図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラの上面図である。デジタルカメラは、概略、撮像装置TLと、本体BDとを備える。
本体BDは、被写体を撮影する際に撮影者により支持される筐体である。本体BDは、シャッターボタン64と、シャッタースピード設定ダイヤル65とを含む。シャッターボタン64と、シャッタースピード設定ダイヤル65とは、本体BDの上面の右側に設けられている。
シャッタースピード設定ダイヤル65は、回転操作することにより、シャッタースピードの設定を行う操作部材である。また、シャッタースピード設定ダイヤル65は、シャッタースピードが自動設定されるオートの位置を有する。
また、本体BDは、液晶モニタLCDと、スピーカSPとを含む。液晶モニタLCDと、スピーカSPとは、本体BDの撮影者側の面に設けられている。液晶モニタLCD及びスピーカSPの作用については後述する。
撮像装置TLは、レンズ鏡筒46と、撮像センサー16とを含む。レンズ鏡筒46は、内部に後述する撮影光学系Lを保持する。撮像センサー16は、CCDである。撮像センサー16は、撮影光学系Lが形成する光学的な像を電気的な画像信号に変換する。
なお、実施形態のすべての説明において、撮影光学系Lの光軸AXを基準に座標系を定める。すなわち、撮影光学系Lの光軸AXに平行な方向をz方向とし、このz方向に垂直で図1の上面図に平行な面に含まれる方向をx方向とする。また、z方向及びx方向の両方向に垂直な方向をy方向とする。このxyz座標系は、3次元直交座標系である。
レンズ鏡筒46は、最も被写体側に、フィルタマウント29を持つ。レンズ鏡筒46は、フィルタマウント29から本体BD側へ(z軸の負の方向)向けて順に、ズームリング26と、フォーカスリング32と、絞りリング40とを有する。ズームリング26と、フォーカスリング32と、絞りリング40とは、いずれも円筒状の回転操作部材であり、レンズ鏡筒46の外周面において回転可能に配置されている。
フォーカスリング32は、フォーカスモード切り換えボタン37を有する。フォーカスモード切り換えボタン37は、フォーカスリング32に一体的に設けられた押しボタンスイッチである。絞りリング40は、絞り切り換えボタン43を有する。絞り切り換えボタン43は、絞りリング40に一体的に設けられた押しボタンスイッチである。レンズ鏡筒46は、フォーカスリング32及び絞りリング40の回転操作による現在位置を示す指標33と、ズームリング26の回転操作による現在位置を示す指標33とを表示している。フィルタマウント29と、ズームリング26と、フォーカスリング32と、絞りリング40等の動作及び構造については、さらに後述する。
図2は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラの撮影光学系の構成図である。実施形態のデジタルカメラの撮影光学系Lは、撮影倍率が変更可能なズームレンズ系である。図2(a)は、撮影光学系Lの広角端(最短焦点距離状態)の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図を示す。図2(b)は、撮影光学系Lの望遠端(最長焦点距離状態)の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図を示す。
撮影光学系Lは、被写体側から像側へ(z軸の負の方向へ)向けて順に、第1レンズ群L1と、第2レンズ群L2と、第3レンズ群L3と、第4レンズ群L4と、第5レンズ群L5とを含む。なお、第5レンズ群L5の像側にある直線は、撮影光学系Lが形成する光学的な像の像面の位置である。
図中付された矢印は、第2乃至第5レンズ群の広角端から望遠端へのズーミングの際の移動軌跡を表す。また、第5レンズ群L5の移動軌跡において、無限大記号が付された矢印は、物体距離が無限遠の合焦状態の移動軌跡を示す。同様に、0.3mの文字が付された矢印は、物体距離が0.3mの合焦状態の移動軌跡を、0.6mの文字が付された矢印は、物体距離が0.6mの合焦状態の移動軌跡をそれぞれ示す。
各レンズ群のうち、第1レンズ群L1と、第2レンズ群L2と、第3レンズ群L3と、第4レンズ群L4とは、主としてズーミングを担当するズームレンズ群である。また、第5レンズ群L5は、主としてズーミングによる像面位置の光軸AXに平行な方向への移動とフォーカシングを担当するフォーカスレンズ群である。そして、第1乃至第5レンズ群が協働して、被写体の光学的な像を形成する。
第1レンズ群L1は、2枚のレンズ素子を接合した接合レンズ素子1枚からなる。第1レンズ群L1は、広角端から望遠端へのズーミングの際、像面の位置に対して移動しない。第2レンズ群L2は、1枚のレンズ素子からなる。第2レンズ群L2は、広角端から望遠端へのズーミングの際、像側に凸の移動軌跡に従いながら光軸AXに沿って移動する。第3レンズ群L3は、4枚のレンズ素子からなる。第3レンズ群L3は、広角端から望遠端へのズーミングの際、わずかに像側に凸の像側に向かう移動軌跡に従いながら光軸AXに沿って移動する。第4レンズ群L4は、2枚のレンズ素子を接合した接合レンズを2枚含み、2枚の接合レンズと1枚の単レンズとからなる。第4レンズ群L4は、広角端から望遠端へのズーミングの際、わずかに像側に凸の像側に向かう移動軌跡に従いながら光軸AXに沿って移動する。第5レンズ群L5は、1枚の単レンズ素子からなる。第5レンズ群L5は、広角端から望遠端へのズーミングの際、ほぼ単調に被写体側に向かう移動軌跡に従いながら光軸AXに沿って移動する。
第5レンズ群L5は、物体距離が近くなるほど被写体側への移動量が大きくなる。すなわち、任意の焦点距離において、物体距離が無限遠の合焦状態から近接側の合焦状態へフォーカシング調整を行う場合、第5レンズ群L5は被写体側へ移動する。
図3は、本発明の実施形態に係る撮像装置TLの断面図である。図3は、光軸を含むyz平面に平行な面により、撮像装置TLを切断した断面図である。図3は、レンズ鏡筒46の撮影光学系Lが広角端にあるときの断面図である。
レンズ鏡筒46は、概略、撮影光学系Lを保持するレンズユニット2と、フィルタマウント29と、リングユニット25とから構成される。図4は、本発明の実施形態に係るレンズユニットの分解斜視図である。図3及び図4において、レンズユニット2は、概略、第1レンズ群固定枠3と、3本のガイドポール4a,4b,4cと、マスターフランジ5と、第2レンズ移動枠6と、リングワッシャ23と、カム筒7と、第3レンズ移動枠9と、絞り装置22と、第4レンズ移動枠11と、第5レンズ移動枠13とを含む。
第1レンズ群固定枠3は、円筒状を有し、光軸AXの被写体側の方向(z軸の正の方向に第1レンズ群L1を固定する。第1レンズ群固定枠3は、z軸に平行な3本のガイドポール4a,4b,4cの一端を保持する。第1レンズ群固定枠3は、円筒の第1レンズ群L1が固定されていない部分に外周面に沿って所定の中心角に対応して形成された長穴の開口部3bを有する。
第1レンズ群固定枠3は、外周面に、ズームリニアセンサ21を固定する。第1レンズ群固定枠3は、ズームリニアセンサ21に対応する位置に、光軸AXに平行な方向に形成された長穴の開口部3aを有する。ズームリニアセンサ21の詳細な構造については、後述する。
第1レンズ群固定枠3は、外周面に外周方向に突出して形成された、リブ3cと、リブ3dと、リブ3eと、リブ3fとを有する。各リブは、外周面の所定位置に形成されており、後述するフィルタマウント及びリングユニットの位置決めの基準となる。
マスターフランジ5は、光軸AXに垂直な面と、光軸AXに平行に延びた円筒部とを有する。マスターフランジ5は、円筒部に3本のガイドポール4a,4b,4cの他端を保持する。マスターフランジ5は、光軸AXに垂直な面に長方形の開口を有しており、この開口部分に、撮像センサー16が固定される。なお、撮像センサー16は、受光部の被写体側に、ローパスフィルタ16bが挟まれて固定される。
また、マスターフランジ5は、y方向の負方向の底部に、フォーカスモータ15を固定する。フォーカスモータ15は、光軸AXに平行なz軸の正方向に延びた回転軸を持つ。フォーカスモータ15は、回転軸に送りネジ15aが形成されている。
第2レンズ移動枠6は、第2レンズ群L2を保持する。第2レンズ移動枠6は、外周部近傍に、貫通孔である回り止め部6bと光軸AXに平行な方向に延びた貫通孔である軸受け部6aとを有する。ガイドポール4bは、軸受け部6aを貫通する。ガイドポール4aは、回り止め部6bを貫通する。
ガイドポール4bと軸受け部6aとは、所定の嵌め合い精度で結合する。ガイドポール4bと軸受け部6aとにより、第2レンズ移動枠6は、光軸AXに対する姿勢を維持してz軸に平行な方向に移動可能に支持される。また、第2レンズ移動枠6は、ガイドポール4aが回り止め部6bに貫通されることにより、z軸に垂直なxy面に平行な面内の回転自由度が規制される。
第2レンズ移動枠6は、外周方向に突き出たカムピン8を有する。カムピン8は、第2レンズ移動枠6の外周面の所定位置にネジにより固定されている。
第3レンズ移動枠9は、第3レンズ群L3を保持する。第3レンズ移動枠9は、外周部近傍に、貫通孔である回り止め部9b及び光軸AXに平行な方向に延びた貫通孔である軸受け部9aとを有する。ガイドポール4cは、軸受け部9aを貫通する。ガイドポール4aは、回り止め部9bを貫通する。
軸受け部9aとガイドポール4cとは、所定の嵌め合い精度で結合する。第3レンズ移動枠9は、軸受け部9aとガイドポール4cとにより、光軸AXに対する姿勢を維持してz軸に平行な方向に移動可能に支持される。また、第3レンズ移動枠9は、ガイドポール4aが回り止め部9bに貫通されることにより、z軸に垂直なxy面に平行な面内の回転自由度が規制される。
第3レンズ移動枠9は、軸受け部9aの位置に外周方向に突き出たカムピン10を有する。カムピン10は、第3レンズ移動枠9の外周面に光軸AXに垂直な方向からネジにより固定されている。
図5は、本発明に係るレンズ鏡筒の第3レンズ移動枠の軸受け部付近の部分断面図である。図5において、第3レンズ移動枠9のカムピン10は、先端に嵌合穴10aを有している。なお、図5では、カム筒7は説明を簡単にするため、省略している。
嵌合穴10aには、ズームリニアセンサ21の摺動子21aが挿入されている。嵌合穴10aは外周面からみて円形断面を有する。摺動子21aは、光軸AXに平行な方向(z軸の方向)に延びた長方形断面を有する。摺動子21aは、嵌合穴10aの内部でガタなく挿入される。
図6(a)は、本発明の実施形態のレンズ鏡筒のズームリニアセンサの回路図である。また、図6(b)は、本発明の実施形態のレンズ鏡筒のズームリニアセンサの出力を表すグラフである。ズームリニアセンサ21は、可変抵抗器である。ズームリニアセンサ21は、第1端子と第3端子との間に所定の電圧を印可した状態で摺動子21aを図示しない磁気抵抗体上をスライドさせると、端子2から出力する出力値が変化する。図6(b)からわかるように、摺動子21aの移動ストロークと第2端子の出力とは、1次関数の関係にある。
第3レンズ移動枠9が光軸AXに平行な方向(z軸の方向)に移動すると、カムピン10に挿入された摺動子21aが光軸AXに平行な方向(z軸の方向)に移動する。摺動子21aが移動すると、ズームリニアセンサ21の第2端子からの出力に基づいて、第3レンズ移動枠9の移動を検出することができる。第3レンズ群L3は、図2を用いて説明したように、広角端から望遠端へのズーミングに際して像側へ移動する。このため。ズームリニアセンサ21が第3レンズ移動枠9の移動を検出することにより、撮影光学系Lの焦点距離を検出することができる。
第4レンズ移動枠11は、第4レンズ群L4を保持する。第4レンズ移動枠11は、中心に第4レンズ群L4を保持するための円筒部を持ち、他部分は光軸AXに垂直な円板状である。第4レンズ移動枠11は、円板の所定位置に貫通孔である軸受け部11aと回り止め部11bとを有する。ガイドポール4aは、軸受け部11aを貫通する。ガイドポール4bは、回り止め部11bを貫通する。このため、第4レンズ移動枠11は、z軸まわりの回転自由度が規制された状態でz軸に平行な方向に移動可能に支持される。
第4レンズ移動枠11は、軸受け部11aの位置に外周方向に突き出たカムピン12を有する。カムピン12は、第4レンズ移動枠11の外周面にネジにより固定されている。このように、本実施形態のレンズ鏡筒46は、第2レンズ移動枠6と、第4レンズ移動枠11と、第5レンズ移動枠13とに形成された各軸受け部にガイドポール4bを貫通させている。一方、本実施形態のレンズ鏡筒46は、第3レンズ移動枠9に形成された軸受け部9aにガイドポール4cを貫通させている。
第5レンズ移動枠13は、第5レンズ群L5を保持する。第5レンズ移動枠13は、中心に第5レンズ群L5を保持するための円筒部を持ち、他部分は円板状である。第5レンズ移動枠13は、円板の所定位置に貫通孔である軸受け部13aと回り止め部13bとを有する。ガイドポール4aは、軸受け部13aを貫通する。ガイドポール4bは、回り止め部13bを貫通する。このため、第5レンズ移動枠13は、z軸まわりの回転自由度が規制された状態でz軸に平行な方向に移動可能に支持される。
第5レンズ移動枠13は、軸受け部13aからy方向の負の方向に延びたラック支持部14を有する。ラック支持部14は、先端に光軸AXに平行な方向(z軸の方向)に形成されたラック14aを持つ。ラック14aは、前述したフォーカスモータ15の送りネジ15aに噛み合っている。
フォーカスモータ15は、入力される駆動信号に基づいて回転する。フォーカスモータ15が回転すると、送りネジ15a及びラック14aにより回転運動が光軸AXに平行な方向(z軸の方向)の直線運動に変換される。直線運動に変換された結果、第5レンズ移動枠13が移動する。
ところで、各レンズ移動枠に形成された各軸受け部は、各レンズ移動枠が光軸AXに平行な方向に移動する際の軸受けの機能を有している。各レンズ移動枠が光軸に平行な方向に姿勢を維持しながら移動するため、各軸受け部は、光軸AXに平行な方向(z軸の方向)の貫通孔を長くすることが望ましい。
レンズ鏡筒46は、隣接する第2レンズ移動枠6及び第3レンズ移動枠9が、それぞれ異なるガイドポールを貫通させているので、回転止め部の光軸AXに平行な方向(z軸の方向)の貫通孔を十分長くすることができる。第3レンズ移動枠9及び第4レンズ移動枠11についても同様に、それぞれ異なるガイドポールを貫通させているので、回転止め部の光軸AXに平行な方向(z軸の方向)の貫通孔を十分長くすることができる。
絞り装置22は、第4レンズ移動枠11の光軸AXに垂直な円板に固定される。絞り装置22は、図示しない絞り羽根と、絞り駆動モータ22aと、図示しないシャッター羽根と、シャッター駆動モータ22bとを有する。
絞り駆動モータ22aは、外部から入力される駆動信号に基づいて回転することにより、絞り羽根を駆動する。絞り羽根は、駆動されることにより開口径を変更するように構成されている。絞り羽根の動作により撮影光学系Lの絞り値が変更される。
シャッター駆動モータ22bは、外部から入力される駆動信号に基づいて回転することにより、シャッター羽根を駆動する。シャッター羽根は、駆動されることにより撮影光学系の光路を、所定時間の間隔で非解放から解放を経て再び非解放にする一連の動作を行う。
カム筒7は、その外周面と第1レンズ群固定枠3の内周面の所定位置とが所定の精度で嵌め合うことにより光軸AXまわりに回転可能に支持される。カム筒7は、内周面と外周面とを貫通する、3本のカム溝17と、カム溝18と、カム溝19とを含む。
カム溝17は、第2レンズ移動枠6に設けられたカムピン8と結合する。カム溝18は、第3レンズ移動枠9に設けられたカムピン10と結合する。カム溝19は、第4レンズ移動枠11に設けられたカムピン12と結合する。
図7は、本発明の実施形態に係るレンズ鏡筒のカム筒の展開図である。図7において、紙面下側が、光軸AXの被写体側の方向(z軸の正の方向)に相当する。
カム溝17の一方の端部17aは、第2レンズ群L2の広角端の位置に対応する。カム溝18の一方の端部18aは、第3レンズ群L3の広角端の位置に対応する。カム溝19の一方の端部は、第4レンズ群L4の広角端の位置に対応する。
カム溝17の他方の端部17bは、第2レンズ群L2の望遠端の位置に対応する。カム溝18の他方の端部18aは、第3レンズ群L3の望遠端の位置に対応する。カム溝19の他方の端部は、第4レンズ群L4の望遠端の位置に対応する。
カム溝17の端部17aから端部17bまでと、カム溝18の端部18aから端部18bまでと、カム溝18の端部18aから端部18bまでとは、すべてカム筒17の外周面においてほぼ100度の中心角に対応する。
リングワッシャ23は、カム筒7と第1レンズ群固定枠3との間に配置される。リングワッシャ23は、ステンレスを材料とする円筒状の板バネである。リングワッシャ23は、カム筒7と第1レンズ群固定枠3との間の空間で、光軸AXに平行な方向に圧縮されることにより、光軸AXに平行な方向にカム筒7を付勢する。
各カム溝は、図2を用いて説明した撮影光学系の構成に従って、各レンズ群が移動するように形成される。したがって、第2レンズ群L2と、第3レンズ群L3と、第4レンズ群L4とは、カム筒7を回転させることにより各焦点距離に対応した位置に移動する。
カム筒7は、カム筒回転ピン20を持つ。カム筒回転ピン20は、カム筒7の外周面に光軸AXに対して垂直な方向に向けてネジ止めされている。カム筒回転ピン20は、第1レンズ群固定枠3に形成された開口部3aから、レンズユニット2の外周面に突出している。
図8は、本発明の実施形態に係るフィルタマウント及びリングユニットの分解斜視図である。図3及び図8において、フィルタマウント29は円筒状を有する。フィルタマウント29は、z軸の正方向(被写体側)に、偏光フィルタや保護フィルタ等の光学フィルタ及びコンバージョンレンズを取り付けるための雌ねじが形成されている。
フィルタマウント29は、光軸AXの被写体側の方向(z軸の正の方向)から3本の取り付けネジ30により後述するズームリングユニット28の第1のリング固定枠27に固定される。飾りリング31が、取り付けネジ30が撮影者からみえないように、光軸AXの被写体側の方向(z軸の正の方向)から両面テープで接着される。
図3及び図8において、リングユニット25は、ズームリングユニット28と、マニュアルリングユニット45とを含む。ズームリングユニット28は、ズームリング26と、第1のリング固定枠27とを有する。ズームリング26及び第1のリング固定枠27は、共に円筒状である。ズームリング26は、内周部に3個の凸部26aを有する。第1のリング固定枠27は、外周部に3個の凹部27aを持つフランジ部と、3個のビス穴27bとを有する。3個のビス穴27bは、z軸の正方向側(被写体側)の端面に形成される。
ズームリング26の3個の凸部26aと第1のリング固定枠27の凹部27aとを一致させた状態で、ズームリング26を光軸AXに平行な方向の像側(z軸の負の方向)から第1のリング固定枠27に挿入する。その後、ズームリング26を光軸AXまわりに回転することにより、ズームリング26は第1のリング固定枠27に対して、光軸AXに平行な方向(z軸の方向)は規制されたまま、光軸AXまわりに回転自在に保持される。
また、ズームリング26の内周面には、図3にのみ図示されている周面上に並べて配置された二股状の突起部26bが設けられる。二股状の突起部26bは、カム筒7に固定されたカム筒回転ピン20と、その両側を挟むように結合する。また、ズームリング26は、外周面に撮影光学系の焦点距離が表示されている。
マニュアルリングユニット45は、第2のリング固定枠38と、フォーカスリング32と、第3のリング固定枠36と、絞りリング40と、第4のリング固定枠44とを有する。マニュアルリングユニット45は、第3のリング固定枠36をフレームとして他の部材を保持する。第3のリング固定枠36は、外周面に摺動面36cと、摺動面36eと、端面36dとを持つ。また、第3のリング固定枠36は、内周面に係止部36a及び外周面に3個の凹部36fとが形成されている。
摺動面36cは、第3のリング固定枠36の光軸AXに平行な方向の被写体側(z軸の正方向)の外周面に形成される。摺動面36eは、第3のリング固定枠36の光軸AXに平行な方向の像側(z軸の負方向)の外周面に形成される。端面36dは、摺動面36c及び摺動面36eの境界に形成されたxy面に平行な面である。
第3のリング固定枠36は、外周面の底部にフォーカスリニアセンサ35と、絞りリニアセンサ41とを固定する。フォーカスリニアセンサ35と、絞りリニアセンサ41とは、先に説明したズームリニアセンサ21と、同一の回路構成からなる可変抵抗である。
フォーカスリニアセンサ35は、摺動子35aを有する。摺動子35aは、磁気抵抗上をスライドするスライダであり、外周方向に突出する。絞りリニアセンサ41は、摺動子35aを有する。摺動子41aは、磁気抵抗上をスライドするスライダであり、外周方向に突出する。
第2のリング固定枠38は、円筒形状である。第2のリング固定枠38は、係止部38aと、位置決め部38bと、端面38cとが設けられている。
フォーカスリング32は、円筒形状である。図9(a)は、本発明の実施形態に係るフォーカスリングの外周面の展開図、図9(b)は、本発明の実施形態に係るフォーカスリングの内周面の展開図である。
図8及び図9(a)において、フォーカスリング32は、外周面に物点距離を表示する。物点距離の表示領域は4つの領域に分かれている。図9(a)中、[0.3]から[0.6]の表示部分が手動によりフォーカスリング32の操作が許容されるマクロ撮影領域に対応する。また、[0.6]から[∞]の表示部分が手動によりフォーカスリング32の操作が許容される通常撮影領域に対応する。また、[AF]の表示部分が手動によりフォーカスリング32の操作が禁止される通常撮影領域に対応する。また、[AF−Macro]の表示部分が手動によりフォーカスリング32の操作が禁止されるマクロ撮影領域に対応する。図8及び図9(b)において、フォーカスリング32は、内周面に直線のカム溝34を持つ。カム溝34は、フォーカスリニアセンサ35の摺動子35aと結合する。
図10は、本発明の実施形態に係るフォーカスリングとフォーカスリニアセンサの結合を示す断面図である。図10において、フォーカスリング32に形成されたカム溝34は、フォーカスリニアセンサ35の摺動子35aと結合する。フォーカスリング32の内周面は、第3のリング固定枠36の摺動面36cと嵌め合い保持される。フォーカスリング32は、光軸AXに平行な方向(z軸の方向)において、第2のリング固定枠38の端面38cと、第3のリング固定枠36の端面36dにより規制される。第2のリング固定枠38は、第3のリング固定枠36に固定される。この構成により、フォーカスリング32は、光軸AXまわりに回転可能に保持される。
図11は、本発明の実施形態に係るフォーカスリングの回転角度とフォーカスリニアセンサの出力値の関係を示すグラフである。図9及び図10において、フォーカスリング32上に表示された文字[0.3]が、指標33と一致する角度に位置する場合、フォーカスリニアセンサ35の摺動子35aは、カム溝34上のAの位置にある。その場合、フォーカスリニアセンサ35の出力値は、A‘となる。
フォーカスリング32上に表示された文字[0.6]が、指標33と一致する角度に位置する場合、フォーカスリニアセンサ35の摺動子35aは、カム溝34上のBの位置にある。その場合、フォーカスリニアセンサ35の出力値は、B‘となる。フォーカスリング32上に表示された文字[∞]が、指標33と一致する角度に位置する場合、フォーカスリニアセンサ35の摺動子35aは、カム溝34上のCの位置にある。その場合、フォーカスリニアセンサ35の出力値は、C‘となる。フォーカスリング32上に表示された文字[AF]が、指標33と一致する角度に位置する場合、フォーカスリニアセンサ35の摺動子35aは、カム溝34上のDの位置にある。その場合、フォーカスリニアセンサ35の出力値は、D‘となる。フォーカスリング32上に表示された文字[AF−Macro]が、指標33と一致する角度に位置する場合、フォーカスリニアセンサ35の摺動子35aは、カム溝34上のEの位置にある。その場合、フォーカスリニアセンサ35の出力値は、E‘となる。
このように、フォーカスリニアセンサ35は、フォーカスリング32の回転角度と一対一で対応する出力を示す。したがって、フォーカスリング32の回転角度を検出することができる。フォーカスリニアセンサ35は、回転角度に応じたフォーカス位置信号を電圧変化として出力する。
フォーカスリング32は、外周面にフォーカスモード切り替えボタン37を持つ。図14(a)は、本発明の実施形態に係るフォーカスリングが第1の停止位置にある場合の略断面図である。また、図14(b)は、本発明の実施形態に係るフォーカスリングが第1の停止位置と第2の停止位置との間にある場合の略断面図である。また、図14(c)は、本発明の実施形態に係るフォーカスリングが第2の停止位置にある場合の略断面図である。
なお、図中かっこで記した符号は、絞りリング40の構造を説明する場合に相当するため、フォーカスリング32の構造に関連する説明では無視してよい。また、図14(a)〜(c)の(1)は、フォーカスモード切り替えボタン37の中心を通り光軸AXを含む平面でカットした略断面図である。また、図14(a)〜(c)の(1)は、フォーカスモード切り替えボタン37の中心を通り光軸AXに垂直な面(xy面)でカットした略断面図である。
図中に矢印Kで示した方向は、光軸AX回りの回転方向を示す。フォーカスリング32において、第1の停止位置は、図9(a)に示す文字[∞]の位置に相当する。また、フォーカスリング32において、第2の停止位置は、図9(a)に示す文字[AF]の位置に相当する。
フォーカスモード切り替えボタン37は、フォーカスリング32の横穴32aに位置する。フォーカスモード切り替えボタン37は、フォーカスリング32との間に圧縮バネ39が設けられている。フォーカスモード切り替えボタン37は、圧縮バネの作用により、フォーカスリング32の外周方向に付勢されながら図の矢印J方向に移動可能である。フォーカスモード切り替えボタン37は、フォーカスリング32の内側に隠れる部分に、光軸AX方向に突き出た係止部37<a>を有する。
図14(a)において、フォーカスリング32が第1の停止位置に到達すると、フォーカスモード切り替えボタン37の係止部37aが、第2のリング固定枠38に設けられた係止部38aに当接する。したがって、フォーカスモード切り替えボタン37が操作されない限り、フォーカスリング32のK方向の回転は禁止される。
フォーカスリング32が第1の停止位置にある場合、フォーカスモード切り替えボタン37を押し込んでさらにK方向に回転すると、フォーカスモード切り替えボタン37の係止部37aが内部に押し込まれる。
第2のリング固定枠38に形成された係止部38aは、内部にフォーカスモード切り替えボタン37の係止部37aが通過可能な空間が形成されている。したがって、フォーカスモード切り替えボタン37は、押し込んでさらにK方向に回転するとK方向の回転が許容され、図14(b)に示される第1の停止位置と第2の停止位置との間に進入する。
フォーカスモード切り替えボタン37を押し込んだままさらにK方向に回転すると、フォーカスモード切り替えボタン37の係止部37aは、K方向の回転が許容され、図14(c)に示される第2の停止位置に到達する。第2の停止位置において、フォーカスモード切り替えボタン37を押し込むことをやめると、フォーカスモード切り替えボタン37は圧縮バネにより復元される。
フォーカスモード切り替えボタン37がもとの状態に戻ると、フォーカスモード切り替えボタン37の係止部37aが、第2のリング固定枠38に設けられた係止部38aに当接する。したがって、フォーカスモード切り替えボタン37が操作されない限り、フォーカスリング32の逆方向の回転は禁止される。K方向の逆方向に回転する場合、第2の停止位置でフォーカスモード切り替えボタン37を押し込みながら第1の停止位置までK方向の逆方向に回転して、第1の停止位置で押し込みをやめればよい。
フォーカスリング32は、内周面にV溝32d,32eが形成されている。図20は、フォーカスリング32の回転操作による作用を説明する模式図である。図20において、第3リング固定枠36には、穴36gと、穴36gにもうけられたクリックボール48とクリックボール48を外周方向に付勢する圧縮ばね47がもうけられている。
V溝32dは[AF]の文字とV溝32eは[AF−Macro]の文字と、それぞれ指標33と一致したときに、クリック感を持たせるように、V溝32d及び32eにクリックボール48が一致し、クリック感を持たせるように構成されている。
図20(a)に示すマニュアルフォーカス撮影領域の状態では、フォーカスリング32に設けられた内周面32bと、圧縮バネ47の付勢力Sが加えられたクリックボール48とが摺りながら移動する。このため、フォーカスリング32を手動にて回転させる場合には、一定の負荷が加わった状態で、回転する。
図20(b)に示すオートフォーカス撮影領域の状態では、フォーカスリング32に設けられた内周面32cと、圧縮バネ47の付勢力Tが加えられたクリックボール48とが摺りながら移動する。このとき、内周面32cの半径は、内周面32bの半径より小さいので、圧縮バネ47の付勢力Tは付勢力Sより大きくなる。
したがって、オートフォーカス撮影領域において、フォーカスリング32を手動で回転操作する場合には、マニュアルフォーカス領域よりも、その回転負荷が重くなる。このため、マニュアルフォーカス撮影領域とオートフォーカス撮影領域との間で、回転負荷を異なるようにすることができる。
マニュアルフォーカス撮影領域とオートフォーカス撮影領域との間で、回転負荷を異なるよう構成することにより、撮影者は、フォーカスリング32を見ることなく操作する場合であっても、その回転負荷の違いにより、どちらの領域で使用しているのかを判別することができる。
また図20(c)に示す、文字[AF−Macro]と指標33とが一致した状態では、クリックボール48がV溝32eに落ち込み、同様に文字[AF]と指標33とが一致した状態では、クリックボール48がV溝32dに落ち込む。このため、撮影者は、手動で回転操作したときに、クリック感を持つ。また、文字[AF]と文字[AF−Macro]との間を移行する際の回転負荷を重くしたことにより、不用意にフォーカスリング32が回転し、撮影者の意図に反して異なるモードに移行することがないので、操作性に優れたマニュアルリングを提供することができる。
絞りリング40は、円筒形状である。絞りリング40は、内周面の光軸AXの像側(z軸の負方向)に3つの凸部40bを持つ。図12(a)は、本発明の実施形態に係る絞りリングの外周面の展開図、図12(b)は、本発明の実施形態に係る絞りリングの内周面の展開図である。なお、展開図では、凸部40bを省略している。
図8及び図12(a)において、絞りリング40は、外周面に絞り値を表示する。物点距離の表示領域は2つの領域に分かれている。図12(a)中、[2]から[11]までの表示部分がマニュアル領域に対応する。また、図12(a)中、[A]の表示部分がオート領域に対応する。
図8及び図12(b)において、絞りリング40は、内周面に直線のカム溝42を持つ。カム溝42は、絞りリニアセンサ41の摺動子41aと結合する。絞りリング40の内周面は、第3のリング固定枠36の摺動面36eと嵌め合い保持される。絞りリング40は、内周に設けた3つの凸部40bと、第3のリング固定枠36の外周に設けた3つの凹部36fとが結合して、光軸AXに平行な方向(z軸の方向)を規制する。この構成により、絞りリング40は、光軸AXまわりに回転可能に保持される。
図13は、本発明の実施形態に係る絞りリングの回転角度と絞りリニアセンサの出力値の関係を示すグラフである。図12及び図13において、絞りリング40上に表示された文字[2]が、指標33と一致する角度に位置する場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42上のPの位置にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値は、P‘となる。
絞りリング40上に表示された文字[2.8]が、指標33と一致する角度に位置する場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42上のQの位置にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値は、Q‘となる。同様に、絞りリング40上に表示された文字[4]が、指標33と一致する角度に位置する場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42上のRの位置にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値は、R‘となる。同様に、絞りリング40上に表示された文字[5.6]が、指標33と一致する角度に位置する場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42上のSの位置にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値は、S‘となる。同様に、絞りリング40上に表示された文字[8]が、指標33と一致する角度に位置する場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42上のTの位置にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値は、T‘となる。同様に、絞りリング40上に表示された文字[11]が、指標33と一致する角度に位置する場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42上のUの位置にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値は、U‘となる。同様に、絞りリング40上に表示された文字[A]が、指標33と一致する角度に位置する場合、絞りリニアセンサ41の摺動子41aは、カム溝42上のVの位置にある。その場合、絞りリニアセンサ41の出力値は、V‘となる。
このように、絞りリニアセンサ41は、絞りリング40の回転角度と一対一で対応する出力を示す。したがって、絞りリング40の回転角度を検出することができる。絞りリニアセンサ41は、回転角度に応じた絞り値信号を電圧変化として出力する。
絞りリング40は、外周面に絞りモード切り替えボタン43を持つ。絞りモード切り替えボタン43の構造は、先に説明したフォーカスモード切り替えボタン37の構造と同一である。したがって、図14(a)〜(b)を援用して、説明を行う。
なお、絞りリング40において、第1の停止位置は図12(a)において、文字[11]に相当する位置である。絞りリング40において、第2の停止位置は図12(b)において、文字[A]に相当する位置である。
図14(a)において、絞りリング40が第1の停止位置に到達すると、絞りモード切り替えボタン43の係止部43aが、第3のリング固定枠36に設けられた係止部36aに当接する。したがって、絞りモード切り替えボタン43が操作されない限り、絞りリング40のK方向の回転は禁止される。
絞りリング40が第1の停止位置にある場合、絞りモード切り替えボタン43を押し込んでさらにK方向に回転すると、絞りモード切り替えボタン43の係止部43aが内部に押し込まれる。第3のリング固定枠36に形成された係止部36aは、内部に絞りモード切り替えボタン43の係止部43aが通過可能な空間が形成されている。したがって、フォーカスモード切り替えボタン37は、押し込んでさらにK方向に回転するとK方向の回転が許容され、図14(b)に示される第1の停止位置と第2の停止位置との間に進入する。
絞りモード切り替えボタン43を押し込んだままさらにK方向に回転すると、絞りモード切り替えボタン43の係止部43aは、K方向の回転が許容され、図14(c)に示される第2の停止位置に到達する。第2の停止位置において、絞りモード切り替えボタン43を押し込むことをやめると、絞りモード切り替えボタン43は圧縮バネにより復元される。
絞りモード切り替えボタン43がもとの状態に戻ると、絞りモード切り替えボタン43の係止部43aが、第3のリング固定枠36に設けられた係止部36aに当接する。したがって、絞りモード切り替えボタン43が操作されない限り、絞りリング40の逆方向の回転は禁止される。K方向の逆方向に回転する場合、第2の停止位置で絞りモード切り替えボタン43を押し込みながら第1の停止位置までK方向の逆方向に回転して、第1の停止位置で押し込みをやめればよい。
マニュアルリングユニット45は、レンズユニット2と以下のように結合される。第3のリング固定枠38の内周面は、レンズユニット2の第1レンズ群固定枠3の外周に設けられたリブ3fにより支持される。マニュアルリングユニット45は、光軸AXに平行な方向(z軸の方向)において、第1レンズ群固定枠3に設けられたリブ3eと、第2のリング固定枠に設けられた位置決め部38bとが当接して規制される。
また、マニュアルリングユニット45の第4のリング固定枠44は、マスターフランジ5にネジ止めされる。第4のリング固定枠44は、第3のリング固定枠36の光軸AXに平行な方向の像側(z軸の負方向)の端面を、光軸AXに平行な方向の被写体側(z軸の正方向)に付勢する。この結果、マニュアルリングユニット45は、レンズユニット2に対して固定される。
次に、以上の通り構成されたレンズ鏡筒46の作用を説明する。
ズームリング26が回転操作されると、ズームリング26に連結されたカム筒回転ピン20によりカム筒7に回転運動が伝達される。
カム筒7が光軸AXまわりに回転すると、カムピン8がカム溝17に案内され、第2レンズ移動枠6が光軸AXに平行な方向に移動する。また、カム筒7が光軸AXまわりに回転すると、カムピン10がカム溝18に案内され、第3レンズ移動枠9が光軸AXに平行な方向に移動する。また、カム筒7が光軸AXまわりに回転すると、カムピン12がカム溝19に案内され、第4レンズ移動枠11が光軸AXに平行な方向に移動する。
第3レンズ移動枠9が光軸AXに平行な方向に移動すると、ズームリニアセンサ21は、第3レンズ移動枠9の移動を検出して焦点距離信号を出力する。フォーカスリング32は、回転位置に応じて、手動による回転操作が許容される状態と手動による回転操作が禁止される状態とが存在する。フォーカスリング32は、指標33が、図9(a)中、[0.3]から[0.6]mの表示部分又は[0.6]から[∞]の表示部分と一致している場合、手動による回転操作が許容される。
フォーカスリング32の回転が許容されている状態で、フォーカスリング32が回転操作されると、フォーカスリニアセンサ35は、回転角度に応じたフォーカス位置信号を出力する。後述する制御系において、フォーカス位置信号に基づいてフォーカスモータ15を駆動する駆動信号が生成される。駆動信号によりフォーカスモータ15が回転する。フォーカスモータ15が回転すると、送りネジ15a及びラック14aにより回転運動が直線運動に変換され、第5レンズ移動枠13が光軸AXに平行な方向(z軸の方向)に移動する。
フォーカスリング32は、指標33が、図9(a)中、[AF]の表示部分又は[AF−Macro]の表示部分と一致している場合、手動による回転が禁止される。フォーカスリング32の回転が禁止されている状態では、フォーカスリング32は回転しないので、第5レンズ移動枠13が光軸AXに平行な方向(z軸の方向)に移動しない。フォーカスリング32の回転が許容されている状態から禁止されている状態へ移行させるには、フォーカスリング32に設けられたフォーカスモード切り替えボタン37を押し込みながらフォーカスリング32を回転操作する。
フォーカスモード切り替えボタン37を押し込みながらフォーカスリング32を回転操作させると、図14(a)〜(c)を用いて説明したように、フォーカスリング32が係止位置である指標33が文字[∞]の表示に一致する位置を超えて回転する。その後、フォーカスモード切り替えボタン37を解放すると、フォーカスリング32は、次の係止位置である指標33が文字[AF]の表示に一致する位置で係止される。逆に、フォーカスリング32の回転が禁止されている状態から許容されている状態へ移行させるには、同様にフォーカスリング32に設けられたフォーカスモード切り替えボタン37を押し込みながらフォーカスリング32を回転させる。
フォーカスモード切り替えボタン37を押し込みながらフォーカスリング32を回転操作させると、図14(a)〜(c)を用いて説明したように、フォーカスリング32が係止位置である指標33が文字[AF]の表示に一致する位置を超えて回転する。その後、フォーカスモード切り替えボタン37を解放すると、フォーカスリング32は、手動による回転操作が許容される状態になる。ただし、フォーカスリング32は、係止位置である指標33が文字[∞]の表示に一致する位置を超えては回転しない。
絞りリング40は、回転位置に応じて、手動により回転操作が許容される状態と手動による回転操作が禁止される状態とが存在する。絞りリング40は、指標33が、図12(a)中、[2]から[11]の表示部分と一致している場合、手動による回転操作が許容される。
絞りリング40の回転が許容されている状態で、絞りリング40が回転操作されると、絞りリニアセンサ41は、回転角度に応じた絞り値信号を出力する。後述する制御系において、絞り値信号に基づいて絞り駆動モータ22bを駆動する駆動信号が生成される。駆動信号により絞り駆動モータ22bが回転する。絞り駆動モータ22bが回転すると、絞り羽根が駆動され、絞り羽根の動作により撮影光学系Lの絞り値が変更される。
絞りリング40は、指標33が、図12(a)中、[A]の表示部分と一致している場合、手動による回転操作が禁止される。絞りリング40の回転が禁止されている状態では、絞りリング40は回転しないので、手動による回転操作により絞り羽根が駆動され、絞り値が変更されることはない。絞りリング40の回転が許容されている状態から禁止されている状態へ移行させるには、絞りリング40に設けられた絞りモード切り替えボタン43を押し込みながら絞りリング40を回転させる。
絞りモード切り替えボタン43を押し込みながら絞りリング40を回転させると、図14(a)〜(c)を用いて説明したように、絞りリング40が係止位置である指標33が文字[11]の表示に一致する位置を超えて回転する。その後、絞りモード切り替えボタン43を解放すると、絞りリング40は、次の係止位置である指標33が文字[A]の表示に一致する位置で係止される。
逆に、絞りリング40の回転が禁止されている状態から許容されている状態へ移行させるには、同様に絞りリング40に設けられた絞りモード切り替えボタン43を押し込みながら絞りリング40を回転させる。
絞りモード切り替えボタン43を押し込みながら絞りリング40を回転させると、図14(a)〜(c)を用いて説明したように、絞りリング40が係止位置である指標33が文字[A]の表示に一致する位置を超えて回転する。その後、絞りモード切り替えボタン43を解放すると、絞りリング40は、手動による回転操作が許容される状態になる。ただし、絞りリング40は、係止位置である指標33が文字[11]の表示に一致する位置を超えては回転しない。
また絞りリング40は、内周面に[2.8],[4],[5.6],[8],[11],[A]の文字と指標33と一致したときに、撮影者がクリック感を持つように、V溝列40cが形成されている。また、V溝列40cと対応するように、第3のリング固定枠36の外周には、圧縮ばねとクリックボールを収納する穴36h(いずれも、図示せず)がもうけられている。これらの作用は、先に図20を用いて説明したフォーカスリング32のV溝32d及びV溝32eと、クリックボール48との間の動作と同様である。
次に、本発明の実施形態に係るレンズ鏡筒46の組立方法について説明する。図15は、本発明の実施形態に係るレンズ鏡筒の組立方法を説明する断面図である。図16は、本発明の実施形態に係るレンズ鏡筒の組立方法を説明するフローチャートである。
レンズ鏡筒46は、各ユニットの組立(STEP1)と、ズームリングユニット28の取り付け(STEP2)と、マニュアルリングユニット45の取り付け(STEP3)と、フィルタマウント29の取り付け(STEP4)とを含む。
はじめに、レンズユニット2と、ズームリングユニット28と、マニュアルリングユニット45とを組み立てる(STEP1)。以下、特にズームリングユニット28と、マニュアルリングユニット45との組立方法について説明する。
ズームリングユニット28は、以下のように組み立てられる。ズームリング26の3個の凸部26aと第1のリング固定枠27の凹部27aとを一致させた状態で、ズームリング26を光軸AXに平行な方向の像側(z軸の負の方向)から第1のリング固定枠27に結合する。この構成により、ズームリング26は第1のリング固定枠27に対して回転する。以上により、ズームリングユニット28が組み立てられる。
マニュアルリングユニット45は、以下のように組み立てられる。はじめに、第3のリング固定枠36に、フォーカスリニアセンサ35及び絞りリニアセンサ41を、外周面から所定の位置にネジで固定する。第3のリング固定枠36に、光軸AXに平行な方向の被写体側(z軸の正の方向)より、フォーカスリング32を挿入する。フォーカスリング32を挿入する際、縦溝34aに沿って、フォーカスリニアセンサ35の摺動子35aを挿入する。縦溝34aは、フォーカスリング32の内周面にカム溝34に連続して光軸AXに平行な方向(z軸の方向)に形成されている。フォーカスリング32を第3のリング固定枠36に挿入すると、フォーカスリング32の内周の摺動面32aと、第3の固定リング36の外周に設けられた摺動面36cとが摺り合わされて、フォーカスリング32は光軸中心に対して回転可能になる。
フォーカスリング32を挿入した後、光軸AXに平行な被写体側(z軸の正の方向)より、第3のリング固定枠36に第2のリング固定枠38をネジで固定する。固定することにより、フォーカスリング32は、第3の固定リング36の端面36dと、第2の固定リングの端面38cとにより、光軸AXに平行な方向(z軸の方向)に規制される。次に、第3のリング固定枠36に、光軸AXに平行な像側(z軸の負の方向)より、絞りリング40を挿入する。絞りリング40を挿入する際、縦溝42aに沿って、絞りリニアセンサ41の摺動子41aを挿入する。縦溝42aは、絞りリング40の内周面にカム溝42に連続して光軸AXに平行な方向(z軸の方向)に形成されている。絞りリング40を第3のリング固定枠36に挿入すると、絞りリング40の内周の摺動面40aと、第3の固定リング36の外周に設けられた摺動面36cとが摺り合わされて、絞りリング40は光軸中心に対して回転可能になる。
同時に、絞りリング40の内周に設けた3つの凸部40bと、第3のリング固定枠36の外周に設けた3つの凹部36fとを結合させて、スラスト方向を規制する。結合することにより、光軸AXに平行な方向(z軸の方向)に規制される。以上により、マニュアルリングユニット45が組み立てられる(以上、STEP1)。
次に、組み立てられたズームリングユニット28を、レンズユニット2に取り付ける(STEP2)。レンズユニット2に、光軸AXに平行な方向の像側(z軸の負の方向)より、組み立てられたズームリングユニット28を挿入する。このとき、第1レンズ群固定枠3のリブ3cに、第1のリング固定枠27の位置決め部27cが当接するまで挿入する。また、カム筒回転ピン20を、ズームリング26の内周に設けた二股上の突起部26bにより両側を挟み込み、結合させる。以上により、ズームリングユニット28は、レンズユニット2に取り付けられる(以上、STEP2)。
次に、組み立てられたマニュアルリングユニット45を、レンズユニット2に取り付ける(STEP3)。レンズユニット2に、光軸AXに平行な方向の像側(z軸の負の方向)より、組み立てられたマニュアルリングユニット45を挿入する。このとき、第1レンズ群固定枠3に設けられたリブ3eに、マニュアルリングユニット45の第2のリング固定枠38に形成した位置決め部38bが当接するまで挿入する。このとき、第1レンズ群固定枠3の外周に設けた複数の位置決めリブ3fにより、第3のリング固定枠36の内周が支持される。さらに、レンズユニット2に、光軸AXに平行な方向の像側(z軸の負の方向)より、第4のリング固定枠44を挿入する。第4のリング固定枠44は、光軸AXに平行な方向の像側(z軸の負の方向)より、マスターフランジ5に対してネジによって固定される。この際、第3のリング固定枠36の光軸AXに平行な方向の像側(z軸の負の方向)の端面36bは、第4のリング固定枠44の光軸AXに平行な方向の被写体側(z軸の正の方向)の端面44aと接している(以上、STEP3)。
最後に、レンズユニット2に、フィルタマウント29を取り付ける(STEP4)。レンズユニット2に、光軸AXに平行な方向の被写体側(z軸の正の方向)より、フィルタマウント29を取り付ける。レンズユニット2に、光軸AXに平行な方向の被写体側(z軸の正の方向)より、フィルタマウント29を固定する。フィルタマウント29は、第1レンズ群固定枠3に設けたリブ3dに、端面29cが当接するまで挿入する。フィルタマウント29は、リブ3d及び3eを挟み込むように第1のリング固定枠27に対して取り付けられる。フィルタマウント29は、第1のリング固定枠27にネジ30により固定される。次に、フィルタマウント29に、飾りリング31を、両面テープにより固定する。飾りリング31を取り付けることにより、ネジ30を覆う。これにより、デジタルカメラの外装の美観を向上させる(以上、STEP4)。
以上、説明したように、本発明の撮像装置は、リングユニットが、レンズユニットの撮影光学系を分解することなく、リングユニットを取り付ける前であっても撮影光学系の評価を行うことができる。また、リングユニットが破損したり劣化したりした場合であっても、撮影光学系を分解することなくリングユニットを交換することができる。
また、本発明の撮像装置は、フィルタマウントがレンズユニットの前記撮影光学系が被写体の光学的な像を形成可能な状態で、着脱可能であるので、フィルタマウントが破損したり劣化したりした場合であっても、撮影光学系を分解することなくフィルタマウントを交換することができる。
また、本発明のレンズ鏡筒の組立方法は、レンズユニットを組み立てる工程の後に、リングユニットを組み立てる工程があるので、リングユニットを取り付ける前であっても撮影光学系の評価を行うことができる。
また、本発明のレンズ鏡筒の組立方法は、レンズユニットを組み立てる工程の後に、フィルタマウントを組み立てる工程があるので、フィルタマウントを取り付ける前であっても撮影光学系の評価を行うことができる。
図17は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラの制御システムを示すブロック図である。図17において、全体のブロックは、デジタルカメラ1の制御を示す。なお、図17において、点線で囲まれた範囲が撮像装置TLを示す。デジタルカメラ1には、マイクロコンピュータ49が搭載されており、各種制御部全体を制御する。
マイクロコンピュータ49は、ズーム制御部60と、シャッターボタン64と、シャッタースピード設定ダイヤル65とから信号を受信可能である。マイクロコンピュータ49は、シャッター制御部63と、画像記録制御部55と、画像表示制御部58と、音声制御部59とへ信号を送信可能である。マイクロコンピュータ49は、フォーカス制御部61と、絞り制御部62と、デジタル信号処理部53との間で信号を相互に交信可能である。
ズーム制御部60は、ズームリニアセンサ21から信号を受信する。ズーム制御部60は、ズームリニアセンサ21により検出されたズームリング26の回転量を撮影光学系Lの焦点距離情報に変換する。ズーム制御部60は、焦点距離情報をマイクロコンピュータ49へ送信する。
フォーカス制御部61は、フォーカスリニアセンサ35から信号を受信可能であり、フォーカスモータ15へ信号を送信可能である。フォーカス制御部61は、フォーカスリニアセンサ35により検出されたフォーカスリング32の回転角度より、フォーカスモードを判断する。フォーカス制御部61は、判断した結果をマイクロコンピュータ49へ送信する。フォーカス制御部61は、マイクロコンピュータ49からの指令に基づいてフォーカスリング32の回転角度より検出した物点距離情報を、マイクロコンピュータ49へ送信する。フォーカス制御部61は、マイクロコンピュータ49からの制御信号に基づいてフォーカスモータ15を駆動する。
絞り制御部62は、絞りリニアセンサ41から信号を受信可能であり、絞り駆動モータ22bへ信号を送信可能である。絞り制御部62は、絞りリニアセンサ41により検出された絞りリング40の回転角度により、絞りモードを判断する。絞り制御部62は、判断した結果をマイクロコンピュータ49へ送信する。絞り制御部62は、マイクロコンピュータ49からの指令に基づいて絞りリング40の回転角度より検出した絞り値情報を、マイクロコンピュータ49に送信する。絞り制御部62は、マイクロコンピュータ49からの制御信号に基づいて絞り駆動モータ22bを駆動する。
シャッター制御部63は、マイクロコンピュータ49からの制御信号に基づいてシャッター駆動モータ22aを駆動する。シャッターボタン64は、マイクロコンピュータ49へシャッタータイミングを送信する。シャッタースピード設定ダイヤル65は、設定されたシャッタースピード情報及びシャッターモード情報を送信する。
撮像センサー16は、CCD(Charge Coupled Device)である。撮像センサー16は、レンズユニット2の撮影光学系TLにより形成される光学的な像を電気的な画像信号に変換する。撮像センサー16は、CCD駆動制御部50により駆動・制御される。撮像センサー16から出力される画像信号は、アナログ信号処理部51と、A/D変換部52と、デジタル信号処理部53と、バッファメモリ54と、画像圧縮部56との順に処理される
画像信号は、撮像センサー16から、アナログ信号処理部51へ送信される。アナログ信号処理部51は、撮像センサー16が出力する画像信号に、ガンマ処理等のアナログ信号処理を施す。画像信号は、アナログ信号処理部51から、A/D変換部52へ送信される。A/D変換部52は、アナログ信号処理部51から出力されたアナログ画像信号をデジタル信号に変換する。
画像信号は、A/D変換部52から、デジタル信号処理部53へ送信される。デジタル信号処理部53は、A/D変換部52によりデジタル信号に変換された画像信号のノイズ除去や輪郭強調等のデジタル信号処理を施す。画像信号は、デジタル信号処理部53から、バッファメモリ54へ送信される。バッファメモリ54は、デジタル信号処理部53により処理された画像信号を一旦記憶する。バッファメモリ54は、RAM(Random Access Memory)である。
画像信号は、画像記憶制御部55からの指令に従って、バッファメモリ54から、画像圧縮部56に送信される。画像圧縮部56は、画像記録制御部55の指令に従って画像信号のデータを所定の大きさに圧縮する。画像信号は、所定の比率でデータの圧縮を受け、元のデータより小さなデータサイズになる。例えばこの圧縮方式として、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式が用いられる。
圧縮された画像信号は、画像圧縮部56から画像記録部57及び液晶モニタLCDへ送信される。一方、マイクロコンピュータ49は、画像記録制御部55及び画像表示制御部58へ制御信号を送信する。画像記録制御部55は、マイクロコンピュータ49からの制御信号に基づいて画像記録部57を制御する。画像表示制御部は、マイクロコンピュータ49からの制御信号に基づいて液晶モニタLCDを制御する。
画像記録部57は、画像記録制御部55の指令に基づいて、画像信号を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。画像記録部57は、画像記録制御部55の指令に基づいて、画像信号とともに記憶すべき情報を、内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。画像信号とともに記憶すべき情報は、画像を撮影した際の日時,焦点距離情報,シャッタースピード情報,絞り値情報,撮影モード情報を含む。
液晶モニタLCDは、画像表示制御部58の指令に基づいて、画像信号を可視画像として表示する。液晶モニタLCDは、画像表示制御部58の指令に基づいて、画像信号とともに表示すべき情報を、表示する。画像信号とともに表示すべき情報は、焦点距離情報,シャッタースピード情報,絞り値情報,撮影モード情報,合焦状態情報の表示を含む。また、マイクロコンピュータ49は、音声制御部59へ制御信号を送信する。音声制御部59は、マイクロコンピュータ49からの制御信号に基づいてスピーカSPを駆動・制御する。スピーカSPは、外部へ所定のアラーム音を発する。
以下、図17を用いて、デジタルカメラ1のフォーカス動作について説明する。デジタルカメラ1は、通常撮影領域に対して自動でフォーカシングを行うオート通常撮影モードと、近接撮影領域に対して自動でフォーカシングを行うオートマクロ撮影モードと、通常撮影領域に対して手動でフォーカシングを行うマニュアル通常撮影モードと、近接撮影領域に対して手動でフォーカシングを行うマニュアルマクロ撮影モードとの4つのフォーカスモードを持つ。
デジタルカメラ1の操作を行う撮影者は、フォーカスリング32を所定の回転角度に設定することにより、4つのフォーカスモードを選択することができる。すなわち、撮影者は、フォーカスリング32の文字[AF]を指標33と一致させると、オート通常撮影モードに設定可能である。撮影者は、フォーカスリング32の文字[AF−Macro]を指標33と一致させると、オートマクロ撮影モードに設定可能である。撮影者は、フォーカスリング32の文字[0.6]m〜[∞]の間に指標33と一致させると、マニュアル通常撮影モードに設定可能である。撮影者は、フォーカスリング32の文字[0.]m〜[0.3]の間に指標33と一致させると、マニュアルマクロ撮影モードに設定可能である。
以下、4つのフォーカスモードの内、オート通常撮影モードと、オートマクロ撮影モードとを総称してオートフォーカスモードという。また、以下、マニュアル通常撮影モードと、マニュアルマクロ撮影モードとを総称してマニュアルフォーカスモードという。フォーカスリニアセンサ35は、回転角度に応じた信号をフォーカス制御部61へ出力する。
フォーカスリング32の文字[AF]又は[AF−Macro]に指標33が一致した状態にあるとき、フォーカス制御部61は、フォーカスリニアセンサ35から受信した信号に基づいてフォーカスモードがオートフォーカスモードであることを判断する。判断した結果は、マイクロコンピュータ49へ送信される。
マイクロコンピュータ49は、フォーカス制御部61から受信した判断結果に基づいてオートフォーカスモードであることを認識する。マイクロコンピュータ49は、フォーカス制御部61へ制御信号を送信し、フォーカスモータ15を駆動して第5レンズ群L5を微動させる。
マイクロコンピュータ49は、デジタル信号処理部53へ指令を送信する。デジタル信号処理部53は、受信した指令に基づいて所定のタイミングで画像信号をマイクロコンピュータ49へ送信する。マイクロコンピュータ49は、受信した画像信号と、予めズーム制御部60から受信した焦点距離情報とに基づいて、撮影光学系Lが合焦状態になるフォーカスリング32の光軸AXに平行な方向の移動量を演算する。マイクロコンピュータ49は、演算結果に基づいて制御信号を生成する。マイクロコンピュータ49は、制御信号をフォーカス制御部61へ送信する。
併せて、マイクロコンピュータ49は、画像表示制御部58に制御信号を送信する。画像表示制御部58は、液晶モニタLCDを駆動する。液晶モニタLCDは、フォーカスモードがオートフォーカスモードである旨の表示を行う。併せて、マイクロコンピュータ49は、音声制御部59に制御信号を送信する。音声制御部59は、音声信号を生成し、スピーカSPを駆動する。スピーカSPは、フォーカスモードがオートフォーカスモードである旨のアラーム音を発する。
フォーカス制御部61は、マイクロコンピュータ49からの制御信号に基づいてフォーカスモータ15を駆動するための駆動信号を生成する。フォーカスモータ15は、駆動信号に基づいて駆動される。フォーカスモータ15の駆動により、第5レンズ群L5が自動で光軸AXに平行な方向(z軸)に移動する。
以上のようにして、デジタルカメラ1のオートフォーカスモードによるフォーカシングが行われる。以上の動作は、撮影者のシャッターボタン64の操作後、瞬時に実行される。
マイクロコンピュータ49は、撮影が終了すると、画像記録制御部55に制御信号を送信する。画像記録部57は、画像記録制御部55の指令に基づいて、画像信号を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。画像記録部57は、画像記録制御部55の指令に基づいて、画像信号とともに撮影モードがオートフォーカスモードである旨の情報を、内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。
フォーカスリング32の文字[0.3]m〜[∞]の間に指標33が一致した状態にあるとき、フォーカス制御部61は、フォーカスモードがマニュアルフォーカスモードであることを判断する。判断した結果は、マイクロコンピュータ49へ送信される。
マイクロコンピュータ49は、フォーカス制御部61へフォーカスリング32の回転角度より検出した物点距離情報を要求する。フォーカス制御部61は、マイクロコンピュータ49からの指令に基づいてフォーカスリング32の回転角度より検出した物点距離情報を、マイクロコンピュータ49へ送信する。マイクロコンピュータ49は、フォーカス制御部61から受信した判断結果に基づいてマニュアルフォーカスモードであることを認識する。マイクロコンピュータ49は、フォーカスリング32の回転角度より検出した物点距離情報に基づいて第5レンズ群L5を移動するための制御信号を生成する。マイクロコンピュータ49は、生成した制御信号をフォーカス制御部61へ送信する。
併せて、マイクロコンピュータ49は、画像表示制御部58に制御信号を送信する。画像表示制御部58は、液晶モニタLCDを駆動する。液晶モニタLCDは、フォーカスモードがマニュアルフォーカスモードである旨の表示を行う。併せて、マイクロコンピュータ49は、音声制御部59に制御信号を送信する。音声制御部59は、マニュアルフォーカスモードである際に予め設定された音声信号を生成しスピーカSPへ送信する。スピーカSPは、音声信号に応じてアラーム音を発する。
フォーカス制御部61は、マイクロコンピュータ49からの制御信号に基づいてフォーカスモータ15を駆動するための駆動信号を生成する。フォーカスモータ15は、駆動信号に基づいて駆動される。フォーカスモータ15の駆動により、第5レンズ群L5がフォーカスリング32の回転量に応じて光軸AXに平行な方向(z軸)に移動する。
以上のようにして、デジタルカメラ1のマニュアルフォーカスモードによるフォーカシングが行われる。撮影者は、液晶モニタLCDにおいて被写体を確認しながらフォーカスリング32を回転してフォーカシングを行うことができる。マニュアルフォーカシングモードにおいて、撮影者がシャッターボタンを操作すると、その状態のまま撮影が行われる。
マイクロコンピュータ49は、撮影が終了すると、画像記録制御部55に制御信号を送信する。画像記録部57は、画像記録制御部55の指令に基づいて、画像信号を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。画像記録部57は、画像記録制御部55の指令に基づいて、画像信号とともに撮影モードがマニュアルフォーカスモードである旨の情報を、内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。
次に、図17を用いて、デジタルカメラ1の露出設定動作について説明する。デジタルカメラ1は、通常撮影領域に対して自動で露出設定を行うプログラム撮影モードと、シャッタースピードを手動で設定するシャッタースピード優先撮影モードと、絞り値を手動で設定する絞り優先撮影モードと、シャッタースピード及び絞り値を両方とも手動で設定するマニュアル撮影モードとの4つの露出設定モードを持つ。
デジタルカメラ1の操作を行う撮影者は、絞りリング40を所定の回転角度とシャッタースピード設定ダイヤル65の回転角度とを組み合わせて設定することにより、4つの露出設定モードを選択することができる。すなわち、撮影者は、絞りリング40の文字[A]を指標33と一致させた状態で、シャッタースピード設定ダイヤル65をオートの位置に合わせると、プログラム撮影モードに設定可能である。撮影者は、絞りリング40の文字[A]を指標33と一致させた状態で、シャッタースピード設定ダイヤル65をマニュアル設定可能な位置に合わせると、シャッタースピード優先撮影モードに設定可能である。撮影者は、絞りリング40の文字[2]〜[11]を指標33と一致させた状態で、シャッタースピード設定ダイヤル65をオートの位置に合わせると、絞り優先撮影モードに設定可能である。撮影者は、絞りリング40の文字[2]〜[11]を指標33と一致させた状態で、シャッタースピード設定ダイヤル65をマニュアル設定可能な位置に合わせると、マニュアル撮影モードに設定可能である。
以下、4つの露出設定モードの内、プログラム撮影モードと、シャッタースピード優先撮影モードとを総称してオート絞りモードという。また、以下、絞り優先撮影モードと、マニュアル撮影モードとを総称してマニュアル絞りモードという。
絞りリニアセンサ41は、回転角度に応じた信号を絞り制御部62へ出力する。絞りリング40の文字[A]を指標33と一致させた状態にあるとき、シャッターボタン64が操作されると、絞り制御部62は、絞りリニアセンサ41から受信した信号に基づいて露出設定モードがオート絞りモードであることを判断する。判断した結果は、マイクロコンピュータ49へ送信される。
また、シャッタースピード設定ダイヤル65は、回転角度に応じた信号をマイクロコンピュータ49へ出力する。マイクロコンピュータ49は、絞り制御部62から受信した判断結果と、シャッタースピード設定ダイヤル65からの信号とに基づいて、露出設定モードがオート絞りモードであることを認識する。
マイクロコンピュータ49は、デジタル信号処理部53へ指令を送信する。デジタル信号処理部53は、受信した指令に基づいて所定のタイミングで画像信号をマイクロコンピュータ49へ送信する。マイクロコンピュータ49は、受信した画像信号に基づいて露出値を演算する。マイクロコンピュータ49は、露出設定モードがプログラム撮影モードである場合、調整可能な絞り値とシャッタースピードとから適切な組み合わせを演算する。マイクロコンピュータ49は、露出設定モードがシャッタースピード優先撮影モードである場合、設定されたシャッタースピードに対する適切な絞り値を演算する。
マイクロコンピュータ49は、演算結果に基づいて制御信号を生成する。マイクロコンピュータ49は、演算された絞り値に基づく制御信号を絞り制御部62へ送信する。マイクロコンピュータ49は、露出設定モードがプログラム撮影モードである場合、演算されたシャッタースピードに基づく制御信号をシャッター制御部63へ送信する。マイクロコンピュータ49は、露出設定モードがシャッタースピード優先撮影モードである場合、シャッタースピード設定ダイヤル65により設定されたシャッタースピードの内容をシャッター制御部63へ送信する。
併せて、マイクロコンピュータ49は、画像表示制御部58に制御信号を送信する。画像表示制御部58は、液晶モニタLCDを駆動する。液晶モニタLCDは、制御信号の内容がプログラム設定モードを指示するものであるとき、露出設定モードがプログラム撮影モードである旨の表示を行う。液晶モニタLCDは、制御信号の内容がシャッター優先モードを指示するものであるとき、露出設定モードがシャッタースピード優先モードである旨の表示を行う。併せて、マイクロコンピュータ49は、音声制御部59に制御信号を送信する。音声制御部59は、音声信号を生成しスピーカSPを駆動する。スピーカSPは、露出モードが変更された場合、アラーム音を発生する。
絞り制御部62は、マイクロコンピュータ49からの制御信号に基づいて絞り駆動モータ22bを駆動するための駆動信号を生成する。絞り駆動モータ22bは、駆動信号に基づいて駆動される。絞り駆動モータ22bの駆動により、絞り羽根が駆動される。
シャッター制御部63は、マイクロコンピュータ49からの制御信号に基づいてシャッター駆動モータ22aを駆動するための駆動信号を生成する。シャッター駆動モータ22aは、駆動信号に基づいて駆動される。シャッター駆動モータ22aの駆動により、シャッター羽根が駆動される。
以上のようにして、デジタルカメラ1のオート絞りモードによる露出設定が行われる。以上の動作は、撮影者のシャッターボタン64の操作後、瞬時に実行される。
マイクロコンピュータ49は、撮影が終了すると、画像記録制御部55に制御信号を送信する。画像記録部57は、画像記録制御部55の指令に基づいて、画像信号を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。
画像記録部57は、画像記録制御部55の指令に基づいて、制御信号の内容がプログラム設定モードを指示するものであるとき、画像信号とともに露出設定モードがプログラム撮影モードである旨の情報を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。画像記録部57は、画像記録制御部55の指令に基づいて、制御信号の内容がシャッター優先モードを指示するものであるとき、画像信号とともに露出設定モードがシャッタースピード優先モードである旨の情報を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。
絞りリング40の文字[2]〜[11]の間の位置を指標33と一致させた状態にあるとき、シャッターボタン64が操作されると、絞り制御部62は、絞りリニアセンサ41から受信した信号に基づいて露出設定モードがマニュアル絞りモードであることを判断する。判断した結果は、マイクロコンピュータ49へ送信される。また、シャッタースピード設定ダイヤル65は、回転角度に応じた信号をマイクロコンピュータ49へ出力する。
マイクロコンピュータ49は、絞り制御部62から受信した判断結果と、シャッタースピード設定ダイヤル65からの信号とに基づいて、露出設定モードがマニュアル絞りモードであることを認識する。
マイクロコンピュータ49は、絞り制御部62へ絞りリング44の回転角度より検出した絞り値情報を要求する。絞り制御部62は、マイクロコンピュータ49からの指令に基づいて絞りリング40の回転角度より検出した絞り値情報を、マイクロコンピュータ49へ送信する。マイクロコンピュータ49は、露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、デジタル信号処理部53へ指令を送信する。デジタル信号処理部53は、受信した指令に基づいて所定のタイミングで画像信号をマイクロコンピュータ49へ送信する。
マイクロコンピュータ49は、露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、受信した画像信号に基づいてシャッタースピードを演算する。マイクロコンピュータ49は、露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、検出された絞り値に対する適切なシャッタースピードを演算する。マイクロコンピュータ49は、露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、演算結果に基づいて制御信号を生成する。マイクロコンピュータ49は、露出設定モードが絞り優先撮影モードである場合、演算されたシャッタースピードに基づく制御信号をシャッター制御部63へ送信する。マイクロコンピュータ49は、露出設定モードがマニュアル撮影モードである場合、シャッタースピード設定ダイヤル65により設定されたシャッタースピードの内容をシャッター制御部63へ送信する。
併せて、マイクロコンピュータ49は、画像表示制御部58に制御信号を送信する。画像表示制御部58は、液晶モニタLCDを駆動する。液晶モニタLCDは、制御信号の内容が絞り優先撮影モードを指示するものであるとき、露出設定モードが絞り優先撮影モードである旨の表示を行う。液晶モニタLCDは、制御信号の内容がマニュアル撮影モードを指示するものであるとき、露出設定モードがマニュアル撮影モードである旨の表示を行う。併せて、マイクロコンピュータ49は、音声制御部59に制御信号を送信する。音声制御部59は、音声信号を生成しスピーカSPを駆動する。スピーカSPは、露出モードが変更された場合、アラーム音を発生する。
絞り制御部62は、マイクロコンピュータ49からの制御信号に基づいて絞り駆動モータ22bを駆動するための駆動信号を生成する。絞り駆動モータ22bは、駆動信号に基づいて駆動される。絞り駆動モータ22bの駆動により、絞り羽根が駆動される。シャッター制御部63は、マイクロコンピュータ49からの制御信号に基づいてシャッター駆動モータ22aを駆動するための駆動信号を生成する。シャッター駆動モータ22aは、駆動信号に基づいて駆動される。シャッター駆動モータ22aの駆動により、シャッター羽根が駆動される。
以上のようにして、デジタルカメラ1のマニュアル絞りモードによる露出設定が行われる。以上の動作は、撮影者のシャッターボタン64の操作後、瞬時に実行される。
マイクロコンピュータ49は、撮影が終了すると、画像記録制御部55に制御信号を送信する。画像記録部57は、画像記録制御部55の指令に基づいて、画像信号を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。
画像記録部57は、画像記録制御部55の指令に基づいて、制御信号の内容が絞り優先モードを指示するものであるとき、画像信号とともに露出設定モードが絞り優先モードである旨の情報を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。画像記録部57は、画像記録制御部55の指令に基づいて、制御信号の内容がマニュアル撮影モードを指示するものであるとき、画像信号とともに露出設定モードがマニュアル撮影モードである旨の情報を内部メモリ及び/又はリムーバブルメモリに記録する。
なお、以上説明した本発明の実施形態は、その内容に具体的な態様に限られず、適宜変更することが可能である。
例えば、本実施形態においては、フォーカスリング32および絞りリング40の絶対角度検出をする際に、摺動子を持つリニアセンサを用いたが、接点ブラシと導電パターンを用いたリニアセンサとしてもよい。
図18は、本発明の実施形態の変形例に係るリニアセンサの導電パターンを示す模式図である。図18に示したリニアセンサは、接点ブラシ70と、導電パターン71とを含む。図18に示したリニアセンサにおいて、接点ブラシ70が導電パターン71の上を移動すると、接点ブラシ70と導電パターン71の接触面積が変化する。このとき、接点ブラシに電圧を印加すると、導電パターン71から出力される電圧が変化する。したがって、接点ブラシ70の位置を検出することができる。
図18に示したリニアセンサを、実施形態のフォーカスリニアセンサ21と置換する場合、接点ブラシ70をフォーカスリング32の内周に設け、導電パターン71を第3のリング固定枠36に固定すればよい。図18に示したリニアセンサを、実施形態の絞りリニアセンサ41と置換する場合、接点ブラシ70を絞りリング40の内周に設け、導電パターン71を第3のリング固定枠36の外周に固定すればよい。その他、リニアセンサの代わりに、回転量を検出するロータリエンコーダを用いてもよい。
また、本実施形態においては、フォーカスおよび絞りのオートとマニュアルモードの切り替えにおいて、どちらのモードに移行する際にも、切り替えボタンを押しながらリングを回転させたが、この構成に限られない。
図19は、本発明の実施形態の変形例に係るフォーカスモード切り替えボタン37の作用を説明する略断面図である。図中に矢印Kで示した方向は、光軸AX回りの回転方向を示す。フォーカスリング32において、第1の停止位置は、図9(a)に示す文字[∞]の位置に相当する。また、フォーカスリング32において、第2の停止位置は、図9(a)に示す文字[AF]の位置に相当する。変形例のフォーカスモード切り替えボタンは、概略、実施形態のフォーカスモード切り替えボタン37と同一の構成を有する。一方、変形例の第2のリング固定枠38に設けられた係止部38a’の形状は、実施形態の第2のリング固定枠38に設けられた係止部38aの形状と異なる。
変形例の係止部38aは、一方の側に斜面を有する(図19(c)参照)。このため、第2の停止位置(図19(c)の状態)から逆K方向に回転する場合、フォーカスモード切り替えボタン37の係止部37aは、係止部38a’の斜面に沿って移動可能であるため、係止部38a’は係止部として機能しない。このとき、変形例では、マニュアル通常撮影領域からオート通常撮影領域に回転操作される場合、実施形態で説明した通り、フォーカスモード切り替えボタン37を押しながらフォーカスリング32を回転させないと回転操作することができない。しかしながら、オート通常撮影領域からマニュアル通常撮影領域に回転操作される場合、実施形態で説明した動作とは異なり、フォーカスモード切り替えボタン37を押さなくてもフォーカスリング32を回転させることが可能になる。撮影者は、オート通常撮影領域からマニュアル撮影領域へ移動する場合、瞬時に切り替えを望むこともあり得る。このような場合は、変形例の構成とすることにより、フォーカスモード切り替えボタン37の動作を省略することができる。
また、実施形態においては、ズームリング、フォーカスリング、絞りリングの3つのリングを搭載したデジタルカメラについて説明したが、ズームリングとフォーカスリングの2つのリングのみを搭載したデジタルカメラに適応できることは言うまでもない。また、そのリングを配置する順番についても、本実施形態にて説明した順番に限るものではない。
また、実施形態においては、ズームリングは手動による回転操作する例を示したが、ズームリングに、実施形態のフォーカスリングと同様の構成を用いて、モータにより駆動されるパワーズームとしてもよい。
また、実施形態においては、オートフォーカスの演算は、撮像センサーから出力される画像信号に基づいて行う例を示したが、これに限られない。撮像センサーとは別に設けた位相差検出方式のパッシブ型検出センサや、撮像センサーとは別に設けた投光装置と受光装置とから測距するアクティブ型検出センサを用いてもよい。
また、実施形態においては、シャッターは、撮影光学系中に配置されるいわゆるレンズシャッターであったが、撮像センサー近傍に配置されるフォーカルプレーンシャッターを用いてもよい。
また、撮影光学系は、仕様や目的に応じて適宜変更可能である。例えば、本実施形態にて説明したような全長が固定の撮影光学系に限らず、ズーム倍率に応じて、全長が変化する全長可変方式にも適応できる。