JP4524345B2 - 水平制御機構及びこの機構を備えたレーザー墨出し器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はジャイロに揺動自在に吊り下げた吊下体の下部を、水平センサの検知信号に基づくモーター制御により水平移動する揺動制御手段で保持させてこの吊下体を強制的に鉛直姿勢に制御させるように構成した水平制御機構と、この水平制御機構を備えたレーザー墨出し器に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザー墨出し器は、鉛直姿勢を維持させたレーザーモジュールから直線状や点状のレーザー光による墨出し線を室内の壁面や天井面等に照射して、この墨出し線による水平線及び鉛直線並びに地墨などの基準線をもとに建築・内装等各種の作業に役立てる基準器であり、レーザーモジュールの鉛直姿勢を確保させるために、支持台上に立設させた柱材の上端にジャイロを備え、このジャイロに鏡筒などの吊下体を揺動自在に吊下げるとともに、この吊下体にレーザーモジュールを支持させてあり、この吊下体の自重による揺動姿勢回復力により鉛直姿勢が得られる。
【0003】
従来ではこのように吊下体の鉛直姿勢はその自重による鉛直姿勢回復力によって得られ、その揺動の停止は吊下体の下部に備えた円形のブレーキ板を磁気空間内に位置させて磁気制動させるようにしていた。
【0004】
ところがこのように吊下体の自重による鉛直姿勢回復力と鉛直姿勢における停止を磁気制動に頼ると、吊下体の微妙な重量バランスの狂い、ジャイロ上に搭載しているレーザーモジュールの重量バランスの狂い、レーザーモジュールに電流を導いている結線の重み、ジャイロに詰まった塵などの影響を受けて、吊下体の鉛直姿勢に微妙な誤差が生じることがあり、この誤差はたとえ微妙な角度であってもレーザー光の照射先ではその誤差は大きく拡大される。
【0005】
このようなことから最近ではいわゆる電子ジャイロなるものが開発されるに至っており、その1例として、特開平11−311516号公報に記載の「ジャイロ機構を有する墨出し用レーザー装置」が挙げる。この装置は、駆動手段の駆動により回動する基体と、該基体の回動軸周りにおける基体の傾きを検出する水準センサとを備え、該水準センサの検出値が所定の水準基準値になるまで駆動手段が駆動するように構成されてなるジャイロ機構において、前記水準基準値を記憶するための記憶手段と、該記憶手段に記憶された水準基準値を任意に再指定するための設定変更手段とを備えたものからなり、基体が所望の状態になるときの水準センサの検出値を水準基準値として記憶手段により記憶させ、水準センサの検出値が水準基準値と異なった状態にあるときには、駆動手段が駆動して基体を回動させ、水準センサの検出値が水準基準値と一致した後、駆動手段の駆動を停止させることで、基体が所望の状態となるようにしてある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した従来技術を利用した鉛直姿勢制御は、姿勢制御を行なう駆動手段がジャイロ上という揺動の中心点に極めて接近した位置に備えているために、その制御に大きな負担が必要になり、小型のモーターで制御できないことから装置の小型化を図る上で大きな障害となっている。またこのように揺動の中心点に極めて近い位置では微細な制御が極めて難しい問題がある。また幅の狭いジャイロ面にこのような駆動手段を固定させるのは容易ではなく、ジャイロや駆動手段を破損させる原因にもなる。
【0007】
本発明者は従来技術によるいわゆる電子ジャイロを搭載したレーザー墨出し器にこれらの不具合があることを知り、これら不具合がない新規なレーザー墨出し器の開発に着手し、この開発の過程で発明した揺動制御機構とこの揺動制御機構を備えたレーザー墨出し器の技術について特許出願することにした。
【0008】
このような経緯を経て完成するに至った本発明は、鏡筒などの吊下体の下部という揺動幅が大きくモーターの負担の小さな個所をとらえて鉛直姿勢制御することにより、モーターを含めた機構全体の小型化を図り、精緻な制御による精度の高い鉛直(水平)制御を実現させる揺動制御機構と、この揺動制御機構を備えた精度の高いレーザー墨出し器と、リモコン端末器の操作によりレーザー光の向きを水平回転制御させることができるレーザー墨出し器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る揺動制御機構は、ジャイロにより支持台を介して揺動自在に吊り下げた吊下体の下部を、平面視X軸方向に向けた長孔を有するY軸方向に水平移動が自在な第1スライド板と吊平面視Y軸方向に向けた長孔を有するX軸方向に水平移動が自在な第2スライド板とを上下に重ね合せたもので構成した揺動制御手段の前記双方の長孔を重ね合わせることにより形成された正方形の合成孔内に突入させて、当該吊下体の下部をこの合成孔内の1隅方向にバネで付勢させることにより保持し、
前記当該揺動制御手段の水平移動はモーターを利用した動力伝達手段により行ない、
当該モーターの駆動制御を前記吊下体とともに揺動する傾斜センサによる検知信号の演算処理値に基づき行なって、前記吊下体の鉛直姿勢を強制的に回復させるように構成したことを特徴としている。
【0010】
上記構成における最大の特徴は、揺動による動きの大きい吊下体の下部を保持してその揺動を制御している点と、吊下体の下部の保持を上下に重ねた2枚のスライド板の各長孔を合成することにより形成された正方形の合成孔に突入させ、さらに吊下体の下部がこの合成孔内でブレないように付勢させている点にある。
【0011】
これら2枚のスライド板の一方は平面視X軸方向に移動自在であり、他方は平面視Y軸方向に移動自在である。各スライド板には平面視スライド方向と直角方向の長孔が形成されているため、これら2つの長孔を十字状に重ねると平面視において正方形の合成孔が形成される。この合成孔は2枚のスライド板を適宜スライドさせることによりあらゆる平面方向への移動が可能であり、本発明はこの合成孔に吊下体の下部を突入させて吊下体の揺動を制御させようとするものである。
【0012】
なお、吊下体の下部は、機構の小型化を図り、前記長孔に突入して円滑な移動が行なえるように、小径に絞って形成したものが好ましく、前述した合成孔内におけるブレを防ぐための付勢は、バネを用いてこの合成孔の1隅に向けて行われ、この付勢は引っ張る方向と押し付ける方向のいずれであっても構わない。
【0013】
本出願明細書においては、これら2枚のスライド板を区別し易いように、それぞれ第1スライド板と第2スライド板という名称にした。このうち第1スライド板は平面視Y軸方向にスライド自在であり、第2スライド板はX軸方向にスライド自在であり、これら各々のスライドは各1個のモーターの制御により行われる。なお、これら2枚のスライド板のいずれを上に位置させても構わない。
【0014】
これらモーターの回転を利用してどのようにして各2枚のスライド板をスライドさせるかについては、ラックとピニオンギヤの噛み合いによるものと、サーボ制御によるものの2通りのいずれかが採用される。このうちの前者についてはピニオンギヤをウォームギヤで回転させて、精密制御が行なえるようにした。
【0015】
吊下体を鉛直姿勢に移動させるための動力となる各モーターの駆動制御は、傾斜センサによる検知に基づいて行なわれる。傾斜センサは、X軸とY軸の傾斜を検知するために1軸の傾斜センサを2個用いる場合と、X軸とY軸の傾斜を2軸の傾斜センサを1個で行なう場合の2通りの方法があるが、いずれを採用しても構わない。
【0016】
傾斜センサによる各モーターの駆動制御は、マイコンを搭載した制御回路基板によって行われ、このマイコン内のメモリに格納した基準角(鉛直角又は水平角)に各傾斜センサによる検知角が一致するまで、つまり各傾斜センサ及び吊下体が鉛直姿勢になるまで、各モーターを駆動制御する、いわゆるマイコン制御である。
【0017】
このように構成した本発明に係る水平制御機構は、精密作業用及び精密機器の検査用の水平テーブル、水準器、傾斜計測器、レーザー墨出し器等に備えられる。
【0018】
本発明に係る水平制御機構を前記水平テーブルに適用する場合には、ジャイロと吊下体の上部との間に揺動自在に支持させてある支持台を広く形成すれば良い。前記水準器や傾斜計測器に適用する場合には、傾斜センサによる検知角をデジタル表示したり、この検知角が水平(又は鉛直)角になったときにこれを点灯又は音声表示する表示手段を前記制御回路基板に接続すれば良い。レーザー墨出し器に適用する場合には、前記支持台上にレーザーモジュールを搭載すれば良い。とくにレーザー墨出し器に適用する場合には、吊下体を強制的に制御できることから、従来のレーザー墨出し器において必要であった各揺動部分の重量バランスによる調整が不要である。
【0019】
ところで、前記レーザー墨出し器を床上などに置いて使用する際、レーザー光の照射方向を水平回転方向に移動させて次の作業に移ることがよくある。
本発明に係るレーザー墨出し器は、上述した構成に加えて、このような作業を離れた場所から行なえるようにリモコン端末器により水平方向の回転を遠隔制御できるようにし、さらにその回転が正確且つ微細にもに行なえるように、動力伝達に、ウォームギヤとウォームホイールギヤを用い、さらにこれらのギヤの噛み合いおいて生じるバックラッシにより生じるガタを防ぐためにウォームギヤをその歯面がウォームホイールギヤの歯面に接当する方向に付勢させた。
【0020】
【本発明の実施の形態】
本発明の目的及び構成は以上の通りであり、続いて本発明の1実施の形態であるレーザー墨出し器についてその具体的な構成を添付図面に示した実施例に従って詳述する。
【0021】
図1は本発明の1実施例によるレーザー墨出し器(以下、本発明墨出し器と略称する)を示した正面断面図、図2は同じく平面図、図3はレーザーモジュールを取り外したレーザー墨出し器本体の斜視図であり、これら各図においては、その内部が判り易く示すことができるように化粧カバーを取り外して示している。これら各図に示すように、本発明墨出し器1は基台2上にレーザー墨出し器本体3を搭載したものからなる。
【0022】
基台2は、外周縁2aが上方に立ち上げられており、中央部分に短筒部2bが上方に向けて突出形成された平面視円形状を有し、その下部には外周を3等分する個所には脚部4・・が下方に向けて備え付けられている。
【0023】
そして前記短筒部2bの外周に、基台2の内底に接するようにして、ウォームホイールギヤ5と、ボールベアリング6と、上端にフランジ面が形成されており内壁の中央周面部分に段部が突出形成された短筒形状を有する回転台支持部材7と、ボールベアリング8とを、順に上方から嵌入させ、さらにその上方から前記短筒部2bの上端部の外周面に形成されているネジ部2cにナット9を螺装させて、これら各部材5,6,7,8を前記短筒部2bに支持させてある。
【0024】
そして、前記ウォームホイールギヤ5の外周面の下部に、基台2に支持させたバネ10の一端を接当させて一定以上の力をもって回さなければ回転台支持部材7が回転しないようにしてある。これに対し前記回転台支持部材7は前記ボールベーリング6,8の外周に支持させてあるために軽い力をもって回転させることが自在となっている。
【0025】
次にレーザー墨出し器本体3の構造を説明する。
レーザー墨出し器本体3は、回転台12より上方の部分を指し、墨出しに必要な部品が搭載されている。
この回転台12は、前記基台2の外周縁2a内に余裕をもって突入させることができる大きさを有し、その外周縁が上方に立ち上げられており、その中央に前記ボールベアリング8の外径と略等しい大きさを有する開孔12aが形成された金属板にて形成されている。この回転台12は、前記開口12aを前記ボールベアリング8の上端縁に嵌め入れるようにして回転台支持部材7の上端のフランジ面に数本のビス15・・で固定されている。このため回転台12は前記基台2に対して水平方向に回転自在である。
【0026】
この回転台12の上面の周方向を略3等分する個所には、金属長板で形成された柱材17・・が上方に向けて固定されており、この柱材17・・の上端にはドーナツ形状を有しその周縁を下方に折曲させた板材からなる上部台18が固定されている。そしてこの上部台18の中央の孔18に沿った下面にジャイロ19が装着されている。
【0027】
このジャイロ19の中央には支持台20が揺動自在に支持されており、この支持台20の上面には、垂直線のレーザー光を照射するレーザーモジュールR1,R2,R3と、水平線のレーザー光を照射するレーザーモジュールR4,R5と、回転中心線上方に向けてレーザー光を照射するレーザーモジュールR6が搭載されている。そしてこの支持台120下部に吊下体である鏡筒23の上部が突入支持されており、この鏡筒23内に地墨スポットを照射するレーザーモジュールR7が内装されている。また当該支持台20の前面と一方の側面に傾斜センサS1,S2が装着されており、これら鏡筒23、レーザーモジュールR1〜R7、傾斜センサS1,S2が一体となって揺動自在な状態にある。なお、前記鏡筒23は、その下部23aが絞られるように細く形成されたものが用いられている。
【0028】
前記3つの柱材17・・には乾電池25・・を内装する電池ホルダー26・・が装着されており、さらに当該柱材17・・の途中部分に後述する揺動制御手段30の支持板27がネジ止めされて支持されている。
【0029】
続いて、図1及び図3を参照しつつ図4ないし図6により揺動制御手段30について説明する。
この揺動制御手段30は前記鏡筒23の揺動を強制的に制御するものである。図4、図6に示すように、揺動制御手段30の下部は前記支持板27で構成されている。
【0030】
この支持板27は、図7の各図に示すように、その中央に平面視略正方形状を有する開孔27aが形成され、その右寄りの個所に左右方向に向けた2つの長孔27b,27cが平行に形成され、前後及び右個所に前後方向に向けた3つの長孔27d,27e,27fが平行形成されており、さらに平面視360度を三等分する個所のうちの2個所となる側端縁を上方に立ち上げた後述する駆動部31,32の取付面27g,27hが形成され、さらに当該取付面27g,27hの前方の面部に後述するピニオンギ58,59の支持ピン27k,27mと、後述する第2スライド板45を支持するピン27nを上方に向けて突出させたものが用いられている。
【0031】
この支持板27の上面には図4に示すように、揺動制御手段30の一部を構成する第1スライド板35が平面視Y軸方向つまり正面視前後方向にスライド自在な状態で載置されている。
【0032】
この第1スライド板35は、図8の各図に示すように、中央に平面視X軸方向つまり正面視左右方向に向けた大きな長孔35aが形成され、その左側端縁には前後方向に向けた直線状のラック歯35bが形成された平板形状のものが用いられている。
【0033】
この第1スライド板35は図4に示すように、前記支持板27に形成されている前記長孔27d,27e,27fにピンx1,x2,x3を挿通支持させることにより、この長孔27d,27e,27fの範囲内で前述した前後移動が自在となっている。
【0034】
さらに図4に示すように、この第1スライド板35の上面に揺動制御手段30の一部を構成する第2スライド板45が平面視X軸方向つまり正面視左右方向にスライド自在な状態で載置されている。
【0035】
この第2スライド板45は、図9の各図に示すように、中央に平面視Y軸方向つまり正面視前後方向に向けた大きな開孔45aが形成され、その前端の右寄りの縁には左右方向に向けた直線状のラック歯45bが形成され、前後の右端下面にピン45c,45dが下方に向けて突出形成され、左端手前側に左右方向に向けた長孔45eが形成されたものが用いられている。
【0036】
この第2スライド板45は図4に示すように、これらピン45c,45dを支持板27の長孔27b,27c内に突入させ、さらに前記長孔45e内に支持板27上に突出させたピン27nを前記長孔45e内に突出させて係止させて、これら長孔27b,27c,45eの範囲内で前述した左右移動を自在にしてある。
【0037】
これら第1スライド板35及び第2スライド板45の水平移動は、図4及び図5に示すように、駆動部31,32により行われる。
これら駆動部31,32の構造は、モーターM1(M2)の前端にその回転を減速させる減速ギヤ機構50(51)が装着され、この減速ギヤ機構50(51)の突出軸端に平歯車52(53)が装着され、この平歯車52(53)の下方に当該平歯車52(53)に歯合する平歯車54(55)を前端に一体形成したウォームギヤ56(57)が位置し、このウォームギヤ56(57)と、前記各ラック歯35b,45bとの間に2段に歯部が形成されたピニオンギヤ58,59を常時歯合させたものからなり、これらは前記支持板27上に支持されている。
【0038】
このようにして組み付けられた揺動制御手段30は、前記第1スライド板35の長孔35aと第2スライド板45の長孔45aとが平面視十字形状に重なることにより、平面視正方形状の開孔P1が形成され、この開孔P1内に前記鏡筒23の下部23aが上方から突入し、さらに当該下部23aの下端部を前記支持板27の下方においてバネ60で引っ張って、当該下部23aを前記正方形状の開孔P1の1隅に向けて付勢させてある。尚、図示していないが、この付勢をバネで押し付ける構造にしても構わない。
【0039】
そして鏡筒23を前後方向(平面視X軸方向)に揺動させる前記モーターM1と前記傾斜センサS1とが図示しない制御回路基板に信号線で接続され、鏡筒23の前後方向(平面視X軸方向)に揺動させる前記モーターM2と前記傾斜センサS1とが制御回路基板に信号線で接続されており、これら2個の傾斜センサS1,S2による傾斜信号値を当該制御回路基板内で演算処理して夫々対応するモーターM1,M2を制御し、前記各傾斜センサS1,S2による検知値が予め前記制御回路基板のマイコンのメモリ内に設定格納しておいた基準角である水平角(又は垂直角)になるまで、第1スライド板35と第2スライド板45を水平移動させることができるようになっている。
【0040】
このため、例えば、図10に示すように、鏡筒(23)の下部23aが鉛直点Vに位置していない傾斜状態にあるときには、この傾斜角を傾斜センサ(S1,S2)で検知し、この検知信号に基づいてモーターM1,M2を駆動制御させて第1スライド板35と第2スライド板45を夫々鉛直点Vに向う方向に水平移動させて、図11に示すように、前記下部23aの中心を鉛直点Vに移動させる制御が行われる。
【0041】
このような揺動制御手段30を備えたレーザー墨出し器本体3は、図1に示すように、前記基台2上に回転自在に支持されており、その回転はレーザー墨出し器本体3を手で回して行なうことが出来る他、図示しないリモコン端末器の操作によりモーターM3を駆動させて水平回転制御させて行なうことができる構造になっている。
【0042】
この水平回転制御を行なう動力伝達手段を図1及び図11により詳述する。
これら各図に示すように、この動力伝達手段70は、小型のモーターM3と当該モーターM3の前面に装着した減速ギヤ機構71と、当該減速ギヤ機構71の出力軸支持された平歯車72と、当該平歯車72に歯合するギヤ部分73が一端に形成されたウォームギヤ74とによって構成されている。
【0043】
この動力伝達手段70は、取付部材79により前記回転台12の下面にピン78で回動自在に支持されており、ウォームギヤ74を前記ウォームホイールギヤ5に向けて付勢されるように、前記取付部材79をバネ77で付勢させてある。
【0044】
また、前記ウォームギヤ74をその支持軸76に対して軸方向に移動自在に支持して、当該ウォームギヤ74をその歯面が前記ウォームホイールギヤ5の歯面に押し付けられるように前記支持軸76に軸装したコイルバネ75で付勢させてある。
【0045】
このようにウォームギヤ74を2つのバネ77,75で付勢させてウォームホイールギヤ5に押し付けると、双方のギヤの噛み合いにおいて生じるバックラッシが無くなり、しかも当該ウォームギヤ74に前記バネ77,75の付勢方向と対向する方向に逃がすこともできるので、双方のギヤ74,5の噛み合いによるガタ付きやブレを無くし、レーザー墨出し器本体(3)を円滑に水平回転させ、ブレ無く静止させることができるようになる。尚、このモーターM3の駆動制御及びその回転速度制御が、図示しないリモコン端末器の操作により行なうよことができるように、本器にはその受信機が搭載されている。
【0046】
【発明の効果】
以上において説明した本発明に係る水平制御機構によれば、吊下体の鉛直姿勢の制御が、傾斜センサによる検知信号値により作動する揺動制御手段により行われるので、正確な鏡筒の鉛直姿勢が瞬時に確保することが出来るようになったのである。とくにその制御を吊下体の下部を操作することにより行なう構造にしたことによって極めて精緻な制御を行なうことが出来るようになったのである。
【0047】
このように構成した本発明に係る水平制御機構は、作業用及び精密機器の測定用の水平ケーブルに、また水準器に、さらにはレーザー墨出し器に内装することが出来るようになり、このようにしたことによって、より精度の高い小型化させたこれら製品を消費者に提供できるよううになったのである。
【0048】
レり、延いてはレーザー光による墨出し線をこの鉛直姿勢を基準にした極めて高い水平・垂直・鉛直精度で照射することが出来るようになったのである。
【0049】
とくにレーザー墨出し器においては、さらにその水平方向の回転を、手動による他、リモコン端末器の操作によりモーターで水平回転制御させることも出来るようにしたことによって、職人がレーザー墨出し器から離れた所で作業をしながら墨出し線の向きを変えることが出来るようになったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザー墨出し器の正面断面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】レーザーモジュールを取り外して示したレーザー墨出し器本体の斜視図である。
【図4】回転台上方に配設した揺動制御手段の平面図である。
【図5】揺動制御手段の駆動部を示した側面図である。
【図6】揺動制御手段の要部を示した底面図である。
【図7】(a)図は、支持板の平面図である。
(b)図は、同じく正面図である。
【図8】(a)図は、第1スライド板の平面図である。
(b)図は、同じく正面図である。
【図9】(a)図は、第2スライド板の平面図である。
(b)図は、同じく正面図である。
【図10】揺動制御手段による制御前の状態を示した平面図である。
【図11】揺動制御手段により鏡筒の下部を鉛直姿勢に制御した状態を示した平面図である。
【図12】レーザー墨出し器本体の水平回転制御を行なう動力伝達構造を示した部分平面断面図である。
【符号の説明】
1 レーザー墨出し器
2 基台
3 レーザー墨出し器本体
5 ウォームホイールギヤ
12 回転台
17 柱材
18 上部台
19 ジャイロ
23 鏡筒
23a 下部
27 支持板
30 揺動制御手段
35 第1スライド板
35a 長孔
35b ラック歯
45 第2スライド板
45a 長孔
45b ラック歯
56,57 ウォームギヤ
74 ウォームギヤ
Claims (6)
- ジャイロにより支持台を介して揺動自在に吊り下げた吊下体の下部を、平面視X軸方向に向けた長孔を有するY軸方向に水平移動が自在な第1スライド板と吊平面視Y軸方向に向けた長孔を有するX軸方向に水平移動が自在な第2スライド板とを上下に重ね合せたもので構成した揺動制御手段の前記双方の長孔を重ね合わせることにより形成された正方形の合成孔内に突入させて、当該吊下体の下部をこの合成孔内の1隅方向にバネで付勢させることにより保持し、
前記当該揺動制御手段の水平移動はモーターを利用した動力伝達手段により行ない、
当該モーターの駆動制御を前記吊下体とともに揺動する傾斜センサによる検知信号の演算処理値に基づき行なって、前記吊下体の鉛直姿勢を強制的に回復させるように構成したことを特徴とする水平制御機構。 - 第1スライド部材と第2スライド部材の各水平移動を行なう動力伝達手段を、これら各部材の片縁に沿って形成したラック歯に夫々歯合する各1個のピニオンギヤと、当該各1個のピニオンギヤを回転させる各1個のウォームギヤと、これら各1個のウォームギヤを回転させる各1個のモーターと、当該モーターの回転を減速させてウォームギヤに伝える減速ギヤ機構とを組み合わせたもので構成した請求項1に記載の水平制御機構。
- 第1スライド部材と第2スライド部材の各水平移動が、夫々サーボ制御により行なわれるように構成した請求項1に記載の水平制御機構。
- 吊下体の姿勢が鉛直姿勢にあるときにこれを表示する表示手段を備えた請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水平制御機構。
- 吊下体の上部をジャイロに装着している支持台上に取付部材を介してレーザー光による墨出し線を照射するレーザーモジュールを1又は複数個搭載した請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水平制御機構を備えたレーザー墨出し器。
- 請求項5に記載のレーザー墨出し器をレーザー墨出し器本体として基台上に回転自在に支持し、このレーザー墨出し器本体の水平回転を、手動及び、リモコン操作によりモーターを低速で駆動制御させてウォームギヤとウォームホイールギヤの噛み合いによる回転により行ない、しかもウォームギヤの歯面がウォームホイールギヤの歯面に接当する方向にウォームギヤをバネで付勢させて構成したレーザー墨出し器。
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