JP4537469B2 - 発電装置及び発電方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子電解質型の燃料電池に水素を供給して発電を行う発電装置、及び発電方法に関する。
従来、燃料電池を用いた発電装置としては、貯蔵した水素又は水素発生装置で発生させた水素を燃料電池に供給して、発電させる発電装置などが知られている。水素発生装置で水素を発生させる場合、水を供給して水素ガスを発生させる水素発生剤が用いられる。
このような水素発生剤としては、鉄、アルミニウム等の金属を主成分とするものや、水素化マグネシウム等の水素化金属を主成分とするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、下記の特許文献2に記載された水素発生装置では、マグネシウム粒子に触媒金属粒子を添加した後に、水素化処理を施したマグネシウム合金粉末を、水素発生剤として用いている。この水素発生装置では、水素発生剤を水と反応させて水素を発生させ、化学的な処理を行わずに燃料電池に供給している。
しかしながら、本発明者らの研究によると、水素化マグネシウム等の水素化金属と水の反応により発生させた水素を、そのまま固体高分子電解質型の燃料電池に供給して発電を行う場合、燃料電池(発電セル)の出力特性が経時的に劣化することが判明した。
特開2003−313001号公報 特開2003−221201号公報
そこで、本発明の目的は、燃料電池の出力特性が経時的に劣化しにくい発電装置、及び発電方法を提供することにある。
本発明者らは、燃料電池の出力特性の劣化原因について鋭意研究したところ、劣化の原因が反応時に水素化マグネシウム等の水素化金属から生成するアンモニアであり、これを除去することで燃料電池の出力特性の劣化を防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の発電装置は、水素化金属を含有する水素発生剤に反応液を供給して水素を発生させる水素発生手段と、水素を供給して発電を行う固体高分子電解質型の燃料電池と、前記水素発生手段で発生した水素を前記燃料電池に供給するための水素供給経路とを備える発電装置において、前記水素供給経路に水素中のアンモニアを吸着除去する吸着剤を備えるアンモニア除去手段を設けてあることを特徴とする。本発明において、「水素供給経路」とは、水素発生手段と燃料電池との間の水素供給経路の他、水素発生手段の内部経路や燃料電池の内部経路を含むものである。
本発明の発電装置によると、水素供給経路に水素中のアンモニアを除去するためのアンモニア除去手段を設けてあるため、燃料電池の出力特性の経時的な劣化を効果的に防止できる。つまり、図2に示すように、例えば水素化マグネシウムと水の反応により発生させた水素を、そのまま固体高分子電解質型の燃料電池に供給して発電を行う場合、燃料電池の出力特性が経時的に劣化し易いが、不純物ガスの分析(但しppbオーダーのため、直接的な同定は困難であり、濃縮法等の工夫が必要であった)、モデル実験などにより原因物質を検討したところ、マグネシウムを用いて水素発生剤を製造する際に、空気中の窒素と反応して窒素化合物(窒化マグネシウム等)が生成し、これが水との反応により水素発生とともに微量アンモニア(アンモニウムイオンとしても検出された)を生成して、燃料電池を劣化させていることが明らかになった(図2参照)。
上記において、アンモニアを吸着除去する吸着剤を用いることで水素中の微量アンモニアを効果的に除去することができる。また、吸着剤を用いる場合、再生が可能である他、化学吸着が可能な場合には、高温領域でも吸着可能(離脱も生じにくい)なためより好ましい。
中でも前記吸着剤が、固体酸、活性炭、ゼオライト、及びモレキュラーシーブからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
本発明の発電方法は、水素化金属を含有する水素発生剤に反応液を供給して水素を発生させ、発生した水素を固体高分子電解質型の燃料電池に供給して発電を行う発電方法において、前記燃料電池に供給する水素中のアンモニアを吸着剤により吸着除去するアンモニア除去工程を含むことを特徴とする。
本発明の発電方法によると、燃料電池に供給する水素中のアンモニアを除去するアンモニア除去工程を含むため、上述したように、燃料電池の劣化の原因物質が除去されるため、燃料電池の出力特性が経時的に劣化しにくい発電方法を提供することができる。
上記において、アンモニアを吸着除去する吸着剤を用いることで水素中の微量アンモニアを効果的に除去することができる。また、吸着剤を用いる場合、再生が可能である他、化学吸着が可能な場合には、高温領域でも吸着可能(離脱も生じにくい)なためより好ましい。
中でも前記吸着剤が、固体酸、活性炭、ゼオライト、及びモレキュラーシーブからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
本発明の発電装置は、図1に示すように、水素化金属を含有する水素発生剤11に反応液14を供給して水素を発生させる水素発生手段10と、水素を供給して発電を行う固体高分子電解質型の燃料電池FCと、水素発生手段10で発生した水素を燃料電池FCに供給するための水素供給経路21とを備えるものである。本発明の発電装置は、このような発電装置において、水素供給経路21に水素中のアンモニアを除去するためのアンモニア除去手段20を設けてあることを特徴とする。
水素発生手段10は、例えば、図1に示すように、水等の反応液14との反応により水素ガスを発生する水素発生剤11を収容する反応容器12と、反応液14の供給部13とを備える。また、燃料電池FCへの水素ガスの供給量を調節する供給側調節機構を備えていてもよい。
反応液14の供給部13には、貯液部15を有していてもよく、反応容器12に直接、水などの反応液14を供給できる構造にしてもよい。貯液部15を設ける場合、注水口を設けて、水の消費量に応じて、水を追加供給できるようにしてもよい。貯液部15には、繊維集合体や多孔質体を配置して、毛管現象によって所定の部分に水が保持されるようにしてもよい。反応液14の供給部13には、貯液部15の反応液14を輸送する圧送手段を有していてもよい。
水素発生手段10は、水分(水又は水蒸気)との反応で水素ガスを発生させる水素発生剤11などを反応容器12内に備え、これにより燃料電池FCに水素ガスを供給することができる。水素発生剤11の反応が加熱を要する場合、加熱手段が設けられる。
水素発生剤11としては、水素化金属の粒子を含有する水素発生剤であり、水素化金属としては、水素化マグネシウム、水素化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化リチウムなどの1種以上が挙げられる。また、水素発生剤11には、必要に応じて、触媒成分、アルミニウム等の金属、アルカリ性無機化合物、凝集抑制粒子を更に含有することができる。更に、水素化金属等を樹脂多孔体中に分散させたものや、水溶性樹脂中に分散させたものでもよい。
水素化マグネシウムは、水との反応によって水素ガスを発生させるが、次のような反応が生じると考えられる。
MgH+2HO → Mg(OH)+2H (1)
この反応は発熱反応であり、系の保温を行うことによって、昇温した状態で反応を進めることができる。
水素化マグネシウム等の水素化金属は、その粒子に、圧縮力及び/又は剪断力を生じさせる方法などにより、反応性を向上させることができる。具体的には、ボールミル、ローラミル、高速回転ミル、媒体撹拌ミル、気流式粉砕機、圧密剪断ミル等の粉砕装置を用いる方法、各種のプレス装置を用いる方法などが挙げられる。なかでも、粉砕装置を用いる方法が好ましく、特にボールミルを用いる方法が好ましい。
ボールミルを用いる方法は、水素化金属の粒子のサイズに応じて、均一な圧縮力及び/又は剪断力を生じさせることができる点で好ましい。水素化金属の平均粒子径は、反応率を高める観点から、平均粒子径が0.1〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましく、5〜20μmが更に好ましい。
水素化金属の粒子の含有量は、全水素発生剤中に、80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましく、95重量%以上であることが更に好ましい。
必要に応じて含有される金属としては、アルミニウム粒子、鉄粒子、マグネシウム粒子など、水と反応して水素を発生させる金属が好ましい。なかでも、アルミニウム粒子が好ましい。また、ニッケル、バナジウム、マンガン、チタン、銅、銀、亜鉛、ジルコニウム、コバルト、クロム、カルシウム、これらの合金等の金属触媒を添加することも可能である。
アルミニウム等の金属を併用する場合、反応性を高める上で、微粒子状のものが好ましく、平均粒子径が100μm以下のものが好ましく、平均粒子径1〜50μmがより好ましく、平均粒子径1〜10μmがより好ましい。平均粒子径が1μm未満であると、製造が困難となり、また2次凝集し、シンターリングによって、昇温時に表面積の低下が著しくみられ、水素発生が低下する傾向がある。
アルミニウム粒子としては、アトマイズ法で製造したものが好ましい。また、表面の酸化被膜を除去処理したものが好ましい。このようなアルミニウム粒子としては、各種市販のものが使用可能である。
金属の含有量は、全水素発生剤中に、1〜10重量%であることが好ましい。金属の含有量が10重量%を超えると、全体の反応速度が低下すると共に、原料重量当たりの水素発生量が少なくなる傾向がある。
アルカリ性無機化合物を含有する場合、アルカリ性無機化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩などが挙げられる。アルカリ性無機化合物としては、酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、ほう砂、炭酸ナトリウム、及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましく、特に酸化カルシウムが好ましい。
アルカリ性無機化合物の含有量は、全水素発生剤中に、0.1〜10重量%であり、好ましくは0.2〜5重量%であり、より好ましくは0.5〜3重量%である。
凝集抑制粒子を含有する場合、凝集抑制粒子としては、水素発生反応に不活性な微粒子などを用いることができるが、凝集抑制粒子が、カーボンブラック、シリカ、酸化セリウム、酸化アルミニウム、及び酸化チタンからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。なかでも、凝集抑制効果を高める上で、特にカーボンブラックが好ましい。
凝集抑制粒子の含有量は、全水素発生剤中に、0.1〜30重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。凝集抑制粒子の含有量が、30重量%を超えると、相対的に水素化金属などの含有量が少なくなり、水素ガスの総発生量が不十分となる傾向がある。
カーボンブラックとしては、例えばチャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファネスブラックなど、何れのものも使用することもできる。カーボンブラックとしては、親水化処理したものなども存在するが、本発明では凝集抑制効果を高める上で、未処理の疎水性のカーボンブラックが好ましく用いられる。また、これらを用いて、酸化カルシウムを担持することも可能である。カーボンブラックの一次平均粒径は、0.01〜0.5μmが好ましい。
本発明における水素発生剤11は、粉末状の混合物でもよいが、加圧プレスにより圧密化させて、ペレットやタブレットなどの圧密化物としてもよい。このような圧密化を行うことにより、単位体積当たりの水素発生量を増加させることができる。
反応液14としては、水の他、水との反応を促進させるために、酸性分を溶解した水溶液、アルカリ分を溶解した水溶液などが使用できる。本発明では、保存性、コストなどの観点から、好ましくは水が使用できる。
このような水素発生手段10によって、水素組成が略100%(水分は除く)の水素ガスを発生させることができるが、この水素ガス中には、不純物である微量アンモニアが含まれる場合がある。このアンモニアは、マグネシウムを用いて水素発生剤を製造する際に、空気中の窒素と反応して窒素化合物(窒化マグネシウム等)が生成し、これが水との反応により生成すると考えられる。その際の次の反応が生じると考えられる。
Mg + 3HO → 3Mg(OH) + 2NH
従って、本発明は、このようなアンモニアが水素ガス中に含まれている場合に有効になり、即ち水素発生剤11に使用される水素化マグネシウム等の水素化金属が、窒化マグネシウム等の窒素化合物(特に窒化金属)を含有する場合に、特に有効となる。
水素発生手段10と燃料電池FCとは、水素供給経路21で連結されており、発生した水素ガス(H)が燃料電池FCの単位セルのアノード側空間に供給される。水素供給経路21は、パイプ等で配管されていてもよいが、仕切りの一部が開口する構造により、水素供給経路21が構成されていてもよい。
本発明の発電装置は、この水素供給経路21に水素中のアンモニアを除去するためのアンモニア除去手段20を設けてあることを特徴とする。
アンモニア除去手段20は、各種手段が当業者に良く知られており、何れの手段を使用することも可能である。アンモニア除去手段20としては、例えば水素中のアンモニアを吸着除去する吸着剤(吸着・分解や反応吸着などの化学吸着を含む)、アンモニアを溶解除去する吸収剤、アンモニアを反応により除去する反応剤、アンモニアを分解(加熱分解・触媒反応分解等)により除去する分解手段、などが挙げられるが、アンモニアを物理吸着又は化学吸着により除去する吸着剤を備えることが好ましい。
中でも吸着剤が、物理吸着又は化学吸着によりアンモニアを除去するものであることがより好ましく、固体酸、活性炭(固体酸に相当するものを除く)、ゼオライト(固体酸に相当するものを除く)、及びモレキュラーシーブからなる群から選ばれる1種以上であることが更に好ましい。中でも、アンモニアの吸着除去能力やより高温で吸着可能な観点から、化学吸着による吸着剤、特に固体酸を用いることが好ましい。
固体酸としては、代表的なものとして、表1に示すものが挙げられる。
Figure 0004537469
固体酸としては、上記のように、固体酸自体が粒状であるものや、粒状体に固体酸や液体酸を担持させたものなどがあるが、活性炭に金属塩を担持したものがコストや製造性などの観点からより好ましい。金属塩としては、硫酸塩、リン酸塩、塩化物塩、硝酸塩が挙げられ、塩を形成する金属としては、金属塩として酸性を示す金属が好適に使用できる。
固体酸とアンモニアの反応は、例えば、硫酸第1鉄を用いる場合、次の化学式(化1)のようになる。
Figure 0004537469
活性炭(固体酸に相当するものも含む)としては、GW48/100、GW−H48/100、GG10/20、2GG、GLC10/32、2GS、GW10/32、GW20/40、KLY10/32、KW10/32、KW20/42(以上、クラレケミカル(株)製)、SWWB剤(アルカリ用)、WB剤、S剤(酸用)(以上、アニコジャパン(株)製)、4T−B、4T−C、4G−H、4SA、2GS、GW20/4042(以上、クラレケミカル(株)製)などが挙げられ、好ましくは4T−B、SWWB剤(アルカリ用)、WB剤である。
ゼオライトとしては、BX、HISIV、R−3(以上、ユニオン昭和(株)製)などが挙げられ、好ましくはBXである。
モレキュラーシーブとしては、ゼオラムA−3、ゼオラムA−4(以上、東ソー(株)製)などが挙げられ、好ましくはゼオラムA−4である。
反応剤としては、主に酸性の溶液などが使用でき、NaClO水溶液、超電水原液、さとうきび希釈液、スメルナーク希釈液、水道水、ムッシュニオワンなどが挙げられる。
アンモニア除去手段20における上記除去剤の使用量は、水素中に含まれるアンモニアの濃度、処理する水素量、処理する時間等に応じて決定することができるが、例えば次のようにして決定できる。
使用する水素発生手段10を用いて、想定される条件で水素発生させ、それをアンモニア除去手段20を経由して、純水中にバブリングさせ、水素発生時間が経過した後の純水のpHが7.5以下になるように、除去剤の使用量を決定するのが好ましい。より好ましくは、水素発生時間が経過した後の純水のpHが7.0以下であり、更に好ましくは、水素発生時間が経過した後の純水のpHが6.5以下である。
具体的には、活性炭又は固体酸系の活性炭を使用する場合、水素化金属100重量部あたり、1〜100重量部の活性炭を使用するのが好ましく、10〜30重量部の活性炭を使用するのがより好ましい。
また、ゼオライトを使用する場合、水素化金属100重量部あたり、1〜100重量部の活性炭を使用するのが好ましく、40〜60重量部の活性炭を使用するのがより好ましい。
モレキュラーシーブと使用する場合、水素化金属100重量部あたり、100重量部あたり、1〜100重量部の活性炭を使用するのが好ましく、10〜30重量部の活性炭を使用するのがより好ましい。
固体高分子電解質型の燃料電池FCとしては、図3〜図4に示すように、板状の固体高分子電解質1と、その固体高分子電解質1の一方側に配置されたカソード側電極板2と、他方側に配置されたアノード側電極板3と、前記カソード側電極板2に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、前記アノード側電極板3に水素ガスを供給する水素ガス流路部とで形成される単位セルの単数又は複数を備えることが好ましい。
本実施形態では、図3〜図4に示すように、アノード側金属板5にエッチングにより水素ガスの流路溝9が形成されて水素ガス流路部が構成され、カソード側金属板4に空気を自然供給するための開口部4cが形成されて酸素含有ガス供給部が構成されている単位セルを用いる例を示す。このように、金属板4,5によってガス供給部が構成されることにより、燃料電池の薄型化・軽量化を図ることができる。
固体高分子電解質1としては、従来の固体高分子膜型電池に用いられるものであれば何れでもよいが、化学的安定性及び導電性の点から、超強酸であるスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜が好適に用いられる。このような陽イオン交換膜としては、ナフィオン(登録商標)が好適に用いられる。
その他、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなる多孔質膜に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を含浸させたものや、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質膜や不織布に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を担持させたものでもよい。
固体高分子電解質1の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、イオン伝導機能、強度、ハンドリング性などを考慮すると、10〜300μmが使用可能であるが、25〜50μmが好ましい。
電極板2,3は、ガス拡散層としての機能を発揮して、燃料ガスや酸化ガス及び水蒸気の供給・排出を行なうと同時に、集電の機能を発揮するものが使用できる。電極板2,3としては、同一又は異なるものが使用でき、その基材には電極触媒作用を有する触媒を担持させることが好ましい。触媒は、固体高分子電解質1と接する内面2b,3bに少なくとも担持させるのが好ましい。
電極基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボン繊維不織布などの繊維質カーボン、導電性高分子繊維の集合体などの電導性多孔質材が使用できる。一般に、電極板2,3は、このような電導性多孔質材にフッ素樹脂等の撥水性物質を添加して作製されるものであって、触媒を担持させる場合、白金微粒子などの触媒とフッ素樹脂等の撥水性物質とを混合し、これに溶媒を混合して、ペースト状或いはインク状とした後、これを固体高分子電解質膜と対向すべき電極基材の片面に塗布して形成される。
一般に、電極板2,3や固体高分子電解質1は、燃料電池に供給される還元ガスと酸化ガスに応じた設計がなされる。本発明では、酸化ガスとして空気、純酸素等の酸素含有ガスが用いられると共に、還元ガス(燃料)として水素ガスが用いられる。本発明では、空気が自然供給される側のカソード側電極板2では、酸素と水素イオンの反応が生じて水が生成するため、かかる電極反応に応じた設計をするのが好ましい。
燃料電池24に供給する水素ガスは、水素ガスの排出量を少なくして、安定かつ継続して効率良く発電を行う理由から、水素ガスの純度95%以上が好ましく、純度99%以上がより好ましく、純度99.9%以上が更に好ましい。
触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、銀、ニッケル、鉄、銅、コバルト及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属か、又はその酸化物が使用でき、これらの触媒をカーボンブラック等に予め担持させたものも使用できる。
電極板2,3の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、電極反応、強度、ハンドリング性などを考慮すると、50〜500μmが好ましい。
電極板2,3と固体高分子電解質1とは、予め接着、融着等を行って積層一体化しておいてもよいが、単に積層配置されているだけでもよい。このような積層体は、薄膜電極組立体(Membrane Electrode Assembly:MEA)として入手することもでき、これを使用してもよい。
本実施形態では、カソード側電極板2の表面にはカソード側金属板4が配置され、アノード側電極板3の表面にはアノード側金属板5が配置される。また、アノード側金属板5には水素ガスの注入口5c及び排出口5dが設けられ、その間に流路溝9が設けられている。
本発明では、酸素含有ガス供給部には、カソード側から外部へ水分の拡散を抑制する拡散抑制機構が設けてあることが好ましい。本実施形態では、カソード側金属板4に、空気中の酸素を自然供給するための開口部4cが設けられており、これが拡散抑制機構として機能する拡散抑制板に相当し、その拡散抑制板を介して空気を自然供給できるように構成してある。
拡散抑制板であるカソード側金属板4には、カソード側電極板2の面積に対して開口率10〜30%で開口部4cを設けることが好ましい。このような開口率とする場合、この開口率の範囲内であれば、開口部4cの個数、形状、大きさ、形成位置などは何れでもよい。なお、上記の開口率の範囲内であれば、カソード側電極板2からの集電も十分行うことができる。カソード側金属板4の開口部4cは、例えば規則的又はランダムに複数の円孔やスリット等を設けることができる。
金属板4,5としては、電極反応に悪影響がないものであれば何れの金属も使用でき、例えばステンレス板、ニッケル、銅、銅合金などが挙げられる。但し、伸び、重量、弾性率、強度、耐腐食性、プレス加工性、エッチング加工性などの観点から、ステンレス板、ニッケルなどが好ましい。金属板4,5には、電極板2,3との接触抵抗を低減するために、金メッキなどの貴金属メッキを施すのが好ましい。
アノード側金属板5に設けられる流路溝9は、電極板3との接触により水素ガス等の流路が形成できるものであれば何れの平面形状や断面形状でもよい。但し、流路密度、積層時の積層密度、屈曲性などを考慮すると、金属板5の一辺に平行な縦溝9aと垂直な横溝9bを主に形成するのが好ましい。本実施形態では、複数本(図示した例では3本)の縦溝9aが横溝9bに直列接続されるようにして、流路密度と流路長のバランスを取っている。
なお、このような金属板5の流路溝9の一部(例えば横溝9b)を電極板3の外面に形成してもよい。電極板3の外面に流路溝を形成する方法としては、加熱プレスや切削などの機械的な方法でもよいが、微細加工を好適に行う上で、レーザ照射によって溝加工を行うことが好ましい。レーザ照射を行う観点からも、電極板2,3の基材としては、繊維質カーボンの集合体が好ましい。
金属板5の流路溝9に連通する注入口5c及び排出口5dは、それぞれ1個又は複数を形成することができる。なお、金属板4,5の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、強度、伸び、重量、弾性率、ハンドリング性などを考慮すると、0.1〜1mmが好ましい。
金属板5に流路溝9を形成する方法としては、加工の精度や容易性から、エッチングが好ましい。エッチングによる流路溝9では、幅0.1〜10mm、深さ0.05〜1mmが好ましい。また、流路溝9の断面形状は、略四角形、略台形、略半円形、V字形などが好ましい。
金属板4への開口部4cの形成、金属板4,5の周辺部の薄肉化、金属板5への注入口5c等の形成についても、エッチングを利用するのが好ましい。
エッチングは、例えばドライフィルムレジストなどを用いて、金属表面に所定形状のエッチングレジストを形成した後、金属板4,5の種類に応じたエッチング液を用いて行うことが可能である。また、2種以上の金属の積層板を用いて、金属ごとに選択的にエッチングを行うことで、流路溝9の断面形状をより高精度に制御することができる。
図4に示す実施形態は、金属板4,5のカシメ部(外縁部)をエッチングにより厚みを薄くした例である。このように、カシメ部をエッチングして適切な厚さにすることで、カシメによる封止をより容易に行うことができる。この観点から、カシメ部の厚みとしては、0.05〜0.3mmが好ましい。
本発明では、カソード側電極板2に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、アノード側電極板3に水素ガスを供給する水素ガス流路部とが形成されていれば、流路部等の形成構造は何れでもよい。金属板4,5で流路部等を形成する場合には、金属板4,5の周縁は、電気的に絶縁した状態で曲げプレスにより封止することが好ましい。本実施形態では、カシメにより封止されている例を示す。
電気的な絶縁は、絶縁材料6や固体高分子電解質1の周縁部、又はその両者を介在させることで行うことができる。絶縁材料6を用いる場合、その厚みとしては、薄型化の観点から、0.1mm以下が好ましい。なお、絶縁材料をコーティングすることにより、更なる薄型化が可能である(例えば絶縁材料6の厚み1μmも可能)。
絶縁材料6としては、シート状の樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー、セラミックスなどが使用できるが、シール性を高める上で、樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどが好ましく、特にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミドが好ましい。絶縁材料6は、金属板4,5の周縁に直接あるいは粘着剤を介して貼着したり、塗布したりして、予め金属板4,5に一体化しておくことも可能である。
カシメ構造としては、シール性や製造の容易性、厚み等の観点から図2に示すものが好ましい。つまり、一方の金属板5の外縁部5aを他方の外縁部4aより大きくしておき、絶縁材料6を介在させつつ、一方の金属板5の外縁部5aを他方の金属板4の外縁部4aを挟圧するように折り返したカシメ構造が好ましい。このカシメ構造では、プレス加工等によって、金属板4の外縁部4aに段差を設けておくのが好ましい。このようなカシメ構造自体は金属加工として公知であり、公知のカシメ装置によって、それを形成することができる。
本発明では、以上のような単位セルを1個又は複数個使用して、燃料電池FCを構成することができる。この燃料電池FCでは、電気的には、各々の単位セルは直列に接続されるのが通常であるが、電流値を優先させて並列に接続してもよい。
単位セルを使用する際、金属板5の水素ガスの注入口5c及び排出口5dには、直接、水素ガス供給用のチューブを接合することも可能であるが、燃料電池の薄型化を行う上で、図4に示すように、厚みが小さく、金属板5の表面に平行なパイプ5fを有するチューブジョイント5eを設けるのが好ましい。
本発明の発電方法は、以上のような発電装置を用いて好適に実施することができる。即ち、本発明の発電方法は、水素化金属を含有する水素発生剤に反応液を供給して水素を発生させ、発生した水素を燃料電池に供給して発電を行う発電方法において、前記燃料電池に供給する水素中のアンモニアを除去するアンモニア除去工程を含むことを特徴とする。
反応液の供給は、液体又は気体(水蒸気等)で供給することができるが、具体的には、例えば、携帯電子機器類の燃料電池に水素ガスを供給する場合、密閉容器に水素発生剤を充填しておき(脱脂綿や不織布で挟み込んでもよい)、シリンジポンプやマイクロポンプで水を供給しながら、密閉容器に接続したチューブを経由して水素ガスを燃料電池に供給すればよい。このとき、必要に応じて密閉容器を加熱してもよい。
水素発生の際の反応には、特に加熱を行う必要がなく、室温(25℃)下で行うことができる。但し、保温を行うことによって、反応熱による昇温が生じて、反応速度が向上する。
水素発生剤に水等の反応液を供給する際、一度に全量を供給してもよいが、水素ガスの発生を安定した発生量で行う場合、水素発生剤1g当たり、0.5〜5.0ml/hの供給速度で水の供給を行うのが好ましい。
水素が燃料電池の水素ガス流路部に供給されると、アノード側電極でプロトンと電子が生成し、プロトンが固体高分子電解質を伝導して、カソード側電極で電子を受取ることで、起電力が生じて発電が行われる。
本発明の発電装置は、クリーンかつ高効率という特徴から、種々の用途、例えば携帯電子機器類の電源、電気自動車用電源、家庭用分散型電源として有効である。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
実験例1(不純物の特定実験)
市販の水素化マグネシウム粒子(純度98%、和光純薬工業(株)、平均粒子径約120μm)を原料とし、ジルコニアボール(直径5mm、原料の10倍使用)、及び遊星ポットミル(伊藤製作所製LP−4)を用いて、30分間処理を行った。
得られた試料を1.2g用いて、室温で保温あり(ビーカの周囲を発泡スチロールで保温)の条件下で、マイクロシリンジポンプにより、水を3ml/hの速度で供給しながら、水素を発生させた。この水素中に含まれる不純物を濃縮型GC−MS分析装置とガステックのアンモニア検知管とで分析した結果、微量のアンモニアが含まれていた。また、同時に1−プロピン、ペンタン、ヘキサンなどの炭化水素も発生していた。イオンクロマトグラフィによる分析では、アンモニウムイオンも検出された。また、最終的に、次の分析方法で微量のアンモニアが含まれていることを確認した。
即ち、分析に用いる試料として、燃料電池から発生したガス(水素ガス) 2検体と、A:発生セルからの水素ガス[異臭有り、n=1(2/2採取)、n=2(2/16採取)]と、B:水素ボンベからの水素ガス[異臭なし、n=1(2/2採取)、n=2(2/16採取)]とを使用した。試料の調製および測定方法は、テドラーバックに採取したガス1Lを吸着剤(Carbotrap217)に通してガス中の成分を捕集し、その後、その吸着剤をGC/MSに直結した加熱脱着装置(TDS)で加熱して捕集成分を脱着した。加熱脱着中は注入口部分(CIS)を液体窒素で−150℃に冷却し、発生成分をコールドトラップした後、注入口を急速加熱して発生成分をカラムに導入して分析を行った。また、試料採取、捕集を含む測定の再現性を確認するために、試料をn=2で測定し、各々n=1,2と記載した。なお、ガスを通していない吸着剤(空試験)と、テドラーバックに採取した実験室の空気(2/16採取)を、ブランクとして試料と同様に測定した。
分析装置としては、加熱捕集装置:JAI,HM−04、加熱脱着装置:Agilent,TDS/CIS、GC/MS:Agilent,HP6890plus/HP5973を用いた。測定条件としては、捕集条件として、吸着剤:Carbotrap217、試料量:1L、加熱脱着条件として、TDS条件:20℃(1min)、60℃/min、300℃(5min)、CIS条件:−150℃(2.5min)、12℃/sec、300℃(10min)とした。
GC/MS条件としては、カラム:Ultra−1(0.20mmφ×25m,df=0.33μm)、カラム温度:40℃(5min)、5℃/min、100℃、10℃/min、300℃(10min)、カラム圧力:定流量モード(135kPa)、カラム流量:1 mL/min(He)、注入方法:CIS,Split(20:1)、検出器:MS、イオン源温度:230℃、イオン化方法:EI(70eV)、スキャン範囲:m/z10〜500、ゲイン:1529Vを採用した。
一方、発生した水素ガスを純水中にバブリングさせると、pHが高くなることがわかり、水溶性でアルカリ物質であることが分かっていた。そこで、水素中に含まれる不純物のうち、劣化の原因物質がアンモニアであると仮定し、水素ガスをアンモニア水溶液にバブリングして、微量のアンモニアを含む水素ガスを生成させ、燃料電池の単セル(後述の実施例1で使用するものと同じ)に供給して、出力特性(出力電圧)の劣化が生じるか否かを確認した。アンモニア水溶液の濃度は、0.01mM〜50mMと変化させた。
その結果、図5に示すように、アンモニア水溶液の濃度が50mMの時に、急激に燃料電池の単セルの出力特性が劣化した。これらの結果から、劣化の原因物質がアンモニアであることが判明した。
実施例1
耐食性を有するSUS(50mm×26mm×0.3mm厚)に溝(幅0.8mm、深さ0.2mm、間隔1.6mm、本数21本)、及び周辺カシメ部、ガス導入、排出孔を塩化第二鉄水溶液によるエッチングにより設け、これをアノード側金属板とした。同様に、耐食性を有するSUS(50mm×26mm×0.3mm厚)に貫通孔(0.6mmφ、ピッチ1.5mm、個数357個、接触領域の開口率13%)、及び周辺カシメ部、ガス導入、排出孔を塩化第二鉄水溶液によるエッチングにより設け、これをカソード側金属板とした。そして絶縁シート(50mm×26mm×2mm幅、厚み80μm)をSUSに張り合わせた。
また、薄膜電極組立体(49.3mm×25.3mm)は、下記のようにして作製した。白金触媒は、米国エレクトロケム社製20%白金担持カーボン触媒(EC−20−PTC)を用いた。この白金触媒と、カーボンブラック(アクゾ社ケッチェンブラックEC)、ポリフッ化ビニリデン(カイナー)を、それぞれ75重量%、15重量%、10重量%の割合で混合し、ジメチルホルムアミドを、2.5重量%のポリフッ化ビニリデン溶液となるような割合で、上記白金触媒、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデンの混合物中に加え、乳鉢中で溶解・混合して、触媒ペーストを作製した。カーボンペーパー(東レ製TGP−H−90、厚み370μm)を20mm×43mmに切断し、この上に、上記のようにして作製した触媒ペースト約20mgをスパチュラにて塗布し、80℃の熱風循環式乾燥機中で乾燥した。このようにして4mgの触媒組成物が担持されたカーボンペーパーを作製した。白金担持量は、0.6mg/cm2 である。
上記のようにして作製した白金触媒担持カーボンペーパーと、固体高分子電解質(陽イオン交換膜)としてナフィオンフィルム(デュポン社製ナフィオン112、25.3mm×49.3mm、厚み50μm)を用い、その両面に、金型を用いて、135℃、2MPaの条件にて2分間ホットプレスした。こうして得られた薄膜電極組立体を上記のSUS板2枚の中央で挟み込み、図4に示すようにカシメ合わせることで、外寸50mm×26mm×1.4mm厚のマイクロ燃料電池を得た。
このマイクロ燃料電池を用い、実験例1と同じ条件で水素を発生させて、モレキュラーシーブ(ゼオラムA−4(東ソー(株)製))0.5gを充填した吸着剤を介して水素を供給することで、電池特性を評価した。燃料電池特性は、東陽テクニカ製燃料電池評価システムを用い、室温下、アノード側に水素ガスを流し、カソード側は大気開放とし、電流587mAの一定運転で測定した。その際の出力電圧の経時変化を図2に示す。この結果から、略同一の出力電圧値を長期間にわたって維持できることが判った。
実施例2
実施例1において、モレキュラーシーブの代わりに活性炭(4T−B(クラレケミカル(株)製))0.5gを充填した吸着剤を用いたこと以外は、全て実施例1と同じ条件で水素を供給することで、電池特性を評価した。その際の出力電圧の経時変化を図2に示す。この結果から、略同一の出力電圧値を長期間にわたって維持できることが判った。
比較例1
実施例1において、吸着剤を用いないこと以外は、全て実施例1と同じ条件で水素を供給することで、電池特性を評価した。その際の出力電圧の経時変化を図2に示す。この結果から、出力電圧値が時間と共に大幅に低下することが判った。
実験例2(アンモニアの室温除去実験)
実験例1と同じ条件で得られた試料(水素発生剤)11gを90℃に維持しつつ、1.8cc/hrで水を注入して水素を発生させ、図6に示すアンモニア除去剤0.5gに室温で通した後、純水にバブリングして、そのpHを測定した。その結果を図6に示す。この図に示すように、モレキュラーシーブ(ゼオラムA−4)および活性炭(4T−B)がアンモニアの除去性能の点で特に優れていた。
実験例3(アンモニアの60℃除去実験)
実験例1と同じ条件で得られた試料(水素発生剤)11gを90℃に維持しつつ、1.8cc/hrで水を注入して水素を発生させ、図7に示すアンモニア除去剤0.5gを60℃に維持しつつ通過させた後、純水にバブリングして、そのpHを測定した。その結果を図7に示す。この図に示すように、モレキュラーシーブ(ゼオラムA−4)および活性炭(4T−B)がアンモニアの除去性能の点で特に優れていた。
実験例4(水素化カルシウムを用いた除去実験)
水素発生剤として、A社(ケメタル社)製の水素化カルシウム(平均粒径10μm)と、B社(和光純薬社)製の水素化カルシウム(平均粒径10μm)のサンプル1〜5を各々1.2g用いて、2.0cc/hrで水を注入して水素を発生させた。発生した水素1Lから、これを適当な倍率で希釈したものを100mLだけシリンジで抜き取り、アンモニア検知管(感度3ppm)を用いてアンモニア濃度を測定し、希釈倍率からアンモニア濃度を求めた。その結果を表1に示す。
一方、アンモニア除去剤(リン酸塩を含浸させたシリカゲルシート、厚み1.0mm、安積濾紙社製)を用いて、同様にして水素ガスを発生させながらシート面に対して垂直方向に通過させて、アンモニアを除去した。発生した水素1Lから、100mLだけシリンジで抜き取り、アンモニア検知管(感度3ppm)を用いてアンモニア濃度を測定した。その結果を表2に示す。なお、0.1ppm未満は、検出限界以下を示す。
Figure 0004537469
実施例3(耐久性試験)
実験例4のサンプル2の水素発生剤(発生水素ガス中のアンモニア濃度250ppm)を用いて、2.0cc/hrで水を注入して水素を発生させ、発生した水素ガスを実験例4と同様にしてアンモニア除去剤で除去しながら、実施例1と同じ発電セルに供給して発電を行い、その際の発電セルの耐久性を調べた。
物理吸着(No.1、2)を行う際のアンモニア除去剤としては、活性炭シート(安積濾紙社製、厚み1.0mm)を用い、化学吸着(No.3、4)を行う際のアンモニア除去剤としては、リン酸塩を含浸させたシリカゲルシート(厚み1.0mm、安積濾紙社製)を用いた。発電の際には、発電セルに対して電子負荷により200mA/cmの電流が流れるように設定し、その出力電圧を測定した。その結果を初期値を100%とする相対値として、図8に示す。
図8に示すように、物理吸着によるアンモニア除去では、約500hrまで徐々に出力電圧の低下が認められた。一方、化学吸着によるアンモニア除去では、約500hrまでの間、出力電圧はほぼ一定を示し、劣化がないことが確認できた。
比較例2
実施例3において、アンモニア除去剤を用いないこと以外は、全て実施例3と同じ条件で水素を供給することで、電池特性を評価した。その際の出力電圧の経時変化を図9に示す。この結果から、不純物除去を行わなかった場合、わずか数時間で出力は0.2Vに低下し、最後は非常に出力の変動も大きな状態となった。出力電圧値が時間と共に大幅に低下することが判った。
本発明の発電装置の一例を示す概略構成図 実施例等における出力特性(出力電圧)の経時変化を示すグラフ 本発明の発電装置に用いる単位セルの一例を示す組み立て斜視図 本発明の発電装置に用いる単位セルの一例を示す縦断面図 実験例1における出力特性(出力電圧)の経時変化を示すグラフ 実験例2における出力特性(出力電圧)の経時変化を示すグラフ 実験例3における出力特性(出力電圧)の経時変化を示すグラフ 実施例3における出力特性(出力電圧)の経時変化を示すグラフ 比較例2における出力特性(出力電圧)の経時変化を示すグラフ
符号の説明
1 固体高分子電解質
2 カソード側電極板
3 アノード側電極板
4 カソード側金属板
5 アノード側金属板
10 水素発生手段
11 水素発生剤
14 反応液(水等)
20 アンモニア除去手段
21 水素供給経路
FC 燃料電池

Claims (4)

  1. 水素化金属を含有する水素発生剤に反応液を供給して水素を発生させる水素発生手段と、水素を供給して発電を行う固体高分子電解質型の燃料電池と、前記水素発生手段で発生した水素を前記燃料電池に供給するための水素供給経路とを備える発電装置において、前記水素供給経路に水素中のアンモニアを吸着除去する吸着剤を備えるアンモニア除去手段を設けてあることを特徴とする発電装置。
  2. 前記吸着剤が、固体酸、活性炭、ゼオライト、及びモレキュラーシーブからなる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載の発電装置。
  3. 水素化金属を含有する水素発生剤に反応液を供給して水素を発生させ、発生した水素を固体高分子電解質型の燃料電池に供給して発電を行う発電方法において、前記燃料電池に供給する水素中のアンモニアを吸着剤により吸着除去するアンモニア除去工程を含むことを特徴とする発電方法。
  4. 前記吸着剤が、固体酸、活性炭、ゼオライト、及びモレキュラーシーブからなる群から選ばれる1種以上である請求項3に記載の発電方法。
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