JP4540871B2 - トップカバーテープ押込装置および処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、長手方向に並んだ多数の収容凹部に電気部品を1個ずつ収容したキャリヤテープから剥がされたトップカバーテープを収容ケースに押し込むトップカバーテープ押込装置と、その押込装置を備えたトップカバーテープ処理装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気部品(電子部品を含む)を回路基材に装着する電気部品装着装置等に、電気部品を1個ずつ順次供給するための一手段として、テープ化電気部品が使用されている。テープ化電気部品は、キャリヤテープに、それの長手方向に並んだ多数の収容凹部を形成し、各収容凹部に電気部品を1個ずつ収納した上、キャリヤテープにトップカバーテープを貼り付けて成るものである。電気部品の供給時には、テープ化電気部品が長手方向に送られ、トップカバーテープがキャリヤテープから剥がされて収容凹部が開放されるとともに、予め定められた部品供給部に位置決めされる。この位置決めされた収容凹部から、吸着ノズル等の電気部品保持具により電気部品が取り出されるのである。
【0003】
上記のようにして剥がされたトップカバーテープと電気部品が取り出された後のキャリヤテープとは種々の方法で処理されているが、トップカバーテープの処理方法として、従来は、リールに巻き取る巻取処理が一般に行われていたが、近年、トップカバーテープを収容ケースに収容させるケース収容処理が注目されている。巻取処理においては、一定量のトップカバーテープがリールに巻き取られたならば、リールを空のリールと交換するか、巻き取られたトップカバーテープをリールから取り除くかする必要があり、これらの作業が比較的長い時間を要するのに対し、収容ケースに収容されたトップカバーテープは、比較的短時間で収容ケースから取り出すことができるからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
しかし、いかに短時間で取出しが可能であっても、取出作業の回数は少ないに越したことはなく、そのために、できる限り多くのトップカバーテープを収容ケースに収容させ得るようにすることが望まれている。そこで、本発明は、収容ケースに効率的にトップカバーテープを押し込むことを可能にすることを課題としてなされたものであり、本発明によって、長手方向に並んだ多数の収容凹部に電気部品を1個ずつ収容したキャリヤテープから剥がされたトップカバーテープを収容ケースに押し込むトップカバーテープ押込装置であって、(a)前記収容ケースの高さ方向の中間部に形成された開口部に、互いに平行な回転軸線のまわりに回転可能に設けられ、それぞれ円環状溝が形成された外周面の間に前記トップカバーテープを挟む一対の送り回転体と、(b)それら一対の送り回転体の少なくとも一方を、それら送り回転体の外周面の前記トップカバーテープを挟む部分が前記収容ケースの内部に向かう向きに移動する方向に回転させる送り回転体駆動装置と、(c)それぞれ、前記円環状溝に嵌入した嵌入部とその嵌入部から各送り回転体の外周面より半径方向の外側まで延びた部分とを備え、前記トップカバーテープの各送り回転体の外周面に沿った移動の限度を規定する2つの移動限度規定部材とを含み、かつ、前記一対の送り回転体の一方が上方に他方が下方に設けられ、それら一対の送り回転体の外周面の、それら一対の送り回転体の前記トップカバーテープを挟む点と前記2つの移動限度規定部材により規定される2つの移動限度との間の円弧の長さが、前記上方に位置する送り回転体において前記下方に位置する送り回転体においてより大きくされたことを特徴とするトップカバーテープ押込装置が得られる。
また、本発明によって、下記各態様のトップカバーテープ押込装置およびトップカバーテープ処理装置も得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0005】
なお、以下の各項の中には、特許請求の範囲の補正によって、特許請求の範囲に記載の発明でも、その下位概念の発明でもなくなったものもあるが、特許請求の範囲の発明を理解する上で有用な記載を含んでいるため、そのまま残すこととする。
【0006】
(1)長手方向に並んだ多数の収容凹部に電気部品を1個ずつ収容したキャリヤテープから剥がされたトップカバーテープを収容ケースに押し込むトップカバーテープ押込装置であって、
前記収容ケースの高さ方向の中間部に形成された開口部に、互いに平行な回転軸線のまわりに回転可能に設けられ、それぞれの外周面間に前記トップカバーテープを挟む一対の送り回転体と、
それら一対の送り回転体の少なくとも一方を、それら送り回転体の外周面の前記トップカバーテープを挟む部分が前記収容ケース内部に向かう向きに移動する方向に回転させる送り回転体駆動装置と
を含み、かつ、(a) 前記一対の送り回転体の外周面の前記トップカバーテープを挟む部分の移動する方向が、斜め上向きであることと、(b) 前記一対の送り回転体の外周面のうち、上方に位置する送り回転体の前記収容ケース内に露出している部分の円弧の長さが、下方に位置している送り回転体のそれより長いこととの少なくとも一方の条件を満たすトップカバーテープ押込装置。
【0007】
一対の送り回転体の外周面に挟まれて収容ケース内に押し込まれたトップカバーテープは、収容ケースの下部が空である間は下部に収容される。そして、ある程度の量のトップカバーテープが収容された後は、一対の送り回転体により新たに押し込まれたトップカバーテープが、既に収容されているトップカバーテープを押し退けつつ、収容ケースに収容されることとなる。その場合、一対の送り回転体の外周面のトップカバーテープを挟む部分の移動する方向が、斜め上向きであれば、新たに押し込まれたトップカバーテープが既に収容されているトップカバーテープを斜め上方に向かって押し上げることとなる。トップカバーテープは比較的軽くかつ腰のあるものが多いため、多くの場合は収容ケース内の空間に比較的均一に収容されてゆくのであるが、それでも、重力の影響で収容ケースの下部には比較的密に収容され、上部の収容密度が高くなり難い傾向がある。この傾向は、トップカバーテープが重いものであるほど、また、腰の弱いものであるほど強く現れ、収容ケースの収容効率を低下させる。それに対し、上記のように、新たに押し込まれたトップカバーテープが既に収容されているトップカバーテープを斜め上方に向かって押し上げるようにすれば、収容ケースの上部の収容密度が増し、収容ケースの収容効率が向上する。
【0008】
また、一対の送り回転体の外周面のうち、上方に位置する送り回転体の収容ケース内に露出している部分の円弧の長さを、下方に位置している送り回転体のそれより長くすることも、収容ケースの収容効率を向上させる上で有効である。上記のように、ある程度の量のトップカバーテープが収容された後は、一対の送り回転体により押し込まれたトップカバーテープは、その送り方向に進むことができず、送り回転体の外周面に沿って進み、その進行が困難になったとき、反対側の送り回転体の外周面に沿って進む。すなわち、交互に上方と下方とへ交互に進むこととなるのであるが、上方に位置する送り回転体の収容ケース内に露出している部分の円弧の長さが、下方に位置している送り回転体のそれより長ければ、上方へ進む時間が長くなり、それだけ、収容ケース内の上部に収容されるトップカバーテープの量が多くなる。したがって、収容ケースの収容効率が向上するのである。
【0009】
さらに、トップカバーテープが送り回転体の外周面に沿って上方から下方へ、または下方から上方へ進む向きが変わる際に曲がり部が生じるのであるが、この曲がり部の数が多いほど収容ケース内に生じる隙間の量が多くなる。曲がり部は弾性的に湾曲させられているのみで、完全に折り曲げられるわけではなく、収容ケース内にほぼ限界までトップカバーテープが収容された状態においても、曲がり部内には隙間が残り、それら隙間の総和が占める容積が収容ケースのトップカバーテープ収容可能量を大きく左右するのである。本項に記載の態様によれば、トップカバーテープが上方へ連続して進む長さが長くされることにより、トップカバーテープの単位長さ当たりに生じる曲がり部の数が減少し、収容ケースの収容効率が向上する。
【0010】
(2)前記上方に位置する送り回転体の直径が前記下方に位置する送り回転体の直径より大きい(1) 項に記載のトップカバーテープ押込装置。
上方に位置する送り回転体の直径を下方に位置する送り回転体の直径より大きくすれば、上方に位置する送り回転体の外周面の収容ケース内に露出している部分の円弧の長さを長くすることが容易となり、収容ケースの収容効率を向上させることが容易となる。
(3)さらに、前記トップカバーテープの前記一対の送り回転体の各外周面に沿った移動の限度をそれぞれ規定する2つの移動限度規定部材を含み、それら2つの移動限度規定部材により規定される2つの移動限度を結ぶ直線に直角で前記収容ケースの内部に向かう向きのベクトルが斜め上向きである(1)または(2)項に記載のトップカバーテープ押込装置。
【0011】
一対の送り回転体の各々に対して、トップカバーテープの送り回転体の外周面に沿った移動の限度を規定する移動限度規定部材を設ければ、前述のように、トップカバーテープの一対の送り回転体の外周面に沿って交互に進む長さを積極的に規定することができる。そして、その交互に進むトップカバーテープは、先に収容されているトップカバーテープを、2つの移動限度規定部材により規定される2つの移動限度を結ぶ直線にほぼ直角でかつ収容ケースの内部に向かう向きに押すこととなるため、この方向を斜め上向きとしておけば、収容ケースの収容効率を向上させることができる。
(4)さらに、前記トップカバーテープの前記一対の送り回転体の各外周面に沿った移動の限度をそれぞれ規定する2つの移動限度規定部材を含み、それら2つの移動限度規定部材により規定される2つの移動限度と、前記一対の送り回転体が前記トップカバーテープを挟む点との間の中心角が、少なくとも前記上方に位置する送り回転体について90度以上とされた (1)項ないし (3)項のいずれかに記載のトップカバーテープ押込装置。
【0012】
本項の特徴によれば、少なくとも上方に位置する回転体について中心角90度以上の間、トップカバーテープが回転体の外周面に沿って移動することができ、トップカバーテープの曲がり部の数を効果的に減少させることができる。上記中心角はできる限り大きくすることが望ましく、100度以上,110度以上,120度以上とすることが望ましい。
(5)長手方向に並んだ収容凹部に電気部品を1個ずつ収容したキャリヤテープから剥がされたトップカバーテープを収容ケースに押し込むトップカバーテープ押込装置であって、
前記収容ケースの高さ方向の中間部に形成された開口部に、互いに平行な回転軸線のまわりに回転可能に設けられ、それぞれの外周面間に前記トップカバーテープを挟む一対の送り回転体と、
それら一対の送り回転体の少なくとも一方を、それら送り回転体の外周面の前記トップカバーテープを挟む部分が前記収容ケース内部に向かう向きに移動する方向に回転させる送り回転体駆動装置と、
前記トップカバーテープの前記一対の送り回転体の各外周面に沿った移動の限度をそれぞれ規定する2つの移動限度規定部材と
を含み、それら2つの移動限度規定部材により規定される2つの移動限度を結ぶ直線に直角で前記収容ケースの内部に向かう向きのベクトルが斜め上向きであるトップカバーテープ押込装置。
(6)長手方向に並んだ収容凹部に電気部品を1個ずつ収容したキャリヤテープから剥がされたトップカバーテープを収容ケースに押し込むトップカバーテープ押込装置であって、
前記収容ケースに形成された開口部に、互いに平行な回転軸線のまわりに回転可能に設けられ、それぞれの外周面間に前記トップカバーテープを挟む一対の送り回転体と、
それら一対の送り回転体の少なくとも一方を、それら送り回転体の外周面の前記トップカバーテープを挟む部分が前記収容ケース内部に向かう向きに移動する方向に回転させる送り回転体駆動装置と、
前記トップカバーテープの前記一対の送り回転体の各外周面に沿った移動の限度をそれぞれ規定する2つの移動限度規定部材と
を含み、それら2つの移動限度規定部材により規定される2つの移動限度と、前記一対の送り回転体が前記トップカバーテープを挟む点との間の中心角が、それら一対の送り回転体が少なくとも一方について90度以上とされたことを特徴とするトップカバーテープ押込装置。
【0013】
本発明によれば、一対の回転体の少なくとも一方について中心角90度以上の間、トップカバーテープが回転体の外周面に沿って移動することができ、トップカバーテープの曲がり部の数を効果的に減少させることができる。上記中心角はできる限り大きくすることが望ましく、100度以上,110度以上,120度以上とすることが望ましい。また、上記少なくとも一方は、一対の回転体の直径が互いに異なる場合には、直径の大きい方の回転体について前記中心角を大きくすることが、収容ケース内に露出する外周面を長くできて効果的である。
(7)前記一対の送り回転体の外周面の各々に円環状溝が形成されており、前記移動限度規定部材が、
前記円環状溝に嵌入した嵌入部と、
その嵌入部から延び出て送り回転体の外周面より半径方向の外側まで延び、外周面に沿って移動して来た前記トップカバーテープの移動を阻止する移動阻止部と
を備えた(3) 項ないし (6)項のいずれかに記載のトップカバーテープ押込装置。
【0014】
移動限度規定部材を、互につながった嵌入部と移動阻止部とを含むものとすれば、送り回転体の外周面と収容ケースの開口縁との隙間にトップカバーテープが食い込むことを防止する食込防止部材としても機能させることができる。一対の送り回転体は、収容ケースの開口部に配設されるため、送り回転体の外周面と収容ケースの開口縁との間に隙間が生じることを避け得ず、食込防止部材を設けなければ、送り回転体の外周面に沿って進んで来たトップカバーテープが、隙間に食い込んで、送り回転体の回転抵抗を増大させ、あるいは送り装置の作動不良の原因となる可能性があるのであるが、そのような不都合の発生が防止されるのである。
【0015】
(8)前記一対の送り回転体が、前記外周面に円周方向に並んで形成され、互に噛み合う歯を有する歯車である (1)項ないし (7)項のいずれかに記載のトップカバーテープ押込装置。
【0016】
一対の送り回転体は、外周面が円筒面である送りローラとすることも可能であるが、少なくとも一方を、外周面に円周方向に並んで複数の歯が形成された送り歯車とする方が、トップカバーテープを確実に送り得る。一対の送り回転体を共に送り歯車として互いに噛み合わせれば、特に、確実に送ることができる。ただし、この場合には、トップカバーテープが歯溝に食い込んで離れ難くなるため、剥がし部材が必要になるのが普通である。例えば、送り歯車に、歯溝の底面より深い円環状溝を形成する一方、一部がその円環状溝に嵌入し、送り歯車の回転方向に進むにつれて徐々に送り歯車の回転軸線から遠ざかる向きに傾斜したスクレーパ面を備えたスクレーパを設けるのである。このスクレーパ部材は、前記食込防止部材としても機能し得るものである。その場合には、収容ケースの開口周辺部を移動限度規定部材として機能させることも可能であり、また、スクレーパ部材に連続して移動限度規定部材として機能する部分を設けることも可能である。
【0017】
(9) (1)項ないし (8)項のいずれかに記載のトップカバーテープ押込装置と、前記収容ケースとを構成要素として含み、その収容ケースが、互に平行な2つの平板状の主壁と、前記トップカバーテープの幅よりやや大きい幅を有して前記2つの主壁の外周縁同士を接続する側壁とを備えて、概して偏平な箱形をなし、前記開口部が前記側壁の一部に形成されたものであるトップカバーテープ処理装置。
【0018】
上記のような偏平な箱形をなす収容ケースを用いれば、トップカバーテープを幅方向が側壁に平行な方向に揃った状態で収容ケースに収容することができ、収容効率を向上させることができる。
【0019】
(10)前記収容ケースと一体的な保持部材を含み、かつ、前記送り回転体駆動装置が、
前記保持部材に、その保持部材に対して相対移動可能に保持され、往復作動する作動部材と、
前記保持部材に保持され、前記作動部材の作動方向と交差する方向に延びる当接面に当接可能な被駆動部材と、
その被駆動部材を前記当接面に当接する向きに付勢する付勢装置と、
前記被駆動部材の運動を前記一対の送り回転体の一方の、一方向の回転運動に変換する運動変換装置と
を含む (9) 項に記載のトップカバーテープ処理装置。
【0020】
本態様の送り回転体駆動装置を採用すれば、トップカバーテープが、キャリヤテープの収容凹部の形成ピッチに等しい長さ剥がされてトップカバーテープの張力が増せば、被駆動部材が付勢装置の付勢力に抗して作動部材の当接面から離間する。作動部材がさらに移動しても、被駆動部材が移動せず、送り回転体も回転しないため、トップカバーテープのキャリヤテープから剥がされた長さは確実に収容ケースに押し込まれる。また、トップカバーテープに過大な張力が作用することも回避される。
【0021】
(11)前記被駆動部材が前記一対の送り回転体の一方の回転軸線のまわりに回動可能な回動部材であり、前記運動変換装置が、その回動部材が前記付勢装置の付勢力に基づいて前記当接面に追従する向きの回動は前記送り回転体の一方に伝達し、逆向きの回動は伝達しない一方向伝達装置を含む(10)項に記載のトップカバーテープ処理装置。
(12)前記概して偏平な箱形をなす収容ケースが、矩形の下部の一隅部が切りかかれた形状を有し、かつ、その切欠部の上端部に前記開口部が形成された (9)項ないし(11)項のいずれかに記載のトップカバーテープ処理装置。
【0022】
上記切欠部内に、(12)項に記載の案内装置や、キャリヤテープ送り装置の一部等を配設し、トップカバーテープ処理装置あるいは電気部品フィーダをコンパクトに構成することができる。反面、収容ケースの形状が単純な矩形の箱形ではなくなり、また、トップカバーテープの押込位置が高い位置になって、収容効率を向上させることが難しくなるのであるが、本発明に従えば、効率よくトップカバーテープを収容ケースに収容させることができる。
【0023】
(13)前記切欠部が、概して矩形の一隅部が概して三角形状に切り欠かれたものである(11)項に記載のトップカバーテープ処理装置。
概して三角形状に切り欠かれた収容ケースは、それ自体が比較的トップカバーテープを効率よく収容し得るものである上、前記(1) 項や(3) 項に記載の構成を実現し易い。
(14)前記収容ケースの前記切欠部に、前記トップカバーテープを前記一対の送り回転体の間に導く案内装置が配設された(12)項または(13)項に記載のトップカバーテープ処理装置。
(15)前記収容ケースの少なくとも一部が透明ないし半透明の材料から成り、外部から内部が透視可能である (9)項ないし(14)項のいずれかに記載のトップカバーテープ処理装置。
内部が透視可能であれば、収容ケースに収容されたトップカバーテープの量を確認することが容易である。
【0024】
(16)前記収容ケースが、開閉可能な開閉扉を備えた (9)項ないし(15)項のいずれかに記載のトップカバーテープ処理装置。
開閉扉を開いて、収容ケース内のトップカバーテープを容易に取り出すことができる。
(17)前記開閉扉が前記収容ケースの上端に設けられた(16)項に記載のトップカバーテープ処理装置。
(18)前記作動部材が、一方の端部において、少なくとも部分的に往復移動させられる移動部材にその移動部分において連結されるとともに、その端部から長手方向に離れた部位において、前記保持部材に立設された一対の送り回転体に挟まれることにより、ほぼ姿勢を保った状態で長手方向に往復移動可能に前記保持部材に保持されている(10)項に記載のトップカバーテープ処理装置。
【0025】
本項に記載の態様においては、収容ケースに干渉しないことと、単純な構成により作動部材を保持することとの少なくとも一方を実現することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施形態であるトップカバーテープ処理装置を有する電気部品供給装置10と、その電気部品供給装置10を備える電気部品装着システム12とを概念的に示す。電気部品装着システム12は、電気部品供給装置10とともに、電気部品装着装置14と、それらによって電気部品を装着されるべきプリント配線板16を支持して位置決めする位置決め支持装置18とを備える。電気部品供給装置10は、複数のフィーダ20を備え、電気部品装着装置14に電気部品を供給する。電気部品装着装置14は、電気部品供給装置10から電気部品を取り出して、位置決め支持装置18により支持されたプリント配線板16に装着する。
【0027】
電気部品供給装置10の複数のフィーダ20は、フィーダ保持部材たるテーブル22上に、各フィーダ20の部品供給部が水平な一直線上に並ぶ状態で着脱可能に固定されている。テーブル22は、テーブル移動用サーボモータ24を駆動源とするテーブル移動装置26により上記一直線に沿って移動させられることにより、各フィーダ20が選択的に位置決めされて電気部品が供給される。上記一直線方向をX軸方向とする。
【0028】
電気部品装着装置14は、図2に示すように、フレーム30に垂直軸線まわりに回転可能に支持された間欠回転体32を有する。間欠回転体32には、複数個の装着ヘッド34が設けられている。これら装着ヘッド34は、間欠回転体32の回転軸線を中心とする一円周上に等角度間隔に設けられている。間欠回転体32が、回転駆動装置36により、装着ヘッド34の配設角度間隔に等しい角度ずつ間欠回転させられることにより、装着ヘッド34が部品吸着位置や部品装着位置などの複数の作業位置に順次、停止させられる。回転駆動装置36は、駆動源たるインデックス用サーボモータ38およびカム装置を含んでいる。カム装置は、図示は省略するが、バレルカム,複数のローラ等を含み、インデックス用サーボモータ38の回転がカム装置により、間欠回転体32の間欠回転に変換される。
【0029】
複数の装着ヘッド34はそれぞれ、負圧により電気部品を吸着する吸着ノズル50を備えている。装着ヘッド34は、前述の間欠回転体32の回転に伴って、間欠回転体32の回転軸線まわりに旋回させられるとともに、間欠回転体32に対して昇降させられる。複数の作業位置のうち、部品吸着位置と部品装着位置とにはそれぞれ、図2に示すように、吸着ノズル50を押し下げるノズル押下装置56が設けられている。
【0030】
ノズル押下装置56は、図3に示すように、前記フレーム30に垂直方向に移動可能に嵌合された押下ロッド58と、押下ロッド58を昇降させる押下部材駆動装置60とを備えている。押下部材駆動装置60はフレーム30に立設された軸61によって、回動可能に支持されたレバー62を備えており、レバー62の自由端部には、押下ロッド58の上端部が継手部材64を介して相対回動可能に連結されている。レバー62には、カムフォロワとしてのローラ66が回転可能に取り付けられており、レバー62が付勢装置としての引張コイルスプリング(以下、スプリングと略称する)68によって付勢されることにより、カム70のカム面72に押し付けられている。ローラ66およびカム70がカム装置74を構成しており、カム70のカム軸76はインデックス用サーボモータ38により回転させられる。カム装置74は、間欠回転体32の回転と同期して駆動されるのである。それにより、カム70が回転させられるとともに、レバー62が回動させられ、押下ロッド58が昇降させられる。押下ロッド58は下降時に、その下端部に設けられた係合部80が吸着ノズル50に係合して吸着ノズル50を押し下げ、上昇時には吸着ノズル50の上昇を許容する。部品装着位置に設けられたノズル押下装置は、ノズル押下装置56と同様に構成されている。
【0031】
電気部品供給装置10を説明する。
本実施形態の電気部品供給装置10において、フィーダ20により供給される電気部品はテープ化電気部品100とされている。図4に示すように、テープ化電気部品100においては、キャリヤテープ102とカバーテープ104とによって電気部品106がテーピングされている。キャリヤテープ102には、その長手方向に沿って複数の部品収容凹部108が等間隔で形成され、各部品収容凹部108にそれぞれ電気部品106が1個ずつ収容されている。図5に示すように、カバーテープ104はキャリヤテープ102の上面に貼り付けられ、それにより部品収容凹部108の開口が塞がれて、電気部品の飛出しが防止されている。カバーテープ104は、本実施形態においては、透明なフィルムにより形成されているので、図4において電気部品106および部品収容凹部108を実線で示す。
【0032】
テープ化電気部品100は、テープ化電気部品保持装置たるリール(図示省略)に巻きつけられて保持されている。テープ化電気部品100は、図6に示す装置本体たるフィーダ本体120の保持部に回転可能にセットされたリールから引き出され、フィーダ本体120に設けられた上向きで水平なテープ支持面上に載せられる。テープ化電気部品100は、テープ支持面により幅方向の全体において下方から支持された状態で、第一送り装置122により一方向へ、本実施形態においては、フィーダ本体120の電気部品装着装置14側に設けられた部品供給部に向かって送られる。
【0033】
フィーダ本体120は製造の都合上、複数の部材が互いに一体的に固定されて成り、概して細長い板状を成す第一部材126と、厚さが薄い板状の第二部材128とを含んでいる。これら第一部材126と第二部材128とは、互いに固定された後は一体のフィーダ本体120として機能する。
【0034】
フィーダ本体120には、前述の第一送り装置122の他に、被駆動部材としての入力バー130,カバーテープ104を剥がして送る第二送り装置132およびキャリヤテープ102から剥がされたカバーテープ104を収容する収容箱134が設けられており、第一送り装置122および第二送り装置132は入力バー130に入力される駆動力に基づいて作動させられる。
【0035】
入力バー130は板状を成し、第二部材128により昇降可能に支持されている。第二部材128に一対の支持軸136が水平方向に並んで立設され、それら支持軸136に同心のローラ138が取り付けられている。それらローラ138の間に入力バー130が挟まれて、滑らかに昇降可能に支持されている。駆動レバー140が、第二部材128に回動可能に取り付けられている。駆動レバー140は、それの回動中心から互いにほぼ90度をなす方向に延び出す一対のアーム142,144を有する。それらアーム142,144の一方であってほぼ水平方向に延びる第一アーム142の自由端部に、上記入力バー130の下端部が回動可能に連結されている。入力バー130は、一対のローラ138と駆動レバー140とによりほぼ垂直な姿勢に保たれている。入力バー130は、図2に示すように、フィーダ20の外部に設けられた駆動装置ないし被駆動部材押下装置たる入力バー押下装置150により押し下げられる。入力バー押下装置150は、部品供給位置近傍において固定して設けられており、押下部材152および押下部材駆動装置154を備えている。押下部材152は、部品供給位置に位置決めされたフィーダ20の入力バー130の上方において、フレーム30により昇降可能に支持されており、押下部材駆動装置154により昇降させられる。
【0036】
押下部材駆動装置154は、前述の押下部材駆動装置60と同様に構成されている。図2に示すように、フレーム30により回動可能に支持されたレバー158を備え、押下部材152の上端部が継手部材160によって相対回動可能に連結されている。押下部材駆動装置154は、図示は省略するが、前述のカム装置74と同様のカム装置を備えており、カムがインデックス用サーボモータ38によって回転させられることにより、レバー158が回動させられて押下部材152が昇降させられる。押下部材は、下降時に、それの下端部に設けられた係合部162が入力バー130に係合し、入力バー130を押し下げる。本実施形態においては、間欠回転体32と、装着ヘッド50の押下部材58および入力バー132の押下部材152とが互いに同期して駆動される。
【0037】
図6に示すように、入力バー130と連結された駆動レバー140は、付勢装置166によって入力バー130を上昇させる向きに付勢されている。付勢装置166は、一方の端部がフィーダ本体120の第一部材126に固定され、他方の端が駆動レバー140の第二アーム144に連結された引張コイルスプリング(以下、スプリングと略称する)168を備え、図において駆動レバー140を時計方向に回動する向きに付勢している。駆動レバー140は入力バー130の下降と付勢装置166の付勢とによって往復回動させられ、それによってテープ化電気部品100が送られる。第一送り装置122は、本実施形態においては、たとえば、特開平7−9381号公報に記載の送り装置と同様に構成されており、フィーダ本体120の部品供給部近傍において、互いに一体的に回転可能に設けられたスプロケット170およびラチェットホイール172,それらスプロケット170およびラチェットホイール172と同心に、かつ相対回転可能に設けられた回動部材174,その回動部材174に回転可能に保持されたラチェット爪176などを含む。
【0038】
入力バー130の下降により、駆動レバー140が付勢装置166の付勢力に抗して(図において反時計方向に)回動させられるときには、回動部材174が逆方向(図においては時計方向)に回動させられてラチェット爪176がラチェットホイール172の歯を乗り越え、テープ化電気部品100を送る送りの準備が為される。駆動レバー140が付勢装置166の付勢力により(時計方向に)回動させられるときには、回動部材174が正方向(図においては反時計方向)に回動させられて、ラチェット爪176がラチェットホイール172の歯に噛み合ったままの状態で移動させられ、ラチェットホイール172が回動部材174とともに回転させられてテープ化電気部品100を1ピッチ、すなわち、複数の部品収容凹部108の形成ピッチと等しいピッチずつ送り、電気部品106を1個ずつ供給する。
【0039】
テープ化電気部品100の部品供給位置近傍に位置する部分には、カバー180が被せられている。カバー180は第一部材126の上面に沿って移動可能に被せられている。カバー180は、連結部材182により駆動レバー140の第二アーム144に連結されており、駆動レバー140の回動に伴って水平方向に往復移動するようにされている。カバー180には、図示は省略するが電気部品106を取り出すための開口が設けられている。
【0040】
テープ化電気部品100のカバーテープ104は、テープ化電気部品100の送り方向(以下、部品送り方向と称する)において部品供給部より上流側においてキャリヤテープ102から剥がされ、カバー180の開口より上流側に設けられた図示しないスリットからカバー180の外へ引き出され、第二送り装置132により、キャリヤテープ102から剥がされるとともに、収容箱134へ送られる。カバー180のスリットが設けられた位置がカバーテープ剥がし位置である。
【0041】
第二送り装置132を説明する。
第二送り装置132は、図6に示すように、送り回転体対たる送り歯車対200,回動部材たる回動板202および一方向伝達装置たる一方向クラッチ204を備えている。送り歯車対200は、送り部材としての駆動送り回転体たる駆動歯車206および従動送り回転体たる従動歯車208を含む。駆動歯車206は従動歯車208より上方に位置させられ、かつ直径が従動歯車208より大きくされている。駆動歯車206は、フィーダ本体120の第二部材126に立設された支持軸210により一軸線、本実施形態においては水平軸線まわりに回転可能に取り付けられている。駆動歯車206は、一方向クラッチ204を介して支持軸210に回転可能に支持されている。支持軸210には、さらに、上記回動板202が回動可能に支持されている。一方向クラッチ204は、回動板202が、駆動歯車206のカバーテープ送りの方向である正方向に回転する際にはその回転を駆動歯車206に伝達するが、回動板202の逆方向の回転は伝達しないように構成されている。
【0042】
回動板202は、ほぼ水平な方向に延び出す腕部212を備え、それの自由端部とフィーダ本体120の第二部材128との間に、付勢装置としての引張コイルスプリング(以下、スプリングと略称する)214が取り付けられている。入力バー130の長手方向の中間部にピン216が立設されており、そのピン216に回動板202の腕部212が押し付けられる向きに、回動板202がスプリング214により付勢されている。このことにより、回動板202は入力バー130の下降に伴って正方向に回動させられ、入力バー130の上昇によりスプリング214の付勢力に抗して逆方向に回動させられる。
【0043】
フィーダ本体120の第二部材128に従動歯車208を駆動歯車206に押し付ける押付部材220が設けられている。押付部材220は第二部材128に立設された支持軸222により回動可能に支持されており、支持軸222からほぼ水平に伸びる腕224の自由端部と第二部材128との間に、付勢装置としての引張コイルスプリング(以下、スプリングと略称する)226が取り付けられている。押付部材220のスプリング226に連結された端部とは反対側の端部に支持軸228が立設され、従動歯車208を回転可能に支持している。スプリング226により、押付部材220が、従動歯車208を駆動歯車206に押し付ける向きに付勢されている。押付部材220の従動歯車208が設けられている側の端部に斜め下方に突出する操作部230が形成されている。例えば、作業者により操作部230が押されれば、押付部材220がスプリング226の付勢力に抗して回動させられ、従動歯車208が駆動歯車206から離される。支持軸222には、固定ローラ232が回転可能に支持されている。本実施形態においては、押付部材220が支持軸222の先端側に取り付けられており、図において固定ローラ232より手前側に設けられている。従動歯車208は、押付部材220に対して固定ローラ232と同じ側に設けられており、押付部材220がカバーテープ104および入力バー130等と干渉しないようにされている。
【0044】
本実施形態においては、従動歯車208の回転中心が駆動歯車206の回転中心の斜め下方に位置するようにされており、送り歯車対200によるカバーテープ104の送りの方向、すなわち従動歯車208と駆動歯車206との回転中心を通る直線と直交しかつ収容箱134の内部に向かう方向が、斜め上向きとなるように設けられている。このことにより、カバーテープ104が全体として収容箱134内において斜め上方に送り込まれる傾向が生まれる。収容箱134内に収容されたカバーテープ104の量が比較的少ない間は、カバーテープ104は自重により収容箱134の下部に収容される。しかし、カバーテープ104がある程度収容箱134内に溜まれば、新しいカバーテープ104が既に収容箱134内にあるカバーテープ104を押しつつ送り込まれることとなる。したがって、収容箱134の下部にはカバーテープ104が比較的密に押し込まれ易い。そして、本実施形態においては、送り歯車対200によりカバーテープ104が斜め上方に送り込まれるので、収容箱134の上部にもカバーテープ104が密に押し込まれ易い。このことにより、収容箱134内に溜めることができるカバーテープ104の量が増大させられ、カバーテープ104を収容箱134から取り出す取り出し作業を実行する頻度が低減されるので作業能率の向上が可能となる。
【0045】
駆動歯車206および従動歯車208のそれぞれについてスクレーパ240,242が設けられている。これらスクレーパ240,242は、特開2000−5492号公報に記載のスクレーパと同様に、金属製の薄板によって作られており、図6に示すように、駆動歯車206および従動歯車208にそれぞれ設けられたスクレーパ溝244,246に嵌入させられている。スクレーパ溝244,246はそれぞれ、駆動歯車206および従動歯車208の幅方向(回転軸線に平行な方向)の中間部に、それら歯車206,208を一周して形成されており、各歯車206,208の歯溝より深くされている。
【0046】
スクレーパ240,242は、長手方向の中間部の幅が両端部より狭く、スクレーパ溝244,246に嵌入可能な大きさとされている。駆動歯車206のスクレーパ240は、長手方向の中間部においてスクレーパ溝244に嵌入させられ、一方の端が駆動歯車206の上方において、第二部材128に固定されたブロック248に固定されている。スクレーパ240の他方の端は、駆動歯車206の下方において、第二部材128に固定された別のブロック250に固定されている。スクレーパ240の駆動歯車206と従動歯車208との接触部(噛合部)より上側に位置する端部は、駆動歯車206から離間する部分において、その位相における駆動歯車206の接線とほぼ直角に交差する向きに曲げられており、駆動歯車206と従動歯車208との接触部より下方(下流側)に位置する端部は、駆動歯車206の接線に沿って下方ほど駆動歯車206から離間する向きに傾斜させられている。従動歯車208側のスクレーパ242の両端部はそれぞれ、押付部材220に設けられた取付部252に固定されている。本実施形態においては、駆動歯車206側のスクレーパ240の駆動歯車206のスクレーパ溝244に嵌入されている部分の長さが、従動歯車208側のスクレーパ242の従動歯車208のスクレーパ溝246に嵌入されている部分の長さより長くされている。換言すれば、カバーテープ104が駆動歯車206に沿って移動することを許容する距離が、従動歯車208に沿って移動することを許容する距離よりも長くされており、このことによって、後に詳述するように、カバーテープ104が収容箱内において上方まで送り込まれ易くなるとともにカバーテープの曲がり部の数が減少し、収容効率が向上する。
【0047】
スクレーパ溝244,246は各歯車206,208の歯溝より深くされており、スクレーパ240,242は駆動歯車206と従動歯車208との噛合いを妨げない。また、スクレーパ240,242は、一部がスクレーパ溝244,246に嵌入させられているが、駆動歯車206および従動歯車208の回転を妨げない。本実施形態においては、スクレーパ240,242のカバーテープ104の通過経路側の面には、ポリテトラフルオルエチレンがコーティングされて摩擦係数が低くされている。
【0048】
手繰込装置260について説明する。この装置は、入力バー130の上昇に伴ってカバー180が前進させられる際に、カバーテープ104を繰り出してカバー180の前進を許容するために、入力バー130の下降時に所定長さのカバーテープ104を手繰り込んでおく装置である。
手繰込装置260は、前述の駆動レバー140の第一アーム142に回転可能に取り付けられた可動ローラ262を備えている。可動ローラ262は第一アーム142の長手方向の中間部に設けられ、駆動レバー140の回動に伴って略上下方向に往復移動させられる。カバーテープ104がカバー180のスリットからほぼ水平に延びて巻きかけられるように、第二部材128の下部に固定ローラ264が回転可能に取り付けられている。カバー180から引き出されたカバーテープ104は、固定ローラ264に巻き掛けられた後、前述の固定ローラ232に巻き掛けられ、次に可動ローラ262に巻き掛けられている。さらに、別の固定ローラ266に巻きかけられてほぼ直角に向きを変えられて、駆動歯車206と従動歯車208との接触部(噛合部)における共通接平面に沿った向きにされ、駆動歯車206と従動歯車208との間に挟まれている。
【0049】
前記収容箱134の詳細を説明する。
収容箱134は、図6に示すように、本体270および扉272を有する。本体270は容器状を成し、フィーダ本体120の第二部材128に着脱可能に固定されている。扉272は、本体270の上端部に回動可能に取り付けられ、上端に形成された開口274を開放し、閉じるようにされている。本体270の第二部材128に沿った一対の主壁276は、矩形の下部の一隅が切りかかれた形状とされている。本実施形態においては、切欠はほぼ三角形状をなし、駆動レバー140,押付部材220,手繰込装置260等と干渉しない形状とされている。それら一対の主壁276の周囲に沿って、直角に延びる側壁278が形成されている。その側壁278のうち、上記切欠に対応する部分の上端部に、送り歯車対200に向かって開口する受入口280が形成されている。
【0050】
前記スクレーパ240,242は収容箱134の受入口280に至っている。駆動歯車206と従動歯車208との接触部(噛合部)と受入口280との間の空間は、二つのスクレーパ240,242と、フィーダ本体120の第二部材128と、収容箱134の主壁276のうち第二部材128から遠い側のものとに囲まれて、駆動歯車206と従動歯車208との接触部から収容箱134側へ送り出されたカバーテープ104が収容箱134外へ出ることが防止されている。ただし、図6および7においては、理解を容易にするために、第二部材128から遠い側の主壁276のうち駆動歯車206と従動歯車208とに近い部分が省略して示されている。スクレーパ240,242はさらに、カバーテープ104を収容箱134内へ案内する案内部材を兼ねている。上記本体270および扉272は、本実施形態においては、透明材料、たとえば透明な合成樹脂によって作られており、外から収容箱134内を見ることができ、カバーテープ104の溜まり具合を作業者の目や光電センサ等で容易に確認することができる。
【0051】
本実施形態の電気部品装着システム12は、図1に示す制御装置300により制御される。制御装置300はコンピュータを主体として構成され、前記テーブル移動用サーボモータ24,インデックス用サーボモータ38等を制御する。それらサーボモータ24,38は電動モータの一種であり、回転角度を精度よく制御することが可能なモータである。
【0052】
以上のように構成された電気部品装着システム12においては、各フィーダ20がテーブル22に取り付けられる前に、それらにテープ化電気部品100がセットされる。テープ化電気部品100はリールから引き出されてフィーダ本体120のテープ支持面上に載せられ、部品供給部近傍においてカバー180が被せられるとともに、カバーテープ104がキャリヤテープ102から剥がされてカバー180の外へ引き出され、固定ローラ264,232、可動ローラ262および固定ローラ266に巻き掛けられた後、駆動歯車206と従動歯車208との間に挟まれ、先端部が収容箱内に入れられる。
【0053】
この際、作業者は、押付部材220の操作部230を押し、押付部材220をスプリング226の付勢力に抗して従動歯車208が駆動歯車206から離れる向きに回動させる。押付部材220の回動によりスクレーパ242も従動歯車208とともに移動する。その状態でカバーテープ104の先端部を、駆動歯車206と従動歯車208とによって挟まれる位置へ突っ込む。そして、押付部材220に加えていた力を解除すれば、押付部材220がスプリング226の付勢力により回動させられて、駆動歯車206と従動歯車208とによりカバーテープ104の先端部が挟まれる。従動歯車208を駆動歯車206に押し付けた後、作業者は、駆動歯車206をカバーテープ104を収容箱134内に送る方向に回転させて、カバーテープ104を緊張状態とする。
【0054】
電気部品装着システム12の作動が開始されれば、間欠回転体32が間欠回転させられ、複数の部品装着ヘッド34が順次、部品吸着位置,部品装着位置等へ移動させられ、部品供給位置に位置するフィーダ20から電気部品106を受け取ってプリント配線板16の部品装着箇所に装着する。電気部品供給装置10においては、テーブル22が移動させられ、電気部品106を供給するフィーダ20が部品供給位置へ位置決めされる。部品供給位置に位置決めされたフィーダ20は、次に取り出されるべき電気部品106が部品供給部に位置し、カバー180により覆われた状態で、電気部品106の取り出しに備えて待機させられている。
【0055】
上記間欠回転体32の間欠回転,吸着ノズル34の昇降,テープ化電気部品100の送り,カバー180の移動,カバーテープ104の送りおよび電気部品106のプリント配線板16への装着等は、インデックス用サーボモータ38を駆動源とする駆動装置の作動により行なわれ、カム装置等により機械的に精度よく同期させられて、次のように行なわれる。なお、電気部品106のプリント配線板16への装着は、本発明とは直接関係がないため説明を省略する。
【0056】
部品装着ヘッド34が間欠回転体32の回転により部品吸着位置へ移動させられ、吸着ノズル50がノズル押下装置56によって下降させられるのと連動して入力バー押下装置150の押下部材152が下降させられ、入力バー130に当接し、付勢装置166の付勢力に抗して下降させられる。
【0057】
入力バー130の下降により、第一送り装置122においては駆動レバー140が付勢装置166の付勢力に抗して回動させられ、テープ化電気部品100の送りの準備が行なわれる。それと同期して、駆動レバー140に連結されているカバー180が後退させられ、部品供給部に位置決めされた電気部品106の上方空間が開放され、吸着ノズル50が電気部品106を吸着することが許容される。ノズル押下装置56のカム70は、吸着ノズル50を予め設定されたタイミングで昇降させるとともに、滑らかに加速し、一定速度で下降させた後、滑らかに減速するように形成されており、吸着ノズル50は減速された状態で衝撃少なく電気部品106に当接する。入力バー押下装置150のカム装置のカムも同様であり、カバー180は衝撃少なく移動開始,停止させられ、駆動歯車206および従動歯車208は衝撃少なく移動開始,停止させられる。
【0058】
駆動レバー140の付勢装置166に抗する向きの回動に伴ってカバー180が後退させられ、カバーテープ104のキャリヤテープ102からの剥がし位置と固定ローラ264との距離が、テープ化電気部品100の1ピッチ分とほぼ同じだけ短くなる。これに同期して、駆動レバー140の回動に伴って可動ローラ262が両側の固定ローラ232,266から遠ざかる向きに移動させられる。このことにより、カバーテープ104がキャリヤテープ102から剥がされて部品収容凹部108が開放されるとともに、カバーテープ104がそれら可動ローラ262と固定ローラ232,266との間に手繰り込まれる。カバー180はテープ化電気部品100の送り量と等しい距離、すなわちテープ化電気部品100における電気部品106の収容間隔と等しい距離、後退させられ、カバーテープ104がキャリヤテープ102から、テープ化電気部品100の送りの1ピッチ分剥がされる。カバー180が1ピッチ分後退させられることにより、カバーテープ104のカバー180を挟んで二つ折にされている部分が、カバー180の上下ともに1ピッチ分の長さだけ固定ローラ264に向かって繰り出されるので、テープ化電気部品100の2ピッチ分の長さのカバーテープ104が固定ローラ264に向かって繰り出されることとなる。そのうち1ピッチ分は可動ローラ262の移動により吸収され、残る1ピッチ分、すなわち新たに剥がされた分が第二送り装置132により送られる。この送りは、以下のようにして行なわれる。
【0059】
入力バー130の下降により、第二送り装置132の回動板202が正方向へ回動させられ、駆動歯車206および従動歯車208が回転させられて、上記新たに剥がされたカバーテープ104が送られる。カバーテープ104の送りのために、一方向クラッチ204とともに駆動歯車206が回転させられるが、その1回分の回転角度が、キャリヤテープ102の送り量より大きくなるように設定されている。換言すれば、1回分の回転角度に基づくカバーテープ104の送り量の方が、カバー180の後退量より大きくなるように設定されているので、カバーテープ104に伸び等があっても、カバーテープ104はキャリヤテープ102から剥がされた分確実に送られる。
【0060】
特に、入力バー130が押下部材152によって下降させられる際に駆動歯車206および従動歯車208が回転させられ、カバーテープ104を送るようにされているため、カバーテープ104を送る力(スプリング214により駆動歯車206を回転させる力)の方が、駆動レバー140がカバーテープ104を剥がす力より大きくなり得る。カバーテープ104の剥がし力は、カバーテープ104とキャリヤテープ102との間の接着力あるいは粘着力に打ち勝ってカバーテープ104をキャリヤテープ102から剥がすことができる大きさであって、かつ、カバー180の後退が停止し、スリットによってカバーテープ104の剥がしが阻止された状態では、無理にキャリヤテープ102を引き出しつつカバーテープ104を剥がしたり、カバーテープ104を破断させたりする恐れのない大きさであることが必要である。
【0061】
本実施形態においては、入力バー130が押下部材152の押し下げにより設定された量下降させられ、それにより駆動歯車206の回転量の上限が設定されている。この回転量に基づいて送り歯車対200により1回に巻き取られるカバーテープ104の量が、カバー180の後退量より大きくされているので、少なくとも複数回カバーテープ104が巻き取られれば、カバー180から送り歯車対200の間のカバーテープ104の張力が漸増するはずである。このとき、カバーテープ104の張力がスプリング214の付勢力と釣り合えば、駆動歯車206の回転がカバーテープ104の張力により阻止されて、その回におけるカバーテープ104の送りが途中であっても停止させられる。スプリング214の付勢力の方がカバーテープ104の張力より大きい間は、回動板202が、ピン216に押し付けられた状態で、入力バー130の下降に伴って回動させられるが、カバーテープ104の張力がスプリング214の付勢力に釣り合う大きさとなれば、駆動歯車206の回転が停止させられるとともに、回動板202の回転が停止させられて、回動板202のアームがピン212から離間することを許容するのである。このことにより、無理にカバーテープ104を引き出したり、カバーテープ104を破断させたりすることが回避できる。さらに、本実施形態においては、スプリング214の付勢力により、駆動歯車206および従動歯車208が回転させられるため、駆動歯車206と従動歯車208との噛合部から収容箱134内に進入させられる部分に、収容箱134に収容されたカバーテープ104により加えられる抵抗力が大きくなった状態では、その大きな抵抗力に打ち勝って、確実にカバーテープ104を送り収容箱134に押し込むことができる。
【0062】
吸着ノズル50は電気部品106を吸着した後、上昇させられ、電気部品106を部品収容凹部108から取り出すが、吸着ノズル50の上昇と同期して押下部材58が上昇させられ、入力バー130が駆動レバー140を介して付勢装置166の付勢力を受け、上昇させられる。それにより、第一送り装置122においては、スプロケット170およびラチェットホイール172が回転させられ、テープ化電気部品100が送られるとともに、カバー180が前進させられ、カバーテープ104が剥がされた電気部品106はカバー180により覆われた状態で部品供給部へ移動させられる。
【0063】
その際、カバーテープ104がカバー180により引っ張られるが、駆動レバー140の回動に伴って可動ローラ262が、両側の固定ローラ232,266に対する距離が短くなる向きに移動し、先に可動ローラ262と固定ローラ232,266との間に手繰り込まれたカバーテープ104がカバー180側へ繰り出され、カバー180の前進を許容する。また、入力バー130の上昇により、第二送り装置132においては、回動板202がスプリング214の付勢力に抗して逆方向へ回動させられ、カバーテープ104を送る準備が為される。
【0064】
駆動歯車206と従動歯車208とに挟まれて送られたカバーテープ104は、収容箱134に収容される。この際、カバーテープ104のキャリヤテープ102に張り付けられていた側の面に接着剤が残っていて、あるいは静電気等により、駆動歯車206に付着することがあっても、スクレーパ240により剥がされて収容箱134内へ送り込まれる。カバーテープ104の従動歯車208側の面は、キャリヤテープ102に貼り付けられていた側の面とは反対側の面であり、接着剤は付いていない。たとえ、静電気や自重によって従動歯車208に付着するようなことがあっても、スクレーパ242により剥がされる。また、スクレーパ240,242の、駆動歯車206および従動歯車208より収容箱134内側の端部は、互いに離間する向きに傾斜させられて、収容箱134の受入口278に至っており、カバーテープ104の収容箱134内への移動が案内される。
【0065】
当初、カバーテープ104は主として収容箱134内の空間の下部に収容されるが、ある程度の量が収容された後は、駆動歯車206と従動歯車208とに挟まれて新たに収容箱134に押し込まれたトップカバーテープ104が、既に収容されているトップカバーテープ104を押し退けつつ収容箱134に収容されることとなる。その場合、駆動歯車206と従動歯車208とのトップカバーテープ104を挟む部分の移動する方向が斜め上向きであるため、新たに押し込まれたトップカバーテープ104が既に収容されているトップカバーテープ104を斜め上方に向かって押し上げることとなり、収容箱134の収容効率が向上する。
【0066】
また、駆動歯車206と従動歯車208とのうち、上方に位置する駆動歯車206の収容箱134内に露出している部分の円弧の長さが、下方に位置している従動歯車208のそれより長くされているため、これによっても収容箱134の収容効率が向上させられる。上記のように、ある程度の量のトップカバーテープ104が収容された後は、駆動歯車206と従動歯車208とにより押し込まれたトップカバーテープ104は、その送り方向に進むことができず、駆動歯車206と従動歯車208とのいずれか一方の外周面に沿って進み、その進行が困難になったとき、反対側の歯車の外周面に沿って進む。すなわち、図7に示すように、交互に上方と下方とへ交互に進むこととなるのであるが、上方に位置する駆動歯車206の収容箱134内に露出している部分の円弧の長さが、下方に位置している従動歯車206のそれより長いため、上方へ進む時間が長くなり、それだけ、収容箱134内の上部に収容されるトップカバーテープ104の量が多くなる。したがって、収容箱134の収容効率が向上するのである。
【0067】
さらに、本実施形態においては、スクレーパ240,242の収容箱134内に位置する側の端部が、トップカバーテープ104の駆動歯車206と従動歯車208との外周面に沿った移動の限度を規定する移動限度規定部材として機能する部分を備えており、それらの部分同士を結ぶ直線Lが図7に示すように傾斜させられている。この直線Lと直交し、収容箱134の内部に向かうベクトルが上向きの成分を有する向きに傾斜させられているのである。前述のように、ある程度の量のトップカバーテープ104が収容箱134に収容された後は、駆動歯車206と従動歯車208とにより押し込まれたトップカバーテープ104は、交互に駆動歯車206と従動歯車208との外周面に沿って進み、スクレーパ240,242の移動限度規定部材として機能する部分によってその進行が止められるため、トップカバーテープ104はそれら移動限度規定部材として機能する部分の間においてつづら折れ状に重なりつつ収容箱134に収容されることとなるが、直線Lが上記の向きに傾斜しているため、つづら折れ状に重なったトップカバーテープ104が斜め上方に向かって成長することとなり、収容箱134の収容効率が向上する。
【0068】
本実施形態においては、駆動歯車206と従動歯車208との外周面に沿って進むことができる移動限度ができる限り長くされている。すなわち、駆動歯車206と従動歯車208との外周のうち、受入口280に面している部分を最大限に利用するようにスクレーパ240,242が配設され、一方へ連続して進む移動限度を長くすることにより、曲がり部の数を低減させて収容箱134の収容効率が向上させるられているのである。特に、直径の大きい駆動歯車206の、従動歯車208と共同してカバーテープ104を挟む点(駆動歯車206と従動歯車208との回転軸線を含む平面上の点)とスクレーパ240によって規定される移動限度との間の中心角が120度より大きくされており、それによって、曲がり部の数が効果的に減少させられている。
【0069】
収容箱134にカバーテープ104が一杯に収容されたならば、作業者により収容箱134からカバーテープ104が取り出される。カバーテープ104が一杯になったことは、たとえば、作業者が定期的に検査を行うことにより検出するようにしてもよく、あるいは、検出装置により検出し、報知装置によって報知するようにしてもよい。収容箱134は透明な合成樹脂によって作られており、作業者は収容箱134の外からカバーテープ104の溜まり具合を見ることができ、一杯であればカバーテープ104を収容箱134から取り出す。検出装置は、たとえば、電気部品106の供給数をカウントし、供給数が設定数に達したならば、カバーテープ104も設定量、収容箱134に溜まったとし、報知装置に報知させるようにしてもよく、あるいは、収容箱134の本体270内の扉272の近傍に光電センサを設けてカバーテープ104を検出するように構成してもよい。
【0070】
本実施形態においては、カバーテープ104の収容箱134内からの取り出し時には、電気部品106の供給が停止され、テーブル22の移動によるフィーダ20の移動が停止させられる。そして、作業者は、扉272を開いて開口274からカバーテープ104の大半を取り出し、駆動歯車206と従動歯車208とに挟まれた部分より収容箱134内に位置する部分において、カバーテープ104を切る。それにより、収容箱134は空になり、新たにカバーテープ104を収容することができる。切断により新たにカバーテープ104の先端となった部分は、収容箱134内に残っていて、駆動歯車206と従動歯車208とに挟まれており、電気部品106の供給が再開されれば、カバーテープ104の収容箱134への収容も再開される。このカバーテープ取り出し作業は、従来のように、カバーテープをリールに巻き取り、リールがカバーテープで一杯になった場合に、空のリールがカバーテープを巻き取ることができる状態に戻す作業に比較して短時間で行うことができる。また、扉272を開いてカバーテープ104を取り出し、切断する作業は、隣接するフィーダ20に妨げられることなく、行うことができるため、作業時にフィーダ20をテーブル22からはずさなくてもよく、フィーダ20のテーブル22に対する取外し、取付け作業が不要となる。この点においても、作業時間が短くて済み、部品供給停止時間が短く、前記スプライシング技術の効果を有効に享受し、プリント配線板16に電気部品106が装着されたプリント回路板の生産能率を向上させることができる。
【0071】
なお、上記実施形態においては、カバーテープの剥がしと送りとが同時に行なわれていたが、異なる時期に行なわれるようにしてもよい。例えば、前記実施形態の入力バー130に相当する入力バーが下降させられる際にテープ化電気部品の送りの準備,カバーの後退,張力付与レバーを付勢するスプリングの付勢によるカバーテープの剥がしおよびカバーテープの送りの準備が為され、入力バーが上昇させられる際にカバーの前進,テープ化電気部品の送りおよびカバーテープの送りが行なわれるようにするのである。この際、カバーテープは、前記駆動レバー140を付勢する付勢装置166に相当する付勢装置の付勢力に基づいて送られるが、その付勢力の設定により、送り力を剥がし力より大きくし、カバーテープを収容箱に確実に送りこむようにすることができる。
【0072】
また、前記実施形態においてフィーダはテーブルに搭載されて、部品装着ヘッドに対して移動させられるようにされていたが、位置を固定して設けてもよい。この場合、部品装着ヘッドは、移動装置によりフィーダに対して、一方向あるいは一平面内において直交する2方向の成分を有する方向に移動させられ、フィーダから電気部品を取り出し、プリント配線板に装着する。この部品装着ヘッドと共に移動可能に駆動装置を設ければ、部品装着ヘッドが電気部品を取り出す際に、その駆動装置によりフィーダに設けられた被駆動部材を駆動させることができる。この際、フィーダは位置を固定して設けられ、移動しないため、電気部品の供給を止めることなく、作業者はカバーテープを収容箱から取り出すことができ、部品供給停止時間が0で済むので、スプライシング技術の効果をより有効に享受することが可能となる。なお、部品装着ヘッドを一方向に移動するものとする場合、フィーダは位置を固定して設けてもよく、部品装着ヘッドが移動する移動平面内において、部品装着ヘッドの移動方向と直行する方向に移動させてもよい。
【0073】
前記実施形態においては、駆動歯車に回転を伝達する一方向伝達装置が一方向クラッチを含むように構成されていたが、ラチェットホイールと爪部材とを含むように構成されてもよい。その他、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるフィーダを備えた電気部品供給装置を含む電気部品装着システムを概略的に示す図である。
【図2】上記電気部品装着システムを構成する電気部品装着装置のノズル押下装置および入力バー押下装置の一部を示す正面図(一部断面)である。
【図3】上記ノズル押下装置の押下部材駆動装置を示す側面図(一部断面)である。
【図4】上記フィーダにより供給されるテープ化電気部品を示す平面図である。
【図5】上記テープ化電気部品を示す正面図(一部断面)である。
【図6】上記フィーダを示す正面図(一部断面)である。
【図7】上記フィーダにおけるカバーテープの収容箱への収容状況を概念的に示す図である。
【符号の説明】
10:電気部品供給装置 12:電気部品装着システム 38:インデックス用サーボモータ 50:吸着ノズル 56:ノズル押下装置
74:カム装置 100:テープ化電気部品 102:キャリヤテープ 104:カバーテープ 106:電気部品 108:部品収容凹部 122:第一送り装置 130:入力バー 132:第二送り装置 134:収容箱 136:支持軸 138:ローラ 140:駆動レバー 150:入力バー押下装置 166:付勢装置
168:引張コイルスプリング 170:スプロケット 172:ラチェットホイール 174:回動部材 176:ラチェット爪
180:カバー 200:送り歯車対 202:回動板 204:一方向クラッチ 206:駆動歯車 208:従動歯車 212:腕部 216:ピン 220:押付部材 230:操作部 232:固定ローラ 262:可動ローラ 264:固定ローラ 266:固定ローラ
Claims (5)
- 長手方向に並んだ多数の収容凹部に電気部品を1個ずつ収容したキャリヤテープから剥がされたトップカバーテープを収容ケースに押し込むトップカバーテープ押込装置であって、
前記収容ケースの高さ方向の中間部に形成された開口部に、互いに平行な回転軸線のまわりに回転可能に設けられ、それぞれ円環状溝が形成された外周面の間に前記トップカバーテープを挟む一対の送り回転体と、
それら一対の送り回転体の少なくとも一方を、それら送り回転体の外周面の前記トップカバーテープを挟む部分が前記収容ケースの内部に向かう向きに移動する方向に回転させる送り回転体駆動装置と、
それぞれ、前記円環状溝に嵌入した嵌入部とその嵌入部から各送り回転体の外周面より半径方向の外側まで延びた部分とを備え、前記トップカバーテープの各送り回転体の外周面に沿った移動の限度を規定する2つの移動限度規定部材と
を含み、かつ、前記一対の送り回転体の一方が上方に他方が下方に設けられ、それら一対の送り回転体の外周面の、それら一対の送り回転体の前記トップカバーテープを挟む点と前記2つの移動限度規定部材により規定される2つの移動限度との間の円弧の長さが、前記上方に位置する送り回転体において前記下方に位置する送り回転体においてより大きくされたことを特徴とするトップカバーテープ押込装置。 - 前記2つの移動限度規定部材により規定される2つの移動限度を結ぶ直線に直角で前記収容ケースの内部に向かう向きのベクトルが斜め上向きである請求項1に記載のトップカバーテープ押込装置。
- 前記一対の送り回転体の外周面の、それら一対の送り回転体の前記トップカバーテープを挟む点と前記2つの移動限度規定部材により規定される2つの移動限度との間の円弧の中心角が、少なくとも前記上方に位置する送り回転体について90度以上とされた請求項1または2に記載のトップカバーテープ押込装置。
- 前記一対の送り回転体の外周面の前記トップカバーテープを挟む部分の移動する方向が、斜め上向きとされた請求項1ないし3のいずれかに記載のトップカバーテープ押込装置。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載のトップカバーテープ押込装置と、前記収容ケースとを構成要素として含み、その収容ケースが、互に平行な2つの平板状の主壁と、前記トップカバーテープの幅よりやや大きい幅を有して前記2つの主壁の外周縁同士を接続する側壁とを備えて、概して偏平な矩形の箱形の下部の一隅部が切りかかれた形状を有し、かつ、その切欠部の上端部に前記開口部が形成されたトップカバーテープ処理装置。
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