JP4531417B2 - ストレプトマイセス属微生物における遺伝子高発現系 - Google Patents

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Description

本発明は、ストレプトマイセス属に属する微生物における遺伝子高発現系に関する。
ストレプトマイセス(Streptomyces)属放線菌は、抗生物質をはじめとする多様な二次代謝産物を生産する菌群として工業的に広く利用されており、極めて重要な菌群である。ストレプトマイセス属放線菌での有用物質生産の重要性を鑑みると、上記放線菌において大量発現系の開発が望まれる。しかし、ストレプトマイセス属放線菌を利用した発現系はほとんど知られていない。また、知られているものも、発現のコントロールが厳密にできないなど、その有用性は極めて限られる。
本発明者らは、既に放線菌の一種であるロドコッカス・ロドクロウスJ1(FERM BP-1478)由来のタンパク質(H-ニトリルヒドラターゼ)誘導発現系を開発している(例えば非特許文献1参照)。当該発現系は、尿素を誘導剤として培地に添加した場合、無細胞抽出液中の全可溶性タンパク質の50%以上を占めるほどのH-ニトリルヒドラターゼ(ニトリルをアミドに水和する酵素)を大量に発現する。即ち、当該発現系では非常に強力な転写活性を持つ誘導型プロモーターが関与している。
しかしながら、上記知見はロドコッカス・ロドクロウスJ1株という一部の放線菌について得られたものであり、他の属に属する放線菌、特に上記した理由でその重要性が指摘されているストレプトマイセス属放線菌でも同様な発現系が利用できるのかは現在迄に報告されておらず、示唆もない。
Proc. Natl. Acad. Sci, 93, 4267(1996)
本発明は、ロドコッカス属で考案されたタンパク質(H-ニトリルヒドラターゼ)の誘導型発現調節機構がストレプトマイセス属においてどのように機能し得るかを解析し、これにより得られる知見を基に高発現ベクターを新規に開発することを目的とする。ひいては当該発現系を用いて種々のタンパク質又は生理活性物質の大量生産への応用を最終目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、ロドコッカス・ロドクロウスJ1株由来のニトリルヒドラターゼ遺伝子クラスターを含むDNA断片をストレプトマイセス・リビダンス(Sstreptomyces lividans)に導入することにより、ロドコッカス属微生物由来の発現系がストレプトマイセス属微生物においても機能することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)H-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーター又はその変異体、H-ニトリルヒドラターゼ転写調節タンパク質をコードする遺伝子又はその変異体、及び転写活性化タンパク質をコードする遺伝子又はその変異体を含むDNA構築物。
(2)マルチクローニングサイトをさらに含む(1)記載のDNA構築物。
(3)発現の目的遺伝子又はその変異体をさらに含む(1)又は(2)記載のDNA構築物。
(4)発現の目的遺伝子がH-ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子である(3)記載のDNA構築物。
(5)H-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーター又はその変異体の上流にターミネーターを有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のDNA構築物。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のDNA構築物を機能的に含むベクター。
(7)宿主菌が放線菌である(6)記載のベクター。
(8)宿主菌が放線菌以外の菌である(6)記載のベクター。
(9)放線菌が、ロドコッカス属に属する菌以外のものである(7)記載のベクター。
(10)放線菌がストレプトマイセス属に属するものである(8)記載のベクター。
(11)放線菌以外の菌が大腸菌である(8)記載のベクター。
(12)上記(6)〜(11)のいずれか1項に記載のベクターで形質転換された形質転換体。
(13)上記(3)〜(5)のいずれか1項に記載のDNA構築物、及び宿主菌体内において自律複製に関与するDNAをそれぞれ機能的に含むベクターを宿主菌に導入することを特徴とする、目的遺伝子又はその変異体の発現方法。
(14)上記(3)〜(5)のいずれか1項に記載のDNA構築物、及び宿主菌体内において自律複製に関与するDNAをそれぞれ機能的に含むベクターが導入された宿主菌を培養し、得られる培養物から目的遺伝子又はその変異体の発現産物を採取することを特徴とする前記発現産物の生産方法。
(15)目的遺伝子がニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子である、上記(13)又は(14)記載の方法。
(16)宿主菌が放線菌又は大腸菌である上記(13)又は(14)記載の方法。
(17)放線菌が、ロドコッカス属に属する菌以外のものである(16)記載の方法。
(18)放線菌がストレプトマイセス属に属するものである(16)記載の方法。
本発明により、ロドコッカス属放線菌由来のH-ニトリルヒドラターゼ(誘導型)高発現系が、他の属の放線菌(例えばストレプトマイセス属放線菌等)においても機能することが明らかとなった。従って、本発明の発現系は、各種有用物質の生産菌として工業的に広く利用されている種々の微生物に応用することが可能となる。さらにマルチクローニングサイトを導入した発現系は、ニトリルヒドラターゼ以外の有用タンパク質の大量発現系を可能にするものであり、抗生物質又は生理活性物質の生産、あるいは有用酵素の生産等を必須とする各分野に極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、(i)ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)のH-ニトリルヒドラターゼ遺伝子のプロモーター、(ii)制御タンパク質(NhhC)遺伝子、及び(iii) 転写活性化タンパク質(NhhD)遺伝子から構成されるDNA構築物を高発現系の基本単位とし、このDNA構築物に発現目的遺伝子を連結して宿主に導入すると、目的遺伝子(構造遺伝子)の発現物質を極めて高効率で生産することができる点に特徴を有するものである。
放線菌は、抗生物質などの様々な生理活性物質の生産菌として知られている。そこで、本発明者は、ストレプトマイセス属放線菌において有用性の高い誘導型高発現系の構築を検討した。既に、ニトリル分解性放線菌ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous) J1株(以下「J1株」という)(特公平6-55148号公報)のニトリラーゼ系を利用し、ストレプトマイセス属で機能する誘導型高発現系が開発されている。
本発明は、上記ニトリラーゼ系よりもさらに強力で極めて著量のH型(高分子量型)ニトリルヒドラターゼ(H-NHase)を生成する強力な発現系を提供するものである。
本発明においては、H-NHase遺伝子クラスターを含むDNA断片を、例えばストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)に導入することにより、H-NHaseを高発現させることが可能となった。また、NHase遺伝子の各種欠失断片を作製することにより、NHaseの発現に必須となる領域(H-NHase遺伝子プロモーター、NhhC遺伝子及びNhhD遺伝子)を特定した。
1.発現用DNA構築物の作製
本発明は、H-NHase遺伝子のプロモーター、制御タンパク質NhhCをコードする遺伝子(NhhC遺伝子(nhhCと表示することもある))及び転写活性化タンパク質NhhDをコードする遺伝子(NhhD遺伝子(nhhDと表示することもある))を含むDNA構築物に関する。
H-NHase発現調節機構は、H-NHase構造遺伝子の上流域にコードされている制御タンパク質NhhC(nhhCによりコードされる)が転写活性化タンパク質NhhD(nhhDによりコードされる)の発現を制御し、そのNhhDが、H-NHase遺伝子プロモーターからの転写を促進させるという機構が考えられる(図1)。
上記発現調節機構を担う遺伝子の塩基配列を配列番号1に示す。配列番号1に示す塩基配列には、H-NHase遺伝子のプロモーター、NhhC遺伝子、NhhD遺伝子及びH-NHase遺伝子(βサブユニット及びαサブユニット)が含まれている。
配列番号1に示す全長塩基配列中における上記遺伝子の位置を以下に示す。
H-NHase遺伝子のプロモーター:3994-4630(配列番号2)
NhhC遺伝子:422-1507(配列番号3)
NhhD遺伝子:1558-2004(配列番号5)(但し、この領域は相補鎖の配列を表示してある)
H-NHase遺伝子(βサブユニット):4631-5320(配列番号7)
H-NHase遺伝子(αサブユニット):5334-5945(配列番号9)
(1) H-NHase遺伝子のプロモーター
本発明のプロモーターは、H-NHase遺伝子を保有する菌体(後述)から、制限酵素を用いて切り出すことが可能であるが、切り出すために都合の良い制限酵素部位が存在するとは限らない。そこで、制限酵素認識部位を設けたプライマーを用い、PCRで所望のプロモーター領域を増幅することによりプロモーター領域のDNA断片を得ることができる。また、既に判明しているプロモーター領域の塩基配列情報をもとにして、所望のプロモーター領域を化学合成することも可能である。
配列番号2に本発明の全長プロモーターDNA配列を例示する。但し、本質的に転写活性を有する配列であればこれらの配列に限定されるものではなく、以下の(a)〜(b)のいずれかの形態のプロモーター(変異体)を含むものである。
(a) 上記配列番号2に示す塩基配列のうち1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)の塩基が欠失、置換又は付加した変異型プロモーターDNAであって、プロモーター活性を有するDNA。
(b) 配列番号2に示す塩基配列に相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、プロモーター活性を有するDNA。
ここで、「プロモーター活性」とは、本発明のプロモーター領域に転写因子が結合し、転写を惹起する活性を意味する。
上記プロモーターへの変異の導入は、Kunkel法や Gapped duplex法等の公知手法により、部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット、例えばTaKaRa Site-Directed Mutagenesis System(Mutan-K、Mutan-Super Express Km等(タカラバイオ社製))、QuikChangeTM Site-Directed Mutagenesis Kit(ストラタジーン社製)、GeneTailorTM Site-Directed Mutagenesis System(インビトロジェン社製)等を用いて行うことができる。
(2) 制御タンパク質NhhC遺伝子
本発明のNhhCは、NhhC遺伝子を保有する菌体から、制限酵素を用いて切り出すことが可能であるが、切り出すために都合の良い制限酵素部位が存在するとは限らない。そこで、制限酵素認識部位を設けたプライマーを用い、PCRで所望のNhhC遺伝子領域を増幅することによりNhhC遺伝子のDNA断片を得ることができる。また、既に判明しているNhhC遺伝子の塩基配列情報をもとにして、所望のNhhC遺伝子を化学合成することも可能である。
本発明のNhhC遺伝子の塩基配列を配列番号3に、NhhCのアミノ酸配列を配列番号4に示す。
また、本発明においては、NhhC遺伝子の変異体(変異型遺伝子)を使用することも可能である。
上記NhhC遺伝子の変異型は、以下の(a)〜(c)のいずれかのものを含む。
(a) NhhCのアミノ酸配列(配列番号4)において1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、NhhC活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
(b) NhhC遺伝子の塩基配列(配列番号3)のうち1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)の塩基が欠失、置換又は付加した変異型遺伝子であってNhhC活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
(c) NhhC遺伝子の塩基配列に相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、NhhC制御タンパク質としての機能を有するタンパク質をコードする遺伝子
ここで、「NhhC制御タンパク質としての機能」とは、NhhDタンパク質とともにH-NHaseの発現調節に関与することを意味する。
また、「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイズさせた後の洗浄条件を意味し、例えば、塩(ナトリウム)濃度が150〜900mMであり、温度が55〜75℃、好ましくは塩濃度が600〜900mMであり、温度が60〜70℃での条件をいう。
上記NhhC遺伝子への変異の導入は、前記プロモーターの項で説明した方法と同様、部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キットを用いて行うことができる。
(3) 転写活性化タンパク質NhhD遺伝子
本発明のNhhDは、NhhD遺伝子を保有する菌体から、制限酵素を用いて切り出すことが可能であるが、切り出すために都合の良い制限酵素部位が存在するとは限らない。そこで、制限酵素認識部位を設けたプライマーを用い、PCRで所望のNhhD遺伝子領域を増幅することによりNhhD遺伝子のDNA断片を得ることができる。また、既に判明しているNhhD遺伝子の塩基配列情報をもとにして、所望のNhhD遺伝子を化学合成することも可能である。
本発明のNhhD遺伝子の塩基配列を配列番号5(相補鎖側)に、NhhCのアミノ酸配列を配列番号6に示す。
また、本発明においては、NhhD遺伝子の変異体(変異型遺伝子)を使用することも可能である。
上記NhhD遺伝子の変異型は、以下の(a)〜(c)のいずれかのものを含む。
(a) NhhDのアミノ酸配列(配列番号6)において1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、NhhD活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
(b) NhhD遺伝子の塩基配列(配列番号5)のうち1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)の塩基が欠失、置換又は付加した変異型遺伝子であってNhhD活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
(c) NhhD遺伝子の塩基配列に相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、NhhD転写活性化タンパク質としての機能を有するタンパク質をコードする遺伝子
ここで、「NhhD転写活性化タンパク質としての機能」とは、NhhCタンパク質とともにH-NHaseの発現調節に関与することを意味する。
また、「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイズさせた後の洗浄条件を意味し、例えば、塩(ナトリウム)濃度が150〜900mMであり、温度が55〜75℃、好ましくは塩濃度が600〜900mMであり、温度が60〜70℃での条件をいう。
上記NhhD遺伝子への変異の導入は、前記プロモーターの項で説明した方法と同様、部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キットを用いて行うことができる。
(4) マルチクローニングサイト
本発明のDNA構築物には、マルチクローニングサイト(MCS)を導入することができる。MCSは、複数種類の制限酵素サイトをもつDNA断片であり、発現の目的遺伝子をMCSに連結してベクターに挿入するために使用される。本発明においては、以下の制限酵素部位(少なくとも1個)を有するMCSを例示することができる。
NdeI、BglII、BamHI、XbaI
(5) ターミネーター等
本発明のDNA構築物には、所望によりエンハンサーなどのシスエレメント、スプライシングシグナル、選択マーカー、ターミネーターなどを連結することができる。
ターミネーターは、宿主中で活性を持つものであればいずれの遺伝子に由来するターミネーターを用いてもよい。例えばfdファージのターミネーター(fd-ter)、T4ターミネーター(T4-ter)等を用いることができる。上記ターミネーター領域は、H-NHase遺伝子プロモーターの上流に存在することが好ましい。
2.目的構造遺伝子の発現
(1) 組換えベクターの作製
本発明の発現用組換えベクターは、プラスミド中に前記DNA構築物を機能的に含むものである。「機能的に」とは、本発明のDNA構築物が発現又は機能するように、という意味であり、後述の宿主に導入したときにそれぞれの遺伝子が発現し得る状態を意味する。
本発明のDNA構築物を連結する順序は、上記「機能的」である限り限定されるものではないが、NhhC遺伝子、NhhD遺伝子、プロモーターの順序で連結されていることが好ましい。
H-NHase遺伝子に、予めプロモーター及びターミネーターが連結された遺伝子発現カセットを作製しておいて、これをベクターに組み込むことも可能である。また、異種遺伝子を発現させるためにMCSを導入する場合は、異種遺伝子、ターミネーターの順序で連結されていることが好ましい。
連結及び挿入の順序は任意であるが、H-NHase遺伝子の上流にプロモーターを連結し、H-NHase遺伝子の下流にターミネーターを連結することが好ましい。本発明においては、ベクターDNAに順次プロモーター及びターミネーター、H-NHase遺伝子を組み込んでもよく、転写方向が考慮されている限り、組み込む順は不問である。
(2) H-NHase遺伝子
本発明において、発現の目的となるH-NHase構造遺伝子を有する細菌は、ニトリルヒドラターゼ酵素活性を有し、ニトリル化合物を水和して対応するアミド化合物を生成させることができる細菌であれば特に制限はされるものではない。例えば、以下の微生物を好適な例として挙げることができる。
ノカルジア・エスピー(Nocardia sp.)N-775(特公昭56-17918号)
ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1(特公平06-55148号)
クレブシエラ・エスピー(Klebsiella sp.)MCI2609(特開平05-30982号)
エアロモナス・エスピー(Aeromonas sp.)MCI2614(特開平05-30983号)
シトロバクター・フロンディ(Citrobacter freundii)MCI2615(特開平05-30984号)
アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)IAM13570及びアグロバクテリウム・トゥメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens) (特開平05-103681号)
キサントバクター・フラブス(Xanthobacter flavas)JCM1204(特開平05-161495号)
エルウィニア・ニグリフルエンス(Erwinia nigrifluens)MAFF03-01435
エンテロバクター・エスピー(Enterobacter sp.)MCI2707(特開平05-236975号)
ストレプトマイセス・エスピー(Streptomyces sp.)MCI2691(特開平05-236976号)
リゾビウム・エスピー(Rhizobium sp.)MCI2610、リゾビウム・エスピー MCI2643、リゾビウム・ロティ(Rhizobium loti)IAM13588、リゾビウム・レグミノサーラム(Rhizobium legminosarum)IAM12609及びリゾビウム・メリオティ(Rhizobium merioti)IAM12611(特開平05-236977号)
キャンディダ・グイリエモンディ(Candida guilliermondii)NH-2、パントエア・アグロメランス(Pantoea agglomerans)NH-3及びクレブシエラ・ニュウモニアエ・サブスピーシスニュウモニアエ(Klebsiella pneumoniae subsp. pneumoniae)NH-26T2(特開平05- 15384号)
アグロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacterium radiobacter)SC-C15-1(特開平06-14786号)
バチルス・スミシー(Bacillus smithii) SC-J05-1(特開平07-25494号)
シュードノカルディア・サーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)ATCC19285(特開平08-56684号)
シュードノカルディア・サーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)JCM3095(特開平09-275978号)
上記菌体からのH-NHase遺伝子のクローニングは、公知の任意の手法により得ることができる(Sabrook J., Molecular Cloning, CSHL Press (2001), Methods in Enzymology 194 (1991))。H-NHaseのアミノ酸配列を配列番号8(β-サブユニット)及び配列番号10(α-サブユニット)に、H-NHaseをコードする遺伝子の塩基配列を配列番号7(β-サブユニット)及び配列番号9(α-サブユニット)に示す。
また、本発明においては、H-NHase遺伝子の変異体(変異型遺伝子)を使用することも可能である。さらに、NHase遺伝子又はその変異型と他の遺伝子又はその変異型との融合遺伝子を含むベクターを構築しておいて、NHase遺伝子及び他の遺伝子の発現により生産されるポリペプチドが融合タンパク質になるように、両遺伝子を結合させることもできる。本発明において、このような2種類以上の遺伝子を結合させ、発現産物が融合タンパク質になるように構築した遺伝子を「融合遺伝子」という。融合遺伝子を作製するには、一方のDNAを適当な制限酵素で切断し、これに、同じ制限酵素で切断しておいた他方のDNAを、コードされるタンパク質のアミノ酸配列の読み枠がずれないように連結する方法などが採用される。
上記H-NHase遺伝子の変異型は、以下の(a)〜(c)のいずれかのものを含む。
(a) H-NHaseのアミノ酸配列(配列番号8又は10)において1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ニトリルヒドラターゼ酵素活性(NHase活性)を有するタンパク質をコードする遺伝子
(b) H-NHase遺伝子の塩基配列(配列番号7又は9)のうち1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)の塩基が欠失、置換又は付加した変異型遺伝子であってNHase活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
(c) H-NHase遺伝子の塩基配列に相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、NHase活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
ここで、「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイズさせた後の洗浄条件を意味し、例えば、塩(ナトリウム)濃度が150〜900mMであり、温度が55〜75℃、好ましくは塩濃度が600〜900mMであり、温度が60〜70℃での条件をいう。また、「NHase活性」とは、ニトリルを水和してアミドを生成する反応を触媒する活性を意味する(下記式I)。
R-CN + H2O → R-CONH2 (I)
(3) 異種構造遺伝子
本発明においては、上記H-NHase遺伝子のみならず異種遺伝子を組み込んで、当該異種遺伝子を発現させることもできる。異種遺伝子はその種類に限定されるものではなく、任意に選択される。
異種遺伝子としては、例えばイソニトリルヒドラターゼ遺伝子、ニトリラーゼ遺伝子、カテコール2,3ジオキシゲナーゼ遺伝子、N-置換ホルムアミド分解酵素遺伝子などが挙げられる。
(4) 形質転換
目的遺伝子を発現させるため、目的遺伝子を含む本発明のDNA構築物を宿主に導入する。宿主に導入するためのベクターDNAは、宿主細胞に保持され、当該宿主菌体内において自立複製に関与するものであれば特に限定されるものではない。但し、インテグレーションベクターの場合、当該宿主菌体内において自立複製に関与しないベクターを使用することもできる。
「自立複製に関与する」とは、宿主菌体内での自立複製を司る機能に関与するという意味であり、この自立複製は、複製起点を含む配列により行われる。
上記自立複製に関与するベクターとして、例えば、プラスミド DNA、ウイルス、バクテリオファージ、細菌の染色体等が挙げられる。また、ゲノムインテグレーションにより導入するための発現用組換えDNA断片として、PCR法又は化学合成により作製されたものを使用することも可能である。
プラスミド DNAとしては、例えば大腸菌由来のプラスミド(pBR322、pUC18、pUC19、pUC118、pUC119、pBluescriptなどのColE系プラスミド)、放線菌由来のプラスミド(例えば、pIJ486)、酵母由来のプラスミド(例えば、YEp13, YEp24, YCp50)などが挙げられ、ファージDNAとしてはλファージ(Charon4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11)等が挙げられる。
宿主への組換えDNAの導入は、公知方法により行うことができる。また、DNAが導入されたことの確認は、選択マーカー遺伝子(例えばアンピシリン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子等)を用いて行う。
本発明において使用される宿主は放線菌であることが好ましい。放線菌としては、例えばロドコッカス属に属する菌以外の以下のものが挙げられる。
ストレプトマイセス属:
ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)
ストレプトマイセス・アキヨシエンシス(Streptomyces akiyoshiensis)
ストレプトマイセス・アズレウス(Streptomyces azureus)
ストレプトマイセス・ハワイエンシス(Streptomyces hawaiiensis)
ストレプトマイセス・テンダエ(Streptomyces tendae)
ストレプトマイセス・バージニア(Streptomyces virginia)
ストレプトマイセス・アマクサエンシス(Streptomyces amakusaensis)
ストレプトマイセス・アンチビオティカス(Streptomyces antibioticus)
ストレプトマイセス・チバエンシス(Streptomyces chibaensis)
ストレプトマイセス・アルバス(Streptomyces albus)
ストレプトマイセス・リンコエンシス(Streptomyces lincolnensis)
ストレプトマイセス・カナマイセティカス(Streptomyces kanamyceticus)
ストレプトマイセス・カスガエンシス(Streptomyces kasugaensis)
ストレプトマイセス・セリカラー(Streptomyces coelicolor)
ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)
ストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces avermitilis)
ロドコッカス属でもストレプトマイセス属でもない放線菌としては、例えば以下のものが挙げられる。
コリネバクテリウム属、ノカルディア属に属する放線菌
本発明において「放線菌」とは、1997年にStackebrandtらが16SrDNAの類縁性に基づいて創設したclass Actinobacteria(classは綱)の中のorderActinomycetales(orderは目)で定義されるものであり、10の亜目、35の科、約110の属、約1000の種を擁する(例えば以下の非特許文献参照)。非特許文献:日本放線菌学会編,「放線菌の分類と同定(Identification Manual of Actinomycetes)」,(日本),財団法人 日本学会事務センター刊,2001年2月,p.4-8
上記ストレプトマイセス属に属する放線菌やその他の放線菌は、IFOカタログ、ATCCカタログ、JCMカタログ等に掲載されており、当業者は容易に入手することができる。
また、本発明においては上記放線菌のみならず、放線菌以外の菌(例えば大腸菌、バシラス属菌、シュードモナス属菌、サーマス属菌、アグロバクテリウム属菌等)を使用することもできる。
3.遺伝子発現産物の生産
本発明において、H-NHase遺伝子若しくは異種遺伝子又はこれらの変異体の発現産物は、導入された目的遺伝子又はその変異型遺伝子を含む宿主(形質転換体)を培養し、その培養物から採取することにより得ることができる。「培養物」とは、培養上清、培養細胞、培養菌体、又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。本発明の形質転換体を培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。上記NHaseなどの発現産物は、上記培養物中に蓄積される。
本発明の形質転換体を培養する培地は、宿主菌が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、グルコース、ガラクトース、フラクトース、スクロース、ラフィノース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が挙げられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩又はその他の含窒素化合物が挙げられる。その他、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー、各種アミノ酸等を用いてもよい。無機物としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が挙げられる。
培養は、通常、振盪培養又は通気攪拌培養などの好気的条件下、10℃〜40℃、好ましくは28℃で12〜120時間行う。pHの調整は、無機又は有機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。
上記培養条件で培養すると、高収率で遺伝子発現産物(例えばH-NHase)を生産することができる。
培養後、遺伝子発現産物が菌体内又は細胞内に生産される場合には、ホモジナイザー処理などを施して菌体又は細胞を破砕することにより、目的の遺伝子発現産物を採取する。遺伝子発現産物が菌体外又は細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌体又は細胞を除去する。その後、硫安沈澱による抽出等により前記培養物中から遺伝子発現産物を採取し、必要に応じてさらに各種クロマトグラフィー等を用いて単離精製する。
また、本発明においては、生細胞を全く使用することなく反応を人工容器内で進行させる無細胞タンパク質合成法を採用することが可能である。
DNA 上に暗号化された遺伝情報は、転写によりmRNAとなり、さらに翻訳されてタンパク質に変換される。人工容器内でこの翻訳過程を再現してタンパク質を合成するためには、リボソーム、tRNA、各種タンパク質因子など、翻訳因子群を安定化し、目的に応じてmRNA を生産するシステムを構築することが必要である。このシステムを構築するため、本発明においては小麦胚芽を選択することができる。小麦胚芽には、種子が発芽してタンパク質合成を行なうための翻訳因子群が保存されている点で好ましい。
なお、無細胞タンパク質合成は、市販のキットを用いて行うこともできる。そのようなキットとしては、例えば試薬キットPROTEIOSTM(東洋紡)、合成装置のPG-MateTM(東洋紡)などが挙げられる。
遺伝子発現産物(例えばH-NHase)が単離精製されたことの確認は、SDS-PAGEにより、また、活性の測定はHPLCにより行うことが可能である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
ロドコッカス属菌体内で誘導的に発現しているH-NHase系のStreptomyces属放線菌における発現
pWHM3-JH10は、pHJK19をXba I で制限酵素処理し、その後EcoR Iの部分消化によってニトリルヒドラターゼ遺伝子クラスター(6.5 kb)を切り出した。この断片をE.coli-Streptomyces Shuttle vectorである pWHM3(図2)のXba I-EcoR Iサイトへの挿入によって作製した。
S. lividans TK24株への導入
プロトプラスト化したS. lividans TK24菌体50μlにプラスミド10μlを混合させた後、25% PEG-Pバッファーを200μl添加した。その後、軽く撹拌し、全量を再生培地(R3培地)に塗布した。28℃で16時間培養後、20γのチオストレプトン1 mlを重層し選択圧をかけた。なお、S. lividans TK24菌体は、JOHN INNES CENTRE(URL: http://www.jic.bbsrc.ac.uk/corporate/Home/index.htm)より一般的に入手することが可能である。
再生培地は、表1に記載の組成の溶液I、II、III、IV、Vを別々にオートクレーブにかけ、その後、混合し作製した。
Figure 0004531417
ストレプトマイセス属放線菌による発現
500 mlのバッフル付き三角フラスコ中のYEME培地(下記組成)100 mlに、CoCl2(最終濃度0.001%)、MgCl2・6H2O(最終濃度5 mM)、グリシン(0.5%)を添加した。この培地に20γチオストレプトンを添加したYMPD(下記組成)プレートで培養した形質転換体を1cm画植菌した。135rpmのロータリーシェーカーにて、28℃、120時間培養を行った。
YEME培地:Yeast extract 3.0 g、Bacto peptone 5.0 g、Oxide malt extract 3.0 g、Glucose 10 g、Sucrose 340 gを1リッターの滅菌水に溶解。pH 7.2に調製。
YMPD:Yeast extract 2.0 g、Meat extract 2.0 g、Bacto peptone 4.0 g、NaCl 5.0 g、MgSO4・7H2O 2.0 g、Glucose 10 gを1リッターの滅菌水に溶解。pH 7.2に調製。
SDS-PAGEによる発現の確認
実施例3において培養された培養液を4℃、6,000 rpmで遠心して培養菌体を集菌後、100 mM KPB 3 mlで懸濁した。その後、超音波破砕によって菌体破砕を行った。破砕液を4℃、15,000 rpmでで遠心後、上清を分画し無細胞抽出液とした。タンパク質濃度を測定し、1レーンあたりタンパク質量20μgを12%SDS-PAGEゲルにアプライし、泳動を行った。
その結果を図3に示す。図3の結果より、H-NHaseのα及びβサブユニットの強いバンドが認められた。従って、H-NHase発現系は、ストレプトマイセス属放線菌を宿主とした場合でも、非常に強力なプロモーター活性を示すことが分かった。
HPLCによる活性測定及びアミノ酸配列の決定
<活性測定>
ベンゾニトリルを基質とした場合、ニトリルヒドラターゼの触媒反応により生成するベンズアミドを指標にしてHPLCによってH-NHaseの活性測定を行った。酵素反応液(2 ml)には100mMのKPB(pH7.5)バッファーで希釈した酵素液(1/50, 1/100, 1/200, 1/400)1mlと12mMのベンゾニトリル1mlが含まれる。酵素反応は25℃、10分で行った。反応終了後、酵素反応液より、200μl分取し、1 M HCl(40μl)で反応を止めた。この反応液をHPLCで解析した。1分間に1μmolのベンズアミドを生成する酵素量を1unitとした。
<N末決定>
サンプルをSDS-PAGEで泳動後、PVDF膜に転写し、プロテインシークエンサーによって解析した。
ベンズアミドを指標にして活性測定を行った結果、H-NHase活性は9.67U/mgであった。この値は、ロドコッカス属細菌を宿主としてH-NHaseを発現させた場合と同程度の比活性を示している。また、大量に発現したタンパク質のN末端アミノ酸配列解析により、その配列は、H-NHaseのαサブユニットに一致するMDGIHDT配列(配列番号11)及びβサブユニットに一致するSEHVNKY配列(配列番号12)であった。従って、当該タンパク質は、H-NHaseのα及びβサブユニットであることが確認された。
欠失断片の作製及び活性測定
ロドコッカス属菌体内で誘導的に発現しているH-NHase系は、ストレプトマイセス属菌を宿主とした場合、尿素による誘導の有無に関わらず著量のH-NHaseを発現した。このことから、ストレプトマイセス属菌体内では非誘導時においてもH-NHase遺伝子プロモーターからの転写が起こっていることが示された。そこで、プロモーターの機能発現に必要な最小領域を決定するために、欠失断片を作製し、その活性測定を行った(図4)。
<欠失断片の作製>
pWHM3-JH10は、pHJK19をXba I で制限酵素処理し、その後EcoR Iの部分消化によってニトリルヒドラターゼ遺伝子クラスター(6.5 kb)を切り出した。この断片をE.coli-Streptomyces Shuttle vectorである pWHM3のXba I-EcoR Iサイトへの挿入によって作製した。
pWHM3-JH20は、pHJK19をEcoR I完全消化によって、ニトリルヒドラターゼ遺伝子クラスターよりEcoR I-EcoR I断片を切り出し、pWHM3のEcoR Iサイトへの挿入によって作製した。
pWHM3-JH30は、pWHM3-JH10をAccIIIで完全消化した後、セルフライゲーションによって連結させ作製した。
pWHM3-JH40は、pWHM3-JH10をNco I-Stu Iで制限酵素処理した後、クレノウ処理でNco Iサイトを平滑化し、平滑末端のセルフライゲーションによって連結させ作製した。
pWHM3-JH50は、pHJK19をPst I-EcoR I完全消化によって、ニトリルヒドラターゼ遺伝子クラスターよりPst I-EcoR I断片を切り出し、pWHM3のPst I-EcoR Iサイトへの挿入によって作製した。
その結果、遺伝子クラスターの全長であるpWHM3-JH10及びpWHM3-JH40が無細胞抽出液の50%という著しい量のH-NHase(それぞれ9.67U/mg, 10.1U/mg)を発現した(図4)。
このことから、NhhC及びNhhDの2つのタンパク質が転写に必須の因子であることが示された。
発現ベクターの構築
発現ベクターは、pUC19をベースにし、PCR増幅した制御因子であるNhhC及びNhhDを挿入し、H-NHaseプロモーター領域及びマルチクローニングサイトを順次挿入し、最後にpIJ101由来のrep、ori及びtsri遺伝子を挿入した(図5)。
このベクターはpUC19を基に構築した。具体的には、まず、pWHM3-JH10を鋳型にVsp Iプライマー及びBamH Iプライマーを用いてPCR法にてnhhC, nhhDを増幅した。
PCR条件は、94℃2分の反応後、(94℃30秒 54℃30秒 68℃2分)×30サイクルを行い、その後4℃で保持した。この断片をpUC19のSsp Iサイトに平滑末端のまま挿入し、pSJH15を構築した。
pWHM3-JH10を鋳型にBglIIサイトを持つPro-Fプライマー、NdeIとXbaIサイトを持つPro-Rプライマーを用いてPCR法にてニトリルヒドラターゼのプロモーター領域を増幅した。
PCR条件は、94℃2分の反応後、(94℃30秒 58℃30秒 68℃20秒)×25サイクルを行い、その後 4℃で保持した。この断片をBglII-XbaIで制限酵素処理した後、pSJH15のBamHI-XbaIサイトに挿入してpSJH16を構築した。マルチクローニングサイトは、PCR法にてpIJ486のマルチクローニングサイトを鋳型にNdeIサイトを持つMCS-1プライマー、MCS-2プライマーで増幅した。
PCR条件は94℃2分の反応後、(94℃30秒 54℃30秒 68℃20秒)×25サイクルを行い、その後4℃で保持した。この断片をNdeI-HindIIIで制限酵素処理した後、pSJH16のNdeI-HindIIIサイトに挿入し、pSJH17を構築した。
最後にpIJ486からレプリケーションサイト、オリジン、チオストレプトン耐性遺伝子をPstI-Pst断片として切り出し、pSJH17のマルチクローニングサイト中にあるPstIサイトに挿入し、pSJH18を構築した。
使用したプライマーを以下に示す。
Vsp I:5'-CCCATTAATCCTGTATCTCCAGGCTTCACGTG-3'(配列番号13) Tm=62℃
BamH I:5'-CCCGGATCCCCATGGCGATCCGCGCCAAC-3'(配列番号14) Tm=68℃
Pro-R:5'-GGGTCTAGACATATGCTCATTCCTTTCATCGGAGC-3'(配列番号15) Tm=62℃
Pro-F:5'-GGGAGATCTGAACGAGAACCGGCCGGTAC-3'(配列番号16) Tm=60℃
MCS-1:5'-GGGACTAGTCATATGAGATCTGGGGAATTCGAGCT -3'(配列番号17) Tm=60℃
MCS-2:5'-GGGCAGCTGATGCATAAGCTTGCATGCCTGCAGGT-3'(配列番号18) Tm=62℃
上記の通り構築した発現ベクターpSJH18は、全長約8.7kbであり、選択マーカーとしてアンピシリン耐性遺伝子及びチオストレプトン耐性遺伝子が挿入されている(図6)。マルチクローニングサイトはNdeI、BglII、BamHI及びXbaIサイトが利用可能である。
H型ニトリルヒドラターゼ(H-NHase)発現調節機構を示す模式図である。 大腸菌-ストレプトマイセスシャトルベクターpWHM3を示す図である。 H-NHaseの発現結果を示すSDS-PAGEの図である。 プロモーターの欠失断片の作製の概要を示す図である。 本発明の発現ベクターの構築図である。 発現ベクターpSJH18を示す図である。
配列番号13:プライマー
配列番号14:プライマー
配列番号15:プライマー
配列番号16:プライマー
配列番号17:プライマー
配列番号18:プライマー

Claims (11)

  1. 以下の(a)、(b)又は(c)のDNAからなるH-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーター、以下の(d)又は(e)のタンパク質をコードする遺伝子、以下の(f)又は(g)のタンパク質をコードする遺伝子、及びマルチクローニングサイトを含む、ストレプトマイセス属に属する放線菌により目的遺伝子を発現させるためのベクターであって、下記式:
    Figure 0004531417


    で示される制限酵素地図を有する前記発現ベクター。
    (a) 配列番号2に示す塩基配列からなるDNA
    (b) 配列番号2に示す塩基配列のうち1個若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ、プロモーター活性を有するDNA
    (c) 配列番号2に示す塩基配列に相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、プロモーター活性を有するDNA
    (d) 配列番号4に示すアミノ酸配列からなるタンパク質
    (e) 配列番号4に示すアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、以下の(f)又は(g)のタンパク質の発現を促進するタンパク質
    (f) 配列番号6に示すアミノ酸配列からなるタンパク質
    (g) 配列番号6に示すアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、前記H-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーターの活性を促進するタンパク質
  2. 前記(d)又は(e)のタンパク質をコードする遺伝子が以下の(j)、(k)又は(l)の遺伝子である請求項1に記載の発現ベクター。
    (j) 配列番号3に示す塩基配列からなる遺伝子
    (k) 配列番号3に示す塩基配列のうち1個若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ、前記(f)又は(g)のタンパク質の発現を促進するタンパク質をコードする遺伝子
    (l) 配列番号3に示す塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、前記(f)又は(g)のタンパク質の発現を促進するタンパク質をコードする遺伝子
  3. 前記(f)又は(g)のタンパク質をコードする遺伝子が以下の(m)、(n)又は(o)の遺伝子である請求項1に記載の発現ベクター。
    (m) 配列番号5に示す塩基配列からなる遺伝子
    (n) 配列番号5に示す塩基配列のうち1個若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ、前記H-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーターの活性を促進するタンパク質をコードする遺伝子
    (o) 配列番号5に示す塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、前記H-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーターの活性を促進するタンパク質をコードする遺伝子
  4. 以下の(a)、(b)又は(c)のDNAからなるH-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーター、以下の(d)又は(e)のタンパク質をコードする遺伝子、以下の(f)又は(g)のタンパク質をコードする遺伝子、及び以下の(h)又は(i)のニトリルヒドラターゼタンパク質をコードする遺伝子を含むベクターをストレプトマイセス属に属する放線菌に導入してなる形質転換体。
    (a) 配列番号2に示す塩基配列からなるDNA
    (b) 配列番号2に示す塩基配列のうち1個若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ、プロモーター活性を有するDNA
    (c) 配列番号2に示す塩基配列に相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、プロモーター活性を有するDNA
    (d) 配列番号4に示すアミノ酸配列からなるタンパク質
    (e) 配列番号4に示すアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、以下の(f)又は(g)のタンパク質の発現を促進するタンパク質
    (f) 配列番号6に示すアミノ酸配列からなるタンパク質
    (g) 配列番号6に示すアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、前記H-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーターの活性を促進するタンパク質
    (h) 配列番号8及び10に示すアミノ酸配列からなるニトリルヒドラターゼタンパク質
    (i) 配列番号8及び10に示すアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、H-ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
  5. 前記(d)又は(e)のタンパク質をコードする遺伝子が以下の(j)、(k)又は(l)の遺伝子である請求項4に記載の形質転換体。
    (j) 配列番号3に示す塩基配列からなる遺伝子
    (k) 配列番号3に示す塩基配列のうち1個若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ、前記(f)又は(g)のタンパク質の発現を促進するタンパク質をコードする遺伝子
    (l) 配列番号3に示す塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、前記(f)又は(g)のタンパク質の発現を促進するタンパク質をコードする遺伝子
  6. 前記(f)又は(g)のタンパク質をコードする遺伝子が以下の(m)、(n)又は(o)の遺伝子である請求項4に記載の形質転換体。
    (m) 配列番号5に示す塩基配列からなる遺伝子
    (n) 配列番号5に示す塩基配列のうち1個若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ、前記H-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーターの活性を促進するタンパク質をコードする遺伝子
    (o) 配列番号5に示す塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、前記H-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーターの活性を促進するタンパク質をコードする遺伝子
  7. ニトリルヒドラターゼタンパク質をコードする遺伝子が以下の(p)、(q)又は(r)の遺伝子である請求項4に記載の形質転換体。
    (p) 配列番号7及び9に示す塩基配列からなる遺伝子
    (q) 配列番号7及び9に示す塩基配列のうち1個若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
    (r) 配列番号7及び9に示す塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の発現ベクターに目的遺伝子が導入されたDNA構築物を、ストレプトマイセス属に属する放線菌に導入することを特徴とする、目的遺伝子の発現方法。
  9. 以下の(a)、(b)又は(c)のDNAからなるH-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーター、以下の(d)又は(e)のタンパク質をコードする遺伝子、以下の(f)又は(g)のタンパク質をコードする遺伝子、及び以下の(h)又は(i)のニトリルヒドラターゼタンパク質をコードする遺伝子を含むベクターをストレプトマイセス属に属する放線菌に導入することを特徴とする、H-ニトリルヒドラターゼ遺伝子の発現方法。
    (a) 配列番号2に示す塩基配列からなるDNA
    (b) 配列番号2に示す塩基配列のうち1個若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ、プロモーター活性を有するDNA
    (c) 配列番号2に示す塩基配列に相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、プロモーター活性を有するDNA
    (d) 配列番号4に示すアミノ酸配列からなるタンパク質
    (e) 配列番号4に示すアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、以下の(f)又は(g)のタンパク質の発現を促進するタンパク質
    (f) 配列番号6に示すアミノ酸配列からなるタンパク質
    (g) 配列番号6に示すアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、前記H-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーターの活性を促進するタンパク質
    (h) 配列番号8及び10に示すアミノ酸配列からなるニトリルヒドラターゼタンパク質
    (i) 配列番号8及び10に示すアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、H-ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
  10. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の発現ベクターに目的遺伝子が導入されたDNA構築物をストレプトマイセス属に属する放線菌に導入してなる形質転換体を培養し、得られる培養物から目的遺伝子の発現産物を採取することを特徴とする目的遺伝子産物の生産方法。
  11. 請求項4〜7のいずれか1項に記載の形質転換体を培養し、得られる培養物からH-ニトリルヒドラターゼを採取することを特徴とするH-ニトリルヒドラターゼの生産方法。
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