JP5379078B2 - ユーザ体感品質監視装置、方法および情報通信システム - Google Patents

ユーザ体感品質監視装置、方法および情報通信システム Download PDF

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Description

本発明は、ユーザ体感品質監視装置、方法および情報通信システムに関するものであり、特に、映像や音声、データを通信するIPTV(Internet Protocol Television)やIP(Internet Protocol)テレビ電話などのIP技術を利用した情報通信サービスに対するユーザ体感品質評価装置、方法および情報通信システムに関する。
近年、IP電話、IPテレビ電話、IPTVといったIPを利用した音声・音響・映像・データなどの大容量のパケットを高速で通信する情報通信サービスが市場に広く普及している。このような情報通信サービスを実現する大容量パケットの転送に用いるIP通信網は、通信品質の保証がなされていない広域通信網であるため、上述した情報通信サービスを安定的に提供するためにIP通信網に対する様々な品質管理・制御技術が検討されている。
また、IP通信網の品質管理・制御技術の進歩とともに、情報通信サービスを高品質に提供するため、通信網の品質管理に留まらずユーザが体感する品質(ユーザ体感品質、QoE:Quality of Experience)を管理することが求められている(非特許文献1)。
従来、ユーザ体感品質を管理するため、IP通信網や端末装置から取得できる様々なパラメータを利用してユーザ体感品質を推定する技術が検討されている。
例えば、IP通信網から取得可能な情報(網上で転送されるパケットの挙動に関する情報)を利用してユーザ体感品質を推定する技術が知られている(特許文献1〜4)。また、網上で転送されるパケットの挙動について、符号化およびパケットの転送レートを利用してユーザ体感品質を推定する技術が知られている(非特許文献2)。
特許第3579334号 特許第4308227号 特開2006−165789号公報 特開2007−60475号公報
ITU-T Recommendation P.10/G.100, "De.nition of Quality of Experoence(QoE)", Jan 2007. ITU-T Recommendation G.1070, "Opinion model for video-telephone applications", April 2007.
しかしながら、パケットの送受信により通信を実行する情報通信サービスにおいて、ユーザ体感品質の劣化が発生した場合、ユーザ体感品質の劣化要因は、広域通信網でのパケット転送品質の低下に限らず、構内通信網(ユーザ宅内に構成されるホームネットワーク。例えば、有線・無線によるLAN(Loacal Area Network)やPLC(Powe Lline Communication)を用いられて構成される。)でのパケット転送品質の低下が要因となる場合が多い。これは、無線LANやPLCを用いて情報通信サービスの提供を受ける場合では、一般的に有線LANを用いた場合よりもパケット転送品質が不安定となるためである。
したがって、広域通信網におけるパケットの挙動を利用した従来の技術では、多様な通信方式でユーザ宅内に構成されたホームネットワークを用いた情報通信サービスに対するユーザ体感品質の劣化要因を遠隔から詳細に特定し、ユーザ体感品質を正確に管理することは困難であった。
そこで、本発明は、上述の問題を解決すべく、パケットを通信する情報通信サービスにおいて、構内通信網を介して提供される情報通信サービスに対するユーザ体感品質の劣化を構内通信網に接続される複数の端末装置毎に検出してユーザ体感品質の劣化要因および劣化該当箇所を遠隔から特定することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、情報通信サービス提供装置が接続された広域通信網に中継装置を介して接続された構内通信網を介して転送されるパケットの転送品質に関する品質管理情報を取得する取得部と、この取得部によって取得された前記品質管理情報に基づいて前記構内通信網に接続される端末装置においてユーザが体感するパケット通信の品質であるユーザ体感品質(QoE)を推定する品質推定部と、この品質推定部により推定された前記ユーザ体感品質(QoE)を監視するとともに、前記ユーザ体感品質(QoE)が所定の閾値より劣化したことを検知すると、ユーザ体感品質(QoE)が劣化した要因およびユーザ体感品質(QoE)が劣化した該当箇所を特定した劣化情報を生成する生成部とを備えることを特徴とする。
また、本発明における前記取得部は、前記構内通信網を介して転送される前記パケットの中から前記品質管理情報を含んだ品質管理情報パケットを分別する分別部と、この分別部によって分別された品質管理情報パケットに含まれる品質管理情報を抽出して前記品質推定部へ出力する抽出部とを備えても良い。
また、本発明における前記品質推定部は、前記抽出部によって抽出された前記品質管理情報に基づいて前記構内通信網に接続される複数の端末装置への前記パケットの転送品質を前記端末装置毎に導出する解析部と、
この解析部によって導出された前記端末装置毎の前記転送品質から前記端末装置毎における前記ユーザ体感品質(QoE)を推定するQoE推定部とを備えても良い。
また、本発明における前記生成部は、前記QoE推定部によって推定された前記構内通信網に接続される前記端末装置の少なくとも1つに前記ユーザ体感品質(QoE)の劣化が検出されると、この劣化が検出された前記端末装置のユーザ体感品質(QoE)と前記構内通信網に接続される他の前記端末装置のユーザ体感品質(QoE)とを比較して前記ユーザ体感品質(QoE)が劣化した要因および前記ユーザ体感品質(QoE)が劣化した前記端末装置を特定する特定部を備えても良い。
また、本発明における前記生成部は、前記QoE推定部によって推定された前記ユーザ体感品質(QoE)の平均値と変動幅とを算出し、所定の閾値と比較することにより前記ユーザ体感品質(QoE)が劣化したか否かを検出する劣化検出部を備えても良い。
さらに、本発明にかかるユーザ体感品質監視装置は、前記広域通信網または前記構内通信網の少なくともいずれか一方に接続されても良い。
また、本発明にかかるユーザ体感品質監視装置は、前記情報通信サービス提供装置、前記中継装置、前記端末装置の少なくともいずれか一の装置に備えられても良い。
本発明によれば、構内通信網を介して端末装置に転送されるパケットの転送品質に関する品質管理情報に基づいて構内通信網に接続される端末装置における情報通信サービスに対するユーザ体感品質(QoE)を推定し、この推定したユーザ体感品質(QoE)の平均値と変動幅とを算出して所定の閾値と比較することによりユーザ体感品質(QoE)が劣化したか否かを端末装置毎に検出することができ、ユーザ体感品質(QoE)劣化の要因と該当箇所を端末装置単位で特定することができる。
したがって、多様な通信方式によってユーザ宅内に構成されるホームネットワークに接続される端末装置を用いてユーザが情報通信サービスの提供を受ける場合であっても、情報通信サービスの提供者は、ホームネットワークに接続される端末装置単位でユーザ体感品質(QoE)の劣化を遠隔から検出することができるとともに、劣化要因および劣化該当箇所を特定することができる。
よって、情報通信サービスの提供者は、情報通信サービスに対するユーザ体感品質低下の発生要因および劣化該当箇所を高精度で把握でき、迅速できめ細かなサービスをユーザに対して提供することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置と情報通信システムとの関係を示すブロック図である。 第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置を含んだ情報通信システムの構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置のうち、情報通信サービス提供装置に備えられるユーザ体感品質監視装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置のうち、中継装置(ホームゲートウェイ装置)に備えられるユーザ体感品質監視装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置のうち、端末装置に備えられるユーザ体感品質監視装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置のうち、情報通信サービス提供装置に備えられるユーザ体感品質監視装置の動作を示すフローチャートである。 第2の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置のうち、中継装置(ホームゲートウェイ装置)に備えられるユーザ体感品質監視装置の動作を示すフローチャートである。 第2の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置のうち、中継装置(ホームゲートウェイ装置)に備えられるユーザ体感品質監視装置の動作を示すフローチャートである。 第2の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置のうち、端末装置に備えられるユーザ体感品質監視装置の動作を示すフローチャートである。 パッシブ測定における品質測定項目がジッタの場合でのユーザ体感品質劣化特定の一例を示す図である。 アクティブ測定における端末装置と中継装置(HGW)間のパケット転送往復遅延時間の一例を示す図である。 アクティブ測定におけるユーザ体感品質劣化特定の一例を示す図である。 ユーザ体感品質の変動幅の基準値の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置は、広域通信網や構内通信網を介して接続される情報通信サービス提供装置と中継装置と端末装置とから構成された情報通信システムにおいて、中継装置を介した情報通信サービス提供装置と端末装置間のパケット通信による情報通信サービスに対してユーザが体感するユーザ体感品質(以下「QoE」という。)の劣化を構内通信網に接続される端末装置毎に検出し、QoEの劣化要因や劣化該当箇所を特定するものである。
図1は、本実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置10と情報通信システムとの関係を示す図である。図1に示すように、情報通信システム1は、広域通信網1−Aに接続される情報通信サービス提供装置11と、広域通信網1−Aと構内通信網1−Bとを中継する中継装置12と、構内通信網1−Bに接続される複数の端末装置13−1〜13−nとから構成され、ユーザ体感品質監視装置10は、情報通信システム1において転送されるパケットの転送品質に基づいてこの情報通信システム1における情報通信サービスに対するQoEを監視する。
<ユーザ体感品質監視装置10の構成>
本実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置10の構成について、図2を参照して説明する。
図2に示すように、ユーザ体感品質監視装置10は、取得部110と品質推定部120と生成部130とから構成されている。
取得部110は、分別部111と抽出部112とから構成され、情報通信システム1において広域通信網1−Aまたは構内通信網1−Bを介して転送されるパケットの転送品質に関する情報である品質管理情報を取得する。
取得部110の分別部111は、情報通信システム1におけるパケット通信が実行される際に、広域通信網1−Aまたは構内通信網1−Bを介して転送されるパケットの中から品質管理情報を含んだ品質管理情報パケットを分別して品質管理情報パケットを取得する

例えば、分別部111は、情報通信システム1において転送されるパケットのヘッダ情報に基づいて品質管理情報パケットを分別することにより、品質情報パケットを取得しても良い。
取得部110の抽出部112は、取得部110によって取得された品質管理情報パケットに含まれる品質管理情報を抽出して、品質推定部120へ出力する。
抽出部112によって抽出された品質管理情報は、例えば、広域通信網1−Aまたは構内通信網1−Bを介した任意の通信経路におけるパケットの転送品質を測定するための測定項目、測定周期、品質劣化判定閾値、測定結果といったパケットの転送品質に関する情報である。
品質推定部120は、解析部121とQoE推定部122とから構成され、取得部110によって取得された品質管理情報に基づいて、構内通信網1−Bに接続される端末装置13−nにおいてユーザが体感する情報通信システム1における情報通信サービスに対するQoEを推定する。
品質推定部120の解析部121は、抽出部112によって抽出された品質管理情報に基づいて、構内通信網1−Bに接続される複数の端末装置13−1〜13−nへのパケットの転送品質を端末装置毎に導出する。
品質推定部120のQoE推定部122は、解析部121によって導出された端末装置毎の転送品質から端末装置毎のQoEを推定する。
生成部130は、劣化検出部131と特定部132とから構成され、品質推定部120によって推定されたQoEを監視するとともに、QoEが所定の閾値より劣化したことを検知すると、QoEが劣化した要因およびQoEが劣化した該当箇所を特定した劣化情報を生成する。ここで、QoEの劣化の判定に用いる閾値は、予め情報通信サービスの提供者によって設定された値とすることができ、また、取得部110によって取得される品質管理情報パケットに含まれる品質管理情報に基づいて設定される値としても良い。
生成部130の劣化検出部131は、QoE推定部122によって推定されたQoEの平均値と変動値とを算出し、所定の閾値と比較してこの閾値よりもQoEが劣化したか否かを検出する。
具体的には、QoE推定部122によって推定されたQoEの平均値が、所定の閾値よりも低い場合、劣化検出部131はQoEに劣化が発生したことを検出する。一方、QoE推定部122によって推定されたQoEの平均値が所定の閾値よりも同等または高い場合ではQoEに劣化は発生していないと判断する。
生成部130の特定部132は、劣化検出部131によってQoEの劣化が検出されると、劣化が検出されたQoEと構内通信網1−Bに接続される他の端末装置13−nのQoEとを比較することによってQoEが劣化した要因および劣化した該当箇所特定する。
具体的には、劣化検出部131によってQoEの劣化が検出されると、劣化が検出されたQoEの変動値と他の端末装置13−nのQoEの変動値とを比較して、劣化が検出されたQoEの変動値が他の端末装置13−nのQoEの変動値よりも大きい場合、QoEの劣化要因を構内通信網1−Bにおける転送品質の低下と判断でき、QoEの劣化該当箇所を中継装置12とQoEが劣化した端末装置間であると判断できる。
一方、劣化が検出されたQoEの変動値が他の端末装置13−nのQoEの変動値よりも小さい場合では、QoEの劣化要因は広域通信網1−Aにおける転送品質の低下と判断でき、QoEの劣化該当箇所は、情報通信サービス提供装置11と中継装置12間であると判断できる。
なお、本実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置10の上記した各構成要素は、ユーザ体感品質監視装置10のハードウェア構成であるCPU(中央演算装置)やメモリ、インターフェースからなるコンピュータに、コンピュータプログラムをインストールすることによって実現され、上述した構成要素の各種機能は、上記コンピュータの各種ハードウェア資源と上記コンピュータプログラム(ソフトウェア)とが協働して実現される。
<ユーザ体感品質監視装置10の動作>
次に、本実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置10の動作について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
図3に示すように、ユーザ体感品質監視装置10は、情報通信システム1において提供される情報通信サービスに対するQoEを監視するために、まず、取得部110の分別部111によって情報通信システム1において転送されるパケットの中から品質管理情報を含んだ品質管理情報パケットを分別し取得する(S101)。
分別部111によって品質管理情報パケットが取得されると、取得部110の抽出部112は、取得された品質管理情報パケットから品質管理情報を抽出する(S102)。
抽出部112によって品質管理情報が抽出されると、品質推定部120の解析部121は、抽出された品質管理情報に基づいて構内通信網1−Bに接続されている端末装置13−nへのパケットの転送品質を端末装置毎に導出する(S103)。
解析部121によるパケットの転送品質の導出は、例えば、抽出部112によって抽出された品質管理情報に各端末装置13−nにおけるパケットの転送品質の測定値が含まれている場合には、この測定値に基づいてパケットの転送品質を導出し、また、パケットの転送品質を測定するための測定項目や測定周期といった測定条件に関する情報が含まれている場合には、この測定条件に基づくパケットの転送品質の測定を実施し、得られた測定結果に基づいてパケットの転送品質を導出しても良い。
解析部121によって構内通信網1−Bに接続されている端末装置13−nへのパケットの転送品質が導出されると、品質推定部120のQoE推定部122は、導出された転送品質に基づいて端末装置13−1〜13−n毎にQoEを推定する(S104)。
QoE推定部122によって端末装置13−n毎に推定されるQoEは、例えば、解析部121によって導出されたパケットの転送品質から推定されるMOS(Mean Opinion score)値とすることができる。
QoE推定部122によって端末装置13−nにおけるQoEが推定されると、生成部130の劣化検出部131は、推定されたQoEの平均値と変動値とを算出し、所定の閾値と比較することによりQoEに劣化が発生したか否かを判定する(S105)。
具体的には、推定されたQoEの平均値が所定の閾値よりも低い場合、劣化検出部131はQoEに劣化が発生したことを検出し、推定されたQoEの平均値が所定の閾値よりも同等または高い場合ではQoEに劣化は発生していないと判断する。
ここで、劣化検出部131によるQoEの劣化の判定に用いる閾値には、例えば、情報通信サービスの提供者によって予め設定された閾値とすることができ、また、取得部110によって取得された品質管理情報に基づいて設定された閾値としても良い。
推定したQoEに劣化が発生した場合(S105で「Yes」)、生成部130の特定部132は、劣化が発生したQoEと他の端末装置におけるQoEとを比較することで、QoEの劣化要因と劣化該当箇所を特定し、劣化要因および劣化該当箇所に関する情報である劣化情報を生成する(S106)。
特定部132によるQoEの劣化要因と劣化該当箇所の特定について、具体的に説明する。
特定部132は、劣化検出部131によって劣化が検出されたQoEの変動値と他の端末装置13−nのQoEの変動値とを比較する。比較の結果、劣化が検出されたQoEの変動値が他の端末装置13−nのQoEの変動値よりも大きい場合、特定部132は、QoEの劣化要因を構内通信網1−Bにおける転送品質の低下と判断し、QoEの劣化該当箇所を中継装置12とQoEが劣化した端末装置間であると判断してQoEの劣化要因と劣化該当箇所を特定する。
また、劣化が検出されたQoEの変動値が他の端末装置13−nのQoEの変動値と同等または小さい場合、特定部132は、QoEの劣化要因は広域通信網1−Aにおける転送品質の低下と判断し、QoEの劣化該当箇所は、情報通信サービス提供装置11と中継装置12間であると判断してQoEの劣化要因と劣化該当箇所を特定する。
一方、推定したQoEに劣化が発生しなかった場合(S105で「No」)では、S101に戻り、引き続き情報通信システム1において提供される情報通信サービスに対するQoEの監視を実行する。
このように、本実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置によれば、構内通信網を介して端末装置に転送されるパケットの転送品質に関する品質管理情報に基づいて構内通信網に接続される端末装置における情報通信サービスに対するユーザ体感品質(QoE)を推定し、このQoEの平均値と変動幅とを算出して所定の閾値と比較することによりQoEが劣化したか否かを構内通信網に接続される端末装置毎に検出することができ、QoE劣化の要因と該当箇所を端末装置単位で特定することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について図を参照して説明する。
図4は、本実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置20と情報通信システム2との関係を示す図である。図4に示すように、情報通信システム2は、広域通信網1−Aに接続される情報通信サービス提供装置21と、広域通信網1−Aと構内通信網1−Bとを中継する中継装置22(HGW:Home Gateway)と、構内通信網1−Bに接続される複数の端末装置23−1〜23−nとから構成され、ユーザ体感品質監視装置20は、情報通信サービス提供装置21、中継装置22、端末装置21−nのそれぞれに組み込まれている。
本実施の形態にかかる情報通信サービス提供装置21、中継装置22、端末装置21−nのそれぞれに組み込まれたユーザ体感品質監視装置20は、それぞれの装置に組み込まれたユーザ体感品質監視装置20それぞれの各構成要素が連携して情報通信システム2において転送されるパケットの転送品質に基づいた情報通信サービスに対するQoEを監視するものである。
<ユーザ体感品質監視装置20の構成>
本実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置20の構成および機能について、図5〜図7を参照して説明する。
ユーザ体感品質監視装置20のうち、情報通信サービス提供装置21に組み込まれた構成を示すブロック図を図5に、中継装置22に組み込まれた構成を示すブロック図を図6に、端末装置23−nに組み込まれた構成を図7に示す。
<情報通信サービス提供装置21に組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−1の構成>
図5に示すように、情報通信サービス提供装置21に組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−1は、管理対象情報取得部211と、管理閾値保存部212と、管理閾値決定部213と、管理閾値設定部214と、パケット送受信部215と、品質データ保存部216と、ユーザ体感品質劣化要因・被疑箇所解析部217と、品質劣化被疑箇所表示部218とから構成されている。
管理対象情報取得部211は、品質管理対象情報を取得する。ここで、品質管理対象情報は、情報通信サービスの提供者によって予め設定された管理対象サービス情報や品質管理ポリシー情報とすることができる。
管理閾値保存部212は、管理対象情報取得部211によって取得された品質管理対象情報に設定された品質管理対象に応じた品質測定項目および品質劣化を判定する基準値 (管理閾値)を保存する。
管理閾値決定部213は、管理閾値保存部212によって保存された情報に基づいて、中継装置22や端末装置23−nにおいてパケットの転送品質を測定する際の測定項目や管理閾値を決定する。
この管理閾値決定部213は、さらに、管理閾値読込部213−aと、管理項目決定部213−bと、品質劣化判定基準決定部213−cとから構成される。
管理閾値読込部213−aは、管理閾値保存部212より管理対象サービスおよび管理ポリシーに応じた品質測定項目とQoE劣化を判定するための各測定項目に応じた閾値とを読み込む。
管理項目決定部213−bは、管理閾値読込部213−aによって読み込まれた各情報に基づいて品質測定項目を決定する。
品質劣化判定基準決定部213−cは、管理対象情報取得部211によって取得された品質管理ポリシーに基づいて決定されたQoE劣化を判定する閾値を用いて、管理項目決定部213−bによって決定された品質測定項目の管理閾値を決定する。
管理閾値設定部214は、管理閾値決定部213によって決定された品質測定項目や管理閾値を構内通信網1−Bに接続される中継装置22と端末装置23−nとに対し適用するための設定情報をパケット化した管理閾値設定パケットを作成する。
パケット送受信部215は、管理閾値設定部214によって作成された管理閾値設定パケットを送信するとともに、中継装置22や端末装置23−nから転送される品質測定結果を受信する。
品質データ保存部216は、パケット送受信部において受信した品質測定結果を保存する。
ユーザ体感品質劣化要因・被疑箇所解析部217は、パケット送受信部において受信した品質測定結果に基づいてQoEの劣化要因および劣化被疑箇所を特定する。
このユーザ体感品質劣化要因・被疑箇所解析部217は、さらに、品質レポート読込部217−a、蓄積品質データ参照部217−b、劣化被疑箇所比較判定部217−c、判定結果保存部217−dとから構成される。
品質レポート読込部217−aは、パケット送受信部215において受信したパケットに基づいて中継装置22からレポートされた品質測定情報 (測定結果)を読込む。
蓄積品質データ参照部217−bは、品質データ保存部216より中継装置22の過去の品質測定情報や他の対置に設置される中継装置22(他のユーザ)の品質情報を読込む。
劣化被疑箇所比較判定部217−cは、品質レポート読込部217−aと蓄積品質データ参照部217−bによって読込まれた品質測定情報 (品質測定結果)を比較して、中継装置22の品質測定情報が対置された他の中継装置22−nから受信した品質測定情報よりQoEまたは対象測定項目の品質が低いか否かを比較して、品質劣化被疑箇所を判定する。
具体的には、品質測定情報を比較した結果、対置された他の中継装置22−nより品質が高いまたは同等の場合、広域通信網1−Aが品質劣化被疑箇所であると判定する。
一方、対置された他の中継装置22−nより品質が低い場合、中継装置22の過去の品質測定結果を確認し、過去の結果よりも品質が低い場合には、後述する中継装置22による品質劣化要因および劣化被疑箇所のレポートに基づいて品質劣化要因および被疑箇所を特定する。また、中継装置22によるレポート結果が過去の品質レポートの結果と同等もしくは高い場合、構内通信網1−Bに接続される中継装置22または端末装置23−nが品質劣化要因および被疑箇所であると特定する。
判定結果保存部217−dは、劣化被疑箇所比較判定部217−cにおいて特定されたQoE劣化要因および品質劣化被疑箇所の情報と、QoE劣化要因および品質劣化被疑箇所の特定に利用した品質測定情報 (測定結果)とを品質データ保存部に保存する。
ここで、判定結果保存部217−dによって保存された中継装置22におけるQoE劣化要因と品質劣化被疑箇所の情報は、対置された他の中継装置22−nにおける品質測定情報や中継装置22の過去の品質測定結果として蓄積品質データ参照部217−bによって参照され、比較評価されることが可能なデータとして品質データ保存部に保存されるとしても良い。
品質劣化被疑箇所表示部218は、ユーザ体感品質劣化要因・被疑箇所解析部217によって特定されたQoE劣化要因および品質劣化被疑箇所を表示可能に出力する。
ここで、品質劣化被疑箇所表示部218によって表示される情報は、端末装置23−nにおいて測定された品質情報を中継装置22で集約し、中継装置22にて集約した品質情報に基づいてQoE劣化要因および品質劣化被疑箇所を仮定し、仮定した結果を情報通信サービス提供装置21で集約し、対置された他の中継装置22−nから受信した品質情報と比較することにより特定されたQoE劣化要因および品質劣化被疑箇所を、情報通信システム2の構成要素と対応させた情報とすることができる。
<中継装置22に組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−2の構成>
続いて、図6に示すように、中継装置22に組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−2は、パケット送受信部221と、パケット分別部222と、測定方式判定部223と、アクティブ品質測定部224と、品質情報解析部225と、品質データ保存部226と、品質劣化判定部227と、品質劣化被疑箇所特定部228とから構成されている。
パケット送受信部221は、情報通信システム2において提供される情報通信サービスの実行中に送受信されるパケットの転送品質を測定するための測定対象パケットと、品質管理項目や品質判定閾値が設定される管理閾値情報パケットとを取得する。
また、パケット送受信部221は、後述するアクティブ品質測定部224および品質劣化被疑箇所特定部228によって作成されたパケットを送信する。
パケット分別部222は、情報通信システム2において提供される情報通信サービスの実行中に送受信されるパケットと管理閾値情報パケットとを分別する。
このパケット分別部222は、さらに、管理閾値情報判定部222−aと、管理対象パケット判定部222−bとから構成されている。
管理閾値情報判定部222−aは、パケット送受信部221によって受信されたパケットが管理閾値情報パケットであることを認識した場合、測定方式判定部223の処理に移行する。
管理対象パケット判定部222−bは、パケット受信部221によって受信されたパケットが品質測定対象パケットであることを認識した場合、品質情報解析部225の処理に移行する。
測定方式判定部223は、構内通信網1−Bにおけるパケットの転送品質を測定する方式を選定する。ここで、構内通信網1−Bの一例として、有線または無線によるLANやPLCを用いて複数の端末装置23−1〜23−nが中継装置22を介して広域通信網1−Aに接続されるホームネットワークとすることができる。
本実施の形態では、以下、構内通信網1−Bに接続された中継装置22と端末装置23−nとを含んだ構成について、総じて「ホームネットワーク」と表す。
測定方式判定部223は、さらに、測定方法決定部223−aと、アクティブ測定実行部223−bと、パッシブ測定実行部223−cと、管理閾値情報設定部223−dとから構成されている。
測定方法決定部223−aは、端末装置23−nに対してパケットの転送品質を後述するアクティブ測定による測定を実施するか否かを判定し、アクティブ測定を実施しない場合では、後述するパッシブ測定を実施するか否かを判定する。いずれの測定も実施しないと判定した場合では、品質測定を中止する。
ここで、「アクティブ測定」とは、後述するアクティブ品質測定部224によって生成される測定用パケットを、測定対象である端末装置23−nに向けて送信することにより、パケットの転送品質を測定する方法である。
また、「パッシブ測定」とは、測定対象である端末装置23−nが、受信した情報通信システム2における情報通信サービスのパケット情報を用いて自らがパケットの受信品質を解析する方法である。
アクティブ測定実行部223−bは、測定方法決定部223−aにおいてアクティブ測定の実行が選択された際に、端末装置23−nに対してアクティブ測定を開始する。
パッシブ測定実行部223−cは、測定方法決定部223−bにおいてパッシブ測定の実行が選択された際に、端末装置23−nに対してパッシブ測定を開始する
管理閾値情報設定部223−dは、測定方法決定部223−aによって選択された測定方法における品質管理閾値 (品質測定項目、測定周期、品質劣化判定閾値 等)を管理閾値情報に基づいて設定する。
アクティブ品質測定部224は、測定方式判定部223によってアクティブ測定の実施が選択された際に、アクティブ測定を実施する。このアクティブ品質測定部224は、さらに、測定用パケット作成部224−aと、測定用パケット送信部224−bとから構成されている。
測定用パケット作成部224−aは、アクティブ品質測定用のパケットを作成する。
測定用パケット送信部224−bは、管理閾値情報設定部223−dによって設定されたパケット送信間隔でパケット送受信部221にアクティブ品質測定用のパケットを送信させる。
品質情報解析部225は、アクティブ測定およびパッシブ測定によって測定された品質情報を用いてホームネットワークにおけるパケットの転送品質を解析してQoEを推定する。この品質情報解析部225は、ネットワーク品質解析部225−aと、ユーザ体感品質推定部225−bとから構成されている。
ネットワーク品質解析部225−aは、アクティブ測定またはパッシブ測定で測定した端末装置23−nにおけるパケットの転送品質に関するデータの統計処理 (測定項目毎に平均や分散を算出)を実施してQoEの推定に必要な情報へ加工する。
ユーザ体感品質推定部225−bは、ネットワーク品質解析部225−aによって加工された情報を用いてQoEを推定する。
品質データ保存部226は、ユーザ体感品質推定部225−bによって推定されたQoEを示す情報と、ネットワーク品質解析部225−aによって得られた情報とを保存して、品質劣化被疑箇所を特定する際に品質劣化被疑箇所特定部228からの情報の読込みを可能とする。
品質劣化判定部227は、品質情報解析部225によって解析された情報に基づいて、端末装置23−nでのQoEの劣化の有無を判定し、QoEに劣化が発生した場合には、中継装置22と端末装置23−n間での品質劣化の発生の有無を判定する。この品質劣化判定部227は、さらに、平均品質判定部227−aと、品質変動判定部227−bとから構成されている。
平均品質判定部227−aは、品質情報解析部225によって解析されたQoEおよび各品質測定項目 (パケット損失率やジッタの統計処理した値 )の平均値が管理閾値情報として設定される基準値よりも低い場合、品質劣化がありと判断し、一方、品質情報解析部225によって解析されたQoEおよび各品質測定項目の平均値が同等もしくは高い場合、品質劣化は発生していないと判断する。
品質変動判定部227−bは、平均品質判定部227−aで品質劣化が発生していると判断された場合、推定したQoEの変動幅および測定した各項目の変動幅が、管理閾値情報として設定される基準値よりも大きい場合、ホームネットワークのいずれかの通信路において品質劣化が発生したと仮定し、推定したQoEの変動幅および測定した各項目の変動幅が基準値と同等もしくは小さい場合、品質劣化被疑箇所が広域通信網1−Aであると仮定する。
品質劣化被疑箇所特定部228は、品質劣化判定部227によって品質劣化がありと判定された際に、品質情報解析部225によって解析されたデータと品質データ保存部226に保存されたデータとを用いて品質劣化要因および品質劣化被疑箇所を特定する。
品質劣化被疑箇所特定部228は、さらに、品質データ読込部228−aと、品質状態比較部228−bと、要因特定部228−cと、劣化被疑箇所特定部228−dと、特定結果送信部228−eとから構成されている。
品質データ読込部228−aは、品質データ保存部226から測定対象である端末装置23−nとは異なる端末装置の品質情報 (測定結果)を読込み、また、他の端末装置の品質情報が存在しない場合 (他の受信端末が接続されていない場合)では、品質劣化判定部227によって仮定された結果を品質劣化要因および品質劣化被疑箇所と特定する。
品質状態比較部228−bは、測定対象である端末装置23−nと他の端末装置との品質劣化判定部227において利用した品質判定項目の平均値と変動幅について比較し、品質差の有無を確認する。
要因特定部228−cは、品質劣化判定部227によって仮定された品質劣化要因 (品質差があった測定項目)を品質劣化要因であると特定する。
劣化被疑箇所特定部228−dは、品質状態比較部228−bによって品質差が存在することが確認された場合、品質劣化判定部227によって仮定された品質劣化被疑箇所を品質劣化被疑箇所と特定し、また、品質差が存在しないことが確認された場合、品質劣化被疑箇所は、広域通信網1−Aであると特定する。
特定結果送信部228−eは、要因特定部228−cと劣化被疑箇所特定部228−dとにおいて特定された品質劣化要因と劣化被疑箇所とをパケット化してパケット送受信部221に送信させる。
<端末装置23−nに組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−3−nの構成>
続いて、図7に示すように、端末装置23−nに組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−3−nは、パケット送受信部231と、パケット分別部232と、品質管理項目・閾値設定部233と、受信品質解析部234と、受信端末品質情報レポート部235とから構成されている。
なお、本実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置20−3−nは、ホームネットワークの構成要素である複数の端末装置23−1〜23−nの少なくとも一つに組み込まれており、必ずしも全ての端末装置23−1〜23−nに組み込まれていなくても良い。
パケット送受信部231は、情報通信システム2において提供される情報通信サービスの実行中に送受信されるパケットと、品質管理項目や品質判定閾値が設定される管理閾値情報パケットとを取得する。また、パケット送受信部221は、後述する受信端末品質情報レポート部で作成されたパケットを送信する。
パケット分別部232は、情報通信システム2における情報通信サービスの実行中に送受信されるパケットと管理閾値情報パケットとを分別する。このパケット分別部232は、さらに、管理閾値情報判定部232−aと、管理対象パケット判定部232−bとから構成されている。
管理閾値情報判定部232−aは、パケット送受信部231によって受信されたパケットが、管理閾値情報パケットであることを認識した場合、中継装置22の測定方式判定部223による処理へ移行する。
管理対象パケット判定部232−bは、パケット送受信部2231によって受信されたパケットが、情報通信サービスの実行中に送受信されるパケットのうち、品質測定対象パケットであることを認識した場合、後述する受信品質解析部234の処理に移行する。
品質管理項目・閾値設定部233は、管理閾値情報パケットを受信した際に、品質測定開始準備として、受信した管理閾値情報パケットの情報に基づいて品質管理項目および管理閾値を設定する。
受信品質解析部234は、情報通信システム2における情報通信サービスの実行中に送受信される品質測定対象パケットを受信した際に、パケット転送品質を解析してユーザ体感品質を推定する。この受信品質解析部234は、さらに、ホームネットワーク品質解析部234−aと、ユーザ体感品質推定部234−bとから構成されている。
ホームネットワーク品質解析部234−aは、パッシブ測定により取得したデータに対し統計処理 (測定項目毎に平均や分散を算出)を実施してQoEの推定に必要な情報に加工する。
ユーザ体感品質推定部234−bは、ネットワーク品質解析部234−aによって加工された情報を用いてQoEを推定する。
受信端末品質情報レポート部235は、受信品質解析部234によって解析されたネットワーク品質情報と推定されたQoEとを示す情報を中継装置22に転送するためにパケット化して、パケット送受信部231に送信させる。
本実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置20は、情報通信システム2の情報通信サービス提供装置21と中継装置22と端末装置23−1〜23−nのそれぞれに組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−1〜20−3−nの各構成要素が連携することにより、情報通信システム2における情報通信サービスに対するQoEの劣化要因および劣化該当箇所を特定する。
なお、本実施の形態にかかる情報通信サービス提供装置21、中継装置22、端末装置21−nのそれぞれに組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−1〜20−3−nの上述した各構成要素は、ユーザ体感品質監視装置20−1〜20−3−nのハードウェア構成であるCPU(中央演算装置)やメモリ、インターフェースからなるコンピュータに、コンピュータプログラムをインストールすることによって実現され、上述した構成要素の各種機能は、上記コンピュータの各種ハードウェア資源と上記コンピュータプログラム(ソフトウェア)とが協働して実現される。
<ユーザ体感品質監視装置20の動作>
次に、本実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置20のQoEの劣化要因の特定動作および劣化該当箇所の特定動作について、情報通信システム2の情報通信サービス提供装置21と中継装置22と端末装置23−1〜23−nとにそれぞれ組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−1〜20−3毎にフローチャートを参照して説明する。
<情報通信サービス提供装置21に組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−1の動作>
まず、情報通信サービス提供装置21に組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−1の動作について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
図8に示すように、サービス管理者によって設定される管理対象サービスおよび品質管理ポリシー(QoEの管理レベルを決定するための品質管理閾値。例えば、QoEの管理レベルをMOS値3(5段階中の3)で管理する等の情報)が入力されると(S201)、管理対象情報取得部211は、管理対象情報を取得する(S202)。
管理対象情報取得部211によって管理対象情報が取得されると、管理閾値決定部213は、管理閾値保存部212によって保存された管理対象サービスと管理ポリシーに基づいた品質測定を実施する項目(例えば、パケット損失率)や品質管理閾値 (例えば、パケット損失率が予め定めた割合を超えた場合に警報を発する)を管理閾値保存部212から取得する(S203〜S204)。
具体的には、管理閾値読込部213−aと、管理項目決定部213−bと、品質管理閾値決定部213−cとによって実行される。各機能部で実施する事項は以下である。
管理閾値読込部213−aにおいて、管理閾値保存部212より管理対象サービスおよび管理ポリシーに応じた品質測定項目と、ユーザ体感品質劣化を判定するための各測定項目に応じた閾値を読み込む。具体的には、パケット損失率やジッタ等が測定項目として存在し、管理閾値はそれぞれの平均値や変動量が設定される。
管理項目決定部213−bにおいて、管理閾値読込部213−aで読み込んだ情報から品質測定項目を決定する。ここで、測定項目は1つのみではなく、測定対象に応じて複数の測定項目を決定しても良い。
品質劣化判定基準値決定部213−cにおいて、管理対象情報取得部211で取得した品質管理ポリシーに基づいて決定されたユーザ体感品質の劣化を判定する閾値を用いて管理項目決定部213−bにおいて決定した品質測定項目の管理閾値を決定する。
また、管理閾値決定部213によって品質測定項と目品質測定項目の管理閾値とが決定されると、管理閾値決定部213は、品質管理対象サービスに対する品質測定項目とQoEの管理目標値とに応じた品質測定項目の管理閾値が対となった一覧表をデータベースとして管理閾値保存部212へ保存する(S204)。
管理閾値決定部213によって品質測定項目および管理閾値が決定されると、管理閾値設定部214は、管理閾値決定部213によって決定した品質測定項目および管理閾値の情報をホームネットワークに存在するHGW(中継装置22)に転送するためパケット化して(S205)、パケット送受信部215にホームネットワークに存在するHGW(中継装置22)へ転送させる(S206)。
その後、ホームネットワークに存在するHGW(中継装置22)から品質測定情報や品質測定結果に関するパケットが送信されると(S207)、パケット送受信部215は、HGW(中継装置22)より転送された品質測定情報や品質測定結果に関する全てのパケットを収集する(S208)。
HGW(中継装置22)より転送された品質測定情報や品質測定結果に関するパケットが受信されると、ユーザ体感品質劣化要因・被疑箇所解析部217は、管理対象サービスのQoE劣化要因と劣化被疑箇所とを特定する。QoE劣化要因と劣化被疑箇所との特定は、以下の機能部によって実現される。
品質レポート読込部217−aは、パケット送受部215によって受信されたパケットよりHGW(中継装置22)からレポートされた品質測定情報 (測定結果)を読み込む(S209)。
蓄積品質データ参照部217−bは、品質データ保存部216より対象のHGW(中継装置22)の過去の品質測定情報や対置された他の中継装置(他のユーザ)の品質情報である蓄積品質データを読み込む(S209)。
品質測定情報と蓄積品質データが読み込まれると、劣化被疑箇所比較判定部217−cは、品質レポート読込部217−aと蓄積品質データ参照部217−bとによって読み込まれた品質測定情報と蓄積品質データとを比較する(S210〜S211)。
まず、測定対象HGW(中継装置22)の品質測定情報が対置され他の中継装置から受信した品質測定情報よりQoEもしくは対象測定項目の品質が低いか否かを比較する(S210)。
対置された他の中継装置よりも品質が高いもしくは同等の場合(S210で「No」)、劣化被疑箇所比較判定部217−cは、広域通信網1−Aが品質劣化被疑箇所であると判定する(S214)。
一方、対象測定項目の品質が低い場合(S210で「Yes」)、測定対象のHGW(中継装置22)の過去の品質測定結果(蓄積品質データ)と品質測定情報とを比較する(S211)。
蓄積品質データよりも品質が低い場合(S211で「Yes」)、HGW(中継装置22)がレポートしてきた品質劣化要因および劣化被疑箇所が品質劣化要因および被疑箇所であると特定する(S212)。
蓄積品質データと同等もしくは高い場合(S211で「No」)、ホームネットワークを構成するネットワーク装置が品質劣化要因および被疑箇所であると特定する(S213)。
劣化被疑箇所比較判定部217−cによって品質劣化要因および被疑箇所が特定されると、判定結果保存部217−dは、劣化被疑箇所比較判定部217−cによって特定されたQoE劣化要因と品質劣化被疑箇所の情報と、その特定に利用した品質測定情報(測定結果)を品質データ保存部216に保存する(S215)。
ここで、品質データ保存部216に保存される品質測定情報は、対置された他の中継装置の品質測定情報や測定対象の中継装置の過去の品質測定結果として、蓄積品質データ参照部217−bにより参照され比較評価されることで、品質劣化要因や品質劣化被疑箇所を特定できるデータとすることができる。
品質データ保存部216に品質測定情報が保存されると、品質劣化被疑箇所表示部218は、ユーザ体感品質劣化要因・被疑箇所解析部217によって特定されたQoE劣化要因と劣化被疑箇所とを、サービスを管理する保守者 (オペレータ)に識別可能に表示する(S216)。
<中継装置22に組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−2の動作>
続いて、中継装置(HGW)22に組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−2の動作について、図9〜図10に示すフローチャートを参照して説明する。
図9に示すように、情報通信サービス提供装置21や端末装置23−1〜23−nから管理閾値情報パケットや品質測定対象パケットが転送されると(S301)、送受信部221は、これら管理閾値情報パケットや品質測定対象パケット全てを受信する(S302)。
送受信部221によって管理閾値情報パケットや品質測定対象パケットが受信されると、パケット分別部222は、パケット送受部221によって受信されたパケットが、管理閾値情報であるか品質測定対象パケットであるかを判別する(S303〜S304)。判別は、以下の機能部により実現される。
管理閾値情報判定部222−aは、パケット送受信部221によって受信されたパケットが、管理閾値情報であることを認識した場合(S303で「Yes」)、測定方式判定部223の処理に移行する。
管理対象パケット判定部222−bは、パケット送受信部221によって受信されたパケットが、品質測定対象パケットであることを認識した場合(S304で「Yes」)、品質情報解析部225の処理に移行する。
測定方式判定部は、パケット分別部222によって管理閾値情報を受信したと認識した際に(S303で「Yes」)、品質測定開始準備として品質測定方式を選定し、管理閾値情報に基づいて品質管理閾値を設定する。また、選定した方式で品質測定を開始する。品質測定方式の選定から実行については、以下の機能部により実現される。
測定方法決定部223−aは、アクティブ測定を実施するか否かを判定する(S305)。次に、アクティブ測定を実施しない場合(S305で「No」)、パッシブ測定を実施するか否かを判定する(S308)。いずれの測定も実施しないと判定された場合(S308で「No」)、品質測定を中止する。
また、アクティブ測定またはパッシブ測定を実施するか否かの判定は、測定対象サービスの情報通信サービス受信端末にパッシブ測定によって品質レポートを実現する機能が実装されているか否かに依存する。そのため、品質管理閾値情報より選択された品質測定対象に応じてパッシブ測定の実施を決定することができる。ただし、事前に実施する測定方式をHGW(中継装置22)に設定していても良い。
管理閾値情報設定部223−dは、測定方法決定部223−aで選択された測定方法の品質管理閾値 (品質測定項目、測定周期、品質劣化判定閾値 )等を管理閾値情報に基づいて設定し(S309)、アクティブ測定実行部223−bによってアクティブ品質測定が、パッシブ測定実行部223−cによってパッシブ品質測定が開始される(S310)
ここで、管理閾値情報設定部223−dによって設定された情報に基づいてアクティブ品質測定部224が実行するアクティブ測定は以下の機能部で実行される。
測定用パケット作成部224−aは、品質測定用のパケットを作成する(S306)。品質測定用のパケットの作成は、対象サービスのトラヒックを模擬したパケットサイズを設定する。
パケット送信部224−bは、管理閾値情報設定部223−dで設定されたパケット送信間隔で生成した品質測定用のパケットを測定対象である端末装置23−nへパケット送受信部221から送信させる(S307)。
パケット分別部222によって測定対象サービスのパケットが受信されたと認識されると(S304で「Yes」)、品質情報解析部225は、アクティブおよびパッシブに測定された品質情報を解析してQoEを推定し(S312)、その解析結果を品質データ保存部226に保存する(S313)。品質情報の解析は、以下の機能部によって実行される。
ネットワーク品質解析部225−aは、アクティブもしくはパッシブで測定したデータの統計処理 (測定項目毎に平均や分散を算出 )を実施し、QoEの推定に必要な情報に加工する。測定データの加工は、特許文献1または特許文献2に開示されている技術を用いて行うことができる。
ユーザ体感品質推定部225−bは、ネットワーク品質解析部225−aによって加工された情報を用いてQoEを推定する。また、推定したQoEを示す情報とネットワーク品質解析部225−aによって得られた情報とを品質データ保存部226に保存する。
ここで、品質データ保存部226に保存される品質情報解析部225で得られた情報は、品質劣化被疑箇所を特定する際に、品質劣化被疑箇所特定部228より読み込み可能な情報とすることができる。
品質情報解析部225によって推定されたQoEが保存されると、図10に示すように、品質劣化判定部227は、品質情報解析部225によって解析された情報に基づいて、測定対象である端末装置23−nでのQoEの劣化の有無と、HGW(中継装置22)と端末装置23−n間での品質劣化の発生の有無とを判定する(S314〜S315)。判定は、以下の機能部によって実行される。
平均品質判定部227−aは、品質情報解析部225で解析したQoEおよび各品質測定項目 (パケット損失率やジッタ等の統計処理した値 )の平均値が、管理閾値情報として設定される基準値よりも低い場合(S314で「Yes」)、品質劣化がありと判断する。また、推定したQoEおよび各品質測定値の平均値が基準値と同等もしくは高い場合(S314で「No」)、品質劣化は発生していないと判断する(S318)。
品質変動判定部227−bは、平均品質判定部227−aによって品質劣化が発生していると判断された場合(S314で「Yes」)、推定されたQoEの変動幅および測定された各項目の変動幅と管理閾値情報で設定される基準値とを比較し(S315)、基準値よりも大きい場合(S315で「No」)、ホームネットワーク(中継装置22と端末装置23−1〜23−n間)で品質劣化が発生したと仮定する(S316)。
また、推定されたQoEおよび書く測定項目の測定値の変動幅が、基準値と同等もしくは小さい場合(S315で「Yes」)、品質劣化被疑箇所が広域通信網1−Aであると仮定する(S317)。
品質劣化判定部227によって品質劣化の有無が判定されると、品質劣化被疑箇所特定部228は、他の情報通信サービス受信端末の品質測定情報と比較して測定対象の情報通信サービス受信端末の品質劣化要因および品質劣化被疑箇所を特定し、その結果をサービス品質監視装置へ転送する(S319〜S326)。品質劣化要因および品質劣化被疑箇所の特定は、以下の機能部によって実行される。
品質データ読込部228−aは、品質データ保存部226より測定対象とは異なる端末装置の品質情報 (測定結果)を読込む(S319)。
この際、他の端末装置の品質情報が存在しない場合、または、他の受信端末が接続されていない場合(S320で「No」)は、品質劣化判定部227によって仮定した結果を品質劣化要因および品質劣化被疑箇所と特定する(S322)。
品質状態比較部228−bは、品質劣化判定部227で利用した品質判定項目の平均値と変動幅について測定対象である端末装置23−nと他の端末装置とを比較し、品質差の有無を確認する(S321)。ここで、品質差の有無の判定基準は、管理閾値情報に設定されているものとすることができる。
品質状態比較部228−bによる比較の結果、品質差が存在した場合(S321で「Yes」)、劣化被疑箇所特定部228−dは、品質劣化判定部227によって仮定された品質劣化被疑箇所を品質劣化被疑箇所と特定する(S322)。
一方、品質差がなかった場合(S321で「No」)、品質劣化被疑箇所は広域通信網1−Aであると特定する(S323)。
要因特定部228−cは、品質劣化判定部227によって仮定された品質劣化要因 (品質差があった測定項目)を品質劣化要因であると特定する(S324)。
品質劣化被疑箇所および品質劣化要因が特定されると、特定結果送信部228−eは、劣化被疑箇所特定部228−dと要因特定部228−cとによって特定された劣化被疑箇所と品質劣化要因とをパケット化し(S325)、情報通信サービス提供装置21へ送信する(S326)。
<端末装置23−nに組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−3−nの動作>
続いて、端末装置23−1〜23−nに組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−3−nの動作について、図11に示すフローチャートを参照して説明する。
図11に示すように、中継装置22から管理閾値情報パケットや品質測定対象パケットが転送されると(S401)、パケット送受信部231は、これら管理閾値情報パケットや品質測定対象パケット全てを受信する(S402)。
パケット送受信部231によってパケットが受信されると、パケット分別部232は、パケット送受信部によって受信されたパケットのうち、管理閾値情報パケットであるか品質測定対象パケットであるかを判別する(S403〜S405)。判別は以下の機能部によって実現される。
管理閾値情報判定部232−aは、パケット送受信部231によって受信されたパケットが、管理閾値情報パケットであることを認識した場合(S403で「Yes」)、中継装置22の測定方式判定部223の処理に移行する(S404)。
ここで、品質管理項目・閾値設定部233は、パケット分別部232によって管理閾値情報を認識した際に、品質測定開始準備として受信した管理閾値情報に基づいて品質管理閾値を設定し、中継装置によってアクティブ測定による品質測定が開始される。
管理対象パケット判定部232−bは、パケット送受信部231によって受信されたパケットが、品質測定対象パケットであることを認識した場合(S405で「Yes」)、受信品質解析部234の処理に移行する(S407〜S408)。
管理対象パケット判定部232−bによって品質測定対象パケットが認識されると、受信品質解析部234は、自装置(端末装置23−n)によってパッシブ測定によって測定された品質情報を解析してQoEを推定する。推定および解析は、以下の機能部によって実行される。
ネットワーク品質解析部234−aは、パッシブ測定によって取得した測定データの統計処理 (測定項目毎に平均や分散を算出)を実施し、QoEの推定に必要な情報に加工する(S407)。測定データの加工は、特許文献1または特許文献2に開示されている技術を用いて行うことができる。
ユーザ体感品質推定部234−bは、ネットワーク品質解析部234−aで加工した情報を用いてQoE品質を推定する(S408)。
受信品質解析部234によって品質情報が解析されQoEが推定されると、受信端末品質情報レポート部235は、受信品質解析部234によって解析されたネットワーク品質情報と推定QoEを示す情報とを中継装置22に転送可能とするためパケット化して(S409)、中継装置22へパケット化したネットワーク品質情報とユーザ体感品質情報をパケット送受信部に転送させる(S410)。
<品質劣化要因および品質劣化被疑箇所の特定手法の具体例>
ここで、本実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置20による品質劣化要因および品質劣化被疑箇所の特定手法について、具体的に説明する。
ユーザ体感品質監視装置20は、情報通信サービスにおいて、ホームネットワークに配置される複数の端末装置23−1〜23−nおよび中継装置22でのQoEを推定するとともにネットワーク品質(パケットの転送品質)を測定し、これら品質の平均値と変動幅によってホームネットワークでの品質劣化被疑箇所と品質劣化要因とを特定する。
ここでは、中継装置22に組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−2の品質劣化被疑箇所特定部228による 品質劣化要因および品質劣化被疑箇所の特定手法について説明する。この品質劣化要因および品質劣化被疑箇所の特定手法の具体例を図12〜図15に示す。
図12は、測定項目をジッタとしたパッシブ測定による、無線通信によって中継装置22と接続される端末装置23−mのおいてQoEの劣化を検知した際の品質劣化被疑箇所を特定する手法の一例を示している。
図12に示すジッタ測定に基づく品質劣化被疑箇所の特定手法の一例は、中継装置22に組み込まれたユーザ体感品質監視装置20−2によって品質測定対象を無線通信によって中継装置22と接続された端末装置23−mとして品質劣化被疑箇所を特定した一例である。また、図12に示す品質劣化被疑箇所の特定において用いる中継装置23および他の有線通信によって中継装置22と接続された受信端末23−nの品質情報は、中継装置22の品質データ保存部226より読み込んだ品質情報とする。
まず、ホームネットワークにおいて無線通信によって中継装置22と接続された端末装置23−mのジッタの測定結果、中継装置22のジッタの測定結果、有線通信によって中継装置22に接続された他の端末装置23−nのジッタの測定結果を品質データ読込部228−aが読み込む。読み込んだデータを図12の一段目に示す。
中継装置22と測定対象である端末装置23−m間の品質状態を確認するため、測定対象である無線通信によって中継装置22に接続された端末装置23−mのジッタと中継装置22のジッタとの差分、有線通信によって中継装置22に接続された他の端末装置23−nのジッタと中継装置22のジッタとの差分を品質状態比較部228−bが導出する。導出したジッタの差分データを図12の二段目に示す。
図12の二段目に示すジッタの差分データから、無線通信によるパケット通信区間に品質変動があることが識別できるため、劣化被疑箇所特定部228−dは、無線通信によるパケット通信区間を品質劣化被疑箇所と仮定する。
さらに、劣化被疑箇所特定部228−dは、無線通信によるパケット通信区間と有線通信によるパケット通信区間のジッタの差分を導出して、無線通信によるパケット通信区間の品質変動が大きいことを確認して、品質劣化被疑箇所が無線通信によるパケット通信区間であると特定する。導出した無線通信によるパケット通信区間と有線通信によるパケット通信区間とのジッタの差分を図12の三段目に示す。
また、図13および図14は、中継装置22から無線通信により中継装置22に接続された端末装置23−mと、有線通信により中継装置22に接続された端末装置23−nとに対してパケット往復転送遅延を測定する測定用パケットを送信し、アクティブ測定によって各々の区間の往復パケット転送遅延を取得して、この測定結果に基づくQoEの品質変動の監視結果の一例を示したものである。
図13は、中継装置22によってアクティブ測定により取得された無線通信によるパケット通信区間(無線区間)と有線通信によるパケット通信区間(有線区間)との往復パケット転送遅延の測定結果データを示している。図13によれば、無線区間と有線区間とで品質変動に違いがあることが分かる。
しかしながら、アクティブ測定により取得した往復転送遅延では、QoEへの影響を定量化できない場合もあるため、特許文献1または特許文献2に開示されている技術を用いて、所定の基準値よりも転送時間の変動が大きいパケットをQoEと相関の高い尺度である端末装置で廃棄されるパケットと仮定して、データを変換することができる。
図14は、転送遅延変動データを変換し、転送遅延変動によって端末装置23−mおよび端末装置23−nで廃棄されたパケットを推定したデータを示している。図14に示すような変換されたデータに基づいて、品質変動(品質劣化)を判定しても良い。この変換により、QoEの品質変動を検出することができる。また、品質変動の判定には変動幅のみではなく、変動の経過時間も品質劣化判定閾値として加えても良い。
また、図15に品質変動幅の基準値を決定する一例を示す。
情報通信サービスのメディアに対してユーザが体感する品質(QoE)は、符号化方式やネットワーク品質だけではなく再生されるコンテンツ内容にも依存する。そのため、図15に示す図は、横軸にパケット損失率等のコンテンツ依存性を加味しない品質測定項目、縦軸にユーザ体感品質値の関係を示すことにより、横軸が同一の条件であってもユーザ体感品質値がバラついていることが分かる。
例えば、図15に示すように、品質測定項目とユーザ体感品質との関係を表す回帰曲線を求め、その回帰曲線を用いて同一の品質測定条件でのユーザ体感品質のバラツキ量を品質測定項目尺度の変動量に変換する。この変換された品質測定項目尺度の変動量を品質劣化判定基準値として品質劣化被疑箇所を特定しても良い。
このように、本実施の形態にかかるユーザ体感品質監視装置20によれば、ホームネットワークの構成要素である端末装置で測定した情報を、ホームネットワークと広域通信網とを中継する中継装置で集約し、この中継装置にてQoEの品質劣化要因および品質劣化被疑箇所を仮定し、仮定したQoEの劣化要因および被疑箇所の情報を情報通信サービス提供装置で集約して複数の対置された他の中継装置から受信した品質情報と比較することでQoEの品質劣化要因および品質劣化被疑箇所を遠隔からホームネットワークを構成する端末装置単位で特定することができる。
したがって、ホームネットワークで広く利用される無線LAN等 (網品質が不安定な装置)の通信方式を用いた端末装置における情報通信サービスに対するQoEを遠隔で把握し、QoEの品質劣化が生じた際にその要因と被疑箇所を詳細に特定することができる。
なお、本実施の形態において説明したユーザ体感品質監視装置20は、情報通信システム2を構成する少なくともいずれかの装置または端末に組込まれることを前提としているが、各々の装置または端末に接続する外部装置として実現しても良く、広域通信網または構内通信網に接続される外部装置として実現しても良い。
IPパケット網上で、音声や音響、映像、データを通信するIPTVやIPテレビ電話などのIP技術を利用した情報通信サービスを安定した品質で提供するための品質管理システムに利用可能である。
1,2…情報通信システム、10,20(20−1〜20−3−n)…ユーザ体感品質監視装置、110…取得部、111…分別部、112…抽出部、120…品質推定部、121…解析部、122…QoE推定部、130…生成部、131…劣化検出部、131…特定部、211…管理対象情報取得部、212…管理閾値保存部、213…管理閾値決定部、213−a…管理閾値読込部、213−b…管理項目決定部、213−c…品質劣化判定基準決定部、214…管理閾値設定部、215,221,231…パケット送受信部、216,226…品質データ保存部、217…ユーザ体感品質劣化要因・被疑箇所解析部217、217−a…品質レポート読込部、217−b…蓄積品質データ参照部、217−c…劣化被疑箇所比較判定部、217−d…判定結果保存部、218…品質劣化被疑箇所表示部、222,232…パケット分別部、222−a,232−a…管理閾値情報判定部、222−b,232−b…管理対象パケット判定部、223…測定方式判定部、223−a…測定方法決定部、223−b…アクティブ測定実行部、223−c…パッシブ測定実行部、223−d…管理閾値情報設定部、224…アクティブ品質測定部、224−a…測定用パケット作成部、224−b…測定用パケット送信部、225…品質情報解析部、225−a…ネットワーク品質解析部、225−b,234−b…ユーザ体感品質推定部、227…品質劣化判定部、227−a…平均品質判定部、227−b…品質変動判定部、228…品質劣化被疑箇所特定部、228−a…品質データ読込部、228−b…品質状態比較部、228−c…要因特定部、228−d…劣化被疑箇所特定部、228−e…特定結果送信部、233…品質管理項目・閾値設定部、234…受信品質解析部、234−a…ホームネットワーク品質解析部、235…受信端末品質情報レポート部、11,21…情報通信サービス提供装置、12,22…中継装置(HGW:Home Gateway)、13−1〜13−n,23−1〜23−n…端末装置(Set Top Box)。

Claims (7)

  1. 情報通信サービス提供装置が接続された広域通信網に中継装置を介して接続された構内通信網を介して転送されるパケットの転送品質に関する品質管理情報を取得する取得部と、
    この取得部によって取得された前記品質管理情報に基づいて前記構内通信網に接続される端末装置においてユーザが体感するパケット通信の品質であるユーザ体感品質(QoE)を推定する品質推定部と、
    この品質推定部により推定された前記ユーザ体感品質(QoE)を監視するとともに、前記ユーザ体感品質(QoE)が所定の閾値より劣化したことを検知すると、ユーザ体感品質(QoE)が劣化した要因およびユーザ体感品質(QoE)が劣化した該当箇所を特定した劣化情報を生成する生成部と
    を備えたユーザ体感品質監視装置において、
    前記取得部は、
    前記構内通信網を介して転送される前記パケットの中から前記品質管理情報を含んだ品質管理情報パケットを分別する分別部と、
    この分別部によって分別された品質管理情報パケットに含まれる品質管理情報を抽出して前記品質推定部へ出力する抽出部とを備え、
    前記品質推定部は、
    前記抽出部によって抽出された前記品質管理情報に基づいて前記構内通信網に接続される複数の端末装置への前記パケットの転送品質を前記端末装置毎に導出する解析部と、
    この解析部によって導出された前記端末装置毎の前記転送品質から前記端末装置毎における前記ユーザ体感品質(QoE)を推定するQoE推定部とを備え、
    前記生成部は、
    前記QoE推定部によって推定された前記構内通信網に接続される前記端末装置の少なくとも1つに前記ユーザ体感品質(QoE)の劣化が検出されると、この劣化が検出された前記端末装置のユーザ体感品質(QoE)と前記構内通信網に接続される他の前記端末装置のユーザ体感品質(QoE)とを比較して前記ユーザ体感品質(QoE)が劣化した要因および前記ユーザ体感品質(QoE)が劣化した前記端末装置を特定する特定部
    を備えることを特徴とするユーザ体感品質監視装置。
  2. 請求項に記載のユーザ体感品質監視装置において、
    前記生成部は、前記QoE推定部によって推定された前記ユーザ体感品質(QoE)の平均値と変動幅とを算出し、所定の閾値と比較することにより前記ユーザ体感品質(QoE)が劣化したか否かを検出する劣化検出部をさらに備えることを特徴とするユーザ体感品質監視装置。
  3. 請求項1乃至のいずれかに記載のユーザ体感品質監視装置において、
    前記広域通信網または前記構内通信網の少なくともいずれか一方に接続されることを特徴とするユーザ体感品質監視装置。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載のユーザ体感品質監視装置において、
    前記情報通信サービス提供装置、前記中継装置、前記端末装置の少なくともいずれか一の装置に備えられることを特徴とするユーザ体感品質監視装置。
  5. 情報通信サービス提供装置が接続された広域通信網に中継装置を介して接続された構内通信網を介して転送されるパケットの転送品質に関する品質管理情報を取得する取得ステップと、
    この取得ステップによって取得された前記品質管理情報に基づいて前記構内通信網に接続される端末装置においてユーザが体感するパケット通信の品質であるユーザ体感品質(QoE)を推定する品質推定ステップと、
    この品質推定ステップにより推定された前記ユーザ体感品質(QoE)を監視するとともに、前記ユーザ体感品質(QoE)が所定の閾値より劣化したことを検知すると、ユーザ体感品質(QoE)が劣化した要因およびユーザ体感品質(QoE)が劣化した該当箇所を特定した劣化情報を生成する生成ステップと
    を備えたユーザ体感品質監視方法において、
    前記取得ステップは、
    前記構内通信網を介して転送される前記パケットの中から前記品質管理情報を含んだ品質管理情報パケットを分別する分別ステップと、
    この分別ステップによって分別された品質管理情報パケットに含まれる品質管理情報を抽出する抽出ステップとを備え、
    前記品質推定ステップは、
    前記抽出ステップによって抽出された前記品質管理情報に基づいて前記構内通信網に接続される複数の端末装置への前記パケットの転送品質を前記端末装置毎に導出する解析ステップと、
    この解析ステップによって導出された前記端末装置毎の前記転送品質から前記端末装置毎における前記ユーザ体感品質(QoE)を推定するQoE推定ステップとを備え、
    前記生成ステップは、
    前記QoE推定ステップによって推定された前記構内通信網に接続される前記端末装置の少なくとも1つに前記ユーザ体感品質(QoE)の劣化が検出されると、この劣化が検出された前記端末装置のユーザ体感品質(QoE)と前記構内通信網に接続される他の前記端末装置のユーザ体感品質(QoE)とを比較して前記ユーザ体感品質(QoE)が劣化した要因および前記ユーザ体感品質(QoE)が劣化した前記端末装置を特定する特定ステップと
    を備えることを特徴とするユーザ体感品質監視方法。
  6. 請求項5に記載のユーザ体感品質監視方法において、
    前記生成ステップは、前記QoE推定ステップによって推定された前記ユーザ体感品質(QoE)の平均値と変動幅とを算出し、所定の閾値と比較することにより前記ユーザ体感品質(QoE)が劣化したか否かを検出する劣化検出ステップをさらに備えることを特徴とするユーザ体感品質監視方法。
  7. 広域通信網に接続される情報通信サービス提供装置と、構内通信網に接続される端末装置と、前記広域通信網と前記構内通信網とを中継する中継装置とから構成され、前記端末装置と前記情報通信サービス提供装置との間の前記中継装置を介したパケットの送受信による情報通信サービスを実現する情報通信システムにおいて、
    前記情報サービス提供装置は、請求項1乃至のいずれかに記載のユーザ体感品質監視装置から構成され、
    前記中継装置は、請求項1乃至のいずれかに記載のユーザ体感品質監視装置から構成され、
    前記端末装置は、請求項1乃至のいずれかに記載のユーザ体感品質監視装置から構成され
    ることを特徴とする情報通信システム。
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