JP4534687B2 - 工具クランプ機構、工作機械 - Google Patents

工具クランプ機構、工作機械 Download PDF

Info

Publication number
JP4534687B2
JP4534687B2 JP2004268920A JP2004268920A JP4534687B2 JP 4534687 B2 JP4534687 B2 JP 4534687B2 JP 2004268920 A JP2004268920 A JP 2004268920A JP 2004268920 A JP2004268920 A JP 2004268920A JP 4534687 B2 JP4534687 B2 JP 4534687B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tool
clamp
tool holder
main shaft
clamped
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004268920A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006082175A (ja
Inventor
文彦 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2004268920A priority Critical patent/JP4534687B2/ja
Publication of JP2006082175A publication Critical patent/JP2006082175A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4534687B2 publication Critical patent/JP4534687B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Jigs For Machine Tools (AREA)
  • Gripping On Spindles (AREA)

Description

本発明は、工作機械の工具を主軸にクランプ又はアンクランプさせる工具クランプ機構、該工具クランプ機構を備えた工作機械に関する。特に工具のクランプ異常時に、異常な状態のまま主軸を回転させることを未然に防止することができる工具クランプ機構、該工具クランプ機構を備えた工作機械に関する。
従来、工作機械の工具を主軸にクランプ又はアンクランプさせる工具クランプ機構では、例えば特許文献1に開示されているように、所定の工具を取り付けてある工具ホルダと、工作機械の主軸ヘッドとを、主軸貫通孔内でクランプフィンガ等の工具クランプ部を用いて接合している。すなわち、工具クランプ部により工具ホルダのプルスタット(被クランプ部)をクランプすることにより、工具ホルダの主軸へのクランプ又は主軸からのアンクランプを行うものであった。
図11は、従来の工具クランプ機構により工具ホルダをクランプした状態を示す主軸の中心軸を含む面での模式断面図である。図11では、ツールシャンクがNC5である場合について説明する。工具クランプ機構100は、主軸101の内部に複数のクランプフィンガ102、102、・・・、例えば6本のクランプフィンガ102、102、・・・を設けている。すなわち、主軸101は中空円筒形状をしており、下端部に工具ホルダ103を装着するためのクランプフィンガ102、102、・・・を設けている。
クランプフィンガ102、102、・・・は、主軸101の内面とドローバ104の外面との間に挟持されており、一端には主軸101の中心軸側へ突出し、ドローバ104の摺動支持面に設けてある凹部105へ嵌入可能な支持部106、106、・・・を設け、他端には工具ホルダ103のプルスタッド(被クランプ部)107を嵌合する工具クランプ部108、108、・・・を設けている。
ドローバ104は、バネ部材等の弾性部材により、主軸101側(上方)へ付勢してあり、図11に示すように、クランプフィンガ102、102、・・・の支持部106、106、・・・を上方へ押し上げ、ドローバ104を押し下げない限り、クランプフィンガ102、102、・・・の支持部106、106、・・・が、外面に設けてある凹部105へ嵌入した状態となるよう配設してある。
特開2003−275933号公報
しかし、上述した従来の工具クランプ機構100では、工具ホルダ103のプルスタット(被クランプ部)107が、工具回転軸と略平行な円筒面を有する部分109を備えており、工具クランプ部108、108、・・・も工具回転軸と略平行な円筒面を有する部分110を備えている。したがって、工具クランプ部108、108、・・・のクランプ高さが、接合タイミングのズレ等に起因してプルスタット(被クランプ部)107の円筒面を有する部分109に接する高さとなった場合、プルスタット(被クランプ部)107の円筒面を有する部分109と工具クランプ部108、108、・・・の円筒面を有する部分110とが当接し、工具ホルダ103が下部に落下することなく、しかもスピンドルテーパ111に密着しない状態で接合されることがあった。
斯かる状態で主軸が高速回転した場合、回転により生じる遠心力により工具ホルダ103が不規則振動し、主軸ヘッドのスピンドルテーパ111を損傷するおそれがあるという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決すべく、工具クランプ部108、108、・・・のクランプ高さが、接合タイミングのズレ等に起因して変動した場合であっても、工具ホルダ103は工具クランプ部108、108、・・・に接合されるか、又は接合されずに工具ホルダ103が下部に落下することで、主軸ヘッドのスピンドルテーパ111の損傷を未然に防止することができる工具クランプ機構、及びこの工具クランプ機構を備えた工作機械を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1発明に係る工具クランプ機構は、一端に工具を装着し、他端に被クランプ部を備える工具ホルダをクランプ又はアンクランプする工具クランプ部を有し、前記被クランプ部を、前記工具クランプ部でクランプすることにより、工具ホルダのクランプを行う工具クランプ機構において、前記工具クランプ部及び被クランプ部は、夫々との接触部分が中心軸を含む面内で鋭角をなしており、前記工具クランプ部の中心軸と前記被クランプ部の中心軸とが略一致する状態で、前記接触部分同士が線接触するようにしてあることを特徴とする。
第1発明に係る工具クランプ機構では、工具クランプ部及び被クランプ部の夫々との接触部分が、中心軸を含む面内で鋭角をなし、工具回転軸と略平行な円筒面を有しない。工具クランプ部のクランプ高さが、接合タイミングのズレ等に起因して上下動し、接触部分同士が突き合わされた場合、両者は線接触し、工具ホルダは工具クランプ部により接合されるか、又は接合されずに下部に落下するか、のいずれかとなる。したがって、主軸の高速回転により生じる遠心力により工具ホルダが不規則振動し、主軸ヘッドのスピンドルテーパを損傷することを未然に防止することが可能となる。
また、第2発明に係る工具クランプ機構は、一端に工具を装着し、他端に被クランプ部を備える工具ホルダをクランプ又はアンクランプする工具クランプ部を有し、前記被クランプ部を、前記工具クランプ部でクランプすることにより、工具ホルダのクランプを行う工具クランプ機構において、前記被クランプ部は、前記工具クランプ部との接触部分が中心軸を含む面内で鋭角をなし、前記工具クランプ部は、前記被クランプ部との接触部分に二以上の球体を備えており、前記工具クランプ部の中心軸と前記被クランプ部の中心軸とが略一致する状態で、前記接触部分が前記球体の表面に点接触するようにしてあることを特徴とする。
第2発明に係る工具クランプ機構では、工具ホルダの被クランプ部が、中心軸を含む面内で鋭角をなす接触部分を有し、工具クランプ部が、被クランプ部との接触部分に球体を備える。工具クランプ部のクランプ高さが、接合タイミングのズレ等に起因して上下動した場合、鋭角をなす接触部分が球体に点接触し、工具ホルダは工具クランプ部により接合されるか、又は接合されずに下部に落下するか、のいずれかとなる。したがって、主軸の高速回転により生じる遠心力により工具ホルダが不規則振動し、主軸ヘッドのスピンドルテーパを損傷することを未然に防止することが可能となる。
また、第3発明に係る工具クランプ機構は、第1又は第2発明において、前記工具ホルダの被クランプ部が、傾斜面又は曲面で構成してあることを特徴とする。
第3発明に係る工具クランプ機構では、工具ホルダの被クランプ部が、鋭角をなす接触部分に連続する傾斜面又は曲面を備える。工具クランプ部のクランプ高さが、接合タイミングのズレ等に起因して上下動した場合、工具ホルダは工具クランプ部により接合されるか、又は接合されず、傾斜面又は曲面に工具クランプ部が作用して下部に落下するか、のいずれかとなる。したがって、主軸の高速回転により生じる遠心力により工具ホルダが不規則振動し、主軸ヘッドのスピンドルテーパを損傷することを未然に防止することが可能となる。
また、第4発明に係る工作機械は、上述したいずれかの工具クランプ機構を備えることを特徴とする。
第4発明に係る工作機械では、被クランプ部及び工具クランプ部に工具回転軸と略平行な円筒面を有する部分が存在せず、工具クランプ部のクランプ高さが、接合タイミングのズレ等に起因して上下動した場合、工具ホルダは工具クランプ部により接合されるか、又は接合されずに下部に落下するか、のいずれかとなる。したがって、主軸の高速回転により生じる遠心力により工具ホルダが不規則振動し、主軸ヘッドのスピンドルテーパを損傷することを未然に防止することが可能となる。
本発明によれば、被クランプ部及び工具クランプ部に工具回転軸と略平行な円筒面を有する部分が存在せず、工具クランプ部のクランプ高さが、接合タイミングのズレ等に起因して上下動した場合、工具ホルダは工具クランプ部により接合されるか、又は接合されずに下部に落下するか、のいずれかとなる。したがって、主軸の高速回転により生じる遠心力により工具ホルダが不規則振動し、主軸ヘッドのスピンドルテーパを損傷することを未然に防止することが可能となる等の優れた効果を奏する。
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の態様で実施できることは言うまでもない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る工具クランプ機構を備えた工作機械の一部を示す断面図である。本実施の形態1に係る工具クランプ機構を備えた工作機械1は、基台(図示せず)に立設されたコラム10、コラム10の前面に水平に配設固定された箱形中空ケーシングからなるフレーム16、フレーム16内に昇降可能に配設された主軸ヘッド20、主軸ヘッド20に回転自在に支持されている主軸25、主軸25に装着される工具ホルダ60をクランプ又はアンクランプするための工具クランプ機構100等より構成されている。
工作機械1の基台に対して、コラム10は直立させて固定してあり、コラム10の前面には、鉛直軸線方向に延びる一対のガイドレール12を設けている。一対のガイドレール12の間には、コラム10の上部に配置されたACサーボモータ40により回転するボールねじ14を配設している。主軸ヘッド20は、背面にボールねじ14に螺合するナット23を装着しており、ACサーボモータ40の回転により、ガイドレール12に沿って上下方向に移動する。
主軸ヘッド20の前方には、中空円筒状の主軸25が、複数の軸受50、50、・・・を介して鉛直軸線回りに回転自在に支持されている。主軸25は、上端に有するカップリング54を介して、主軸ヘッド20の頂部に直立配置された駆動部である主軸モータ56に接続されている。主軸25は、主軸モータ56の駆動により回転する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る工具クランプ機構100により工具ホルダ60をクランプした状態を示す主軸25の中心軸を含む面での模式断面図である。本実施の形態1では、ツールシャンクがNC5である場合について説明する。工具クランプ機構100は、主軸25の内部に複数のクランプフィンガ21、21、・・・、例えば6本のクランプフィンガ21、21、・・・を設けている。すなわち、主軸25は中空円筒形状をしており、下端部に工具ホルダ60を装着するためのクランプフィンガ21、21、・・・を設けている。
クランプフィンガ21、21、・・・は、主軸25の内面とドローバ22の外面との間に挟持されており、一端には主軸25の中心軸側へ突出し、ドローバ22の摺動支持面に設けてある凹部221へ嵌入可能な支持部212、212、・・・を設け、他端には工具ホルダ60のプルスタッド(被クランプ部)61を嵌合する工具クランプ部211、211、・・・を設けている。
ドローバ22は、バネ部材等の弾性部材により、主軸25側(上方)へ付勢してあり、図2に示すように、クランプフィンガ21、21、・・・の支持部212、212、・・・を上方へ押し上げ、ドローバ22を押し下げない限り、クランプフィンガ21、21、・・・の支持部212、212、・・・が、外面に設けてある凹部221へ嵌入した状態となるよう配設してある。
工具クランプ部211、211、・・・は、主軸25の中心軸を含む平面での断面形状が、プルスタッド61との接触部分で鋭角をなしており、プルスタッド61も、主軸25の中心軸を含む平面での断面形状が、工具クランプ部211、211、・・・との接触部分で鋭角をなしている。
以下、上述した構成の工具クランプ機構の動作について説明する。図2の状態からドローバ22が工具ホルダ60側(下方)へ摺動した場合、ドローバ22の外面に設けた凹部221にクランプフィンガ21、21、・・・の支持部212が嵌入し、クランプフィンガ21、21、・・・の工具クランプ部211は、クランプフィンガ21、21、・・・の弾性力によって主軸25の内面側へと付勢される。これにより、クランプフィンガ21、21、・・・の工具クランプ部211は、工具ホルダ60のプルスタッド(被クランプ部)61から離脱し、工具ホルダ60が脱着される。
工具ホルダ60を装着する場合、工具ホルダ60を主軸25の内面に沿って押し上げ、工具ホルダ60のプルスタッド61の外面に設けてあるテーパに沿ってクランプフィンガ21、21、・・・の工具クランプ部211、211、・・・が押し広げられる。工具クランプ部211、211、・・・がプルスタッド61の最大周より大きく押し広げられ、プルスタッド61の最大周部分より内側へ押し込まれた場合、工具クランプ部211、211、・・・は弾性反力によりプルスタッド61と嵌合し、工具ホルダ60は主軸25のスピンドルテーパ24に密着して装着される。
図3は、本発明の実施の形態1に係る工具クランプ機構100による工具ホルダ60のクランプが異常である状態を示す主軸25の中心軸を含む面での模式断面図である。図3では、工具クランプ部211、211、・・・のクランプ高さが、接合タイミングのズレ等に起因して変動した場合を示している。この場合、従来とは異なり、工具ホルダ60のプルスタッド61及び工具クランプ部211、211、・・・は円筒面部分を有していない。したがって、工具クランプ部211、211、・・・とプルスタッド61とは、相互に線接触した状態となる。
通常は、工具クランプ部211、211、・・・の内周端部213、213、・・・と、プルスタッド61の外周端部61とは、いずれかの方が高い位置又は低い位置となる。工具クランプ部211、211、・・・の内周端部213、213、・・・の方がプルスタッド61の外周端部611よりも低い位置である場合、プルスタッド61は工具クランプ部211、211、・・・と嵌合し、図2の状態となる。
図4は、本発明の実施の形態1に係る工具クランプ機構100による工具ホルダ60が落下した状態を示す主軸25の中心軸を含む面での模式断面図である。図4に示すように、工具クランプ部211、211、・・・の内周端部213、213、・・・の方がプルスタッド61の外周端部611よりも高い位置である場合、プルスタッド61は工具クランプ部211、211、・・・と嵌合することなく、工具ホルダ60は落下する。
図3の状態では、工具クランプ部211、211、・・・の内周端部213、213、・・・とプルスタッド61の外周端部611とは、略同じ高さであるが、両者が線接触している以上、不安定な状態である。したがって、上下いずれかの方向へ何らかの外力が作用した時点で、図2に示すように工具クランプ部211、211、・・・の内周端部213、213、・・・とプルスタッド61の外周端部611とが嵌合するか、又は図4に示すように両者が嵌合することなく、工具ホルダ60が落下するか、のいずれかとなる。
これにより、例えば切削工程を開始すべく主軸25が高速回転を開始する時点で、工具ホルダ60は、主軸25のスピンドルテーパ24に密着して接合してある状態、又は既に落下している状態である。したがって、工具ホルダ60が落下している状態では、工具ホルダ60によるスピンドルテーパ24の損害が生じることは無く、工具ホルダ60が主軸25のスピンドルテーパ24に密着して接合してある状態では、回転により生じる遠心力により工具ホルダ60が不規則振動することがなく、主軸25のスピンドルテーパ24を損傷するおそれがない。
なお、上述した実施の形態1では、クランプフィンガ21を複数設けた場合について説明しているが、特にこれに限定されるものではなく、例えば支持部212で一体化され、スリット状に工具クランプ部211、211、・・・に分割した形態であっても良い。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る工具クランプ機構100により工具ホルダ60aをクランプした状態を示す主軸25の中心軸を含む面での模式断面図である。本実施の形態2では、ツールシャンクがHSKである場合について説明する。工具クランプ機構100は、主軸25の内部に複数のクランプフィンガ21a、21a、・・・、例えば6本のクランプフィンガ21a、21a、・・・を設けている。すなわち、主軸25aは中空円筒形状をしており、下端部に工具ホルダ60aを装着するためのクランプフィンガ21a、21a、・・・を設けている。
クランプフィンガ21a、21a、・・・は、主軸25aの内面とドローバ22aの外面との間に挟持してあり、一端には主軸25aの中心軸側及び外側の双方へ突出した支持部212a、212a、・・・を設け、他端には工具ホルダ60aのプルスタッド(被クランプ部)61aを嵌合する工具クランプ部211a、211a、・・・を設けている。
支持部212aの主軸25aの外側へ突出した部分は、主軸25aの内面に設けてある凹部251aに嵌入することができ、クランプフィンガ21a、21a、・・・が、ドローバ22aの外面に設けてあるクランプコレット222により外側へ押し出された場合に嵌入する。
ドローバ22aは、バネ部材等の弾性部材により、主軸側(上方)へ付勢してあり、図5に示すように、外面に設けてあるクランプコレット222によりクランプフィンガ21a、21a、・・・を外側へ押し出し、支持部212aの主軸25aの外側へ突出した部分が、主軸25aの内面に設けてある凹部251aに嵌入する位置となるようにしてある。
工具クランプ部211a、211a、・・・は、主軸25aの中心軸を含む平面での断面形状が、プルスタッド61aとの接触部分で鋭角をなしており、プルスタッド61aも、主軸25aの中心軸を含む平面での断面形状が、工具クランプ部211a、211a、・・・との接触部分で鋭角をなしている。
以下、上述した構成の工具クランプ機構の動作について説明する。図5の状態からドローバ22aが工具ホルダ60a側(下方)へ摺動した場合、ドローバ22aの外面に設けたクランプコレット222も下方へ摺動し、クランプフィンガ21a、21a、・・・がクランプコレット222に沿って主軸25aの中心軸側へと移動する。これにより、クランプフィンガ21a、21a、・・・の工具クランプ部211aは、工具ホルダ60aのプルスタッド(被クランプ部)61aから離脱し、工具ホルダ60aが脱着される。
工具ホルダ60aを装着する場合、工具ホルダ60aを主軸25aの内面に沿って押し上げ、工具ホルダ60aのプルスタッド61aの内面に設けてあるテーパに沿ってクランプフィンガ21a、21a、・・・が主軸25aの中心軸側へ押圧される。クランプフィンガ21a、21a、・・・がプルスタッド61aの内周より小さくなるまで押し込まれた場合、工具クランプ部211a、211a、・・・はドローバ22aの付勢力によりプルスタッド61aと嵌合し、工具ホルダ60aは主軸25aのスピンドルテーパ24aに密着して装着される。
図6は、本発明の実施の形態2に係る工具クランプ機構100による工具ホルダ60aのクランプが異常である状態を示す主軸25aの中心軸を含む面での模式断面図である。図6では、工具クランプ部211a、211a、・・・のクランプ高さが、接合タイミングのズレ等に起因して変動した場合を示している。この場合、従来とは異なり、工具ホルダ60aのプルスタッド61aは円筒面部分を有していない。したがって、工具クランプ部211a、211a、・・・とプルスタッド61aとは、相互に線接触した状態となる。
通常は、工具クランプ部211a、211a、・・・の外周端部213a、213a、・・・と、プルスタッド61aの内周端部611aとは、いずれかが高い位置又は低い位置となる。工具クランプ部211a、211a、・・・の外周端部213a、213a、・・・の方がプルスタッド61aの内周端部611aよりも低い場合、プルスタッド61aは工具クランプ部211a、211a、・・・と嵌合し、図5の状態となる。
図7は、本発明の実施の形態2に係る工具クランプ機構100による工具ホルダ60aが落下した状態を示す主軸25aの中心軸を含む面での模式断面図である。図7に示すように、工具クランプ部211a、211a、・・・の外周端部213a、213a、・・・の方がプルスタッド61aの内周端部611aよりも高い場合、プルスタッド61aは工具クランプ部211a、211a、・・・と嵌合することなく、工具ホルダ60aは落下する。
図6の状態では、工具クランプ部211a、211a、・・・の外周端部213a、213a、・・・とプルスタッド61aの内周端部611aとは、略同じ高さであるが、両者が線接触している以上、不安定な状態である。したがって、上下いずれかの方向へ何らかの外力が作用した時点で、図5に示すように工具クランプ部211a、211a、・・・の外周端部213a、213a、・・・とプルスタッド61aの内周端部611aとが嵌合するか、又は図7に示すように両者が嵌合することなく、工具ホルダ60aが落下するか、のいずれかとなる。
これにより、例えば切削工程を開始すべく主軸25aが高速回転を開始する時点で、工具ホルダ60aは、主軸25aのスピンドルテーパ24aに密着して接合してある状態、又は既に落下している状態である。したがって、工具ホルダ60aが落下している状態では、工具ホルダ60aによるスピンドルテーパ24aの損害が生じることは無く、工具ホルダ60aが主軸25aのスピンドルテーパ24aに密着して接合してある状態では、回転により生じる遠心力により工具ホルダ60aが不規則振動することがなく、主軸25aのスピンドルテーパ24aを損傷するおそれがない。
なお、上述した実施の形態2では、クランプフィンガ21aを複数設けた場合について説明しているが、特にこれに限定されるものではなく、例えば支持部212aで一体化され、スリット状に工具クランプ部211a、211a、・・・に分割した形態であっても良い。
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3に係る工具クランプ機構100により工具ホルダ60bをクランプした状態を示す主軸の中心軸を含む面での模式断面図である。本実施の形態3では、ツールシャンクがBTである場合について説明する。工具クランプ機構100は、主軸25bの内部に工具クランプ部として機能する複数のクランプ鋼球27、27、・・・、例えば3個のクランプ鋼球27、27、・・・を設けている。すなわち、主軸25bは中空円筒形状をしており、下端部に工具ホルダ60bを装着するためのクランプ鋼球27、27、・・・を設けている。
クランプ鋼球27、27、・・・は、主軸25bの内面に接するようにドローバ22b内部に嵌挿してあり、ドローバ22bの摺動により周方向の位置が変動する。
ドローバ22bは、バネ部材等の弾性部材により、主軸25b側(上方)へ付勢してあり、図8に示すように、主軸25bの内面に設けてある凹部252へクランプ鋼球27、27、・・・が移動できない位置に配設してある。
プルスタッド61bは、主軸25bの中心軸を含む平面での断面形状が、クランプ鋼球27、27、・・・との接触部分で鋭角をなしている。したがって、プルスタッド61bとクランプ鋼球27、27、・・・とは点接触することになる。
以下、上述した構成の工具クランプ機構100の動作について説明する。図8の状態からドローバ22bが工具ホルダ60b側(下方)へ摺動した場合、ドローバ22b内に嵌挿されているクランプ鋼球27、27、・・・も主軸25bの内面に沿って下方へ押し下げられ、主軸25bの内面の凹部252へと移動する。これにより、クランプ鋼球27、27、・・・は、工具ホルダ60bのプルスタッド(被クランプ部)61bから離脱し、工具ホルダ60bが脱着される。
工具ホルダ60bを装着する場合、工具ホルダ60bを主軸25bの内面に沿って押し上げ、工具ホルダ60bのプルスタッド61bの内面に設けてあるテーパに沿ってクランプ鋼球27、27、・・・が主軸25bの周方向に押圧されるに伴い、ドローバ22bが下方へ移動し、クランプ鋼球27、27、・・・が主軸25bの内面の凹部252へ入り込む。クランプ鋼球27、27、・・・間をプルスタッド61bが通過できるようになるまで入り込んだ場合、クランプ鋼球27、27、・・・の頂点を越えた段階で、ドローバ22bの付勢力によりドローバ22bが上方へ引き上げられ、クランプ鋼球27、27、・・・が主軸25bの内面の凹部252から元へ戻る。これにより、クランプ鋼球27、27、・・・がプルスタッド61bと嵌合し、工具ホルダ60bは主軸25bのスピンドルテーパ24bに密着して装着される。
図9は、本発明の実施の形態3に係る工具クランプ機構100による工具ホルダ60bのクランプが異常である状態を示す主軸25bの中心軸を含む面での模式断面図である。図9では、クランプ鋼球27、27、・・・の頂点位置が、接合タイミングのズレ等に起因して変動した場合を示している。この場合、従来とは異なり、工具ホルダ60bのプルスタッド61bは円筒面部分を有していない。したがって、クランプ鋼球27、27、・・・とプルスタッド61bとは、相互に点接触した状態となる。
通常は、クランプ鋼球27、27、・・・の頂点と、プルスタッド61bの内周端部611bとは、いずれかが高い位置又は低い位置となる。クランプ鋼球27、27、・・・の頂点の方がプルスタッド61bの内周端部611bよりも低い場合、プルスタッド61bはクランプ鋼球27、27、・・・と嵌合し、図8の状態となる。
図10は、本発明の実施の形態3に係る工具クランプ機構100による工具ホルダ60bが落下した状態を示す主軸25bの中心軸を含む面での模式断面図である。図10に示すように、クランプ鋼球27、27、・・・の頂点の方がプルスタッド61bの内周端部611bよりも高い場合、プルスタッド61bはクランプ鋼球27、27、・・・と嵌合することなく、工具ホルダ60bは落下する。
図9の状態では、クランプ鋼球27、27、・・・の頂点とプルスタッド61bの内周端部611bとは、略同じ高さであるが、両者が点接触している以上、不安定な状態である。したがって、上下いずれかの方向へ何らかの外力が作用した時点で、図8に示すようにクランプ鋼球27、27、・・・とプルスタッド61bとが嵌合するか、又は図10に示すように両者が嵌合することなく、工具ホルダ60bが落下するか、いずれかとなる。
これにより、例えば切削工程を開始すべく主軸25bが高速回転を開始する時点で、工具ホルダ60bは、主軸25bのスピンドルテーパ24bに密着して接合してある状態、又は既に落下している状態である。したがって、工具ホルダ60bが落下している状態では、工具ホルダ60bによるスピンドルテーパ24bの損害が生じることは無く、工具ホルダ60が主軸25のスピンドルテーパ24に密着して接合してある状態では、回転により生じる遠心力により工具ホルダ60bが不規則振動することがなく、主軸25bのスピンドルテーパ24bを損傷するおそれがない。
以上のように本実施の形態1乃至3によれば、工具ホルダ60bは、主軸25bのスピンドルテーパ24bに密着して接合するか、落下するかのいずれかであることから、主軸25bの回転により生じる遠心力により工具ホルダ60bが不規則振動することがなく、主軸25bのスピンドルテーパ24bを損傷しないという優れた効果を奏する。
なお、本実施の形態1乃至3によれば、工具ホルダ60bのプルスタッド61bは、主軸25bの中心軸を含む平面での断面形状が、いずれも接触部分で鋭角をなしている。これにより、プルスタッド61bと工具クランプ部とは線接触又は点接触することになり、上述した効果を奏することが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る工具クランプ機構を備えた工作機械の一部を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る工具クランプ機構により工具ホルダをクランプした状態を示す主軸の中心軸を含む面での模式断面図である。 本発明の実施の形態1に係る工具クランプ機構による工具ホルダのクランプが異常である状態を示す主軸の中心軸を含む面での模式断面図である。 本発明の実施の形態1に係る工具クランプ機構による工具ホルダが落下した状態を示す主軸の中心軸を含む面での模式断面図である。 本発明の実施の形態2に係る工具クランプ機構により工具ホルダをクランプした状態を示す主軸の中心軸を含む面での模式断面図である。 本発明の実施の形態2に係る工具クランプ機構による工具ホルダのクランプが異常である状態を示す主軸の中心軸を含む面での模式断面図である。 本発明の実施の形態2に係る工具クランプ機構による工具ホルダが落下した状態を示す主軸の中心軸を含む面での模式断面図である。 本発明の実施の形態3に係る工具クランプ機構により工具ホルダをクランプした状態を示す主軸の中心軸を含む面での模式断面図である。 本発明の実施の形態3に係る工具クランプ機構による工具ホルダのクランプが異常である状態を示す主軸の中心軸を含む面での模式断面図である。 本発明の実施の形態3に係る工具クランプ機構による工具ホルダが落下した状態を示す主軸の中心軸を含む面での模式断面図である。 従来の工具クランプ機構により工具ホルダをクランプした状態を示す主軸の中心軸を含む面での模式断面図である。
符号の説明
20 主軸ヘッド
21、21a クランプフィンガ
22、22a、22b ドローバ
24、24a、24b スピンドルテーパ
25、25a、25b 主軸
27 クランプ鋼球
60、60a、60b 工具ホルダ
61、61a、61b プルスタッド(被クランプ部)
100 工具クランプ機構
211、211a、211b 工具クランプ部

Claims (4)

  1. 一端に工具を装着し、他端に被クランプ部を備える工具ホルダをクランプ又はアンクランプする工具クランプ部を有し、
    前記被クランプ部を、前記工具クランプ部でクランプすることにより、工具ホルダのクランプを行う工具クランプ機構において、
    前記工具クランプ部及び被クランプ部は、夫々との接触部分が中心軸を含む面内で鋭角をなしており、
    前記工具クランプ部の中心軸と前記被クランプ部の中心軸とが略一致する状態で、前記接触部分同士が線接触するようにしてあることを特徴とする工具クランプ機構。
  2. 一端に工具を装着し、他端に被クランプ部を備える工具ホルダをクランプ又はアンクランプする工具クランプ部を有し、
    前記被クランプ部を、前記工具クランプ部でクランプすることにより、工具ホルダのクランプを行う工具クランプ機構において、
    前記被クランプ部は、前記工具クランプ部との接触部分が中心軸を含む面内で鋭角をなし、前記工具クランプ部は、前記被クランプ部との接触部分に二以上の球体を備えており、前記工具クランプ部の中心軸と前記被クランプ部の中心軸とが略一致する状態で、前記接触部分が前記球体の表面に点接触するようにしてあることを特徴とする工具クランプ機構。
  3. 前記工具ホルダの被クランプ部は、傾斜面又は曲面で構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の工具クランプ機構。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の工具クランプ機構を備えることを特徴とする工作機械。
JP2004268920A 2004-09-15 2004-09-15 工具クランプ機構、工作機械 Expired - Lifetime JP4534687B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004268920A JP4534687B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 工具クランプ機構、工作機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004268920A JP4534687B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 工具クランプ機構、工作機械

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006082175A JP2006082175A (ja) 2006-03-30
JP4534687B2 true JP4534687B2 (ja) 2010-09-01

Family

ID=36161090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004268920A Expired - Lifetime JP4534687B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 工具クランプ機構、工作機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4534687B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113231862B (zh) * 2021-04-09 2023-03-31 广州市昊志机电股份有限公司 一种主轴拉刀结构和电主轴

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5761438A (en) * 1980-09-25 1982-04-13 Nissan Motor Co Ltd Tool shank holder
JPS598738U (ja) * 1982-07-05 1984-01-20 三井精機工業株式会社 マシニングセンタの工具固定装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5761438A (en) * 1980-09-25 1982-04-13 Nissan Motor Co Ltd Tool shank holder
JPS598738U (ja) * 1982-07-05 1984-01-20 三井精機工業株式会社 マシニングセンタの工具固定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006082175A (ja) 2006-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101069952B (zh) 加工工具
EP2505285B1 (en) Machine tool and tool holder
JP2015104766A (ja) 工具交換装置
JP5734387B2 (ja) カバーを持つ工具交換装置
EP1652618A1 (en) Clamping mechanism for pallet changer
US8448549B2 (en) Tool post of machine tool with elastically deforming tool holder locating device
JP6136119B2 (ja) 工作機械
CN107791073B (zh) 机床
JP5380963B2 (ja) レスト装置を備える工作機械およびレスト装置を用いる加工方法
JP4534687B2 (ja) 工具クランプ機構、工作機械
JP2009233791A (ja) 工具交換装置
JP2009233755A (ja) 工具交換装置
JP2009233756A (ja) 工具交換装置
JP5292876B2 (ja) 工具交換装置
KR101569085B1 (ko) 탭 척
JP6769030B2 (ja) 主軸装置及び工作機械
JP2008105158A (ja) 立形工作機械
CN109570533B (zh) 机床
JP2018167335A (ja) 主軸装置と工作機械
JP3875615B2 (ja) 工作機械
JP4576357B2 (ja) ワークのかさ上げ治具
JP6729329B2 (ja) 工作機械
JP2004154871A (ja) 加工物へのブッシュ打ち込み方法、ブッシュ打ち込み用具
JP7518751B2 (ja) 調芯機構および同機構を備えた自動締結機
KR101363040B1 (ko) 자동공구교환용 가이드장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100525

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100607

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4534687

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150