JP4523395B2 - ユーザ体感品質監視装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パケット通信技術に関し、パケット網で実行されているリアルタイム系アプリケーションに対するユーザの体感品質を監視する技術に関する。
パケット網上でIP電話や映像配信などのリアルタイム系のメディア情報を取り扱うサービスでは、メディア情報の転送に用いる例えばIP網などの中継網自体で通信品質が保証されていない。このため、このようなサービスを利用する際に用いられるリアルタイム系アプリケーションの通信品質を精度よく評価して、パケット網の品質設計や品質管理を行う技術が必要とされている。
従来、このようなリアルタイム系アプリケーションの品質を評価する技術として、メディア情報に関するパケット損失率などの客観的なネットワーク品質に代えて、実際にリアルタイム系アプリケーションを利用するユーザレベルでの主観的な品質すなわちユーザ体感品質を推定する技術が提案されている(例えば、非特許文献1、特許文献1,2など参照)。
近年、これらリアルタイム系アプリケーションのユーザ体感品質に関する管理技術として、大規模ネットワーク中のコアノードやエッジノード、具体的には中継機能を保持するルータなどの機器で、当該ノードを通過するデータ量や回線使用率などの統計的な情報を用いて、ネットワーク品質の管理だけでなくリアルタイム系アプリケーションを呼(フロー)ごとにCall-by-callで監視する技術が検討されている(例えば非特許文献2など参照)。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
特開2002-064539号公報 特開2004-023594号公報 「基礎から理解するVoIP技術」、OPEN DESIGN、March 2003、CQ出版、pp.59-60 R.Caceres and A.Clark,"RTP Control Protocol Extended Reports(RTCP XR)",IETF RFC3611,May.2003
しかしながら、このような従来技術では、リアルタイム系アプリケーションに対するユーザ体感品質の推定や、リアルタイム系アプリケーションを利用するユーザ端末におけるパケット損失や遅延、遅延揺らぎなどのネットワーク品質、すなわちEnd-to-End品質をレポートすることはできるが、パケット損失などでネットワーク品質が低下した際に、どの経路区間で品質が劣化したのか特定することができないという問題点があった。
また、例えば音声や動画などのデータストリームをリアルタイムに転送するのに用いられるRTP(Real time Transport Protocol:IETF RFC1889)などのデータ転送プロトコル、このRTPで転送したパケットの挙動や端末の受信状態などの管理情報を通信相手に送るのに用いられるRTCP(RTP Control Protocol:IETF RFC3611)などの制御用プロトコル、あるいはサーバ・クライアント型でリアルタイム系のメディア情報を配信するのに用いられるRTSP(Real Time Streaming Protocol:IETF RFC2326)などのデータ配信制御プロトコルで用いるパケットを、ユーザ端末や中継網上の各ノード付近にプローブを配置することによって、パケットレベルでのアプリケーション品質を監視する技術が提案されているが、いずれもパケットレベルでの品質監視に留まっており、アプリケーションに対するユーザ体感品質を監視できる技術ではなく、これらの監視結果をネットワーク上のQoS制御や設備変更にフィードバックする際に、アプリケーションに応じた詳細な改善点を指摘することができなかった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、リアルタイム系アプリケーションの通信経路上でユーザ体感品質の劣化が発生している区間を切り分けることができるユーザ体感品質監視装置および方法を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかるユーザ体感品質監視装置は、リアルタイム系アプリケーションで用いる中継網を構成する任意の中継ノードに設けられ、リアルタイム系アプリケーションの任意の呼の品質情報に基づき推定された当該リアルタイム系アプリケーションを利用するユーザが体感するユーザ体感品質について、呼のメディアデータを送信する送信端末と当該メディアデータを受信する受信端末とを結ぶ通信経路上でユーザ体感品質が劣化する品質劣化区間を切り分けるユーザ体感品質監視装置であって、呼の品質情報を含む制御用パケットとメディアデータの転送に用いるメディアパケットとを中継ノードからキャプチャし、これらパケットから当該呼の通信品質を示す品質情報を抽出するパケットキャプチャ手段と、パケットキャプチャ手段で抽出された品質情報を記憶する記憶部と、記憶部の品質情報のうち制御用パケットから得られた受信端末での通信品質を示す端末品質情報と、メディアパケットから得られた中継ノードでの通信品質を示す中継品質情報とを比較することにより、通信経路上でユーザ体感品質の劣化が発生している品質劣化区間を切り分ける品質劣化区間切り分け手段とを備えている。
これに加え、品質劣化区間切り分け手段で、端末品質情報のうち受信端末が中継網から受信したメディアパケットから得られた品質情報と受信端末の揺らぎ吸収バッファを通過したメディアパケットから得られた品質情報とを比較することにより、品質劣化区間が受信端末より送信端末側の中継網側区間であるか受信端末内の端末側区間であるかを判断するようにしたものである
この際、品質劣化区間切り分け手段で、端末品質情報のうち受信端末が中継網から受信したメディアパケットから得られた品質情報と中継品質情報とを比較することにより、品質劣化区間が当該中継ノードより送信端末側の上流側区間であるか当該中継ノードより受信端末側の下流側区間であるかを判断するようにしてもよい。
パケット損失情報を用いた具体的な品質劣化区間切り分け手段として、端末品質情報のうち受信端末が中継網から受信したメディアパケットの損失状況を示すパケット損失情報と中継品質情報のうち中継ノードを通過するメディアパケットの損失状況を示すパケット損失情報とを比較していずれのパケット損失情報がパケット損失の発生を示しているか判断し、この判断結果に基づき品質劣化区間が当該中継ノードより送信端末側の上流側区間であるか当該中継ノードより受信端末側の下流側区間であるかを判断するようにしてもよい。
また、パケット損失情報を用いた他の具体的な品質劣化区間切り分け手段として、端末品質情報のうち受信端末が中継網から受信したメディアパケットの損失状況を示すパケット損失情報と受信端末の揺らぎ吸収バッファを通過したメディアパケットの損失状況を示すパケット損失情報とを比較していずれのパケット損失情報がパケット損失の発生を示しているか判断し、この判断結果に基づき品質劣化区間が受信端末より送信端末側の中継網側区間であるか受信端末内の端末側区間であるかを判断するようにしてもよい。
パケット到着間隔情報を用いた具体的な品質劣化区間切り分け手段として、端末品質情報のうち受信端末が中継網から受信したメディアパケットの到着時刻差を示すパケット到着間隔情報と中継品質情報のうち中継ノードを通過するメディアパケットの到着時刻差を示すパケット到着間隔情報とを比較してメディアパケットの遅延揺らぎによるユーザ体感品質の劣化の有無を判断し、両パケット到着間隔情報の差が基準値より大きくユーザ体感品質の劣化ありと判断された場合、端末品質情報のうち受信端末の揺らぎ吸収バッファで吸収可能なメディアパケットの遅延揺らぎを示す許容遅延揺らぎ情報と中継ノードを通過するメディアパケットの到着時刻差を示すパケット到着間隔情報とを比較することにより、品質劣化区間が当該中継ノードより送信端末側の上流側区間であるか当該中継ノードより受信端末側の下流側区間であるかを判断するようにしてもよい。
片道転送遅延情報を用いた具体的な品質劣化区間切り分け手段として、端末品質情報のうち受信端末が中継網から受信したメディアパケットに関する送信端末から当該受信端末までの片道転送遅延時間を示す片道転送遅延情報と中継品質情報のうち中継ノードを通過するメディアパケットに関する送信端末から当該中継ノードまでの片道転送遅延時間を示す片道転送遅延情報とを比較していずれの片道転送遅延情報に品質劣化となる遅延が含まれているか判断し、この判断結果に基づき品質劣化区間が当該中継ノードより送信端末側の上流側区間であるか当該中継ノードより受信端末側の下流側区間であるかを判断するようにしてもよい。
また、片道転送遅延情報を用いた他の具体的な品質劣化区間切り分け手段として、端末品質情報のうち受信端末が中継網から受信したメディアパケットに関する送信端末から当該受信端末までの片道転送遅延時間を示す片道転送遅延情報と受信端末で中継網から受信したメディアパケットがメディアデータとして再生されるまでの再生遅延時間を示す片道転送遅延情報とを比較していずれの片道転送遅延情報に品質劣化となる遅延が含まれているか判断し、この判断結果に基づき品質劣化区間が受信端末より送信端末側の中継網側区間であるか受信端末内の端末側区間であるかを判断するようにしてもよい。
また、リアルタイム系アプリケーションの各呼のユーザ体感品質を中継ノードとその隣接中継ノードとの間の転送経路区間ごとに分類して統計処理し、その統計結果を所定のユーザ体感品質目標値と比較して得られた比較結果と品質劣化区間の切り分け結果とに基づいて、当該転送経路区間が品質劣化対地か否かを特定する品質劣化対地特定手段をさらに設けてもよい。
あるいは、リアルタイム系アプリケーションの各呼のユーザ体感品質を中継ノードとその隣接中継ノードとの間の転送経路区間ごとに分類して統計処理し、その統計結果を所定のユーザ体感品質目標値と比較して得られた比較結果と品質劣化区間の切り分け結果とに基づいて転送経路区間ごとに品質劣化の有無をそれぞれ評価し、各転送経路区間のうち品質劣化ありと評価された転送経路区間に対する、当該対向中継ノードでの評価との一致不一致に応じて、当該転送経路区間が品質劣化対地か否かを特定する品質劣化対地特定手段をさらに設けてもよい。
また、本発明にかかるユーザ体感品質監視方法は、リアルタイム系アプリケーションで用いる中継網を構成する任意の中継ノードに設けられたユーザ体感品質監視装置により、リアルタイム系アプリケーションの任意の呼の品質情報に基づき推定された当該リアルタイム系アプリケーションを利用するユーザが体感するユーザ体感品質について、呼のメディアデータを送信する送信端末と当該メディアデータを受信する受信端末とを結ぶ通信経路上でユーザ体感品質が劣化する品質劣化区間を切り分けるユーザ体感品質監視方法であって、呼の品質情報を含む制御用パケットとメディアデータの転送に用いるメディアパケットとを中継ノードからキャプチャし、これらパケットから当該呼の通信品質を示す品質情報を抽出するパケットキャプチャステップと、パケットキャプチャステップで抽出された品質情報を記憶部で記憶するステップと、記憶部の品質情報のうち制御用パケットから得られた受信端末での通信品質を示す端末品質情報と、メディアパケットから得られた中継ノードでの通信品質を示す中継品質情報とを比較することにより、通信経路上でユーザ体感品質の劣化が発生している品質劣化区間を切り分ける品質劣化区間切り分けステップとを備えている。
これに加え、パケット損失情報を用いた具体的な品質劣化区間切り分けステップとして、端末品質情報のうち受信端末が中継網から受信したメディアパケットから得られた品質情報と受信端末の揺らぎ吸収バッファを通過したメディアパケットから得られた品質情報とを比較することにより、品質劣化区間が受信端末より送信端末側の中継網側区間であるか受信端末内の端末側区間であるかを判断するようにしたものである。
また、パケット到着間隔情報を用いた具体的な品質劣化区間切り分けステップとして、端末品質情報のうち受信端末が中継網から受信したメディアパケットの到着時刻差を示すパケット到着間隔情報と中継品質情報のうち中継ノードを通過するメディアパケットの到着時刻差を示すパケット到着間隔情報とを比較してメディアパケットの遅延揺らぎによるユーザ体感品質の劣化の有無を判断し、両パケット到着間隔情報の差が基準値より大きくユーザ体感品質の劣化ありと判断された場合、端末品質情報のうち受信端末の揺らぎ吸収バッファで吸収可能なメディアパケットの遅延揺らぎを示す許容遅延揺らぎ情報と中継ノードを通過するメディアパケットの到着時刻差を示すパケット到着間隔情報とを比較することにより、品質劣化区間が当該中継ノードより送信端末側の上流側区間であるか当該中継ノードより受信端末側の下流側区間であるかを判断するようにしてもよい。
また、片道転送遅延情報を用いた具体的な品質劣化区間切り分けステップとして、端末品質情報のうち受信端末が中継網から受信したメディアパケットに関する送信端末から当該受信端末までの片道転送遅延時間を示す片道転送遅延情報と中継品質情報のうち中継ノードを通過するメディアパケットに関する送信端末から当該中継ノードまでの片道転送遅延時間を示す片道転送遅延情報、または受信端末が中継網から受信したメディアパケットに関する送信端末から当該受信端末までの片道転送遅延時間を示す片道転送遅延情報と受信端末で中継網から受信したメディアパケットがメディアデータとして再生されるまでの再生遅延時間を示す片道転送遅延情報を比較して、いずれの片道転送遅延情報に品質劣化となる遅延が含まれているか判断し、この判断結果に基づき品質劣化区間が当該中継ノードより送信端末側の上流側区間であるか当該中継ノードより受信端末側の下流側区間であるか、または品質劣化区間が受信端末より送信端末側の中継網側区間であるか受信端末内の端末側区間であるか、を判断するようにしてもよい。
また、リアルタイム系アプリケーションの各呼のユーザ体感品質を中継ノードとその隣接中継ノードとの間の転送経路区間ごとに分類して統計処理し、その統計結果を所定のユーザ体感品質目標値と比較して得られた比較結果と品質劣化区間の切り分け結果とに基づいて、当該転送経路区間が品質劣化対地か否かを特定する品質劣化対地特定ステップをさらに設けてもよい。
本発明によれば、リアルタイム系アプリケーションの任意の呼のパケットから抽出された当該呼の通信品質を示す品質情報のうち、制御用パケットから得られた受信端末での通信品質を示す端末品質情報と、メディアパケットから得られた中継ノードでの通信品質を示す中継品質情報とが比較され、その比較結果に応じて通信経路上でユーザ体感品質の劣化が発生している品質劣化区間が切り分けられる。この際、特に端末品質情報のうち受信端末が中継網から受信したメディアパケットから得られた品質情報と受信端末の揺らぎ吸収バッファを通過したメディアパケットから得られた品質情報とが比較されるため、品質劣化区間が受信端末より送信端末側の中継網側区間であるか受信端末内の端末側区間であるかが判断される。これにより、リアルタイム系アプリケーションの通信経路上でユーザ体感品質の劣化が発生している区間を明確に切り分けることができる。
これにより、ユーザ体感品質を監視して、中継網上のQoS制御や設備変更にフィードバックする際、その品質劣化区間を明確に特定することができる。したがって、リアルタイム系アプリケーションに応じた詳細な改善点を正確に指摘することができ、パケット網の品質設計や品質管理を行う場合に極めて有用である。
また、切り分けのための専用パケットを用いることなく、リアルタイム系アプリケーションで用いられている制御パケットやメディアパケットに基づき、いわゆるパッシブ測定(Non-intrusive測定)によって通信経路上でユーザ体感品質の劣化が発生している区間を切り分けることができ、インサービスにおいて中継網やリアルタイム系アプリケーションに影響を与えることなく品質劣化区間の切り分けを行うことができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置が適用される中継網の構成例を示すブロック図である。
この中継網40は、パケット通信網からなり、各種パケットを中継転送する中継ノード20(20A〜20E)と、これら中継ノード20間を接続するリンク40A〜40Dとから構成されている。
中継ノード20のうち、中継ノード20A〜20Dは、それぞれリアルタイム系アプリケーションを利用可能なユーザ端末30を収容するエッジノードである。また中継ノード20Eは、リンク40A〜40Dを介して各中継ノード20A〜20Dと接続され、これら中継ノード20A〜20D間でやり取りするパケットを中継転送するコアノードである。
ユーザ体感品質監視装置10(10A〜10E)は、これら中継ノード20(20A〜20E)ごとに設けられ、当該中継ノード20を介して実行されているリアルタイム系アプリケーションのユーザ体感品質を監視する装置である。
本実施の形態は、ユーザ体感品質監視装置10により、リアルタイム系アプリケーション実行中に当該中継ノード20を通過するパケットを逐次キャプチャし(取り込み)、各呼(フロー)のパケットに格納されている品質情報のうち、当該呼の品質情報を含む制御用パケットから得られた受信端末での通信品質を示す端末品質情報と、メディアデータの転送に用いれるメディアパケットから得られた中継ノードでの通信品質を示す中継品質情報とを比較することにより、リアルタイム系アプリケーションを利用しているユーザが実際に体感するユーザ体感品質の劣化が発生している区間を切り分けるようにしたものである。
[ユーザ体感品質監視装置]
次に、図2を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置10について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置の構成を示すブロック図である。
このユーザ体感品質監視装置10は、全体として通信機能を有する情報処理装置からなり、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)11、記憶部12、および演算処理部13が設けられている。
通信I/F部11は、中継ノード20や中継網40との間で各種パケットを送受信する回路部である。
記憶部12は、ハードディスクやメモリからなり、演算処理部13での処理動作に用いる各種情報およびプログラム12Pを記憶する記憶装置である。これら情報およびプログラムは、通信I/F部11を介して外部の装置や記録媒体から予め取り込まれ記憶部12に格納される。
記憶部12で記憶する主な情報としては、パケット管理データベース(以下、パケット管理DBという)12A、品質情報管理データベース(以下、品質情報管理DBという)12B、品質要素推定モデル12C、総合品質推定モデル12D、ユーザ体感品質管理データベース(以下、ユーザ体感品質管理DBという)12E、および品質劣化区間切り分け結果12Fがある。
パケット管理DB12Aは、当該ユーザ体感品質監視装置10が設けられている中継ノード20からキャプチャした、当該中継ノード20を経由するリアルタイム系アプリケーションの制御用パケットや所望のメディアデータを格納したメディアパケットを蓄積して管理する情報である。
品質情報管理DB12Bは、パケット管理DB12Aで管理している制御用パケットやメディアパケットから抽出した品質情報を、当該リアルタイム系アプリケーションの呼(フロー)に関する分類情報と関連付けて管理する情報である。
品質要素推定モデル12Cは、品質情報管理DB12Bで管理されている品質情報からユーザ体感品質を推定するための数式やパラメータからなる推定モデルである。ここでは、受聴品質、遅延、映像など、リアルタイム系アプリケーションのユーザ体感品質を構成する複数の品質要素ごとに、これら品質要素に関する個別のユーザ体感品質すなわちユーザ体感要素品質をそれぞれ推定する複数のモデルが管理されている。
総合品質推定モデル12Dは、各ユーザ体感要素品質や品質情報管理DB12Bで管理されている品質情報から、各品質要素を総合評価したユーザ体感品質すなわちユーザ体感総合品質を推定するための数式やパラメータからなる推定モデルである。
ユーザ体感品質管理DB12Eは、品質要素推定モデル12Cを用いて推定されたユーザ体感要素品質や、総合品質推定モデル12Dを用いて推定されたユーザ体感総合品質を、当該中継ノード20を経由するリアルタイム系アプリケーションの呼ごとに管理する情報である。
品質劣化区間切り分け結果12Fは、品質情報管理DB12Bで管理されている品質情報に基づき、リアルタイム系アプリケーションの通信経路上でユーザ体感品質の劣化が発生している区間を切り分けた結果を示す情報である。
演算処理部13は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部12からプログラム12Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラムとを協働させることにより各種機能手段を構成する。
主な機能手段としては、パケットキャプチャ手段13A、ユーザ体感品質推定手段13B、および品質劣化区間切り分け手段13Cがある。
パケットキャプチャ手段13Aは、当該ユーザ体感品質監視装置10が設けられている中継ノード20を通過する各種パケットを通信I/F部11でキャプチャし、これらパケットのうちリアルタイム系アプリケーションの所望の呼で用いられるパケットを選択して、記憶部12のパケット管理DB12Aへ一旦格納する機能と、パケット管理DB12Aで管理されている各パケットから品質情報を抽出し、当該パケットの送信元アドレスや宛先アドレスからなる対地情報などの当該呼に関する分類情報と関連付けて、記憶部12の品質情報管理DB12Bへ格納する機能とを有している。
ユーザ体感品質推定手段13Bは、記憶部12の品質要素推定モデル12Cに基づいて、記憶部12の品質情報管理DB12Bで管理されている品質情報から、各ユーザ体感要素品質を呼ごとに推定する機能と、記憶部12の総合品質推定モデル12Dに基づいて、上記推定された各ユーザ体感要素品質から、ユーザ体感総合品質を呼ごとに推定する機能とを有している。
品質劣化区間切り分け手段13Cは、記憶部12の品質情報管理DB12Bで管理されている品質情報のうち、制御用パケットから得られた受信端末での通信品質を示す端末品質情報と、メディアパケットから得られた中継ノードでの通信品質を示す中継品質情報とを比較することにより、リアルタイム系アプリケーションの通信経路上でユーザ体感品質の劣化が発生している区間を切り分ける機能を有している。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図3〜図9を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置10のユーザ体感品質推定動作について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置10でのユーザ体感品質推定動作および品質劣化区間切り分け動作の概略フローを示す説明図である。図4は、本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置10でのパケットキャプチャ処理を示すフローチャートである。図5は、本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置10でのユーザ体感品質推定処理を示すフローチャートである。図6は、受聴品質に関するユーザ体感要素品質の推定に用いる品質要素推定モデルの一例を示すグラフである。図7は、遅延に関するユーザ体感要素品質の推定に用いる品質要素推定モデルの一例を示すグラフである。図8は、本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置10での品質劣化区間切り分け処理を示すフローチャートである。図9は、品質劣化区間切り分け例を示す説明図である。
ユーザ体感品質監視装置10は、リアルタイム系アプリケーション通信のユーザ体感品質を呼ごとに監視するため、演算処理部13により、常時、図3に示すような、ユーザ体感品質推定動作の動作フローを実行する。ユーザ体感品質推定動作は、大別して次の4つのフェーズから構成されている。
まず、(フェーズ1)パケットキャプチャ手段13Aにより、図4のパケットキャプチャ処理を実行することにより、各呼のユーザ体感品質推定および品質劣化区間切り分けに必要な品質情報を収集する。次に、(フェーズ2)ユーザ体感品質推定手段13Bにより、図5のユーザ体感品質推定処理を実行することにより、各呼の品質情報から当該呼のユーザ体感品質を推定し、得られた各呼のユーザ体感品質を記憶部12のユーザ体感品質目標値12Gに基づき監視する。
この際、(フェーズ3)任意の呼についてユーザ体感品質の劣化が確認された場合、品質劣化区間切り分け手段13Cにより、図8の品質劣化区間切り分け処理を実行することにより、当該呼の品質情報に基づき当該呼の通信経路についてユーザ体感品質の劣化区間の切り分けを行う。そして、(フェーズ4)演算処理部13により、定期的にあるいはユーザ体感品質値に応じて、当該ユーザ体感品質やその評価結果を所定の管理システムへ通信I/F部11を介して通知し、あるいは当該ユーザ体感品質監視装置10からオペレータへ報知する。
[パケットキャプチャ処理]
次に、図4を参照して、パケットキャプチャ処理について説明する。ユーザ体感品質監視装置10の演算処理部13は、パケットキャプチャ手段13Aで、図4のパケットキャプチャ処理を実行することにより、ユーザ体感品質の推定に必要な品質情報を収集する(フェーズ1)。
パケットキャプチャ手段13Aは、図4のパケットキャプチャ処理において、まず、当該ユーザ体感品質監視装置10が設けられている中継ノード20を通過するすべての通過パケット15をキャプチャする(ステップ100)。
そして、その通過パケット15のヘッダ部に記述されているプロトコル情報やポート情報を参照して、所望のリアルタイム系アプリケーション用のパケットに該当するかどうか確認し(ステップ101)、該当しない場合は(ステップ101:NO)、ステップ100へ戻って次の通過パケット15の処理を行う。
一方、通過パケット15が所望のリアルタイム系アプリケーション用のパケットに該当する場合(ステップ101:YES)、同じくプロトコル情報やポート情報を参照して、その通過パケット15が制御用パケットに該当するかどうか確認する(ステップ102)。
ここで、通過パケット15が制御用パケットに該当する場合(ステップ102:YES)、当該制御用パケットを記憶部12のパケット管理DB12Aへ一旦格納する(ステップ103)。
次に、パケットキャプチャ手段13Aは、パケット管理DB12Aに格納されている各制御用パケットから、受信端末で得られたユーザ体感品質の推定や品質劣化区間の切り分けに用いる受信端末での品質情報すなわち端末品質情報を抽出し(ステップ104)、抽出した品質情報を当該制御用パケットの対地情報など当該呼に関する分類情報と関連付けて、記憶部12の品質情報管理DB12Bへ格納し(ステップ105)、ステップ100へ戻って次の通過パケット15の処理を行う。
制御用パケットとしては、例えばRTCP(RTP Control Protocol:IETF RFC3611)の制御用パケット(RTCP XR)がある。RTCPは、リアルタイム系メディア情報の転送制御に用いる品質情報を通知するためのプロトコルであり、同じくリアルタイム系メディア情報の転送を行うためのプロトコルであるRTP(Real time Transport Protocol:IETF RFC1889)と組み合わせて使用される。特に、RTCPでは、データのフロー(送受信)制御および送信者と受信者の情報を記述するために用いられる。
RTPは、リアルタイムで映像や音声などのメディア情報を運ぶパケットに時間的な情報を付加して転送するプロトコルであるが、データを転送する機能のみであり、通信の状況を伝えるような仕組みを持っていない。RTCPはこのようなRTPと組み合わせて用いられ、RTPが持っていない機能を補完する。具体的には、メディア情報の受信側がRTCPの制御用パケットを定期的に返送することで、送信側の伝送レート等の調整を行う。RTCPの制御用パケットで通知される品質情報としては、損失パケット情報のほか、バッファ溢れ情報、劣化隠蔽情報、バッファリング遅延情報、バッファサイズ情報、遅延情報などがある。
一方、ステップ102において、通過パケット15が制御用パケットに該当しない場合(ステップ102:NO)、通過パケット15がメディアデータの転送に用いられるメディアパケットに該当するかどうか確認する(ステップ106)。ここで、メディアパケットに該当する場合(ステップ106:YES)、当該メディアパケットとその通信状況を記憶部12のパケット管理DB12Aへ一旦格納する(ステップ107)。通信状況としては、メディアパケットの受信時刻やパケット連続性などがある。
次に、パケットキャプチャ手段13Aは、パケット管理DB12Aに格納されている各メディアパケットとその受信状況から、品質劣化区間の切り分けに用いる中継ノードでの品質情報すなわち中継品質情報を抽出し(ステップ108)、抽出した品質情報を、当該メディアパケットの対地情報など当該呼に関する分類情報と関連付けて、記憶部12の品質情報管理DB12Bへ格納し(ステップ109)、ステップ100へ戻って次の通過パケット15の処理を行う。
また、ステップ106において、通過パケット15がメディアパケットにも該当しない場合(ステップ106:NO)、ステップ100へ戻って次の通過パケット15の処理を行う。
なお、図4では、ステップ100〜103,106,107の処理と、ステップ104,105の処理や、ステップ108,109の処理が連続して実行される場合を例として説明したが、これら処理を連続ではなく並行させて実行してもよい。これにより、パケット転送速度が高い場合でも、通過パケット15を欠落させることなくスムーズに蓄積させることができる。
[ユーザ体感品質推定処理]
次に、図5〜図7を参照して、ユーザ体感品質推定処理について説明する。ユーザ体感品質監視装置10の演算処理部13は、ユーザ体感品質推定手段13Bで、図5のユーザ体感品質推定処理を実行することにより、前述した図4のパケットキャプチャ処理で収集した品質情報から呼ごとに所望のユーザ体感品質を推定する(フェーズ2)。
ユーザ体感品質推定手段13Bは、図5のユーザ体感品質推定処理において、まず、記憶部12の品質情報管理DB12Bから、各品質情報に関連付けられている対地情報などの分類情報に基づいて、所望の呼に関する任意の品質要素の品質情報を取得し(ステップ110)、記憶部12から当該品質要素の品質要素推定モデル12Cを取得する(ステップ111)。そして、この品質要素推定モデル12Cに基づき、上記品質情報からユーザ体感要素品質を推定する(ステップ112)。
本実施の形態で、ユーザ体感品質の推定に用いる推定モデルは、例えば前述した特許文献1,2に開示されている公知の推定モデルと同等であり、予め実施した実験などにより、中継網から実測されたネットワーク品質とリアルタイム系アプリケーションを使用するユーザが実際に体感したユーザ体感品質との関係を、数式やパラメータでモデル化したものである。
この際、従来の推定モデルでは、1種類の品質パラメータ、具体的には無効パケット率によって、音声であれば受聴品質などの1つの品質要素のユーザ体感品質を推定するモデルを適用していた。
これに対して、本実施の形態のように、リアルタイム系アプリケーションのユーザ体感品質をより詳細に監視するため、複数の品質要素についてそれぞれ別個の推定モデルすなわち品質要素推定モデルを予め用意し、品質要素ごとに、対応する品質要素推定モデルを用いて、当該品質要素に関する品質情報から所望のユーザ体感要素品質を推定してもよい。
例えば、リアルタイム系アプリケーションで音声通信を行う場合には、受聴品質だけでなく音声が伝達される際の遅延についても品質要素の1つとし、これら受信品質と遅延とについて個別の品質要素推定モデルを用意して、それぞれのユーザ体感要素品質を推定する。また、リアルタイム系アプリケーションで音声映像通信を行う場合には、さらに映像に関する品質要素が加えられ、その品質要素推定モデルにより映像に関するユーザ体感要素品質が推定すればよい。
図6は、受聴品質に関するユーザ体感要素品質の推定に用いる品質要素推定モデルの一例を示すグラフである。図7は、遅延に関するユーザ体感要素品質の推定に用いる品質要素推定モデルの一例を示すグラフである。
これらグラフでは、横軸に当該品質要素に関する品質情報の値がとられ、縦軸には、当該品質要素のユーザ体感品質の値がとられている。
したがって、実測により得られた両者の関係をグラフにプロットし、その特性を代表する関数を導出することにより、品質要素推定モデルが得られる。図6では、受聴品質に関する品質情報a(QIcapa)から受聴品質を示す品質要素A(SQEcmpA)を算出する関数f(QIcapa)が品質要素推定モデルとして導出されている。また、図7では、遅延に関する品質情報b(QIcapb)から遅延を示す品質要素B(SQEcmpB)を算出する関数g(QIcapb)が品質要素推定モデルとして導出されている。
このようにして、ステップ110〜112が繰り返し実行されて、品質推定の対象となる所望の呼について、それぞれの品質要素ごとにユーザ体感要素品質が推定される。
そして、得られたユーザ体感要素品質をそれぞれの呼の対地情報などの分類情報と関連付けて、記憶部12のユーザ体感品質管理DB12Eへ格納する(ステップ113)。
次に、ユーザ体感品質推定手段13Bは、記憶部12から総合品質推定モデル12Dを取得し(ステップ114)、この総合品質推定モデル12Dに基づき、前述のステップ110〜113で得られた各品質要素のユーザ体感要素品質から、ユーザ体感総合品質を推定する(ステップ115)。
本実施の形態におけるユーザ体感総合品質は、各ユーザ体感要素品質を統合して、当該リアルタイム系アプリケーションに関するユーザ体感品質を総合的に評価するためのものであり、ユーザ体感要素品質と同様にして予め生成した推定モデルを用いて推定する。
例えば、リアルタイム系アプリケーションで音声通信を行う場合、前述した図6および図7で示した品質要素Aすなわち受聴品質SQEcmpAと、品質要素Bすなわち遅延SQEcmpBとをパラメータとして、所望の総合品質SQEを求める関数h(SQEcmpA,SQEcmpB)を導出し、これを総合品質推定モデル12Dとして用いればよい。
なお、総合品質推定モデル12Dに関しては、例えば音声品質推定であれば、ITU−T勧告 G.107 E−modelなどを適用しても構わない。
また、関数hは、個々の品質要素推定モデル12Cすなわち関数f(QIcapa)と関数g(QIcapb)を用いて、h{f(QIcapa),g(QIcapb)}と表すこともできる。
したがって、前述したステップ115において、各品質要素のユーザ体感要素品質ではなく、品質要素推定モデル12Cと総合品質推定モデル12Dとを用いて、元の品質情報からユーザ体感総合品質を求めてもよく、この場合、品質要素推定モデル12Cと総合品質推定モデル12Dとを予め合成したものを総合品質推定モデル12Dとして用いてもよい。
このようにして得られたユーザ体感総合品質をそれぞれの対地情報などの分類情報と関連付けて、記憶部12のユーザ体感品質管理DB12Eへ格納し(ステップ116)、一連のユーザ体感品質推定処理を終了する。
これにより、所望の呼に関するユーザ体感要素品質とユーザ体感総合品質とが推定され、前述したステップ110〜116が繰り返し実行されて、推定対象となる各呼についてユーザ体感要素品質とユーザ体感総合品質とが推定され、記憶部12のユーザ体感品質管理DB12Eへ格納される。
[品質劣化区間切り分け処理]
次に、図8および図9を参照して、品質劣化区間切り分け処理について説明する。ユーザ体感品質監視装置10の演算処理部13は、品質劣化区間切り分け手段13Cで、図8の品質劣化区間切り分け処理を実行することにより、当該呼の品質情報に基づき当該呼の通信経路についてユーザ体感品質の劣化区間の切り分けを行う(フェーズ3)。
品質劣化区間切り分け手段13Cは、図8の品質劣化区間切り分け処理において、まず、記憶部12の品質情報管理DB12Bから、各品質情報に関連付けられている対地情報などの分類情報に基づいて、所望の呼に関する品質情報を取得する(ステップ120)。
なお、品質劣化区間の詳細な切り分けには、前述したパケットキャプチャ手段13Aにより、その区間の始点終点に設けた測定点においてメディアパケットをすべてキャプチャする必要があるが、常に全測定点において全対象パケットをキャプチャしなくてもよい。例えば、制御用パケットの品質情報から推定したユーザ体感品質が目標値より劣化した際に当該通信経路宇野各測定点で測定を開始する、あるいは常に監視していたユーザ体感品質の悪い対地を対象として測定を実施するなど、特定のパケットを対象として間欠的にサンプリング測定を実施してもよい。
図9に示すように、例えば送信端末(ユーザ端末)31から送信されたメディアパケットが、中継ノードX(20A)→中継網41→中継ノードY(20Y)→中継網42の順に受信端末(ユーザ端末)32まで転送されるとともに、測定点となる中継ノード20Yにユーザ体感品質監視装置10Yが設けられている場合、受信端末32からの制御パケットにより通知される受信端末32での通信品質を示す端末品質情報と、送信端末31から受信端末32へ送信されるメディアパケットに関する当該測定点での通信状況(転送状況)から得た中継ノード20Yでの通信品質を示す中継品質情報とを比較することにより、品質劣化区間が当該測定点より送信端末31側すなわち上流側区間51か、当該測定点より受信端末32側すなわち下流側区間52かを切り分けることができる。
例えば、上流側区間51と下流側区間52での品質劣化は、それぞれの区間において例えばパケット損失、パケット遅延、パケット遅延揺らぎという形で発生する。したがって、メディアパケットの到着有無、メディアパケットの到着間隔の揺らぎを示す遅延揺らぎ、メディアパケットが送信端末31から測定点や受信端末32まで到達する所要時間を示す片道転送遅延時間を示す端末品質情報と中継品質情報とを比較することにより、これら品質情報がどの地点で劣化しておらずどの地点で劣化しているかを検査することにより、品質劣化区間が上流側区間51か下流側区間52かを切り分けることができる。
なお、受信端末32内のメディアパケット処理経路の異なる箇所で得られた端末品質情報同士を比較することにより、品質劣化区間が中継網側区間53か端末側区間54かを切り分けることができる。
例えば、端末側区間54での品質劣化は、受信端末32が中継網42を介して受信したメディアパケットを一時蓄積してその転送遅延の揺らぎを吸収する揺らぎ吸収バッファにおいて、主にメディアパケットのバッファ溢れという形で発生する。したがって、受信端末32から制御用パケットにより送信端末31や中継ノード20X,20Yへ通知される受信端末での通信品質を示す端末品質情報のうち、中継網42から受信したメディアパケットに関するパケット損失情報と、揺らぎ吸収バッファから出力されたメディアパケットのパケット損失情報とを比較することにより、品質劣化区間が中継網側区間53か端末側区間54かを切り分けることができる。
したがって、図8の品質劣化区間切り分け処理では、品質情報管理DB12Bら取得した品質情報に基づき、切り分け判断のための各区間について前述したネットワーク品質をそれぞれ取得する(ステップ121)。そして、これら区間の品質情報を比較することにより品質劣化区間を切り分け(ステップ122)、その結果を品質劣化区間切り分け結果12Fとして記憶部12へ格納し(ステップ123)、一連の品質劣化区間切り分け処理を終了する。
このように、本実施の形態では、中継網40を構成する中継ノード20に設けたユーザ体感品質監視装置10で、リアルタイム系アプリケーションの任意の呼のパケットから抽出した当該呼の通信品質を示す品質情報のうち、制御用パケットから得られた受信端末での通信品質を示す端末品質情報と、メディアパケットから得られた中継ノードでの通信品質を示す中継品質情報とを比較して、通信経路上でユーザ体感品質の劣化が発生している品質劣化区間を切り分けるようにしたので、リアルタイム系アプリケーションの通信経路上でユーザ体感品質の劣化が発生している区間を切り分けることができる。
これにより、ユーザ体感品質を監視して、中継網上のQoS制御や設備変更にフィードバックする際、その品質劣化区間を明確に特定することができる。したがって、リアルタイム系アプリケーションに応じた詳細な改善点を正確に指摘することができ、パケット網の品質設計や品質管理を行う場合に極めて有用である。
また、切り分けのための専用パケットを用いることなく、リアルタイム系アプリケーションで用いられている制御パケットやメディアパケットに基づき、いわゆるパッシブ測定(Non-intrusive測定)によって通信経路上でユーザ体感品質の劣化が発生している区間を切り分けることができ、インサービスにおいて中継網やリアルタイム系アプリケーションに影響を与えることなく品質劣化区間の切り分けを行うことができる。
なお、品質劣化区間の切り分けに用いる品質種別については、パケット損失、パケット遅延、パケット遅延揺らぎに限定されるものではなく、他の品質種別を用いてもよい。
また、品質劣化区間の切り分けについては、パケット損失、パケット遅延、パケット遅延揺らぎのすべての品質種別について行ってもよく、いずれか1つ以上の品質種別を選択して行ってもよい。
また、それぞれのリアルタイム系アプリケーションのユーザ体感品質を構成する品質要素ごとに、その品質要素推定モデルを用いて、当該品質要素に関する品質情報からユーザ体感品質としてユーザ体感要素品質をそれぞれ推定するようにしたので、ユーザ体感品質目標値12Gで各品質要素ごとに個別の目標値を設定しておくことにより、リアルタイム系アプリケーションの呼ごとのユーザ体感品質を、品質要素ごとにより詳細に監視することができる。
また、総合品質推定モデルを用いて、リアルタイム系アプリケーションのユーザ体感総合品質を推定するようにしたので、ユーザ体感品質目標値12Gで総合品質の目標値を設定しておくことにより、ユーザ体感品質に対する総合評価に基づき、リアルタイム系アプリケーションのユーザ体感品質を監視できる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置について説明する。なお、本発明の第2の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置の構成については、前述した図2と同等であり、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、品質劣化区間切り分け手段13Cでの具体的な切り分け方法の1つとして、パケット損失情報を用いたパケット損失切り分け処理について説明する。
まず、品質劣化区間切り分け手段13Cにより、品質情報管理DB12Bから制御用パケットに含まれる品質情報として、受信端末での各メディアパケットの損失有無を示すパケット損失情報を取得する。また、品質情報管理DB12Bから測定点におけるメディアパケットの通信状況から得られた、測定点での各メディアパケットの損失有無を示すパケット損失情報を取得する。
これらパケット損失情報は、受信端末および測定点において、例えば転送されたパケットの順に、パケットの損失した順序位置を「0」とし、損失していない順序位置を「1」として記録される。このうち受信端末では、揺らぎ吸収バッファを通過後のメディアパケットに関するパケット損失についても、中継網から受信したメディアパケットに関するパケット損失とは別個に記録され、これらが制御用パケットにより通知される。
前述した図9の例において、受信端末32の揺らぎ吸収バッファ通過後のメディアパケットに関するパケット損失情報がL0=「110011010111011」であり、受信端末32が中継網42から受信したメディアパケットに関するパケット損失情報がL1=「111111010111111」の場合、これらを比較することにより、揺らぎ吸収バッファすなわち端末側区間54において、3,4,13番目のメディアパケットが損失したことがわかり、7,9番目のメディアパケットが中継網側区間53で損失したことがわかる。
また、中継ノード20Yの測定点で得られた、当該測定点を通過するメディアパケットに関するパケット損失情報がL2=「111111110111111」の場合、パケット損失情報L1と比較することにより、測定点の上流側区間51において9番目のメディアパケットが損失し、下流側区間52において7番目のメディアパケットが損失したことがわかる。
品質劣化区間切り分け手段13Cは、これらユーザ体感品質の劣化区間の切り分け結果を記憶部12の品質劣化区間切り分け結果12Fとして格納し、一連の品質劣化区間切り分け処理を終了する。
このように、本実施の形態によれば、リアルタイム系アプリケーションの通信経路上の各区間における品質情報としてメディアパケット損失の発生状況を取得して比較するようにしたので、メディアパケットの損失に起因して発生するユーザ体感品質の劣化についてその劣化区間を切り分けることができる。さらに、これらメディアパケット損失に基づき各区間でのパケット損失率を示す品質情報を得ることができ、後述するユーザ体感品質の品質劣化対地を特定する場合に利用できる。
なお、当該リアルタイム系アプリケーションで用いられる既存の制御用パケットで上記のようなパケット損失情報が通知されない場合、当該制御用パケットの構成を一部変更し、パケット損失情報を通知するようにしてもよい。また、以上ではパケット損失についてメディアパケットを単位として検査する場合について説明したが、複数のメディアパケットに分割して転送されるメディアデータを単位として検査するようにしてもよい。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置について説明する。なお、本発明の第3の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置の構成については、前述した図2と同等であり、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、品質劣化区間切り分け手段13Cでの具体的な切り分け方法の他の1つとして、パケット遅延揺らぎ情報を用いたパケット遅延揺らぎ切り分け処理について説明する。
まず、品質劣化区間切り分け手段13Cより、品質情報管理DB12Bから制御用パケットに含まれる品質情報として、受信端末で中継網から受信した各メディアパケットの到着間隔(転送間隔)情報を取得する。また、品質情報管理DB12Bから測定点におけるメディアパケットの通信状況から得られた、測定点での各メディアパケットの到着間隔(転送間隔)情報を取得する。
到着間隔情報は、送信順序が隣り合う2つのメディアパケットの到着時刻の時刻差を示す到着間隔からなる。この際、個々のメディアパケットから得た到着間隔をそのまま到着間隔情報として用いてもよく、複数の到着間隔を統計処理して得たこれら到着間隔を代表する統計情報を用いてもよい。
また、受信端末で用いられる揺らぎ吸収バッファで損失する受信間隔すなわち揺らぎ吸収バッファで吸収可能な遅延揺らぎを示す許容遅延揺らぎ情報についても品質情報として制御用パケットで通知する。この許容遅延揺らぎ情報は、リアルタイム系アプリケーションの通信経路で発生するパケット遅延揺らぎを考慮して設定されており、この許容遅延揺らぎ情報を上回るパケット遅延揺らぎが発生した場合、揺らぎ吸収バッファで対応できなくなり、メディアデータの再生途切れなどが発生してユーザ体感品質の劣化が生ずる。
品質劣化区間切り分け手段13Cは、このようにして得られた受信端末と測定点で得られた到着間隔情報の差分を、同一メディアパケットごとに算出し、その差分すなわち遅延揺らぎと所定の基準値とを比較する。そして、遅延揺らぎが基準値以下の場合、パケット遅延揺らぎによるユーザ体感品質の劣化はないと判断する。
一方、遅延揺らぎが基準値を上回っている場合、測定点で得られた到着間隔と受信端末の揺らぎ吸収バッファで損失する許容遅延揺らぎ情報とを比較する。そして、測定点での到着間隔が揺らぎ吸収バッファの許容遅延揺らぎ情報より大きい場合、当該測定点より上流側でパケット遅延揺らぎによるユーザ体感品質の劣化が発生していると判断し、測定点での到着間隔が揺らぎ吸収バッファの許容遅延揺らぎ情報より小さい場合、当該測定点より下流側でパケット遅延揺らぎによるユーザ体感品質の劣化が発生していると判断する。
品質劣化区間切り分け手段13Cは、これらユーザ体感品質の劣化区間の切り分け結果を記憶部12の品質劣化区間切り分け結果12Fとして格納し、一連の品質劣化区間切り分け処理を終了する。
このように、本実施の形態によれば、リアルタイム系アプリケーションの通信経路上の各区間における品質情報としてメディアパケットの到着間隔を取得して、受信端末の揺らぎ吸収バッファで損失する許容遅延揺らぎ情報と比較するようにしたので、メディアパケットの遅延揺らぎに起因して発生するユーザ体感品質の劣化についてその劣化区間を切り分けることができる。さらに、メディアパケットの到着間隔に基づき各区間でのメディアパケット遅延揺らぎを示す品質情報を得ることができ、後述するユーザ体感品質の品質劣化対地を特定する場合に利用できる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置について説明する。なお、本発明の第4の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置の構成については、前述した図2と同等であり、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、品質劣化区間切り分け手段13Cでの具体的な切り分け方法の他の1つとして、片道転送遅延情報を用いた片道転送遅延切り分け処理について説明する。
まず、品質劣化区間切り分け手段13Cより、品質情報管理DB12Bから制御用パケットに含まれる品質情報として、受信端末で中継網から受信した各メディアパケットの片道転送遅延情報を取得する。また、品質情報管理DB12Bから測定点におけるメディアパケットの通信状況から得られた、測定点での各メディアパケットの片道転送遅延情報を取得する。
片道転送遅延情報は、送信端末から送信されたメディアパケットが受信端末または測定点に到達するまでに要した時間すなわち片道転送遅延時間を示す情報である。実際には、メディアパケットに含まれる送信端末での送信時刻と受信端末または測定点で受信された受信時刻との時間差で求められる。なお、送信端末と受信端末または測定点との時刻同期が得られていない場合、両者間の時刻差で補正してもよい。また、RTCP(RTP Control Protocol:IETF RFC3611)で規定されているパケットの送受信端末間の往復転送遅延時間の1/2を片道転送遅延情報として用いてもよい。
また、受信端末にメディアパケットが到達してからそのメディアデータが再生されるまでの再生遅延時間についても受信端末内の片道転送遅延情報として制御用パケットで別個に通知する。
なお、片道転送遅延情報については、個々のメディアパケットについて得られた片道転送遅延時間をそのまま片道転送遅延情報として用いてもよく、複数の片道転送遅延時間を統計処理して得たこれら片道転送遅延時間を代表する統計情報を用いてもよい。
品質劣化区間切り分け手段13Cは、このようにして得られた受信端末と測定点で得られた片道転送遅延情報の差分を算出し、その差分すなわち各区間での片道転送遅延時間と所定の基準値とを比較する。そして、片道転送遅延時間が基準値以下の場合、当該区間においてパケット遅延によるユーザ体感品質の劣化はないと判断し、片道転送遅延時間が基準値を上回っている場合、当該区間においてパケット遅延によるユーザ体感品質の劣化が発生していると判断する。受信端末から通知された再生遅延時間についても同様にして判断することにより、端末側でのパケット遅延によるユーザ体感品質の劣化有無を判断できる。
なお、基準値としては、予め中継網のネットワーク構成に基づいて設定した固定値であってもよく、当該区間での片道転送遅延時間の移動平均値を用いてもよい。
品質劣化区間切り分け手段13Cは、これらユーザ体感品質の劣化区間の切り分け結果を記憶部12の品質劣化区間切り分け結果12Fとして格納し、一連の品質劣化区間切り分け処理を終了する。
このように、本実施の形態によれば、リアルタイム系アプリケーションの通信経路上の各区間における品質情報としてメディアパケットの片道転送遅延時間を取得して各区間の基準値と比較するようにしたので、メディアパケットの転送遅延に起因して発生するユーザ体感品質の劣化についてその劣化区間を切り分けることができる。さらに、各区間でのメディアパケットの片道転送遅延時間を示す品質情報を得ることができ、後述するユーザ体感品質の品質劣化対地を特定する場合に利用できる。
[第5の実施の形態]
次に、図10を参照して、本発明の第5の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置について説明する。図10は、本発明の第5の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置の構成を示すブロック図であり、前述した図2と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
本実施の形態では、前述した第1の実施の形態で得られた呼ごとのユーザ体感品質と、当該呼の通信経路上での品質劣化区間切り分け結果とから、中継網40における品質劣化対地を特定するようにしたものである。
本実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置10は、前述した第1の実施の形態(図2参照)の構成を有しており、さらに演算処理部13に品質劣化対地特定手段13Dが追加されているとともに、記憶部12に品質劣化対地評価結果12Hが追加されている。なお、前述した第1の実施の形態と同等部分についての説明は省略する。
演算処理部13の品質劣化対地特定手段13Dは、ユーザ体感品質推定手段13Bで推定したユーザ体感品質管理DB12E内の各呼のユーザ体感品質をリアルタイム系アプリケーションの通信経路区間(有向リンク)ごとに分類する機能と、分類したユーザ体感品質を統計処理した結果について記憶部12のユーザ体感品質目標値12Gでそれぞれ評価し、その評価結果を記憶部12の品質劣化対地評価結果12Hへ格納する機能と、記憶部12の品質劣化区間切り分け結果12Fを品質劣化対地評価結果12Hへ格納する機能と、各通信経路区間のうち評価結果が品質劣化ありを示す通信経路区間に対する、対向中継ノードでの評価との一致不一致に応じて、当該通信経路区間が品質劣化対地か否かを特定する機能とを有している。
[第5の実施の形態の動作]
次に、図11および図12を参照して、本発明の第5の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置10の品質劣化対地特定動作について説明する。図11は、本発明の第5の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置10での品質劣化対地特定動作の概略フローを示す説明図である。図12は、本発明の第3の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置10での品質劣化対地特定処理を示すフローチャートである。
ユーザ体感品質監視装置10の演算処理部13は、前述した第1の実施の形態により、リアルタイム系アプリケーションの呼ごとにユーザ体感要素品質を推定するとともに、品質劣化区間の切り分けを行った後、品質劣化対地特定手段13Dで、図16の品質劣化対地特定処理を実行することにより、劣化したユーザ体感要素品質に関する品質劣化対地を特定する。
品質劣化対地特定手段13Dは、図16の品質劣化対地特定処理において、まず、記憶部12のユーザ体感品質管理DB12Eから、各呼のユーザ体感品質をそれぞれ取得し(ステップ130)、それぞれのユーザ体感品質の経路情報に基づき、中継網40上における当該中継ノード20とその隣接中継ノード20との間の通信経路区間(有向リンク)ごとに分類する(ステップ131)。
この際、各呼のユーザ体感品質は、当該中継ノード20を通過する通信経路に対応するものであり、当該中継ノードから見た場合、当該中継ノードへ向かう通信経路区間と当該中継ノードから出て行く通信経路区間を通過することになる。したがって、1つのユーザ体感品質は、上記2つの通信経路区間へそれぞれ分類されることになる。
次に、通信経路区間ごとに分類されたそれぞれのユーザ体感品質の値について、平均値、分散、標準偏差、最大/最小値などの統計処理し(ステップ132)、得られた統計結果について、記憶部12のユーザ体感品質目標値12Gと比較して品質劣化の有無を評価する(ステップ133)。そして、各通信経路区間の評価結果を、記憶部12の品質劣化対地評価結果12Hへ格納する(ステップ134)。
図17に、中継ノード20Eで得られた品質劣化対地評価結果12Hの一例を示す。ここでは、中継ノード20Eに接続されているリンク40A〜40Dに対応した有向の通信経路区間「A→E」,「B→E」,「C→E」,「D→E」,「E→A」,「E→B」,「E→C」,「E→D」ごとに、「総合品質」,「品質要素A」,「品質要素B」に対する評価結果として、品質劣化の有無を示す「×:品質劣化あり」,「○:品質劣化なし」が格納されている。
これにより、各呼のユーザ体感品質から各通信経路区間に対する品質劣化の有無を得ることができる。
同様にして、品質劣化対地特定手段13Dは、記憶部12の品質劣化区間切り分け結果12Fについて、通信経路区間ごとに記憶部12の品質劣化対地評価結果12Hへ格納する(ステップ135)。
この際、品質劣化区間切り分け結果12Fが、各通信経路区間での品質劣化有無を示す場合は、その切り分け結果に応じて品質劣化の有無を示す「×:品質劣化あり」,「○:品質劣化なし」が格納される。また、品質劣化区間切り分け結果12Fが、例えば、パケット損失、パケット遅延、パケット遅延揺らぎなどの品質情報値を示す場合は、それぞれの品質情報種別に応じた基準値と比較し、その比較結果に応じて品質劣化の有無を示す「×:品質劣化あり」,「○:品質劣化なし」が格納される。
品質劣化対地特定手段13Dは、このようにして各通信経路区間の評価結果を品質劣化対地評価結果12Hへ格納した後、品質劣化ありと評価されてリアルタイム系アプリケーションを実行する上でボトルネックとなる通信経路すなわち「×」が存在するか確認し(ステップ136)、存在しない場合は(ステップ136:NO)、一連の品質劣化対地特定処理を終了する。
一方、図17の「総合品質」、「遅延揺らぎ」、および「遅延」における通信経路区間「B→E」のように、ボトルネックとなる通信経路区間「×」が存在する場合(ステップ136:YES)、当該通信経路区間に対する評価結果をボトルネック情報16として当該対向ノードへ通知して問い合わせを行う(ステップ137)。
これにより、例えば通信経路区間「B→E」については、中継ノード20Eの対向ノードとなる中継ノード20Bへ中継ノード20Eから問い合わせが行われ、これに応じて中継ノード20Bで上記と同様にして当該通信経路区間について評価した評価結果と中継ノード20Eでの評価結果とが比較され、その一致不一致が返送される。
品質劣化対地特定手段13Dは、対向ノードから評価一致が返送されてきた場合(ステップ138:YES)、当該通信経路区間の両端の中継ノードで当該通信経路区間の品質劣化が確認されたことから、当該通信経路区間を品質劣化対地として特定し(ステップ139)、品質劣化対地評価結果12Hの当該通信経路区間に対する評価を確定して(ステップ140)、一連の品質劣化対地特定処理を終了する。
また、ステップ138において、対向ノードから評価不一致が返送されてきた場合(ステップ138:NO)、当該通信経路区間の両端の中継ノードで当該通信経路区間の品質劣化が確認されなかったことから、当該通信経路区間を品質劣化対地ではないと判断し、品質劣化対地評価結果12Hの当該通信経路に対する評価を確定して(ステップ140)、一連の品質劣化対地特定処理を終了する。
このように、本実施の形態では、ユーザ体感品質監視装置10で、品質劣化対地特定手段13Dにより、前述した第1の実施の形態で推定された各呼のユーザ体感品質をリアルタイム系アプリケーションの通信経路区間ごとに分類して統計処理し、その統計結果についてユーザ体感品質目標値12Gでそれぞれ評価し、通信経路区間ごとの評価結果と品質劣化区間切り分け結果とから当該通信経路区間での品質劣化有無を評価するようにしたので、呼ごとのユーザ体感品質についての善し悪しだけでなく、その品質劣化対地を中継網上の通信経路区間レベルで特定することができる。したがって、品質劣化が確認された場合の対応として、この品質劣化対地に基づき具体的な対応を早急に行うことができ、中継網に対してより適切かつ高度な品質管理サービスを提供できる。
この際、1つの呼で得られたユーザ体感品質だけでなく、複数の呼で得られたユーザ体感品質を統計処理した結果に基づき、各通信経路区間について品質評価を行うようにしたので、個々の呼やリアルタイム系アプリケーションの偏りからの影響を抑制でき、より信頼性の高い品質評価を実現できる。
また、ユーザ体感品質だけでなく、各通信経路区間での品質情報から得た品質劣化区間の切り分け結果も含めて、各通信経路区間について品質評価を行うようにしたので、ユーザ体感品質のみを用いる場合と比較して、より詳細かつ精度よく品質劣化対地を特定することができる。
また、各通信経路区間のうち品質劣化ありを示す通信経路区間に対する、対向中継ノードでの評価との一致不一致に応じて、当該通信経路区間が品質劣化対地か否かを特定するようにしたので、各通信経路区間について、その一端の中継ノードだけでなくその両端の中継ノードでの評価を統合することができ、より信頼性の高い品質評価を実現できる。
また、本実施の形態では、品質劣化対地を特定する際、ユーザ体感品質として各ユーザ体感要素品質さらにはユーザ体感総合品質について、その品質劣化有無を個別に評価するようにしたので、それぞれの品質ごと品質劣化対地を特定することができ、特定された各品質劣化対地について、より詳細な品質劣化特性を容易に把握できる。なお、品質劣化対地の特定については、必ずしもこれらユーザ体感要素品質さらにはユーザ体感総合品質ごとに特定する必要はなく、いずれか1つの品質要素を用いて品質劣化対地を特定するようにしてもよい。
また、図16のステップ137,138において、任意の通信経路区間に関する評価結果を特定する際、ボトルネック情報16により対向する中継ノードへ評価結果を通知して、対向する中継ノードで両者の評価結果を比較し、その評価結果の一致不一致を返送してもらうようにしたので、当該通信経路区間に関する品質劣化の有無を少ないやり取りで両端の中継ノード間で共有することができ、品質管理処理による中継網のトラフィックへの影響を最小限に抑制できる。なお、トラフィックに余裕がある場合には、所定の要求指示により対向する中継ノードから当該通信経路区間に関する評価結果を取得して自己の評価結果と比較し、その一致不一致により当該経路区間の品質劣化有無を判断するとともに、その判断結果を対向する中継ノードへ通知するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態に適用した場合を例として説明したが、前述した第2の実施の形態に適用してもよい。この場合には、各呼のユーザ体感要素品質に関する品質劣化要因が特定されるため、前述したボトルネック情報で当該通信経路区間を経由する呼の品質劣化要因を対向する中継ノードへ相互に通知することにより、品質劣化対地を中継網上の通信経路区間レベルで特定できるだけでなく、その品質劣化要因も併せて特定することができる。したがって、品質劣化が確認された場合の対応として、これら品質劣化対地および品質劣化要因に基づき極めて具体的な対応を早急に行うことができ、中継網に対してより適切かつ高度な品質管理サービスを提供できる。
なお、以上の各実施の形態では、ユーザ体感品質監視装置10で品質劣化区間の切り分けを行うだけでなく、ユーザ体感品質を推定する機能を併せ持つ場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、ユーザ体感品質監視装置10で品質劣化区間の切り分けのみを行い、ユーザ体感品質の推定については別個の装置で行うようにしてもよい。
また、中継網40において、中継ノード20とは別個の装置としてユーザ体感品質監視装置10を実装した場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、前述したユーザ体感品質監視装置10の演算処理部13で実現される各機能手段を中継ノード20内の演算処理部で実現し、また記憶部12で記憶される各種情報を中継ノード20内の記憶部で記憶することにより、ユーザ体感品質監視装置10の各種機能を中継ノード20内部に実装してもよく、前述と同様の作用効果が得られる。
本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置が適用される中継網の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置でのユーザ体感品質推定動作および品質劣化区間切り分け動作の概略フローを示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置でのパケットキャプチャ処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置でのユーザ体感品質推定処理を示すフローチャートである。 受聴品質に関するユーザ体感要素品質の推定に用いる品質要素推定モデルの一例を示すグラフである。 遅延に関するユーザ体感要素品質の推定に用いる品質要素推定モデルの一例を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置での品質劣化区間切り分け処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置での品質劣化区間切り分け例を示す説明図である。 本発明の第5の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置での品質劣化対地特定動作の概略フローを示す説明図である。 本発明の第5の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置での品質劣化対地特定処理を示すフローチャートである。 品質劣化対地評価結果の一例である。
符号の説明
10,10A,10B,10C,10D,10E…ユーザ体感品質監視装置、11…通信I/F部、12…記憶部、12A…パケット管理DB、12B…品質情報管理DB、12C…品質要素推定モデル、12D…総合品質推定モデル、12E…ユーザ体感品質管理DB、12F…品質劣化区間切り分け結果、12G…ユーザ体感品質目標値、12H…品質劣化対地評価結果、13…演算処理部、13A…パケットキャプチャ手段、13B…ユーザ体感品質推定手段、13C…品質劣化区間切り分け手段、13D…品質劣化対地特定手段、15…通過パケット、16…ボトルネック情報、20,20A,20B,20C,20D,20E…中継ノード、30…ユーザ端末、31…送信端末、32…受信端末、40,41,42…中継網、40A,40B,40C,40D…リンク、51…上流側区間、52…下流側区間、53…ネットワーク側区間、54…端末側区間。

Claims (13)

  1. リアルタイム系アプリケーションで用いる中継網を構成する任意の中継ノードに設けられ、前記リアルタイム系アプリケーションの任意の呼の品質情報に基づき推定された当該リアルタイム系アプリケーションを利用するユーザが体感するユーザ体感品質について、前記呼のメディアデータを送信する送信端末と当該メディアデータを受信する受信端末とを結ぶ通信経路上で前記ユーザ体感品質が劣化する品質劣化区間を切り分けるユーザ体感品質監視装置であって、
    前記呼の品質情報を含む制御用パケットとメディアデータの転送に用いるメディアパケットとを前記中継ノードからキャプチャし、これらパケットから当該呼の通信品質を示す品質情報を抽出するパケットキャプチャ手段と、
    前記パケットキャプチャ手段で抽出された前記品質情報を記憶する記憶部と、
    前記記憶部の品質情報のうち前記制御用パケットから得られた前記受信端末での通信品質を示す端末品質情報と、前記メディアパケットから得られた前記中継ノードでの通信品質を示す中継品質情報とを比較することにより、前記通信経路上でユーザ体感品質の劣化が発生している品質劣化区間を切り分ける品質劣化区間切り分け手段と
    を備え、
    前記品質劣化区間切り分け手段は、前記端末品質情報のうち前記受信端末が前記中継網から受信したメディアパケットから得られた品質情報と前記受信端末の揺らぎ吸収バッファを通過したメディアパケットから得られた品質情報とを比較することにより、前記品質劣化区間が前記受信端末より前記送信端末側の中継網側区間であるか前記受信端末内の端末側区間であるかを判断する
    ことを特徴とするユーザ体感品質監視装置。
  2. 請求項1に記載のユーザ体感品質監視装置において、
    前記品質劣化区間切り分け手段は、前記端末品質情報のうち前記受信端末が前記中継網から受信したメディアパケットから得られた品質情報と前記中継品質情報とを比較することにより、前記品質劣化区間が当該中継ノードより前記送信端末側の上流側区間であるか当該中継ノードより前記受信端末側の下流側区間であるかを判断することを特徴とするユーザ体感品質監視装置。
  3. 請求項1に記載のユーザ体感品質監視装置において、
    前記品質劣化区間切り分け手段は、前記端末品質情報のうち前記受信端末が前記中継網から受信したメディアパケットの損失状況を示すパケット損失情報と前記中継品質情報のうち前記中継ノードを通過する前記メディアパケットの損失状況を示すパケット損失情報とを比較していずれのパケット損失情報がパケット損失の発生を示しているか判断し、この判断結果に基づき前記品質劣化区間が当該中継ノードより前記送信端末側の上流側区間であるか当該中継ノードより前記受信端末側の下流側区間であるかを判断することを特徴とするユーザ体感品質監視装置。
  4. 請求項1に記載のユーザ体感品質監視装置において、
    前記品質劣化区間切り分け手段は、前記端末品質情報のうち前記受信端末が前記中継網から受信したメディアパケットの損失状況を示すパケット損失情報と前記受信端末の揺らぎ吸収バッファを通過したメディアパケットの損失状況を示すパケット損失情報とを比較していずれのパケット損失情報がパケット損失の発生を示しているか判断し、この判断結果に基づき前記品質劣化区間が前記受信端末より前記送信端末側の中継網側区間であるか前記受信端末内の端末側区間であるかを判断することを特徴とするユーザ体感品質監視装置。
  5. 請求項1に記載のユーザ体感品質監視装置において、
    前記品質劣化区間切り分け手段は、前記端末品質情報のうち前記受信端末が前記中継網から受信したメディアパケットの到着時刻差を示すパケット到着間隔情報と前記中継品質情報のうち前記中継ノードを通過する前記メディアパケットの到着時刻差を示すパケット到着間隔情報とを比較して前記メディアパケットの遅延揺らぎによるユーザ体感品質の劣化の有無を判断し、前記両パケット到着間隔情報の差が基準値より大きく前記ユーザ体感品質の劣化ありと判断された場合、前記端末品質情報のうち前記受信端末の揺らぎ吸収バッファで吸収可能なメディアパケットの遅延揺らぎを示す許容遅延揺らぎ情報と前記中継ノードを通過する前記メディアパケットの到着時刻差を示すパケット到着間隔情報とを比較することにより、前記品質劣化区間が当該中継ノードより前記送信端末側の上流側区間であるか当該中継ノードより前記受信端末側の下流側区間であるかを判断することを特徴とするユーザ体感品質監視装置。
  6. 請求項1に記載のユーザ体感品質監視装置において、
    前記品質劣化区間切り分け手段は、前記端末品質情報のうち前記受信端末が前記中継網から受信したメディアパケットに関する前記送信端末から当該受信端末までの片道転送遅延時間を示す片道転送遅延情報と前記中継品質情報のうち前記中継ノードを通過する前記メディアパケットに関する前記送信端末から当該中継ノードまでの片道転送遅延時間を示す片道転送遅延情報とを比較していずれの片道転送遅延情報に品質劣化となる遅延が含まれているか判断し、この判断結果に基づき前記品質劣化区間が当該中継ノードより前記送信端末側の上流側区間であるか当該中継ノードより前記受信端末側の下流側区間であるかを判断することを特徴とするユーザ体感品質監視装置。
  7. 請求項1に記載のユーザ体感品質監視装置において、
    前記品質劣化区間切り分け手段は、前記端末品質情報のうち前記受信端末が前記中継網から受信したメディアパケットに関する前記送信端末から当該受信端末までの片道転送遅延時間を示す片道転送遅延情報と前記受信端末で前記中継網から受信したメディアパケットがメディアデータとして再生されるまでの再生遅延時間を示す片道転送遅延情報とを比較していずれの片道転送遅延情報に品質劣化となる遅延が含まれているか判断し、この判断結果に基づき前記品質劣化区間が前記受信端末より前記送信端末側の中継網側区間であるか前記受信端末内の端末側区間であるかを判断することを特徴とするユーザ体感品質監視装置。
  8. 請求項1に記載のユーザ体感品質監視装置において、
    前記リアルタイム系アプリケーションの各呼のユーザ体感品質を前記中継ノードとその隣接中継ノードとの間の転送経路区間ごとに分類して統計処理し、その統計結果を所定のユーザ体感品質目標値と比較して得られた比較結果と前記品質劣化区間の切り分け結果とに基づいて、当該転送経路区間が品質劣化対地か否かを特定する品質劣化対地特定手段をさらに備えることを特徴とするユーザ体感品質監視装置。
  9. 請求項1に記載のユーザ体感品質監視装置において、
    前記リアルタイム系アプリケーションの各呼のユーザ体感品質を前記中継ノードとその隣接中継ノードとの間の転送経路区間ごとに分類して統計処理し、その統計結果を所定のユーザ体感品質目標値と比較して得られた比較結果と前記品質劣化区間の切り分け結果とに基づいて前記転送経路区間ごとに品質劣化の有無をそれぞれ評価し、各転送経路区間のうち品質劣化ありと評価された転送経路区間に対する、当該対向中継ノードでの評価との一致不一致に応じて、当該転送経路区間が品質劣化対地か否かを特定する品質劣化対地特定手段をさらに備えることを特徴とするユーザ体感品質監視装置。
  10. リアルタイム系アプリケーションで用いる中継網を構成する任意の中継ノードに設けられたユーザ体感品質監視装置により、前記リアルタイム系アプリケーションの任意の呼の品質情報に基づき推定された当該リアルタイム系アプリケーションを利用するユーザが体感するユーザ体感品質について、前記呼のメディアデータを送信する送信端末と当該メディアデータを受信する受信端末とを結ぶ通信経路上で前記ユーザ体感品質が劣化する品質劣化区間を切り分けるユーザ体感品質監視方法であって、
    前記呼の品質情報を含む制御用パケットとメディアデータの転送に用いるメディアパケットとを前記中継ノードからキャプチャし、これらパケットから当該呼の通信品質を示す品質情報を抽出するパケットキャプチャステップと、
    前記パケットキャプチャステップで抽出された前記品質情報を記憶部で記憶するステップと、
    前記記憶部の品質情報のうち前記制御用パケットから得られた前記受信端末での通信品質を示す端末品質情報と、前記メディアパケットから得られた前記中継ノードでの通信品質を示す中継品質情報とを比較することにより、前記通信経路上でユーザ体感品質の劣化が発生している品質劣化区間を切り分ける品質劣化区間切り分けステップと
    を備え、
    前記品質劣化区間切り分けステップは、前記端末品質情報のうち前記受信端末が前記中継網から受信したメディアパケットから得られた品質情報と前記受信端末の揺らぎ吸収バッファを通過したメディアパケットから得られた品質情報とを比較することにより、前記品質劣化区間が前記受信端末より前記送信端末側の中継網側区間であるか前記受信端末内の端末側区間であるかを判断する
    ことを特徴とするユーザ体感品質監視方法。
  11. 請求項10に記載のユーザ体感品質監視方法において、
    前記品質劣化区間切り分けステップは、前記端末品質情報のうち前記受信端末が前記中継網から受信したメディアパケットの到着時刻差を示すパケット到着間隔情報と前記中継品質情報のうち前記中継ノードを通過する前記メディアパケットの到着時刻差を示すパケット到着間隔情報とを比較して前記メディアパケットの遅延揺らぎによるユーザ体感品質の劣化の有無を判断し、前記両パケット到着間隔情報の差が基準値より大きく前記ユーザ体感品質の劣化ありと判断された場合、前記端末品質情報のうち前記受信端末の揺らぎ吸収バッファで吸収可能なメディアパケットの遅延揺らぎを示す許容遅延揺らぎ情報と前記中継ノードを通過する前記メディアパケットの到着時刻差を示すパケット到着間隔情報とを比較することにより、前記品質劣化区間が当該中継ノードより前記送信端末側の上流側区間であるか当該中継ノードより前記受信端末側の下流側区間であるかを判断することを特徴とするユーザ体感品質監視方法。
  12. 請求項10に記載のユーザ体感品質監視方法において、
    前記品質劣化区間切り分けステップは、前記端末品質情報のうち前記受信端末が前記中継網から受信したメディアパケットに関する前記送信端末から当該受信端末までの片道転送遅延時間を示す片道転送遅延情報と前記中継品質情報のうち前記中継ノードを通過する前記メディアパケットに関する前記送信端末から当該中継ノードまでの片道転送遅延時間を示す片道転送遅延情報、または前記受信端末が前記中継網から受信したメディアパケットに関する前記送信端末から当該受信端末までの片道転送遅延時間を示す片道転送遅延情報と前記受信端末で前記中継網から受信したメディアパケットがメディアデータとして再生されるまでの再生遅延時間を示す片道転送遅延情報を比較して、いずれの片道転送遅延情報に品質劣化となる遅延が含まれているか判断し、この判断結果に基づき前記品質劣化区間が当該中継ノードより前記送信端末側の上流側区間であるか当該中継ノードより前記受信端末側の下流側区間であるか、または前記品質劣化区間が前記受信端末より前記送信端末側の中継網側区間であるか前記受信端末内の端末側区間であるか、を判断することを特徴とするユーザ体感品質監視方法。
  13. 請求項10に記載のユーザ体感品質監視方法において、
    前記リアルタイム系アプリケーションの各呼のユーザ体感品質を前記中継ノードとその隣接中継ノードとの間の転送経路区間ごとに分類して統計処理し、その統計結果を所定のユーザ体感品質目標値と比較して得られた比較結果と前記品質劣化区間の切り分け結果とに基づいて、当該転送経路区間が品質劣化対地か否かを特定する品質劣化対地特定ステップをさらに備えることを特徴とするユーザ体感品質監視方法。
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