JP4540911B2 - 鍵錠システム - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、鍵と、シリンダケースと、鍵の切欠部と協働するタンブラとからなり、シリンダケース内でシリンダコアが回転可能に支承されており、このシリンダコアが鍵を受容するための軸方向に延びる鍵通路を有する鍵錠システムに関する。
【０００２】
この種の鍵錠システムは一般に公知である。最も頻繁に見られるシステムでは、機械的コードを意味する切欠部を胸側(brustseitig)に有する平鍵が利用され、これらの切欠部がシリンダケースのタンブラピンと協働する。これらの平鍵は側面に異形部を、詳細には少なくとも部分的に軸方向で側面に沿って延びる溝および／または突起の態様の異形部を有する。従って本来の施錠システム、すなわちタンブラは、ケース内に収容されている。そのことに起因してこの場合シリンダケースの形状は予め決まっており、円形領域（シリンダコアを受容する部分）とこれに続くフランジ領域とを有する。この種のものはＤＩＮ異形シリンダとも称される。
【０００３】
これらのシステムの他に、円形シリンダケースとそのなかにあるシリンダコアとを有するものも公知である。この場合にも本来の施錠システムはケース内に収容されており、これらのシステムの構造空間はやはり比較的大きい。
【０００４】
ＤＥ−ＰＳ３７２６１２により公知の施錠シリンダはセクタによって調整可能な球状タンブラを有する。セクタは挿入された鍵によってその中心軸の周りを回され、こうして、球体がセクタの相応の凹部に入り込める位置に達し、こうしてシリンダコアを回すことができる。
【０００５】
ＤＥ４４３７７１２Ａ１により公知の施錠装置では、タンブラが係止ピン部品を含み、係止ピン部品は、鍵の側部溝とタンブラの相応の連行子とによって鍵の側面と平行に摺動可能である。
【０００６】
本発明の課題は、一方で錠を取付けるのに不可欠なスペース需要が小さくなり、他方で数多くの施錠バリエーションが可能となるように、冒頭に指摘した種類の鍵錠システムを構成することである。
【０００７】
この課題は、鍵と、シリンダケースと、鍵の切欠部と協働するタンブラとを備え、シリンダケース内でシリンダコアが回転可能に支承されており、このシリンダコアが鍵を受容するための軸方向に延びる鍵通路を有する鍵錠システムにおいて、本発明によれば、
鍵が少なくともその一方の側面に切欠部をコードとして有し、これらの切欠部が鍵の長手方向を横切って側面と平行に探触可能(abtastbar)であり、
シリンダコアが、半径方向で周面の一部にわたって延びる複数の溝を軸方向に関して前後して有し、
切片状に形成されて円弧状に湾曲したタンブラがこれらの溝のなかに配置されており、タンブラの長手方向長さが各溝の長手方向長さよりもそれぞれ短く、
鍵通路が溝に向って開口しており、切欠部が鍵の一方の側面で溝内に突出しており、
半径方向内方に移動可能で、かつばねの付勢力を受けて半径方向外方に押圧可能な係止条片がシリンダケースの長手凹部内に設けられており、
タンブラが鍵の側面の切欠部によってばねの付勢力に抗して溝内でシリンダコアの周方向に摺動可能であり、鍵のコードと切欠部のコードが一致するとタンブラの凹部は係止条片が半径方向内側にタンブラの凹部内に移動可能となるように整列させられており、係止条片がタンブラの凹部内にあるとき係止条片の半径方向外面または稜がシリンダコア／シリンダケース分離線と平らになってシリンダコアの回転を可能とするように係止条片の高さは設計されていることによって解決される。
【０００８】
本発明によるこの解決策の利点は、本来の施錠システムがシリンダコア内にのみあり、円形外シリンダが可能となり、同時に構造空間が低減することに見ることができる。
【０００９】
さらに、両側で探触可能で極端に多くの施錠バリエーションを可能とする反転使用可能鍵を、しかし非対称に形成された鍵も、使用することができる。
【００１０】
最後に、側面にコードを有する鍵の造形は、通常の平鍵に比較して鍵の著しい強度改善をもたらす。
【００１１】
鍵錠システムの諸構成は従属請求項から明らかとなる。
【００１２】
以下、図面を参考に本発明を詳しく説明する。
【００１３】
シリンダケース１内に回転可能にシリンダコア２が配置されている。このシリンダコア２は、図からわかるように、非対称に配置される鍵通路７を有する。シリンダコア２に設けられる溝５が周面の一部にわたって延設されている。これらの溝５のなかで切片状タンブラ４が摺動可能であり、しかもばね６の付勢力に抗して摺動可能である。タンブラ４の形状は溝５の形状に適合されている。すなわち、タンブラ４は、シリンダコア２および溝５の丸みに合わせて曲げられている。タンブラ４の摺動は鍵の切欠部（コード）によって決定される。切欠部は一方または両方の側面にあり、鍵の長手方向を横切って各側面と平行に延びている。
【００１４】
タンブラ４と協働する係止条片１０は、ばね１１の付勢力を受けて半径方向外方にシリンダケースの長手凹部１４内に押圧可能である。この状態のとき係止条片１０がシリンダケース／シリンダコア分離線を橋絡しており、シリンダケース１内でシリンダコア２の回転は可能でない。
【００１５】
しかしタンブラ４が１つの凹部１３をそれぞれ有しており、鍵のコードが正しい場合には、これらの凹部１３はタンブラ４の摺動によって、係止条片１０が半径方向内方に動いて凹部内に入ることができるように全体として整列させられる。係止条片１０がばね１１の付勢力に抗してこのように半径方向に動くことは、シリンダコア２の回転時に係止条片１０の相応する斜面に作用する側部斜面１２によって可能となる。自明のことであるが、鍵のコードが間違っているといずれもタンブラのさまざまな摺動が起き、この場合凹部１３の整列は起きず、従って施錠過程が可能でない。
【００１６】
図４に示す実施形態では、側面と平行に両側から探触が可能であるように切欠部は側面に配置されている。
【００１７】
他の変更形態が図５から明らかとなる。ここに示してある反転使用可能鍵は、鍵の両方の側面に、図４の実施形態の意味における両側に、切欠部を有する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 異形シリンダの横断面図である。
【図２】 図１の縦断面を部分的に示す図である。
【図３】 図２のシリンダコアを一部断面で示す図である。
【図４】 実施形態の変形例を示す異形シリンダの横断面図である。
【図５】 反転使用可能な鍵を用いる他の実施形態を示す異形シリンダの横断面図である。
【符号の説明】
１ シリンダケース
２ シリンダコア
３ 鍵
４ タンブラ
５ 溝
６、１１ ばね
７ 鍵通路
８ 切欠部
９ 矢印
１０ 係止条片
１２ 側部斜面
１３ 凹部
１４ 長手凹部

Claims (6)

1. 鍵（３）と、シリンダケース（１）と、鍵の切欠部と協働するタンブラ（４）とを備え、シリンダケース内でシリンダコア（２）が回転可能に支承されており、このシリンダコアが鍵を受容するための軸方向に延びる鍵通路を有する鍵錠システムにおいて、
   前記鍵（３）が、前記タンブラ（４）に接触する少なくとも一方の側面上に切欠部（８）をコードとして有し、
   該切欠部が、前記鍵の長手方向を横切って前記一方の側面と平行に探触可能であり、
   前記シリンダコア（２）が、周面の一部にわたって延びる複数の溝（５）を軸方向に関して前後して有し、
   切片状に形成されて円弧状に湾曲したタンブラ（４）が前記溝（５）のなかに配置されており、前記タンブラの長手方向長さが、各溝の長手方向長さよりもそれぞれ短く、
   鍵通路（７）が前記溝（５）に向って開口しており、前記切欠部（８）が、前記鍵の前記一方の側面で前記溝内に突出しており、
   半径方向内方に移動可能で、かつばねの付勢力を受けて半径方向外方に押圧可能な係止条片（１０）が前記シリンダケース（１）の長手凹部（１４）内に設けられており、
   前記タンブラ（４）が、前記鍵の前記一方の側面にある前記切欠部によってばねの付勢力に抗して前記溝（５）内で前記シリンダコアの周方向に摺動可能であり、
   前記鍵のコードと前記切欠部のコードが一致すると、前記タンブラ（４）の凹部（１３）は、前記係止条片（１０）が半径方向内側に前記タンブラの前記凹部（１３）内に移動可能となるように整列させられており、
   前記係止条片が前記タンブラの前記凹部内にあるとき、前記係止条片の半径方向外面または稜がシリンダコア／シリンダケース分離線と平らになって前記シリンダコアの回転を可能とするように、前記係止条片の高さは設計されていることを特徴とする鍵錠システム。
2. 前記シリンダケース（１）の前記長手凹部（１４）が側部斜面（１２）を有し、この斜面によって、相応の斜面を備えた前記係止条片（１０）が前記シリンダコア（２）の回転時にばね（１１）の付勢力に抗して半径方向内方に押圧可能であることを特徴とする、請求項１記載の鍵錠システム。
3. 前記切欠部を有する前記鍵の前記一方の側面は、この面が前記溝（５）の底の勾配に実質一致するように湾曲していることを特徴とする、請求項１または２に記載の鍵錠システム。
4. 前記鍵が、両方の側面に同じコードを有する反転使用可能鍵であることを特徴とする、請求項１ないし３のいずれか１項に記載の鍵錠システム。
5. 前記鍵が、非対称コードを有することを特徴とする、請求項１ないし４のいずれか１項に記載の鍵錠システム。
6. 前記鍵が一方または両方の側面に切欠部を有し、これらの切欠部がそれぞれ両方の側から側面と平行に探触可能であることを特徴とする、請求項１ないし５のいずれか１項に記載の鍵錠システム。

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