JP4551032B2 - エンジンのチェーンケース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのタイミングチェーンを覆うチェーンケースに関し、詳しくは、チェーン騒音を十分に低減でき、エンジン補機類のベルト駆動用のプーリを支持でき、しかも、タイミングチェーン等の潤滑機能も得られるように改良されたエンジンのチェーンケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用のOHC(オーバヘッドカムシャフト)型エンジンにおいて、クランクシャフトからカムシャフトへの動力伝達にタイミングチェーンを使用する型式のエンジンの一端部には、タイミングチェーンを覆うチェーンケースが装着されている。この種のチェーンケースの周縁部には、シリンダヘッド、シリンダブロック、クランクケース等のエンジン本体に対する締結ボス部が形成されると共に、シリンダヘッドカバーとの締結ボス部が形成されている。また、チェーンケースの壁面部には、オイルシール等を介してクランクシャフトの一端部を導出させるシャフト導出穴が開口されている。
【0003】
前記のようなチェーンケースは、自動車の軽量化の要請から薄肉化される傾向にあるが、単に薄肉化すると、壁面部が膜振動を発生し易くなってチェーン騒音が増大する恐れがある。そこで、特開平10−220684号公報に記載のタイミングチェーンカバー構造(チェーンケース)では、壁面部の中央部位にエンジン本体に対する締結ボス部を設け、この締結ボス部と周縁部の締結ボス部とを連結するリブを内面に設けることにより、壁面部の剛性を高めてチェーン騒音を低減するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記公報に記載のようなチェーンケースにおいて、壁面部の中央部に設けた締結ボス部と周縁部の締結ボス部とを連結するリブは、タイミングチェーンと干渉しないように高さが低く制限されるため、壁面部の面剛性は必ずしも十分とはいえず、チェーン騒音の低減効果も十分に期待できない。また、エンジン補機類のベルト駆動用のプーリを壁面部に支持するには剛性上無理がある。このような実情から、チェーン騒音の十分な低減効果が期待でき、エンジン補機類のベルト駆動用のプーリも支持可能なチェーンケースが要望されている。
【0005】
そこで、本発明は、チェーン騒音を十分に低減でき、エンジン補機類のベルト駆動用のプーリを確実に支持でき、しかも、タイミングチェーン等の潤滑機能も得られるエンジンのチェーンケースを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための手段として、本発明、エンジン本体の一端部に装着されてタイミングチェーンを覆うチェーンケースであって、前記チェーンケースの壁面部には、前記タイミングチェーンの軌道の内側空間に没入し、前記タイミングチェーンが巻回されるカムスプロケット側からクランクスプロケット側へ向かい前記タイミングチェーンの軌道に沿って漸次幅が減少するクサビ状の輪郭を有する凹陥部が設けられ前記凹陥部の幅の狭い端部側にプーリ支持用ボス部が一体に接続して配置され、前記プーリ支持用ボス部は、前記チェーンケースの内面側に突出する段付き円筒部を有し、前記段付き円筒部にプーリの支持軸が嵌合されて前記エンジン本体に直接締結されることにより、前記段付き円筒部の端面が前記エンジン本体側に圧接され、前記凹陥部の幅の広い端部側には、ヘッドカバー締結ボス部とオイルレベルゲージ支持ボス部とが一体に接続して配置されることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るエンジンのチェーンケースでは、タイミングチェーンの軌道の内側空間に没入する凹陥部によって壁面部の面剛性が十分に高められているため、チェーン駆動に伴なう壁面部の面振動が十分に抑制され、チェーン騒音が十分に低減される。また、前記凹陥部の幅の狭い端部側一体に接続して形成されたプーリ支持用ボス部は、十分な剛性および耐久性を有するため、エンジン補機類のベルト駆動用のアイドラプーリ等を壁面部に確実に支持可能とし、エンジンの小型化に寄与する。しかも、前記凹陥部の内面にはチェーン潤滑用のエンジンオイルがオイルミストとして付着し、再び液状のエンジンオイルとしてタイミングチェーンに滴下するため、タイミングチェーン等の潤滑機能も得られる。
【0008】
また、本発明に係るエンジンのチェーンケースでは、タイミングチェーンが巻回されるカムスプロケット側からクランクスプロケット側へ向かいタイミングチェーンの軌道に沿って漸次幅が減少するクサビ状の輪郭を前記凹陥部が有していると、この凹陥部の細長い輪郭により、壁面部の広範囲に亘って面剛性が高まるため、チェーン駆動に伴う壁面部の面振動が一層抑制され、チェーン騒音が一層低減される。また、この凹陥部の細長い輪郭により、タイミングチェーンの広範囲に亘ってエンジンオイルが滴下するため、タイミングチェーン等の潤滑機能が一層向上する
【0009】
さらに、本発明に係るエンジンのチェーンケースでは、前記凹陥部の幅の広い端部側にヘッドカバー締結ボス部とオイルレベルゲージ支持ボス部とが一体に形成されていると、ヘッドカバー締結ボス部の剛性および耐久性が十分に得られるため、シリンダヘッドカバーとチェーンケースとの間のシール性を確実に維持できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係るエンジンのチェーンケースの実施の形態を説明する。参照する図面において、図1は一実施形態に係るエンジンのチェーンケースの正面図、図2は図1に示したチェーンケースが装着される車両用のエンジン本体の一端部側の正面図である。
【0011】
図1に示す一実施形態のエンジンのチェーンケース1は、例えば図2に示す車両用のエンジン本体2の一端部側に装着されてタイミングチェーン3,3を覆う部材である。そこで、まず、図2を参照してエンジン本体2を説明する。このエンジン本体2は、DOHC(ダブルオーバヘッドカムシャフト)型のV型8気筒エンジンであり、シリンダブロック4の上部はそれぞれ4気筒のシリンダボア(図示省略)が開口する左右のバンクを構成している。
【0012】
前記シリンダブロック4の左右のバンクの上端には、それぞれシリンダヘッド5、シリンダヘッドカバー6がボルト締結により順次接合され、シリンダブロック4の下端にはクランクケース7、アッパオイルパン8、ロアオイルパン9がボルト締結により順次接合されている。そして、左右のシリンダヘッド5からシリンダブロック4、クランクケース7、アッパオイルパン8に跨ってチェーンケース1(図1参照)との接合面5A,4A,7A,8Aが形成され、これらの接合面5A,4A,7A,8Aにボルト締結用のネジ穴5B,4B,7B,8Bが形成されている。
【0013】
ここで、ロアオイルパン9に対するアッパオイルパン8の接合フランジ8Cの上面には、ロアオイルパン9の接合フランジ9Aを貫通する締結ボルトの締結ボス部8Dが複数突設されている。このうち、アッパオイルパン8の接合面8A付近の締結ボス部8D’,8D’は、接合面8Aに接合されるチェーンケース1(図1参照)の下部の両側に近接して配置されている。これに対応してチェーンケース1(図1参照)の下部が接合される接合面8Aのネジ穴8Bのうち、接合フランジ8C付近のネジ穴8B’,8B’は、前記締結ボス部8D’,8D’の近傍であって、後記する駆動スプロケット16の下方を避けた位置に形成されている。
【0014】
前記接合フランジ8C付近のネジ穴8B’,8B’を仮に駆動スプロケット16の下方に形成すると、その締結ボスの肉厚を確保するために接合面8Aが下方に膨出し、接合フランジ8Cと接合フランジ9Aとの接合面を下方に移動する必要が生じる。この場合、ロアオイルパン9の高さが低くなって剛性低下を来すという問題が発生するが、ネジ穴8B’,8B’は、駆動スプロケット16の下方を避けた位置に形成されているため、このような問題は回避される。
【0015】
前記タイミングチェーン3,3は、エンジン本体2の左側バンクおよび右側バンクにそれぞれ対応した2本が使用されている。エンジン本体2の左側バンクに対応したタイミングチェーン3は、クランクシャフト10の一端部に固定された3連のクランクスプロケット11の1つから左側バンクのシリンダヘッドカバー6内に配置された吸気弁用のカムスプロケット12および排気弁用のカムスプロケット13に巻回されている。同様にエンジン本体2の右側バンクに対応したタイミングチェーン3は、前記3連のクランクスプロケット11の他の1つから右側バンクのシリンダヘッドカバー6内に配置された吸気弁用の吸気カムスプロケット12および排気弁用の排気カムスプロケット13に巻回されている。
【0016】
前記左側バンクに対応したタイミングチェーン3の緩み側である下側には弓状のチェーンテンショナ14が添設され、張り側である上側には弓状のチェーンガイド15が添設されている。一方、右側バンクに対応したタイミングチェーン3の緩み側である上側には弓状のチェーンテンショナ14が添設され、張り側である下側には弓状のチェーンガイド15が添設されている。
【0017】
また、前記3連のクランクスプロケット11の残りの1つと前記アッパオイルパン8の接合面8Aの内側に配置されたオイルポンプ用の駆動スプロケット16との間には、駆動チェーン17が巻回されている。そして、この駆動チェーン17および前記タイミングチェーン3,3を潤滑するエンジンオイルのオイル流入口18が前記クランクケース7の接合面7Aの内側に開口されている。
【0018】
ここで、図1に示す一実施形態のチェーンケース1は、肉厚が2.5〜3.0mm程度の薄肉に設定されたアルミニウム合金の鋳物品からなる。このチェーンケース1の周縁部には、前記エンジン本体2(図2参照)の左右のシリンダヘッド5からシリンダブロック4、クランクケース7、アッパオイルパン8に跨って形成された接合面5A,4A,7A,8Aに接合される接合面(図1では図示省略)および複数の締結ボス部1Aが形成されている。そして、各締結ボス部1Aには、エンジン本体2側の接合面5A,4A,7A,8Aに開口する各ネジ穴5B,4B,7B,8Bに対応したボルト挿通穴1Bがそれぞれ形成されている。なお、前記アッパオイルパン8の接合面8Aに開口するネジ穴8B’,8B’に対応したボルト挿通穴および締結ボス部は、それぞれボルト挿通穴1B’、締結ボス部1A’として表す。
【0019】
また、前記チェーンケース1の左右の上端には、左右のバンクのシリンダヘッドカバー6,6(図2参照)の端部が接合される接合面1C,1Cが形成されている。そして、このようなチェーンケース1の壁面部の中央部には、オイルシール等を介して前記クランクシャフト10(図2参照)の一端部を導出させるシャフト導出穴1Dが開口されている。また、壁面部の下端部には、前記駆動スプロケット16(図2参照)の収容スペースを確保する円形膨出部1Eが形成されている。
【0020】
ここで、前記チェーンケース1の壁面部には、図2に示すタイミングチェーン3,3の軌道の内側空間に没入する凹陥部1F,1Gと、一方の凹陥部1Fに接続して設けられたプーリ支持用ボス部1Hとが形成されている。一方の凹陥部1Fは、図2に示す右側バンクに対応したタイミングチェーン3が巻回される吸気カムスプロケット12および排気カムスプロケット13側からクランクスプロケット11側へ向かいタイミングチェーン3の軌道に沿って漸次幅が減少する細長いクサビ状の輪郭を有する。この凹陥部1Fの長手方向中間部の断面形状は、例えば図3に示すような角溝状を呈している。そして、この凹陥部1Fは両側の壁部1F1,1F1が補剛リブの機能を発揮してその壁面部を補剛する。
【0021】
他方の凹陥部1Gは、図2に示す左側バンクに対応したタイミングチェーン3が巻回される吸気カムスプロケット12および排気カムスプロケット13側からクランクスプロケット11側へ向かいタイミングチェーン3の軌道に沿って漸次幅が減少する細長いクサビ状の輪郭を有する。この凹陥部1Gの長手方向中間部の断面形状は、例えば図4に示すような角溝状を呈している。そして、この凹陥部1Gは両側の壁部1G1,1G1が補剛リブの機能を発揮してその付近の壁面部を補剛する。なお、図4において符号1Iは、エンジン本体2(図2参照)に形成された接合面5A,4A,7A,8Aに接合される接合面を示している。
【0022】
図1に示すように、前記プーリ支持用ボス部1Hは、凹陥部1Fの幅の狭い端部側、すなわち壁部1F1,1F1が相互に近接した剛性の高い部分に一体に形成されている。このプーリ支持用ボス部1Hは、図5の断面図に示すようにチェーンケース1の内面側に突出する段付き円筒部1H1を有する。そして、この段付き円筒部1H1に図示しないプーリの支持軸が嵌合されてエンジン本体2に直接締結されることにより、段付き円筒部1H1の端面がエンジン本体2側に圧接され、こうしてチェーンケース1がオイルシールされる。なお、前記プーリは、図示しないACジェネレータやエアコン装置用コンプレッサ、パワーステアリング装置用ポンプ等のエンジン補機類と図2に示すクランクシャフト10との間に構成されるベルト伝動機構のアイドラプーリである。
【0023】
前記チェーンケース1において、シリンダヘッドカバー6,6(図2参照)との接合面1C,1C付近には、複数のヘッドカバー締結ボス部1Jが形成されている。また、前記接合面1C,1C付近に臨む凹陥部1F、1Gの幅の広い端部側には、シリンダヘッド5に締結するためのボルト挿通穴1Bを有するオイルレベルゲージ支持ボス部1Kがそれぞれ形成されている。そして、各オイルレベルゲージ支持ボス部1Kの近傍に1つのヘッドカバー締結ボス部1J’が配置されている。
【0024】
以上のように構成された一実施形態に係るチェーンケース1は、その周縁部の各ボルト挿通穴1Bに挿通した締結ボルトをエンジン本体2側の各ネジ穴5B,4B,7B,8Bにねじ込むことにより、エンジン本体2側の左右のシリンダヘッド5からシリンダブロック4、クランクケース7、アッパオイルパン8に跨って形成された接合面5A,4A,7A,8Aに接合面1Iが接合される。
【0025】
また、チェーンケース1の左右の上端付近にそれぞれ複数ずつ配置されたヘッドカバー締結ボス部1Jに締結ボルトを挿通し、各締結ボルトを左右のシリンダヘッドカバー6,6の端部のネジ穴(図示省略)にねじ込むことにより、左右の上端の接合面1C,1Cにシリンダヘッドカバー6,6の端部が接合される。この場合、接合面1C,1Cにそれぞれ対応した各1つのヘッドカバー締結ボス部1J’は、凹陥部1F、1Gの幅の広い端部側に形成された各オイルレベルゲージ支持ボス部1Kの近傍に配置されているため、十分な剛性および耐久性が得られる。その結果、シリンダヘッドカバー6,6の端部は、チェーンケース1の左右の上端の接合面1C,1Cに確実に締結される。こうして、チェーンケース1は、エンジン本体2の一端部に装着されてタイミングチェーン3,3、クランクスプロケット11、チェーンテンショナ14、チェーンガイド15、駆動スプロケット16、駆動チェーン17などを覆う。
【0026】
このようにチェーンケース1が装着されたエンジン本体2では、その運転によるクランクシャフト10の回転に伴ない左右バンクのタイミングチェーン3,3を介して左右のバンクの吸気カムスプロケット12および排気カムスプロケット13がそれぞれ回転駆動される。また、駆動チェーン17を介して駆動スプロケット16が回転駆動されることにより図示しないオイルポンプが作動する。その際、タイミングチェーン3,3および駆動チェーン17が騒音を発生する。
【0027】
ここで、一実施形態のチェーンケース1は、タイミングチェーン3,3の軌道の内側空間に没入する凹陥部1Fおよび凹陥部1Gを有し、これらは、吸気カムスプロケット12および排気カムスプロケット13側からクランクスプロケット11側へ向かいタイミングチェーン3の軌道に沿って漸次幅が減少する細長いクサビ状の輪郭を有する。このため、凹陥部1Fおよび凹陥部1Gによって壁面部の広範囲に亘る部分の面剛性が十分に高められている。その結果、タイミングチェーン3,3や駆動チェーン17の駆動に伴なう壁面部の面振動が十分に抑制され、タイミングチェーン3,3や駆動チェーン17の発生するチェーン騒音が十分に低減される。
【0028】
また、チェーンケース1の一方の凹陥部1Fの幅の狭い端部側に一体に形成されているプーリ支持用ボス部1Hは、極めて高い剛性および耐久性を有している。このため、図示しないエンジン補機類のベルト伝動機構を構成するアイドラプーリの支持軸は、プーリ支持用ボス部1Hの円筒部1H1に嵌合固定されてチェーンケース1の壁面部に確実に支持される。従って、前記ベルト伝動機構のレイアウトに自由度が得られ、エンジンの小型化に寄与し得る。
【0029】
エンジン本体2の運転中、左右のバンクに対応したタイミングチェーン3,3および駆動チェーン17は、オイル流入口18等からチェーンケース1の内側空間に流入するエンジンオイルによって潤滑される。このため、チェーンケース1の内側空間には、タイミングチェーン3,3や駆動チェーン17から飛散したエンジンオイルのオイルミストが充満している。そして、このオイルミストは、タイミングチェーン3,3の軌道に沿ってその内側空間に没入する細長いクサビ状の輪郭の凹陥部1F,1Gの内面に付着し、再び液状のエンジンオイルとして凹陥部1F,1Gの内面から下方に滴下する。そして、凹陥部1Gの内面から滴下するエンジンオイルによって左側バンクに対応したタイミングチェーン3の緩み側が広範囲に亘って潤滑され、凹陥部1Fの内面から滴下するエンジンオイルによって右側バンクに対応したタイミングチェーン3の張り側が広範囲に亘って潤滑される。
【0030】
一実施形態に係るチェーンケース1は、DOHC型のV型8気筒エンジンに対応したものであるが、本発明のチェーンケースは、タイミングチェーンを有する限り、OHC型エンジンや直列エンジンにも適用できる。また、6気筒エンジンや4気筒エンジンにも適用できる。さらに、本発明のチェーンケースは、アルミニウム合金の鋳物品に限らず、マグネシウム合金の鋳物品であっても、鋼板のプレス成形品であってもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るエンジンのチェーンケースによれば、タイミングチェーンの軌道の内側空間に没入する凹陥部によって壁面部の面剛性が十分に高められているため、チェーン駆動に伴なう壁面部の面振動を十分に抑制でき、チェーン騒音を十分に低減することができる。また、前記凹陥部と一体に接続して設けられたプーリ支持用ボス部は、十分な剛性および耐久性を有するため、エンジン補機類のベルト駆動用のアイドラプーリ等を壁面部に確実に支持でき、エンジンの小型化に寄与できる。しかも、前記凹陥部の内面には、チェーン潤滑用のエンジンオイルがオイルミストとして付着し、再び液状のエンジンオイルとしてタイミングベルトに滴下するため、タイミングチェーン等の潤滑機能も得られる。
【0032】
また、本発明に係るエンジンのチェーンケースによれば、タイミングチェーンが巻回されるカムスプロケット側からクランクスプロケット側へ向かいタイミングチェーンの軌道に沿って漸次幅が減少するクサビ状の輪郭を前記凹陥部が有し、この凹陥部の細長い輪郭により、壁面部の広範囲に亘って面剛性が高まるため、チェーン駆動に伴なう壁面部の面振動を一層抑制でき、チェーン騒音を一層低減することができる。また、この凹陥部の細長い輪郭により、タイミングチェーンの広範囲に亘ってエンジンオイルが滴下するため、タイミングチェーン等の潤滑機能を一層向上することができる。さらに、前記凹陥部の幅の狭い端部側に前記プーリ支持用ボス部が配置され、プーリ支持用ボス部の剛性および耐久性が一層増大するため、エンジン補機類のベルト駆動用のアイドラプーリ等を壁面部に一層確実に支持できる。
【0033】
さらに、本発明に係るエンジンのチェーンケースによれば、前記凹陥部にヘッドカバー締結ボス部とオイルレベルゲージ支持ボス部とが一体に設けられ、ヘッドカバー締結ボス部の剛性および耐久性が十分に得られるため、シリンダヘッドカバーとチェーンケースとの間のシール性を確実に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエンジンのチェーンケースの正面図である。
【図2】図1に示したチェーンケースが装着される車両用のエンジン本体の一端部側の正面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図1のB−B線断面図である。
【図5】図1のC−C線断面図である。
【符号の説明】
1 :チェーンケース
1F:凹陥部
1G:凹陥部
1H:プーリ支持用ボス部
1J:ヘッドカバー締結ボス部
1K:オイルレベルゲージ支持ボス部
2 :エンジン本体
3 :タイミングチェーン
4 :シリンダブロック
5 :シリンダヘッド
6 :シリンダヘッドカバー
7 :クランクケース
8 :アッパオイルパン
9 :ロアオイルパン
10 :クランクシャフト
11 :クランクスプロケット
12 :吸気カムスプロケット
13 :排気カムスプロケット
16 :駆動スプロケット
17 :駆動チェーン
18 :オイル流入口

Claims (1)

  1. エンジン本体の一端部に装着されてタイミングチェーンを覆うチェーンケースであって、
    前記チェーンケースの壁面部には、前記タイミングチェーンの軌道の内側空間に没入し、前記タイミングチェーンが巻回されるカムスプロケット側からクランクスプロケット側へ向かい前記タイミングチェーンの軌道に沿って漸次幅が減少するクサビ状の輪郭を有する凹陥部が設けられ
    前記凹陥部の幅の狭い端部側にプーリ支持用ボス部が一体に接続して配置され、
    前記プーリ支持用ボス部は、前記チェーンケースの内面側に突出する段付き円筒部を有し、前記段付き円筒部にプーリの支持軸が嵌合されて前記エンジン本体に直接締結されることにより、前記段付き円筒部の端面が前記エンジン本体側に圧接され、
    前記凹陥部の幅の広い端部側には、ヘッドカバー締結ボス部とオイルレベルゲージ支持ボス部とが一体に接続して配置されることを特徴とするエンジンのチェーンケース。
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