JP2007053994A - ストレプトマイセス属微生物における遺伝子高発現系 - Google Patents

ストレプトマイセス属微生物における遺伝子高発現系 Download PDF

Info

Publication number
JP2007053994A
JP2007053994A JP2005244690A JP2005244690A JP2007053994A JP 2007053994 A JP2007053994 A JP 2007053994A JP 2005244690 A JP2005244690 A JP 2005244690A JP 2005244690 A JP2005244690 A JP 2005244690A JP 2007053994 A JP2007053994 A JP 2007053994A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gene
vector
terminator
seq
expression
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005244690A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007053994A5 (ja
Inventor
Tatsuhiko Kobayashi
達彦 小林
Yoshiteru Hashimoto
義輝 橋本
Hirotaka Higashihata
啓貴 東端
Hideaki Maseda
英明 間世田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2005244690A priority Critical patent/JP2007053994A/ja
Publication of JP2007053994A publication Critical patent/JP2007053994A/ja
Publication of JP2007053994A5 publication Critical patent/JP2007053994A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

【課題】ストレプトマイセス属に属する微生物における目的遺伝子の高発現系を提供する。
【解決手段】本発明のDNA構築物は、H-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーター又はその変異体、H-ニトリルヒドラターゼ転写調節タンパク質をコードする遺伝子又はその変異体、転写活性化タンパク質をコードする遺伝子又はその変異体、マルチクローニングサイト、及びターミネーター又はその変異体を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ストレプトマイセス属に属する微生物における遺伝子高発現系に関する。
ストレプトマイセス(Streptomyces)属細菌は、抗生物質をはじめとする多様な二次代謝産物を生産する放線菌群として工業的に広く利用されており、極めて重要な菌群である。ストレプトマイセス属細菌での有用物質生産の重要性を鑑みると、上記放線菌において大量発現系の開発が望まれる。しかし、ストレプトマイセス属細菌を利用した発現系はほとんど知られていない。また、知られているものも、発現のコントロールが厳密にできないなど、その有用性は極めて限られる。
本発明者らは、既に放線菌の一種であるロドコッカス・ロドクロウスJ1(FERM BP-1478)由来のタンパク質(H-ニトリルヒドラターゼ)誘導発現系を開発している(非特許文献1参照)。当該発現系は、尿素を誘導剤として培地に添加した場合、無細胞抽出液中の全可溶性タンパク質の50%以上を占めるほどのH-ニトリルヒドラターゼ(ニトリルをアミドに水和する酵素)を大量に発現する。即ち、当該発現系では非常に強力な転写活性を持つ誘導型プロモーターが関与している。
しかしながら、上記知見は、ロドコッカス・ロドクロウスJ1株という一部の放線菌のみについて得られたものであるため、他の属に属する放線菌、特に上記した理由でその重要性が指摘されているストレプトマイセス属細菌においても、同様の発現系を利用できるようにすることが強く望まれている。
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol.93, p.4267-4272 (1996)
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ロドコッカス属で考案されたタンパク質(H-ニトリルヒドラターゼ)の誘導型発現調節機構を利用して、ストレプトマイセス属細菌に用い得る高発現ベクターを開発することを目的とする。ひいては、当該発現系を用いて種々のタンパク質又は生理活性物質の大量生産への応用を最終目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、ロドコッカス・ロドクロウスJ1株由来のニトリルヒドラターゼ遺伝子クラスター、マルチクローニングサイト(MCS)、及びターミネーターを含むDNA断片を、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)等に導入することにより、ロドコッカス属細菌由来の発現系がストレプトマイセス属細菌においても機能することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1) H-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーター又はその変異体、H-ニトリルヒドラターゼ転写調節タンパク質をコードする遺伝子又はその変異体、転写活性化タンパク質をコードする遺伝子又はその変異体、マルチクローニングサイト、及びターミネーター又はその変異体を含むことを特徴とするDNA構築物。
上記DNA構築物としては、例えば、ターミネーターがマルチクローニングサイトの下流に存在するものを挙げることができる。また、当該ターミネーターが、例えば、fdファージ由来のターミネーターであるものを挙げることもできる。
(2) 上記(1)に記載のDNA構築物と宿主菌体内において自律複製に関与するDNAとをそれぞれ機能的に含むことを特徴とするベクター。
上記ベクターとしては、例えば、宿主菌が放線菌であるものを挙げることができる。
(3) 受領番号がFERM AP-20625であるベクター。
(4) 上記(2)又は(3)に記載のベクターで形質転換された形質転換体。
(5) 上記(1)に記載のDNA構築物と宿主菌体内において自律複製に関与するDNAとをそれぞれ機能的に含むベクターを宿主菌に導入することを特徴とする、目的遺伝子又はその変異体の発現方法。
(6) 上記(1)に記載のDNA構築物と宿主菌体内において自律複製に関与するDNAとをそれぞれ機能的に含むベクターが導入された宿主菌を培養し、得られる培養物から目的遺伝子又はその変異体の発現産物を採取することを特徴とする、前記発現産物の生産方法。
本発明により、ロドコッカス属細菌由来のH-ニトリルヒドラターゼ(誘導型)高発現系が、ストレプトマイセス属細菌においても機能することが明らかとなった。従って、本発明の発現系は、各種有用物質の生産菌として工業的に広く利用されている種々の微生物に応用することが可能となる。さらに、マルチクローニングサイトを導入した発現系は、ニトリルヒドラターゼ以外の有用タンパク質の大量発現系を可能にするものであり、抗生物質又は生理活性物質の生産、あるいは有用酵素の生産等を必須とする各分野に極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.本発明の概要
本発明は、(i)ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)のH-ニトリルヒドラターゼ遺伝子のプロモーター、(ii)H-ニトリルヒドラターゼ転写調節タンパク質(以下「制御タンパク質」とも言う)(NhhC)をコードする遺伝子、(iii) 転写活性化タンパク質(NhhD)をコードする遺伝子、(iv)マルチクローニングサイト(MCS)、及び(v)ターミネーターから構成されるDNA構築物を高発現系の基本単位とし、このDNA構築物のMCSに発現目的の遺伝子を連結して、宿主となるストレプトマイセス属細菌に導入することで、発現誘導剤を添加しなくても、目的遺伝子(構造遺伝子)の発現物質を極めて高効率で生産することができる点に特徴を有するものである。上記DNA構築物としては、特に、ターミネーターをMCSの下流に存在させたものが、より一層高効率で生産することが可能となり好ましい。
放線菌は、抗生物質などの様々な生理活性物質の生産菌として知られている。そこで、本発明者は、ストレプトマイセス属細菌において有用性の高い誘導型高発現系の構築を検討した。既に、ニトリル分解性放線菌ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous) J1株(以下「J1株」とも言う)(特公平6-55148号公報)のニトリラーゼ系を利用し、ストレプトマイセス属で機能する誘導型高発現系が開発されている。
本発明は、上記ニトリラーゼ系よりもさらに強力で、極めて著量の目的タンパク質(例えば、H型(高分子量型)ニトリルヒドラターゼ(H-NHase)等)を生成する強力な発現系を提供するものである。
本発明においては、上述のDNA断片を、例えばストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)に導入することにより、目的遺伝子を高発現させることが可能となった。

2.発現用DNA構築物の作製
本発明は、H-NHase遺伝子プロモーター、制御タンパク質NhhCをコードする遺伝子(NhhC遺伝子(nhhCと表示することもある))、転写活性化タンパク質NhhDをコードする遺伝子(NhhD遺伝子(nhhDと表示することもある))、マルチクローニングサイト(MCS)、及びターミネーターを含むDNA構築物に関する。
本発明のDNA構築物は、H-NHase発現調節機構を利用するものである。このH-NHase発現調節機構については、発現目的の遺伝子(ニトリラーゼ構造遺伝子など)の上流域にコードされている制御タンパク質NhhC(nhhCによりコードされる)が転写活性化タンパク質NhhD(nhhDによりコードされる)の発現を制御し、そのNhhDが、H-NHase遺伝子プロモーターからの転写を促進させるという機構が考えられる(図1参照)。本発明では、このH-NHase発現調節機構のうち、H-NHase遺伝子プロモーターと、その転写活性を促進するタンパク質NhhDをコードする遺伝子(nhhD)と、このNhhDの発現を促進する制御タンパク質NhhCをコードする遺伝子(nhhC)を、構成的高発現系モデルの構築のために用いている(図2参照)。
上記発現調節機構を担う遺伝子の塩基配列(GenBank ( HYPERLINK "http://www.ncbi.nlm.nih.gov/" http://www.ncbi.nlm.nih.gov/) Accession number:D67027)を配列番号1に例示する。配列番号1に示す塩基配列には、上述したH-NHase遺伝子プロモーター、NhhC遺伝子、及びNhhD遺伝子が含まれており、さらにH-NHase遺伝子(βサブユニット及びαサブユニット)も含まれている。
上記各遺伝子について、配列番号1に示す全長塩基配列中の位置と塩基配列(配列番号)を以下に示す。
H-NHase遺伝子プロモーター:3994〜4630(配列番号2)
NhhC遺伝子:422〜1507(配列番号3)
NhhD遺伝子:1558〜2004(配列番号5)
(但し、NhhD遺伝子については相補鎖の配列を表示してある。)
H-NHase遺伝子(βサブユニット):4631〜5320(配列番号7)
H-NHase遺伝子(αサブユニット):5334〜5945(配列番号9)
(1) H-NHase遺伝子プロモーター
本発明において用い得るH-NHase遺伝子プロモーターは、H-NHase遺伝子を保有する菌体(後述)から、制限酵素を用いて切り出すことが可能であるが、切り出すために都合の良い制限酵素部位が存在するとは限らない。そこで、適当な制限酵素認識部位を設けたプライマーを設計し、H-NHaseの構造遺伝子の上流領域中の所望のプロモーター領域を鋳型としてPCRにより増幅することにより、本発明において用い得るH-NHase遺伝子プロモーター領域のDNA断片を得ることができる。また、既に判明しているH-NHase遺伝子プロモーター領域を含む領域の塩基配列情報(例えばGenBankのAccession number:D67027)に基づいて、所望のプロモーター領域を化学合成して用いることも可能である。
本発明において用い得るH-NHase遺伝子プロモーター領域の塩基配列としては、例えば、上記配列番号2に示す塩基配列のほか、配列番号12に示す塩基配列を好ましく挙げることができる。なお、配列番号12に示す塩基配列は、配列番号1の塩基配列における第3,197〜4,627番目の塩基からなる配列(1,431bp)である。
ここで、配列番号2に示すプロモーターの塩基配列と、配列番号12に示すプロモーターの塩基配列とを比較すると、配列番号12に示す塩基配列は、その一部(配列番号12に示す塩基配列上の存在位置:798〜1,431)に、配列番号2に示す塩基配列のほぼ全体(配列番号2に示す塩基配列上の存在位置:1〜634)を含むものであって、配列番号2に示す塩基配列の5'側末端にさらに797bpもの塩基が付加された塩基配列となっている。このように、配列番号12に示すプロモーターの塩基配列は、配列番号2に示すプロモーターの塩基配列よりも広い領域を占めるものであるが、この領域全てをプロモーター領域として使用することにより、配列番号2に示す塩基配列からなるプロモーター領域を使用した場合よりも、より強力な発現を達成する(より強い転写活性を発揮する)ことが可能となる。従って、本発明におけるH-NHase遺伝子プロモーターとしては、配列番号12に示す塩基配列からなるプロモーターを使用することが、より一層高効率な発現系を構築するためには好ましい。
本発明におけるH-NHase遺伝子プロモーター配列は、本質的に転写活性を有する配列であれば限定されるものではなく、以下の(a)及び(b)のいずれかの形態のプロモーター(変異体)を含むものである。
(a) 所望のプロモーター領域の塩基配列(例えば、上記配列番号2又は12に示す塩基配列)のうち1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)の塩基が欠失、置換又は付加した変異型プロモーターDNAであって、プロモーター活性を有するDNA。
(b) 所望のプロモーター領域の塩基配列(例えば、上記配列番号2又は12に示す塩基配列)又は上記(a)のDNAの塩基配列に相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、プロモーター活性を有するDNA。
ここで、「プロモーター活性」とは、本発明のプロモーター領域に転写因子が結合し、転写を惹起する活性を意味する。
また、「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイズさせた後の洗浄条件を意味し、例えば、塩(ナトリウム)濃度が150〜900mMであり、温度が55〜75℃、好ましくは塩濃度が600〜900mMであり、温度が60〜70℃での条件をいう。
上記プロモーターへの変異の導入は、Kunkel法や Gapped duplex法等の公知手法により、部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット、例えばTaKaRa Site-Directed Mutagenesis System(Mutan-K、Mutan-Super Express Km等(タカラバイオ社製))、QuikChangeTM Site-Directed Mutagenesis Kit(ストラタジーン社製)、GeneTailorTM Site-Directed Mutagenesis System(インビトロジェン社製)等を用いて行うことができる。
(2) 制御タンパク質NhhC遺伝子
本発明におけるNhhCは、NhhC遺伝子を保有する菌体から、制限酵素を用いて切り出すことが可能であるが、切り出すために都合の良い制限酵素部位が存在するとは限らない。そこで、制限酵素認識部位を設けたプライマーを用い、PCRで所望のNhhC遺伝子領域を増幅することによりNhhC遺伝子のDNA断片を得ることができる。また、既に判明しているNhhC遺伝子の塩基配列情報をもとにして、所望のNhhC遺伝子を化学合成することも可能である。
本発明のNhhC遺伝子の塩基配列を配列番号3に、NhhCのアミノ酸配列を配列番号4に示す。
また、本発明においては、NhhC遺伝子の変異体(変異型遺伝子)を使用することも可能である。
上記NhhC遺伝子の変異型は、以下の(a)〜(c)のいずれかのものを含む。
(a) NhhCのアミノ酸配列(配列番号4)において1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、NhhC活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
(b) NhhC遺伝子の塩基配列(配列番号3)のうち1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)の塩基が欠失、置換又は付加した変異型遺伝子であってNhhC活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
(c) NhhC遺伝子の塩基配列又は上記(a)若しくは(b)の遺伝子の塩基配列に相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、NhhC制御タンパク質としての機能を有するタンパク質をコードする遺伝子
ここで、「NhhC制御タンパク質としての機能」とは、NhhDタンパク質とともにH-NHaseの発現調節に関与することを意味する。
また、「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイズさせた後の洗浄条件を意味し、例えば、塩(ナトリウム)濃度が150〜900mMであり、温度が55〜75℃、好ましくは塩濃度が600〜900mMであり、温度が60〜70℃での条件をいう。
上記NhhC遺伝子への変異の導入は、前記プロモーターの項で説明した方法と同様、部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キットを用いて行うことができる。
(3) 転写活性化タンパク質NhhD遺伝子
本発明におけるNhhDは、NhhD遺伝子を保有する菌体から、制限酵素を用いて切り出すことが可能であるが、切り出すために都合の良い制限酵素部位が存在するとは限らない。そこで、制限酵素認識部位を設けたプライマーを用い、PCRで所望のNhhD遺伝子領域を増幅することによりNhhD遺伝子のDNA断片を得ることができる。また、既に判明しているNhhD遺伝子の塩基配列情報をもとにして、所望のNhhD遺伝子を化学合成することも可能である。
本発明のNhhD遺伝子の塩基配列を配列番号5(相補鎖側)に、NhhDのアミノ酸配列を配列番号6に示す。
また、本発明においては、NhhD遺伝子の変異体(変異型遺伝子)を使用することも可能である。
上記NhhD遺伝子の変異型は、以下の(a)〜(c)のいずれかのものを含む。
(a) NhhDのアミノ酸配列(配列番号6)において1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、NhhD活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
(b) NhhD遺伝子の塩基配列(配列番号5)のうち1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)の塩基が欠失、置換又は付加した変異型遺伝子であってNhhD活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
(c) NhhD遺伝子の塩基配列又は上記(a)若しくは(b)の塩基配列に相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、NhhD転写活性化タンパク質としての機能を有するタンパク質をコードする遺伝子
ここで、「NhhD転写活性化タンパク質としての機能」とは、NhhCタンパク質とともにH-NHaseの発現調節に関与することを意味する。
また、「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイズさせた後の洗浄条件を意味し、例えば、塩(ナトリウム)濃度が150〜900mMであり、温度が55〜75℃、好ましくは塩濃度が600〜900mMであり、温度が60〜70℃での条件をいう。
上記NhhD遺伝子への変異の導入は、前記プロモーターの項で説明した方法と同様、部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キットを用いて行うことができる。
(4) マルチクローニングサイト
本発明のDNA構築物においては、マルチクローニングサイト(MCS)が導入される。MCSは、複数種類の制限酵素サイトをもつDNA断片であり、目的遺伝子をMCSに連結してベクターに挿入するために使用される。本発明においては、次に示す制限酵素サイト(少なくとも1個)を有するMCSを例示することができる。
NdeI、BamHI、HindIII、NheI、SpeI、XbaI
本発明におけるMCSとしては、例えば、配列番号13に示す塩基配列を有するMCSを好ましく例示することができ、この塩基配列は上記6つの制限酵素サイトを全て含むものである。
(5) ターミネーター
本発明のDNA構築物においては、ターミネーター領域を必須とし、当該ターミネーター領域は、上記(4)のMCSの下流に存在させたものであることが好ましい。
このように存在させることにより、H-NHase遺伝子プロモーターからの強力な転写活性が、MCS下流域の他の領域(例えば複製領域など)へ悪影響を及ぼすことを阻止し、DNA構築物の安定化を図ることができる。この安定化効果は、本発明でいう遺伝子高発現系の発現効率の向上に大きく寄与しているものと考えられる。
本発明におけるターミネーター配列は、所望のターミネーター領域を保有する菌体(後述)やファージ等から、制限酵素を用いて切り出すことが可能であるが、切り出すために都合の良い制限酵素部位が存在するとは限らない。そこで、制限酵素認識部位を設けたプライマーを用い、PCRで所望のターミネーター領域を増幅することによりターミネーター領域のDNA断片を得ることができる。また、既に判明しているターミネーター領域の塩基配列情報をもとにして、所望のターミネーター領域を化学合成することも可能である。
本発明に用い得るターミネーターとしては、宿主中で活性を持つものであればいずれの遺伝子に由来するターミネーターを用いてもよく、限定はされないが、例えば、fdファージ由来のターミネーター(fd-ter)、T4ファージ由来のターミネーター(T4-ter)及びT7ファージ由来のターミネーター(T7-ter)等が好ましく挙げられる。中でも、fdファージ由来のターミネーターが、上述した安定化効果がより大きい点で特に好ましい。
配列番号14にfdファージ由来のターミネーターの塩基配列の一例を示す。
本発明におけるターミネーター配列は、本質的に転写終結活性を有する配列であれば限定されるものではなく、以下の(a)及び(b)のいずれかの形態のターミネーター(変異体)を含むものである。
(a) 所望のターミネーター領域の塩基配列(例えば、上記配列番号14に示す塩基配列)のうち1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)の塩基が欠失、置換又は付加した変異型プロモーターDNAであって、ターミネーター活性を有するDNA。
(b) 所望のターミネーター領域の塩基配列(例えば、上記配列番号14に示す塩基配列)又は上記(a)のDNAの塩基配列に相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ターミネーター活性を有するDNA。
ここで、「ターミネーター活性」とは、本発明のターミネーター領域において転写を終結させる活性を意味する。
上記ターミネーター配列への変異の導入は、前記プロモーターの項で説明した方法と同様、部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キットを用いて行うことができる。
(6) その他
本発明のDNA構築物には、所望によりエンハンサーなどのシスエレメント、スプライシングシグナル、選択マーカーなどを連結することができる。
また、本発明のDNA構築物には、上記(5)のターミネーターとは別のターミネーターを連結してもよく、当該ターミネーター領域は、例えば、H-NHase遺伝子プロモーターの上流に存在させることが好ましい。

3.目的構造遺伝子の発現
(1) 組換え発現ベクターの作製
本発明の組換え発現ベクターは、ベクターDNA中に、前記本発明のDNA構築物を機能的に含むものである。ここで、「機能的に」とは、本発明のDNA構築物が発現又は機能するように、という意味であり、後述の宿主に導入したときにそれぞれの遺伝子が発現し得る状態を意味する。
本発明の組換え発現ベクターに、本発明のDNA構築物を連結及び挿入する順序は、上記「機能的」である限り(転写方向が考慮されている限り)限定されるものではなく任意であるが、NhhC遺伝子、NhhD遺伝子、H-NHase遺伝子プロモーター、MCS、ターミネーターの順序で連結されていることが好ましい。発現目的の遺伝子(目的遺伝子)を発現させるには、目的遺伝子をMCSに組み込んで用いればよい。
発現目的の遺伝子(目的遺伝子)に、予めプロモーター及びターミネーターが連結された遺伝子発現カセットを作製しておいて、これを「H-NHase遺伝子プロモーター、MCS、ターミネーター」の代わりにベクターに組み込むことも可能である。
本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞に保持され、当該宿主菌体内において自立複製に関与するものであることが必要である。従って、本発明の組換え発現ベクターは、本発明のDNA構築物と、宿主菌体内において自律複製に関与するDNAとをそれぞれ機能的に含むベクターである。但し、インテグレーションベクターとして用いる場合は、当該宿主菌体内において自立複製に関与しないベクターとすることもできる。
ここで、「自立複製に関与する」とは、宿主菌体内での自立複製を司る機能に関与するという意味であり、この自立複製は、複製起点を含む配列により行われる。
上記自立複製に関与するベクターとしては、例えば、プラスミド DNA、ウイルス、バクテリオファージ、細菌の染色体等が挙げられる。また、ゲノムインテグレーションにより導入するための発現用組換えDNA断片として、PCR法又は化学合成により作製されたものを使用することも可能である。
プラスミド DNAとしては、例えば、放線菌由来のプラスミド(例えば、pIJ486)、大腸菌由来のプラスミド(pBR322、pUC18、pUC19、pUC118、pUC119、pBluescriptなどのColE系プラスミド)、酵母由来のプラスミド(例えば、YEp13, YEp24, YCp50)などが挙げられ、ファージDNAとしてはλファージ(Charon4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11)等が挙げられる。
また本発明の組換え発現ベクターは、所望の宿主内で安定な発現ベクターとして機能し得る。
本発明の組換え発現ベクターとしては、例えば、プラスミドベクター「pHSA81」が好ましく挙げられる(後述する実施例1参照)。なお、上記pHSA81は、平成17(2005)年8月19日付けで、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されたものである(受領番号:FERM AP-20625)。
(2) 目的構造遺伝子
本発明においては、発現目的の構造遺伝子(目的遺伝子)を上記発現ベクターのMCSに組み込んで用いることができる。
目的遺伝子としては、動物由来遺伝子、植物由来遺伝子及び微生物由来遺伝子等から任意に選択することができ、限定はされず、具体的には、ニトリラーゼ遺伝子、ニトリルヒドラターゼ遺伝子(H-NHase遺伝子等)、イソニトリルヒドラターゼ遺伝子、カテコール2,3ジオキシゲナーゼ遺伝子、N-置換ホルムアミド分解酵素遺伝子、アミダーゼ遺伝子、β-ガラクトシダーゼ遺伝子及びコレステロールオキシダーゼ遺伝子等が好ましく例示できる。このうち、ニトリラーゼ遺伝子を用いる場合について以下に詳細に説明する。
ニトリラーゼ構造遺伝子は、ニトリラーゼ酵素活性を有し、ニトリル化合物を加水分解して対応する有機酸とアンモニアを生成させることができる細菌から得ることができる。ニトリラーゼ構造遺伝子を有する上記細菌としては、例えば、以下の微生物が好ましく例示できる。
ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous) J1
ロドコッカス・ロドクロウス NCIMB40757(特公2000-501610号)
ロドコッカス・ロドクロウス NCIMB40833(特公2000-501610号)
コリネバクテリウム(Corynebacterium)属sp. KO-2-4株(特公2002-527106号)
アルカリゲネス・フェカーリス 1650(特公2002-527106号)
アシネトバクター・エスピーAK226(FERM P-08271)(特開2005-176639)
アースロバクター・エスピー NSSC104[FERM BP-5829](特開2003-274933)
アースロバクター・エスピーNSSC204[FERM BP-7662](特開2003-274933)
大腸菌(Escherichia coli)(特表2005-509407)
シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)(特表2005-509407)
ストレプトミセス・ディベルサ(Streptomyces diversa)(特表2005-509407)
ラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)(特表2005-509407)
ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)(特表2005-509407)
ラクトコッカス・クレモリス(Lactococcus cremoris)(特表2005-509407)
枯草菌(Bacillus subtilis)(特表2005-509407)
サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)(特表2005-509407)
シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)(特表2005-509407)
ピキア・パストリス(Pichia pastoris)(特表2005-509407)
クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)(特表2005-509407)
ハンセヌラ・プリモルファ(Hansenula plymorpha)(特表2005-509407)
アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)(特表2005-509407)
上記の各種微生物からのニトリラーゼ遺伝子のクローニングは、公知の任意の手法により行うことができる(Sambrook J., Molecular Cloning, CSHL Press (2001), Methods in Enzymology 194 (1991))。なお、ニトリラーゼの構造遺伝子の塩基配列を配列番号25に、ニトリラーゼのアミノ酸配列を配列番号26に示す。
また、本発明においては、ニトリラーゼ遺伝子の変異体(変異型遺伝子)を使用することも可能である。さらに、ニトリラーゼ遺伝子又はその変異型と他の遺伝子又はその変異型との融合遺伝子を含むベクターを構築しておいて、ニトリラーゼ遺伝子及び他の遺伝子の発現により生産されるポリペプチドが融合タンパク質になるように、両遺伝子を結合させることもできる。本発明において、このような2種類以上の遺伝子を結合させ、発現産物が融合タンパク質になるように構築した遺伝子を「融合遺伝子」という。融合遺伝子を作製するには、一方のDNAを適当な制限酵素で切断し、これに、同じ制限酵素で切断しておいた他方のDNAを、コードされるタンパク質のアミノ酸配列の読み枠がずれないように連結する方法などが採用される。
上記ニトリラーゼ遺伝子の変異型は、以下の(a)〜(c)のいずれかのものを含む。
(a) ニトリラーゼのアミノ酸配列(配列番号26)において1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ニトリラーゼ酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
(b) ニトリラーゼ遺伝子の塩基配列(配列番号25)のうち1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)の塩基が欠失、置換又は付加した変異型遺伝子であってニトリラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
(c)ニトリラーゼ遺伝子の塩基配列又は上記(a)若しくは(b)の遺伝子の塩基配列に相補的な塩基配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ニトリラーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
ここで、「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイズさせた後の洗浄条件を意味し、例えば、塩(ナトリウム)濃度が150〜900mMであり、温度が55〜75℃、好ましくは塩濃度が600〜900mMであり、温度が60〜70℃での条件をいう。
また、「ニトリラーゼ活性」とは、ニトリル基を加水分解してカルボン酸とアンモニアを生成する反応(下記式(I))を触媒する活性を意味する。
R-CN + 2H2O → R-COOH + NH3 (I)
なお、上記触媒活性は、ベンゾニトリルを基質として反応させ生じる安息香酸を定量することにより測定することができる(後述する実施例2参照)。
(3) 形質転換
宿主への発現ベクターの導入(形質転換)は、公知の方法により行うことができる。また、宿主にベクターDNAが導入されたことの確認は、選択マーカー遺伝子(例えばアンピシリン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子及びカナマイシン耐性遺伝子等)を用いて行うことができる。
本発明において使用される宿主は、放線菌であることが好ましい。また放線菌としては、例えばロドコッカス属に属する放線菌以外の以下のものが好ましく挙げられる。中でも、ストレプトマイセス属に属する放線菌がより好ましい。
ストレプトマイセス属に属する放線菌:
ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)(例えばストレプトマイセス・リビダンス TK24株)
ストレプトマイセス・アキヨシエンシス(Streptomyces akiyoshiensis)
ストレプトマイセス・アズレウス(Streptomyces azureus)
ストレプトマイセス・ハワイエンシス(Streptomyces hawaiiensis)
ストレプトマイセス・テンダエ(Streptomyces tendae)
ストレプトマイセス・バージニア(Streptomyces virginiae)
ストレプトマイセス・アマクサエンシス(Streptomyces amakusaensis)
ストレプトマイセス・アンチビオティカス(Streptomyces antibioticus)
ストレプトマイセス・チバエンシス(Streptomyces chibaensis)
ストレプトマイセス・アルバス(Streptomyces albus)
ストレプトマイセス・リンコエンシス(Streptomyces lincolnensis)
ストレプトマイセス・カナマイセティカス(Streptomyces kanamyceticus)
ストレプトマイセス・カスガエンシス(Streptomyces kasugaensis)
ストレプトマイセス・セリカラー(Streptomyces coelicolor)(例えばストレプトマイセス・セリカラー A3(2)株)
ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)
ストレプトマイセス・エバミチリス(Streptomyces avermitilis)(例えばストレプトマイセス・エバミチリス K139株)
ストレプトマイセス・アンボファシエンス(Streptomyces ambofaciens)
ストレプトマイセス・フラディア(Streptomyces fradiae)
ロドコッカス属にもストレプトマイセス属にも属さない放線菌:
コリネバクテリウム属、ノカルディア属に属する放線菌
本発明において「放線菌」とは、1997年にStackebrandtらが16SrDNAの類縁性に基づいて創設したclass Actinobacteria(classは綱)の中のorder Actinomycetales(orderは目)で定義されるものであり、10の亜目、35の科、約110の属、約1000の種を擁する(例えば以下の文献参照:日本放線菌学会編,「放線菌の分類と同定(Identification Manual of Actinomycetes)」,(日本),財団法人 日本学会事務センター刊,2001年2月,p.4-8)。
上記ストレプトマイセス属に属する放線菌やその他の放線菌は、IFOカタログ、ATCCカタログ、JCMカタログ等に掲載されており、当業者は容易に入手することができる。
また、本発明において使用される宿主としては上記放線菌のみならず、放線菌以外の菌(例えば大腸菌、バシラス属菌、シュードモナス属菌、サーマス属菌、アグロバクテリウム属菌等)を使用することもできる。

4.遺伝子発現産物の生産
本発明において、発現産物としての目的タンパク質(ニトリラーゼ等)又はその変異体は、宿主に目的遺伝子(ニトリラーゼ遺伝子等)又はその変異型遺伝子が導入された形質転換体を培養し、その培養物から採取することにより得ることができる。「培養物」とは、培養上清、培養細胞、培養菌体、又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。本発明の形質転換体を培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行うことができる。上記ニトリラーゼ等の発現産物は、上記培養物中に蓄積される。
本発明の形質転換体を培養する培地は、宿主菌が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、グルコース、ガラクトース、フラクトース、スクロース、ラフィノース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が挙げられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩又はその他の含窒素化合物が挙げられる。その他、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー、各種アミノ酸等を用いてもよい。無機物としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が挙げられる。
培養は、通常、振とう培養又は通気攪拌培養などの好気的条件下、10℃〜40℃、好ましくは28℃で12〜120時間行う。pHの調整は、無機又は有機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。
上記培養条件で培養すると、高収率で目的遺伝子の発現産物(ニトリラーゼ等)を生産することができる。
培養後、目的遺伝子の発現産物が菌体内又は細胞内に生産される場合には、ホモジナイザー処理などを施して菌体又は細胞を破砕することにより、当該発現産物を採取することができる。一方、目的遺伝子の発現産物が菌体外又は細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌体又は細胞を除去する。その後、硫安沈澱による抽出等により前記培養物中から当該発現産物を採取し、必要に応じてさらに各種クロマトグラフィー等を用いて単離精製する。
また本発明においては、生細胞を全く使用することなく反応を人工容器内で進行させる無細胞タンパク質合成法を採用することも可能である。
DNA上に暗号化された遺伝情報は、転写によりmRNAとなり、さらに翻訳されてタンパク質に変換される。人工容器内でこの転写・翻訳過程を再現してタンパク質を合成するためには、リボソーム、tRNA、各種タンパク質因子など、翻訳因子群を安定化し、目的に応じてmRNAを生産するシステムを構築することが必要である。このシステムを構築するため、本発明においては、例えば小麦胚芽を選択することができる。小麦胚芽には、種子が発芽してタンパク質合成を行なうための翻訳因子群が保存されている点で好ましい。
なお、無細胞タンパク質合成は、市販のキットを用いて行うこともできる。そのようなキットとしては、例えば試薬キットPROTEIOSTM(東洋紡)、合成装置のPG-MateTM(東洋紡)などが挙げられる。
遺伝子発現産物(ニトリラーゼ等)が単離精製されたことの確認は、例えばSDS-PAGE等により、また活性の測定は、例えばHPLC等により行うことが可能である。

以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
pHSA81の構築
図3A、3B及び3Cに示す手順(1)〜(6)に沿って、組換え発現ベクター「pHSA81」(プラスミドベクター)を構築した。pHSA81の構築の具体的な操作内容について、以下に順を追って説明する。
(1) pSJH97の構築 (図3A参照)
まず、pHJK20(Komeda, H. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol.93, p.4267-4272 (1996) 参照)が保持する「nhhC、nhhD及びH-NHaseプロモーター」を含む領域の塩基配列を鋳型として、StuIサイトを付加したプライマー(35mer):
5'-CCCATTAATAGGCCTGTATCTCCAGGCTTCACGTG-3'(配列番号15)
と、NdeIサイトを付加したプライマー(35mer):
5'-GGGTCTAGACATATGCTCATTCCTTTCATCGGAGC-3'(配列番号16)
とを用いてPCRを行い、増幅した断片をNdeIで切断後、PvuIIとNdeIで切断したpUC19にH-NHaseプロモーターとアンピシリン耐性遺伝子(bla)が同方向になるように挿入し、pSJH97を構築した。
なお、上記PCR条件は、解離:94℃(30sec)→アニーリング:58℃(30sec)→合成:68℃(240sec)を1サイクルとして計25サイクル行った。
(2) pSJH98の構築 (図3A参照)
別途、pIJ487(Ward, M. J. et al., Molecular & General Genetics, vol.203, p.468-478 (1986) 参照)が保持するマルチクローニングサイト(以下MCS)を含む領域の塩基配列を鋳型として、NdeIサイトを付加したプライマー(35mer):
5'-GGGACTAGTCATATGAGATCTGGGGAATTCGAGCT-3'(配列番号17)
と、HindIIIサイトを付加したプライマー(35mer):
5'-GGGCAGCTGATGCATAAGCTTGCATGCCTGCAGGT-3'(配列番号18)
とでPCRを行い、増幅した断片をNdeIで切断後、NdeIとSspIで切断したpSJH97(上記(1)で得られたプラスミド)に(H-NHaseプロモーターの転写方向に対し、NdeIがHindIIIよりも上流に来る向きで)挿入し、pSJH98を構築した。
なお、上記PCR条件は、解離:94℃(30sec)→アニーリング:58℃(30sec)→合成:68℃(30sec)を1サイクルとして計25サイクル行った。
(3) pSJH99の構築 (図3A,3B参照)
別途、pIJ487(上掲)が保持するfd-ter(fdファージ由来のターミネーター)を含む領域の塩基配列を鋳型として、XbaIサイトを付加したプライマー(29mer):
5'-GGGTCTAGATCCCCGCAAAAGCGGCCTTT-3':(配列番号19)
と、HindIIIサイトを付加したプライマー(29mer):
5'-GGGAAGCTTTCTAAAGTTTTGTCGTCTTT-3'(配列番号20)
とでPCRを行い、増幅した断片をXbaIとHindIIIで切断後、XbaIとHindIIIで切断したpSJH98(上記(2)で得られたプラスミド)に挿入し、pSJH99を構築した。
なお、上記PCR条件は、解離:94℃(30sec)→アニーリング:58℃(30sec)→合成:68℃(45sec)を1サイクルとして計25サイクル行った。
(4) pSJH28の構築 (図3B参照)
上記(3)で得られたpSJH99をStuIとHindIIIで切断した大断片(=nhhC、nhhD、H-NHaseプロモーター、MCS、fd-terを有する断片)の末端を平滑化処理したものと、pIJ487ΔNde(pIJ487をNdeIで切断し、平滑化及びセルフライゲーションによりpIJ487のNdeIサイトを潰したプラスミド)をPstIで切断して得られる放線菌でのプラスミド複製領域とチオストレプトン耐性遺伝子(tsr)とを有する断片の両末端を平滑化処理したものとを、nhhCとtsrが同方向になるように連結し、pSJH28を構築した。
(5) pSJH281の構築 (図3B参照)
別途、pNJ10(Kobayashi, M. et al., Journal of Biological Chemistry, vol.267, p.20746-20751 (1992) 参照)が保持するニトリラーゼ遺伝子(nitA)の内部配列を鋳型として、
NdeI及びBamHIサイトを付加したプライマー(71mer):
5'-GGGCATATGCACGAGCGAGCTATCGCAAACGACAAGGCAGTCTGAGGATCCGCGGTTGCTCGATGCCGCCC-3'
(配列番号21)
と、XbaI、SpeI、NheI、HindIII及びBamHIサイトを付加したプライマー(53mer):
5'-GGGTCTAGA ACTAGT GCTAGC AAGCTT GGATCCGTCCGGCCCGATGATCCGCG-3'
(配列番号22)
とでPCRを行い、増幅した断片をNdeIとXbaIで切断後、NdeIとXbaIで切断したpSJH28(上記(4)で得られたプラスミド)に挿入し、pSJH281を構築した。
なお、上記PCR条件は、解離:94℃(30sec)→アニーリング:58℃(30sec)→合成:68℃(60sec)を1サイクルとして計25サイクル行った。
(6) pHSA81の構築(図3B,3C参照)
上記(5)で得られたpSJH281をBamHIにより切断し、得られた大断片(=nhhC、nhhD、H-NHaseプロモーター、MCS、fd-ter、放線菌プラスミド複製領域、tsrを有する断片)をセルフラーゲーションにより連結して、pHSA81を得た。pHSA81における高発現系のモデルは図2に示すとおりである。
ここで、得られた発現ベクターpHSA81の全塩基配列のうちpIJ487(上掲)に由来しない部分の塩基配列を「JHシステム」と命名し、その塩基配列(4,108bp)を配列番号11に示す。この配列番号11の塩基配列には、図3Cに示すpHSA81の構成からも分かるように、NhhC遺伝子(nhhC)、NhhD遺伝子(nhhD)、H-NHase遺伝子プロモーター(PH-NHase)、マルチクローニングサイト(MCS)、及びfdファージ由来のターミネーター(fd-ter)が含まれている。
上記各遺伝子について、配列番号11に示される「JHシステム」の塩基配列中の存在位置と塩基配列(配列番号)を以下に示す。
nhhC:417〜1,502 (配列番号3)
nhhD:1,553〜1,999 (配列番号5)
(但し、nhhDについては相補鎖の配列を表示してある。)
PH-NHase:2,268〜3,698 (配列番号12)
MCS:3,699〜3,770 (配列番号13)
fd-ter:3,771〜4,103 (配列番号14)
得られた発現ベクターpHSA81は、平成17(2005)年8月19日付けで、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されている(受領番号:FERM AP-20625)。
pHSA81の機能性確認
実施例1で構築した発現ベクターpHSA81の機能性を、以下の手順で確認した。
まず、pNJ10(上掲)が保持するニトリラーゼ遺伝子(nitA)を含む領域の塩基配列を鋳型とし、NdeIサイトを付加したプライマー(26mer):
5'-GGGCATATGGTCGAATACACAAACAC-3'(配列番号23)
と、XbaIサイトを付加したプライマー(29mer):
5'-GGGTCTAGATCAGATGGAGGCTGTCGCCC-3'(配列番号24)
とでPCRを行い、増幅した断片をNdeIとXbaIで切断後、pHSA81のMCS中のNdeIとXbaIに連結し、ニトリラーゼ遺伝子をレポーター遺伝子とする発現ベクターnitA::pHSA81を構築した(図示なし)。
なお、上記PCR条件は、解離:94℃(30sec)→アニーリング:58℃(30sec)→合成:68℃(60sec)を1サイクルとして計25サイクル行った。
次いで、以下のように、放線菌ストレプトマイセス・リビダンスTK24株へ導入し、得られた形質転換体についてYEME培地にて振とう培養を行い、ニトリラーゼの発現を調べた。
プラスミドnitA::pHSA81を、ストレプトマイセス属放線菌の一種であるストレプトマイセス・リビダンス(S. lividans)TK24株に導入して形質転換を行った。形質転換は、“Genetic manipulation of Streptomyces: a laboratory manual.”に記載の方法(プロトプラストポリエチレングリコール融合法)に準じて行った。得られた形質転換体を、YEME培地(酵母エキス0.3%、バクトペプトン0.5%、麦芽エキス0.3%、グルコース1%、スクロース34%、MgCl2 5mM、グリシン0.5%)に植菌し28℃で120時間振とう培養した。
培養後、遠心分離により集菌した菌体は、10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)で洗浄して、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)に懸濁した。超音波破砕で菌体を破砕し、遠心分離した上清(無細胞抽出液)を用いてSDS-PAGEを行い、ニトリラーゼの発現を確認した。SDS-PAGEの結果を図4に示した。
さらに、ニトリラーゼの活性測定を、以下のように行った。適当に水で希釈した無細胞抽出液0.25mLに100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)を0.25mL、12mMのベンゾニトリルを0.5mLそれぞれ加え、25℃にて10分間反応後、1N HClを0.2mL加えることにより反応を停止させた。酵素反応により生成した安息香酸をHPLCにより分析した。1分間に1μmolの安息香酸を生成する酵素量を1unitとした。
安息香酸を指標にして活性測定を行った結果、ニトリラーゼ活性は3.38U/mgであった。この値は、PnitA-NitR系(Herai, S. et al., "Hyper-inducible expression system for streptomycetes", Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol.101, p.14031-14035 (2004) 参照)を用いてニトリラーゼを発現させた場合(2.98U/mg)よりも高い比活性を示していた。
以上の結果、SDS-PAGE上において過剰に発現しているバンドが確認でき、かつ、顕著なニトリラーゼ活性が検出できたことから、本発明のベクターpHSA81が、構成的高発現ベクターとして十分に機能し得るものであることが明らかとなった。
H型ニトリルヒドラターゼ(H-NHase)発現調節機構を示す模式図である。 図1の発現調節機構のポイントをさらにモデル化した模式図である。 本発明の一実施例である発現ベクターpHSA81の構築手順を示す模式図である。 本発明の一実施例である発現ベクターpHSA81の構築手順を示す模式図である。 本発明の一実施例である発現ベクターpHSA81の構築手順を示す模式図である。 ニトリラーゼ遺伝子(nitA)の発現結果を示すSDS-PAGEの写真である。
配列番号11:pHSA81のJHシステム
配列番号13:マルチクローニングサイト(MCS)
配列番号15:プライマー
配列番号16:プライマー
配列番号17:プライマー
配列番号18:プライマー
配列番号19:プライマー
配列番号20:プライマー
配列番号21:プライマー
配列番号22:プライマー
配列番号23:プライマー
配列番号24:プライマー

Claims (9)

  1. H-ニトリルヒドラターゼ遺伝子プロモーター又はその変異体、H-ニトリルヒドラターゼ転写調節タンパク質をコードする遺伝子又はその変異体、転写活性化タンパク質をコードする遺伝子又はその変異体、マルチクローニングサイト、及びターミネーター又はその変異体を含むことを特徴とするDNA構築物。
  2. ターミネーターがマルチクローニングサイトの下流に存在するものである、請求項1に記載のDNA構築物。
  3. ターミネーターがfdファージ由来のターミネーターである、請求項1又は2に記載のDNA構築物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のDNA構築物と宿主菌体内において自律複製に関与するDNAとをそれぞれ機能的に含むことを特徴とするベクター。
  5. 宿主菌が放線菌である、請求項4に記載のベクター。
  6. 受領番号がFERM AP-20625であるベクター。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項に記載のベクターで形質転換された形質転換体。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のDNA構築物と宿主菌体内において自律複製に関与するDNAとをそれぞれ機能的に含むベクターを宿主菌に導入することを特徴とする、目的遺伝子又はその変異体の発現方法。
  9. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のDNA構築物と宿主菌体内において自律複製に関与するDNAとをそれぞれ機能的に含むベクターが導入された宿主菌を培養し、得られる培養物から目的遺伝子又はその変異体の発現産物を採取することを特徴とする、前記発現産物の生産方法。

JP2005244690A 2005-08-25 2005-08-25 ストレプトマイセス属微生物における遺伝子高発現系 Pending JP2007053994A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005244690A JP2007053994A (ja) 2005-08-25 2005-08-25 ストレプトマイセス属微生物における遺伝子高発現系

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005244690A JP2007053994A (ja) 2005-08-25 2005-08-25 ストレプトマイセス属微生物における遺伝子高発現系

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007053994A true JP2007053994A (ja) 2007-03-08
JP2007053994A5 JP2007053994A5 (ja) 2008-10-02

Family

ID=37918033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005244690A Pending JP2007053994A (ja) 2005-08-25 2005-08-25 ストレプトマイセス属微生物における遺伝子高発現系

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007053994A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014157492A1 (ja) 2013-03-27 2014-10-02 本田技研工業株式会社 耐熱性セロビオハイドロラーゼ
JP2016054652A (ja) * 2014-09-05 2016-04-21 国立大学法人 筑波大学 ロドコッカス属微生物用構成型発現ベクター
US9580702B2 (en) 2014-03-13 2017-02-28 Honda Motor Co., Ltd. Thermostable cellobiohydrolase and amino acid substituted variant thereof
JP2018011518A (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 国立大学法人 筑波大学 ストレプトマイセス属微生物用ベクター
JP2018011519A (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 国立大学法人 筑波大学 ストレプトマイセス属微生物用ベクター

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0898692A (ja) * 1994-10-03 1996-04-16 Akira Shimizu ニトリルヒドラターゼ遺伝子発現のための調節遺伝子
JPH09264A (ja) * 1995-06-22 1997-01-07 Akira Shimizu ニトリルヒドラターゼ遺伝子発現を調節する遺伝子

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0898692A (ja) * 1994-10-03 1996-04-16 Akira Shimizu ニトリルヒドラターゼ遺伝子発現のための調節遺伝子
JPH09264A (ja) * 1995-06-22 1997-01-07 Akira Shimizu ニトリルヒドラターゼ遺伝子発現を調節する遺伝子

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014157492A1 (ja) 2013-03-27 2014-10-02 本田技研工業株式会社 耐熱性セロビオハイドロラーゼ
US9963692B2 (en) 2013-03-27 2018-05-08 Honda Motor Co., Ltd. Thermostable cellobiohydrolase
US9580702B2 (en) 2014-03-13 2017-02-28 Honda Motor Co., Ltd. Thermostable cellobiohydrolase and amino acid substituted variant thereof
JP2016054652A (ja) * 2014-09-05 2016-04-21 国立大学法人 筑波大学 ロドコッカス属微生物用構成型発現ベクター
JP2018011518A (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 国立大学法人 筑波大学 ストレプトマイセス属微生物用ベクター
JP2018011519A (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 国立大学法人 筑波大学 ストレプトマイセス属微生物用ベクター
JP2021100434A (ja) * 2016-07-19 2021-07-08 国立大学法人 筑波大学 ストレプトマイセス属微生物用ベクター

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008530978A (ja) 4−ハイドロキシ−l−イソロイシン又はその塩の製造法
Zhang et al. Enhanced l-ornithine production by systematic manipulation of l-ornithine metabolism in engineered Corynebacterium glutamicum S9114
Park et al. Production of D− Amino Acid Using Whole Cells of Recombinant Escherichiacoli with Separately and Coexpressed D− Hydantoinase and N‐Carbamoylase
Liu et al. Food-grade expression of an iron-containing acid urease in Bacillus subtilis
JP2003511067A (ja) 高い収量のタンパク質発現系および方法
EP3880835A1 (en) Improved production of riboflavin
JP2007053994A (ja) ストレプトマイセス属微生物における遺伝子高発現系
Hanson et al. Enzymatic preparation of a D-amino acid from a racemic amino acid or keto acid
CN111485008A (zh) 顺式-5-羟基-l-六氢吡啶甲酸的生物学制备方法
JP6439220B2 (ja) 補酵素の製造方法及び補酵素製造用形質転換体セット
JP3408737B2 (ja) ニトリルヒドラターゼの活性化に関与するタンパク質及びそれをコードする遺伝子
JP5297656B2 (ja) 新規枯草菌変異株及びタンパク質の製造方法
JP4531417B2 (ja) ストレプトマイセス属微生物における遺伝子高発現系
EP1275723B1 (en) Recombinant D-hydantoin hydrolases and N-carbamyl-D-amino acid hydrolases, and DNA encoding them; uses thereof for producing D-amino acids
JP4216719B2 (ja) ハロゲン化合物耐性新規ギ酸脱水素酵素及びその製造方法
EP1174499B1 (en) Novel amidase gene
Wang et al. Redirecting carbon flux through pgi-deficient and heterologous transhydrogenase toward efficient succinate production in Corynebacterium glutamicum
CN106795511B (zh) 氧化酶、编码该酶的多核苷酸、以及它们的应用
Lee et al. Mass production of thermostable D‐hydantoinase by batch culture of recombinant Escherichia coli with a constitutive expression system
JP4287144B2 (ja) 新規ギ酸脱水素酵素及びその製造方法
WO2004053111A1 (ja) 外来遺伝子高発現大腸菌株の選択方法、その方法により選択される大腸菌変異株及びそれを用いる酵素及び化合物の製造方法
US20050227325A1 (en) Recombinant polynucleotide
JP5183265B2 (ja) 遺伝子高発現系
JP4586149B2 (ja) プロモーターおよびその活性化方法
JP4116349B2 (ja) 補酵素依存型を改変したギ酸脱水素酵素

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080819

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111025