JP4544164B2 - 記録再生装置、欠陥判定方法 - Google Patents
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Description
また、データの再生時においては、ホログラム記録媒体に対して上記参照光のみを照射することで、上記干渉縞に応じた回折光を得るようにされ、この回折光に応じた像を例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Oxide Semiconductor)センサに代表されるイメージセンサ上に結像させ、画像検出を行う。このように検出される画像データに基づき、再生データを得るようにされる。
日経エレクトロニクス2005年1月17日号P106〜114
a) SLM(光空間変調器)の画素欠陥
b) イメージセンサの画素欠陥
c) 光学系起因の像欠陥
d) メディア性能(記録感度のバラツキ、回折効率など)
e) 光学系性能(収差による記録再生像のムラ、迷光の検出系への漏れこみによる信号品質の悪化など)
これらのうち、特にa)〜c)の要素は、記録再生時の信号品質に大きな影響を与え、SNRやエラーレートの定常的な悪化要因となり得る。すなわち、a)は記録データの欠落を意味し、同様にb)は再生データの欠落を意味するからである。またc)については、光路中のレンズ等に付着した粉塵などに起因して生じるものであるが、このようにして生じた像欠陥は、信号品質に直接的に悪影響を与える可能性が高いものとなる。
つまり、ホログラム記録媒体に対する記録再生を行う記録再生装置として、先ず所定位置にセットされた媒体に対して照射されるべき光を発光する発光手段を備える。
また、入射光について画素単位による光強度変調を施す空間光変調手段と、入射光を画素単位により受光して電気信号に変換するイメージセンサとを備える。
また、上記発光手段により発光された光を上記空間光変調手段を介して上記媒体に対して導くと共に、上記発光手段の発光に基づき上記媒体から発せられる光を上記イメージセンサに対して導くように構成された光学系を備える。
また、上記発光手段と上記空間光変調手段との間の光路中に設けられ、上記空間光変調手段への入射光角度を変化させることで、上記イメージセンサに入射する像の位置を移動させる像位置移動手段を備える。
さらに、判定手段を備える。
そして、上記判定手段が、
上記発光手段をオンとさせた状態で上記空間光変調手段の各画素でそれぞれ光強度として強/弱の変調をかけるように制御すると共に、これら強/弱の変調時に対応して上記イメージセンサの各画素で得られた検出値として、それぞれ光強度「強/弱」を示す値が得られたか否かについて判別し、
その結果、上記検出値が「強/弱」を示す値とはならず欠陥があると判定した画素のうち、光強度「強/強」を示す値が得られた欠陥画素について、さらに上記発光手段をオフとさせたときに得られた検出値を取得し、この検出値を含めた検出値パターンとして光強度「強/強/弱」を示す検出値パターンが得られたか否かを判別した結果に基づき、その欠陥画素と同一光軸上で生じている欠陥が上記空間光変調手段における画素欠陥であると判定すると共に、
上記光強度の強/弱の変調に対する検出値と上記発光手段をオフとしたときの検出値とを含めた検出値パターンが「強/強/強」を示す値となる第1の欠陥画素と、「弱/弱/弱」を示す値となる第2の欠陥画素とについて、その画素と同一光軸上に発生している可能性のある、上記空間光変調手段の画素欠陥の像と上記光学系にて生じ得る像欠陥の各像とが上記イメージセンサ上の正常画素に入射し、且つそれらの像が上記イメージセンサ上の同一画素に重ならないように入射し、且つそれらの像が同一光軸上で重ならないように上記イメージセンサに入射するように、各像の上記イメージセンサ上の入射位置が移動されるように上記像位置移動手段を制御した上で、
上記第1の欠陥画素については、その画素と同一光軸上に発生している可能のあった上記空間光変調手段の画素欠陥の像、上記光学系における像欠陥のうち上記媒体よりも上記発光手段側となる位置に発生する記録側の像欠陥の像がそれぞれ入射される上記イメージセンサ上の画素において、上記発光手段をオンとさせた状態で上記空間光変調手段にて光強度変調をかけさせたときに得られる検出値を取得し、その検出値に基づき、上記第1の欠陥画素と同一光軸上において上記空間光変調手段の画素欠陥があったか否か、及び上記記録側の像欠陥があったか否かについて判定を行うと共に、
上記第2の欠陥画素については、当該第2の欠陥画素と、当該第2の欠陥画素と同一光軸上に発生している可能のあった上記空間光変調手段の画素欠陥の像、上記光学系における像欠陥のうち上記媒体よりも上記発光手段側となる位置に発生する記録側の像欠陥の像、上記光学系における像欠陥のうち上記媒体よりも上記イメージセンサ側となる位置に発生する再生側の像欠陥の像がそれぞれ入射される上記イメージセンサ上の画素とにおいて、上記発光手段をオンとさせた状態で上記空間光変調手段にて光強度変調をかけさせたときに得られる検出値を取得し、その検出値に基づき、上記第2の欠陥画素と同一光軸上において上記空間光変調手段の画素欠陥があったか否か、上記記録側の像欠陥があったか否か、上記再生側の像欠陥があったか否か、及び上記イメージセンサの画素欠陥があったか否かについてそれぞれ判定を行うものである。
これによると、空間光変調手段における光強度の強/弱の変調(例えばbit1=強、bit0=弱とする)に対するイメージセンサ上での検出値として、bit1(強)の変調時に検出値がbit1(光強度=強)、bit0の変調時には検出値もbit0(光強度=弱)であれば、空間光変調手段及びイメージセンサの各画素が正常に動作しており、且つ光学系にもゴミ等の付着に依る像欠陥が発生していないことが判定できる。すなわち、このことから上記本発明のように空間光変調手段による強/弱の変調に対して得られるイメージセンサの検出値が「強/弱」を示す値となっているか否かを判別することで、光路中に生じる欠陥の有無について判定を行うことができる。
さらに本発明によれば、欠陥があるとされたすべての画素について、その画素と同一光軸上に生じている欠陥が再生側のみの欠陥であるか、記録側のみの欠陥であるか、記録側と再生側の双方の欠陥であるかを判定することができる。
1.ホログラム記録再生方式
2.欠陥判定の必要性
3.実施の形態としての記録再生装置
3−1.記録再生装置の構成
3−2.実施の形態としての欠陥判定
4.処理動作
5.変形例
先ずは、本実施の形態としての記録再生装置(後述する記録再生装置1)について説明するに先立ち、本実施の形態としての記録再生装置が採用するホログラム記録再生方式について説明する。
図1は、このような実施の形態としてのホログラム記録再生方式と同様の方式を採る従来の記録再生装置50の基本構成を示している。なお、この図1においては主に光学系の構成についてのみ示し、他の部分は省略して示している。
その具体的構成として、先ずこの図に示す記録再生装置50では、記録再生のための光源としてレーザダイオードLDを備えるようにされる。このレーザダイオードLDは所謂シングルモードレーザであり、所定の1種の波長によるレーザ光を出力する。
記録時においては、このSLM3において記録データに応じた変調が行われ、このように変調を受けた平行光は対物レンズ4を透過することで収束光とされ、図示するようにして所定位置にセットされたホログラム記録媒体5に集光するようにされる。
この図2に示されるように、この場合の記録手法では、先ずSLM3において、コリメータレンズ2からの入射光に対し、上述した参照光と、「0」「1」のデータ配列が形成された光(以下信号光と呼ぶ)とが同心円上に配置されるようにするための強度変調を行うようにされる。この強度変調された光を、対物レンズ4によりホログラム記録媒体5上に集光し、これにより形成される参照光と信号光の干渉縞をデータとしてホログラム記録媒体5上に記録するようにされる。
このオーバーサンプリング処理では、上述のようにしてホログラム記録媒体5から出力され、対物レンズ6を透過した回折光を、図1にも示したエキスパンダレンズ7により拡大してイメージセンサ8に結像させる。すなわち、このオーバーサンプリングの手法は、回折光に含まれる1bit相当の像をイメージセンサ8上の複数の画素で検出し、それらの検出値を平均化した結果に基づき1bit相当のデータを再生するものである。
ここで、これまでで説明したようなホログラム記録再生方式が採用される場合には、先にも述べたように、
a) SLM(光空間変調器)の画素欠陥
b) イメージセンサの画素欠陥
c) 光学系起因の像欠陥
の各要因が、特に記録再生時の信号品質に大きな影響を与え、SNRやエラーレートの定常的な悪化要因となり得る。
以下では、図5〜図8を用い、具体的にこれらの要因が信号品質に与える影響について検証してみる。
この図に示されるようにSLM3の画素に欠陥が生じた場合、その欠陥画素の位置が記録時における信号光の照射範囲内とされるときは、信号光側の欠陥となり、これによって記録データの欠落を招く。
一方で、欠陥画素の位置が記録時の参照光の照射範囲内となる場合は、記録データの欠落とはならないが、記録特性に悪影響を及ぼす可能性はないとは言えない。
また、さらに本実施の形態では、再生時において、先の図3に示したように記録時と同じ光路を利用してホログラム記録媒体5に再生時の参照光を照射するようにされる。従ってこのように欠陥画素位置が参照光部分と被る場合には、再生特性の悪化も懸念される。
但し、参照光側の画素欠陥は、信号光の画素欠陥に比べて直接的に記録再生bitの欠落につながるわけではないので、例えば数画素程度のまばらな欠陥については以下では考慮しないものとする。
この図に示されているようにイメージセンサ8上の欠陥画素の位置が回折光の結像範囲内となる場合は、再生時のデータの欠落となることがわかる。
なお、再生時において先の図4にて説明したオーバーサンプリング処理を行う場合については後述する。
この光学系起因の像欠陥としては、粉塵等の付着による像の欠落を挙げることができる。そしてその影響としては、どの部分で粉塵等が付着したか、すなわちどの部分で像が欠落するかによって場合分けが発生する。
例えば図中Gwのように、対物レンズ4に付着した粉塵等による像の欠落があった場合、SLM3にて変調された信号光に影響を及ぼす可能性がある。すなわち、例えば対物レンズ4において粉塵等が図8(a)の■印で示す位置に像欠陥を生じさせた場合は、SLM3での変調後の信号光部分に欠陥を生じさせ、これによって記録時の信号光にコントラストの低下あるいはデータの欠落を引き起こす。すなわち、記録データの欠落を引き起こす可能性がある。
このようにして記録データの欠落となった場合は、a)のSLMの画素欠陥と等価な状態となる。
この場合においてデータの欠落となったときには、b)のイメージセンサの画素欠陥と等価な状態となる。
すなわち、記録側の欠陥として、a)のSLMの画素欠陥が生じた場合と、c)の光学系起因の像欠陥としてGwと示したようなSLM画素欠陥と等価となる像欠陥が生じた場合については、再生側の欠陥がなければ、他の正常な光学系を有する記録再生装置によりデータ記録が行われたホログラム記録媒体5については、これを正常に再生することができる。
逆に、再生側の欠陥としてb)のイメージセンサの画素欠陥が生じた場合、c)の光学系起因の像欠陥としてGrと示したようなイメージセンサの画素欠陥と等価となる像欠陥が生じた場合については、記録系が正常であれば、ホログラム記録媒体5に対し正常にデータ記録を行うことはでき、これを他の正常な再生光学系を有する記録再生装置にて再生することができる。
さらには、記録・再生の双方で欠陥が生じている場合も考えられ、その場合は例えば記録及び再生の双方を制限するなどの対策が考えられる。
これらのことより、生じた欠陥が記録側のものであるか、再生側のものであるか、又はその両者であるかの違いにより、その対応の仕方も変わってくることがわかる。この点で、生じている欠陥が記録側での欠陥であるか、再生側での欠陥であるか、又は記録側及び再生側の双方の欠陥であるかの判定をできるようにすることが、第2に肝要となる。
一方で、再生側の欠陥が生じた場合は、上記のように欠陥画素を使用せずに再生を行ってしまうと、その画素位置の再生データ欠落となってしまう。但し、上述したオーバーサンプリングにより再生を行う際には、記録時の1画素分のデータはイメージセンサ8上の複数の画素を使用して読み出されるので、例えばそのうちの1つの画素を使用せずとも他の画素を用いてデータの読み出しを行うことが可能であり、よって欠陥画素とされた画素を使用しないという対策を有効に採ることができる。つまり具体的には、このように欠陥画素を使用せずにオーバーサンプリングを行う際には、1つのオーバーサンプリング画素ブロックとしての複数画素の検出値を平均化して1画素分の値を検出するにあたり、1オーバーサンプリング画素ブロックの総画素数から使用しなかった欠陥画素の数を減算した値で各画素の検出値の和を平均化する。これにより、欠陥画素からの誤った値を含んだ平均化を行う場合よりも正確に1画素の値を検出することができるようになる。
そして、この場合としても欠陥が記録側/再生側であるかが特定されなければ、上述のような記録時/再生時に応じた対策を適正に行うことができないものとなる。従ってこのためにも、欠陥の発生態様(つまり記録側での欠陥/再生側での欠陥/記録側及び再生側の双方の何れか)を特定できるようにすることが肝要であることがわかる。
一例として、図9(a)(b)(c)(d)は、それぞれ同一光軸上に生じたSLM3の画素欠陥、記録側の像欠陥Gw(対物レンズ4に付着した粉塵等に依る)、再生側の像欠陥Gr(エキスパンダレンズ7に付着した粉塵等に依る)、イメージセンサ8の画素欠陥を示しているが、このように同軸上に生じた欠陥は、次の図10に示されるように、最終的に像が結像するイメージセンサ8から見れば、それぞれ同じ位置に重なるようにして現れるものとなる。
当然のことながら、欠陥の有無の判定はイメージセンサ8の検出値を利用することとなるので、このように各欠陥が1点に重なってしまった場合、図1に示した構成ではこれらの欠陥部分についてイメージセンサ8上の同じ画素を使用せざるを得ないこととなり、この結果欠陥の切り分けを行うことができなくなってしまう、という問題が生じる。
3−1.記録再生装置の構成
これまでで説明した課題の解決を図るべく、本実施の形態では、ホログラム記録媒体5について記録再生を行う記録再生装置として、第1に、先ずは欠陥部分の有無について判定する機能を与えるようにする。さらにその上で、第2の機能として、欠陥があるとされた場合にその欠陥の種類の切り分けを行う機能を与えるようにする。
先ず、実施の形態の記録再生装置1では、コリメータレンズ2から出射された平行光が、図示するようにチルトミラー11で反射されてSLM12に導かれるようになっている。このチルトミラー11の傾斜角度は、後述するシステムコントローラ15により制御される。
一方、bit0の変調に応じては入射光を対物レンズ4側に反射せず、これによってbit0の画素部分では、光強度が弱(遮断も含む)となるようにされている。
SLM12から対物レンズ4に入射した光は、所定位置にセットされたホログラム記録媒体5上に集光するようにされる。なお、以降の再生側の光学系の構成は、先に説明した記録再生装置50と同様となるので改めて説明はしない。
また、データ復調部13は、上述したオーバーサンプリング処理を行うとされた場合は、予めイメージセンサ8上の画素について区分けされるようにして設定された各オーバーサンプリング画素ブロックごとに、各画素で得られる検出値を合計し、それをオーバーサンプリング画素ブロックを構成する総画素数で平均化して1bit分の値を検出する動作を行うようにされる。
また、再生時においては、先の図3のように参照光のみが形成されるようにするための変調データを生成し、この変調データに基づいてSLM12の各画素を駆動制御する。
例えば、上記データ変調部14に対し、ホログラム記録媒体5についての記録時/再生時の別に応じた動作切り替え指示を行うようにされる。すなわち、記録時に対応しては、記録データに応じた信号光と参照光部分とが形成されるようにして変調が行われるようにするための動作モードに切り替えるように指示を行う。また再生時に対応しては、参照光のみが得られるようにして変調を行うようにするための動作モードに切り替える指示を行う。
また、再生時において、先に述べたオーバーサンプリング処理を行うとした場合は、データ復調部13にその旨を指示することでオーバーサンプリング処理に応じたデータ再生動作を実行させるように制御を行う。なお、オーバーサンプリング処理時にはシステムコントローラ15がエキスパンダレンズ7についての駆動制御も行うようにされるが、ここではエキスパンダレンズ7の駆動部、及びこの駆動部に対する制御線は省略している。
さらには、システムコントローラ15は、レーザダイオードLDのオン/オフ制御を行うようにもされる。
また、特に本実施の形態の場合は、上述したような欠陥部分の有無を判定する機能と、欠陥の切り分けを行う機能との実現のために、図16〜図21に示す処理動作を行うようにされるがこれについては後述する。
ここで、先ず前提として、上記構成による記録再生装置1では、欠陥判定のための動作モードとして、通常の記録/再生時とは異なる態様によりレーザ光の照射及びSLM12での強度変調を行うようにされる。
具体的に、先ず欠陥の有無の判定については、レーザダイオードLDをオンとした状態で、SLM12の全画素をそれぞれbit1(つまり光強度=強)、bit0(つまり光強度=弱)に設定するようにされる。そして、それらbit1に変調をかけた場合と、bit0に変調をかけた場合のそれぞれで、イメージセンサ8上の各画素に得られる検出値に基づき判定を行うようにされる。
但し、上記もしているように、この場合の欠陥判定は、イメージセンサ8上の各画素の検出値に基づき行うようにするので、より確実な判定を行うためにはイメージセンサ8の各画素で十分かつ安定な検出値が得られるようにすることが好ましい。そのため、欠陥判定のために用いる媒体としては、通常の記録再生用のホログラム記録媒体5よりもさらに透過率の高い材質から成る媒体を用いることが望ましい。
・SLM12の画素欠陥
→ レーザ光の強度変調を行う際に、SLM12の画素がbit1又はbit0で固定のままの状態となり、正常な変調をかけられない状態。つまり、具体的な症状としては、SLM12のbit1の変調に対しイメージセンサ8でbit0の値が得られるケース、或いはSLM12のbit0の変調に対しイメージセンサ8でbit1の値が得られるケースの2種のみ。
・イメージセンサ8の画素欠陥
→ 入力される光を検出しても回路故障等の要因で常にbit0に応じた値が出力されてしまう状態。または光が入力されなくても回路故障等の要因で画素からの値が常に最大値側(bit1側)に張り付く、若しくは出力オフセット異常で常時bit1の値が出力されてしまう状態。
具体的な症状としては、この場合もSLM12のbit1の変調に対しイメージセンサ8でbit0が得られるケース、或いはSLM12のbit0の変調に対しイメージセンサ8でbit1が得られるケースの2種のみ。
SLM12において全画素をそれぞれbit1、bit0としたとき、イメージセンサ8の各画素における検出値がそれぞれbit1、bit0ならば、欠陥は生じていない正常な状態であることがわかる。そしてこれを換言すれば、SLM12において全画素をbit1、bit0としたとき、イメージセンサ8の各画素における検出値がそれぞれbit1、bit0でなければ、欠陥が生じていると判定することができる。
このようにしてレーザダイオードLDをオンとしてSLM12の全画素でそれぞれbit1、bit0の変調をかけたときの、イメージセンサ8上の各画素で得られる検出値がそれぞれbit1、bit0となっているか否かについて判定することで、先ずは第1の機能としての、欠陥有無の判定機能を実現することができる。
なお、図12において、図12(a)では確認のために、SLM12、ホログラム記録媒体5、イメージセンサ8、記録側の像欠陥Gw、再生側の像欠陥Grの位置関係と、SLM12及びイメージセンサ8において生じ得る画素欠陥の種類(図中の括弧内)とを示している。
この図12(a)では、記録側の像欠陥Gwとして、対物レンズ4に付着した粉塵等による像欠陥を例示しているが、記録側の像欠陥Gwとしては、実施の形態の記録再生装置1の構成においてはコリメータレンズ2、又はチルトミラー11に付着した粉塵等によっても生じ得る。
また、再生側の像欠陥Grとしてもエキスパンダレンズ7に付着した粉塵等による像欠陥を例示しているが、他にも対物レンズ6に付着した粉塵等によっても生じ得る。
ここで、以下では説明の便宜上、記録側の像欠陥については、この図12(a)に示されるようにして対物レンズ4に付着した粉塵等によるもののみが生じ得るものとする。また、再生側の像欠陥としても、エキスパンダレンズ7に付着した粉塵等によるもののみが生じ得るものとして説明を続ける。
以下では、欠陥が生じている場合に得られうる検出値パターンがこれらのパターンのみとなることを証明するために、欠陥の発生態様(記録側の欠陥、再生側の欠陥、記録側及び再生側の双方)ごとに、それぞれで得られうる検出値パターンについて検証していく。
記録側の欠陥がSLM12の画素欠陥のみのとき、考えられるのはbit1で固定又はbit0で固定となる欠陥である。bit1で固定のとき、イメージセンサ8の検出値は、SLM12の変調がbit1のときbit1、bit0のときもbit1、レーザダイオードLDがオフのときbit0となる「1,1,0」となる。またSLM12がbit0で固定のとき、イメージセンサ8での検出値は、SLM12の変調がbit1のときbit0、bit0のときもbit0、レーザダイオードLDがオフのときbit0となる「0,0,0」となる。
また、記録側の欠陥が像欠陥Gwのみである場合、イメージセンサ8の検出値は、レーザダイオードLDがオンのときはSLM12の変調に関わらず常にbit0となり、レーザダイオードLDをオフとしたときもイメージセンサ8の検出値はbit0となる。すなわち記録側の欠陥が像欠陥のみである場合、イメージセンサ8の検出値は「0,0,0」となる。
さらに、記録側の欠陥がSLM12の画素欠陥と像欠陥Gwとの双方によるものである場合、SLM12がbit1又はbit0で固定でも、像欠陥Gwがあることからイメージセンサ8の検出値は「0,0,0」となる。
以上より、記録側のみに欠陥がある場合、イメージセンサ8の検出値パターンは「1,1,0」「0,0,0」の2通りのみがあり得ることになる。
再生側のみの欠陥として、イメージセンサ8の欠陥のみが生じるとき、考えられるのはイメージセンサ8がbit1で固定又はbit0で固定となる欠陥である。bit1で固定のとき、当然のことながらイメージセンサ8の検出値はSLM12の変調がbit1のときbit0のときに関わらずbit1となる。さらに、レーザダイオードLDがオフとされても、bit1で固定であることから、その結果は「1,1、1」となる。同様にして、イメージセンサ8がbit0で固定のとき、その結果は「0,0,0」となる。
また、再生側の欠陥が像欠陥Grのみである場合は、この場合もレーザダイオードLDがオンのときはSLM12の変調に関わらず常にbit0となり、レーザダイオードLDをオフとしたときはbit0となる。つまり再生側の欠陥が像欠陥Grのみである場合、イメージセンサ8の検出値は「0,0,0」となる。
また、再生側の欠陥としては、イメージセンサ8の画素欠陥と像欠陥Grとの双方による場合も考えられるが、その場合、検出値パターンはイメージセンサ8の欠陥内容に応じたものとなる。すなわち、イメージセンサ8がbit1で固定のときは検出値パターンも「1,1,1」であり、bit0で固定のときは検出値パターンも「0,0,0」となる。
このようにして、再生側の欠陥のみが生じる場合、イメージセンサ8の検出値パターンは「1,1,1」「0,0,0」の2通りのみがあり得ることになる。
像欠陥がある場合として、それが記録側の像欠陥Gwのみであるとすると、記録側と再生側の双方の欠陥としてあり得るのは「記録側の像欠陥Gw+イメージセンサ8の画素欠陥」、「記録側の像欠陥Gw+SLM12の画素欠陥+イメージセンサ8の画素欠陥」の2通りとなる。これらの場合、イメージセンサ8の画素欠陥を含むので、イメージセンサ8の検出値パターンはイメージセンサ8の欠陥内容がbit1で固定かbit0で固定かによってのみ左右される。つまり、イメージセンサ8がbit1で固定のとき、検出値パターンは「1,1,1」、bit0で固定のときは「0,0,0」となる。
一方で像欠陥が再生側の像欠陥Grのみである場合、あり得るのは「再生側の像欠陥Gr+SLM12の画素欠陥」、「再生側の像欠陥Gr+SLM12+イメージセンサ8の像欠陥」の2通りとなる。この場合もイメージセンサ8の画素欠陥を含む後者の場合は、イメージセンサ8の検出値パターンはイメージセンサ8の欠陥内容がbit1で固定かbit0で固定かによってのみ左右され、従って検出値パターンは「1,1,1」か「0,0,0」の何れかとなる。また、前者のSLM12の画素欠陥との組み合わせの場合は、検出値パターンは「0,0,0」のみとなる。
また、像欠陥が記録側と再生側の双方で生じる場合、あり得るのは「記録側の像欠陥Gw+再生側の像欠陥Gr」、「記録側の像欠陥Gw+SLM12の画素欠陥+再生側の像欠陥Gr」、「記録側の像欠陥Gw+再生側の像欠陥Gr+イメージセンサ8の画素欠陥」、「記録側の像欠陥Gw+SLM12の画素欠陥+再生側の像欠陥Gr+イメージセンサ8の画素欠陥」の4通りとなる。
1番目の像欠陥Gw+像欠陥Grのみの場合は、イメージセンサ8の検出値パターンは「0,0,0」のみとなる。また、2番目の「記録側の像欠陥Gw+SLM12の画素欠陥+再生側の像欠陥Gr」の場合は、SLM12の画素欠陥の内容に関わらず検出値パターンは「0,0,0」となる。また、この場合もイメージセンサ8の画素欠陥を含む3、4番目の場合は、イメージセンサ8の検出値のパターンは「1,1,1」か「0,0,0」の何れかとなる。
図12(b)においては、このようにイメージセンサ8において得られうる検出値パターンごとに、それぞれ生じる可能性のある欠陥の種類をまとめて示している。
つまり、この場合はレーザダイオードLDがオンのときとオフのときとで、イメージセンサ8の検出値がbit1とbit0とで反転しているので、イメージセンサ8の画素欠陥が生じていないと判断できる。また、レーザダイオードLDがオンの状態で検出値がbit1となっていることから、像欠陥は生じていないことも判明する。従ってこれらのことより、残る可能性はSLM12の画素欠陥のみとなり、この場合はbit0の変調のとき検出値がbit1となっていることから、SLM12がbit1で固定となっている欠陥であるということが特定できるものである。
従って検出値パターン「1,1,0」に応じては、SLM12がbit1で固定となっている欠陥(つまり記録側のみの欠陥)であることを特定できる。
なお、「1,1,1」の結果によれば、図中破線丸印により囲うようにレーザダイオードLDがオフの状態でイメージセンサ8の検出値がbit1となっていることから、イメージセンサ8がbit1で固定であることは確定できる。但し、逆を言えば、この場合はイメージセンサ8の画素欠陥により他の欠陥についての判定ができない状態となっているものであり、従って実際には記録側の欠陥も生じている可能性もあり、それを確認しなければ欠陥の発生態様を特定することができない。
そのための構成として、本実施の形態の記録再生装置1では、先の図11に示したようなチルトミラー11を設けるようにしている。
図13は、このようなチルトミラー11の初期位置からの傾斜に伴う光軸の傾斜角度変化を模式的に示している。
なお、この図13では先の図11に示したチルトミラー11、SLM12、ホログラム記録媒体5、イメージセンサ8と共に、SLM12の画素欠陥(図中○)、記録側の像欠陥Gw(☆)、再生側の像欠陥Gr(★)、イメージセンサ8の画素欠陥(×)の位置関係も示している。また、これら全ての欠陥が図中の同じ一点鎖線上にあることで、これらの欠陥が同一光軸上に生じていることを示している。この図では説明の便宜上、SLM12は透過型として構成される場合を示している。
なお、確認のために述べておくと、この場合はSLM12がイメージセンサ8から最も遠くに位置するため、SLM12の画素欠陥の像がビームのシフト方向側に最も移動することになる。
そして、これによれば、SLM12の画素欠陥、記録側の像欠陥Gw、再生側の像欠陥Gr、イメージセンサ8の画素欠陥が同一光軸上に重なって発生していた場合にも、チルトミラー11を傾斜させることで、それらの位置がイメージセンサ8上の同一位置に重ならないようにすることができ、これによって各欠陥を切り分けて個別にその有無を判定することが可能となる。
先ず、判定動作としては、先にも述べたように第1の機能としての欠陥の有無判定を行う。すなわち、レーザダイオードLDをオンとした状態で、SLM12の全画素をbit1/bit0としたときのイメージセンサ8の各画素の値を検出する。
そして、その検出結果に基づき、欠陥の有無を判定する。この場合、先の図12(b)からわかるようにbit1/bit0の変調に対するイメージセンサ8の検出値が「1,0」であることで、その画素が正常な画素であると判定することになる。
ここで、レーザダイオードLDをオンとした状態でbit1/bit0の変調をかけた際の検出値としては、上記のように欠陥なしを示す「1,0」以外に、「1,1」「0,0」しかあり得ないものとなる(図12(b)参照)。
これらのうち、「1,1」の検出結果が得られた場合は、レーザダイオードLDをオフとした際の検出値を含めた検出値パターンは「1,1,0」と「1,1,1」のみが考えられ得る。
そしてレーザダイオードLDをオフとした検出値が「0」であった場合は、上記のようにして当該画素と同一光軸上に生じる欠陥がSLM12の画素欠陥のみであるとの判定を行う。
また、上記のようにしてbit1/bit0の変調に対し「1,1」の検出結果が得られ、検出値パターンが「1,1,0」「1,1,1」となり得る画素のことを、以下では欠陥D2画素と呼ぶ。
このようにして検出値Pd2が「1」となって「1,1,1」の検出値パターンに該当した画素については、以下、欠陥D3画素と呼ぶ。
先ず第1としては、イメージセンサ8上の欠陥D3画素、欠陥D1画素と同一光軸上となるSLM12の画素位置、対物レンズ4の位置(記録側の像欠陥Gwの位置)、エキスパンダレンズ7の位置(再生側の像欠陥Grの位置)にある各像が、イメージセンサ8上の正常と判定された画素に入射することである。つまり、イメージセンサ8上の欠陥のある画素に対し像が入射されてしまっては、その像についての検出値を適正に得ることができず、各欠陥の有無を正確に判定することができなくなるからである。
つまり、例えば仮にイメージセンサ8上の2つの画素で欠陥が判定された場合には、それら2つの画素とそれぞれ同一光軸上でSLM12の画素欠陥、記録側の像欠陥Gw、再生側の像欠陥Grが生じている可能性があるが、このとき、一方の画素と同一光軸上で生じている欠陥が例えばSLM12の画素欠陥・再生側の像欠陥Grであるとし、他方の画素と同一光軸上で生じている欠陥が再生側の像欠陥Grのみであったと仮定する(つまり、この場合はエキスパンダレンズ7において2箇所の像欠陥が生じていたと仮定している)と、レーザビームの傾斜角度(チルトミラー11の傾斜角度)によっては、傾斜後の同一光軸上において、上記SLM12の画素欠陥の像と、このSLM12の欠陥とは同一光軸上にはなかった方の再生側の像欠陥Grとが重なってしまうこともあり得る。そして、このように傾斜後の同一光軸上において複数の欠陥の像が重なってしまった場合は、先の第2の条件が満たされない場合と等価となり、従ってそれらの欠陥についての有無を適正に判定することができなくなってしまうからである。
・SLM12の画素欠陥、記録側の像欠陥Gw、再生側の像欠陥Grの各像がイメージセンサ8上の正常な画素に入射
・SLM12の画素欠陥の像、記録側の像欠陥Gwの像、再生側の像欠陥Grの像がイメージセンサ8上の同一画素に重ならないように入射
・SLM12の画素欠陥の像、記録側の像欠陥Gwの像、再生側の像欠陥Grの像とが傾斜後の同一光軸上で重ならないようにイメージセンサ8に入射
という条件を満たすようにして設定する。
すなわち、傾斜後のSLM12の画素欠陥の像のイメージセンサ8への入射位置は、イメージセンサ8からSLM12までの距離とチルトミラー11の傾斜角度とに応じた移動量Sslm分シフトした位置となることがわかる。また、同様に記録側の像欠陥Gwの像の入射位置は、イメージセンサ8から対物レンズ4までの距離とチルトミラー11の傾斜角度とに応じた移動量Sw分シフトした位置となり、再生側の像欠陥Grの像の入射位置はイメージセンサ8からエキスパンダレンズ7までの距離に応じた移動量Sr分シフトした位置となることがわかる。
従って、この移動量の情報に基づき、各像が正常画素に入射するかどうかを確認できる、すなわち上記第1の条件が満たされるか否かを確認できる。また、同様に、各像が同一画素上で重ならないかどうか、つまり上記第2の条件が満たされるかどうかも確認することができる。
また、上記第3の条件については、SLM12、対物レンズ4、エキスパンダレンズ7の間の距離も予め把握することができるので、傾斜角度に応じたSLM12の画素欠陥の像の対物レンズ4上及びエキスパンダレンズ7上での入射位置、記録側の像欠陥Gwの像のエキスパンダレンズ7上での入射位置をそれぞれ求めることができる。すなわち、これらの情報から、上記第3の条件が満たされるかどうかを確認することができる。
なお、上記の3つの条件を満たす傾斜角度を求めるための具体的手法としては多様に考えられるため、ここで特に限定する記載はしない。
また、上記説明によれば、傾斜後においてはSLM12の画素欠陥、記録側の像欠陥Gw、再生側の像欠陥Grの各欠陥の像がイメージセンサ8上の欠陥有りとされた画素とは異なる画素に移動するので、この欠陥有りと判定された画素についても再度その検出値を参照することで、当該欠陥有りと判定されたイメージセンサ8上の画素についてもその欠陥の有無を判定することができる。
このようにして傾斜前の同一光軸上で重なって生じていた可能性のあるSLM12の画素欠陥、記録側の像欠陥Gw、再生側の像欠陥Gr、イメージセンサ8の画素欠陥の有無について、それぞれを個別に判定することができる。
しかしながらこの場合、欠陥D3画素の検出値パターン「1,1,1」としては、先の図12(b)でも説明したようにイメージセンサ8の画素欠陥は確定(つまり再生側の欠陥は確定)となり、あとは記録側での欠陥の有無のみが判定されればよいものである。従ってイメージセンサ8上のこの欠陥D3画素と、それと同一光軸上で発生している可能性のある再生側の像欠陥Grとについては、その有無の判定は不要とすることができ、この場合は少なくとも当該欠陥D3画素から移動量Sslm、移動量Swとなる画素での値を再検出し、これによって記録側の欠陥も生じていたかどうかを確認すればよい。
一方で移動量Sslm画素の再検出値の判定としての、SLM12の画素欠陥の有無の判定は、SLM12でbit1/bit0の双方の変調をかけたときにそれぞれ得られる検出値に基づかなければ、正確に判定を行うことができないことになる。
そしてこの再検出動作の結果として、上記移動量Sslmとなる画素の検出結果に基づいては、bit1の変調に対する検出値が「0」、またはbit0の変調に対する検出値が「1」であったことに応じ、SLM12の画素欠陥があったと判定する。
また、移動量Swとなる画素の検出結果に基づいては、bit1の変調に対する検出値が「0」であったことに応じ、記録側の像欠陥Gwがあったと判定する。
また、SLM12の画素欠陥、記録側の像欠陥Gwの何れもなかったとされた場合には、欠陥は再生側のみであったことを特定することができる。
先ず、イメージセンサ8の画素欠陥の有無から説明すると、この場合の検出値パターン「0,0,0」によっては、イメージセンサ8上の該当欠陥D1画素が「1」で固定となる欠陥は生じ得ないことがわかる。従ってこの場合のイメージセンサ8の画素欠陥の有無の判定は、bit0で固定となっているか否かを判定すればよく、具体的には、欠陥D1画素についてSLM12でbit1の変調をかけたときのみの値を検出し、このbit1の変調に応じて得られた検出値が「0」であった場合に、イメージセンサ8の画素欠陥があったと判定するようにして行うことになる。
そして、このbit1の変調に対する検出値が「0」であった場合に、再生側の像欠陥Grがあったと判定する。
さらにSLM12の画素欠陥の有無については、欠陥D1と判定された画素から移動量Sslmとなる画素について、レーザダイオードLDをオンとしてSLM12でbit1/bit0の変調をかけたときの値を検出する。そして、bit1の変調に対する検出値が「0」、又はbit0の変調に対する検出値が「1」であった場合に、SLM12の画素欠陥があったと判定する。
そしてこの判定結果より、記録側の像欠陥GwとSLM12の画素欠陥とが共になく、イメージセンサ8の画素欠陥と再生側の像欠陥Grの少なくとも何れか一方があった場合は、再生側の欠陥のみであったことを特定することができる。
また、逆にイメージセンサ8の画素欠陥と再生側の像欠陥Grとがなく、記録側の像欠陥GwとSLM12の画素欠陥の少なくとも何れか一方があった場合は、記録側の欠陥のみであったことを特定することができる。
さらに、記録側の像欠陥GwとSLM12の画素欠陥の少なくとも何れか一方と、イメージセンサ8の画素欠陥と再生側の像欠陥Grの少なくとも何れか一方とがあった場合には、記録側と再生側の双方の欠陥であったことを特定することができる。
このようにしてイメージセンサ8の画素欠陥、像欠陥Gr、像欠陥Gw、SLM12の画素欠陥の有無について行った判定結果より、この欠陥D1とされる場合に発生する可能性のあった再生側のみ、記録側のみ、記録側と再生側の双方の各欠陥について、その別を特定することができる。
すなわち、実際の再検出動作としては、bit1の変調が行われた状態で、イメージセンサ8上の欠陥D3画素から移動量Sslm、移動量Swとなる画素の値を検出すると共に、さらに欠陥D1画素から移動量Sslm、移動量Sw、移動量Srとなる画素の値の検出も行う。
また、bit0の変調が行われた状態で、イメージセンサ8上の欠陥D3画素から移動量Sslmとなる画素の値を検出すると共に、欠陥D1画素から移動量Sslmとなる画素の値も検出するようにする。
このようにSLM12の1度のbit1/bit0の変調動作によって欠陥D3画素と欠陥D1画素とについての欠陥切り分けのために必要な再検出値を得ることができれば、その分これら欠陥3、欠陥D1ごとに変調を行う場合よりも判定動作に要する時間の短縮化を図ることできる。
さらに、上記のようにSLM12のbit0の変調をかけたときに欠陥画素(D1及びD3)から移動量Sslmとなる画素で得られた検出値については「Pion-0slm」と呼ぶ。
先にも述べたように、オーバーサンプリング処理としては、ホログラム記録媒体5に参照光を照射して得られる再生時の信号光(回折光)を拡大して、当該信号光の1画素分の値をイメージセンサ8上の複数画素で検出するようにし、それら複数画素の検出値の和を平均化して上記1画素分の値を検出するものである。なお、先にも述べたが、このように1画素分の値を読み出すためのイメージセンサ8上の複数の画素の各集合を、オーバーサンプリング画素ブロックと呼んでいる。
このようにすることで、例えば上記例では(1+1+1+0)/4=3/4が検出されていたものが(1+1+1)/3=1が検出されるようになり、これによって欠陥画素をそのまま用いてオーバーサンプリングを行う場合よりもさらに正確な検出を行うことが可能となる。
例えばオーバーサンプリング画素ブロックの総画素数に対して欠陥画素数が比較的多い場合などには、正常画素があるとしても、適正に値を検出することができない可能性があり、その場合はオーバーサンプリング画素ブロック全体を使用しない方が定常的な再生信号品質悪化防止の面から好ましい場合もある。但し、これはシステムの性能にも依存することが考えられるため、本例では正常画素の使用有無を選択することが可能となるようにしている。
具体的に、例えば予めユーザ操作などに基づき、欠陥画素がある場合にはそのオーバーサンプリング画素ブロック全体を使用しない/使用するの設定が可能となるようにする。そして、使用しないとの設定が為されている場合は、欠陥画素を含むオーバーサンプリング画素ブロックを使用しないものとし、逆に使用するとの設定が為されている場合には、使用できる正常画素のみで平均化(この場合も平均化数は使用画素数に応じて変更)を行ってオーバーサンプリングを行うようにする。
そして、この判定の結果、欠陥があるとされた画素については、第2の機能として、生じている欠陥の切り分け(再生側のみ、記録側のみ、記録側と再生側の双方)を行う。
つまり、先ずは上記bit1/bit0の変調をかけた際の検出値の値として「1,1」が得られた画素(欠陥D2画素)については、レーザダイオードLDをオフとして再度その値を検出する。このレーザダイオードLDをオフとしたときの検出値が「0」(つまり検出値パターンが「1,1,0」)となれば、その画素と同一光軸上で発生している欠陥が、記録側の欠陥のみ(SLM12がbit1で固定)であると特定することができる。
つまり、欠陥D3画素についてはSLM12の画素欠陥の有無判定と記録側の像欠陥Gwの有無判定を行う。
また、欠陥D1画素については、イメージセンサ8の画素欠陥、再生側の像欠陥Gr、記録側の像欠陥Gw、SLM12の画素欠陥の全ての有無判定を行う。
これらの判定結果から、欠陥D1、欠陥D3と判定された画素で実際に生じていた欠陥が再生側のみ、記録側のみ、記録側と再生側の双方、の何れであるかを特定することができる。
また、欠陥が再生側のみであった場合は、再生時に当該欠陥有りとされたイメージセンサ8上の画素を使用しない対策を採ることができ、これによって信号再生品質の定常的な悪化の防止を図ることができる。
また、記録側と再生側の双方の欠陥であるとされた場合には、再生時においては、その欠陥有りとされたイメージセンサ8上の画素を使用せず、また記録時にはその欠陥有りとされたイメージセンサ8上の画素と同一光軸上となるSLM12の画素を使用しないという対策を採ることができ、これによって記録再生品質の定常的な悪化の防止を図ることができる。
続いては、図16〜図21のフローチャートを参照して、上記により説明した本実施の形態の形態としての欠陥判定動作を実現するために実行されるべき処理動作について説明する。
なお、これらの図に示される処理動作は、図11に示したシステムコントローラ15が例えば自らが備えるROM等に格納されるプログラム(図示せず)に基づいて実行するものである。
さらに図18は、欠陥D1画素、欠陥D3画素について行われる各欠陥の有無判定のための再検出動作に対応して行われるべき処理動作について示し、図19は図18に示す処理により得られた再検出結果に基づき欠陥D1画素について各欠陥の有無判定を行う際の処理動作を、また図20は図18に示す処理動作により得られた再検出結果に基づき欠陥D3画素について各欠陥の有無判定を行う際の処理動作を示している。
さらに、図21では、再生側の欠陥がある場合に応じてオーバーサンプリング処理の設定を変更する動作に対応して行われるべき処理動作について示している。
そして、ステップS102では、レーザON処理として、図11に示したレーザダイオードLDをオンとするための制御処理を行う。
その上で、先ずステップS109においては、このように選択された画素の検出値Pon-1がbit1に対応した値となっているか否かについて判別処理を行う。
なお、先にも述べたように、仮に生じている欠陥が像欠陥Gのみの場合には、コントラストの低下のみでデータ欠落には至らない場合もある。例えばこのようなことを考慮し、検出値Pon-1がbit1であるか否かについての判別は、所定の判定閾値(図中Dth1)に基づいて行う。この判定閾値Dth1の値については、例えば予めSLM12でbit1の変調をかけた際のイメージセンサ8の出力特性等について実験を行った結果などに基づき決定すればよい。
ステップS112の処理によって欠陥D1画素であるとの判定を行うと、ステップS114に進み、欠陥内容と画素位置とを対応づけて保持するための処理を行う。このような欠陥画素の画素位置とその欠陥内容との対応づけの情報としても、例えばシステムコントローラ15が備えるRAM等に一時保持するものとすればよい。
ステップS114の処理を実行すると、ステップS115において全画素の判定が終了したか否かについて判別処理を行う。全画素についての判定が未だ終了してはいないとして否定結果が得られた場合は、先のステップS108に戻り、対象画素を選択する処理を行うようにされる。つまりこの場合は次の対象画素の選択を行うものとなる。また、ステップS115において全画素についての判定が終了したとして肯定結果が得られた場合は、後述する図17の処理に進むようにされる。
なお、本例の場合、正常画素については特段の処理を要するものではないので、先の欠陥画素の場合のようにその画素位置の情報を特に保持する必要はない。すなわち、この場合は欠陥画素についてのみその画素位置の情報と欠陥内容とが保持されるもので、それ以外の画素が全て正常画素であるとの特定が可能となるようにされている。
ステップS111において正常画素であるとの判定を行うと、先に説明したステップS115に処理を進めるようにされる。
そして、このステップS113にて欠陥D2画素の判定を行った後も、先のステップS114に進んで欠陥内容と画素位置を対応づけて保持した上で、ステップS115に処理を進めるようにされる。
先にも述べたように、このステップS115にて全画素の判定が終了したとされた場合は、図17に示す処理に進むようにされる。
このステップS211において、欠陥D1、欠陥D3の何れの画素も存在しないとして否定結果が得られた場合は、判定動作の結果として欠陥D1、欠陥D2、欠陥D3の画素が1つも存在しないこととなる。つまり、この場合は全ての画素が正常であることとなるもので、従ってその場合は図21に示されるようにして処理動作を終了するようにされる。
また、ステップS211において、欠陥D1画素又は欠陥D3画素の何れかが存在するとして肯定結果が得られた場合は、後述する図18の処理に進むようにされる。
その上で、ステップS203では、欠陥D2画素と判定された画素の検出値(Pd2)をそれぞれを再検出し、続くステップS204ではこれら検出値Pd2を画素位置対応に保持する処理を実行する。
そこで、レーザダイオードLDをオフとするタイミングとしては、上記ステップS107が終了したタイミングとすることもできる。或いはステップS103、S107の検出値取得処理ごとにオン/オフすることもできる。
このようにすることで、不必要にレーザダイオードLDがオンされ続けるといった事態を回避することができ、その分消費電力の削減などを図ることができる。
そして、このように対象画素を選択すると、ステップS206において、検出値Pd2がbit0であるか否かについての判別処理を行う。このステップS206において、検出値Pd2がbit0であるとして肯定結果が得られた場合は、当該画素の検出値パターンは「1,1,0」となるので、その場合は図示するようにステップS207に進みSLM12の画素欠陥であるとの判定を行う。
なお、前述の説明からも理解されるように、システムコントローラ15は、このような「SLM12の画素欠陥」との判定結果より、その画素と同一光軸上に生じている欠陥が記録側の欠陥のみであることを特定することができる。
さらに、続くステップS210では、全ての欠陥D2画素についての判定が終了したか否かについて判別処理を行い、未だ全てのD2画素について判定が終了していないとして否定結果が得られた場合は、先のステップS205に戻るようにされ、対象画素の再選択を行うようにされる。
また、ステップS210において全ての欠陥D2画素について判定が終了したとして肯定結果が得られた場合は、先に説明したステップS211に進み、欠陥D1画素又は欠陥D3画素の何れかが存在するか否かについて判別処理を行う。そして、先にも述べたように欠陥D1画素又は欠陥D3画素の何れも存在しないとして否定結果が得られた場合は、図21に示されるようにして処理動作を終了し、欠陥D1画素又は欠陥D3画素の何れかが存在するとして肯定結果が得られた場合は図18の処理に進むようにされる。
・SLM12の画素欠陥、記録側の像欠陥Gw、再生側の像欠陥Grの各像がイメージセンサ8上の正常な画素に入射
・SLM12の画素欠陥の像、記録側の像欠陥Gwの像、再生側の像欠陥Grの像がイメージセンサ8上の同一画素に重ならないように入射
・SLM12の画素欠陥の像、像欠陥Gwの像、像欠陥Grの像とが傾斜後の同一光軸上で重ならないようにイメージセンサ8に入射
という条件を満たすようにして像を移動させるための処理を実行する。
つまり、これまでの判定処理から欠陥有りとされたイメージセンサ8上の画素とそれぞれ同一光軸上に生じている可能性のある各欠陥の像(つまりSLM12の画素欠陥と判定された画素についてはその画素と同一光軸上にあるSLM12の画素欠陥の像、また欠陥D1、欠陥D3と判定された画素についてはその画素と同一光軸上に生じうるSLM12の画素欠陥の像、記録側の像欠陥Gwの像、再生側の像欠陥Grの像)の、チルトミラー11の傾斜角度に応じたイメージセンサ8上での移動量の情報と、同じくチルトミラー11の傾斜角度に応じたSLM12の画素欠陥の像の対物レンズ4及びエキスパンダレンズ7上での入射位置、記録側の像欠陥Gwの像のエキスパンダレンズ7上の入射位置の情報に基づき、上記の条件が満たされるチルトミラー11の傾斜角度を例えば計算により求める。
そして、このようにして求めた傾斜角度によりミラー面が傾斜するように、チルトミラー11に対する制御を行う。
なお、先にも述べたように上記3条件を満たすチルトミラー11の傾斜角度を求める手法としては多様に考えられるものであり、ここで特に限定はしない。
そして、続くステップS307では、このようにして取得した検出値(Pion-1slm、Pion-1w、Pion-1r)を画素位置対応に保持する。これら検出値Pion-1slm、Pion-1w、Pion-1rは、それぞれ欠陥D1画素、欠陥D3画素と同一光軸上に生じている可能性のあるSLM12の画素欠陥、記録側の像欠陥Gw、再生側の像欠陥Grの有無について判定を行うために必要な検出値となる。
なお、前述の動作説明からも理解されるように、欠陥D3と判定された画素についてはイメージセンサ8の画素欠陥(つまり再生側の欠陥)は確定となり、欠陥発生態様の別の特定の観点からは、あとは記録側の欠陥の有無(つまりSLM12の画素欠陥の有無、記録側の像欠陥Gwの有無)が判定されれば足るものである。従って上記ステップS306においては、欠陥D3についての再生側の像欠陥Grの有無を判定するための、欠陥D3画素から移動量Srとなる画素の検出値の取得は不要とすることができる。
先ず、ステップS401では、欠陥D1画素が存在するか否かについて判別処理を行う。欠陥D1画素が存在しないとして否定結果が得られた場合は、後の図20に示すステップS501に処理を進めるようにされる。
また、欠陥D1画素が存在するとして肯定結果が得られた場合は、ステップS402において、欠陥D1画素から対象画素を選択する処理を行う。つまり、欠陥D1画素であるとして保持されるイメージセンサ8上の画素のうちから1つの画素を対象画素として選択する。
すなわち、この検出値Pd1としての、チルトミラー11の傾斜による各像の移動を行った後の欠陥D1画素におけるSLM12のbit1の変調時の検出値が、bit1でないということは、当該欠陥D1画素においてbit0で固定となる欠陥が生じていることが判明するからである。
ステップS404の処理を実行すると、後述するステップS405に処理を進める。
検出値Pion-1slmがbit1であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS406において、今度は検出値Pion-0slmがbit0であるか否かについて判別を行う。すなわち、ステップS402にて選択した欠陥D1画素から移動量Sslmとなる画素における、SLM12でbit0の変調をかけた際の検出値がbit0となっているか否かについて判別を行う。
そして、このステップS406において、検出値Pion-0slmがbit0であるとして肯定結果が得られた場合は、bit1の変調に対してはbit1が、またbit0の変調に対してはbit0が得られたことになるので、SLM12の画素欠陥が生じていないことが判明する。従ってその場合は、図示するようにしてそのままステップS408に処理を進めるようにされる。
先ずステップS408では、検出値Pion-1rがbit1であるか否かについて判別処理を行う。すなわち、ステップS402にて選択した欠陥D1画素から移動量Srとなる画素において、SLM12でbit1の変調をかけたときに得られた検出値がbit1となっているか否かについて判別する。このステップS408において、検出値Pion-1rがbit1ではないとして否定結果が得られたということは、再生側の像欠陥Grがあったことが判明する。このため、その場合はステップS409において再生側の像欠陥Grがったとの判定を行う。そしてその後、ステップS410に進むようにされる。
一方、ステップS408において検出値Pion-1rがbit1であるとして肯定結果が得られた場合は、再生側の像欠陥Grはないことが判明するので、そのまま次のステップS410に処理を進めるようにされる。
一方、ステップS410において検出値Pion-1wがbit1であるとして肯定結果が得られた場合は、記録側の像欠陥Gwはないことが判明するので、そのまま次のステップS412に処理を進めるようにされる。
システムコントローラ15は、このようにして画素位置対応に保持される対応情報に基づき、その画素位置の同一光軸上で発生している欠陥の発生態様を特定することができるようになる。なお、このような対応情報としても、例えばシステムコントローラ15が備えるRAM等に保持するものとすればよい。
また、全ての欠陥D1画素について判定が終了したとして肯定結果が得られた場合は、次の図20に示す処理に進むようにされる。
また、ステップS501において、欠陥D3画素が存在するとして肯定結果が得られた場合は、次のステップS502において、欠陥D3画素から対象画素を選択する処理を行う。つまり、欠陥D3画素であるとして保持されるイメージセンサ8上の画素のうちから1つの画素を対象画素として選択する。
そして、この場合は続くステップS503において、先ずはこのように選択された欠陥D3画素について、イメージセンサ8の画素欠陥があったとの判定を行う。
検出値Pion-1slmがbit1であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS505において、今度は検出値Pion-0slmがbit0であるか否かについて判別を行う。すなわち、ステップS502にて選択した欠陥D3画素から移動量Sslmとなる画素における、SLM12でbit0の変調をかけた際の検出値がbit0となっているか否かについて判別を行う。 そして、このステップS505において、検出値Pion-0slmがbit0であるとして肯定結果が得られた場合は、bit1の変調に対してはbit1が、またbit0の変調に対してはbit0が得られたことになるので、SLM12の画素欠陥が生じていないことが判明する。従ってその場合は、図示するようにしてそのままステップS507に処理を進めるようにされる。
一方、ステップS507において検出値Pion-1wがbit1であるとして肯定結果が得られた場合は、記録側の像欠陥Gwはないことが判明するので、そのまま次のステップS509に処理を進めるようにされる。
システムコントローラ15は、このようにして画素位置対応に保持される対応情報に基づき、その画素位置の同一光軸上で発生している欠陥の発生態様を特定することができる。
また、全ての欠陥D3画素について判定が終了したとして肯定結果が得られた場合は、次の図21に示す処理に進むようにされる。
先ずステップS601では、再生側の欠陥が存在するか否かについての判別処理を行う。ここで、欠陥があるとされた画素のうち、欠陥D3画素については、前述もしているようにイメージセンサ8の画素欠陥(つまり再生側の欠陥)が確定となるので、欠陥D3画素が存在する場合はその全てに再生側の欠陥が生じていることになる。また、欠陥D1画素については、再生側の欠陥が生じていない場合もある。なお、欠陥D2から検出値パターン「1,1,0」が判定された画素としては、SLM12の画素欠陥(つまり記録側の欠陥)のみしかあり得ないものとなる。
これらを踏まえると、再生側の欠陥が存在するか否かは、欠陥D3画素が存在するか否か、及び欠陥D1画素が存在する場合でその欠陥内容としてイメージセンサ8の画素欠陥又は再生側の像欠陥Grの何れか一方を含む画素が存在するか否かを判別することで確認できることがわかる。
従ってステップS601では、このように欠陥D3画素が存在するか否か、及び欠陥D1画素が存在する場合でその欠陥内容としてイメージセンサ8の画素欠陥又は再生側の像欠陥Grの何れか一方を含む画素が存在するか否かを判別するようにされる。
一方、逆に何れの判別においても否定結果が得られた場合は、再生側の欠陥は存在しないものとして否定結果を得て、図示するようにして処理動作を終了するようにされる。
そして、次のステップS603では、対象とするオーバーサンプリング画素ブロックを選択するための処理を行う。すなわち、上記ステップS602にて欠陥画素を含むとされたオーバーサンプリング画素ブロックのうちから、1つのオーバーサンプリング画素ブロックを選択するものである。
このステップS604において、全ての画素が欠陥画素であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS606に進み、該当するオーバーサンプリング画素ブロックは使用しないようにするための処理を行う。つまり、システムコントローラ15は、ステップS603にて選択されたオーバーサンプリング画素ブロックについては、以降におけるオーバーサンプリング処理時にこれが使用されないようにするために、図11に示したデータ復調部13の設定が変更されるように制御を行う。
そして、このステップS606の処理を実行すると、ステップS609に進み、次対象のオーバーサンプリング画素ブロックがあるか否かについて判別処理を行う。このステップS609において、対象とすべき次のオーバーサンプリング画素ブロックがあるとして肯定結果が得られた場合は、先のステップS603に戻り、オーバーサンプリング画素ブロックの選択を再度行うようにされる。また、ステップS609において次対象のオーバーサンプリング画素ブロックがないとして否定結果が得られた場合は、図示するようにして処理動作を終了するようにされる。
具体的に、このステップS605における判別処理としては、例えば予めユーザ操作などに基づき設定された画素使用有無の情報に基づいて行うようにされる。つまり、欠陥画素がある場合においてそのオーバーサンプリング画素ブロック全体を使用しないとの設定が為されている場合は、当該ステップS605の判別処理では否定結果を得るようにされ、また逆に使用するとの設定が為されている場合には、肯定結果を得るようにされる。
ステップS605において、残りの正常画素を使用しないとして否定結果が得られた場合には、先に説明したステップS606において、該当するオーバーサンプリング画素ブロックを使用しないようにするための処理を行うようにされる。
そして続くステップS608においては、オーバーサンプリング処理の平均化数を欠陥画素の個数分引いた値に変更するための処理を行う。すなわち、同じく先のステップS603にて選択したオーバーサンプリング画素ブロックについては、以降のオーバーサンプリング処理時においてその平均化のための分母の数が、1オーバーサンプリング画素ブロックの総画素数から欠陥画素の個数を引いた値に変更されるように、データ復調部13に対する制御を行う。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した実施の形態に限定されるべきものではない。
例えば実施の形態では、説明の便宜上、記録側の像欠陥Gwとしては対物レンズ4にのみ生じ、再生側の像欠陥Grとしてはエキスパンダレンズ7にのみ生じうるものとして説明したが、前述もしたように、図11に示した記録再生装置1の構成によれば、記録側の像欠陥Gwとしてはコリメータレンズ2、チルトミラー11においても生じ得る。また再生側の像欠陥Grについては対物レンズ6にも生じ得る。
但しこの場合、上記コリメータレンズ2の像欠陥は、チルトミラー11に対し光源側(つまりレーザダイオードLD側)に位置するものとなるので、チルトミラー11を傾斜させたとしても、当該コリメータレンズ2の像欠陥と上記チルトミラー11の像欠陥とを切り分けることができないことになる。しかし、実施の形態のように欠陥の発生態様として少なくとも記録側のみ、再生側のみ、記録側と再生側の双方についてのみ特定できればよいとの条件の下では、それらの切り分けが不能であることは特に問題とはならない。つまり、これらコリメータレンズ2の像欠陥、チルトミラー11の像欠陥は何れも記録側に生じる欠陥に変わりないからである。
・コリメータレンズ2及びチルトミラー11の像欠陥、SLM12の画素欠陥、対物レンズ4の像欠陥、対物レンズ6の像欠陥、エキスパンダレンズ7の像欠陥の各像がイメージセンサ8上の正常な画素に入射
・コリメータレンズ2及びチルトミラー11の像欠陥、SLM12の画素欠陥、対物レンズ4の像欠陥、対物レンズ6の像欠陥、エキスパンダレンズ7の像欠陥の各像がイメージセンサ8上の同一画素に重ならないように入射
・コリメータレンズ2及びチルトミラー11の像欠陥、SLM12の画素欠陥、対物レンズ4の像欠陥、対物レンズ6の像欠陥、エキスパンダレンズ7の像欠陥の各像が傾斜後の同一光軸上で重ならないようにイメージセンサ8に入射
の条件を満たすようにしてチルトミラー11を傾斜させればよい。
これら何れかの欠陥があれば、記録側の欠陥も生じていたものであり、記録側と再生側の双方の欠陥であることを特定できる。またこれらの何れの欠陥もなければ、再生側のみの欠陥であったことを特定できる。
従って、この場合としても、生じうる全ての欠陥の有無(この場合はコリメータレンズ2及びチルトミラー11の像欠陥、SLM12の画素欠陥、対物レンズ4の像欠陥、対物レンズ6の像欠陥、エキスパンダレンズ7の像欠陥、イメージセンサ8の画素欠陥の有無)について判定を行う。
これらの判定結果より、コリメータレンズ2及びチルトミラー11の像欠陥とSLM12の画素欠陥と対物レンズ4の像欠陥がなく、イメージセンサ8の画素欠陥とエキスパンダレンズ7の像欠陥と対物レンズ6の像欠陥のうち少なくとも何れかがあった場合は、再生側の欠陥のみであったことを特定することができる。
また、逆にイメージセンサ8の画素欠陥とエキスパンダレンズ7の像欠陥と対物レンズ6の像欠陥がなく、コリメータレンズ2及びチルトミラー11の像欠陥とSLM12の画素欠陥と対物レンズ4の像欠陥のうち少なくとも何れかがあった場合は、記録側の欠陥のみであったことを特定することができる。
さらに、コリメータレンズ2及びチルトミラー11の像欠陥とSLM12の画素欠陥と対物レンズ4の像欠陥のうち少なくとも何れかと、イメージセンサ8の画素欠陥とエキスパンダレンズ7の像欠陥と対物レンズ6の像欠陥のうち少なくとも何れかがあった場合には、記録側と再生側の双方の欠陥であったことを特定することができる。
このようにして欠陥D1と判定された場合に対応して、発生する可能性のあった再生側のみ、記録側のみ、記録側と再生側の双方の各欠陥の別を特定することができる。
例えば図22では、このような反射型ホログラム記録媒体21に対応する場合の記録再生装置の構成例について示している。なお、この図において、既に図11にて説明した部分と同様となる部分については同一符号を付している。
なお、この場合の記録再生装置においてもデータ復調部13、データ変調部14、システムコントローラ15が備えられているが、これらの構成は図11において説明したものと同様となるので改めての説明は省略する。
但し、ここで注意すべきは、図22に示す構成において対物レンズ4に像欠陥が生じた場合は、記録側と再生側の双方の欠陥となることである。また、PBS20に生じる像欠陥としては、2通りが考えられる。すなわち、PBS20においてSLM12側からのレーザ光の入射面側に生じた像欠陥は記録側の欠陥となり、また対物レンズ4側からの反射光の入射面側に生じた像欠陥は再生側の欠陥となるものである。
また、再生側の欠陥としては、対物レンズ4の像欠陥、PBS20の像欠陥(対物レンズ4側の面)、エキスパンダレンズ7の像欠陥、イメージセンサ8の画素欠陥を分類できる。
・コリメータレンズ2及びチルトミラー11の像欠陥、SLM12の画素欠陥、PBS20の像欠陥(SLM12側の面)、PBS20の像欠陥(対物レンズ4側の面)、対物レンズ4の像欠陥、エキスパンダレンズ7の像欠陥の各像がイメージセンサ8上の正常な画素に入射
・コリメータレンズ2及びチルトミラー11の像欠陥、SLM12の画素欠陥、PBS20の像欠陥(SLM12側の面)、PBS20の像欠陥(対物レンズ4側の面)、対物レンズ4の像欠陥、エキスパンダレンズ7の像欠陥の各像がイメージセンサ8上の同一画素に重ならないように入射
・コリメータレンズ2及びチルトミラー11の像欠陥、SLM12の画素欠陥、PBS20の像欠陥(SLM12側の面)、PBS20の像欠陥(対物レンズ4側の面)、対物レンズ4の像欠陥、エキスパンダレンズ7の像欠陥の各像が傾斜後の同一光軸上で重ならないようにイメージセンサ8に入射
の条件が満たされるようにその傾斜角度を制御することになる。これにより、イメージセンサ8上の移動後におけるこれらコリメータレンズ2及びチルトミラー11の像欠陥、SLM12の画素欠陥、PBS20の像欠陥(SLM12側の面)、PBS20の像欠陥(対物レンズ4側の面)、対物レンズ4の像欠陥、エキスパンダレンズ7の像欠陥の各像が入射する画素と、欠陥有りと判定されたイメージセンサ8上の画素とについて、それぞれ個別に判定を行うことが可能となり、これによって各欠陥の有無を判定することができる。
一方で欠陥D1と判定された画素については、この場合も欠陥発生態様としては記録側のみ、再生側のみ、記録側と再生側の双方があり得る。従って欠陥D1と判定された画素については、上述の欠陥の全ての有無についてそれぞれ判定を行い、その結果に基づき欠陥発生態様を特定することになる。
なお、この場合の各欠陥の有無に基づく欠陥発生態様の特定として、先にも述べたように対物レンズ4の像欠陥があると判定された場合は、記録側と再生側の双方の欠陥となる。
しかしながら、このような判定動作の迅速化を考慮しないとした場合等には、全画素についてbit1/bit0の変調時、及びレーザダイオードLDオフ時の検出値をそれぞれ取得して検出値パターンを得た上で、そのパターンに応じて正常画素、SLM12の画素欠陥が生じている画素、欠陥D3画素、欠陥D1画素を判定するように構成することもできる。
Claims (3)
- ホログラム記録媒体に対する記録再生を行う記録再生装置として、
所定位置にセットされた媒体に対して照射されるべき光を発光する発光手段と、
入射光について画素単位による光強度変調を施す空間光変調手段と、
入射光を画素単位により受光して電気信号に変換するイメージセンサと、
上記発光手段により発光された光を上記空間光変調手段を介して上記媒体に対して導くと共に、上記発光手段の発光に基づき上記媒体から発せられる光を上記イメージセンサに対して導くように構成された光学系と、
上記発光手段と上記空間光変調手段との間の光路中に設けられ、上記空間光変調手段への入射光角度を変化させることで、上記イメージセンサに入射する像の位置を移動させる像位置移動手段と、
判定手段とを備えると共に、
上記判定手段は、
上記発光手段をオンとさせた状態で上記空間光変調手段の各画素でそれぞれ光強度として強/弱の変調をかけるように制御すると共に、これら強/弱の変調時に対応して上記イメージセンサの各画素で得られた検出値として、それぞれ光強度「強/弱」を示す値が得られたか否かについて判別し、
その結果、上記検出値が「強/弱」を示す値とはならず欠陥があると判定した画素のうち、光強度「強/強」を示す値が得られた欠陥画素について、さらに上記発光手段をオフとさせたときに得られた検出値を取得し、この検出値を含めた検出値パターンとして光強度「強/強/弱」を示す検出値パターンが得られたか否かを判別した結果に基づき、その欠陥画素と同一光軸上で生じている欠陥が上記空間光変調手段における画素欠陥であると判定すると共に、
上記光強度の強/弱の変調に対する検出値と上記発光手段をオフとしたときの検出値とを含めた検出値パターンが「強/強/強」を示す値となる第1の欠陥画素と、「弱/弱/弱」を示す値となる第2の欠陥画素とについて、その画素と同一光軸上に発生している可能性のある、上記空間光変調手段の画素欠陥の像と上記光学系にて生じ得る像欠陥の各像とが上記イメージセンサ上の正常画素に入射し、且つそれらの像が上記イメージセンサ上の同一画素に重ならないように入射し、且つそれらの像が同一光軸上で重ならないように上記イメージセンサに入射するように、各像の上記イメージセンサ上の入射位置が移動されるように上記像位置移動手段を制御した上で、
上記第1の欠陥画素については、その画素と同一光軸上に発生している可能のあった上記空間光変調手段の画素欠陥の像、上記光学系における像欠陥のうち上記媒体よりも上記発光手段側となる位置に発生する記録側の像欠陥の像がそれぞれ入射される上記イメージセンサ上の画素において、上記発光手段をオンとさせた状態で上記空間光変調手段にて光強度変調をかけさせたときに得られる検出値を取得し、その検出値に基づき、上記第1の欠陥画素と同一光軸上において上記空間光変調手段の画素欠陥があったか否か、及び上記記録側の像欠陥があったか否かについて判定を行うと共に、
上記第2の欠陥画素については、当該第2の欠陥画素と、当該第2の欠陥画素と同一光軸上に発生している可能のあった上記空間光変調手段の画素欠陥の像、上記光学系における像欠陥のうち上記媒体よりも上記発光手段側となる位置に発生する記録側の像欠陥の像、上記光学系における像欠陥のうち上記媒体よりも上記イメージセンサ側となる位置に発生する再生側の像欠陥の像がそれぞれ入射される上記イメージセンサ上の画素とにおいて、上記発光手段をオンとさせた状態で上記空間光変調手段にて光強度変調をかけさせたときに得られる検出値を取得し、その検出値に基づき、上記第2の欠陥画素と同一光軸上において上記空間光変調手段の画素欠陥があったか否か、上記記録側の像欠陥があったか否か、上記再生側の像欠陥があったか否か、及び上記イメージセンサの画素欠陥があったか否かについてそれぞれ判定を行う
記録再生装置。 - 上記像位置移動手段はチルトミラーで構成される請求項1に記載の記録再生装置。
- 所定位置にセットされた媒体に対して照射されるべき光を発光する発光手段と、入射光について画素単位による光強度変調を施す空間光変調手段と、入射光を画素単位により受光して電気信号に変換するイメージセンサと、上記発光手段により発光された光を上記空間光変調手段を介して上記媒体に対して導くと共に上記発光手段の発光に基づき上記媒体から発せられる光を上記イメージセンサに対して導くように構成された光学系と、上記発光手段と上記空間光変調手段との間の光路中に設けられ、上記空間光変調手段への入射光角度を変化させることで、上記イメージセンサに入射する像の位置を移動させる像位置移動手段と、を備えてホログラム記録媒体に対する記録再生を行うようにされた記録再生装置における欠陥判定方法として、
上記発光手段をオンとさせた状態で上記空間光変調手段の各画素でそれぞれ光強度として強/弱の変調をかけるように制御すると共に、これら強/弱の変調時に対応して上記イメージセンサの各画素で得られた検出値として、それぞれ光強度「強/弱」を示す値が得られたか否かについて判別し、
その結果、上記検出値が「強/弱」を示す値とはならず欠陥があると判定した画素のうち、光強度「強/強」を示す値が得られた欠陥画素について、さらに上記発光手段をオフとさせたときに得られた検出値を取得し、この検出値を含めた検出値パターンとして光強度「強/強/弱」を示す検出値パターンが得られたか否かを判別した結果に基づき、その欠陥画素と同一光軸上で生じている欠陥が上記空間光変調手段における画素欠陥であると判定すると共に、
上記光強度の強/弱の変調に対する検出値と上記発光手段をオフとしたときの検出値とを含めた検出値パターンが「強/強/強」を示す値となる第1の欠陥画素と、「弱/弱/弱」を示す値となる第2の欠陥画素とについて、その画素と同一光軸上に発生している可能性のある、上記空間光変調手段の画素欠陥の像と上記光学系にて生じ得る像欠陥の各像とが上記イメージセンサ上の正常画素に入射し、且つそれらの像が上記イメージセンサ上の同一画素に重ならないように入射し、且つそれらの像が同一光軸上で重ならないように上記イメージセンサに入射するように、各像の上記イメージセンサ上の入射位置が移動されるように上記像位置移動手段を制御した上で、
上記第1の欠陥画素については、その画素と同一光軸上に発生している可能のあった上記空間光変調手段の画素欠陥の像、上記光学系における像欠陥のうち上記媒体よりも上記発光手段側となる位置に発生する記録側の像欠陥の像がそれぞれ入射される上記イメージセンサ上の画素において、上記発光手段をオンとさせた状態で上記空間光変調手段にて光強度変調をかけさせたときに得られる検出値を取得し、その検出値に基づき、上記第1の欠陥画素と同一光軸上において上記空間光変調手段の画素欠陥があったか否か、及び上記記録側の像欠陥があったか否かについて判定を行うと共に、
上記第2の欠陥画素については、当該第2の欠陥画素と、当該第2の欠陥画素と同一光軸上に発生している可能のあった上記空間光変調手段の画素欠陥の像、上記光学系における像欠陥のうち上記媒体よりも上記発光手段側となる位置に発生する記録側の像欠陥の像、上記光学系における像欠陥のうち上記媒体よりも上記イメージセンサ側となる位置に発生する再生側の像欠陥の像がそれぞれ入射される上記イメージセンサ上の画素とにおいて、上記発光手段をオンとさせた状態で上記空間光変調手段にて光強度変調をかけさせたときに得られる検出値を取得し、その検出値に基づき、上記第2の欠陥画素と同一光軸上において上記空間光変調手段の画素欠陥があったか否か、上記記録側の像欠陥があったか否か、上記再生側の像欠陥があったか否か、及び上記イメージセンサの画素欠陥があったか否かについてそれぞれ判定を行う
欠陥判定方法。
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