JP4552126B2 - 超音波探傷方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波探傷方法に関し、特に、鉄筋の突合せ溶接部または圧接部に発生する構造耐力上支障のある欠陥を検出する超音波探傷方法に関する。
ガスシールドアーク溶接等により異形鉄筋50を鋼材51に突合せ溶接する場合(図10参照)、建築基準法施行令第67条および告示第1464号には「溶接部は,割れ,内部欠陥等の構造耐力上支障のある欠陥がないもの」とすることが規定されており、当該溶接部において構造耐力上支障のある欠陥がないことを確認する必要がある。このための検査方法として抜取り試験と超音波探傷試験があるが、抜取り試験の場合、鉄筋と一体化された鋼材を切り取る必要があり、本体構造として利用している鋼材の補修を考えると現実的ではなく、現場で非破壊検査できる超音波探傷試験が多く用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平9−80031号公報 (第3−4頁、第1−3図) 特開平5−104260号公報 (第2頁、第7−8図)
しかしながら、異形鉄筋の突合せ溶接部を特許文献1や2に記載されているような超音波斜角探傷法によって検査することは以下の理由により容易ではない。
(1)異形鉄筋の表面にはリブ(節)の凹凸があり、超音波探触子はリブの上からしか当てることができない。
(2)一対の超音波探触子を用いなければならず、作業能率が悪い。
(3)最も欠陥の生じやすい初層欠陥については超音波が殆ど届かず検出しにくい。図11(a)に示すように、異形鉄筋50を挟んで一対の超音波探触子52、52を水平に配した場合、異形鉄筋50の下端部に発生する初層欠陥53に超音波54が直接当たらないため、初層欠陥53の検知は難しい(下向きに溶接するので、初層欠陥は突合せ溶接部の下端部に発生する。)。また、図11(b)に示すように、異形鉄筋50を挟んで一対の超音波探触子52、52を鉛直に配した場合は、超音波探触子52の配置が突合せ溶接部55によって制限され、初層欠陥53を検知することができない。
従って、鉄筋の突合せ溶接部について超音波探傷試験を実施しても欠陥を十分に検出できず、構造耐力上支障のある欠陥がないことを確認したことにならないという問題があった。そのため、この問題を解決できる、欠陥検出精度の高い簡便な試験方法が求められていた。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、鉄筋の突合せ溶接部に発生する構造耐力上支障のある欠陥を容易に確認できる信頼性の高い超音波探傷方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る超音波探傷方法は、鋼材に鉄筋の一端を突合せ溶接することにより形成される、突合せ溶接部に発生する構造耐力上支障のある欠陥を検出する超音波探傷方法であって、予め、前記鉄筋と径および長さが同一の鉄筋単体について、当該鉄筋の一方の端部に超音波探触子を当接して当該超音波探触子から当該鉄筋の他方の端部に向けて縦波の超音波を入射し、反射波を当該超音波探触子で検出してエコー高さEを計測しておき、前記鋼材に突合せ溶接された前記鉄筋の自由端に超音波探触子を当接して当該超音波探触子から突合せ溶接部に向けて縦波の超音波を入射し、反射波を当該超音波探触子で検出してエコー高さEを計測し、エコー高さ比E/Eが所定エコー高さ比以下であれば、前記突合せ溶接部に構造耐力上支障のある欠陥がないものと判定することを特徴とする。
ここで、突合せ溶接された鉄筋の自由端とは、突合せ溶接部と反対側の何も接合されていない端部のことである。
突合せ溶接部の欠陥が小さいほどエコー高さ比は小さくなる。そのため、構造耐力上安全な所定エコー高さ比が定まれば、エコー高さ比の値が所定エコー高さ比以下であれば、当該突合せ溶接部には構造耐力上支障のある欠陥はないと看做すことができる。
本発明では、鋼材に一端が突合せ溶接された鉄筋の自由端に超音波探触子を当接して当該超音波探触子から突合せ溶接部に向けて縦波の超音波を入射し、反射波を当該超音波探触子で検出してエコー高さを計測し、鉄筋単体のエコー高さで基準化したエコー高さ比により突合せ溶接部の欠陥を判定することで、従来の方法では欠陥の検出が困難だった鉄筋と鋼材の突合せ溶接部について、構造耐力上支障のある欠陥の有無を容易に確認することができる。しかも、超音波として縦波を用いているので、鉄筋が長くなってもノイズが少なく信頼性の高い測定が可能である。また、溶接された鉄筋のエコー高さを鉄筋単体のエコー高さで基準化したエコー高さ比を用いているので、鉄筋の材質、鉄筋径、鉄筋長によらず統一的に評価することができる。
また、本発明に係る超音波探傷方法は、第一鉄筋と第二鉄筋を突合せ溶接または圧接することにより形成される突合せ溶接部または圧接部に発生する構造耐力上支障のある欠陥を検出する超音波探傷方法であって、予め、前記第一鉄筋と径および長さが同一の鉄筋単体について、当該鉄筋の一方の端部に超音波探触子を当接して当該超音波探触子から当該鉄筋の他方の端部に向けて縦波の超音波を入射し、反射波を当該超音波探触子で検出してエコー高さEを計測しておき、前記第二鉄筋に突合せ溶接または圧接された前記第一鉄筋の自由端に超音波探触子を当接して当該超音波探触子から突合せ溶接部または圧接部に向けて縦波の超音波を入射し、反射波を当該超音波探触子で検出してエコー高さEを計測し、エコー高さ比E/Eが所定エコー高さ比以下であれば、前記突合せ溶接部または圧接部に構造耐力上支障のある欠陥がないものと判定することを特徴とする。
本発明では、第二鉄筋に突合せ溶接または圧接された第一鉄筋の自由端に超音波探触子を当接し、当該超音波探触子から突合せ溶接部または圧接部に向けて縦波の超音波を入射し、反射波を当該超音波探触子で検出してエコー高さを計測し、第一鉄筋と径および長さが同一の鉄筋単体のエコー高さで基準化したエコー高さ比により突合せ溶接部の欠陥を判定することで、鉄筋同士の突合せ溶接部または圧接部について構造耐力上支障のある欠陥の有無を容易に、且つ高精度で確認することができる。
また、本発明に係る超音波探傷方法では、鋼板に鉄筋の一端が突合せ溶接され、当該突合せ溶接部に切削部が設けられた複数の試験体各々について前記エコー高さ比を計測するとともに、当該各試験体について引張試験を実施して、突合せ溶接部の引張強度とエコー高さ比との相関関係を求め、当該相関関係より、所定の引張強度に対応するエコー高さ比εを求め、当該エコー高さ比εより小さなエコー高さ比を前記所定エコー高さ比とする。
突合せ溶接部の引張強度が大きいほどエコー高さ比は小さくなる。そのため、例えばJIS引張強度など所定の引張強度に対応するエコー高さ比をεとし、当該エコー高さ比εより小さなエコー高さ比を所定エコー高さ比とすれば、突合せ溶接部の引張強度は少なくとも所定の引張強度以上であると看做すことができる。
本発明では、突合せ溶接部の引張強度とエコー高さ比との相関関係を用いて、所定の引張強度に対応するエコー高さ比εを求め、当該エコー高さ比εより小さなエコー高さ比を所定エコー高さ比とすることにより、引張試験結果に基づく信頼性の高い合否判定基準を超音波探傷に適用することができる。
本発明では、鋼材に一端が突合せ溶接された鉄筋の自由端に超音波探触子を当接して当該超音波探触子から突合せ溶接部に向けて縦波の超音波を入射し、反射波のエコー高さを計測して鉄筋単体のエコー高さで基準化したエコー高さ比により突合せ溶接部の欠陥を判定することで、鉄筋と鋼材の突合せ溶接部について構造耐力上支障のある欠陥の有無を容易に、且つ高精度で確認することができる。
また、本発明では、突合せ溶接部の引張強度とエコー高さ比との相関関係を用いて、所定の引張強度に対応するエコー高さ比を求め、当該エコー高さ比より小さなエコー高さ比を所定エコー高さ比とすることにより、引張試験結果に基づく信頼性の高い合否判定基準を超音波探傷に適用することができる。
以下、本発明に係る超音波探傷方法の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る超音波探傷方法の第一の実施形態を示したものである。
本実施形態では、鋼材に一端が突合せ溶接された鉄筋の突合せ溶接部について超音波探傷を実施する。具体的には、ガスシールドアーク溶接等により、H形鋼からなる鋼材2のフランジ2f外面に棒状の異形鉄筋1の一端が突合せ溶接された突合せ溶接部5について超音波探傷を実施する。
異形鉄筋1の径は22mm以上、全長は2m以下であり、突合せ溶接部5と反対側の端部は何も接合されていない自由端1aである。自由端1a側は、異形鉄筋1を材軸方向に直角な面で切断したままとするのが一般的であるが、Tヘッドバーやマイティヘッドなどのような拡径部が形成されていてもよい。
本実施形態では、異形鉄筋1の自由端1aに超音波探触子3を当て、突合せ溶接部5に向けて縦波の超音波4を材軸方向に入射し、反射波を超音波探触子3で検出して計測モニター(図示省略)によりエコー高さEを計測する。超音波探触子3を自由端1aに当てる際には、自由端1aにグリースなどを塗り超音波探触子3と自由端1aとの間に空隙が生じないようにする。
超音波探触子3は、サイズが大きいほど超音波4の入射エネルギーが強く、計測長(異形鉄筋1の全長)を長くすることができるため、超音波探触子3のサイズは20φ以上のものを使用する。従って、大きなサイズの超音波探触子3を使用すれば、異形鉄筋1の全長は2mを超えていてもよい。なお、超音波4が空気中に漏洩しないように、超音波探触子3のサイズは異形鉄筋1の径と同径以下が好適である。
また、超音波4の周波数は、超音波探傷に一般的に用いられている2〜5MHzの帯域を使用する。
さて、本発明に係る超音波探傷方法では、突合せ溶接部5の超音波探傷に先立ち、突合せ溶接する異形鉄筋1と径および長さが同一の異形鉄筋1’単体について超音波探傷を実施してキャリブレーションを行っておく必要がある。図2は異形鉄筋1’単体について実施する超音波探傷の概略図である。
異形鉄筋1’の一方の端部1’aに超音波探触子3を当て、他方の端部1’bに向けて縦波の超音波4を材軸方向に入射し、反射波を超音波探触子3で検出して計測モニター(図示省略)によりエコー高さEを計測する。他端1’bは、溶接などにより他のものと一体化されていなければ当該他のものに接触していてもよい。従って、異形鉄筋1’を床などに立てた状態でキャリブレーションを行ってもよい。
突合せ溶接部5に対する超音波探傷に先立ち、突合せ溶接される異形鉄筋1と径および長さが同一の異形鉄筋1’単体について突合せ溶接部5と同様の超音波探傷を実施することにより、超音波4の往復時間から突合せ溶接部5の位置を計測モニター上の時間軸で特定することができる。また、溶接していない異形鉄筋1’単体についてキャリブレーションを行うことにより、異形鉄筋1内の超音波速度のバラつきを排除できるので信頼性の高い検査結果を得ることができる。
図3は、鋼材2の材軸方向から見た異形鉄筋1と鋼材2の突合せ溶接部5の部分拡大図である。
図3(a)のように、フランジ2fの中央部に異形鉄筋1が突合せ溶接されている場合、超音波探触子3から入射された超音波4は大半がウェブ2wを通過するが、突合せ溶接部5に欠陥があると、一部の超音波4が欠陥で反射され、反射波4aが超音波探触子3に検出される。
一方、図3(b)のように、フランジ2fの端部に異形鉄筋1が突合せ溶接されている場合には、超音波探触子3から入射された超音波4は大半がウェブ2fの境界面で反射され、反射波4bが超音波探触子3に検出されるが、突合せ溶接部5に欠陥があると、一部の超音波4が欠陥で反射され、反射波4cが超音波探触子3に検出される。
図4は計測モニター画面の一例を示したものであり、横軸に超音波4の往復時間、縦軸に超音波4のエコー高さを示している。
Eは突合せ溶接部5に欠陥がある場合の反射波4a、4cのエコー高さを示し、異形鉄筋1’単体の超音波探傷による反射波のエコー高さEよりも小さく、且つエコー高さEと時間軸上で同じ位置に発生する。一方、Nはウェブ2fの境界面で反射された反射波4bのエコー高さであり、時間軸上で反射波のエコー高さEと異なる位置に発生する。従って、エコー高さEと異なる位置に発生するエコー高さは溶接欠陥ではないとして除外することができる。
なお、計測モニターの縦軸をエコー高さではなく、エコー高さ比E/Eとしてもよい。
次に、エコー高さ比と突合せ溶接部の引張強度との相関関係について説明する。
突合せ溶接部の引張強度とエコー高さ比との相関関係が明らかになれば、突合せ溶接部の引張強度とエコー高さ比との相関関係より所定の引張強度に対応するエコー高さ比を求め、当該エコー高さ比より小さなエコー高さ比を所定エコー高さ比として突合せ溶接部の構造耐力を判定することができる。
そこで、突合せ溶接部に意図的な種々の欠陥が形成された試験体を複数製作し、それぞれの試験体について、第一の実施形態と同様の超音波探傷を実施するとともに、併せて突合せ溶接部の引張試験を実施し、エコー高さ比と突合せ溶接部の引張強度との相関関係を明らかにする。
図5は、方形の鋼板8の中央部に異形鉄筋7の一端を突合せ溶接した試験体6を示したものである。試験体6の突合せ溶接部9には、溶接欠陥を模擬した切削スリット(切削部)が設けられている。切削スリットの形状は2種類とし、突合せ溶接部9の外周部にリング状の切削スリット10を設けた試験体6を図6(a)に、突合せ溶接部9の下部に切削スリット11を設けた試験体6を図6(b)にそれぞれ示す。
また、各試験体6について、異形鉄筋7の自由端7aに超音波探触子3を当てて実施した超音波探傷および突合せ溶接部9の引張試験の結果を図7にグラフ化して示す。なお、グラフ上の実線部分が試験範囲である。
図7(a)は、エコー高さ比と有効面積率との関係を示したものである。ここで、有効面積率は、(異形鉄筋7の公称断面積のうち切削スリット10、11で切削されない部分の面積)/(異形鉄筋7の公称断面積)で与えられる。また、図7(b)に、突合せ溶接部の引張強度と有効面積率との関係を示す。
エコー高さ比と有効面積率との関係および突合せ溶接部の引張強度と有効面積率との関係がわかれば、有効面積率を介して突合せ溶接部の引張強度とエコー高さ比との関係を求めることができる。図7(c)は、そのようにして求めた突合せ溶接部の引張強度とエコー高さ比との関係を示したものである。
図7(c)より、突合せ溶接部の引張強度とエコー高さ比とは反比例の関係にあることがわかる。従って、JIS引張強度Tに対応するエコー高さ比がεである場合、エコー高さ比の合否判定基準(所定エコー高さ比)がεより小さければ、合否判定基準より小さいエコー高さ比を示す突合せ溶接部の引張強度はJIS引張強度T以上であると看做すことができる。即ち、突合せ溶接部のエコー高さ比が合否判定基準以下であれば、当該突合せ溶接部に構造耐力上支障のある欠陥はないとすることができる。
図8は、現場ごとに行う突合せ溶接部の合否判定フローを示したものである。
現場では、先ず、突合せ溶接に使用する鉄筋と径および長さが同一の鉄筋単体について、図2に示した超音波探傷を実施して鉄筋単体のエコー高さEを測定する(S1)。
次いで、鋼材に実際に突合せ溶接された鉄筋について、図1に示した超音波探傷を実施してエコー高さEを測定する(S2)。
突合せ溶接部の引張強度とエコー高さ比との相関関係に基づいて定めたエコー高さ比の合否判定基準を例えば0.05とすると(S3)、エコー高さ比E/Eが0.05以下の場合、当該突合せ溶接部は合格となり(S4、5)、エコー高さ比E/Eが0,05を超えた場合、当該突合せ溶接部は不合格となる(S4、6)。
本実施形態による超音波探傷方法では、鋼材2に一端が突合せ溶接された異形鉄筋1の自由端1aに超音波探触子3を当接して当該超音波探触子3から突合せ溶接部5に向けて縦波の超音波4を入射し、反射波を当該超音波探触子3で検出してエコー高さを計測し、異形鉄筋1’単体のエコー高さで基準化したエコー高さ比により突合せ溶接部5の欠陥を判定することで、従来の方法では欠陥の検出が困難だった異形鉄筋1と鋼材2の突合せ溶接部5について、構造耐力上支障のある欠陥の有無を容易に確認することができる。しかも、超音波4として縦波を用いているので、異形鉄筋1が長くなってもノイズが少なく信頼性の高い測定が可能である。また、溶接された異形鉄筋1のエコー高さを異形鉄筋1’単体のエコー高さで基準化したエコー高さ比を用いているので、異形鉄筋1の材質、鉄筋径、鉄筋長によらず統一的に評価することができる。
さらに、本実施形態による超音波探傷方法では、異形鉄筋1の自由端1aに超音波探触子3を当ててエコー高さをチェックするだけなので、現場作業は非常に簡単であり、作業能率が高く、検査速度が速い。そのため、検査人工を少なくすることができるとともに、欠陥検出が溶接直後にできるので是正も容易になる。また、抜取り検査の抜取り率を高めても僅かなコストアップで済むうえ、抜取り率を向上させることで欠陥の補足率が大幅に高められる。
加えて、本実施形態による超音波探傷方法では、異形鉄筋1の材軸方向に超音波4を入射するため、鉄筋径が大きくなっても問題なく使用することができる。
なお、本発明に係る超音波探傷方法は一般的な超音波探傷の機器を用いて検査でき、検査員にも特別な技量は不用である。そのため、どこででも容易にローコストな検査が可能である。
次に、本発明に係る超音波探傷方法の第二の実施形態について説明する。
本実施形態では、鉄筋同士の突合せ溶接部について超音波探傷を実施する。図9はその概略図である。具体的には、棒状の第二鉄筋21の一方の端部に棒状の第一鉄筋20の一端が突合せ溶接された突合せ溶接部22について超音波探傷を実施するものである。
本実施形態では、第一鉄筋20の自由端20aに超音波探触子3を当て、突合せ溶接部22に向けて縦波の超音波4を材軸方向に入射し、反射波を超音波探触子3で検出して計測モニター(図示省略)によりエコー高さEを計測する。
また、図示しないが、第一鉄筋20と径および長さが同一の鉄筋単体についても超音波探傷を実施し、エコー高さEを計測しておく。
本実施形態による超音波探傷方法では、第二鉄筋21に突合せ溶接された第一鉄筋20の自由端20aに超音波探触子3を当接し、当該超音波探触子3から突合せ溶接部22に向けて縦波の超音波4を入射し、反射波を当該超音波探触子3で検出してエコー高さを計測し、第一鉄筋20と径および長さが同一の鉄筋単体のエコー高さで基準化したエコー高さ比により突合せ溶接部22の欠陥を判定することで、鉄筋同士の突合せ溶接部22について構造耐力上支障のある欠陥の有無を容易に、且つ高精度で確認することができる。
なお、第一鉄筋20と第二鉄筋21を突合せ溶接とせず圧接してもよい。
以上、本発明に係る超音波探傷方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、鉄筋には異形鉄筋を使用しているが丸鋼でもよい。また、鋼材はH形鋼に限らず角形鋼管など他の断面形状を有するものでもよい。
本発明に係る超音波探傷方法の第一の実施形態を示す概略図である。 異形鉄筋単体について実施する超音波探傷の概略図である。 鋼材の材軸方向から見た異形鉄筋と鋼材の突合せ溶接部の部分拡大図を示し、(a)はフランジの中央部に異形鉄筋が突合せ溶接されている場合、(b)はフランジの端部に異形鉄筋が突合せ溶接されている場合である。 計測モニター画面の一例である。 試験体の概略図である。 試験体の部分拡大図を示し、(a)は突合せ溶接部の外周部にリング状の切削スリットを設けた場合、(b)は突合せ溶接部の下部に切削スリットを設けた場合である。 試験体の試験結果を示し、(a)はエコー高さ比と有効面積率との関係、(b)は突合せ溶接部の引張強度と有効面積率との関係、(c)は突合せ溶接部の引張強度とエコー高さ比との関係である。 現場ごとに行う突合せ溶接部の合否判定フロー図である。 本発明に係る超音波探傷方法の第二の実施形態を示す概略図である。 異形鉄筋を鋼材に突合せ溶接した状態を示す図である。 異形鉄筋の突合せ溶接部を従来の超音波斜角探傷法によって検査する方法を示し、(a)は異形鉄筋を挟んで一対の探触子を水平に配した場合、(b)は異形鉄筋を挟んで一対の探触子を鉛直に配した場合である。
符号の説明
1、1’、7、50 異形鉄筋(鉄筋)
1a、7a、20a 自由端
2、51 鋼材
3、52 超音波探触子
4、54 超音波
4a、4b、4c 反射波
5、9、22、55 突合せ溶接部
6 試験体
8 鋼板
10、11 切削スリット(切削部)
20 第一鉄筋
21 第二鉄筋
53 初層欠陥

Claims (3)

  1. 鋼材に鉄筋の一端を突合せ溶接することにより形成される、突合せ溶接部に発生する構造耐力上支障のある欠陥を検出する超音波探傷方法であって、
    予め、前記鉄筋と径および長さが同一の鉄筋単体について、当該鉄筋の一方の端部に超音波探触子を当接して当該超音波探触子から当該鉄筋の他方の端部に向けて縦波の超音波を入射し、反射波を当該超音波探触子で検出してエコー高さEを計測しておき、
    前記鋼材に突合せ溶接された前記鉄筋の自由端に超音波探触子を当接して当該超音波探触子から突合せ溶接部に向けて縦波の超音波を入射し、反射波を当該超音波探触子で検出してエコー高さEを計測し、
    エコー高さ比E/Eが所定エコー高さ比以下であれば、前記突合せ溶接部に構造耐力上支障のある欠陥がないものと判定することを特徴とする超音波探傷方法。
  2. 第一鉄筋と第二鉄筋を突合せ溶接または圧接することにより形成される突合せ溶接部または圧接部に発生する構造耐力上支障のある欠陥を検出する超音波探傷方法であって、
    予め、前記第一鉄筋と径および長さが同一の鉄筋単体について、当該鉄筋の一方の端部に超音波探触子を当接して当該超音波探触子から当該鉄筋の他方の端部に向けて縦波の超音波を入射し、反射波を当該超音波探触子で検出してエコー高さEを計測しておき、
    前記第二鉄筋に突合せ溶接または圧接された前記第一鉄筋の自由端に超音波探触子を当接して当該超音波探触子から突合せ溶接部または圧接部に向けて縦波の超音波を入射し、反射波を当該超音波探触子で検出してエコー高さEを計測し、
    エコー高さ比E/Eが所定エコー高さ比以下であれば、前記突合せ溶接部または圧接部に構造耐力上支障のある欠陥がないものと判定することを特徴とする超音波探傷方法。
  3. 鋼板に鉄筋の一端が突合せ溶接され、当該突合せ溶接部に切削部が設けられた複数の試験体各々について前記エコー高さ比を計測するとともに、当該各試験体について引張試験を実施して、突合せ溶接部の引張強度とエコー高さ比との相関関係を求め、
    当該相関関係より、所定の引張強度に対応するエコー高さ比εを求め、当該エコー高さ比εより小さなエコー高さ比を前記所定エコー高さ比とすることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波探傷方法。
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