JP4547466B2 - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、実装時のリフローを経た後においても等価直列抵抗(以下、ESRと表記することがある。)が実装前に比べてほとんど上昇しない、焼結体からなる陽極体を有する固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、実装前のESRが数mΩ程度に小さく、且つ実装時のリフローを経た後においてもESRが実装前に比べてほとんど上昇しない、焼結体からなる陽極体を有する固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
タンタル、ニオブ、アルミニウム、チタン等の弁作用金属の焼結体または箔からなる陽極体に、陽極酸化法によって誘電体酸化皮膜を形成し、次いで酸化皮膜上に導電性ポリマー層を形成することによって得られる、導電性ポリマー層を固体電解質(半導体層)とした固体電解コンデンサが知られている(特許文献1等)。この固体電解コンデンサは、従来用いられていた二酸化マンガンを固体電解質とした固体電解コンデンサよりもESRを低くすることが可能となるため様々な用途に用いられるようになってきている。
導電性ポリマーの作製には、モノマーとして、チオフェン誘導体、ピロール誘導体、アニリン誘導体などが一般に用いられる。そして、これを固体電解コンデンサの固体電解質とするために、通常、前記モノマーに酸化剤およびドーパントを加え、誘電体酸化皮膜の上で反応させて導電性ポリマー層を形成する化学酸化重合法(特許文献2等)、もしくは、前記モノマーにドーパントを加え、電気の印加によって誘電体酸化皮膜の上で反応させて導電性ポリマー層を形成する電解重合法(特許文献3等)等が行われる。また、導電性ポリマーの溶液を調製し、その溶液を誘電体酸化皮膜が形成された陽極体に含浸させ、乾燥させて、塗膜化することで導電性ポリマー層を形成する方法(塗布法)が行われる。
ところで、固体電解コンデンサ等の電子部品を、配線基板に実装する時に、リフローはんだ付けが行われる。リフローはんだ付けは、配線基板上の電子部品を接続する箇所にあらかじめハンダを供給し、そこに電子部品を載置し、リフロー炉などで200℃以上に加熱するハンダ付け法である。
アルミニウムなどの箔からなる陽極体を有する固体電解コンデンサでは、リフローはんだ付け時の加熱によっても、ESRはほとんど変化せず、電子機器の設計が比較的に容易である。
ところが、タンタルなどの焼結体からなる陽極体を有する固体電解コンデンサは、このリフローはんだ付け時の加熱によって、コンデンサの重要特性であるESRが加熱前に比べて大幅に上昇することがあった。また、一度上昇したESRは、コンデンサの電気的な繰り返し使用によって、さらに上昇していくことが見られた。
近年使用されている固体電解コンデンサはESRが数mΩという小さい値を示すものであるので、1mΩ前後のわずかな上昇であっても、電子機器の設計においては見逃すことができない問題である。
高温高湿によるESRの上昇が抑制された固体電解コンデンサとして、特許文献4に、弁作用金属又は弁作用金属を主成分とする合金からなる陽極体と、上記の陽極体を陽極酸化して形成される誘電体層と、上記の誘電体層の上に形成される電解質層と、上記の電解質層の上に形成される陰極とを備え、上記の陰極に銀ペーストを用いた銀層が形成されてなる固体電解コンデンサにおいて、上記の銀層にイオウ及び/又はイオウ化合物を0.01〜0.5重量%で含有させていることを特徴とする固体電解コンデンサが提案されている。この固体電解コンデンサは、銀層に含まれる銀のマイグレーションがイオウ等の添加によって妨げられ、85℃、85%RHの高温高湿下に放置した後においてもESRの上昇がほとんど無いようである。しかし、この固体電解コンデンサは、ESRが十数mΩの大きい値である。また260℃前後のリフロー熱によるESRの上昇は十分に抑制されていない。
また、特許文献5には、銀層にホウ素単体やホウ素系金属間化合物粉末を添加させて、銀層に含まれる銀のマイグレーションを防止することが提案されている。しかし、銀層にホウ素単体やホウ素系金属間化合物粉末を添加させた場合でも、銀層に含まれる銀のマイグレーションを十分に防止することができず、依然として、高温高湿度の環境下において、固体電解コンデンサに短絡が生じ、漏れ電流が増大するという問題があった。
特開平3−46215号公報 特許第3040113号公報 特公平3−61331号公報 特開2006−261360号公報 特開平6−151261号公報
本発明の目的は、実装時のリフローを経た後においてもESRが実装前に比べてほとんど上昇しない、焼結体からなる陽極体を有する固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することである。特に、本発明の目的は、実装前のESRが数mΩ程度に小さく、且つ実装時のリフローを経た後においてもESRが実装前に比べてほとんど上昇しない、焼結体からなる陽極体を有する固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記の目的を達成するために、導電性ポリマーからなる半導体層と銀を含む導電体層とを詳細に検討した。
まず、固体電解コンデンサの半導体層に用いられる導電性ポリマーは、共役二重結合を有する高分子にドーパントをドープさせた構造のものが一般的である。ドーパントとしてはスルホン酸化合物などが、また、共役二重結合を有する高分子としてはポリチオフェン骨格を有するポリマーが用いられることがある。固体電解コンデンサは、実装時のリフローで、通常、170℃前後の予熱部と、260℃前後の最高温度部とを通過する(すなわち、200℃以上の雰囲気におおよそ数分間晒される)。一方、銀を含む層はイオウ元素を含まない通常の銀ペーストを用いて形成させたものであるので、銀を含む層にはイオウ元素が含まれていない筈である。
ところが、このようなイオウ元素を含有する導電性ポリマーからなる半導体層およびタンタル粉などの焼結体からなる陽極体を有し且つ実装リフロー後にESRが大幅に上昇した固体電解コンデンサを調べたところ、含まれていない筈のイオウ元素が銀を含む層に含まれていたのである。すなわち、本発明者は、銀を含む層にイオウ元素が含まれていると実装リフロー後にESRが上昇するという現象を見出したのである。
そこで、本発明者は、銀を含む層において、260℃で5秒間の熱履歴後におけるイオウ元素の含有量が1.3質量ppm未満になるように調整したところ、得られる固体電解コンデンサは、実装前のESRが数mΩ程度に小さい場合でも、実装時のリフローを経た後においてESRが実装前に比べてほとんど上昇しないことを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいてさらに詳細に検討して、完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のものである。
〈1〉 焼結体からなる陽極体と、該陽極体表面に形成される誘電体層と、該誘電体層上に形成される半導体層と、該半導体層上に形成される導電体層とを備え、
上記半導体層にはイオウ元素を含有する導電性ポリマー層が含まれ、
上記導電体層には銀を含む層が含まれ、且つ
該銀を含む層は、260℃で5秒間の熱履歴後におけるイオウ元素の含有量が1.3質量ppm未満である、固体電解コンデンサ。
〈2〉 前記導電性ポリマーは共役二重結合を有する高分子を含む、前記〈1〉に記載の固体電解コンデンサ。
〈3〉 前記共役二重結合を有する高分子がポリチオフェン骨格を有するポリマーである、前記〈2〉に記載の固体電解コンデンサ。
〈4〉 前記導電性ポリマーは共役二重結合を有する高分子にドーパントがドープされているものである、前記〈1〉に記載の固体電解コンデンサ。
〈5〉 ドーパントがスルホン酸化合物である、前記〈4〉に記載の固体電解コンデンサ。
〈6〉 銀を含む層が銀ペーストを用いて形成されている、前記〈1〉〜〈5〉のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
〈7〉 上記導電体層には導電性カーボンを含む層がさらに含まれている、前記〈1〉〜〈6〉のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
〈8〉 陽極体が、タンタル粉またはニオブ粉の焼結体である、前記〈1〉〜〈7〉のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
〈9〉 焼結体からなる陽極体の表面に誘電体層を形成する工程、該誘電体層の上にイオウ元素を含有する導電性ポリマーからなる半導体層を形成する工程、該半導体層の上に銀を含む層が含まれた導電体層を形成する工程、陽極体を陽極端子に、導電体層を陰極端子に、それぞれ電気的に接続する工程、並びに陽極端子および陰極端子のそれぞれの一部を除いて封止する工程を含む固体電解コンデンサの製造方法において、
銀を含む層を形成する工程の後で且つ封止する工程の前に、製造された固体電解コンデンサの260℃で5秒間の熱履歴後における銀を含む層中のイオウ元素含有量が1.3質量ppm未満になるように調整する工程をさらに含む、固体電解コンデンサの製造方法。
〈10〉 前記のイオウ元素含有量を調整する工程は、減圧下、温度180℃以上の環境に放置することを含む、前記〈9〉に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〈11〉 前記のイオウ元素含有量を調整する工程は、絶対圧力6〜3000Paの減圧下、温度190〜220℃の環境に放置することを含む、前記〈9〉に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〈12〉 前記のイオウ元素含有量を調整する工程は、絶対圧力100〜1500Paの減圧下、温度190〜220℃の環境に放置することを含む、前記〈9〉に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〈13〉 前記のイオウ元素含有量を調整する工程は、上記環境に24時間以内で放置することを含む、前記〈10〉〜〈12〉のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〈14〉 前記のイオウ元素含有量を調整する工程は、上記環境に30分間〜10時間放置することを含む、前記〈10〉〜〈12〉のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〈15〉 前記半導体層を形成する工程は、チオフェン誘導体をドーパントの存在下に重合することを含む、前記〈9〉〜〈14〉のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〈16〉 銀を含む層を形成する工程の後で且つ封止する工程の前に、−100℃〜−40℃の不活性ガス雰囲気下に放置する工程をさらに含む、前記〈9〉〜〈15〉のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
〈17〉 −100℃〜−40℃の不活性ガス雰囲気下に放置する時間が1〜100時間である、前記〈16〉に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
本発明の固体電解コンデンサは、実装時のリフローを経た後においてもESRが実装前に比べてほとんど上昇しない。特に、本発明の固体電解コンデンサは、実装前のESRが数mΩ程度に小さい場合でも、実装時のリフローを経た後においてもESRが実装前に比べてほとんど上昇しない。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法によれば、実装時のリフローを経た後においてもESRが実装前に比べてほとんど上昇しない、焼結体からなる陽極体を有する固体電解コンデンサ;特に、実装前のESRが数mΩ程度に小さく、且つ実装時のリフローを経た後においてもESRが実装前に比べてほとんど上昇しない、焼結体からなる陽極体を有する固体電解コンデンサを容易に得ることができる。
本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの断面説明図である。 陰極にカーボン層を設けないようにした他の実施形態に係る固体電解コンデンサの断面説明図である。
次に、本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサを添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明の固体電解コンデンサは下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
この実施形態における固体電解コンデンサにおいては、図1に示すように、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタン等の弁作用金属又はこのような弁作用金属を主成分とする合金で構成された陽極体1を用いている。この陽極体1からリード線11を延出させている。なお、本発明に用いられる陽極体は、焼結体であり、好ましくは弁作用金属等の粉を焼結させて得られる多孔質体である。
そして、上記の陽極体1を電解液中において陽極酸化(化成処理)させて、この陽極体1の表面に酸化物からなる誘電体層2を形成している。化成処理には、一般的に行われている電解化成方法を用いることができる。
また、この誘電体層2の表面を覆うようにして半導体層3を形成している。
なお、図1および図2では、陽極体1の外表面にのみ誘電体層2および半導体層3が形成されているように描かれているが、陽極体が多孔質体である場合には、誘電体層および半導体層は多孔質体内部の細孔の表面にも形成される。
半導体層3にはイオウ元素を含有する導電性ポリマー層が含まれている。イオウ元素はポリマーの骨格中に含まれていてもよいし、ポリマーにドープさせるドーパントに含まれていてもよい。
導電性ポリマーとしては、ポリチオフェン系誘導体、ポリフェニレンビニレン系誘導体、ポリピロール系誘導体、ポリアニリン系誘導体、ポリアセチレン系誘導体、ポリフェニレン系誘導体、ポリイソチアナフテン誘導体等が挙げられる。なお、誘導体とは、ポリチオフェン骨格などの基本骨格を持つ重合体に側鎖が付いた構造を有するものである。側鎖としては、メチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基あるいはドデシル基などのアルキル基(アルキル基の炭素数は特に制限はないが、好ましくは1〜12個である。);メトキシ基、エトキシ基、エチレンジオキシ基あるいはドデシルオキシ基などのアルコキシ基(アルコキシ基の炭素数はとくに制限はないが、好ましくは1〜12個である);ハロゲン基;水酸基;アセチル基;カルボキシル基;エーテル基;エステル基;フェニル基;スルホン酸基などが挙げられる。側鎖は、前記基本骨格に複数ヶ所で結合し、環状構造を形成してもよい。
本発明は、導電性ポリマーが共役二重結合を有する高分子を含む場合に好適であり、ポリチオフェン骨格を有するポリマーを含む場合に特に好適である。上記導電性ポリマーは、1種単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
導電性ポリマーにはドーパントが通常ドープされている。該ドーパントは、固体電解コンデンサ用の導電性ポリマーにおいて一般的に用いられているドーパントから選択できる。
ドーパントとしては、良好な特性を持つ固体電解コンデンサを得ることができる観点からスルホン酸化合物が好ましい。
例えば、スルホン酸として、ベンゾキノンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、1,6−ナフタレンジスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸、2−メチル−5−イソプロピルベンゼンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸、4−ニトロトルエン−2−スルホン酸、m−ニトロベンゼンスルホン酸、n−オクチルスルホン酸、n−ブタンスルホン酸、n−ヘキサンスルホン酸、o−ニトロベンゼンスルホン酸、p−エチルベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、p−デシルベンゼンスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−ニトロベンゼンスルホン酸、p−ペンチルベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、カンファースルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、アセチルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、トリクロロベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ハイドロオキシベンゼンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。
また、スルホン酸の塩としては、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、銅塩、鉄塩、アルミニウム塩、セリウム塩、タングステン塩、クロム塩、マンガン塩、スズ塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、エチルメチルアンモニウム塩、ジエチルメチルアンモニウム塩、ジメチルエチルアンモニウム塩、トリエチルメチルアンモニウム塩、トリメチルエチルアンモニウム塩、ジエチルジメチルアンモニウム塩、プロピルアンモニウム塩、ジプロピルアンモニウム塩、イソプロピルアンモニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩、ブチルアンモニウム塩、ジブチルアンモニウム塩、メチルプロピルアンモニウム塩、エチルプロピルアンモニウム塩、メチルイソプロピルアンモニウム塩、エチルイソプロピルアンモニウム塩、メチルブチルアンモニウム塩、エチルブチルアンモニウム塩、テトラメチロールアンモニウム塩、テトラ−n−ブチルアンモニウム塩、テトラ−sec−ブチルアンモニウム塩、テトラ−t−ブチルアンモニウム塩、ピペリジウム塩、ピロリジウム塩、モノホリニウム塩、ピペラジニウム塩、ピリジニウム塩、α−ピコリニウム塩、β−ピコリニウム塩、γ−ピコリニウム塩、キノリニウム塩、イソキノリニウム塩、ピロリニウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
なお、導電性ポリマーには、導電性ポリマーの製造のために使用されたモノマー中に含まれていた不純物が含まれていてもよい。例えば、モノマーとしてのチオフェン化合物には、不純物として、チイラン、チエタン、チオラン、チアン、ジチオラン、ジチアンなどが含まれていることがある。また、フランやメチルフランからチオフェンを合成する際に用いた二硫化炭素や、ブタジエン、ブタンまたはブテンからチオフェンを合成する際に用いたイオウ、コハク酸ナトリウムからチオフェンを合成する際に用いた五硫化二リンや三硫化二リンなどが含まれていることがある。また、未反応のモノマーが導電性ポリマー中に残っている場合もある。なお、上記のドーパントや未反応モノマーおよびモノマー中の不純物は、リフロー後においてもそのまま残っているとは限らず、熱分解等によってそれらの誘導体になっていることもある。
導電性ポリマー層の形成には、電解重合法、化学酸化重合法、導電性ポリマーの分散液を塗布する方法、またはこれらを併用した方法、のいずれかを用いることができる。具体的には、誘電体層が形成された陽極体に、モノマー、ドーパントおよび必要に応じて酸化剤を混合した溶液またはモノマーと酸化作用を有するドーパントとを混合した溶液を含浸させて、重合する方法;誘電体層が形成された陽極体に、モノマー溶液を含浸させ、続いて、ドーパントおよび酸化剤を含む溶液を含浸させて、重合する方法;誘電体層が形成された陽極体に、ドーパントおよび酸化剤を含む溶液を含浸させ、続いて、モノマー溶液を含浸させて、重合する方法などが挙げられる。
なお、半導体層の形成途中または形成後に修復化成(再化成)を行ってもよい。修復化成には、一般的に行われている電解化成方法を用いることができる。
次に、上記の半導体層3の表面を覆うようにして導電体層を形成する。図1では、上記の半導体層3の上に導電性カーボンペーストを用いてカーボン層41を形成し、さらにこのカーボン層41の上に、銀ペーストを用いて銀を含む層42を形成している。
なお、図2に示すように、上記のカーボン層41を設けずに、半導体層3の表面を覆うようにして、銀を含む層42だけを設けることも可能である。
本発明の固体電解コンデンサは、260℃で5秒間の熱履歴後において、銀を含む層中のイオウ元素含有量が1.3質量ppm未満、好ましくは0.8質量ppm未満である。1.3質量ppm以上になるとリフロー熱によるESRの上昇が大きくなる。なお、銀を含む層中のイオウ元素含有量は、260℃で5秒間の熱履歴後において、固体電解コンデンサから銀を含む層を取り出し、その銀を含む層を燃焼させ、生成した二酸化イオウの量を測定し、この二酸化イオウの量から換算して求める。
260℃で5秒間の熱履歴後における銀を含む層中のイオウ元素含有量を調整する工程は、通常、銀を含む層を形成する工程の後で且つ封止する工程の前に、行われる。
銀を含む層中のイオウ元素含有量を調整するための方法は特に制限されないが、減圧下、温度180℃以上の環境に放置する方法が好ましい。水洗浄法等ではイオウ元素含有量の調整に手間を要するおそれがある。また、鉱酸等を使用した化学処理法等は他の成分に好ましくない影響を与えるおそれがある。
より好適なイオウ元素含有量の調整方法は、絶対圧力6〜3000Paの減圧下、温度190〜220℃の環境に放置する方法である。特に好適なイオウ元素含有量の調整方法は、絶対圧力100〜1500Paの減圧下、温度190〜220℃の環境に放置する方法である。放置時間は24時間以内が好ましく、30分間〜10時間が特に好ましい。放置時間が長すぎ若しくは温度が高すぎるとコンデンサの劣化が始まる。また、減圧しすぎると誘電体層と半導体層との付着部に好ましくない作用が働くおそれがあり、その結果としてコンデンサのLC(漏れ電流)が大きくなるおそれがある。また、減圧が不十分すぎると長時間かけてもイオウ元素含有量の調整が進み難くなる。
本発明においては、銀を含む層を形成する工程の後で且つ封止する工程の前に、−100℃〜−40℃の不活性ガス雰囲気下に放置する工程をさらに含むことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウムなどが挙げられる。放置時間は特に制限されないが、1時間〜100時間が好ましい。この低温放置によって、260℃で5秒間の熱履歴後における銀を含む層中のイオウ元素含有量が低く抑制される。この抑制効果の要因は詳細に分かっていないが、半導体層が低温放置によって安定化し、イオウ元素の銀層への移行が抑制されるからであろうと推測する。
この実施形態における固体電解コンデンサにおいては、上記の陽極体1から延出させたリード線11に陽極端子5を接続させると共に、上記の陰極部4における銀層42に陰極端子6を接続させ、この陽極端子5と陰極端子6とを外部に取り出すようにしてエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂からなる外装体7によって封止させている。陰極端子および陽極端子の取り付けには通常のリードフレームを用いることができる。このようにして作成された固体電解コンデンサは、所望によりエージング処理を行うことができる。本発明の固体電解コンデンサは、各種電気回路または電子回路に装着し、使用することができる。
次に、実施例を示して、本発明の固体電解コンデンサをより具体的に説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1)
CV値15万μF・V/gのタンタル粉から作製した焼結体(幅3mm×高さ1mm×長さ4.5mmの大きさで、長さ方向に0.40mmφのタンタルリード線が出ている。)を燐酸水溶液中で化成することにより焼結体表面に誘電体酸化皮膜を形成した。
次いで、モノマーとしてのエチレンジオキシチオフェンとドーパントとしてのアントラキノンスルホン酸とを上記焼結体に含浸させ、次いで電解重合することによって、前記誘電体酸化皮膜上にアントラキノンスルホン酸がドープされたポリチオフェン誘導体からなる半導体層(陰極)を形成した。
該半導体層上に導電性カーボンペースト及び銀ペーストを順次積層して導電体層を形成して、固体電解コンデンサ素子を得た。
別途用意したリードフレーム(幅3.4mm×長さ8mmで、隙間1mmの対向する突起部を有する、厚さ0.1mm、基材:銅合金、下地:ニッケルメッキ、表層:錫メッキ)の両突起部に前記コンデンサ素子のタンタルリード線と3mm×4.5mm面を各々載置し、タンタルリード線は抵抗溶接によって、3mm×4.5mm面は銀ペーストの乾燥硬化によって、リードフレームと電気的かつ機械的にそれぞれ接続した。尚、前記で使用した銀ペーストはイオウ元素を元来含有していないものである。
次いで、絶対圧力10Paの減圧下、温度190℃の雰囲気に前記コンデンサ素子を1時間放置した。この操作によって銀含有層中のイオウ元素含有量を調整した。
常温および常圧に戻した後、コンデンサ素子を−55℃の窒素雰囲気下に24時間放置した。
引き続き、リードフレームに接続されたコンデンサ素子を、成型金型の所定位置に置き、エポキシ樹脂でトランスファー成型し、樹脂硬化させて、封止した。封止後、リードフレームを所定寸法に切断、曲げ加工して外部端子を形成させて、大きさ7.3mm×4.3mm×1.8mmで、容量1000μF、定格電圧2.5Vのチップ状固体電解コンデンサを得た。
(銀含有層中のイオウ元素含有量の測定)
作製したチップ状固体電解コンデンサを170℃で2分間、230℃以上で45秒間、および260℃(最高温度)で5秒間に設定したリフロー炉に1回通過させた。リフロー後のチップ状固体電解コンデンサの封止を破壊して導電体層を取り出し、燃焼させて、生成した二酸化イオウの量を測定した。この二酸化イオウの量から、銀含有層中のイオウ元素の含有量を算出した。結果を表1に示す。
(固体電解コンデンサのESRおよびLCの測定)
作製したチップ状固体電解コンデンサのESR(100kHzにて測定)とLC(2.5Vで60秒間にて測定)を計測した。次いで、該チップ状固体電解コンデンサを最高温度260℃のリフロー炉を通過させた。リフロー後のチップ状固体電解コンデンサのESR(100kHzにて測定)を計測した。その結果を表2に示す。
(実施例2〜5、比較例1〜4)
表1に示す条件にてイオウ元素含有量調整のための減圧および加熱処理(比較例4は常圧および加熱処理)を行った以外は実施例1と同じ手法にてチップ状固体電解コンデンサを得、それらの特性値を実施例1と同じ手法で求めた。その結果を表1および表2に示す。
(実施例6)
コンデンサ素子を−55℃の窒素雰囲気下に24時間放置しなかった以外は、実施例2と同じ手法にてチップ状固体電解コンデンサを得、その特性値を実施例1と同じ手法で求めた。その結果を表1および表2に示す。
(比較例5)
イオウ元素含有量調整のための減圧および加熱処理および−55℃の窒素雰囲気下の24時間放置を行わなかった以外は実施例1と同じ手法にてチップ状固体電解コンデンサを得、その特性値を実施例1と同じ手法で求めた。その結果を表1および表2に示す。
(比較例6)
イオウ元素含有量調整のための減圧および加熱処理の代わりに、濃度1%の硫酸に20分間浸漬した以外は実施例6と同じ手法にてチップ状固体電解コンデンサを得ようとした。しかし、導電体層が膨潤してコンデンサの構造が損なわれてしまった。
(比較例7)
イオウ元素含有量調整のための減圧および加熱処理の代わりに、エタノールに2時間浸漬した以外は実施例6と同じ手法にてチップ状固体電解コンデンサを得、その特性値を実施例1と同じ手法で求めた。その結果を表1および表2に示す。
(参考例)
日本蓄電器工業社製の100LV20Bアルミニウム箔から長さ8mm×幅3mmの短冊状の箔を複数枚切り出した。該箔の先端から4mmの部分に、幅0.7mmでイミド樹脂からなる絶縁体層を前記箔の表裏に渡って鉢巻状に設けて、該箔を4mm×3mm部分と3.3mm×3mm部分とに区分した。4mm×3mm部分の先端側2mmに0.3mmφのアルミニウム線を溶接した。このアルミニウム線(端子)を通してアルミニウム箔に通電させることができる。このような端子付きアルミニウム箔を複数枚作製した。
10質量%アジピン酸アンモニウム水溶液に端子付きアルミニウム箔を端子部を除いて漬け、次いで4V、85℃で電解化成して、表面に誘電体層を形成させた。
次いで、20質量%エチレンジオキシチオフェンアルコール溶液(モノマー液)に3.3mm×3mm部分だけを漬け、引き上げ後、室温で風乾した。20質量%過硫酸アンモニウムと3質量%アントラキノンスルホン酸が溶解した水溶液(酸化剤溶液)に3.3mm×3mm部分だけを漬け、引き上げ後、105℃で1時間重合反応させた。このモノマー浸漬―酸化剤浸漬―重合反応を数回繰り返した。これによって、誘電体層の上にポリチオフェン誘導体からなる半導体層を形成させた。
該半導体層の上に導電性カーボンペースト及び銀ペーストを順次積層して導電体層を形成させた。アルミニウム線が溶接された部分の先端2.5mm×3mm部分を切り除いて、コンデンサ素子を得た。
別途用意したリードフレーム(幅3.4mm×長さ8mmで隙間1mmの対向する突起部を有する、厚さ0.1mm、基材:銅合金、下地:ニッケルメッキ、表層:錫メッキ)の突起部の隙間にイミド樹脂からなる絶縁体層部分がくるようにコンデンサ素子の陰極部をリードフレーム陰極部に載せ、コンデンサ素子の陰極部(3.3mm×3mm部分)を銀ペーストでリードフレームに接続した。このようにしてリードフレームに接続されたコンデンサ素子の上に別のコンデンサ素子を同じ配置となるように重ね合わせ、コンデンサ素子の陰極部どうしを銀ペーストで接続した。このようにしてコンデンサ素子7枚を重ね合わせた。125℃で10分間加熱して銀ペーストを硬化させた。
重ね合わせられたコンデンサ素子の陽極部(2mm×3mm部分)を抵抗溶接によってリードフレーム陽極部に接続した。
次いで、リードフレームに接続されたコンデンサ素子を、成型金型の所定位置に置き、エポキシ樹脂でトランスファー成型し、樹脂硬化させて、封止した。封止後、リードフレームを所定寸法に切断、曲げ加工して外部端子を形成させて、大きさ7.3mm×4.3mm×1.8mmで定格電圧2.0V、容量330μFのアルミニウム固体電解コンデンサを得た。その特性値を実施例1と同じ手法で求めた。その結果を表1および表2に示す。
(実施例7)
ニオブインゴットの水素脆性を利用した粉砕法でニオブ一次粉(平均粒径0.31μm)を得た。該ニオブ一次粉を造粒して平均粒径128μmのニオブ粉(このニオブ粉は微粉であるために大気中で自然酸化され、酸素が90000ppm存在する)を得た。該ニオブ粉を450℃の窒素雰囲気中に放置し、次いで700℃のアルゴン雰囲気中に放置することによって、窒化量8500ppmの部分窒化ニオブ粉(CV値270000μF・V/g)を得た。この部分窒化ニオブ粉を0.29mmφのニオブリード線と共に成形し、次いで1270℃で焼結することによって、大きさ3.1mm×4.5mm×1.0mm、質量44±2mgの焼結体(陽極体)を複数個作製した。ニオブリード線は、焼結体内部に1.3mmが埋め込まれ、焼結体外部に10mmが出ている。
実施例1と同様にして誘電体層、半導体層、カーボンペースト層、および銀ペースト層を順次形成してコンデンサ素子を得、それを実施例1と同様にしてリードフレームに接続した。
次いで、絶対圧力10Paの減圧下、温度190℃の雰囲気に前記コンデンサ素子を1時間放置した。この操作によって銀含有層中のイオウ元素含有量を調整した。
常温および常圧に戻した後、コンデンサ素子を−55℃の窒素雰囲気下に24時間放置した。
引き続き、リードフレームに接続されたコンデンサ素子を、成型金型の所定位置に置き、エポキシ樹脂でトランスファー成型し、樹脂硬化させて、封止した。封止後、リードフレームを所定寸法に切断、曲げ加工して外部端子を形成させて、大きさ7.3mm×4.3mm×1.8mmで、定格電圧2.5V、容量470μFのニオブ固体電解コンデンサを得た。その特性値を実施例1と同じ手法で求めた。その結果を表1および表2に示す。
(比較例8)
イオウ元素含有量調整のための減圧および加熱処理および−55℃の窒素雰囲気下の24時間放置を行わなかった以外は実施例7と同じ手法にてニオブ固体電解コンデンサを得、その特性値を実施例1と同じ手法で求めた。その結果を表1および表2に示す。
Figure 0004547466
Figure 0004547466
表1および表2に示すように、半導体層にイオウ元素を含有する導電性ポリマー層が含まれていると、リフロー後に、イオウ元素を元来含んでいなかった銀ペーストを用いて得られる層(銀含有層)にイオウ元素が含有するようになることがわかる(比較例5および8)。
そして、半導体層にイオウ元素を含有する導電性ポリマー層が含まれ、且つ260℃で5秒間の熱履歴後における銀含有層中のイオウ元素含有量が1.3質量ppm未満になるように調整したものは、リフロー熱によるESRの上昇がほとんど無いことがわかる(実施例1〜7)。
また、減圧および加熱処理後に低温放置を施すと、260℃で5秒間の熱履歴後における銀含有層中のイオウ元素含有量が低く抑制され、ESRの上昇抑制効果が高くなることがわかる(実施例2と実施例6との対比)。
一方、260℃で5秒間の熱履歴後における銀含有層中のイオウ元素含有量が1.3質量ppm以上になっているものはリフロー熱によってESRが数mΩも上昇することがわかる(比較例1〜5および7〜8)。
なお、箔からなる陽極体を有するアルミニウム固体電解コンデンサでは、イオウ元素の含有量が多くても、リフロー後におけるESRの上昇がほとんどない(参考例)。すなわち、箔からなる陽極体を有する固体電解コンデンサは、実装時のリフローを経た後においてもESRが実装前に比べて上昇するという課題が実質的に無いことがわかる。
以上から、本発明を適用することによって、焼結体からなる陽極体を有する固体電解コンデンサであっても、箔からなる陽極体を有する固体電解コンデンサと同程度またはそれ以上でESRの変化量を抑制できることがわかる。
1 陽極体
2 誘電体層
3 半導体層
4 陰極部
5 陽極端子
6 陰極端子
7 樹脂層(外装体)
11 リード線
41 カーボン層
42 銀層

Claims (8)

  1. 焼結体からなる陽極体の表面に誘電体層を形成する工程、該誘電体層の上にイオウ元素を含有する導電性ポリマーからなる半導体層を形成する工程、該半導体層の上に銀を含む層が含まれた導電体層を形成する工程、陽極体を陽極端子に、導電体層を陰極端子に、それぞれ電気的に接続する工程、並びに陽極端子および陰極端子のそれぞれの一部を除いて封止する工程を含む固体電解コンデンサの製造方法において、
    銀を含む層を形成する工程の後で且つ封止する工程の前に、製造された固体電解コンデンサの260℃で5秒間の熱履歴後における銀を含む層中のイオウ元素含有量が1.3質量ppm未満になるように調整する工程、および−100℃〜−40℃の不活性ガス雰囲気下に放置する工程をさらに含む、固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記のイオウ元素含有量を調整する工程は、減圧下、温度180℃以上の環境に放置することを含む、請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記のイオウ元素含有量を調整する工程は、絶対圧力6〜3000Paの減圧下、温度190〜220℃の環境に放置することを含む、請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記のイオウ元素含有量を調整する工程は、絶対圧力100〜1500Paの減圧下、温度190〜220℃の環境に放置することを含む、請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記のイオウ元素含有量を調整する工程は、上記環境に24時間以内で放置することを含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記のイオウ元素含有量を調整する工程は、上記環境に30分間〜10時間放置することを含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記半導体層を形成する工程は、チオフェン誘導体をドーパントの存在下に重合することを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. −100℃〜−40℃の不活性ガス雰囲気下に放置する時間が1〜100時間である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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