JP4525327B2 - 光記録再生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、記録材料に対しレーザ光を照射して記録及び/又は再生を行う光記録再生方式及び光記録再生装置に関する。
従来、光記録再生媒体の深さ方向に多層記録を行ういわゆる3次元光記録を可能とする方法として、パルス間隔がフェムト秒オーダーとされるいわゆる超短パルスレーザ(フェムト秒レーザ)のような、多光子吸収を誘起できるレーザ光源を用いる方法が各種提案されている。
例えば、記録媒体としてSiO(シリカガラス)やPMMA(ポリメチルメタクリレート)単体を用いて、フェムト秒レーザの照射により局所的なクーロン爆発を利用してボイドを発生させて記録を行う方法が提案されている(例えば非特許文献1及び2参照。)。
上記非特許文献1及び2に開示の方法では、フェムト秒レーザのような多光子吸収を誘起できるような超短パルスレーザを用いる際、記録しきい値が非常に高くなってしまい、フェムト秒レーザの他にその出力を増幅する再生増幅器を併用し、1パルス当たりの記録パルスエネルギーを増幅しなければ、適切な記録ができなかった。
また、このようなシリカガラスやPMMAにおけるボイド記録を行う場合、ピット記録は可能ではあるものの、パルス毎の書き込み、すなわちビット単位の記録しかできず、従来、光ディスクで用いられてきた長さの異なる複数の記録マークを利用した変調方式を採用することは不可能であり、実用的な記録媒体として利用し難いという問題もある。
更に、記録媒体として希土類添加ガラスに対し、フェムト秒レーザを照射して価数を変化させて蛍光発光パターンを変えることにより記録を行う方法も提案されている(例えば非特許文献3参照。)。
M.Watanabe et al, "Three-Dimentional Optical Data Storage in Vitreous Silica", Japanese Journal Applied Physics, Vol.37(1998)pp.L1527-L1530 K.Yamasaki et al, "Recording by microexplosion and two-photon reading of three-dimentional optical memory in polymethylmethacrylatefilms", Applied Physics Letters, American Institute of Physics, Vol.76,No.8(2000)pp1000-1002 K.Fujita et al," Photoinduced Valence Changes of Samarium Ions Inside a Silica-Based Glass with Near-Infrared Femtosecond-Laser Pulses:Materialsfor Three-Dimensional Optical Memory", Japanese Journal Applied Physics, Vol.40(2001)pp.1651-1652
従来は、上述したような発光や記録原理が確認された材料に対して、その都度適切な励起を誘起する波長のレーザ光源を用意するとか、或いは波長フィルターを配置するなどの工夫が必要であり、使用する光源との波長関係についての検討はされていない。
このため、記録再生装置としての光学系は、より複雑で、最適化が難しい状況にあっただけでなく、より高いコストを必要とするという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みて、上述したような多層記録の可能な光記録再生方式及び光記録再生装置において、レーザ光源の発振波長、記録時の使用波長、再生時の使用波長、更には情報の検出を行う波長帯域の最適な関係の指針を提供し、より実用的な光記録再生方式及び光記録再生装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による光記録再生方は、記録媒体の記録材料が、少なくとも光酸発生剤及び酸敏感性蛍光材料を含み、光源の発振波長をλfs、記録材料の記録時の光励起中心波長をλrec、記録材料の未記録領域における再生時の光励起中心波長をλrd1、記録領域における再生時の光励起中心波長をλrd2、記録材料の再生時の蛍光の発光中心波長をλplとすると、
λrec≠λrd1≠λrd2≠λpl≠λfs
λrec≒λfs/n・・・(1)
λrd1≠λrd2≒λfs/m・・・(2)
(但し、nは2以上の整数、mは1以上の整数、n>m)
とし、光源をパルス周期が1ps未満のパルスレーザより構成して、前記記録媒体の記録時及び再生時に多光子吸収過程により光励起を行うことを特徴とする。
また、本発明による他の光記録再生方は、記録媒体の記録材料に、少なくとも光酸発生剤及び酸敏感性蛍光材料を含み、光源の発振波長をλfs、記録材料の記録時の光励起中心波長をλrec、記録材料の再生時の光励起中心波長をλrd、記録材料の再生時の未記録領域における蛍光の発光中心波長をλpl1、記録領域における蛍光の発光中心波長をλpl2とすると、
λrec≠λrd≠λpl1≠λpl2≠λfs
λrec≒λfs/n
λrd≒λfs/m
(但し、nは2以上の整数、mは1以上の整数、n>m)
とし、光源をパルス周期が1ps未満のパルスレーザより構成して、記録媒体の記録時及び再生時に多光子吸収過程により光励起を行うことを特徴とする。
上述したように、本発明による光記録再生方式及び光記録再生装置においては、光源の発振波長λfs、記録材料の記録時の光励起中心波長λrec、再生時の光励起中心波長λrd、更に再生時の発光中心波長λplをそれぞれ異なる波長として構成するものである。
なお、ここで記録時又は再生時の光励起中心波長とは、記録材料中の少なくとも一部の材料がこの波長を略中心波長とする波長帯域に吸収波長を有し、その光を吸収することによって状態の変化が誘起される波長を示す。すなわち、この光励起中心波長を中心波長とする光を照射することによって、この光を照射しない領域とは異なる状態に変化することによって、記録又は再生がなされる。そして、記録時に励起された領域が記録マークとなり、再生時にはこの記録マークに再生用励起光を照射すると、発光強度の変化、または発光スペクトルの変化が生じ、この変化を検出することによって、情報の記録再生を行うことができる。
このように、各波長を重複することなく適切に選定し、かつ、それらの各中心波長を、光源の発振波長との兼ね合いにおいて、上記式(1)及び式(2)の関係に選定し、また、光源のうち少なくとも1つにパルスレーザ光を発振する光源を用い、そのパルス幅を1ps以下とすることによって、多光子吸収過程を利用した効率の良い記録再生が可能となる。
すなわち、2光子以上の多光子吸収過程による記録と、1光子または2光子以上の多光子吸収過程による再生とを適宜実現できる波長関係とすることによって、簡易な装置構成で多層記録媒体に対する記録再生を実現できる。
特に、記録及び再生を2光子以上の多光子吸収過程により行う構成とすることにより、光源を1つとすることができて、より簡易な装置構成を実現し、多層記録媒体に対する実用的な光記録再生方法及び光記録再生装置を提供することができる。
以上説明したように、本発明の光記録再生方式及び光記録再生装置によれば、光源の発振波長と記録材料の励起波長、発光波長とが重複することなく、適切な波長構成となるため、実用的な光励起による光記録再生方式及び光記録再生装置を提供することができる。
また、本発明の光記録再生方式において記録時及び再生時の光励起波長λrec及びλrdを、光源の発振波長λfsに対し、それぞれ上記式(1)及び式(2)の関係とすることによって、少なくとも記録時において多光子吸収過程を利用した効率の良い光記録再生方法を提供することができる。
更に、本発明の光記録再生方法において、再生時の光励起波長が、記録時の光励起によって、その中心波長が変化することによって、再生時において記録情報の再生をより確実に行えると共に、記録及び再生を多光子吸収過程により行う場合において、記録時に再生用の多光子吸収過程をも誘起することを回避できるという利点を有する。
更に、本発明の光記録再生方法において、記録材料の再生時の発光を蛍光の発光とし、その発光中心波長λplを、
λfs/2<λpl<λfs
とすることによって、再生励起光と混同することなく、精度良く再生光を検出することができる。
また、本発明の光記録再生装置において、光源のうち少なくとも1つがパルスレーザ光を発振する光源とされ、そのパルス幅を1ps以下とすることによって、多光子吸収過程を利用した記録再生が可能な装置を提供することができる。
更に、本発明の光記録再生装置において、パルスレーザ光を発振する光源とは別に、再生用光源を設け、この再生用光源を、記録媒体の再生時の光励起波長λrdに対応する発振波長を有する構成とすることによって、記録媒体の記録材料の選択の自由度を高め、比較的簡易な構成で多層記録媒体への安定した記録及び再生が可能な光記録再生装置を提供することができる。
更に、本発明の光記録再生装置において、再生用光源からのレーザ光を記録媒体に照射する共焦点光学系を設けることによって、同様に記録媒体記録材料の選択の自由度を高め、より簡易な構成で多層記録媒体への安定した記録及び再生が可能な光記録再生装置を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
本発明は、記録媒体に対しレーザ光を照射して情報の記録及び/又は再生を行う光記録再生方式及び光記録再生装置に適用するもので、特に多層構造媒体に適用して好適な例を示す。
本発明の光記録再生方式においては、光源の発振波長λfs、記録媒体の記録材料における記録時の光励起波長λrec、再生時の光励起波長λrd、再生時の発光波長λplを、
λrec≠λrd≠λpl≠λfs
としてそれぞれ重なり合うことなく構成する。更に、それらの各波長が励起光源波長との兼ね合いにおいて、1光子吸収過程または多光子吸収過程となる波長関係とする。
この場合の吸収/発光スペクトルの一例を図1に示す。この例においては、中心波長λrecの光を照射することによって、記録材料の少なくとも一部の材料が局所的に励起されて記録がなされる。
再生時には、中心波長λrdの光を照射すると、記録時に記録材料の一部が励起された位置において記録材料の少なくとも一部の材料が励起されて例えば矢印a1で示すように吸収スペクトルが変化して光が吸収される。このとき、例えば発光スペクトルが矢印a2で示すように発光強度が変化し、記録された領域で局部的に発光強度が大となることによって、発光を検出するができ、記録の再生がなされる。
ここで、記録時に励起する波長λrecと光源の発振波長λfsとの関係を、
λrec≒λfs/n
(ただし、n≧2)
とする。なお、λrecとしては、必ずしもλfsのn分の1でなくても、記録材料が励起される範囲であれば、中心波長がλfs/nの周辺であってもよい。
このとき、光源としてパルスレーザを用い、そのパルス幅を3光子以上の多光子吸収が生ずる程度、1ps以下の例えば500fs、150fs等とすることによって、多光子吸収過程、例えば3光子過程により記録材料を励起することができる。
また、再生時に励起する波長λrdと、光源の発振波長λfsとの関係を、
λrd≒λfs/m
(ただし、m≧1、n>m)
とする。この場合もλrdは、再生時の励起が生じる範囲であればよく、中心波長がλfs/mの周辺であってもよい。
再生時においても、光源としてパルスレーザを用い、そのパルス幅を2光子以上の多光子吸収過程が生ずる程度、1ps以下の500fs、150fs程度とすることによって、例えば2光子吸収過程により再生時の励起を行うことができる。
このようにすることによって、記録時と再生時において同一の光源からの光を利用して多層記録媒体への記録又は再生を良好に行うことが可能となる。
そして、再生時の信号の検出は蛍光の発光を用いてこれを行い、かつ、その発光波長中心λplが、
λfs/2<λpl<λfs
に存在するものとする。
これにより、再生時に励起する波長λrdの光と混同することなく、精度良く再生光の検出を行うことができる。
本発明による光記録再生方式の他の例における吸収/発光スペクトルを図2に示す。この場合は、再生時の光励起波長が、記録時の光励起によって、その中心波長が変化する場合を示す。すなわち、記録時の励起によって、再生時の光励起波長が矢印b1又はb2で示すように、波長λrd1から波長λrd2に、又はその逆に変化し、その他のスペクトルは図1に示す例と同様の場合を示す。
このように、記録時に励起するとその再生時の吸収スペクトルの中心波長が変化する記録材料を用いることによって、上述の図1において説明した例と同様に、記録及び再生を共に多光子吸収過程により行う場合に、記録時に複数の多光子吸収過程、例えば3光子吸収過程及び2光子吸収過程を誘起してしまうことを回避することができる。すなわちこの場合は、記録と再生の励起を適切に分離して行うことができるという利点を有する。
なお、このような波長関係は、例えば後述する光酸発生剤及び酸敏感性蛍光材料を記録材料とする場合に構成し得る。
また、その他例えば図3に示すように、記録時の励起によって、再生時の光励起波長が矢印c1又はc2で示すように中心波長がシフトし、かつその発光スペクトルも矢印c3又はc4で示すように中心波長がλpl1からλpl2へ、又はその逆に波長シフトが生じる波長構成であってもよい。このような記録材料を有する記録媒体を用いる場合においても、図2に示した例と同様に、精度良く多光子吸収過程による記録及び再生を行うことができる。図3において、図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この場合は、再生時にλpl1又はλpl2のどちらかの発光を検出して再生信号を得るようにすればよく、より精度よく再生信号を検出することができる。
更に、図4に示すように、再生時の発光スペクトルの中心波長のみが変化する波長構成であってもよい。この場合においても、λpl1又はλpl2のどちらかの発光を検出して再生信号を得るようにすればよい。図4において、図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
これら図2〜図4において説明した各例において、上述の図1において説明した多光子吸収過程を誘起する波長関係とすることによって、同一の光源を用いて良好に記録及び再生を行うことができることはいうまでもない。
多光子吸収過程を利用した記録再生を行うことによって、多層記録媒体に対し良好に記録再生を行うことが可能となり、高記録密度記録媒体に対する実用的な記録再生が可能となる。
なお、特に書き換え可能な記録媒体の場合、記録情報の消去の際の励起波長は、再生時の励起波長λrdと同じとし、かつ再生時よりも高いレーザパワーにてこれを行うものとすることによって、同様の波長構成によって書き換え可能な記録再生を行うことができる。
なお、再生時に励起する波長λrdをλfs/n(例えばn=2)周辺とし、これを波長λfs/nで発振する連続発振(CW)レーザか、またはλfs/nで発振するパルスレーザにて励起してもよい。その際、特に連続発振(CW)レーザでこれを行う場合、再生光学系として共焦点光学系を構成することによって、同様に多層記録媒体に対する記録再生が可能となる。
この場合においても、信号の検出は蛍光の発光を用いてこれを行い、かつその発光中心波長λplが、
λfs/2<λpl<λfs
に存在するものとする。
このように再生用の光源を用いる場合において、特にパルスレーザを用いるときは、そのパルス幅は、2以上の多光子吸収過程が生じない程度、例えば1ps以上とする。
以上のような波長構成として記録再生を行う本発明構成の光記録再生装置の一例の概略構成を図5に示す。
この例では、例えばパルス幅1ps以下のパルスレーザを発振する光源1が設けられ、この光源1から出射されたパルスレーザは、光軸C1に沿って光量調節用のNDフィルター等より成るフィルター2を介してビームスプリッター3に入射される。ビームスプリッター3により反射されたパルスレーザ光は、光軸Cに沿って例えばコンピュータ制御された3次元ステージより成り層間移動及び収差補正がなされる光学系4に入射され、ここにおいてフォーカス方向及びトラッキング方向に制御され、また収差補正されて、油浸レンズや固浸レンズ等の高開口数の対物レンズ5を介して例えば記録部が多層構成とされた記録媒体30の所望の記録層に合焦されて照射される。
図5においては、再生用の光源6を設け、共焦点光学系を構成する場合を示し、例えば青色レーザ等の光源6から出射された光は、光軸C2に沿ってコリメータレンズ7を介してビームスプリッター8に入射される。ビームスプリッター8により反射されたレーザ光は、光軸Cに沿って、ビームスプリッター3を透過して光学系4に入射され、ここにおいてフォーカス方向及びトラッキング方向に制御され、かつ収差補正がなされて対物レンズ5を介して記録媒体30に入射される。記録媒体30から反射された光は、光学系4、ビームスプリッター3を透過して、集光レンズ9により集光されて、ピンホール10を介して検出手段11において検出される。
このように、再生用の光源6を設ける構成とする場合は、記録媒体の記録材料における記録及び再生時の光励起波長を共に多光子吸収過程が生じる波長関係に限定されることがなく、記録材料の選択の自由度を高めることができる。
また、上述したように共焦点光学系を構成する場合は、比較的簡易な構成で確実に多層記録媒体に対する安定した記録再生が可能となる。
なお、再生時の励起を多光子過程により行い、光源1のパルスレーザで再生用のレーザ光源を兼用できる場合は、図5における光源6からビームスプリッター8に至る光学系41、ピンホール10を省略して光記録再生装置を構成することができる。
また、記録媒体30に各レーザ光を集光する対物レンズとしては、例えば図6に示すように、オイル44を介して記録媒体30と対物レンズ43を対向させるいわゆる油浸レンズを用いるとか、また例えば図7に示すように、対物レンズ43と記録媒体30の表面との間に、記録媒体30の表面との間隔gが数十nm程度と微小間隔とされて対向される固浸レンズを介在させる構成とすることによって、開口数NA>1程度の高開口数を実現する対物レンズ構成とすることが望ましい。このような高開口数の対物レンズを用いることによって、光軸Cに沿って集光されるレーザビームLが、エバネッセント波を介して、記録媒体30内へ結合し、かつ媒体30内の任意の場所、すなわち例えば図6及び図7に示すように、第1〜第3の記録層31〜33の所望の記録層表面に合焦可能な集光光学系が得られる。図7においては、固浸レンズ45をサスペンション47に支持されるスライダ46に固定した例を示すが、その他光学系4により制御される2軸アクチュエータ等に搭載するなど、種々の態様を採り得る。
次に、本発明による光記録再生方式及び光記録再生装置の一実施形態例について説明する。
上述の図5において説明した光記録再生装置において、光源1の発振波長λfsが800nm前後の超短パルスレーザ、いわゆるフェムト秒レーザを使用して、3光子以上の多光子吸収による光励起を利用し、一方、再生に際しては、同様に波長λfsが800nm前後の超短パルスレーザを光源1として使用し、2光子吸収により再生する構成とする。
なお、波長400nm前後の例えば波長405nmの青色半導体レーザを再生用の光源6として用いてもよく、ピンホール10と組み合わせることも可能である。
光源1としては、例えばTi:Sapphire結晶を使ったフェムト秒レーザ・オシレータを用いることができる。そのパルス幅はおよそ100fs、繰り返し周波数は80MHz程度である。また、発振波長中心は800nmである。
記録媒体へ照射する際の集光光学系は、例えば油浸対物レンズを用いて開口数1.35とする。対物レンズとしては、その他前述の図7に示す固浸レンズを用いるなど各種の集光光学系が適用可能である。
このような光記録再生装置により記録再生が可能な記録媒体としては、例えば前述の図2の波長構成とする例として、ホスト材料に光酸発生剤、酸敏感性蛍光材料を適宜添加したポリマー材料を記録層材料とした記録媒体を用いることができる。
ホスト材料はPMMA(ポリメチルメタクリレート)等の各種材料が利用可能である。光酸発生剤は、特定の波長の光照射に対し、酸を発生するものであり、例えばトリフェニルスルフォニウム・トリフルオロメタンスルフォネート(Triphenylsulfoniumtrifluoromethanesulfonate)等が適している。同材料の光吸収の波長範囲は200nm前後を中心とした範囲となるため、記録時の光励起波長λrecを200nmに設定し、上述のフェムト秒レーザ・オシレータを光源として用いる場合は、4フォトンでの励起により、酸を発生させる。
また、酸敏感性蛍光材料は特に限定されないが、その特徴としては、以下の性質を持つものが望ましい。すなわち、酸の有無によってその光吸収特性、蛍光の発光特性が変化する色素材料であり、酸のない場合、その光吸収波長が350nm前後、酸がある場合、400nm前後になる材料が望ましい。これにより、再生時の励起波長を400〜500nm付近とすることができる。すなわち、非記録状態の再生時の励起波長λrd1を350nm程度、記録状態の再生時の励起波長λrd2を400〜500nmに設定することができる。
また、蛍光の発光特性は、酸のない場合は400nm付近の励起に対して非発光、酸がある場合に500〜750nmの範囲でその発光中心があるものが適している。すなわち、発光波長λplを500〜750nmの間に設定する。
あるいはまた、500〜750nmの範囲で、酸の有無に対して50nm以上の波長シフトが実現できるものでもよい。この場合、前述の図3に示す波長構成の例に相当する。また、同蛍光材料は、酸の有無によって可逆的、非可逆的にその光吸収、発光特性が変化するものであれば、書き換え可能な記録再生を行うことができる。
上記の組み合わせにおいて、ホスト材料をPMMA、敏感性蛍光材料を例えばモレキュラプローブス社のLysoSensor L-7545(商品名)とし、光酸発生剤としてトリフェニルスルフォニウム・トリフルオロメタンスルフォネートを用いて、それぞれ適切な添加割合として記録媒体の記録層を構成した。この場合の、記録及び再生時の光励起波長λrec及びλrd1、λrd2、再生時の発光波長λpl及び光源の発振波長λfsの波長構成を示す吸収/発光スペクトルを図8に示す。この場合、記録時の波長λrecすなわちこの場合200nm前後の光励起によって、光酸発生剤の作用により材料のpHがpH>7からpH<7に変化する。この場合、酸敏感性蛍光材料の吸収スペクトルが矢印eで示すように変化し、励起前は中心波長λrd1が例えば330nm程度であったものが、中心波長λrd2が400nm前後の吸収スペクトルに変化する。更に、蛍光の発光スペクトルも矢印fで示すように変化して、十分な発光強度が得られ、λplの波長の光を検出することによって、記録情報の再生が良好に行えることとなる。
このような材料を用いて、図9に示すように、第1〜第3の記録層31〜33を有する記録媒体30の各記録層に記録を行って再生光を検出した結果を図10A〜Cに示す。図10A〜Cは、それぞれ第1〜第3の記録層に記録した情報を再生した状態の光学顕微鏡による観察写真図である。この結果から、再生増幅器を用いないパルスレーザ・オシレータより成る光源1によって、適切な記録再生が実現されることがわかる。
以上説明したように、本発明によれば、記録媒体の記録材料の励起特性、発光特性に対応して適切な波長関係をもつ光源を用いる構成とすることによって、光記録再生装置の構成を最適化することができ、整合性のよい波長関係を提供できるだけでなく、より効率的な記録再生の原理を提供できる。
また、光源を一つとすることができるため、より簡素な光源系で記録再生を行うことができる。
更に、これらの結果、より低コストで、かつ、信頼性の高い記録再生方式を提供できる。
また、光源を記録、再生でそれぞれ用意する場合でも、特に再生時に半導体レーザを用いることが可能なため、比較的安価に光源系を構成することが可能となる。
なお、本発明による光記録再生方法及び光記録再生装置は、上述の例に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において、種々の装置構成とするとか、また記録媒体についても、本発明における波長構成を実現できるものであれば種々の材料構成とし得ることはいうまでもない。
本発明による光記録再生方式の一例の説明に供する光吸収/発光スペクトルを示す図である。 本発明による光記録再生方式の一例の説明に供する光吸収/発光スペクトルを示す図である。 本発明による光記録再生方式の一例の説明に供する光吸収/発光スペクトルを示す図である。 本発明による光記録再生方式の一例の説明に供する光吸収/発光スペクトルを示す図である。 本発明による光記録再生装置の一例の概略構成図である。 本発明による光記録再生装置の一例の要部の概略構成図である。 本発明による光記録再生装置の一例の要部の概略構成図である。 本発明による光記録再生方式の一例の説明に供する光吸収/発光スペクトルを示す図である。 記録媒体の一例の要部の概略構成図である。 Aは本発明による光記録再生方式の実施例における観察写真図である。Bは本発明による光記録再生方式の実施例における観察写真図である。Cは本発明による光記録再生方式の実施例における観察写真図である。
符号の説明
1.光源、2.フィルター、3.ビームスプリッター、4.光学系、5.対物レンズ、6.光源、7.コリメータレンズ、8.ビームスプリッター、9.集光レンズ、10.ピンホール、11.検出手段、30.記録媒体、31.第1の記録層、32.第2の記録層、33.第3の記録層、41.光学系、43.対物レンズ、44.オイル、45.固浸レンズ、46.スライダ、47.サスペンション

Claims (7)

  1. 記録媒体の記録材料が、少なくとも光酸発生剤及び酸敏感性蛍光材料を含み、
    光源をパルス周期が1ps未満のパルスレーザより構成して、前記記録媒体の記録時に多光子吸収過程により光励起を行って局所的に集光させて酸を発生させ、前記酸敏感性蛍光材料の光吸収スペクトルを局所的に変化させることにより記録を行い、
    再生時には、前記光源からのパルスレーザを照射して1光子吸収又は多光子吸収過程により光励起を行って蛍光の検出を行って、
    前記光源の発振波長をλfs、前記記録材料の記録時の光励起中心波長をλrec、前記記録材料の未記録領域における再生時の光励起中心波長をλrd1、記録領域における再生時の光励起中心波長をλrd2、前記記録材料の再生時の蛍光の発光中心波長をλplとすると、
    λrec≠λrd1≠λrd2≠λpl≠λfs
    λrec≒λfs/n
    λrd1≠λrd2≒λfs/m
    (但し、nは2以上の整数、mは1以上の整数、n>m)
    とする
    光記録再生方
  2. 前記未記録領域及び記録領域における再生時の光励起中心波長λrd1及びλrd2の差が50nm以上である請求項1に記載の光記録再生方
  3. 前記記録材料の再生時の蛍光の発光中心波長λplを、
    λfs/2<λpl<λfs
    とする請求項1又は2に記載の光記録再生方
  4. 前記記録材料の再生時の蛍光の発光中心波長が、未記録領域においてλpl1、記録領域においてλpl2となり、その差が50nm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の光記録再生方
  5. 記録媒体の記録材料に、少なくとも光酸発生剤及び酸敏感性蛍光材料を含み、
    光源をパルス周期が1ps未満のパルスレーザより構成して、前記記録媒体の記録時に多光子吸収過程により光励起を行って局所的に集光させて酸を発生させ、前記酸敏感性蛍光材料の発光スペクトルを局所的に変化させることにより記録を行い、
    再生時には、前記光源からのパルスレーザを照射して1光子吸収又は多光子吸収過程により光励起を行って蛍光の検出を行って、
    前記光源の発振波長をλfs、前記記録材料の記録時の光励起中心波長をλrec、前記記録材料の再生時の光励起中心波長をλrd、前記記録材料の再生時の未記録領域における蛍光の発光中心波長をλpl1、記録領域における蛍光の発光中心波長をλpl2とすると、
    λrec≠λrd≠λpl1≠λpl2≠λfs
    λrec≒λfs/n
    λrd≒λfs/m
    (但し、nは2以上の整数、mは1以上の整数、n>m)
    とする
    光記録再生方
  6. 前記未記録領域及び記録領域における蛍光の発光中心波長λpl1及びλpl2の差が50nm以上である請求項5に記載の光記録再生方
  7. 前記未記録領域及び記録領域における再生時の蛍光の発光中心波長λpl1及びλpl2を、それぞれ
    λfs/2<λpl1<λfs
    λfs/2<λpl2<λfs
    とする請求項5又は6に記載の光記録再生方
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