JP4536854B2 - 供給リザーバと受け入れリザーバとの間の連通および流体の移送のための装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも１つの貯蔵リザーバのような供給リザーバを少なくとも１つのタンクトランクのような受け入れリザーバに連通させるための装置および前記供給リザーバと受け入れリザーバとの間の流体、特には、低温（cryogenic）流体の移送方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
供給リザーバと受け入れリザーバとの間の流体、特に、窒素のような低温流体の移送は、導管および他のフレキシブル接続部材のような２つのリザーバを連通させる接続手段に見出される可能性のある不純物によって多少なりとも流体の重大汚染を生じて移送される傾向があることが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
品質制御のためには、特に、当該流体が高純度流体、例えばエレクトロニクスの分野で用いられることを意図した超高純度窒素を要する用途に意図される場合、そのような不純物によって、移送された流体の汚染を最小限にすることが可能であることが望ましい。
【０００４】
したがって、本発明の目的は、供給リザーバから受け入れリザーバまたはレシーバへの流体の移送の間、流体、特に窒素のような低温流体の最小限の汚染を保証することが可能な方法および装置を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明は、少なくとも１つの供給リザーバを少なくとも１つの受け入れリザーバに、前記少なくとも１つの供給リザーバから前記少なくとも１つの受け入れリザーバへの流体の移送のために、連通させるための装置であって、少なくとも１つの流体移送ラインを備え、この移送ラインは、前記受け入れリザーバに連通させるための少なくとも１つの部材と、移送ラインに接続された、外気に連通させるためのバルブと、移送ラインに接続された分析器とを備えた装置に関する。
【０００６】
場合によって、この発明による装置は、次の各特徴のうち１つまたは複数を含み得る：
− 分析器は、外気に連通するバルブと移送ラインの第１の接続部材との間の移送ラインに接続される；
− 分析器および外気に連通するバルブは、移送ラインへの単一接続によって接続される；
− 少なくとも受け入れリザーバは自走式であり、好ましくはタンクトランクおよびタンクカーよりなる群から選択される；
− 少なくとも１つの、流体流の制御バルブが移送ラインに配置され、好ましくは前記流体流の制御バルブは、供給リザーバと外気に連通させるバルブとの間に配置される。
【０００７】
その上、この発明は、少なくとも１つの供給リザーバを少なくとも１つの受け入れリザーバに連通させた、流体の移送ラインの少なくとも一部分をパージする方法であって、前記移送ラインは、空気に連通させるためのバルブを有する少なくとも１つの接続と、空気に連通させるバルブと受け入れリザーバへの移送ラインの第１の接続部材との間の移送ラインに接続された分析器とが設けられ、少なくとも、
− 受け入れリザーバからのパージ流体により移送ラインを逆流パージする工程と、
− パージ流体中の少なくとも１つの不純物の量を測定する工程と、
を備える方法に関する。
【０００８】
別の側面によれば、この発明はまた、少なくとも１つの供給リザーバから少なくとも１つの受け入れリザーバに低温流体を移送する方法であって、上述のパージ方法による前記供給リザーバと受け入れリザーバとを連通させる移送ラインの少なくとも一部分のパージが行なわれる方法に関する。
【０００９】
場合によっては、この発明による移送方法は、次の特徴のうち１つまたは複数を含み得る：
− 低温流体の移送は、あらかじめ定められた圧力限界（threshold）よりも高いパージ流体圧力および／またはあらかじめ定められた不純物限界（threshold）よりも低いパージ流体の不純物量で開始され、前記不純物限界は、概して被観測流体の性質と標準のものの性質との関数であり、例えば数ｐｐｍから数ｐｐｂまで変化し得る；
− 低温流体の移送の間、こうして移送された低温流体の少なくとも１つの不純物の量を、好ましくは連続して測定される；
− 前記低温流体は、希ガス、酸素、水素、二酸化炭素、窒素またはこれらの混合物からなる群から選択される；
− 不純物は、ＣＯ₂、ＣＯまたはこれらの混合物よりなる群にある；
− あらかじめ定められた圧力限界は少なくとも約２×１０⁴ ｐａ（パスカル）である。
【００１０】
【発明の実施の形態】
この発明は、ここで、例示されるがそれに限定されない添付図面によって、より詳細に記述されるであろう。
【００１１】
添付図は、低温流体、例えば窒素を供給リザーバＡと受け入れリザーバまたはレシーバＢとの間で移送可能な、本発明による連通装置の概略図である。
【００１２】
この場合、供給リザーバＡは、槽または貯蔵収容体であり、受け入れリザーバＢは、自走式タンクトランクである。
【００１３】
連通装置は、供給リザーバＡを受け入れリザーバＢに連通させる移送ライン２を備え、この移送ラインは、ライン２における流体流を制御するためのバルブＶ₁のコンプレッサー４と、外気に連通させるためのバルブＶ₂と、直接的にまたは間接的に、すなわちフレキシブルコネクター１２のような接続手段による受け入れリザーバＢへのライン２の接続部材３とが設けられている。
【００１４】
バルブＶ₁と接続部材３との間に設けられた移送ライン２の部分は、パージ回路と呼ばれる。
【００１５】
供給リザーバＡに収容された、受け入れリザーバＢに向かう流体Ｆの移送を行なうことが望ましい場合、この発明によれば、バルブＶ₁と接続手段３との間に設けられた移送ライン２の部分のパージが最初に行われる。
【００１６】
これを行なうために、受け入れリザーバＢ内に含まれた残留ガスによって被パージ移送ライン２の部分のガスの逆流掃気によるパージが行なわれる。
【００１７】
それゆえ、受け入れリザーバＢ内に含まれた残留ガスは、このリザーバＢに留まり、外気に連通させるためのバルブＶ₂を通じて外気に排気される前に、フレキシブル部材１２および移送ライン２のパージ回路を流通させてからバルブＶ₂が開位置にされる。
【００１８】
移送ライン２を通ずる残留ガス流は、後者（移送ライン２）のガスの掃気と、同様に、そこで見出され得る不純物の効果的な除去とを起こす。
【００１９】
望ましくない不純物の量がライン２において最小限になることを保証するために、分析器１０が移送ライン２に接続され、移送ライン２および／またはフレキシブルコネクター１２に存在し得る１つまたは複数の不純物の量を、ガスパージの間、連続して監視する。
【００２０】
実際、分析器１０は、ガスパージの間、接続部材３と外気に連通させるためのバルブＶ₂との間の移送ライン２において逆流を流通させるパージガス流の不純物量を連続して監視する。
【００２１】
パージガスの前記１つの不純物または複数の不純物の量があらかじめ定められた限界値より低くなる場合、パージ流は停止され、外気に連通させるためのバルブＶ₂が閉じられ、バルブＶ₁が開かれて供給リザーバＡから受け入れリザーバＢへの流体流を通過させる。
【００２２】
好ましくは、パージの後、バルブＶ₂は閉じられ、バルブＶ₁は開けられ、前記移送の全時間中、移送ライン２において流通させる流体の分析が、好ましくは連続して行なわれる。これは、受け入れリザーバＢに送られ、受け入れリザーバＢに貯蔵された流体の品質および純度を保証することを可能にする。
【００２３】
必要であれば、流体流が移送ライン２を通ずるのを容易にするために、バルブＶ₁の上流のライン２に配置されたコンプレッサー４による前記流体の再圧縮が行なわれることが、望ましく、或いは場合によって必要でさえある。
【００２４】
前記流体のほんとうの意味での移送の開始に先行して、移送ライン２および／または各リザーバを連通させるフレキシブルコネクター１２のパージを行なうことによって、移送の間、流体中に含まれた望ましくない不純物の量を最小限にすることが可能となる。
【００２５】
この発明による装置および方法は、気相または液相状態の低温流体、特に酸素、水素、二酸化炭素、窒素または希ガスに適用できる。
【００２６】
その上、この発明によれば、受け入れリザーバＢからのパージ流体による移送ライン２の逆流パージに先行して、移送されたガスまたは液体の高い純度を保証するために、好ましくは、
− 一方で、受け入れリザーバＢ内に含まれた前記パージ流体の不純物量の測定、およびこうして測定された前記パージ流体の不純物量の値とあらかじめ定められた純度の限界値との比較と、
− 他方で、受け入れリザーバＢ内に含まれた前記パージ流体の圧力の測定およびこうして得られた圧力値とあらかじめ定められた限界圧力値との比較と、
が行なわれ得る。
【００２７】
次に、前記パージ流体中の不純物量の値があらかじめ定められた純度の限界値、場合によっては、例えば、窒素、酸素またはアルゴンのような不純物の量の値よりも低い場合にのみ、および／または、リザーバＢ、例えばタンクトラックが、パージに使用可能な流体の残留雰囲気を維持していること、すなわちそれが外気空気の流入によって汚染されていないことを確証するために、あらかじめ定められた圧力値があらかじめ定められた限界圧力値、例えば最小圧力０．２bar（バール）以上である場合にのみ、受け入れリザーバＢからのパージ流体によって、移送ラインの逆流パージが開始される。
【００２８】
好ましくは、該圧力と該パージとして供されるリザーバＢ内に含まれたガスまたは液体の不純物の量との両方が監視される。この場合、これら２つのパラメータの同時の適合のみが流体移送ポンプの操作を許可する。
【００２９】
好ましくは、パージガスの質を監視し、かつその後、供給リザーバからタンクトラックへ移送されるガスの質を供するために同じ分析器が用いられ、これは充填終了まで用いられる。
【００３０】
好ましくは、充填の一連の工程に加え、該分析器は貯蔵リザーバ内に収容された製品の品質を好ましくは連続して測定する。
【００３１】
【発明の効果】
この発明による方法は、それが流体の充填後の品質制御を行なうことを回避する、すなわち充填コストの実質的な節減を提供するので、特に有益である。
【図面の簡単な説明】
【図１】低温流体、例えば窒素を供給リザーバＡと受け入れリザーバまたはレシーバＢとの間で移送可能な、本発明による連通装置の概略図。
【符号の説明】
Ａ…供給リザーバ、
Ｂ…受け入れリザーバ、
Ｆ…流体、
２…移送ライン、
３…接続部材、
４…移送ポンプ、
１０…分析器、
１２…フレキシブルコネクター、
Ｖ1…制御バルブ、
Ｖ2…バルブ。

Claims (10)

1. 少なくとも１つの供給リザーバを少なくとも１つの受け入れリザーバに連通させた、流体の移送ラインの少なくとも一部分のパージ方法であって、前記移送ラインは、外気に連通させるためのバルブと、前記受け入れリザーバに接続するための第１の接続部材と、外気に連通させるためのバルブと移送ラインの第１の接続部材との間の移送ラインに接続された分析器とを備え、
   少なくとも、
   − 受け入れリザーバからのパージ流体により移送ラインの逆流パージをし、
   − 前記移送ラインの少なくとも一部分に流通させるパージ流体中の少なくとも１つの不純物の量を測定する、
   工程を備えた方法であって、
   前記逆流パージは、パージ流体の圧力が予め定めた圧力限界値よりも高い時、および／またはパージ流体中の不純物量の値があらかじめ定められた不純物限界値よりも低い時に開始されることを特徴とする方法。
2. 少なくとも１つの供給リザーバから少なくとも１つの受け入れリザーバに低温流体を移送する方法であって、前記供給リザーバと前記受け入れリザーバとを連通させる移送ラインの少なくとも一部分のパージが請求項１記載のパージ方法によって行なわれる方法。
3. 低温流体の移送は、移送ラインのパージ後に行なわれることを特徴とする請求項２記載の移送方法。
4. 低温流体の移送の間、低温流体の少なくとも１つの不純物の量が連続して測定されて移送されることを特徴とする請求項２又は３記載の方法。
5. 前記低温流体は、希ガス、酸素、水素、二酸化炭素、窒素またはこれらの混合物にある群から選択されることを特徴とする請求項２ないし４のいずれか１項記載の方法。
6. 不純物は、ＣＯ²、ＣＯまたはこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項２ないし５のいずれか１項記載の方法。
7. あらかじめ定められた圧力限界は、少なくとも２×１０⁴ｐａ（パスカル）であることを特徴とする請求項１ないし６のいずれか１項記載の方法。
8. 受け入れリザーバからのパージ流体による移送ラインの逆流パージに先行して、
   − 受け入れリザーバ内に含まれた、前記パージ流体の前記不純物の少なくとも１つの量の測定と、
   − このように測定された前記パージ流体の前記不純物の少なくとも１つの量の値とあらかじめ定められた限界純度値との比較と、
   が行なわれることを特徴とする請求項３ないし７のいずれか１項記載の方法。
9. 受け入れリザーバからのパージ流体による移送ラインの逆流パージに先行して、
   − 受け入れリザーバ内に含まれた、前記パージ流体の圧力の測定と、
   − このように測定された圧力値とあらかじめ定められた限界圧力値との比較と、
   が行なわれることを特徴とする請求項３ないし８のいずれか１項記載の方法。
10. 前記パージ流体の前記不純物の少なくとも１つの量の値があらかじめ定められた限界純度値よりも低い場合および／または測定された圧力値があらかじめ定められた限界圧力値以上である場合、受け入れリザーバからのパージ流体による移送ラインの逆流パージは行なわれることを特徴とする請求項８または９記載の方法。

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