JP4536084B2 - 起き上がり予兆検知装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施の形態に係るベッドでの患者の起き上がりを検知する起き上がり予兆検知システムを説明するための図である。
同図において、ベッド1は、移動可能な車台2にマット3が載置されており、この車台2の両側面には、患者がベッド1から起き上がる際に使用される補助部材である手すり4が取り付けられている。
図3は、判定装置の構成を示す図である。
同図に示すように、判定装置10は、センサ信号取得部21、記録部22、判定部23及び処理実行部24を具備している。
記録部22は、図4に示すように、センサ信号取得部21によって取得されたセンサの反応状態情報の他、必要に応じて、後述する実施の形態において使用されるセンサIDや起き上がり動作の検知処理を行なう際に使用される判定用パラメータ(センサの最短反応持続時間T(Min)、センサの最長反応持続時間T(max)など)、状態遷移テーブル、判定に用いるセンサIDなどを記憶する。
自動で設定する場合の例としては、利用者に起き上がり動作を行なってもらい、その際のセンサ反応継続時間を計測し、前後に数秒程度の余裕を持たせ、それぞれセンサの最短反応持続時間と最長時間として記録する。例えば、検知ミスを減らす方向で余裕を持たせたい場合には、実際の計測時間よりも短い値を設定し、誤報を減らす方向で余裕を持たせたい場合には、実際の計測時間よりも長い値を設定する。また、この動作の際に利用したセンサのみを判定に用いるセンサとして記録する。複数回の動作で用いるセンサが異なる場合には、利用した全てのセンサを判定に用いるセンサとして利用しても良いし、全ての動作で用いたセンサのみを判定に用いるセンサとしても良いし、判定に用いるセンサを取捨選択しても良い。この時、時間と対応づけてセンサ反応状態情報を記録しても良い。時間と対応付けて記録されるセンサデータは時間の経過とともに削除されていくものとする。
判定部23は、センサ信号取得部21によって取得されたセンサ反応状態情報などを使用して起き上がり予兆判定処理を行ない、その判定結果を処理実行部24に出力する。処理実行部24は、判定部23により起き上がり予兆が検知された場合に、外部装置31に対して起き上がり予兆を検知したことを報知させる。
(第1の実施の形態)
本実施の形態は、センサが反応したことを起き上がり予兆とみなす場合の実施の形態である。
同図において、センサ信号取得部21が複数のセンサ5−1〜5−nのうちのいずれか1つ以上のセンサからセンサ反応状態情報及びセンサIDを取得した場合に(S11)、反応があったセンサは判定に用いるセンサか否かの判断が行なわれる(S12)。
さらに、ベッドに対して外側の手すりにセンサを取り付けているので、ベッド上での人物の動作、例えば、寝返りなどによって誤ってセンサが反応する可能性を低くすることができる。なお、介護師や看護師がそばにいる状態での誤反応は運用上問題なく対処することができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態においては、起き上がり予兆動作には一定の時間がかかることを利用して、センサの最短反応持続時間T(min)を予め定め、センサが継続して反応する時間tがT(min)≦tとなる場合に、起き上がり予兆とみなすものである。なお、このセンサの最短反応持続時間T(min)は記録部22に記録されているものとする。
同図に示すように、複数のセンサ5−1〜5−nの全てのセンサのタイマリセットを行なった後(S21)、S22乃至S25の処理を全てのセンサに対して繰り返し実施する。すなわち、センサが反応しているか否かの判断が行なわれ(S22)、反応していると判断された場合には、当該判断が行なわれたセンサのタイマが稼働中か否かの判断が行なわれる(S23)。
S25において、センサの反応持続時間が最短反応持続時間T(min)以上ではないと判断された場合には、次のセンサについてのS22の処理に移る。一方、センサの反応持続時間が最短反応持続時間T(min)以上であると判断された場合には、S22乃至S25の繰り返し処理を強制終了して(S26)、判定部23は起き上がり予兆を検知したことを処理実行部24に通知する。処理実行部24は、判定部23から起き上がり予兆を検知したことが通知されると、外部装置31に対して起き上がり予兆を検知したことを報知させる(S27)。
すなわち、センサのタイマ値によって示されるセンサの反応持続時間が最短反応持続時間T(min)以上か否かの判断が行なわれ(S32)、センサの反応持続時間が最短反応持続時間T(min)以上ではないと判断された場合には、次の稼働中のタイマについてS32の判断を行なう。
一方、複数のセンサ5−1〜5−nのうちのいずれかのセンサが反応すると(S34)、オフからオンに変化する全センサに対して、当該センサのタイマをスタートした後(S35)、オンからオフに変化する全センサに対して、当該センサのタイマをストップし、かつセンサのタイマをリセットして(S36)、S34の処理に戻る。
図9は、このような起き上がり予兆検知のキャンセル機能を設けた場合を説明するためのフローチャートである。図9は、図8に示すフローチャートにS37及びS38の処理を追加したものである。
S32において、センサのタイマ値によって示されるセンサの反応持続時間が最短反応持続時間T(min)以上でないと判断された場合に、センサのタイマ値によって示されるセンサの反応持続時間が予め定められた最長反応持続時間T(max)を超えるか否かが判断され、超えていないと判断された場合には、次の稼働中のタイマについてS32の判断を行なう。超えていると判断された場合には、起き上がり予兆の検知をキャンセルすることを処理実行部24に通知する。処理実行部24は、判定部23から起き上がり予兆の検知をキャンセルしたことが通知されると、外部装置31に対して起き上がり予兆の検知をキャンセルしたことを報知させる(S38)。
(第3の実施の形態)
本実施の形態においては、センサがオンからオフ及びオフからオンに変化するときに、センサ反応状態情報を出力するセンサを使用する場合の起き上がり予兆検知方法について説明する。本実施の形態においては、センサの最短反応持続時間T(min)及び最長反応持続時間T(max)が記録部22に記録されているものとする。
同図に示すように、複数のセンサ5−1〜5−nの全てのセンサのタイマリセットを行なった後(S41)、センサが反応すると(S42)、当該反応したセンサについてオフからオンの変化の反応があるか否かの判断が行なわれる(S43)。
S43において、オフからオンの変化の反応がないと判断された場合、及びS44の処理の終了後、次に、当該反応したセンサについてオンからオフの変化の反応があるか否かの判断が行なわれる(S45)。
S47において、最短反応持続時間T(min)以上であると判断された場合には、次に、ストップしたセンサのタイマー値によって示される時間が最長反応持続時間T(max)以下であるか否かの判断が行なわれる(S48)。
一方、S48において、最長反応持続時間T(max)以下であると判断された場合には、S46乃至S49の繰り返し処理を強制終了して(S50)、判定部23は起き上がり予兆を検知したことを処理実行部24に通知する。処理実行部24は、判定部23から起き上がり予兆を検知したことが通知されると、外部装置31に対して起き上がり予兆を検知したことを報知させる(S51)。
(第4の実施の形態)
本実施の形態は、起き上がり予兆動作には一定の時間がかかることを利用して、起き上がり予兆検知に利用するセンサの最短反応持続時間T(all min)を予め定め、複数のセンサのいずれかが反応している時間の合計を示す反応持続時間t(all)が、最短反応持続時間T(all min)≦t(all)となる場合に起き上がり予兆とみなすものである。
同図において、複数のセンサ5−1〜5−nの全てのセンサに共通のタイマのリセットを行なった後(S52)、S53乃至S56の処理を全てのセンサに対して繰り返し実施する。すなわち、センサが反応しているか否かの判断が行なわれ(S53)、反応していると判断された場合には、全センサに対して共通のタイマが稼働中か否かの判断が行なわれる(S54)。
S56において、センサの反応持続時間t(all)が最短反応持続時間T(all min)以上ではないと判断された場合には、次のセンサについてのS53の処理に移る。一方、センサの反応持続時間が最短反応持続時間T(all min)以上であると判断された場合には、S53乃至S56の繰り返し処理を強制終了して(S57)、判定部23は起き上がり予兆を検知したことを処理実行部24に通知する。処理実行部24は、判定部23から起き上がり予兆を検知したことが通知されると、外部装置31に対して起き上がり予兆を検知したことを報知させる(S58)。
S53乃至S56の全センサに対する繰り返し処理を終了した後、1つ以上のセンサが反応していたか否かの判断が行なわれ(S59)、反応していたと判断された場合には、S53乃至S56の繰り返し処理に戻る。一方、S59において反応していないと判断された場合には、共通のタイマをストップし、かつリセットを行ない(S60)、S53乃至S56の繰り返し処理に戻る。
S64において、オフからオンへの変化の反応があると判断された場合には、タイマが稼動中であるか否かの判断を行ない(S65)、稼働中でない場合にはS62の処理に戻り、稼働中である場合にはタイマーを稼働して(S66)、S62の処理に戻る。
S67において、オンからオフへの変化の反応がないと判断された場合にはS62の処理に戻り、オンからオフへの変化の反応があると判断された場合には、全センサの反応がオフになったか否かの判断が行なわれる(S68)。S68において、全センサの反応がオフになっていないと判断された場合にはS62の処理に戻り、全センサの反応がオフになったと判断された場合にはS61の処理に移る。
(第5の実施の形態)
本発明の実施の形態においては、起き上がり予兆動作の際に、手すりを使用する順序が決まっている場合、予め手すりに設置したセンサが反応する順序を起き上がり予兆判定装置内の記録部22に登録し、センサの反応順序が記録部22内に登録された順序と同じ場合に起き上がり予兆と認識するものである。
同図に示すように、状態遷移テーブルは、状態と状態遷移条件とを互いに関連付けて記憶するものである。ここで、状態J1乃至状態J5は、それぞれ「起き上がり予兆ではない」、「起き上がり予兆中(初期)」、「起き上がり予兆中(中期)」、「起き上がり予兆中(後期)」、「起き上がり予兆」に相当する。
図15は、本発明の第5の実施の形態にかかる起き上がり予兆検知方法を説明するための状態遷移図である。
図16は、図15に示した起き上がり予兆検知方法にセンサ反応持続時間の条件を付加した場合の動作を実現する状態遷移テーブルを示す図である。ここで、状態J1乃至状態J5は、それぞれ「起き上がり予兆ではない」、「起き上がり予兆中(初期)」、「起き上がり予兆中(中期)」、「起き上がり予兆中(後期)」、「起き上がり予兆」に相当し、状態T1乃至状態T3は、それぞれ「センサ(センサID=1)の反応持続時間計測中」、「センサ(センサID=1,2)の反応持続時間計測中」、「センサ(センサID=1)の反応持続時間計測中」に相当する。
同図に示すように、起き上がり予兆ではない状態J1では、図16に示した状態遷移テーブルの遷移条件により、センサID=1のセンサが反応したことが測定された場合に、センサ(センサID=1)の反応持続時間の計測を行なう状態に遷移する(T1)。
状態J2では、状態遷移テーブルの遷移条件により、センサ(ID=1,2)が同時に反応したことが測定された場合、状態T2に遷移し、状態J2での経過時間がT(max)以上であることが測定された場合、状態J1に遷移する。
状態J3では、状態遷移テーブルの遷移条件により、センサ(ID=1)が反応したことが測定された場合、状態T3に遷移し、状態J3での経過時間がT(max)以上であることが測定された場合、状態J1に遷移する。
状態J4では、状態遷移テーブルの遷移条件により、センサ(ID=1)の反応持続時間がT(max)以上であることが測定された場合、状態J1に遷移し、全てのセンサの反応が無くなった場合に、起き上がり予兆状態J5に遷移し、起き上がり予兆が検知される。
なお、上述の図17においては、状態遷移条件としてセンサの最短反応持続時間T(min)と最長反応持続時間T(max)を使用する場合について説明したが、状態遷移条件として最短反応持続時間T(min)或いは最長反応持続時間T(max)のみを使用してもよい。
したがって、本発明の実施の形態によれば、状態遷移テーブルを使用して状態遷移を定義し、この状態遷移テーブルに定義された状態に遷移することで起き上がり予兆を検知するので、上述の実施の形態よりも、より正確に起き上がり予兆を検知することができる。
Claims (4)
- ベッド上の人体が起き上がる際に使用されるベッドの手すりに取り付けられ、接触状態を検知する複数のセンサと、
前記複数のセンサに接続された判定装置とを具備し、
前記判定装置は、
前記ベッド上の人体の起き上がり予兆ではない状態から起き上がり予兆検知の状態までの複数の状態と、前記複数の状態に対応する遷移条件とを互いに関連付けて記憶する記憶手段と、
前記複数のセンサのうち、接触状態を検知したセンサの識別情報を測定する手段と、
前記測定されたセンサの識別情報と、現在の状態とに基づいて、前記記憶手段を参照することにより、起き上がり予兆検知の状態に遷移する遷移条件を満たしているか否かを判断する判断手段と、
前記遷移条件を満たしていると判断された場合に、ベッド上での人体の起き上がり予兆を報知させる手段と
を具備することを特徴とする起き上がり予兆検知装置。 - 前記記憶手段は、前記センサの予め定められた最短反応持続時間をさらに記憶し、
前記判定装置は、
前記複数のセンサのうち、接触状態を検知したセンサの反応持続時間を測定するタイマーをさらに具備し、
前記複数の状態のうちの少なくとも1つの状態に対応する遷移条件は、前記測定されたセンサの反応持続時間が前記記憶された最短反応持続時間以上であることを含むことを特徴とする請求項1記載の起き上がり予兆検知装置。 - 前記記憶手段は、前記センサの予め定められた最短反応持続時間と、最長反応持続時間とをさらに記憶し、
前記判定装置は、
前記複数のセンサのうち、接触状態を検知したセンサの反応持続時間を測定する手段をさらに具備し、
前記複数の状態のうちの少なくとも1つの状態に対応する遷移条件は、前記測定されたセンサの反応持続時間が前記記憶された最短反応持続時間以上でかつ、最長反応持続時間以内であることを含むことを特徴とする請求項1記載の起き上がり予兆検知装置。 - ベッド上の人体が起き上がる際に使用されるベッドの手すりに取り付けられ、接触状態を検知する複数のセンサと、前記複数のセンサに接続された判定装置とを具備し、前記判定装置は、前記ベッド上の人体の起き上がり予兆ではない状態から起き上がり予兆検知の状態までの複数の状態と、前記複数の状態に対応する遷移条件とを互いに関連付けて記憶する記憶手段と、前記複数のセンサのうち、接触状態を検知したセンサの識別情報を測定する手段とを具備する起き上がり予兆検知装置における起き上がり予兆検知方法において、
前記複数のセンサのうち、接触状態を検知したセンサの識別情報を前記測定手段により測定し、
前記測定されたセンサの識別情報と、現在の状態とに基づいて、前記記憶手段を参照することにより、起き上がり予兆検知の状態に遷移する遷移条件を満たしているか否かを判断し、
前記遷移条件を満たしていると判断された場合に、ベッド上での人体の起き上がり予兆を報知させることを特徴とする起き上がり予兆検知方法。
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