JP4529064B2 - アンテナ装置及び無線通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアンテナ装置及び無線通信装置に関し、例えば携帯電話機において用いられる内蔵型のアンテナ装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話機において用いられる内蔵型のアンテナ装置としては、例えば板状逆Fアンテナや板状逆Lアンテナ等の平面アンテナが知られている。
【0003】
図7(A)に示すように板状逆Fアンテナ1は、導電性部材でなる板状逆F型のアンテナ素子(以下、これを逆Fアンテナ素子と呼ぶ)2と、当該逆Fアンテナ素子2を支持する非導電性のスペーサ3と、送信回路等が実装された回路基板4とによって構成されている。
【0004】
ここで板状逆Fアンテナ1は、回路基板4に山型で板ばね構造の給電ばね6及び短絡ばね7が設けられており、当該給電ばね6及び短絡ばね7がスペーサ3の下面により押し付けられることにより当該スペーサ3を押し上げる付勢力が働く。
【0005】
このとき板状逆Fアンテナ1は、スペーサ3の下面に折り返された逆Fアンテナ素子2における給電ピン8及び短絡ピン9の各先端部分と、給電ばね6及び短絡ばね7とが押圧接触することにより、確実に逆Fアンテナ素子2と回路基板4とを電気的に接続するようになされている。
【0006】
また板状逆Fアンテナ1は、プラスチック素材からなる複数の固定用の爪(以下、固定用爪と呼ぶ)5をスペーサ3の一面の周端に有しており、図7(B)に示すように当該複数の固定用爪5を介してスペーサ3が回路基板4に嵌め込まれることにより、逆Fアンテナ素子2と回路基板4とを機械的に取り付け、給電ばね6及び短絡ばね7と、給電ピン8及び短絡ピン9の各先端部分とを押付固定した状態に保持するようになされている。
【0007】
図7との対応部分に同一符号を示した図8(A)に示すように板状逆Lアンテナ11においては、導電性部材でなる板状逆L型のアンテナ素子(以下、これを逆Lアンテナ素子と呼ぶ)12と、当該逆Lアンテナ素子12を支持する非導電性のスペーサ3と、送信回路等が実装された回路基板4とによって構成されている。
【0008】
ここで板状逆Lアンテナ11は、回路基板4に山型で板ばね構造の給電ばね13が設けられており、当該給電ばね13がスペーサ3に押し付けられることにより当該スペーサ3を押し上げる付勢力が働き、スペーサ3の下面に折り返された逆Lアンテナ素子12における給電ピン14の先端部分と、給電ばね13とが接触することにより、確実に逆Fアンテナ素子12と回路基板4とを電気的に接続するようになされている。
【0009】
また図8(B)に示すように板状逆Lアンテナ11においても板状逆Fアンテナ1(図7)と同様に、スペーサ3に設けられた複数の固定用爪5を介してスペーサ3が回路基板4に嵌め込まれることにより、逆Lアンテナ素子12と回路基板4とを機械的に取り付け、給電ばね13と給電ピン14の先端部分とを押付固定した状態に保持するようになされている。
【0010】
【発明の解決しようとする課題】
ところでかかる構成の板状逆Fアンテナ1においては、図7(C)に示すように、給電ばね6及び短絡ばね7によりスペーサ3を押し上げる付勢力と、当該給電ばね6及び短絡ばね7の物理的厚さとによってスペーサ3の一部分が他の部分よりも僅かに浮き上がってしまうことにより、全体として薄型化し得ないという問題があった。
【0011】
一方、板状逆Lアンテナ11においても同様に、図8(C)に示すように、給電ばね13によりスペーサ3を押し上げる付勢力と、当該給電ばね13の物理的厚さとによって、スペーサ3の一部分が他の部分よりも僅かに浮き上がってしまうことにより、全体として薄型化し得ないという問題があった。
【0012】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、一段と薄型化し得るアンテナ装置及び無線通信装置を提案しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、略矩形状の板状の放射導体でなり、所定の支持部材を介して基板に取り付けられアンテナ素子支持部材及び基板における端部側面に沿うと共に、一端がアンテナ素子における面方向の端部と一体成形され、他端が基板の裏面においてアンテナ素子側に向けて折り返される係合部でなる給電ピンとを設け、給電ピンは、アンテナ素子の裏面から係合部までの距離が支持部材及び基板の厚みよりも小さく形成され、係合部が基板の裏面に対して付勢力を与えることにより、アンテナ素子と基板とを電気的に接続すると共に、支持部材を間に介してアンテナ素子と基板とを密着固定させ、スペーサは、給電ピンが沿う面とは相違する面の下端部に設けられる固定用爪により基板と嵌め込まれ保持されるようにする。
【0014】
従ってアンテナ素子と支持部材とを基板に対して一段と密着した状態で取付保持することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0016】
(1)第一の実施の形態
図1において、21は全体として携帯電話機に内蔵される本発明による板状逆Fアンテナを示す。なお、この場合携帯電話機の全体図は省略し、当該板状逆Fアンテナ21の近傍部分についてのみ説明する。
【0017】
図1(A)及び(B)に示すように板状逆Fアンテナ21は、逆F型形状のアンテナ素子(以下、これを逆Fアンテナ素子と呼ぶ)22と、当該逆Fアンテナ素子22を支持するスペーサ23と、送信回路等が実装された回路基板24とを有し、回路基板24の表面24Aに対してスペーサ23を当接させた状態に取付固定するようになされている。
【0018】
この逆Fアンテナ素子22は、ほぼ矩形状の金属平板でなる放射導体板27と、当該放射導体板27の一辺に逆F字を描くように一体形成された帯状の給電ピン28及び短絡ピン29とによって形成されている。
【0019】
この給電ピン28及び短絡ピン29は、放射導体板27と一体形成された部分が当該放射導体板27に対してそれぞれ同一方向にほぼ90度に折り曲げられることにより、スペーサ23の正面23Aに沿う形状を有すると共に、その先端部分が放射導体板27側に向けて折り返されることにより、湾曲形状の板ばね構造でなる係合部30A及び30Bを有する構造となる。
【0020】
因みに逆Fアンテナ素子22は、図1(C)に示すように、放射導体板27の裏面から係合部30A、30Bの湾曲形状部分の頂点までの距離h1がスペーサ23及び回路基板24の厚みよりも僅かに小さく選定されている。
【0021】
従って板状逆Fアンテナ1は、逆Fアンテナ素子22における放射導体板27と、給電ピン28及び短絡ピン29とを介してスペーサ23及び回路基板24を挟み込むようにして一体に取り付けられて構成されている。
【0022】
このとき板状逆Fアンテナ1は、係合部30A、30Bの各湾曲形状部分の頂点を回路基板24が圧下することになり、その結果として各係合部30A、30Bの湾曲形状部分が押し広げられて板ばねとしての弾性力、すなわち元の湾曲形状に戻ろうとする力によって挟込力f1が常時働くことにより、逆Fアンテナ素子22によってスペーサ23及び回路基板24を強固に挟着保持し得るようになされている。
【0023】
また板状逆Fアンテナ21は、回路基板24に設けられた給電端子31及び短絡端子32に、逆Fアンテナ素子22における給電ピン28及び短絡ピン29の各係合部30A、30Bが押圧接触することにより、逆Fアンテナ素子22と回路基板24とを電気的に接続し得るようになされている。
【0024】
因みに板状逆Fアンテナ21は、逆Fアンテナ素子22における給電ピン28及び短絡ピン29の係合部30A、30Bが湾曲形状に形成されていることにより、当該係合部30A、30Bによる挟込力f1が常時働いている場合でも、当該係合部30A、30Bによる回路基板24の給電端子31及び短絡端子32への損傷を回避し得るようになされている。
【0025】
従って板状逆Fアンテナ21は、回路基板24の送信回路から給電端子31及び給電ピン28を順次介して供給された送信信号を確実に外部へ送信し得るようになされている。
【0026】
なお逆Fアンテナ素子22は、放射導体板27の隣接する2辺のうち一辺をL1とし、かつ他辺をL2とすると、次式
【0027】
【数1】
Figure 0004529064
【0028】
で表されるように、放射導体板27の全周が、使用する無線通信周波数のλ/2(電気長)に選定されている。
【0029】
これに加えてスペーサ23は、ほぼ直方体形状の非導電性物質でなり、回路基板24に載上されたとき、当該スペーサ23の正面23Aに対する右側面及び左側面が回路基板24の端部から僅かにはみ出す長さに当該スペーサ23の右側面及び左側面間の幅が選定されている。
【0030】
またスペーサ23は、当該スペーサ23の裏面のうち、回路基板24の端部からはみ出した部分の所定位置に複数の固定用の爪(以下、これを固定用爪と呼ぶ)25がスペーサ23の右側面及び左側面からはみ出ることがないように取り付けられている。
【0031】
ここで複数の固定用爪25は、材質として合成樹脂素材を選定することにより弾性力による保持性を有し、スペーサ23を回路基板24に載上する際に加わる外力によって固定用爪25がスペーサ23の右側面及び左側面に対して僅かにはみ出るように広げられ、当該外力がなくなると、その弾性力によりスペーサ23の右側面及び左側面に対してはみ出ない状態に戻るようになされている。
【0032】
また固定用爪25の先端部分には、回路基板24の裏面24B側に折り返された係合爪26が設けられている。
【0033】
従ってスペーサ23は、当該複数の固定用爪25を介して回路基板24に対して嵌め込まれて保持されるようになされている。
【0034】
かくして板状逆Fアンテナ21においては、図1(B)及び(C)に示したように逆Fアンテナ素子22の放射導体板27と、係合部30A、30Bとの間にスペーサ23及び回路基板24が挟着された場合、逆Fアンテナ素子22の給電ピン28及び短絡ピン29における係合部30A、30Bと、固定用爪25の係合爪26とによってスペーサ23と回路基板24とを一段と密着した状態に取付固定し得るようになされている。
【0035】
以上の構成において、板状逆Fアンテナ21は、逆Fアンテナ素子22の給電ピン28及び短絡ピン29の先端部分に湾曲形状の板ばね構造でなる係合部30A、30Bを設け、逆Fアンテナ素子22における放射導体板27と、給電ピン28及び短絡ピン29とを介してスペーサ23及び回路基板24を挟み込むようにして取り付けられた状態のとき、当該係合部30A、30Bによる挟込力f1が回路基板24の裏面24Bに対して常時働くようにしたことにより、スペーサ23と回路基板24とを逆Fアンテナ素子22によって強固に挟着する。
【0036】
また板状逆Fアンテナ21は、給電ピン28及び短絡ピン29における係合部30A、30Bを介して逆Fアンテナ素子22と回路基板24とを電気的に接続することにより、上述した従来の板状逆Fアンテナ1(図7)における給電ばね6及び短絡ばね7を設ける必要がなくなるので、スペーサ23と回路基板24とを一段と密着させることができる。
【0037】
このとき同時に板状逆Fアンテナ21は、上述した従来の板状逆Fアンテナ1(図7)のように給電ばね6及び短絡ばね7によるスペーサ3を押し上げる付勢力が働かないことにより、スペーサ23の固定用爪25に対する一切の負担を無くして、固定用爪25の損傷を防止することができる。
【0038】
さらに板状逆Fアンテナ21は、給電ピン28及び短絡ピン29の各先端部分の係合部30A、30Bにより回路基板24の給電端子31及び短絡端子32を押圧した状態で、逆Fアンテナ素子22によってスペーサ23と回路基板24とを挟み込むようにしたことにより、上述した従来の板状逆Fアンテナ1(図7)における給電ばね6及び短絡ばね7を無くすことができると共に、固定用爪5を減らすことができるので、従来と比べると全体として板状逆Fアンテナ1の構成を一段と簡素化することができる。
【0039】
以上の構成によれば、逆Fアンテナ素子22における給電ピン28及び短絡ピン29の各先端部分に板ばね構造の湾曲形状でなる係合部30A、30Bを設け、当該係合部30A、30Bの各挟込力f1を回路基板24の裏面24Bに対して常時働かせることにより、逆Fアンテナ素子22とスペーサ23とを回路基板24に対して一段と密着した状態で取付固定することができ、かくして、一段と薄型化できる。
【0040】
なお上述の第一の実施の形態においては、携帯電話機内で用いるアンテナ装置として、板状逆Fアンテナ21について述べたが、本発明はこれに限らず、アンテナ素子を支持部材を介して回路基板に固定するものであれば、例えば、マイクロストリップアンテナや、板状逆Lアンテナ等他の種々のアンテナ装置に広く適用することができる。
【0041】
因みに図1との対応部分に同一符号を付して示す図2のように、41は全体として携帯電話機に内蔵される本発明による板状逆Lアンテナを示す。なお、この場合携帯電話機の全体図は省略し、当該板状逆Lアンテナ41の近傍部分についてのみ説明する。
【0042】
図2(A)及び(B)に示すように板状逆Lアンテナ41は、逆L型形状のアンテナ素子(以下、これを逆Lアンテナ素子と呼ぶ)42と、当該逆Lアンテナ素子42を支持する非導電性のスペーサ23と、送信回路等が実装された回路基板24とを有し、当該回路基板24の表面24Aに対してスペーサ23を当接させた状態に取付固定するようになされている。
【0043】
この逆Lアンテナ素子42は、ほぼ矩形状の金属平板でなる放射導体板43と、当該放射導電板43の一辺に逆L字を描くように一体形成された帯状の給電ピン44とでなる。
【0044】
この給電ピン44は、放射導体板43との一体形成された部分が当該放射導体板43に対して同一方向にほぼ90度に折り曲げらることにより、スペーサ23の正面23Aに沿う形状を有すると共に、その先端部分が放射導体板43側に向けて折り返されることにより、湾曲形状の板ばね構造でなる係合部45を有する構造となる。
【0045】
これにより板状逆Lアンテナ41においては、図2(C)に示すように、板状逆Fアンテナ21と同様に逆Lアンテナ素子42によってスペーサ23と回路基板24とを強固に挟着保持し得るようになされている。
【0046】
(2)第二の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付して示す図3には、例えばページャーに内蔵されたアンテナ装置としての板状ループアンテナ51を示す。なお、この場合ページャーの全体図は省略し、板状ループアンテナ51の近傍部分についてのみ説明する。
【0047】
図3(A)及び(B)に示すように板状ループアンテナ51は、対角線の一端を逆F型形状、他端を逆L型形状のループ型でなるアンテナ素子(以下、これをループアンテナ素子と呼ぶ)52と、当該ループアンテナ素子52を支持するスペーサ23と、受信回路等が実装された回路基板24とを有し、当該回路基板24の表面24Aに対してスペーサ23を当接させた状態に取付固定するようになされている。
【0048】
このループアンテナ素子52は、ほぼ矩形状の金属平板でなる放射導体板53と、当該放射導体板53の一辺に逆F字を描くように一体形成された帯状の給電ピン54及び短絡ピン55と、当該給電ピン54及び短絡ピン55に対して対角上の他辺に逆L字を描くように一体形成された帯状の短絡ピン56とによって形成されている。
【0049】
この給電ピン54、短絡ピン55及び56は、放射導体板53と一体形成された部分が当該放射導体板53に対してそれぞれ同一方向にほぼ90度に折り曲げられることにより、スペーサ23の正面23A及び右側面にそれぞれ沿う形状を有すると共に、その各先端部分が放射導体板53側に向けて折り返されることにより、湾曲形状の板ばね構造でなる係合部57A、57B、57Cをそれぞれ有する構造となる。
【0050】
因みにループアンテナ素子52は、図3(C)に示すように、放射導体板53の裏面から係合部57A〜57Cの湾曲形状部分の頂点までの距離h2がスペーサ23及び回路基板24の厚みよりも僅かに小さく選定されている。
【0051】
従って板状ループアンテナ51は、ループアンテナ素子52における放射導体板53と、給電ピン54、短絡ピン55及び56とを介してスペーサ23及び回路基板24を挟み込むようにして一体に取り付けられて構成されている。
【0052】
このとき板状ループアンテナ51は、各係合部57A〜57Cの湾曲形状部分の頂点を回路基板24が圧下することになり、その結果として各係合部57A〜57Cの湾曲形状部分が押し広げられて板ばねとしての弾性力、すなわち元の湾曲形状に戻ろうとする力によって挟込力f3が常時働くことにより、ループアンテナ素子52によってスペーサ23と回路基板24とを強固に挟着保持し得るようになされている。
【0053】
ここで板状ループアンテナ51においては、給電ピン54及び短絡ピン55に対して対角線上の位置に設けられた短絡ピン56の係合部57Cによっても挟込力f3が常時働くことにより、上述した第一の実施の形態による板状逆Fアンテナ21(図1)に比べてさらに安定した状態で、ループアンテナ素子52によってスペーサ23と回路基板24とを強固に挟着保持し得るようになされている。
【0054】
このとき板状ループアンテナ51は、回路基板24に設けられた給電端子58、短絡端子59及び60(図3(A))に、ループアンテナ素子52における給電ピン54、短絡ピン55及び56の各係合部57A、57B及び57Cが押下接触することにより、ループアンテナ素子52と回路基板24とを電気的に接続し得るようになされている。
【0055】
因みに板状ループアンテナ51は、ループアンテナ素子52における給電ピン54、短絡ピン55及び56の各係合部57A〜57Cが湾曲形状に形成されていることにより、当該係合部57A〜57Cによる挟込力f3が常時働いている場合でも、当該係合部57A〜57Cによる回路基板24の給電端子58、短絡端子59及び60への損傷を回避し得るようになされている。
【0056】
従って板状ループアンテナ51は、ループアンテナ素子52を介して受信した受信信号を給電ピン54及び給電端子58を介して回路基板24に供給し得るようになされている。
【0057】
因みにループアンテナ素子52は、放射導体板53の隣接する2辺のうち一辺をL3とし、かつ他辺をL4とすると、次式
【0058】
【数2】
Figure 0004529064
【0059】
で表されるように、放射導体板53の全周が、使用する無線通信周波数のλ(電気長)に選定されている。
【0060】
これに加えてスペーサ23は、ほぼ直方体形状の非導電性物質でなり、回路基板24に載上されたとき、当該スペーサ23の正面23Aに対する右側面及び左側面が回路基板24の端部から僅かにはみ出す長さに当該スペーサ23の右側面及び左側面の幅が選定されている。
【0061】
またスペーサ23は、当該スペーサ23の裏面のうち、回路基板24の端部からはみ出した部分の所定位置に複数の固定用爪25がスペーサ23の右側面及び左側面からはみ出ることがないように取り付けられている。
【0062】
ここで複数の固定用爪25は、材質として合成樹脂素材を選定することにより弾性力による保持性を有し、スペーサ23を回路基板24に載上する際に加わる外力によって固定用爪25がスペーサ23の右側面及び左側面に対して僅かにはみ出るように広げられ、当該外力がなくなると、その弾性力によりスペーサ23の右側面及び左側面に対してはみ出ない状態に戻るようになされている。
【0063】
また固定用爪25の先端部分には、回路基板24の裏面24B側に折り返された係合爪26設けられている。
【0064】
従ってスペーサ23は、当該複数の固定用爪25を介して回路基板24に対して嵌め込まれて保持されるようになされている。
【0065】
かくして板状ループアンテナ51においては、図3(B)及び(C)に示したようにループアンテナ素子52の放射導体板53と、係合部57A〜57Cとの間にスペーサ23及び回路基板24が挟着された場合、ループアンテナ素子52の給電ピン54及び短絡ピン55における係合部57A及び57Bと、当該給電ピン54及び短絡ピン55に対して対角線上の位置に設けられた短絡ピン56における係合部57Cと、固定用爪25の係合爪26とによってスペーサ23と回路基板24とを一段と密着した状態に取付固定し得るようになされている。
【0066】
以上の構成において、板状ループアンテナ51では、ループアンテナ素子52の給電ピン54、短絡ピン55及び56の各先端部分に湾曲形状の板ばね構造でなる係合部57A〜57Cを設け、ループアンテナ素子52における放射導体板53と、給電ピン54、短絡ピン55及び56とを介してスペーサ23及び回路基板24を挟み込むようにして取り付けられた状態のとき、係合部57A〜57Cによる各挟込力f3が回路基板24の裏面24Bに対して常時働くようにしたことにより、スペーサ23と回路基板24とをループアンテナ素子52によって強固に挟着する。
【0067】
また板状ループアンテナ51においては、ループアンテナ素子52における給電ピン54及び短絡ピン55に対して対角線上の位置に設けられている短絡ピン56の係合部57Cによっても挟込力f3が常時働くことにより、上述した第一の実施の形態の板状逆Fアンテナ21(図1)に比べてスペーサ23と回路基板24とを挟み込む力が生ずる箇所が増え、かくして、一段と安定した状態で挟着できる。
【0068】
さらに板状ループアンテナ51は、係合部57A〜57Cを介してループアンテナ素子52と回路基板24とを電気的に接続することにより、上述した従来の板状逆Fアンテナ1(図7)における給電ばね6及び短絡ばね7を設ける必要がなくなるので、スペーサ23と回路基板24とを一段と密着させることができる。
【0069】
このとき同時に板状ループアンテナ51は、上述した従来の板状逆Fアンテナ1(図7)のように給電ばね6及び短絡ばね7によるスペーサ3を押し上げる付勢力が働かないことにより、スペーサ23の固定用爪25に対する一切の負担を無くして、固定用爪25の損傷を防止することができる。
【0070】
さらに加えて板状ループアンテナ51は、給電ピン54、短絡ピン55及び56の各先端部分の係合部57A、57B及び57Cにより回路基板24の給電端子58、短絡端子59及び60を押圧した状態で、ループアンテナ素子52によってスペーサ23と回路基板24とを挟み込むようにしたことにより、上述した従来の板状逆Fアンテナ1における給電ばね6及び短絡ばね7を無くすことができると共に、固定用爪5を減らすことができるので、従来と比べると全体としてアンテナ装置の構成を簡素化することができる。
【0071】
以上の構成によれば、ループアンテナ素子52における給電ピン54、短絡ピン55及び56の各先端部分に板ばね構造の湾曲形状でなる係合部57A〜57Cを設け、当該係合部57A〜57Cの各挟込力f3を回路基板24の裏面24Bに対して常時働かせることにより、ループアンテナ素子52とスペーサ23とを回路基板24に対して一段と密着した状態で取付固定することができ、かくして、一段と薄型化できる。
【0072】
(3)第三の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付して示す図4及び図5のように、71は全体として携帯電話機に内蔵される本発明による調整型板状逆Fアンテナを示す。なお、この場合携帯電話機の全体図は省略し、当該調整型板状逆Fアンテナ71の近傍部分についてのみ説明する。
【0073】
図4(A)及び図5(A)に示すように調整型板状逆Fアンテナ71は、導電性部材でなる調整型板状逆Fアンテナを構成するアンテナ素子(以下、これを調整型逆Fアンテナ素子と呼ぶ)72と、当該調整型逆Fアンテナ素子72を支持する非導電体のスペーサ23と、送信回路等が実装された回路基板24とを有し、当該回路基板24の表面24Aに対してスペーサ23を当接させた状態に取付固定するようになされている
【0074】
この調整型逆Fアンテナ素子72は、図4(A)に示すように、ほぼ矩形状の金属平板でなる放射導体板73及び当該放射導体板73の一辺に一体形成された幅の狭い帯状の給電ピン74からなるアンテナ素子部75と、当該放射導体板73の複数の所定位置(78A、78B、78C)に取付変更可能な導電性部材でなる幅の狭い帯状の短絡クリップ76とから構成されている。
【0075】
このアンテナ素子部75の放射導体板73の表面には、後述する短絡クリップ76の係合部80Aをはめ合わせることができるように形成された複数の位置決め用溝78A、78B及び78Cが所定位置に設けられている。
【0076】
またアンテナ素子部75の給電ピン74は、放射導体板73と一体形成された部分が当該放射導体板73に対してほぼ90度に折り曲げられることにより、スペーサ23の正面23Aに沿う形状を有すると共に、その先端部分が放射導体板73側に向けて折り返されることにより、湾曲形状の板ばね構造でなる係合部77を有する構造となる。
【0077】
因みにアンテナ素子部75は、図4(B)に示すように、放射導体板73の裏面から係合部77の湾曲部分の頂点までの距離h3がスペーサ23及び回路基板24の厚みに比して僅かに小さく選定されている。
【0078】
従って調整型板状逆Fアンテナ71は、アンテナ素子部75における放射導体板73と、給電ピン74とを介してスペーサ23及び回路基板24を挟み込むようにして一体に取り付けられて構成されている。
【0079】
このとき調整型板状逆Fアンテナ71は、係合部77の湾曲形状部分の頂点を回路基板24が圧下することになり、その結果として係合部77の湾曲形状部分が押し広げられて板ばねとしての弾性力、すなわち元の湾曲形状に戻ろうとする力によって挟込力f3が常時働くことにより、アンテナ素子部75によってスペーサ23及び回路基板24を強固に挟着保持し得るようになされている。
【0080】
また調整型板状逆Fアンテナ71は、回路基板24に設けられた給電端子79に、アンテナ素子部75における給電ピン74の係合部77が押圧接触することにより、アンテナ素子部75と回路基板24とを電気的に接続し得るようになされている。
【0081】
因みに調整型板状逆Fアンテナ71は、アンテナ素子部75における給電ピン74の係合部77が湾曲形状に形成されていることにより、当該係合部77による挟込力f4が常時働いている場合でも、当該係合部77による回路基板24の給電端子79への損傷を回避し得るようになされている。
【0082】
一方、短絡クリップ76は、その帯状の両先端部分に係合部77と同様の形状を有する湾曲形状の板ばね構造でなる係合部80A及び80Bが設けられている。
【0083】
また短絡クリップ76は、図5(A)に示すように、例えば放射導体板73に設けられた位置決め用溝78Cにはめ合わされることにより、特定位置に位置決めして固定し得るようになされている。
【0084】
因みに短絡クリップ76は、図5(B)に示すように、係合部80Aの湾曲部分の頂点から係合部80Bの湾曲部分の頂点までの距離h3が放射導体板73、スペーサ23及び回路基板24の厚みに比して僅かに小さく選定されている。
【0085】
従って調整型板状逆Fアンテナ71は、短絡クリップ76を介して放射導体板73、スペーサ23及び回路基板24を挟み込むようにして一体に取り付けられて構成されている。
【0086】
このとき調整型板状逆Fアンテナ71は、係合部80Aの湾曲形状部分の頂点を放射導体板73が圧下することになると共に、係合部80Bの湾曲形状部分の頂点を回路基板24が圧下することになり、その結果として係合部80A及び80Bの湾曲形状部分が押し広げられて板ばねとしての弾性力、すなわち元の湾曲形状に戻ろうとする力によって挟込力f5及びf6が常時働くことにより、短絡クリップ76によって放射導体板73、スペーサ23及び回路基板24を強固に挟着保持し得るようになされている。
【0087】
また調整型板状逆Fアンテナ71は、放射導体板73の位置決め用溝78Cに対応して回路基板24に設けられた短絡端子81C(図4(A))に、短絡クリップ76の係合部80Bが押圧接触することにより、当該短絡クリップ76によってアンテナ素子部75と回路基板24とを電気的に接続し得るようになされている。
【0088】
因みに調整型板状逆Fアンテナ71では、放射導体板73の位置決め用溝78A及び78Bにおいても対応する短絡端子81A及び81Bが回路基板24に設けられており、例えば短絡クリップ76の係合部80Aが位置決め用溝78Aにはめ合わされると、当該短絡クリップ76の係合部80Bにより短絡端子81Aを押圧して、アンテナ素子部75と回路基板24とを電気的に接続し得るようになされている。
【0089】
因みに調整型板状逆Fアンテナ71は、短絡クリップ76の係合部80A及び80Bが湾曲形状に形成されていることにより、当該係合部80Aによる挟込力f5及び係合部80Bによる挟込力f6が常時働いている場合でも、当該係合部80Aによる放射導体板73の位置決め用溝78A、78B又は78Cへの損傷や、当該係合部80Bによる回路基板24の給電端子79A、79B又は79Cへの損傷を回避し得るようになされている。
【0090】
ここで調整型板状逆Fアンテナ71においては、給電ピン74から最も離れた放射導体板73の端部73Aでは、これ以上電流が流れないので高インピーダンスであり、放射導体板73の短絡クリップ76と接続されている部分は、殆ど0[Ω]の低インピーダンスである。
【0091】
従って調整型板状逆Fアンテナ71は、短絡クリップ76を位置決め用溝78A〜78Cに変更自在に着脱するようにしたことにより、放射導体板73へ電力を供給する際の入力インピーダンスを回路基板24の送信回路等と整合し得るようになされている。
【0092】
これに加えてスペーサ23は、ほぼ直方体形状の非導電性物質でなり、回路基板24に載上されたとき、当該スペーサ23の正面23Aに対する右側面及び左側面が回路基板24の端部から僅かにはみ出す長さに当該スペーサ23の右側面及び左側面の幅が選定されている。
【0093】
またスペーサ23は、当該スペーサ23の裏面のうち、回路基板24の端部からはみ出した部分の所定位置に複数の固定用爪25がスペーサ23の右側面及び左側面からはみ出ることがないように取り付けられている。
【0094】
ここで複数の固定用爪25は、材質として合成樹脂素材を選定することにより弾性力による保持性を有し、スペーサ23を回路基板24に載上する際に加わる外力によって固定用爪25がスペーサ23の右側面及び左側面に対して僅かにはみ出るように広げられ、当該外力がなくなると、その弾性力によりスペーサ23の右側面及び左側面に対してはみ出ない状態に戻るようになされている。
【0095】
また固定用爪25の先端部分には、回路基板24の裏面24B側に折り返された係合爪26設けられている。
【0096】
従ってスペーサ23は、当該複数の固定用爪25を介して回路基板24に対して嵌め込まれて保持されるようになされている。
【0097】
かくして調整型板状逆Fアンテナ71においては、図4(B)及び図5に示したようにアンテナ素子部75の放射導体板73と、係合部77との間にスペーサ23及び回路基板24が挟着されると共に、短絡クリップ76の係合部80Aと、係合部80Bとの間に放射導体板73、スペーサ23及び回路基板24が挟着された場合、アンテナ素子部75の係合部77と、短絡クリップ76の係合部80A及び80Bと、固定用爪25の係合爪26とによってスペーサ23と回路基板24とを一段と密着した状態に取付固定し得るようになされている。
【0098】
以上の構成において、調整型板状逆Fアンテナ71は、アンテナ素子部75の給電ピン74の先端部分に湾曲形状の板ばね構造でなる係合部77を設け、アンテナ素子部75における放射導体板73と、給電ピン74とを介してスペーサ23及び回路基板24を挟み込むようにして取り付けられた状態のとき、当該係合部77による挟込力f4が回路基板24の裏面24Bに対して常時働くようにしたことにより、スペーサ23と回路基板24とをアンテナ素子部75によって強固に挟着する。
【0099】
また調整型板状逆Fアンテナ71は、短絡クリップ76の両先端部分に湾曲形状の板ばね構造でなる係合部80A及び80Bを設け、短絡クリップ76の係合部80Aと係合部80Bを介して放射導体板73、スペーサ23及び回路基板24を挟み込むようにして取り付けられた状態のとき、当該係合部80Aによる挟込力f5が放射導体板73の表面に常時働くと共に、当該係合部80Bによる挟込力f6が回路基板24の裏面24Bに対して常時働くようにしたことにより、放射導体板73、スペーサ23及び回路基板24を短絡クリップ76によって強固に挟着する。
【0100】
さらに調整型板状逆Fアンテナ71は、給電ピン74における係合部77と、短絡クリップ76における係合部80A及び80Bとを介して調整型逆Fアンテナ素子72と回路基板24とを電気的に接続することにより、上述した従来の板状逆Fアンテナ1(図7)における給電ばね6及び短絡ばね7を設ける必要が無くなるので、スペーサ23と回路基板24とを一段と密着させることができる。
【0101】
このとき同時に調整型板状逆Fアンテナ71は、上述した従来の板状逆Fアンテナ1のように給電ばね6及び短絡ばね7によるスペーサ3を押し上げる付勢力が働かないことにより、スペーサ23の固定用爪25に対する一切の負担を無くして、固定用爪25の損傷を防止することができる。
【0102】
さらに加えて調整型板状逆Fアンテナ71では、アンテナ素子部75における放射導体板73に位置決め用溝78A、78B及び78Cが設けられており、いずれかの位置決め用溝78A、78B又は78Cに対して短絡クリップ76を変更自在に着脱できるようにしたことにより、放射導体板73への電力を供給する際の入力インピーダンスを回路基板24の送信回路と整合させることができる。
【0103】
また調整型板状逆Fアンテナ71は、アンテナ素子部75における放射導体板73の所定位置に位置決め用溝78A〜78Cを予め設けるようにしたことにより、位置決め用溝78A、78B又は78Cのいずれかに短絡クリップ76がはめ合わされるだけで簡易に所望のインピーダンスに整合させることができる。
【0104】
さらに調整型板状逆Fアンテナ71は、給電ピン74の先端部分の係合部77により回路基板24の給電端子79を押圧すると共に、短絡クリップ76の係合部80Bにより回路基板24の短絡端子79A〜79Cを押圧した状態で、調整型逆Fアンテナ素子72によってスペーサ23と回路基板24とを挟み込むようにしたことにより、上述した従来の板状逆Fアンテナ1における給電ばね6及び短絡ばね7を無くすことができると共に、固定用爪25を減らすことができ、従来と比べると全体として板状逆Fアンテナ1の構成を一段と簡素化することができる。
【0105】
以上の構成によれば、アンテナ素子部75における給電ピン74の先端部分に板ばね構造の湾曲形状でなる係合部77を設けると共に、着脱自在の短絡クリップ76の両先端部分にも板ばね構造の湾曲形状でなる係合部80A及び80Bを設けることにより、当該アンテナ素子部75における係合部77による挟込力f4と、当該短絡クリップ76における係合部80Bによる挟込力f6とを回路基板24の裏面24Bに対して常時働かせると共に、当該短絡クリップ76における係合部80Aによる挟込力f5を放射導体板73の表面に対して常時働かせることにより、調整型逆Fアンテナ素子72とスペーサ23とを回路基板24に対して一段と密着した状態で取付固定することができ、かくして、一段と薄型化できる。
【0106】
また調整型板状逆Fアンテナ71は、アンテナ素子部75における放射導体板73に設けられたいずれかの位置決め用溝78A、78B又は78Cに対して短絡クリップ76を変更自在に着脱できるようにしたことにより、放射導体板73への電力を供給する際の入力インピーダンスを回路基板24の送信回路と容易に整合させることができる。
【0107】
(4)他の実施の形態
なお、上述の第一から第三の実施の形態においては、アンテナ装置として板状逆Fアンテナ21、板状逆Lアンテナ41、板状ループアンテナ51及び調整型板状逆Fアンテナ71に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、平面型の板状アンテナ素子が支持部材を介して回路基板24に固定されるものであれば、この他種々のアンテナ装置に広く適用することができる。
【0108】
また、上述の第一から第三の実施の形態においては、矩形状でなる放射導体板27、43、53及び73を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図6(A)及び(B)に示すように、給電ピン90の近傍にスリット91が設けられた放射導体板92や、各放射導体板の開放端が折り曲げられた折曲部93を有する放射導体板94を用いるようにしても良い。この場合、放射導体板92及び94を一段と小型化することができる。
【0109】
さらに、上述の第一から第三の実施の形態においては、支持部材として非導電性のスペーサ23を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、所定の誘電体からなる支持部材を用いるようにしても良い。この場合も放射導体板27、43、53及び73を小型化することができる。
【0110】
さらに、上述の実施の形態においては、接続導体の一端でアンテナ素子と一体形成されていると共に、他端で基板の裏面に対して付勢力を与える付勢手段として、給電ピン28、44、54及び77と、短絡ピン29、55及び56と、短絡クリップ76との各先端部分に湾曲形状の板ばね構造でなる係合部30、45、57、77、80A及び80Bをそれぞれ設けることにより付勢力である挟込力f1〜f6を与えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、付勢力である各挟込力f1〜f6を与えることができる構造であれば圧縮コイルばね等のようなこの他種々の付勢手段を適用するようにしても良い。
【0111】
さらに、上述の第一から第三の実施の形態においては、複数の固定用爪25を介してスペーサ23を回路基板24にはめ込み、逆Fアンテナ素子22、逆Lアンテナ素子42、ループアンテナ素子52又は調整型逆Fアンテナ素子72の各アンテナ素子を回路基板24に密着した状態に取付保持固定するようになされているが、本発明はこれに限らず、各係合部30、45、57、77、80A及び80Bによる各挟込力f1〜f6によって逆Fアンテナ素子22、逆Lアンテナ素子42、ループアンテナ素子52又は調整型逆Fアンテナ素子72と、スペーサ23とを回路基板24に強固に挟着できれば固定用爪25を減らしたり、或いは、固定用爪25を無くしても良い。この場合、固定用爪25の破損をさらに低減することができる。
【0112】
さらに、上述の実施の形態においては、本発明を携帯電話機やページャーに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、アンテナにより無線通信を行うことができれば、通信機能を有するPDA(Personal Digital Assistance)等のように、この他種々の無線通信装置及びこれに設けられたアンテナ装置を広く適用することができる。
【0113】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、板状の放射導体でなるアンテナ素子が所定の支持部材を介して基板に取り付けられた構造を有するアンテナ装置において、接続導体によってアンテナ素子と基板とを電気的に接続すると共に、支持部材を間に介して当該アンテナ素子と当該基板とを密着固定させるようにしたことにより、アンテナ素子と支持部材とを基板に対して一段と密着した状態で取付保持することができ、かくして、一段と薄型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態による板状逆Fアンテナの構成を示す略線図である。
【図2】他の実施の形態による板状逆Lアンテナの構成を示す略線図である。
【図3】第二の実施の形態による板状ループアンテナの構成を示す略線図である。
【図4】第三の実施の形態による調整型板状逆Fアンテナの構成(1)を示す略線図である。
【図5】第三の実施の形態による調整型板状逆Fアンテナの構成(2)を示す略線図である。
【図6】他の実施の形態によるアンテナ装置の構成を示す略線図である。
【図7】従来の板状逆Fアンテナの構成を示す略線図である。
【図8】従来の板状逆Lアンテナの構成を示す略線図である。
【符号の説明】
21……板状逆Fアンテナ、22……逆Fアンテナ素子、23……スペーサ、24……回路基板、25……固定用爪、41……板状逆Lアンテナ、27、43、53、73……放射導体板、28、44、54、74……給電ピン、29、55、56……短絡ピン、51……板状ループアンテナ、71……調整型板状逆Fアンテナ、72……調整型逆Fアンテナ素子、75……アンテナ素子部、76……短絡クリップ、30A、30B、45、57A〜57C、77、80A、80B……係合部、78A〜78C……位置決め用溝。

Claims (10)

  1. 略矩形状の板状の放射導体でなり、所定の支持部材を介して基板に取り付けられアンテナ素子
    上記支持部材及び上記基板における端部側面に沿うと共に、一端が上記アンテナ素子における面方向の端部と一体成形され、他端が上記基板の裏面において上記アンテナ素子側に向けて折り返される係合部でなる給電ピンと
    を有し、
    上記給電ピンは、上記アンテナ素子の裏面から上記係合部までの距離が上記支持部材及び上記基板の厚みよりも小さく形成され、上記係合部が上記基板の裏面に対して付勢力を与えることにより、上記アンテナ素子と上記基板とを電気的に接続すると共に、上記支持部材を間に介して上記アンテナ素子と上記基板とを密着固定させ
    上記スペーサは、上記給電ピンが沿う面とは相違する面の下端部に設けられる固定用爪により上記基板と嵌め込まれ保持される
    アンテナ装置。
  2. 上記アンテナ素子における上記給電ピンと隣り合う位置に上記アンテナ素子と一体形成される短絡ピン
    をさらに有する
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 上記アンテナ素子における上記給電ピンと対向する対角位置に上記アンテナ素子と一体形成される短絡ピン
    をさらに有する
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  4. 上記アンテナ素子に設けられた位置決め用溝に対して一端が着脱自在でなり、他端には上記アンテナ素子に対して付勢力を与える付勢手段が設けられる短絡ピン
    をさらに有する
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  5. 上記短絡ピンは、上記アンテナ素子における任意の位置に設けられた複数の上記位置決め用溝に対して着脱自在でなり、複数の上記位置決め用溝のうち少なくとも1の上記位置決め用溝にはめ合わされる
    請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 略矩形状の板状の放射導体でなり、所定の支持部材を介して基板に取り付けられアンテナ素子
    上記支持部材及び上記基板における端部側面に沿うと共に、一端が上記アンテナ素子における面方向の端部と一体成形され、他端が上記基板の裏面において上記アンテナ素子側に向けて折り返される係合部でなる給電ピンと
    を有し、
    上記給電ピンは、上記アンテナ素子の裏面から上記係合部までの距離が上記支持部材及び上記基板の厚みよりも小さく形成され、上記係合部が上記基板の裏面に対して付勢力を与えることにより、上記アンテナ素子と上記基板とを電気的に接続すると共に、上記支持部材を間に介して上記アンテナ素子と上記基板とを密着固定させ
    上記スペーサは、上記給電ピンが沿う面とは相違する面の下端部に設けられる固定用爪により上記基板と嵌め込まれ保持され、
    上記基板は、上記給電ピン及び上記アンテナ素子を介し送信信号を外部へ送信する
    無線通信装置。
  7. 上記アンテナ素子における上記給電ピンと隣り合う位置に上記アンテナ素子と一体形成される短絡ピン
    をさらに有する
    請求項6に記載の無線通信装置。
  8. 上記アンテナ素子における上記給電ピンと対向する対角位置に上記アンテナ素子と一体形成される短絡ピン
    をさらに有する
    請求項6に記載の無線通信装置。
  9. 上記アンテナ素子に設けられた位置決め用溝に対して一端が着脱自在でなり、他端には上記アンテナ素子に対して付勢力を与える付勢手段が設けられる短絡ピン
    をさらに有する
    請求項6に記載の無線通信装置。
  10. 上記短絡ピンは、上記アンテナ素子における任意の位置に設けられた複数の上記位置決め用溝に対して着脱自在でなり、複数の上記位置決め用溝のうち少なくとも1の上記位置決め用溝にはめ合わされる
    請求項9に記載の無線通信装置。
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