JP4535542B2 - 回折格子マスク - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回折格子マスクに関し、特に分布帰還型半導体レーザ(DFBレーザ)装置用の回折格子の形成に適した回折格子マスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の回折格子マスクにおいては、特許第2537596号に示されているように、マスク基板全面に回折格子パターンが形成されていた。この回折格子パターンの周期が基板面内で均一である回折格子マスクは、例えば二光束干渉露光法を用いて簡便に作製することが可能である。
【0003】
ところが、回折格子パターンの周期が基板面内で変調されている場合、例えば回折格子パターンのほぼ中央で位相がπだけずれている場合、二光束干渉露光法を用いることは困難である。この場合には、電子ビーム露光法が用いられる。ところが、電子ビーム露光法を用いると、描画に膨大な時間が必要とされる。描画時間を短縮するために、基板表面のうち必要な領域にのみ回折格子パターンが形成される。例えば、DFBレーザ装置を作製するためには、基板の表面のうち約1/10の領域にのみ回折格子パターンを形成すれば十分である。
【0004】
図10は、従来の自己干渉露光法に用いられる回折格子マスク及び露光すべき半導体基板の断面図を示す。ガラス基板100の表面の一部の領域上に、複数の溝が周期的に配列した回折格子パターン102が形成されている。回折格子パターンの配列の周期は、そのほぼ中央103において位相がπだけずれている。回折格子パターンが形成された領域を取り囲むように、クロム膜101が形成されている。
【0005】
ガラス基板100の、回折格子パターン102が形成された面に対向するように、露光すべき半導体基板110が配置される。半導体基板110の、回折格子パターン102に対向する面上にはフォトレジスト膜が形成されている。回折格子パターン102を通して半導体基板110の表面を露光することにより、半導体基板110の表面に形成されたフォトレジスト膜に回折格子パターンが転写される。クロム膜101は、回折格子パターン102が形成されていない領域に入射する露光光の影響を軽減し、露光されるパターンの乱れを防止する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
回折格子マスクの対向面上にクロム膜101が形成されているため、回折格子パターン102と半導体基板110の表面との間に、クロム膜101の厚さ以上の間隙が形成される。このように両者の間に間隙が形成されていると、回折格子パターン102の位相シフト部103に対応するパターンが回折によりぼけてしまう。
【0007】
本発明の目的は、位相がシフトした回折格子パターンの転写にも適用可能な回折格子マスクを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
発明の一観点によると、
第1の表面及び該第1の表面とは反対側の第2の表面を有し、該第1の表面内に、回折格子パターン配置領域と、その周囲の回折格子パターン非配置領域とが画定されており、露光光を透過させる基板と、
前記基板の第1の表面の、前記回折格子パターン非配置領域上に形成された遮光膜と、
前記基板の第1の表面上に、前記遮光膜を埋め込むように形成され、露光光を透過させる第1の膜と、
前記第1の膜の表面のうち、前記回折格子パターン配置領域に対応する領域に設けられ、前記第1の膜を貫通しない複数の溝によって画定された回折格子パターンと
を有する回折格子マスクが提供される。
【0011】
基板の第1の膜に、露光すべき露光面を対向させる。基板の第2の表面側から露光光を入射させ、回折格子マスクを介して露光面を露光する。回折格子パターンの配置されていない領域に入射した露光光は、遮光膜で遮光されるため、露光面まで到達しない。遮光膜が第1の膜によって埋め込まれているため、第1の膜を露光面に密着させることができる。このため、回折格子パターンと露光面との間の間隙を無くすかまたは狭くすることが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施例による回折格子マスクについて説明する。
【0015】
図1は、第1の実施例による回折格子マスクの断面図を示す。溶融石英からなる透明基板1の一方の表面上に、入側反射防止膜2が形成され、他方の表面上に出側反射防止膜3が形成されている。入側反射防止膜2及び出側反射防止膜3は、厚さ120nmの酸化ジルコニウム(ZrO2)膜と厚さ207nmの酸化シリコン(SiO2)膜との2層で構成される。
【0016】
出側反射防止膜3の表面の一部分に、回折格子パターン4が形成されている。回折格子パターン4は、周期200nmで配列した深さ120nmの複数の溝で構成される。相互に隣り合う溝の間には、尾根部が形成される。溝部と尾根部との幅の比は、50:50である。このような構成の回折格子マスクに、入側反射防止膜2側から波長325nmのHe−Cdレーザ光10を入射する。入射面は、回折格子パターン4を構成する各溝が延在する方向と直交し、入射角は54°である。このとき、回折光と透過光との強度がほぼ等しくなり、良好な干渉縞が現れる。なお、溝部と尾根部との幅の比が40:60である場合には、溝の深さを140nmとすることにより、回折光と透過光との強度を等しくすることができる。
【0017】
回折格子パターン4のほぼ中央の位相シフト部5において、パターンの配列が位相πだけずれている。
【0018】
実際に、表面上にポジレジスト膜を形成したInP基板のポジレジスト膜の表面に、第1の実施例による回折格子マスクの回折格子パターンが形成された面を密着させて、上述の条件で露光した。ポジレジスト膜を現像したところ、二光束干渉露光法により形成した場合と遜色のない良好な回折格子パターンが得られた。
【0019】
第1の実施例による回折格子マスクを用いると、回折格子パターン4が形成されていない領域の入側反射防止膜2、透明基板1、及び出側反射防止膜3を透過し、露光すべき基板の表面で反射した光が、出側反射防止膜3、透明基板1、及び入側反射防止膜2を透過する。このため、回折格子マスクと露光すべき基板との間で露光光が多重反射することによる回折像のぼけを防止できる。
【0020】
次に、図2を参照して、第1の実施例による回折格子マスクの製造方法について説明する。
【0021】
図2(A)に示すように、溶融石英からなる透明基板1の両面に、それぞれ反射防止膜2及び3を形成する。反射防止膜2及び3は、厚さ120nmの酸化ジルコニウム膜と厚さ207nmの酸化シリコン膜との2層構造を有する。酸化ジルコニウム膜及び酸化シリコン膜は、スパッタリングにより形成される。
【0022】
一方の反射防止膜3の表面上に厚さ70nmのポジ型フォトレジスト膜15を形成する。ポジ型フォトレジスト膜15は、レジスト材料をスピン塗布した後、200℃で焼結させることにより形成される。ポジ型フォトレジスト膜15として、例えば東京応化製のOFPR800を用いることができる。ポジ型フォトレジスト膜15の上に、厚さ15nmのニッケル膜16をスパッタリングにより形成する。ニッケル膜16の上に、厚さ120nmの電子ビーム用レジスト膜17を形成する。電子ビーム用レジスト膜17として、例えば日本ゼオン製のZEP520を用いることができる。
【0023】
図2(B)に示すように、電子ビーム露光装置を用いて、電子ビーム用レジスト膜17に回折格子パターンを描画し、現像して、電子ビーム用レジスト膜17に回折格子パターン20を形成する。
【0024】
図2(C)に示すように、回折格子パターン20をマスクとして、ニッケル膜16をエッチングする。ニッケル膜16のエッチングは、Arイオンビームを基板表面に照射することにより行われる。これにより、ニッケル膜16に、回折格子パターン21が形成される。その後、レジスト膜17を除去する。
【0025】
図2(D)に示すように、ニッケルの回折格子パターン21をマスクとして、ポジ型フォトレジスト膜15をエッチングする。ポジ型フォトレジスト膜15に、回折格子パターン22が形成される。
【0026】
図2(E)に示すように、回折格子パターン21及び22をマスクとして、反射防止膜3をエッチングする。反射防止膜3のエッチングは、CHF3を用いた反応性イオンエッチング(RIE)により行うことができる。反射防止膜3のエッチングの深さは、図1で説明したように、透過光と回折光との強度が等しくなるような深さとする。ポジ型フォトレジスト膜15及びニッケル膜16を除去することにより、図1に示す回折格子マスクが得られる。
【0027】
なお、図2(A)に示す工程において、透明基板1の両面に、それぞれ反射防止膜2及び3を形成したが、回折格子パターン4を形成した後、反射防止膜2を形成してもよい。
【0028】
次に、図3を参照して、第2の実施例による回折格子マスクの構成について説明する。
【0029】
図3は、第2の実施例による回折格子マスクの断面図を示す。第2の実施例の回折格子マスクに使用されている出側反射防止膜3aは、厚さ40nmの酸化ジルコニウム膜と厚さ69nmの酸化シリコン膜との2層構造を有する。すなわち、図1に示す第1の実施例の出側反射防止膜3よりも薄い。このため、回折格子パターン4の溝が透明基板1の表面層にまで達している。
【0030】
例えば、回折格子の周期が200nm、溝の幅と尾根の幅との比が50:50である場合、溝の深さを140nmとすればよい。また、溝の幅と尾根の幅との比が40:60である場合には、溝の深さを160nmとすればよい。
【0031】
次に、図4及び図5を参照して、第3の実施例による回折格子マスクについて説明する。
【0032】
図4は、第3の実施例による回折格子マスクの断面図を示す。溶融石英からなる透明基板1の一方の表面上に入側反射防止膜2が形成されている。これは、図1に示す第1の実施例で用いられている入側反射防止膜2と同様の2層構造を有する。
【0033】
透明基板1の他方の表面に、回折格子パターンが配置される回折格子パターン配置領域27と、それを取り囲む回折格子パターン非配置領域28が画定されている。透明基板1の、回折格子パターン非配置領域28の上に、クロムからなる厚さ80nmの遮光膜22が形成されている。遮光膜22を埋め込むように、透明基板1の表面上に厚さ300〜500nmの酸化シリコン膜23が形成されている。酸化シリコン膜23の表面の、回折格子パターン配置領域27上の領域に回折格子パターン24が形成されている。
【0034】
回折格子パターン24の格子ピッチは200nmであり、溝の幅と尾根の幅との比は50:50であり、溝の深さは160nmである。波長325nmのHe−Cdレーザ光を入射角54°の条件で入側反射防止膜2から入射させたとき、透過光と回折光との強度がほぼ等しくなる。また、回折格子パターン24のほぼ中央の位相シフト部25において、パターン配列の位相がπだけずれている。なお、溝の幅と尾根の幅との比が40:60である場合には、溝の深さを180nmとすればよい。
【0035】
第3の実施例による回折格子マスクにおいては、回折格子パターン24の尾根の頂上と、回折格子パターン非配置領域28上の酸化シリコン膜23の表面との高さがほぼ等しい。このため、回折格子パターン24を、露光すべき半導体基板のレジスト膜の表面に密着させることができる。これにより、位相シフト部25の近傍においても、良好な回折像を得ることが可能になる。なお、回折格子パターン24の尾根の頂上の高さと、回折格子パターン非配置領域28上の酸化シリコン膜23の表面の高さとの差が、遮光膜22の厚さよりも少ない場合には、遮光膜22の厚さによる影響を軽減することができる。
【0036】
また、回折格子パターン非配置領域28内に入射した露光光は遮光膜22で遮光され、露光すべき半導体基板の表面まで到達しない。このため、回折格子パターンの形成されていない領域に入射した露光光による悪影響を軽減することができる。
【0037】
回折格子パターン24の溝が、酸化シリコン膜23を貫通しないようにすることが好ましい。溝が酸化シリコン膜23を貫通しない構成の場合には、回折格子パターン24の尾根の部分が酸化シリコン膜23により連絡されるため、十分な機械的強度を確保することができる。また、透明基板1と酸化シリコン膜23とが、同質の材料で形成されているため、信頼性の高い回折格子マスクが得られる。
【0038】
次に、図5を参照して、第3の実施例による回折格子マスクの製造方法について説明する。
【0039】
図5(A)に示すように、透明基板の表面上に遮光膜22を形成する。遮光膜22の形成は、クロム膜をスパッタリングにより堆積した後、このクロム膜をパターニングすることにより形成する。遮光膜22を埋め込むように、透明基板1の表面上に、厚さ300〜500nmの酸化シリコン膜23をスパッタリングにより形成する。
【0040】
酸化シリコン膜23の上に、ポジ型フォトレジスト膜30、ニッケル膜31、及び電子ビーム用レジスト膜32を形成する。これらの膜は、第1の実施例の図2(A)に示したポジ型フォトレジスト膜15、ニッケル膜16、及び電子ビーム用レジスト膜17の形成と同様の方法で形成される。
【0041】
図5(B)に示すように、ニッケル膜31及びポジ型フォトレジスト膜30に、それぞれ回折格子パターン33及び34を形成する。ここまでの工程は、第1の実施例の図2(A)の状態から図2(D)の状態までの工程と同様である。
【0042】
図5(E)に示すように、回折格子パターン33及び34をマスクとして、酸化シリコン膜23をエッチングする。このエッチングは、CHF3を用いたRIEにより行う。その後、ニッケル膜31及びポジ型フォトレジスト膜30を除去する。さらに、透明基板1の反対側の面上に入側反射防止膜2を形成することにより、図4に示す回折格子マスクが得られる。
【0043】
次に、図6〜図8を参照して、第4の実施例による回折格子マスクについて説明する。
【0044】
図6(A)は、第4の実施例による回折格子マスクの断面図を示す。溶融石英からなる透明基板1の一方の表面の一部の領域上に、厚さ220nmの酸化ジルコニウム膜40が形成されている。酸化ジルコニウム膜40の上面は、酸化ジルコニム膜40の形成されていない領域の透明基板1の上面とほぼ同一の高さである。すなわち、透明基板1の上面と酸化ジルコニム膜40の上面とが、ほぼ平坦な平面を画定する。酸化ジルコニウム膜40が形成されている領域と、形成されていない領域との境界線43は、ほぼ直線である。
【0045】
酸化ジルコニウム膜40及び透明基板1の表面上に、厚さ200nmの酸化シリコン膜41が形成されている。酸化シリコン膜41に、回折格子パターン42が形成されている。第1〜第3の実施例では、回折格子パターンが基板の一部分にのみ配置され、そのほぼ中央部に位相シフト部を有していた。これに対し、第4の実施例の場合には、回折格子パターン42が基板の全面に配置され、均一な格子ピッチを有する。また、回折格子パターン42の各溝は、境界線43とほぼ平行な方向に延在する。
【0046】
回折格子パターン42の格子ピッチは200nmであり、溝部の幅と尾根部の幅との比は50:50であり、溝の深さは160nmである。なお、溝部の幅と尾根部の幅との比が40:60の場合には、溝の深さを180nmにする。このような構成とすると、波長325nmのHe−Cdレーザ光を、入射角54°の条件で入射したときに、透過光と回折光との強度がほぼ等しくなる。
【0047】
図6(B)は、図6(A)に示す回折格子マスクに露光光を照射したときの露光光の等位相面を模式的に示す。露光光が図6(B)に示すように矢印45の方向に伝搬する。露光光のうち一部は酸化ジルコニウム膜40を透過して回折格子パターン42まで到達し、他の一部は直接回折格子パターン42に到達する。酸化ジルコニウムの屈折率は、溶融石英の屈折率よりも大きいため、酸化ジルコニウム膜40を透過した露光光は、酸化ジルコニウム膜40を透過しない露光光よりも位相が遅れる。
【0048】
酸化ジルコニウム膜40を透過しなかった露光光により回折縞46aが形成され、酸化ジルコニウム膜40を透過した露光光により回折縞46bが形成される。回折縞47は、回折縞46aを、酸化ジルコニウム膜40の形成された領域下まで延ばしたものである。回折縞46bを回折縞47と比較すると、位相がπだけずれていることがわかる。
【0049】
第4の実施例のように回折格子パターンの形成されている領域の一部に、露光光の位相をシフトさせる膜を挿入することにより、位相の異なる2種類の回折縞を形成することができる。位相をシフトさせる膜の屈折率や膜厚を適当に設定することにより、2種類の回折縞の位相差をπにすることができる。なお、干渉縞46aが現れる領域と干渉縞46bが現れる領域との境界部分に、明確な干渉縞の現れない遷移領域46cが現れる。遷移領域46cは、酸化シリコン膜40の端面を、露光光に平行な方向に投影した領域に対応する。
【0050】
次に、図7及び図8を参照して、第4の実施例による回折格子マスクの製造方法について説明する。
【0051】
図7(A)に示すように、溶融石英からなる透明基板1の表面の一部の領域をエッチングし、表面の高さの低い領域1Aを形成する。元の表面が残っている領域(高い領域)1Bと低い領域1Aとの境界線は、ほぼ直線になり、両者の高さの差は220nmである。図7(B)に示すように、基板表面を覆うように厚さ220nmの酸化ジルコニウム膜40をスパッタリングにより形成する。
【0052】
図7(C)に示すように、低い領域1Aの上に形成されている酸化ジルコニウム膜40の表面をレジストパターン48で覆う。レジストパターン48をマスクとして、高い領域1Bの上に形成されている酸化ジルコニウム膜40を除去する。酸化ジルコニウム膜40の除去は、例えばCHF3を用いたRIE、またはArイオンビームを用いたミリングにより行うことができる。酸化ジルコニウム膜40を除去した後、レジストパターン48を除去する。
【0053】
図7(D)に示すように、酸化ジルコニウム膜40及び高い領域1Bの表面上に、厚さ200nmの酸化シリコン膜41、厚さ70nmのポジ型フォトレジスト膜50、厚さ70nmのニッケル膜51、厚さ150nmのポジ型フォトレジスト膜52を形成する。酸化シリコン膜41の形成は、例えばスパッタリングにより行う。ポジ型フォトレジスト膜50及び52として、例えば東京応化製のOFPR800を用いることができる。
【0054】
図8(E)に示すように、ポジ型フォトレジスト膜52に、回折格子パターン52aを形成する。回折格子パターン52aの形成は、従来の二光束干渉露光法を用いて行うことができる。図8(F)に示すように、回折格子パターン52aをマスクとしてニッケル膜51をエッチングし、回折格子パターン51aを形成する。その後、回折格子パターン52aを除去する。
【0055】
図8(G)に示すように、回折格子パターン51aをマスクとして、ポジ型フォトレジスト膜50をエッチングし、回折格子パターン50aを形成する。図8(H)に示すように、回折格子パターン51a及び50aをマスクとして、酸化シリコン膜41をエッチングし、回折格子パターン42を形成する。酸化シリコン膜41のエッチングの最適な深さは、酸化シリコン膜41に形成される回折格子パターンの溝部と尾根部との幅の比により決定される。回折格子パターン51a及び50aを除去することにより、図6(A)に示す回折格子マスクが得られる。
【0056】
第4の実施例による回折格子マスクは、従来の二光束干渉露光法を用いて作製される。電子ビーム露光を行う必要がないため、露光時間を短縮することできる。
【0057】
次に、図9を参照して、第5の実施例による回折格子マスクの構成及び製造方法について説明する。
【0058】
図9は、第5の実施例による回折格子マスクの断面図及び露光光の等位相面を示す。第4の実施例では、酸化ジルコニウム膜40の端面が、透明基板1の表面に対してほぼ垂直に配置されていたが、第5の実施例では、酸化ジルコニウム膜40の端面が基板表面に対して斜めに配置されている。その他の構成は、第4の実施例の場合と同様である。
【0059】
第5の実施例の場合には、酸化ジルコニウム膜40の端面を、露光光の進行方向に沿って露光面上に投影したとき、その像の面積が、第4の実施例の場合の像の面積よりも小さくなる。このため、干渉縞46aが現れる領域と干渉縞46bが現れる領域との間の遷移領域46cを狭めることができる。
【0060】
第5の実施例の酸化ジルコニウム膜40のように、その端面を斜めにする方法について説明する。第4の実施例の図7(A)に示す工程において、表面の高い領域1Bを覆うレジストパターンの端面を斜めにしておく。このレジストパターンをマスクとして透明基板1をエッチングすると、低い領域1Aと高い領域1Bとの境界の段差面が斜めになる。斜めの段差面を有する基板上に酸化ジルコニウム膜40を形成することにより、低い領域1A上の酸化ジルコニウム膜40の端面を斜めにすることができる。
【0061】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、回折格子マスクのうち回折格子パターンの配置されていない領域に反射防止膜が形成されている。このため、回折格子パターンの配置されていない領域に入射する露光光による影響を軽減することができる。また、回折格子マスクの回折格子パターンの尾根部の頂上が、回折格子パターンの配置されていない領域の表面とほぼ等しい高さであるため、回折格子パターンを、露光すべき基板の表面に密着させることができる。回折格子パターンに位相シフト部が設けられている場合、位相シフト部の回折像のぼけを防止することができる。
【0063】
また、回折格子パターンの配置されていない領域に遮光膜を埋め込むことにより、遮光膜に妨げられることなく、回折格子パターンを、露光すべき基板の表面に密着させることができる。
【0064】
また、回折格子パターンの配置される領域の一部に、透明基板とは屈折率の異なる材料からなる層を配置することにより、この層の配置された領域の干渉縞の位相と、この層の配置されていない領域の干渉縞の位相とをずらせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による回折格子マスクの断面図である。
【図2】第1の実施例による回折格子マスクの製造方法を説明するためのマスク基板の断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例による回折格子マスクの断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例による回折格子マスクの断面図である。
【図5】第3の実施例による回折格子マスクの製造方法を説明するためのマスク基板の断面図である。
【図6】本発明の第4の実施例による回折格子マスクの断面図、及び露光光の等位相面を模式的に示す図である。
【図7】第4の実施例による回折格子マスクの製造方法を説明するためのマスク基板の断面図(その1)である。
【図8】第4の実施例による回折格子マスクの製造方法を説明するためのマスク基板の断面図(その2)である。
【図9】本発明の第5の実施例による回折格子マスクの露光光の等位相面を模式的に示す図である。
【図10】従来の回折格子マスクの断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板
2 入側反射防止膜
3 出側反射防止膜
4 回折格子パターン
5、25 位相シフト部
10、45 露光光
15、30、50、52 ポジ型フォトレジスト膜
16、31、51 ニッケル膜
17、32 電子ビーム用レジスト膜
20、21、22、24、33、34、42 回折格子パターン
23、41 酸化シリコン膜
27 回折格子パターン配置領域
28 回折格子パターン非配置領域
46a、46b 干渉縞
46c 遷移領域

Claims (2)

  1. 第1の表面及び該第1の表面とは反対側の第2の表面を有し、該第1の表面内に、回折格子パターン配置領域と、その周囲の回折格子パターン非配置領域とが画定されており、露光光を透過させる基板と、
    前記基板の第1の表面の、前記回折格子パターン非配置領域上に形成された遮光膜と、
    前記基板の第1の表面上に、前記遮光膜を埋め込むように形成され、露光光を透過させる第1の膜と、
    前記第1の膜の表面のうち、前記回折格子パターン配置領域に対応する領域に設けられ、前記第1の膜を貫通しない複数の溝によって画定された回折格子パターンと
    を有する回折格子マスク。
  2. 前記回折格子パターンの尾根部の先端の高さと、前記回折格子パターン非配置領域上の前記第1の膜の表面の高さが等しいか、またはその差が前記遮光膜の厚さよりも小さい請求項1に記載の回折格子マスク。
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