JP4529778B2 - 洗浄保護治具 - Google Patents
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Description
図7に示すように、この自然酸化膜除去装置2は耐食アルミニウム等により筒体状に成形された処理容器4を有している。この処理容器4内には、その表面に被処理体である半導体ウエハWを載置するための例えば耐食アルミニウム等よりなる載置台6が設けられており、この載置台6には、冷却媒体を流すための冷媒通路8が設けられて、ウエハの処理時にこの載置台6上に載置されているウエハWを冷却してこれを所定の温度に維持できるようになっている。尚、この載置台6には図示されないが、ウエハWを吸着する静電チャックやウエハWの搬出入時にこれを昇降させるリフタピン等が設けられる。
また処理容器4内の天井部には、円形リング状になされたシャワーヘッド部20が設けられており、このシャワーヘッド部20から、エッチングガスとして例えばNF3 ガスを容器内へ供給できるようになっている。また処理容器4の天井部の中心部には、この容器内へ活性種(ラジカル)を導入するためのラジカル導入口22が形成されている。
まず、表面に自然酸化膜の付着している半導体ウエハWを載置台6上に載置して処理容器4内を密閉し、この処理容器4内を真空引きしつつNF3 ガスよりなるエッチングガスやH2 とN2 との混合ガスよりなる活性化用ガスを処理容器4内へそれぞれ供給する。
この場合、上記SiNを主成分とする堆積物等は、折角発生したH*やN*等の活性種を失活させる原因物質となることから、定期的に、或いは不定期的に上記リモートプラズマ発生ユニット24を装置本体から取り外し、上記堆積物を除去する洗浄処理を行うようになっている。図8は自然酸化膜除去装置本体より取り外したリモートプラズマ発生ユニットを示す平面図、図9はリモートプラズマ発生ユニットを示す断面図、図10はリモートプラズマ発生ユニットの洗浄処理時の状態を示す説明図である。
本発明の目的は、外周面に保護すべき金属部材、例えば金属製冷却管が設けられた管状の被洗浄体を洗浄するに際して、この金属部材に洗浄液を付着させることなく、管状の被洗浄体の内面を金属汚染させることなく洗浄することができる洗浄保護治具を提供することにある。
また例えば請求項3に規定するように、前記蓋部材は、前記保護カバー部材にネジ込みにより取り付け固定される。
また例えば請求項4に規定するように、前記蓋部材は、前記保護カバー部材と前記被洗浄体との間で、それぞれシール部材が介在されて取り付けられる。
また例えば請求項5に規定するように、前記非金属材料は、樹脂またはセラミックスよりなる。
また例えば請求項7に規定するように、前記活性化用ガスは、NH3 ガスのグループ、H2 ガスとN2 ガスのグループ、H2 ガスとN2 ガスとNH3 ガスのグループの3つのグループより選択される1つのグループが用いられる。
また例えば請求項8に規定するように、前記リモートプラズマ発生管は石英ガラスパイプよりなり、前記洗浄により除去する除去対象物はシリコン窒化膜(SiN)である。
また例えば請求項9に規定するように、前記洗浄液は、酸性の液体である。
また例えば請求項10に規定するように、前記保護カバー部材の両端においては前記被洗浄体の外周面と前記蓋部材の内周面との間及び前蓋部材の外周面と前記保護カバー部材の開口端の表面との間にそれぞれシール部材が介在されている。
また例えば請求項11に規定するように、前記保護カバー部材の一端は、中心軸に向けて屈曲されて開口を有し、前記一端においては前記開口の内周面と前記蓋部材の外周面との間にシール部材が介設され、前記保護カバー部材の他端においは前記被洗浄体の外周面と前記蓋部材の内周面との間及び前蓋部材の外周面と前記保護カバー部材の開口端の表面との間にそれぞれシール部材が介在されている。
非金属材料よりなる筒状の保護カバー部材内に管状の被洗浄体を収容して、この被洗浄体の両端の開口を開放したまま保護カバー部材の開口端側を、非金属材料よりなる蓋部材により閉じるようにして管状の被洗浄体の内部だけに洗浄液を流すようにしたので、外周面に保護すべき金属部材、例えば金属製冷却管が設けられた管状の被洗浄体を洗浄するに際して、この金属部材に洗浄液を付着させることなく、管状の被洗浄体の内面を金属汚染させることなく洗浄することができる。
<第1実施例>
図1は本発明に係る洗浄保護治具の第1実施例を示す分解斜視図、図2は図1に示す第1実施例内にリモートプラズマ発生ユニットを収容した状態を示す断面図、図3は図1に示す第1実施例内に被洗浄体であるリモートプラズマ発生ユニットを収容して両端を蓋部材で固定した状態を示す断面図である。尚、図7〜図10に示す部材と同一構成部品については同一参照符号を付してその説明を省略する。
上記保護カバー部材62や蓋部材64を構成する非金属材料としては、例えば洗浄液(希フッ酸)に対して耐食性が高くて僅かに弾性のあるフッ素樹脂等を用いることができる。このフッ素樹脂としては、例えばテフロン(登録商標)を用いることができる。
具体的には、上記筒状の保護カバー部材62の内径は、上記リモートプラズマ発生管26及びこれに巻回される金属製冷却管28の全体を収容し得るような大きさの内径、例えば5〜6cm程度に設定されている。またこの保護カバー部材62の長さは、少なくとも上記金属製冷却管28の全体を覆うことができるような長さに設定されている。ここでは、この保護カバー部材62の長さは、上記リモートプラズマ発生管26と同等、或いはこれよりも僅かに長く設定されている。
まず、図7に示す自然酸化膜除去装置2の上部に取り付けられている、リモートプラズマ発生管26と金属製冷却管28とよりなるリモートプラズマ発生ユニット24を取り外し、被洗浄体であるこのリモートプラズマ発生ユニット24を、図2に示すように洗浄保護治具60の筒状の保護カバー部材62内へ完全に収容する。そして、図3に示すようにこの保護カバー部材62の内面とリモートプラズマ発生管26の端部の外周面との間に形成されるリング状の開口部66に、上記蓋部材64を上記保護カバー部材62の両端側からそれぞれ押し込み、この開口部66を液密にシールする。これにより、上記リモートプラズマ発生管26の外周に巻回させて設けられている金属製冷却管28は、保護カバー部材62により完全に、且つ液密に覆われることになる。
従って、本発明治具を用いて洗浄処理したリモートプラズマ発生ユニット24を使用することにより、リモートプラズマ発生管26の内壁面の金属汚染等を大幅に抑制することができるので、リモートプラズマ発生管26内で生成されるプラズマの失活が防止され、プラズマ処理、すなわち自然酸化膜のエッチング処理を効率的に行うことができる。
図4は本発明治具を用いて洗浄した場合と、ビニルシートの保護カバーを用いた従来の洗浄方法を行った場合の金属汚染度を示す図である。ここでは洗浄処理後に、リモートプラズマ発生管26の内壁面の付着金属を分析している。図4より明らかなように、Na〜Znの全ての金属において、従来の洗浄方法よりも本発明の洗浄保護治具を用いた場合の方が、金属の汚染度がかなり少なくなっており、良好な結果を示しているのが確認できた。特に、NaやCa或いはCuの汚染度が非常に少なくなっているのが確認できた。例えばCuは1400ppmから10ppmに大幅に減少しているが、この理由は、ビニルシートよりなる保護カバーを用いた従来の洗浄方法の場合には、シール性が不完全なために洗浄液が内部に侵入して銅よりなる金属製冷却管28と接触してこれを溶解し、この溶解液が再び外側へ洩れ出してリモートプラズマ発生管26の内壁面に付着したからである、と考えられる。
次に本発明の洗浄保護治具の第2実施例について説明する。
先に説明した第1実施例の場合には、保護カバー部材68の両端に蓋部材64をそれぞれ嵌め込む構造としたが、これに限定されず、一端のみに上記蓋部材64を嵌め込む構造としてもよい。図6はこのような本発明の洗浄保護治具の第2実施例を示す断面図である。尚、ここでは被洗浄体であるリモートプラズマ発生ユニット24が内部に収容されている状態を示している。
図6に示すように、ここでは保護カバー部材62は、その一端部62Aが、中心軸に向けて屈曲されて開口を形成しており、その内径が先の蓋部材64(図3参照)の内径と略同等となるように設定されている。そして、この開口にOリング等のシール部材70を介して上記リモートプラズマ発生管26の端部を液密に押し込んで嵌装できるようになっている。
このような構成の場合にも、先に説明した第1実施例と同様な作用効果を発揮することができる。また、上記蓋部材82に代えて、図3及び図5にて説明したような蓋部材64を用いるようにしてもよい。
尚、上記各実施例において、保護カバー部材62や蓋部材64、82の構成材料である非金属材料としてフッ化樹脂を用いたが、これに限定されず、使用する洗浄液にもよるが、例えば一般的なプラスチック合成樹脂、セラミックス、石英等を用いることができる。
4 処理容器
24 リモートプラズマ発生ユニット(M:被洗浄体)
26 リモートプラズマ発生管
28 金属製冷却管(金属部材)
46 マイクロ波発生器
60 洗浄保護治具
62 保護カバー部材
64 蓋部材
66 リング状の開口部
W 半導体ウエハ(被処理体)
Claims (11)
- 外周面に保護すべき金属部材が設けられている管状の被洗浄体の内面を洗浄液により洗浄する際に用いる洗浄保護治具において、
両端が開口され、前記金属部材を覆うと共に前記被洗浄体の両端を前記開口に位置させた状態で前記被洗浄体を内部に収容することができる非金属材料よりなる筒状の保護カバー部材と、
前記保護カバー部材の両端の内の少なくともいずれか一方の端部に着脱可能に設けられて前記被洗浄体の外周面と前記保護カバー部材の開口端の面との間に形成されるリング状の開口部を液密に閉じる非金属材料よりなる蓋部材と、
よりなることを特徴とする洗浄保護治具。 - 前記蓋部材は、前記保護カバー部材に押し込みにより取り付け固定されることを特徴とする請求項1記載の洗浄保護治具。
- 前記蓋部材は、前記保護カバー部材にネジ込みにより取り付け固定されることを特徴とする請求項1記載の洗浄保護治具。
- 前記蓋部材は、前記保護カバー部材と前記被洗浄体との間で、それぞれシール部材が介在されて取り付けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の洗浄保護治具。
- 前記非金属材料は、樹脂またはセラミックスよりなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の洗浄保護治具。
- 前記被洗浄体はリモートプラズマ発生ユニットよりなり、該リモートプラズマ発生ユニットは、内部にマイクロ波により活性化させる活性化用ガスを流すリモートプラズマ発生管と、前記金属部材として前記リモートプラズマ発生管の周囲に巻回して設けられて冷却媒体を流すための金属製冷却管とよりなり、前記リモートプラズマ発生ユニットは、マイクロ波を照射するためのキャビティに設けられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の洗浄保護治具。
- 前記活性化用ガスは、NH3 ガスのグループ、H2 ガスとN2 ガスのグループ、H2 ガスとN2 ガスとNH3 ガスのグループの3つのグループより選択される1つのグループが用いられることを特徴とする請求項6記載の洗浄保護治具。
- 前記リモートプラズマ発生管は石英ガラスパイプよりなり、前記洗浄により除去する除去対象物はシリコン窒化膜(SiN)であることを特徴とする請求項6または7記載の洗浄保護治具。
- 前記洗浄液は、酸性の液体であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の洗浄保護治具。
- 前記保護カバー部材の両端においては前記被洗浄体の外周面と前記蓋部材の内周面との間及び前蓋部材の外周面と前記保護カバー部材の開口端の表面との間にそれぞれシール部材が介在されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の洗浄保護治具。
- 前記保護カバー部材の一端は、中心軸に向けて屈曲されて開口を有し、前記一端においては前記開口の内周面と前記被洗浄体の外周面との間にシール部材が介設され、
前記保護カバー部材の他端においは前記被洗浄体の外周面と前記蓋部材の内周面との間及び前蓋部材の外周面と前記保護カバー部材の開口端の表面との間にそれぞれシール部材が介在されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の洗浄保護治具。
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