JP4539407B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置において、記録材上に形成された未定着トナー像を加熱溶融して該記録材に定着させる定着装置に関し、特に、熱源として誘導発熱方式の熱源を利用した定着装置に関する。
画像形成装置において採用される定着装置は、通常、回転可能の定着ローラと、該定着ローラに圧接される、回転可能の加圧ローラと、該定着ローラを加熱する熱源とを備えており、該熱源で定着ローラを加熱し、該定着ローラ及び前記加圧ローラ間のニップ部に、トナー像を保持する記録材を通過させることで、該トナー像を該記録材に溶融定着させる。
かかる熱源としては、旧来、代表的には、定着ローラに内蔵されたハロゲンランプヒータが採用されてきたが、今日の省エネルギーの要請から、高い熱変換効率が得られる電磁誘導発熱方式の熱源が注目されている。例えば、特許第2616433号公報は、絶縁支持体上に渦巻きパターンに形成したコイルに通電して磁束を発生させ、該発生磁束で金属製の、定着ローラとして使用するヒートローラを電磁誘導発熱させる定着装置を開示している。
さらに、最近では、旧来のハロゲンランプヒータを用いた熱ローラ方式の定着装置と同等或いはそれ以上の熱変換効率が得られ、定着温度への立ち上がりが迅速で、さらに、定着装置のコンパクト化が可能な定着装置として、コイルへの通電により発生する磁束をフェライトコアなどのコア材で、定着ローラに設けた電磁誘導発熱層に導くような構成の定着装置も提案されるようになってきている。
その一つに、電磁誘導発熱層を有する、回転可能の定着ローラと、該定着ローラに圧接される、回転可能の加圧ローラと、前記定着ローラの電磁誘導発熱層を電磁誘導発熱させるための磁束発生装置(磁性体コアと励磁コイルを有するもの)とを備え、前記磁束発生装置の発生磁束によって前記定着ローラの電磁誘導発熱層を発熱させることで定着ローラを加熱する定着装置がある。
かかる定着装置の定着ローラとしては、内側から外側へ順に、支持層、スポンジ層、電磁誘導発熱性層、弾性層及び離型層の少なくとも5層を一体的に積層した構成のものが知られているが、誘導発熱用ベルト(外側のローラ部)内にスポンジローラを挿入し、該スポンジローラと誘導発熱用ベルトは接着せず、誘導発熱用ベルトの蛇行を規制する規制部材を定着ローラ端部に対して設けた定着ローラも提案されている。
このように誘導発熱用ベルトにスポンジローラを内挿し、両者を接着しない構成の定着ローラは、両者の接着を省略しているので、定着装置コストを接着コスト分低減することができるとともに、誘導発熱用ベルトとスポンジローラ間の界面の接着性低下の問題が発生する余地がなく、それだけ寿命が長い、という利点がある。
特許第2616433号公報
しかしながら、誘導発熱用ベルト(外側のローラ部)にスポンジローラを内挿し、両者を接着せず、誘導発熱用ベルトの蛇行を規制部材で規制する定着ローラは、定着ローラと加圧ローラ間の圧接ニップ部で誘導発熱用ベルトが撓みながら蛇行し、それにより誘導発熱用ベルトと前記規制部材が当接して、そのストレスにより誘導発熱用ベルトが端部で割れて破損しやすいという問題がある。
また、前記のように磁性体コアと励磁コイルを有する磁束発生装置では、励磁コイルは、記録材の搬送方向と直交する方向に長く延びる形状に巻回形成されるが、かかる励磁コイル両端の屈曲部付近では、発生する磁束の密度が不均一になり、それによる不安定な磁界の影響を受けて、定着ローラの電磁誘導発熱層を定着ローラの回転中心軸線方向(記録材の搬送方向と直交する方向)に均一に発熱させることが困難であり、そのため、定着ローラ全体としても、ローラの回転中心軸線方向(記録材の搬送方向と直交する方向)に均一に加熱することが困難となり、ひいては、トナー像の定着不良を招く。
そこで本発明は、電磁誘導発熱層を有する、回転可能の定着ローラと、該定着ローラに圧接される、回転可能の加圧ローラと、前記定着ローラの電磁誘導発熱層を電磁誘導発熱させるための磁束発生装置とを備えており、前記磁束発生装置の発生磁束によって前記定着ローラの電磁誘導発熱層を発熱させ、該定着ローラ及び前記加圧ローラ間のニップ部に、トナー像を保持する記録材を通過させることで、該トナー像を該記録材に溶融定着させることができ、前記定着ローラは、前記電磁誘導発熱層を有する外側ローラ部と、該外側ローラ部内に挿入された、スポンジ層を有する内側ローラ部とを含んでおり、前記外側ローラ部の前記内側ローラ部に対するローラ回転中心軸線方向への移動を抑制する移動抑制部が、該外側ローラ部の少なくとも片側端部に対して設けられている定着装置であって、定着ローラの電磁誘導発熱層をローラ回転中心軸線方向に均一に発熱させることができ、それにより定着ローラをローラ回転中心軸線方向に均一に加熱して、それだけ良好なトナー像定着を達成することができる定着装置を提供することを課題とする。
また、本発明は、かかる定着装置であって、耐久性に富む定着装置を提供することを課題とする。
また、本発明は、各部を、全体のコンパクト化、省スペース化が可能に配置できる定着装置を提供することを課題とする。
本発明は、電磁誘導発熱層を有する、回転可能の定着ローラと、該定着ローラに圧接される、回転可能の加圧ローラと、前記定着ローラの電磁誘導発熱層を電磁誘導発熱させるための磁束発生装置とを備えており、前記磁束発生装置の発生磁束によって前記定着ローラの電磁誘導発熱層を発熱させ、該定着ローラ及び前記加圧ローラ間のニップ部に、トナー像を保持する記録材を通過させることで、該トナー像を該記録材に溶融定着させることができ、前記定着ローラは、前記電磁誘導発熱層を有する外側ローラ部と、該外側ローラ部内に挿入された、スポンジ層を有する内側ローラ部とを含んでおり、前記外側ローラ部の前記内側ローラ部に対するローラ回転中心軸線方向への移動を抑制する移動抑制部が、該外側ローラ部の少なくとも片側端部に対して設けられている定着装置であって、
前記磁束発生装置は磁性体コア及び励磁コイルを有しており、
該励磁コイルは、前記記録材の搬送方向と直交する方向に長く延びる形状に巻回形成されており、
該励磁コイルの、前記記録材搬送方向と直交する方向における両端屈曲部の内側部間の距離Lc1と、前記定着ローラの回転中心軸線方向の全長L1(ローラ幅L1)と、前記加圧ローラの回転中心軸線方向の全長L2(ローラ幅L2)と、トナー像定着処理可能の記録材サイズのうち最大サイズの記録材の、搬送方向と直交する方向の搬送幅Lpとが、 Lc1≧L1>L2>Lpの関係を満たす定着装置を提供する。
本発明に係るこの定着装置によると、磁束発生装置における励磁コイルの、記録材搬送方向と直交する方向における両端屈曲部の内側部間の距離Lc1と、定着ローラの回転中心軸線方向の全長L1(ローラ幅L1)とがLc1≧L1の関係に設定されるので、定着ローラ(特にその電磁誘導発熱層)が励磁コイルの屈曲端部に生じる不安定な磁界の影響を受け難くなり、定着ローラを全域にわたって均一に加熱することができ、ひいては、それだけ良好なトナー像定着を行える。
前記移動抑制部としては、前記外側ローラ部の回転中心軸線方向において該外側ローラ部の外側に配置されて該外側ローラ部の端に臨み、該外側ローラ部の回転中心軸線方向の動きを規制する規制部材を例示できるが、本発明においては、前記外側ローラ部の回転中心軸線方向における端部と、前記内側ローラ部との間に配置されて該外側ローラ部及び内側ローラ部を該外側ローラ部の端部の接着領域で接着する接着剤を採用する。
参考までに言えば、移動抑制部としてかかる規制部材を採用する場合についてみると、定着装置では定着ローラ全長L1>加圧ローラ全長L2の関係が設定されるので、定着ローラと加圧ローラ間の圧接ニップ部では、定着ローラ(さらに言えば、特に、その外側ローラ部)の撓み変形が発生する。しかし、定着ローラの加圧ローラと接触しない領域では定着ローラの撓みが小さく抑制され、定着ローラの外側ローラ部が蛇行しようとするとき、前記規制部材には該外側ローラ部端部が略円形の形状で当接し、それにより外側ローラ部の端部の各部が規制部材から受けるストレスを軽減でき、外側ローラ部の端部での割れを抑制し、ひいては、定着ローラ、さらには定着装置全体の寿命を長びかせることができる。
また、移動抑制部として前記接着剤を採用する場合についてみると、外側ローラ部の、内側ローラ部に接着される最も内側の層(例えば前記電磁誘導発熱層)及び内側ローラ部の、外側ローラ部に接着される最も外側の層(例えばスポンジ層)は、通常、熱膨張率が異なるため、定着装置使用時の熱により、外側ローラ部が内側ローラ部から剥がれたり、外側ローラ部が変形したりする恐れがあるところ、前記のとおり、接着領域を外側ローラ部の端部のみとすることで、外側ローラ部の剥がれや変形が抑制され、ひいては、定着ローラ、さらには定着装置全体の寿命をそれだけ長びかせることができる。
移動抑制部として規制部材を採用する場合であれ、接着剤を採用する場合であれ、移動抑制部は外側ローラ部の端部に対して設けられ、且つ、定着ローラ全長L1>加圧ローラ全長L2の関係が設定されるので、外側ローラ部の損傷が抑制され、ひいては、定着装置の耐久性が向上する。
接着剤を採用する場合、接着領域は、定着ローラの外側ローラ部の端部のうち、さらに、記録材を通過させる領域(一般に通紙領域と称されている領域)、さらに言えば、より好ましくは、トナー像定着処理可能の記録材サイズのうち最大サイズの記録材の、搬送方向と直交する方向の搬送幅Lpの領域より外側に限定してもよく、そうすることで、接着剤層による画質への影響が抑制される状態で外側ローラ部の接着剥がれを起きにくくして、定着装置の耐久性を向上させることができる。
接着剤を採用する場合、定着ローラと加圧ローラ間の圧接ニップ部(ニップ形成領域)で定着ローラ(特にその外側ローラ部)が、ローラ回転により、繰り返し撓み変形して接着剥がれが発生する場合があることに備えて、定着ローラの外側ローラ部における、加圧ローラと接触しない、撓み変形が無いか又は小さい、加圧ローラから開放されている領域(外側ローラ部開放領域)に接着領域を設定する。
定着ローラ及び加圧ローラのローラ回転中心軸線方向の熱分布を均一化させる均熱ローラを前記加圧ローラに回転可能に接触させてもよい。かかる均熱ローラの採用により、小サイズの記録材を連続的に両ローラニップ部に通過させる場合の、両ローラの、記録材が通過しない領域の過昇温を抑制することができる。均熱ローラの回転中心軸線方向の長さL3は、均熱ローラの端部エッジによる加圧ローラの損傷を抑制するために、加圧ローラ全長L2以上(L3≧L2)であることが望ましい。定着ローラ及び加圧ローラの熱分布均一化を積極的に行えるように、均熱ローラを加熱する熱源を設けてもよい。
ところで、前記ように、定着ローラ全長L1>加圧ローラ全長L2の関係が設定される場合、加圧ローラと接触しない定着ローラの両端部は加圧ローラにより熱が奪われない分、加圧ローラとの接触領域より高温になる傾向がある。さらにこの定着ローラ両端部は記録材が通らない領域であり、記録材への熱移動がない領域でもあるので、両ローラ間に記録材をある程度連続して通すと、さらに高温になり、定着ローラの劣化や破損を引き起こす温度(過昇温)となる可能性がある。
一般的に言えば、電磁誘導加熱方式では、磁性体コアの設置幅Lcoreとほぼ等価な発熱域が得られるので、L2≧Lcore≧Lpとして、定着ローラ両端部の過昇温を抑え、記録材搬送幅範囲の熱分布を均一化するようにしてもよい。本発明では、既述のとおり、Lc1≧L1>L2>Lpの関係を満足させるので、L2>Lcore≧Lp又はL2≧Lcore>Lpとすればよい。
本発明に係る定着装置では、前記のとおり、Lc1≧L1>L2>Lpの関係が満たされることで、定着ローラをローラ回転中心軸線方向に均一に加熱でき、定着装置の耐久性を向上させつつ、装置各部を全体のコンパクト化、省スペース化が可能に配置できる。
以上説明したように本発明によると、電磁誘導発熱層を有する、回転可能の定着ローラと、該定着ローラに圧接される、回転可能の加圧ローラと、前記定着ローラの電磁誘導発熱層を電磁誘導発熱させるための磁束発生装置とを備えており、前記磁束発生装置の発生磁束によって前記定着ローラの電磁誘導発熱層を発熱させ、該定着ローラ及び前記加圧ローラ間のニップ部に、トナー像を保持する記録材を通過させることで、該トナー像を該記録材に溶融定着させることができ、前記定着ローラは、前記電磁誘導発熱層を有する外側ローラ部と、該外側ローラ部内に挿入された、スポンジ層を有する内側ローラ部とを含んでおり、前記外側ローラ部の前記内側ローラ部に対するローラ回転中心軸線方向への移動を抑制する移動抑制部が、該外側ローラ部の少なくとも片側端部に対して設けられている定着装置であって、定着ローラの電磁誘導発熱層をローラ回転中心軸線方向に均一に発熱させることができ、それにより定着ローラをローラ回転中心軸線方向に均一に加熱して、それだけ良好なトナー像定着を達成することができる定着装置を提供することができる。
また、本発明によると、かかる定着装置であって、耐久性に富む定着装置を提供することができる。
また、本発明によると、装置各部を、全体のコンパクト化、省スペース化が可能に配置できる定着装置を提供することができる。
本発明に係る定着装置の例を参考例とともに図面を参照して説明する。
図1は定着装置の1例(参考例)の断面図である。
図1に示す定着装置は、誘導加熱型のものであり、電磁誘導発熱式の定着ローラ1と、定着ローラ1と接触してニップNを形成する加圧ローラ2と、定着ローラ1の外側に配置されて磁束を発生する磁束発生装置3とを備えている。
磁束発生装置3の磁束によって定着ローラ1を発熱させてから、未定着トナー像tを担持した記線材Pを定着ローラ1と加圧ローラ2との間を通過させ、ニップNによって記録材Pを挟持搬送しながら未定着像tを記録材Pに溶融定着(加熱定着)させる。
この定着装置は、記線材Pに未定着像tを形成する(図示しない)作像手段と共に、複写機、レーザプリンタ又はファクシミリ機等の画像形成装置を構成することができる。
記録材Pとは、例えば、記録紙、OHP用シート等の記録材であり、未定着像tは、例えば、樹脂や、磁性材や、着色料等からなる加熱溶融性のトナーからなる未定着トナー像である。
定着ローラ1と加圧ローラ2とは、平行に対向して配置され、それぞれの両端側が、図示しない軸受部材に回転自在に支持されている。定着ローラ1は、図示しないバネ等の加圧機構によって、加圧ローラ2側へ付勢され、加圧ローラ2の外面に所定圧力で圧接されて、前記ニップNを形成する。
この定着装置においては、定着ローラ1の回転中心軸線方向(軸方向)の全長(ローラ幅)L1と加圧ローラ2の回転中心軸線方向(軸方向)の全長(ローラ幅)L2とは、L1>L2の関係にあり(図3参照)、L2と記録材サイズのうち最大サイズの記録材Pの、搬送方向と直交する方向の搬送幅Lpとは、L2>Lpの関係にある(図6参照)。
加圧ローラ2は、モータ等の駆動手段9によって、図中時計回り方向に、所定の周速度で回転駆動される。定着ローラ1は、ニップNでの加圧ローラ2との圧接摩擦力によって、加圧ローラ2の回転に従勤して回転する。
定着ローラ1は、図1及び図2に示すように、外側ローラ部15と、この外側ローラ部15の内側に接着しないで挿入されている内側ローラ部10とを備えている。
内側ローラ部10は、径方向の内側から外側に順に配置された支持層11、スポンジ層12及び保護層13を有する。
外側ローラ部15は、径方向の内側から外側に順に配置された電磁誘導発熱層16、弾性層17及び離型層18を有する。
内側ローラ部10の支持層11は、例えば、外径が40mmで厚さが3mmのアルミニュウム製の芯金シリンダを用いる。なお、支持層11としては、材質の強度が確保できれば、例えば、鉄、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性材のモールドパイプを使用することも可能であるが、いずれにしても、芯金が発熱するのを防ぐために、電磁誘導加熱の影響が少ない非磁性材料を用いるのが望ましい。
スポンジ層12は、電磁誘導発熱層16で発生した熱を断熱保持するためのものであり、耐熱性及び弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)が用いられる。このように、スポンジ層12に、耐熱性及び弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)を用いることにより、電磁誘導発熱層16を確実に断熱保持するとともに、電磁誘導発熱層16の撓みを許容してニップNの幅寸法を増やし、さらに、定着ローラ1のローラ硬度を加圧ローラ2よりも小さくして、記録材排出性及び記録材分離性能を向上させることができる。
例えば、スポンジ層12に、シリコンスポンジ材を用いる場合、厚さが2mm〜10mm、望ましくは3mm〜7mmであって、硬度がアスカーゴム硬度計で20〜60度、望ましくは30〜50度に設定される。
保護層13は、電磁誘導発熱層16の内面との摩擦力を軽減し、外側ローラ部15の軸方向の動き(蛇行力)を抑制するためのもので、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(6ふっ化プロピレン・4ふっ化エチレンコポリマー)、PFEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)等のフッ素樹脂が好ましく用いられる。この保護層13の厚さは、5μm〜100μmが好ましく、10μm〜15μmがより好ましい。
電磁誘導発熱層16は、例えば、厚さが10μm〜100μm、、望ましくは20μm〜50μmの無端状のニッケル電鋳ベルト層である。なお、電磁誘導発熱層16の他の材料としては、例えば、磁性ステンレスのような磁性材料(磁性金属)といった、比較的透磁率が高く、適当な抵抗率ρを有するものを用いてもよい。また、非磁性材料でも、金属などの導電性のある材料は、例えば、材料を薄膜にすることにより使用できる。
また、電磁誘導発熱層16は、樹脂に発熱粒子を分散させたものを用いてもよく、電磁誘導発熱層16に、樹脂ベースのものを用いることによって、記録材Pの分離性を一層よくすることができる。
そして、電磁誘導発熱層16では、磁束発生装置3の磁束によって、渦電流が発生してジュール熱により発熱し、この発熱により定着ローラ1が加熱される。この加熱を、電磁誘導加熱という。
弾性層17は、耐熱性及び弾性を有するゴム材や樹脂材からなり、記録材Pと定着ローラ1の表面との密着性を高める。弾性層17としては、例えば、定着温度での使用に耐えられるシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性エラストマーを用いる。弾性層17には、熱伝導性や補強等を目的として各種充填剤を混入してもよく、大理石、ガラス等があり、実用的には、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ベリリウム等がある。
弾性層17の厚みは、例えば、10μm〜800μmが好ましく、100μm〜300μmがより好ましい。弾性層17の厚みが10μm未満であると、厚み方向の弾性力を得ることが難しくなる一方、弾性層17の厚みが800μmを超えると、電磁誘導発熱層16で発生した熱が、定着ローラ1の外周面に達し難くなり、熱効率が悪化する傾向がある。
弾性層17の硬度は、JIS硬度で1〜80度が好ましく、5〜30度がより好ましく、弾性層17における強度の低下及び密着性の不良を防止しつつ、未定着像(トナー)tの定着性の不良を防止できる。この場合、弾性層17は、シリコンゴムからなることが好ましく、このシリコンゴムとしては、具体的に述べると、1成分系、2成分系又は3成分系以上のシリコンゴム(LTV型(低温加硫型))等を使用できる。なお、この実施形態においては、弾性層17は、JIS硬度10度、厚さ200μmのシリコンゴムである。
離型層18は、定着ローラ1の表面の離型性を高めるものであり、定着温度での使用に耐えられるとともに、トナー離型性を有する。離型層18としては、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴムや、PFA、PTFE、FEP、PFEP等のフッ素樹脂が用いられる。 離型層18の厚さは、5μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましい。なお、柄径層18の中に、導電材、耐磨耗材、良熱伝導材をフィラーとして添加してもよい。また、層間接着力を向上させるために、プライマ等による接着処理を行ってもよい。
図1に示すように、加圧ローラ2は、径方向の内側から外側に順に配置された支持層21、スポンジ層22及び離型層23を有する。加圧ローラ2の支持層21、スポンジ層22及び離型層23は、それぞれ、定着ローラ1の支持層11、スポンジ層12及び離型層18と同様である。
例えば、支持層21は、外径20mmで厚さ3mmのアルミニゥム芯金である。スポンジ層22は、厚さ7mmのシリコンスポンジゴムである。離型層23は、厚さ10μm〜50μmのPTFEやPFA等のフッ素樹脂である。
支持層21の材質は、強度が確保できれば、例えば、鉄、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性材のモールドパイプを使用することも可能であるが、芯金が発熱するのを防ぐために、電磁誘導加熱の影響が少ない非磁性材を用いるのが望ましい。なお、スポンジ層22として、シリコンスポンジゴムの代わりに、ソリッドゴムを用いて、さらなる離型性の向上を図るようにしてもよい。
加圧ローラ2は、定着ローラ1に対して、300N〜500Nの荷重で圧接されており、この場合、ニップNの幅寸法(記録材Pの搬送方向の寸法)は、約5mm〜10mmになる。もちろん、荷重を変化させて、ニップNの幅寸法を変えてもよい。
図1に示すように、磁束発生装置3は、励磁コイル31と磁性体コア32とを備え、定着ローラ1の外側で、定着ローラ1に対向させて、定着ローラ1の長手方向に沿わせて配置している。
磁性体コア32は、横断面が下方開口のコップ状(台形)に形成されたコイルボビン33と、このコイルボビン33を所定の隙間を介して覆うカバー部材34とを備えている。磁性体コア32は、定着ローラ1の軸方向に沿った長尺部材であり、コイルボビン33の内部にて、定着ローラ1の横断面略半分を覆う。
磁性体コア32は、中央部に定着ローラ1側に突出した突出部32aを有しており、定着ローラ1の発熱効率を高めている。磁性体コア32としては、高透磁率かつ低損失のものを用い、例えば、パーマロイのような合金を用いた場合、磁性体コア32の内部の渦電流損失が高周波で大きくなるため、積層構造にしてもよい。
磁性体コア32は、磁気回路の効率の向上と磁気遮蔽のために用いられる。励磁コイル31と磁性体コア32の磁気回路部分は、磁気遮蔽が十分にできる手段がある場合、前記突出部32aを省いてもよい。また、樹脂部に磁性粉を分散させた材料からなるコアを用いた場合、透磁率は比較的低いが、形状を自由に設定することができる。
励磁コイル31は、コイルボビン33とカバー部材34との間の隙間に存在し、長尺のコイルボビン33に沿って長手方向にわたって導線を巻回した構造であり、横断面が台形形状となる。
この励磁コイル31には、高周波コンバータ4が接続されて、100W〜2000Wの高周波電力が供給される。このため、励磁コイル31としては、細い線を数十から数百本を束ねてリッツ線にしたものを用いており、巻き線に伝熱した場合を考慮して、耐熱性の樹脂で被覆したものを用いる。
そして、励磁コイル31には、高周波コンバータ4により、10kHz〜100kHzの交流電圧が印加される。この交流電流によって誘導された磁束は、磁性体コア32の内部を外部に漏れることなく通り、磁性体コア32の突出部32aで初めて磁性体コア32の外部に漏れて、定着ローラ1の電磁誘導発熱層16を貫き、これにより電磁誘導発熱層16に渦電流が流れて、電磁誘導発熱層16自体がジュール発熱する。電磁誘導発熱層16の発熱で定着ローラ1が加熱状態となる。
定着ローラ1の表面に当接するように、温度センサ6が配置される。この温度センサ6は、例えば、サーミスタであり、定着ローラ1の表面温度を検出する。
温度センサ6には制御回路5が接続され、制御回路5は、温度センサ6から入力される定着ローラ1の表面温度検出信号に基づいて、定着ローラ1の加熱と温調制御を行う。
具体的に述べると、制御回路5は、温度センサ6からの信号に基づいて、高周波コンバータ4を制御し、高周波コンバータ4にて励磁コイル31への電力供給を増減させることで、定着ローラ1の表面温度が定着に要求される所定の一定温度になるように自動制御する。
次に、この定着装置の作用を説明する。加圧ローラ2が回転駆動され、これに伴って、定着ローラ1が従動回転する。また、定着ローラ1の電磁誘導発熱層16が、磁束発生装置3の発生磁束の作用により、電磁誘導発熱すると共に、定着ローラ1の表面温度が、所定の一定温度になるように、自動制御される。そして、定着ローラ1と加圧ローラ2とのニップNに、図示しない作像手段から搬送された未定着(トナー)像tを形成担持した記録材(代表的には記録紙)Pが導入される。この場合、記録材Pにおける未定着像tを形成した担持面側が、定着ローラ1に対面する。
ニップNに導入された記録材Pは、ニップNにて扶持搬送され、定着ローラ1で加熱されて、未定着像tが記録材Pに溶融定着される。
ニップNを通過した記録材Pは、定着ローラ1から分離して排出搬送される。
定着ローラ1の表面に当接するように、分離爪8が配置される。この分離爪8は、記録材Pが、ニップNを通過後に、定着ローラ1の表面に張り付いてしまった場合に、この記録材Pを定着ローラ1の表面から強制的に分離させて、紙詰まりによる故障(ジャム)発生を防止する。
このとき、定着ローラ1では、発熱に寄与すると共に渦電流を発生させる電磁誘導発熱層16の熱容量は、小さくて、かつ、電磁誘導発熱層16は、スポンジ層12により断熱保持されているため、弾性層17及び離型層18は迅速に加熱される。このため、定着ローラ1の表面が定着に必要な温度に迅速に到達すると共に、記録材Pに熱が奪われても熱の供給が追いつく。
また、スポンジ層12により断熱保持させた電磁誘導発熱層16自体の撓みを利用して、定着ローラ1と加圧ローラ2とのニップNの形成に対して、弾性層17を200μmと薄くしても、十分な幅寸法のニップNが形成でき、マイクログロス(微小な光沢むら)の発生がなく、OHP用シートのような、定着ローラ1に巻き付きやすい記録材に対しても、十分な分離性能を確保できる。
図3に示すように、定着ローラ1は、外側ローラ部15の両端部の軸方向の外側に配置されて、外側ローラ部15の内側ローラ部10に対するローラ回転中心軸線方向(軸方向)の動きを規制する(移動抑制部の一例としての)一対の規制部材40を備えている。
さらに言えば、規制部材40は、円環状であり、この規制部材40の中央孔の内面は、支持層11を構成する芯部材41の軸部41aに嵌めこまれて固定されている。
そして、一対の規制部材40は、外側ローラ部15の両端を外側から挟んで、外側ローラ部15の軸方向の動きを規制する。
また、定着ローラ1の外側ローラ部15の軸方向の中央寄りに接触する加圧ローラ2の接触面25の、加圧ローラ回転中心軸線方向(軸方向)長さ(ここではローラ2の幅L2と一致する長さ)は、定着ローラ1の外側ローラ部15の軸方向の長さ(ここではローラ1の幅L1と同じ長さ)よりも小さい。内側ローラ部10の軸方向の長さと外側ローラ部15の軸方向の長さとは、略同一である。
ここで、加圧ローラ2の接触面25とは、加圧ローラ2が定着ローラ1に接触しつつ少なくとも一回転するときに、加圧ローラ2の外周面に形成される定着ローラ1に接触した軌跡をいう。
換言すれば、定着ローラ1の外周面は、定着ローラ1の軸方向の一端から他端へ順次、外側ローラ部開放領域、ニップ形成領域及び外側ローラ部開放領域を有する。
外側ローラ部開放領域とは、加圧ローラ2と定着ローラ1の外側ローラ部15とが接触しない領域をいう。ニップ形成領域とは、加圧ローラ2と定着ローラ1の外側ローラ部15とが接触する領域をいう。
このように、内側ローラ部10と外側ローラ部15とは接着されておらず、外部ローラ部15の両端部の軸方向の外側に一対の規制部材40が配置されているので、加圧ローラ2が定着ローラ1に接触しつつ、定着ローラ1及び加圧ローラ2が回転するときに、規制部材40によって、外側ローラ部15の軸方向への動き(蛇行)を規制する。
このとき、加圧ローラ2の接触面25の軸方向の長さは、定着ローラ1の外側ローラ部15の軸方向の長さよりも小さいので、外側ローラ部15の両端部(外側ローラ部開放領域)は、加圧ローラ2の押圧による撓み変形(弾性変形)を殆ど受けない。
したがって、外側ローラ部15の両端部は、外側ローラ部15の両端部が軸方向から見て略円形の形状で、規制部材40に接触することになり、外側ローラ部15の両端部が受けるストレス(規制部材からの押圧力によるストレス)を軽減でき、外側ローラ部15の両端部での割れを防止し、定着ローラ1の寿命を向上させることができる。
また、規制部材40は、定着ローラ1を回転させるとき、外側ローラ部15の軸方向への動き(蛇行)を防止するので、定着ローラ1を通過する記録材Pの画質が一層良好になる。
また、規制部材40は、芯部材41に固定されているので、規制部材40が、内側ローラ部10及び外側ローラ部15と共に回転することで、外側ローラ部15の端部にかかるストレスを小さくでき、この外側ローラ部15の端部の破損を防止することが可能になる。
また、内側ローラ部10と外側ローラ部15との間に接着剤を用いていないので、内側ローラ部10と外側ローラ部15との接着剥がれの問題がなく、それだけ耐久性の向上が期待できるととともに、接着剤コストの低減が可能になる。
定着ローラとしては、以上説明した定着ローラ1のほか、図4及び図5に例示する定着ローラ51を採用することもできる。
図4は、定着ローラ51の一部の断面を示しており、図5は定着ローラ51における、後述する接着領域Z1を、加圧ローラとともに示している。
定着ローラ51は、外側ローラ部15とそれに挿入された内側ローラ部10を含んでいる。
外側ローラ部15は、図1の定着ローラ1の外側ローラ部15と同様に、径方向の内側から外側に順に配置された電磁誘導発熱層16、弾性層17及び離型層18を有している。
内側ローラ部10は、径方向の内側から外側に順に配置された支持層11及びスポンジ層12を有する。これらは、図1に示す定着ローラ1の内側ローラ部10の支持層11及びスポンジ層12と実質上同じものである。ここでの内側ローラ部10は図1の定着ローラ1の内側ローラ部10における保護層13を有していない。
そして、定着ローラ51は、前記の規制部材40に代えて、図5に示すように、外側ローラ部15の両端部と内側ローラ部10の間にのみ配置されて、外側ローラ部15の電磁誘導発熱層16の端部と内側ローラ部10のスポンジ層12とを互いに接着する(移動抑制部の一例としての)接着剤14を備えている。この接着剤14によって、外側ローラ部15の内側ローラ部10に対する軸方向及び周方向への移動が抑制される。
このように、接着剤14のある接着領域Z1は、外側ローラ部15の両端部と内側ローラ部10との間にのみ配置されており、且つ、前記のとおり、加圧ローラ2の接触面25の軸方向の長さは、定着ローラ51の外側ローラ部15の軸方向の長さよりも小さいので、加圧ローラ2が定着ローラ51に接触しつつ、定着ローラ51及び加圧ローラ2が回転するときに、外側ローラ部15の両端部は、加圧ローラ2の押庄による撓み変形を殆ど受けていないので、外側ローラ部15の両端部と内側ローラ部10との間の接着剤14の接着剥がれを防止して、定着ローラ51の耐久性を維持することができる。
なお、接着領域Z1は、定着ローラ51の外側ローラ部15の端部のうち、さらに、記録材Pを通過させる領域、より好ましくは、トナー像定着処理可能の記録材サイズのうち最大サイズの記録材の、搬送方向と直交する方向の搬送幅Lp(図6参照)の領域より外側に限定してもよく、そうすることで、接着剤層による画質への影響が抑制される状態で外側ローラ部15の接着剥がれを起きにくくして、定着ローラ51、ひいては定着装置の耐久性を向上させることができる。
本発明に係る定着装置例を提供するにあたっては、定着ローラ51と加圧ローラ2間の圧接ニップ部Nで定着ローラ51(特にその外側ローラ部15)が、ローラ回転により、繰り返し撓み変形して接着剥がれが発生する場合があることに備えて、外側ローラ部15における、加圧ローラ2と接触しない、撓み変形が無いか又は小さい、加圧ローラから開放されている領域(外側ローラ部開放領域)(図3参照)に接着領域を設定する。
以上説明してきた定着装置のさらに説明すべき重要な特徴として、加圧ローラ2の軸方向の長さL2が定着ローラ1の軸方向の長さL1よりも短い定着装置構成において、磁束発生装置3の励磁コイル31のローラ回転中心軸線方向(軸方向)の幅が規定されていることを挙げることができる。
この点について図6を参照して説明する。
磁束発生装置3は磁性体コア32及び励磁コイル31を有し、励磁コイル31は記録材Pの搬送方向と直交する幅方向に長く伸びた形状に巻回された構成であり、励磁コイル31両端の屈曲部の内側部間距離Lc1を定着ローラ1の全長L1より長く設定している。
図7に、このときの定着ローラ1の温度分布と最大サイズ記録材幅Lpの関係を示す。 励磁コイル31両端の屈曲部では、磁束分布が急激に変化するが、ここでは、励磁コイル31両端の屈曲部の内側部間距離Lc1を定着ローラ1の全長L1より長く設定することで、励磁コイル31両端の屈曲部からの不安定な磁束の影響を受け難くしてあり、これにより、定着ローラ1の軸方向端部においても中央部と同様に磁束密度が均一になり、定着ローラ1を記録材を通過させる領域の全域にわたって均一に加熱することができる。
すなわち、本例では、励磁コイル31両端の屈曲部の内側部間距離Lc1と定着ローラ1の全長L1と、加圧ローラ2の全長L2と、通紙可能な最大幅サイズの記録材Pmax の搬送幅Lpとの関係を、
Lc1≧L1>L2>Lpとすることにより、耐久性を維持しながら、記録材Pの幅方向にわたり均一なトナー 像加熱処理が可能になり、また、省スペースを考えた場合の励磁コイル31、定着ローラ1、加圧ローラ2、記録材Pの配置関係が最適化される。
したがって、装置のコンパクト化、省スペース化を可能とした定着装置及び画像形成装置を提供することができようになる。

但し、定着ローラ1のみに着目すれば、定着ローラ1の長手方向(軸方向)では、中央部と比べて端部で放熱面積が大きく、放熱量が大きくなってしまうので、図7における定着ローラ1の全長L1の端部付近では、中央部より若干温度が下がる傾向にある。
本発明に係る定着装置においては、図8に示すように、均熱ローラ50を加圧ローラ2に回転可能に圧接させてもよい。
均熱ローラ50は、本例では低熱容量のもので、定着ローラ1及び加圧ローラ2の軸方向の熱分布を均一にならすために圧接させるためのもので、特に小サイズ幅の記録材を連続的に通過させる場合における定着ローラ1及び加圧ローラ2の、記録材が通過しない領域(非通紙領域)の過昇温を抑制することができる。
均熱ローラ50を採用する場合、均熱ローラ50の全長L3と加圧ローラ2の全長L2の関係を、L3≧L2として、均熱ローラ50のエッジで加圧ローラ2が破損することを防止することが望ましい。
図9に、磁束発生装置3の磁性体コア32の設置幅Lcoreと、加圧ローラ2の全長L2と、通紙可能な最大幅サイズの記録材Pmax の搬送幅Lpとの関係を示す。図9に示すように、電磁誘導加熱方式では、磁性体コア32の設置幅Lcoreとほぼ等価な発熱域が得られる。
一方、定着ローラ1の全長L1と加圧ローラ2の全長L2がL1>L2の構成の場合、加圧ローラ2と当接しない定着ローラ1の両端部は加圧ローラ2により熱が奪われない分、加圧ローラ2との当接領域より高温になる傾向にある。さらに、この定着ローラ1の両端部は記録材Pの非通紙領域にも相当するので、記録材Pをある程度連続で通すと、記録材Pへの熱移動がないので、さらに高温になり、定着ローラ1の劣化や破損を引き起こす温度(過昇温)となる可能性がある。
そこで、磁性体コア32の設置幅Lcoreと、加圧ローラ2の全長L2と、通紙可能な最大幅サイズの記録材Pmax の搬送幅Lpとの関係を、L2≧Lcore≧Lpに設定することで、定着ローラ1の両端部の過昇温を抑えて、記録材Pの搬送幅範囲を均一に加熱可能とすることができる。前記のLc1≧L1>L2>Lpの関係を満足させることを考慮すれば、L2>Lcore≧Lp又はL2≧Lcore>Lpとすればよい。
本発明は、均一加熱により良好な定着トナー画像を得ることができ、各種画像形成装置に利用できる定着装置の提供に利用できる。
定着装置の1例の、要部を断面で示す図である。 定着ローラの一部の断面図である。 定着ローラの外側ローラ部及び規制部材については断面で示す、定着ローラ及び加圧ローラの正面図である。 定着ローラの他の例の一部の断面図である。 定着ローラの外側ローラ部と内側ローラ部の接着領域を加圧ローラとともに示す図である。 磁界発生装置の励磁コイル、定着ローラ、加圧ローラ及び記録材の相互寸法関係を示す図である。 定着ローラの軸方向の温度分布を示す図である。 図1の定着装置に均熱ローラを付加した定着装置を示す図である。 好ましい励磁コア設置幅を示す図である。
符号の説明
1、51:定着ローラ
10:内側ローラ部
11:支持層
12:スポンジ層
13:保護層
14:接着剤(移動抑制部の例)
15:外側ローラ部
16:電磁誘導発熱層
17:弾性層
18:離型層
2:加圧ローラ
21:支持層
22:スポンジ層
23:離型層
25:接触面
3:磁束発生装置
31:励磁コイル
32:磁性体コア
9:駆動手段
40:規制部材(移動抑制部の例)
Z1:接着領域
P:記録材
t:未定着像
L1:定着ローラ全長
L2:加圧ローラ全長
Lc1:コイル31の両端屈曲部の内側部間の距離
Lp:最大幅サイズ記録材の搬送幅
Lcore:励磁コア設置幅

Claims (4)

  1. 電磁誘導発熱層を有する、回転可能の定着ローラと、該定着ローラに圧接される、回転可能の加圧ローラと、前記定着ローラの電磁誘導発熱層を電磁誘導発熱させるための磁束発生装置とを備えており、前記磁束発生装置の発生磁束によって前記定着ローラの電磁誘導発熱層を発熱させ、該定着ローラ及び前記加圧ローラ間のニップ部に、トナー像を保持する記録材を通過させることで、該トナー像を該記録材に溶融定着させることができ、前記定着ローラは、前記電磁誘導発熱層を有する外側ローラ部と、該外側ローラ部内に挿入された、スポンジ層を有する内側ローラ部とを含んでおり、前記外側ローラ部の前記内側ローラに対するローラ回転中心軸線方向への移動を抑制する移動抑制部が、該外側ローラの少なくとも片側端部に対して設けられている定着装置であり、
    前記磁束発生装置は磁性体コア及び励磁コイルを有しており、
    該励磁コイルは、前記記録材の搬送方向と直交する方向に長く延びる形状に巻回形成されており、
    該励磁コイルの、前記記録材搬送方向と直交する方向における両端屈曲部の内側部間の距離Lc1と、前記定着ローラの回転中心軸線方向の全長L1と、前記加圧ローラの回転中心軸線方向の全長L2と、トナー像定着処理可能の記録材サイズのうち最大サイズの記録材の、搬送方向と直交する方向の搬送幅Lpとが、
    Lc1≧L1>L2>Lpの関係を満たしており、
    前記移動抑制部は、前記外側ローラ部の回転中心軸線方向における端部と前記内側ローラ部との間に配置されて該外側ローラ部及び内側ローラ部を該外側ローラ部の端部の接着領域で接着する接着剤であり、
    該接着剤による接着領域は、該外側ローラ部における、前記加圧ローラとは接触しない領域に設定されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記加圧ローラに回転可能に接触せしめられる均熱ローラをさらに備えており、該均熱ローラの回転中心軸線方向における全長L3が前記加圧ローラの全長L2以上である請求項1記載の定着装置。
  3. 前記均熱ローラを加熱する熱源をさらに備えている請求項2記載の定着装置。
  4. 前記磁束発生装置における磁性体コアの設置幅Lcoreが、前記L2>Lcore≧前記Lp又は前記L2≧Lcore>前記Lpである請求項1、2又は3記載の定着装置。
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