JP4529409B2 - 誘電体磁器組成物および電子部品 - Google Patents

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本発明は、たとえば積層セラミックコンデンサの誘電体層などとして用いられる誘電体磁器組成物と、その誘電体磁器組成物を誘電体層として用いる電子部品に関する。
電子部品の一例である積層セラミックコンデンサは、たとえば、所定の誘電体磁器組成物からなるセラミックグリーンシートと、所定パターンの内部電極層とを交互に重ね、その後一体化して得られるグリーンチップを、焼成して製造される。積層セラミックコンデンサの内部電極層は、焼成によりセラミック誘電体と一体化されるために、セラミック誘電体と反応しないような材料を選択する必要がある。このため、内部電極層を構成する材料として、従来では白金やパラジウムなどの高価な貴金属を用いることを余儀なくされていた。
これに対して、安価な卑金属(たとえばニッケルや銅など)を内部電極の材料として用いるためには、中性または還元性雰囲気下で焼成しても半導体化せず、すなわち耐還元性に優れ、焼成後には十分な比誘電率と優れた誘電特性(たとえば容量温度変化率が小さいなど)とを有する誘電体磁器組成物を開発することが必要である。
内部電極の材料として、ニッケルや銅のような卑金属を用いることができる誘電体磁器組成物として種々の提案がなされている(たとえば、特許文献1参照)。
また、BaO−CaO−TiO−ZrO系の誘電体磁器組成物においては、比誘電率が大きくなると、静電容量の温度特性の悪化や交流破壊電圧の低下が問題となる場合があり、これらの問題を解決するために、MgOおよびYを含有することを特徴とする誘電体磁器組成物が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
しかし、この文献においては、単板セラミックコンデンサについて検討されており、積層コンデンサについての検討はなされていない。さらに、誘電体磁器組成物中にMgOを含有しているため比誘電率が大きく低下してしまうという問題も生じている。
一方、近年、電子回路の高密度化に伴う電子部品の小型化に対する要求は高く、積層セラミックコンデンサの小型化、大容量化が急速に進んでいる。それに伴い、積層セラミックコンデンサにおける1層あたりの誘電体層の薄層化、および積層数増加による誘電体層の多層化が進み、薄層化および多層化してもコンデンサとしての信頼性を維持できる誘電体磁器組成物が求められている。
特に、小型化および大容量のためには、誘電体磁器組成物に対して非常に高い信頼性が要求される。なぜなら、小型化および大容量化のために、誘電体層の薄層化および多層化が進むと、誘電体磁器組成物の絶縁抵抗が十分でない場合、初期絶縁抵抗不良つまり、IR不良が生じる可能性が高くなってしまうからである。
特開平6−45182号公報 特開2003−109430号公報
本発明の目的は、中性または還元性雰囲気下で焼成した場合においても十分な絶縁抵抗を有し、積層セラミックコンデンサの誘電体層として使用し、積層セラミックコンデンサを薄層化および多層化した場合においても、IR不良率を低く抑えることができ、かつ高い比誘電率を有する誘電体磁器組成物を提供することである。また、本発明は、このような誘電体磁器組成物を用いて製造され、信頼性が高められた積層セラミックコンデンサなどの電子部品を提供することも目的とする。特に本発明は、薄層化、多層化および小型化対応の積層セラミックコンデンサ等の電子部品を提供することを目的としている。
本発明の発明者等は、積層型セラミックチップコンデンサなどの電子部品の誘電体層として用いられる誘電体磁器組成物において、積層セラミックコンデンサの誘電体層として使用し、積層セラミックコンデンサを薄層化および多層化しても、IR不良率を低く抑えることができ、かつ高い比誘電率を有する誘電体磁器組成物について鋭意検討した結果、特定組成の誘電体磁器組成物において、副成分として、2種類の希土類元素の酸化物を添加することで、本発明の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る誘電体磁器組成物は、
主成分が組成式
{{Ba(1−x)Ca}O}{Ti(1−y)Zr
(ただし、A,B,x,yが、0.995≦A/B≦1.020、0≦x≦0.25、0.1≦y≦0.3)
で表され、副成分として、主成分100モルに対して、Mnの酸化物をMnO換算で0.03〜1.70モル、Siの酸化物をSiO換算で0〜1.00モル、VおよびWの少なくとも1種の酸化物をVおよびWO換算で0.001〜0.7モル含有する誘電体磁器組成物であって、
2種類の希土類元素の酸化物(R1の酸化物、R2の酸化物)をさらに副成分として含み、前記R1の酸化物と前記R2の酸化物の含有量の合計が、主成分100モルに対して、R1の酸化物およびR2の酸化物換算で0.1〜1.2モルであることを特徴とする。
本発明に係る誘電体磁器組成物において、好ましくは、前記R1の酸化物が、Yの酸化物である。
本発明に係る誘電体磁器組成物において、好ましくは、前記R1の酸化物の含有量が、主成分100モルに対して、R1の酸化物換算で0.1〜0.6モルである。
本発明に係る誘電体磁器組成物において、好ましくは、前記R2の酸化物の含有量が、主成分100モルに対して、R2の酸化物換算で0.1〜0.6モルである。
本発明に係る電子部品は、上記のいずれかに記載の誘電体磁器組成物で構成してある誘電体層を有する。電子部品としては、特に限定されないが、積層セラミックコンデンサ、圧電素子、チップインダクタ、チップバリスタ、チップサーミスタ、チップ抵抗、その他の表面実装(SMD)チップ型電子部品が例示される。
本発明に係る積層セラミックコンデンサは、上記のいずれかに記載の誘電体磁器組成物で構成してある誘電体層と、内部電極層とが交互に積層してあるコンデンサ素子本体を有する。
本発明に係る積層セラミックコンデンサにおいて、好ましくは、前記誘電体層の積層数が、20以上であり、さらに好ましくは50以上であり、より好ましくは100以上である。
本発明に係る積層セラミックコンデンサにおいて、好ましくは、前記誘電体層の厚みが、4.5μm以下、さらに好ましくは、3.0μm以下である。
本発明によれば、中性または還元性雰囲気下で焼成した場合においても、高い絶縁抵抗を有し、セラミックコンデンサを薄層化、多層化した場合においても、IR不良率を低くすることが可能であり、高い比誘電率を有する誘電体磁器組成物を提供することができる。また、本発明によれば、薄層化、多層化しても、IR不良率が低く、比誘電率の高い積層型セラミックコンデンサなどの電子部品を提供することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図、
図2は本発明の実施例および比較例に係る誘電体磁器組成物における希土類元素の酸化物のモル数と、比誘電率との関係を示すグラフ、
図3は本発明の実施例および比較例に係る誘電体磁器組成物における希土類元素の酸化物のモル数と、IR不良率との関係を示すグラフである。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。このコンデンサ素子本体10の両端部には、素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4が形成してある。コンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよい。
内部電極層3は、各端面がコンデンサ素子本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するように積層してある。一対の外部電極4は、コンデンサ素子本体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
誘電体層2は、本発明の誘電体磁器組成物を含有する。
本発明の誘電体磁器組成物は、{{Ba(1−x)Ca}O}{Ti(1−y)Zrで表される組成の誘電体酸化物を含む主成分と、Mnの酸化物と、Siの酸化物と、VおよびWの少なくとも1種の酸化物と、2種類の希土類元素の酸化物(R1の酸化物、R2の酸化物)とを含む副成分とを有する。この際、酸素(O)量は、上記式の化学量論組成から若干偏倚してもよい。
上記式中、xは、0以上0.25以下、好ましくは0.01以上0.1以下である。また、yは、0.1以上0.3以下、好ましくは0.15以上0.25以下である。また、A/Bは、0.995以上1.020以下、好ましくは1.000以上1.010以下である。
この組成において、xはCaの比率を表すが、このCaは、主に焼結安定性を向上させるとともに、絶縁抵抗値を向上させる元素として作用するものである。xが0.25を超えると、比誘電率が低くなる傾向にある。従って、xの値は、0≦x≦0.25の範囲が望ましい。
前記組成式において、yはZrの比率を表すが、このZrは、主にキュリー点を低温側に移動させるシフターとして作用するものである。yが0.1未満となると誘電損失が高くなる傾向にあり、また、yが0.3を超えると比誘電率が低くなる傾向にある。従って、yの値は0.1≦y≦0.3の範囲が望ましい。
前記組成式において、A/Bが0.995未満になると、焼成時に誘電体層の異常粒成長が生じ易くなると共に、絶縁抵抗値が低下する傾向にあり、A/Bが1.020を超えると焼結性が低下する傾向にあり、緻密な焼結体が得にくくなる。従って、A/Bは0.995≦A/B≦1.020の範囲が好ましい。
前記Mnの酸化物は、焼結を促進する効果と、IRを高くする効果と、IR寿命を向上させる効果とがあり、主成分100モルに対して、MnO換算で0.03〜1.70モル、好ましくは、0.1〜1.0モルであり、さらに好ましくは、0.3〜0.7モルである。Mnの酸化物の含有量が少な過ぎると、添加した効果が得にくくなる傾向にあり、多過ぎると、比誘電率が低下する傾向にある。
前記Siの酸化物は、焼結助剤として作用し、主成分100モルに対して、SiO換算で0〜1.00モル、好ましくは、0.4〜1.0モルである。Siの酸化物の含有量が多過ぎると、比誘電率が低下する傾向にある。
前記Vの酸化物およびWの酸化物は、IR寿命を向上させる効果があり、VおよびWの少なくとも1種の酸化物は、主成分100モルに対して、VおよびWO換算で0.001〜0.7モル、好ましくは、0.01〜0.2モルである。Vの酸化物およびWの酸化物の含有量が少な過ぎると、添加した効果が得にくくなる傾向にあり、多過ぎると、IRが著しく低下する傾向にある。
本発明の誘電体磁器組成物の特徴点は、前記主成分と前記各副成分とを含有し、さらに、2種類の希土類元素の酸化物(R1の酸化物、R2の酸化物)を所定量添加する点にある。希土類元素の酸化物を2種類添加することにより、中性または還元性雰囲気下において焼成した場合においても、十分な絶縁抵抗を有し、セラミックコンデンサを薄層化および多層化した場合においても、IR不良率を低くすることができ、かつ比誘電率を高くすることが可能となる。
希土類の酸化物を含有しない場合には、中性または還元性雰囲気下で焼成を行うと、誘電体磁器組成物が半導体化してしまい、十分な絶縁抵抗が確保できなくなるため、コンデンサの薄層化が困難となってしまう。また、この問題を解決するためにMgの酸化物を添加した場合においては、比誘電率が低下してしまう。
さらに、希土類元素の酸化物を1種類だけ添加した場合においては、十分な絶縁抵抗が確保でき、比誘電率を高くすることが可能となるが、セラミックコンデンサを薄層化および多層化した場合、その添加量を増やしても、IR不良率を低く抑えることができない。
なお、希土類元素の酸化物を2種類添加することによって、IR不良率を低く抑えることができる理由について、その詳細については、判明していないが、希土類元素の酸化物を2種類添加した方が、1種類のみ添加した場合と比較して、主成分に固溶しやすくなることが、要因の一つであると考えられる。
なお、本発明の目的を達成できる範囲において、その他の希土類元素の酸化物あるいは、その他の副成分を添加してもよい。
2種類の希土類元素の酸化物(R1の酸化物、R2の酸化物)は、前記R1の酸化物とR2の酸化物の含有量の合計が、主成分100モルに対して、R1の酸化物およびR2の酸化物換算で0.1〜1.2モルであり、好ましくは、0.2〜1.0モルであり、さらに好ましくは、0.4〜0.9モルである。2種類の希土類元素の酸化物の含有量が少な過ぎると、IR不良率が高くなる傾向にあり、多過ぎると比誘電率が低下する傾向にある。
前記R1の酸化物は、Yの酸化物であることが好ましい。つまり、2種類の希土類元素の酸化物のうち1種類は、Yの酸化物であることが好ましい。2種類の希土類元素の酸化物のうちの1種をYの酸化物とすることで、2種類の希土類元素の酸化物を含有するが、Yの酸化物を含有しない場合と比較して、よりIR不良率を低く抑えることができ、より比誘電率を向上することができるためである。
前記R1の酸化物の含有量は、主成分100モルに対して、R1の酸化物換算で0.1〜0.6モルであることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.45モルである。R1の酸化物の含有量が少な過ぎると、IR不良率が高くなる傾向にあり、多過ぎると比誘電率が低下する傾向にある。
前記R2の酸化物は、Y以外の希土類元素の酸化物であれば何でも良いが、より好ましくは、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、TmまたはYbの各元素の酸化物である。R2の酸化物として、このような元素の酸化物とした場合に、特に本発明の効果が向上する。
前記R2の酸化物の含有量は、主成分100モルに対して、R2の酸化物換算で0.1〜0.6モルであり、好ましくは0.1〜0.45モルである。R2の酸化物の含有量が少な過ぎると、IR不良率が高くなる傾向にあり、多過ぎると比誘電率が低下する傾向にある。
なお、本明細書では、主成分および各副成分を構成する各酸化物を化学量論組成で表しているが、各酸化物の酸化状態は、化学量論組成から外れるものであってもよい。ただし、各副成分の上記比率は、各副成分を構成する酸化物に含有される金属量から上記化学量論組成の酸化物に換算して求める。
誘電体層2の厚さは、特に限定されないが、一層あたり7μm以下であることが好ましく、より好ましくは4.5μm以下、特に好ましくは、3μm以下である。厚さの下限は、特に限定されないが、たとえば0.5μm程度である。
誘電体層2の積層数は、特に限定されないが、20以上であることが好ましく、より好ましくは50以上、特に好ましくは、100以上である。
本実施形態では、誘電体層2の厚みを、4.5μm以下に薄くし、積層数を20以上、特に、100以上とした場合でも、IR不良率が低く、かつ高い比誘電率を有する積層セラミックコンデンサを得ることができる。
誘電体層2に含まれる誘電体粒子の平均結晶粒径は、特に限定されず、誘電体層2の厚さなどに応じて、例えば1.0〜5.0μmの範囲から適宜決定すればよく、好ましくは2.0〜3.0μmである。平均結晶粒径を小さくすることにより、比誘電率は低下する傾向にあるが、HALTを改良することができる。
内部電極層3に含有される導電材は特に限定されないが、誘電体層2の構成材料が耐還元性を有するため、卑金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn,Cr,CoおよびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。
外部電極4に含有される導電材は特に限定されないが、本発明では安価なNi,Cuや、これらの合金を用いることができる。外部電極4の厚さは用途等に応じて適宜決定されればよいが、通常、10〜50μm程度であることが好ましい。
本発明の誘電体磁器組成物を用いた積層セラミックコンデンサは、従来の積層セラミックコンデンサと同様に、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部電極を印刷または転写して焼成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
まず、誘電体層用ペーストに含まれる誘電体磁器組成物粉末を準備し、これを塗料化して、誘電体層用ペーストを調整する。
誘電体層用ペーストは、誘電体磁器組成物粉末と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
誘電体磁器組成物粉末としては、上記した酸化物やその混合物、複合酸化物を用いることができるが、その他、焼成により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物、例えば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等から適宜選択し、混合して用いることもできる。誘電体磁器組成物粉末中の各化合物の含有量は、焼成後に上記した誘電体磁器組成物の組成となるように決定すればよい。塗料化する前の状態で、誘電体磁器組成物粉末の粒径は、通常、平均粒径0.1〜1μm程度である。
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。また、用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
また、誘電体層用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
内部電極層用ペーストは、上記した各種導電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製する。
外部電極用ペーストは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製すればよい。
上記した各ペースト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の含有量、例えば、バインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、10重量%以下とすることが好ましい。
印刷法を用いる場合、誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを、PET等の基板上に積層印刷し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグリーンチップとする。
また、シート法を用いる場合、誘電体層用ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペーストを印刷した後、これらを積層してグリーンチップとする。
焼成前に、グリーンチップに脱バインダ処理を施す。脱バインダ処理は、内部電極層ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、脱バインダ雰囲気中の酸素分圧を10−45 〜10Paとすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると、脱バインダ効果が低下する。また酸素分圧が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。
また、それ以外の脱バインダ条件としては、昇温速度を好ましくは5〜300℃/時間、より好ましくは10〜100℃/時間、保持温度を好ましくは180〜400℃、より好ましくは200〜350℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは2〜20時間とする。また、焼成雰囲気は、空気もしくは還元性雰囲気とすることが好ましく、還元性雰囲気における雰囲気ガスとしては、たとえばNとHとの混合ガスを加湿して用いることが好ましい。
グリーンチップ焼成時の雰囲気は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、10−9〜10−4Paとすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると、内部電極層の導電材が異常焼結を起こし、途切れてしまうことがある。また、酸素分圧が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。
また、焼成時の保持温度は、好ましくは1100〜1400℃、より好ましくは1200〜1300℃である。保持温度が前記範囲未満であると緻密化が不十分となり、前記範囲を超えると、内部電極層の異常焼結による電極の途切れや、内部電極層構成材料の拡散による容量温度特性の悪化、誘電体磁器組成物の還元が生じやすくなる。
これ以外の焼成条件としては、昇温速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間、温度保持時間を好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1〜3時間、冷却速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間とする。また、焼成雰囲気は還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、NとHとの混合ガスを加湿して用いることが好ましい。
還元性雰囲気中で焼成した場合、コンデンサ素子本体にはアニールを施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これによりIR寿命を著しく長くすることができるので、信頼性が向上する。
アニール雰囲気中の酸素分圧は、10−3Pa以上、特に10−2〜10Paとすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると誘電体層の再酸化が困難であり、前記範囲を超えると内部電極層が酸化する傾向にある。
アニールの際の保持温度は、1100℃以下、特に500〜1100℃とすることが好ましい。保持温度が前記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分となるので、IRが低く、また、IR寿命が短くなりやすい。一方、保持温度が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化して容量が低下するだけでなく、内部電極層が誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性の悪化、IRの低下、IR寿命の低下が生じやすくなる。なお、アニールは昇温過程および降温過程だけから構成してもよい。すなわち、温度保持時間を零としてもよい。この場合、保持温度は最高温度と同義である。
これ以外のアニール条件としては、温度保持時間を好ましくは0〜20時間、より好ましくは2〜10時間、冷却速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間とする。また、アニールの雰囲気ガスとしては、たとえば、加湿したNガス等を用いることが好ましい。
上記した脱バインダ処理、焼成およびアニールにおいて、Nガスや混合ガス等を加湿するには、例えばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
脱バインダ処理、焼成およびアニールは、連続して行なっても、独立に行なってもよい。
上記のようにして得られたコンデンサ素子本体に、例えばバレル研磨やサンドブラストなどにより端面研磨を施し、外部電極用ペーストを印刷または転写して焼成し、外部電極4を形成する。外部電極用ペーストの焼成条件は、例えば、加湿したNとHとの混合ガス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じ、外部電極4表面に、めっき等により被覆層を形成する。
このようにして製造された本発明の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
本発明によれば、特定組成の誘電体磁器組成物において、副成分として、2種類の希土類元素の酸化物(R1の酸化物、R2の酸化物)を特定量添加することで、積層セラミックコンデンサの誘電体層の厚みを薄くし、誘電体層の積層数を増やした場合でも、IR不良率を低く抑えることができると共に、高い比誘電率と信頼性を確保しつつ、性能をさらに向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る電子部品として積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係る電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、上記組成の誘電体磁器組成物で構成してある誘電体層を有するものであれば何でも良い。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
出発原料として、ゾルゲル合成により生成された{{Ba(1−x)Ca}O}{Ti(1−y)Zrで示される組成の誘電体酸化物から成る主成分を用いた。主成分を示す式中の組成比を示す記号A,B,x,yが、
A/B=1.005、
x=0.01、
y=0.20の関係の関係にあった。
なお、上記誘電体酸化物の平均粒径は、0.5μmであった。
また、副成分であるMnO、SiO、V、WO、R1の酸化物、R2の酸化物、およびMgOを表1および2に示すモル比にて、各々ボールミルで16時間湿式粉砕し、900℃および3時間の条件で、大気雰囲気中で仮焼きし、その後、解砕のためにボールミルで20時間湿式粉砕し、副成分の添加物とした。
そして、主成分と副成分とを、ボールミルで16時間、湿式粉砕し、乾燥して、表1および2に示す試料番号1〜21の誘電体材料を得た。
これら試料番号1〜21の誘電体材料の各々を用いて、誘電体原料100重量部と、アクリル樹脂4.8重量部と、トルエン10重量部と、酢酸エチル70重量部と、ミネラルスピリット6重量部と、アセトン4重量部とをボールミルで混合し、ペースト化して誘電体層用ペーストを得た。
平均粒径0.2〜0.8μmのNi粒子100重量部と、有機ビヒクル(エチルセルロース8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解したもの)40重量部と、ブチルカルビトール10重量部とを3本ロールにより混練し、ペースト化して内部電極層用ペーストを得た。
得られた誘電体層用ペーストを用いてPETフィルム上にグリーンシートを形成した。この上に内部電極用ペーストを印刷した後、PETフィルムからシートを剥離した。次いで、これらのグリーンシートと保護用グリーンシート(内部電極層用ペーストを印刷しないもの)とを積層、圧着して、グリーンチップを得た。
次いで、グリーンチップを所定サイズに切断し、脱バインダ処理、焼成およびアニールを下記条件にて行って、積層セラミック焼成体を得た。脱バインダ処理条件は、昇温速度:25.0℃/時間、保持温度:260℃、温度保持時間:8時間、雰囲気:空気中とした。焼成条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1250℃、温度保持時間:2時間、冷却速度:200℃/時間、雰囲気ガス:加湿したN+H混合ガス(酸素分圧:10−6Pa)とした。アニール条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1050℃、温度保持時間:2時間、冷却速度:200℃/時間、雰囲気ガス:加湿したNガス(酸素分圧:10−1Pa)とした。なお、焼成およびアニールの際の雰囲気ガスの加湿には、水温を20℃としたウエッターを用いた。
次いで、得られた積層セラミック焼成体の端面をサンドブラストにて研磨した後、外部電極としてIn−Gaを塗布し、図1に示す積層セラミックコンデンサの試料1〜21を得た。
得られたコンデンサ試料のサイズは、3.2mm×1.6mm×0.6mmであり、内部電極層に挟まれた誘電体層の数は100、1層あたりの誘電体層の厚み(層間厚み)は4.5μmであり、内部電極層の厚さは1.2μmであった。また、各試料の誘電体層における平均結晶粒径を調べたところ、2.5μmであった。各試料について下記特性の評価を行った。
比誘電率(ε )、誘電損失(tanδ)、絶縁抵抗(IR)、CR積
コンデンサの試料に対し、基準温度20℃において、デジタルLCRメータ(YHP社製4274A)にて、周波数120Hz,入力信号レベル(測定電圧)0.625Vrms/μmの条件下で、静電容量Cおよび誘電損失tanδを測定した。そして、得られた静電容量から、比誘電率(単位なし)を算出した。その後、絶縁抵抗計(アドバンテスト社製R8340A)を用いて、20℃においてDC20Vを、コンデンサ試料に60秒間印加した後の絶縁抵抗IRを測定した。CR積は、静電容量(C,μF)と、絶縁抵抗(IR,MΩ)との積で表した。CR積は、大きいほど好ましい。
比誘電率εは、小型で高誘電率のコンデンサを作成するために重要な特性である。本実施例では、比誘電率εの値は、コンデンサの試料数n=10個を用いて測定した値の平均値として算出した。比誘電率は、大きいほど好ましい。
本実施例では、誘電損失tanδの値は、コンデンサの試料数n=10個を用いて測定した値の平均値として算出した。tanδは、小さいほど好ましい。結果を表1および2に示す。なお、表1および2中、絶縁抵抗(IR)の数値において、「mE+n」は「m×10+n」を意味する。
IR不良率
コンデンサの試料に対し、20V直流電圧を1分間印加して、絶縁抵抗を測定し、絶縁抵抗値が1.0×10以下となった試料を不良品とし、不良品の発生割合を%で示した。この値が小さいほど、IR不良率が低く、良品が多いこととなる。結果を表1および2に示す。
破壊電圧(VB)
コンデンサの試料に対し、直流電圧を昇温速度100V/sec.で印加し、100mAの漏洩電流を検知するか、または素子の破壊時の電圧(破壊電圧、単位はV/μm)を測定した。本実施例では、破壊電圧は、10個のコンデンササンプルを用いて測定した値の平均値として算出した。破壊電圧は大きいほどよい。結果を表1および2に示す。
Figure 0004529409
Figure 0004529409
評価1
表1は、希土類元素の酸化物の含有量の合計(R1+R2)を、主成分100モルに対して、一定量0.60モルとしたコンデンサ試料について組成と特性についてまとめたものである。
表1に示すように、R1をYとし、R2をY以外の希土類元素とした本実施例の試料1〜7は、比誘電率が高く、IR不良率も低く抑えられており、良好であることが判明した。また、R2として添加する元素として、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびYb等種々の希土類元素を使用した場合においても、本発明の効果が得られることが確認できた。
一方、希土類元素の酸化物の含有量の合計(R1+R2)は0.60モルと実施例の試料1〜7と同量であるが、希土類元素の酸化物としてYの酸化物のみを添加した比較例の試料9は、比誘電率は、良好な値であったが、IR不良率が50%と高い結果となってしまい、コンデンサとしての信頼性が低いということがわかった。この結果より、希土類元素の酸化物は、1種類だけでなく、2種類添加する必要があることが確認できた。
希土類元素の他にMgの酸化物を添加した比較例の試料10、11については、IR不良率は0%と良好な結果であったが、比誘電率が低い値となり、実施例の試料と比較して、性能面で劣るということがわかった。この結果より、本実施例の試料は、従前に使用されていたMgの酸化物を添加した場合と同程度に低いIR不良率を達成でき、かつMgの酸化物を添加した場合と比較して、高い比誘電率を有するということが確認できた。
なお、R1としてDy、R2としてHoを添加した比較例の試料8は、比誘電率、IR不良率とも比較的良好な結果となったが、実施例の試料1〜7の比誘電率、IR不良率と比較すると若干劣る結果となった。この結果より、R1がYであることが好ましいということが確認できた。
評価2
表2は、希土類元素の酸化物の含有量の合計(R1+R2)を変化させたコンデンサ試料について組成と特性についてまとめたものである。また、図2,3に実施例の試料(R1=Y、R2=Ho)と比較例の試料(R1=Y、R2無し)について、希土類元素の酸化物の含有量の合計(R1+R2)と比誘電率との関係(図2)、希土類元素の酸化物の含有量の合計(R1+R2)とIR不良率との関係(図3)を示した。
表2より、Yの酸化物の含有量およびHoの酸化物の含有量を変化させた実施例および比較例の試料4,12〜19については、希土類元素の酸化物の含有量の合計(R1+R2)を増やすと比誘電率は低下し、IR不良率は、一定の含有量(本実施例においては、0.90モル)までは低下していき、再び増加するという傾向がみられた。この傾向は、表2中の特定のデータをグラフ化した図2および図3の結果からも明らかである。
また、希土類元素の酸化物の含有量の合計(R1+R2)を0.05モルとした比較例の試料12は、IR不良率が45%と高くなってしまい、希土類元素の酸化物の含有量の合計(R1+R2)を1.5モルとした比較例の試料19は、比誘電率が7700と低くなり、IR不良率が35%と高い値となった。この結果より、希土類元素の酸化物の含有量の合計(R1+R2)は、主成分100モルに対して、0.1〜1.2モルであることが望ましく、好ましくは、0.2〜1.0モルであり、さらに好ましくは、0.4〜0.9モルであることが確認できた。
また、表2に示すように、R1をY、R2をErまたはYbとした実施例の試料5,7,20および21についても同様の傾向となることが確認できた。
図2に示すように、実施例の試料と、Yの酸化物のみを添加した比較例の試料とは、希土類元素の酸化物の含有量が同程度であれば、比誘電率の値もほぼ同程度であることが確認された。しかし、図3に示すように、希土類の酸化物の含有量が本発明の範囲内である場合には、2種の希土類の酸化物を含有する実施例の試料と、Yの酸化物のみを添加した比較例の試料とは、IR不良率に大きな違いがあることが確認された。この結果から、希土類元素の酸化物を1種類だけ添加した場合は、その添加量を増やしても、IR不良率を低く抑えることができず、IR不良率を低く抑えるためには、希土類元素の酸化物を2種類添加する必要があるということが確認できた。
実施例2
実施例1で作成した試料4および9と同様の誘電体磁器組成物を誘電体層とし、誘電体層の積層数の異なる試料および誘電体層の厚みの異なる試料を作成した。表3に作製したコンデンサの誘電体層の積層数および厚みと、比誘電率およびIR不良率との関係を示す。
Figure 0004529409
表3より、2種の希土類の酸化物を含有する実施例の試料においては、誘電体層の厚みを4.5μmとした場合には、誘電体層の積層数に関係なくIR不良率が低い結果となった。一方、希土類の酸化物を1種類しか含有しない比較例の試料は、誘電体層の積層数が増加するとIR不良率が悪化する傾向がみられ、いずれの場合においても、IR不良率は、30%以上と高い結果となった。
また、表3より明らかなように、誘電体層の積層数を増やすほど、本発明の効果は、顕著に発揮されることが確認できた。
同様に、誘電体層の積層数を100とし、誘電体層の厚みを3.0μmとさらに薄層化した場合においては、比較例の試料では、IR不良率が80%と非常に高い値となったが、実施例の試料では、25%と低く抑えることが可能であった。この結果より、本発明の誘電体磁器組成物を積層セラミックコンデンサの誘電体層として使用することにより、さらに誘電体層を薄層化した場合、たとえば3.0μmとした場合においても、IR不良率を低く抑えることができ、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることができることが確認できた。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 図2は本発明の実施例および比較例に係る誘電体磁器組成物における希土類元素の酸化物のモル数と、比誘電率との関係を示すグラフである。 図3は本発明の実施例および比較例に係る誘電体磁器組成物における希土類元素の酸化物のモル数と、IR不良率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1… 積層セラミックコンデンサ
10… コンデンサ素子本体
2… 誘電体層
3… 内部電極層
4… 外部電極

Claims (7)

  1. 主成分が組成式
    {{Ba(1−x)Ca}O}{Ti(1−y)Zr
    (ただし、A,B,x,yが、0.995≦A/B≦1.020、0≦x≦0.25、0.1≦y≦0.3)
    で表され、副成分として、主成分100モルに対して、Mnの酸化物をMnO換算で0.03〜1.70モル、Siの酸化物をSiO換算で0〜1.00モル、VおよびWの少なくとも1種の酸化物をVおよびWO換算で0.001〜0.7モル含有する誘電体磁器組成物であって、
    2種類の希土類元素の酸化物(R1の酸化物、R2の酸化物)をさらに副成分として含み、前記R1の酸化物と前記R2の酸化物の含有量の合計が、主成分100モルに対して、R1の酸化物およびR2の酸化物換算で0.4〜0.9モルであり、
    前記R1の酸化物が、Yの酸化物であり、
    前記R2の酸化物が、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、TmまたはYbのいずれかの元素の酸化物であることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 前記R1の酸化物の含有量が、主成分100モルに対して、R1の酸化物換算で0.1〜0.6モルであることを特徴とする請求項1に記載の誘電体磁器組成物。
  3. 前記R2の酸化物の含有量が、主成分100モルに対して、R2の酸化物換算で0.1〜0.6モルであることを特徴とする請求項1または2に記載の誘電体磁器組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の誘電体磁器組成物で構成してある誘電体層を有する電子部品。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の誘電体磁器組成物で構成してある誘電体層と、内部電極層とが交互に積層してあるコンデンサ素子本体を有する積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記誘電体層の積層数が、20以上であることを特徴とする請求項記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 前記誘電体層の厚みが、4.5μm以下であることを特徴とする請求項またはに記載の積層セラミックコンデンサ。
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