 - エレベータシステム及びその群管理制御装置 - Google Patents

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本発明は、複数のかごの中から乗り場へ移動させるべき1つのかごを選択するかご割り当て動作を行なう群管理制御装置及びこれを具えたエレベータシステムに関するものである。
近年、ニューラルネットワークの出力結果に基づいてかご割り当てを行なうエレベータシステムの開発が進められており、出願人は、この種のエレベータシステムを多数提案している(特許文献1〜5)。
図27は、出願人が提案する1つのエレベータシステムの構成を表わしており、該エレベータシステムは、かご割り当て規則を規定したファジィルールについて学習を行なうことによりニューラルネットワークの重み係数を最適値に設定するものである。
該エレベータシステムは、図示の如く、4台のエレベータ(5)(5)(5)(5)と、複数階の乗り場に設けられた複数の乗り場呼び装置(1つの乗り場呼び装置のみ図示)(6)と、乗り場呼び装置(6)に対し操作があったときに前記4台のエレベータのかご(50)(50)(50)(50)の中から該操作のあった乗り場に移動させるべき1つのかごを選択するかご割り当て動作を実行する群管理制御装置(4)とから構成されている。
4台のエレベータ(5)(5)(5)(5)は夫々、運行制御装置(51)を具えており、運行制御装置(51)によってかご(50)の昇降動作が制御されている。又、該エレベータシステムにおいては、乗り場でアップ或いはダウンの走行方向を指定する方式(以下、アップダウン登録方式という)が採用されており、乗り場呼び装置(6)は、アップボタン及びダウンボタンを具えている。
群管理制御装置(4)は、前記4台のエレベータ(5)(5)(5)(5)及び複数の乗り場呼び装置(6)と通信を行なう通信処理部(41)と、ファジィルールに従ってかご割り当て動作を実行するファジィ推論部(42)と、ニューラルネットワークによるかご割り当て動作を実行するニューラルネットかご割り当て部(43)と、該ニューラルネットワークの学習を行なう学習部(44)とを具えている。ニューラルネットワークは、図28に示す如く入力層、中間層及び出力層から構成されており、入力層は、後述の如く通信処理部(41)から得られるシステム状態データに含まれる情報数にファジィ推論部(42)から得られるファジィ割り当て信号の1つを加えた数のニューロンから構成されている。又、中間層は、かご数やビルの性質に応じた数のニューロンから構成され、出力層は、かご数と同じ4つのニューロンから構成されている。
群管理制御装置(4)においては、エレベータ群の運行開始後、ニューラルネットワークの未完成時には、ファジィ推論部(42)によりかご割り当て動作が行なわれ、同時に、学習部(44)にてファジィルールについての学習が行なわれてニューラルネットワークの重み係数が最適値に設定される。その後、重み係数が最適値に設定されたニューラルネットワークがニューラルネットかご割り当て部(43)に供給され、該ニューラルネットかご割り当て部(43)によりかご割り当て動作が行なわれる。
エレベータ群の運行開始後、ニューラルネットワークが完成するまでは、前記複数の乗り場呼び装置の何れかの乗り場呼び装置(6)に対して操作が行なわれたとき、該乗り場呼び装置(6)から乗り場呼び情報信号が群管理制御装置(4)の通信処理部(41)に供給され、通信処理部(41)は、該信号を受けて、各エレベータ(5)の運行制御装置(51)から、かごの現在位置、かごの走行方向、ドアの開閉状態、荷重量、かご内で乗客に指定されている行き先階などを表わすかご状態情報信号を取得する。尚、かご内で乗客に指定されている行き先階の情報は、かご(50)からのかご呼び情報信号から得られる。通信処理部(41)では、前記乗り場呼び情報信号及びかご状態情報信号からシステム状態データが作成されて、ファジィ推論部(42)及び学習部(44)に供給される。
ファジィ推論部(42)では、予め規定されているファジィルール及び前記システム状態データに基づいて4つのかごの中から1つのかご(50)が選択され、該かご(50)を乗り場呼び装置(6)に対し操作のあった乗り場に移動させるべき旨のファジィかご割り当て信号が作成される。作成されたかご割り当て信号は、通信処理部(41)を介して、前記選択されたかご(50)の昇降動作を制御する運行制御装置(51)に供給され、該運行制御装置(51)は、そのかご割り当て信号に応じてかご(50)の昇降動作を制御する。この結果、該かご(50)が乗り場呼び装置(6)に対し操作のあった乗り場に移動することになる。
又、上述の如くファジィ推論部(42)にて作成されたファジィかご割り当て信号は、学習部(44)及びニューラルネットかご割り当て部(43)に供給される。
学習部(44)では、該かご割り当て信号と前記システム状態データとに基づいて、ニューラルネットの学習に必要な学習用サンプルデータを作成し、作成した学習用サンプルデータを内蔵メモリに格納する。
上述の如くファジィ推論部(42)によりかご割り当て動作が実行される度に学習部(44)により学習用サンプルデータが作成されて内蔵メモリに格納され、その後、所定数の学習用サンプルデータが収集されたとき、学習部(44)では、それらの学習用サンプルデータを用いて、後述のバックプロパゲーションと称される自律的学習アルゴリズムに従いニューラルネットワークの学習が行なわれる。
即ち、先ず、図29に示すニューラルネットワークの全ての重み係数を初期値に設定して、学習用サンプルデータを構成する学習用入力データを入力層を構成する複数のニューロンに入力する。このときに出力層を構成する複数のニューロンから得られる出力信号と、学習用サンプルデータを構成する学習用出力データ(教師信号)とを比較し、その差(誤差)が小さくなるように重み係数を出力層側から順に修正する。その後、誤差が収束するまで、収集された複数の学習用サンプルデータを用いてこの処理を繰り返す。この様にして、ニューラルネットワークの重み係数がファジィルールに応じた最適値に設定されることになる。
学習部(44)でニューラルネットワークの学習が行なわれると、重み係数が最適値に設定されたニューラルネットワークはニューラルネットかご割り当て部(43)に供給され、その後、該ニューラルネットかご割り当て部(43)によってかご割り当て動作が実行される。
乗り場呼び装置(6)に対して操作が行なわれたとき、上述の如く通信処理部(41)にて作成されたシステム状態データは、ニューラルネットかご割り当て部(43)に供給される。
ニューラルネットかご割り当て部(43)では、該システム状態データとファジィ推論部(42)からのファジィかご割り当て信号が、図28に示すニューラルネットワークの入力層に入力され、中間層を経て出力層に伝わる。出力層を構成する4つのニューロンからはそれぞれ割り当て評価値が出力され、上述の4つのかごの中から、割り当て評価値が最大のニューロンに対応するかご(50)が選択されて、該かご(50)を乗り場呼び装置(6)に対し操作のあった乗り場に移動させるべき旨のかご割り当て信号が作成される。作成されたかご割り当て信号は、通信処理部(41)を介して、前記選択されたかご(50)の昇降動作を制御する運行制御装置(51)に供給され、該運行制御装置(51)は、そのかご割り当て信号に応じてかご(50)の昇降動作を制御する。この結果、該かご(50)が乗り場呼び装置(6)に対し操作のあった乗り場に移動することになる。
特公平7−5253号公報 特公平7−64490号公報 特許第2867849号公報 特許第2500407号公報 特許第3060879号公報
ところで、乗り場で行き先階を指定する方式(以下、行き先階登録方式)を採用して図27に示すエレベータシステムを構築する場合には、ニューラルネットワークの学習に用いられるファジィルールとして、上記従来のアップダウン登録方式のエレベータシステムに用いられるファジィルールよりも複雑なファジィルールを作成する必要がある。従って、最適なかご割り当て動作の実行が可能な理想的なファジィルールを作成するためには、専門家の知識と多大な労力が必要となる。
本発明の目的は、人手により理想的なファジィルールを作成せずとも、最適なかご割り当て動作の実行が可能なニューラルネットワークを作成することが出来るエレベータシステムを提供することである。
本発明に係るエレベータシステムは、複数のかごを具えたエレベータ群と、該エレベータ群に接続され、乗り場にてかごを呼ぶための操作が行なわれたときに前記複数のかごの中から乗り場へ移動させるべき1つのかごを選択するかご割り当て動作を行なう群管理制御装置とを具え、群管理制御装置は、かご割り当て動作を実行するニューラルネットワーク手段と、該ニューラルネットワーク手段の重み係数を最適化する重み係数最適化手段とを具えている。そして、該重み係数最適化手段は、
エレベータ群の利用状況を表わす交通情報データと所定のかご割り当て規則とに基づいて、1或いは複数のニューラルネットワークの学習に必要な1或いは複数の学習用サンプルデータを作成するデータ作成手段と、
作成された1或いは複数の学習用サンプルデータを用いて、エレベータ群の構成に応じた1或いは複数のニューラルネットワークの学習を行なうことにより1つのニューラルネットワークを作成するニューラルネットワーク作成手段と、
進化的計算法に従って、前記作成されたニューラルネットワークの重み係数の最適値を探索する最適値探索手段と、
最適値探索手段の探索結果に基づいて、前記ニューラルネットワーク手段の重み係数を最適化する最適化処理手段
とを具えている。
上記本発明に係るエレベータシステムにおいては、先ず、エレベータ群の構成に応じた1或いは複数のニューラルネットワークの学習を行なうことにより1つのニューラルネットワークが作成される。ここで、学習は、交通情報データ及び所定のかご割り当て規則に基づいて作成された学習用サンプルデータを用いて行なわれるので、エレベータ群の利用状況に応じた、所定のかご割り当て規則と同レベルのかご割り当て動作が可能なニューラルネットワークが作成されることになる。所定のかご割り当て規則としては、例えば、従来より存在する経験則を採用することが出来る。又、学習用サンプルデータは、例えばエレベータシミュレーションの実行により作成することが出来る。
その後、進化戦略(Evolution Strategy:以下、ESという)や遺伝的アルゴリズム(Genetic
Algorithm)等の進化的計算法(長尾智晴著「最適化アルゴリズム」株式会社昭晃堂出版)に従って、作成されたニューラルネットワークの重み係数の最適値が探索され、その探索結果に基づいてニューラルネットワーク手段の重み係数が最適化される。従って、ニューラルネットワーク手段は、前記所定のかご割り当て規則よりも高レベルのかご割り当て動作を行なうことが可能となり、乗り場にてかごを呼ぶための操作が行なわれたときに、複数のかごの中から最適なかごを選択して該乗り場に移動させることが出来る。
具体的には、前記重み係数最適化手段は、重み係数の最適化処理を繰り返すものであって、前記データ作成手段は、エレベータ群の運行中にエレベータ群の運行情報データを収集し、該運行情報データから交通情報データを作成するデータ処理手段を具えている。
上記具体的構成においては、エレベータ群の運行中に収集された運行情報データから交通情報データが作成され、該交通情報データに基づいてニューラルネットワーク手段の重み係数を最適化する処理が繰り返されるので、常にエレベータ群の利用状況に応じた最適な運行制御を行なうことが出来る。
又、具体的には、前記データ作成手段は、交通情報データに対し、エレベータ群にかかる負荷の増大を招くこととなる加工を施すデータ加工手段を具え、該加工データに基づいて1或いは複数の学習用サンプルデータを作成する。
上記具体的構成においては、交通情報データに対してエレベータ群にかかる負荷の増大を招くこととなる加工が施され、該加工データに基づき作成された学習用サンプルデータがニューラルネットワークの学習に用いられるので、その後の最適値探索処理においてより最適な値を探索することが出来、より最適な運行制御を行なうことが出来る。このことは、後述のシミュレーションにより確認されている。
又、具体的には、前記データ作成手段は、前記加工データに所定の演算処理を施して複数の加工データを作成し、これら複数の加工データに基づいて複数の学習用サンプルデータを作成する。
上記具体的構成においては、複数の学習用サンプルデータがニューラルネットワークの学習に用いられるので、その後の最適値探索処理においてより最適な値を探索することが出来、より最適な運行制御を行なうことが出来る。このことは、後述のシミュレーションにより確認されている。
又、具体的には、前記ニューラルネットワーク作成手段は、入力層、中間層及び出力層からなる1つのニューラルネットワークを作成するものであって、前記最適値探索手段は、該ニューラルネットワークの中間層及び出力層間の複数の重み係数の最適値を探索する。
ニューラルネットワーク作成手段によって作成されたニューラルネットワークの重み係数は、学習により前記所定のかご割り当て規則に応じた値に設定されている。そこで、上記具体的構成においては、中間層及び出力層間の重み係数のみを最適値探索処理の対象とする。これによって、最適値を探索すべき次元数が減少し、最適値の探索が容易となる。
又、具体的には、前記ニューラルネットワーク作成手段は、前記学習時には、入力層を構成する各ニューロンと中間層を構成する複数のニューロンの間の重み係数の内、少なくとも1つの重み係数をゼロよりも大きな所定値に固定する。
仮に従来のようにニューラルネットワークの全ての重み係数を可変に設定して学習を行なった場合、その後、中間層及び出力層間の重み係数のみを対象とする上述の最適値探索処理において、入力層に入力された情報の内、前記所定のかご割り当て規則による割り当て動作に特化した情報のみが中間層に伝わって、最適値の探索に必要な情報が伝わらず、最適値を探索することが出来ない。
そこで、上記具体的構成においては、入力層を構成する各ニューロンと中間層を構成する複数のニューロンの間の重み係数の内、少なくとも1つの重み係数をゼロよりも大きな所定値に固定して学習が行なわれる。これによって、その後の最適値探索処理において、入力層に入力された情報が漏れなく中間層に伝わり、最適値を探索することが出来る。
又、具体的には、前記ニューラルネットワーク作成手段は、2つのニューラルネットワークを互いに結合させて1つのニューラルネットワークを作成するものであって、
第1ニューラルネットワークの入力層及び中間層間の複数の重み係数と中間層及び出力層間の複数の重み係数とを可変に設定して、前記学習を行なう第1学習手段と、
第2ニューラルネットワークの入力層を構成する各ニューロンと中間層を構成する複数のニューロンの間の複数の重み係数の内、少なくとも1つの重み係数をゼロよりも大きな所定値に固定すると共に、中間層及び出力層間の複数の重み係数を可変に設定して、前記学習を行なう第2学習手段と、
学習後の第1ニューラルネットワークと学習後の第2ニューラルネットワークとを互いに結合させて1つのニューラルネットワークを作成する結合手段
とを具えている。
上記具体的構成においては、第1学習手段によって、第1ニューラルネットワークの入力層及び中間層間の重み係数と中間層及び出力層間の重み係数とが前記所定のかご割り当て規則に応じた値に設定される。又、第2学習手段によって、第2ニューラルネットワークの中間層及び出力層間の重み係数が前記所定のかご割り当て規則に応じた値に設定される。ここで、第2ニューラルネットワークの学習は、入力層を構成する各ニューロンと中間層を構成する複数のニューロンの間の重み係数の内、少なくとも1つの重み係数をゼロよりも大きな所定値に固定して行なわれるので、該少なくとも1つの重み係数は該所定値に設定されている。
その後、上述の第1ニューラルネットワークと第2ニューラルネットワークとを互いに結合させて1つのニューラルネットワークが作成される。この様にして、入力層の各ニューロンと中間層の複数のニューロンの間の少なくとも1つの重み係数がゼロよりも大きな所定値に設定されているニューラルネットワークが作成されることになる。
又、具体的には、前記最適値探索手段は、データ加工手段から得られた加工データを用いて前記複数のかごの昇降動作のシミュレーションを行なうことにより前記複数の重み係数の最適値を探索する。
上記具体的構成においては、エレベータ群にかかる負荷の増大を招くこととなる加工を施した加工データが最適値探索処理に用いられるので、より最適な値を探索することが出来、より最適な運行制御を行なうことが出来る。このことは、後述のシミュレーションにより確認されている。
更に具体的には、前記データ加工手段は、交通情報データに対し、エレベータ群にかかる負荷の増大を招くこととなる加工を施すと共に、乗客数が多い時間を短くする一方、乗客数が少ない時間を長くするための加工を施す。
上記具体的構成においては、乗客数が多い時間を短くする一方、乗客数が少ない時間を長くするための加工を施した加工データが最適値探索処理に用いられるので、乗客数の多い時間帯に拘わらず、常に最適な運行制御を行なうことが出来る。このことは、後述のシミュレーションにより確認されている。
更に又、具体的には、前記最適値探索手段は、ニューラルネットワークの中間層及び出力層間の複数の重み係数の組合せを1つの個体として、進化的計算法に含まれる進化戦略に従い前記複数の重み係数の最適値を探索するものであって、
複数の親個体から複数の子個体を生成する生成手段と、
前記複数の親個体及び前記複数の子個体について夫々、前記シミュレーションを行なうことにより、エレベータ群の運行に関する1或いは複数種類の評価値を導出する評価値導出手段と、
前記複数の親個体について導出された1或いは複数種類の評価値に夫々、評価を高めるための演算処理を施す演算処理手段と、
前記演算処理の施された1或いは複数種類の評価値と、前記複数の子個体について導出された1或いは複数種類の評価値とを比較し、その比較の結果に基づいて、前記複数の親個体及び前記複数の子個体の中から複数の個体を次世代の親個体として選択する選択手段
とを具えている。
仮に、親個体について導出された評価値に評価を高めるための演算処理を施すことなく親個体についての評価値と子個体についての評価値とを比較し、その比較結果に基づいて評価の高い個体を生き残らせる構成を採用した場合には、ある場面では親個体よりも高い評価が得られるが他の多くの場面では親個体よりも評価の低い子個体が偶然に生き残り、ある場面では最適な運行制御を行なうことが出来るが他の多くの場面では最適なエレベータ制御が出来ないという事態が発生する。
そこで、上記具体的構成においては、親個体についての評価値には評価を高めるための演算処理が施される。そして、演算処理の施された評価値と子個体についての評価値とが比較され、その比較結果に基づいて、複数の親個体及び複数の子個体の中から次世代の親個体として複数の個体が選択される。その後、選択された複数の親個体から複数の子個体が生成される。この様にして子個体の生成が繰り返され、親個体を含めた全ての個体の中から最良の個体が前記複数の重み係数の最適値の組合せとして選択される。
本発明に係るエレベータシステムによれば、人手により理想的なファジィルールを作成せずとも、最適なかご割り当て動作の実行が可能なニューラルネットワークを作成することが出来る。
以下、本発明の実施の形態について、図面に沿って具体的に説明する。尚、以下では、4台のエレベータ(2)(2)(2)(2)を具えた図1に示すエレベータシステムについて説明するが、2台、3台或いは5台以上のエレベータを具えたエレベータシステムについても同様に実施可能である。
本発明に係るエレベータシステムは、図1に示す如く、4台のエレベータ(2)(2)(2)(2)と、複数階の乗り場に設けられた複数の乗り場呼び装置(1つの乗り場呼び装置のみ図示)(3)と、乗り場呼び装置(3)に対し操作があったときに、前記4台のエレベータ(2)(2)(2)(2)のかご(20)(20)(20)(20)の中から該操作のあった乗り場に移動させるべき1つのかごを選択するかご割り当て動作を実行する群管理制御装置(1)とから構成されている。
4台のエレベータ(2)(2)(2)(2)は夫々、運行制御装置(21)を具えており、かご(20)は運行制御装置(21)によって昇降動作が制御されている。
又、本発明に係るエレベータシステムにおいては、行き先階登録方式が採用されており、乗り場呼び装置(3)は、階床を表わす複数のボタンを具えている。
群管理制御装置(1)は、前記4台のエレベータ(2)(2)(2)(2)及び複数の乗り場呼び装置(3)と通信を行なう通信処理部(11)と、乗り場呼び装置(3)に対し操作が行なわれたときにニューラルネットワークによるかご割り当て動作を実行するニューラルネットかご割り当て部(12)とを具えている。該ニューラルネットワークは、図2に示す如く入力層、中間層及び出力層から構成されており、入力層は、後述の如く通信処理部(11)から得られるシステム状態データに含まれる情報数に応じた数のニューロンから構成されている。又、出力層は、かご数と同数、即ち4つのニューロンから構成されている。更に、中間層は、かご数やビルの性質に応じた数のニューロンからなる第1ニューロン群と、入力層と同数のニューロンからなる第2ニューロン群とから構成されており、入力層の各ニューロンは、中間層の第1ニューロン群を構成する複数のニューロンと結合すると共に、中間層の第2ニューロン群を構成する1つのニューロンと結合している。
又、図1に示す群管理制御装置(1)は、エレベータ群の運行中に運行データを収集して該運行データから後述の交通データを作成する交通データ処理部(13)と、該交通データを用いて前記4つのかご(20)(20)(20)(20)の昇降動作を経験則に従いシミュレートする経験則割り当てエレベータシミュレーション部(14)と、最適なニューラルネットワークを作成する最適化処理部(15)と、最適化処理部(15)によって作成されたニューラルネットワークが登録されるネット管理データベース(16)と、作成されたニューラルネットワークの性能を検証するニューラルネット検証部(17)とを具えている。尚、経験則としては、例えばACA(Adaptive
Call Allocation)アルゴリズムが採用可能である(G.C.Barney, S.M.dos Santos: Lift Traffic
Analysis Design and Control, Peter Peregrinus Ltd., 1977)。
最適化処理部(15)は、後述の如く2つのニューラルネットワークから1つの初期ニューラルネットワークを作成する初期ニューラルネット作成部(151)と、前記経験則割り当てエレベータシミュレーション部(14)から得られる複数種類の学習用サンプルデータを用いて前記2つのニューラルネットワークの学習を行なう学習部(152)と、前記初期ニューラルネット作成部(151)によって作成されたニューラルネットワークにより前記4つのかごの昇降動作をシミュレートするニューラルネット割り当てエレベータシミュレーション部(153)と、ESに従って該ニューラルネットワークの重み係数を最適化するES最適化部(154)とを具えている。
上記エレベータシステムにおいては、群管理制御装置(1)のニューラルネットかご割り当て部(12)の重み係数を初期値に設定した状態でエレベータ群の運行が開始される。ここで、初期値としては、経験則よりも適切なかご割り当てが行なわれるであろうと考えられる値が採用される。
その後、図3に示す如く1週間分の運行データが採取され、次の1週間で該運行データに基づき最適なニューラルネットワーク1が作成されてニューラルネットかご割り当て部(12)に設定され、その後の1週間は、ニューラルネットワーク1によりかご割り当て動作が実行されると共に、ニューラルネットワーク1の作成処理中に採取された1週間分の運行データに基づいてニューラルネットワーク2が作成される。次の1週間は、該ニューラルネットワーク2によりかご割り当て動作が実行されると共に、ニューラルネットワーク2の作成処理中に採取された1週間分の運行データに基づいてニューラルネットワーク3が作成される。更に次の1週間は、該ニューラルネットワーク3によりかご割り当て動作が実行されると共に、ニューラルネットワーク3の作成処理中に採取された1週間分の運行データに基づいてニューラルネットワーク4が作成される。この様にして、ニューラルネットかご割り当て部(12)のニューラルネットワークが1週間の周期で更新される。但し、新たに作成されたニューラルネットワークが所定レベル以上の性能を有しない場合には、ニューラルネットかご割り当て部(12)のニューラルネットワークは更新されず、前の週に引き続いて、前回に作成されたニューラルネットワークによりかご割り当て動作が実行される。
かごの割り当て
図1に示すエレベータシステムにおいては、前記複数の乗り場呼び装置の何れかの乗り場呼び装置(3)に対して操作が行なわれたとき、該乗り場呼び装置(3)から乗り場呼び情報信号が群管理制御装置(1)の通信処理部(11)に供給され、通信処理部(11)は、該信号を受けて、各エレベータ(2)の運行制御装置(21)から、かごの現在位置、かごの走行方向、ドアの開閉状態、荷重量、かご内で乗客に指定されている行き先階などを表わすかご状態情報信号を取得する。尚、かご内で乗客に指定されている行き先階の情報は、かご(20)からのかご呼び情報信号から得られる。通信処理部(11)では、前記乗り場呼び情報信号及びかご状態情報信号からシステム状態データが作成されて、ニューラルネットかご割り当て部(12)に供給される。
ニューラルネットかご割り当て部(12)では、前記システム状態データが、図2に示すニューラルネットワークの入力層に入力され、中間層を経て出力層に伝わる。出力層を構成する4つのニューロンからはそれぞれ割り当て評価値(例えば、割り当てかごについての評価値=1、他の3つのかごについての評価値=0)が出力され、上述の4つのかごの中から、割り当て評価値が最大のニューロンに対応するかごが選択されて、該かご(20)を乗り場呼び装置(3)に対し操作のあった乗り場に移動させるべき旨のかご割り当て信号が作成される。作成されたかご割り当て信号は、通信処理部(11)を介して、前記選択されたかご(20)の昇降動作を制御する運行制御装置(21)に供給され、該運行制御装置(21)は、そのかご割り当て信号に応じてかご(20)の昇降動作を制御する。この結果、該かご(20)が乗り場呼び装置(3)に対し操作のあった乗り場に移動することになる。
ニューラルネットかご割り当て部(12)の更新
図4は、上記群管理制御装置(1)において上述のニューラルネットかご割り当て部(12)のニューラルネットワークを更新する際に実行される一連の処理を表わしている。以下、各処理について具体的に説明する。
(1) 交通データの作成
エレベータ群の運行中、図1に示す通信処理部(11)は、4つの運行制御装置(21)(21)(21)(21)から得られるかご状態情報信号及び複数の乗り場呼び装置(3)から得られる乗り場呼び情報信号に基づき運行データを作成して、交通データ処理部(13)に供給する。
交通データ処理部(13)は、前記通信処理部(11)から1週間分の運行データが供給されると、該運行データに基づいて、その1週間の中で最も乗客数の多い日を選出する。ここで、乗客数は、かごの荷重や押下されている行き先階ボタン数から推測される。例えば図5に示す如く乗客数が変化した週には、水曜日が選出される。
次に、上述の如く選出した日の24時間の中で乗客数が最多となる連続した12時間を選出する。例えば図6に示す如く乗客数が変化した日には、図中に矢印で示す12時間が選出される。
その後、上述の如く選出した12時間を図7に示す如く36分割して20分毎の乗客数を表わす乗客数表データを作成すると共に、20分毎に1階から2階へ、1階から3階へ・・・と1つの階床から他の階床へ移動した乗客の割合を表わす表(OD表)データを作成し、乗客数表データ及びOD表データを交通データとして図1に示す経験則割り当てエレベータシミュレーション部(14)に供給する。
(2) 交通データの加工
経験則割り当てエレベータシミュレーション部(14)は、前記乗客数表データに対し、エレベータ群にかかる負荷の増大を招くこととなる後述の加工を施して、基準交通データを作成する。
即ち、乗客数表データ及びOD表データを用いて経験則に従い前記4つのかごの昇降動作をシミュレートし、これによって得られる乗客の平均待ち時間が50〜60秒となる様に乗客数表データに倍率をかける。この結果、例えば20分毎の乗客数が図8に示す如く変化する乗客数表データは、図9に示す如く乗客数の増大した基準交通データに加工されることになる。
次に、基準交通データに対し、乗客数と時間との乗算値が一定値となる様に時間幅を増減させる加工を施して、ES最適化用交通データを作成する。例えば20分毎の乗客数が図9に示す如く変化する基準交通データは、図10に示す如く時間幅が変化したES最適化用交通データに加工される。作成されたES最適化交通データは、ニューラルネット割り当てエレベータシミュレーション部(153)に供給される。
(3) 学習用サンプルデータの作成
又、経験則割り当てエレベータシミュレーション部(14)は、前記基準交通データにr(r<1、例えば0.5)、1.0、r(r>1、例えば1.5)を乗算して3種類の学習用交通データを作成した後、各学習用交通データを用いて経験則に従い前記4つのかごの昇降動作をシミュレートすることによって、後述の如く作成される2つのニューラルネットワークの学習用サンプルデータを作成する。ここで、学習用サンプルデータは、前記ニューラルネットかご割り当て部(12)のニューラルネットワークに対する入力信号であるシステム状態データと、該ニューラルネットワークの出力信号である4つの割り当て評価値とから構成されている。作成された3種類の学習用サンプルデータは、図1に示す学習部(152)に供給される。
(4) 2つのニューラルネットワークの作成
第1ニューラルネットワーク
学習部(152)は、エレベータ群の構成に応じて、図11に示す如く入力層、中間層及び出力層からなる第1ニューラルネットワークを作成する。ここで、該ニューラルネットワークの入力層は、前記システム状態データに含まれる情報数に応じた数のニューロンから構成され、中間層は、かご数やビルの性質に応じた数のニューロンから構成される。又、出力層は、かご数と同じ4つのニューロンから構成される。
その後、学習部(152)は、前記3種類の学習用サンプルデータを用いて、バックプロパゲーションに従い第1ニューラルネットワークの学習を行なう。このとき、入力層及び中間層間と中間層及び出力層間の全ての重み係数を可変に設定する。この様にして、それらの重み係数が経験則に応じた最適値に設定されて、第1ニューラルネットワークは、経験則と同レベルのかご割り当て機能を有することになる。その後、作成された第1ニューラルネットワークは、初期ニューラルネット作成部(151)に供給される。
第2ニューラルネットワーク
又、学習部(152)は、エレベータ群の構成に応じて、図12に示す如く入力層、中間層及び出力層からなる第2ニューラルネットワークを作成する。ここで、第2ニューラルネットワークの入力層は、前記システム状態データに含まれる情報数に応じた数のニューロンから構成され、出力層は、かご数と同じ数のニューロンから構成されている。又、中間層は、入力層と同数のニューロンから構成されている。
その後、学習部(152)は、前記3種類の学習用サンプルデータを用いて、バックプロパゲーションに従い第2ニューラルネットワークの学習を行なう。このとき、図13に示す例では、入力層を構成する各ニューロンと中間層を構成する4つののニューロンとの間の4つの重み係数の内、図中に実線で表わす1つの結合の重み係数をゼロよりも大きな所定値に固定し、図中に破線で表わす3つの結合の重み係数をゼロに固定する。一方、図12に示す中間層及び出力層間の全ての重み係数を可変に設定する。この結果、中間層及び出力層間の重み係数が経験則に応じた最適値に設定されて、第2ニューラルネットワークは、経験則と同レベルのかご割り当て機能を有することになる。その後、作成された第2ニューラルネットワークは、初期ニューラルネット作成部(151)に供給される。
(5) 初期ニューラルネットワークの作成
次に、初期ニューラルネット作成部(151)は、図11に示す第1ニューラルネットワークの中間層を構成する複数のニューロンを第1ニューロン群、図12に示す第2ニューラルネットワークの中間層を構成する複数のニューロンを第2ニューロン群として、両ニューラルネットワークを互いに結合させることにより、図14に示す初期ニューラルネットワークを作成する。この様にして作成された初期ニューラルネットワークは、図1に示すニューラルネット割り当てエレベータシミュレーション部(153)に供給される。
(6) ESによる最適化処理
ES最適化部(154)及びニューラルネット割り当てエレベータシミュレーション部(153)は、上述のES最適化用交通データを用いて、前記初期ニューラルネットワークの中間層及び出力層間の重み係数をESに従い最適化する。
図15は、ES最適化部(154)及びニューラルネット割り当てエレベータシミュレーション部(153)が実行する最適化手続きを表わしている。先ずステップS1では、初期ニューラルネットワークの中間層及び出力層間の複数の重み係数の組合せを1つの個体としてμ個(例えばμ=7)の初期親個体を作成する。ここで、全ての初期親個体は上述の最適値の組合せから構成される。次にステップS2では、μ個の初期親個体について順次、ES最適化用交通データに基づき乗客を発生させながらシミュレーションを実行することにより乗客の平均待ち時間を取得する。ここで、乗客発生系列は、シミュレーションを行なう度に変化させる。その後、ステップS3では、前記μ個の初期親個体について取得した平均待ち時間の評価を行なう。
続いてステップS4では、前記評価結果に基づいて、組換え操作によりμ個の親個体からλ個(例えばλ=63)の子個体を生成した後、ステップS5では、突然変異操作により前記λ個の子個体を異なるλ個の子個体に変化させる。
次にステップS6では、μ個の親個体及びλ個の子個体について順次、ES最適化用交通データに基づき乗客を発生させながらシミュレーションを実行することにより乗客の平均待ち時間を取得する。ここで、乗客発生系列は、シミュレーションを行なう度に変化させる。その後、ステップS7にて、前記μ個の親個体及びλ個の子個体について取得した平均待ち時間の評価を行なう。
更にステップS8では、前記μ個の親個体及びλ個の子個体から平均待ち時間の短いμ個の個体を次世代の親個体として選択する。ここで、μ個の親個体についてはそれぞれ前記取得された平均待ち時間から所定時間が減算され、その結果得られた平均待ち時間とλ個の子個体について前記取得された平均待ち時間とが比較される。この様に、親個体についての評価値(平均待ち時間)に評価を上げるための処理を施す理由は、次の通りである。
例えば、子個体A及び親個体Bについて夫々、4つの乗客発生系列でシミュレーションを行なった場合に図16に黒丸で示す大きさの評価値が得られるものとする。ある乗客発生系列で子個体Aについて評価値aが得られる共に親個体Bについて評価値bが得られた場合、他の3つの乗客発生系列では親個体Bの方が成績が良いにも拘わらず、子個体Aの方が成績が良いと判断されて子個体Aが次世代の親個体として生き残ることになる。この様に、ある乗客発生系列では親個体よりも高い評価が得られるが他の多くの乗客発生系列では親個体よりも評価の低い子個体が偶然に生き残ると、ある乗客発生系列では最適なエレベータ制御を行なうことが出来るが他の多くの乗客発生系列では最適なエレベータ制御が出来ないという事態が発生する。そこで、親個体についての評価値には評価を高めるための処理が施される。図16の例では、親個体Bについての評価値に図17にハッチングで示す如く評価を上げるための処理が施され、これによって、上述の如く子個体Aについて評価値a、親個体Bについて評価値bが得られる乗客発生系列でも親個体Bの方が成績が良いと判断されることになる。
次に図15のステップS9では、個体の世代数が所定数(例えば40)に達したか否かにより探索を終了するか否かを判断し、ノーの場合には、ステップS4に戻って子個体の生成を繰り返す。その後、個体の世代数が前記所定数に達すると、ステップS10に移行し、全世代の個体から平均待ち時間の最も短い最良の個体を選択して、手続きを終了する。
上記手続きの終了後、初期ニューラルネットワークの中間層及び出力層間の重み係数を前記最良個体に応じた値に設定する。この様にして、経験則よりもレベルの高いかご割り当て動作が可能なニューラルネットワークが完成し、該ニューラルネットワークは図1に示すネット管理データベース(16)に登録される。
(7) ニューラルネットワークの性能検証
ニューラルネット検証部(17)では、上述の如く作成されたニューラルネットワークをネット管理データベース(16)から読み出して、該ニューラルネットワークの性能を検証する。
交通データ処理部(13)は、上述の如く通信処理部(11)から1週間分の運行データが供給されたとき、その1週間の中で乗客数の多い5日を選出し、各日について乗客数表データ及びOD表データを作成して経験則割り当てエレベータシミュレーション部(14)に供給する。経験則割り当てエレベータシミュレーション部(14)は、各日について、上記同様にして乗客数表データ及びOD表データに基づき基準交通データを作成する。作成された5つの基準交通データは、ニューラルネット検証部(17)に供給される。
ニューラルネット検証部(17)は、5つの基準交通データを順次用いて、4つのかごを具えた後述の4種類のエレベータシステムについてのエレベータシミュレーションを実行する。
・ファジィルールに従って、アップダウン登録方式のエレベータシステムのシミュレーションを行なう
・経験則に従って、行き先階登録方式のエレベータシステムのシミュレーションを行なう
・上述の如く作成されたニューラルネットワークに従って、行き先階登録方式のエレベータシステムのシミュレーションを行なう
・現在のニューラルネットワークに従って、行き先階登録方式のエレベータシステムのシミュレーションを行なう
ニューラルネット検証部(17)は、上述のシミュレーションをそれぞれ10回繰り返すことにより10回分の乗客の平均待ち時間を取得し、10回分の平均値を算出する。そして、5つの基準交通データを用いて順次算出した平均値に基づいて、上述の如く作成された新たなニューラルネットワークの性能の良否を判断し、性能が良いと判断した場合には、該ニューラルネットワークをニューラルネットかご割り当て部(12)に設定する。その後、該ニューラルネットワークによりかご割り当て動作が実行されることになる。一方、性能が悪いと判断した場合には、該ニューラルネットワークはニューラルネットかご割り当て部(12)に設定されず、引き続いて、その時点で該ニューラルネットかご割り当て部(12)に設定されているニューラルネットワークによりかご割り当て動作が実行されることになる。
図18は、経験則に従ってかご割り当て動作が実行される従来のエレベータシステムの性能と、上述の初期ニューラルネットワークによりかご割り当て動作が実行されるエレベータシステムの性能と、ESによる最適化処理が施された本発明のニューラルネットワークによりかご割り当て動作が実行されるエレベータシステムの性能とを比較するために行なったシミュレーションの結果を表わしており、横軸に1時間当たりの乗客数をとって、乗客の平均待ち時間をプロットしたものである。図中において、十字の印は従来の経験則によるもの、バツ印は初期ニューラルネットワークによるもの、白丸印は本発明のニューラルネットによるものを表わしている。図示の如く、本発明のニューラルネットワークによる平均待ち時間は、乗客が2200人以下の範囲では従来の経験則及び初期ニューラルネットワークと同程度となっているが、乗客が2200人を超えると、従来の経験則及び初期ニューラルネットワークに比べて大幅に短くなっており、高い性能が得られている。
図19は、1週間の内、乗客数が最も多い日であるとして選出された日(図5の例では水曜日)における本発明のエレベータシステムの性能を確認するために行なったシミュレーションの結果を表わしており、横軸に1時間当たりの乗客数をとって、乗客の平均待ち時間をプロットしたものである。図中において、十字の印は従来の経験則によるもの、白丸印は本発明のニューラルネットワークによるものを表わしている。図示の如く、本発明のニューラルネットワークによる平均待ち時間は、乗客が1300人以下の範囲では従来の経験則と同程度となっているが、乗客が1300人を超えると、従来の経験則に比べて短くなっており、高い性能が得られている。
又、図20は、1週間の内、上述の選出日以外の日(図5の例では水曜日以外の日)における本発明のエレベータシステムの性能を確認するために行なったシミュレーションの結果を表わしており、横軸に1時間当たりの乗客数をとって、乗客の平均待ち時間をプロットしたものである。図中において、十字の印は従来の経験則によるもの、白丸印は本発明のニューラルネットワークによるものを表わしている。図示の如く、本発明のニューラルネットワークによる平均待ち時間は、乗客が1600人以下の範囲では従来の経験則と同程度となっているが、乗客が1600人を超えると、従来の経験則に比べて短くなっており、高い性能が得られている。
上述の図19及び図20から、本発明のエレベータシステムによれば、1週間の内、乗客数が最も多い日であるとして選出された日のみならず、該選出日以外の日においても高い性能を得ることが出来ると言える。
図21は、乗客数表データに対してエレベータ群にかかる負荷の増大を招くこととなる加工を施す効果を確認するために行なったシミュレーションの結果を表わしており、横軸に1時間当たりの乗客数をとって、乗客の平均待ち時間をプロットしたものである。図中において、白丸印は乗客の平均待ち時間を50〜60秒とするためには負荷を5倍にしなければならない場合に負荷を5倍にしたときのもの、十字の印は前記場合に負荷を3倍にしたときのものを表わしている。図示の如く、負荷を5倍にしたときの平均待ち時間は、乗客が1800人を超えると、負荷を3倍にしたときに比べて大幅に短くなっており、高い性能が得られている。これは、エレベータ群に適度な大きさの負荷をかけることによって、ESによる最適化処理においてより最適な解を探索することが出来るからと考えられる。
図22は、複数種類の学習用サンプルデータを用いてニューラルネットワークの学習を行なう効果を確認するために行なったシミュレーションの結果を表わしており、横軸に1時間当たりの乗客数をとって、乗客の平均待ち時間をプロットしたものである。図中において、十字の印は1種類の学習用サンプルデータを用いて学習を行なったもの、白丸印は3種類の学習用サンプルデータを用いて学習を行なったものを表わしている。図示の如く、3種類の学習用サンプルデータを用いて学習したときの平均待ち時間は、乗客数に拘わらず、1種類の学習用サンプルデータを用いて学習したときの平均待ち時間に比べて短くなっており、高い性能が得られている。これは、3種類の学習用サンプルデータを用いて学習を行なうことによって、1種類の学習用サンプルデータを用いる場合よりもニューラルネットワークの汎化性能を高めることが出来、その後のESによる最適化処理においてより最適な値を探索することが出来るからであると考えられる。
図23は、図14に示す構成を有する本発明のニューラルネットワークによる効果を確認するために行なったシミュレーションの結果を表わしており、横軸に1時間当たりの乗客数をとって、乗客の平均待ち時間をプロットしたものである。図中において、十字の印は図11に示す構成を有する従来型のニューラルネットワークに経験則を学習させた後に上述のESによる最適化処理を施したものによる平均待ち時間、白丸印は図14に示す構成を有する本発明のニューラルネットワークに経験則を学習させた後に上述のESによる最適化処理を施したものによる平均待ち時間を表わしている。図示の如く、本発明のニューラルネットワークによる平均待ち時間は、乗客が2700人以下の範囲では従来型のニューラルネットワークと同程度となっているが、乗客が2700人を超えると、従来型のニューラルネットワークに比べて短くなっており、高い性能が得られている。この理由は、次のように考えられる。
従来型のニューラルネットワークにおいては、学習を行なった後、中間層と出力層の間の重み係数のみを対象とする上述の最適化処理において、入力層に入力された情報の内、前記経験則による割り当て動作に特化した情報のみが中間層に伝わって、最適値の探索に必要な情報が伝わらず、最適値を探索することが出来ない。これに対し、本発明のニューラルネットワークによれば、上述の如く、入力層を構成する各ニューロンと中間層の第2ニューロン群を構成する4つのニューロンの間の重み係数の内、1つの重み係数がゼロよりも大きな所定値に設定されているので、その後の最適化処理において入力層に入力された情報が漏れなく中間層に伝わることとなり、最適値を探索することが出来るのである。
図24乃至図26は、ES最適化用交通データを用いて最適化処理を行なう効果を確認するために行なったシミュレーションの結果を表わしており、横軸に1時間当たりの乗客数をとって、乗客の平均待ち時間をプロットしたものである。図中において、十字の印は乗客数表データを用いて最適化処理を行なったものによる平均待ち時間、バツ印は基準交通データを用いて最適化処理を行なったものによる平均待ち時間、白丸印はES最適化用交通データを用いて最適化処理を行なったものによる平均待ち時間を表わしている。
図24は、乗客数の極めて多い出勤時間帯の平均待ち時間の変化を表わしている。乗客数表データを用いて最適化処理を行なった場合には、学習により設定された値よりも良い最適値を探索することが出来ないため、乗客数が1800人を超えると平均待ち時間が長くなっており、性能は低いものとなっている。ES最適化用交通データを用いて最適化処理を行なったものによる平均待ち時間は、乗客数が1800人を超えると、乗客数表データを用いたものに比べて短くなっているが、基準交通データを用いたものに比べて長くなっており、性能が低くなっている。
図25は、乗客数の比較的多い昼食時間帯の平均待ち時間の変化を表わしている。基準交通データを用いて最適化処理を行なったものによる平均待ち時間は、乗客が2600人を超えると、乗客数表データを用いたものに比べて長くなっており、性能が低くなっている。これに対し、ES最適化用交通データを用いて最適化処理を行なったものによる平均待ち時間は、乗客数表データを用いたものに比べて短くなっており、高い性能が得られている。
図26は、乗客数の比較的多い退勤時間帯の平均待ち時間の変化を表わしている。基準交通データを用いて最適化処理を行なったものによる平均待ち時間及びES最適化用交通データを用いて最適化処理を行なったものによる平均待ち時間は何れも、乗客が2200人を超えると、乗客数表データを用いて最適化処理を行なったものに比べて短くなっており、高い性能が得られている。又、ES最適化用交通データを用いて最適化処理を行なったものによる平均待ち時間は、乗客数に拘わらず、基準交通データを用いたものに比べて短くなっており、高い性能が得られている。
上述の如く、乗客数表データを用いたものによっては、出勤時間帯及び退勤時間帯において性能は低いものとなる。
基準交通データを用いたものによっては、出勤時間帯においてはES最適化用交通データを用いたものに比べて高い性能が得られているが、昼食時間帯においては乗客数表データを用いたものよりも性能が低下する。これは、乗客数の極めて多い出勤時間帯における平均待ち時間が他の時間帯に比べ重視されて最適化処理が行なわれるからであると考えられる。
これらに対し、ES最適化用交通データを用いたものによれば、出勤時間帯においては、基準交通データを用いたものに比べて性能が低くなるものの、乗客数表データを用いたものよりも高い性能が得られ、昼食時間帯及び退勤時間帯においては、乗客数表データを用いたもの及び基準交通データを用いたものに比べて高い性能が得られる。従って、ES最適化用交通データを用いたものによれば、時間帯に拘わらず、バランスのとれた最適な制御を行なうことが出来ると言える。
本発明に係るエレベータシステムにおいては、先ず、経験則と同レベルのかご割り当て動作が可能な初期ニューラルネットワークが作成された後、該ニューラルネットワークに対してESによる最適化処理を施すことによって、経験則よりもレベルの高い最適なかご割り当て動作が可能なニューラルネットワークが作成される。この様に、本発明に係るエレベータシステムによれば、人手により行き先階登録方式用の理想的なファジィルールを作成することなく、最適な割り当て動作が可能なニューラルネットワークを自動的に作成することが出来る。
又、ニューラルネットかご割り当て部(12)のニューラルネットワークを上述の如くエレベータ群の運行中に収集された運行データに基づき作成したニューラルネットワークに更新する処理が繰り返されるので、常にエレベータ群の利用状況に応じた最適な運行制御を行なうことが出来る。
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態においては、図11に示す第1ニューラルネットワークの学習を行なうと共に図12に示す第2ニューラルネットワークの学習を行なった後、第1ニューラルネットワークと第2ニューラルネットワークとを互いに結合させて図14に示す初期ニューラルネットワークを作成しているが、学習を行なうことなく第1ニューラルネットワークと第2ニューラルネットワークとを互いに結合させて初期ニューラルネットワークを作成した後、初期ニューラルネットワークの学習を行なうことも可能である。この場合、学習時には、入力層を構成する各ニューロンと中間層の第2ニューロン群を構成する複数のニューロンとの間の複数の重み係数の内、少なくとも1つの重み係数がゼロよりも大きな所定値に固定される。
又、上記実施の形態においては、図3に示す如く1週間分の運行データが採取される度にニューラルネットワークの作成処理を実行しているが、1週間分の乗客数が増大した場合にのみ実行することも可能である。
更に、上記実施の形態においては、第1ニューラルネットワーク及び第2ニューラルネットワークの学習に経験則を用いているが、行き先階登録方式のエレベータシステム用の簡単なファジィルールを作成して該ファジィルールを学習に用いることも可能である。
更に又、上記実施の形態においては、最適化処理における評価値として、平均待ち時間を採用しているが、これに代えて、乗り場呼び装置(3)に対し操作が行なわれてからエレベータ利用者が目的階に到着するまでのサービス完了時間や輸送した乗客数などを採用することが出来る。
本発明に係るエレベータシステムの全体構成を表わすブロック図である。 上記エレベータシステムにおける群管理制御装置のニューラルネットかご割り当て部の構成を表わす図である。 上記ニューラルネットかご割り当て部の更新処理における各処理のタイミングを表わすタイムチャートである。 上記ニューラルネットかご割り当て部を更新する際に実行される一連の処理を表わすフローチャートである。 1週間の乗客数の変化例を表わすグラフである。 24時間の乗客数の変化例を表わすグラフである。 12時間の乗客数の変化例を表わすグラフである。 12時間の乗客数の他の変化例を表わすグラフである。 乗客数表データに対してエレベータ群にかかる負荷の増大を招くこととなる加工を施した後の乗客数の変化を表わすグラフである。 基準交通データに対して乗客数と時間との乗算値が一定値となる様に時間幅を増減させる加工を施した後の乗客数の変化を表わすグラフである。 上記ニューラルネットかご割り当て部の更新処理において作成される第1ニューラルネットワークの構成を表わす図である。 上記更新処理において作成される第2ニューラルネットワークの構成を表わす図である。 上記第2ニューラルネットワークの入力層及び中間層を表わす図である。 上記第1ニューラルネットワーク及び上記第2ニューラルネットワークを互いに結合してなる初期ニューラルネットワークの構成を表わす図である。 ESによる最適化手続きを表わすフローチャートである。 親個体についての評価値と子個体についての評価値とを比較した場合の問題点を説明するための図である。 親個体についての評価値に対して評価を高めるための演算処理を施す効果を説明するための図である。 経験則に従ってかご割り当て動作が実行される従来のエレベータシステムの性能と、初期ニューラルネットワークによりかご割り当て動作が実行されるエレベータシステムの性能と、ESによる最適化処理が施された本発明のニューラルネットワークによりかご割り当て動作が実行されるエレベータシステムの性能とを比較するために行なったシミュレーションの結果を表わしている。 1週間の内、乗客数が最も多い日であるとして選出された日における本発明のエレベータシステムの性能を確認するために行なったシミュレーションの結果を表わしている。 1週間の内、上記選出日以外の日における本発明のエレベータシステムの性能を確認するために行なったシミュレーションの結果を表わしている。 乗客数表データに対してエレベータ群にかかる負荷の増大を招くこととなる加工を施す効果を確認するために行なったシミュレーションの結果を表わしている。 複数種類の学習用サンプルデータを用いてニューラルネットワークの学習を行なう効果を確認するために行なったシミュレーションの結果を表わしている。 本発明のニューラルネットワークによる効果を確認するために行なったシミュレーションの結果を表わしている。 ES最適化用交通データを用いて最適化処理を行なう効果を確認するために行なった出勤時間帯におけるシミュレーションの結果を表わしている。 昼食時間帯における上記シミュレーションの結果を表わしている。 退勤時間帯における上記シミュレーションの結果を表わしている。 従来のエレベータシステムの全体構成を表わすブロック図である。 上記エレベータシステムにおける群管理制御装置のニューラルネット部の構成を表わす図である。 上記ニューラルネット部の学習方法を説明するための図である。
符号の説明
(1) 群管理制御装置
(2) エレベータ
(3) 乗り場呼び装置
(11) 通信処理部
(12) ニューラルネットかご割り当て部
(13) 交通データ処理部
(14) 経験則割り当てエレベータシミュレーション部
(15) 最適化処理部
(151) 初期ニューラルネット作成部
(152) 学習部
(153) ニューラルネット割り当てエレベータシミュレーション部
(154) ES最適化部
(16) ネット管理データベース
(17) ニューラルネット検証部

Claims (17)

  1. 複数のかごを具えたエレベータ群と、該エレベータ群に接続され、乗り場にてかごを呼ぶための操作が行なわれたときに前記複数のかごの中から乗り場へ移動させるべき1つのかごを選択するかご割り当て動作を行なう群管理制御装置とを具え、群管理制御装置は、かご割り当て動作を実行するニューラルネットワーク手段と、該ニューラルネットワーク手段の重み係数を最適化する重み係数最適化手段とを具えているエレベータシステムにおいて、該重み係数最適化手段は、
    エレベータ群の利用状況を表わす交通情報データと所定のかご割り当て規則とに基づいて、1或いは複数のニューラルネットワークの学習に必要な1或いは複数の学習用サンプルデータを作成するデータ作成手段と、
    作成された1或いは複数の学習用サンプルデータを用いて、エレベータ群の構成に応じた1或いは複数のニューラルネットワークの学習を行なうことにより1つのニューラルネットワークを作成するニューラルネットワーク作成手段と、
    進化的計算法の1つである進化戦略に従って、前記作成されたニューラルネットワークの重み係数の最適値を探索する最適値探索手段と、
    最適値探索手段の探索結果に基づいて、前記ニューラルネットワーク手段の重み係数を最適化する最適化処理手段
    とを具えていることを特徴とするエレベータシステム。
  2. 前記重み係数最適化手段は、重み係数の最適化処理を繰り返すものであって、前記データ作成手段は、エレベータ群の運行中にエレベータ群の運行情報データを収集し、該運行情報データから交通情報データを作成するデータ処理手段を具えている請求項1に記載のエレベータシステム。
  3. 前記データ作成手段は、交通情報データに対し、エレベータ群にかかる負荷の増大を招くこととなる加工を施すデータ加工手段を具え、該加工データに基づいて1或いは複数の学習用サンプルデータを作成する請求項2に記載のエレベータシステム。
  4. 前記データ作成手段は、前記加工データに所定の演算処理を施して複数の加工データを作成し、これら複数の加工データに基づいて複数の学習用サンプルデータを作成する請求項3に記載のエレベータシステム。
  5. 前記ニューラルネットワーク作成手段は、入力層、中間層及び出力層からなる1つのニューラルネットワークを作成するものであって、前記最適値探索手段は、該ニューラルネットワークの中間層及び出力層間の複数の重み係数の最適値を探索する請求項3又は請求項4に記載のエレベータシステム。
  6. 前記ニューラルネットワーク作成手段は、前記学習時には、入力層を構成する各ニューロンと中間層を構成する複数のニューロンの間の重み係数の内、少なくとも1つの重み係数をゼロよりも大きな所定値に固定する請求項5に記載のエレベータシステム。
  7. 前記ニューラルネットワーク作成手段は、2つのニューラルネットワークを互いに結合させて1つのニューラルネットワークを作成するものであって、
    第1ニューラルネットワークの入力層及び中間層間の複数の重み係数と中間層及び出力層間の複数の重み係数とを可変に設定して、前記学習を行なう第1学習手段と、
    第2ニューラルネットワークの入力層を構成する各ニューロンと中間層を構成する複数のニューロンの間の複数の重み係数の内、少なくとも1つの重み係数をゼロよりも大きな所定値に固定すると共に、中間層及び出力層間の複数の重み係数を可変に設定して、前記学習を行なう第2学習手段と、
    学習後の第1ニューラルネットワークと学習後の第2ニューラルネットワークとを互いに結合させて1つのニューラルネットワークを作成する結合手段
    とを具えている請求項6に記載のエレベータシステム。
  8. 前記最適値探索手段は、データ加工手段から得られた加工データを用いて前記複数のかごの昇降動作のシミュレーションを行なうことにより前記複数の重み係数の最適値を探索する請求項7に記載のエレベータシステム。
  9. 前記データ加工手段は、交通情報データに対し、エレベータ群にかかる負荷の増大を招くこととなる加工を施すと共に、乗客数が多い時間を短くする一方、乗客数が少ない時間を長くするための加工を施す請求項8に記載のエレベータシステム。
  10. 前記最適値探索手段は、ニューラルネットワークの中間層及び出力層間の複数の重み係数の組合せを1つの個体として、進化的計算法の1つである進化戦略に従い前記複数の重み係数の最適値を探索するものであって、
    複数の親個体から複数の子個体を生成する生成手段と、
    前記複数の親個体及び前記複数の子個体について夫々、前記シミュレーションを行なうことにより、エレベータ群の運行に関する1或いは複数種類の評価値を導出する評価値導出手段と、
    前記複数の親個体について導出された1或いは複数種類の評価値に夫々、評価を高めるための演算処理を施す演算処理手段と、
    前記演算処理の施された1或いは複数種類の評価値と、前記複数の子個体について導出された1或いは複数種類の評価値とを比較し、その比較の結果に基づいて、前記複数の親個体及び前記複数の子個体の中から複数の個体を次世代の親個体として選択する選択手段
    とを具えている請求項8又は請求項9に記載のエレベータシステム。
  11. 前記ニューラルネットワーク作成手段は、入力層、中間層及び出力層からなる1つのニューラルネットワークを作成するものであって、前記最適値探索手段は、該ニューラルネットワークの中間層及び出力層間の複数の重み係数の最適値を探索する請求項2に記載のエレベータシステム。
  12. 前記ニューラルネットワーク作成手段は、前記学習時には、入力層を構成する各ニューロンと中間層を構成する複数のニューロンの間の重み係数の内、少なくとも1つの重み係数をゼロよりも大きな所定値に固定する請求項11に記載のエレベータシステム。
  13. 前記ニューラルネットワーク作成手段は、2つのニューラルネットワークを互いに結合させて1つのニューラルネットワークを作成するものであって、
    第1ニューラルネットワークの入力層及び中間層間の複数の重み係数と中間層及び出力層間の複数の重み係数とを可変に設定して、前記学習を行なう第1学習手段と、
    第2ニューラルネットワークの入力層を構成する各ニューロンと中間層を構成する複数のニューロンの間の複数の重み係数の内、少なくとも1つの重み係数をゼロよりも大きな所定値に固定すると共に、中間層及び出力層間の複数の重み係数を可変に設定して、前記学習を行なう第2学習手段と、
    学習後の第1ニューラルネットワークと学習後の第2ニューラルネットワークとを互いに結合させて1つのニューラルネットワークを作成する結合手段
    とを具えている請求項12に記載のエレベータシステム。
  14. データ作成手段は、交通情報データに対し、エレベータ群にかかる負荷の増大を招くこととなる加工を施すデータ加工手段を具え、前記最適値探索手段は、データ加工手段から得られた加工データを用いて前記複数のかごの昇降動作のシミュレーションを行なうことにより前記複数の重み係数の最適値を探索する請求項13に記載のエレベータシステム。
  15. 前記データ加工手段は、交通情報データに対し、エレベータ群にかかる負荷の増大を招くこととなる加工を施すと共に、乗客数が多い時間を短くする一方、乗客数が少ない時間を長くするための加工を施す請求項14に記載のエレベータシステム。
  16. 前記最適値探索手段は、ニューラルネットワークの中間層及び出力層間の複数の重み係数の組合せを1つの個体として、進化的計算法の1つである進化戦略に従い前記複数の重み係数の最適値を探索するものであって、
    複数の親個体から複数の子個体を生成する生成手段と、
    前記複数の親個体及び前記複数の子個体について夫々、前記シミュレーションを行なうことにより、エレベータ群の運行に関する1或いは複数種類の評価値を導出する評価値導出手段と、
    前記複数の親個体について導出された1或いは複数種類の評価値に夫々、評価を高めるための演算処理を施す演算処理手段と、
    前記演算処理の施された1或いは複数種類の評価値と、前記複数の子個体について導出された1或いは複数種類の評価値とを比較し、その比較の結果に基づいて、前記複数の親個体及び前記複数の子個体の中から複数の個体を次世代の親個体として選択する選択手段
    とを具えている請求項14又は請求項15に記載のエレベータシステム。
  17. 複数のかごを具えたエレベータ群に接続され、乗り場にてかごを呼ぶための操作が行なわれたときに前記複数のかごの中から乗り場へ移動させるべき1つのかごを選択するかご割り当て動作を行なうエレベータシステムの群管理制御装置であって、かご割り当て動作を実行するニューラルネットワーク手段と、該ニューラルネットワーク手段の重み係数を最適化する重み係数最適化手段とを具えている群管理制御装置において、該重み係数最適化手段は、
    エレベータ群の利用状況を表わす交通情報データと所定のかご割り当て規則とに基づいて、1或いは複数のニューラルネットワークの学習に必要な1或いは複数の学習用サンプルデータを作成するデータ作成手段と、
    作成された1或いは複数の学習用サンプルデータを用いて、エレベータ群の構成に応じた1或いは複数のニューラルネットワークの学習を行なうことにより1つのニューラルネットワークを作成するニューラルネットワーク作成手段と、
    進化的計算法の1つである進化戦略に従って、前記作成されたニューラルネットワークの重み係数の最適値を探索する最適値探索手段と、
    最適値探索手段の探索結果に基づいて、前記ニューラルネットワーク手段の重み係数を最適化する最適化処理手段
    とを具えていることを特徴とする群管理制御装置。
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