JP4531953B2 - 小型矩形圧電振動子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度特性を改善する基本波を発振する小型矩形ATカット水晶振動子の電極配置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
民生用通信機器をはじめとする電子機器には、温度に対する周波数特性のバラツキの少ない振動子が要求されている。ATカット水晶振動子は温度に対する周波数特性が優れていることから、多くの電子機器で使用されている。
ATカット水晶振動子は、人工水晶のX軸を回転軸としてY軸に対しおよそ35°15’回転させたアングルで切り出され、X軸とZ’軸を外形寸法とする矩形水晶振動子片が小型化に有利な表面実装型振動子に多用されている。
【0003】
その共振周波数は水晶振動子片の厚みによって決定され、温度に対する周波数偏差(特性)は水晶振動子片の切断アングルによって決定される。一般的に電子部品として用いられるATカット水晶振動子の温度に対する周波数特性は、室温付近を変曲点とする3次曲線状であるが、切断アングルの変化や誤差、ずれなどに伴い図5のように周波数偏差は変化する。切断アングルと温度に対する周波数特性の関係は、室温に対する60℃の周波数変化量(△F/F)が3×10−6/1’程度であり、通信機器では±15”程度の切断アングル精度が要求されているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、人工水晶は結晶構造を持つもので水晶振動子片の製造過程で、X線装置などを使用し、例えばATカットの切断角であれば水晶振動子片の結晶軸方位でX軸を回転軸としてY軸に対しおよそ35°15’回転した角度設定で切断しても、加工機の分解精度上の制約などで前述の精度を確保し所望の切断角(周波数偏差特性)を確保することは難しく、切断後の分類選別や切断加工工程における歩留りは必ずしも高いとは言えない。このため、水晶振動子片に対する管理コストが発生することで水晶振動子片の単価が高くなる傾向の要因を秘めている。
【0005】
【課題を解決する手段】
これらの課題を解決するために、本発明はX軸方向に長さ、Z'軸方向に幅を持つ矩形水晶振動子片の主面両面に電極を構成する小型矩形圧電振動子において、矩形圧電振動子片の該電極配置が該振動子片の中心位置から両主面に配置する該電極をZ’軸方向に偏心して形成することを特徴とする小型矩形圧電振動子である。
【0006】
このとき、水晶振動子のカットアングルはATカットで、ベベリング加工を施した小型矩形形状を有し、偏心の詳細寸法は水晶振動子片の主面のZ’軸方向の距離をdとしたとき、両主面に配置されたそれぞれの電極の中心が、Y軸方向で向かい合いつつ、Z’軸方向に50μm≦d≦150μmの範囲で偏心した電極に形成されることにより課題を解決するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明の実施例を説明する。なお、各図において同一の符号は同様の対象を示すものとする。図1に示すのは本願発明の水晶振動子片1とその電極3配置の斜視図(図1(a))と、中心からの電極ずれを示す寸法図(図1(b))である。水晶振動子に配置する電極3を水晶振動子片1の2面の主面2に対して相対的な位置関係(d)をZ’軸方向に50μm≦d≦150μmずらすことにより、水晶振動子片1の切断工程時の切断アングルをずらしたのと同様に温度に対する周波数特性が右回転方向に変化する。
【0008】
図2は本発明の水晶振動子片1の電極位置に着目した断面図と主面2表面の状態を示す等高線図である。図2(a)は水晶振動子片1の図1A−A部分の断面図であり、主面2に対して同一のZ’軸方向に電極3が偏心するように形成されている様子を示すものである。また、図2(b)は水晶振動子片1の主面2はベベリング加工により主面中心部の水晶振動子片1の板厚が厚く、水晶振動子片1の周囲に行くに従って板厚を薄くし加工されていることを示すもので、主面2に描画する楕円は等高線を表現したものである。なおこのとき、水晶振動子片1がベベリング加工されているため、基本波振動の閉じ込めが有効に働くことで、水晶振動子の重要特性の1つである等価直列抵抗は図3に見られるように大きな変化は発生しない。
【0009】
一方、図3は水晶振動子片1における電極配置のずれ量(dの寸法)とCI値の関係を示すグラフである。水晶振動子片1は、その外形寸法の一例として、水晶振動子片1の寸法がX軸方向に対し6.0ミリ、Z’軸方向に対し1.8ミリであり、ベベリング加工した水晶振動子片1の2つの主面2には、電極3が中心位置をY軸方向で向かい合うように配置されており、この電極3のZ’軸方向寸法を1.4mm(Z’軸方向の電極幅)とした基本波13,000kHzのATカット水晶振動子である。なお、水晶振動子片1の2つの主面2にZ’軸方向に電極3を配置する電極3配置方法としては、蒸着枠のスペーサーと言われる水晶素板が挿入されるエッチングで加工された板をZ’軸方向に中心から50μmずつ徐々にずらし最大150μmずらしながら、その経過でのCIの数値を測定した。
【0010】
図4はX長辺片の電極3ずれと温度特性のグラフである。発明者が水晶振動子片1の主面2に対向電極3を配置し、両主面共に水晶振動子片1のZ’軸方向に電極3をA〜Dに付する位置にずらした場合の温度特性を確認したところでは、従来の水晶振動子の切断角の変化による一般的な温度特性とほぼ同等な周波数変化特性が得られた。
【0011】
要するに、通常対向する励振電極3の中心は水晶素板の中心と合致するよう、蒸着またはスパッタなどの手法により形成するが、本願発明ではX軸を長辺寸法とする水晶振動子辺のZ’軸方向の中心位置から両主面2に配置する該電極3が偏心していることを特徴とするもので、図2(b)に示すベベリング加工された水晶振動子片1の主面2を等高線図により表した様子であるが、同一カットアングルの水晶振動子片1でも「X寸法/厚み」と「温度特性」とには相関関係があるため、ベベリング加工された水晶振動子片1の厚み分布の違いを利用して温度特性の改善を図るものである。
【0012】
なおこの結果は、図4に見られるように、切断アングルを変化させたのと同様の変化が確認され、150μmずらしたとき切断アングルでの3’相当であった。これは、電極3をずらさない場合の切断アングル選別規格の±15”を6倍まで広げることが可能となることを示しており、選別による不良はほぼ無くなると思われる。また、本発明を実現する上では従来から使用する安価なジグのみの変更により得られることも実用的と考えられる。
【0013】
このような特徴を活用することにより、切断後の水晶素板の切断アングル不良品のうち、電極3を通常通りに形成した場合に、規格に対して左回転方向にずれているものについては、必要量だけ励振電極3をZ’軸方向へずらすことにより、製品の温度に対する周波数特性を満足させることが可能となる。なお、本願発明の手法は、励振電極3の対向面積を変化させないので並列容量などの定数の変化も少なく、電極3をずらさない通常の水晶振動子と同様に扱うことができることから水晶振動子の品質管理が容易である。
【0014】
【発明の効果】
本発明により、基本波を発振する矩形ATカット水晶素板の2つの主面に各々励振用の電極を形成して成る圧電振動子の、両主面に配置する電極を水晶振動子片の中心位置に対し、Z’軸方向に偏心して形成することにより振動子の切断カットアングルに許容を持たせることにより、設計時間を短縮し、製造歩留を向上しコストの低減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水晶振動子片と電極配置を示す斜視図と、電極ずれ寸法である。
【図2】本発明の水晶振動子の電極位置を示す断面図と主面のベベリング状態を示す等高線図である。
【図3】本発明の水晶振動子片における電極配置のずれ寸法とCI値の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の水晶振動子片における電極配置のずれ寸法と温度特性を示すグラフである。
【図5】ATカット水晶振動子の切断角の差により変化する一般的な温度特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 矩形水晶振動子片
2 主面
3 電極
Claims (2)
- X軸方向に長さ、Z’軸方向に幅を持つATカット矩形水晶振動子片の主面両面に電極を構成する小型矩形圧電振動子において、
該矩形圧電振動子片の該電極配置が該振動子片の中心位置からの距離をdとしたとき、両主面に配置されたそれぞれの該電極の中心が、Y軸方向で向かい合いつつ、Z’軸方向に50μm≦d≦150μmの範囲で偏心していることを特徴とする小型矩形圧電振動子。 - 請求項1記載の振動子片は基本波を発振するATカット水晶振動子であり、該主面がベベリング加工を施してあることを特徴とする小型矩形圧電振動子。
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