JP4552002B2 - 気液分離膜およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスセンサなどに用いられる気液分離膜およびその製造方法に関する。
電量式及び定電位電解式ガスセンサは、気液分離膜(隔膜)とセンサ本体等の内部に、作用極(検知極)・対極などとともに内部液(電解液)などを保持した構造を有したものであり、低濃度ガスに対しても迅速に応答する性能を有したガスセンサである。このガスセンサに備えられる気液分離膜は、測定対象試料気体中の成分ガスをセンサの内部に輸送し、電気化学的な検出反応に供するとともに、反応に不可欠な内部液をセンサの内部に閉じこめて保持するという機能を有する。
ガスセンサに備えられる気液分離膜としては、例えば、貫通孔が形成された2枚のシリコン基板が有機接着剤等を用いて接合され、その接合面に各シリコン基板の貫通孔同士を連通させる浅溝が形成されたものが提案されている(特許文献1参照)。この気液分離膜は、一方のシリコン基板の片面に有機接着剤を塗布して接着層を設けた後、2枚のシリコン基板を位置合わせ(アライメント)し、重ね合わせて接合することで製造される。
特開2002−263458号公報
しかしながら、特許文献1に記載の気液分離膜では、その製造方法において、有機接着剤を介して2枚のシリコン基板を接合するために、接着剤塗布面と被接着面とを接触させた時点で、有機接着剤が被接着面に付着してしまうことがあった。その際には、アライメントを続行することができなくなり、不正確な位置で接触させてしまった場合には修正することが困難になり、製品として利用できないことがあった。
ところで、この製造方法のように、2枚のシリコン基板をアライメントする際には、アライメント装置を用いることができる。アライメント装置でのアライメントでは顕微鏡観察しながら行うため、シリコン基板同士が近接したときにはじめてアライメントが可能になる。しかし、特許文献1に記載の気液分離膜の製造方法では、接着層を設けた分だけシリコン基板間の距離が離れており、顕微鏡のピントを合わせにくくなっているので、アライメントが困難であった。そのため、アライメントが不十分な時点でシリコン基板同士が接触し、不要な部分に有機接着剤が付着してしまうことがあったり、所定の位置以外の位置で接着してしまったりすることがあった。
また、特許文献1に記載の気液分離膜を製造する場合には、浅溝に有機接着剤を付着させてはならないため、有機接着剤の塗布方法が制限されるという問題があった。例えば、特許文献1の実施例では、シリコン基板を3mm×5mmに切り分けてから、各シリコン基板の外側から有機接着剤を塗布していた。このように有機接着剤を塗布した結果、各製品の性能にバラツキが生じやすくなり、製品の信頼性や均一性が低下した。しかも、1個ずつ製造しなければならないため、多数を一括して製造できるという半導体プロセスのメリットが損なわれていた。
さらに、有機接着剤からなる接合層の厚みは、接着剤の塗布厚、接合時の加圧条件、硬化における膜厚変化など様々な条件によって変化するため、均一な製品を得ることが困難であった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、有機接着剤を用いずに2枚のシリコン基板を接合した気液分離膜およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の気液分離膜の製造方法は、表面に絶縁膜を備えた第1のシリコン基板と、第2のシリコン基板とに各々貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
第1のシリコン基板の絶縁膜あるいは第2のシリコン基板上に、気体透過孔となる部分を除いて、気体を選択的に透過し液体を透過しない開口長と同等の厚みのガラス膜を形成するガラス膜形成工程と、
第1のシリコン基板の絶縁膜と第2のシリコン基板とをガラス膜を介して接触させ、これらを陽極接合法により接合する接合工程とを有し、
前記ガラス膜形成工程では、前記気体透過孔となる部分が、第1のシリコン基板の貫通孔と連通する箇所と第2のシリコン基板の貫通孔と連通する箇所を有すると共に、前記各々の連通する箇所の間に、対向する第1のシリコン基板及び第2のシリコン基板によって前記ガラス膜の厚みと同等の開口長とされる部分を有するようにして、ガラス膜を成膜することを特徴とする。
また、本発明の気液分離膜は、絶縁膜を備えた第1のシリコン基板と、第1のシリコン基板の絶縁膜に接して、気体透過孔の部分を除き、気体を選択的に透過し液体を透過しない開口長と同等の厚みで設けられたガラス膜と、ガラス膜に接する第2のシリコン基板とを有し、
第1のシリコン基板および第2のシリコン基板には各々貫通孔が形成され
前記気体透過孔は、第1のシリコン基板の貫通孔と連通する箇所と第2のシリコン基板の貫通孔と連通する箇所を有すると共に、前記各々の連通する箇所の間に、対向する第1のシリコン基板及び第2のシリコン基板によって前記ガラス膜の厚みと同等の開口長とされた部分を有することを特徴とする。
ここで、ガラス膜とは、アルカリ金属含有ケイ酸塩ガラスからなる薄膜のことであり、絶縁膜とは、酸化シリコン及び/又は窒化シリコンを主成分とし、アルカリ金属の含有量が1質量%以下の薄膜のことである。
本発明の気液分離膜の製造方法では、有機接着剤を用いていないから、アライメント工程にて第1のシリコン基板と第2のシリコン基板とが接触しても接着することがなく、アライメント作業しやすい。また、通常の半導体プロセスを適用できるから、多数の気液分離膜を一括して製造できる。さらに、製品の性能のバラツキを抑えることができる。
本発明の気液分離膜は高精度であり、ガスセンサに備えた場合にはガス応答性を一定にできる。
本発明の気液分離膜およびその製造方法の実施形態例について説明する。
図1は、本実施形態例の気液分離膜の構成を示す図である。この気液分離膜10は、シリコン層11の表面に絶縁膜である酸化シリコン膜12aを備えた矩形状の第1のシリコン基板13と、第1のシリコン基板13の酸化シリコン膜12aに接するガラス膜14と、ガラス膜14に接する矩形状の第2のシリコン基板15とを有するものである。
この気液分離膜10の第1のシリコン基板13には、その中央部に、第1のシリコン基板13表裏を貫通する断面矩形状の貫通孔16が1つ形成されている。また、第2のシリコン基板15には、その中央部の両側に、第2のシリコン基板15表裏を貫通する断面矩形状の貫通孔17,17が2つ形成されている。
また、ガラス膜14は、酸化シリコン膜12aと第2のシリコン基板15との間に、各シリコン基板13,15の貫通孔同士を連通する気体透過孔18が形成されるように成膜されている。ここで、気体透過孔18は、第1のシリコン基板13の酸化シリコン膜12aと第2のシリコン基板15との間にてガラス膜が成膜されなかった部分であり、ガラス膜14と第2のシリコン基板15とが重ねられたことにより形成された部分である。よって、気体透過孔18の開口長Lはガラス膜14の膜厚と同じである。
この気液分離膜10においては、ガラス膜14の膜厚は0.2〜5μmである。ガラス膜14の膜厚と気体透過孔18の開口長Lとは同じであるから、ガラスの膜厚が5μm以下であれば、気体透過孔18の開口長Lも5μm以下になる。そして、このような短い開口長であることで気体を選択的に透過する(すなわち、液体を透過しない)気体透過孔になる。
また、酸化シリコン膜12aを備えた第1のシリコン基板13は、市販の酸化膜付きシリコン基板であり、酸化シリコン膜12aのアルカリ金属含有量が1×1018cm−3以下のものである。
第1のシリコン基板13の貫通孔16は、液体が透過できる大きさで開口している。
このように、気液分離膜10においては、酸化シリコン膜12aと第2のシリコン基板15との間に、第1のシリコン基板13の貫通孔16と第2のシリコン基板15の貫通孔17とを連通する気体透過孔18が形成されており、この気体透過孔18は気体を選択的に透過するので、第1のシリコン基板13の貫通孔16と第2のシリコン基板15の貫通孔17との間を気体は自由に移動でき、液体は移動不可能になっている。
そのため、この気液分離膜10をガスセンサに備え、第2のシリコン基板15の貫通孔17,17を試料気体導入孔とし、第1のシリコン基板13の貫通孔16に内部液を充填した場合には、試料気体は、第2のシリコン基板15の貫通孔17,17から気体透過孔18を通って第1のシリコン基板13の貫通孔16に充填された内部液に移動することができる。一方、第1のシリコン基板13の貫通孔16に充填された内部液は、第2のシリコン基板15の貫通孔17,17からの漏洩が防がれている。
次に、気液分離膜の製造方法について図2〜図12を参照して説明する
この製造方法では、図2に示すような、酸化シリコン膜12a,12bがシリコン層11の両面に設けられたシリコン基板21を出発材料として用い、まず、貫通孔形成工程において、シリコン基板21の一方の酸化シリコン膜12aの中央部に、矩形状の孔部を1つ形成するようなエッチングパターンをフォトリソグラフィ技術により転写する。続いて、図3に示すように、一方の酸化シリコン膜12aをエッチングして、酸化シリコン膜12a中央部に矩形状の孔部22を1つ形成させる。そして、このようなパターンが形成された酸化シリコン膜12aを、その下層のシリコン11層のマスクパターンとして利用して、酸化シリコン膜12aで覆われていないシリコン基板21中央部のシリコン層11をエッチングし、図4に示すように、貫通加工して貫通孔16を形成する。このようにして貫通孔16を有する第1のシリコン基板13を得る。
次いで、ガラス膜形成工程において、図5に示すように、エッチングされた酸化シリコン膜12aの上にステンシルマスク23を載せ、図6に示すように、スパッタ成膜して酸化シリコン膜12a上にガラス膜14を形成する。ここで、ステンシルマスク23は、ガラス膜を形成させた際に、第1のシリコン基板の貫通孔と第2のシリコン基板の貫通孔とが連通するように、酸化シリコン膜と第2のシリコン基板との間に気体透過孔が形成するようなパターンが形成されたものである。具体的には、ステンシルマスク23は、図5に示すように、酸化シリコン膜12aの上に載せた際に、第1のシリコン基板13の貫通孔16およびその少し外側を覆う被覆部24と、被覆部24の外側に位置し、レーザ加工で開けられた窓部25を有する厚さ0.1mm厚のステンレス板である。このようなステンシルマスク23を用いてガラス膜14を成膜することによって、酸化シリコン膜12aと第2のシリコン基板15との間に各シリコン基板の貫通孔同士を連通するような気体透過孔18を形成することができる。
次いで、図7に示すように、上述のように形成したガラス膜14の上に、保護層としての粘着シート26を貼り合わせた後、図8に示すように、貫通孔が形成されていない他方の酸化シリコン膜を、フッ酸またはバッファードフッ酸でエッチング除去する。
これとは別に、図2に示すようなシリコン基板21の一方の酸化シリコン膜12aの中央部の両側に、矩形状の孔部を2つ形成するようなエッチングパターンをフォトリソグラフィ技術により転写し、酸化シリコン膜12aをエッチングして、図9に示すように、酸化シリコン膜12a中央部の両側に矩形状の孔部27,27を2つ形成させる。そして、この孔部27,27が形成された酸化シリコン膜12aをマスクパターンとして利用し、酸化シリコン膜12aで覆われないシリコン基板21中央部両側のシリコン層11をエッチングして、図10に示すように、貫通加工して貫通孔17,17を形成する。次いで、図11に示すように、両面の酸化シリコン膜をフッ酸またはバッファードフッ酸でエッチング除去する。このようにして、貫通孔17,17を有する第2のシリコン基板15を得る。
そして、接合工程において、図12に示すように、ガラス膜14上に貼り合わされた粘着シートを剥離し、露出したガラス膜と第2のシリコン基板とを近接させる。この際、第1のシリコン基板と第2のシリコン基板とが重なった際に形成される気体透過孔が、第1のシリコン基板の貫通孔と第2のシリコン基板の貫通孔とを連通するように第1のシリコン基板と第2のシリコン基板とを配置する。そして、その配置を保ったまま、第1のシリコン基板に電源の正極を接続し、第2のシリコン基板に電源の負極を接続し、電圧を印加して陽極接合して、図1に示すような気液分離膜10を得る。
この製造方法の貫通孔形成工程において、シリコン基板のシリコン層11のエッチングは、ほぼ垂直にエッチングできることから、ICP(誘導結合プラズマ)エッチングが好ましい。また、パターン形状や結晶方位を工夫すれば、水酸化カリウムによる異方性エッチング等も可能である。
また、ガラス膜形成工程において、ガラス膜14の膜厚を制御する方法としては、スパッタ装置における、プラズマを発生させるアルゴンガスの流量、高周波電源の電圧、成膜時間を適宜選択する方法が挙げられる。
上述した製造方法にあっては、有機接着剤を用いないから、第1のシリコン基板13と第2のシリコン基板15とが接触してもアライメントを続けることができ、第1のシリコン基板13と第2のシリコン基板15とを所定の位置で正確に接合できる。また、半導体プロセスに適用できるから、1つずつ製造しなくてもよくなり、各製品の性能のバラツキを抑えることができ、製品の信頼性および均一性を向上させることができる。さらに、接合層であるガラス膜の厚みを一定にしやすいという点でも、製品の均一性が向上する。また、多数を一括して製造できるという半導体プロセスのメリットが損なわれない上に、この気液分離膜を用いれば、ガスセンサまで半導体プロセスによって製造できる。
また、上述した製造方法では、第1のシリコン基板13が、絶縁膜である酸化シリコン膜12aを備えているので、陽極接合する際のガラス膜14の絶縁破壊を抑制でき、その結果、ガラス膜14を薄くできる。このように、ガラス膜14を薄くできたため、酸化シリコン膜12aと第2のシリコン基板15との間に形成される気体透過孔18の開口長Lを、気体を選択的に透過する程度に短くできる。
さらに、上述した製造方法では、シリコン基板に浅溝を形成しないで、第1のシリコン基板13の酸化シリコン膜12aと第2のシリコン基板15との間に、ガラス膜14の膜厚に応じた気体を選択的に透過する気体透過孔18を形成するので、シリコン基板に浅溝を形成する場合に比べて気液分離膜を製造する工程数を少なくできる。
なお、上述した実施形態例では、酸化シリコン膜を備えたシリコン基板としては、市販の酸化膜付きシリコン基板を用いたが、本発明はこれに限定されず、例えば、シリコン基板の表面を酸化処理、CVD、スパッタにより酸化シリコン膜を形成したものが挙げられる。
本実施例は、本発明の気液分離膜を用いた窒素酸化物濃度測定装置である。以下、窒素酸化物濃度測定装置の製造方法について説明する。
図13および図14に、この窒素酸化物濃度測定装置を示す。この窒素酸化物濃度測定装置30は、厚さ1mmのケイ酸塩ガラス板31と、ケイ酸塩ガラス板31に接し、酸化シリコン膜32を備えた厚さ300μmの第1のシリコン基板33と、第1のシリコン基板33の酸化シリコン膜32に接する厚さ2μmのガラス膜34と、ガラス膜34に接する厚さ300μmの第2のシリコン基板35とを有するものである。
この窒素酸化物濃度測定装置30において、第1のシリコン基板33および第2のシリコン基板35には各々貫通孔36,37が形成されている。また、ガラス膜34は、各シリコン基板の貫通孔36,37同士を連通し、気体を選択的に透過する気体透過孔38が形成されるように成膜されている。ここで、気体透過孔38が形成された部分およびその周辺のことを気液分離膜40という。
第1のシリコン基板33に形成された貫通孔36は、ケイ酸塩ガラス板31と重ねた際にケイ酸塩ガラス板31の2つの貫通孔41,42に対応する各位置を端部43,44とし、これらの端部43,44を繋ぎつつ折り返し部(第1の折り返し部45、第2の折り返し部46)を2カ所有する形状のものである。この貫通孔36には、液体状の発色試薬(ザルツマン試薬)が充填される。なお、第1のシリコン基板35の貫通孔36において、端部43から第1の折り返し部45までの直線部分のことを第1の直線部47という。
第2のシリコン基板35に形成された貫通孔37,37は、第1のシリコン基板33と重ねた際に第1の直線部47の少し外側の部分に対応する位置にスリット状に形成されている。
ケイ酸塩ガラス板31には、2つの貫通孔41,42が形成されており、一方の貫通孔41が発色試薬導入孔になり、他方の貫通孔42が発色試薬排出孔になる。
この窒素酸化物濃度測定装置においては、気体が、第2のシリコン基板35の貫通孔37,37および気体透過孔38を介して第1のシリコン基板33の貫通孔36に移動できるようになっている。その一方で、貫通孔36内の発色試薬が、貫通孔37,37および気体透過孔38を介して漏洩しないようになっている。
この窒素酸化物濃度測定装置を用いて窒素酸化物濃度を測定する際には、まず、発色試薬導入孔(貫通孔41)から発色試薬を導入する。その導入された発色試薬は、第1のシリコン基板33の貫通孔36からなる流路を通って発色試薬排出孔(貫通孔42)に向かって流れる。ここで、発色試薬が気液分離膜40を通過する際に、大気中の窒素酸化物が、第2のシリコン基板35の貫通孔37,37および気体透過孔38を介して第1のシリコン基板の貫通孔36を流れる発色試薬に取り込まれる。窒素酸化物が取り込まれた発色試薬は発色し、その発色の程度は窒素酸化物濃度に応じる。
次いで、測定部48にてケイ酸塩ガラス板31側から第1のシリコン基板の貫通孔36内の発色試薬に向けて測定光を当てる。光源から発した光は第1のシリコン基板33の貫通孔36を流れる発色試薬を透過し、さらに第2のシリコン基板35にて反射する。そして、その反射光の減衰量を測定することで、大気中の窒素酸化物濃度を求めることができる。
次に、この窒素酸化物濃度測定装置の製造方法について説明する。
まず、図15に示すように、ケイ酸塩ガラス板31に2つの貫通孔41,42を形成させる。
次いで、酸化シリコン膜がシリコン層の両面に設けられ、ケイ酸塩ガラス板31と同じ大きさの厚さ1μmの市販のシリコン基板を出発材料として用い、貫通孔形成工程において、図16に示すように、シリコン基板の一方の酸化シリコン膜に、1つの貫通孔36をICPエッチングにより形成して第1のシリコン基板33を得た。ここで、ICPエッチングの際に用いたエッチング装置は、住友精密工業製STS Multiplex−ICP:9809020であり、エッチングガスとしてSF、C、Oを用い、エッチング時間を1時間以内とした。
これとは別に、図17に示すように、シリコン基板の一方の酸化シリコン膜に2つのスリット状の貫通孔37,37をICPエッチングにより形成した。次いで、これを1:6バッファードフッ酸(50質量%のHF:40質量%のNHF=1:6[HF;0.07質量%+HF;0.34質量%])に浸漬し、両面の酸化シリコン膜をエッチング除去して、貫通孔37,37を有する第2のシリコン基板35を得た。
次いで、ガラス膜形成工程において、エッチングされた第1のシリコン基板33の酸化シリコン膜32の上に、被覆部と窓部を有するステンシルマスクを載せ、スパッタ成膜して酸化シリコン膜32上にガラス膜を形成した。ここで、ガラス膜は、第1の直線部47およびその直線部47の少し外側の部分以外の部分上に成膜して、第1のシリコン基板33の貫通孔36と第2のシリコン基板35の貫通孔37,37とが連通するようにした。また、ガラス膜形成時のターゲットとしてはコーニング社製#7740を用い、ガス組成を3%O/Ar、成膜時圧力を0.5MPa、基板温度を300℃、陽極電圧を3kVとした。
次いで、ガラス膜の上に保護層としての粘着シートを貼り合わせた後、貫通孔が形成されていない他方の酸化シリコン膜を、1:6バッファードフッ酸でエッチング除去した。
そして、ガラス膜上に貼り合わされた粘着シートを剥離し、接合工程において、ケイ酸塩ガラス板31と第1のシリコン基板33の酸化シリコン膜が形成されていない面とを接合した後、第1のシリコン基板33上のガラス膜34と第2のシリコン基板35とを陽極接合装置チャンバ内で近接させた。この際、第1のシリコン基板33と第2のシリコン基板35とが重なった際に形成される気体透過孔38が、第1のシリコン基板33の貫通孔36と第2のシリコン基板35の貫通孔37,37とを連通するように第1のシリコン基板33と第2のシリコン基板35とを配置した。そして、その配置を保ったまま、第1のシリコン基板33に電源の正極を接続し、第2のシリコン基板35に電源の負極を接続し、電圧を印加して陽極接合した。この陽極接合においては、印加電圧を60〜90Vとし、陽極接合装置チャンバ内の圧力を2×10−3Pa以下とし、陽極接合装置のヒータ温度を500℃とした。
このようにして、図13または図14に示されるような、気体を選択的に透過する気体透過孔が形成された気液分離膜を設けた窒素酸化物濃度測定装置30を得た。
本発明の気液分離膜は、ガスセンサなどに好適に利用できる。
本発明の一実施形態例に係る気液分離膜を示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。 本発明の一実施形態例に係る気液分離膜の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態例に係る気液分離膜の製造方法の一工程を示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)のB−B’断面図である。 本発明の一実施形態例に係る気液分離膜の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態例に係る気液分離膜の製造方法の一工程を示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)のC−C’断面図である。 本発明の一実施形態例に係る気液分離膜の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態例に係る気液分離膜の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態例に係る気液分離膜の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態例に係る気液分離膜の製造方法の一工程を示す図であって、(a)は上面図、(b)は(a)のD−D’断面図である。 本発明の一実施形態例に係る気液分離膜の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態例に係る気液分離膜の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の一実施形態例に係る気液分離膜の製造方法の一工程を示す断面図である。 実施例における窒素酸化物濃度測定装置を示す上面図である。 図13のE−E’断面図である。 実施例におけるケイ酸塩ガラス板を示す上面図である。 実施例における第1のシリコン基板を示す上面図である。 実施例における第2のシリコン基板を示す上面図である。
符号の説明
10 気液分離膜
12a 酸化シリコン膜(絶縁膜)
13 第1のシリコン基板
14 ガラス膜
15 第2のシリコン基板
16,17 貫通孔
18 気体透過孔

Claims (2)

  1. 表面に絶縁膜を備えた第1のシリコン基板と、第2のシリコン基板とに各々貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    第1のシリコン基板の絶縁膜あるいは第2のシリコン基板上に、気体透過孔となる部分を除いて、気体を選択的に透過し液体を透過しない開口長と同等の厚みのガラス膜を形成するガラス膜形成工程と、
    第1のシリコン基板の絶縁膜と第2のシリコン基板とをガラス膜を介して接触させ、これらを陽極接合法により接合する接合工程とを有し、
    前記ガラス膜形成工程では、前記気体透過孔となる部分が、第1のシリコン基板の貫通孔と連通する箇所と第2のシリコン基板の貫通孔と連通する箇所を有すると共に、前記各々の連通する箇所の間に、対向する第1のシリコン基板及び第2のシリコン基板によって前記ガラス膜の厚みと同等の開口長とされる部分を有するようにして、ガラス膜を成膜することを特徴とする気液分離膜の製造方法。
  2. 絶縁膜を備えた第1のシリコン基板と、第1のシリコン基板の絶縁膜に接して、気体透過孔の部分を除き、気体を選択的に透過し液体を透過しない開口長と同等の厚みで設けられたガラス膜と、ガラス膜に接する第2のシリコン基板とを有し、
    第1のシリコン基板および第2のシリコン基板には各々貫通孔が形成され
    前記気体透過孔は、第1のシリコン基板の貫通孔と連通する箇所と第2のシリコン基板の貫通孔と連通する箇所を有すると共に、前記各々の連通する箇所の間に、対向する第1のシリコン基板及び第2のシリコン基板によって前記ガラス膜の厚みと同等の開口長とされた部分を有することを特徴とする気液分離膜。
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