JP4549447B2 - 複合材料およびその製造方法ならびに複合材料含有樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機高分子材料の機械的特性、ガスバリアー性、耐熱性、あるいは透明性を改良する目的で有機高分子材料に配合される複合材料およびその製造方法に関し、より詳しくは、層状珪酸塩を構成する珪酸塩層にエチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーが、層間が実質的に平行でないように挿入された複合材料およびその製造方法に関する。さらに、本発明は、有機高分子材料と得られた複合材料とを含有する複合材料含有樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より層状珪酸塩を構成する珪酸塩層に有機高分子材料を挿入した複合材料を得ようとする試みがなされていた。それらの試みは、例えば、加藤忠蔵(高分子、1970年、Vol.19、No.222、p758−764)や加藤忠蔵、黒田一幸(粘土科学、1986年、Vol.26、No.4、p292−305)等の総説にまとめられている。しかしながら、珪酸塩層に有機高分子材料を挿入して層間距離を拡大することや層間の平行性を減少させて粘土鉱物を分散させることが困難であった。
【0003】
この問題を解決するために開発された複合材料のひとつとして、膨潤性粘土鉱物を構成する珪酸塩層に、必要に応じて、アルキルアミン系の膨潤化剤を処理して、さらにモノマーを含浸させ重合することを特徴とする粘土鉱物/ポリアミド樹脂組成物がある(特公昭58−35211号公報、特公昭58−35542号公報)。
【0004】
また、ポリアミドの高分子鎖の一部と珪酸塩層がイオン結合してなる複合材料としては、層状珪酸塩を構成する珪酸塩層の厚さが7から12Å(オングストローム)で層間距離が30Å以上である珪酸塩層にポリアミドを含む樹脂を混入し、ポリアミドの高分子鎖の一部と珪酸塩層がイオン結合してなる複合材料も報告されている(特開昭62−74957号公報)。
【0005】
この複合材料の製造方法もまた、層状珪酸塩と膨潤化剤とを接触させて、モノマーの溶融温度以上の温度で、モノマー中のポリアミドにより膨潤する性質を有する複合体とする接触工程と、得られた複合体とポリアミドモノマーとを混合する混合工程と、混合物を所定温度に加熱して重合する重合工程とから成る(特開昭62−74957号公報)。これらの方法に従うと、製造工程に重合工程が含まれるため、複合材料の製造は必ずしも容易ではなく、また、ポリアミド以外に応用することが困難であった。
【0006】
製造工程の困難を解決するため、層状珪酸塩とアルキルアミン系膨潤化剤とを水中に分散させ乾燥させることにより得られた層状珪酸塩/アルキルアミン系膨潤化剤複合材料をポリアミドと溶融混練することにより、層間距離を30Å以上に拡大することや層間の平行性を減少させた複合材料含有樹脂組成物が報告されている(米国特許第5385776号公報)。しかし、この方法では低分子量のアルキルアミン系膨潤化剤が最終製品に混入してしまうため、その熱安定性に問題があった。また、ポリアミド樹脂以外の樹脂を用いて、層間距離を30Å以上に拡大させることは層間の平行性を減少せしめ、分散性が向上した複合材料含有樹脂組成物を得ることは困難であった。
【0007】
ポリアミド以外の有機高分子材料であっても層状珪酸塩を分散せしめ、しかも、重合工程を含まない複合材料としては、フィロシリケート、インターカラントポリマーおよび水の混合物を、ダイ開口部を通して押出すことにより製造される複合材料が報告されている(特開平9−20514号公報)。
【0008】
この複合材料においては、珪酸塩の層間は、10〜55Åに拡大しているものの、ほとんど平行性を保った規則的な構造を有している。また、少なくとも約10重量%の水を含有するため、その取り扱いが困難であった。
【0009】
また、アイオノマーを、層状珪酸塩と水中で分散、混合、乾燥、粉砕することにより、珪酸塩層にアイオノマーを挿入した、水を含まない複合材料も開発されている(特願平8−302368号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、層状珪酸塩と有機高分子材料からなり熱安定性を有すると共に珪酸塩層の層間距離が拡大し、さらに実質的に層間の平行性がないように分散性が向上した水を含まない複合材料、およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
さらに、本発明の課題は、そのような複合材料を含有する複合材料含有樹脂組成物を提供することにある。
【0012】
詳しくは、本発明の課題は、エチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーと、層状珪酸塩とからなる複合材料およびその製造方法、ならびにかかる複合材料を含有する複合材料含有樹脂組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、強い剪断でエチレンアクリル酸共重合体アイオノマーと層状珪酸塩とを水中で混合し、水の除去を急速乾燥で行うことにより、層間の平行性が実質的にない分散性が向上した水を含有しない複合材料を製造する方法を見出した。
【0014】
すなわち、本発明の複合材料は、エチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーと、層状珪酸塩とを含み、前記エチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーが前記層状珪酸塩の珪酸塩層間に挿入され、層間の実質的な平行性が失われた珪酸塩を含み、かつ水分を含まないことを特徴とする。前記エチレンアクリル酸共重合体と層状珪酸塩との好ましい比率は、前記エチレンアクリル酸共重合体100重量部に対して層状珪酸塩20〜50重量部である
【0015】
本発明の複合材料の製造方法は、エチレンアクリル酸共重合体アイオノマー水分散液を、層状珪酸塩と混合し、剪断をかけながら急速乾燥して水分を除去することにより、前記層状珪酸塩の珪酸塩層間に前記エチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーを挿入することを特徴とする。
【0016】
本発明の複合材料の製造方法において、エチレンアクリル酸共重合体アイオノマー水分散液と層状珪酸塩との混合を、剪断条件下に行うことが好ましい。
【0017】
本発明の複合材料の製造方法において、エチレンアクリル酸共重合体アイオノマー水分散液を、層状珪酸塩と、ホモジナイザーを用いて混合し、スプレードライ法により乾燥することが好ましい
【0018】
本発明の複合材料含有樹脂組成物は、上述の複合材料、あるいは上述の製造方法により製造された複合材料と、エチレンアクリル酸共重合体と親和性を有する有機高分子材料とを含有することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の発明における複合材料においては、層状珪酸塩の珪酸塩層間には、エチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーが挿入されている。この挿入物中のエチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーは、複合材料の製造方法において使用されるエチレンアクリル酸共重合体アイオノマーの水分散液におけるアイオノマーに由来するものであり、通常は使用したアイオノマーがそのまま複合材料に取り込まれるが、アンモニアや低級アミンのアイオノマーの水分散液を用いた場合には、乾燥過程でこれらの一部または全部が揮発逸散するので、中和程度の低減されたアイオノマーとしてあるいはエチレンアクリル酸共重合体として複合材料中に取り込まれる。
【0021】
ここに、エチレンアクリル酸共重合体は、エチレンとアクリル酸の共重合体であって、任意に他の単量体が共重合されたものであってもよい。このような他の単量体成分としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチルのような不飽和モノカルボン酸エステル、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジメチルのような不飽和多価カルボン酸(無水物)およびそのエステル、一酸化炭素、二酸化硫黄などを挙げることができる。
【0022】
上述のエチレン−アクリル酸共重合体としては、アクリル酸含量が5〜30重量%、特に10〜25重量%の範囲のものが好ましい。すなわち、アクリル酸含量が上述の範囲より少ないものを用いると、複合材料を製造する場合の水分散液における分散粒子径が大きくなりすぎて、目的とする複合材料が得難いためである。また、アクリル酸含量が上述の範囲より多いものを使用すると、吸湿性が高くなり、物性上の悪影響が大きくなるためである。エチレンアクリル酸共重合体のアイオノマーは、該共重合体のカルボキシル基の一部または全部がリチウム、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、アルキルアミン、アルカノールアミンのような有機アミン、アンモニアなどで中和されたものである。上述のように、複合材料の製造方法において乾燥工程が入るため、アンモニアや低沸点アミンは逸散し易いため、複合材料中に相当量残すことは難しいが、アルカリ金属や高沸点アミンをイオン種とするアイオノマーにおいては、製造方法に由来して中和度が40〜100%のものが一般的である。
【0023】
本発明で用いるエチレンアクリル酸共重合体は、エチレンとアクリル酸とのランダム共重合体であるのが好ましい。
【0024】
層状珪酸塩は、通常、その厚みが7〜15Åであり、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム層等により形成される。具体的には、モンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、ステイブンサイト等のスメクタイト系粘土鉱物や、バーミキュライト、ハロサイト、マイカなどがあり、天然のものでも合成されたものでもよい。さらにまた、潤滑性フッ素マイカ等も挙げられる。なかでもスメクタイト系層状珪酸塩が好ましい。
複合材料中の層状珪酸塩の含有量は、エチレンアクリル酸共重合体100重量部に対して、1〜100重量部であり好ましくは20〜50重量部である。
【0025】
上述の複合材料の製造に際し、エチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーの水分散液が使用される。このような水分散液は、エチレンアクリル酸共重合体をアルカリ水溶液中で、融点以上の温度で加熱撹拌する方法や、あらかじめ製造されたアイオノマーを水中で融点以上の温度で加熱撹拌する方法などによって製造することができる。エチレンアクリル酸共重合体は、ラジカル重合によって得られるものを使用してもよく、またエチレンアクリル酸エステル共重合体の熱分解や加水分解によって得られるものを使用してもよい。ここにアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン、アンモニアなどの1種または2種以上が用いられる。得られるアイオノマーの水分散性を考慮すると、水分散液中における中和度が40〜100%となるように調整するのが望ましい。
【0026】
このようなアイオノマーの水分散液として固形分濃度の高いものを製造することは可能であるが、層状珪酸塩と混合する場合にその濃度が高すぎると、珪酸塩の層間が十分に拡がらない恐れがあり、またあまりその濃度が低すぎると水分散液が不安定となり、凝集が起こる恐れがあるので、通常は固形分濃度が0.5〜5重量%程度のものであって、pHが8〜12,平均分散粒子径が10〜1000nmのものを使用するのが好ましい。
【0027】
エチレンアクリル酸共重合体アイオノマーを層状珪酸塩と水中で混合する際、層状珪酸塩がエチレンアクリル酸共重合体アイオノマーと十分に混合されるように、混合は、強い剪断条件下で行うことが好ましい。混合は、ホモジナイザー、プロペラミキシング等の公知のいずれかの方法により行うことができるが、強い剪断をかけることができる点でホモジナイザーによる混合が好ましい。
【0028】
また、乾燥は、スプレードライ、箱形乾燥等の公知のいずれかの方法により行うことができる。好ましい乾燥方法は、剪断をかけながら一瞬にして水を除去する急速乾燥であり、そのような乾燥は、具体的にはスプレードライにより行うことができる。また、凍結乾燥も効果的である。乾燥後の複合材料の水分は10%以下で、望ましくは5%以下である。
【0029】
得られた複合材料において、エチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーが珪酸塩層に挿入され平行性が失われているかどうかは、広角X線測定のピーク位置および強度から判定できる。
【0030】
得られた複合材料と種々の有機高分子材料を混練して複合材料含有樹脂組成物を得ることができる。混練する有機高分子材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム類などが挙げられる。
【0031】
有機高分子材料として用いるための熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂およびゴムは、極めて広範囲なものから選択できる。単独で、または混合物として使用しうる、有用な熱可塑性樹脂の例は、ポリ(ピバロラクトン)、ポリ(カプロラクトン)等のごときポリラクトン類;1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニルジイソシアネート、4,4′−ジフェニルイソプロピリデンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニルジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジイソシアナートジフェニルメタン等のごときジイソシアネート類と、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(2,3−ブチレンスクシネート)、ポリエーテルジオール類等のごとき直線状長鎖ジオール類との反応由来のポリウレタン類;ポリ[メタンビス(4−フェニル)カーボネート]、ポリ[1,1′−エチレンビス(4−フェノール)カーボネート]、ポリ[ジフェニルメタンビス(4−フェニル)カーボネート]、ポリ[1,1−シクロヘキサンビス(4−フェニル)カーボネート]等のごときポリカーボネート類;ポリスルフォン類;ポリエーテル類;ポリケトン類;ポリ(4−アミノ酢酸)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリ(6−アミノヘキサン酸)、ポリ(m−キシレンアジパミド)、ポリ(p−キシレンセバカミド)、ポリ(2,2,2−トリメチルヘキサメチレンテレフタラミド)、ポリ(メタフェニレンイソフタラミド)(NOMEX)、ポリ(p−フェニレンテレフタラミド)(KEVLAR)等のごときポリアミド類;ポリ(エチレンアゼラート)、ポリ(エチレン−1,5−ナフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリ(エチレンオキシベンゾエート)(A−TELL)、ポリ(パラ−ヒドロキシベンゾエート)(EKONOL)、ポリ(1,4−シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)(KODEL)(シス)、ポリ(1,4−シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)(KODEL)(トランス)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のごときポリエステル類;ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンオキシド)等のごときポリ(アリーレンオキシド)類;ポリ(フェニレンスルフィド)等のごときポリ(アリーレンスルフィド)類;ポリエーテルイミド類;ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロリドのごときビニルポリマー類およびビニルポリマー類のコポリマー類;ポリビニルブチラール、ポリビニリデンクロリド;ポリエチルアクリレート、ポリ(n−ブチルアクリレート)、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリ(n−プロピルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、エチレン−ビニルアルコール、アクリロニトリルコポリマー類、メチルメタクリレート−スチレンコポリマー類、メタクリル化ブダジエン−スチレンコポリマー類等のポリアクリル類、ポリアクリレートおよびそのコポリマー類;低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー類、エチレン−(メタ)アクリレートコポリマー類、エチレン−(メタ)アクリル酸コポリマー類、アイオノマー類、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化低密度ポリエチレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリエチレン、ポリスチレン等のポリオレフィン類;ポリ(エピクロロヒドリン)類;エチレングリコール、プロピレングリコール等の1以上のジオール類、および/またはジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のポリジオール、および/またはテトラエチレングリコールなどと、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等のポリイソシアネートとの重合産物のごときポリウレタン;および2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのナトリウム塩と4,4′−ジクロロジフェニルスルフォンとの反応物のごときポリスルフォン類;ポリフラン等のフラン樹脂類;セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート等のセルロースエーテルプラスチック類;ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(ジメチルシロキサンコフェニルメチルシロキサン)等のシリコーン類;タンパク質プラスチック類;ならびにこれらの2以上のものの混合物である。
【0032】
有機高分子材料として有用な、加硫可能かつ熱可塑性を有するゴムもまた、広範囲のものを利用できる。かかるゴムの例としては、臭化ブチルゴム、塩化ブチルゴム、ポリウレタンエラストマー類、フルオロエラストマー類、ポリエステルエラストマー類、ブタジエン/アクリロニトリルエラストマー類、シリコーンエラストマー類、ポリブタジエン、ポリ(イソブタジエン)、エチレン−プロピレン・コポリマー類、エチレン−プロピレン−ジエン・ターポリマー類、スルフォン化エチレン−プロピレン−ジエン・ターポリマー類、ポリ(クロロプレン)、ポリ(2,3−ジメチルブタジエン)、ポリ(ブタジエン−ペンタジエン)、クロロスルフォン化ポリエチレン類、ポリスルフィド・エラストマー類、ポリスチレン、ポリ(ビニルトルエン)、ポリ(1−ブチルスチレン)、ポリエステル類等のガラス質のまたは結晶性ブロック類ならびにポリブタジエン、ポリ(イソプレン)、エチレン−プロピレン・コポリマー類、プロピレン・コポリマー類、エチレン−ブチレン・コポリマー類、ポリエーテル等のごときエラストマーブロック類からなるブロックコポリマー類、例えば、KRATON(商標名)でShell Chemical Companyにより製造されている、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン・ブロックコポリマーが挙げられる。
【0033】
有用な熱硬化性樹脂としては、尿素とホルムアルデヒドの縮合によってなる尿素樹脂;メラミンとホルムアルデヒドの縮合によってなるメラミン樹脂;フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール類とホルムアルデヒドの縮合によってなるフェノール樹脂;エピクロルヒドリンとビスフェノール類や多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソスビトール等)の反応による縮合体をエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ノルボルナンジアミン、メタキシリレンジアミン、メラミン、ジアミノベンゼン、トリアミノベンゼンのような多価アミン類や酸無水物によって硬化してなるエポキシ樹脂;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和多塩基酸と無水フタル酸、アジピン酸等の飽和多塩基酸およびエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコールからなる不飽和ポリエステル樹脂;グリセリン、エチレングリコール等の多価アルコールと無水フタル酸、無水マレイン酸、ロジン無水マレイン酸付加物等の多塩基酸からなるアルキッド樹脂;トルエンジイソシアネート(TDI)、ポリマー性ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、メタキシリレンジイソシアネート(MXDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等のジイソシアネートと多価アルコール、多価アミンで硬化されてなるポリウレタン樹脂が挙げられる。
【0034】
本発明の複合材料をこれらの熱硬化性樹脂と複合化する際には反応硬化前のモノマーあるいはプレポリマーに分散させておき、しかる後に加熱硬化させることが望ましい。
【0035】
有機高分子材料として有用な、最も好ましい熱可塑性ポリマー類は、ポリアミド類、ポリエステル類、ならびにα,β不飽和モノマー類およびコポリマー類のポリマー類などの熱可塑性ポリマー類である。本発明において使用しうるポリアミド類は、少なくとも2つの炭素原子によって互いに隔てられるポリマー類の完全部分として、反復するカーボンアミド基が存在することにより特徴が示される合成直鎖状ポリカーボンアミド類である。このタイプのポリアミド類には、当該技術分野において一般にナイロンとして知られるポリマー類が含まれ、これは、一般式
【0036】
【化1】
−NHCOR1 COHNR2
(式中、R1 は、少なくとも2、好ましくは約2から約11の炭素原子を有するアルキレン基、または、少なくとも約6、好ましくは約6から約17の炭素原子を有するアリーレンであり、R2 は、R1 およびアリール基より選択される基を表す)で示される反復単位を有し、ジアミンおよび二塩基酸より得られる。また、例えばテレフタル酸およびアジピン酸よりなる二塩基酸の混合物とヘキサメチレンジアミンとの濃縮によるごとき、既知の方法で得られるコポリアミド類およびターポリアミド類もまた、好ましいポリアミド類に包含される。前記のポリアミド類は、当該技術分野においてよく知られており、例えば、30%のヘキサメチレンジアンモニウムイソフタレートおよび70%のヘキサメチレンジアンモニウムアジペートのコポリアミド、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(ナイロン6,6)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)(ナイロン6,10)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタラミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタラミド)、ポリ(ヘプタメチレンピメラミド)(ナイロン7,7)、ポリ(オクタメチレンスベラミド)(ナイロン8,8)、ポリ(ノナメチレンアゼラミド)(ナイロン9,9)、ポリ(デカメチレンアゼラミド)(ナイロン10,9)、ポリ(デカメチレンセバカミド)(ナイロン10,10)、ポリ[ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン−1,10−デカンカルボキサミド)]、ポリ(m−アジパミド)、ポリ(p−キシレンセバカミド)、ポリ(2,2,2−トリメチルヘキサメチレンテレフタラミド)、ポリ(ピペラジンセバカミド)、ポリ(p−フェニレンテレフタラミド)およびポリ(メタフェニレンイソフタラミド)等である。
【0037】
有機高分子材料として有用な、他のポリアミド類は、アミノ酸およびその誘導体、例えばラクタム類の重合によって形成されるものである。これらの有用なポリアミド類の例は、ポリ(4−アミノ酪酸)(ナイロン4)、ポリ(6−アミノヘキサン酸)(ナイロン6)、ポリ(7−アミノヘプタン酸)(ナイロン7)、ポリ(8−アミノオクタン酸)(ナイロン8)、ポリ(9−アミノノナン酸)(ナイロン9)、ポリ(10−アミノデカン酸)(ナイロン10)、ポリ(11−アミノウンデカン酸)(ナイロン11)およびポリ(12−アミノドデカン酸)(ナイロン12)等である。
【0038】
好ましいポリアミド類は、ポリ(カプロラクタム)、ポリ(12−アミノドデカン酸)およびポリ(ヘキサメチレンアジパミド)である。
【0039】
有機高分子材料として有用な他のポリマーは、直鎖状ポリエステル類である。ポリエステルのタイプは、本発明を左右するものではなく、有機高分子材料として使用するために選択される特定のポリエステル類は、最終的な形態に所望される物理的特性および性質、すなわち、引張強さ、引張応力等に本質的に依存する。このように、物理的特性において広い多様性を有する直鎖状の熱可塑性ポリエステル類が多数存在することは、本発明の複合材料を製造するうえで、挿入物との混合物での使用のために好適である。
【0040】
本発明における使用のために特に選択されるポリエステルは、所望に応じて、ホモポリエステル、コポリエステル、またはその混合物であってもよい。ポリエステルは、通常は、有機ジカルボン酸と有機性ジオールとの濃縮によって調製され、挿入物と接触する間にポリエステルのin situ 重合を行うために、その反応物をエチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーを挿入した層状珪酸塩に添加することができる。
【0041】
本発明において有機高分子材料として用いるために好適なポリエステル類は、芳香族、環状脂肪族および脂肪族ジオール類と、脂肪族、芳香族および環状脂肪族ジカルボン酸類との濃縮により得られるもので、環状脂肪族、脂肪族または芳香族ポリエステル類であってもよい。
【0042】
本発明を実施するうえで有機高分子材料として利用できる、有用な環状脂肪族、脂肪族および芳香族ポリエステル類の例としては、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンドデケート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ[エチレン(2,7−ナフタレート)]、ポリ(メタフェニレンイソフタレート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(エチレンセバケート)、ポリ(デカメチレンアゼレート)、ポリ(デカメチレンアジペート)、ポリ(デカメチレンセバケート)、ポリ(ジメチルプロピオラクトン)、ポリ(パラ−ヒドロキシベンゾエート)(EKONOL)、ポリ(エチレンオキシベンゾエート)(A−TELL)、ポリ(エチレンイソフタレート)、ポリ(テトラメチレンテレフタレート)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタレート)、ポリ(デカメチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(トランス)、ポリ(エチレン−1,5−ナフタレート)、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)(KODEL)(シス)、およびポリ(1,4−シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート)(KODEL)(トランス)などが挙げられる。
【0043】
ジオールと芳香族ジカルボン酸の濃縮により調製されるポリエステル化合物は、本発明において、有機高分子材料として用いるために特に好適である。かかる有用性をもつ芳香族カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸およびo−フタル酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルフォンジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−5−カルボキシ−3−(p−カルボキシフェニル)−インダン、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸およびビス−p−(カルボキシフェニル)メタン等が挙げられる。前記の芳香族ジカルボン酸のうち、ベンゼン環を有するもの(テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸など)が、本発明を実施するうえでの使用に好ましいものである。これらの好ましい酸前駆物質のうち、テレフタル酸が特に好ましい酸前駆物質である。
【0044】
本発明の最も好ましい実施態様では、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリビニルアミン、およびそれらの混合物からなる群より選択される有機高分子材料に挿入物が組入れられる。選択可能なこれらのポリエステルのうち、ポリ(エチレンテレフタレート)およびポリ(ブチレンテレフタレート)が最も好ましい。
【0045】
本発明で使用する有機高分子材料としての使用のための、さらに別の有用な熱可塑性ホモポリマー類およびコポリマー類には、α,β不飽和モノマー類、または以下の式
【0046】
【化2】
34 C=CH2
(式中、R3 およびR4 は、同じかまたは互いに異なっており、シアノ、フェニル、カルボキシ、アルキルエステル、ハロ、アルキルまたは1以上の塩素もしくはフッ素で置換されたアルキル、または水素原子を表す)で示されるモノマーの重合により形成されるポリマー類が挙げられる。このような好ましいホモポリマー類およびコポリマー類の例は、エチレン、プロピレン、ビニルアルコール、アクリロニトリル、ビニリデンクロリド、アクリル酸およびそのエステル類、メタクリル酸およびそのエステル類、クロロトリフルオロエチレンおよびビニルクロリド等のホモポリマー類およびコポリマー類である。好ましいものは、ポリプロピレン、プロピレンコポリマー類、ポリエチレン、およびエチレンコポリマー類である。エチレンコポリマー類には、エチレン:酢酸ビニルコポリマー類、エチレン−(メタ)アクリル酸コポリマー類、エチレン−(メタ)アクリレートコポリマー類、アイオノマー類等が含まれる。
【0047】
本発明の好ましい実施態様において、有機高分子材料として使用するために選択可能なポリマー類は、オレフィン類のポリマー類およびコポリマー類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリビニルイミド類、ならびにポリエステル類を含有するそれらの混合物である。本発明の特に好ましい実施態様において、エチレンのポリマー類およびコポリマー類、ポリアミド類(好ましくは、ナイロン6およびナイロン6,6、さらに好ましくはナイロン6)、ならびにそれらの混合物を、有機高分子材料として用いることができる。
【0048】
有機高分子材料は、エチレンアクリル酸共重合体と親和性を有するものが好ましい。ここで、親和性とは、完全相溶性であるか、部分相溶性であるか、あるいは非相溶性の場合は界面での親和性が良好であることを意味する。親和性がないと次の混練工程で層状珪酸塩の珪酸塩層を最終物質中で全体に分散した時、機械的特性、ガスバリア性等が著しく低下する可能性がある。
【0049】
具体的には、ポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、エチレンとメタクリル酸とのランダム共重合体、エチレンとメタクリル酸を部分的にあるいは全部を中和したナトリウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩等のアイオノマー等が挙げられる。例えば、エチレン系アイオノマーを用いた場合には、本発明の複合材料は透明であるから、エチレン系アイオノマーに無機充填材を添加して機械的特性を改善しようとするとエチレン系アイオノマーの透明性が損なわれるという従来の問題をも解決することができる。
【0050】
エチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーと有機高分子材料を併せて100重量部中に層状珪酸塩は0.5重量部〜300重量部分散、充填される。0.5重量部未満であると充填することによる効果が不十分であり、300重量部を越えると分散不良を生じる。
【0051】
複合材料と有機高分子材料との溶融混練(コンパウンディング)は従来公知のいかなる方法で行ってもよいが、両者の親和性を良好にしておくことで機械的な分散力が複合材料に伝達し、層状珪酸塩がさらに良好に分散されるよう、強い溶融混練能力を有する混練機械を使用することが好ましい。具体的には、二軸(同方向回転、異方向回転)混練機、ヤブスニーダー等が好ましい。
【0052】
複合材料含有樹脂組成物中で、珪酸塩層の層間距離が拡大し、さらに層間の平行性を実質的に失わせるように分散性が向上した複合材料の構成が形成されているかどうかは、光学顕微鏡による透明度の目視による観察と必要に応じて透過型電子顕微鏡観察とから判断した。
【0053】
【実施例】
本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明は本実施例にのみ限定されるものではない。
【0054】
(参考例1)
エチレンアクリル酸共重合体(アクリル酸20%、
メルトフローレート 300g/10分) 25重量部
水酸化カリウム(純度86%) 4.05重量部
水 75重量部
をオートクレーブに入れ、130℃に加熱し、1000回転/分で30分撹拌し、エチレンアクリル酸共重合体カリウム塩(中和度90モル%)水分散液を得た。pHは11.0、平均分散粒子径は20nmであった。
【0055】
(参考例2)
参考例1において、水酸化カリウムの代わりに水酸化ナトリウム(純度97%)2.6重量部を用いて、エチレンアクリル酸共重合体ナトリウム塩(中和度90モル%)水分散液を得た。pHは10、平均分散粒子径は40nmであった。
【0056】
(参考例3)
参考例1において、水酸化カリウムの代わりにアンモニア水(濃度27%)3.3重量部を用いて、エチレンアクリル酸共重合体アンモニウム塩(中和度75モル%)水分散液を得た。pHは8.5、平均分散粒子径は70nmであった。
【0057】
(参考例4)
参考例3において、アンモニア水の他にメタキシリレンジアミン(三菱ガス化学製、MXDA)2.5重量部を用いて、エチレンアクリル酸共重合体アンモニウム/メタキシリレンジアンモニウム塩(中和度100モル%)水分散液を得た。pHは8.9、平均分散粒子径は130nmであった。
【0058】
(実施例1、2、参照例3〜7、実施例8〜10、比較例1〜2)
表1に示すエチレンアクリル酸共重合体アイオノマー1重量%水分散液と、粉末状モンモリロナイト(クニミネ工業株式会社製クニピアF、以下「珪酸塩」という)1重量%水分散液とを、水を乾燥除去した後の組成比が表1の割合となるように、ホモジナイザー、またはマグネチックスターラー(プロペラ)により約1時間攪拌、混合した。その後、スプレードライ、箱型乾燥により、またはホットプレート上で乾燥した。
【0059】
得られた複合材料のX線解析を行い、結果を表1にまとめた。ベースラインは、200であった。
【0060】
【表1】
Figure 0004549447
表中のポリマーは次の通りである。
【0061】
EAA/K : 参考例1に由来するポリマー
EAA/Na: 参考例2に由来するポリマー
EAA/NH4 : 参考例3に由来するポリマー
EAA/NH4/ MXDA :参考例4に由来するポリマー
また、図1〜図8としてX線チャートも添付した。測定条件は下記の通りである。
【0062】
管球: Cu
管電圧: 40kV
管電流: 30mA
ゴニオメーター: 広角ゴニオメーター
サンプリング角度: 0.010°
スキャンスピード: 1.00°/分
走査軸: 2θ/θ
オフセット角度:0.000°
アタッチメント: 標準試料ホルダー
モノクロメーター: 使用
モノクロ受光スリット: 空
発散スリット: 1°
散乱スリット: 1°
受光スリット:0.15mm
図1〜図7(実施例2、参照例3〜7、実施例8)を図8(比較例1)と比べると、本発明の実施例および参照例では(001)面のピークが失われており、珪酸塩の層状構造が平行ではなくなっている、水を含まない複合材料が作成できていることがわかる。
【0063】
さらに、図20〜図22に実施例1、2および参照例3で得られた複合材料の透過型電子顕微鏡写真を示した。
【0064】
(実施例11、12、参照例13〜17、実施例18〜20、比較例3)
実施例1、2、参照例3〜7、実施例8〜10および比較例1と同様に得られた複合材料と、ポリ(エチレンメタクリル酸)亜鉛塩(三井・デュポンケミカル社製ハイミラン1706)のペレットとをドライブレンドし、これを同方向二軸混練機械(TEM35、東芝機械製)にて溶融混練し、複合材料含有樹脂組成物中の層状珪酸塩が1重量%である組成物を調製し、それぞれを実施例11、12、参照例13〜17、実施例18〜20および比較例3とした。組成物を調製する際に、二軸押出機のダイ出口での溶融ストランドを目視観察し、透明性、ダマの有無を記録した。結果を表2の(a)に示す。また、射出成形したテストピース(厚さ3.2mm、幅2cm、長さ18cm)を目視観察し、粒状の塊の有無を記録した。結果を表2の(b)に示す。さらに、得られたペレット約0.03gをホットプレスして薄いシート(厚さ0.5mm以下、直径7〜8cm)を作成し、400倍の光学顕微鏡により粒状の塊の有無を観察した。結果を表2の(c)および図9〜19に示した。また、図23〜25に実施例8〜10で得られた複合材料の透過型電子顕微鏡写真を示した。
【0065】
【表2】
Figure 0004549447
上述の結果から、ポリマーと珪酸塩との重量比が1:1であれば、ホモジナイザーで混合し、乾燥をスプレードライで行った場合(参照例13)が、ホモジナイザーで混合し、箱型乾燥した場合(参照例14)や、マグネチックスターラーによるプロペラミキシングを行い、スプレードライで乾燥した場合(参照例15)より、組成物中への珪酸塩の分散が良好であることがわかる。
【0066】
(実施例21〜26、比較例4〜7)
実施例1と同様にして得られた複合材料を、ポリ(エチレン−メタクリル酸)亜鉛塩(三井・デュポンポリケミカル社製商品名ハイミラン1706)のペレットに、組成物中の複合材料の配合量が、4重量%、12重量%、20重量%となるようにドライブレンドし、これを同方向二軸混練機械(TEM35、東芝機械製)にて溶融混練し組成物のペレットを調製した。得られたペレットを180℃でプレスし、シート状の試験片を得た。それぞれ実施例21〜23とした。
【0067】
また、実施例1と同様にして得られた複合材料を、ポリ(エチレン−メタクリル酸)ナトリウム塩(三井・デュポンポリケミカル社製商品名ハイミラン1707)のペレット、ポリ(エチレン−メタクリル酸)マグネシム塩(三井・デュポンポリケミカル社製商品名ハイミランAM7311)のペレット、またはポリエチレンメタクリル酸(三井・デュポンポリケミカル社製商品名ニュクレルN1560)のペレットと、組成物中の複合材料の配合量が、20重量%となるようにドライブレンドし、これを同方向二軸混練機械(TEM35、東芝機械製)にて溶融混練し組成物のペレットを調製した。得られたペレットを180℃でプレスし、シート状の試験片を得た。それぞれ実施例24〜26とした。さらに、比較例として複合材料を含有しない試験片を作成した。得られた試験片を用いて引張応力(JIS K 6760に準拠)および曲げ剛性率(JIS K 7106に準拠)を測定した。
【0068】
測定結果を表3に示す。また、試験片の透明性を目視により観察したが、いずれも良好であった。
【0069】
【表3】
Figure 0004549447
表中のポリマーは次の通りである。
【0070】
E/MAA Zn: ポリ(エチレン−メタクリル酸)亜鉛塩
E/MAA Na: ポリ(エチレン−メタクリル酸)ナトリウム塩
E/MAA Mg: ポリ(エチレン−メタクリル酸)マグネシム塩
E/15MAA : ポリエチレンメタクリル酸
上述の結果から、本発明の複合材料含有樹脂組成物は、透明性であり、向上した曲げ剛性率を有することがわかる。
【0071】
【発明の効果】
本発明により、層状珪酸塩とエチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーからなり珪酸塩層の層間距離が拡大し、さらに実質的に層間の平行性がないように分散性が向上した水を含まない複合材料、およびそのような複合材料を製造することができる製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例2により得られた複合材料のX線チャートである。
【図2】 参照例3により得られた複合材料のX線チャートである。
【図3】 参照例4により得られた複合材料のX線チャートである。
【図4】 参照例5により得られた複合材料のX線チャートである。
【図5】 参照例6により得られた複合材料のX線チャートである。
【図6】 参照例7により得られた複合材料のX線チャートである。
【図7】 実施例8により得られた複合材料のX線チャートである。
【図8】 比較例1により得られた複合材料のX線チャートである。
【図9】 実施例11により得られた複合材料含有樹脂組成物の光学顕微鏡写真である。
【図10】 実施例12により得られた複合材料含有樹脂組成物の光学顕微鏡写真である。
【図11】 参照例13により得られた複合材料含有樹脂組成物の光学顕微鏡写真である。
【図12】 参照例14により得られた複合材料含有樹脂組成物の光学顕微鏡写真である。
【図13】 参照例15により得られた複合材料含有樹脂組成物の光学顕微鏡写真である。
【図14】 参照例16により得られた複合材料含有樹脂組成物の光学顕微鏡写真である。
【図15】 参照例17により得られた複合材料含有樹脂組成物の光学顕微鏡写真である。
【図16】 実施例18により得られた複合材料含有樹脂組成物の光学顕微鏡写真である。
【図17】 実施例19により得られた複合材料含有樹脂組成物の光学顕微鏡写真である。
【図18】 実施例20により得られた複合材料含有樹脂組成物の光学顕微鏡写真である。
【図19】 比較例3により得られた複合材料含有樹脂組成物の光学顕微鏡写真である。
【図20】 実施例1により得られた複合材料の透過型電子顕微鏡写真である。
【図21】 実施例2により得られた複合材料の透過型電子顕微鏡写真である。
【図22】 参照例3により得られた複合材料の透過型電子顕微鏡写真である。
【図23】 実施例8で得られた複合材料の透過型電子顕微鏡写真である。
【図24】 実施例9で得られた複合材料の透過型電子顕微鏡写真である。
【図25】 実施例10で得られた複合材料の透過型電子顕微鏡写真である。

Claims (6)

  1. エチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーと層状珪酸塩とからなる複合材料であって、エチレンアクリル酸共重合体100重量部に対して層状珪酸塩20〜50重量部を含み、エチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーが層状珪酸塩の珪酸塩層間に挿入され、層間の実質的な平行性がX線回折による001)面のピーク強度として300以下にまで失われた珪酸塩を含み、かつ水分を含まないことを特徴とする複合材料。
  2. エチレンアクリル酸共重合体アイオノマー水分散液と層状珪酸塩とを、エチレンアクリル酸共重合体100重量部に対して層状珪酸塩20〜50重量部の比率で混合し、剪断をかけながら急速乾燥して水分を除去することにより、層状珪酸塩の珪酸塩層間にエチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーを挿入することを特徴とする複合材料の製造方法。
  3. 前記混合を、剪断条件下に行うことを特徴とする請求項2に記載の複合材料の製造方法。
  4. 前記混合をホモジナイザーを用いて行い、前記急速乾燥をスプレードライで行うことを特徴とする請求項2または3に記載の複合材料の製造方法。
  5. 請求項1に記載の複合材料、または請求項2〜4のいずれかに記載の製造方法によって製造された複合材料と、エチレンアクリル酸共重合体またはそのアイオノマーと親和性を有する有機高分子材料とを含有することを特徴とする複合材料含有樹脂組成物。
  6. 前記有機高分子材料が、ポリエチレンメタクリル酸またはそのアイオノマーよりなる群から選択される請求項5に記載の複合材料含有樹脂組成物
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