JP4543296B2 - 複合半透膜およびその製造方法ならびにこれを内蔵する複合半透膜分離素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、逆浸透膜やナノ濾過膜として有用な複合半透膜およびその製造方法に関する。本発明によって、複合半透膜の透水性能および塩除去性能の双方を向上させることが可能である。
【0002】
【従来の技術】
複合半透膜の製造方法に関しては、公開特許公報昭55−147106号他多数の検討がなされ、膜性能の改良が進められている。界面重合法によって得られる複合半透膜の改良を例に取ると、改良の方法には主に3つの方式に大別される。その第1は複合膜の組成を変更する方式である。その第2は界面重合膜形成過程を変更する方式であり、界面重合反応の際に種々の添加剤を加えること等が含まれる。その第3は一旦形成された複合膜を改質する方式であり、亜硝酸ナトリウム溶液処理、塩素処理等が検討されている。
【0003】
ここで、塩素処理による膜性能の改良について従来技術を詳しく見ることにする。
【0004】
特公平5−1051号公報には、多孔性支持膜と架橋芳香族ポリアミドからなる超薄膜からなる複合半透膜をpH6〜13の塩素含有水溶液に常圧で接触させることにより、透水性能を向上させることが可能であること、またpH5の塩素含有水で同様の処理を行うと、透水性が低下することが開示されている。なお、実施例記載の範囲では塩除去率はほとんど変化していない。また、特開平5−329344号公報には、架橋ポリアミド系重合体からなる活性層を有する複合半透膜をpH6未満の次亜塩素酸ナトリウム水溶液で接触処理することによって、塩除去性能を向上させることが可能であることが開示されている。但し、透水性能がどのように変化するかについては触れられていない。前記した特公平5−1051号公報の記載と併せてみると、透水性能は低下するものと推察される。
【0005】
以上のように、塩素処理をおこなう際のpHを調整することによって、透水性能または塩除去性能のいずれかを向上させる方法が既に提案されている。
しかしながら、塩素処理によって、透水性能および塩除去性能の双方を顕著に向上させる方法についてはいまだ開示されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、一旦形成された複合半透膜を改質処理して元の複合半透膜よりも透水性能および塩除去性能の双方を顕著に向上させることができる方法等を提案する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、一旦形成された複合半透膜を改質する方法を種々検討した結果、本発明に到達した。すなわち、複合半透膜をpH6.0未満に調整した塩素含有水溶液に接触させた後、pH12以上のアルカリ水溶液に接触させることにより、複合半透膜の透水性能および塩除去性能の双方を顕著に向上させることができることを見出した。以下、本発明について詳しく説明する。
【0008】
なお、以下の説明において、塩素含有水溶液を膜に接触させることを「塩素処理」、アルカリ水溶液に膜を接触させることを「アルカリ処理」、塩素処理の後、膜を水洗した後、更にアルカリ処理を加えることを「塩素・アルカリ処理」と表すこととする。また、いまだ塩素処理もアルカリ処理も施していない膜を「複合半透膜(元膜)」あるいは単に「元膜」と、塩素処理した膜を「塩素処理膜」、アルカリ処理した膜を「アルカリ処理膜」、塩素・アルカリ処理した膜を「塩素・アルカリ処理膜」と表すこととする。
【0009】
本発明において、塩素・アルカリ処理の対象とされる複合半透膜(元膜)は、芳香族ポリアミド系重合体薄膜を有するものであれば特に限定されない。ここで、芳香族ポリアミド重合体とは、モノマーのモル比で計算したときに、芳香族成分が全成分の10%以上を含むものを示すこととする。多官能性芳香族アミンと多官能性芳香族酸ハロゲン化物の界面重縮合反応により得られた架橋全芳香族ポリアミド重合体薄膜が最も好ましい例として挙げられる。芳香族ポリアミド系重合体薄膜の厚みはピンホールがなければ薄いほど好ましい。製膜安定性、透過性能等を考慮すると1.0μm以下が好ましい。芳香族ポリアミド系重合体薄膜の形態は、平坦かつ空洞を含まないフィルム上構造に限らず、凹凸構造や空洞を含む構造であっても良い。また、芳香族ポリアミド系重合体薄膜の表面に、必要に応じて保護層や荷電層が形成されていてもよい。
【0010】
本発明において、ポリスルホン系多孔質膜とは、後述するポリスルホン系樹脂から主として形成され、逆浸透膜、ナノ濾過膜領域では分離対象物に対して実質的に分離性能を示さず、上記芳香族ポリアミド系重合体薄膜を支えるための支持膜であれば特に限定されない。芳香族ポリアミド系重合体薄膜を形成させる側の表面に、好ましくは0.001μm以上かつ0.05μm以下、より好ましくは0.005μm以上かつ0.03μm以下の微細孔を有し、裏面までの構造は流体の透過抵抗を必要以上に大きくしないために、前記表面の微細孔より大きな細孔からなるものが好ましく、網状、指状ボイドまたはそれらの混合構造のいずれでもよい。また、ポリエステル等の材質からなる織布または不織布等の補強材を含んでいてもよい。
【0011】
また、ポリスルホン系多孔質膜の特性をデキストランT70の200mg/kg水溶液の分離特性で表現すると、供給圧力0.1MPa、25℃、回収率30%未満、膜面平均流速40cm/秒において、除去率が50%以上であることが望ましい。
【0012】
本発明におけるポリスルホン系樹脂としては、下記一般式1(化1)で示される繰り返しユニットからなるポリマーと下記一般式2(化2)で示される繰り返しユニットからなるポリマー等があげられるが、好ましくはこれらのポリマーであり、さらに好ましくは化学式1で示される繰り返しユニットからなるポリマーである。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】
本発明におけるポリスルホン系多孔質膜の膜厚は特に限定されない。たとえば、中空糸膜形態をとる場合は、製膜時の操作性、モジュールの膜面積、耐圧性を考慮すると外径は100μm〜2000μm、内径は30μm〜1800μmの範囲のものが好ましく、外径は150μm〜500μm、内径は50μm〜300μmのものがより好ましい。さらに本発明におけるポリスルホン系多孔質膜は、少なくとも複合膜としての操作圧力以上の圧力に耐え得ることが必要である。かかるポリスルホン多孔質膜は各種市販品から選択することも可能であるが、通常は公知の乾湿式製膜法等により製造可能である。さらに必要に応じて、製膜後の多孔質中空糸膜を特開昭58−199007号公報に開示されているように50℃の湿熱処理を施したり、特開昭60−190204号公報に開示されているように90℃以上の熱水処理を施すことも可能である。
【0016】
次に、塩素・アルカリ処理の対象となる複合半透膜(元膜)の製造方法の一例を説明する。ポリスルホン系多孔質膜の外表面上で多官能性アミンと多官能性酸ハロゲン化物の界面重縮合反応を行うことにより、本発明が有効に作用する元膜を形成することができる。すなわち、ポリスルホン系多孔質膜を濃度調整されたアミン溶液に接触させ、過剰アミン溶液を液きりした後、濃度調整された多官能性酸ハロゲン化物溶液に接触させ、界面重縮合反応を生じさせることにより複合半透膜(元膜)が得られる。
【0017】
多官能性アミンの例としては芳香族アミン、脂肪族アミンが挙げられ、これらのいずれであってもよい。
【0018】
芳香族アミンとしては一分子中に2個以上のアミノ基を有する芳香族アミンであり、2官能以上のアミンとしては例えば、m−フェニレンジアミン、p −フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3, 3’−ジアミノジフェニルアミン、3, 5−ジアミノ安息香酸塩、 4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3, 3’−ジアミノジフェニルスルホン、3, 4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,3,5−トリアミノベンゼン、4−クロロ−1,3−フェニレンジアミン、5−クロロ−1,3−フェニレンジアミンなどが挙げられ、これらの混合物であってもよい。なかでもm- フェニレンジアミンが最も好ましい。
【0019】
脂肪族アミンとしては2官能以上のアミンであればいずれでもよく、具体例としては、ピペラジンや2−メチルピペラジン、2−エチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、t−2,5−ジメチルピペラジンのようなピペラジン誘導体、ビス(4−ピペリジル)メタン、1,2−ビス(4−ピペリジル)エタン、1,3−ビス(4−ピペリジル)プロパン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、プロピレンジアミン、プロピレントリアミン、N,N’−ジメチルプロパンジアミン、4−(アミノメチル)ピペリジン、シクロヘキサンジアミン、などが挙げられ、これらの混合物であってもよく、またこれらから構成されるアミドプレポリマーであってもよい。なかでもピペラジンが最も好ましい。
【0020】
多官能性酸ハロゲン化物の例としては多官能性アシルハライドが挙げられ、芳香族、脂肪族のいずれでもよく、また、前記多官能性アミンと反応して重合体を形成し得る2官能以上であればよい。芳香族または脂肪族の2官能又は3官能酸ハロゲン化物が好ましく、例えば、トリメシン酸ハライド、トリメリト酸ハライド、ピロメリト酸ハライド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸ハライド、イソフタル酸ハライド、テレフタル酸ハライド、ジフェニルジカルボン酸ハライド、ナフタレンジカルボン酸ハライド、ベンゼンジスルホン酸ハライド、クロロスルホニルイソフタル酸ハライド、ピリジンジカルボン酸ハライド、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸ハライド、などが挙げられる。また、1分子中に酸無水物基と酸ハライド基の両方を含む化合物も多官能酸ハロゲン化物として用いることができ、例としてトリメリト酸無水物ハライド等が挙げられる。透水性能、有機物除去性能などを考慮するとトリメシン酸クロライド、イソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライド、およびこれらの混合物を用いることが特に好ましい。
【0021】
但し、既に述べたように、多官能性アミンと多官能性酸ハライドは、形成された芳香族ポリアミド重合体薄膜の組成をモノマー単位にまで分解したときに、モル比で芳香族成分が全成分の10%以上を含むことが必要である。
【0022】
前記多官能性アミン溶液の溶媒及び前記多官能性酸ハロゲン化物溶液の溶媒としてはそれぞれ前記多官能性アミン、多官能性酸ハロゲン化物を溶解し、各溶液が接したときに液々界面を形成し、かつポリスルホン系多孔質中空糸膜を損傷しないものであれば特に限定されない。例えば、多官能性アミンの溶媒としては水が、多官能性酸ハライドの溶媒としてはn−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン等の炭化水素系溶剤およびこれらの混合物が例として挙げられ、また分岐炭化水素系溶剤を用いることも可能である。
【0023】
これらの多官能性化合物の好適な濃度については、多官能性化合物の種類、溶媒に対する分配係数により異なる。m−フェニレンジアミンを前記多官能性アミンとし、その溶媒が水であり、トリメシン酸クロライドを前記多官能性酸ハロゲン化物とし、その溶媒がn−ヘキサンである場合を例に示すと、m−フェニレンジアミンの濃度は約0.1〜10重量%、好ましくは約0.5〜5重量%のものが適当であり、トリメシン酸クロライドの濃度は約0.05〜10重量%、好ましくは約0.1〜5重量%のものが適当である。これらの濃度が低いと芳香族ポリアミド重合体薄膜の形成が不完全で欠点が生じやすく分離性能の低下を招き、逆に高すぎると芳香族ポリアミド重合体薄膜が厚くなり過ぎて透過性能の低下を生じたり、製造膜中の残留未反応物量が増加し、複合膜性能へ悪影響を及ぼすことが有り得る。
【0024】
また、多官能性アミンと多官能性酸ハロゲン化物の濃度比は、得られる複合半透膜(元膜)の膜性能に重要な影響を与え、欠陥がなくなおかつ高透水性の複合半透膜(元膜)を得るためには、最適な濃度比にすることが好ましい。最適な濃度比(多官能性アミン濃度/多官能性酸ハロゲン化物濃度)は種々の条件によって変化し、一概に示すことはできない。
【0025】
なお、縮合反応で酸が発生する場合は反応溶液に酸捕捉剤としてのアルカリを添加させてもよい。また、多孔質膜の濡れ性を向上させるなどのために界面活性剤や有機溶剤を添加したり、この他多官能性化合物の反応促進剤を必要に応じて添加することも可能である。更にはアミンの酸化劣化を抑制するために還元剤を添加することも可能である。酸捕捉剤の例としては、水酸化ナトリウムのようなカ性アルカリ、リン酸三ナトリウムのようなリン酸ソーダ、ピリジン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の3級アミンなどが挙げられる。界面活性剤の例としてはラウリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。有機溶剤の例としては、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙がられる。反応促進剤の例としては、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。還元剤の例としては亜硫酸ナトリウム等が挙げれらる。これらは予め前記多官能性アミン溶液中及び/または前記多官能性酸ハロゲン化物溶液中に含ませることが可能である。酸捕捉剤、界面活性剤、有機溶媒、反応促進剤および還元剤の濃度は、膜性能に重大な影響を及ぼすが、その最適値については実験的に決定することができる。
【0026】
これら、前記多官能性アミン溶液、前記多官能性酸ハロゲン化物溶液の各温度は特に限定されない。各溶液の溶媒の凝固点温度を下限とし、各溶液の沸点温度を上限とする範囲であればよい。但し、温度が高すぎると、多官能性化合物の劣化が促進される、あるいは溶媒の蒸発が促進される等の問題が生じやすく、また逆に低すぎると、ポリスルホン系多孔質中空糸膜への前記多官能性アミン溶液の含浸が不足する、界面反応速度が小さくなり重合体薄膜が完全に形成されない、溶媒の粘度が大きくなり製膜過程に障害を与える、等の不具合を生じやすい。このため、各溶液の溶媒の
凝固点+5℃から沸点−5℃の範囲で使用することが現実的には好ましい。
【0027】
さて、本発明においては、例えば上記のようにして得た複合半透膜(元膜)に対してpH6.0未満の塩素含有水に接触させた後、pH12以上のアルカリ水溶液に接触させて透水性能と塩除去性能の双方を向上させる。
【0028】
本発明における塩素含有水溶液とは、遊離残留塩素および/または結合残留塩素を含む水溶液のことである。塩素含有水溶液は、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、塩素ガス、クロラミンT、クロラミンB等の塩素発生剤を水に溶解させることによって得ることができる。更に、pHを6.0未満に調整する必要があるが、pHの調整は、塩酸、硫酸等の無機酸および/または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリを添加することによって行うことができる。
【0029】
塩素含有水溶液のpHを6.0未満に限定する理由は、水中での塩素の存在形態の変化に起因する膜性能改質効果の相違にある。水中での塩素の存在形態は、pHに依存して変化する。PBレポート83−243170の図2.1によれば、水温25℃において、pH10以上ではClO−がほぼ100%、pH5付近ではHClOがほぼ100%、pH0付近ではCl2がほぼ100%の存在比となり、それぞれの中間では両者が共存する。
【0030】
特公平5−1051号公報においては、好ましい処理、すなわち透水性能の向上はClO−によって生じるとされ、このためpH6.0以上に処理条件を限定している。ところが、本発明者らの検討によれば、ClO−が実質的に存在しない水温25℃、pH6未満での処理によって、特公平5−1051号に記載とは異なる効果、すなわち塩除去性能が飛躍的に向上する効果が認められた。これは主にHClOの作用によるものと考えられる。pH6未満での塩素処理によって塩除去性能が向上する現象は、特開平5−329344号にも記載されている。
但し、pH6.0未満の処理においては、透水性能向上効果はなく、むしろ処理が過剰となると透水性が大幅に低下すると言う問題点があることが判明した。これについては、後述する比較例に具体例を示した。
【0031】
本発明者らは、この問題点を、塩素処理した後の複合半透膜を更にアルカリ水溶液で処理することによって解決できることを見出した。
【0032】
本発明において、アルカリ水溶液とは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液を指し、pH12以上に調整されている必要がある。あらかじめ前記条件で塩素処理した複合半透膜をpH12以上のアルカリ水溶液に接触処理することにより、更なる塩除去性能の向上と透水性能の向上が生じる。この現象のメカニズムは明らかではないが、脱塩素反応と主鎖切断反応の双方が生じることによって、膜の親水性の向上と水素結合の再配列による自由体積の減少が生じ、その結果、塩除去性能と透水性能の双方が向上するものと本発明者らは推定している。
【0033】
塩素含有水溶液に元膜を接触させる方法およびアルカリ水溶液と塩素処理膜を接触させる方法は、とくに限定されない。水溶液に膜を浸漬すること、および、膜に加圧通水することがその代表例であるが、膜の表面に塗布する、膜の表面に流下させる等の方法でも差し支えない。また、元膜および/または塩素処理膜単体に対して接触させることにのみ限定されるわけではなく、分離膜素子に組み立てた後、あるいは組み立ての途中段階において、接触させることをも含む。
【0034】
塩素含有水溶液と元膜を接触させる際の温度および時間は、pHおよび塩素濃度とも関連するため、一概に決めることはできない。pH5で塩素濃度150ppmの場合を例に取れば、常温においては数分程度の短時間で塩除去性能向上効果を発揮する。塩素含有水溶液の塩素濃度がこれよりも高い場合には処理時間を短縮し、低い場合には延長することが望ましい。また塩素含有水溶液の温度が高い場合には処理時間を延長し、低い場合には短縮することが望ましい。
【0035】
塩素含有水溶液による処理が過剰になると、複合半透膜の透水性能が極端に低下してしまうが、後述する実施例に示したとおり、pH12以上のアルカリ水溶液に接触させることにより、塩素処理によって一旦透水性能が低下した塩素処理膜についても、元膜をこえるレベルまで透水性能を向上させることが可能である。
【0036】
アルカリ水溶液と塩素処理膜を接触させる際の温度および時間は、pHとも関連するため,一概に決めることはできない。pH13の水酸化ナトリウム水溶液の場合を例に取れば、常温付近では数時間〜数十時間程度で透水性能と塩除去性能の双方を向上させる効果が発揮される。アルカリ水溶液のpHがこれより高い場合にはより短い時間で、低い場合にはより長い時間で同様の効果が発揮される。また、アルカリ水溶液の温度が高い場合にはより短い時間で、低い場合にはより長い時間で同様の効果が発揮される。
【0037】
なお、塩素処理の際に膜中に浸透した塩素含有水溶液が膜中に保持されたままアルカリ処理されることによって、実質的にpH6.0〜13での塩素処理と同じ現象が生じているのではないかとの疑念が生じたため、塩素処理後の膜に一旦、25℃、0.5MPaで1時間、500mg/kg−NaCl水溶液を供給して膜中から完全に塩素含有水溶液を押し出した後に、アルカリ処理を行うこともテストしたが、該塩素含有水溶液押し出し処理の有無に関わらず、塩素・アルカリ処理膜の透水性能および塩除去性能は同様であることを実験的に確認しており、この疑念は否定された。
【0038】
また、塩素処理に先だって元膜をよく洗浄しておくことは、好ましい結果を与える。洗浄方法は特に限定されないが、純水、酸水溶液、アルカリ水溶液、還元剤水溶液、酸化剤水溶液、アルコール水溶液等に浸漬または加圧通水することが例として挙げられる。洗浄温度は特に限定されないが、膜性能に悪影響を与えない範囲で高い温度としたほうが、高効率で洗浄できる場合が多い。最も好適な例は、炭素数1〜4のアルコールまたはその水溶液と接触させることである。複合膜形成工程における未反応物や添加剤等が大量に残存していると、膜性能を低下させる、あるいは塩素・アルカリ処理の硬化が十分発揮されない場合がありえる。
【0039】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。本発明における複合半透膜が中空糸膜である場合について例示するが、膜の形態が平膜あるいは管状膜であっても、膜の形状が異なるのみであり、本質的には同様な技術によって透水性能と分離性能に優れた複合半透膜を得ることができる。なお、実施例、比較例で示した膜性能等は、以下の方法あるいは条件で、測定あるいは実施されたものである。
【0040】
(1) 残留塩素濃度の測定
塩素含有水溶液の塩素濃度の測定は、(株)東洋製作所製のpH残留塩素比色測定器高濃度用I型を用いて行った。本測定機器はKI法を測定原理とし、10〜200mg/kgの残留塩素濃度を測定することができる。
【0041】
(2) 元膜の塩素処理処理
ナカライテスク(株)から購入した次亜塩素酸ナトリウム水溶液を東洋紡績(株)製の逆浸透膜HA8130EIの透過水で希釈し、残留塩素濃度150mg/kgになるように調整した。ついで、微量の塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を用いて、25℃において所定のpHになるように調整した。この溶液700gをガラス瓶に入れ、25℃の恒温水槽に浸漬して温度調節した。この溶液にミニモジュール3本が完全に漬かるように浸漬し、密栓した。所定時間経過後、ミニモジュールを取りだし、直ちにイオン交換水で流水洗浄した。
【0042】
(3) 塩素処理膜および元膜のアルカリ処理
ナカライテスク(株)から購入した水酸化ナトリウムを東洋紡績(株)製の逆浸透膜HA8130EIの透過水で溶解し、所定のpHの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。この溶液700gをガラス瓶に入れ、25℃の恒温水槽に浸漬して温度調節した。この溶液にミニモジュール3本が完全に漬かるように浸漬し、密栓した。所定時間経過後、ミニモジュールを取りだし、直ちにイオン交換水で流水洗浄した。
【0043】
(4) 膜性能評価用ミニモジュールの作製
54本の中空糸膜でループを形成し、ループの一端をホルダーに挿入してエポキシ樹脂で封止した。この際ホルダーの反対側の端部から中空糸膜が数cm突出する状態で封止を行い、エポキシ樹脂が硬化したのち、この突出部を切断することにより、中空糸膜の開口部を形成した。中空糸膜の有効長は38.5cmであり、有効面積は中空糸膜外径基準で457cm2であった。
【0044】
(5) 複合中空糸膜の食塩水溶液分離性能
食塩40gをRO水80Lに溶解し、500mg/L水溶液を得た。微量の水酸化ナトリウムと塩酸を用いてpHを6.5に調整し、水温25℃、圧力0.50MPa、膜面平均流速13cm/秒、回収率1%未満でミニモジュールの中空糸膜外表面側に供給した。なお、回収率RCは下記の式で定義される。
RC(%)=Qp/Qf×100
Qp:透過液の流量
Qf:供給液の流量
1時間後、中空部から流出する透過液の流量と食塩濃度を測定した。透水性能は、単位膜面積(m2 )、単位時間(日)あたりの透過液量(L)で表した。除去性能の指標であるである食塩除去率Rjは下記の式で定義される値である。なお、食塩濃度は、電気伝導度測定値から換算して求めた。
Rj(%)={1−(Cp/ Cf)}×100
Cp:透過液の食塩濃度
Cf:供給液の食塩濃度
【0045】
参考例1
ポリスルホン樹脂(テイジンアモコエンジニアリングプラスチックス社、Udel P−3500)20重量%、トリエチレングリコール4重量%、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%、およびジメチルアセトアミド75.5重量%を140℃で16時間加熱混合し、紡糸原液を調製した。二重管構造の中空糸製造用ノズルの外周部からこの紡糸原液を吐出し、中央部からはジメチルアセトアミド30重量%と水70重量%からなる水溶液を吐出させた。6cmにわたって空中走行させた後、水を主成分とする凝固浴中に15m/分で引き取り、ポリスルホン製多孔質中空糸膜を得た。メタフェニレンジアミン2.0重量%、トリエチルアミン1.0重量%、ラウリルスルホン酸ナトリウム0.3重量%、亜硫酸ナトリウム0.1重量%をRO水に溶解して得られたアミン水溶液を作製し、この溶液に連続した前記ポリスルホン製多孔質中空糸膜を浸漬、通過させた。このアミン水溶液の濃度組成は一定になるように制御されている。続いてこの多孔質中空糸膜表面の過剰なアミン溶液を除去した後、65℃に制御されたトリメシン酸クロライド0.68重量%を含むアクアソルベントG21、フロリナ−トFC−70、1重量%酢酸水溶液に順次接触させ、乾燥塔で105℃で乾熱処理を行った。さらに、水洗槽にて水洗し、外表面に架橋ポリアミドからなる薄膜を有する複合中空糸膜を得た。なお、アクアソルベントG21はアクア化学(株)から、フロリナートFC−70は住友スリーエム(株)から購入した。
【0046】
比較例1
参考例1で得た複合半透膜を80重量%メタノール水溶液に3時間浸漬した。水洗後、1重量%グリセリン水溶液に1時間膜を浸漬し、ついで50℃で熱風乾燥した。乾燥した膜でミニモジュールを作製し、80重量%メタノール水溶液に1時間浸漬し、更に水洗を行った後、膜性能の測定を行った。測定結果を表1に示した。
【0047】
比較例2〜4
比較例1に示した方法で得た複合半透膜ミニモジュールを塩素処理し、水洗した後、膜性能の測定を行った。測定結果を表1に示した。1分間の塩素処理では未処理と比べ、透水性能は若干低下したものの、塩除去性能は大幅に向上した。また、塩素処理時間依存性については1分間の処理で透水性能・塩除去性能ともに極大を示し、塩素処理時間を延長しても透水性能・除去性能とも低下するのみであった。
【0048】
実施例1〜3および比較例5
比較例1〜4に示した方法で得た複合半透膜ミニモジュールを水洗し、ついでアルカリ処理した。これを水洗した後、膜性能の評価を行った。評価結果を表1に示した。塩素処理を施していない場合(比較例5)にはアルカリ処理の前後で膜性能は変化しなかったが、塩素処理膜では塩除去性能が更に向上し、透水性能も元膜以上に高くなった。
【0049】
参考例2
多孔質中空糸膜表面の過剰なアミン溶液を除去した後に接触させるトリメシン酸クロライド溶液を、30℃に制御された0.32重量%のトリメシン酸クロリドを含むn−ヘキサン溶液に変更する他、参考例1と同様にして、複合中空糸膜を得た。
【0050】
比較例6
参考例2で得た複合半透膜を80重量%メタノール水溶液に3時間浸漬した。水洗後、1重量%グリセリン水溶液に1時間膜を浸漬し、ついで50℃で熱風乾燥した。乾燥した膜でミニモジュールを作製し、80重量%メタノール水溶液に1時間浸漬し、更に水洗を行った後、膜性能の測定を行った。測定結果を表2に示した。
【0051】
比較例7〜10
比較例6に示した方法で得た複合半透膜ミニモジュールを、塩素処理し、水洗した後、膜性能の測定を行った。測定結果を表2に示した。次亜塩素酸ナトリウム水溶液のpHは3〜5のいずれでも塩除去性能向上効果があることが確認できたが、透水性能向上効果は認められなかった。
【0052】
実施例4〜6
比較例10に示した方法で得た複合半透膜ミニモジュールを水洗し、次いでアルカリ処理した。これを水洗した後、膜性能の評価を行った。評価結果を表2に示した。いずれの条件においても塩除去性能および透水性能の双方で大幅な向上効果が認められた。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、一旦形成された芳香族ポリアミド系複合半透膜の透水性能および塩除去性能の双方を向上させることができる。
Claims (6)
- 芳香族ポリアミド系重合体薄膜を有する複合半透膜を、pH6.0未満に調整した塩素含有水溶液に1〜60分間接触させた後、pH12以上のアルカリ水溶液に4〜21時間接触させることを特徴とする複合半透膜の製造方法。
- 複合半透膜が中空糸膜形態であることを特徴とする、請求項1に記載の複合半透膜の製造方法。
- 中空糸膜の外表面側に芳香族ポリアミドからなる薄膜層が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の複合半透膜の製造方法。
- 複合半透膜がポリスルホン系多孔質膜を構成成分に含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の複合半透膜の製造方法。
- 芳香族ポリアミド系重合体薄膜を有する複合半透膜を、pH5.0以上pH6.0未満に調整した塩素含有水溶液に1〜60分間接触させた後、pH12以上13以下のアルカリ水溶液に4〜21時間接触させることによって得られた複合半透膜。
- 請求項5に記載の複合半透膜を内蔵する複合半透膜分離素子。
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