JP4536199B2 - 空気圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、空気を圧縮するのに好適に用いられる空気圧縮機に関し、特に、電動モータによって圧縮機本体を駆動する空気圧縮機およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気圧縮機は、例えば特開平10−246185号公報などに、駆動源としての電動モータと、この電動モータによって駆動され、外部から吸込んだ空気を圧縮しながら、圧縮空気を各貯留タンクヘ吐出する圧縮機本体とによって構成されたものが報告されている。この種の従来技術による空気圧縮機は、電動モータによって圧縮機本体のクランク軸を回転駆動し、このクランク軸の回転に応じてシリンダ内でピストンを往復駆動させることにより、吸込室側から吸込んだ空気を圧縮室内で圧縮するものである。そして、圧縮機本体の圧縮室内で圧縮された圧縮空気は、吐出室側から配管などを介してタンクへ吐出され、このタンク内に貯留される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような従来の空気圧縮機は、圧縮機本体を駆動する電動モータとして、コンデンサモータやインダクションモータなどが使用されている。しかし、電動モータにコンデンサモータを使用した場合には、圧縮機本体の負荷の軽重に関わらず、一定の回転数で電動モータを回転駆動させるため、電動モータの動力を有効に使用できない領域が多く存在すると共に、電動モータの消費電力が多くなるなどの不具合がある。また、電動モータの起動トルクが不足するため、空気圧縮機の起動時に電動モータに加わる負荷を軽減するために、圧縮機本体にアンローダなどの負荷軽減装置を設けなければならないなどの問題もある。
【0004】
また、入力電流を制限できる機能を有したインバータモータを駆動源とする空気圧縮機も知られているが、このような空気圧縮機においても、モータの発生トルクは、起動時に負荷の最大トルクを超えなければならない。また、圧縮機の回転が上昇すると、モータや圧縮機の持つ慣性系によってトルクの最大値は徐々に低下して行く。そこで、従来の制御では、起動時から規定の回転数または角速度に達するまで、モータへの印加電圧を大きくしてモータの電流を増加させることにより、負荷の最大トルクを超える発生トルクを得ている。さらに、起動時と運転時のモータへの印加電圧の通電形態を変化させることで、起動時は大きなトルクを発生させ、運転時には運転可能なトルクを発生させるような形態もとられている。
【0005】
このように、モータの発生トルクを上昇させるためには、インバータなどによって、モータへ供給する電流の通電幅を大きくしたりピーク電圧を高くするなどして、モータへの供給電流を大きくしなければならない。したがって、インバータ回路のスイッチング素子などの電流容量を大きくしたり、あるいは、電源の容量を大きくしなければならない。また、空気圧縮機のトルク変動値を小さくしするために回転数を高くする方法もあるが、回転数を上昇させることによって、軸受けなどの寿命を低下させてしまうなどの不具合もある。さらに、現在のインバータモータの構成では、モータの効率面から見て、運転時の回転数の範囲をあまり大きく変化させることは好ましいことではなく、さらに、空気圧縮機の仕様内容を大幅に変更しなければならないなどの不具合もある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電動モータの回転数の増加に応じて入力電流を制御することにより、電動モータの消費電力を低減させると共に、電動モータの起動トルクを増加させることができる空気圧縮機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の空気圧縮機は、三相のステータコイル及び該ステータコイルによって回転されるロータからなる電動モータと、この電動モータによって駆動され、外部から吸入した空気を圧縮する圧縮機本体と、前記電動モータの回転角速度を検出する回転検出手段と、前記回転検出手段による検出信号に基づいて前記電動モータに対する給電電流を制御するモータ制御手段とを備え、前記モータ制御手段は、前記回転検出手段に検出された回転角速度の上昇に応じて、前記電動モータへの給電電流を設定電流値以下になるように低減させ、所定の回転数に達するまでの始動期間においては前記三相のステータコイルに順次給電を行う三相通電制御を行い、前記電動モータが前記所定の回転数に到達した後の運転期間においては二相のステータコイルに対して選択的に二相通電制御を行うことを特徴とする。
【0008】
すなわち、本発明の空気圧縮機によれば、電動モータが始動時の仮想ゼロ回転から運転可能な回転数までの状態では、回転上昇による慣性によって減少する最大負荷トルクで制動されない回転トルクを発生するように、電動モータの入力電流を制御して行く。すなわち、電動モータが、最大負荷トルクで制動されない回転トルクを発生できるように、回転角速度に対応して、電動モータの入力電流を減らして行く。このようにして、電動モータの始動時に、運転継続に必要な電流であり、且つ最小限の電流を供給することによって、電動モータが始動時に必要とする入力電流を極力抑制して、空気圧縮機を所望の負荷トルクで定格回転数まで上昇させる。これによって、モータ制御手段から流れる電流を必要最小限に抑えることができるので、モータ制御手段の回路部品、例えばスイッチング素子などの容量や電源の容量を小さくすることができる。
【0009】
具体的な電流値の低減は、電動モータの始動時の回転角速度に応じて、モータ制御手段から電動モータへ供給される電流値を多段に分けて制御するようにする。例えば、回転数が0〜100rpmのときは入力電流を20Aに制限する。次に、回転数が100〜400rpmのときは入力電流を18Aに制限し、さらに、回転数が400〜800rpmのときは入力電流を15Aに制限する。そして、回転数が800rpmになったら始動状態を完了し、それ以降の回転数では運転モードの通電形態に切換える。
【0010】
また、本発明の空気圧縮機は、上記の発明において、前記モータ制御手段は、前記電動モータへの給電電流が所定の電流値以下で前記電動モータの回転数が所定の回転数以上となった場合に前記三相通電制御から前記二相通電制御に切り替えることを特徴とする。
【0011】
このように構成したことにより、三相通電制御手段によって変動の少ない大きな回転トルクを発生させることができると共に、二相通電制御手段によって消費電力を低減して電動モータを回転させることができる。また、通電制御手段は、電動モータに必要となる回転トルクに応じて、三相通電制御手段と二相通電制御手段とのうち、何れか一方を選択することができる。このため、通電制御切換手段は、回転検出手段による検出信号によって、起動時のように大きな回転トルクを必要とするときに三相通電制御手段を選択し、ある程度の回転トルクが得られた後には、消費電力の少ない二相通電制御手段を選択することができる。
【0012】
また、本発明の空気圧縮機は、上記の発明において、前記モータ制御手段は、前記運転期間において、前記電動モータの回転数が所定の回転数以上となった場合に前記電動モータへの給電電流を低減させことを特徴とする。これにより、三相通電制御手段は、電動モータへ供給される電流を、回転角速度の上昇に応じて、予め決めた複数の設定電流値のそれぞれに段階的に低減して行く。したがって、三相通電制御手段によって電動モータを駆動しているときに、外部電源からの入力電流値が過剰に大きくなることを防止することができる。
【0013】
さらに、本発明の空気圧縮機は、上記の発明において、前記モータ制御手段は、前記運転期間において、前記電動モータに供給される電流を予め定めた設定電流値以下に抑え、該電動モータの回転数を予め決められた最大回転数以下に抑えることを特徴とする。すなわち、このように構成したことにより、電流値制限手段は電動モータに供給されるの電流を、予め決められた設定電流値以下に抑えるので、二相通電制御手段によって電動モータを駆動しているときに、外部電源からの入力電流値が過剰に大きくなることを防止することができる。また、回転数制限手段が、電動モータの回転数を予め決められた最大回転数以下に抑えるから、電動モータを必要以上に高い回転数で回転駆動することによって圧縮機本体などが損傷するのを防止することができ、もって、耐久性や信頼性を向上させることができる。
【0014】
また、本発明の空気圧縮機は、上記の発明において、モータ制御手段は半導体スイッチング回路であり、この半導体スイッチング回路は、回転検出手段による検出信号に基づいて自己のスイッチング周波数を制御するスイッチング周波数制御手段を備え、スイッチング周波数制御手段が、回転角速度の上昇に応じてスイッチング周波数を低減することにより、半導体スイッチング回路が電動モータへの給電電流を低減させて行くことを特徴とする。
【0015】
具体的な制御手段としては、電動モータの始動時の回転角速度に応じて、スイッチング回路のスイッチング周波数を制御することにより、スイッチング回路から電動モータへ供給される電流値を多段に分けて制御するようにする。すなわち、回転数が0〜100rpmのときは、スイッチング周波数を例えば5kHzにして入力電流を20Aに制限する。また、回転数が100〜400rpmのときは、スイッチング周波数を例えば4kHzにして入力電流を18Aに制限する。さらに、回転数が400〜800rpmのときは、スイッチング周波数を例えば3kHzにして入力電流を15Aに制限する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態による空気圧縮機を、2段式空気圧縮機を例にあげて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態によるタンク一体型の2段式空気圧縮機を示す平面囲であり、図2は、本発明の実施の形態による空気圧縮機を示す平面図であり、また、図3は、図2において保護カバーを取外した状態の空気圧縮機を示す平面図である。さらに、図4は、保護カバーを取外した状態の空気圧縮機を示す図3の右側面図であり、図5は、空気圧縮機の給電制御装置等を示す図4の矢視V−V方向からみた断面図である。また、図6は、本発明の実施の形態による給電制御装置を示す電気回路図であり、図7は、図6におけるトランジスタスイッチング回路及びステータコイルなどの細部を示す電気回路図である。
【0018】
以下、図1〜図7を通して、本発明の実施の形態における空気圧縮機の構成を説明する。1,1は左右に離間して互いに並行に延びた一対の貯留タンク(以下、タンク1という)で、一対のタンク1は、金属チューブ等を用いた略円筒状の密閉容器として形成され、後述する下側フレーム5、上側フレーム6によって連結されている。そして、各タンク1の長さ方向の両端側には、その下側位置に脚体2,2…が取付けられ、上側位置には運搬用の把手3,3が取付けられている。また、各タンク1上には、後述する圧縮機本体7、電動モータ12などを上側から覆う保護カバー4が図1に示す如く設けられ、この保護カバー4は必要に応じて取外し出来るようになっている。尚、図3〜図5では、保護カバー4を取外した状態を示している。
【0019】
5,5は、各タンク1の下側に位置して各タンク1を左右方向で連結した下側フレームであり、この下側フレーム5は、図4および図5に示す如く、高い剛性をもった金属金具などからなり、例えば、各タンク1の長さ方向(前後方向)の両端側で各タンク1に溶接などの手段で固着されている。
また、6,6は、各タンク1の上側に位置して各タンク1を左右方向で連結した上側フレームであり、この上側フレーム6は、下側フレーム5とほぼ同様に高い剛性をもった金属材などからなり、例えば、各タンク1の長さ方向(前後方向)に離間して、各タンク1に溶接などの手段で固着されている。そして、上側フレーム6,6は、圧縮機本体7を電動モータ12と共に下側から支承する構成となっている。
【0020】
7は、各タンク1間に位置して上側フレーム6上に取付けられた圧縮機本体であり、この圧縮機本体7は、略円筒状のクランクケース8と、このクランクケース8の径方向に突出して設けられたシリンダ9Aとシリンダヘッド9Bからなる第1段の圧縮機構9と、第1段の圧縮機構9の反対側に位置して、クランクケース8に設けられたシリンダ10Aとシリンダヘッド10Bとからなる第2段の圧縮機構10とによって大略構成されている。そして、第1段の圧縮機構9と第2段の圧縮機構10とは、図3に示す如く左右方向へと横向きに突出して設けられ、シリンダ9A,10A内にはピストン(図示せず)が摺動可能に挿嵌されている。また、シリンダヘッド9B,10Bには吸込弁、吐出弁(いずれも図示せず)などが内蔵され、これら2つの圧縮機構9,10間は連通管11を介して接続されている。このように、本実施の形態による圧縮機本体7は、所謂、水平対向型の2段式空気圧縮機として構成されている。
【0021】
12は、各タンク1間に位置してクランクケース8の後部側に設けられた電動モータであり、この電動モータ12は、例えば、インバータ制御式のシンクロナイズドシュラーゲ形リラクタンスモータからなり、図3に示すようにクランクケース8と同軸に配設されたモータケース13と、このモータケース13内に配設された、例えば、3相のステータコイルU,V,Wからなるステータ14と、このステータ14の内局側に設けられた鉄系材料などからなるロータ15と、このロータ15の内局側に嵌合され、ロータ15と共に回転する回転軸16とから構成されている。
【0022】
ここで、回転軸16は、圧縮機本体7と電動モータ12のモータケース13とを軸方向に貫通して設けられると共に、その前側は、クランクケース8内にクランク軸となって配設され、後側が電動モータ12のロータ15に挿嵌されている。そして、回転軸16の両端側は、圧縮機本体7、モータケース13から外側へ突出している。また、モータケース13の下側部位は、クランクケース8の下側部位と共に、各タンク1,1間に部分的に入り込み、空気圧縮機の全高を可及的に低くしている。そして、電動モータ12は、後述する給電制御装置20を介して外部の電源に接続されている。これにより、電動モータ12は、その回転駆動が給電制御装置20によってインバータ制御されるものである。
【0023】
17は、圧縮機本体7の前側に位置して回転軸16の前端側に設けられた第1の冷却ファンとしての吸気ファン、18は、電動モータ12の後側に位置して回転軸16の後端側に設けられた第2の冷却ファンとしての排気ファンをそれぞれ示している。そして、吸気ファン17と排気ファン18は、圧縮機本体7の前側から電動モータ12の後側に向けて冷却風を流通させると共に、後述する給電制御装置20の前側から後側に向けて冷却風を流通させるものである。
【0024】
19は、電動モータ12の回転位置を検出するため、モータケース13の後端側に設けられた回転検出手段としての回転位置検出器であり、この回転位置検出器19は、例えば、回転軸16に取付けられたマグネットと、このマグネットによる磁束を検出するホール素子など(いずれも図示せず)によって構成されている。そして、回転位置検出器19は、配線を介して給電制御装置20のインバータ制御部31に接続され、このインバータ制御部31に向けて回転軸16の回転位置に応じた回転検出信号を出力するものである。
【0025】
20は、電動モータ12への給電をインバータ制御するモータ制御手段としての給電制御装置であり、この給電制御装置20は、図5および図6に示すように、後述する回路用ケーシング21、給電部23、インバータ制御部31によって構成されている。そして、給電制御装置20は、圧縮機本体7、電動モータ12の下側に位置して各タンク1,1間に配設されている。また、21は略箱型状の回路用ケーシングであり、この回路用ケーシング21は、例えば、薄い金属板をプレス加工することにより形成され タンク1,1間に位置して前後方向に延びる箱部21Aと、この箱部21Aの前後方向中央に位置して下側部23Aの上側に設けられ、箱部21Aとの間に後述する平滑回路26などを収容する収容空間を画成する蓋部21Bとから構成されている。そして、箱部21Aの前後方向両端側は、ボルト22等によって下側フレーム5に固定されている。
【0026】
23は電動モータ12に駆動電力を供給するための給電部であり、この給電部23は各タンク1の長さ方向中間部に位置して回路用ケーシング21の箱部21Aに取り付けられている。そして、給電部23は、電源ケーブル24などを介して外部の商用電源などに接続され、例えば、100Vの単相交流電圧を整流するタイオードによるブリッジ回路からなる整流器25と、この整流器25に接続され整流された電圧を平滑化して直流電圧を出力する複数のコンデンサ26Aからなる平滑回路26と、平滑回路26と電動モータ12との間に設けられたインバータ制御部31からの制御信号に応じてスイッチング制御することによって平滑回路26による直流電圧をパルス変調し、周波数可変の擬似的な交流電圧として電動モータ12に出力する、例えば、6個のパワートランジスタ27Aからなるトランジスタスイッチング回路27とによって概略構成されている。
【0027】
また、電源ケーブル24と整流器25との間にはコイル等からなるリアクトル28が接続され、このリアクトル28は、箱部21Aの前端側に取り付けられている。そして、リアクトル28は、単相交流電圧を直流電圧に変換するときに、外部の商用電源側に向けて高調波成分を多く含んだ電流が流れるのを防止し、力率を改善するものである。また、トランジスタスイッチング回路27は、放熱板29に取り付けられると共に、電動モータ12の下側に位置して排気ファン18の近傍に配設されている。
【0028】
30は給電部23の電源ケーブル24と整流器25との間に設けられた電流検出器であり、この電流検出器30は、インバータ制御部31に接続され、外部の商用電源から電動モータ12に供給される電流値に応じた電流検出信号を出力するものである。また、31は回路用ケーシング21の後端面側に設けられ電動モータ12をインバータ制御するインバータ制御部であり、このインバータ制御部31は、マイクロコンピュータ等によって構成され、その入力側が回転検出器19、電流検出器30等に接続され、出力側は給電部23のトランジスタスイッチング回路27等に接続されている。さらに、インバータ制御部31は、図6に示すようにメモリ等の記憶装置31Aを備え、この記憶装置31Aには、後述する図8、図9に処理の流れを示すようなプログラムが格納されている。
【0029】
そして、インバータ制御部31は、回転位置検出器19からの検出信号に基づき、三相通電制御と二相通電制御を切換えると共に、トランジスタスイッチング回路27の各パワートランジスタ27Aをスイッチング制御することによって、電動モータ12のステータ14に供給する電流、電圧の周波数を変化させ、電動モータ12の回転数などを制御している。
【0030】
図8は、本発明の第1の実施の形態における、インバータ制御部による電動モータの駆動制御処理についての流れ図である。したがって、図8を参照して、第1の実施の形態の、インバータ制御部31による電動モータ12の駆動制御処理について説明する。先ず、空気圧縮機を作動させると、ステップS1で、インバータ制御部31の記憶装置31Aに格納されたプログラムが作動し、電源ケーブル24が外部の電源に接続されて、主電源がONされたか否かが判別される。そして、主電源がONと判定されたときには(ステップS1、YES)、ステップS2で、給電部23の入力電流が上限値I0(例えば20A)を制限条件として、三相通電制御処理を開始する。
【0031】
このとき、インバータ制御部31は、回転位置検出器19からの回転検出信号によつて、電動モータ12のロータ15の回転位置を認識しており、複数配列したホール素子などによって角速度(rad/sec)も認識できるようになっている。そして、インバータ制御部31は、このロータ15の回転位置に応じて、ステータコイルUからステータコイル位相をずらしてV、Wへの通電、ステータコイルVからステータコイル位相をずらしてW、Uへの通電、ステータコイルWからステータコイル位相をずらしてU、Vへの通電を順次繰り返し、ロータ15の回転速度を徐々に上昇させて行く。
【0032】
次に、ステップS3では、電流検出器30からの電流検出信号によって電動モータ12に供給される電流値Iが、ステータコイルU,V,W、パワートランジスタ27A等の耐電圧値に応じて設定された第1の設定電流値I0以下であるか否か、例えば、20A程度の設定電流以下であるか否かが判別される。すなわち、供給される電流値Iと第1の設定電流値I0との関係が、I≦I0であるか否かが判定される。
【0033】
そして、ステップS3で、I≦I0が「NO」と判定されたときには、電動モータ12に供給される電流値Iが第1の設定電流値IOを超えているから、ステップS4において、電流値Iが第1の設定電流値IO以下となるようにステ一タコイルU,V,Wに供給する電流を制限する。すなわち、インバータ制御部31によって、トランジスタスイッチング回路27のスイッチング通電幅を制御し、電動モータ12への供給電流を制限して行く。
【0034】
一方、ステップS3で、I≦I0が「YES」と判定されたときには、電流値Iは第1の設定電流値I0以下となっているから、前述のステップS4で電流値Iを第1の設定電流値IO以下に制限した場合と併せて、ステップS5に移る。すなわちステップS4において、ロータ15の回転数Nが、圧縮機本体7の負荷トルクの変動が小さくなり、慣性によって駆動可能な第1の設定回転数NO以上になっているか否か、例えば、100rpm程度の第1の設定回転数NOを上回っているか否かが判別される。すなわち、ロータ15の回転数Nと第1の設定回転数N0との関係が、N≧N0であるか否かが判定される。尚、このときの回転数Nは、ホール素子などによって検出された角速度(rad/sec)に基づいて演算された回転数である。
【0035】
そして、ステップS5で、N≧N0が「NO」と判定されたときには、電動モータ12は第1の設定回転数NOに達していないから、未だに始動時であると判断し、前述のステップS3〜S5までを繰返す。
一方、ステップS5で、N≧N0が「YES」と判定されたときは、ロータ15の回転数Nが第1の設定回転数NO(例えば、100rpm)まで達しているので、通電形態はそのままとして、ステップS6以降の処理に移り、電流値Iを第2の設定電流値I1以下に制限してロータ15の回転数Nを上昇させて行く。
【0036】
ステップS6において、電動モータ12に供給される電流値Iが、第2の設定電流値I1以下であるか否か、例えば、18A程度の設定電流以下であるか否かが判別される。すなわち、供給される電流値Iと第2の設定電流値I1との関係が、I≦I1であるか否かが判定される。
そして、ステップS6で、I≦I1が「NO」と判定されたときには、電動モータ12に供給される電流値Iが第2の設定電流値I1を超えているから、ステップS7において、電流値Iが第2の設定電流値I1以下となるように、トランジスタスイッチング回路27のスイッチング通電幅を制御してステ一タコイルU,V,Wに供給する電流を制限する。
【0037】
一方、ステップS6で、I≦I1が「YES」と判定されたときには、電流値Iは第2の設定電流値I1以下となっているから、前述のステップS7で電流値Iを第2の設定電流値I1以下に制限した場合と併せて、ステップS8に移り、ロータ15の回転数Nが、圧縮機本体7の負荷トルクの変動が小さくなり、慣性によって駆動可能な第2の設定回転数N1以上になっているか否か、例えば、400rpm程度の第2の設定回転数N1に達しているか否かが判別される。すなわち、ロータ15の回転数Nと第2の設定回転数N1との関係が、N≧N1であるか否かが判定される。
【0038】
そして、ステップS8で、N≧N1が「NO」と判定されたときには、電動モータ12は第2の設定回転数N1に達していないから、未だに始動時であると判断し、前述のステップS2〜S8までを繰返す。
一方、ステップS8で、N≧N1が「YES」と判定されたときは、ロータ15の回転数Nが第2の設定回転数N1まで達しているので、通電形態はそのままとして、ステップS9以降の処理に移り、電流値Iを第3の設定電流値I2以下に制限してロータ15の回転数Nを上昇させて行く。
【0039】
ステップS9において、電動モータ12に供給される電流値Iが、第3の設定電流値I2以下であるか否か、例えば15A程度の設定電流以下であるか否かが判別される。すなわち、供給される電流値Iと第3の設定電流値I2との関係が、I≦I2であるか否かが判別される。
そして、ステップS9で、I≦I2が「NO」と判定されたときには、電動モータ12に供給される電流値Iが第3の設定電流値I2を超えているから、ステップS10において、電流値Iが第3の設定電流値I2以下となるように、トランジスタスイッチング回路27のスイッチング通電幅を制御してステ一タコイルU,V,Wに供給する電流を制限する。
【0040】
一方、ステップS9で、I≦I2が「YES」と判定されたときには、電流値Iは第3の設定電流値I2以下となっているから、前述のステップS10で電流値Iを第3の設定電流値I2以下に制限した場合と併せて、ステップS11に移り、ロータ15の回転数Nが、圧縮機本体7の負荷トルクの変動が小さくなり、慣性によって駆動可能な第3の設定回転数N2以上になっているか否か、例えば、800rpm程度の第3の設定回転数N2を上回っているか否かを判別する。すなわち、ロータ15の回転数Nと第3の設定回転数N2との関係が、N≧N2であるか否かが判定される。
【0041】
そして、ステップS11で、N≧N2が「NO」と判定されたときには、電動モータ12は第3の設定回転数N2に達していないから、未だに始動時であると判断し、前述のステップS2〜S11までを繰返す。
一方、ステップS11でN≧N2が「YES」と判定されたときには、電動モータ12は第3の設定回転数N2に達しているから、圧縮機本体7は電動モータ12の回転トルクに多少ばらつきが生じてもその慣性によって停止すること無く駆動することができるから、ステップS12において二相通電制御処理を開始する。すなわち、前述のステップS1〜S11までの始動時の処理から運転時の処理に移行する。
【0042】
このとき、インバータ制御部31は、回転位置検出器19からの回転検出信号によつて電動モータ12のロータ15の回転位置を認識する。そして、インバーア制御部31は、このロータ15の回転位置に応じてステータコイルUからステータコイルVへの通電、ステータコイルVからステータコイルWへの通電、ステータコイルWからステータコイルUへの通電を順次繰返す、いわゆる二相通電制御処理により、ロータ15の回転速度を徐々に上昇させていく。
【0043】
ステップS12で、二相通電制御による運転時の処理が開始されると、次に、ステップS13に移り、電流検出器30からの電流検出信号によって電動モータ12に供給される電流値Iが、ステータコイルU,V,W、パワートランジスタ27A等の耐電圧値に応じて設定された第4の設定電流値I3以下であるか否か、例えば15A程度の設定電流以下であるか否かが判別される。すなわち、供給される電流値Iと第4の設定電流値I3との関係が、I≦I3であるか否かが判定される。
【0044】
そして、ステップS13で、I≦I3が「NO」と判定されたときには、電動モータ12に供給される電流値Iが第4の設定電流値I3を超えているから、ステップS14に移って、電流値Iが第4の設定電流値I3以下となるように、インバータ制御部31によってトランジスタスイッチング回路27のスイッチング通電幅を制御し、ステータコイルU,V,Wに供給する電流を制限する。
【0045】
一方、ステップS13で、I≦I3が「YES」と判定されたときには、電流値Iは第4の設定電流値I3以下となっているから、前述のステップS14で電流値Iを第4の設定電流値I3以下に制限した場合と併せて、ステップS15に移って、ロータ15の回転数Nが、圧縮機本体7の耐久性等を考慮して予め設定された最大回転数N3以下であるか否か、例えば、2200〜2300rpm程度の最大回転数以下であるか否かが判別される。すなわち、現在の回転数Nと最大回転数N3との関係が、N≦N3であるか否かが判定される。
【0046】
そして、ステップS15でN≦N3が「NO」と判定されたときには、電動モータ12の回転数Nが最大回転数N3を超えているから、ステップS16に移って、電流値Iを第4の設定電流値I3よりさらに下げて、回転数Nを最大回転数N3以下に抑えると共に、前述のステップS12〜S15までの処理を繰返す。
一方、ステップ15でN≦N3が「YES」と判定されたときには、ステップS17に移って、主電源がOFFか否かを判別する。そして、ステップS17で「NO」と判定されたときには、空気圧縮機は通常の駆動状態となっているので、前述のステップS12〜ステップS16までの処理を繰り返し、空気圧縮機が必要とする所望の回転数で運転を継続する。尚、ステップS17で「YES」と判定されたときには、主電源はOFFであるので電動モータ12は騒動を停止する。
【0047】
図9は、本発明の第2の実施の形態における、インバータ制御部による電動モータの駆動制御処理についての流れ図である。図9に示す第2の実施の形態が、図8に示す第1の実施の形態と異なるところは、電動モータ12に供給する電流値Iを制限するときに、トランジスタスイッチング回路27のスイッチング周波数を制御しているところである。すなわち、第2の実施の形態では、インバータ制御部31によって、トランジスタスイッチング回路27のスイッチング周波数を制御して、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御により電動モータ12への供給電流を制限しいることを特徴としている。
【0048】
したがって、図9における流れ図のステップは図8と全く変わらず、電流値Iを制限するステップにおいてスイッチング周波数を制御する手順が付加されているので、そのステップのところのみについてステップ符号を変えてある。また、以下の説明においては、各ステップで、第1の実施の形態と重複する部分は全て説明を省略することにする。
すなわち、図9において、ステップS3で、電動モータ12に供給される電流値Iが、第1の設定電流値I0を超えている場合は、したがって、I≦I0が「NO」と判定された場合は、ステップS4’において、電流値Iが第1の設定電流値IO以下となるように、トランジスタスイッチング回路27のスイッチング周波数をF0(Hz)に制御して、所定のPWM制御幅にしてステ一タコイルU,V,Wに供給する電流を制限する。例えば、スイッチング周波数F0を5kHzにして、第1の設定電流値IOを20A以下に制限する。
【0049】
同様にして、ステップS6で、電動モータ12に供給される電流値Iが、第2の設定電流値I1を超えている(すなわち、I≦I1が「NO」)の場合は、ステップS7’において、電流値Iが第2の設定電流値I1以下となるように、スイッチング周波数をF1(Hz)に制御して、所定のPWM制御幅によってステ一タコイルU,V,Wに供給する電流を制限する。例えば、スイッチング周波数F1を4kHzにして、第2の設定電流値I1を18A以下に制限する。
【0050】
さらに、ステップS9で、電動モータ12に供給される電流値Iが、第3の設定電流値I2を超えている(すなわち、I≦I2が「NO」)の場合は、ステップS10’において、電流値Iが第3の設定電流値I2以下となるように、スイッチング周波数をF2(Hz)に制御して、所定のPWM制御幅によってステ一タコイルU,V,Wに供給する電流を制限する。例えば、スイッチング周波数F2を3kHzにして、第3の設定電流値I2を15A以下に制限する。
尚、このとき、各供給電流値は、I0>I1>I2であるので、当然、スイッチング周波数もF0>F1>F2となるように制御して、PWM制御幅を絞って行く必要がある。
【0051】
また、運転時における二相通電制御処理においても、ステップS13で、電動モータ12に供給される電流値Iが、第4の設定電流値I3を超えている(すなわち、I≦I3が「NO」)の場合は、ステップS14’において、電流値Iが第4の設定電流値I3以下となるように、スイッチング周波数をF3(Hz)に制御して、所定のPWM制御幅で、ステ一タコイルU,V,Wの内の何れか2相に供給する電流を制限する。同様に、ステップS15でN≦N3が「NO」と判定されたときには、電動モータ12の回転数Nが最大回転数N3を超えているから、ステップS16’に移って、電流値Iを第4の設定電流値I3以下となるように、スイッチング周波数をF3(Hz)に制御して、所定のPWM制御幅で、ステ一タコイルU,V,Wの内の何れか2相に供給する電流を制限する。
【0052】
本実施の形態による空気圧縮機は、前述の図1〜図7の如き構成を有するものであり、以下、その作動について説明する.
まず、電動モータ12に給電して回転軸16を回転駆動させると、電動モータ12は三相通電制御によって駆動し、第1段の圧縮機構9と第2段の圧縮機構10が作動する。このとき、連接棒を介して連結されたピストンが、シリンダ9A、10A内で往復動し、第1段の圧縮機構9から連通管11を経由して第2段の圧縮機構10側に圧縮空気が供給される。そして、第2段の圧縮機構10は、第1段の圧縮機構9による圧縮空気をさらに加圧すると共に、この圧縮空気を各タンク1に向けて吐出する。これにより、タンク1内には圧縮空気が貯留される。
【0053】
図10は、空気圧縮機が停止状態から起動したときの圧縮機本体の駆動に必要となる負荷トルクと、電動モータが発生する回転トルクの関係を示す図である。この図は横軸に回転角、縦軸に軸トルクをとっている。また、図中の特性曲線aは圧縮機本体7の駆動に必要となる負荷トルク、特性曲線bは三相通電制御による電動モータ12の始動時の回転トルク、特性曲線cは二相通電制御による電動モータ12の始動時の回転トルクを示している。
【0054】
すなわち、ロータ15が1回転する間では、図中に一点鎖線で示す特性曲線aのように、第1段の圧縮機構9のピストンが上死点位置に向かう最中と、第2段の圧縮機構10のピストンが上死点位置に向かう最中において、圧縮機本体7の負荷トルクが大きくなっている。しかし、三相通電制御による電動モータ12の始動時の回転トルクcは、負荷トルクbの最大値より上回っているので起動はスムーズに行なわれる。一方、電動モータ12を二相通電制御によって起動したときには、その回転トルクは特性曲線bのように大きく変動する。このため、回転トルクbが最小となった状態で、圧縮機本体7の負荷トルクaが最大となったときには、電動モータ12の回転トルクが不足し、空気圧縮機が停止してしまう。
【0055】
すなわち、本発明の実施の形態では、起動時においては電動モータ12は三相通電制御によって駆動しているから、その回転トルクは、図中に実線で示す特性曲線cのようになっており、常時、負荷トルクaよりも大きくなっている。このため、空気圧縮機は停止することなく、円滑に起動することができる。
【0056】
図11は、電動モータの回転数が上昇中における、慣性による圧縮機の最大トルクの変化と電動モータの回転トルクの変化を示す図である。この図は横軸に回転角、縦軸に軸トルクをとっている。また、図中の特性曲線eは、図8におけるステップS5のときの圧縮機本体7のトルク、特性曲線fは、ステップS5のときの電動モータ12のトルクを示している。さらに、特性曲線gは、ステップS8のときの圧縮機本体7のトルク、特性曲線hは、ステップS8のときの電動モータ12のトルクを示している。
【0057】
すなわち、図11において、電動モータ12の回転数がN0(例えば100rpm)を上回ったとき(図8のステップS5)、圧縮機本体7のトルクは特性曲線eのように変化するが、この回転数N0のときの電動モータ12のトルクは特性曲線fのようになっており、圧縮機本体7の特性曲線eのトルクピーク値より上回っているので、電動モータ12は安定して回転数を上昇させる。さらに、電動モータ12の回転数がN1(例えば400rpm)を上回ったとき(図8のステップS8)、圧縮機本体7のトルクは特性曲線gのように変化するが、この回転数N1のときの電動モータ12のトルクは特性曲線hのようになっており、圧縮機本体7の特性曲線gのトルクピーク値より上回っているので、電動モータ12は安定して回転数を上昇させる。
【0058】
次に、電動モータ12の回転数Nが設定回転数N2(例えば800rpm)よりも上昇すると、インバータ制御部31は、電動モータ12の制御方法を三相通電制御から二相通電制御に切換えて、電動モータ12をほぼ最大回転数N3(例えば2200rpm)まで上昇させる。
【0059】
図12は、電動モータがほぼ最大回転数で駆動したときの、圧縮機本体の負荷トルクと電動モータの回転トルクを示す図である。この図は横軸に回転角、縦軸に軸トルクをとっている。また、図中の特性曲線iは二相通電制御運転時の圧縮機本体7の負荷トルク、特性曲線jは二相通電制御運転時の電動モータの回転トルクを示している。同図に示すように、電動モータ12がほぼ最大回転数N3(例えば2200rpm)で駆動しているとき、圧縮機本体7の負荷トルクiは、電動モータ12の負荷トルクjを上下するように変動するものの、ロータ15の慣性力が作用するため、その変動幅は小さくなっている。また、圧縮機本体7のピストン等による慣性力も作用している。
【0060】
このため、圧縮機本体7の負荷トルクiが電動モータ12の回転トルクよりも大きくなったときでも、空気圧縮機は停止することなく駆動を持続することができる。また、三相通電制御では、3個のステータコイルU,V,Wのうち、2個のステータコイルが並列接続状態となるため、1個のステータコイルによる抵抗値をRとすると、ステータ14全体での合成抵抗は1.5Rとなる。これに対し、二相通電制御では、2個のステータコイルが直列接続となるため合成抵抗は2Rとなる。このように、二相通電制御は三相通電制御に比べて合成抵抗が大きくなるため、ステータコイル∪,∨に流れる電流は低下する。このため、二相通電制御により電動モータ12を駆動することによって、電動モータ12の消費電力を低減することができる。
【0061】
かくして、本実施の形態によれば、回転検出器19からの検出信号により、三相通電制御と二相通電制御とのいずれか一方を選択するから、三相通電制御によって変動の少ない大きなトルクを発生することができると共に、二相通電制御によって消費電力を低減して電動モータ12を回転させることかできる。
また、電動モータ12の回転数Nが低い起動時に三相通電制御を選択し、電動モータ12の起動後に、回転数Nが設定回転数N2に達したとき、例えば、800rpmに達したときには二相通電制御を選択する。したがって、大きな回転トルクが必要な電動モータ12の起動時に三相通電制御を選択し、電動モータ12等にはある程度の回転トルクが発生した後には、消費電力の少ない二相通電制御を選択することができる。
【0062】
また、三相通電制御において、ステータコイルU,V,Wに供給する電流I0,I1,I2を制限することによって、電動モータ12に供拾する電流値Iを、例えば20A、18A、15A程度の各設定電流値I0,11,I2以下に押えるから、三相通電制御によって電動モータ12を駆動する起動時に、外部電源からの入力される電流値Iが過剰に大きくなったり、過剰電流の継続時間が長くなったりするのを防止することができる。これにより、ステータコイル14やトランジスタ回路27等の耐久性や信頼性を向上させることができる。
【0063】
さらに、二相通電制御において、ステータコイルU,V,Wに供給する電流を制限することによって、電動モータ12に供給する電流値を、例えば、15A程度の設定電流値I3以下に抑えると共に、電動モータ12の回転数Nを、2200〜2300rpm程度の最大回転数N3以下に抑える構成としたので、外部電源から入力される電流値Iが過剰に大きくなるのを防止することかできる。これによって、ステータ14やトランジスタスイッチング回路27等の耐久性や信頼性を向上させることができる。また、電動モータ12の回転数Nで回転駆動することによって、圧縮機本体7等が損傷するのを防止し、耐久性や信頼性を向上させることができる。
【0064】
さらに、2相通電制御において圧縮機本体7が軽負荷状態となったときには、ステータコイルU,V,W等で消費される電流が低下するから、電動モータ12をほぼ最大回転数N3で回転駆動することができる。一方、二相通電制御において、圧縮機本体7が重負荷状態になったときには、ステータコイルU,V,W等で消費される電流が上昇するから、電動モータ12を第4の設定電流I3で回転駆動することができる。このため、圧縮機本体7の負荷状態に応じて電動モータ12をほぼ最大回転数N3で回転駆動することができる。
【0065】
一方、二相通電制御において圧縮機本体7が重負荷状態となったときには、ステータコイルU,V,W等で消費される電流が上昇するから、電動モータ12を設定電流値I3で回転駆動することができる。このため、圧縮機本体7の負荷状態に応じて電動モータ12の駆動を切換えることができるから、出力は変わらない状態で最大トルクが大きくなった形態でも、インバータ回路の給電部23とスイッチング素子27A(トランジスタスイッチング回路27)を極端に大電流容量に変更しなくても済むようになる。
【0066】
以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。例えば、上記の実施の形態では、圧縮機本体として、水平対向型の2段式空気圧縮機からなる圧縮機本体を例にあげて説明したが、本発明はこれに限らず、一段または三段以上の空気圧縮機を本体としてもよく、また、シリンダの配置形態もV型などの他の形態としてもよいことは勿論である。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の空気圧縮機によれば、電動モータの起動時には、起動負荷トルクによって制動されないように、電動モータに大きな給電電流を流して最大回転トルク発生させる。そして、電動モータの回転角速度が上昇すると必要な回転トルクが減少するので、それに伴って、給電電流を低減させて行く。これによって、電動モータが安定な回転数となるまでの始動期間に流れる電流を、必要最小限に抑制することができる。したがって、電動モータへ電流を供給する回路部品の容量や電源の容量を低減させることができる。
【0068】
また、請求項2に記載の空気圧縮機によれば、回転検出手段が電動モータの回転角速度を常時検出し、モータ制御手段が、回転角速度の上昇に応じて電動モータへの給電電流を低減させて行く。すなわち、電動モータの始動時には、モータ制御手段が最大電流を流して大きな回転トルクを発生させる。そして、運転可能な回転数に達するまでは、回転上昇による慣性によって負荷トルクが減少するので、モータ制御手段が電動モータへの供給電流を減少させ、回転トルクを低減させて行く。このようにして、電動モータの始動期間に流れる供給電流を制御しながら、空気圧縮機を所望の負荷トルクで定格回転数まで上昇させる。したがって、このような制御方法によれば、電動モータへ供給される電流を必要最小限に抑えることができ、モータ制御手段の回路部品、例えばスイッチング素子などの容量や電源の容量を極力小さくすることができる。
【0069】
また、請求項3に記載の空気圧縮機によれば、モータ制御手段が、三相のステータコイルの全ての相に順次給電を行う三相通電制御手段と、三相のステータコイルのうち、二相のステータコイルに対して選択的に給電を行う二相通電制御手段とを備えている。そして、電動モータの始動期間においては三相通電制御手段を選択し、電動モータが連続運転可能な回転数に到達した後は二相通電制御手段を選択する。これによって、起動時のように大きな回転トルクを必要とするときには三相通電制御手段を選択して、変動の少ない大きな回転トルクを発生させることができる。また、安定した回転領域に達した後は、二相通電制御手段を選択して、消費電力を低減して電動モータを安定的に回転させることができる。
【0070】
また、請求項4に記載の空気圧縮機によれば、三相通電制御手段が、始動期間において、電動モータへの供給電流を低減するように制御している。これにより、三相通電制御手段は、電動モータへ供給される電流を、回転角速度の上昇に応じて、電流値を低減して行く。したがって、三相通電制御手段によって電動モータを駆動しているときに、外部電源からの入力電流値が過剰に大きくなることを防止することができる。
【0071】
また、請求項5に記載の空気圧縮機によれば、二相通電制御手段は、電動モータに供給される電流を、予め決められた設定電流値以下に抑えるので、二相通電制御手段によって電動モータを運転領域で駆動しているときに、外部電源からの入力電流値が過剰に大きくなることを防止することができる。また、二相通電制御手段は、電動モータの回転数を予め決められた最大回転数以下に抑えるので、電動モータを必要以上に高い回転数で回転駆動することによって圧縮機本体などが損傷するのを防止することができる。よって、空気圧縮機の耐久性や信頼性を向上させることが可能となる。
【0072】
また、請求項6に記載の空気圧縮機によれば、モータ制御手段は、半導体スイッチング素子などによって構成されたインバータ回路である。そして、このインバータ回路は、回転検出手段による検出信号に基づいてスイッチング周波数を制御し、回転角速度の上昇に応じて電動モータへの給電電流を低減させて行く。このように構成された空気圧縮機によれば、インバータ回路と回転位置検出器とマイコンの入出力信号とによって、電動モータの始動時の微細な駆動制御が可能となる。これによって、始動時のモータの回転角速度に応じてインバータ回路の入出力電流やスイッチング素子のキャリア周波数を制限することができる。よって、始動時間を従来と同じと考えた場合に、始動時に実際に必要なモータの出力トルクを得るための入出力電流をより小さくすることができるので、スイッチング素子の一周期分の電流値をより低減することができる。このため、インバータ回路における各部品の電流容量を必要最小限に小さくすることができ、且つ電源容量も小さくすることができる。よって、一層のコストダウンを図った空気圧縮機を提供することができると共に、空気圧縮機のランニングコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるタンク一体型の2段式空気圧縮機を示す平面囲である。
【図2】 本発明の実施の形態による空気圧縮機を示す平面図である。
【図3】 図2において保護カバーを取外した状態の空気圧縮機を示す平面図である。
【図4】 保護カバーを取外した状態の空気圧縮機を示す図3の右側面図である。
【図5】 空気圧縮機の給電制御盤置等を示す図4の矢視V−V方向からみた断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態による給電制御装置を示す電気回路図である。
【図7】 図6におけるトランジスタスイッチング回路及びステータコイルなどの細部を示す電気回路図である。
【図8】 本発明の第1の実施の形態における、インバータ制御部による電動モータの駆動制御処理について示す流れ図である。
【図9】 本発明の第2の実施の形態における、インバータ制御部による電動モータの駆動制御処理について示す流れ図である。
【図10】 空気圧縮機が停止状態から起動したときの圧縮機本体の駆動に必要となる負荷トルクと、電動モータが発生する回転トルクの関係を示す図である。
【図11】 電動モータの回転数が上昇中における、慣性による圧縮機の最大トルクの変化と電動モータの回転トルクの変化を示す図である。
【図12】 電動モータがほぼ最大回転数で駆動しているときの、圧縮機本体の負荷トルクと電動モータの回転トルクを示す図である。
【符号の説明】
1 貯留タンク
7 圧縮機本体
12 電動モータ
14 ステータ
15 ロータ
16 回転軸
19 回転位置検出器
20 給電制御装置
23 給電部
27 トランジスタスイッチング回路
27A パワートランジスタ(スイッチング素子)
30 電流検出器
31 インバータ制御部
31A 記憶装置
U,V,W ステータコイル

Claims (5)

  1. 三相のステータコイル及び該ステータコイルによって回転されるロータからなる電動モータと、
    この電動モータによって駆動され、外部から吸入した空気を圧縮する圧縮機本体と、
    前記電動モータの回転角速度を検出する回転検出手段と、
    前記回転検出手段による検出信号に基づいて前記電動モータに対する給電電流を制御するモータ制御手段とを備え、
    前記モータ制御手段は、前記回転検出手段に検出された回転角速度の上昇に応じて、前記電動モータへの給電電流を設定電流値以下になるように低減させ、
    所定の回転数に達するまでの始動期間においては前記三相のステータコイルに順次給電を行う三相通電制御を行い、
    前記電動モータが前記所定の回転数に到達した後の運転期間においては二相のステータコイルに対して選択的に二相通電制御を行うことを特徴とする空気圧縮機。
  2. 前記モータ制御手段は、前記電動モータへの給電電流が所定の電流値以下で前記電動モータの回転数が所定の回転数以上となった場合に前記三相通電制御から前記二相通電制御に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機。
  3. 前記モータ制御手段は、前記運転期間において、前記電動モータの回転数が所定の回転数以上となった場合に前記電動モータへの給電電流を低減させことを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機。
  4. 前記モータ制御手段は、前記運転期間において、前記電動モータに供給される電流を予め定めた設定電流値以下に抑え、該電動モータの回転数を予め決められた最大回転数以下に抑えることを特徴とする請求項3に記載の空気圧縮機。
  5. 前記モータ制御手段は半導体スイッチング回路であり、
    前記半導体スイッチング回路は、前記回転検出手段による検出信号に基づいて自己のスイッチング周波数を制御するスイッチング周波数制御手段を備え、
    前記スイッチング周波数制御手段が、回転角速度の上昇に応じてスイッチング周波数を低減することにより、前記半導体スイッチング回路は、前記電動モータへの給電電流を低減させて行くことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の空気圧縮機
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