JP4536000B2 - パネル取り付け構造 - Google Patents
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Description
ところが、防音壁の高さがあまりにも高いと、周囲の景観に対する影響もあるため、上方部分を湾曲させることが多く、そのような湾曲部分に使用されるのである。
そして、従来、一対の直線状枠部材と一対の湾曲状枠部材からなる矩形の枠体に対しては、湾曲状枠部材に沿った湾曲溝に縁部を係合させる必要性から、湾曲溝に沿って湾曲可能なポリカーボネート板がパネルとして使用されていた(例えば、特許文献1参照)。
ところが、湾曲板ガラスは、熱による曲げ加工を必要とするためにかなり高価であり、例えば、高速道路の防音壁に使用するにはあまりにもコスト高になり過ぎるという問題があった。
したがって、例えば、パネルとして板ガラスを使用する場合には、高価な湾曲板ガラスを使用する必要はなく、安価な平板状の板ガラスを使用することができる。
そして、湾曲枠本体とパネル縁部との間に隙間充填部材を挿入し、そのパネル縁部を湾曲枠用押縁により隙間充填部材側へ押し付けて取り付けるので、湾曲状枠部材に対するパネルの取り付けは強固で確実なものとなる。
このパネル取り付け構造は、図2〜図4に示すように、互いに対向する一対の直線状枠部材1と互いに対向する一対の湾曲状枠部材2により組み付け形成された矩形の枠体3に対して、パネルの一例である平板状の板ガラスGを取り付けるためのもので、枠体3に取り付けられた板ガラスGは、例えば、高速道路用の防音壁の一部に使用される。
具体的には、図1に示すように、上方側を道路側に湾曲させたH型鋼からなる多数の支柱Aを備え、隣接する支柱A間において、その下方に平板状の枠付き板ガラス構造体Bを積み重ね、その上方に湾曲状の枠付き板ガラス構造体Cを積み重ねて構成される高速道路用の防音壁Wにおいて、湾曲状の枠付き板ガラス構造体Cとして使用される。
そして、直線枠本体4に直線枠用押縁5を取り付けた状態で、直線枠本体4に沿った直線状段部4aと直線状の直線枠用押縁5によって、それらの間に直線状枠部材1に沿った直線溝6が形成されるように構成されている。
直線溝6は、その幅D1が板ガラスGの厚みよりも多少大きい程度に設定されて、板ガラスGの縁部が挿入されて係合するように構成され、後に詳しく説明するように、板ガラスGの縁部と直線溝6の間には、セッティングブロックおよびコーキングまたはガスケットなどが挿入される。
そして、湾曲枠本体7に湾曲枠用押縁8を取り付けた状態で、湾曲枠本体7の湾曲状段部7aと直線状の湾曲枠用押縁8によって、それらの間に湾曲状枠部材2に沿った湾曲溝9が形成されるように構成されている。なお、この湾曲溝9は、湾曲状段部7aと直線状の押縁8の間に形成されるため、厳密には、三日月状の溝となるが、後に詳しく説明するように、本明細書においては「湾曲溝」と総称する。
より具体的には、一対の直線状枠部材1と一対の湾曲状枠部材2を組み付けて矩形の枠体3を形成し、互いに対向する直線状枠部材1の内面に位置する直線溝6に板ガラスGの対向する二辺の縁部を係合した状態で、板ガラスGの対向する他の二辺の縁部が係合する程度の広い幅D2に設定されている。
したがって、直線溝6と湾曲溝9に板ガラスGの四辺の縁部を係合させたとき、湾曲溝6と板ガラスGの縁部との間には、図3に示すように、三日月状の隙間10が形成され、その隙間10とほぼ同じ形状に成形されたゴムなどの弾性材からなる隙間充填部材11が、隙間10に充填されるように構成されている。
まず、直線枠本体4の直線状段部4aと湾曲枠本体7の湾曲状段部7aが内面側に位置するようにして、一対の直線枠本体4と一対の湾曲枠本体7を矩形に組み付けた後、図5に示すように、直線枠本体4と湾曲枠本体7にセッティングブロック12を配置するとともに、必要な箇所にコーキングまたはガスケット13を配置し、さらに、一対の湾曲状段部7aに隙間充填部材11を載置挿入し、その隙間充填部材11と直線枠本体4の直線状段部4a上に板ガラスGの四辺縁部を載置挿入する。
そして、板ガラスGの四辺縁部上に直線枠用押縁5と湾曲枠用押縁8を載置し、直線枠用押縁5を直線枠本体4へ取り付け、湾曲枠用押縁8を湾曲枠本体7へ取り付ける。それによって、板ガラスGの縁部は、直線枠本体4の直線状段部4aと直線枠用縁部5との間にしっかりと挟持されるとともに、湾曲枠本体7の湾曲状段部7aと板ガラスGの縁部との間に隙間充填部材11が挿入された状態で、湾曲枠用押縁8により板ガラスGの縁部が隙間充填部材11側へ押し付けられて取り付けられる。
つぎに、別の実施形態について説明するが、重複説明を避けるため、先の実施形態で説明した部品や同じ作用を有する部品については、同じ符号を付すことにより説明を省略し、主として先の実施形態と異なる構成について説明する。
かかる構成を採用する場合には、押縁がないので、必要な箇所にセッティングブロック12やコーキングまたはガスケット13を配置しながら、かつ、板ガラスGの四辺縁部に直線状枠部材1の直線溝6と湾曲状枠部材2の湾曲溝9を係合させながら、直線状枠部材1と湾曲状枠部材2を矩形に組み付けることになる。
そのため、湾曲溝9と板ガラスGの縁部との間には、合計3つの隙間10が形成されるので、隙間充填部材11に関しても、各隙間10の形状に成形された3つの隙間充填部材11が必要となる。
このように、湾曲状枠部材2をアルミの押出し成形品で構成する場合、湾曲状枠部材2を単一の成形品で構成すると、湾曲溝9は完全な湾曲状の溝となるが、湾曲状枠部材2を湾曲枠本体7と湾曲枠用押縁8との2つの成形品で構成すると、湾曲溝9は一方の面が湾曲で、他方の面が直線状となる。したがって、本明細書においては、少なくとも一方の面が湾曲した溝を「湾曲溝」と総称する。
さらに、枠体3における彎曲状枠部材2の長さが長い場合や彎曲状枠部材2の彎曲径が小さい場合には、図8に示すように、2枚以上の板ガラスGをコーキング、ガスケット、または、中間枠などの連結手段14により連結した状態で枠体3に組み付けて実施することもできる。
また、このパネル取り付け構造を使用して高速道路用の防音壁Wにおける湾曲状の枠付き板ガラス構造体Cを構成した例を示したが、例えば、鉄道用、工場用、グラウンド用の防音壁や防護壁をはじめとして、種々の分野に適用することができる。
したがって、直線状枠部材1や湾曲状枠部材2は、これまでの実施形態のように、アルミの押出し成形品に限るものではなく、用途や目的に応じて種々の材料で形成することができ、パネルGに関しても、板ガラスに限らず、種々の材料で形成することができる。
2 湾曲状枠部材
3 矩形の枠体
4 直線枠本体
5 直線枠用押縁
6 直線溝
7 湾曲枠本体
8 湾曲枠用押縁
9 湾曲溝
10 隙間
11 隙間充填部材
G パネルとしての板ガラス
D1 直線溝の幅
D2 湾曲溝の幅
Claims (4)
- 互いに対向する一対の直線状枠部材が、その直線状枠部材に沿った直線溝を対向する内面にそれぞれ備え、互いに対向する一対の湾曲状枠部材が、その湾曲状枠部材に沿った湾曲溝を対向する内面にそれぞれ備え、前記一対の直線状枠部材と一対の湾曲状枠部材により矩形の枠体が組み付け形成され、その枠体の前記直線溝と湾曲溝にパネルの四辺縁部を係合して取り付けるパネル取り付け構造であって、
前記パネルが平板状のパネルであり、前記湾曲溝の幅を前記直線溝の幅よりも幅広にして、その湾曲溝と直線溝に前記パネルの四辺縁部を係合させたとき、前記湾曲溝とそのパネル縁部との間に形成される隙間の形状に成形された隙間充填部材を前記湾曲溝とパネル縁部との間に挿入して前記パネルを取り付けるパネル取り付け構造。 - 前記直線状枠部材が、直線枠本体と直線枠用押縁で構成されて、前記直線溝が、その直線枠本体と直線枠用押縁の間に形成され、前記湾曲状枠部材が、湾曲枠本体と湾曲枠用押縁で構成されて、前記湾曲溝が、その湾曲枠本体と湾曲枠用押縁の間に形成され、前記湾曲枠本体と前記パネル縁部との間に前記隙間充填部材を挿入し、そのパネル縁部を前記湾曲枠用押縁により隙間充填部材側へ押し付けて取り付ける請求項1に記載のパネル取り付け構造。
- 前記直線状枠部材と湾曲状枠部材が、金属の押出し成形品で構成されている請求項1または2に記載のパネル取り付け構造。
- 前記パネルが前記彎曲溝に沿って彎曲不能な板ガラスで構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のパネル取り付け構造。
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