JP4526368B2 - 誤作業防止システムおよび誤作業防止方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、携帯電話システムにおいて、オンラインで遠隔から保守作業の支援を受けることができるようにした集中保守管理システムが記載されている。
また、特許文献2には、モジュール設置時の作業ミスを低減するため、交換部品が正しいか否かを無線で受信して確認するようにした、システムへのコンポーネント装着を確認する方法および装置が記載されている。
さらに、特許文献3には、部品抜き取りの誤操作によるシステムダウンを防止するため、パネルからの部品の抜き取りを防止するロック手段を設け、部品の異常状態の検出に応じて、ロック手段のロックを解除するようにした部品抜き取り誤操作防止装置が記載されている。
特に、多重ディスク装置、通信制御装置には、ハードディスク、通信制御基板などの同種の部品が多数搭載されているが、これらの部品の一部が故障しても、装置全体としては稼動を継続できる。このため、保守作業も装置を稼動させたままの状態で行われることが多い。
このような保守作業においては、同種の部品が多数実装されていることから、誤って故障していない部品を取り外してしまうことも多々あり、システムダウンを引き起こす可能性がある。
このような問題が生じないように、近年では、保守支援装置を設け、保守支援装置と保守対象装置とを通信手段などで接続し、保守支援装置から部品の取り外しに先立ち前処理手順を実行させるようにしたものも提案されている。
しかし、このように保守支援装置を設けても、保守作業員が誤った部品を取り外してしまうことを防ぐことはできない。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、その目的は、装置稼動中に、人為的ミス等により保守対象部品以外の正常な部品が取り外されたり、取り外す際に必要とされる前処理手順が実行される前に部品が取り外しされるのを防止し、システムダウン等の障害の発生を防止することである。
(1)一部の部品が故障しても全体として稼動を継続できる電子機器の部品交換を行う際の誤作業を防止するための誤作業防止システムにおいて、上記電子機器の保守支援を行なう保守支援装置と、上記電子機器に付加され、該電子機器に搭載された部品取り外しをロックするロック機構と、該ロック機構を制御するロック制御部とを備えたロック制御装置と、上記保守支援装置とロック制御装置との間で、部品交換可否に関する情報の受け渡しをする受け渡しメモリを設ける。
上記保守支援装置は、上記受渡メモリに、部品交換可否に関する情報を書き込み、上記ロック制御装置のロック制御部は、上記受け渡しメモリに書き込まれた上記部品取り外し可否情報を読出し、受け渡しメモリに書き込まれた情報に基づき、上記ロック機構を制御する。
また、上記保守支援装置に、上記電子機器に搭載された部品の取り外しに先立ち実行される前処理手順を記憶する記憶装置と、該記憶装置に記憶された前処理手順に関する情報を、通信手段を介して上記電子機器にへ送信する手段を設ける。
上記電子機器は、上記通信手段を介して保守支援装置から送られる各部品毎の前処理に関する情報を読み込んで前処理手順を実行し、上記保守支援装置は、上記前処理手順の実行完了の通知があったとき、もしくは、上記前処理手順に関する情報を送信してから所定時間経過後に、前記受け渡しメモリに部品取り外し可否の情報を書き込む。
(2)上記受け渡しメモリに、ワイヤレスで、上記電子機器及び/または保守支援装置と、部品取り外しの可否に関する情報を送受信する手段を設ける。
(1)保守支援装置から受渡メモリに部品交換可否に関する情報を書き込み、ロック制御装置のロック制御部が、上記受け渡しメモリに書き込まれた部品取り外し可否情報を読出し、ロック機構を制御するようにしたので、作業者が誤って、保守対象となっていない正常な部品を取り外してしまうことを防止することができ、保守作業における人為的ミス等によるシステムダウンなどを防ぐことができる。
(2)保守支援装置から、保守対象となっている電子機器に前処理手順に関する情報を、通信手段を介して、上記電子機器にへ送信して上記電子機器で前処理手順を実行させ、前処理手順の実行完了の通知があったとき、もしくは、上記前処理手順に関する情報を送信してから所定時間経過後に、前記受け渡しメモリに部品取り外し可否の情報を書き込むようにしたので、部品取り外しに先立ち実行される前処理手順を実行しないまま部品を取り外してしまうことを防止することができる。このため、部品取り外しによる他の部品への悪影響や、システムがダウンを防止することができる。
(3)受け渡しメモリと上記電子機器及び/または保守支援装置との間にワイヤレスで通信できる手段を設けることにより、電子機器と受渡しメモリ間、及び/または受渡しメモリと保守支援装置間をケーブルなどで接続する手間を省くことができる。
また、上記受渡しメモリとして、ロック制御装置及び保守支援装置と無線でデータの送受を行うことができるICタグ等を用いることで、保守支援装置からICタグに部品交換可否に関する情報を書き込み、ICタグをロック制御装置の近くに持って行き、ロック制御装置によりICタグに記憶された部品交換可否に関する情報を読み取ることができる。 このため、必ずしも保守の対象となる上記電子機器の近くに保守支援装置を設置する必要がなく、保守作業を容易にすることができる。
図1において、10は保守作業の対象となる多重ディスク装置であり、多重ディスク装置10には、複数のディスク装置A〜D,…が搭載されている。以下これらのディスク装置A〜Dを、部品A〜Dという。
20はロック制御装置であり、上記多重ディスク装置10に付加され、多重ディスク装置10に搭載された部品A〜Dの取り外しをロック/アンロックするロック機構21と、各ロック機構21を制御するロック部22と、ロック制御部23を備えている。
ロック機構21とロック部22は、多重ディスク装置10に搭載された部品A〜Dに対応してそれぞれ設けられ、上記ロック制御部23の指示により、各部品A〜Dの取り外しのロック/アンロックが行われる。
保守支援装置30は、メモリ書き込み機構31を備え、メモリ書き込み機構31により、上記受渡しメモリ40に、部品交換可否に関する情報(ロック/アンロック情報)を書き込む。
上記ロック制御装置20のロック制御部23は、上記受渡しメモリ40に書き込まれた上記ロック/アンロック情報を読出し、受渡しメモリ40に書き込まれた情報に基づき、上記ロック部22、ロック機構21を制御する。
また、各ロック機構21に対応して、ランプLA〜LDが設けられており、ロック部22は、取り外し可能な部品に対応したランプを点灯させる。これにより、作業者はどの部品を交換すればよいのか、容易に知ることができる。
上記ロック制御部23は、プロセッサやハードウェアで構成することができ、受渡しメモリ40に記憶されたロック/アンロック情報を読出す手段と、読出した結果に基づき、ロック部22へロック/アンロック信号を出力する手段から構成されている。
図2(b)は、保守支援装置に格納されるエラー情報と部品の対応テーブルの一例を示す図である。
保守支援装置30は、例えば図2(b)に示すように、エラー情報と部品の対応テーブルを備えている。
故障時に多重ディスク装置が出力するエラー情報を、作業者が保守支援装置30へ入力すると、保守支援装置30は、このテーブルを参照して、エラー情報に対応した故障した部品名を読出す。そして、この部品の交換が必要な場合、上記メモリ書き込み機構31を介して、受渡しメモリ40の該当する部品の記憶エリアに、アンロック情報を書き込む。なお、初期状態では、受渡しメモリの各記憶エリアはロック情報が書き込まれており、また全ての部品に対応したロック機構21はロック状態に設定されている。
作業者は上記ランプの点灯により取り外すべき部品を確認し、アンロックされた部品を取り外す。
同図において、保守支援装置30にエラー情報(論理NO.)を入力すると(ステップS1)、保守支援装置では、前記図2(b)に示したテーブルを参照して、取り外す部品を特定する(ステップS2,S3)。
ついで、取り外すべき部品について、受渡しメモリ40のFLAGにアンロックを書き込む(ステップS4〜S7)。図の例では、受渡しメモリ40の部品A,BのFLAGにアンロックが書き込まれる。
一方、ロック制御装置20のロック制御部23では、受渡しメモリ40に書き込まれた情報を読み込み、部品AのFLAGがオン(FLAG=1)であるかを調べる(ステップT1)。FLAGがオンであれば、部品Aに対応するロック制御機構21のロックを解除する。また、部品Aに対応したロック制御機構21のランプLAを点灯させる(ステップT2,T3)。
以下、同様に各部品について、受渡しメモリ40の各部品のFLAGを調べ、FLAGがオンであれば、その部品のロック機構21のロックを解除し、対応するランプを点灯させる(ステップT4〜T6)。
図4において、前記図1に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、10は、複数の部品を搭載した保守作業の対象となる多重ディスク装置であり、例えばRS232C等のシリアルインタフェース11を有し、保守支援装置30のシリアルインタフェース33と通信回線など介して接続されている。
また、各部品A〜Dには前処理手順を格納するためのレジスタRA〜RDが設けられ、多重ディスク装置10は上記レジスタRA〜RDに格納された前処理手順を実行する手段を備え、保守支援装置30から上記レジスタRA〜RDに前処理手順が書き込まれると、前処理手順を実行する。
なお、図4では、各部品A〜DにそれぞれレジスタRA〜RDを設け、前処理手順を上記レジスタRA〜RDに書き込む場合について示したが、上記前処理手順を多重ディスク装置10が有する記憶手段に格納するように構成してもよい。また、前処理手順を記憶装置に格納せずに、保守支援装置30から前処理手順の各ステップが送信される毎に、多重ディスク装置10が前処理手順を実行するようにしてもよい。
ロック機構21とロック部22は、多重ディスク装置10に搭載された部品A〜Dに対応してそれぞれ設けられ、上記ロック制御部23の指示により、各部品A〜Dの取り外しのロック/アンロックが行われる。
30は上記多重ディスク装置10の保守支援を行うための保守支援装置であり、前記したように、受渡しメモリ40に部品交換可否に関する情報を書き込むメモリ書き込み機構31と、多重ディスク装置10と接続されるシリアルインタフェース33を備えている。また、前記図2(b)に示した論理NO.と部品名の対応テーブルを備え、また、そのメモリ32には各部品の取り外しに先立ち実行される前処理手順が格納されている。
この前処理手順は、部品交換に先立って上記シリアルインタフェースを介して、多重ディスク装置10に送られる。
ロック制御装置20のロック制御部23は、上記受渡しメモリ40に書き込まれた上記ロック/アンロック情報を読出し、受渡しメモリ40に書き込まれた情報に基づき、上記ロック部22、ロック機構21を制御する。
また、各ロック機構21に対応して、ランプLA〜LDが設けられており、ロック部22は、取り外し可能な部品に対応したランプを点灯させる。
図5は多重ディスク装置10における前処理手順の一例を示す図である。同図に示すように保守支援装置30から、各部品A〜Dに設けられたレジスタRA〜RDに書き込まれるコマンド等が送信される。
保守支援装置30から、シリアルインタフェース33,11を介して前処理手順を実行すべき部品AのレジスタRAにコマンドなどの前処理手順が書き込まれると、多重ディスク装置10はレジスタにRA書き込まれた前処理1,前処理2,…を順次実行する。そして、前処理手順の実行が完了しコンプリートFLAGがセットされると、前処理手順実行完了を確認し、シリアルインタフェース11,33を介して、前処理手順の完了を保守支援装置30に通知する。
保守支援装置30は、上記通知があると、メモリ書き込み機構31を介して、受渡しメモリ40の該当する部品Aの記憶エリアに、アンロック情報を書き込む。
作業者は上記ランプの点灯により取り外すべき部品を確認し、アンロックされた部品を取り外す。
前記したように、保守支援装置30にエラー情報(論理NO.)を入力すると、保守支援装置30では、前記図2(b)に示したテーブルを参照して、取り外す部品を特定する。ここでは、この取り外す部品が、部品Aと部品Bであるとして説明する。
上記のように取り外す部品が特定されると、保守支援装置30は、まず部品Aについての前処理を行うためのコマンド等をシリアルインタフェースを介して多重ディスク装置10に送信する(ステップS1〜S3)。
多重ディスク装置10では、コマンドを受付けると、コマンドに対応した処理を実行する(ステップT1,T2)。そして、この処理の実行が完了すると、実行が完了した旨を示すコンプリートを保守支援装置30に通知する(ステップT3)。
保守支援装置30は、多重ディスク装置10から部品Aの前処理が完了したことが確認されると(ステップS4,S5)、受渡しメモリ40の部品AのFLAGにアンロックを書き込む(ステップS6)。
ロック制御装置20のロック制御部23では、部品AのFLAGがオンになると、部品Aに対応するロック機構21のロックを外す(ステップU1,U2)。また部品Aに対応したランプを点灯させる(ステップU3)。これにより、作業者は、部品Aの取り外しが可能となる。
ロック制御装置20のロック制御部23では、上記と同様に、部品BのFLAGがオンになると、部品Bに対応するロック機構21のロックを外す(ステップU4,U5)。また部品Bに対応したランプを点灯させる(ステップU6)。これにより、作業者は、部品Bの取り外しが可能となる。
(1)受渡しメモリ40を保守支援装置内に設け、また、ロック制御装置20と受渡しメモリ40の間に通信手段を設け、データ受渡しメモリ40に書き込まれたデータを、ロック制御装置20と受渡しメモリ40の間に設けられた通信手段を介してロック制御装置20に送信する。
(2)受渡しメモリを上記ロック制御装置20、保守支援装置30内に設けず、保守支援装置30及びロック制御装置20と受渡しメモリ40の間に通信手段を設け、保守支援装置30から送信したデータ受渡しメモリ40に書き込み、書き込まれたデータを、ロック制御装置20と受渡しメモリ40の間に設けられた通信手段を介してロック制御装置20に送信する。
また、上記第2の実施例においては、保守支援装置と多重ディスク装置間をシリアルインタフェースを介して接続する場合について示したが、LAN、あるいはワイヤレスLAN等を介して接続してもよい。
上記のように、ワイヤレス通信手段を用いて、多重ディスク装置と受渡しメモリ間、及び/または受渡しメモリと保守支援装置間の通信を行うことにより、多重ディスク装置と受渡しメモリ間、及び/または受渡しメモリと保守支援装置間をケーブルなどで接続する手間を省くことができる。
すなわち、作業者がまず、受渡しメモリを保守支援装置の近傍に置き、保守支援装置から受渡しメモリにロック/アンロック情報を書き込み、ついで、受渡しメモリを保守対象となる多重ディスク装置の近傍に移動させ、受渡しメモリに書き込まれたロック/アンロック情報をロック制御装置に読み込ませる。これにより、多重ディスク装置と、保守支援装置が別の場所に設置されていても、多重ディスク装置の保守作業が可能となる。
また、第2の実施例において、上記と同様に受渡しメモリを保守対象となる多重ディスク装置および保守支援装置に内蔵させずに別体とし、また、保守支援装置と保守対象となる多重ディスク装置をワイヤレスLANなどで接続して、前処理手順をワイヤレスLANを介して送信するようにすれば、保守対象となる多重ディスク装置と、保守支援装置が別の場所に設置されていても、保守作業を行うことが可能となる。
11 シリアルインタフェース
20 ロック制御装置
21 ロック機構
22 ロック部
23 ロック制御部
30 保守支援装置
31 メモリ書き込み機構
32 メモリ
33 シリアルインタフェース
40 受渡しメモリ
Claims (3)
- 一部の部品が故障しても全体として稼動を継続できる電子機器の部品交換を行う際の誤作業を防止するための誤作業防止システムであって、
上記電子機器の保守支援を行なう保守支援装置と、
上記電子機器に付加され、該電子機器に搭載された部品取り外しをロックするロック機構と、該ロック機構を制御するロック制御部とを備えたロック制御装置と、
上記保守支援装置とロック制御装置との間で、部品交換可否に関する情報の受け渡しをする受け渡しメモリとから構成され、
上記保守支援装置は、上記電子機器に搭載された部品の取り外しに先立ち実行される前処理手順を記憶する記憶装置と、該記憶装置に記憶された前処理手順に関する情報を、通信手段を介して、上記電子機器に搭載された各部品のレジスタへ送信する手段を備え、
上記電子機器は、上記通信手段を介して保守支援装置から送られる各部品毎の前処理に関する上記各部品のレジスタに記憶された情報を読み込んで前処理手順を実行し、
上記保守支援装置は、上記前処理手順の実行完了の通知があったとき、もしくは、上記前処理手順に関する情報を送信してから所定時間経過後に、前記受け渡しメモリに部品取り外し可否の情報を書き込み
上記ロック制御装置のロック制御部は、上記受け渡しメモリに書き込まれた上記部品取り外し可否情報を読出し、受け渡しメモリに書き込まれた情報に基づき、上記ロック機構を制御する
ことを特徴とする誤作業防止システム。 - 上記受け渡しメモリは、ワイヤレスで、上記電子機器及び/または保守支援装置と、部品取り外しの可否に関する情報を送受信する手段を備えた
ことを特徴とする請求項1の誤作業防止システム。 - 一部の部品が故障しても全体として稼動を継続できる電子機器の部品交換を行う際の誤作業を防止するための誤作業防止方法であって、
上記電子機器に、該電子機器に搭載された部品取り外しをロックするロック機構と、該ロック機構を制御するロック制御部とを備えたロック制御装置を付加するとともに、上記電子機器の保守支援を行なう保守支援装置と、上記保守支援装置とロック制御装置との間で、部品交換可否に関する情報の受け渡しをする受け渡しメモリとを設け、
上記保守支援装置から、通信手段を介して、上記電子機器に搭載された各部品のレジスタに、各部品の部品取り外しに先立ち行われる前処理手順を送信し、
上記電子機器は、上記通信手段を介して保守支援装置から送られる各部品毎の前処理に関する上記各部品のレジスタに記憶された情報を読み込んで前処理手順を実行し、
上記保守支援装置は、上記前処理手順の実行後に通知される前処理手順実行完了通知を上記通信手段を介して受信した後、もしくは、上記前処理手順に関する情報を送信してから所定時間経過後に、前記受け渡しメモリに部品取り外し可否の情報を書き込み、
上記ロック制御装置は、上記受け渡しメモリに書き込まれた情報に基づき、上記ロック機構を制御する
ことを特徴とする誤作業防止方法。
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