JP4536991B2 - 容器用の熱ジャケット - Google Patents
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Description
【発明の背景】
本発明は、全体として、鋳造過程にて使用される半固体材料を「オンデマンド」にて製造し得る構造及び配置とされた装置に関する。過程の一部として使用される必須の構成要素及び構造的配置を有する色々なステーションが全体的な装置の一部として含められている。開示された装置を使用して半固体材料をオンデマンドにて製造する方法は本発明の一部として含められている。
【0002】
より具体的には、本発明の一実施形態は、半固体材料の成形過程中、溶融金属の加熱/冷却速度を制御し得るように溶融金属を保持する成形容器の外側に係合する熱ジャケットに関するものである。本発明は、金属又は金属合金の半固体の成形のために使用すべく開発されたものであるが、本発明の特定の適用例はこの分野の範囲外となることもある。
【0003】
本発明は、比較的短いサイクル時間にて半固体材料の製造を容易にすべく電磁攪拌技術及び各種の温度制御、冷却制御技術及び装置を具体化するものである。本発明はまた、半固体材料を鋳造機のショットスリーブ内に直接排出する構造的構成及び技術も含まれる。本明細書にて使用するように、「オンデマンド」という概念は、半固体材料がその材料が製造される容器から鋳造工程に直接、向かうことを意味する。半固体材料は、典型的に、「スラリ」と称され、「1回の注入量」として製造されるスラグは、同様にビレットと称される。これらの用語は、所望の単一ショットビレットに相応する容積を表現し得るように本明細書にて組み入れられている。
【0004】
正味形状体及びほぼ正味形状体の製造のための軽金属の半固体成形は、ダイキャスティング法の経済的なコスト上の利点を有する高強度、低多孔質巣の構成要素を製造することができる。しかし、半固体成形(SSM)法は、加工前のビレット又はスラグとして購入した金属を使用することに関連する多額の資本を要することを前提条件とする。
【0005】
SSM法にて形成された部品は、高品質及び高強度であることが既知である。SSM部品は,大きい入口面積及び遅いキャビティの充填速度を使用するダイキャスト法の1つの変形例であるスクィーズ鋳造法により形成された部品と比較して好ましい。非乱流の金属速度(0.762から2.540m/秒(30から100インチ/秒)の入口速度)及び凝固中に部品に対し極度の圧力を付与することにより、多孔質巣が防止される。スクィーズ鋳造法及びSSM法の双方は、熱処理可能な均一に高密度の部品を製造する。
【0006】
SSM法は、鍛造品の性質に近似するダイキャスト法及び機械的性質の工程上の経済性をもたらす。更に、SSM法は、金属の樹木状晶ミクロ組織を利用して、高品質で且つ高強度の部品を製造する。SSM法は、粒状のアルファ粒子組織のため、スクィーズ鋳造法よりも薄い肉厚を鋳造することができ、また、アルミニウム及びマグネシウム合金の双方に対し具合良く使用することができる。SSM部品は、スクィーズ鋳造法の特徴である極度の圧力下にて含浸することを必要とせずに溶接可能であり且つ圧密である。
【0007】
SSM法は、任意のその他のアルミニウム鋳造法よりもより精密な寸法上の能力を保持することが分かっている。このことは、コストを顕著に節減し、機械加工を少なくし、より高生産速度のためより迅速なサイクル時間が可能であるから、SSM部品に対する需要を増大させている。高強度及び最小多孔質巣であることに加えて、SSM部品は、ダイキャスト部品よりも部品対ダイの収縮率が少なく且つ反りが殆どない。SSM法は、望ましい正味形状により近い鋳造品を製造し、このことは、二次的機械加工工程を少なくし且つその工程を不要にすることさえも可能である。鋳造品の表面仕上げは、これら鋳造品が置換する鉄及びスチール部品よりも優れたものであることがしばしばである。
【0008】
SSM法は、従来のダイキャスティング(48.263から82.737MPa(7,000から12,000psi))より高圧の最終金型圧力(103.421から206.843MPa(15,000から30,000psi))を必要とするが、近代のダイキャスティング装置は、SSM部品を効率的に且つ経済的に製造するのに必要な自由度を提供する。今日のダイキャスティング機械に組み込まれたリアルタイムの閉ループ液圧回路は、SSM材料合金の正確な充填速度を自動的に維持することができる。閉ループ過程の制御システムは、金属の温度及び時間、電気センサからの電圧フィードバック及びその他のデータを監視し、高品質部品の生産性を最大にし且つ生産性を保証することができる、極めて確実で且つ精密に制御された工程を提供する。
【0009】
上述したように、ほぼ正味通りの形状にて高強度、低多孔質巣の製品を製造するため、半固体金属スラリを使用することが可能であることは周知である。しかし、半固体金属の粘度は、スラリの温度又はこれに相応する固体の画分により極めて影響を受け易い。高固体画分率にて優れた流動性を得るためには、半固体金属の一次的固相はほぼ球状でなければならない。
【0010】
一般に、半固体の処理は、チクソキャスティング法及びレオキャスティング法という2つの範疇に分類することができる。チクソキャスティング法において、凝固する合金のミクロ組織は、合金が鋳造されて固体の供給材料になる前に、樹木状晶から分離した再生樹枝状晶に変換され、その後、その樹枝状晶は、半固体状態になるように再度溶融させ且つ金型内に鋳込んで、所望の部品を形成する。レオキャスティング法において、液体金属は、そのミクロ組織が変換する間、冷却されて半固体状態となる。次に、スラリを形成し又は金型内に鋳込んで、所望の1つ又は複数の部品を製造する。
【0011】
レオキャスティング法における主な障害は、短いサイクル時間内で所望の好ましい温度範囲内の十分なスラリを形成することが困難なことである。追加的な鋳造及び再溶解工程のため、チクソキャスティング法のコストは高いが、工業的製造のためチクソキャスティング法を具体化することは、時間及びスペースの点にて再加熱及び成形工程から分離したものとすることのできる別個の工程にて半固体の供給材を多量に鋳造することができるから、レオキャスティング法よりも遥かに優れたものである。
【0012】
半固体の鋳造過程において、一般に、その形態が保持される樹木状晶固体粒子から成るスラリが凝固中に形成される。最初に、スラリ又は半固体を形成する初期の段階にて、樹木状晶粒子は、核を形成し且つ溶融した合金内にて等軸樹枝状晶として成長する。適正な冷却速度及び攪拌によって、樹木状晶粒子の枝はより大きく成長し、樹枝状晶の腕は、粗化する時間を有し、このため一次及び二次的樹枝状晶の腕の間隔が増大する。攪拌が行われるこの成長段階の間、樹枝状晶の腕は接触し且つ画分されて再生された樹木状晶粒子を形成する。保持温度にて、粒子は粗化を続け且つより丸くなり、理想的な球状の形状に近づく。丸くなる程度は、その過程に対して選ばれた保持時間によって制御される。攪拌を加えると、「コヒーレンシ」(樹枝状晶が絡んだ構造体となる状態)点に達しない。画分された再生樹枝状晶粒子から成る半固体材料は、低せん断力にて変形を続ける。本発明は、比較的短いサイクル時間にて適宜なスラリを形成すべく合金の金属組織的振舞いを利用する装置及び方法を新規で且つ非自明の仕方にて具体化するものである。
【0013】
所望の画分した固体及び粒子寸法並びに形状が実現されたならば、半固体材料は、ダイ金型内に射出することにより又は何らかの他の成形過程により形成する準備が整う。固体シリコンの形成が開始し且つシリコンの粗化が開始するときの温度よりも高い温度にスラリの形成過程を制限することにより、シリコンの粒子寸法はその過程中、制御される。
【0014】
半固体合金の一次的固体樹木状晶組織は、液相線温度付近にて液体合金又は半固体合金内にて次の動揺を採用することにより、ほぼ球状となるように変換することができることが既知である。
【0015】
1)攪拌:機械的攪拌又は電磁的攪拌;
2)刺激:低周波振動、高周波、電気ショック又は電磁波;
3)等軸核形成:迅速な過冷、精粒機;
4)オズワルド熟成及び粗化:合金を長時間、半固体温度に保つ。
【0016】
(2)から(4)の方法は、半固体合金のミクロ組織を変換するのに効果的ではあるが、これらの方法は、半固体金属の次のような性質又は必要条件のため、短い処理時間にて多量の合金を処理するには効率的ではないという共通の制約がある。
【0017】
・振動時の減衰効果が大きい;
・電磁波の浸透深さが浅い;
・迅速な過冷に対する潜熱が大きい;
・精粒機を追加するため追加的なコスト及びリサイクル上の問題点を伴う;
・自然熟成は長時間がかかり、短いサイクル時間を妨げる。
【0018】
従来技術の開発の殆どは、主として半固体合金のミクロ組織及びレオロジに力点を置くものであるが、当該発明者等は、比較的短いサイクル時間にて確実に且つ効果的に半固体加工する上で温度の制御が最も重要なパラメータであることが分かった。半固体金属の見掛け密度は固体の画分に伴って指数関数的に増大するから、40%以上の固体の画分を有する合金における温度差が小さい結果、その流動性は大幅に変化する。実際には、上述したように、半固体金属を製造する方法(2)及び(4)を使用することの最大の障害は、攪拌が行われないことである。攪拌しないならば、特に、多量の合金が必要とされるとき、必要とされる均一な温度及びミクロ組織を有する合金スラリを形成することは極めて難しい。攪拌しないならば、大きい温度差を生ぜずに半固体金属を加熱し且つ冷却する唯一の方法は、遅い加熱/冷却過程を使用することである。かかる方法は、多数の供給材料のビレットを予めプログラム化した加熱炉及びコンベア装置の下で同時に処理することを必要とし、このことは、コスト高であり、メンテナンスが難しく且つ制御が困難である。
【0019】
環状の狭い空隙内で高速度の機械的攪拌法を使用することは、半固体混合体中の樹枝状晶を画分するのに十分な高せん断力を発生させることができるが、この狭い空隙は、その過程の体積処理量を制限することになる。(例えば、溶融アルミニウム合金の)高温度、高腐食率、及び半固体スラリの高摩耗率が組み合わさることは、適正な材料を設計し且つ選択し、また、攪拌メカニズムを保つことを極めて困難にする。
【0020】
従来技術の引用例には、チクソキャスティング法により形成された固体ビレットを再加熱することにより、又は機械的或いは電磁的攪拌作用を使用して溶融体から直接、半固体スラリを形成する方法が開示されている。半固体合金スラリを製造する既知の方法は機械的攪拌及び誘電性電磁的攪拌作用を含む。所望の組織のスラリを形成する過程は、一部分、せん断及び凝固速度の相互作用の影響によって制御される。
【0021】
1980年代の初め、分離した再生樹枝状晶を有する半固体供給材料を鋳造するための電磁的攪拌法が開発された。この供給材料を適宜な寸法に切断し、次に、金型キャビティ内に射出する前に、半固体状態となるように再溶融させる。この磁気流体学的(MHD)鋳造法は、十分に分離した再生樹枝状晶を有する多量の半固体供給材料を製造することができるが、ビレットを鋳造し且つ該ビレットを再溶融させて半固体の組成物に戻すための材料の取り扱いコストは、例えば、重力鋳造法、低圧ダイ鋳造法、又は高圧ダイ鋳造法のようなその他の鋳造法と比較して、この半固体過程の競争力を低下させる。その最たるものとして、ビレット加熱装置の複雑さ、ビレット加熱過程の速度の遅さ及びビレットの温度制御の困難性は、この型式の半固体成形法にとって大きい技術的障害である。
【0022】
ビレット再加熱過程は、半固体成形(SSF)製品を製造するためのスラリ又は半固体材料を提供する。この過程は広範囲に使用されているが、鋳造可能な合金の範囲が限定される。更に、この型式の供給材料を処理するとき必要とされる機械的強度を提供するため、固体の高画分率(0.7から0.8)が必要とされる。ビレットの鋳造、取り扱い及び再加熱に必要な過程のため、競合するダイ及びスクイズキャスティングにて溶融金属の供給材料を直接、施す場合と比較して、コストがこの方法の実施を制限する別の大きな制約である。
【0023】
スラリ又は半固体材料を形成する機械的攪拌過程において、反応性金属がロータを攻撃する結果、製品は腐食されて凝固する金属を毀損することになる。更に、ロータ羽根の外端縁と混合容器内の内側容器壁との間に形成される環状体は、低せん断領域を形成する一方、高せん断率領域及び低せん断率領域の間の遷移領域内にせん断帯域が形成される。SSF法に対しビレットをチクソキャスティングするためスラリを処理するときに使用される上述の多数の電磁的攪拌法が存在するが、レオキャスティング法の適用に関して記述したものは殆どない。
【0024】
レオキャスティング法、すなわち直ちに所要形状となる半固体スラリを形成するため液体金属を攪拌する方法により製造する方法は、現在まで、工業化されていない。レオキャスティング法はチクソキャスティング法の難点の殆どを解決することは明らかである。しかし、工業的製造技術、すなわちオンライン(すなわちオンデマンド)にて安定的な供給可能な半固体スラリを製造する技術となるためには、レオキャスティング法は、次の実際に難しい課題を解決しなければならない。すなわち、冷却率を制御すること、ミクロ組織を制御すること、均一な温度及びミクロ組織とすること、スラリの量が多量であり及びその寸法が大きいこと、短いサイクル時間を制御し且つ異なる型式の合金を取り扱うこと、容器への及び容器から鋳造注入スリーブまでスラリを直接的に搬送する手段及び方法である。
【0025】
本発明による、上記の困難な課題を解決する方法の1つは、液体金属が半固体範囲に凝固するとき、液体金属の電磁攪拌を適用することである。かかる攪拌は、液体金属とその容器との間の熱伝導を向上させ、金属の温度及び冷却速度を制御し、液体金属の内部に高せん断率を発生させ、分離した再生樹枝状晶を有するミクロ組織を改変するものである。この攪拌は、溶融金属の混合体により金属の温度及びミクロ組織の均一さを向上させる。攪拌機構及び方法を慎重に設計することにより、攪拌は適用例の必要条件に依存して、多量で且つ大きい寸法の半固体スラリを駆動し且つ制御する。この攪拌は、冷却速度を制御することによりサイクル時間を短縮することに役立ち、このことは、すべての型式の合金、すなわち鋳造合金、錬鉄合金、MMC等に適用可能である。
【0026】
半固体スラリを形成することを目的としてプロペラ型式の機械的攪拌装置が使用されているが、特定の問題点又は難点がある。例えば、半固体スラリの高温度、耐食性及び高磨耗特性は、機械的攪拌作用を備える信頼し得るスラリ装置を設計することを極めて困難にする。しかし、レオキャスティング法にて機械的攪拌作用を使用するときの最も重要な難点は、その処理能力が小さいため、必要な生産量を満たすことができない点である。分離した再生樹枝状晶を有する半固体金属は、低周波の機械的振動、高周波超音波又はソレノイドコイルによる電磁的刺激により、形成することができることも既知である。これらの過程は、より遅いサイクル時間にてより小さいサンプルに対し機能するが、これらは、浸透深さが制限されるため、より大きいビレットを製造するとき効率的でない。別の型式の過程は、ソレノイド誘導刺激法であるが、磁界の浸透深さが制限され及び不必要な発熱を伴うため、この過程は生産効率の点で実現する上で多数の技術的問題点がある。工業的過程にて最も広く使用されている強力な電磁的攪拌法は、多量のスラリを製造することを許容する。重要なことは、この方法が任意の高温度合金に適用可能な点である。
【0027】
強力な電磁的攪拌法の2つの主要な変形例が存在し、その一方は回転ステータによる攪拌法であり、もう一方は線形ステータによる攪拌法である。回転可能なステータの攪拌により、溶融金属は擬等温面内で移動し、このため、優勢な機械的せん断力により樹枝状晶の再生が行われる。1984年3月6日付けでウィンター(Winter)らに対し発行された米国特許第4,434,837号にはチキソトロピ金属スラリを連続製造する電磁的攪拌装置が記載されており、単一の2極構造のステータは回転する非零の磁界を発生させ、この磁界は長手方向軸の横方向に移動する。この移動する磁界は金属容器で接線方向に方向決めされた攪拌磁力を発生させる。この磁力は、樹枝状晶を破壊するため、少なくとも50sec-1のせん断速度を発生させる。線形ステータによる攪拌法の場合、メッシュ領域内のスラリは、より高温度領域に再循環され且つ再溶融され、このため、熱過程は樹枝状晶を破壊する上でより重要な役割を果たす。1993年6月15日付けでメイヤー(Meyer)に対し発行された米国特許第5,219,018号には、多相電流電磁刺激による連続鋳造法によりチキソトロピ金属製品を製造する方法が記載されている。この方法は、樹枝状晶が形成される低温領域をより高温領域に向けて連続的に移送することにより、これら樹枝状晶の表面を再溶融させることで樹枝状晶のノジュールへの変換を実現する。
【0028】
本発明に従って形成された部品は、典型的に、金型内での液体から固体への完全な変態により形成され、その他の鋳造過程における樹木状晶組織の特徴を有する成形品と比べて、特に伸延率の点に関して同等又はより優れた機械的性質を有する。
【0029】
熱ジャケットに関する本発明の実施の形態に特に関係して、鋳造技術の分野において、溶融金属を成形容器又はるつぼに搬送し、この容器又はるつぼにてその溶融金属が完全に又は少なくとも一部分、凝固するようにすることが一般的である。溶融金属の凝固中、熱エネルギを漸進的に付与し又は吸引するため加熱/冷却システムが設けられる場合がある。加熱/冷却システムは、溶融金属の温度を調節し、これにより、所望の温度及び材料の固体性に達するまで、溶融金属が制御された率にて冷却するのを許容することにより、凝固率を制御する作用を果たす。
【0030】
適宜な加熱/冷却システムの設計における考慮事項は、熱を金属に均一に加え且つ(又は)熱を金属から均一に除去するその能力並びに凝固過程の全体にわたって金属の温度を制御するその能力を含む。システムは、また熱を迅速に周囲環境に放散し、サイクル時間を短縮し且つ全体の生産量を増大させるのに十分な熱容量も有しなければならない。更に、熱の除去又は追加は可能な限り均一でなければならない。更に、凝固過程は溶融金属の温度及び冷却率の変化に極めて敏感であるから、システムはこれらのパラメータの各々を正確に且つ自動的に制御し得なければならない。
【0031】
従来から、上述した検討事項の少なくともいくつかを取扱う、金属又は金属合金の半固体成形時に使用される熱ジャケットが必要とされている。この必要性を満足させる効果的な手段は、当該技術分野の当業者によって見逃されていた。本発明はこの必要性を新規且つ非自明の仕方にて満足させるものである。
【0032】
【発明の概要】
本発明の一形態は、溶融金属を保持する容器と、第1対の軸方向端縁の間を伸びる第1面を画成する第1部分、第2対の軸方向端縁の間を伸びる第2面を画成する第2部分を有する熱ジャケットとを備え、溶融金属の温度を制御する装置を対象とするものである。第1面及び第2面の各々には、容器と熱ジャケットとの間にて伝導性熱伝導を行うべく容器が密着係合し、第1対の軸方向端縁が第2対の軸方向端縁とほぼ対向する位置に配置される。本発明の更なる面において、第1及び第2面が容器と密着するとき、第1対の軸方向端縁と第2対の軸方向端縁との間に空隙が存在する。
【0033】
本発明の別の形態において、溶融金属を保持する容器と、該容器と熱的に連通する熱ジャケットとを備える、溶融金属の冷却率を制御する装置が提供される。熱ジャケットは、溶融金属の冷却率を約0.1℃/秒から約10℃/秒の範囲内で制御する手段を備えている。
【0034】
本発明の更なる形態において、溶融金属を保持する容器と、第1面を画成する第1部分、第2面を画成する第2部分を含む熱ジャケットと、容器の第1及び第2部分を容器と密着するように配置するアクチュエータとを備える、溶融金属の温度を制御する装置が提供される。
【0035】
本発明の更に別の形態において、流体を第1流れ方向に向ける複数の第1通路と、流体を第1流れ方向とほぼ反対の第2流れ方向に向ける複数の第2通路とを画成する本体部分を備える熱ジャケットが提供される。マニホルドは、第1流れ方向から第2流れ方向へ流体の流れを偏向すべく相応する対の第1及び第2通路と流体的に連通する位置に配置された複数の流体路を有している。
【0036】
本発明の更に別の形態において、流体を貫通するように伝達し得るようにされた複数の通路を画成する本体部分と、流体を通路の各々に分配し得るよう通路と流体的に連通する位置に配置された流体路を有する流体の分配マニホルドとを備える熱ジャケットが提供される。
【0037】
本発明の別の形態において、軸線に沿って伸びる外面を有する壁と、少なくとも部分的に壁を貫通して伸び且つ流体を貫通するように運び得るようにされた複数の通路と、外面から伸びて且つ流体を軸に対し直角の方向に排出すべく通路のそれぞれ1つと流体的に連通した複数の開口部とを備える、熱ジャケットが提供される。
【0038】
更に別の形態において、容器及び熱ジャケットを提供することと、溶融金属を容器内に導入することと、熱ジャケットを容器と熱的に連通する位置に配置することと、容器と熱ジャケットとの間にて熱伝導を行うことと、溶融金属の冷却率を約0.1℃/秒から約10℃/秒の範囲内で制御することとを備える、溶融金属の冷却率を制御する方法が提供される。
【0039】
【好ましい実施の形態】
本発明は、特定の固体画分及び特定の固体粒子の形態を有する半固体スラリのオンデマンドにて製造する装置及び方法を提供するものである。装置及び方法の簡単な説明を以下に掲げる。しかし、更なる詳細は、発明者、ノルビル(Norville)、ロンバード(Lombard)、ルー(Lu)及びワング(Wang)により2000年6月1日付けで出願され且つ弁護士事件番号第9105−3号として指定された、同時出願係属中の特許出願第09/585,061号に開示されている。この同時係属中の特許出願は、明示的にその全体の開示内容を参考として引用し本明細書に含めてある。
【0040】
図1及び図2を参照すると、各種の鋳造又は鍛造用途にてその後に使用すべく金属又は金属合金の半固体スラリビレットを製造する装置が図示されている。該装置は、全体として、溶融金属を保持する容器又はるつぼ20と、成形ステーション22と、排出ステーション24と、容器20を成形ステーション22と排出ステーション24との間にて輸送する輸送機構26とを備えている。成形ステーション22は、全体として、容器20内に保持された金属又は合金の温度及び冷却率を制御する熱ジャケット30と、熱ジャケット30を容器20の周りで支持し且つ該熱ジャケットに係合する骨組体32と、容器20内に保持された金属を電磁的に攪拌する電極ステータ34とを備えている。排出ステーション24は、全体として、その間の表面結合を破壊することにより容器20からのスラリビレットの除去を容易にする誘導コイル36と、その後に鋳造又は鍛造プレスのショットスリーブに直接輸送し得るようにスラリビレットを容器20から排出する手段(図示せず)とを備えている。
【0041】
容器20は、低熱抵抗性、優れた電磁浸透能力、優れた耐食性、高温度における比較的高強度を有する非磁気材料で出来たものであることが好ましい。容器20はその内部に保持された金属から熱を吸収し且つその熱を周囲環境に迅速に放散しなければならないため、適宜な容器の材料を選ぶとき、低熱抵抗性は重要なファクタである。更に、材料の密度及び厚さもまた考慮しなければならない。一例として、容器20は、非限定的に、黒鉛、セラミック及びステンレス鋼を含む材料で形成することができる。溶融アルミニウムのような反応性合金による攻撃に対する更なる抵抗性を付与し且つ成形過程が完了した後、スラリビレットの排出を助け得るように、容器20の内面は、窒化ホウ素、セラミック被覆又は任意のその他の適宜な材料を被覆し又は熱溶射することが好ましい。
【0042】
容器20は、円筒状の外面41を画成する側壁40と、平坦な底部壁42と、開放した頂部44とを含む缶の形状であることが好ましい。側壁40及び底部壁42は協働して、内面48により境が設定された中空の内部46を画成する。一実施形態において、容器20は、約50.8mmから203.2mm(約2インチから8インチ)の範囲の外径と、約228.6mmから約457.2mm(約9インチから約18インチ)の範囲の全体高さと、約1.27mmから約50.8mm(約0.05インチから約2インチ)の範囲の肉厚とを有している。しかし、容器20は、その他の形状及び寸法とすることも考えられることを理解されたい。例えば、容器20は、これと代替的に、当該技術分野の当業者に案出されるように、方形、多角形、楕円形又は任意のその他の形状のような形状を画成するようにしてもよい。更に、容器20の寸法は、容積と露出した内面/外面の面積との間の比を変更し得るように変化させてもよい。例えば、容器20の直径を2倍にすれば、これに相応して側壁40の露出した表面積は2倍になるが、内部46の容積は4倍になるであろう。適宜な比の選択に影響を与えるであろうファクタは、容器20の所望の体積容量及び冷却能力を含む。
【0043】
容器20はほぼ硬い単一体の形態として図示し且つ説明したが、その他の形態とすることも考えられることも理解されたい。例えば、容器20は、2つの別個の半体となるように長手方向に分割し、それら半体をヒンジにより回動可能に接続しクラムシェル型式の形態を画成するようにしてもよい。更に、容器20は、特に凝固過程中、容器20内の保持された金属又は合金の温度及び冷却率を制御するのに役立つ加熱及び(又は)冷却要素を含んでもよい。より具体的には、容器の壁は、容器の温度及び冷却率を制御し得るように内部加熱管/冷却管を備える形態としてもよい。容器20とその周囲の環境との間のより高い伝導性及び(又は)対流性熱伝導を容易にし得るように側壁40に吸熱体又はフィンを設けてもよい。本発明の一部として使用するのに適した容器の型式に関するその他の代替的な形態及び追加的な設計上の詳細は、発明者、ノルビル、ロンバード及びワングにより2000年6月1日付けで出願され且つ弁護士事件番号9105−4号として指定された、同時出願係属中の特許出願第09/585,296号に開示されている。この同時出願係属中の特許出願は明示的に、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含めてある。
【0044】
熱ジャケット30は、高熱伝導率、優れた電磁浸透能力及び相対的に高強度を有する非磁気材料で出来たものであることが好ましい。熱ジャケット30の主たる目的は、容器20と加熱及び(又は)冷却媒質との間の熱伝導を容易にすることであるから、適宜な熱ジャケットの材料を選択するとき、熱伝導率は特に重要なファクタである。更に、熱ジャケット30の加熱/冷却能力は、材料の密度、比熱及び厚さによって影響されるから、これらファクタも同様に考慮しなければならない。より具体的には、熱ジャケット30によって容器20内に保持された金属に対し追加し/吸引すべきエネルギ量(ΔE)は次の等式により決定される。ΔE=(ρ)(CP)(V)(ΔT)、ここで、ρは材料の密度、CPは材料の比熱、Vは材料の体積、ΔTはサイクル当たりの材料の温度変化である。更に、熱ジャッケット30の材料は容器20の熱膨張率に近い熱膨張率を有することが好ましく、この熱膨張率の重要性は、以下の説明から明らかになるであろう。材料は、容易に機械加工可能であることが好ましく、このことの重要性も以下の説明から明らかになるであろう。一例として、熱ジャケット30は、非限定的に青銅、銅又はアルミニウムを含む材料で出来たものとすることができる。
【0045】
熱ジャケット30は、長手方向軸Lに沿って伸び、また、該ジャケットはほぼ対称の2つの長手方向半体30a、30bを有している。半体30a、30bの各々は、丸味を付けた内面50と、丸味を付けた外面52と、1対のほぼ平坦な長手方向端縁54a、54bを画成するほぼ半円筒状の形状である。内面50は容器20の外面41に対しほぼ相補的である。一実施形態において、熱ジャケット30の半体30a、30bの各々は、容器20の外半径にほぼ等しく又はこれよりも僅かに大きい内半径と、容器20の高さにほぼ等しく又はそれを上廻る全体高さと、約25.4mm(約1インチ)の肉厚とを有している。しかし、容器20に関して上述したものと相補的な形状及び寸法を含む、熱ジャケット30のその他の形状及び寸法とすることも当該技術分野の当業者に案出されるであろうことも理解されたい。熱ジャケット30は別個の長手方向部分30a、30bを有するものとして図示し且つ説明したが、その他の形態も可能であることを理解されたい例えば、熱ジャケット30は、これと代替的に、中実な円筒状の形態とし、又は半体30a、30bを互いにヒンジ止めしクラムシェル型式の形態を画成するようにしてもよい。熱ジャケット30は、これと代替的に、非対称の長手方向部分を有するようにしてもよい。
【0046】
以下に更に詳細に説明するように、熱ジャケット30には、熱を容器20に加え/容器20から除去することを通じて容器20から周囲環境への熱伝導率を制御する手段が設けられる。一実施形態において、熱ジャケット30は、容器20内に保持された金属の冷却率を約0.1℃から約10℃/秒の範囲内で制御する能力を有している。しかし、形成される金属の特定の組成及び実現すべき所望の結果に依存して、その他の冷却率を利用することも可能であることを理解されたい。
【0047】
熱ジャケット30及びステータ34を支持すると共に、熱ジャケット半体30a、30bを長手方向軸Lに対し横方向に変位させるため、骨組体32が提供される。骨組体32は、1対の上側横案内ロッド62及び1対の下側横案内ロッド64によって相互に接続されて、ほぼ硬い基部構造体を形成する1対の静止基部板60を有している。上側及び下側案内ロッド62、64の各々は、互いにほぼ平行に整合され且つ長手方向軸Lに対しほぼ垂直に配向されている。上側案内ロッド62及び下側案内ロッド64は円形の断面を有するものとして示し且つ説明したが、例えば、四角形又は長方形の断面のようなその他の断面形状とすることも考えられることを理解されたい。
【0048】
骨組体32の各々は、アクチュエータ板66が長手方向軸Lに対して直角の方向に上側及び下側案内ロッド62、64に沿って滑動するのを許容すべく上側及び下側案内ロッド62、64のそれぞれ一方を受け入れ得る寸法とされた4つの開口部68を画成する1対の可動のアクチュエータ板66を更に備えている。可動のコネクタ板70は、熱ジャケット半体30a、30bの各々の上面に硬く取り付けられており、長手方向軸Lに対しほぼ直角の方向にコネクタ板70が上側案内ロッド62に沿って滑動するのを許容すべく上側案内ロッド62のそれぞれ1つを受け入れ得る寸法とされた1対の開口部72を画成する。コネクタ板70の各々は、1対のプッシュロッド74(図2)により相応するアクチュエータ板66に相互に接続されている。これと代替的に、コネクタ板70の各々は1対の板又は任意のその他の適宜な接続構造体により、相応するアクチュエータ板66に相互に接続してもよい。各々、基部板60に取り付けられた基部部分78と、基部板60を貫通して伸び且つアクチュエータ板66に接続されたロッド部分80とを有する1対の空圧シリンダ76が提供される。空圧シリンダ76を伸長させることにより、熱ジャケット半体30a、30bは、矢印Aの方向に向けて互いに変位される。空圧シリンダ76を後退させることにより、熱ジャケット半体30a、30bは、矢印Aと反対の方向に互いに変位される。
【0049】
骨組体32及び空圧シリンダ76は、容器20の外面41に対し熱ジャケット半体30a、30bを係合させ/係合解除する選択可能な手段を提供するものとして示し且つ説明したが、例えば、ロボットアーム又は同様の作動装置を介するような代替的な手段も使用することも考えられることを理解されたい。また、熱ジャケット30は、代替的に、例えば、溶接又は締結のような方法により容器20の外面41に強固に直接取り付け、これにより、骨組体32及び空圧シリンダ76を不要にすることも可能であることも理解されたい。
【0050】
電磁ステータ34は円筒状の形状であり、容器20に対しほぼ同心状に長手方向軸Lに沿って配置されている。ステータ34は、骨組体32により支持されて、下側案内ロッド64の間を伸びる1対のクロス部材84上に休止することが好ましい。ステータ34の内径は、熱ジャケット半体30a、30bがその完全に後退した位置にあるとき、外面52がステータ34の内面に接触しないような寸法とされている。ステータ34は、多極、多相ステータであることが好ましく、また、回転型、線形型又はその双方の組み合わせとすることができる。ステータ34によって発生された磁界は、長手方向軸Lに対しほぼ直角又はほぼ平行な何れかの方向又はその双方の組み合わせた方向に向けて容器20の周りで移動することが好ましい。回転型ステータのみを使用する適用例においてさえ、容器20内に保持された溶融金属の回転動作に加えて、磁界が長手方向軸Lに対しほぼ直角の方向に移動する場合、溶融金属の長手方向への移動もまた可能であることが認識される。
【0051】
ステータ34の作動は、容器20と実際に直接接触せずに、容器20内に保持された溶融金属に対し強力な攪拌動作を付与する。本発明に適したステータの型式、回転型、線形又はその双方を問わずにこれらステータの配置、ステータの各々の配置に相応する流れ動作パターンに対する追加的な設計上の詳細は、発明者、ルー、ワング及びノルビルにより2000年6月1日付けで出願され且つ弁護士事件番号第9105−6号として指定された、同時出願係属中の特許出願第09/585,060号に開示されている。この同時出願係属中の特許出願は、明示的にその開示内容の全体を参考として引用し本明細書に含めてある。
【0052】
要約すれば、上述した装置は次のような仕方にて作動する。最初に、熱ジャケット半体30a、30bを、空圧シリンダ76を後退させることにより、その完全に後退した位置に配置する。この時点にて、空の容器20を搬送機構26によって排出ステーション24から成形ステーション22まで長手方向軸Lに沿って矢印Bの方向に持ち上げる。一実施形態において、搬送機構26は、平坦な円形のプラットフォーム92に接続されたロッド部分90を有する空圧シリンダ(図示せず)を備えている。しかし、例えば、ロボットアーム又は同様の作動装置のような当該技術分野の当業者に案出されるであろうように、容器20のその他の搬送手段を使用することが考えられることを理解されたい。容器20は、プラットフォーム92上に休止し且つ例えば、締結又は溶接のような当該技術分野の当業者に既知の任意の手段により、プラットフォーム92に強固に取り付けることが好ましい。容器20が熱ジャケット半体30a、30bの間に配置されたならば(図2に仮想線で示すように)、空圧シリンダ76を伸長させ、これにより、熱ジャケット半体30a、30bの内面50に係合し、容器20の外面41と密着させる。
【0053】
次に、溶融金属とも称される液体金属を、上側開口部44を通じて容器20内に導入する。液体金属を適宜な組成にて形成し且つ加熱炉内でその液相線温度(完全に溶融した合金が最初に凝固し始めるときの温度)よりも高い温度まで加熱する。好ましくは、液体金属は液相線温度よりも少なくとも5℃高い温度まで加熱し、液体金属の過早凝固又はスキニングの可能性を回避し又は少なくとも軽減すべく液相線温度よりも約15℃から約70℃の範囲だけ高い温度まで加熱することがより好ましい。一実施形態において、液体金属はラドル(図示せず)により容器20まで搬送される。しかし、導管のようなその他の適宜な手段を使用することも考えられる。
【0054】
液体金属が容器20の低温の内面と接触することに起因する凝固した外皮の形成を回避するため、容器の壁40、42を、液体金属を導入する前に予め加熱することが好ましい。かかる加温は、熱ジャケット30を介して(以下に説明するように)、容器20の内部の加熱要素(上述したような)により、システムのそれ以前のサイクル間、容器20を加熱することにより又は強制的な空気加熱のような当該技術分野の当業者に案出される任意のその他の適宜な手段により行うことができる。好ましくは、合金がA1357又は同様の組成であるとき、容器20はスキニング又は過早凝固を回避するため、液体金属を導入する前に少なくとも200から500℃の温度であるようにする。
【0055】
溶融金属を容器20内に導入した後、キャップ又は蓋(図示せず)を容器20の開放した頂部まで下降させ、電磁攪拌過程中、溶融金属が逃げるのを防止することが好ましい。キャップはセラミック、ステンレス鋼又は任意のその他の適宜な材料で出来たものとすることができる。次に、電磁界をステータ34により導入して溶融金属に強力な攪拌動作を与える。好ましくは、攪拌作用は、キャップを容器20上に配置した直後に開始されるようにする。次に、熱ジャケット30を介して攪拌過程の全体にわたって金属を制御された速度及び温度にて冷却させる。この工程については以下に更に詳細に説明する。熱ジャケット30によって熱を除去すると、液体金属が凝固し始め、これにより、半固体のスラリ材料を形成する。
【0056】
熱ジャケット30は、妥当な限り迅速に且つ比較的短いサイクル時間を実現し得るように金属組織の実際の状態を考慮して所望のスラリ温度を達成し得るように、攪拌過程の全体にわたって半固体スラリの温度及び冷却率を連続的に制御する。電磁攪拌の主目的は、再生樹木状晶組織にて一次相の核形成及び成長を実現し、固体の画分、主要な粒子寸法及び形状及び供給温度が保持時間及び温度により指定されるようにすることである一方、攪拌過程の別の目的は、液体金属と容器20の内面48との間における対流性熱伝導率を向上させることである。かかる過程の更に別の目的は、金属内の温度勾配を減少させ、これにより、金属の温度及び冷却率を一層良く制御することである。攪拌過程の更に別の目的は、容器20の内面48と直接接触する金属が外皮を形成する可能性を回避し又は少なくとも最小にすることである。
【0057】
電磁攪拌工程の終了時、熱ジャケット半体30a、30bは、空圧シリンダ76を後退させることにより、その完全に後退した位置に再度配置される。この時点にて、スラリビレットの形態の金属を保持する容器20は、誘導コイル36内に配置されるまで(図1)、長手方向軸Lに沿って矢印Bと反対の方向に下降する。次に、誘導コイル36を作動させ、磁界を発生させ、この磁界はスラリビレットの外皮を溶融させ、容器20の内面とビレットとの間に存在する表面結合を破壊する。更に、誘導コイル36により発生された磁界は、スラリビレットに半径方向圧縮力を作用させて容器20からのその除去を更に容易にする。一実施形態において、容器20を取り巻く誘導コイル36を通じて交流電流を放電して磁界を発生させる。しかし、容器20の底部壁42に隣接する位置に配置された誘導コイル36を通じて高電圧直流電流を放電することにより、強力な磁界を発生させることもできる。
【0058】
スラリビレットと容器2との間の表面結合が破壊された後、ビレットを容器20から排出し、鋳造又は鍛造プレスのショットスリーブに直接搬送し、ビレットがプレスにてその最終形状又は形態に形成される。スラリビレットを排出する1つの方法は、容器20を水平角度よりも小さい、適宜な角度にて誘導コイル36と共に傾動させ、ビレットが重力によって容器20から滑り出るのを許容することである。かかる傾動動作は、傾動テーブル装置、ロボットアーム又は当該技術分野の当業者に明らかであるような任意のその他の傾動手段により行うことができる。更に、誘導コイル36及び容器20の中心が軸方向にずらされたならば、誘導コイル36の作動により、ビレットに軸方向に押す力が加えられ、その排出を更に容易にする。本発明の一部として使用するのに適した誘導コイルの型式及び代替的なスラリビレットの排出方法及び装置に関する更なる詳細は、発明者、ノルビル、ロンバード及びワングにより2000年6月1日付けで出願され且つ弁護士事件番号第9105−4号として指定された、同時出願係属中の特許出願第09/585,296号に開示されている。この同時係属中の特許出願は、明示的にその開示内容の全体を参考として引用し本明細書に含めてある。
【0059】
次に、図3から図14を参照すると、熱ジャケット30に関する各種の構造上の特徴が図示されている。図3に図示するように、熱ジャケット半体30a、30bは、容器20の外面41と内面50との締まり嵌めを回避しつつ、容器20をその間に挿入するのを許容するのに十分な距離Dだけ隔てることができる。しかし、図4に図示するように、容器20を長手方向軸Lに沿って適正な位置に配置したならば、半体30a、30bを互いに引き寄せて、内面50を容器20の外面41と密着させ、その間にて伝導性熱伝導を実現することができる。重要なことは、半体30a、30bが容器20に係合したとき、対向する長手方向端縁54aと対向する長手方向端縁54bとの間に空隙Gが残ることである。
【0060】
空隙Gの1つの機能は、特に、熱膨張/収縮率が容器20と熱ジャケット30との間にて顕著に変化する場合、容器20の外面41と熱ジャケット30の内面50との間の距離を解消し又は少なくとも短縮することである。一実施形態において、空隙Gは次の関数に相応する:fn=(αj*π*rj*ΔTj)−(αV*π*rV*ΔTV)。ここで、αjは熱ジャケット半体30a、30bの熱膨張率、rjは半体30a。30bの内面の半径、ΔTjは熱ジャケット半体30a、30bの最大温度変化、αVは容器20の熱膨張率、rVは容器20の外面41の半径、ΔTVは容器20の最大の0熱変化である。1つの好ましい実施の形態において、空隙Gは少なくともfnと同一の大きさである。しかし、空隙Gは、容器20と熱ジャケット30との間の異なる熱膨張率及び熱収縮率に対応するのに必要な任意の寸法を含む、その他の寸法とすることができることを理解されたい。
【0061】
図5に図示するように、本発明の一実施形態において、熱ジャケット30は、主要本体部分101を画成し得るように長手方向軸Lに沿って積み重ねた状態で配置された多数の個々の軸方向部分100a―100fから成っている。熱ジャケット30を個々の軸方向部分100a―100fに分割することは、さもなければ、単一の軸方向部品にて形成された熱ジャケット30内で生じるであろう渦電流を減少させるのに役立ち、また、ステータ34により発生された磁界が一層良く電磁浸透することをも許容する。図示した実施の形態は、6つの軸方向部分から成るものとして主要本体部分101を示しているが、異なる高さの熱ジャケット30を提供するために任意の数の軸方向部分を使用することが可能であることを理解されたい。一実施形態において、軸方向部分100a―100fの各々は、高さが約50.8mm(約2インチ)であり、全体高さが約304.8mm(約12インチ)の主要本体部分101を提供する。これと代替的に、軸方向部分100a―100fを一体化して単一の単一部品の主要本体部分101を形成することも可能であることを理解されたい。
【0062】
図5及び図6に図示するように、軸方向部分100a―100fの各々は、電気絶縁性材料102により互いに分離し、ステータ34が作動する間、熱ジャケット30を通じての磁気誘導損失をほぼ解消し又は少なくとも最小にすることが好ましい。図示した実施の形態において、絶縁性材料102は、ガスケットの形態をしており、適宜な絶縁性を有し且つ高温度の環境に耐えることのできる任意の材料にて出来ている。かかる材料は、例えば、アスベスト、セラミック繊維紙、マイカ、フルオロカーボン、フェノール樹脂、又はポリ塩化ビニル及びポリカーボネートを含む特定のプラスチックを含むことができる。これと代替的に、電気絶縁性材料102は、軸方向部分100aー100fの当接面に施された従来のワニスの被覆又は耐火性酸化物層を備えることができる。何れの実施の形態においても、電気絶縁性材料102の厚さは、熱ジャケット30の伝導率の顕著な低下を回避し得るように可能な限り薄くすることが好ましい。好ましくは、電気絶縁性材料102の厚さは、約1.600mm(約0.063インチ)から約3.175mm(約0.125インチ)の範囲であるようにする。
【0063】
熱ジャケット30は、上側空気マニホルド104と、下側空気マニホルド106とを備えることが好ましく、その目的については以下に説明する。上側マニホルド104と軸方向部分100aとの間、及び下側マニホルド106と軸方向部分100fとの間にガスケット材料108が配置されて、当接面の間にシールを提供するが、そのことの重要性は、以下の説明から明らかになるであろう。ガスケット材料108は、例えば、アスベスト、マイカ、フルオロカーボン、フェノール樹脂又はポリ塩化ビニル及びポリカーボネートを含む特定のプラスチックのような任意の適宜な材料で出来たものである。ガスケット材料108は、絶縁性材料102(図6)と同様の方法で配置され、上側及び下側マニホルド104、106の各半体の周端縁に隣接して連続的なシールを形成する。好ましくは、ガスケット材料108の厚さは、約1.600mm(約0.063インチ)から約3.175mm(約0.125インチ)の範囲内にあるようにする。
【0064】
軸方向部分100aー100f、上側マニホルド104、下側マニホルド106は互いに接合されて一体化した熱ジャケット半体30a、30bを形成する。図示した実施の形態において、4つのねじ付きロッド110を半体30a、30bの各々の全長に沿って長手方向に伸びる相応する開口部112に通す。しかし、軸方向部分100aー100fを接合するため、任意の数のねじ付きロッドを使用することが可能であることを理解されたい。ナット114及び座金116はロッド110の各端部に配置され、ナット114は、ロッド110にきつくねじ込んでほぼ硬い熱ジャケット半体30a、30bを形成する。例えば、仮付け溶接のような、軸方向部分及びマニホルドを接合するその他の適宜な手段を使用することも考えられる。
【0065】
次に、図7及び図8を参照すると、最下側軸方向部分100fに関する色々な詳細が図示されている。軸方向部分100fの以下の説明に関して、特に記載した部分を除いて、軸方向部分100fの特徴は、軸方向部分100aから100eに等しく当てはまる。軸方向部分100a―100fの各々は、軸方向に伸びる複数の内側通路120と、軸方向に伸びる相応する複数の外側通路120とを備えている。内側通路120及び外側通路122は、長手方向軸Lに沿ってほぼ配置され且つ熱ジャケット半体30a、30bの周りで周方向に分散されている。軸方向部分100aー100fの各々の軸方向通路120、122がこれに相応して整合され、好ましくは、主要本体部分101の全長にわたって伸びるほぼ連続的な軸方向に伸長する通路120、122を形成する。図示した実施の形態において、24の内側通路120と、24の外側通路122が存在する。しかし、その他の数も本発明の範囲に属すると考えられる。内側及び外側通路120、122は、冷却媒質を熱ジャケット30の長さに沿って搬送し、冷却媒質と熱ジャケット30との間に対流性熱伝導を行い、その結果、容器20及び該容器内に保持された金属合金から熱を吸引する働きをする。1つの好ましい実施の形態において、冷却媒質は圧縮空気である。しかし、例えば、その他の型式の気体又は水又は油のような流体の如きその他の型式の冷却媒質を使用することも考えられる。
【0066】
内側軸方向通路120は、最下側軸方向部分100fにより画成された入口開口部120iから最上側軸方向部分100aにより画成された出口開口部120o(図11及び図14)まで冷風を搬送する。好ましくは、内側通路120は、熱ジャケット半体30a、30bの周縁の周りでほぼ均一にずらされており、容器20から比較的均一に熱を吸引する。更に、内側通路120は、熱ジャケット30の内面50に隣接して均一な仕方にて半径方向に配置され、冷風の流量の調節と、容器20及び該容器内に保持された金属合金からの熱吸引率調節との間の時間的遅れを最小にする。しかし、内側通路120のその他の間隔配置及び位置も本発明の範囲に属すると考えられる。一実施形態において、内側通路120は約6.350mm(約0.250インチ)の直径を有する。しかし、その他の通路の寸法も本発明の範囲に属すると考えられ、通路の寸法は、例えば、所望の冷風の流量、熱伝導率、冷風の通路の入口120i及び出口120oの間の空気温度の変化のような、各種の設計上の条件により決定される。
【0067】
以下に更に詳細に説明するように、出口開口部120oから出る冷風は上側マニホルド104を介して方向変更され、外側軸方向通路122の入口開口部122i内に供給される(図11及び図14)。外側通路122は、最上側軸方向部分100aにより画成された出口開口部122iから最下側軸方向部分100fに画成された出口開口部122oまで冷風を搬送する(図7)。好ましくは、外側通路122は、熱ジャケット半体30a、30bの周縁の周りで均一にずらされて容器20から比較的均一に熱を吸引するようにする。更に、外側通路122は内側通路120の半径方向外方に均一に配置されることが好ましい。しかし、外側通路122のその他の間隔配置及び位置とすることもまた本発明の範囲に属すると考えられる。例えば、外側通路122は、内側通路120と同一の半径に沿って配置し、熱ジャケット半体30a、30bの厚さを薄くすることもできる。一実施形態において、外側通路122は、約6.350mm(約0.250インチ)の直径を有するが、その他の寸法とすることもまた本発明の範囲に属すると考えられる。
【0068】
出口開口部122oから出る冷風は、最外側軸方向部分100fにのみ画成された多数の横方向切欠き126内に供給されて、熱を含む冷風を周囲環境に排気する。横方向切欠き126は、外側軸方向通路122と熱ジャケット30の外面52との間にて長手方向軸Lに対しほぼ直角の方向に伸びており、また、下側マニホルド106と協働して排気ポート127(図5に更に図示)を画成する。このようにして、冷風によって塵又は屑が空気中に含まれ、システムを汚染させる可能性を生じる箇所である下方向に冷風を排気することに代えて、冷風は横方向に向けて汚染の可能性を回避し又は少なくとも最小にする。
【0069】
冷風が最終的に周囲環境に放出される開放システムとして冷風システムを図示し且つ説明したが、冷風が熱ジャケット30を通じて連続的に再循環される閉システムをこれとに使用することもできることを理解されたい。かかる閉システムは、例えば、急冷器、熱交換器又はその他の型式の冷却装置のようなシステムから熱を除去する手段を含めることもできる。更に、熱ジャケット30は2パス冷風通路を利用するものとして図示し且つ説明したが、熱ジャケット30は、これと代替的に、単一パスの冷風通路を備える設計とし、これに相応して熱ジャケット半体30a、30bの厚さを薄くすることも可能であることを理解されたい。また、熱ジャケット30は、多数パス冷風通路を備え、又は単一部品の熱ジャケット30の周りをら旋状に伸びる連続的な冷風通路を備える設計としてもよいことも理解されたい。
【0070】
重要なことは、内側通路120を熱ジャケット半体30a、30bの内面50に隣接して外側通路122の半径方向内方に配置し、熱ジャケット30の熱伝導効率を最大にすることが好ましいことである。より具体的には、内側通路120を通って流れる冷風は、外側通路122を通って流れる冷風よりも低温度である。熱伝導効率を最大にするため、冷風を保持する内側通路120は最高温度の位置に最も近い位置、すなわち、容器20に隣接する位置に配置する。他方、対流性熱伝導を通じて加温された空気を保持する外側通路122はより低温度の位置に配置される。このように、内側及び外側通路120、122のこの特定の配置は、熱ジャケット30が容器20及び該容器内に保持された金属から熱を吸引する能力を最大にする動きをする。
【0071】
容器20から熱を吸引するため、強制的な空冷を使用することに加えて、熱ジャケット30は、また金属合金の温度及び冷却率を更に制御するため、容器20に熱を加える手段を備えることも好ましい。軸方向部分100a―100fの各々は、長手方向軸Lに沿ってほぼ配置され且つ熱ジャケット半体30a、30bの周りで周方向に配置された複数の軸方向伸長開口130を有している。軸方向部分100aー100fの各々の開口部130がこれに相応して整合され、主要本体部分101の全長にわたって伸びるほぼ連続的な軸方向開口130を形成する。開口130の各々内には、加熱要素132が配置されている。図示した実施の形態において、各々、約9.525mm(約0.375インチ)の直径を有する12の開口130が存在する。好ましくは、開口130は、熱ジャケット半体30a、30bの周縁の周りで均一にずらされて、比較的均一に熱を分配するようにする。更に、開口130は、熱ジャケット30の内面50に隣接して、内側冷風通路120と同一の半径に沿って配置され、熱伝導効率を最大にし且つ加熱要素132の作動と容器20及び該容器内に保持された金属合金への熱の追加との間の時間的遅れを最小にすることが好ましい。しかし、開口130のその他の数、寸法、間隔配置及び位置もまた本発明の範囲に属すると考えられることを理解されたい。例えば、冷風通路120、122と同様の形態とされ且つ空気のような加熱された流体を運び得るようにされた一連の熱風通路のような、容器20に熱を追加するその他の手段も熱ジャケット30に組み込むことが可能であることも理解されたい。
【0072】
好ましくは、加熱要素132は、ほぼ円形の外側断面を画成し且つ主要本体部分101の高さにほぼ等しい長さを有するカートリッジ型式であるようにする。一実施形態において、加熱要素132は約9.525mm(約0.375インチ)の直径と、30.48cm(12インチ)の全長と、約30℃から約800℃の範囲の温度と、約1000ワットの動力定格値と、約3,400BTU/hrの熱容量とを有している。しかし、加熱要素のその他の型式、形態及び寸法とすることもまた考えられることを理解されたい。適宜な加熱要素を選ぶときに考慮すべきいくつかのファクタは、製造される金属合金の特定の組成、所望のサイクル時間、加熱応答性/時間的遅れ等を含む。適宜な電気カートリッジ加熱要素の一例は、ミズーリ州、セントルイスのワットロウ・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニー(Watlow Electric Manufacturing Campany)が部品番号G12A47にて製造するものである。しかし、当該技術分野の当業者に案出されるようなその他の適宜な加熱要素を使用することも考えられる。
【0073】
次に、図9及び図10を参照すると、下側空気マニホルド106に関する色々な詳細が図示されている。一実施形態において、下側空気マニホルド106は、主要本体部分101のプロフィールに相応する外側プロフィールを有し且つ約50.80mm(約2インチ)の高さを有する。しかし、当該技術分野の当業者に案出されるように、下側マニホルド106はその他の形態及び寸法とすることも考えられる。下側マニホルド106の各半体30a、30bは、上面141に画成されて、長手方向端縁54aに隣接する箇所から長手方向端縁54bに隣接する箇所まで連続的に伸びる、周方向伸長の空気分配スロット140を有している。重要なことは、スロット140は内側冷風通路120と同一の半径に沿って配置され、下側マニホルド106が主要本体部分101のそれぞれの半体30a、30bに取り付けられたとき、内側通路120の各々と流体的に連通するように配置されることである。好ましくは、スロット140は、内側通路120の直径に等しく又はそれよりも僅かに広い幅と、該幅に等しく又はそれよりも深い深さとを有するようにする。一実施形態において、スロット140は約6.350mm(約0.250インチ)の幅と、約12.70mm(約0.500インチ)の深さとを有している。下側マニホルド106はまた下面143とスロット140との間を伸びる空気入口開口部142も画成する。空気入口開口部142は、スロット140の幅にほぼ等しい直径を有することが好ましい。空気入口接続具146は入口開口部142の雌ねじ付き部分148にねじ込む。可撓性の管の形態であることが好ましい空気供給導管150を空気接続具146に接続する。このように、単一箇所の導管150を通じて供給された冷風は、スロット140に伝達され且つ下側マニホルド106を介して内側冷風通路120の各々に分配される。
【0074】
圧縮空気源154と、熱ジャケット30に達する空気供給導管150との間の空気流量を制御すべく弁152のような弁装置が提供される。一方、冷風の流量を制御することは、熱ジャケット30と冷風との間の対流性熱伝導率を制御し、このことは、これに相応して容器20内に保持された金属合金の温度及び該合金からの吸引する熱量を制御する。1つの好ましい実施の形態において、弁152は、冷風の流量を自動的に制御することのできる電動の供給量調節弁である。適宜な電動の供給量調節弁の一例は、インディアナ州、インディアナポリスのSMCが部品番号VY1D00−M5にて製造するものである。しかし、当該技術分野の当業者に案出されるようなその他の適宜な電動弁を採用することも考えられる。これと代替的に、弁152は、手動圧力調整弁又は任意のその他の適宜な弁装置のような手動弁としてもよいことを理解されたい。
【0075】
次に、図11から図14を参照すると、最上側軸方向部分100aと、上側空気マニホルド104とに関する色々な詳細が図示されている。上述したように、内側冷風通路120の出口開口部120oから出る冷風は、上側マニホルド104を通って外側通路122の入口開口部122i内に方向変更される。より具体的には、上側マニホルドの104の下面161に多数の角度付きスロット160が画成される。重要なことは、スロット160の各々は、上側マニホルド104を主要本体部分101に取り付けたとき、スロット160を相応する1対の内側及び外側通路120p、122p(図11)上に直接配置する長さ、配向及び位置を有することである。このようにして、スロット160は、相応する対の通路120p、122pを互いに流体的に連通する位置に配置し、これにより内側通路120から出る空気を外側通路122内に向ける。好ましくは、スロット160は、内側及び外側通路120、122の大きい直径にほぼ等しく又はそれ以上の幅と、幅に等しく又はそれ以上の深さとを有するようにする。一実施形態において、スロット160は、約6.350mm(約0.250インチ)の幅と、約12.70mm(約0.500インチ)の深さとを有する。1つの代替的な実施の形態において、スロット160の底部は内側通路120と外側通路122との間により円滑な遷移部を提供し、これにより、上側マニホルド104における圧力降下を減少させ得るように丸味を付けることができる。上側マニホルド104の別の実施の形態において、個々のスロット160に代えて、長手方向端縁54aに隣接する箇所から長手方向端縁54bに隣接する箇所まで連続的に伸びる周方向伸長スロットを使用し、このスロットを出口開口部120o及び入口開口部122iの各々と流体的に連通する位置に配置することができる。
【0076】
図12及び図13を参照すると、加熱要素132を配線する1つの方法が図示されている。しかし、その他の配線方法も本発明の範囲に属すると考えられることを理解されたい。具体的には、上側マニホルド104は、底面161と上面165との間を貫通して伸びる多数の出口開口164を画成する。出口開口164の各々は、上側マニホルド104が主要本体部分101に取り付けられたとき、加熱要素開口130の相応する1つと整合される。加熱要素132の端部から伸びる電気リード線166は出口開口164を通って上側マニホルド104の外側の位置に達する。電気リード線166は、気密の電気コネクタ168を通って伸びる一方、該コネクタは出口開口164の雌ねじ付き部分169にねじ込まれる。次に、リード線166は電気ケーブル170を貫通して伸び且つ加熱要素のコントローラ172に配線することが好ましい。適宜な加熱要素のコントローラの一例は、ミネソタ州、ウィノナのワットロウ・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニーが部品番号DC1V−6560−F051として製造するものである。しかし、当該技術分野の当業者に案出されるようにその他の適宜なコントローラを採用することも考えられる。
【0077】
好ましくは、容器20内に保持された溶融金属の冷却率を自動的に制御し且つシステムのその他のパラメータ及び及び特徴を制御し又は監視するため、閉ループPID制御装置のような、プログラム化可能な論理コントローラ(図示せず)又はその他の同様の装置が採用される。例えば、プログラム化可能な論理可能なコントローラ(又はPLC)は、制御弁152の作動を制御することにより冷風の流量を調節し、また、加熱要素コントローラ172の作動を制御することにより加熱要素132を作動させ得るような形態とすることができる。更に、空圧シリンダ76、78の伸長/後退及び(又は)搬送機構26の作動を制御するため、PLCを使用することができる。PLCは、また、閉ループフィードバックを提供し、容器20内に保持された溶融金属の温度及び冷却率を一層良く制御することを可能にし得るようにされた各種の温度センサ又は熱電対を監視するために使用することもできる。更に、PLCは、ステータ34又は誘導コイル36のようなシステム内で使用されるその他の装置の作動を制御するために使用することができる。
【0078】
以下に、溶融金属の温度及び冷却率を制御することに関して熱ジャケット30の作動の概略を説明する。上述したように、熱ジャケット30は、容器20内に保持された金属合金の冷却率を約0.1℃から約10℃/秒の範囲内で制御する能力を備えることが好ましい。温度及び冷却率のかかる正確な制御を維持することの重要性は、所望の半固体成形過程のパラメータ及び材料の性質が満足されることを確実にし得るように、半固体スラリへの液体金属の凝固を調節することである。更に、本発明の半固体成形過程と関係した短いサイクル時間は、より長いサイクル時間を必要とする従来の成形過程よりも温度及び冷却率を相対的により高度に制御することを必要とする。更に、溶融金属を導入する前に、容器20の初期温度を制御することにより、半固体の成形過程に関係したサイクル時間を効果的に短縮することが可能であることが判明した。
【0079】
熱ジャケット30をクランプ止めして容器20の外面41と密着係合させることに続いて、液体金属を容器20内に導入する。これとほぼ瞬間的に、熱は、伝導性及び対流性熱伝導の双方を通じて液体金属から容器20の側壁40への移動を開始する。側壁40の温度が上昇すると、熱は、主として伝導により側壁40から熱ジャケット半体30a、30bに伝達される。熱ジャケット半体30a、30bは、吸熱体として作用し、冷風通路120、122を通って流れる加圧された空気への対流性熱伝導を通じて熱を周囲環境に迅速に且つ効率的に放散させる一方、加圧された空気は、空気排出ポート127を通じて周囲環境に排出される。熱は、また熱ジャケット30の露出した外面をわたって流れる空気流による対流性熱伝導を通じて周囲環境に放散される。
【0080】
冷風通路120、122を流れる空気量を調節することにより、容器20内に保持された金属合金の温度及び冷却率をある程度制御することができる。例えば、通路120、122を通って流れる空気の流量を増すことにより、より多量の熱が周囲環境に放散される一方、このことは熱ジャケット30の温度をこれに相応して低下させることになる。熱ジャケット30の温度を低下させることにより、容器20と熱ジャケット30との間の熱伝導率が増大し、このことは、これに相応して容器20内に保持された金属合金からの熱の吸引率を増大させ、これによりその温度を低下させ且つその冷却率を増大させる。同様に、通路120、122を通って流れる空気の量を減少させることは、容器20内に保持された金属の冷却率をこれに相応して低下させる効果を有する。本発明の別実施形態において、熱ジャケット30内に導入された冷風の入口温度は、容器20内に保持された金属合金の温後及び冷却率を更に制御し得るよう変更することができる。
【0081】
温度及び冷却率は、強制的な空冷単独では制御することが多少困難であるから、更なる制御程度を提供し得るように加熱要素132が含まれる。電気制御回路に対して為された調節は、典型的に、空圧制御回路に対して為された調節よりも精密であるから、電気加熱要素132を含めることは、全体的な制御方法を一層精密なものにする。より具体的には、ある型式のフィードバック制御式電気加熱回路を提供し得るように加熱要素132が制御方法内に一体化される。強制的な空冷回路が目標温度又は目標冷却率を行き過ぎるならば(すなわち、温度が低過ぎるか又は冷却率が速過ぎる)、加熱要素132を作動させることは、システムを安定化させ且つシステムを所望の目的温度及び所望の目標冷却率に復旧することになる。加熱要素132のサイクル時間は、加熱要素132の加熱容量、制御回路内の所望の精度、電気及び空圧制御回路内の本質的な時間的遅れ、目標温度及び冷却率、熱の伝導に影響を与えるその他のファクタに依存する。上述したように、凝固した外皮の形成を回避するため、液体金属を導入する前に加熱要素132を使用して容器20を予め加熱することができる。好ましくは、容器20は過早の凝固又はスキニングを回避し得るように予熱すべきものとする。
【0082】
熱ジャケット30の加熱/冷却容量は、その他の半固体成形過程に対応するため又は金属又は金属合金の特定の組成を製造し得るようにするため改変することが可能であることを理解されたい。例えば、熱ジャケット30の加熱/冷却容量は、冷却通路120、122の数、寸法又は位置を変更し、冷風の入口温度又は流量を増大/減少させ、加熱要素132を追加し/除去し、加熱容量、サイクル時間又は加熱要素132の位置を変化し、容器20及び(又は)熱ジャケット30のアスペクト比を改変し、又は容器20及び(又は)熱ジャケット130を異なる材料で形成することにより、変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 材料中に「オンデマンド」の半固体の使用状態を発生させるべく使用される本発明の一実施形態による装置の部分断面側面図である。
【図2】 図1に図示した装置の頂面平面図である。
【図3】 成形容器に対して係合解除位置にある熱ジャケットを示す、本発明の一実施形態による熱ジャケットの斜視図である。
【図4】 成形容器に対し係合した位置にある熱ジャケットを示す、図3の熱ジャケットの斜視図である。
【図5】 図3の熱ジャケットの部分分解側面図である。
【図6】 図5の線6−6に沿って見たときの、図3の熱ジャケットの断面図である。
【図7】 図5の線7−7に沿って見たときの、図3の熱ジャケットの主要本体の底面図である。
【図8】 図7の線8−8に沿って見たときの、図3の熱ジャケットの部分断面図である。
【図9】 図5の線9−9に沿って見たときの、図3の熱ジャケット下側マニホルドの頂面図である。
【図10】 図9の線10−10に沿って見たときの、下側マニホルドの図9の部分断面図である。
【図11】 図5の線11−11に沿って見たときの、図3の熱ジャケットの主要本体頂面図である。
【図12】 図5の線12−12に沿って見たときの、図3の熱ジャケット上側マニホルドの底面図である。
【図13】 図12の線13−13に沿って見たときの、図12の上側マニホルドの部分断面図である。
【図14】 図12の線14−14に沿って見たときの、図12の上側マニホルドの部分断面図である。
Claims (21)
- 溶融金属の温度を制御する装置において、
内部及び外部を有し、該内部が溶融金属を保持する容器と、
第1面を画成する第1部分及び第2面を画成する第2部分を有し、該第1及び第2部分が、前記容器に対して変位可能である複数部分からなる熱ジャケットとを備え、
前記容器の前記外部が丸味をつけた面を画成し、
前記第1及び第2面が前記丸味を付けた面に対しほぼ相補的であり、
前記第1及び第2部分の各々が、前記容器の前記外部と密着係合し、前記容器と前記熱ジャケットとの間にて伝導性熱伝導を行うことが可能であり、
前記熱ジャケットの前記第1部分および前記第2部分は、青銅から形成される、装置。 - 溶融金属の温度を制御する装置において、
内部及び外部を有し、該内部が溶融金属を保持する容器と、
第1面を画成する第1部分及び第2面を画成する第2部分を有し、該第1及び第2部分が、前記容器に対して変位可能である複数部分からなる熱ジャケットとを備え、
前記容器の前記外部が丸味をつけた面を画成し、
前記第1及び第2面が前記丸味を付けた面に対しほぼ相補的であり、
前記第1及び第2部分の各々が、前記容器の前記外部と密着係合し、前記容器と前記熱ジャケットとの間にて伝導性熱伝導を行うことが可能であり、
前記熱ジャケットは、前記溶融金属の冷却率を、0.1℃/秒から10℃/秒の範囲内で制御する、装置。 - 溶融金属の温度を制御する装置において、
内部及び外部を有し、該内部が溶融金属を保持する容器と、
第1面を画成する第1部分及び第2面を画成する第2部分を有し、該第1及び第2部分が、前記容器に対して変位可能である複数部分からなる熱ジャケットとを備え、
前記容器の前記外部が丸味をつけた面を画成し、
前記第1及び第2面が前記丸味を付けた面に対しほぼ相補的であり、
前記第1及び第2部分の各々が、前記容器の前記外部と密着係合し、前記容器と前記熱ジャケットとの間にて伝導性熱伝導を行うことが可能であり、
前記容器が、2つの別個の半体である第1長手方向部分および第2長手方向部分からなり、前記第1長手方向部分と前記第2長手方向部分とはヒンジにより回動可能に接続される、装置。 - 溶融金属の温度を制御する装置において、
内部及び外部を有し、該内部が溶融金属を保持する容器と、
第1面を画成する第1部分及び第2面を画成する第2部分を有し、該第1及び第2部分が、前記容器に対して変位可能である複数部分からなる熱ジャケットとを備え、
前記容器の前記外部が丸味をつけた面を画成し、
前記第1及び第2面が前記丸味を付けた面に対しほぼ相補的であり、
前記第1及び第2部分の各々が、前記容器の前記外部と密着係合し、前記容器と前記熱ジャケットとの間にて伝導性熱伝導を行うことが可能であり、
前記熱ジャケットから離れた第1軸方向位置と、前記容器が前記熱ジャケットの前記第1及び第2部分の間に配置される位置である第2軸方向位置との間にて前記容器を搬送する手段を更に備える、装置。 - 溶融金属の温度を制御する装置において、
内部及び外部を有し、該内部が溶融金属を保持する容器と、
第1面を画成する第1部分及び第2面を画成する第2部分を有し、該第1及び第2部分が、前記容器に対して変位可能である複数部分からなる熱ジャケットとを備え、
前記容器の前記外部が丸味をつけた面を画成し、
前記第1及び第2面が前記丸味を付けた面に対しほぼ相補的であり、
前記第1及び第2部分の各々が、前記容器の前記外部と密着係合し、前記容器と前記熱ジャケットとの間にて伝導性熱伝導を行うことが可能であり、
前記熱ジャケットの前記第1及び第2部分の周りに配置されたステータであって、前記溶融金属に電磁攪拌力を付与し得るようにされた前記ステータを更に備える、装置。 - 溶融金属の温度を制御する装置において、
内部及び外部を有し、該内部が溶融金属を保持する容器と、
第1面を画成する第1部分及び第2面を画成する第2部分を有し、該第1及び第2部分が、前記容器に対して変位可能である複数部分からなる熱ジャケットとを備え、
前記容器の前記外部が丸味をつけた面を画成し、
前記第1及び第2面が前記丸味を付けた面に対しほぼ相補的であり、
前記第1及び第2部分の各々が、前記容器の前記外部と密着係合し、前記容器と前記熱ジャケットとの間にて伝導性熱伝導を行うことが可能であり、
前記熱ジャケットが、0.1℃/秒の精度を有する、溶融金属の冷却率を制御する手段を備える、装置。 - 請求項6の装置において、前記制御手段が、溶融金属の冷却率を0.1℃/秒から10℃/秒の範囲内で制御する、装置。
- 請求項6の装置において、前記熱ジャケットが、冷却媒質を保持し得るようにされた複数の通路を備え、該冷却媒質が前記複数の通路を通って流れ、溶融金属から熱を吸引する、装置。
- 請求項8の装置において、前記冷却媒質が空気である、装置。
- 請求項8の装置において、熱ジャケットが、前記溶融金属に熱を加えるように作動可能である複数の加熱要素を備える、装置。
- 請求項10の装置において、前記加熱要素が電気式である、装置。
- 請求項11の装置において、
前記冷却媒質の流量を調節する電動弁と、
前記冷却媒質の前記流量を制御し得るように前記電動弁に電気的に接続され且つ前記電気加熱要素の作動を制御し得るように前記複数の電気加熱要素に電気的に接続されたコントローラとを更に備える、装置。 - 溶融金属の温度を制御する装置において、
内部及び外部を有し、該内部が溶融金属を保持する容器と、
第1面を画成する第1部分及び第2面を画成する第2部分を有し、該第1及び第2部分が、前記容器に対して変位可能である複数部分からなる熱ジャケットとを備え、
前記熱ジャケットが長手方向軸を有し、前記熱ジャケットの前記第1及び第2部分の各々が複数の軸方向部分から成っており、前記軸方向部分が互いに接合されて前記第1及び第2部分のほぼ硬い部分を形成し、
前記第1及び第2部分の各々が、前記容器の前記外部と密着係合し、前記容器と前記熱ジャケットとの間にて伝導性熱伝導を行うことが可能である、装置。 - 請求項13の装置において、電気絶縁性材料が前記複数の軸方向部分の隣接する部分の間に配置される、装置。
- 請求項13の装置において、前記第1及び第2部分の各々の前記軸方向部分が、該軸方向部分の各々に画成された軸方向開口部を貫通して伸びる少なくとも1つのロッドにより互いに接合される、装置。
- 溶融金属の温度を制御する装置において、
内部及び外部を有し、該内部が溶融金属を保持する容器と、
第1部分及び第2部分を有する複数部分からなる熱ジャケットと、
前記熱ジャケットの前記第1及び第2部分に接合されたアクチュエータ機構であって、前記第1及び第2部分を前記容器に対して変位させ、前記第1及び第2部分を前記容器と熱連通するように配置し、前記容器と前記熱ジャケットとの間にて熱伝導を行い得るようにした前記アクチュエータ機構とを備え、
前記容器の前記外部がほぼ円筒状の外側断面を画成し、前記第1及び第2部分が前記円形の外側断面にほぼ相補的である面を画成する、装置。 - 請求項16の装置において、前記アクチュエータ機構が、
前記第1及び第2部分を可動に支持し得るようにされた骨組体と、
前記第1部分に接続された第1アクチュエータと、
前記第2部分に接続された第2アクチュエータとを備え、
前記第1及び第2アクチュエータが、前記第1及び第2部分を前記容器の前記外部に係合させ得るように前記第1及び第2部分を互いに向けた第1方向に変位させ且つ前記第1及び第2部分を前記容器の前記外部から係合解除し得るように互いに離れる第2方向に変位させ得るようにされた、装置。 - 請求項17の装置において、前記骨組体が、
第1基部板と、
第2基部板と、
前記第1及び第2板の間を伸びる複数の案内部材と、
少なくとも2つの前記案内部材により摺動可能に支持され且つ前記第1部分に接続された第1アクチュエータ板であって、前記第1アクチュエータが前記第1基部板と該第1アクチュエータ板との間に接続された前記第1アクチュエータ板と、
少なくとも2つの前記案内部材により摺動可能に支持され且つ前記第2部分に接続された第2アクチュエータ板であって、前記第2アクチュエータが前記第2基部板と該第2アクチュエータ板との間に接続された前記第2アクチュエータ板とを備え、
前記第1及び第2アクチュエータが、前記第1及び第2アクチュエータ板を前記案内部材に沿って摺動可能に変位させ、前記第1及び第2部分を前記第1及び第2方向に変位させることができる、装置。 - 請求項18の装置において、前記第1及び第2アクチュエータが空圧シリンダである、装置。
- 請求項16の装置において、前記熱ジャケットから離れた第1軸方向位置と、前記容器が前記熱ジャケットの前記第1及び第2部分の間に配置される位置である第2軸方向位置との間にて前記容器を搬送する手段を更に備える、装置。
- 溶融金属の温度を制御する装置において、
内部及び外部を有し、該内部が溶融金属を保持する容器と、
第1部分及び第2部分を有する複数部分からなる熱ジャケットと、
前記熱ジャケットの前記第1及び第2部分に接合されたアクチュエータ機構であって、前記第1及び第2部分を前記容器に対して変位させ、前記第1及び第2部分を前記容器と熱連通するように配置し、前記容器と前記熱ジャケットとの間にて熱伝導を行い得るようにした前記アクチュエータ機構とを備え、
前記熱ジャケットが長手方向軸を有し、前記第1部分が軸方向に伸びる1対の第1端縁の間を伸びる第1面を画成し、前記第2部分が軸方向に伸びる1対の第2端縁の間を第2面を画成し、
前記第1及び第2面が前記容器の前記外部に係合するとき、前記第1部分及び第2部分の軸方向に伸びる第1及び第2端縁が、隔たった関係に配置されて空隙を画成する、装置。
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