JP4540084B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、配列した複数の発光体を点灯及び非点灯させることにより図柄を表示する表示機器を有する発光式図柄表示装置、又は外周面に図柄を表記した回転体を回転及び停止させることにより図柄を表示する表示機器を有する機械式図柄表示装置を備えたパチンコ遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からパチンコ遊技機には、複数種類の図柄を複数列(例えば、3列)に表示可能な図柄表示手段(以下、「図柄表示装置」と言う。)が備えられている。その具他的なものとしては、例えば、複数個の発光体(発光ダイオードなど)を行列状(マトリクス状)に配置し、前記図柄を発光表示させる表示機器を備えた図柄表示装置(ドットマトリクス式の図柄表示装置と言われる。)が知られている。そして、このような図柄表示装置では、所定の位置に配置されている単色又は複数色の発光体を点灯/非点灯させるように前記表示機器を制御することにより、数字図柄(0〜9)や文字図柄(又は絵図柄)が発光表示されるようになっている。
【0003】
以下に、前述したドットマトリクス式の図柄表示装置に対して図柄制御を行うための具体的な構成を図5に基づき説明する。
図5に示すように、パチンコ遊技機には、遊技機における遊技状態を制御するための主制御基板50が備えられている。また、前記主制御基板50には、当該基板50から伝送された各種制御信号に基づき前記図柄表示装置51に対して図柄制御を行うための図柄制御基板52が接続されている。
【0004】
そして、前記主制御基板50には、遊技機を統括して制御するCPU(図示しない)や制御に必要な全ての制御情報(例えば、大当りや表示する図柄を決定するための乱数、各図柄の変動パターンなど)を記憶保持したROM(図示しない)などが備えられている。また、前記図柄表示装置51には、図柄表示器(表示機器)53が備えられており、当該図柄表示器53は、複数個(図5では64個とする。)の発光体Lを行列状(図5では8行×8列とする。)に配置して構成されている。
【0005】
そして、前記図柄制御基板52には、前記主制御基板50から受けた各種制御信号に基づき前記図柄制御のための各種情報を演算処理するCPU54が備えられている。また、前記CPU54と前記主制御基板50との間には入力ポート55が配設されており、前記CPU54は前記各種制御信号を前記入力ポート55を介して入力するようになっている。さらに、前記CPU54には、前記演算処理を行うための各種制御プログラムなどを記憶保持したROM56と、演算した各種情報などを記憶保持するためのRAM57が接続されている。また、前記CPU54には、演算処理された各種情報に基づいて前記図柄表示器53を制御するための第1の制御部(コモンドライバー)58及び第2の制御部(セグメントドライバー)59が各々8本の伝送線を介して接続されている。
【0006】
また、前記第1の制御部58は、前記図柄表示器53において行側(8行)に配置されている発光体Lの点灯/非点灯を、前記第2の制御部59は、列側(8列)に配置されている発光体Lの点灯/非点灯を制御するようになっている。即ち、ドットマトリクス式の図柄表示装置51では、行と列との関係により点灯/非点灯する発光体Lを特定し、その特定された発光体Lの点灯により図柄を発光表示させている。そして、前記第1の制御部58及び第2の制御部59は、コネクタ60を介して各々8本の伝送線によって前記図柄表示器53に接続されている。なお、前記各制御部58,59と前記コネクタ60とを接続するための各伝送線には、電流制限用の抵抗(図示しない)が配設されている。
【0007】
従って、図柄制御基板52は、主制御基板50から受けた各種制御信号を図柄制御のための各種情報に演算処理し、該情報を所定信号として前記第1,第2の制御部58,59に対し伝送する。そして、前記第1,第2の制御部58,59は、前記所定信号を構成する各種情報に基づいて前記図柄表示器53を制御し、当該表示器53には、所定の図柄が発光表示されるようになっている。
【0008】
このとき、前記第1の制御部58は、前記図柄表示器53を構成する8行の発光体Lを制御するようになっている。また、前記第2の制御部59も同様に、前記図柄表示器53を構成する8列の発光体Lを制御するようになっている。即ち、第1,第2の制御部58,59は、各々8本の伝送線を使用して前記図柄表示器53に対し前記所定信号を伝送している。そのため、前記図柄制御基板52は、図柄表示器53を高速処理することが可能となり、高度な図柄制御を実現することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のパチンコ遊技機では、前記図柄制御基板52側に前記図柄表示装置51を制御するためのCPU54、ROM56、RAM57及び第1,第2の制御部58,59などが配設されている。その一方で、前記図柄表示装置51側には、前記所定信号を構成する各種情報によって制御される図柄表示器53を配設する形態となっている。また、従来のパチンコ遊技機では、前述のように、前記図柄制御基板52(第1,第2の制御部58,59)と図柄表示装置51(図柄表示器53)との間において、前記所定信号を伝送する形態となっている。
【0010】
そのため、前述のように、図柄表示器53を8行×8列に配置した64個の発光体Lで構成した場合には、各制御部58,59では各々8本の伝送線が必要となることから、図柄制御基板52と図柄表示装置51は16本の伝送線を介して接続されることになる。また、例えば、192個の発光体Lを8行×24列で配置した図柄表示器53であれば、図柄表示装置51と図柄制御基板52とは32本の伝送線を介して接続されることになる。従って、パチンコ遊技機の組み付け時には膨大な本数の伝送線を扱うことになるため、組み付け性の低下やコスト高の要因となっていた。
【0011】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、高度な図柄制御を維持しつつ、図柄制御基板と図柄表示装置とを接続するための伝送線の本数を削減することにより組み付け性の向上やコスト削減に貢献することができるパチンコ遊技機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、行列状に複数の発光体を配置し、行方向に配置した複数の発光体の点灯及び非点灯を行単位で制御するとともに列方向に配置した複数の発光体の点灯及び非点灯を列単位で制御することにより、点灯の指示がなされた行と点灯の指示がなされた列とが重なり合う位置の発光体を点灯させて所定の図柄を表示する表示機器を有する発光式図柄表示装置を備えたパチンコ遊技機において、前記図柄表示装置の制御対象である発光体に対して図柄制御のための所定信号を伝送する図柄制御基板を備え、前記図柄制御基板には前記図柄表示装置における表示機器の種類に関係なく共通使用可能な共通制御機器を配設する一方で、前記図柄表示装置には当該図柄表示装置における表示機器に対して専用使用される複数種類の専用制御機器を配設し、前記各種専用制御機器を前記表示機器に対し各々による制御対象が異なるように、かつ前記専用制御機器間での信号の入出力ができないように各別に接続し、前記図柄制御のための所定信号を前記図柄制御基板から前記図柄表示装置に対して6本の信号線を介してシリアル伝送するように構成し、前記6本の信号線として、行方向に配列した発光体が接続される第1の専用制御機器が1行に接続されている全ての発光体に点灯を指示する行数分の第1の点灯指示情報からなる第1の図柄制御信号を伝送する第1の図柄制御信号線と、前記所定の図柄を表示するために点灯させるべき発光体が接続されている行に対応する前記第1の点灯指示情報の読込みを前記第1の専用制御機器に指示する第1の読込指示情報からなる第1の読込信号を、前記第1の図柄制御信号の伝送タイミングに合わせて伝送する第1の読込信号線と、列方向に配列した発光体が接続される第2の専用制御機器が各行に対して1列に接続されている全ての発光体に点灯を指示する列数分の第2の点灯指示情報からなる第2の図柄制御信号を伝送する第2の図柄制御信号線と、前記所定の図柄を表示するために点灯させるべき発光体が接続されている列に対応する前記第2の点灯指示情報の読込みを前記第2の専用制御機器に指示する第2の読込指示情報からなる第2の読込信号を、前記第2の図柄制御信号の伝送タイミングに合わせて伝送する第2の読込信号線と、前記第1,第2の専用制御機器に対し、前記第1,第2の点灯指示情報及び前記第1,第2の読込指示情報をもとに、点灯の指示がなされる行と点灯の指示がなされる列とが重なり合う位置に配置されている点灯させるべき発光体を確定し、前記表示機器に対する図柄の表示態様を確定させるための確定信号を伝送する確定信号線と、前記第1,第2の専用制御機器に対し、前記第1の専用制御機器が行側から発光体を制御するための全ての情報の無効化を指示するとともに、前記第2の専用制御機器が列側から発光体を制御するための全ての情報の無効化を指示する無効化信号を、前記図柄表示装置に表示させた前記所定の図柄を非表示させる時に伝送する無効化信号線と、を備え、前記第1の専用制御機器と前記第2の専用制御機器が、前記第1,第2の点灯指示情報、前記第1,第2の読込指示情報及び前記確定信号をもとに1行毎に点灯させるべき発光体を順次確定し、点灯の指示がなされた行と点灯の指示がなされた列とが重なり合う位置の発光体を点灯させることによって前記所定の図柄を表示することを要旨とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパチンコ遊技機において、前記共通制御機器は、前記図柄表示装置における表示機器の種類が変更された場合、交換することなく継続使用可能な交換不要機器、若しくは、前記図柄制御のための各種制御情報を書き換えることにより再使用可能な再使用機器であることを要旨とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るパチンコ遊技機(以下、「遊技機」という。)を具体化した一実施形態を図1〜図4に基づき説明する。
【0019】
図1に略示するように、遊技機10において機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。そして、前記中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付け整合されている。さらに、前記中枠12の下部には下球皿16、打球発射装置17等が装着されている。また、前記遊技盤13の遊技領域の略中央には、各種遊技状態(大当り状態、リーチ状態、はずれ状態など)を決定するために図柄を変動させて図柄組み合わせゲームを行う図柄表示手段としての図柄表示装置18が配設されている。
【0020】
ここで、前記図柄表示装置18の具体的構成について図2に基づき説明する。前記図柄表示装置18には、図2で示すように複数列(本実施形態では、3列)の第1図柄19、第2図柄20及び第3図柄21を各列毎に発光表示する表示機器としての図柄表示器Hが備えられている。なお、「表示」とは、前記図柄表示器Hにおいて遊技者が図柄を識別できる状態で前記図柄が停止していることであり、「停止」には、所謂、ゆれ変動と言われる一旦停止状態と完全に停止した確定停止状態の何れの状態も含まれている。
【0021】
そして、前記図柄表示器Hは、複数個(本実施形態では64個)の発光体L(例えば、発光ダイオード)を行列状(マトリクス状)に、例えば、8行×8列に配置して構成されている。また、前記図柄表示器Hには、単色(例えば、赤色のみ)、若しくは、複数色(例えば、赤色、青色、緑色の三色)の発光体Lが使用されている。そして、このように構成された前記図柄表示器Hでは、所定の位置に配置された前記発光体Lを点灯/非点灯させるように前記図柄表示器Hを制御することにより、数字図柄(0〜9など)や文字図柄(又は絵図柄)が発光表示されるようになっている。即ち、本実施形態の図柄表示装置18は、所謂、ドットマトリクス式の図柄表示装置18とされている。なお、図2には、前記第1図柄19〜第3図柄21として図柄「7」が前記図柄表示器Hに発光表示された様子が示されている。
【0022】
そして、前記遊技機10では、前記図柄表示装置18(図柄表示器H)に発光表示された第1〜第3図柄19〜21の組み合わせの態様から大当り状態、リーチ状態、若しくは、はずれ状態の何れかの遊技状態が認識できるようになっている。例えば、図2に示すように、前記図柄表示器Hに第1〜第3図柄19〜21が同一の図柄(「7」)で表示された場合には、その組み合わせの態様から大当り状態を認識することができる。
【0023】
また、前記遊技機10の機裏側には、遊技内容を統括して制御する主制御基板(以下、「主基板」という。)24が装着されている(図1に点線で示す。)。そして、前記主基板24には、当該主基板24からの各種制御信号を受けて、図柄制御のための各種情報を演算し、該情報を所定信号として図柄表示装置18に伝送処理する図柄制御手段としての図柄制御基板(以下、「図柄基板」という。)25が接続されている(図1に点線で示す。)。即ち、前記図柄基板25は、前記図柄表示装置18(図柄表示器H)に対し前記所定信号を伝送して図柄制御を行うことで、前記図柄表示器Hでは、図柄組み合わせゲームによって前記第1〜第3図柄19〜21が各列毎に表示されるようになっている。
【0024】
次に、前記主基板24、図柄基板25及び図柄表示装置18の具体的な構成について図3に基づき詳細に説明する。
前記主基板24には、遊技機10を統括して制御するCPU(図示しない)及び遊技機10の制御に必要な全ての制御情報(例えば、遊技状態を決定するための各種乱数や各図柄の変動パターン)を記憶保持したROM(図示しない)などが備えられている。
【0025】
なお、「各種乱数」とは、その乱数から抽出された数値に基づき遊技機10の遊技状態、第1〜第3図柄19〜21として表示する図柄(確定停止図柄)、及び、各図柄の変動パターンなどを決定するものである。そして、前記主基板24には、前記乱数として大当り判定用乱数、大当り図柄乱数、各はずれ図柄乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分け乱数などが記憶保持されている。また、「変動パターン」とは、図柄表示器Hにおいて、図柄の変動表示を開始してから、前記第1〜第3図柄19〜21が表示されるまでの間において、前記変動パターン毎に予め定められた変動時間内における図柄の動作パターンを示したものである。即ち、変動パターンは、前記図柄表示装置18で行われる演出に相当するものであって、例えば、リーチ状態となった時に特定の図柄をコマ送り、高速送り、若しくは、キャラクタを動作させるなど図柄の動作パターンが示されている。
【0026】
従って、前記図柄組み合わせゲームは、前述した各種乱数の抽出値によって決定される遊技状態、第1〜第3図柄19〜21及び変動パターンなどに基づいて行われるようになっている。そして、前記主基板24は、前記図柄基板25に対し前記図柄組み合わせゲームを行うための図柄制御を指示する前記各種制御信号を伝送するようになっている。なお、前記主基板24から伝送される制御信号としては、例えば、図柄の変動表示の開始及び変動パターンを指示する変動開始コマンド、第1〜第3図柄19〜21の確定停止図柄を各列毎に指示する図柄指定コマンド及び第1〜第3図柄19〜21を確定停止させる全図柄停止コマンドとなっている。
【0027】
一方、前記図柄基板25には、前記主基板24から受けた各種制御信号を前記図柄制御のための各種情報を演算処理する処理部を構成するCPU30が備えられている。また、前記CPU30と主基板24との間には入力ポート31が配設されており、前記CPU30は前記各種制御信号を前記入力ポート31を介して入力するようになっている。さらに、前記CPU30には、記憶部を構成するROM32及びRAM33が接続されている。そして、前記ROM32には、前記演算処理を行うための各種制御プログラムなどの制御情報が記憶保持されている。また、前記RAM33には、前記入力ポート31を介して入力した前記各種制御信号(各コマンド)や演算処理された各種情報などが記憶保持されるようになっている。
【0028】
そして、前記CPU30は、前記主基板24から前記各コマンドなどの制御信号を入力すると、前記ROM32に記憶保持された各種制御プログラムに基づき前記図柄制御のための各種情報を演算処理するようになっている。また、前記CPU30には、演算処理された各種情報を所定信号として前記図柄表示装置18に伝送するための処理部を構成するシリアルポート34が接続されている。そして、前記CPU30は、前記シリアルポート34を通じて、前記図柄基板25と前記図柄表示装置18との間に配設されている複数本(本実施形態では6本)の伝送線としての信号線35から前記所定信号を図柄表示装置18に対してシリアル伝送するようになっている。
【0029】
一方、前記図柄表示装置18には、前記図柄基板25から伝送された前記所定信号を入力すると共に、前記図柄表示装置18に配設された各種機器(例えば、図柄表示器Hを制御する第1,第2の制御部37,38)を情報伝送阻害要因から保護するための保護機器(バッファ)36が設けられている。なお、「情報伝送阻害要因」とは、前記図柄基板25側で発生したノイズである。そして、前記保護機器36は、前記図柄基板25側でノイズが発生した場合に図柄表示装置18側に流れ込む過電流を受け止めており、当該過電流から前記各機器を保護するようになっている。従って、前記図柄表示装置18(図柄表示器H、第1,第2の制御部37,38など)が破壊されることを抑制することができる。
【0030】
また、前記保護機器36には、前記図柄表示器Hを構成する前記発光体Lの点灯/非点灯を制御するための第1の制御部(コモンドライバー)37及び第2の制御部(セグメントドライバー)38が接続されている。そして、前記第1の制御部37は、前記図柄表示器Hにおいて、行側(8行)に配置されている発光体Lの点灯/非点灯を制御するようになっている。一方、前記第2の制御部38は、前記図柄表示器Hにおいて、列側(8列)に配置されている発光体Lの点灯/非点灯を制御するようになっている。また、本実施形態においては、前記第1の制御部37及び第2の制御部38により前記図柄表示器Hの点灯/非点灯を制御する制御部が構成されている。
【0031】
そして、前記第1,第2の制御部37,38は、前記図柄表示器Hに対し各々による制御対象が異なるように各別に接続されている。
なお、「制御対象」とは、図柄表示器Hにおいて前記各制御部37,38によって制御される対象(主体)となるものである。そして、前述したドットマトリクス式の図柄表示装置18の場合、第1の制御部37は行側に配置されている発光体Lを制御対象(第1の制御対象)とし、第2の制御部38は列側に配置されている発光体Lを制御対象(第2の制御対象)としている。即ち、第1の制御部37と第2の制御部38は、異種の制御対象を制御していることから異種の制御部(複数種類の専用制御機器)として位置付けることができる。また、「各別に接続される」とは、前記第1,第2の制御部37,38が独立しており、両制御部37,38間において信号の入出力が出来ない状態で図柄表示器Hに対して接続されていることを言う。
【0032】
そして、前記第1の制御部37は、前記図柄基板25から伝送された前記所定信号を構成する情報に基づき前記発光体Lを行単位で制御するようになっている。即ち、前記第1の制御部37と前記図柄表示器Hとは、8本の信号線COM1〜COM8によって接続されている。そして、前記第1の制御部37は、前記所定信号を構成する情報に基づいて、各行毎に点灯/非点灯を制御すると共に、各行を構成する全ての発光体L(各8個)を同時に並行して制御するようになっている。
【0033】
また、前記第1の制御部37と図柄表示器Hとの間であって、前記各信号線COM1〜COM8には、増幅機器(トランジスタ)39が接続されている。そして、前記増幅機器39は、前記第1の制御部37から出力された所定信号に対応する情報伝送媒体(電流)の出力を増幅させるようになっている。
【0034】
従って、第1の制御部37から出力された所定信号は、前記増幅機器39によって増幅されることにより、図柄表示器Hに対して正確な図柄制御を実現できる。なお、前記増幅機器39は、出力が弱い第1,第2の制御部37,38に対して接続されていれば良く、前記第2の制御部38側に接続されたり、若しくは、前記両制御部37,38に接続されていても良い。
【0035】
また、前記第2の制御部38は、前記図柄基板25から伝送された前記所定信号を構成する情報に基づき前記発光体Lを列単位で制御するようになっている。即ち、前記第2の制御部38と前記図柄表示器Hとは、8本の信号線SEG1〜SEG8によって接続されている。そして、前記第2の制御部38は、前記所定信号を構成する情報に基づいて、各列毎に点灯/非点灯を制御すると共に、各列を構成する全ての発光体L(各8個)を同時に並行して制御するようになっている。
【0036】
従って、このように構成されたドットマトリクス式の図柄表示装置18では、前記各制御部37,38によって点灯/非点灯が制御された行と列との関係により点灯する発光体Lが特定されるようになっている。そして、その特定された発光体Lが点灯することにより、前記図柄表示器Hには前記第1〜第3図柄19〜21が発光表示されるようになっている。例えば、図3に示した図柄表示器Hにおいて、発光体L1を点灯させる場合、第1の制御部37が信号線COM1に接続された発光体Lの点灯を指示すると共に、第2の制御部38が信号線SEG8に接続された発光体Lの点灯を指示するようになっている。その結果、前記信号線COM1と信号線SEG8とが重なりあう位置(座標)に接続されている発光体L1が点灯するようになっている。
【0037】
次に、前記図柄基板25と図柄表示装置18とを接続するための前記信号線35の種類、及び、前記信号線35を介して伝送された所定信号を構成する情報に基づき図柄表示器Hが制御される態様を具体的に説明する。
【0038】
前記図柄基板25のCPU30は、前記主基板24からの各種制御信号(各コマンド)を受けて、当該制御信号を図柄制御のための各種情報を演算処理し、当該情報を所定信号として前記図柄表示装置18に対して伝送するようになっている。即ち、前記CPU30では、前記図柄指定コマンドによって指示された図柄を前記図柄表示器Hに表示させるべく以下に説明する所定信号を前記図柄表示装置18に対し伝送するようになっている。
【0039】
前記CPU30は、前記第1の制御部37が各行(信号線COM1〜COM8)に接続されている発光体Lを制御するための第1の図柄制御信号(以下、「FLM信号」という。)を伝送するようになっている。そして、前記FLM信号は、各行に接続されている全ての発光体Lに点灯を指示するための情報から構成された信号となっている。即ち、前記FLM信号は、第1の制御部37が各信号線COM1〜COM8に対して各行別に点灯を指示する8個の情報から構成されており、これらの情報はCPU30において演算処理されている。より具体的に言えば、前記FLM信号は、信号線COM1に対する情報、信号線COM2に対する情報、信号線COM3に対する情報、信号線COM4に対する情報、信号線COM5に対する情報、信号線COM6に対する情報、信号線COM7に対する情報、及び、信号線COM8に対する情報から構成されている。
【0040】
そして、前記CPU30は、信号線COM1に対する情報→信号線COM2に対する情報→・・・→信号線COM7に対する情報→信号線COM8に対する情報という順番でFLM信号として伝送するようになっている。このとき、前記CPU30は、FLM信号を、前記図柄基板25(シリアルポート34)と図柄表示装置18(保護機器36)とを接続する第1の図柄制御信号伝送線としてのFLM用信号線を介して伝送するようになっている。
【0041】
また、前記CPU30は、前記第1の制御部37に対し、前記FLM用信号線を通じて伝送した前記FLM信号の読込みを指示する第1の読込信号(以下、「FCK信号」という。)を伝送するようになっている。そして、前記FCK信号は、各行に接続されている全ての発光体Lのうち、実際に点灯を指示する行に対する情報を前記第1の制御部37に読込ませるための情報から構成された信号となっている。即ち、前記FCK信号は、INT信号、若しくは、ストローブ信号に相当している。
【0042】
そして、前記CPU30は、前記FLM信号の伝送タイミングに併せて、前記FCK信号を第1の制御部37に対し伝送するようになっている。このとき、前記CPU30は、前記FCK信号を、前記図柄基板25(シリアルポート34)と図柄表示装置18(保護機器36)とを接続する第1の読込信号伝送線としてのFCK用信号線を介して伝送するようになっている。
【0043】
そして、前記第1の制御部37では、FLM用信号線を介して伝送された前記FLM信号を構成する信号線COM1〜COM8に対応する情報を前記各信号線COM1〜COM8に伝送する。また、第1の制御部37は、実際に点灯させる発光体Lを含む信号線COM1〜COM8に対してのみに前記FCK用信号線を介して伝送されたFCK信号を構成する情報を伝送する。その結果、図柄表示器Hでは、前記点灯を指示する情報と共に読込みを指示する情報が伝送された行(信号線COM1〜COM8)を構成する発光体Lの制御が行われるようになっている。
【0044】
また、前記CPU30は、前記第2の制御部38が各列(信号線SEG1〜SEG8)に接続されている発光体Lを制御するための第2の図柄制御信号(以下、「SID信号」という。)を伝送するようになっている。そして、前記SID信号は、各列に接続されている全ての発光体Lに点灯を指示するための情報から構成された信号となっている。即ち、前記SID信号は、第2の制御部38が各信号線SEG1〜SEG8に対して各列別に点灯を指示する情報から構成されており、これらの情報はCPU30において演算処理されている。
【0045】
ここで、SID信号を構成する情報を具体的に説明すると、図柄表示器Hでは、第1の制御部37が1本の信号線COM1に接続された全ての発光体Lの制御を行う際に、第2の制御部38が8本の信号線SEG1〜SEG8に接続された発光体Lの制御を行う態様となっている。即ち、前記図柄表示器Hでは、1行毎(信号線COM1〜COM8毎)に点灯する発光体Lの位置が特定されるようになっている。そのため、1本の信号線COM1に接続された発光体Lの点灯を指示する1個の情報に対して、8本の信号線SEG1〜SEG8に接続された発光体Lの点灯を指示する8個の情報が必要となっている。従って、CPU30は、前記第2の制御部38が各信号線SEG1〜SEG8に対して各列別に点灯を指示する64個(8行×8列)の情報を演算処理し、該情報をSID信号として伝送するようになっている。即ち、CPU30では、信号線COM1に対する情報に対応して、信号線SEG1に対する情報、信号線SEG2に対する情報、・・・、信号線SEG7に対する情報、及び、信号線SEG8に対する情報が演算処理されている。また、同様に、CPU30では、信号線COM2〜COM8に各別に対応して、信号線SEG1〜SEG8に対する情報が演算処理されている。
【0046】
そして、前記CPU30は、信号線COM1に対応する信号線SEG1〜SEG8に対する情報→信号線COM2に対応する信号線SEG1〜SEG8に対する情報→・・・という順番でSID信号として伝送するようになっている。このとき、前記CPU30は、SID信号を、前記図柄基板25(シリアルポート34)と図柄表示装置18(保護機器36)とを接続する第2の図柄制御信号伝送線としてのSID用信号線を介して伝送するようになっている。
【0047】
また、前記CPU30は、前記第2の制御部38に対し、前記SID用信号線を通じて伝送した前記SID信号の読込みを指示する第2の読込信号(以下、「SCK信号」という。)を伝送するようになっている。そして、前記SCK信号は、各列に接続されている全ての発光体Lのうち、実際に点灯を指示する列に対する情報を前記第2の制御部38に読込ませるための情報から構成された信号となっている。即ち、前記SCK信号は、INT信号、若しくは、ストローブ信号に相当している。
【0048】
そして、前記CPU30は、前記SID信号の伝送タイミングに併せて、前記SCK信号を第2の制御部38に対し伝送するようになっている。このとき、前記CPU30は、前記SCK信号を、前記図柄基板25(シリアルポート34)と図柄表示装置18(保護機器36)とを接続する第2の読込信号伝送線としてのSCK用信号線を介して伝送するようになっている。
【0049】
そして、前記第2の制御部38では、SID用信号線を介して伝送された前記SID信号を構成する信号線SEG1〜SEG8に対応する情報を前記各信号線SEG1〜SEG8に伝送する。また、第2の制御部38は、実際に点灯させる発光体Lを含む信号線SEG1〜SEG8に対してのみに前記SCK用信号線を介して伝送されたSCK信号を構成する情報を伝送する。その結果、図柄表示器Hでは、前記点灯を指示する情報と共に読込みを指示する情報が伝送された列(信号線SEG1〜SEG8)を構成する発光体Lの制御が行われるようになっている。
【0050】
また、前記CPU30は、FLM信号とFCK信号、及び、SID信号とSCK信号を構成する各情報から得ることができる前記図柄表示器Hに対する図柄の表示態様を確定する確定信号(以下、「DLT信号」という。)を伝送するようになっている。即ち、前記DLT信号は、FLM信号とFCK信号、及び、SID信号とSCK信号により実際に点灯が指示された発光体Lを確定するための情報から構成された信号となっている。なお、前記DLT信号は、ラッチ信号に相当している。
【0051】
そして、CPU30は、DLT信号を第1の制御部37及び第2の制御部38に対し、同一の信号線を介して伝送するようになっている。即ち、前記CPU30は、前記DLT信号を、前記図柄基板25(シリアルポート34)と図柄表示装置18(保護機器36)とを接続する確定信号伝送線としてのDLT用信号線を介して伝送するようになっている。そのため、前記DLT用信号線は、第1の制御部37及び第2の制御部38に対してDLT信号を伝送するために共用化されている。従って、前記各制御部37,38に対して前記DLT信号を伝送するためのDLT用信号線を設ける必要がなく、信号線35の本数を削減することができる。なお、「図柄表示器Hに対する図柄の表示態様」とは、図柄表示器Hに表示される図柄の種類を示しており、ドットマトリクス式の図柄表示装置18においては、点灯する発光体Lの位置によって表示する図柄の種類が決定される。
【0052】
また、前記CPU30は、前記図柄の表示態様に対応するFLM信号及びSID信号を無効化するための無効化信号(以下、「ENB信号」という。)を伝送するようになっている。そして、前記ENB信号は、第1の制御部37が読込んだFLM信号及び第2の制御部38が読込んだSID信号を消去し、図柄表示器Hに表示された図柄を強制的に非表示させるための情報から構成された信号となっている。即ち、ENB信号は、第1,第2の制御部37,38に残存しているFLM信号及びSID信号を構成する各情報によって図柄表示器Hの制御に影響を与える阻害要因を排除している。従って、ドットマトリクス式の図柄表示装置18の場合には、発光体Lの点灯/非点灯が速やかに行われることになり、所謂、「ちらつき」を抑制することができる。
【0053】
そして、前記CPU30は、前記ENB信号を第1の制御部37及び第2の制御部38に対し、同一の信号線を介して伝送するようになっている。即ち、前記CPU30は、前記ENB信号を、前記図柄基板25(シリアルポート34)と図柄表示装置18(保護機器36)とを接続する無効化信号伝送線としてのENB用信号線を介して伝送するようになっている。そのため、前記ENB用信号線は、第1,第2の制御部37〜40に対してENB信号を伝送するために共用化されている。従って、前記各制御部37,38に対して前記ENB信号を伝送するためのENB用信号線を設ける必要が無く、信号線35の本数を削減することができる。
【0054】
そして、前記図柄表示器Hは、前記CPU30から伝送される前記各信号に基づき制御されるようになっている。
即ち、前記CPU30は、最初に、前記第2の制御部38に対して前記SID用信号線を介してSID信号を伝送する。このとき、SID信号を構成する情報は、前述のように、信号線COM1に対応する信号線SEG1〜SEG8に対する情報から順に伝送される。また、前記CPU30は、前記SID信号の伝送タイミングに併せて、前記第2の制御部38に対してSCK用信号線を介してSCK信号を伝送する。その結果、前記第2の制御部38では、SCK信号が入力される毎に、前記SID信号を構成する各信号線SEG1〜SEG8に接続された発光体Lを制御するための情報が読込まれる。
【0055】
次に、前記CPU30は、前記第1の制御部37に対してFLM用信号線を介してFLM信号を伝送する。このとき、FLM信号を構成する情報は、前述のように、信号線COM1に対する情報から順に伝送される。また、前記CPU30は、前記FLM信号の伝送タイミングに併せて、前記第1の制御部37に対してFCK用信号線を介してFCK信号を伝送する。その結果、前記第1の制御部37では、FCK信号の入力によって信号線COM1に接続された発光体Lを制御するための情報が読込まれる。
【0056】
次に、前記CPU30は、DLT用信号線を介して第1の制御部37及び第2の制御部38に対してDLT信号を伝送する。その結果、FLM信号とFCK信号、及び、SID信号とSCK信号により実際に点灯が指示された発光体Lの位置が特定され、前記信号線COM1に接続された発光体Lおいて図柄表示器Hに対する図柄の表示態様が確定される。
【0057】
また、SID用信号線では、信号線COM2に対応する信号線SEG1〜SEG8に対する情報が、FLM用信号線では信号線COM2に対する情報が各々伝送される。そして、DLT信号によって、前記信号線COM2に接続された発光体Lにおいて図柄表示器Hに対する図柄の表示態様が確定される。以下、同様に、信号線COM3〜COM8に各々接続された発光体Lおいて図柄表示器Hに対する図柄の表示態様が確定すると、前記図柄表示器Hでは所定の図柄が発光表示されるようになっている。その後、前記CPU30は、前記第1,第2の制御部37,38に対しENB用信号線を介してENB信号を伝送することにより、図柄表示器Hに表示された図柄が非表示される。
【0058】
そして、本実施形態では、前記図柄基板25側に前記図柄表示器Hの種類に関係なく共通使用可能なCPU30、入力ポート31、ROM32、RAM33及びシリアルポート34などの共通制御機器が配設されている。一方で、前記図柄表示装置18側には、図柄表示器Hに対して専用使用される第1の制御部37及び第2の制御部38などの専用制御機器が配設されている。
【0059】
その結果、図柄基板25と図柄表示装置18とは、前記シリアルポート34と保護機器36との間において6本の信号線35(FLM用信号線、FCK用信号線、SID用信号線、SCK用信号線、DLT用信号線、ENB用信号線)を介して接続することができる。即ち、前記第1,第2の制御部37,38が図柄基板25側に配設されている場合(従来の技術)には、図柄表示器Hを構成する発光体Lの行数及び列数に応じた本数の信号線によって前記図柄基板25と図柄表示装置18は接続されることになる。例えば、8行×8列の図柄表示器Hの場合には、第1の制御部37には信号線COM1〜COM8が、第2の制御部38には信号線SEG1〜SEG8が必要となる。そのため、前記図柄基板25と図柄表示装置18は16本の信号線によって接続されることになる。
【0060】
これに対し、本実施形態のように、第1,第2の制御部37,38を図柄表示装置18側に配設した場合には、前述のように6本の信号線35によって図柄基板25と図柄表示装置18を接続することができる。従って、信号線35の本数を削減することができ、遊技機10の組み付け性の向上やコスト削減に貢献することができる。
【0061】
次に、本実施形態における前記図柄基板25と図柄表示装置18の構成についてさらに詳細に説明する。
即ち、本実施形態の図柄基板25及び図柄表示装置18には、遊技機10の機種変更時に図柄表示器Hの種類が変更された場合でもゴミの現出を抑制できるように前記共通制御機器と専用制御機器を区分けして配設している。
【0062】
ここで、前記図柄表示器Hの種類の変更態様を説明する。
図柄表示器Hとしては、前述したドットマトリクス式の図柄表示装置18の他に、7セグメント式の図柄表示装置や機械式(ドラム式又はベルト式)の図柄表示装置などが広く知られている。因みに、前者の7セグメント式の図柄表示装置では、1列の図柄が7個の発光体(発光ダイオード)を「8」の字状に配置して構成されている。そして、1列の図柄を表示する際に所定の位置に配置されている発光体を点灯/非点灯させることにより数字図柄や文字図柄を発光表示させるように構成されたものである。また、後者の機械式の図柄表示装置は、ドラム式又はベルト式をなす図柄表示部に予め複数種類の図柄を表示しておき、前記図柄表示部をモータなどの駆動源を使用して回転制御することにより所定の図柄を表示させるように構成されたものである。
【0063】
そして、遊技機10の機種変更時には、その遊技内容に応じて、例えば、ドットマトリクス式の図柄表示装置18(図柄表示器H)から機械式(又は7セグメント式)の図柄表示装置に変更される場合がある。従って、このような場合には、各図柄表示装置18(図柄表示器H)の構成及び制御態様が異なることから図柄表示器Hの種類が変更されたことになる。
【0064】
また、それ以外の変更態様としては、例えば、同種のドットマトリクス式の図柄表示装置18であっても、遊技機10の機種変更時には、その遊技内容に応じて発光体Lの配列数(行×列)や配置する発光体Lの個数が変更される場合がある。より具体的に例示すれば、配列数については8行×8列の図柄表示器Hから8行×24列の図柄表示器Hに変更する場合や、発光体Lの個数については64個から192個に変更する場合などである。また、同様に、機械式、若しくは、7セグメントLED式の図柄表示装置であっても、表示する図柄の列数に応じて図柄表示部や発光体の数を変更する場合がある。そして、これらの場合においても、各図柄表示装置18(図柄表示器H)の構成及び制御態様が異なることから図柄表示器Hの種類が変更されたことになる。
【0065】
そのため、本実施形態では、前述した図柄表示器Hの種類の変更態様に基づき、前記図柄基板25側に配設する共通制御機器と図柄表示装置18側に配設する専用制御機器とを区分けしている。
【0066】
そして、前記図柄基板25は、遊技機10の機種変更時に交換の対象とならない非交換部位とされている。従って、前記図柄基板25には、機種変更時において交換する必要がない機器、即ち、図柄表示器Hの種類に関係なく共通使用可能な前記共通制御機器を配設している。
【0067】
なお、「非交換部位」とは、機種変更後の遊技機10においてパチンコ遊技を行う上で何ら遊技に影響を与えない部位であり、前記遊技機10の外観変更や破損などの特別な理由がない限り交換する必要のない部位である。因みに、遊技機10の機種変更時においては、主に遊技盤13、主基板24などが交換の対象となる交換部位とされている。また、「共通制御機器」とは、遊技機10の機種変更時に図柄表示器H(図柄表示装置18)の種類が前述した変更態様に基づき変更された場合でも、交換することなく継続使用可能な交換不要機器である。又は、その機器自体に記憶保持されている前記図柄制御のための各種制御情報を書き換えることにより再使用可能な再使用機器である。
【0068】
そして、図柄基板25に配設された前記CPU30は、主基板24からの制御信号を受けて、前記ROM32に記憶保持されている制御情報(各種制御プログラム)に基づき各種情報(FLM信号やSID信号を構成する情報など)を演算処理するようになっている。そのため、前記CPU30は、ROM32に記憶保持された制御情報が前記図柄表示器Hの種類に適合している場合に所定の演算処理を行うことができることから共通制御機器(交換不要機器)とすることができる。
【0069】
また、前記入力ポート31は、前記主基板24と前記CPU30とを接続するための機器であることから共通制御機器(交換不要機器)とすることができる。さらに、前記シリアルポート34は、前記図柄基板25(CPU30)と前記図柄表示装置18(保護機器36)とを接続するための機器であることから共通制御機器(交換不要機器)とすることができる。即ち、前記入力ポート31及びシリアルポート34は、主基板24とCPU30、若しくは、CPU30と保護機器36とを接続しており、前記図柄表示器Hの種類に関係なく使用することができる。
【0070】
また、前記ROM32には、図柄表示器Hの種類に適合した制御情報(各種制御プログラムなど)が記憶保持されている。さらに、RAM33には、前記CPU30が演算処理した各種情報など、パチンコ遊技の進行に伴って適宜書き換えられる情報が記憶保持されている。しかしながら、前記ROM32やRAM33は、図柄表示器Hの種類に応じて記憶保持される情報の内容が異なっているに過ぎず、その機器自体は前記図柄表示器Hの種類に関係なく使用できるようになっている。そのため、前記ROM32は、記憶保持する情報を前記図柄表示器Hの種類に適合するように書き換えることにより再使用することができる。また、前記RAM33は、記憶保持された情報を消去することにより再使用することができる。従って、前記ROM32やRAM33は、図柄制御のための各種制御情報を書き換える(消去も含む)ことにより再使用可能な共通制御機器(再使用機器)とすることができる。
【0071】
このように、前記CPU30、入力ポート31、ROM32、RAM33及びシリアルポート34は、図柄表示器Hの種類に関係なく共通使用可能であり、何れも非交換部位である前記図柄基板25に配設することができる。従って、遊技機10の機種変更時に前記図柄表示器Hの種類が変更された場合でも、図柄基板25は変更後の図柄表示器Hを制御するために使用することができ、ゴミの現出を抑制することができる。
【0072】
一方、図柄表示装置18側には、図柄表示器Hの種類に応じて専用使用される専用制御機器が配設されている。
なお、「専用制御機器」とは、遊技機10の機種変更時に図柄表示器H(図柄表示装置18)の種類が前述した変更態様に基づき変更された場合、変更後の図柄表示器(図柄表示装置)の制御を実行するにあたって交換が必要とされる交換必要機器である。
【0073】
そして、前記図柄表示装置18に配設された前記第1の制御部37及び第2の制御部38は、図柄基板25からの所定信号(FLM信号、FCK信号、SID信号、SCK信号、DLT信号、ENB信号)を受けて図柄表示器Hを直接制御する機器となっている。例えば、ドットマトリクス式の図柄表示装置18の場合、前記第1の制御部37は図柄表示器Hを構成する行側に配置されている発光体Lを、第2の制御部38は列側に配置されている発光体Lを制御するようになっている。これに対し、7セグメント式の図柄表示装置(例えば、図柄を3列表示するもの)の場合、第1の制御部37は図柄制御が行われる図柄の列を特定する一方で、第2の制御部38はその特定された列を構成する7個の発光体のうち点灯/非点灯させる発光体を特定するようになっている。そのため、遊技機10の機種変更時にドットマトリクス式から7セグメント式の図柄表示装置18(図柄表示器H)に変更された場合、前記第1,第2の制御部37,38は、その構成及び制御態様が異なることから交換が必要とされている。
【0074】
また、同種のドットマトリクス式の図柄表示装置18において、図柄表示器Hが8行×8列で構成されている場合、第1の制御部37は8行の発光体Lの点灯/非点灯を、第2の制御部38は8列の発光体Lの点灯/非点灯を制御するようになっている。これに対し、図柄表示器Hが5行×7列で構成されている場合、第1の制御部37は5行の発光体Lの点灯/非点灯を、第2の制御部38は7列の発光体Lの点灯/非点灯を制御するようになっている。そのため、遊技機10の機種変更時に8行×8列から5行×7列の発光体Lからなるドットマトリクス式の図柄表示装置18に変更された場合、前記第1,第2の制御部37,38は、その構成及び制御態様が異なることから交換が必要とされている。
【0075】
従って、前記第1,第2の制御部37,38は、図柄表示器Hの種類が変更された場合、その変更後の図柄表示器Hに適合する制御部に変更する必要があることから専用制御機器(交換必要機器)とすることができる。なお、図柄表示装置18側に配設されている保護機器36、増幅機器39などは、その機能上、図柄表示装置18側に配設せざる得ない機器である。そして、これらの各機器36,39は、図柄表示器Hの種類に関係なく使用できる機器であり、専用制御機器には該当しない。
【0076】
このように、前記第1の制御部37及び第2の制御部38は、図柄表示器Hに対して専用使用される機器であり、遊技機10の機種変更時に図柄表示器Hと共に交換されるようになっている。従って、遊技機10の機種変更時に前記図柄表示器Hの種類が変更された場合には、専用制御機器のみが廃棄処分されることになり、ゴミの現出を抑制することができる。
【0077】
次に、前述のように構成された遊技機10において、その機種変更時に図柄表示装置18(図柄表示器H)の種類が変更される場合について図3及び図4に基づき説明する。なお、以下の説明では、ドットマトリクス式の図柄表示装置18から機械式の図柄表示装置40に変更される態様を説明する。また、図3及び図4において、同一の構成には同一の番号を付し、その重複する説明は省略する。
【0078】
最初に、機械式の図柄表示装置40について図4に基づき説明する。
前記図柄表示装置40には、複数列(本実施形態では3列)の図柄を各列毎に表示する図柄表示器H’が備えられている。そして、前記図柄表示器H’には、その外周面に沿って図柄(数字図柄や文字図柄(又は絵図柄))が等間隔で順番に表示されたドラム式又はベルト式の第1〜第3の図柄表示部41〜43が備えられている。また、前記各図柄表示部41〜43には、当該各図柄表示部41〜43を各列別に回転駆動するための駆動部(モータ)M1〜M3が接続されている。
【0079】
従って、このように構成された機械式の図柄表示装置40では、前記各駆動部M1〜M3に対し図柄制御のための所定信号が伝送されると、当該信号に基づき前記各図柄表示部41〜43の制御(回転及び停止)が行われるようになっている。その結果、前記各図柄表示部41〜43は各列毎に所定の図柄を表示し、その図柄の組み合わせ態様から各種遊技状態を認識できるようになっている。
【0080】
そして、機械式の図柄表示装置40には、前記図柄基板25のシリアルポート34に対して前記信号線35を介して接続される前記保護機器36が設けられている。また、前記保護機器36には、前記図柄表示器H’を構成する前記各図柄表示部41〜43及び各駆動部M1〜M3を制御するための第1の制御部(コモンドライバー)44及び第2の制御部(コモンドライバー)45が接続されている。そして、前記第1の制御部44は、前記第1,第2の図柄表示部41,42及び第1,第2の駆動部M1,M2を制御するようになっている。一方、前記第2の制御部45は、前記第3の図柄表示部43及び第3の駆動部M3を制御するようになっている。
【0081】
そして、前記第1,第2の制御部44,45は、前記図柄表示器H’に対し各々による制御対象が異なるように各別に接続されている。
なお、前述のように、「制御対象」とは、図柄表示器H’において前記各制御部44,45によって制御される対象(主体)となるものである。そして、機械式の図柄表示装置40の場合、第1の制御部44は第1,第2の図柄表示部41,42及び第1,第2の駆動部M1,M2というように複数の制御対象を有し、第2の制御部は第3の図柄表示部43及び第3の駆動部M3を制御対象としている。即ち、前記第1の制御部44及び第2の制御部45は、同種の制御対象(図柄表示部と駆動部)を制御していることから同種の制御部(一種類の専用制御機器)として位置付けることができる。
【0082】
また、前記第1の制御部44は、第1の駆動部M1に対して電流を供給する各4つの位置(0度(=360度)、90度、180度、270度)を特定するための前記所定信号を伝送して制御している。そのため、前記第1の制御部44と前記第1の駆動部M1は、4本の信号線MT1−1〜MT1−4によって接続されている。そして、前記第1の制御部44は、前記所定信号を前記各信号線MT1−1〜MT1−4を通じて伝送し、前記第1の駆動部M1では該所定信号に基づき前記第1の図柄表示部41を回転駆動させている。
【0083】
また、前記第1の制御部44は、第2の駆動部M2に対して前記第1の駆動部M1と同様に前記所定信号を伝送して制御している。そのため、前記第1の制御部44と前記第2の駆動部M2は、4本の信号線MT2−1〜MT2−4によって接続されている。そして、前記第1の制御部44は、前記所定信号を前記各信号線MT2−1〜MT2−4を通じて伝送し、前記第2の駆動部M2では該所定信号に基づき前記第2の図柄表示部42を回転駆動させている。
【0084】
また、前記第1の制御部44と前記第1,第2の駆動部M1,M2との間であって、前記各信号線MT1−1〜MT1−4,MT2−1〜MT2−4には、前記増幅機器(トランジスタ)39及びコネクタ46が配設されている。
【0085】
一方、前記第2の制御部45は、第3の駆動部M3に対して前記第1の駆動部M1及び第2の駆動部M2と同様に前記所定信号を伝送して制御している。そのため、前記第2の制御部45と前記第3の駆動部M3は、4本の信号線MT3−1〜MT3−4によって接続されている。そして、前記第2の制御部45は、前記所定信号を前記各信号線MT3−1〜MT3−4を通じて伝送し、前記第3の駆動部M3ではその所定信号に基づき前記第3の図柄表示部43を回転駆動させている。また、前記第2の制御部45と前記第3の駆動部M3との間であって、前記各信号線MT3−1〜MT3−4には、前記増幅機器(トランジスタ)39及びコネクタ46が配設されている。
【0086】
そして、このように構成された機械式の図柄表示装置40は、前述した6本の信号線35(FLM用信号線、FCK用信号線、SID用信号線、SCK用信号、DLT用信号線、ENB用信号線)を介して前記図柄基板25と接続されている。即ち、ドットマトリクス式の図柄表示装置18を図柄基板25に接続した時(図3)と同じ信号線35を用いて接続することができる。また、前記図柄基板25のROM32及びRAM33は、記憶保持しているドットマトリクス式の図柄表示装置18に適合する制御情報が機械式の図柄表示装置40に適合する制御情報に書き換えられる。これにより、種類の異なる図柄表示装置18,40であっても図柄基板25を交換することなく図柄制御を行うことができる。
【0087】
なお、機械式の図柄表示装置40に変更されると、前記CPU30から伝送される所定信号の内容が異なるため、それらの信号について以下に説明する。
まず、FLM信号は、前記第1の制御部44が、前記第1の図柄表示部41及び第2の図柄表示部42に表示する図柄に応じて、前記第1の駆動部M1及び第2の駆動部M2に対して回転制御を各別に指示するための情報から構成された信号となっている。即ち、前記FLM信号は、第1の駆動部M1(第1の図柄表示部41)の回転制御を指示する情報、第2の駆動部M2(第2の図柄表示部42)の回転制御を指示する情報というように2個の情報から構成されており、これらの情報はCPU30において演算処理されている。
【0088】
そして、前記CPU30は、第1の駆動部M1に対する情報→第2の駆動部M2に対する情報という順番でFLM信号として前記FLM用信号線を介して伝送するようになっている。また、前記第1の制御部44は、入力した前記FLM信号を構成する各情報のうち、第1の駆動部M1に対する情報を信号線MT1−1〜MT1−4を通じて第1の駆動部M1に伝送して制御を行うようになっている。また、前記第1の制御部44は、入力した前記FLM信号を構成する各情報のうち、第2の駆動部M2に対する情報を信号線MT2−1〜MT2−4を通じて第2の駆動部M2に伝送して制御を行うようになっている。
【0089】
次に、FCK信号は、前記第1の制御部44に対し、前記CPU30がFLM用信号線を通じて伝送した前記FLM信号の読込みを指示する情報から構成された信号となっている。即ち、この場合のFCK信号もINT信号、若しくは、ストローブ信号に相当している。
【0090】
また、前記CPU30は、前記FLM信号の伝送タイミングに併せて、前記FCK信号を第1の制御部44に対して、前記FCK用信号線を介して伝送するようになっている。そして、第1の制御部44は、前記FCK信号の入力により第1の駆動部M1及び第2の駆動部M2に対する情報を読込むようになっている。
【0091】
また、SID信号は、前記第2の制御部45が、前記第3の図柄表示部43に表示する図柄に応じて、前記第3の駆動部M3に対して回転制御を指示するための情報から構成された信号となっている。即ち、前記SID信号は、第3の駆動部M3(第3の図柄表示部43)の回転制御を指示する情報というように1個の情報から構成されており、この情報はCPU30において演算処理されている。
【0092】
そして、前記CPU30は、第3の駆動部M3に対する情報をSID信号として前記SID用信号線を介して伝送するようになっている。その結果、前記第2の制御部45は、入力した前記SID信号を構成する第3の駆動部M3に対する情報を信号線MT3−1〜MT3−4を通じて第3の駆動部M3に伝送して制御を行うようになっている。
【0093】
次に、SCK信号は、前記第2の制御部45に対し、前記CPU30がSID用信号線を通じて伝送した前記SID信号の読込みを指示する情報から構成された信号となっている。即ち、この場合のSCK信号もINT信号、若しくは、ストローブ信号に相当している。
【0094】
また、前記CPU30は、前記SID信号の伝送タイミングに併せて、前記SCK信号を第2の制御部45に対して、前記SCK用信号線を介して伝送するようになっている。そして、第2の制御部45は、前記SCK信号の入力により第3の駆動部M3に対する情報を読込むようになっている。
【0095】
次に、DLT信号は、FLM信号とFCK信号、及び、SID信号とSCK信号から得ることができる前記図柄表示器Hに対する図柄の表示態様を確定するための情報から構成された信号となっている。即ち、機械式の図柄表示装置40の場合には、前記第1〜第3の図柄表示部41〜43に表示すべき図柄を確定するための信号であり、この場合のDLT信号もラッチ信号に相当している。そして、CPU30は、DLT信号を、DLT用信号線を介して前記第1,第2の制御部44,45に対して伝送するようになっている。
【0096】
次に、ENB信号は、前記図柄の表示態様に対応するFLM信号及びSID信号を無効化するための情報から構成された信号となっている。即ち、機械式の図柄表示装置40の場合には、前記DLT信号によって確定された前記第1〜第3の図柄表示部41〜43に表示される図柄を無効化するための信号となっている。そして、前記ENB信号は、ENB用信号線を介して前記第1,第2の制御部44,45に対して各々伝送されるようになっている。従って、機械式の図柄表示装置18の場合には、前記第1〜第3の図柄表示部41〜43の制御(回転及び停止)を速やかに行うことができる。
【0097】
このように、前記CPU30は、ROM32の制御情報が機械式の図柄表示装置40に適合する内容に書き換えられることにより、前記図柄表示装置40の種類に適合した所定信号を演算処理している。その結果、遊技機10の機種変更時に、ドットマトリクス式の図柄表示装置18から機械式の図柄表示装置40に変更された場合でも図柄基板25を交換することなく継続して使用することができる。
【0098】
従って、前記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)前記第1,第2の制御部37,38を図柄表示装置18側に配設したことにより、図柄基板25のCPU30で演算処理された各種情報を所定信号として前記図柄表示装置18に対してシリアル伝送することができる。即ち、前記図柄基板25に配設された第1,第2の制御部37,38と図柄表示装置18に配設された図柄表示器Hとを接続する場合(従来の技術)に比して、信号線35の本数を削減することができる。例えば、ドットマトリクス式の図柄表示装置18において8行×8列で発光体Lが配置されている場合、16本→6本に信号線35の本数を削減することができる。さらに、8行×24列で発光体Lが配置されている場合、32本→6本に信号線35の本数を削減することができる。従って、遊技機10の組み付けや機種変更に伴う作業性の向上、及び、遊技機10のコスト削減に貢献することができる。また、信号線35の削減により遊技機10の機裏側のスペースを有効に活用することができる。さらに、信号線35の本数が削減されることにより、メンテナンス性の向上に貢献することもできる。
【0099】
(2)また、図柄表示器Hは、従来と同様に、第1の制御部37及び第2の制御部38によって制御されている。そのため、信号線35の本数を削減しても従来と同様に高度な図柄制御を維持することができる。
【0100】
(3)図柄基板25側には共通制御機器を配設する一方で、図柄表示装置18側には専用制御機器を配設している。そのため、遊技機10の機種変更時、図柄表示器Hが変更された場合でも、図柄基板25を交換することなく、図柄表示装置18の交換のみで対応することができる。従って、遊技機10の機種変更時にゴミの現出を抑制し、資源を有効に利用することができる。また、近時において広く叫ばれているゴミ処理問題の解決に貢献することができる。
【0101】
(4)図柄基板25には、図柄表示器Hの種類に関係なく継続使用可能な機器、若しくは、図柄制御のための制御情報を書き換えることにより再使用可能な機器を配設している。そのため、遊技機10の機種変更時、前記図柄基板25を非交換部位として扱うことができる。従って、資源を有効に利用することができる。また、機種変更時に交換を必要とする部位を削減でき、機種変更に伴う作業性の向上や遊技機10のコスト削減に貢献することができる。
【0102】
(5)図柄表示装置18側には、図柄表示器Hに対して専用使用される機器を配設している。そのため、遊技機10の機種変更時、従来のように図柄基板25と図柄表示装置18の何れも交換して廃棄処分する必要がなくなる。即ち、図柄表示装置18のみを交換して廃棄処分すればよい。従って、機種変更に伴う作業性の向上や遊技機10のコスト削減に貢献することができる。また、図柄表示装置18側に専用制御機器をまとめて配設しているため、機種変更時に共通制御機器と専用制御機器を分別する必要がなく、機種変更に伴う作業性の向上や遊技機10のコスト削減に貢献することができる。
【0103】
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、前記図柄基板25に共通制御機器としてCPU30、入力ポート31、ROM32、RAM33及びシリアルポート34を、図柄表示装置18に専用制御機器として第1,第2の制御部37,38を配設しているが、配設する機器は前記実施形態に限定されない。即ち、その他の機器を共通制御機器と専用制御機器に区分けして前記図柄基板25側と図柄表示装置18側に配設しても良い。
【0104】
・前記実施形態において、図柄基板25に配設している前記ROM32は、遊技機10の機種変更時、図柄基板25に配設された状態で制御情報を書き換えても良いし、一旦取り外して制御情報を書き換えた後、再度図柄基板25に配設しても良い。即ち、ROM32としてのハードウェア(物理的装置)自体を交換している訳ではなく、記憶保持している制御情報の内容を変更しているに過ぎない。
【0105】
・前記実施形態において、図柄表示装置18側には複数の第1,第2の制御部37,38が配設されていても良い。例えば、8行×24列の発光体Lからなるドットマトリクス式の図柄表示装置18では第2の制御部38を3つ備え、各制御部38において各8列の発光体Lを制御しても良い。
【0106】
・前記実施形態においては、遊技機10の機種変更時に図柄表示装置18を廃棄処分しているが、その図柄表示装置18を別の遊技機10の機種変更時に再使用しても良い。即ち、前記実施形態においては、機種変更時に図柄表示器Hが変更された場合、当該表示器Hに応じて交換不要な機器を共通制御機器とし、交換必要な機器を専用制御機器としている。つまり、交換必要な機器とは、変更後の図柄表示器Hに対して使用することができない機器であり、必ずしも廃棄処分を必要とする機器を意味するものではない。このように図柄表示装置18(専用制御機器)を再使用することで、ゴミの現出をさらに抑制することができる。
【0107】
・前記実施形態では、ドットマトリクス式を機械式の図柄表示装置40に変更する場合を記載したが、ドットマトリクス式、7セグメント式、機械式の図柄表示装置18(40)においてどのような変更形態であっても前記実施形態と同様に適用することができる。
【0108】
・前記実施形態において、ENB信号を伝送するためのENB用信号線を省略しても良い。即ち、前記CPU30は、前記図柄表示装置18に対しFLM信号、FCK信号、SID信号、SCK信号及びDLT信号の5種類の信号を伝送するように構成しても良い。このように構成すれば、ENB用信号線を省略することができ、信号線35の本数をさらに削減することができる。
【0109】
次に上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(イ)前記図柄制御基板は、遊技機における遊技状態を制御する主制御基板から受けた制御信号を前記図柄制御のための各種情報に演算処理し、当該情報を所定信号として伝送する。
【0110】
(ロ)前記専用制御機器は、前記図柄表示装置における表示機器の種類が変更された場合、変更後の図柄表示装置の制御を実行するにあたって交換が必要とされる交換必要機器である。
【0111】
(ハ)前記共通制御機器は、前記図柄制御のための各種情報を演算し所定信号として伝送処理する処理部及び前記各種情報を演算処理するための制御情報を記憶保持する記憶部を有する一方、前記各専用制御機器は、図柄が発光表示される表示機器の点灯/非点灯を制御する制御部である。
【0112】
(ニ)前記複数種類の専用制御機器を配設した図柄表示装置は、当該図柄表示装置を前記図柄制御基板に接続する際に使用する前記伝送線と同一の伝送線を使用して一種類の専用制御機器を配設した図柄表示装置と交換可能となっている。このよう構成すれば、ドットマトリクス式の図柄表示装置18から機械式の図柄表示装置40に変更された場合でも、同一の図柄基板25に対して信号線35に変更(例えば、本数の増減、種類の変更など)を加えることなく接続することができる。従って、組み付け性やコスト削減に貢献することができる。
【0113】
【発明の効果】
本発明によれば、高度な図柄制御を維持しつつ、図柄制御基板と図柄表示装置とを接続するための伝送線の本数を削減することにより組み付け性の向上やコスト削減に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機の外観を示す正面図。
【図2】 図柄表示器を示す正面図。
【図3】 ドットマトリクス式の図柄表示装置における主制御基板、図柄制御基板及び図柄表示装置の電気的構成を示すブロック図。
【図4】 機械式の図柄表示装置における主制御基板、図柄制御基板及び図柄表示装置の電気的構成を示すブロック図。
【図5】 従来における主制御基板、図柄制御基板及び図柄表示装置の電気的構成を示すブロック図。
【符号の説明】
H…図柄表示器(表示機器)、L…発光体(制御対象)、10…パチンコ遊技機、18…図柄表示装置(図柄表示手段)、25…図柄制御基板(図柄制御手段)、30…CPU(共通制御機器、交換不要機器、処理部)、31…入力ポート(共通制御機器、交換不要機器)、32…ROM(共通制御機器、再使用機器、記憶部)、33…RAM(共通制御機器、再使用機器、記憶部)、34…シリアルポート(共通制御機器、交換不要機器、処理部)、37…第1の制御部(専用制御機器、交換必要機器、制御部)、35…信号線(伝送線,FLM用/FCK用/SID用/SCK用/DLT用/ENB用信号線を備える。)、38…第2の制御部(専用制御機器、交換必要機器、制御部)。
Claims (2)
- 行列状に複数の発光体を配置し、行方向に配置した複数の発光体の点灯及び非点灯を行単位で制御するとともに列方向に配置した複数の発光体の点灯及び非点灯を列単位で制御することにより、点灯の指示がなされた行と点灯の指示がなされた列とが重なり合う位置の発光体を点灯させて所定の図柄を表示する表示機器を有する発光式図柄表示装置を備えたパチンコ遊技機において、
前記図柄表示装置の制御対象である発光体に対して図柄制御のための所定信号を伝送する図柄制御基板を備え、
前記図柄制御基板には前記図柄表示装置における表示機器の種類に関係なく共通使用可能な共通制御機器を配設する一方で、前記図柄表示装置には当該図柄表示装置における表示機器に対して専用使用される複数種類の専用制御機器を配設し、前記各種専用制御機器を前記表示機器に対し各々による制御対象が異なるように、かつ前記専用制御機器間での信号の入出力ができないように各別に接続し、前記図柄制御のための所定信号を前記図柄制御基板から前記図柄表示装置に対して6本の信号線を介してシリアル伝送するように構成し、
前記6本の信号線として、
行方向に配列した発光体が接続される第1の専用制御機器が1行に接続されている全ての発光体に点灯を指示する行数分の第1の点灯指示情報からなる第1の図柄制御信号を伝送する第1の図柄制御信号線と、
前記所定の図柄を表示するために点灯させるべき発光体が接続されている行に対応する前記第1の点灯指示情報の読込みを前記第1の専用制御機器に指示する第1の読込指示情報からなる第1の読込信号を、前記第1の図柄制御信号の伝送タイミングに合わせて伝送する第1の読込信号線と、
列方向に配列した発光体が接続される第2の専用制御機器が各行に対して1列に接続されている全ての発光体に点灯を指示する列数分の第2の点灯指示情報からなる第2の図柄制御信号を伝送する第2の図柄制御信号線と、
前記所定の図柄を表示するために点灯させるべき発光体が接続されている列に対応する前記第2の点灯指示情報の読込みを前記第2の専用制御機器に指示する第2の読込指示情報からなる第2の読込信号を、前記第2の図柄制御信号の伝送タイミングに合わせて伝送する第2の読込信号線と、
前記第1,第2の専用制御機器に対し、前記第1,第2の点灯指示情報及び前記第1,第2の読込指示情報をもとに、点灯の指示がなされる行と点灯の指示がなされる列とが重なり合う位置に配置されている点灯させるべき発光体を確定し、前記表示機器に対する図柄の表示態様を確定させるための確定信号を伝送する確定信号線と、
前記第1,第2の専用制御機器に対し、前記第1の専用制御機器が行側から発光体を制御するための全ての情報の無効化を指示するとともに、前記第2の専用制御機器が列側から発光体を制御するための全ての情報の無効化を指示する無効化信号を、前記図柄表示装置に表示させた前記所定の図柄を非表示させる時に伝送する無効化信号線と、を備え、
前記第1の専用制御機器と前記第2の専用制御機器が、前記第1,第2の点灯指示情報、前記第1,第2の読込指示情報及び前記確定信号をもとに1行毎に点灯させるべき発光体を順次確定し、点灯の指示がなされた行と点灯の指示がなされた列とが重なり合う位置の発光体を点灯させることによって前記所定の図柄を表示するパチンコ遊技機。 - 前記共通制御機器は、前記図柄表示装置における表示機器の種類が変更された場合、交換することなく継続使用可能な交換不要機器、若しくは、前記図柄制御のための各種制御情報を書き換えることにより再使用可能な再使用機器である請求項1に記載のパチンコ遊技機。
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