JP4543659B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、CRT、LCDあるいはPDP等の画像表示装置の表面に好適に用いられる積層フィルムに関するものである。
従来、CRT等の画像表示装置の表面には、その機能や用途に応じて各種のフィルム材料が適用されてきた。例えば、画像表示装置における画面の反射防止を意図して、反射防止層が設けられた基材フィルムに着色濃度分布を有する着色粘着剤層が積層されてなる機能性積層フィルムが提案されている(特許文献1参照。)。そしてこの機能性積層フィルムにおいては、該基材フィルムの他方の面に着色濃度が均一な着色剤層を設けた後、紫外線の透過量分布を有するマスクを介して該着色粘着剤層に紫外線を照射し、該マスクを透過した紫外線の強度分布に応じて着色剤を褪色せしめることにより着色濃度分布を得るものある。この提案では、着色粘着剤層の着色濃度分布を得る方法として、着色剤を紫外線で褪色せしめるという方法が採用されている。しかしながら、この方法では、褪色部分の着色剤を紫外線照射で化学的変化させているため該着色剤と粘着剤との界面での化学的な相互作用が変化し着色剤表面での反射率が変化し易くなり、他の褪色させていない部分と褪色部分ではヘイズが変わり易いという問題があった。また、該褪色部分のフィルムを斜めから見ると曇りがかって見えるという問題もあった。さらにこの方法では、着色剤を紫外線で褪色させるために紫外線の強度を強めると基材フィルムあるいは粘着剤層が劣化し易くなり、また弱い紫外線強度でも褪色し易い着色剤を用いると経時で周囲の紫外線の影響で褪色させていない着色部分も時間とともに徐々に褪色するという問題もあった。
別に、各種ディスプレイの表面、例えば、平面CRTガラス表面に貼付して帯電防止性と均一な着色性を与えるもので着色ガラスにみられるような色むらが発生することを防止する帯電防止性ハードコートフィルムが提案されている(特許文献2参照。)。ここでの特徴は、透明基材フィルムと、該透明基材フィルムの一方の面に設けられた透明導電性層と該透明導電性層上に設けられたハードコート層が設けられた他方の面に粘着層が設けられたものであり、これらの各層の層間に着色層を有するか、あるいは前記何れかの層に色材を含ませることで帯電防止性のハードコートフィルムとしたことである。しかしながら、この提案では、着色層のグラデーション化についての開示はなく、この帯電防止性ハードコートフィルムを平面CRTガラス等にに貼り付けても画像の端部の光線透過度が不均一となるという問題は解決できなかった。
更に、ウェブ横断方向(cross−web direction)に着色勾配を有する複合コーティングの調製方法と、ウェブ横断方向に厚さを変化し得る(可変厚さ)複合コーティングの調製方法が提案されている(特許文献3参照。)。前記のキャリヤフィルムの複合コーティングの一方の層は均一な厚さであり、他方の層は着色され、かつウェブの中心または端部から測定したときにウェブ横断方向に厚さを可変にすることで複合物の光学密度に勾配を生じせしめる方法である。しかしながら、着色層の厚みのみを変化させ階調化させているため、着色層が粘着層の場合では、粘着層の厚みもウェブ横断方向で変化するためガラス面貼り付け時の接着力が場所により変化したり、あるいは画像面内で画像のゆがみを生ずるという問題があった。
特開2001−334608公報(特許請求の範囲) 特開2000−94590公報(特許請求の範囲) 特許第3290437号公報(特許請求の範囲、第7欄22行目〜第8欄2行目、第2図、第3図、第4図)
画像表示装置、特に平面テレビの画像の視認性を向上させるためには、上記の従来技術で発生する課題、すなわち、画像表示装置の端部での視認性が低下する問題、着色粘着層ならび該着色粘着層を設けたフィルムの耐久性が低下する問題、さらには、前記従来技術の着色フィルムを画像表示装置に用いた際に画像のゆがみが生ずる問題の全てを解決する必要がある。
特に、デジタルテレビに代表される平面テレビ等では着色粘着フィルムを画像表示面に貼り付けることで、画像のコントラストを平均的に上げることが可能であるが、画面の端部が暗く感じられる問題を解決することはできなかった。人間の目で見たときに画像の輝度ならびにコントラストが均等に見られるようにするためには、着色粘着層の厚みを基材フィルムの中央から端部にいくにしたがってを薄くして、該端部の光線透過率を大きくすることが有効である。しかしながら、単に着色粘着層の厚みのみを変化させて光線透過率を調整する方法では光線透過率が大きい部分は粘着層が薄くなるため、該部分の画像表示装置表面と基材フィルムとの間の接着力が低下し剥がれ易くなったり、該部分で画像のゆがみを生ずるという問題があった。
そこで本発明の目的は、画像表示装置の画像視認性ならびに表面の帯電防止性、表面硬度が高く、かつ画像表示装置の端部での輝度低下を改善せしめ、かつ接着強度が均一で良好な画像表示装置用に好適な積層フィルムを提供することにある。
上記課題は、下記の手段により解決される。即ち、
(1)基材フィルムの少なくとも一方の面に着色粘着層が積層された積層フィルムであって、該着色粘着層の膜厚の最大値と最小値の差が該最大値の10%以内であり、かつ該着色粘着層が光線透過率が互いに異なるA層とB層を含み、かつB層の光線透過率がA層の光線透過率よりも高く、基材フィルム側から順にA層次いでB層、またはB層次いでA層、が積層されており、かつ該A層の膜厚の所定の方向に沿った変化が着色粘着層の膜厚の同方向に沿った変化よりも大きく、A層の膜厚が積層フィルム中央部から端部にかけて減少していることを特徴とする積層フィルム、
(2)B層が透明であることを特徴とする(1)に記載の積層フィルム、
(3)画像表示装置に用いることを特徴とする(1)または(2)に記載の積層フィルム、
(4)基材フィルムの一方の面に導電性粒子を含有するハードコート層が設けられてなることを特徴とする(3)に記載の積層フィルム、
(5)ハードコート層が、導電性粒子を含有するC層と導電性無機粒子がC層よりも少ないかあるいは全く含有されていないD層からなり、かつ基材フィルム側から順にD層次いでC層が積層されていることを特徴とする(4)記載の積層フィルム、
(6)ハードコート層が多官能(メタ)アクリル系樹脂からなることを特徴とする(4)または(5)記載の積層フィルム。
(7)導電性粒子が、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)、アンチモンをドープした酸化亜鉛、インジウムを含む酸化錫(ITO)、酸化亜鉛/酸化アルミニウム、酸化アンチモンおよびアンチモン酸亜鉛から選ばれた金属酸化物または金属化合物を1種以上含有する粒子であることを特徴とする(4)〜(6)のいずれかに記載の積層フィルム、
(8)ヘイズが3%を超えない(3)〜(7)のいずれかに記載の積層フィルム、
(9)着色粘着層の上に離型性フイルムが設けられてなることを特徴とする(3)〜(8)のいずれかに記載の積層フィルム、
(10)(3)〜(9)のいずれかに記載の積層フィルムを用いてなる画像表示装置、である。
本発明の積層フィルムを用いることで、画像表示装置の画像視認性が良好で、かつ表面の帯電防止性に優れ、かつ表面硬度が高いため傷つきにくくすることができる。特に、本発明の積層フィルムを画像表示装置として平面テレビに貼り付けた場合、画面の端部での輝度が低下して見える現象を改善せしめ、かつ該積層フィルムの接着強度が均一で良好ななため端部からの剥がれがなく、かつ長時間屋内に放置しても着色部分の経時での変色し難くくコントラストの良好な安定した画面表示を長期間にわたって得ることができる。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面に着色粘着層が積層された積層フィルムであって、該着色粘着層の膜厚の最大値と最小値の差が該最大値の10%以内であり、かつ該着色粘着層が光線透過率が互いに異なるA層とB層を含み、かつB層の光線透過率がA層の光線透過率よりも高く、基材フィルム側から順にA層次いでB層、またはB層次いでA層、が積層されており、かつ該A層の膜厚の所定の方向に沿った変化が着色粘着層の膜厚の同方向に沿った変化よりも大きく、A層の膜厚が積層フィルム中央部から端部にかけて減少していることを特徴とする積層フィルムである。
本発明の積層フィルムを画像表示装置に用いる場合、画像表示面の輝度の低い部分に対応してA層の厚みを薄くすることで画面全体の輝度が均一に見えるように改善することができる。特に、A層の厚みを基材フィルムの中央部よりも端部の方を薄くすることで、該積層フィルムの端部の全光線透過率を中央部に比べ大きくすることができる。これによって画像表示装置、特には平面テレビに貼り付けたときに画像表示部端部の輝度が低下して見える現象を改善するものである。ここで、端部とは、積層フィルムの水平方向の両最端部および/または垂直方向の上下の両最端部から、水平方向の両最端部の長さおよび/または垂直方向の両最端の長さの10%以内の部分を通常指す。本発明においては、前記左右の両最端部の長さおよび/または垂直方向の上下の両最端部の長さの1/2を中央部定義し、この部分から前記端部にかけてA層の膜厚を徐々に減少させることで全光線透過率を調整することができる。
また、画像表示装置の場合、画像表示面の左右および/または上下の最端部から中心に向かって画像表示面の幅の10%以内の部分を通常指す。
本発明における基材フィルムは、400〜800nmでの全光線透過率が好ましくは60%以上、より好ましくは80%、かつヘイズが好ましくは2.5%以下、より好ましくは1%以下の基材フィルムである。全光線透過率が前記範囲に満たない場合、あるいはヘイズが前記範囲より大きい場合は、表示部材として用いたとき、鮮明性に欠ける傾向がある。また、このような効果を発揮する点で、全光線透過率の上限値は99.5%程度まで、またヘイズの下限値は0.1%程度までが実用的な範囲である。
該基材フィルムの素材は、プラスチック基材フィルムの素材の中から適宜選択して用いることができる。このようなプラスチック基材フィルムの素材としては、例えば、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ジアセテート系、トリアセテート系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系、ポリメチルペンテン系、ポリスルフォン系、ポリエーテルエチルケトン系、ポリイミド系、フッ素系、ナイロン系およびアクリレート系などの樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中で、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂およびアクリレート系樹脂が、光学的および強度的な観点から、また均一性にも優れており好ましく用いられる。特に、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースおよびポリメチルメタクリレート樹脂が透明性に優れ、かつ光学的に異方性がない点で好ましく用いられる。
さらには、光学特性と機械特性の点から、ポリエステルフィルムを用いることが特に好ましい。該ポリエステルフィルムの素材であるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート等が挙げられる。また、これらポリエステルには、本発明の効果を妨げない範囲でさらに他のジカルボン酸成分やジオール成分が20モル%以下共重合されていてもよい。
基材フィルムの素材としてのこれらの構成成分は1種のみ用いても、2種以上併用してもいずれでも良いが、中でも品質および経済性等を総合的に判断すると、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
また、本発明で用いられる基材フィルムは、本発明における着色粘着層やハードコート層を設ける前に、各種表面処理(例えば、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、エッチング処理あるいは粗面化処理など)を施したものでもよい。または、基材フィルムに接着促進のための表面コーティング(例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエステルアクリレート系、ポリウレタンアクリレート系、ポリエポキシアクリレート系あるいはチタネート系化合物等によるコーティング処理)を行ってもよい。特に、親水基含有ポリエステル樹脂にアクリル系化合物をグラフト化させた共重合体で架橋結合剤からなる組成物を下塗りした基材フィルムは、接着性を向上し、耐熱性および耐水性などの耐久性に優れているので、基材フィルムとして好ましく用いられる。
また、本発明で用いられる基材フィルムの厚みは、機械的強度と熱伝導性の点から、通常好ましくは5〜800μm、より好ましくは10〜250μmである。また、本発明では、2枚以上のフィルムを貼り合わせたものも基材フィルムとして使用することができる。厚みの測定は、通常JIS−C−2151に準じてマイクロメータにて測定することができる。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面に着色粘着層が積層された基本構造を有している。また、本発明における着色粘着層は、粘着剤と着色剤を含む組成物からなるものである。
本発明で用いられる粘着剤としては、常温で短時間圧力を加えただけで接着することができるものであれば何れのものでもよく、例えば、天然ゴム、IR、SBR、NBR等のゴム系、アクリル系樹脂およびシリコーン系樹脂などの各種の粘着剤を挙げることができる。
好ましくは、ガラス転移温度の低い粘着性樹脂やゴム弾性を有する熱可塑性エラストマーとワックスとの混合物がよい。このようなガラス転移温度の低い粘着性樹脂としては一般にアクリル系樹脂やシリコーン系樹脂が用いられ、またゴム弾性を有する熱可塑性エラストマーとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴムおよびアクリルゴム等の合成ゴムおよび天然ゴム等が挙げられる。
アクリル系樹脂の粘着剤としては、例えば、綜研化学社製粘着剤SKダイン1022、1491Hおよび1428F(何れも商品名)、東洋インキ製造社製オリバインBPS3841、BPS5231およびBPS5448(何れも商品名)を例示することができる。
シリコーン系樹脂の粘着剤としては、例えば、東レダウコーニングシリコーン社製粘着剤SD4570、SD4580、SD4590およびSD4587L(何れも商品名)を例示することができる。
また、画像表示装置用として用いられる積層フィルムの場合は、積層フィルムを画像表示装置に貼り付けた後は再剥離しないので、粘着剤としては、架橋度が高い永久接着剤用のアクリル系の粘着剤が特に好適である。例えば、特開平10−279900号公報に記載されているような、耐ブリスター性に優れたアクリル系樹脂の粘着剤も好ましく利用できる。
また、本発明で用いられる粘着剤としては、粘着後、接着剤として機能する粘接着剤であっても良い。このような粘接着剤としては、例えば、綜研化学社製粘着剤SKダイン1831、1425、日本カーバイド社製ニカゾールPE154やKP1581(いずれも商品名)を例示することができる。
また、着色粘着層に用いられる着色剤としては、染料や顔料に代表される有機工業色素が挙げられるが、粘着剤や溶媒との相溶性および溶解性を考慮して染料や顔料およびこれらの混合物が選定される。染料としては、アゾ系染料、アントラキノン系染料、インジゴイド系染料、硫化系染料、トリフェニルメタン系染料、ピラゾロン系染料、スチルベン系染料、ジフェニルメタン系染料、キサンテイン系染料、アリザリン系染料、アクリジン系染料、キノンイミン系染料、チアゾール系染料、メチン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、シアニン系染料およびこれらの混合物を例示することができる。また、顔料としては、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、カーボン系およびこれらの混合物を例示することができる。特に、透明性の点から有機顔料と染料が好ましく、耐光性と耐熱性から有機顔料の方が更に好ましい。また、2種類以上の着色剤を混合して、画像表示装置の発光特性に適合するような色相に調整して用いてもよい。
好ましい有機顔料としては、例えば、黒色顔料としてはカーボンブラック、青色顔料としてはフタロシアニン系顔料とインダンスレンブルー系顔料、赤色顔料としてはキナクリドン系顔料、ウオッチング系顔料、パーマネント系顔料、アンスラキノン系顔料、ベリレン系顔料および縮合アゾ系顔料などが挙げられる。本発明の積層フィルムを画像表示装置に用いる場合には、例えば、黒としてカーボンブラック、青としてフタロシアニン系顔料、赤としてキナクリドン系顔料を用いて、その配合比で画像表示装置のコントラストに合うように色相を調整して用いることができる。
着色剤としては、例えば、デグサ社製スペシャルブラック250(商品名)、大日精化社製シアニンブルーCP−1(商品名)およびクラリアント社製ホスタパームピンクE02(商品名)東洋インキ製造社製CAB−LX−716ブルー(商品名)等を例示することができる。
本発明の積層フィルムを構成する着色粘着層は、光線透過率が互いに異なるA層とB層からなり、基材フィルム側から順にA層次いでB層、またはB層次いでA層、が積層されており、そしてそのA層の膜厚の所定の方向に沿った変化が着色粘着層の膜厚の同方向に沿った変化よりも大きくなるように構成されている。
該積層フィルムおいては、基材フィルム側から順にA層次いでB層が積層されている方が、着色粘着層の粘着面の粘着力が経時で変化し難く、かつ、画像表示装置の表面に貼り合わせた際に、該界面に残った微小な気泡に起因する欠点部分を目立ちにくくすることができるので望ましい。
本発明において、着色粘着層は光線透過率が互いに異なるA層とB層からなるが、該着色粘着層のA層あるいはB層の光線透過率の調整は、該着色粘着層の構成成分である粘着剤に加える着色剤の量を所定の量にすることで調整することができる。具体的には、黒としてカーボンブラック、青としてフタロシアニン系顔料、赤としてキナクリドン系顔料を用いて、その配合量を増加することで全光線透過率を下げることができ、またその配合量を減少させることで全光線透過率を上げることができる。このときの、粘着剤樹脂と着色剤の配合割合は、通常0.01〜3%の範囲が好ましい。例えば、全光線透過率88%の膜厚188μmのポリエステルフィルムを用い、該ポリエステルフィルム上に20μmの着色粘着層(この場合A層のみの単層とする)を設け、着色剤として黒としてカーボンブラックを用いる場合の一例として、光線透過率を50%付近に調整するためには、該着色粘着層に使用する樹脂量に対してカーボンブラックを、例えば0.3〜0.6重量%配合することで得ることができる。
そして、着色粘着層については、B層の光線透過率がA層の光線透過率よりも高いA層の光線透過率の範囲は、20〜65%が好ましく、B層の光線透過率の範囲は70〜100%が好ましい。A層ならびにB層の光線透過率が前記範囲から外れるとA層とB層の厚み比率を変えて着色粘着層の全光線透過率を調整が難しくなる。また、A層とB層の光線透過率の差が、10%以上、好ましくは30%以上であるとA層とB層の厚み比率を変えて着色粘着層の全光線透過率を調整することが容易となるので好ましい。また全光線透過率は、35〜65%、好ましくは45〜60%の範囲にあるとコントラストと明るさに優れた画像表示が可能となる。
更に着色粘着層を構成するB層は透明であることが好ましい。ここで、透明とは、光線透過率が80%以上のものをいう。
また、本発明の着色粘着層においては、A層の膜厚の所定の方向に沿った変化が着色粘着層の膜厚の同方向に沿った変化よりも大きくなるように構成されていることが重要である。
ここで、所定とあるのは、画像表示装置の輝度変化を画面内で測定したときに輝度が変化してみられる部分の一定方向を示す。A層と着色粘着層の膜厚の変化は全光線透過率の最大値と最小値の差が好ましくは5%以上、より好ましくは10%であると画像表示装置の画面の輝度を改善する効果に優れる。
更に、着色粘着層のA層の膜厚は積層フィルム中央部から端部にかけて減少している端部については既述のとおりであり、積層フィルムの水平方向の両最端部および/または垂直方向の上下の両最端部から、水平方向の両最端部の長さおよび/または垂直方向の両最端の長さの10%以内の部分を通常指している。図10の曲線で示したように、A層3とB層2の膜厚範囲は、全光線透過率が好ましくは5%、より好ましくは10%以上変化するように決めることができる。各層の厚さの測定方法は、下記に[評価方法]として示してある。更に本発明の積層フィルムにおいては、着色粘着層のA層とB層の間に、光線透過率がA層からB層の方に向かって断面方向に徐々に変化する層を設けることができる。また、本発明の積層フィルムにおいては、本発明の効果を妨げない範囲で、A層または/およびB層の外側に別の層が存在していることも許容される。
前記の別の層としては下記にて詳細に示したが、例えば、特定の波長の光を吸収する層や紫外線吸収剤を含有する層などが挙げられる。
次に、本発明の積層フィルムを図面に基づいて説明する。
図1〜は、それぞれ本発明の積層フィルムを例示す断面図である。図1〜4において、基材フィルム4の一表面(着色粘着層面側1)に、基材フィルム4側から順に、着色粘着層の断面方向で光線透過率が低い部分A層3と、着色粘着層の断面方向で透明あるいは光線透過率が高い部分B層2からなる、厚さL(単位:μm)の着色粘着層が積層されている。図1〜3は、A層3とB層2の膜厚分布を示し、B層2が透明な着色粘着層からなる積層フィルムをそれぞれ例示している。図4は、同様にA層3とB層2の膜厚分布を示し、B層2の着色剤の量がA層3の着色剤よりも少ない積層フィルムを例示している。
図5は、本発明の積層フィルムを示しており、基材フィルム4上の一表面(着色粘着層面側1)に、着色粘着層が設けられているが、B層2ではなくA層3の方が最表面側に位置する積層フィルムを例示している。
図6は、図1〜と同様に本発明の積層フィルムを示しており、ここでは、A層3とB層2の間で光線透過率がA層3からB層2の方に向かって断面方向に徐々に変化する層5を有する積層フィルムを例示している。
基材フィルム上に着色粘着層を設けた本発明の積層フィルムの一方の面には、さらに、導電性粒子を含有するハードコート層を設けることができる。一方の面とは、基材フィルムの片面に着色粘着層が積層されている場合は着色粘着層が積層されていない面、また、基材フィルムの両面に着色粘着層が積層されている場合はいずれか一方の面である。
本発明において、ハードコート層は有利には有機樹脂で構成することができる。ハードコート層を構成する有機樹脂としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの脂肪族多価アルコール多官能(メタ)アクリレート、またはグリシジル(メタ)アクリレートと多価アルコールもしくは多価カルボン酸との反応生成物、(メタ)アクリレート類でかつ未反応の水酸基を有している化合物のアルキルエーテル化物、アルケニルエーテル化物、カルボン酸エステル化物、リン酸エステル化物、ウレタン化物等が挙げられる。これらの中でも、特に、硬化後の表面硬度の点から、脂肪族多価アルコール多官能(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。さらには、多官能(メタ)アクリレート中に該ウレタン結合などの極性の高い結合を有していると、配合される導電性粒子の分散性がよくなり、特に好ましく用いられる。
多官能(メタ)アクリレートは、下記式(1)で表される化合物であり、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの脂肪族多価アルコール多官能(メタ)アクリレート、またはグリシジル(メタ)アクリレートと多価アルコールもしくは多価カルボン酸との反応生成物、(メタ)アクリレート類でかつ未反応の水酸基を有している化合物のアルキルエーテル化物、アルケニルエーテル化物、カルボン酸エステル化物、リン酸エステル化物、ウレタン化物などが挙げられる。
(Q1−O)b−Z−(O−Q2)c ‥‥(1)
(式中、Zは、直鎖状ペプチド結合、分岐鎖状ペプチド結合、環状ペプチド結合、ウレタン結合、アミド結合またはイミド結合を1個以上含む炭素数1〜100のアルキル基を示す。また、Q1およびQ2は、(メタ)アクリロイル基を示し、bまたはcは、1〜6の整数である。)
ハードコート層には導電性粒子が配合されている。本発明で用いられる導電性粒子としては、例えば、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、Pb、AuおよびNiから選ばれた金属または金属酸化物の粒子を1種類以上含有する粒子が挙げられる。導電性粒子としては、平均1次粒子径(球相当径:BET法)が0.001〜0.2μmの導電性粒子が好適に使用されるが、さらに好ましくは、0.005〜0.1μmの粒子径の導電性粒子が用いられる。平均1次粒子径が、前記範囲を超えると導電性粒子を含有するハードコート層の透明性を低下させ、ハードコート層の厚膜化が困難になる傾向がある。また、平均1次粒子径が、前記範囲未満では、導電性粒子が凝集し易く導電性粒子を含有するハードコート層のヘイズが増大する傾向がある。
特に、本発明では、導電性粒子を含有するハードコート層の屈折率と導電性の点から、該導電性粒子として、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)、アンチモンをドープした酸化亜鉛、錫含有酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛/酸化アルミニウム、酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛等の無機粒子が好ましく、なかでもアンチモンをドープした酸化亜鉛ならびに錫含有酸化インジウム(ITO)粒子が特に好ましく用いられる。
上記ITO粒子は、市販品を利用してもよく、或いは公知の方法で製造することもできる。例えば、製造方法としては、錫とインジウムの各塩化物が溶解した酸性溶液をアルカリで中和して錫/インジウムの水酸化物を共沈させ、この共沈物を焼成する方法が挙げられる。なお、ITO粒子は、(In+Sn)に対するSnの含有量が1〜15モル%、好ましい3〜10%の範囲のものが導電性が高いので好ましい。
ここで、導電性は、一般に体積固有抵抗率1,000Ω・cm以下のものをいう。
本発明で用いられる導電性粒子の配合割合範囲は、多官能(メタ)アクリレート等の有機樹脂成分の合計量1重量部に対して、好ましくは0.01〜20倍重量部、より好ましくは0.05〜18倍重量部、さらに好ましくは、0.5〜10倍重量部である。
本発明では、ハードコート層の上述の構成成分に、更に導電性の付与を目的として、ポリピロールおよびポリアニリン等の導電性ポリマー、金属アルコレートおよびキレート化合物などの有機金属化合物、アルキルシリケート類およびその加水分解物、コロイダルシリカ、乾式シリカ、湿式シリカ、酸化チタン等の無機微粒子、コロイド状に分散したシリカゲル物等を含有させることができる。
ハードコート層の厚さは、1〜50μmであることが好ましく、さらには5〜30μmであることが望ましい。ハードコート層の厚さが、前記範囲より薄いと表面硬度が不十分になりやすく、またハードコート層の厚さが、前記範囲より厚いとクラックが生じやすくなる。
また本発明においては、ハードコート層が前記導電性粒子を含有するC層と導電性粒子がC層よりも少ないかあるいは全く含有していないD層との積層膜厚比率(C層の膜厚/D層の膜厚)が0.01〜0.5であることが好ましく、さらには積層膜厚比率は0.05〜0.2であることが望ましい。該積層膜厚比率が、前記範囲より小さいと帯電防止性能が不十分になりやすく、また該積層膜厚比率が、前記範囲より大きいとヘイズが大きくなり画像の鮮明さが失われやすくなる。前記C層がハードコート層の最表層にあるときに、帯電防止性能の効果を最も上げることができる。C層における導電性粒子の配合割合は、前述の1〜20倍重量部で、この場合、D層は0〜5重量部であると制電性と価格のバランスの点で好ましい。
本発明の導電性粒子を含有するハードコート層に、帯電防止性が付与されるためには、導電性粒子を含有するハードコート層の表面抵抗値が低いことが好ましく、該ハードコート層の表面抵抗値が1011Ω/□以下の層であることが好ましく、ハードコート層の表面抵抗値は更に好ましくは108/□以下である。
前記の表面抵抗値は、導電性粒子の含有量を調整することで得ることができる。該ハードコート層の厚みが厚くなると導電性粒子の含有量を減らすことができる。この場合の該導電性粒子の含有量の下限は1%程度である。これ以上含有量が小さいとハードコート層の厚みを厚くしても表面抵抗値が上記範囲を満たし難くなる。
また、該ハードコート層は、鮮明性と透明性の点から、全光線透過率が好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上の層である。全光線透過率は、A層とB層の厚みの割合ならびにA層に含有する着色剤の含有量を調整することで得られる。
本発明における高屈折率層は、ハードコート層の上に形成され、バインダー成分と金属化合物粒子を主成分とするものである。該バインダー成分(A)は、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。さらに、(メタ)アクリロイル基が分子内に2個以上の多官能(メタ)アクリレート化合物は、耐溶剤性等が向上するので特に好ましい。例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートや、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌル酸エステルトリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
高屈折率層を構成するバインダー成分へは、金属化合物粒子の分散性を向上させるため、カルボキシル基や、リン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物が使用できる。具体的には、酸性官能基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸などの不飽和カルボン酸、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のリン酸(メタ)アクリル酸エステル、2−スルホエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。その他、アミド結合、ウレタン結合、エーテル結合などの極性を持った結合を有する(メタ)アクリレート化合物が使用できる。
本発明で用いられる金属化合物粒子としては、上記導電性粒子が好ましく用いられるが、好ましくは錫含有酸化アンチモン粒子(ATO)、亜鉛含有酸化アンチモン粒子、錫含有酸化インジウム粒子(ITO)、酸化亜鉛/酸化アルミニウム粒子、酸化アンチモン粒子等が用いられ、特に好ましくは錫含有酸化インジウム粒子(ITO)が用いられる。該金属化合物粒子について、平均1次粒子径(BET法により測定される球相当径)が0.5μm以下の粒子が好適に使用されるが、より好ましくは、0.001〜0.3μm、更に好ましくは0.005〜0.2μmの粒子径のものが用いられる。該平均粒子径が、この範囲を超えると生成される高屈折率層の透明性を低下させ、この範囲未満では、該金属化合物粒子が凝集し易く高屈折率層のヘイズ値が増大する。高屈折率層の構成成分の配合割合は、バインダー成分と金属化合物粒子との重量割合が10/90〜30/70であることが好ましく、より好ましくは15/85〜25/75である。金属化合物粒子が前記範囲より少ないと、得られる膜は透明性十分であっても導電性が悪くなり、逆に多過ぎると得られる膜の各種物理的、化学的強度が悪くなるので好ましくない。ここで金属化合物粒子がITO粒子であると本発明の屈折率の範囲が得るのが容易となるので好ましい。
本発明の積層フィルムのハードコート層側の表面が低反射性となるためには、樹脂層の屈折率と厚さの積が、対象光線(通常可視光線)の波長の1/4となるようにすることが好ましい。該樹脂層の厚さdと該樹脂層の屈折率nの積の4倍が380〜780nmの範囲にあると反射防止効果が十分得られる。
具体的には、該樹脂層における屈折率nと厚さdの関係が下記式(2)を満足する範囲内の厚さとすることで良好な反射防止効果が得られる。
n・d=λ/4 ‥‥(2)
(ここで、λは可視光線の波長範囲で、通常380nm≦λ≦780nmの範囲となる。)
さらに、本発明の積層フィルムにおける樹脂層の屈折率が本発明のハードコート層あるいは高屈折率層の屈折率よりも小さいこと、即ち、樹脂層とハードコート層あるいは高屈折率層との屈折率比「樹脂層の屈折率/ハードコート層あるいは高屈折率層の屈折率」が1.0未満、さらに好ましくは0.6〜0.95であるとより良好な反射防止効果が得られるので好ましい。また、前記反射防止効果の尺度として一般に平均反射率を用いることが多いが、一般に反射防止効果が良好であるといわれる範囲は、波長が500〜600nmの平均反射率が2.5%以下、好ましくは、1.5%以下である。
本発明の樹脂層の屈折率は1.47以下であることが好ましく、更に好ましくは1.35〜1.45である。樹脂層の屈折率がこの範囲内にあれば、可視光に対する反射防止効果が十分得られる。
ここで前記屈折率は、アッベ屈折率計を使用し、日本工業規格JIS−K−7105に基づき測定する。
さらに、本発明の積層フィルムの反射防止効果を良好にするためには、該樹脂層の好ましい厚さ範囲は0.01〜1.0μmであり、更に好ましくは0.07〜0.12μmである。
また、本発明のハードコート層側の該積層フィルムの表面を低反射性にするためには、ハードコート層の屈折率が1.63〜1.70であることが好ましく、更に好ましくは1.65〜1.70である。ハードコート層の屈折率がこの範囲内にあれば、可視光に対するの反射防止効果が十分得られる。
本発明における樹脂層は、含フッ素系重合体および/または含フッ素系共重合体を含むものが好ましく、特には、該共重合体の主鎖中にビニルエーテル構造をもつものが好ましい。該含フッ素系重合体および/または含フッ素系共重合体は、フッ素の含量が30重量%以上であって、ポリスチレン換算による数平均分子量が5000以上であるフッ素含有オレフィン鎖を有するものが好ましい。
ここで含フッ素系共重合体は、含フッ素化合物及びビニルエーテル含有化合物を含む硬化性組成物を重合反応させることによって得られるものであり、好ましくは、フッ素含有オレフィン化合物、このフッ素含有オレフィン化合物と共重合可能なビニルエーテル含有化合物、アゾ基含有ポリシロキサン化合物、及び、必要に応じて配合される反応性乳化剤からなる硬化性組成物を重合反応させることにより得ることができる。
含フッ素系共重合体を構成する、上記フッ素含有オレフィン化合物は、少なくとも1個の重合性の不飽和二重結合と、少なくとも1個のフッ素原子を有する化合物であり、例えば、(1)テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、3,3,3−トリフロロプロピレン等のフロロオレフィン類;(2)アルキルパーフロロビニルエーテル類もしくはアルコキシアルキルパーフロロビニルエーテル類;(3)パーフロロ(メチルビニルエーテル)、パーフロロ(エチルビニルエーテル)、パーフロロ(プロピルビニルエーテル)、パーフロロ(ブチルビニルエーテル)、パーフロロ(イソブチルビニルエーテル)等のパーフロロ(アルキルビニルエーテル)類;(4)パーフロロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;その他を挙げることができる。これらの化合物は、単独で、または2種以上を併用することができる。以上のうち、特にヘキサフロロプロピレン、パーフロロアルキルパーフロロビニルエーテルまたはパーフロロアルコキシアルキルパーフロロビニルエーテルが好ましく、さらにはこれらを組み合わせて使用することが好ましい。
含フッ素系共重合体を構成する、上記フッ素含有オレフィン化合物と共重合可能なビニルエーテル含有化合物としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルもしくはシクロアルキルビニルエーテル類等を挙げることができる。
また、含フッ素系共重合体を構成する、上記の単量体成分以外に、必要に応じて、フッ素含有オレフィン化合物と共重合可能な他の単量体化合物を共重合させることもできる。例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(4)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単量体化合物等を挙げることができる。
含フッ素系共重合体を構成する、上記ビニルエーテル含有化合物や他の単量体化合物は、架橋性化合物と反応するような官能基を有していることが好ましい。官能基としては、水酸基またはエポキシ基が好ましく、その両方を有するものであってもよい。
上記水酸基を含有するビニルエーテル含有化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類を挙げることができる。また、エポキシ基を含有するビニルエーテル含有化合物としては、ビニルグリシジルエーテル等を挙げることができる。
上記水酸基を含有する他の単量体化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類;アリルアルコール;ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル;その他を挙げることができる。また、エポキシ基を含有する他の単量体化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジル、クロトン酸グリシジルエステル、マレイン酸メチルグリシジルエステル等を挙げることができる。
なお、含フッ素系共重合体を構成する、これらの単量体化合物は、単独で、または2種以上を併用することができる。
これら単量体化合物のうち、含フッ素化合物を含む硬化性組成物を重合反応させて硬化させる際の収率を高くする点からは、アルキルビニルエーテル類、シクロアルキルビニルエーテル類、またはカルボン酸ビニルエステル類が好適に使用される。一方、共重合されるフッ素の含量を高くする点からは、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の低分子量単量体を用いることが好ましい。さらに、硬化性組成物を硬化した後の薄膜の硬度を高くし、屈折率を低いものとするためには、イソプロピルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ピバリン酸ビニル等の分岐状単量体を使用することが有効である。
含フッ素系共重合体を構成する、前記アゾ基含有ポリシロキサン化合物は、ポリシロキサンセグメントとアゾ基とを有する化合物である。このアゾ基含有ポリシロキサン化合物としては、アゾ基含有ポリジメチルシロキサンを用いることができる。
含フッ素系共重合体を形成するために用いる硬化性組成物には、反応性乳化剤を一成分として含有させることが好ましい。この反応性乳化剤成分を用いることにより、塗布液中に含まれる含フッ素系共重合体を、良好な塗布性およびレベリング性でもって塗布することができる。この反応性乳化剤としては、特にノニオン性反応性乳化剤を用いることが好ましい。
本発明の樹脂層を構成する含フッ素系共重合体において、フッ素含有オレフィン化合物成分に由来する構造単位は20〜70モル%が好ましく、より好ましくは25〜65モル%、さらに好ましくは30〜60モル%である。フッ素含有オレフィン化合物成分に由来する構造単位の割合が、かかる好ましい範囲内であれば、樹脂層の屈折率を本発明の範囲にすることが容易となる。
含フッ素系共重合体において、ビニルエーテル構造含有化合物成分に由来する構造単位は10〜70モル%が好ましく、より好ましくは15〜65モル%、さらに好ましくは30〜60モル%である。ビニルエーテル構造含有化合物成分に由来する構造単位の割合がかかる好ましい範囲内であれば、塗布液の均一性が良好となり均質な塗布皮膜の形成が容易となる。
本発明における樹脂層には、さらに、架橋性化合物を配合することが好ましく、所望の硬化性を付与し、硬化特性を改善するために有効である。
該架橋性化合物としては、例えば各種アミノ化合物や、ペンタエリスリトール、ポリフェノール、グリコール等の各種水酸基含有化合物、その他を挙げることができる。該架橋性化合物として用いられるアミノ化合物は、フッ素化合物中に存在する水酸基またはエポキシ基と反応可能なアミノ基、例えばヒドロキシアルキルアミノ基およびアルコキシアルキルアミノ基のいずれか一方または両方を合計で2個以上含有する化合物であり、具体的には、例えばメラミン系化合物、尿素系化合物、ベンゾグアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物等を挙げることができる。メラミン系化合物は、一般にトリアジン環に窒素原子が結合した骨格を有する化合物として知られているものであり、具体的には、メラミン、アルキル化メラミン、メチロールメラミン、アルコキシ化メチルメラミン等を挙げることができるが、1分子中にメチロール基およびアルコキシ化メチル基のいずれか一方または両方を合計で2個以上有するものが好ましい。具体的には、メラミンとホルムアルデヒドとを塩基性条件下で反応させて得られるメチロール化メラミン、アルコキシ化メチルメラミン、またはそれらの誘導体が好ましく、特に硬化性樹脂組成物に良好な保存安定性が得られる点、および良好な反応性が得られる点でアルコキシ化メチルメラミンが好ましい。架橋性化合物として用いられるメチロール化メラミンおよびアルコシ化メチルメラミンには特に制約はなく、例えば文献「プラスチック材料講座[8]ユリア・メラミン樹脂」(日刊工業新聞社)に記載されている方法で得られる各種の樹脂状物の使用も可能である。また、尿素化合物としては、尿素の他、ポリメチロール化尿素その誘導体であるアルコキシ化メチル尿素、ウロン環を有するメチロール化ウロンおよびアルコキシ化メチルウロン等を挙げることができる。そして、尿素誘導体等の化合物についても上記の文献に記載されている各種樹脂状物の使用が可能である。
この架橋性化合物の使用量は、含フッ素系共重合体100重量部に対し、70重量部以下であることが好ましく、より好ましくは3〜50重量部、さらに好ましくは5〜30重量部である。架橋性化合物の使用量がかかる好ましい範囲内であれば、塗布・硬化により形成される薄膜の耐久性が十分に得られ、含フッ素系共重合体との反応においてゲル化を回避することができる。
本発明における樹脂層は、表面硬度の向上を目的として、さらに、アルキルシリケート類およびその加水分解物、コロイダルシリカ、乾式シリカ、湿式シリカ、酸化チタン等の無機粒子、コロイド状に分散したシリカ微粒子等の微粒子を含有させることができる。この際の微粒子の粒径は平均1次粒子径(球相当径:BET法)が0.001〜0.2μmのものが一般に好ましく使用できるが、より好ましくは0.005〜0.1μmの粒子径のものが、さらに好ましくは、0.006〜0.07μmの粒子径のものが用いられる。該平均粒子径が、この範囲内にあれば、樹脂層の透明性が良好なものが得られる。
本発明の積層フィルムにおいては、着色粘着層の上に離型性フイルムを設けることができる。本発明で用いられる離型性フィルムとしては、フッ素系フィルム、ポリオレフィンフィルム、シリコーンコートフィルムが挙げられるが、一般に価格と離型性能のバランスが優れているシリコーンコートポリエステルフィルムが使用される。
次に、ハードコート層を有する本発明の積層フィルムについて、図面に基づいて説明する。
図7は、本発明のハードコート層を有する積層フィルムを例示す断面図である。図7において、基材フィルム4の一表面(着色粘着層面側1)に、基材フィルム4側から順に、着色粘着層の断面方向で光線透過率が低い部分A層3と、着色粘着層の断面方向で透明あるいは光線透過率が高い部分B層2からなる、厚さL(単位:μm)の着色粘着層が積層されている。ここで着色粘着層は、A層3とB層2の間で光線透過率がA層3からB層2の方に向かって断面方向に徐々に変化する層5を有している。一方、基材フィルム4の反対側の面には、導電性無機粒子を含有する層(C層)7と、導電性粒子がC層よりも少ないかあるいは全く含有されていない層(D層)6からなるハードコート層が設けられている。ハードコート層においては、基材フィルム4側から順に厚さM(単位:μm)のD層、次いで厚さN(単位:μm)のC層が形成されている。
次に、本発明の積層フィルムの製造方法について例示説明する。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面に、光線透過率が低いA層と光線透過率が高いB層を積層し、該A層側の膜厚を積層フィルムの中央部から端部にかけて変化させるのと同時にA層とB層の厚みの和である着色粘着層の膜厚を中央部と端部で均一にする。そのための方法として、例えば、A層側の2層ダイのスリット間隙を幅方法に調整して画像表示領域の所定の方向に厚み勾配が得られる用に調整し、かつA層とB層を同時に吐出させるとともにA層、B層の最終の吐出部分を合流させることで均一な厚みの着色粘着層を形成することができる。
また、積層フィルムの着色粘着層を設けていないもう一方の片面に、導電性粒子を含有するハードコート層の各構成成分を、例えば、溶媒で分散させた塗布液として調整後、グラビアコート方式等により該塗布液を基材フィルム上に塗布、加熱乾燥、硬化させることによって、導電性粒子を含有するハードコート層を設けることができる。
さらに、本発明のように異なった種類のハードコート層を1層以上設ける場合あるいは樹脂層を設ける場合は、一層目を形成した後に加熱乾燥、硬化させて、さらにその上に異なった種類のハードコート層を重ね塗りなていくことで得ることができる。このとき、硬化においては、熱の他に電子線や紫外線を用いてもよい。
また、ハードコート層を形成する際、溶媒を用いて塗布液を調整する場合は、好適に使用される溶媒としては、水、低級アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類、酢酸n−ブチル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類などの非極性溶媒、フッ素系溶媒、ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジグライム、γ-ブチルラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒が挙げられる。特に、本発明の画像表示装置用の積層フィルムを製造する際には、導電性粒子の分散性の点から、非プロトン性極性溶媒が好ましく用いられる。また、基材フィルムが芳香族ポリカーボネートフィルムの場合には、低級アルコール類、セロソルブ類、エステル類、それらの混合物等の溶媒が好ましく用いられる。
具体的に、本発明のハードコート層を形成する場合には、導電性粒子および硬化前の多官能(メタ)アクリル系バインダーの混合物を、溶媒としてジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジグライム、γ-ブチルラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびジメチルスルホキシドから選ばれる少なくとも1種を用いて分散してなる塗布液を用いることができる。 ここで使用される溶媒の量は、必要とする組成物の粘度、目的とする硬化被膜の厚さ、乾燥温度条件などにより適宜変更できる。通常は、塗布液中の無機微粒子および硬化前の多官能(メタ)アクリル系バインダーの混合物などの成分の合計量1重量部に対して好ましくは0.1〜30倍重量部、より好ましくは0.5〜28倍重量部である。
また、本発明の樹脂層は、各構成成分を、好ましくは溶媒で分散させた塗布液を調整し、その塗布液を基材フィルム上に塗布した後、乾燥・硬化させることによって形成することができる。具体的には、ビニルエーテル構造を含む含含フッ素系共重合体およびシリカ微粒子から主としてなる硬化性組成物を、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、tert―ブタノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる少なくとも1種の溶剤に分散させた液を、塗布した後、乾燥・硬化させて樹脂層を形成する方法が好ましい。
また、本発明のハードコート層ならびに樹脂層は、正転グラビア方式、オフセットグラビア方式、オフセットリバース方式、リバースグラビア方式、キスリバース方式、マイクログラビア方式、ダイ方式ならびコンマ方式等の塗布装置を用いることができる。
本発明の積層フィルムは、平面テレビ等の画像表示装置の画像表示面に貼着され好適に用いられる。
本発明の着色粘着層おいてA層の膜厚を積層フィルム中央部から端部にかけて減少させることで、積層フィルムの中央部よりも基材フィルムの端部の方の全光線透過率が高くなるようにできるため、画像表示装置、特に平面テレビの画面端部の輝度が上がり画面全体の輝度が均一に見られるようにすることができる。その際、中央部と端部の光線透過率がなだらかに変化するものが好ましい。例えば、JIS Z 8729−1980(CIEによるL*a*b*表色系<1976>)により積層フィルムの中央部と端部の間の光線透過率の勾配が大きくなる方向に1.0mmの等間隔で順次移動させて全光線透過率を測定した場合に、各測定点で得られた全光線透過率が測定点間で連続的に増加変化または減少変化し、任意の1.0mm間の測定移動の間の全光線透過率の変化率ΔTが下記(2)式となるものが好ましい。
ΔT≧(全光線透過率の最大値−全光線透過率の最小値)×0.01 …(2)
図8は、画像表示装置に用いられる本発明の積層フィルムの画像表示面を示す平面図で、画像表示面の左右端部に全光線透過率が高い部位を設けた積層フィルムを例示している。同様に図9は、画像表示装置に用いられる積層フィルムの画像表示面を示す平面図で、画像表示面の左右端部ならびに上下端部に全光線透過率が高い部位を設けた積層フィルムを例示している。
本発明において全光線透過率を変化させる方法としては、2種類の粘着剤を同時に吐出させて塗布できるダイにおいて、顔料あるいは染料を含有する粘着層E側のダイの間隙を該ダイの幅方向で変化させ、かつ透明かあるいは前記の粘着層Eよりも顔料あるいは染料濃度の低い粘着層Fを同時に塗布することで実施することができる。このとき、粘着層Eと粘着層Fの厚みの和である着色粘着層の膜厚は、積層フィルムの面方向に均一となるようにすることが好ましい。特に、着色粘着層の膜厚の最大値と最小値の差が該最大値の10%以内であり、これによって画像表示装置の画像にゆがみが生じ難くなる。
本発明の積層フィルムにおいて色度を調整するためには、顔料あるいは染料の色相の異なるものを混合することによって調整することができる。また彩度の調整は、顔料の粒子の大きさを変えることによって行なうことができる。
本発明の画像表示装置用k積層フィルムは、ヘイズが3%を超えないようにすることが好ましい。ヘイズが3%を超えると画像表示装置に使用した場合、画像の鮮明さが低くなり視認性が低下し易い。ヘイズが3%を超えないようにするためには、基材フィルムのヘイズが好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下のものを用い、着色粘着層のA層に含有する着色剤の量を好ましくは5%以下にすると同時に、着色剤が凝集しないようにホモジナイザー等の分散機を用いて着色剤の分散を該着色剤が1次粒子になるまで行うことで達成できる。
本発明の画像表示装置用の積層フィルムを、画像表示装置の画像表示面、例えば、ガラス面に貼着することにより、画像表示面全面の光の透過率の均一化が達成され、特に端部の輝度が改善される。さらに、画像表示装置用積層フィルム視感透過率(JIS Z8113の番号04066による)が画像表示面内において20〜85%、特に25〜80%、さらには30〜75%の範囲であることがコントラストを向上させ画像の見やすさを向上させる上で好ましい。
本発明の積層フィルムは、CRT、LCDあるいはPDP等の画像表示装置の表面に好適に用いられる。
次に、実施例を挙げて本発明の積層フィルムについて更に具体的に説明する。なお、文中「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。
[実施例1]
図1に示す構造の積層フィルムを下記の方法により作製した。基材フィルムとして厚さ188μm、幅600mmの東レ製”ルミラー”(登録商標)T60を基材フィルムとして用い、該基材フィルムに幅方向(600mmの方向)で全光線透過率が傾斜分布をもち、膜厚が一定の着色粘着層を、光線透過率の低い着色粘着層(A層)と光線透過率の高い透明粘着層を重ねて製造するために、図11に示した塗布装置を使用した。着色粘着層は、基材フィルム4幅方向に550mmにわたって形成し、全光線透過率は基材フィルム4幅方向で、中央部が40%、両端部が70%の2次曲線分布となる仕様が与えられた。使用するA層3用塗液は粘度1000mPaSで下記組成Gであり、一方B層2は下記組成Hで粘度1000mPaSのものを用いた。A層3の厚さと、全光線透過率の関係を事前に調べ、全光線透過率が40%のときは着色粘着層のdry厚さは30μm、70%のときはdry厚さ15μmでよいことがわかった。さらに着色粘着層の膜厚(A層3とB層2の和)は、乾燥時の厚さが45μmにすることにした。以上から、A層3とB層2の厚さ分布を、基材フィルム4の幅方向に図10に示すものに定めた。なお、図10は本実施例におけるA層3とB層2の基材フィルム4の幅方向厚さ分布を示す線図である。ここで、基材フィルム4の幅方向は、図11の塗布装置の2層ダイ長手方向に一致する。この膜厚分布を実現するために、吐出口8を有するA層3側とB層2側が長手方向にそれぞれ550mm長の2層ダイを準備した。2層ダイのA層3側には、中央部の厚さが0.4mmで端部の厚さが0.5mmのシム9Aを挿入した。また、B層2側には、中央部の厚さが0.4mmで端部の厚さが0.5mmのシム9Bを挿入した。その間は2次曲線で補間したものを用意し、また、スリット10A、10Bの基材フィルム4の幅方向すきま分布が、図10の基材フィルム4の幅方向膜厚分布を実現できるものにした。また、該粘着剤を該2層ダイから吐出させるためにサーボモータ駆動のステンレス製ギアポンプを使用した。このとき、A層3側のポンプの塗布液供給量は183cc/s、一方、B層2側のポンプの塗布液供給量は、147cc/sであった。
塗布した積層塗膜は、長さ30mの乾燥機で120℃にて1分間乾燥、熱処理した。またこの積層フィルムの粘着層側に厚み50μmからなるシリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋メタライジング社製”セラピール”(登録商標)MDA)を粘着面保護用の離型性フィルム(セパレータフィルム)として貼り合わせた。
この積層フィルムの全光線透過率は、分光透過率で波長550nmの全透過率が中央部で50%であり、左端部から30mm位置の全光線透過率が70%、右端部から30mm位置の全光線透過率69%であった。また、左端部から30mm位置の全光線透過率の変化率ΔTは1.5%、右端部から30mm位置の全光線透過率の変化率ΔTは1.5であった。また、ヘイズは、中央部、左端部から30mm位置、右端部から30mm位置の全てで2.1%であった。また、透過光黄色度は、中央部、左端部から30mm位置、右端部から30mm位置の全てで2.5であった。また、積層フィルムとガラスとの粘着力は、中央部、左端部から30mm位置、右端部から30mm位置の全てで350g/cmであった。また、積層フィルムの中央部の着色粘着層の総厚みは15μで、このうち、着色粘着剤Gからなる層(A層)の厚みは13μであった。また、左端部ならびに右端部から30mm位置の着色粘着層の総厚みは15μで、このうち、着色粘着剤Gからなる層(A層)の厚みは3μであった。また、着色粘着剤Gからなる層(A層)の光線透過率は41%で、顔料を含有していない透明粘着剤Hからなる層(B層)の光線透過率は88%、平均反射率は4.1%であった。このフィルムを平面テレビに貼り付けたところ、画面端部の輝度ムラが解消され、画面全体に均一な輝度特性が得られるようになった。
「着色粘着剤Gの組成」
粘着剤:アクリル粘着剤 3000部(綜研化学社製商品名SKダイン1428F)
着色剤:カーボンブラック 10部(デグサ製商品名スペシャルブラック250)、フタロシアニンブルー 5部(大日精化社製シアニンブルーCP−1)
トルエン: 2000部
酢酸エチル: 8000部。
「透明粘着剤Hの組成」
粘着剤:アクリル粘着剤 3000部(綜研化学社製商品名SKダイン1428F)
トルエン: 2000部
酢酸エチル: 8000部。
[実施例2]
実施例1で得られた積層フィルムの着色粘着層を設けていない面に、下記のようにしてハードコート層を設けたこと以外は、実施例1と同様の方法にてハードコート層を有する積層フィルムを作製した。まず、塗布液として、アンチモン酸亜鉛ゾル(固形分30.8%)100g、ペンタエリスリトールトリアクリレート24g、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー6g、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリプロパン−1−オン1.8gを、75gのジヂメチルイミダゾリジノンに溶解ならび該混合物を攪拌して作製した後、基材フィルムのもう一方の面上に、塗布液をバーコーターを用いて塗工し、80℃で乾燥後、紫外線480mJ/cm2を照射して、塗工層を硬化させ、厚さ15μmのハードコート層を形成した。この時形成したハードコート層の屈折率はn=1.64であった。
得られた画像表示装置用の積層フィルムのハードコート面の表面硬度は、3Hと良好であり、表面抵抗値も109Ω/□と良好であった。また、透過光黄色度は3であり、ヘイズも2.8%と良好であった。また、この積層フィルムの全光線透過率は分光透過率で波長550nmの全透過率が中央部で53%であり、左端部から30mm位置の全光線透過率が73%、右端部から30mm位置全光線透過率73%であった。また、左端部から30mm位置の全光線透過率の変化率ΔTは1.5%、右端部から30mm位置の全光線透過率の変化率ΔTは1.5であった。また、ヘイズは、中央部、左端部から30mm位置、右端部から30mm位置の全てで2.3%であった。また、透過光黄色度は、中央部、左端部から30mm位置、右端部から30mm位置の全てで2.3であった。
[実施例3]
実施例1の着色粘着剤において、透明粘着剤Hを下記の着色粘着剤Iに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法にて積層フィルムを作製した。
この積層フィルムの全光線透過率は、分光透過率で波長550nmの全透過率が中央部で50%であり、左端部から30mm位置の全光線透過率が65%、右端部から30mm位置全光線透過率63%であった。また、左端部から30mm位置の全光線透過率の変化率ΔTは1.9%、右端部から30mm位置の全光線透過率の変化率ΔTは1.9であった。また、ヘイズは、中央部、左端部から30mm位置、右端部から30mm位置の全てで2.4%であった。また、透過光黄色度は、中央部、左端部から30mm位置、右端部から30mm位置の全てで2.4であった。また、積層フィルムとガラスとの粘着力は、中央部、左端部から30mm位置、右端部から30mm位置の全てで300g/cmであった。また、積層フィルムの中央部の着色粘着層の総厚みは20μで、この内、着色粘着剤Gからなる層(A層)の厚みは15μであった。また、左端部ならびに右端部から30mm位置の着色粘着層の総厚みは20μで、この内、着色粘着剤Gからなる層(A層)の厚みは5μであった。また、着色粘着剤Gからなる層(A層)の光線透過率は41%で、着色粘着剤Iからなる層(B層)の光線透過率は75%であった。
この積層フィルムを平面テレビに貼り付けたところ画面端部の輝度ムラが解消され、画面全体に均一な輝度特性が得られるとともにコントラストが良好になった。
「着色粘着剤Iの組成」
粘着剤:アクリル粘着剤 3000部(綜研化学社製商品名SKダイン1428F)
着色剤:カーボンブラック 2部(デグサ製商品名スペシャルブラック250)、フタロシアニンブルー 1部(大日精化社製シアニンブルーCP−1)
トルエン: 2000部
酢酸エチル: 8000部。
[実施例4]
実施例2において、先ず基材フィルムに、ペンタエリスリトールトリアクリレート24g、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー6g、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリプロパン−1−オン1.8gを、75gのジヂメチルイミダゾリジノンに溶解した混合物を乾燥後の膜厚が11μmとなるようにバーコーターを用いて塗工し、80℃で乾燥後、紫外線480mJ/cm2を照射してハードコート層1を得た。次いで、このハードコート層1の上面にアンチモン酸亜鉛ゾル(固形分30.8%)225g、ペンタエリスリトールトリアクリレート24g、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー6g、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリプロパン−1−オン1.8gを、75gのジヂメチルイミダゾリジノンに溶解ならび該混合物を攪拌して作製した後、基材フィルムのもう一方の面上に、バーコーターを用いて塗工し、80℃で乾燥後、紫外線480mJ/cm2を照射して、塗工層を硬化させ、厚さ4μmのハードコート層を形成した。 得られた画像表示装置用の積層フィルムのハードコート面の表面硬度は。3Hと良好であり、表面抵抗値も107Ω/□と良好であった。また、透過光黄色度は2であり、ヘイズも1.9%と良好であった。また、この積層フィルムの全光線透過率は分光透過率で波長550nmの全透過率が中央部で53%であり、左端部から30mm位置の全光線透過率が72%、右端部から30mm位置のの全光線透過率が3cmで72%であった。また、左端部から30mm位置の全光線透過率の変化率ΔTは1.6%、右端部から30mm位置の全光線透過率の変化率ΔTは1.6であった。また、ヘイズは、中央部、左端部から30mm位置、右端部から30mm位置の全てで1.9%と良好であった。また、透過光黄色度は、中央部、左端部から30mm位置、右端部から30mm位置の全てで2.0であった。
[実施例5]
ハードコート層の形成にあたりジペンタエリスリトールヘキサアクリレート51部、ポリエステルアクリレート7部、ヒドロキシプロピルアクリレート3部、及び、開始剤“イルガキュア184”(チバスペシャリティケミカルズ(株)製)5部を、トルエン27部、メチルエチルケトン27部、イソプロピルアルコール18部、及び酢酸ブチル18部の混合溶剤に溶解させハードコート塗布液を調整した。このハードコート塗布液を、実施例1の積層フィルムの粘着層を設けていない面上にリバースコーターを用いて塗工し、80℃で乾燥後、紫外線1.0J/cm2を照射して塗工層を硬化させ、厚さ約5.0μmのハードコート層を設けた。
さらに、高屈折率層として錫含有酸化インジウム粒子(ITO)を含む塗料(固形分35.7%、多官能ウレタン(メタ)アクリレート/ITO粒子(平均一次粒径30nm)=15/85)(大日本塗料(株)製、EI−3(ST))2.5部、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー0.03部を、25部のn−ブチルアルコール、2.5部のジアセトンアルコールに混合溶解して得た高屈折率層塗布液を、前記ハードコート層の面上にグラビアコーターを用いて塗工し、80℃で乾燥後、紫外線1.0J/cm2を照射し、塗工層を硬化させて厚さ約0.1μm、屈折率n=1.682の高屈折率層を形成した。
さらに、樹脂層として含フッ素系共重合体(ポリジメチルシロキサンユニットを有するフルオロオレフィン/ビニルエーテル共重合体)を含む塗料(固形分3%)(JSR(株)製、JN−7215)3部、及び、アエロジルR972(平均一次粒径50nm、シリカ粒子、日本アエロジル製)0.005部を、0.6部の1−メトキシ−2−プロパノールに溶解し、攪拌することにより塗布液を調整した。この塗布液を、前記高屈折層の上にマイクログラビアコーターを用いて塗工し、150℃で乾燥、硬化させ、厚さ約0.1μm、屈折率n=1.42の樹脂層を形成させて積層フィルムを作成した。
得られた積層フィルムの表面抵抗値は108Ω/□と良好であった。また、透過光黄色度は3であり、ヘイズも2.3%と良好であった。また、この積層フィルムの全光線透過率は分光透過率で波長550nmの全透過率が中央部で53%であり、左端部から30mm位置の全光線透過率が73%、右端部から30mm位置全光線透過率73%であった。また、波長が500〜600nmの平均反射率は0.9%であった。このフィルムを平面テレビに貼り付けたところ、画面端部の輝度ムラが解消され、画面全体に均一な輝度特性が得られ、かつ照明の明るいところでも実施例1積層フィルムに比べよりコントラストが鮮明となった。
[実施例6]
実施例2で得られた積層フィルムのハードコート層が設けられた面の上に樹脂層として下記として示した塗布液1をマイクログラビアコーターを用いて塗工し、150℃で乾燥、硬化させる以外は、実施例2と同様の方法にて積層フィルムを作製した。この時形成した樹脂層は、厚さ約0.1μm、屈折率n=1.42であった。
「塗布液1」
1)含フッ素系共重合体(ポリジメチルシロキサンユニットを有するフルオロオレフィン/ビニルエーテル共重合体)を含む塗料(固形分3%)(JSR(株)製、JN−7215):3部
2)アエロジルR972(平均一次粒径50nm、シリカ粒子、日本アエロジル製):0.005部
3)1−メトキシ−2−プロパノール:0.6部
得られた積層フィルムの表面抵抗値は108Ω/□と良好であった。また、透過光黄色度は3であり、ヘイズも2.7%と良好であった。また、この積層フィルムの全光線透過率は分光透過率で波長550nmの全透過率が中央部で53%であり、左端部から30mm位置の全光線透過率が73%、右端部から30mm位置全光線透過率73%であった。また、平均反射率は1.4%であった。このフィルムを平面テレビに貼り付けたところ、画面端部の輝度ムラが解消され、画面全体に均一な輝度特性が得られ、かつ照明の明るいところでも実施例2の積層フィルムに比べよりコントラストが鮮明となった。
[比較例1]
2層複合方式のダイにおいて、着色粘着剤Gを2層同時に押し出し着色粘着層を単層で設けたこと以外は、実施例1と同様な方法に積層フィルムを得た。該積層フィルムの表面硬度、表面抵抗値、透過光黄色度およびヘイズは良好であったが、この積層フィルムを平面テレビに貼り付けたところ、画面端部の輝度ムラが発生した。
[比較例2]
単層方式のダイにおいて、着色粘着剤Gを吐出する側のスリット間隙を、実施例1の図のA層3側のみで、図のB層2側を積層しないこと以外は、実施例1と同様の方法にて着色粘着層の膜厚みを変化させ、積層フィルムの中央部の着色粘着層の総膜厚みを15μmにし、右端部あるいは左端部から30mm位置の着色粘着層の総膜厚みを5μmとしたこと以外は、実施例1と同様な方法にて積層フィルムを得た。
この積層フィルムの表面硬度、表面抵抗値、透過光黄色度およびヘイズは良好であったが、この積層フィルムを平面テレビに貼り付けたところ、画面端部の輝度ムラは解消されたものの粘着強度が端部で弱く軽く布で拭くだけで積層フィルムが画像表示装置の表面から剥がれた。また、輝度ムラは解消されたものの画面端部で画像のゆがみが発生した。
[評価方法]
1.[表面硬度評価]
JIS K5400に準拠し常温で三菱鉛筆「ユニ」により塗膜が剥離するか基材まで達しない最高硬度を表示。塗膜硬化後の1分後の鉛筆硬度を測定する。
2.[表面抵抗値(帯電防止性)評価]
三菱油化製のHIRESTAを用いて表面抵抗値の測定を行なった。
3.[透過光黄色度]
分光式色差計(日本電色製SQ−2000)を使用して、測定した。
4.[全光線透過率ならびにヘイズ]
評価用フイルムとして、50mm×50mmの正方形
に切り出したものをヘイズメーター(日本電色製NDH−300A)を使用して、JIS−K−7105に準じて測定した。
5.[着色粘着層の各層の光線透過率]
サンプルの断面をミクロトームで100μの厚みにな るように切断し、光学顕微鏡にて1000倍に拡大して着色粘着層部分のネガフィルム写真1を撮る。同様 に基材フィルム部分のネガフィルム写真2を撮影する。このネガフィルム写真1とネガフィルム写真2を日立計測の分光光度計U−3410を用いて写真1の透 過率1ならびに写真2の透過率2を求めた。なお、測定波長は600nmに固定した。ここで、各層の透過率は、ネガ写真1のA層ならびにB層の領域で得られる透過率 から写真2で得られる透過率を引いたものを粘着層の光線透過率を定義した。
6.[着色粘着層の各層の厚み]
サンプルの断面をミクロトーム等で切断し切片とし た後、透過電子顕微鏡(TEM)にて所定の場所毎に、透過度の低い部分(TEM写真で明度が低下している 部分)の基材フィルム界面あるいは、最表面からの垂 直方向の長さ(μ単位)を測定し求めた。また、総厚 みは、基材フィル界面と最表面の間の垂直距離(μ単位)を求めた。ここで各層の厚みの境界部分は、上記5.で得られた各層の最大透過率が5%低下あるいは上昇した部分 の中間点を境界線とした。
7.[積層フィルムの粘着力]
評価用フイルムとして、15mm×100mmの短冊状に切り出した測定片を用意する。作製をSUS304鋼板を280番の耐水研磨紙にて研磨したテストパネルに2kgのゴムローラーを用 いて貼り付け23℃/65%RHにて一週間放置する。この試験片をJIS−Z−0237−8に準じて測定した。測定は、通常の引っ張り試験機を用い剥離速度300mm/分の速度で180°方向に剥がして粘着力(単位:g/cm)を求めた。
8.[平均反射率測定]
日立計測の分光光度計U−3410を用いて測定を行なった。サンプルフィルムは、320〜400の耐水サンドペーパーで裏面に均一に傷を付け、黒色塗料を塗布して、裏面からの反射を完全になくして測定した。入射光角度は、6〜10°、検査波長領域は380nm≦λ≦780nmで行なった。
本発明は、画像表示装置等の画像表示面に貼着して使用する用途に限らず、商品ケースウインドウ用、写真・絵画のケースなどにも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
本発明の積層フィルムを例示する断面図である。 本発明の他の積層フィルムを例示する断面図である。 本発明の他の積層フィルムを例示する断面図である。 本発明の他の積層フィルムを例示する断面図である。 本発明の他の積層フィルムを例示する断面図である。 本発明の他の積層フィルムを例示する断面図である。 基材フィルムの片面にハードコート層設けてなる本発明の積層フィルムを例示す断面図である。 画像表示装置に用いる本発明の積層フィルムの画像表示面における平面図である。 画像表示装置に用いる本発明の他の積層フィルムの画像表示面における平面図である。 本発明の実施例における着色粘着層のA層とB層の基材フィルムの幅方向厚さ分布を示す線図である。 本発明で用いられる塗布装置を例示する概略正面断面図である。
符号の説明
1:着色粘着層面側
2:B層
3:A層
4:基材フィルム
5:光線透過率が断面方向に徐々に変化する層
6:D層
7:C層
8:吐出口
9A:シム
9B:シム
10A:スリット
10B:スリット
L:着色粘着層の膜厚
M:D層の膜厚
N:C層の膜厚

Claims (10)

  1. 基材フィルムの少なくとも一方の面に着色粘着層が積層された積層フィルムであって、該着色粘着層の膜厚の最大値と最小値の差が該最大値の10%以内であり、かつ該着色粘着層が光線透過率が互いに異なるA層とB層を含み、かつB層の光線透過率がA層の光線透過率よりも高く、基材フィルム側から順にA層次いでB層、またはB層次いでA層、が積層されており、かつ該A層の膜厚の所定の方向に沿った変化が着色粘着層の膜厚の同方向に沿った変化よりも大きく、A層の膜厚が積層フィルム中央部から端部にかけて減少していることを特徴とする積層フィルム。
  2. B層が透明であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 画像表示装置に用いることを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 基材フィルムの一方の面に導電性粒子を含有するハードコート層が設けられてなることを特徴とする請求項3に記載の積層フィルム。
  5. ハードコート層が、導電性粒子を含有するC層と導電性無機粒子がC層よりも少ないかあるいは全く含有されていないD層からなり、かつ基材フィルム側から順にD層次いでC層が積層されていることを特徴とする請求項4記載の積層フィルム。
  6. ハードコート層が多官能(メタ)アクリル系樹脂からなることを特徴とする請求項4または5記載の積層フィルム。
  7. 導電性粒子が、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)、アンチモンをドープした酸化亜鉛、インジウムを含む酸化錫(ITO)、酸化亜鉛/酸化アルミニウム、酸化アンチモンおよびアンチモン酸亜鉛から選ばれた金属酸化物または金属化合物を1種以上含有する粒子であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. ヘイズが3%を超えない請求項3〜7のいずれかに記載の積層フィルム。
  9. 着色粘着層の上に離型性フイルムが設けられてなることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の積層フィルム。
  10. 請求項3〜9のいずれかに記載の積層フィルムを用いてなる画像表示装置。
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