JP4545981B2 - 光スキャナ装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、出射される光を予め定められた周波数で走査する光スキャナ装置及びその製造方方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光を予め定められた周波数で走査する光スキャナ装置は、イメージリーダやOCRやバーコード読取装置に組込まれている。そして、近年、光スキャナ装置の用途が、前述したイメージリーダやOCRやバーコード読取装置の他にも、一次元や二次のディスプレ装置に使用される場合が増えてきた。すなわち、走査方向が互いに直交する複数の光スキャナ装置をディスプレ装置に組込み、かつ各光スキャナ装置においては、光源から出力される光の色(波長)、明度を動的に変更することによって、スクリーン上に、二次画像を形成する。
【0003】
このようなディスプレ装置は、卓上端末や携帯端末に組込まれる場合がある。
このような卓上端末や携帯端末に組込まれるディスプレ装置は、当然、小型化、軽量化、小電力化が要求される。そして、このディスプレ装置内に組込まれる1個又は複数個の光スキャナ装置は、さらに小型化、軽量化、小電力化が要求される。
【0004】
このような、小型化、軽量化、小電力化が図られた光スキャナ装置(ガルバノミラー)が提唱されている(特開平7―175005号公報)。
【0005】
すなわち、図8(a)(b)に示すように、両面が間隔を開けて一対のガラス基板2a、2bで覆われた矩形形状のシリコン基板1の内部に両端をトーションバー4a、4bで周囲に支持された可動板3を形成している。トーションバー4a、4b及び可動板3は、シリコン基板1と一体成形されている。この矩形形状を有する可動板3の表面の周辺に沿ってコイル5が印刷配線されている。
【0006】
このコイル5の両端は各トーションバー4a、4bを経由して周囲のシリコン基板1に設けられた各電極端子6a、6bに接続されている。電極端子6a、6bには、図示しない励磁電源から交流の励磁電流が印加される。可動板3の表面におけるコイル5の内側に全反射ミラー7が貼付けられている。
【0007】
さらに、可動板3のコイル5に対向する位置にガラス基板2a、2bを介して永久磁石8a、8b、9a、9bが取付られている。また、図示しない光源から線状の光線が全反射ミラー7に照射される。
【0008】
このような構成の光スキャナ装置(ガルバノミラー)において、各トーションバー4a、4bは十分細いので、可動板3はこのトーションバー4a、4を軸として簡単に回転(回動)振動が励起する。可動板3においては、トーションバー4a、4の軸周りの共振周波数が存在する。
【0009】
励磁電源からコイル5に交流の励磁電流を印加すると、コイル5が磁化して、永久磁石との間に磁気的吸引力及び磁気的排斥力が働くので、可動板3はトーションバー4a、4を軸とし往復回動運動する。ここで、コイル5に印加する交流の励磁電流の周波数を前述した共振周波数に設定することによって、少ない駆動電流で、可動板3は大きく、かつ安定した周波数で振動する。
【0010】
よって、可動板3に取付けられた全反射ミラー7で反射た光線が前記共振周波数で操作(スキャン)されることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8に示す光スキャナ装置においてもまだ改良すべき次のような課題があった。
【0012】
すなわち、可動板3の表面にコイル5を印刷配線し、さらに、このコイル5の内部に全反射ミラー7を取付けているので、可動板3自体を一定以上に小型化できない。
【0013】
さらに、可動板3の表面にコイル5を印刷配線しているので、このコイル5に励磁電流を供給するために、リード線をトーションバー4a、4bを経由して周囲のシリコン基板1に設けられた電極端子6a、6bまで導いて、さらに、この電極端子6a、6bに励磁電源を半田等にて接続する必要がある。したがって、装置全体が複雑化する問題があった。
【0014】
また、シリコン基板1の電極端子6a、6bに対する煩雑な配線作業が必要であるので、製造工程が複雑化する問題が生じる。
【0015】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、共振子側に磁性体を設け、共振子側の共振現象及び弾性的復元力を利用して光を走査することによって、装置全体のより一層の小型軽量化を図ることができ、さらに消費電力の低減化と製造費の低下とを図ることができる光スキャナ装置、及び光スキャナ装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解消するために、シリコン材料の有する共振子に必要とされる剛性、ねじり応力が印加される梁としての優れた弾性特性、少ないヒステリシス特性、及び優れた微細加工性に着目して行われたものである。
【0017】
すなわち、本発明の光スキャナ装置においては、単結晶シリコン材料で形成されたプレートと、このプレートに穿設された窓内に設けられ、プレートと同一材料で形成された共振子と、プレート及び共振子と同一材料で一体形成され、共振子を窓の互いに対向する窓枠に支持する一対の梁と、共振子の一方の面に形成された磁性体埋込用の凹部と、この凹部内に設けられた磁性体と、この磁性体に共振子の共振周波数に対応した周波数の交流磁界を印加する磁界印加手段と、共振子の他方の面に形成された鏡面と、この鏡面へ光を照射する光源とを備えている。
【0018】
このように構成された光スキャナ装置においては、単結晶シリコン材料で形成されたプレートの窓内に形成された共振子は、一対の梁で窓枠に支持されている。したがって、この共振子は、梁のねじりばね定数Kと共振子の重量や形状で定まる慣性モーメントLを用いて次式で示される共振周波数f0を有する。
【0019】
f0=(1/2π)(K/L)1/2
共振子には磁性体が設けられているので、この磁性体に共振子の共振周波数に対応した周波数の交流磁界を印加すれば、磁性体に磁気的吸引力、及び梁の弾性的復元力が作用するので、この共振子は少ないエネルギで振動する。
【0020】
この共振子には鏡面が形成されているので、この鏡面に光源から光を照射することによって、光を前記共振周波数で走査(スキャン)させることが可能となる。
【0021】
また、別の発明における光スキャナ装置の製造方法においては、
先ず、単結晶シリコン材料で形成されたプレートの一方面に描かれた窓の外側とこの窓の内側に描かれた共振子とこの共振子を窓の互いに対向する窓枠に支持するための一対の梁とをマスクするとともに、プレートの他方面における共振子に対応する位置に描かれた磁性体埋込用の凹部以外をマスクする。
【0022】
次に、プレートにおける窓の内側における共振子及び一対の梁以外の領域を貫通エッチングして共振子を形成するとともに、プレートの他方面に磁性体埋込用の凹部を部分エッチングで形成する。
さらに、形成された共振子の凹部内に磁性体を設けるとともに、共振子の凹部の反対面を鏡面に形成し、磁性体の対向位置に前記共振子の共振周波数に対応した周波数の交流磁界を発生する磁化器を設置する。そして、共振子に形成された鏡面へ光を照射する光源を設置する。
【0023】
このように構成された光スキャナ装置の製造方法においては、プレートを単結晶シリコン材料で形成し、このプレートから共振子及びこの共振子を窓枠に支持する一対の梁を、マスク及びエッチング処理を含む既存の半導体製造技術で形成している。
【0024】
したがって、この共振子及びこの共振子を窓枠に支持する一対の梁の大きさをマイクロ・メータのオーダまで小型化できる。また、磁性体埋込用の凹部を高精度の寸法で形成できるので、共振子の共振周波数の確度が向上する。さらに、磁性体を凹部に埋込むために、空気抵抗が減少し、Q値の向上が実現できるため、少ない磁気エネルギでスキャンを実施できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面を用いて説明する。
図1は実施形態に係る光スキャナ装置の概略構成を示す断面模式図であり、図2は、この光スキャナ装置におけるプレートを取出して示す正面図である。なお、図1は、図2のプレートをA―A線で切断した場合の断面図である。
【0026】
図1、図2において、単結晶シリコン材料で形成されたプレート11は、幅12mm、高さ16mm、厚み0.2mmを有した矩形状に形成されている。この矩形状のプレート11の中央部に表裏に貫通する横方向に長尺の窓12が形成されている。この長尺な窓12内に、やはり長尺な共振子13が設けられている。
この共振子13は、長尺な窓12の上下に位置する一対の窓枠12a、12bに対して、一対の梁14a、14bで接続されている。
【0027】
なお、共振子13及び梁14a、14bはプレート11と同一材料で形成されている。具体的には、プレート11から、窓12内の共振子13及び梁14a、14b以外の部分を貫通エッチングすることによって、窓12内に、共振子13及び梁14a、14bを形成している。
【0028】
図3(a)は、共振子13及び梁14a、14bの具体的寸法を示す図である。共振子13は、幅8mm、高さ6mm、厚み0.2mmを有した長尺に形成されており、長尺方向の両端は円形に形成されている。このように、両端を円形に形成することにより、この共振子13が梁14a、14bを回転軸として振動した場合における風の抵抗を軽減できる。
【0029】
図3(b)に示すように、この共振子13の一方面(裏面)は鏡面18に仕上げられており、共振子13の他方面(表面)には、矩形状の凹部21が形成されており、この凹部21内にパーマロイ等の磁性体15が勘入固定されている。そそして、この磁性体15の前面は、振動した場合における風の抵抗を軽減するために、共振子13の表面に一致させている。そして、この磁性体15は、幅5mm、高さ2mm、厚み0.1mmの形状を有している。
【0030】
なお、図3においては、1枚の磁性体15を共振子13の表面に取付けたが、図4(a)に示すように、2枚の磁性体15aを共振子13の表面に取付けることも可能である。さらに、図4(b)に示すように、さらに多数の磁性体15bを共振子13の表面に取付けることも可能である。
【0031】
図3(a)において、振動子13を各窓枠12a、12bに支持する梁14a、14bは、長さが2mmで、0.2mm×0.2mmの断面形状を有する。
【0032】
この梁14a、14bのねじりバネ定数をKとし、振動子13の梁14a、14b回りの慣性モーメントをLとすると、この振動子13の梁14a、14b回りの共振周波数f0は前述したように、
f0=(1/2π)(K/L)1/2
となる。
【0033】
図1に示すように、振動子13の磁性体15が形成された表側の梁14a、14bを挟んだ一方側に、磁性体15に対して、所定間隔dを介して、棒状の磁化鉄心16aと磁化コイル16bとからなる磁化器16が配設されている。この磁化器16に対して励磁電源17が接続されている。この励磁電源17は、磁化器16に対して、振動子13の共振周波数f0に等しい周波数を有する交流の励磁電流を印加する。
【0034】
なお、図4(a)に示すように、2枚の磁性体15aを共振子13の表面に取付けた場合においては、図4(c)に示すように、磁化器16を、幅広の磁気ギャップが形成されら磁化鉄心16cと磁化コイル16bとで構成した方が効果的に、磁性体15aとの間の磁気的吸引力が作用する。
【0035】
一方、共振子13の鏡面18が形成された裏面側には光源19が配設されている。この光源19から出力された光20は、振動子13の鏡面18における梁14a、14bが形成された中心線上に入射角θで入射される。入射した光20は、鏡面18で反射されて、この光スキャナ装置から走査(スキャン)された光20aとして、出力される。
【0036】
このように構成された光スキャナ装置の動作を図5の模式図を用いて説明する。
励磁電源17から交流の励磁電流が磁化器16の磁化コイル16bに印加されると、磁化器16の磁化鉄心16aの近傍に交流(交番)磁界が発生する。したがって、この交流(交番)磁界にて磁性体15との間に周期的にオン/オフ、又は周期的に増減する磁気的吸引力が作用する。
【0037】
すると、磁気的吸引力がオン又は増加している期間においては、共振子13は、梁14a、14bにおける復元力(ねじり応力)に抗して、図5の破線で示すように、梁14a、14bを中心に回動して、磁化器16に接近する。その瞬間、磁気的吸引力がオフ又は減少すると、共振子13は、梁14a、14bにおける復元力が作用して、共振子13は実線で示す元の位置へ戻る。
【0038】
したがって、共振子13は、実線位置と破線位置との間で往復動作を繰返す。
繰返し周波数は、励磁電源17から印加される交流の励磁電流の周波数である。
この周波数は、前述したように、共振子13の共振周波数f0に等しいので、低い励磁電流で、共振子13は、梁14a、14bの軸周りに、共振周波数f0で、回動動作を行う。この回動動作の振幅(角度範囲)は、励磁電源17から磁化器16へ供給する交流の励磁電流の振幅を調整することによって、任意に設定可能である。
【0039】
したがって、この共振子13の裏面の鏡面18における傾斜角度も共振周波数f0で周期的に変化するので、この鏡面18で反射してこの光スキャナ装置から出射される光20aは、共振周波数f0の周期で走査(スキャン)される。
【0040】
このように構成された光スキャナ装置においては、単結晶シリコン材料で形成されたプレート11の窓12内に形成された共振子132は、一対の梁14a、14bで窓枠12a、12bに支持されている。さらに、共振子13には磁性体15が設けられ、磁性体15に共振子13の共振周波数f0に対応した周波数の交流磁界を磁化器16で印加している。よって、共振子13に磁気的吸引力及びバネの復元力が作用するので、この共振子13は少ないエネルギで振動する。その結果、共振子13の裏面の鏡面18で反射される光20aが走査(スキャン)される。
【0041】
このように、出力される光20aの走査(スキャン)機構として、共振子13の振動現象を採用している、小型軽量化を図ることができ、さらに消費電力の低減化とを図ることができる。
さらに、共振子13に磁性体15のみを取付けているのみであるので、図8に示した、可動板にコイルを印刷配線で施した従来装置に比較して、共振子13をより小型化でき、装置全体をより一層小型化できる。
【0042】
また、前述したように、単結晶シリコン材料は、共振子13に必要とされる剛性、ねじり応力が印加される梁としての優れた弾性特性、少ないヒステリシス特性、及び優れた微細加工性を有しているので、上述した小型軽量化をより一層向上することができる。
【0043】
また、複数の光スキャナ装置を、光の走査(スキャン)が互いに特効する方向に配設することによって、仮想3次元画像を実現することができる。
【0044】
さらに、この光スキャナ装置を、前述した商品に付されたバーコード読取装置や、イメージリーダや、OCRに組込むことが可能ある。また、ある一定の角度範囲内に存在する物体を検出するセンサ装置や、光ファイバ等の微小物体の直径を測定する非接触型の寸法測定装置に組込むことも可能である。
【0045】
さらに、励磁電源17から出力する励磁電流を直流のオン/オフ信号とすることによって、光経路分岐器として光学機器に組込むことも可能である。
【0046】
なお、本発明の光スキャナ装置は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、図6に示すように、磁化器16を共振子13の回動中心となる梁14a、14b位置に対向配置することも可能である。
【0047】
この場合、磁化器16で交流磁界を発生させると、この交流磁界で磁性体15が磁化される。一般に、回動自在に支持された磁性体15が磁化されると、地磁気の方向を向く。したがって、共振子13は、梁14a、14bにおける復元力(ねじり応力)に抗して、図6の破線で示すように、梁14a、14bを中心に回動して、地磁気の方向を向く。その瞬間、印加されている磁界がオフ又は減少すると、磁性体15の磁化が解消され、共振子13は、梁14a、14bにおける復元力が作用して、共振子13は実線で示す元の位置へ戻る。
【0048】
よって、共振子13は、実線位置と破線位置との間で往復動作を繰返すので、前述した実施形態の光スキャナ装置と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0049】
次に、上述した光スキャナ装置の製造方法を図7を用いて説明する。
先ず、単結晶シリコン材料で形成された厚み0.2mmを有した円盤状のシリコンウエハ22の一方面(表面)に、幅12mm、高さ16mmを有した矩形状のプレート11を描き、さらに各プレート11における共振子13の中央部に磁性体15を装着するための凹部21を描き、この凹部21以外の領域上にマスク層23を形成する。
【0050】
次に、円盤状のシリコンウエハ22の他方面(裏面)に、同じく、幅12mm、高さ16mmを有した矩形状のプレート11を描き、さらに各プレート11内に窓12、共振子13及び梁14a、14bを描き、窓12以外の部分にマスク層23を形成する。
【0051】
この状態で、ICPRI(誘導結合プラズマ・イオン・エッチング)装置24を用いて、シリコンウエハ22の一方面(表面)を部分エッチングによって各凹部21を形成する。さらに、ICPRI装置24を用いて、シリコンウエハ22における他方面(裏面)から各プレート11の窓12の内側における共振子13及び梁14a、14b以外の窓12部分を貫通エッチングする。そして、シリコンウエハ22の両面に残ったマスク層23を洗浄液で洗浄して除去する。
【0052】
次に、シリコンウエハ22の他方面(裏面)における各プレート11における共振子13の裏面にクロム・金(CrAg)を蒸着して、鏡面18を形成する。
【0053】
次に、シリコンウエハ22をダイシング装置で切断して、各プレート11を切り離す。そして、切り離された各プレート11の共振子13の部分エッチングによって形成された凹部21内に磁性体15を装着する。具体的には、この磁性体15をエポキシ系の接着剤を用いて凹部21内に固定する。
【0054】
その後、共振子13における磁性体15の対向位置に共振子13の共振周波数f0に対応した周波数の交流磁界を発生する磁化器16を設置し、この磁化器16に励磁電流を供給する励磁電源17を準備する。さらに、共振子13の裏面に形成された鏡面18へ光20を照射する光源19を設置する。
【0055】
このように構成された光スキャナ装置の製造方法においては、円盤状のシリコンウエハ22上に多数のプレート11を描き、各プレート11から共振子13及びこの共振子13を窓枠12a、12bに支持する一対の梁14a、14bに対して、マスク処理及びエッチング処理を、ICPRI装置24等の既存の半導体製造装置を用いて、かつ既存の半導体製造技術で実施している。
【0056】
したがって、この共振子13及びこの共振子13を窓枠12a、12bに支持する一対の梁14a。14bの大きさを数マイクロ・メータのオーダまで小型化できる。また、寸法精度を向上できる。さらに、特に、特殊な製造手法を採用していないので、製造費が格別に上昇することはない。
【0057】
さらに、1枚の円盤状のシリコンウエハ22から一度に共振子13が形成されたプレート11を多数製造できるので、多数の光スキャナ装置を短時間で効率的に製造できる。
【0058】
なお、本発明の光スキャナ装置の製造方法は、上述した実施形態方法に限定されるものではない。
例えば、シリコンウエハ22の裏面の窓12以外にマスク層23を形成し、その後に、シリコンウエハ22の表面の磁性体埋込用の凹部21以外にマスク層23を形成してもよい。さらに、貫通エッチング処理と部分エッチング処理の順序を逆にしてもよい。
【0059】
さらに、実施形態製造方法においては、深さ0.1mmの凹部21内に予め別途製造されている磁性体15を接着剤を用いて取付けた。しかし、この深さ0.1mmの凹部21の底面に厚さ0.1mmの磁性体をメッキ層で形成することも可能である。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光スキャナ装置においては、共振子側に磁性体を設け、共振子側の共振現象及び弾性的復元力を利用して光を走査している。したがって、装置全体のより一層の小型軽量化を図ることができ、さらに消費電力の低減化と製造費の低下とを図ることができる。
【0061】
また、本発明の光スキャナ装置の製造方法においては、プレートを単結晶シリコン材料で形成し、このプレートから共振子及びこの共振子を窓枠に支持する一対の梁の形成を、エッチング処理を含む既存の半導体製造技術で実施している。
【0062】
したがって、共振子及び一対の梁の大きさをマイクロ・メータのオーダまで小型化でき、さらに、寸法精度を向上できる。また、既存の半導体製造技術を利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる光スキャナ装置の概略構成を示す断面模式図
【図2】同実施形態の光スキャナ装置のプレートを取出して示す図
【図3】同実施形態の光スキャナ装置の共振子を取出して示す図
【図4】同実施形態の光スキャナ装置における共振子の変形例を示す図
【図5】同実施形態の光スキャナ装置の動作原理を説明するための図
【図6】本発明の他の実施形態に係わる光スキャナ装置の動作原理を説明するための図
【図7】本発明の一実施形態に係わる光スキャナ装置の製造方法における製造手順を示す図
【図8】従来の一般的な光スキャナ装置(ガルバノメータ)の概略構成を示す図
【符号の説明】
11…プレート
12…窓
12a、12b…窓枠
13…共振子
14a、14b…梁
15…磁性体
16…磁化器
17…励磁電源
18…鏡面
19…光源
20、20a…光
21…凹部
22…シリコンウエハ
23…マスク層
24…ICPRI装置
Claims (2)
- 単結晶シリコン材料(23)で形成されたプレート(11)と、
このプレートに穿設された窓(12)内に設けられ、前記プレートと同一材料で形成された共振子(13)と、
前記プレート及び前記共振子と同一材料で一体形成され、前記共振子を前記窓の互いに対向する窓枠(12a、12b)に支持する一対の梁(14a、14b)と、
前記共振子の一方の面に形成された磁性体埋込用の凹部(21)と、
この凹部内に設けられた磁性体(15)と、
この磁性体に前記共振子の共振周波数(f0)に対応した周波数の交流磁界を印加する磁界印加手段(16,17)と、
前記共振子の他方の面に形成された鏡面(18)と、
この鏡面へ光(20)を照射する光源(19)と
を備えた光スキャナ装置。 - 単結晶シリコン材料で形成されたプレートの一方面に描かれた窓の外側とこの窓の内側に描かれた共振子とこの共振子を前記窓の互いに対向する窓枠に支持するための一対の梁とをマスクするとともに、前記プレートの他方面における前記共振子に対応する位置に描かれた磁性体埋込用の凹部以外をマスクし、
前記プレートにおける窓の内側における前記共振子及び一対の梁以外の領域を貫通エッチングして共振子を形成するとともに、前記プレートの他方面に磁性体埋込用の凹部を部分エッチングで形成し、
前記形成された共振子の凹部内に磁性体を設けるとともに、共振子の凹部の反対面を鏡面に形成し、
前記磁性体の対向位置に前記共振子の共振周波数に対応した周波数の交流磁界を発生する磁化器を設置し、
前記共振子に形成された鏡面へ光を照射する光源を設置する
ことを特徴とする光スキャナ装置の製造方法。
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